JP5834755B2 - 剥離性硬化皮膜の形成方法 - Google Patents

剥離性硬化皮膜の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、剥離性硬化皮膜の形成方法に関する。
紙、ラミネート紙、プラスチックフィルム等の各種基材表面に剥離性硬化皮膜を形成させることで、感圧接着剤等の粘着物質に対して剥離性を示す材料を得る方法は古くから知られている。このような剥離性硬化皮膜を形成する材料としてシリコーン組成物が使用されており、例えば特公昭35−13709号公報(特許文献1)や特公昭36−1397号公報(特許文献2)には、シラノール基含有オルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンと錫化合物からなる縮合反応硬化型シリコーン剥離コーティング組成物が提案されている。
その後、特公昭46−26798号公報(特許文献3)等で開示されているような付加反応硬化型の組成物が開発されると、縮合型よりもキュアー性やポットライフの良好な点が好まれ、付加型が広く普及しはじめた。特に比較的低い加熱温度で短時間硬化を必要とされる剥離紙用途では、現在でも付加型が主流で使用され続けている。
縮合反応硬化型に通常使用される錫化合物は、硬化性に優れ、無色であり、液体で、しかもシリコーンに可溶である点からアルキル錫系が主として用いられるものの、毒性があるという欠点を有する(生殖毒性)。また、環境ホルモン疑義物質等として環境負荷としての問題点も指摘されるなど使用への制限が厳しくなる状況に進んでいる。
それでも縮合反応硬化型には、付加反応触媒毒の有る用途への使用が可能で、混合使用できる他材料の種類が豊富であるなどの利点があり、錫触媒の安全性や環境負荷の問題を解決すればシリコーン剥離コーティング組成物として更に多様な用途への利用拡大が期待されている。
そのため、従来から触媒の非錫化が検討されてきた。特開昭59−176326号公報(特許文献4)では水酸化第4ホスホニウム化合物、国際公開第2008/081890号パンフレット(特許文献5)では第4級アンモニウムイオン化合物、米国特許第3,719,633号明細書(特許文献6)、米国特許第4,180,462号明細書(特許文献7)、特表2011−506584号公報(特許文献8)にはグアニジン等の有機物が提案され、特表2011−510103号公報(特許文献9)にはカオリン等の天然鉱物の利用も紹介されている。
金属化合物としては、従来からチタン系や亜鉛系化合物の利用がされており、最近では特表2007−527932号公報(特許文献10)にIr化合物、特開2010−163602号公報(特許文献11)にZr化合物、特表2011−506738号公報(特許文献12)にZn化合物、特表2011−506744号公報(特許文献13)にMo化合物、特表2011−506739号公報(特許文献14)にCu、Ag、B、Sc、Ce、Bi、Ge、Mn等の各種の金属について提案がなされている。
しかし、これらは錫系触媒よりも反応速度が緩やか、ゲル化の問題、触媒効果がさほど得られない、コストアップ等の欠点があり、工業的に広く利用されているとはいえない状況にある。特に比較的低い加熱温度で短時間硬化を必要とされるシリコーン剥離コーティング剤としての用途で使用される場合には、これらの欠点が大きな障害となってくる。
特公昭35−13709号公報 特公昭36−1397号公報 特公昭46−26798号公報 特開昭59−176326号公報 国際公開第2008/081890号パンフレット 米国特許第3,719,633号明細書 米国特許第4,180,462号明細書 特表2011−506584号公報 特表2011−510103号公報 特表2007−527932号公報 特開2010−163602号公報 特表2011−506738号公報 特表2011−506744号公報 特表2011−506739号公報
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、紙、ラミネート紙、プラスチックフィルム等の表面に塗布し、各種基材表面に対して離型性に優れた非粘着性皮膜を形成することのできる脱水素及び脱アルコール縮合反応硬化型のシリコーン剥離コーティング組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために各種材料を用いて鋭意検討を重ねた結果、特定の酸素多座配位子を助触媒として非錫系金属化合物触媒と併用する方法により脱水素及び脱アルコール縮合反応硬化型シリコーン剥離コーティング剤として優れた性能を有する組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記剥離性硬化皮膜の形成方法を提供する。

紙、ラミネート紙、及びプラスチックから選ばれる基材表面に、
