JP2008267483A - 動圧軸受ユニット、それを用いた光偏向器、光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents
動圧軸受ユニット、それを用いた光偏向器、光走査装置及び画像形成装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】軸104と、軸104との相対回転によって軸受隙間Cに生じた油の動圧で軸104を非接触支持する軸受部材105と、軸受部材105が収容され、一端が開口で他端が閉じられたハウジング106と、ハウジング106の開口部をシールするシール部材109と、軸104、軸受部材105、及びハウジング106で囲まれた空間を外気と連通させる通気路115とを有し、軸受部材105がハウジング106に対して、シール部材109によって押圧されて固定された動圧軸受ユニットであって、軸受内に混入した気泡を開放するための開放部116を軸受部材105とシール部材109との間に設けた。
【選択図】図1
Description
特許文献2に開示される構造は、ミラーを小型化し、軸受を小型、小径化して軸受損失を減らすことで、60000rpm超の高速回転に対応できるが、軸受部材の接着剤での固定が困難となるため、組立性が著しく低下する。
πD2/4≦S ・・・(1)
これにより、小型・小径化した動圧軸受ユニットで、軸受組立時に軸受内に混入した空気を開放するのに十分な空間と断面積とを確保できる。
〈光偏向器〉
本発明を好適に実施した第1の実施形態について説明する。図1に、回転体の上面図、図2に断面図、図3に斜視図をそれぞれ示す。
光偏向器の回転体101は、回転多面鏡102a、102bとロータ磁石103を支持するフランジ102cとから構成され、軸104の外周に焼き嵌めされている。軸受部材105は含油動圧軸受であり、軸受隙間は直径で10μm以下に設定されている。高速回転での安定性を確保するため、ラジアル軸受として、不図示の動圧発生溝が設けられている。動圧溝は、軸104の外周面又は軸受部材105の内周面に設けるが、加工性が良好な焼結部材からなる軸受部材105の内周に施すことが好適である。
なお、上記のような微小な修正を実行する際に接着剤等の付着物では管理しにくい場合や、量が少ないために接着力が弱く40000rpm以上の高速回転時に剥離・飛散してしまうような場合には、回転体の一部を削除する方法(ドリルによる切削やレーザ加工)を用いる方が好適である。
ロータ磁石103は、内径以外の外径及び高さ方向は磁路を開放しており、モータの励磁切り替えのためのホール素子111を開放線路内に配置している。コネクタ113には不図示のハーネスが接続され、本体からの電力供給とモータの起動停止、回転数などの制御信号の入出力がなされる。
この光偏向器は、光走査装置に使用され、20000rpmから60000rpmを超える高速回転まで使用される。60000rpmを超える高速で回転させるためには、軸受損失を小さくする必要があり、軸104の直径としてはφ2mm程度の小型の動圧軸受が用いられる。
図4に、本実施形態に係る光偏向器に用いられる動圧軸受ユニットの断面図、図5に、動圧軸受ユニットの斜視図、図6に、軸受部材の拡大図、図7に、シール部材の拡大図を示す。
動圧軸受ユニットUは、軸104に焼き嵌めされるフランジ一体型回転多面鏡102や、ハウジング106に固定されるステータコア107、回路基板110を省略した部分である。
図4、図5に示すように、動圧軸受ユニットUは、軸104、軸受部材105、ハウジング106、スラスト部材108、シール部材109で構成されている。シール部材109は、軸受部材105をハウジング106に押圧する押圧部材を兼ねている。
図6(b)に示すように、第1通路115aと第2通路115bとは位相が90°ずれているが、その場合でも両通気路は軸受部材端面105bの外径側チャンファ部105cを介して互いに連通状態にある。
すなわち、軸104の直径をD、開放部116の回転軸と直交する断面の面積をS1、円周率をπとするとき下記式(2)を満足するように設定すると好適である。
πD2/4≦S1 ・・・(2)
例えば、軸104の直径が2mmの場合には、S1を3.14mm2以上とすることが好適であり、さらに望ましくは、6.28mm2以上とすると良い。
