JP5810865B2 - シリコーン粘着剤用縮合反応硬化型プライマー組成物 - Google Patents
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Description
(A)1分子中に少なくとも2個のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン (B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子のモル数が(A)成分中のシラノール基のモル数の20〜1000倍となる量、
(C)非錫系縮合反応触媒 (A)成分と(B)成分の合計に対し1〜30質量部、
(D)(D1)炭素原子1〜3個を介して窒素原子と酸素原子が結合した構造を含む有機化合物、(D2)(D1)成分中の酸素原子の一部又は全てがイオウ原子に置き換わった有機化合物、又はこれらの組み合わせからなる助触媒 (A)成分に対し1〜20質量部、及び
(E)任意量の有機溶剤
を含むシリコーン粘着剤用縮合反応硬化型プライマー組成物を提供する。
(A)成分は1分子中にケイ素原子に結合したヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンである。(A)成分は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。ヒドロキシル基以外のケイ素原子に結合した1価の基は特に限定されるものではないが、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、等の1価炭化水素基が挙げられる。特にヒドロキシル基以外のケイ素原子に結合した1価の基の80モル%以上がメチル基であることが好ましい。(A)成分の分子構造も特に限定されるものではなく、基本的には直鎖構造が工業的には好ましいが、分岐構造を有するオルガノポリシロキサンも同様に使用可能である。(A)成分の25℃における粘度は50,000mPa・s以上であることが好ましい。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(以下、SiH基という)を少なくとも3個有する限り特に限定されない。(B)成分は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。(B)成分の分子構造は直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよい。(B)成分の25℃における粘度は数mPa・s〜数万mPa・s(例えば、2mPa・s〜6万mPa・s)の範囲でよい。
但し、上記式において、YとZのおのおのは以下の式で示される基であり、aからpは次に示される範囲の整数である:a,e及びgは3〜500、f,i及びlは1〜500、b,c,d,h,j,k,m,n,o及びpは0〜500。
(C)成分の非錫系縮合反応触媒は、(A)成分と(B)成分とのいわゆる架橋反応を促進し、硬化被膜を形成するために用いられる縮合反応触媒である。(C)成分は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。(C)成分としては、例えば、非錫系金属化合物が挙げられ、好ましくはマグネシウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、クロム化合物、鉄化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、銅化合物、亜鉛化合物、ジルコニウム化合物、ビスマス化合物などが使用できる。(C)成分としては、例えば、3価アルミニウム、3価鉄、3価コバルト、2価亜鉛、4価ジルコニウム、3価ビスマス等の金属の有機酸塩、該金属のアルコキシド、該金属のキレート化合物などの金属化合物がより好ましく挙げられる。前記有機酸塩としては、例えば、オクチル酸、ラウリン酸、ステアリン酸などの、多価カルボン酸以外の有機酸の塩が挙げられる。前記アルコキシドとしては、例えば、プロポキシド、ブトキシドなどのアルコキシドが挙げられる。前記キレート化合物としては、例えば、カテコール、クラウンエーテル、ヒドロキシ酸の共役塩基、ヒドロキシ酸のエステルの共役塩基、1,3−ジケトン類の共役塩基、β−ケト酸エステル類の共役塩基などの多座配位子を含むキレート化合物が挙げられる。1個の金属原子に複数種類の配位子が結合していてもよい。特に、配合及び使用の条件が多少異なっても、安定した硬化性の得られ易いアルミニウム化合物、鉄化合物、及びビスマス化合物が使いやすく望ましい。中でも、多座配位子を含む3価アルミニウム化合物、多座配位子を含む3価鉄化合物、及び多座配位子を含む3価ビスマス化合物がより望ましく、3価アルミニウムのキレート化合物、3価鉄のキレート化合物、及び3価ビスマスのキレート化合物が更により望ましい。
(D)成分のうち(D1)成分は炭素原子1〜3個を介して窒素原子と酸素原子が結合した構造を含む有機化合物である。(D1)成分は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
が好ましく用いられる。イソシアネート基含有化合物同士の縮合物としては、イソシアネート基含有化合物の2量体、3量体などが挙げられる。(D1a)成分は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(D1b)アミノ基含有化合物とエポキシ化合物との開環反応生成物
が好ましく用いられる。(D1b)成分は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(D1c)アミノ基含有化合物とオキセタン化合物との開環反応生成物
が好ましく用いられる。(D1c)成分は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[測定条件]
展開溶媒:トルエン
流量:0.35mL/min.