(A)1分子中に少なくとも2個のシラノール基を含むオルガノポリシロキサン
100質量部、
(B)(B−1)1分子中に珪素原子に直接結合した水素原子(SiH基)を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン0.1〜20質量部、及び/又は
(B−2)1分子中に珪素原子に直接結合した加水分解性基を少なくとも3個有するオルガノポリシロキサン0.1〜20質量部であって、(B)成分中の活性基であるSiH基及び加水分解性基のモル数が(A)成分のシラノール基のモル数の1〜200倍に相当する量、
(C)マグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、タングステン及びビスマスから選ばれる化合物の縮合反応触媒
触媒量、
(D)マロン酸、アセト酢酸、又はアセチルアセトンもしくはその置換誘導体であり、キレート化剤として働く能力を有する有機化合物助触媒
1〜20質量部
を含有する縮合反応硬化型シリコーン剥離コーティング組成物を固形分として0.1〜5.0g/m2の範囲で塗布し、これを80〜180℃で5〜60秒間加熱することにより、上記基材表面に上記組成物の硬化皮膜を形成することを特徴とする剥離性硬化皮膜の形成方法。
本発明によれば、錫系金属化合物触媒に比べ、硬化性、剥離特性に劣っていた非錫系金属化合物触媒を用いて優れた硬化性、剥離特性を達成できる。また、安全性、環境負荷に問題が指摘されている錫化合物を含まない縮合反応硬化型シリコーン剥離コーティング組成物を提供することで、付加反応硬化型では応用が困難であった用途へ使用範囲が拡大され、他の各種材料との混合使用が可能になるなど多様な応用手法に対応できる。
形成された硬化皮膜は、各種の基材に対して良好な密着性を示す。また、シェルフライフ及びポットライフが良好で、作業性にも優れており、安定な特性を得られる。
(A)成分は、1分子中に珪素原子に直接結合するヒドロキシ基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンである。珪素原子に直接結合するヒドロキシ基以外の一価の有機基については特に限定されるものではなく、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ビニル基、プロペニル等のアルケニル基等の炭素数1〜10の一価炭化水素基が挙げられるが、本発明においては、特に水酸基以外の有機基の80モル%以上がメチル基であることが好ましい。分子構造も特に限定されるものではないが、基本的には直鎖が工業的には好ましいが、分岐構造を有するものも同様に使用可能である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンの回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の絶対粘度は、50mPa・s以上のものが好ましく、より好ましくは50〜100000mPa・sである。
(A)成分の具体的な例としては、以下の式(1−1)及び(1−2)で示されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。式中のRは、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ビニル基、プロペニル等のアルケニル基等の炭素数1〜10の一価炭化水素基以外に、構造式(2−1)及び(2−2)のシロキサン残基(式(2−1)と式(2−2)中のR1は酸素原子又はメチレン基、エチレン基等の炭素数1〜6のアルキレン基である。Rは上記と同様である。)等である。α1は0〜1000、特に0〜900の数であり、β1は50〜9000、特に60〜9000の数である。α2は0〜900、β2は0〜9000の数であるが、1分子中に水酸基を2個以上有するような数である。
Figure 0005834755
(上記式中、Meはメチル基を示す。)
[(B−1)オルガノハイドロジェンポリシロキサン]
本発明の(B)成分として用いることのできる(B−1)オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に珪素原子に直接結合する水素原子を少なくとも3個、好ましくは4〜1000個有することが必要である他は特に限定されず、分子構造は直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよい。本発明の(B−1)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの回転粘度計により測定される25℃における絶対粘度は、数mPa・s〜数万mPa・sの範囲であればよい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例として下記のものを挙げることができる。
