JP2006337677A - 光偏向器、ポリゴンミラーの加工方法、光走査装置、画像形成装置 - Google Patents

光偏向器、ポリゴンミラーの加工方法、光走査装置、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリゴンミラーの反射面を適正化した光偏向器を実現し、その光偏向器を用いることにより、斜入射方式の光走査装置の副走査方向の走査ピッチむらや、それに伴う色ずれを抑制可能な光走査装置を実現する。
【解決手段】本発明は、軸受により回転自在に支持され、回転装置の駆動によりレーザビームを偏向する光偏向器1において、ポリゴンミラー部8a,8bを軸方向に複数段有し、前記ポリゴンミラー部8a,8bの回転中心から反射面までの距離が1つの段における複数の反射面のばらつき量よりも、同じ位相となる各段の反射面のばらつき量の方が小さい構成とした.これにより、光走査装置に搭載した時の各色間における走査ピッチむらが各単色よりも相対的に小さくでき、走査ピッチむらが色ずれとなって認識される影響を小さくすることが可能な光偏向器を実現することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、光束を偏向走査する光偏向器と、その光偏向器に用いるポリゴンミラーの加工方法、および、前記光偏向器を用いた光走査装置と、その光走査装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、レーザ光源からの光束を光偏向器により等角速度的に偏向させ、偏向光束を被走査面上に光スポットとして集光させて光走査を行う光走査装置がよく知られており、複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ等の電子写真写真方式の画像形成装置の書込み光学系として応用されている。
このような光走査装置に関しては種々の提案がなされているが、従来技術の一例として、特許文献1に記載の走査光学系では、主走査平面を挟む両側から2本ずつ反射面に入射する4本のレーザビームを同時に偏向する1個のポリゴンミラー(回転多面鏡)及びポリゴンミラーで偏向されたレーザビームが全て入射する前側レンズ群と、前側レンズ群を透過した4本のレーザビームが個々に入射する4個の後側レンズ群とからなる走査結像光学系を有している。そして、主走査平面に近い側の1対の後側レンズ群は、互いに同じ形状で180°回転した状態で対向配置され、主走査平面から遠い側の1対の後側レンズ群は、互いに同じ形状で180°回転した状態で対向配置される。
したがって、ポリゴンミラー(回転多面鏡)に入射される複数本のレーザビームがその中心軸に直交する平面に対して角度を有して傾けられている構成(斜入射方式)を採りながらも、レーザビームに対して副走査方向にずらして配置されるレンズ群に低コストなレンズ群を利用可能な走査光学系が提供できる。
しかしながら、上記斜入射方式は「走査線曲がり」が大きいという問題がある。この走査線曲がり発生量は、前記各光ビームの副走査方向の斜入射角により異なり(斜入射角が大きいほど曲がり量も大きい)、各々の光ビームで描かれた潜像を各色のトナーにより重ね合わせて可視化した際に、色ずれとなって現れてしまう。
また、斜入射方式特有の問題として、ポリゴンミラーの回転中心から反射面までの距離の面間ばらつきが副走査方向の走査ピッチむら(副走査方向の走査線の間隔ばらつき)を発生させる。これはポリゴンミラーへ入射するレーザビームが斜入射であるため、面間ばらつきがあるとポリゴンミラー上の反射点の位置が副走査方向に異なるためである。
これに対して水平入射方式では上記問題は発生しないが、斜入射方式と同様にポリゴンミラーの面倒れによる走査ピッチむらは発生する。すなわち、斜入射方式では、ポリゴンミラーの面倒れおよびポリゴンミラーの回転中心から反射面までの距離の面間ばらつきが共に走査ピッチむらを発生させる要因となる。
さらに、斜入射することにより、光束が走査レンズにねじれて入射することで、波面収差も増大し、特に周辺の像高で光学性能が著しく劣化し、ビームスポット径が太ってしまい、高画質化を妨げる要因となる(斜入射角が大きいほど顕著)。
