JP5152213B2 - オキセタニル基を2個以上有するポリマーを含むカチオン硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また、光カチオン重合開始剤を配合したエポキシ系及びオキセタン系の光カチオン硬化性樹脂組成物は、次のような理由で近年注目されている。すなわち、光硬化性樹脂の大部分を占める(メタ)アクリレート系に比べてエポキシ化合物及びオキセタン化合物は硬化時の収縮率が小さく、基材への密着性に優れ、吸水率が低く、そして空気中の酸素により重合が阻害されない等の長所を有するためである。このような理由から、カチオン硬化性樹脂組成物、とりわけ光カチオン硬化性樹脂組成物が注目されている。しかし、エポキシとアミン等とによる硬化系等に比べると高価であるため、汎用の材料よりはむしろ電子材料や光学材料等、特異な物性を必要とする分野において注目されている。
3.上記に記載のカチオン硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線照射及び/又は加熱してなる硬化物。
さらに、本発明のカチオン硬化性樹脂組成物によれば、一般に可撓性樹脂と呼ばれる軟らかい硬化物から、粘着剤と同程度もしくはそれ以上に軟らかい硬化物を与えることができる。また、本発明のカチオン硬化性樹脂組成物は、粘着剤と同程度の低弾性率でありながら形状変化後の復元性に優れた材料とすることができる。
ポリブタジエン等のように二重結合が存在するものを合成原料に用いた本発明の多官能オキセタンポリマーは、組成物を作製するときの相溶性が良い。
又は、本発明のカチオン硬化性樹脂組成物は、多官能オキセタンポリマーと、エポキシ基を有する化合物及び/又は本発明の多官能オキセタンポリマー以外のオキセタニル基を有する化合物と、活性エネルギー線によって活性化するカチオン重合開始剤及び/又は熱によって活性化するカチオン重合開始剤とを含むものである。
本発明の組成物には、これら以外のオキセタニル基を有する化合物を含むこともあり、またエポキシ化合物を含むこともある。
本発明は、上記に記載のカチオン硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射及び/又は加熱してなる硬化物である。
本発明のオキセタニル基を有するマレイン化化合物の合成に使用するマレイン化ポリブタジエンやマレイン化ポリイソプレンとしては種々のものが利用できる。これはラジカル重合由来であってもアニオン重合由来であっても良い。
これらの分子量は特に限定するものではないが、粘度平均分子量で500〜100,000であることが好ましく、さらに好ましくは1,000〜80,000、特に好ましくは5,000〜40,000である。この分子量が500未満であると、硬化物が低弾性率のカチオン硬化性樹脂を得ることが困難である場合がある。また分子量が100,000より大きい場合はその他のモノマーや重合開始剤との相溶性が悪くなるので好ましくない。
マレイン化率すなわちポリマー1分子当りに導入される酸無水物の個数については、1分子当り平均1個以上導入されていることが好ましく、さらに好ましくは平均2〜10個、特に好ましくは平均2〜5個である。マレイン化率が平均1個以下の場合、非反応性のポリマーが増えることになり、硬化物からのブリードアウトやtanδの上昇を引き起こしやすくなり、また耐溶剤性にも劣るため好ましくない。逆にマレイン化率が平均10個を超える場合、本発明の特徴である低弾性率を実現するために式(1)で表されるものの付加率を下げる必要がでてくるが、その場合無用の酸無水物が残るので、耐水性や低吸水性の点から好ましくない。
なお、本発明のオキセタニル基を有するマレイン化化合物は、マレイン化ポリブタジエン又はマレイン化ポリイソプレンに、式(1)で表される化合物だけでなく、他のアルコールをも付加させて良い。ここでのアルコールとしては、1分子中に1個の水酸基を有するものが好適であり、アミン化合物等のカチオン重合を阻害する官能基を有していなければ種々のものが好適に利用できる。また、酸無水物にアルコールを付加させた後に生成するカルボン酸を、これらのアルコールによりエステル化しても良い。
本発明で使用するオキセタニル基を有するマレイン化化合物は、カチオン重合性に優れるため、活性エネルギー線によって活性化するカチオン重合開始剤及び/又は熱によって活性化するカチオン重合開始剤を配合することで、カチオン硬化性樹脂組成物として使用することができる。当該カチオン硬化性樹脂組成物からの活性エネルギー線硬化性樹脂は、従来のものでは達成困難な物性を実現できる。
全体としての硬化性向上のために用いるエポキシ化合物としては種々のものが利用可能であり、単官能であっても多官能であっても良い。また、エポキシ化合物のエポキシ基としては、分子内の二重結合を酸化させたものであっても、グリシジルエーテルであっても良い。分子内の二重結合を酸化させたものとしては、脂環式エポキシだけでなく、オレフィンやポリブタジエン等の鎖状分子を酸化させたものであってもよい。