Figure 0005834755
但し、上記構造式及び組成式において、Meはメチル基を示し、YとZはそれぞれ上記構造式で示される基であり、かつ、a〜pは次に示される範囲の整数である。a,e,gは3〜500、特に4〜500、f,i,mは0〜500、特に0〜400、b,c,d,h,j,k,n,o,p,qは0〜500、特に0〜400の整数である。
[(B−2)加水分解性基含有オルガノポリシロキサン]
本発明の(B−2)成分として使用できるオルガノポリシロキサンは、1分子中に珪素原子に結合する加水分解性基を少なくとも3個、好ましくは3〜1000個有するものである。加水分解性基としては、珪素原子に直接結合したメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、イソプロペノキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基等のアシルオキシ基が挙げられるが、一部、エチルアミノ基等のアミノ基、アミド基、エチルメチルブタノキシム基等のオキシム基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を有するものが混在してもよい。
加水分解性基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が工業的には好ましいが、具体的には以下のオルガノポリシロキサンが使用できる。rは0〜200、特に0〜190、sは0〜1000、特に0〜900の数である。なお、下記式中Meはメチル基、Etはエチル基を示す。
Figure 0005834755
なお、アルコキシ基の一部はCH3COO−,CH3(C25)C=NO−,(C252N−,CH3CO(C25)N−,CH2=(CH3)CO−等の基で置換されていてもよい。
(B)成分の(B−1)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、含有される珪素原子に結合した水素原子(以後SiH基で示す)のモル数が、(A)成分に含まれる水酸基の合計モル数の1〜200倍、特に1〜190倍に相当する量である。(B−2)オルガノポリシロキサンの配合量は、珪素原子に結合した加水分解性基のモル数が(A)成分に含まれる水酸基の合計モル数の1〜200倍、特に1〜190倍に相当する量である。それぞれ(B)成分中に含有される活性基(SiH基及び加水分解性基)のモル数が上記下限未満では本発明のコーティング用シリコーン組成物の硬化性が不十分となる一方、上限を超えて配合しても顕著な効果の増加は見られず、かえって経時変化の原因となるうえ、経済的にも不利となる。一般的な(B)成分の配合量としては、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜30質量部、特に0.1〜29質量部の範囲である。(B)成分としては、(B−1)又は(B−2)を単独で用いても、これらを混合して用いてもよい。また、1分子中にSiH基と加水分解性基との双方を有するものを使用してもよい。
[(C)硬化触媒]
本発明の組成物に使用する(C)成分としての触媒は、(A)成分と(B)成分のいわゆる架橋反応を促進し、硬化皮膜を形成するために用いられる縮合反応硬化触媒である。マグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、タングステン、ビスマスから選ばれる金属の化合物等が縮合反応触媒として使用できる。アルミニウム三価、鉄三価、コバルト三価、亜鉛二価、ジルコニウム四価、ビスマス三価の有機酸塩、アルコキシド、キレート化合物等の金属化合物が好ましく挙げられる。例えば、オクチル酸、ラウリン酸、ステアリン酸等の有機酸、プロポキシド、ブトキシド等のアルコキシド、カテコール、クラウンエーテル、多価カルボン酸、ヒドロキシ酸、ジケトン、ケト酸等の多座配位子キレート化合物が挙げられ、一つの金属に複数種類の配位子が結合していてもよい。
特に、配合や使用条件が多少異なっても安定した硬化性が得られ易いアルミニウム、鉄の化合物が使いやすく好ましく、更に望ましい構造はマロン酸エステル、アセト酢酸エステル、アセチルアセトン、それらの置換誘導体等を多座配位子としたアルミニウム又は鉄の三価キレート化合物である。アルミニウム三価、鉄三価の金属化合物では更にオクチル酸等の炭素数5〜20の有機酸も好ましく使用でき、上述の多座配位子と有機酸とが一つの金属に結合している構造でもよい。
上記置換誘導体としては、上記化合物中に含まれる水素原子をメチル基、エチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基、塩素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、水酸基、フルオロアルキル基、エステル基含有基、エーテル含有基、ケトン含有基、アミノ基含有基、アミド基含有基、カルボン酸含有基、ニトリル基含有基、エポキシ基含有基などで置換したものであって、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオーネ、ヘキサフルオロペンタンジオーネを挙げることができる。