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:品名…TSKgel−G2000H×2本、G3000H×1本、G4000H×1本、TSKgurdcolumnH−L×1本(東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(濃度1質量%のトルエン溶液)
(E)成分の有機溶剤は、処理浴安定性及び各種基材に対する塗工性の向上、塗工量及び粘度の調整を目的として配合される成分である。(E)成分は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。(E)成分としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、ヘキサン、ヘプタン等の、組成物を均一に溶解できる有機溶剤が使用でき、塗工方法によっては(E)成分は配合されなくてもよい。
本発明の組成物には、必要に応じて滑り性付与剤、密着向上剤、剥離力コントロール剤、顔料、レベリング剤、バスライフ延長剤として公知のものを配合することもできる。本発明の組成物は、本発明の目的に基づき、錫系縮合反応触媒を含まないものであることが好ましい。
本発明の組成物は前記(A)〜(E)成分及び必要に応じその他の成分を均一に混合することにより容易に製造することができる。このとき、(A)成分を(E)成分に均一に溶解した後、(B)〜(D)成分を混合するのが有利である。
本発明の組成物を基材に塗工する場合には、本発明の組成物を直接又は適当な有機溶剤で希釈した後、バーコーター、ロールコーター、リバースコーター、グラビアコーター、エアナイフコーター、さらに薄膜の塗工の場合には高精度のオフセットコーター、多段ロールコーター等の公知の塗布手段を用い、公知の塗布方法により、フィルム等の基材に塗布する。
等モル量の
3モルの
等モル量の
1モルの
1モルの
1モルの
(A−1)30質量%トルエン溶液の25℃における粘度が3000mPa・sであり、分子鎖の両末端がジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格(即ち、分子鎖両末端以外の部分。以下同じ)はジメチルシロキサン単位で構成されているオルガノポリシロキサン 100質量部
を
(E)トルエン 900質量部
に20〜40℃で撹拌溶解させた。得られた溶液に、
(B)分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、MeHSiO2/2で表される単位を全シロキサン単位中95モル%含有し、25℃における粘度が25mPa・sであるメチルハイドロジエンポリシロキサン 10質量部、及び
(D−1)下記平均構造式:
で表される平均分子量400の縮合物(合成例1で得られたもの) 5質量部
を加え、20〜40℃で1時間撹拌混合して混合物を得た。基材への塗工直前に、
(C−1)トリアセチルアセトナートビスマス (A−1)成分に対しBi換算で3質量%
を上記混合物に添加して、組成物を調製した。
実施例1において、(D−1)成分の代わりに
(D−2)下記平均構造式:
実施例1において、(D−1)成分の代わりに
(D−3)下記平均構造式:
実施例1において、(D−1)成分の代わりに
(D−4)下記平均構造式:
実施例1において、(D−1)成分の代わりに
(D−5)下記平均構造式:
実施例1において、(D−1)成分の代わりに
(D−6)下記平均構造式:
実施例1において、(C−1)成分の代わりに
(C−2)テトラアセチルアセトナート鉄 (A−1)成分に対しFe換算で3質量%
を用いた以外は実施例1と同様に、組成物を調製し、評価用試料1及び2を作製した。
実施例1において、(A−1)成分の代わりに
(A−2)30質量%トルエン溶液の25℃における粘度が27000mPa・sであり、分子鎖の両末端がジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格はジメチルシロキサン単位99.9モル%とヒドロキシメチルシロキサン単位0.01モル%とで構成されているオルガノポリシロキサン 100質量部
を用いた以外は実施例1と同様に、組成物を調製し、評価用試料1及び2を作製した。
実施例8において、(C−1)成分の代わりに
(C−3)テトラアセチルアセトナートアルミニウム (A−2)成分に対しAl換算で3質量%
を用いた以外は実施例8と同様に、組成物を調製し、評価用試料1及び2を作製した。
実施例8において、(C−1)成分の代わりに
(C−2)テトラアセチルアセトナート鉄 (A−2)成分に対しFe換算で3質量%
を用いた以外は実施例8と同様に、組成物を調製し、評価用試料1及び2を作製した。
実施例8において、(C−1)成分の代わりに
(C−3)テトラアセチルアセトナートアルミニウム (A−2)成分に対しAl換算で1.5質量%、及び
(C−4)3価Biカルボン酸塩(ビスマスネオデカノエート、Sigma-Aldrich製) (A−2)成分に対しBi換算で1.5質量%
