JP5181590B2 - 回転体の組立方法、及び光偏向器の組立方法 - Google Patents

回転体の組立方法、及び光偏向器の組立方法 Download PDF

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Description

本発明は、カラー画像形成装置などに用いられる光偏向器の組立方法に関する。
カラー画像形成装置に用いられる光偏向器として、特許文献1には回転軸方向に複数の多面鏡が積設され、各段の多面鏡の偏向反射面が回転方向に所定角ずれて固定された光偏向器が開示されている。
このカラー画像形成装置は、光走査装置の光源数を減らしながらも、高速な画像出力が可能であり、画像形成装置として、省資源、低コスト化が可能である。また、光源数を減らすことで、光源の故障確率も低くできるため、画像形成装置として信頼性も高めることができる。
特開2005−92129号公報
しかしながら、従来の光偏向器においては、偏向反射面が形成された二つの多面鏡を積み重ねて組み立てると、偏向反射面の面精度を高くすることが難しいという問題があった。また、小型であるため多面鏡単品の加工時にも変形しやすく、所望の面精度を得にくいという問題があった。
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、多面鏡の加工時の変形や、積み重ねて組み立てたときの変形を小さく抑えて、所望の偏向反射面の面精度が得られる回転体の組立方法、及び光偏向器の組立方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、回転軸の軸方向に複数の多面鏡が積設された回転体の組立方法であって、複数の多面鏡のうち基準となる多面鏡と他の多面鏡との組み付け位置を位置調整手段によって調整する位置調整工程と、多面鏡を回転軸に固定する工程とを有し、位置調整手段は、複数の多面鏡のうちの一つの任意の偏向反射面を基準として他の多面鏡の回転位相差角度を検出する位相差角度検出手段と、基準となる多面鏡に対して他の多面鏡を回転させる多面鏡回転手段とを有することを特徴とする回転体の組立方法を提供するものである。
本発明の第1の態様においては、位相差角度検出手段は、少なくとも一つの光源から出力された光束を複数の多面鏡のそれぞれに入射する光束に分割する手段と、所定の位置に配置され、各多面鏡からの反射光を検出した場合に位置情報を出力する光位置検出手段とを有することが好ましい。こうした構成においては、位置調整手段が、回転軸に対する偏向反射面の倒れ角を検出する面倒れ検出手段をさらに含むことが好ましく、これに加えて、位置調整工程は、基準となる多面鏡に対して、他の多面鏡の回転位相差角度を回転調整する工程と、回転位相差角度が調整された多面鏡の全ての偏向反射面の面倒れ角を、面倒れ検出手段によって検出する工程と、測定された各偏向反射面の倒れ角が、全て基準値を満たすか否かを判断する工程とを含むことがより好ましい。
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、上述した本発明に係る回転体の組立方法の何れかに含まれる各工程を有し、その回転体を有する光偏向器を組み立てることを特徴とする光偏向器の組立方法を提供するものである。
本発明によれば、多面鏡の加工時の変形や、積み重ねて組み立てたときの変形を小さく抑えて、所望の偏向反射面の面精度が得られる回転体の組立方法、及び光偏向器の組立方法を提供できる。
〔第1の実施形態〕
本発明を好適に実施した第1の実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る光偏向器の構成を示す。また、図2に、光偏向器に適用される回転体101の構成を示す。
光偏向器の回転体101は、軸受シャフト102の外周に焼き嵌めされたフランジ103と、フランジ103に積設された二つの多面鏡104、105と、ミラー押さえ106と、板ばね107と、止め輪108と、ロータ磁石109とで構成されている。
ラジアル軸受は軸受シャフト102と固定スリーブ110とからなる含油軸受であり、軸受隙間は直径で10μm以下に設定されている。高速回転での安定性を確保するためラジアル軸受には不図示の動圧発生溝が形成されている。動圧発生溝は軸受シャフト102の外周面又は固定スリーブ110の内周面に設けるが、加工性が良好な焼結部材からなる固定スリーブ110の内周に設けることが好ましい。軸受シャフト102の材料としては、焼き入れが可能で表面硬度を高くでき、耐摩耗性が良好なマルテンサイト系ステンレス鋼(例えば、SUS420J2)が好適である。
ロータ磁石109は、フランジ103の下部内面に固定されており、軸受ハウジング111に固定されたステータコア112(巻線コイル112a)とともにアウターロータ型のブラシレスモータを構成している。ロータ磁石109は樹脂をバインダーとして使用したボンド磁石であり、高速回転時の遠心力による破壊が発生しないように、ロータ磁石109の外径部がフランジ103により保持されている。ロータ磁石109を圧入固定することにより一層の高速回転、かつ高温環境においても固定部の微移動を生ずることなく、回転体のバランスを高い精度で維持できる。
アキシャル方向の軸受は、軸受シャフト102の下端面に形成された凸曲面102aと、その対向面にスラスト受部材113を接触させるピポット軸受である。スラスト受部材113は、マルテンサイト系ステンレス鋼やセラミックス、又は金属部材表面にDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)などの硬化処理を施したものを用いたり、あるいは、樹脂材料等を用いて潤滑性を良好にすることによって、摩耗粉の発生が抑えられている。スリーブ110とスラスト受部材113は軸受ハウジング111に収納され、流体シール114によって油の流出が防止されている。
