JPWO2008153076A1 - 基板貼り合わせ用光学接着剤、及び、基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、表示装置の使用環境の温度変化によらず、パネル及び保護用基板との界面で剥離が生じず優れた接着性を維持でき、表示品質に優れた表示装置とすることができる基板貼り合わせ用光学接着剤を提供することを目的とする。また、該基板貼り合わせ用光学接着剤を硬化させた基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体を提供することを目的とする。本発明は、下記一般式(1−1)で表される硬化性樹脂、カチオン重合性単量体、及び、カチオン重合開始剤を含有する基板貼り合わせ用光学接着剤である。[化1]一般式(1−1)中、l、m、nは、1〜500であり、R1は、H及び/又はCH3を表し、R2は、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表し、Aは、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を表し、Xは、CR2、O、S(O2)又はSを表し、Yは、エポキシ基、オキセタニル基又は脂環エポキシ基を表し、Y’は、エポキシ基、オキセタニル基又は脂環エポキシ基の開環した構造を表し、Rは、H及び/又はCH3を表す。
Description
本発明は、表示装置の使用環境の温度変化によらず、パネル及び保護用基板との界面で剥離が生じず優れた接着性を維持でき、表示品質に優れた表示装置とすることができる基板貼り合わせ用光学接着剤に関する。また、該基板貼り合わせ用光学接着剤を硬化させた基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体に関する。
更に本発明は、情報通信機器、特に携帯可能な情報通信機器の液晶表示装置を構成する液晶パネルと該液晶パネルを外部衝撃から保護する保護用基板との接合に用いられる基板貼り合わせ用光学接着剤、及び、液晶パネルと保護用基板との接合に用いられる基板貼り合わせ用光学接着剤を硬化させた基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体に関し、液晶表示装置の使用環境の温度変化によらず、接着剤硬化体と液晶パネル及び保護用基板との界面で剥離が生じず優れた接着性を維持でき、表示品質に優れた液晶表示装置とすることができる基板貼り合わせ用光学接着剤、及び、基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体に関する。なかでも、保護用基板と基板の間の全面に使用する基板貼り合わせ用光学接着剤、及び、基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体に関する。
更に本発明は、情報通信機器、特に携帯可能な情報通信機器の液晶表示装置を構成する液晶パネルと該液晶パネルを外部衝撃から保護する保護用基板との接合に用いられる基板貼り合わせ用光学接着剤、及び、液晶パネルと保護用基板との接合に用いられる基板貼り合わせ用光学接着剤を硬化させた基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体に関し、液晶表示装置の使用環境の温度変化によらず、接着剤硬化体と液晶パネル及び保護用基板との界面で剥離が生じず優れた接着性を維持でき、表示品質に優れた液晶表示装置とすることができる基板貼り合わせ用光学接着剤、及び、基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体に関する。なかでも、保護用基板と基板の間の全面に使用する基板貼り合わせ用光学接着剤、及び、基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体に関する。
近年、携帯電話、PDA(Personal Data Assistance)、ノートパソコンといった携帯可能な情報通信機器が極めて急速に普及してきている。
これらの携帯可能な情報通信機器には、小型、軽量であることに加え、耐衝撃性、透明性、特に表示装置として一般的に用いられる液晶表示装置部分の耐衝撃性と光線透過率のロスが少なく透明性に優れることが要求される。
これらの携帯可能な情報通信機器には、小型、軽量であることに加え、耐衝撃性、透明性、特に表示装置として一般的に用いられる液晶表示装置部分の耐衝撃性と光線透過率のロスが少なく透明性に優れることが要求される。
液晶表示装置の耐衝撃性を向上させる方法としては、例えば、液晶が一対の透明基板間に封入され、周囲がシール剤で封止された構造を有する液晶パネルと、該液晶パネルを外部衝撃から保護するための保護用基板との間にエアギャップ(空気層)を設ける方法が従来から行われていた。
しかしながら、図2に示すように、このような空気層23が設けられた液晶表示装置20は、液晶パネル21、空気層23及び保護用基板22といった屈折率が異なる材料が積み重ねられた構造となっているため、太陽光等の外光やバックライトからの光の一部が反射されて光の散乱が起こり、表示画像の輝度やコントラストの低下を招くという問題があった。なお、図2中、矢印は、光の反射状態を示す。
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、液晶パネルと透明部材との間に空気層に代えて透明弾性樹脂を介在させ、該透明弾性樹脂で液晶パネルと透明部材とを接合することが開示されている。
しかしながら、図2に示すように、このような空気層23が設けられた液晶表示装置20は、液晶パネル21、空気層23及び保護用基板22といった屈折率が異なる材料が積み重ねられた構造となっているため、太陽光等の外光やバックライトからの光の一部が反射されて光の散乱が起こり、表示画像の輝度やコントラストの低下を招くという問題があった。なお、図2中、矢印は、光の反射状態を示す。
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、液晶パネルと透明部材との間に空気層に代えて透明弾性樹脂を介在させ、該透明弾性樹脂で液晶パネルと透明部材とを接合することが開示されている。
ここで、携帯電話等の携帯可能な情報通信機器は、極めて広範な温度域、例えば、−30〜60℃もの温度域で使用されることがあり、このような温度域において良好な表示品質を保つ必要がある。しかしながら、特許文献1に記載の透明弾性樹脂で液晶パネルと透明部材とを接合してなる情報通信機器は、このような広範な温度域で使用すると、使用環境の温度変化により液晶パネル及び透明部材と透明弾性樹脂の硬化物との界面において剥離が発生してしまい、液晶表示装置の表示品質が低下するという問題があった。
特開平11−174417号公報
本発明は、上記現状に鑑み、表示装置の使用環境の温度変化によらず、パネル及び保護用基板との界面で剥離が生じず優れた接着性を維持でき、表示品質に優れた表示装置とすることができる基板貼り合わせ用光学接着剤を提供することを目的とする。また、該基板貼り合わせ用光学接着剤を硬化させた基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体を提供することを目的とする。
本発明は、下記一般式(1−1)で表される硬化性樹脂、カチオン重合性単量体、及び、カチオン重合開始剤を含有する基板貼り合わせ用光学接着剤である。
一般式(1−1)中、l、m、nは、1〜500であり、R1は、H及び/又はCH3を表し、R2は、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表し、Aは、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を表し、Xは、CR2、O、S(O2)又はSを表し、Yは、エポキシ基、オキセタニル基又は脂環エポキシ基を表し、Y’は、エポキシ基、オキセタニル基又は脂環エポキシ基の開環した構造を表し、Rは、H及び/又はCH3を表す。
また、本発明は、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤を用いてなる硬化体であって、−30℃における貯蔵弾性率が1×109Pa以下であり、かつ、60℃における貯蔵弾性率が1×106Pa以上である基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体である。