上記縮合反応用触媒の使用量は触媒量でよいが、(A)成分に対し、金属分として0.1〜20質量%使用でき、硬化条件により任意に選択できる。
[(D)助触媒]
本発明の組成物の助触媒(D)成分は(C)成分の触媒作用を向上させる目的で配合される。本発明の組成物の(D)成分は、多価カルボン酸、ヒドロキシ酸、ヒドロキシケトン、ジケトン、ケト酸類及びそれらの置換誘導体などに代表される酸素多座配位子として働くことのできる有機化合物である。ジカルボン酸、β−ヒドロキシ酸、1,3−ジケトン、β−ケト酸、β−ヒドロキシケトン及びそれらの置換誘導体が好ましく、具体的にはマロン酸、アセト酢酸、アセチルアセトンもしくはその置換誘導体が好ましい。上記置換誘導体としては、上記化合物中に含まれる水素原子をメチル基、エチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基、ベンゾイル基等のアシル基、塩素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、水酸基、フルオロアルキル基、エステル基含有基、エーテル含有基、ケトン含有基、アミノ基含有基、アミド基含有基、カルボン酸含有基、ニトリル基含有基、エポキシ基含有基などで置換したものであって、例えば、アセト酢酸エチル、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、ヘキサフルオロペンタンジオネート、ベンゾイルアセトアセテート等が挙げられる。特にアセチルアセトン及びその置換誘導体(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオーネ)が好ましく使用される。
(D)成分が助触媒として働く仕組みは明確ではないが、(C)成分のアルミニウムや鉄などの金属化合物は周囲の水と反応して水酸化物になり易く、不純物として含有されたり使用中に形成されたりするこうした成分は、溶解性も低く触媒効果を低下させると考えられる。そこに(D)成分が存在することで水酸基を酸素多座配位子が置換し、触媒効果の高い構造へと変換させるものと推測される。
また、(C)成分がキレート化合物を配位子としている場合、多座配位子であるキレート化合物は二個以上の金属を橋架けして分子量の大きい構造を作ることができる。この構造を持った成分が増えると溶解性を低下させて触媒効果を低下させる原因になると考えられる。この場合も(D)成分が加えられることで、金属を橋架けしている構造が解かれ、触媒として働くのに有利な構造へ変化させるものと考えられる。
本発明の(D)助触媒は、(A)成分100質量部に対し、1〜20質量部が好ましく、より好ましくは1〜19質量部である。これより少なすぎると硬化性が低下し、多すぎるとポットライフが不足し、作業性が低下する。
[(E)有機溶剤]
本発明の組成物の(E)成分の有機溶剤は、処理浴安定性、各種基材に対する塗工性の向上、塗工量及び粘度の調整を目的として配合される成分であり、例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、エタノール、IPA、ヘキサン、ヘプタン等の、組成物を均一に溶解できる任意量の有機溶剤が使用でき、(A)成分100質量部に対して10〜1900質量部含有することができるが、塗工方法によっては(E)成分は配合されなくてもよい。
[(F)炭素原子を介して窒素原子と酸素原子が結合した構造を有する有機化合物]
本発明の組成物には、任意の追加の(F)成分として、炭素原子(C)1〜3個を介して窒素原子(N)と酸素原子(O)が結合した構造を有する有機化合物を配合することもできる。これにより硬化皮膜の強度を上げて密着性を改善する効果が期待できる。例えばイソシアネート基−N=C=O及びそれから誘導される化合物、各種アミノ基含有化合物とエポキシやオキセタン化合物を開環反応させて得られる化合物などが挙げられる。好ましくは更に珪素Siを含む置換基を持っている化合物がより効果的である。
(F)成分の具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 0005834755
(F)成分を配合する場合、(A)成分100質量部に対して1〜20質量部が好ましく、より好ましくは1〜19質量部である。
[その他の成分]
本発明の組成物には、必要に応じて滑り性付与剤、密着向上剤、剥離力コントロール剤、顔料、レベリング剤、バスライフ延長剤として公知のものを配合することもできる。