回転体101を25,000rpm以上の高速回転させる場合、振動を小さくするために回転体101のバランスを高精度に修正かつ維持しなければならない。回転体101には、アンバランスの修正部が上下2ヶ所あり、上側はミラー押さえ106の円周凹部106aに、下側はフランジ103の円周凹部103aに各々接着剤を塗布することによってバランス修正が行われる。アンバランス量は10mg・mm以下である必要があり、例えば、半径10mmの箇所で修正量は1mg以下に保たれている。
なお、上記のような微小な修正を実行する際に接着剤等の付着物では管理がしにくい場合や、量が少ないために接着力が弱く40,000rpm以上の高速回転時に剥離・飛散してしまうような場合には、回転体の部品の一部を削除する方法(ドリルによる切削やレーザ加工)を実施することが好適である。
モータは、径方向に磁気ギャップを有し、ステータコア112の外径部にロータ磁石109がレイアウトされる「アウターロータ型」と呼ばれる方式である。回転駆動は、ロータ磁石109の磁界により回路基板115に実装されているホール素子116から出力される信号を位置信号として参照し、駆動IC117により巻線コイル112aの励磁切り替えを行い回転する。ロータ磁石109は径方向に着磁されており、ステータコア112の外周とで回転トルクを発生し回転する。ロータ磁石109は内径以外の外径及び高さ方向は磁路を開放しており、モータ励磁切り替えのためのホール素子116を開放磁路内に配置している。コネクタ118には不図示のハーネスが接続され、本体からの電力供給とモータの起動停止、回転数等の制御信号の入出力が行われている。
フランジ103には、4面の多面鏡104、105が、回転軸方向に2段に積設されて固定されている。フランジ103は軸受シャフト102に焼き嵌めされ、多面鏡が搭載される面は、平面度や軸受シャフト102に対する直角度が高精度に加工されている。
積設された二つの多面鏡104、105は、偏向反射面104a、105aが形成された偏向反射部に連続する形で、それぞれ円筒状のボス部104b、105bが形成されている。
多面鏡104、105は同じ部品であり、ボス部104b、105bが接触する形で積み上げられ、偏向反射面104a、105aが回転方向に45°ずれて固定されている。すなわち、それぞれの偏向反射面104a、105aは、回転軸方向(厚さ方向)に離れて固定されている。換言すると、下段の多面鏡104は下側に、上段の多面鏡105は上側に、偏向反射面が偏って固定されている。
多面鏡104、105は、ボス部と一体化した基本形状を鍛造加工することによって形成すれば、切削加工することによって素材から多面体形状を削り出す場合に比べて部品形状に形成するためのコストを低減できる。
多面鏡104、105の位相差角度の調整方法について説明する。
図3に、多面鏡の位相差角度調整装置の要部の構成を示す。
図3において、光源である半導体レーザ201から発せられた光ビームLB1は、カップリングレンズ202によって以後の光学系に適した光束形態(平行光束や弱い発散性又は集束性の光束)に変換される。この例では、カップリングレンズ202によってカップリングされた光ビームLB1は平行光束である。
カップリングレンズ202から射出し、所望の光束形態となった光ビームLB1は、光束分割素子であるハーフミラープリズム203に入射し、ハーフミラープリズム203の作用によって、積設された多面鏡に対応した位置に2分割されてそれぞれが2本の光ビームLB11、LB12に分けられる。
図4に、ハーフミラープリズム203の作用によって光ビームが分割される状態を示す。図4の上下方向が多面鏡104、105の回転軸の軸方向と一致している。ハーフミラープリズム203は半透鏡203aと反射面203bとを回転の軸方向に並列して有する。光ビームLB1はハーフミラープリズム203に入射すると、半透鏡203aに入射し、一部は半透鏡203aを直進的に透過して光ビームLB11となり、残りは反射されて反射面203bに入射し、反射面203bによって反射されて光ビームLB12となる。
この例において、半透鏡203aと反射面203bとは互いに平行であり、従ってハーフミラープリズム203から射出する光ビームLB11、LB12も互いに平行である。このようにして、半導体レーザ201からの光ビームLB1は、二つの光ビームLB11、LB12として副走査方向に2分割される。
これら2本の光ビームLB11、LB12は、シリンドリカルレンズ204a、204bに入射し、これらのシリンドリカルレンズ204a、204bの作用によって回転軸の方向に集光され、多面鏡104、105の偏向反射面104a、105aに結像する。
図4に示したように、半導体レーザ201から発せられ、ハーフミラープリズム203によって分割された光ビームのうち、ハーフミラープリズム203の半透鏡203aを直進的に透過した光ビームLB11がシリンドリカルレンズ204aに入射し、半透鏡203aによって反射され、さらに反射面203bで反射された光ビームLB12がシリンドリカルレンズ204bに入射する。
2本の光ビームLB11、LB12は、多面鏡104、105に入射し、多面鏡からの反射光ビームLB11a、LB12aが位置検出素子側に出射する。
位置検出素子側は簡略化し、反射光ビームLB11a、LB12aと位置検出素子205、206のみを示しているが、位置検出素子205、206上で適切なビームスポット形状となるように、適宜、ビーム整形用のレンズなどを設けるようにしても良い。
位置検出素子としては、光半導体素子であるPSD(Position Sensitive Detector)を用いることができる。PSDはフォトダイオードの表面抵抗を利用したスポット光の位置センサである。一次元のPSDでも位相差角度の調整が可能であるが、後述のように二次元のPSDを用いると、回転軸に対する偏向反射面の傾きを同時に検出するのに好適である。