を用いた以外は実施例8と同様に、組成物を調製し、評価用試料1及び2を作製した。
実施例8において、(C−1)成分の代わりに
(C−2)テトラアセチルアセトナート鉄 (A−2)成分に対しFe換算で1.5質量%、及び
(C−4)3価Biカルボン酸塩(ビスマスネオデカノエート、Sigma-Aldrich製) (A−2)成分に対しBi換算で1.5質量%
を用いた以外は実施例8と同様に、組成物を調製し、評価用試料1及び2を作製した。
実施例1において、(D−1)成分を配合しなかった以外は実施例1と同様に、組成物を調製し、評価用試料1及び2を作製した。
実施例1において、(D−1)成分の代わりに
(D'−1)下記平均構造式:
実施例1において、(D−1)成分の代わりに
(D'−2)下記平均構造式:
実施例1において、(D−1)成分を配合せず、(C−1)成分の代わりに、
(C'−1)ジオクチル錫ジカルボン酸塩(ジオクチル錫ジネオデカノエート) (A−1)成分に対し錫換算で3質量%
を用いた以外は実施例1と同様に、組成物を調製し、評価用試料1及び2を作製した。
実施例8において、(D−1)成分を配合せず、(C−1)成分の代わりに、
(C'−1)ジオクチル錫ジカルボン酸塩(ジオクチル錫ジネオデカノエート) (A−2)成分に対し錫換算で3質量%
を用いた以外は実施例8と同様に、組成物を調製し、評価用試料1及び2を作製した。
実施例1において、組成物を調製せず、組成物をポリイミドフィルムに塗工しなかった以外は実施例8と同様に、評価用試料1及び2を作製した。
1)硬化性
評価用試料1の硬化皮膜表面を指でこすり、皮膜表面のくもり度合を目視で観察し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
○:くもりが生じなかった。
△:相対的に薄いくもりが生した。
×:相対的に濃いくもりが生じた、あるいは未硬化の状態であった。
密着性は、評価用試料2の長さ方向に平行な側面のうち、一方の側面の中央辺りにおいて、該一方の側面から評価用試料2の幅方向に2mmの長さを有する切れ目をポリイミドフィルム基材、硬化皮膜、および粘着剤にわたって入れた後、評価用試料2をその両端で互いに反対向きに引っ張って引き裂き、粘着剤がフィルム基材より浮き上がるかどうかで確認し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
×:粘着剤が全面にわたり浮き上がった。
△:粘着剤が一部浮き上がった。
○:粘着剤の浮き上がりが認められなかった。
さらに評価用試料2中のポリイミドフィルム基材にのみ上記と同様の切れ目を入れ、評価用試料2をその両端で互いに反対向きに引っ張って引き裂き、粘着剤が該切れ目由来の裂け目において左右に引っ張られて伸び、最終的に切れるまでの粘着剤の伸び量を測定した。密着性が良好であれば粘着剤の伸びは短くなる。
Claims (4)
- (A)1分子中に少なくとも2個のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン (B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子のモル数が(A)成分中のシラノール基のモル数の20〜1000倍となる量、
(C)非錫系縮合反応触媒 (A)成分と(B)成分の合計に対し1〜30質量部、
(D)以下の(D1a)、(D1b)及び(D1d)成分より選択される少なくとも1種のアルコキシシリル基含有化合物助触媒 (A)成分に対し1〜20質量部
(D1a)イソシアネート基含有化合物、イソシアネート基含有化合物と水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、又はこれらの組み合わせとの反応生成物
(D1b)アミノ基含有化合物とエポキシ化合物との開環反応生成物
(D1d)前記(D1b)の開環反応生成物とイソシアネート基含有化合物との反応生成物、及び
(E)任意量の有機溶剤
を含むシリコーン粘着剤用縮合反応硬化型プライマー組成物。 - (C)成分がマグネシウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、クロム化合物、鉄化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、銅化合物、亜鉛化合物、ジルコニウム化合物、及びビスマス化合物からなる群より選択される少なくとも1種の非錫系縮合反応触媒である請求項1に係る組成物。
- (C)成分が多座配位子を含む3価アルミニウム化合物、多座配位子を含む3価鉄化合物、及び多座配位子を含む3価ビスマス化合物からなる群より選択される少なくとも1種の非錫系縮合反応触媒である請求項1又は2に係る組成物。
- シリコーン粘着剤が過酸化物硬化型である請求項1〜3のいずれか1項に係る組成物。
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