JP2006137913A - 光反応性接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体に対しても有効な接着力を発現し、かつ、作業性が簡便な接着剤を提供する。
【解決手段】主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が2以上であるエポキシ樹脂、又は、エポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーの重合物と、光酸発生剤とを含有する光反応性接着剤。
【選択図】 なし
【解決手段】主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が2以上であるエポキシ樹脂、又は、エポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーの重合物と、光酸発生剤とを含有する光反応性接着剤。
【選択図】 なし
Description
本発明は、低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体に対しても有効な接着力を発現し、かつ、作業性が簡便な接着剤に関する。
近年、リサイクル意識の向上やコスト削減の観点から、接着剤が接着する相手(以下、被
着体ともいう)を変更させたり、接着方法を変化させたりすることが行われている。従来
より、ポリオレフィン材料、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンプロピレン共役ジエン共重合体等のようなオレフィン系樹脂や、スチレン・ブタジエン共重合体又はその水素添加物のような低極性ポリマーの各種分野における需要は少なくなかったが、ここ数年、環境保護の目的から、リサイクル可能でより安全な材料への代替という考えのもと、これらの樹脂の需要は急激に伸びつつある。
着体ともいう)を変更させたり、接着方法を変化させたりすることが行われている。従来
より、ポリオレフィン材料、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンプロピレン共役ジエン共重合体等のようなオレフィン系樹脂や、スチレン・ブタジエン共重合体又はその水素添加物のような低極性ポリマーの各種分野における需要は少なくなかったが、ここ数年、環境保護の目的から、リサイクル可能でより安全な材料への代替という考えのもと、これらの樹脂の需要は急激に伸びつつある。
これらのオレフィン系樹脂や低極性ポリマーは、耐薬品性や成形性等の諸物性に優れていることから、電気部品、自動車部品を始め各種用途に積極的に使用されている。しかしながら、これらの樹脂の欠点として、接着又は塗装における密着性が悪いという問題があった。
一方、接着を行う際には被着体表面が清浄化されていることが必要条件であり、被着体表面が汚染されている場合などでは充分な初期接着力が発揮できない場合が多い。このため、高い初期接着力を発現するために有機溶剤や水性洗剤等を用いて被着体表面を充分に洗浄する必要があるが、この洗浄作業には設備のほか、人件費や消耗品費等の経費が掛かり、実際には好ましいものではなかった。例えば、工業的に用いられる金属製被着体には、長いアルキル鎖を有する低極性の有機化合物が大量に含む切削油や防錆油等が付着している場合が多く、このような低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体は接着性が低下し、問題となっていた。
接着剤の作業性についてもコストの観点から改善が求められている。このような作業性の問題を解決するため、作業性が良好な粘着テープの使用が考えられ、特許文献1にはオレフィン被着体、汚染被着体にも使用できるような粘着テープが開示されているが、粘着テープは接着剤とは違ってせん断方向の接着力が小さく使用目的が限られていた。
また、2液硬化型の接着剤の使用も考えられるが、混合の手間、正確な混合量の確認、混合すると使い切らないといけない使用時間の短さ等の観点から敬遠されがちである。
更に、一液硬化型接着剤は長時間の加熱が必要であり、被着体を痛めない条件でなければならないことから、被着体の種類によっては使用することができず、また、熱エネルギーを多く消費するためコストの観点からは望ましくない場合が多い。
一方、光反応性接着剤は、硬化の開始にUV等の光エネルギーを利用するため、混合攪拌の手間が要らず、硬化速度についても一液硬化型接着剤と比べものにならないくらい速いものとなっている。
また、2液硬化型の接着剤の使用も考えられるが、混合の手間、正確な混合量の確認、混合すると使い切らないといけない使用時間の短さ等の観点から敬遠されがちである。
更に、一液硬化型接着剤は長時間の加熱が必要であり、被着体を痛めない条件でなければならないことから、被着体の種類によっては使用することができず、また、熱エネルギーを多く消費するためコストの観点からは望ましくない場合が多い。
一方、光反応性接着剤は、硬化の開始にUV等の光エネルギーを利用するため、混合攪拌の手間が要らず、硬化速度についても一液硬化型接着剤と比べものにならないくらい速いものとなっている。
本発明は、上記現状に鑑み、低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体に対しても有効な接着力を発現し、かつ、作業性が簡便な接着剤を提供することを目的とする。
本発明は、主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が2以上であるエポキシ樹脂、又は、エポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーの重合物と、光酸発生剤とを含有する光反応性接着剤である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、アルキル炭素数及びエポキシ基が所定の数以上のエポキシ樹脂、又は、エポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーの重合物を光反応性接着剤として用いることにより、迅速な硬化による工程時間の短縮や、硬化する際の消費エネルギーの削減を実現しつつ、優れた油面接着性も実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の光反応性接着剤は、主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が2以上であるエポキシ樹脂、又は、エポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーの重合物(以下、これらをまとめて主剤ともいう)を含有する。