1分子中に1個のオキセタニル基を有する化合物は、1分子中に1個のエポキシ基を有する化合物に比べて、硬化性だけでなく安全性の点からも好ましい。即ち、分子量の小さいエポキシ化合物の多くは変異原性の疑いが持たれているが、オキセタン化合物では、例えば分子量の小さい3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンは変異原性が陰性であるからである。
tanδが小さい硬化物は、弾性率が低くとも形状変化後の復元性に優れている。
ここで、室温とは25℃付近を指し、実際には室内で使用する電子機器の内部に使用されることが多いため、概ね0℃〜40℃の範囲である。この温度範囲にて、硬化物を低弾性率でありながら形状変化後の復元性に優れたものとするためには、ガラス転移温度は−10℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは−25℃以下、特に好ましくは−40℃以下である。
更に本発明の組成物から得られる硬化物は、本発明の化合物の含有量や配合するものを調製することにより、25℃での動的粘弾性率(G’)が1×108Pa以下であるものを得ることができ、又は107Pa以下のものも得ることができ、又は106Pa以下ものも得ることができる。
この化合物で商品化されているものの例を挙げると、ジシクロペンタジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、o−、m−、p−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ポリブタジエンの内部エポキシ化物、ポリブタジエンの両末端がグリシジルエーテル化された化合物、スチレン−ブタジエン共重合体のブタジエンの二重結合が一部エポキシ化された化合物、エチレン−ブチレン共重合体とポリイソプレンのブロックコポリマーのポリイソプレンの一部がエポキシ化された化合物(KRATON社製L−207)、4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの開環重合体のビニル基をエポキシ化した化合物、エポキシ化植物油等が例示できる。
ここで、1分子当りのエポキシ基の数は特に限定するものではないが、50以下であることが好ましく、特に好ましくは20以下である。エポキシ基が50より多い場合は少量の配合で弾性率が向上するので好ましくない。
但し、1分子中に1個のオキセタニル基を有する化合物としては、片末端にオキセタニル基を有するエチレン−ブチレン共重合体を除く。
この化合物の例を挙げると、(カッコ内は商品名又は開発品名、東亞合成製)、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン(アロンオキセタンOXT−121(XDO))、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(アロンオキセタンOXT−221(DOX))、オキセタニルシルセスキオキサン(OX−SQ)、フェノールノボラックオキセタン(PNOX−1009)、ノルボルナンジメタノールと3−エチル−3−クロロメチルオキセタン(以後OXCと略す)のエーテル化物(NDMOX)、トリメチロールプロパンとOXCのエーテル化物(TMPOX)、ハイドロキノンとOXCのエーテル化物(HQOX)、レゾルシノールとOXCのエーテル化物(RSOX)、2,2’−ビフェノールとOXCのエーテル化物(2,2’−BPOX)、4,4’−ビフェノールとOXCのエーテル化物(4,4’−BPOX)、ビスフェノールFとOXCのエーテル化物(BisFOX)、トリシクロデカンジメタノールとOXCのエーテル化物、OXAとシリコンによるアルコキサイド(OX−SC)等が挙げられる。
ここで、1分子当りのオキセタニル基の数は特に限定するものではないが、20以下であることが好ましく、さらに好ましくは5以下であり、特に好ましくは3以下である。
フェノール系酸化防止剤としては、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3’−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)]プロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティーケミカルズ社製Irganox 1010)、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチル)フェノール、等が挙げられる。
特に、本発明のカチオン硬化性樹脂組成物において活性エネルギー線硬化によるものでは、従来のものでは達成困難な物性を実現できるため好適である。その中でも、活性エネルギー線として紫外線又は可視光を使用したものは、比較的安価で小さな製造ラインによる生産が可能なため、特に好ましい。
○オキセタニル基を有するマレイン化化合物の合成(LIOX−1)