本発明の組成物は、前記(A)、(B)、(C)、(D)、及び必要により(E)、(F)の各成分を均一に混合することにより容易に製造することができる。この混合に際しては、(A)成分を(E)成分に均一に溶解した後、(B)、(C)、(D)、(F)成分を混合するのが有利である。
本発明の組成物は、錫触媒を含有しないことにより従来の縮合反応硬化型組成物よりもポットライフが良好であるという特徴を有するが、十分なポットライフを確保するため、(C)成分はコーティングをする直前に添加混合した方がよい。
本発明の組成物を使用して塗工する場合には、本発明の組成物を直接又は適当な有機溶剤で希釈した後、バーコーター、ロールコーター、リバースコーター、グラビアコーター、エアナイフコーター、さらに薄膜の塗工には高精度のオフセットコーター、多段ロールコーター等の公知の塗布方法により、紙、ラミネート紙、プラスチックフィルム等の基材に塗布する。
本発明の組成物の基材への塗布量は、塗布すべき基材の材質の種類によっても異なるが、固形分の量として0.1〜5.0g/m2の範囲が好ましい。上記のようにして本発明の組成物を塗布した基材を80〜180℃で5〜60秒間加熱することにより基材表面に硬化皮膜を形成せしめ、所望の剥離紙及び剥離フィルムを得ることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例においてMeはメチル基、Etはエチル基を示す。
[実施例1]
(A)成分として、回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が10000mPa・sであり、分子鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格はジメチルシロキサン単位で構成されているポリオルガノシロキサンを100質量部、(E)成分として、トルエンを1800質量部取り、20〜40℃で撹拌溶解した。得られた溶液に、(B−1)成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、MeHSiO2/2で表される単位を95モル%含有し、絶対粘度が25mPa・sであるメチルハイドロジエンポリシロキサンを3質量部、(D)成分としてアセチルアセトンを5質量部加え、20〜40℃で1時間撹拌混合した。
基材に塗工する直前に、(C)成分として、鉄(III)トリアセチルアセトネートを鉄換算量3質量%対(A)成分添加し組成物を調製した。
これをメイヤーバーを用いてグラシン紙へ均一に塗工し、所定条件(150℃で30秒間)にてキュアーして、塗工量が固形分で1.0g/m2の評価用試料を作製した。評価は下記の硬化皮膜特性の評価方法の記載に従い、その結果を表1に示した。
[実施例2]
(A)成分として、回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が15000mPa・sであり、分子鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格はジメチルシロキサン単位99.9モル%、ヒドロキシメチルシロキサン単位0.01モル%で構成されているポリオルガノシロキサンを100質量部、(E)成分として、トルエンを1800質量部取り、20〜40℃で撹拌溶解した。得られた溶液に、(B−2)成分としてMeSi(OMe)3の部分加水分解縮合物で、粘度が10mPa・sであるメチルメトキシポリシロキサンを5質量部、(D)成分としてアセチルアセトンを5質量部加え、20〜40℃で1時間撹拌混合した。
基材に塗工する直前に、(C)成分として、ジプロポキシアルミニウム(III)エチルアセトアセテートをAl換算量3質量%対(A)成分添加して、組成物を調製した。
これをメイヤーバーを用いてグラシン紙へ均一に塗工し、所定条件(150℃で30秒間)にてキュアーして、塗工量が固形分で1.0g/m2の評価用試料を作製した。評価は下記の硬化皮膜特性の評価方法の記載に従い、その結果を表1に示した。
[実施例3]
実施例2において、(C)成分としてアルミニウム(III)トリアセチルアセトネートをAl換算量3質量%対(A)成分添加し、(D)成分としてアセチルアセトンを5質量部として組成物を調製した以外は同様に実施した。
[実施例4]
実施例1において、(C)成分としてオクチル酸鉄(III)を鉄換算量4質量%対(A)成分添加、(D)成分としてアセチルアセトンを5質量部加え、(F)成分として下記の化合物5質量部を更に配合して組成物を調製した以外は同様に実施した。
Figure 0005834755
[実施例5]
実施例2において(C)成分として亜鉛(II)ジアセチルアセトネートをZn換算量5質量%対(A)成分添加し、(D)成分としてアセチルアセトンを5質量部加え、(F)成分として下記の化合物5質量部を更に配合して組成物を調製した以外は同様に実施した。
Figure 0005834755