軸受の運転中は、軸受部材105から滲み出した油が通気路115を通ってハウジング開口側に押し上げられ、開放部116に留まる。この際、特許文献1のようにシール部材109を軸受部材105の上端に密着させて固定する構造とすると、軸受組立時に軸受内に混入した空気を開放するのに十分な開放部が得られず、特に40000〜50000rpmを超えて軸受及びモータ部の発熱が大きくなると、混入した気泡が膨張し、油が気泡に押し上げられる形でシール部材109から外部へ漏洩してしまう。
また、開放部を周方向に分割形成することで、軸受部材の押さえ機能を確保した上で、軸受組立時に軸受内に混入した空気を開放するのに十分な空間を確保できる。
また、当接部を周方向に複数形成することでハウジングに軸受部材を固定する際、押圧力の周方向の分布を均等にできる。
また、シール部材と押圧部材とを一体化したことにより、部品点数を削減し、組立作業を簡素化できる。
また、シール部材を圧入することで強固に固定し、組立コストを低減できる。
また、軸受組立時に軸受内に混入した空気を開放するのに十分な空間と断面積とを確保できる。
本発明を好適に実施した第2の実施形態について説明する。
図8及び図9に、本実施形態にかかる動圧軸受ユニットの構成を示す。
図8、図9に示すように、動圧軸受ユニットUは、軸104、軸受部材105、ハウジング106、スラスト受け部材108、シール部材117、押圧部材118を有する。シール部材117、押圧部材118以外の構成は、第1の実施形態と同様であるため、重複する部分についての説明は省略する。
すなわち、軸104の直径をD、開放部119の回転軸と直交する断面の面積をS2、円周率をπとすると、下記式(3)を満足するように設定すると好適である。
πD2/4≦S2 ・・・(3)
例えば、軸104の直径が2mmの場合には、S2は3.14mm2以上が好適であり、さらに望ましくは、6.28mm2以上とすると良い。
また、温度変化に伴う軸受部材、ハウジング等の部品の伸縮に対して、押圧部材が弾性変形して押圧力が一定に保たれ、軸受部材が動くことがないため信頼性が高い。
さらに、押圧部材の構造が簡単で低コストである。
本発明を好適に実施した第3の実施形態について説明する。
図10〜12に本実施形態にかかる光走査装置の構成を示す。
図10において、半導体レーザ1、1’は「一つの光源を構成する二つの発光源」であり、それぞれ1本の光ビームを放射する。半導体レーザ1、1’は、ホルダ2に所定の位置関係で保持されている。
半導体レーザ1、1’から発せられた各光ビームは、それぞれカップリングレンズ3、3’によって、以後の光学系に適した光束形態(平行光束、弱い発散性又は弱い集束性の光束)に変換される。この例では、カップリングレンズ3、3’によってカップリングされた光ビームはともに平行光束である。
図12(a)は、入射光が多面鏡式光偏向器7へ入射し、上ポリゴンミラー7aで反射されて偏向された偏向光aが光走査位置へ導光される状況を示している。この時、下ポリゴンミラー7bによる偏向光bは光走査位置へは向かわない。図12(b)は、偏向光bが光走査位置へ導光される状況を示している。この時、偏向光aは光走査位置へは向かわない。
これにより本実施形態にかかる光走査装置では、光偏向器の50000〜60000rpm超の高速回転にともなう油漏れが低減されて、軸受の信頼性が高くなり、さらに、光源部の部品点数・材料が削減され、環境負荷が低減され、光源の故障確率も低く抑えられる。
本発明を好適に実施した第4の実施形態について説明する。
図14、図15に、本実施形態にかかる画像形成装置の構成を示す。
図14は、光走査装置の光学系部分を副走査方向(すなわち、多面鏡式光偏向器7の回転軸方向)から見た状態を示す図である。煩雑化を避けるため、多面鏡式光偏向器7から光走査位置に至る光路上の光路屈曲用のミラーの図示を省略し、光路が直線となるように描いている。
ここでは、各光導電性感光体の光走査をシングルビーム方式で行っているが、各光源側を図10のような構成とすれば、光導電性感光体の光走査をマルチビーム方式で行えることはいうまでもない。
2 ホルダ
3、3’、3YM、3CK カップリングレンズ
4、4YM、4CK ハーフミラープリズム
4a 半透鏡
4b 反射面
5a、5b、5Y、5M、5C、5K シリンドリカルレンズ
6 防音ガラス
7 多面鏡式光偏向器
7a 上ポリゴンミラー
7b 下ポリゴンミラー
8a、8b、8Y、8M、8C、8K 第1走査レンズ
9a、9b、mM1、mM2、mM3、mC1、mC2、mC3、mY、mK 光路折り曲げミラー
10a、10b、10Y、10M、10C、10K 第2走査レンズ
11a、11b 光導電性感光体
11Y、11M、11C、11K 光走査位置
15Y、15M、15C、15K 転写器