500MLのセパラブルフラスコに、マレイン化ポリイソプレンであるクラレ製LIR−403を100g(粘度平均分子量25,000、1分子あたりの官能基数3、酸無水物として約8mmol)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(OXA、東亞合成(株)製)を4.65g(40mmol)、キシレンを100g仕込んでフタをし、攪拌機、冷却管、窒素導入管を取り付け、オイルバスに浸けて攪拌した。窒素流量200ml/分で30分窒素置換した後、窒素流量を50ml/分とし、バス温を150℃としてキシレンを還流させながら16時間反応させた。反応率は、IRスペクトルにおける酸無水物のピーク(1790cm-1)の吸光度とC−H伸縮振動である2930cm-1のピークとから求めた。16時間後の反応率は81%であった。
この溶液に酸化防止剤であるIrganox1010(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)を0.1g加えた後、100℃にてキシレンを減圧留去した。収率は100%であり、残留したOXAは0.3%(ガスクロマトグラフィーによる)であった。
生成物であるポリマーは淡黄色透明であり、50℃での粘度は153Pa・sであった。
○オキセタニル基を有するマレイン化化合物の合成(LIOX−2)
500MLのセパラブルフラスコに、マレイン化ポリイソプレンであるクラレ製LIR−403を90g(酸無水物として約7.2mmol)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(OXA、東亞合成(株)製)を4.19g(36mmol)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(EHOX、東亞合成(株)製)を60g仕込んでフタをし、攪拌機、冷却管、窒素導入管を取り付け、オイルバスに浸けて攪拌した。窒素流量200ml/分で30分窒素置換した後、窒素流量を50ml/分とし、液温165℃で4時間反応させた後、140℃で4時間反応させた。反応率を実施例1と同様に求めたところ84%であった。
ここでの生成物は、オキセタニル基を有するマレイン化化合物(58%)、EHOX(40%)、OXA(2%)を含む組成物であり、外観は淡黄色透明、25℃での粘度は10.9Pa・sであった。
○ウレタンアクリレート(PTGUA)の合成
500MLのセパラブルフラスコに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)88.8g(0.40mol)、ジブチルチンジラウレート0.34g、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)0.102gを仕込み、空気を吹き込みながら、分子量約1000のポリテトラメチレングリコール(保土谷化学工業製PTG1000SN)203.8g(0.20mol)を滴下して反応させ、さらに60℃で1時間反応させた。次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)46.4g(0.40mol)を滴下し、80℃で1時間反応させてウレタンアクリレートを得た。
LIOX−1:合成例1で得た生成物
LIOX−2:合成例2で得た生成物
UVR6216:1,2−エポキシヘキサデカン(ダウ・ケミカル日本製UVR−6216)
EHOX:3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(東亞合成製アロンオキセタンOXT−212)
L207:KRATON Polymers社製L−207(エチレン−ブチレン共重合体とエポキシ化ポリイソプレンのブロック共重合体、1H−NMRの水酸基基準による分子量は約6000、エポキシ当量は約670g/mol、Tg−53℃)
POX:3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(東亞合成製アロンオキセタンOXT−211)
NDMOX:ノルボルナンジメタノールジオキセタン(東亞合成製、アロンオキセタンNDMOX(開発品))
PGE:フェニルグリシジルエーテル(ナガセケムテクス製デナコールEX−141)
PTGUA:合成例1で合成したウレタンアクリレート
BADMA:ビスフェノールAにエチレンオキサイドを4個付加させたアルコールのジメタクリレート(共栄社化学製ライトエステルBP−4EM)
M120:2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート(東亞合成製アロニックスM−120)
EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート
POA:フェノキシエチルアクリレート(共栄社化学製ライトアクリレートPOA)
WPI016:ビス(アルキル(C=10〜14)フェニルヨードニウム)ヘキサフルオロアンチモネート(和光純薬製光カチオン重合開始剤WPI−016)
#2074:トリルクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(ローディア社製PHOTOINITIATOR2074)
Dc1173:チバ・スペシャルティーケミカルズ社製光ラジカル重合開始剤Darocur1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、本発明では光カチオン重合の増感剤として使用)