以下、本発明を詳述する。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、表示装置のパネルと保護用基板とを接合する基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体について鋭意検討した結果、該基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体が、所定の構造を有する硬化性樹脂を含有する基板貼り合わせ用光学接着剤を硬化させたものであると、表示装置の使用環境の温度変化により基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体とパネル及び保護用基板との界面で剥離が生じることがなく良好な接着状態を維持でき、表示装置の表示品質が優れたものとなることを見出した。また、更に鋭意検討した結果、パネルと保護用基板とを接合する基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体が、所定の貯蔵弾性率を有するものであると、表示装置の使用環境温度の変化により基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体とパネル及び保護用基板との界面で剥離が生じることがなく良好な接着状態を維持でき、表示装置の表示品質が優れたものとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤は、上記一般式(1−1)で表される硬化性樹脂(以下、本発明に係る硬化性樹脂ともいう)を含有する。
上記一般式(1−1)において、シリコーン骨格部分の繰り返し単位数「l」「m」「n」の下限は1、上限は500であり、「l」の好ましい上限は200、「m」「n」の好ましい上限は50である。
上記一般式(1−1)における、シリコーン骨格部分の繰り返し単位数「n」、ビスフェノール型エポキシ骨格とから構成される繰り返し単位数「m」、及び、シリコーン骨格部分とビスフェノール型エポキシ骨格とから構成される繰り返し単位数「l」が上記範囲にあることで、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤の硬化体がパネルと保護用基板とを接合した表示装置は、使用環境温度の変化による上記硬化体とパネル及び保護用基板との界面での剥離を生じることがなく、表示品質に優れたものとなる。
上記一般式(1−1)において、シリコーン骨格部分の繰り返し単位数「l」「m」「n」の下限は1、上限は500であり、「l」の好ましい上限は200、「m」「n」の好ましい上限は50である。
上記一般式(1−1)における、シリコーン骨格部分の繰り返し単位数「n」、ビスフェノール型エポキシ骨格とから構成される繰り返し単位数「m」、及び、シリコーン骨格部分とビスフェノール型エポキシ骨格とから構成される繰り返し単位数「l」が上記範囲にあることで、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤の硬化体がパネルと保護用基板とを接合した表示装置は、使用環境温度の変化による上記硬化体とパネル及び保護用基板との界面での剥離を生じることがなく、表示品質に優れたものとなる。
上記一般式(1−1)において、R1は、H及び/又はCH3を表し、R2は、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表し、Aは、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を表し、Xは、CR2、O、S(O2)又はSを表し、Yは、エポキシ基、オキセタニル基又は脂環エポキシ基を表し、Y’は、エポキシ基、オキセタニル基又は脂環エポキシ基の開環した構造を表し、Rは、H及び/又はCH3を表す。
上記X、Y、Y’の具体的な構造としては、下記一般式(1−2)〜(1−4)で表されるものが挙げられる。
上記一般式(1−2)〜(1−4)中、R3、R4、R5は、水素又は炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基をそれぞれ示す。
上記本発明に係る硬化性樹脂は、上記一般式(1−1)中「A」がベンゼン環であり、XがCR2である場合、例えば、ビスフェノール型のエポキシ樹脂と、シリコーン樹脂とを公知の方法により縮合反応させることで得ることができる。
上記本発明に係る硬化性樹脂の重量平均分子量としては特に限定されないが、好ましい下限は3000、好ましい上限は10万である。上記本発明に係る硬化性樹脂の重量平均分子量が3000未満であると、未反応モノマーが多くなる場合がある。上記本発明に係る硬化性樹脂の重量平均分子量が10万を超えると、粘度が高すぎたり、他の成分との相溶性が悪くなったりすることがある。上記本発明に係る硬化性樹脂の重量平均分子量のより好ましい下限は1万、より好ましい上限は5万である。
上記ビスフェノール型のエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピコート828、エピコート1004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピコート806、エピコート4004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、R−710等のビスフェノールE型エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、このような本発明に係る硬化性樹脂の市販品としては、例えば、ナノレジン社製のエポキシシリコーン共重合体「ALBIFLEX」シリーズの商品名「296」、「348」、「XP544」、「712」等が挙げられる。
また、上記本発明に係る硬化性樹脂以外に、更に、下記一般式(2)で表される変成シリコーンを配合してもよい。下記一般式(2)で表される変成シリコーンを更に含有する本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤は、使用環境が変化した場合でも安定した接着力を発揮することができ、被着体の界面での剥離を生じることがない。
上記一般式(2)中、R2は、H、CH3又はC2H5を表し、pは、1〜100の整数を表し、oは、0〜100の整数を表す。
R3、R4、R5、R6は、いずれか少なくとも1が下記一般式(3−1)、下記一般式(3−2)若しくは下記一般式(3−3)を、その余はH、CH3若しくはC2H5を表すか、いずれか少なくとも1が下記一般式(4−1)、下記一般式(4−2)若しくは下記一般式(4−3)を、その余はH、CH3若しくはC2H5を表すか、又は、いずれか少なくとも1が下記一般式(5−1)、下記一般式(5−2)若しくは下記一般式(5−3)を、その余はH、CH3若しくはC2H5表す。
R3、R4、R5、R6は、いずれか少なくとも1が下記一般式(3−1)、下記一般式(3−2)若しくは下記一般式(3−3)を、その余はH、CH3若しくはC2H5を表すか、いずれか少なくとも1が下記一般式(4−1)、下記一般式(4−2)若しくは下記一般式(4−3)を、その余はH、CH3若しくはC2H5を表すか、又は、いずれか少なくとも1が下記一般式(5−1)、下記一般式(5−2)若しくは下記一般式(5−3)を、その余はH、CH3若しくはC2H5表す。
なお、上記一般式(3−1)〜(5−3)中、qは、1〜3、rは、1〜3を表し、R7、H及び/又はCH3を表し、R33は、水素若しくは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、A1は、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を表す。
上記一般式(2)で表される化合物において、シリコーン骨格部分の繰り返し単位数「p」の好ましい下限は1、好ましい上限は100である。上記シリコーン骨格部分の繰り返し単位数を上記範囲とすることで、上記一般式(2)で表されるエポキシ変成シリコーン、オキセタン変成シリコーンを光カチオン重合性化合物として含有する本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤は、使用環境が変化した場合でも安定した接着力を発揮することができ、被着体の界面での剥離を生じることがない。
上記一般式(2)で表される構造を有する化合物としては、具体的には、例えば、信越シリコーン社製の変成シリコーンオイルが挙げられ、エポキシタイプのものとしては、「X−22−343」、「KF−101」、「KF−1001」、「X−22−9002」等が挙げられ、脂環式タイプのものとしては、「X−22−2046」、「KF−102」(以上、信越シリコーン社製)等が挙げられる。オキセタンタイプのものとしては、「OX−SQ」、「OX−SQ−H」、「OX−SQ−SI−20」、「Si−OX」、「OX−SC」(以上、東亞合成社製)等が挙げられる。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤は、カチオン重合性単量体を含有する。