上記主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が3以下であると、低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体への接着性が低下する。上記1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が1以下であると、光硬化性が発現されず、迅速な硬化による工程時間の短縮や、硬化する際の消費エネルギーの削減を実現することができない。
上記主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が3以下であると、低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体への接着性が低下する。上記1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が1以下であると、光硬化性が発現されず、迅速な硬化による工程時間の短縮や、硬化する際の消費エネルギーの削減を実現することができない。
なお、本明細書において、上記1分子中のエポキシ基の数平均官能基数とは、単官能、二官能又は3以上の官能基の数を平均した値である。また、主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計とは、nが0以上の繰り返し単位中において、側鎖のアルキル炭素が主鎖のアルキル炭素に直接連結している場合の合計をいい、炭素以外の元素を介して連結するような場合や炭素−炭素二重結合を介するような場合は含まれない。
上記主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が2以上であるエポキシ樹脂としては特に限定されず、例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER社製)、t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)、1,4−ブタンジオールを用いてなるエポキシ樹脂(四日市合成社製)、1,6−ヘキサンジオールを用いてなるエポキシ樹脂(四日市合成社製)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールを用いてなるエポキシ樹脂(四日市合成社製)、ネオペンチルグリコールを用いてなるエポキシ樹脂(日本油脂社製)等が挙げられる。
上記エポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーの重合物としては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化アクリル樹脂等が挙げられる。
本発明の光反応性接着剤は、上記主剤に加え、主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中の1級水酸基数の数平均官能基数が2以上であるアルコールを含有することが好ましい。上記主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、分子内の1級水酸基数が数平均で2以上であるアルコールは、低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体への接着性がより優れたものとなる。
上記主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中の1級水酸基数の数平均官能基数が2以上であるアルコールとしては特に限定されず、例えば、水添ビスフェノールA、t−Buカテコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリブチレングリコール等が挙げられる。
上記主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中の1級水酸基数の数平均官能基数が2以上であるアルコールの含有量としては特に限定されないが、上記主剤100重量部に対して好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。1重量部未満であると、低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体への接着性が不充分となることがあり、50重量部を超えると、光硬化性が発現しないことがある。
本発明の光反応性接着剤は、更に、エチレン性不飽和モノマーの重合物からなる樹脂微粒子を含有することが好ましい。エチレン性不飽和モノマーの重合物からなる樹脂微粒子を含有することにより、低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体への接着性がより優れたものとなる。
上記エチレン性不飽和モノマーの重合物からなる樹脂微粒子の含有量としては特に限定されないが、上記主剤100重量部に対して好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。1重量部未満であると、低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体への接着性が不充分となることがあり、50重量部を超えると、柔らかくなりすぎて接着性が低下することがある。
本発明の光反応性接着剤は、更に、主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が1であるエポキシ樹脂を含有することが好ましい。上記主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、分子内のエポキシ基数が数平均で1であるエポキシ樹脂を含有することにより、被着体の表面にアルキル基の部分が集まりやすいので密着性が良くなり、低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体への接着性がより優れたものとなる。