特開2003−5114号公報
カラーレーザプリンタ等のカラー画像形成装置には、回転駆動される複数の感光体に対して独立して複数の走査結像光学系による光走査手段により複数の異なった色の情報をそれぞれレーザビームの走査ビームで書込み、静電潜像を形成し、これらの静電潜像を複数の顕像化手段により異なった色の顕像にそれぞれ顕像化して転写材上に重ね合わせて転写しカラー画像を得るタンデム型のカラー画像形成装置がある。
上記タンデム型のカラー画像形成装置では、光走査手段の各々は、各色の画像情報信号に応じて駆動制御される半導体レーザからレーザビームを出射する。レーザビームは、ポリゴンミラー、レンズ等の光学部品を介して一様に帯電された感光体面に集光されるとともに主走査方向に走査される。そして回転する感光体面に走査ビームに対応した画像信号が書き込まれ、静電潜像が形成される。
上記タンデム型のカラー画像形成装置で、複数の感光体に対して一つの光偏向器を共用する方式のものも知られている。そして光偏向器を共用することにより、光偏向器の数を減らし、画像形成装置をコンパクト化・低コスト化することを可能にしている。また、光偏向器の偏向反射面に副走査方向に角度を持ってレーザビームを入射させる斜入射方式の走査光学系も知られている。前記走査光学系は、各色に対応する複数のレーザビームがそれぞれの反射面で偏向反射された後に、各々対応する感光体に、折返しミラーなどで分離され導かれる。この斜入射方式の走査光学系を用いることで、前記ミラーで各光束が分離可能な副走査方向の隣接するレーザビームの間隔を、光偏光器の大型化(副走査方向へのポリゴンミラーの多段化、厚肉化)無しに実現可能となる。
一方、斜入射方式特有の問題として、ポリゴンミラーの回転中心から反射面までの距離の面毎のばらつきによる副走査方向の「走査ピッチむら」が挙げられる。これは前記面毎のばらつきがあるとポリゴンミラー上の反射点の位置が各面毎に副走査方向で異なるためである。
したがって、斜入射方式では、ポリゴンミラーの面倒れおよびポリゴンミラーの回転中心から反射面までの距離の面毎のばらつきが共に「走査ピッチむら」を発生させる要因となり、水平入射方式より「走査ピッチむら」が大きいといった不具合がある。さらに、斜入射することにより、光束が走査レンズにねじれて入射することで、波面収差も増大し、特に周辺の像高で光学性能が著しく劣化し、ビームスポット径が太ってしまい、高画質化を妨げる要因となる(斜入射角が大きいほど顕著)。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、ポリゴンミラーの反射面を適正化した光偏向器の提供と、その光偏向器に用いるポリゴンミラーの加工方法を提供することを目的とし、さらには、そのポリゴンミラーの反射面を適正化した光偏向器を用いることにより、斜入射方式の光走査装置の副走査方向の走査ピッチむらや、それに伴う色ずれを抑制可能な光走査装置を提供することを目的とする。また、本発明は、上記光走査装置を備え、カラー画像を形成する際の色ずれの発生を抑制可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下のような技術的手段を採っている。
本発明の第1の手段は、軸受により回転自在に支持され、回転装置の駆動によりレーザビームを偏向する光偏向器において、ポリゴンミラー部を軸方向に複数段有し、前記ポリゴンミラー部の回転中心から反射面までの距離が1つの段における複数の反射面のばらつき量よりも、同じ位相となる各段の反射面のばらつき量の方が小さいことを特徴とする(請求項1)。
また、本発明の第2の手段は、第1の手段の光偏向器において、前記ポリゴンミラー部の各段の面倒れ量および面倒れが最大となる方向が略一致したことを特徴とする(請求項2)。
さらに本発明の第3の手段は、第1の手段の光偏向器において、前記軸受の回転軸径よりも僅かに大径となる穴を回転部材の端部に設けたことを特徴とする(請求項3)。