Irg184:チバ・スペシャルティーケミカルズ社製光ラジカル重合開始剤Irgacure184(1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、本発明では光カチオン重合の増感剤として使用)
WPI003:ビス(アルキル(C=10〜14)フェニルヨードニウム)ヘキサフルオロホスフェート(和光純薬製光カチオン重合開始剤WPI−003)
表1及び表2に示す成分を常法に従って混合し、カチオン硬化性組成物を調製した後、物性を評価した。
東機産業製E型粘度計にて25℃における各組成物の粘度(Pa・s)を測定し、これらの結果を表3に記載した。
ポリテトラフルオロエチレン製の板に厚さ1mmの枠を作成し、表1に記載の実施例及び比較例の組成物をそれぞれの枠内に流し込んだ後、60W/cmの高圧水銀ランプにより紫外線を照射した。365nmにおける強度150mW/cm2で2分間照射し、裏面まで硬化したことを確認した後、裏返して同一条件で照射した。得られた硬化物の動的粘弾性を、ティーエーインスツルメント社製RDS−IIにて、振動数1Hzで測定し、貯蔵弾性率(G’)及びtanδを評価した。表3には、25℃での物性値を記載した。
Reologia社(スウェーデン)製光硬化粘弾性測定装置にて、光照射による硬化過程及び硬化後の粘弾性を測定した。すなわち、石英プレート上に、表1記載の比較例1の組成物、及び表2記載の比較例2及び3の組成物を載せて上から直径10mmのローターで挟み(ギャップ0.2mm)、温度25℃にて、振動数1Hzでずり歪を与えながら、石英プレート下部より水銀キセノンランプ(浜松ホトニクス製L8222、50mW/cm2(365nmにおける強度)に調整)を照射し、粘弾性を測定した。
硬化物の弾性率G’(Pa)及びtanδを表3に示す。比較例1及び2については、樹脂が光硬化して最終的に到達した値を示す。比較例3については、G’が105Pa付近となるよう、光照射を硬化の途中で中止した場合の値を示す。なお、比較例1については、モノマーが消費されていることを、1H−NMRスペクトルにより確認した。
比較例1の組成物について、PETフィルム上にバーコーターにて膜厚20ミクロンに塗工し、これを80W/cmの高圧水銀ランプ(1灯)、ランプ高さ10cmにて、コンベア速度10m/分又は30m/分にて、塗膜が固体に変化するまでのパス回数により硬化性を評価した。この結果を表3に記載した(固化するまでの通過回数を記載。以下、硬化性についての結果記載は同様である。)。なお、このときの雰囲気は、温度26℃、相対湿度66%であった。
○オキセタニル基を有するマレイン化化合物を含有する組成物の配合とその物性評価
表4に記載の組成物について、粘度及び硬化物の動的粘弾性を測定した。これらの評価結果を表4に示す。また表5に記載の組成物について硬化性を評価し、この結果を表5に記載した。
物性の評価方法を以下に示す。
表5に記載の組成物(実施例4〜6)をPETフィルム上にバーコーターにて膜厚20ミクロンに塗工し、160W/cmの高圧水銀ランプ(1灯)、ランプ高さ10cm、コンベア速度10m/分にて、塗膜が固体に変化した時のパス回数により硬化性を評価した。この結果を表8に記載した。なお、このときの雰囲気は、温度26℃、相対湿度66%であった。
ポリテトラフルオロエチレン製の板に厚さ1mmの枠を作成し、実施例1の組成物をそれぞれの枠内に流し込んだ後、60W/cmの高圧水銀ランプにより紫外線を照射した。365nmにおける強度150mW/cm2で2分間照射し、裏面まで硬化したことを確認した後、裏返して同一条件で照射した。得られた硬化物の動的粘弾性スペクトル(温度依存性)を、Reologia社製VAR−100にて振動数1Hzで測定した。これらの粘弾性スペクトルを図1に示す。
なお、実施例1の硬化物の手触りは、非常に軟らかいが形状変化後の復元性に優れたものであり、また大きく変形しても破れず、脆さのないものであった。
更に、本発明のポリマーの製法は、容易に入手可能な材料を使用し、厳密な脱水のための設備や操作を必要としないため、特定の電子材料や光学材料等のような比較的少量の生産に適した製造法である。
図1の右縦軸:tanδの値(対数目盛)。
図1の左縦軸:貯蔵弾性率(G’)の値(Pa、対数目盛)。
図1の太い実線:実施例1の組成物を紫外線で硬化させた硬化物の貯蔵弾性率(G’)を示す曲線。
図1の太い破線:実施例1の組成物を紫外線で硬化させた硬化物のtanδを示す曲線。
Claims (3)
- エポキシ基を有する化合物及び/又はオキセタニル基を2個以上有するポリマー以外のオキセタニル基を有する化合物(但し、片末端にオキセタニル基を有するエチレン−ブチレン共重合体を除く)を更に含有する請求項1に記載のカチオン硬化性樹脂組成物。
- 請求項1又は請求項2に記載のカチオン硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線照射及び/又は加熱してなる硬化物。
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