上記カチオン重合性単量体としては、分子内に少なくとも1個のカチオン重合性官能基を有する重合性単量体であれば特に限定されず、例えば、分子内に少なくとも1個のエポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ビニルエーテル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基等の光カチオン重合性官能基を有する化合物等が挙げられる。なかでも、光カチオン重合性が高く、少ない光量でも上記本発明に係る硬化性樹脂と効率的に光硬化が進行することから、分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ系化合物」ともいう)又は分子内に少なくとも1個のオキセタニル基を有する化合物(以下、「オキセタニル系化合物」ともいう)が好適に用いられる。これらのカチオン重合性単量体は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記カチオン重合性単量体としては、分子内に少なくとも1個のカチオン重合性官能基を有する重合性単量体であれば特に限定されず、例えば、分子内に少なくとも1個のエポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ビニルエーテル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基等の光カチオン重合性官能基を有する化合物等が挙げられる。なかでも、光カチオン重合性が高く、少ない光量でも上記本発明に係る硬化性樹脂と効率的に光硬化が進行することから、分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ系化合物」ともいう)又は分子内に少なくとも1個のオキセタニル基を有する化合物(以下、「オキセタニル系化合物」ともいう)が好適に用いられる。これらのカチオン重合性単量体は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤において、上記カチオン重合性単量体は、下記一般式(6−1)及び/又は(6−2)で表される構造を有する化合物が好適に用いられる。
一般式(6−1)及び一般式(6−2)中、pは、1〜100であり、Yは、エポキシ基、オキセタニル基又は脂環エポキシ基を表し、R1は、H及び/又はCH3を表し、R2は、下記一般式(7−1)、下記一般式(7−2)及び下記一般式(7−3)からなる群より選択されるいずれか1の構造を有する。
一般式(7−1)中、qは、1〜3、一般式(7−2)中、rは、1〜3であり、一般式(7−3)中、R3は、H及び/又はCH3を表し、A1は、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を表す。
上記一般式(6−1)及び上記一般式(6−2)で表される化合物において、シリコーン骨格部分の繰り返し単位数「p」の下限は1、上限は100である。上記シリコーン骨格部分の繰り返し単位数を上記範囲とすることで、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤の硬化体がパネルと保護用基板とを接合した表示装置は、使用環境温度の変化による上記硬化体とパネル及び保護用基板との界面での剥離が生ずることをより好適に防止でき、より表示品質に優れたものとなる。シリコーン骨格部分の繰り返し単位数「p」の好ましい下限は3、好ましい上限は50である。
上記一般式(6−1)及び上記一般式(6−2)で表される化合物としては、具体的には、例えば、信越シリコーン社製の変成シリコーンオイルが挙げられ、エポキシタイプのものとしては、「X−22−163」、「KF−105」、「X−22−163A」、「X−22−163B」、「X−22−163C」等が挙げられ、脂環式タイプのものとしては、「X−22−169AS」、「X−22−169B」等が挙げられる。
上記オキセタニル系化合物としては特に限定されず、例えば、フェノキシメチルオキセタン、3,3−ビス(メトキシメチル)オキセタン、3,3−ビス(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン等が挙げられる。これらのオキセタニル系化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ系化合物及びオキセタニル系化合物は、それぞれ単独で用いられてもよいし、両者が併用されてもよい。
また、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤において、上記カチオン重合性単量体としては、下記一般式(8)又は下記一般式(9)で表される化合物(以下、エポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物ともいう)も好適である。
上記一般式(8)、上記一般式(9)中、R16、R17は炭素数4〜18の直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素を表し、nは、1〜50の整数を表し、Xは、下記一般式(10)、下記一般式(11)、又は、下記一般式(12)を表す。
上記一般式(10)、上記一般式(11)、上記一般式(12)中、R18、R19、R20は、水素若しくは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を示す。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤は、このようなエポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物を含有することにより、透明性を損なうことなく粘度を調整できる。また、これらのエポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物は、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤においては希釈剤としての役割も有する。
上記一般式(8)、上記一般式(9)において、R16、R17で表される飽和炭化水素としては特に限定されないが、R16としては、ブチル基、2−エチルヘキシル基、ネオペンチル基、ラウリル基等が好ましく、R17としては、テトラメチレン、ネオペンチレン、ヘキサメチレン等が好ましい。
上記一般式(8)又は上記一般式(9)で表されるエポキシ化合物としては特に限定されず、例えば、ブチルグリシジルエーテル(製品名「DY−PY」、四日市合成社製)、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(製品名「デナコールEX−141」、ナガセケムテックス社製)、(ポリ)テトラメチレングリコール(ジ)グリシジルエーテル(製品名「SR−16H」、坂本薬品工業社製)、(ポリ)ヘキサンジオール(ジ)グリシジルエーテル(製品名「デナコールEX−121」、ナガセケムテックス社製)、(ポリ)ネオペンチレングリコール(ジ)グリシジルエーテル(製品名「デナコールEX−221」、ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。なかでも、柔軟性が高く、反応性が高いことから、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルが好適である。
上記一般式(8)又は上記一般式(9)で表されるオキセタン化合物としては特に限定されず、例えば、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(製品名「アロンオキセタンOXT−212」、東亞合成社製)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(製品名「アロンオキセタンOXT−101」、東亞合成社製)等が挙げられる。なかでも、柔軟性が高く、反応性が高いことから、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンが好適である。
上記カチオン重合性単量体のなかでも、上記一般式(6−2)で表される化合物と上記一般式(8)で表される化合物とを配合すると透明性に優れる。上記一般式(6−2)で表される化合物と上記一般式(8)で表される化合物との配合比としては特に限定されないが、上記一般式(6−2)で表される化合物と上記一般式(8)で表される化合物との合計量に対して上記一般式(8)で表される化合物が50重量%以上であることが好ましい。
上記カチオン重合性単量体としては、得られる基板貼り合わせ用光学接着剤が後述する粘度の範囲内である限りにおいて、他のカチオン重合性単量体を含有してもよい。
上記他のカチオン重合性単量体としては、分子内に少なくとも1個のカチオン重合性官能基を有する重合性単量体であれば特に限定されず、例えば、分子内に少なくとも1個のエポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ビニルエーテル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基等の光カチオン重合性官能基を有する化合物等が挙げられる。なかでも、エポキシ系化合物が好適である。
上記他のカチオン重合性単量体としては、分子内に少なくとも1個のカチオン重合性官能基を有する重合性単量体であれば特に限定されず、例えば、分子内に少なくとも1個のエポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ビニルエーテル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基等の光カチオン重合性官能基を有する化合物等が挙げられる。なかでも、エポキシ系化合物が好適である。