本発明の第4の手段は、第1〜第3のいずれか一つの手段の光偏向器に用いるポリゴンミラーの加工方法において、前記光偏向器のポリゴンミラーと軸受シャフトが一体的に固定された状態の回転部材を軸方向に重ね合せ、複数の回転部材の反射面を同時に鏡面加工することを特徴とする(請求項4)。
また、本発明の第5の手段は、第4の手段のポリゴンミラーの加工方法において、前記光偏向器の回転軸内径または外径と回転部材の端部を共に同一の固定部材に当接し、回転体の径方向および軸方向を位置決め固定して、複数段の反射面を同時に鏡面加工することを特徴とする(請求項5)。
さらに本発明の第6の手段は、第5の手段のポリゴンミラーの加工方法において、前記回転軸の径方向の当接部は軸長の1/2以上有することを特徴とする(請求項6)。
さらにまた、本発明の第7の手段は、第5の手段のポリゴンミラーの加工方法において、前記回転軸の径方向の当接部は軸方向に離間して複数有することを特徴とする(請求項7)。
本発明の第8の手段は、複数の走査結像手段を単一のハウジング内に収容し、複数のレーザビームを一方向に同時に走査可能な偏向走査手段により複数のレーザビームを走査する光走査装置において、前記偏向走査手段として第1〜第3のいずれか一つの手段の光偏向器を用い、少なくとも1つ以上のレーザビームがポリゴンミラーの反射面に対して副走査方向に角度を有することを特徴とする(請求項8)。
また、本発明の第9の手段は、光走査手段により潜像担持体に潜像を形成し、前記潜像を可視化して所望の記録画像を得る画像形成装置において、前記光走査手段として第8の手段の光走査装置を備えたことを特徴とする(請求項9)。
第1の手段の光偏向器では、ポリゴンミラー部を軸方向に複数段有し、回転中心から反射面までの距離が1つの段における複数の反射面のばらつき量よりも、同じ位相となる各段の反射面のばらつき量の方を小さくしたことにより、光走査装置に搭載した時の各色間における走査ピッチむらが各単色よりも相対的に小さくでき、走査ピッチむらが色ずれとなって認識される影響を小さくすることが可能な光偏向器を実現することができる。
また、第2の手段の光偏向器では、第1の手段の構成に加え、前記ポリゴンミラー部の各段の面倒れ量および面倒れが最大となる方向を略一致させたことにより、光走査装置に搭載した時の各単色における面倒れ方向が各色とも一致するので、各色間に発生する走査ピッチむらの影響(色ずれ)を極力低減することが可能な光偏向器を実現することができる。
さらに第3の手段の光偏向器では、第1の手段の構成に加え、回転軸径よりも僅かに大径となる穴を回転部材の端部に設けたことにより、ポリゴンミラーの加工時にポリゴンミラーブランクを軸方向に重ね合せた時の位置決め固定が高精度化でき、回転中心から反射面までの距離が1つの段における複数の反射面のばらつき量よりも、同じ位相となる各段の反射面のばらつき量の方が小さい光偏向器を実現することができる。
第4の手段のポリゴンミラーの加工方法では、ポリゴンミラーと軸受シャフトが一体的に固定されたポリゴンミラーブランクを軸方向に重ね合せ、複数の回転部材の反射面を同時に鏡面加工することにより、重ねられたポリゴンミラーブランクの鏡面加工品質のばらつきを低減することが可能となり、一度の加工で複数のポリゴンミラーブランクを加工できるので、生産性の高い低コストなポリゴンミラーの加工方法を実現することができる。
また、第5、第6の手段のポリゴンミラーの加工方法では、第4の手段の加工方法に加え、光偏向器の回転軸内径または外径と回転部材の端部を共に同一の固定部材に当接し、回転体の径方向および軸方向を位置決め固定して、複数段の反射面を同時に鏡面加工すると共に、回転軸の径方向の当接部は軸長の1/2以上有することにより、鏡面加工時の切削力に対するポリゴンミラーブランクの保持剛性を向上させ、切削中のポリゴンミラーブランクの微小振れを抑制し、鏡面加工品質のばらつきを低減することが可能なポリゴンミラーの加工方法を実現することができる。