多面鏡104、105の位相差角度を45°に調整する場合は、図5のように、二つの位置検出素子205、206が略90°の位置に配置される。第1の位置検出素子205は、多面鏡104の反射光を検出し、第2の位置検出素子206は多面鏡105の反射光を検出する。
位相差角度の調整の流れを図6に示す。
まず、第1の位置検出素子205の出力が所望の値となるように基準となる下側の多面鏡104の位置を調整する(ステップS101)。続いて、第2の位置検出素子206の出力が所望の値となるように上側の多面鏡105を回転させる(ステップS102)。この時、連れ回るのを防止するため、多面鏡104の位置を調整した段階で多面鏡104とフランジ103とを仮に固定しておくと良い。多面鏡104の固定にはボス部104bを利用すると、偏向反射面104aを傷つけることが無いため好適である。
多面鏡105を回転させる手段は図示しないが、ボス部105bをつかんで回転させる方法や、多面鏡105の端面を吸着して回転させる方法を適用できる。
上側の多面鏡105を回転させた後、位置検出素子205、206で多面鏡104、105の反射光を検出し位相差角を算出する(ステップS103)。そして、位相差角が基準値内となっているか否かを判断する(ステップS104)。位相差角が基準値内となっていなければ(ステップS104/No)、基準値内となるまでステップS102〜S104を繰り返す。
位置検出素子205、206は、多面鏡の位相差角度が調整できる位置に配置され、位置検出素子206の出力と位相差角度とが1対1で対応する関係になっている。したがって、位置検出素子206の出力が所望の範囲に入るように多面鏡105の位置を回転調整することで、位相差角度を正確に設定できる。
位相差角度が基準値内となったら(ステップS104/Yes)、多面鏡の位置調整を完了し(ステップS105)、ミラー押さえ106、板ばね107及び止め輪108を用いて多面鏡104、105をフランジ103に固定することで、回転体として一体化する(ステップS106)。
位相差角度の精度としては、図7に示すように、下側の多面鏡104の偏向反射面104aをA1面、A2面、A3面、A4面とし、上側の多面鏡105の偏向反射面105aをA1面に近い面から回転方向である反時計回りにB1面、B2面、B3面、B4面とするとき、A1面の法線とB1面の法線とで形成される角度θ1、A2面の法線とB2面の法線とで形成される角度θ2、A3面の法線とB3面の法線とで形成される角度θ3、及びA4面の法線とB4面の法線とで形成される角度θ4が略同一(その誤差が±0.5°以下)となるように調整される。
角度θ1〜θ4の誤差が大きくなると、有効な走査期間(走査角度)が小さくなり、画像形成ができる範囲が狭くなってしまうため、光偏向器としては、角度θ1〜θ4の誤差を±0.5°以下とする必要がある。位相差角度θ1〜θ4の誤差を±0.5°以下とすることで、各偏向反射面の有効な走査期間(走査角度)を確保し、必要な走査幅の画像形成が可能となる。
角度θ1〜θ4の誤差を0.5°以下の精度で調整する方法について具体例を挙げると、多面鏡の回転中心からの距離が100mmの位置に位置検出素子205、206を配置した場合には、±0.5の角度誤差は約±0.87mmの誤差で検出される。位置検出素子205、206において測定される反射光の位置を±0.87mm以内の精度で位置合わせすることで、位相角度の誤差を0.5°以下にできる。
図8に、一次元PSDの構造、及び受光面を示す。
一次元のPSDの位置検出誤差は受光面のサイズによって異なり、受光面が小さいほど位置検出誤差が小さくなる。一次元のPSDは、位置検出誤差が±5μm程度のものから有り、受光面の長さLxが10mm程度のものを用いた場合でも、数十μmの位置検出誤差となり、十分な位置検出精度が得られる。PSDに入射するビームスポット径としてはφ0.2mm以上が推奨されるため、適宜、位置検出素子205、206の前にレンズを入れてビームを整形すると良い。
次に、偏向反射面の回転軸に対する倒れ角(面倒れ)のばらつきを小さく調整する方法について説明する。
多面鏡を積み重ねて構成すると、多面鏡の取り付け基準面と偏向反射面との角度誤差が積み上がり、特に上側の多面鏡105の偏向反射面の回転軸に対する倒れ角のばらつきが大きくなってしまう。偏向反射面の回転軸に対する倒れ角のばらつきは、走査ピッチのむらや、走査線曲がりの原因となる。
走査ピッチむらの原因となる偏向反射面の倒れのばらつきは、レンズによって小さく補正可能であるが、完全に無くすことはできない。感光体上での走査ピッチむらを数μm以下にするには、積設した全ての多面鏡において、隣り合う偏向反射面の回転軸に対する倒れ角の差を60秒以下とする必要がある。このため、全ての多面鏡において、偏向反射面の回転軸に対する倒れ角は、隣り合う偏向反射面での差が全て60秒以下に調整されていることが好ましい。
特に、カラー画像では後述のように4色の静電潜像を重ねて画像を形成するため、走査ピッチむらによって色ズレが発生すると、画像品質が著しく低下してしまうため、感光体上での走査ピッチのむらを数μm以下にする必要がある。画像上では隣り合う走査線でのピッチのむらが認識されやすいため、隣り合う偏向反射面でのピッチむらを小さくすることが重要である。
本実施形態においては、図9に示す手順で調整することで、積設した全ての多面鏡において、隣り合う偏向反射面の回転軸に対する倒れ角の差が60秒以下となされている。
まず、第1の位置検出素子205の出力が所望の値となるように基準となる下側の多面鏡104の位置を調整する(ステップS201)。続いて、第2の位置検出素子206の出力が所望の値となるように上側の多面鏡105を回転させる(ステップS202)。このとき、連れ回るのを防止するために、多面鏡104の位置を調整した段階で、多面鏡104とフランジ103とを仮に固定しておくと良い。多面鏡104の固定にはボス部104bを利用すると、偏向反射面104aを傷つけることがないため好適である。