上記エポキシ系化合物としては特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物等のノボラック型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、異節環状型エポキシ化合物、多官能性エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、グリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物等のアルコール型エポキシ化合物、臭素化エポキシ化合物等のハロゲン化エポキシ化合物、ゴム変成エポキシ化合物、ウレタン変成エポキシ化合物、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エポキシ基含有ポリエステル化合物、エポキシ基含有ポリウレタン化合物、エポキシ基含有アクリル化合物等が挙げられる。なかでも、光カチオン重合性がより高く、少ない光量でもより効率的に光硬化が進行することから、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物等が好適に用いられる。これらのエポキシ系化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記脂環式エポキシ化合物としては特に限定されず、例えば、1,2:8,9−ジエポキシリモネン、4−ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペート、ビス−(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド等の分子内に少なくとも1個の4〜7員環の環状脂肪族基と分子内に少なくとも1個のエポキシ基とを有する化合物等が挙げられる。これらの脂環式エポキシ化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ系化合物の市販品としては特に限定されず、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコート807」、「エピコート828」、「エピコート1001」等の「エピコート」シリーズ、大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロンHP−4032」等の「エピクロン」シリーズ、ダイセル化学工業社製の商品名「セロキサイド2021」等の「セロキサイド」シリーズ等が挙げられる。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤において、上記カチオン重合性単量体の含有量としては特に限定されないが、上記本発明に係る硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は5重量部、好ましい上限は500重量部である。上記カチオン重合性単量体の含有量が5重量部未満であると、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤の硬化物の硬化性が不充分となることがある。上記カチオン重合性単量体の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は300重量部である。また、上記カチオン重合性単量体の含有量の更に好ましい下限は30重量部、更に好ましい上限は250重量部である。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤は、カチオン重合開始剤を含有する。
上記カチオン重合開始剤としては、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、例えば、鉄−アレン錯体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ピリジニウム、アルミニウム錯体/シラノール塩、ハロゲン化アルキル置換トリアジン誘導体、トリフルオロメタンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、ベンゼンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、メタンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、トリブロモメチルフェニルスルホン誘導体等が挙げられる。
上記カチオン重合開始剤としては、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、例えば、鉄−アレン錯体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ピリジニウム、アルミニウム錯体/シラノール塩、ハロゲン化アルキル置換トリアジン誘導体、トリフルオロメタンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、ベンゼンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、メタンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、トリブロモメチルフェニルスルホン誘導体等が挙げられる。
これらのカチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、オプトマ−SP−150、オプトマ−SP−170(以上、アデカ社製)、UVE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、イルガキュア−261(チバスペシャリティーケミカルズ社製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L(以上、三新化学工業社製)、UVI−6990(ユニオンカーバイド社製)、BBI−102、BBI−103、MPI−103、TPS−103、DTS−103、NAT−103、NDS−103、RP2074(以上、みどり化学社製)、サンエイドSI−100L(三新化学工業社製)、CI−2064、CI−2639、CI−2624、CI−2481(以上、日本曹達社製)、RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074(ローディア社製)、CD−1012(サートマー社製)、WPI−113(和光純薬社製)等が挙げられる。これらのカチオン重合開始剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記カチオン重合開始剤としては、下記一般式(13)で表されるオニウム塩からなるカチオン重合開始剤も好適である。
一般式(13)中、R11、R12は、水素、炭素数1〜20の直鎖状のアルキル基、炭素数1〜20の分枝鎖状のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、ハロゲン原子、−OH基、−COOH基、又は、炭素数1〜20の−COO−アルキルエステル基を表す。R11、R12はそれぞれ異なっても同一であってもよい。
一般式(13)中、X−は、PF6 −、AsF5 −、BF4 −、又は、下記化学式(14)で表されるボロン酸を表す。
一般式(13)中、X−は、PF6 −、AsF5 −、BF4 −、又は、下記化学式(14)で表されるボロン酸を表す。
上記カチオン重合開始剤の含有量としては特に限定されないが、上記本発明に係る硬化性樹脂、及び、上記カチオン重合性単量体の合計100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。上記カチオン重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、上記本発明に係る硬化性樹脂及びカチオン重合性単量体のカチオン重合が充分に進行しなかったり、これらの硬化反応が遅くなりすぎたりすることがある。上記カチオン重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、上記本発明に係る硬化性樹脂及びカチオン重合性単量体の硬化反応が速くなりすぎて、作業性が低下したり不均一な硬化物となったりすることがある。上記カチオン重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.3重量部、より好ましい上限は5重量部である。
上記カチオン重合開始剤が、上記一般式(13)で表されるオニウム塩からなるカチオン重合開始剤である場合には、更に、下記一般式(15)で表されるベンゾフェノン誘導体からなる増感剤を含有することが好ましい。
一般式(15)中、R13、R14は、水素、下記一般式(16−1)、下記一般式(16−2)を表す。R13、R14はそれぞれ異なっていてもよいし、同一であってもよい。