[実施例6]
実施例2において(C)成分としてジブトキシジルコニウム(IV)ジアセチルアセトネートをZr換算量1.5質量%対(A)成分に加え、オクチル酸鉄(III)を鉄換算量1.5質量%対(A)成分添加し、(D)成分としてアセト酢酸エチルを5質量部加えて組成物を調製した以外は同様に実施した。
[比較例1]
実施例1において、(D)成分を配合しない以外は同様に実施し、評価用試料を作製した。
[比較例2]
実施例2において、(D)成分を配合しない以外は同様に実施し、評価用試料を作製した。
[比較例3]
実施例1において、(D)成分を配合せず、(C)成分としてジオクチル錫ジカルボン酸塩を錫換算量で3質量%配合した以外は同様に実施した。
硬化皮膜特性の評価方法
1)硬化性
触媒添加したシリコーン組成物をPEラミネート紙に固形分で1.0g/m2塗布し、130℃の熱風循環式乾燥機で30秒間加熱処理して硬化皮膜を形成し、評価用試料を作製した。
試料の硬化皮膜表面を指でこすり、皮膜表面のくもり度合を観察し、以下の基準で評価した。
○:130℃×30秒加熱でくもり生じない。
△:薄くくもりが生ずる。
×:濃いくもりが生ずる、あるいは未硬化の状態。
2)密着性
触媒添加したシリコーン組成物をPEラミネート紙に固形分で1.0g/m2塗布し、150℃の熱風循環式乾燥機で30秒間加熱処理して硬化皮膜を形成し、評価用試料を作製した。
試料を25℃,50%RH×1日放置後、硬化皮膜表面を指でこすり、皮膜表面の脱落の度合を観察し、以下の基準で評価した。
○:脱落が全くない。
△:部分的に脱落が生ずる。
×:容易に脱落が生ずる。
3)離型性
上記2)密着性の評価と同様に評価用試料を作製し、その硬化皮膜表面にアクリル系溶剤型粘着剤〔オリバインBPS−5127(東洋インキ製造(株)製)〕を塗布して100℃で3分間熱処理し、次いで、この処理面に坪量64g/m2の上質紙を貼り合わせて2kgローラーで1往復圧着し、25℃で20時間エージングさせた。この試料を5cm幅に切断し、引張り試験機を用いて180°の角度で剥離速度0.3m/分で貼合わせ紙を引張り、剥離するのに要する力(N)を測定した。測定はオートグラフDCS−500(島津製作所株式会社製)を使用した。
4)残留接着
セパレータの硬化皮膜表面にポリエステルテープ〔ニットー31B(日東電工(株)製)〕を貼合わせ、20gf/cm2の荷重をかけた状態で70℃、20時間エージングした後、テープを剥がし、ステンレス板に貼付けた。次いで、このテープをステンレス板表面に対し180°の角度で剥離速度0.3m/分で剥がし、剥離するのに要する力を測定した。一方、テフロン(登録商標)板表面に上記のポリエステルテープを貼合わせ、同様の条件でエージングし、同様にしてテープを剥離するのに要する力(N)を測定し、前者の後者に対する比率が90%以上のものを○、80〜89%を△、79%以下を×とした。
5)ポットライフ
実施例及び比較例で調製した塗工液を25℃×1日放置した後、外観を観察した。良好なものを○、増粘やゲル化、沈殿生成しているものを×とした。
Figure 0005834755
本発明の組成物を用いれば錫系触媒を用いることなく、硬化皮膜の特性に優れた剥離紙を作製することができ、保存安定性にも優れることからその作業性も良好である。

Claims (1)

  1. 紙、ラミネート紙、及びプラスチックから選ばれる基材表面に、
    (A)1分子中に少なくとも2個のシラノール基を含むオルガノポリシロキサン
    100質量部、
    (B)(B−1)1分子中に珪素原子に直接結合した水素原子(SiH基)を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン0.1〜20質量部、及び/又は
    (B−2)1分子中に珪素原子に直接結合した加水分解性基を少なくとも3個有するオルガノポリシロキサン0.1〜20質量部であって、(B)成分中の活性基であるSiH基及び加水分解性基のモル数が(A)成分のシラノール基のモル数の1〜200倍に相当する量、
    (C)マグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、タングステン及びビスマスから選ばれる化合物の縮合反応触媒
    触媒量、
    (D)マロン酸、アセト酢酸、又はアセチルアセトンもしくはその置換誘導体であり、キレート化剤として働く能力を有する有機化合物助触媒
    1〜20質量部
    を含有する縮合反応硬化型シリコーン剥離コーティング組成物を固形分として0.1〜5.0g/m2の範囲で塗布し、これを80〜180℃で5〜60秒間加熱することにより、上記基材表面に上記組成物の硬化皮膜を形成することを特徴とする剥離性硬化皮膜の形成方法。
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