上記主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が1であるエポキシ樹脂としては特に限定されず、例えば、ラウリルアルコールEO10を用いてなるエポキシ樹脂(ナガセ社製)、2−エチルヘキサン酸を用いてなるモノエポキシ樹脂(四日市合成社製)、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(日本油脂社製)、デシルグリシジルエーテル(日本油脂社製)、ステアリルグリシジルエーテル(日本油脂社製)等が挙げられる。
上記主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が1であるエポキシ樹脂の含有量としては特に限定されないが、上記主剤100重量部に対して好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。1重量部未満であると、低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体への接着性が不充分となることがあり、50重量部を超えると、逆に光硬化性が不充分となることがある。
本発明の光反応性接着剤は、更に、末端にシリル基を有するエポキシ化合物を含有することが好ましい。上記末端にシリル基を有するエポキシ化合物を含有することにより、シリル基の界面活性剤としての機能を有することができ、金属表面の微量の水分と反応し接着性を向上させることができる。
上記末端にシリル基を有するエポキシ化合物としては特に限定されず、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記末端にシリル基を有するエポキシ化合物の含有量としては特に限定されないが、上記主剤100重量部に対して好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部であ
る。0.1重量部未満であると、低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体への接着性が不充分となることがあり、10重量部を超えると、逆に接着性が低下することがある。
る。0.1重量部未満であると、低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体への接着性が不充分となることがあり、10重量部を超えると、逆に接着性が低下することがある。
本発明の光反応性接着剤は、光酸発生剤を含有する。
本発明において使用される光酸発生剤は、光が照射されることにより活性化し、エポキシ樹脂の開環重合を引き起こす物質である。
本発明において使用される光酸発生剤は、光が照射されることにより活性化し、エポキシ樹脂の開環重合を引き起こす物質である。
上記光酸発生剤としては、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩又はオニウム塩等が挙げられる。これらの中では、スルホニウム塩が好ましく、上記スルホニウム塩の中でも、特に芳香族スルホニウム塩が好ましい。芳香族スルホニウム塩としては、例えば、米国特許第4256828号に開示されているものが挙げられ、具体的に例えば、トリフェニルスルホニウム塩、メチルジフェニルスルホニウム塩、ジメチルフェニルスルホニウム塩、ジフェニルナフチルスルホニウム塩又はジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウム塩等が挙げられる。
上記芳香族スルホニウム塩の中では、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF6−)を対アニオンとして有している芳香族スルホニウム塩が好ましく、例えば、米国特許第4256828号に開示されているものが挙げられ、具体的に例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、メチルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルナフチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート又はジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。対アニオンとして、PF6−を有する芳香族スルホニウム塩は、硬化開始に有効な光を遮断した状態で接着剤を加熱溶融させた時(例えば、接着剤を製造する時に加熱溶融させた樹脂に対して光酸発生剤を投入した後やホットメルト接着剤として塗工するために加熱溶融された時)の加熱安定性が優れているという利点を有する。ここでいう「加熱安定性」とは、加熱だけでは、光酸発生剤がエポキシ樹脂の開環重合を起こしにくい、又は、少ししか起こさないという意味である。
このようなPF6−を対アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩として、市販されているものとしては、例えば、商品名;SP−150(旭電化工業社製)、商品名;サイラキュアUVI−6990(ユニオンカーバイド社製)等が挙げられる。
このようなPF6−を対アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩として、市販されているものとしては、例えば、商品名;SP−150(旭電化工業社製)、商品名;サイラキュアUVI−6990(ユニオンカーバイド社製)等が挙げられる。
上記光酸発生剤の含有量としては特に限定されないが、上記主剤100重量部に対して好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。0.1重量部未満であると、光硬化性が低下し、10重量部を超えると、樹脂の割合が低下し、接着性に影響する。
本発明の光反応性接着剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で硬化遅延剤、密着性向上剤、増感剤、脱水剤、老化防止剤、安定剤、可塑剤、ワックス、充填剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、防かび剤、粘度調整剤等の添加剤を含有してもよい。また、これら添加剤は併用してもよい。
本発明の光反応性接着剤の製造方法については、配合する各成分を混合し均一に分散し得る限り、特に限定されない。