一般式(16−1)及び一般式(16−2)中、R15は、水素、炭素数1〜20の直鎖状のアルキル基、炭素数1〜20の分枝鎖状のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、ハロゲン原子、−OH基、−COOH基、又は、炭素数1〜20の−COO−アルキルエステル基を表す。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤は、このようなカチオン重合開始剤と増感剤とを組み合わせて用いた場合には、熱や光による着色が少なく、光学部品の接着等に好適に用いることができる。この理由としては次のことが考えられる。一般に、光カチオン重合開始剤は紫外線等の照射による反応によって共役系が発達し、吸収波長が長波長シフトする。このため、300〜400nmに吸収があると、吸収波長が可視光領域にシフトし、黄変しやすくなる。300nm以下の短波長の吸収波長を有する開始剤については吸収波長が長波長シフトしても、可視光領域に吸収がシフトせず、変色が少ない。
上記一般式(15)で表される増感剤としては、具体的には例えば、ベンゾフェノン、2,4−ジクロルベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’メチルジフェニルサルファイドが挙げられる。
上記増感剤の含有量としては特に限定されないが、上記一般式(13)で表されるオニウム塩からなるカチオン重合開始剤1重量部に対して、好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は3重量部である。上記増感剤の含有量が0.05重量部未満であると、増感効果が弱いことがある。上記増感剤の含有量が3重量部を超えると、吸収が大きすぎ、深部まで光が伝わらないことがある。上記増感剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は1重量部である。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤は、更に、下記一般式(17)で表される構造を有する硬化遅延剤を含有することが好ましい。
このような硬化遅延剤を含有することにより、ポットライフが長くなり、取扱い性が向上する。また、いったん光を照射してから貼り合わせ等を行うことができることから、光によって損傷しやすい部材の接着を行うことも可能になる。下記一般式(17)で表される構造を有する硬化遅延剤は、上記エポキシ変成シリコーン等と組み合わせて用いても組成物の透明性を損なうことがない。
このような硬化遅延剤を含有することにより、ポットライフが長くなり、取扱い性が向上する。また、いったん光を照射してから貼り合わせ等を行うことができることから、光によって損傷しやすい部材の接着を行うことも可能になる。下記一般式(17)で表される構造を有する硬化遅延剤は、上記エポキシ変成シリコーン等と組み合わせて用いても組成物の透明性を損なうことがない。
一般式(17)中、R21〜R32の少なくとも1つは炭素数1〜20のアルキル基を表し、その余は水素を表す。
上記アルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜20のアルコキシル基、ハロゲン原子、−OH基、−COOH基及び−COO−アルキルエステル基(ただし、アルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜20残基である)からなる群より選択される1以上の官能基で置換されていてもよく、更に、隣接するRn及びRn+1(ただし、nは、1〜11の奇数を表す)は、共同して環状アルキル骨格を形成していてもよい。
上記アルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜20のアルコキシル基、ハロゲン原子、−OH基、−COOH基及び−COO−アルキルエステル基(ただし、アルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜20残基である)からなる群より選択される1以上の官能基で置換されていてもよく、更に、隣接するRn及びRn+1(ただし、nは、1〜11の奇数を表す)は、共同して環状アルキル骨格を形成していてもよい。
上記一般式(17)で表される構造を有する硬化遅延剤のなかでも、少なくとも1つのシクロヘキシル基を有するものが好適である。シクロヘキシル基を有することにより、シリコーン樹脂との相溶性が良くなり透明性が向上する。
シクロヘキシル基を有する上記一般式(17)で表される構造を有する硬化遅延剤としては、具体的には例えば、下記化学式(18)で表されるジシクロヘキサノ−18−クラウン6−エーテルが挙げられる。
シクロヘキシル基を有する上記一般式(17)で表される構造を有する硬化遅延剤としては、具体的には例えば、下記化学式(18)で表されるジシクロヘキサノ−18−クラウン6−エーテルが挙げられる。
上記化学式(18)で表される構造を有する化合物は、18−クラウン−6−エーテル分子の中央を通る線に対して線対称となる位置に2個のシクロヘキシル基を有するため、18−クラウン−6−エーテル分子の骨格に歪み等を生じさせることなく相溶性を向上させる効果が大きくなると考えられる。
上記硬化遅延剤の含有量としては特に限定されないが、上記硬化性樹脂及びカチオン重合性単量体の合計100重量部に対して、好ましい下限が0.05重量部、好ましい上限が5.0重量部である。上記硬化遅延剤の含有量が0.05重量部未満であると、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤に遅延効果を充分付与できない場合がある。上記硬化遅延剤の含有量が5.0重量部を超えると、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤を硬化させる際に発生するアウトガス等が多くなり、該アウトガス等が大きな影響を与える用途に本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤を使用しにくくなることがある。上記硬化遅延剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤は、更に熱硬化剤を含有することが好ましい。
上記熱硬化剤を含有することで、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤に熱硬化性を好適に付与することができる。
上記熱硬化剤としては特に限定されず、例えば、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン]等のヒドラジド化合物、ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、変成脂肪族ポリアミン、テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコールービス(アンヒドロトリメリテート)等の酸無水物、各種アミンとエポキシ樹脂との付加生成物等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記熱硬化剤を含有することで、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤に熱硬化性を好適に付与することができる。
上記熱硬化剤としては特に限定されず、例えば、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン]等のヒドラジド化合物、ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、変成脂肪族ポリアミン、テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコールービス(アンヒドロトリメリテート)等の酸無水物、各種アミンとエポキシ樹脂との付加生成物等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記熱硬化剤を含有する場合、その含有量としては特に限定されないが、上記本発明に係る硬化性樹脂及びカチオン重合性単量体の合計100重量部に対して、好ましい下限は0.5重量部、好ましい上限は30重量部である。上記熱硬化剤の含有量が0.5重量部未満であると、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤に充分な熱硬化性を付与できないことがある。上記熱硬化剤の含有量が30重量部を超えると、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤の保存安定性が不安定になることがあり、また、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤の硬化物の耐湿性が不充分となることがある。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は15重量部である。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤は、更にシランカップリング剤を含有することが好ましい。