上側の多面鏡105を回転させた後、位置検出素子205、206で多面鏡104、105の反射光を検出し位相差角を算出する(ステップS203)。そして、位相差角が基準値内となっているか否かを判断する(ステップS204)。位相差角が基準値内となっていなければ(ステップS204/No)、基準値内となるまでステップS202〜S204を繰り返す。
位置検出素子205、206は、多面鏡の位相差角度が調整できるように配置されており、位置検出素子206の出力と位相差角度とが1対1で対応する関係になっている。したがって、位置検出素子206の出力が所望の範囲に入るように多面鏡105の位置を回転調整することで、位相差角度を正確に設定できる。
次に、偏向反射面の回転軸に対する倒れ角を測定する(ステップS205)。位置検出素子205、206に二次元のPSDを用いると、位相差角度の測定と一緒に偏向反射面の回転軸に対する倒れ角を測定することができるため好適である。多面鏡への入射光ビームLB11、LB12と反射光ビームLB11a、LB12aとの角度差が大きい場合には、位置検出素子205、206の検出値を換算することで、偏向反射面の回転軸に対する倒れ角を測定できる。
図10に、二次元PSDの構造及び受光面形状を示す。
二次元のPSDは、図10の受光面のX軸で位相差角度を測定し、Y軸で偏向反射面の回転軸に対する倒れ角を測定するように配置されている。偏向反射面の回転軸に対する倒れ角の測定は、多面鏡104、105をフランジ103と仮固定し、回転軸中心に回転体全体を略90°ずつ回転させて全ての偏向反射面の回転軸に対する倒れ角を測定する。隣り合う偏向反射面の回転軸に対する倒れ角の差が60秒以下となっていなければ、多面鏡105を多面鏡104に対して回転軸中心に略90°回転させ、位相差角度を再設定して、再度多面鏡104、105をフランジ103に仮固定し、回転体全体を略90°ずつ回転させて全ての偏向反射面の回転軸に対する倒れ角を測定する。
全ての偏向反射面の回転軸に対する倒れ角が基準値内となっていなければ(ステップS206/No)、ステップS202へ進んで、位相差角度の調整からやり直す。全ての偏向反射面の回転軸に対する倒れ角が基準値内であれば(ステップS206/Yes)、多面鏡の位置調整を完了し(ステップS207)、ミラー押さえ106、板ばね107及び止め輪108を用いて多面鏡104、105をフランジ103に固定し、回転体として一体化する(ステップS208)。
上記の位相差角度の調整と、偏向反射面の倒れ角の測定とを繰り返し行い、隣り合う偏向反射面の回転軸に対する倒れ角の差が60秒以下になった段階でミラー押さえ106、板ばね107及び止め輪108を用いて多面鏡104、105をフランジ103に固定し、回転体として一体化する。以上により、すべての多面鏡で隣り合う偏向反射面の回転軸に対する倒れ角の差を60秒以下とできる。
このように、上記の光偏向器の組立方法では、位置調整手段によって基準となる多面鏡104と他の多面鏡105の組み付け位置が調整され、固定されているため、多面鏡104、105を積み重ねて組み立てた時の多面鏡104、105の位置が所望の位置に固定され、所望の位置からの誤差が小さい光偏向器とすることができる。
また、位置調整手段が多面鏡104、105のうち多面鏡104の任意の偏向反射面を基準として、多面鏡105の回転位相差角度を検出する位相差角度検出手段と、基準となる多面鏡104に対して他の多面鏡105を回転させる多面鏡回転手段とで構成することによって、多面鏡間で偏向反射面の位置が所望の位置で揃うため、多面鏡104、105間の位相差角度の誤差が小さくなる。
位相差角度検出手段は、光源である半導体レーザ201から出力された光束を複数の多面鏡104、105に入射させるために分割するハーフミラープリズム203と、所定の位置に配置され、各多面鏡104、105からの反射光を検出し位置情報を出力する位置検出素子205、206とからなる非接触型の位相差角度検出手段として構成されるため、非接触で高精度に多面鏡104、105の角度位置を検出して所望の位置で固定でき、偏向反射面を傷つけることがない。
また、位置調整手段が多面鏡104、105のうち多面鏡104の任意の偏向反射面を基準として、多面鏡105の回転位相差角度を検出する位相差角度検出手段と、基準となる多面鏡104に対し他の多面鏡105を回転させる手段と、回転軸に対する偏向反射面の倒れ角を検出する面倒れ検出手段とから構成され、多面鏡104、105の組み付け位置を調整する工程は、少なくとも、基準となる多面鏡104に対して他の多面鏡105の回転位相差角度を回転調整する工程と、面倒れ検出手段により回転位相差角度が調整された多面鏡105の全ての偏向反射面の倒れ角を検出する工程と、測定された偏向反射面の倒れ角が全て基準値を満足するかを判定する工程とからなるため、多面鏡104、105を積み重ねて組み立てた場合でも、面倒れを小さく抑え、偏向反射面の回転軸に対する角度誤差を全ての多面鏡104、105で小さくできる。
本実施形態に係る光偏向器は、面数が同一の多面鏡104、105で、多面鏡104の偏向反射面を回転方向に順番にA1面、A2面、A3面、A4面とし、多面鏡105の偏向反射面をA1面に近い面から回転方向に順番にB1面、B2面、B3面、B4面とするとき、A1面の法線とB1面の法線とで形成される角度θ1、A2面の法線とB2面の法線とで形成される角度θ2、A3面の法線とB3面の法線とで形成される角度θ3、A4面の法線とB4面の法線とで形成される角度θ4が略同一であって、その誤差が0.5°以下となっているため、積設された多面鏡104、105間の回転位相差角度のばらつきが小さく抑えられており、多面鏡104、105で必要な走査期間が確保される。