また、固形原料を使用する場合においては、使用材料が溶融し得る適度な加熱条件下で各成分を混合するのが好ましい。好ましい製造方法の一態様としては、例えば、各種配合成分を、ヘンシェルミキサー等を用いて乾式混合後、ニーダー、エクストルーダー等により、110℃以下で溶融混合処理を施す方法等が挙げられる。
また、固形原料を使用する場合においては、使用材料が溶融し得る適度な加熱条件下で各成分を混合するのが好ましい。好ましい製造方法の一態様としては、例えば、各種配合成分を、ヘンシェルミキサー等を用いて乾式混合後、ニーダー、エクストルーダー等により、110℃以下で溶融混合処理を施す方法等が挙げられる。
また、本発明の光反応性接着剤をホットメルトとする場合は、製造に際しての各成分の混
合分散は無溶媒で行ってもよいし、又は、不活性溶媒中で行ってもよい。該不活性溶媒としては、例えばジエチルエーテル、クロロホルム、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶媒を使用した場合は、各成分を混合した後に、減圧下、溶媒を留去することが好ましい。また、各成分を混合する場合、無水条件下で混合することが好ましい。
更に、本発明の光反応性接着剤を製造する際は、硬化開始に有効な光を遮断した状態で行うことが好ましい。
合分散は無溶媒で行ってもよいし、又は、不活性溶媒中で行ってもよい。該不活性溶媒としては、例えばジエチルエーテル、クロロホルム、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶媒を使用した場合は、各成分を混合した後に、減圧下、溶媒を留去することが好ましい。また、各成分を混合する場合、無水条件下で混合することが好ましい。
更に、本発明の光反応性接着剤を製造する際は、硬化開始に有効な光を遮断した状態で行うことが好ましい。
本発明によれば、低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体に対しても有効な接着力を発現し、かつ、作業性が簡便な接着剤を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が2以上であるエポキシ樹脂として、t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)100重量部、光酸発生剤としてUVI6990(ユニオンカーバイド社製)3重量部を混練機にて攪拌混合し、接着剤を作製した。
主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が2以上であるエポキシ樹脂として、t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)100重量部、光酸発生剤としてUVI6990(ユニオンカーバイド社製)3重量部を混練機にて攪拌混合し、接着剤を作製した。
(実施例2)
t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)の添加量を70重量部とし、エポキシ化ポリブタジエン(ダイセル化学社製、エポリードPB3600)を30重量部添加した以外は実施例1と同様にして接着剤を製造した。
t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)の添加量を70重量部とし、エポキシ化ポリブタジエン(ダイセル化学社製、エポリードPB3600)を30重量部添加した以外は実施例1と同様にして接着剤を製造した。
(実施例3)
t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)の添加量を90重量部とし、主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中の1級水酸基数の数平均官能基数が2以上であるアルコールとして、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(和光純薬社製)10重量部を添加した以外は実施例1と同様にして接着剤を製造した。
t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)の添加量を90重量部とし、主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中の1級水酸基数の数平均官能基数が2以上であるアルコールとして、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(和光純薬社製)10重量部を添加した以外は実施例1と同様にして接着剤を製造した。
(実施例4)
t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)の添加量を70重量部とし、微粒子状のエチレン性不飽和モノマーの重合物(三菱レイヨン社製、メタブレンC−132)30重量部を添加した以外は実施例1と同様にして接着剤を製造した。
t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)の添加量を70重量部とし、微粒子状のエチレン性不飽和モノマーの重合物(三菱レイヨン社製、メタブレンC−132)30重量部を添加した以外は実施例1と同様にして接着剤を製造した。
(実施例5)
t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)の添加量を97重量部とし、主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が1であるエポキシ樹脂としてステアリルグリシジルエーテル(日本油脂社製、エピオールSK)3重量部を添加した以外は実施例1と同様にして接着剤を製造した。
t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)の添加量を97重量部とし、主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が1であるエポキシ樹脂としてステアリルグリシジルエーテル(日本油脂社製、エピオールSK)3重量部を添加した以外は実施例1と同様にして接着剤を製造した。
(実施例6)