上記シランカップリング剤は、主に本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤とパネル及び保護用基板とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤は、主に本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤とパネル及び保護用基板とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、エポキシシラン系やオキセタン系のシランカップリング剤が好ましい。具体的には、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−エチル(トリエトキシシリルプロポキシメチル)オキセタン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
これらシランカップリング剤のうち市販されているものとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBM−403」、信越化学社製)、3−エチル(トリエトキシシリルプロポキシメチル)オキセタン(商品名「TESOX」、東亞合成社製)等が挙げられる。
上記シランカップリング剤の含有量としては特に限定されないが、上記本発明に係る硬化性樹脂及びカチオン重合性単量体の合計100重量部に対して好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。上記シランカップリング剤の含有量が0.1重量部未満であると、シランカップリング剤を添加した効果がほとんど得られない可能性がある。上記シランカップリング剤の含有量が10重量部を超えると、アウトガスによる気泡が発生することがある。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤は、透明性を阻害しない範囲で充填剤を含有していてもよい。
上記充填剤としては特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト等の無機フィラーやポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機フィラー等が挙げられる。
上記充填剤としては特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト等の無機フィラーやポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機フィラー等が挙げられる。
また、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤の粘度としては特に限定されないが、好ましい下限は0.03Pa・s、好ましい上限は300Pa・sである。本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤の粘度が0.03Pa・s未満であると、粘度が低すぎて、例えば、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤を用いて表示装置を製造する際に、パネル又は保護用基板表面に形成した接着剤層が形状を維持できず流れてしまうことがある。本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤の粘度が300Pa・sを超えると、粘度が高すぎて、例えば、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤を用いて表示装置を製造する際に、パネルや保護用基板表面に形成した接着剤層の厚さにムラが生じることがある。本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤の粘度のより好ましい下限は0.1Pa・sであり、より好ましい上限は100Pa・sである。
なお、本明細書において、上記粘度は、E型粘度計(東機産業社製、TV−22型)を用いて25℃、5rpmの条件で測定した値である。
なお、本明細書において、上記粘度は、E型粘度計(東機産業社製、TV−22型)を用いて25℃、5rpmの条件で測定した値である。
また、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤は、硬化収縮率の上限が5%であることが好ましい。硬化収縮率が5%を超えると、例えば、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤の重合硬化時における収縮量が大きくなり、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤を用いて表示装置を製造する際に、パネル又は保護用基板表面に形成し重合硬化させた接着剤層の厚さにムラが生じることがある。より好ましい上限は4%である。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤の製造方法としては特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、遊星式攪拌装置、プラネタリウムミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、上述した本発明に係る硬化性樹脂、カチオン重合性単量体、カチオン重合開始剤、及び、必要に応じて添加する熱硬化剤、シランカップリング剤等を混合する方法が挙げられる。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤は、上述した一般式(1−1)で表される構造を有する硬化性樹脂を含有するため、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤を硬化させた硬化体によりパネルと保護用基板とを接合した表示装置は、使用環境温度の変化による上記硬化体とパネル及び保護用基板との界面での剥離を生じることがなく、表示品質に優れたものとなる。
図1に本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤を用いてなる液晶表示装置の一例を模式的に示す断面図を示す。図1に示すように、液晶表示装置10は、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤を硬化させた硬化体13が、液晶パネル11と保護用基板12とを接合した構造であり、矢印で示す液晶表示装置10に入射した太陽光等の光は、保護用基板12部分で反射されて光の散乱が起こることがないため、液晶表示装置10の表示品質が優れたものとなる。
図1に本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤を用いてなる液晶表示装置の一例を模式的に示す断面図を示す。図1に示すように、液晶表示装置10は、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤を硬化させた硬化体13が、液晶パネル11と保護用基板12とを接合した構造であり、矢印で示す液晶表示装置10に入射した太陽光等の光は、保護用基板12部分で反射されて光の散乱が起こることがないため、液晶表示装置10の表示品質が優れたものとなる。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤は、例えば、パネルと保護用基板とを接合するための基板貼り合わせ用接着剤として好適に用いることができる。なかでも保護用基板と基板の間の全面に使用する貼り合せ用接着剤として好適に用いられる。
上記パネルとしては、例えば、少なくとも、液晶が一対のガラス基板等の透明基板間に挟持され、その周囲がシール剤で封止された構造を有するものであれば特に限定されず、従来公知のものが挙げられる。
上記パネルとしては、例えば、少なくとも、液晶が一対のガラス基板等の透明基板間に挟持され、その周囲がシール剤で封止された構造を有するものであれば特に限定されず、従来公知のものが挙げられる。
上記保護用基板は、上記パネルを外部衝撃から保護するための部材であり、その材料としては、硬化物が可視光線を充分に透過可能であるとともに、ある程度の衝撃(例えば、携帯電話を落下させた際に加わる程度の衝撃)に充分に対向できる強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤を硬化させてなる基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体もまた、本発明の1つである。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体は、−30℃における貯蔵弾性率の上限が1×109Paであり、60℃における貯蔵弾性率の下限が1×106Paである。−30℃における貯蔵弾性率が1×109Paを超えると、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体がパネルと保護用基板とを接合した表示装置において、使用環境の温度変化により本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体とパネル及び保護用基板との界面で剥離が生じ、表示装置の表示品質が低下してしまう。また、60℃における貯蔵弾性率が1×106Paを超えると、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体の60℃における流動性が大きくなり、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体がパネルと保護用基板との接合を維持できなくなる。−30℃における貯蔵弾性率の好ましい上限は3×108Paであり、60℃における貯蔵弾性率の好ましい下限は1×107Paである。