17 搬送ベルト
19 定着装置
101 回転体
102a、102b 回転多面鏡
102c フランジ
102d 上面円周凹部
102e 円周凹部
102f、102g 連結部
103 ロータ磁石
104 軸
105 軸受部材
105a、105b 軸受部材端面
105c チャンファ部
105d 軸受面
105e 動圧溝
105f 動圧溝同士の間の背
106 ハウジング
107 ステータコア
107a 巻線コイル
108 スラスト部材
109、117 シール部材
109a、117a 外径部
109b、117b 内周面
109c 当接部
110 回路基板
111 ホール素子
112 駆動IC
113 コネクタ
114 密閉空間
115 通気路
115a 第1通路
115b 第2通路
116、119 開放部
118 押圧部材
U 動圧軸受ユニット
C 軸受隙間
TY、TM、TC、TK 帯電ローラ
GY、GM、GC、GK 現像装置
Claims (13)
- 軸と、
前記軸との間に軸受隙間を備え、該軸との相対回転によって前記軸受隙間に生じた油の動圧で前記軸を非接触支持する軸受部材と、
前記軸受部材が収容され、一端が開口で他端が閉じられたハウジングと、
前記ハウジングの開口部をシールするシール部材と、
前記軸、前記軸受部材、及び前記ハウジングで囲まれた空間を外気と連通させる通気路とを有し、
前記軸受部材が前記ハウジングに対して、押圧部材によって押圧されて固定された動圧軸受ユニットであって、
前記軸受内に混入した気泡を開放するための開放部を前記軸受部材と前記シール部材との間に設けたことを特徴とする動圧軸受ユニット。 - 前記開放部は、前記押圧部材の前記軸受部材との当接部と周方向に隣接して形成された空間であることを特徴とする請求項1記載の動圧軸受ユニット。
- 前記軸受部材との当接部が、周方向に複数形成されたことを特徴とする請求項2記載の動圧軸受ユニット。
- 前記シール部材と前記押圧部材とが一体で形成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の動圧軸受ユニット。
- 前記シール部材が前記ハウジングに圧入固定されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の動圧軸軸受ユニット。
- 前記押圧部材は弾性部材であり、前記軸の軸方向に圧縮されて前記軸受部材と前記シール部材とに当接、固定され、
前記開放部は、前記押圧部材の周辺の空間であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の動圧軸受ユニット。 - 前記押圧部材は波ワッシャであることを特徴とする請求項6記載の動圧軸受ユニット。
- 前記開放部は、前記軸受部材及び前記シール部材の間に形成され前記押圧部材が存在しない空間であって、前記空間の軸中心線と直交する断面の面積をSとし、前記軸の直径をD、円周率をπとするとき、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の動圧軸受ユニット。
πD2/4≦S ・・・(1) - 請求項1から8のいずれか1項記載の動圧軸受ユニットと、
前記軸に固定された回転多面鏡とを有することを特徴とする光偏向器。 - 前記回転多面鏡が前記軸の軸方向に複数段積設され、各段の前記回転多面鏡の偏向反射面が回転方向に所定角ずれて前記軸に固定されたことを特徴とする請求項9記載の光偏向器。
- 請求項9又は10記載の光偏向器を用いた光走査装置であって、
半導体レーザからのビームを前記光偏向器を含む光学系を介して被走査面へ導いて光スポットを形成し、前記光偏向器によって前記ビームを偏向させることにより前記被走査面に走査線を走査することを特徴とする光走査装置。 - 請求項9又は10記載の光偏向器を用いた光走査装置であって、
半導体レーザからの複数のビームを前記光偏向器を含む光学系を介して被走査面へ導いて複数の光スポットを形成し、前記光偏向器によって前記ビームを偏向させることにより前記被走査面の複数の走査線を隣接走査することを特徴とする光走査装置。 - 請求項11又は12記載の光走査装置を用いた画像形成装置であって、
感光媒体の感光面に前記光走査装置による光走査を行って潜像を形成し、該潜像を可視化して画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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