さらに、多面鏡104、105において、偏向反射面の回転軸に対する倒れ角は、隣り合う偏向反射面での差が全て60秒以下となっているため、積設された多面鏡104、105の面倒れが小さく抑えられ、各多面鏡において、偏向反射面ごとの走査ビーム位置ばらつきが小さくなる。
なお、以上の説明においては、偏向反射面104a、105aが回転方法へ45°ずれて固定された場合を例としたが、偏向反射面のずれは45°に限定されることはなく、任意の角度に調整可能である。例えば、位相差角度が0°、すなわち偏向反射面104a、105aが回転方向にずれていない場合でも適用可能である。
〔第2の実施形態〕
本発明を好適に実施した第2の実施形態について説明する。
図11に本実施形態に係る光偏向器の構成を示す。第1の実施形態に係る光偏向器と同様の構成には同じ符号を付して示し、説明を省略する。
本実施形態に係る光偏向器の回転体121は、軸受シャフト102の外周に焼き嵌めされたフランジ103と、フランジ103に積設された二つの多面鏡124、125と、ミラー押さえ106と、板ばね107と、止め輪108と、ロータ磁石109とを有する。
積設された二つの多面鏡124、125には、偏向反射面124a、125aと、これらの面に略平行な平面が形成された四角柱状のボス部124b、125bとが形成されている。多面鏡124と125とは同じ部品であり、ボス部124b、125b同士が接触する形で積み上げられ、偏向反射面124a、125aが回転方向に45°ずれて固定されている。
本実施形態に係る光偏向器は第1の実施形態と同様の方法によって、二つの多面鏡124、125を精度良く所定角度で位置決めされ、固定されている。
本実施形態においては、ボス部124b、125bが四角柱状に形成されているため、多面鏡124、125の位置を回転調整する際に、回転トルクを与える部分、又は連れ回りを防止するために保持する部分として利用することで、小さな回転トルクや小さな保持力で多面鏡124、125を保持することが可能となる。これにより、過剰な回転トルクや保持力をボス部124b、125bに加えることによる偏向反射面124a、125aの変形を防止できる。
なお、ボス部124b、125bは、必ずしも偏向反射面124a、125aと略平行に設置する必要はないが、平行にすることが好ましい。
板ばね107が回転軸方向に圧縮され、弾性変形した状態で固定されることによって、多面鏡124、125にも回転軸方向に圧縮力が働くが、ボス部124b、125bを偏向反射面124a、125aと平行に形成すると、偏向反射面124a、125aの光走査方向(長手方向)変形を略均一とし、偏向反射面124a、125aとして必要な面精度を確保できる。
第1の実施形態と同様に、多面鏡124、125は、ボス部124b、125bと一体化した基本形状を鍛造加工することによって形成すると、切削加工によって素材から多面体形状を削り出す場合と比較して、部品形状形成のコストを低減できるため好ましい。
なお、ここではボス部124b、125bが形成された多面鏡124、125を例に説明したが、ボス部が形成されていない平板状の多面鏡を積設する場合でも組立可能である。
また、偏向反射面124a、125aが回転方向へ45°ずれて固定された構成をれいとして挙げたが、偏向反射面のずれは45°に限定されることはなく、任意の角度とすることができる。さらに、偏向反射面124a、125aが回転方向にずれていない構成であってもよい。
〔第3の実施形態〕
本発明を好適に実施した第3の実施形態について説明する。
図12に、本実施形態に係る光走査装置の構成を示す。半導体レーザ1、1’は「一つの光源を構成する二つの発光源」であり、それぞれが1本の光ビームを発する。半導体レーザ1、1’は、ホルダ2によって所定の位置関係で保持されている。半導体レーザ1、1’から発せられた各ビームはそれぞれカップリングレッズ3、3’によって以後の光学系に適した光束形態(平行光束、弱い発散性又は収束性の光束)に変換される。この例ではカップリングレンズ3、3’によってカップリングされた光ビームは共に平行光束である。
カップリングレンズ3、3’から射出し、所望の光束形態となった各光ビームは、光ビーム幅を規制するアパーチャ12の開口部を通過して「ビーム整形」された後、ハーフミラープリズム4に入射し、ハーフミラープリズム4の作用によって副走査方向に2分割されてそれぞれが2本の光ビームに分けられる。
図13に、ハーフミラープリズムによって光ビームが分割される状態を示す。図の煩雑化を避けるために。半導体レーザ1から発せられた光ビームL1を代表して示している。図13の上下方向が副走査方向であるが、ハーフミラープリズム4は半透鏡4aと反射面4bとを副走査方向に並列して有する。光ビームL1は、ハーフミラープリズム4に入射すると半透鏡4aに入射し、一部は半透鏡4aを透過して光ビームL11となり、残りは反射されて反射面4bに入射し、反射面4bで全反射されて光ビームL12となる。
この例において、半透鏡4aと反射面4bとは互いに平行であり、従ってハーフミラープリズム4から射出する光ビームL11、L12も互いに平行である。このようにして、半導体レーザ1からの光ビームは、二つの光ビームL11、L12として副走査方向に2分割される。半導体レーザ1’からの光ビームも同様にして2分割される。
このようにして、一つの光源(m=1)から2本の光ビームが発せられ、これら2本の光ビームが副走査方向に2分割(q=2)されて2m×q=4本の光ビームが得られる。
これら4本の光ビームは、シリンドリカルレンズ5a、5bに入射し、シリンドリカルレンズ5a、5bの作用によって副走査方向に集光され、多面鏡式光偏向器7の偏向反射面近傍に「主走査方向に長い線像」として結像する。
図12に示したように、半導体レーザ1、1’から発せられ、ハーフミラープリズム4によって分割された光ビームのうち、ハーフミラープリズム4の半透鏡4aを直線的に透過した光ビーム(図13に示す光ビームL12)がシリンドリカルレンズ5aに入射し、半透鏡4aによって反射され、さらに反射面4bで反射された光ビーム(図13の光ビームL12)がシリンドリカルレンズ5bに入射する。