また、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体は、−50℃における貯蔵弾性率の上限が1×109Paであり、100℃における貯蔵弾性率の下限が1×106Paであることがより好ましい。
また、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体は、−50℃における貯蔵弾性率の上限が1×109Paであり、100℃における貯蔵弾性率の下限が1×106Paであることがより好ましい。
本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体は、ケイ素原子の含有量の好ましい下限が3重量%、好ましい上限が30重量%である。ケイ素原子の含有量が3重量%未満であると、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体の低温領域での貯蔵弾性率が低下せず、−30℃における貯蔵弾性率が上記範囲から外れることがあり、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体がパネルと保護用基板とを接合した表示装置において、低温時に本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体のパネルや保護用基板に対する接着性が低下し、これらの界面において剥離が生じることがある。ケイ素原子の含有量のより好ましい下限は4重量%、より好ましい上限は20重量%である。なお、上記ケイ素原子含有量とは、上述した本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤におけるケイ素原子含有量と同様に定義されるものである。
また、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体は、厚さを0.1mmとしたときの可視光領域における光線透過率が90%以上であることが好ましい。光線透過率が90%未満であると、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体の透明性が不充分となり、本発明の基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体を用いてパネルと保護用基板とを接合した表示装置の表示品質が低下する。なお、本明細書において、可視光領域とは、波長400〜800nmの光線を意味する。
本発明によれば、表示装置の使用環境の温度変化によらず、パネル及び保護用基板との界面で剥離が生じず優れた接着性を維持でき、表示品質に優れた表示装置とすることができる基板貼り合わせ用光学接着剤を提供することができる。また、該基板貼り合わせ用光学接着剤を硬化させた基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1〜95、比較例1〜17)
下記表1〜表4に示す各材料を、表中の割合(重量部)で、80℃に加熱後、遊星式攪拌装置(商品名「ARE−250」、シンキー社製)を用いて10分間混合することで実施例1〜95及び比較例1〜17に係る基板貼り合わせ用光学接着剤をそれぞれ製造した。なお、表1〜表4に示した実施例及び比較例に係る各材料の製造会社名等は以下の通りである。
下記表1〜表4に示す各材料を、表中の割合(重量部)で、80℃に加熱後、遊星式攪拌装置(商品名「ARE−250」、シンキー社製)を用いて10分間混合することで実施例1〜95及び比較例1〜17に係る基板貼り合わせ用光学接着剤をそれぞれ製造した。なお、表1〜表4に示した実施例及び比較例に係る各材料の製造会社名等は以下の通りである。
(硬化性樹脂)
296(ナノレジン社製)
348(ナノレジン社製)
XP544(ナノレジン社製)
水添ビスフェノールF型エポキシ変性シリコーン樹脂(化合物A)
水添ビスフェノールA型エポキシ変性シリコーン樹脂(化合物B)
296(ナノレジン社製)
348(ナノレジン社製)
XP544(ナノレジン社製)
水添ビスフェノールF型エポキシ変性シリコーン樹脂(化合物A)
水添ビスフェノールA型エポキシ変性シリコーン樹脂(化合物B)
水添ビスフェノールF型エポキシ変性シリコーン樹脂(化合物A)の合成
ビスフェノールF型エポキシ樹脂エピコート806(大日本インキ社製エポキシ当量160)約120重量部、カルビトール変性シリコーン樹脂KF−6001(信越シリコーン社製、水酸基当量900g/mol)約300重量部、プロピレングリコールモノブチルエーテル約300部、触媒としてエチルトリフェニルホスホニウムアセテートを樹脂固形分に対して0.2%を反応容器に入れ、窒素ガス気流下180℃で重合反応を5時間行い、水添ビスフェノールF型エポキシ変性シリコーン樹脂(化合物A)を得た。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂エピコート806(大日本インキ社製エポキシ当量160)約120重量部、カルビトール変性シリコーン樹脂KF−6001(信越シリコーン社製、水酸基当量900g/mol)約300重量部、プロピレングリコールモノブチルエーテル約300部、触媒としてエチルトリフェニルホスホニウムアセテートを樹脂固形分に対して0.2%を反応容器に入れ、窒素ガス気流下180℃で重合反応を5時間行い、水添ビスフェノールF型エポキシ変性シリコーン樹脂(化合物A)を得た。
水添ビスフェノールA型エポキシ変性シリコーン樹脂(化合物B)の合成
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂YX8000(ジャパンエポキシレジン社製エポキシ当量205)約140重量部、カルビトール変性シリコーン樹脂KF−6001(信越シリコーン社製、水酸基当量900g/mol)約300重量部、プロピレングリコールモノブチルエーテル約300部、触媒としてエチルトリフェニルホスホニウムアセテートを樹脂固形分に対して0.2%を反応容器に入れ、窒素ガス気流下180℃で重合反応を5時間行い、水添ビスフェノールA型エポキシ変性シリコーン樹脂(化合物B)を得た。
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂YX8000(ジャパンエポキシレジン社製エポキシ当量205)約140重量部、カルビトール変性シリコーン樹脂KF−6001(信越シリコーン社製、水酸基当量900g/mol)約300重量部、プロピレングリコールモノブチルエーテル約300部、触媒としてエチルトリフェニルホスホニウムアセテートを樹脂固形分に対して0.2%を反応容器に入れ、窒素ガス気流下180℃で重合反応を5時間行い、水添ビスフェノールA型エポキシ変性シリコーン樹脂(化合物B)を得た。
(カチオン重合性単量体)
KF−105(信越シリコーン社製)
SR−16H(阪本薬品工業社製)
OXT−212(東亞合成社製)
X−22−169AS(信越シリコーン社製)
KF−105(信越シリコーン社製)
SR−16H(阪本薬品工業社製)
OXT−212(東亞合成社製)
X−22−169AS(信越シリコーン社製)
(カチオン重合開始剤)
開始剤C(下記化学式(19))
WPI−113(5フッ化リン酸ヨードニウム塩、和光純薬社製)
RP2074(ヨードニウム塩、ミドリ化学社製)
SP−170(ジフェニル−4−チオフェニルスルホニウムのヘキサフルオロアンチモネート塩、アデカ社製)
イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカル社製)
開始剤C(下記化学式(19))
WPI−113(5フッ化リン酸ヨードニウム塩、和光純薬社製)
RP2074(ヨードニウム塩、ミドリ化学社製)
SP−170(ジフェニル−4−チオフェニルスルホニウムのヘキサフルオロアンチモネート塩、アデカ社製)
イルガキュア651(チバスペシャリティーケミカル社製)
(遅延剤)
ジシクロヘキサノ−18−クラウン6−エーテル(和光純薬社製)
ジシクロヘキサノ−18−クラウン6−エーテル(和光純薬社製)
(増感剤)
BMS(4−ベンゾイル−4’メチルジフェニルサルファイド、日本化薬社製)
BMS(4−ベンゾイル−4’メチルジフェニルサルファイド、日本化薬社製)
(シランカップリング剤)
KBM−403(信越ケミカル社製)
TMSOX(東亞合成社製)
KBM−403(信越ケミカル社製)
TMSOX(東亞合成社製)
エピコート828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製)
エピコート806(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製)
エピコート4004(固形ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製)