t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)の添加量を97重量部とし、末端にシリル基を有するエポキシ化合物として3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、KBM−403)3重量部を添加した以外は実施例1と同様にして接着剤を製造した。
t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)の添加量を97重量部とし、末端にシリル基を有するエポキシ化合物として3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、KBM−403)3重量部を添加した以外は実施例1と同様にして接着剤を製造した。
(実施例7)
t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)の添加量を50重量部とし、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル50重量部を添加した以外は実施例1と同様にして接着剤を製造した。
t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)の添加量を50重量部とし、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル50重量部を添加した以外は実施例1と同様にして接着剤を製造した。
(実施例8)
t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)の添加量を50重量部とし、末端にシリル基を有するエポキシ化合物として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、KBM−403)50重量部を添加した以外は実施例1と同様にして接着剤を製造した。
t−ブチルカテコールを用いてなるエポキシ樹脂(大日本インキ社製、HP−820)の添加量を50重量部とし、末端にシリル基を有するエポキシ化合物として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、KBM−403)50重量部を添加した以外は実施例1と同様にして接着剤を製造した。
(比較例1)
ビスフェノールAエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、EP−828)100重量部、光酸発生剤としてUVI6990(ユニオンカーバイド社製)3重量部を混練機にて攪拌混合し、接着剤を製造した。
ビスフェノールAエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、EP−828)100重量部、光酸発生剤としてUVI6990(ユニオンカーバイド社製)3重量部を混練機にて攪拌混合し、接着剤を製造した。
(評価)
実施例1〜8及び比較例1で製造した接着剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例1〜8及び比較例1で製造した接着剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)剪断接着力の測定
被着体として幅25mm、長さ50mm 、厚さ2mmの#280の研磨紙で研磨された
ステンレス板、#280の研磨紙で研磨されたステンレス板に機械油を約3μm塗布したもの、及び、ポリプロピレン板を用意した。
温度23℃及び相対湿度50%雰囲気下で、被着体に光反応性接着剤を約100μm塗布し、メタルハライドランプを使用して、500mJ/cm2のエネルギーを照射し、直ちにもう1枚の被着体を貼り合わせ、塗布厚みが変らないように200μmのスペーサーを設けてクリップで留め、80℃で10分硬化させた。
この被着体について、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、引張速度5mm/分の条件で剥離試験を行った。
被着体として幅25mm、長さ50mm 、厚さ2mmの#280の研磨紙で研磨された
ステンレス板、#280の研磨紙で研磨されたステンレス板に機械油を約3μm塗布したもの、及び、ポリプロピレン板を用意した。
温度23℃及び相対湿度50%雰囲気下で、被着体に光反応性接着剤を約100μm塗布し、メタルハライドランプを使用して、500mJ/cm2のエネルギーを照射し、直ちにもう1枚の被着体を貼り合わせ、塗布厚みが変らないように200μmのスペーサーを設けてクリップで留め、80℃で10分硬化させた。
この被着体について、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、引張速度5mm/分の条件で剥離試験を行った。
本発明によれば、低極性材料や低極性有機化合物に覆われた被着体に対しても有効な接着力を発現し、かつ、作業性が簡便な接着剤を提供することができる。
Claims (5)
- 主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が2以上であるエポキシ樹脂、又は、エポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーの重合物と、光酸発生剤とを含有することを特徴とする光反応性接着剤。
- 更に、主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中の1級水酸基数の数平均官能基数が2以上であるアルコールを含有することを特徴とする請求項1記載の光反応性接着剤。
- 更に、エチレン性不飽和モノマーの重合物からなる樹脂微粒子を含有することを特徴とする請求項1記載の光反応性接着剤。
- 更に、主鎖及び側鎖のアルキル炭素数の合計が4以上であり、1分子中のエポキシ基の数平均官能基数が1であるエポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の光反応性接着剤。
- 更に、末端にシリル基を有するエポキシ化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の光反応性接着剤。
Priority Applications (1)
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2004
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