多面鏡式光偏向器7の防音ハウジングには防音ガラス6が設けられている。光源側からの4本の光ビームは防音ガラス6を介して多面鏡式光偏向器7に入射し、偏向された光ビームは防音ガラス6を介して走査結像光学系側へ射出する。
多面鏡式光偏向器7は、上ポリゴンミラー7a、下ポリゴンミラー7bを回転軸方向に上下2段に積設して一体とし、不図示のモータによって回転軸回りに回転させられる。
上ポリゴンミラー7a、下ポリゴンミラー7bは、この例において共に「4面の偏向反射面」を持つ同一形状のものであるが、上ポリゴンミラー7aの偏向反射面に対し、下ポリゴンミラー7bの偏向反射面が、回転方向に所定角:θ(=45°)ずれている。
第1走査レンズ8aと、第2走査レンズ10aと、光路折り曲げミラー9aとは、多面鏡式光偏向器7の上ポリゴンミラー7aにより偏向される2本の光ビーム(半導体レーザ1、1’から射出し、ハーフミラープリズム4の半透鏡4aを透過した2本の光ビーム)を、対応する光走査位置である光導電性感光体11a上に導光して、副走査方向に分離した二つの光スポットを形成する一組の走査結像光学系を構成する。
第1走査レンズ8bと、第2走査レンズ10bと、光路折り曲げミラー9bとは、多面鏡式光偏向器7の下ポリゴンミラー7bにより偏向される2本の光ビーム(半導体レーザ1、1’から射出し、ハーフミラープリズム4の半透鏡4aによって反射された2本の光ビーム)を、対応する光走査位置である光導電性感光体11b上に導光して、副走査方向に分離した二つの光スポットを形成する一組の走査結像光学系を構成する。
半導体レーザ1、1’から発せられた光ビームは、多面鏡式光偏向器7の回転軸方向から見て「偏向反射面位置の近傍において主光線が交差する」ように光学配置が定められており、従って、偏向反射面に入射してくる二つの光束の各対は光ビーム相互が「開き角(偏向反射面の側から見たとき、2本の光ビームの回転軸に直交する面への射影がなす角)」を有する。
この開き角により、多面鏡式光偏向器7の上ポリゴンミラー7aによって偏向される二つの光ビームにより、光導電性感光体11aが2本の光ビームによってマルチビーム走査され、多面鏡式光偏向器7の下ポリゴンミラー7bによって偏向される二つの光ビームにより、光導電性感光体11bが2本の光ビームによりマルチビーム走査される。
多面鏡式光偏向器の上ポリゴンミラー7aと下ポリゴンミラー7bの偏向反射面は互いに回転方向に45°ずれているため、上ポリゴンミラー7aによる偏向光ビームが光導電性感光体11aの光走査を行うとき、下ポリゴンミラー7bによる偏向光ビームは、光導電性感光体11bには導光されず、下ポリゴンミラー7bによる偏向光ビームが光導電性感光体11bの光走査を行うとき、上ポリゴンミラー7aによる偏向光ビームは、光導電性感光体11aには導光されない。
すなわち、光導電性感光体11a、11bの光走査は、時間的にずれて交互に行われることとなる。図14に、光走査の状態を示す。図の煩雑化を避けるために、多面鏡式光偏向器へ入射する光ビーム(実際には4本)を入射光、偏向される光ビームを偏向光a、偏向光bとして示している。
図14(a)は、入射光が多面鏡式光偏向器7に入射し、上ポリゴンミラー7aで反射されて偏向された偏向光aが光走査位置へ導光される時の状態を示している。このとき、下ポリゴンミラー7bによる偏向光bは光走査位置へ向かわない。図14(b)は、下ポリゴンミラー7bで反射されて偏向された偏向光bが光走査位置へ導光される時の状態を示している。このとき、上ポリゴンミラー7aによる偏向光aは光走査位置へは向かわない。
なお、一方のポリゴンミラーによる偏向光が光走査位置へ導光されている間に、他方のポリゴンミラーによる偏向光が「ゴースト光」として作用しないように、図12に示すように遮光手段SDを適宜設け、光走査位置へ導光されない方の偏向光を遮光すると良い。これは、実際には、防音ハウジングの内壁を非反射性とすることにより容易に実現できる。
上記のように、光導電性感光体11a、11bの(マルチビーム方式の)光走査は交互に行われるので、例えば、光導電性感光体11aの光走査が行われるときは光源の光強度を黒画像の画像信号で変調し、光導電性感光体11bの光走査が行われるときは光源の光強度をマゼンタ画像の画像信号で変調すれば、光導電性感光体11aには黒画像の静電潜像を、光導電性感光体11bにはマゼンタ画像の静電潜像を書き込むことができる。
図15は、共通の光源(半導体レーザ1、1’)によって黒画像とマゼンタ画像とを書き込みを行う場合において、有効走査領域において全点灯する場合のタイムチャートである。実線は黒画像の書き込みに相当する部分、破線はマゼンタ画像の書き込みに相当する部分を示す。黒画像、マゼンタ画像の書き出しタイミングは、上記のごとく有効走査領域外に配置される同期受光手段(図12では不図示。一般的にはフォトダイオード。)で光走査位置へ向かう光ビームを検知することによって決定される。
なお、本実施形態においては、多面鏡式光偏向器7として、第1の又は第2の実施形態にかかる動圧軸受ユニットを用いた光偏向器が適用される。これにより、多面鏡の角偏向反射面の光走査が均一で高精度であり、また、光源部の部品点数、材料が削減され、環境負荷が低減され、光源の故障確率も低く抑えたマルチビーム光走査装置を実現できる。
〔第4の実施形態〕
本発明を好適に実施した第4の実施形態について説明する。
図16、図17に、本実施形態にかかる画像形成装置の構成を示す。
図16は、光走査装置の光学系部分を副走査方向(すなわち、多面鏡式光偏向器7の回転軸方向)から見た状態を示す図である。煩雑化を避けるため、多面鏡式光偏向器7から光走査位置に至る光路上の光路屈曲用のミラーの図示を省略し、光路が直線となるように描いている。