セロキサイド2021P(脂環型エポキシ(3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート)、ダイセル化学社製)
DCP−A(ジシクロペンタジエンジアクリレート、共栄社化学社製)
IBXA(イソボルニルアクリレート、共栄社化学社製)
リカシッドMH700G(酸無水物系熱硬化剤、新日本理化社製)
エピコート806(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製)
エピコート4004(固形ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製)
セロキサイド2021P(脂環型エポキシ(3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート)、ダイセル化学社製)
DCP−A(ジシクロペンタジエンジアクリレート、共栄社化学社製)
IBXA(イソボルニルアクリレート、共栄社化学社製)
リカシッドMH700G(酸無水物系熱硬化剤、新日本理化社製)
(評価)
実施例及び比較例で調製した基板貼り合わせ用光学接着剤について、以下の評価を行った。結果を表5〜表8に示した。
実施例及び比較例で調製した基板貼り合わせ用光学接着剤について、以下の評価を行った。結果を表5〜表8に示した。
(1)貯蔵弾性率
ガラス基板に実施例及び比較例で製造した基板貼り合わせ用光学接着剤を流し込んで約1mm厚にし、紫外線ランプで1500mJ照射した。その後、80℃10分間加熱して反応を完了させ、実施例及び比較例に係る基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体を作製した。
EI計測製粘弾性スペクトロメーター(アイティー計測制御社製、「DVA−200」)を用いて、作製した基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体について、−60〜120℃の温度範囲の引っ張り弾性で、振動数10サイクル/秒の条件で貯蔵弾性率を測定した。
ガラス基板に実施例及び比較例で製造した基板貼り合わせ用光学接着剤を流し込んで約1mm厚にし、紫外線ランプで1500mJ照射した。その後、80℃10分間加熱して反応を完了させ、実施例及び比較例に係る基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体を作製した。
EI計測製粘弾性スペクトロメーター(アイティー計測制御社製、「DVA−200」)を用いて、作製した基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体について、−60〜120℃の温度範囲の引っ張り弾性で、振動数10サイクル/秒の条件で貯蔵弾性率を測定した。
(2)光学特性
(初期の光線透過率)
厚さ1mmのアルカリガラスの間を100μmに保ち、このガラスの間に実施例及び比較例で製造した基板貼り合わせ用光学接着剤を入れ、紫外線を1500mJ照射後、80℃10分間保持して接着剤を硬化させ、実施例及び比較例に係るサンプルをそれぞれ作製した。
得られたサンプルを用いて、分光光度計(日立製作所社製、「U−3000」、条件300〜800nm)を用いて、波長400nm、550nm及び780nmの吸光度を測定し、初期の光線透過率を算出した。
(初期の光線透過率)
厚さ1mmのアルカリガラスの間を100μmに保ち、このガラスの間に実施例及び比較例で製造した基板貼り合わせ用光学接着剤を入れ、紫外線を1500mJ照射後、80℃10分間保持して接着剤を硬化させ、実施例及び比較例に係るサンプルをそれぞれ作製した。
得られたサンプルを用いて、分光光度計(日立製作所社製、「U−3000」、条件300〜800nm)を用いて、波長400nm、550nm及び780nmの吸光度を測定し、初期の光線透過率を算出した。
(耐熱性試験後の光線透過率)
上述した方法で作製した実施例及び比較例に係るサンプルを、85℃に設定されたエスペック社製のオーブン(型式、パーフェクトオーブン PH−201)に1000時間投入して耐熱性試験を行った。その後、各サンプルを分光光度計(日立製作所社製、U−3000、条件300〜800nm)を用いて、波長400nm、550nm及び780nmの吸光度を測定し、耐熱性試験後の光線透過率を算出した。
上述した方法で作製した実施例及び比較例に係るサンプルを、85℃に設定されたエスペック社製のオーブン(型式、パーフェクトオーブン PH−201)に1000時間投入して耐熱性試験を行った。その後、各サンプルを分光光度計(日立製作所社製、U−3000、条件300〜800nm)を用いて、波長400nm、550nm及び780nmの吸光度を測定し、耐熱性試験後の光線透過率を算出した。
(耐光性試験後の光線透過率)
耐光性ウエザロメーター(スガ試験機社製、「スーパーキセノンウェザーメーター SX75」)を用いて、上述した方法で作製した実施例及び比較例に係るサンプルの耐光性試験を1000時間行った。その後、各サンプルを分光光度計(日立製作所社製、「U−3000」、条件300〜800nm)を用いて、波長400nm、550nm及び780nmの吸光度を測定し、耐光性試験後の光線透過率を算出した。
耐光性ウエザロメーター(スガ試験機社製、「スーパーキセノンウェザーメーター SX75」)を用いて、上述した方法で作製した実施例及び比較例に係るサンプルの耐光性試験を1000時間行った。その後、各サンプルを分光光度計(日立製作所社製、「U−3000」、条件300〜800nm)を用いて、波長400nm、550nm及び780nmの吸光度を測定し、耐光性試験後の光線透過率を算出した。
(3)剥がれ試験
実施例及び比較例で製造した基板貼り合わせ用光学接着剤に、1重量%の直径100μmの大微粒子(「ミクロパールSP−L100」、積水化学工業社製)を加え、これを100mm×100mmのガラス基板に隙間なく置き、対向アクリル板を貼り合せた。1500mJの紫外線照射を行い、その後80℃30分間保持して反応を完了させた。その後−40℃(30分)×85℃(30分)の条件でヒートサイクル試験を100回行い、目視にて剥がれの有無を確認した。なお、剥がれが確認できなかったものを「○」、剥がれが確認できたものを「×」とした。
実施例及び比較例で製造した基板貼り合わせ用光学接着剤に、1重量%の直径100μmの大微粒子(「ミクロパールSP−L100」、積水化学工業社製)を加え、これを100mm×100mmのガラス基板に隙間なく置き、対向アクリル板を貼り合せた。1500mJの紫外線照射を行い、その後80℃30分間保持して反応を完了させた。その後−40℃(30分)×85℃(30分)の条件でヒートサイクル試験を100回行い、目視にて剥がれの有無を確認した。なお、剥がれが確認できなかったものを「○」、剥がれが確認できたものを「×」とした。
本発明によれば、表示装置の使用環境の温度変化によらず、パネル及び保護用基板との界面で剥離が生じず優れた接着性を維持でき、表示品質に優れた表示装置とすることができる基板貼り合わせ用光学接着剤を提供することができる。また、該基板貼り合わせ用光学接着剤を硬化させた基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体を提供することができる。
10、20 液晶表示装置
11、21 液晶パネル
12、22 保護用基板
13 硬化体
23 空気層
11、21 液晶パネル
12、22 保護用基板
13 硬化体
23 空気層
Claims (10)
- カチオン重合性単量体は、下記一般式(6−1)及び/又は下記一般式(6−2)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の基板貼り合わせ用光学接着剤。
- 一般式(8)又は一般式(9)で表される化合物は、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル及び/又は3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンであることを特徴とする請求項3記載の基板貼り合わせ用光学接着剤。
- 液晶パネルと保護用基板とを接合するための基板貼り合わせ用接着剤であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の基板貼り合わせ用光学接着剤。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の基板貼り合わせ用光学接着剤を用いてなる硬化体であって、
−30℃における貯蔵弾性率が1×109Pa以下であり、かつ、60℃における貯蔵弾性率が1×106Pa以上である
ことを特徴とする基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体。 - 厚さを0.1mmとしたときの可視光領域における光線透過率が90%以上であることを特徴とする請求項9記載の基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体。
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