この光走査装置は、m=q=2、p=1、n=4の場合であり(m:光源数、q:分割数、p:光ビーム数、n:光走査位置)、四つの光走査位置をそれぞれ1本の光ビームで光走査する。また、光走査位置11Y〜11Kの個々には、光導電性感光体が一つずつ配置されており、これら4個の光導電性感光体に形成される静電潜像をマゼンタ、イエロー、シアン、黒のトナーで個別に可視化し、カラー画像を形成する。
半導体レーザ1YM、1CKは、それぞれが1本の光ビームを発する。半導体レーザ1YMの発光強度は、イエロー画像に対応する画像信号とマゼンタ画像に対応する画像信号とで交互に変調される。一方、半導体レーザ1CKの発光強度は、シアン画像に対応する画像信号と黒画像に対応する画像信号とで交互に変調される。
半導体レーザ1YMから発せられた光ビームは、カップリングレンズ3YMによって平行光束化され、アパーチャ12YMを通過してビーム整形されたのち、ハーフミラープリズム4YMに入射して、副走査方向に分離した2本の光ビームに分割される。ハーフミラープリズム4YMは、図12に示したハーフミラープリズム4と同様のものである。分割された光ビームの一方はイエロー画像を書き込むのに使用され、他方はマゼンタ画像を書き込むのに使用される。
副走査方向に分割された2本の光ビームは、副走査方向に配列されたシリンドリカルレンズ5Y、5M(副走査方向に重なり合うように配置されている)により、それぞれ副走査方向へ集光され、多面鏡式光偏向器7へ入射する。多面鏡式光偏向器7は、4面の偏向反射面を持つポリゴンミラーを回転軸方向に2段に積設し、ポリゴンミラー相互の偏向反射面を回転方向にずらして一体化した構成である。シリンドリカルレンズ5Y、5Mによる主走査方向に長い線像は、各ポリゴンミラーの偏向反射面位置近傍に結像する。
多面鏡式光偏向器7によって偏向される光ビームは、それぞれ第1走査レンズ8Y、8M、第2走査レンズ10Y、10Mを透過し、これらのレンズの作用により光走査位置11Y、11Mに光スポットを形成し、これらの光走査位置を光走査する。
同様に、半導体レーザ1CKから発せられた光ビームは、カップリングレンズ3CKによって平行光束化され、アパーチャ12CKを通過してビーム整形されたのち、ハーフミラープリズム4CKによって副走査方向に分離した2本の光ビームに分割される。ハーフミラープリズム4CKはハーフミラープリズム4YMと同様のものである。分割された光ビームの一方はシアン画像を書き込むのに使用され、他方は黒画像を書き込むのに使用される。
副走査方向に分割された2本の光ビームは、副走査方向に配列されたシリンドリカルレンズ5C、5K(副走査方向に重なり合うように配置されている)により、それぞれ副走査方向へ集光され、多面鏡式光偏向器7へ入射して偏向され、それぞれ第1走査レンズ8C、8K、第2走査レンズ10C、10Kを透過し、これらのレンズの作用により光走査位置11C、11Kに光スポットを形成し、これらの光走査位置を光走査する。
図17に示すように、多面鏡式光偏向器7の上段のポリゴンミラーにより偏向される光ビームのうち一方は、光路折り曲げミラーmM1、mM2、mM3によって屈曲された光路により、光走査位置11Mの実体をなす光導電性感光体へ導光され、他方の光ビームは、光路折り曲げミラーmC1、mC2、mC3によって屈曲された光路により光走査位置11Cの実体をなす光導電性感光体へ導光される。
また、多面鏡式光偏向器7の下段のポリゴンミラーにより偏向される光ビームのうち一方は、光路折り曲げミラーmYによって屈曲された光路により、光走査位置11Yの実体をなす光導電性感光体へ導光され、他方のビームは、光路折り曲げミラーmKによって屈曲された光路により光走査位置11Kの実体をなす光導電性感光体へ導光される。
したがって、m=2個の半導体レーザ1YM、1CKからの光ビームがそれぞれハーフミラープリズム4YM、4CKで2本の光ビームに分割されて4本の光ビームとなり、これら4本の光ビームにより4個の光走査位置11Y、11M、11C、11Kの実体をなす光導電性感光体が光走査される。光走査位置11Y及び11Mは、半導体レーザ1YMからの光ビームを2分割した各光ビームにより、多面鏡式光偏向器7の回転に伴い交互に光走査され、光走査位置11C及び11Kは、半導体レーザ1CKからの光ビームを2分割した各光ビームにより、多面鏡式光偏向器7の回転に伴い交互に光走査される。
光走査位置11Y〜11Kの実体をなす光導電性感光体は、いずれも時計回りに等速回転され、帯電手段をなす帯電ローラTY、TM、TC、TKによって均一帯電され、それぞれ対応する光ビームの光走査を受けてイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色画像が書き込まれ、対応する静電潜像(ネガ潜像)が形成される。
これらの静電潜像は、それぞれ現像装置GY、GM、GC、GKによって反転現像され、光走査位置11Y、11M、11C、11Kの実体をなす各光導電性感光体上にそれぞれイエロートナー画像、マゼンタトナー画像、シアントナー画像、黒トナー画像が形成される。
これら各色トナー画像は、不図示の転写シート上に転写される。すなわち、転写シートは搬送ベルト17によって搬送され、転写器15Yによって光導電性感光体11Y上からイエロートナー画像が転写され、転写器15M、15C、15Kによってそれぞれ光導電性感光体11M、11C、11Kからマゼンタトナー画像、シアントナー画像、黒トナー画像が順次転写される。このようにしてイエロートナー画像〜黒トナー画像が重ね合わされてカラー画像が合成される。このカラー画像が定着装置19によって転写シート上に定着させられることでカラー画像が得られる。
すなわち、複数の光導電性感光体に光走査により個別的に静電潜像を形成し、これら静電潜像を可視化してトナー画像とし、得られるトナー画像を同一のシート状記録媒体上に転写して合成的に画像形成を行うタンデム式の画像形成装置において、光導電性感光体の数が4であり、光走査装置として2個の光源1YM、1CKを用いて各光源からの光ビームがそれぞれ2個の光導電性感光体を光走査するように構成され、4個の光走査位置11Y、11M、11C、11Kの実体をなす光導電性感光体に形成される静電潜像をイエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナーで個別に可視化し、カラー画像を形成する。
光走査装置には、多面鏡式光偏向器7として、上記第1〜第3の実施形態と同様の光偏向器が用いられる。
なお、ここでは、各光導電性感光体の光走査をシングルビーム方式で行っているが、各光源側を図12のような構成とすれば、光導電性感光体の光走査をマルチビーム方式で行えることはいうまでもない。
なお、上記各実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されることはなく、様々な変形が可能である。
本発明を好適に実施した第1の実施形態に係る光偏向器の構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係る光偏向器に適用される回転体の構成を示す斜視図である。 多面鏡の位相差角度調整装置の要部の構成を示す図である。 ハーフミラープリズムの作用によって光ビームが分割される状態を示す図である。 二つの位置検出素子が略90°の位置に配置をされた状態を示す図である。 積設された多面鏡の位相差角度の調整方法の流れを示す図である。 積設された多面鏡の位相差角度を示す図である。 一次元PSDの構造及び光受光面の形状を示す図である。 積設された多面鏡の偏向反射面の倒れの調整方法の流れを示す図である。 二次元PSDの構造及び光受光面の形状を示す図である。 本発明を好適に実施した第2の実施形態に係る光偏向器に適用される回転体の構成を示す図である。 本発明を好適に実施した第3の実施形態に係る光走査装置の構成を示す図である。 ハーフミラープリズムによって光ビームが分割される状態を示す図である。 光偏向器で反射される二つの偏向光の方向の関係を示す図である。 光走査装置における光ビームの走査タイミングを示す図である。 本発明を好適に実施した第4の実施形態に係る画像形成装置に用いられる光走査装置の構成を示す図である。 第4の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
符号の説明
1、1’、1YM、1CK、201 半導体レーザ
2 ホルダ
3、3’、3YM、3CK、202 カップリングレンズ
4、4YM、4CK、203 ハーフミラープリズム
4a、203a 半透鏡
4b、203b 反射面
5a、5b、5Y、5M、5C、5K、204a、204b シリンドリカルレンズ
6 防音ガラス
7 多面鏡式光偏向器
7a 上ポリゴンミラー
7b 下ポリゴンミラー
8a、8b、8Y、8M、8C、8K 第1走査レンズ
9a、9b、mM1、mM2、mM3、mC1、mC2、mC3、mY、mK 光路折り曲げミラー
10a、10b、10Y、10M、10C、10K 第2走査レンズ
11a、11b 光導電性感光体
11Y、11M、11C、11K 光走査位置
15Y、15M、15C、15K 転写器
17 搬送ベルト
19 定着装置
101 回転体
102 軸受シャフト
102a 凸曲面
103 フランジ
104、105 多面鏡
104a、104b、105a、105b 偏向反射面
106 ミラー押さえ
107 板ばね
108 止め輪
109 ロータ磁石
110 固定スリーブ
111 軸受ハウジング
112 ステータコア
112a 巻線コイル
113 スラスト受部材
114 流体シール
115 回路基板
116 ホール素子
117 駆動IC
118 コネクタ
205、206 位置検出素子
TY、TM、TC、TK 帯電ローラ
GY、GM、GC、GK 現像装置

Claims (5)

  1. 回転軸の軸方向に複数の多面鏡が積設された回転体の組立方法であって、
    前記複数の多面鏡のうち基準となる多面鏡と他の多面鏡との組み付け位置を位置調整手段によって調整する位置調整工程と、
    前記多面鏡を前記回転軸に固定する工程とを有し、
    前記位置調整手段は、前記複数の多面鏡のうちの一つの任意の偏向反射面を基準として他の多面鏡の回転位相差角度を検出する位相差角度検出手段と、前記基準となる多面鏡に対して前記他の多面鏡を回転させる多面鏡回転手段とを有することを特徴とする回転体の組立方法。
  2. 前記位相差角度検出手段は、少なくとも一つの光源から出力された光束を前記複数の多面鏡のそれぞれに入射する光束に分割する手段と、所定の位置に配置され、各多面鏡からの反射光を検出した場合に位置情報を出力する光位置検出手段とを有することを特徴とする請求項記載の回転体の組立方法。
  3. 前記位置調整手段が、前記回転軸に対する偏向反射面の倒れ角を検出する面倒れ検出手段をさらに含むことを特徴とする請求項又は記載の回転体の組立方法。
  4. 前記位置調整工程は、
    前記基準となる多面鏡に対して、前記他の多面鏡の回転位相差角度を回転調整する工程と、
    前記回転位相差角度が調整された多面鏡の全ての偏向反射面の面倒れ角を、前記面倒れ検出手段によって検出する工程と、
    測定された前記各偏向反射面の倒れ角が、全て基準値を満たすか否かを判断する工程とを含むことを特徴とする請求項記載の回転体の組立方法。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の回転体の組立方法に含まれる各工程を有し、前記回転体を有する光偏向器を組み立てることを特徴とする光偏向器の組立方法。
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