さらに第5、第7の手段のポリゴンミラーの加工方法では、第4の手段の加工方法に加え、光偏向器の回転軸内径または外径と回転部材の端部を共に同一の固定部材に当接し、回転体の径方向および軸方向を位置決め固定して、複数段の反射面を同時に鏡面加工すると共に、回転軸の当接部を軸方向に離間し複数としたことにより、軸受として使用する部分を避けることが可能となり、軸受シャフトの微細な傷、打痕の発生を抑制し、軸受機能を劣化させる恐れのないポリゴンミラーの加工方法を実現することができる。
第8の手段の光走査装置では、第1〜第3のいずれか一つの手段の光偏向器を複数の走査結像手段とともに単一のハウジング内に収容し、水平および斜入射される複数のレーザビームを一方向に同時に走査することにより、光偏向器の消費電力を増大させることなく、走査ピッチむらが少ない光走査装置を実現することができる。
また、第9の手段の画像形成装置では、第8の手段の光走査装置により潜像担持体に潜像を形成し、前記潜像を可視化して所望の記録画像を得るので、光偏向器の消費電力を増大させることなく、走査ピッチむらが少ない光走査を実現でき、カラー画像を形成する際の色ずれの発生を抑制可能な画像形成装置を実現することができる。
以下、本発明の構成、動作及び作用を、図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1に本発明の光偏向器としてポリゴンスキャナを用いた光走査装置の構成例を示す。この光走査装置は、1つのポリゴンスキャナに対して、カラー画像形成装置用として4色分(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の走査結像光学系を備え、各色に相当するレーザビームが各色用の感光体103Y,103M,103C,103Kに集光する様子を示している。
図1の光源10は、半導体レーザとカップリングレンズとシリンドリカルレンズとにより構成される「光源装置」を4組有している。各半導体レーザから放射される光束は、カップリングレンズにより以後の光学系に適合する光束形態(平行光束あるいは弱い発散性もしくは集束性の光束)に変換され、シリンドリカルレンズにより副走査方向に集束されて偏向走査手段であるポリゴンミラー8の偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像として結像される。光源における4つの半導体レーザは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色成分画像を書込むための光束を放射する。
ポリゴンミラー8の回転により同一方向に偏向された4色分の偏向光束は、走査結像光学系のfθレンズ群を構成する第一のレンズ14を透過する。ブラック成分画像を書込む光束(例えばレンズの上端の位置)はミラー16Kで反射され、fθレンズ群を構成する第二のレンズ17Kを透過し、ハーフミラー19Kを透過して被走査面の実態を成すドラム状の光導電性の感光体103K上に光スポットとして集光し、感光体103Kを図中の矢印で示す走査方向(主走査方向)に光走査する。fθレンズ群の第一のレンズ14、第二のレンズ17Kの材質は、非球面形状が容易かつ低コストなプラスチック材質からなり、具体的には低吸水性や高透明性、成形性に優れたポリカーボネートや、ポリカーボネートを主成分とする合成樹脂が好適である。
上記ではブラック成分画像を書込む光束と走査結像光学系を例に上げたが、イエロー、マゼンタ、シアンの各色成分画像を書込む光束もそれぞれ上記と同様に、ミラーで反射され、レンズを透過し、ハーフミラーを透過してドラム状の光導電性の感光体103Y,103M,103C上に光スポットとして集光し、各色とも同一の矢印方向に走査される。この光走査により各感光体に対応する色成分画像の静電潜像が形成される。なお、ブラック以外の各色に相当する光学素子等には番号は付記していないが、ブラックの略意である「K」が番号後に付されている部品はイエロー、マゼンタ、シアンとも光学的な同位置に配置されている。
各感光体103Y,103M,103C,103Kに形成された各色成分画像の静電潜像は、図示されない現像装置により対応する色のトナーで可視化され、中間転写ベルト102上に転写される。転写の際、各色トナー画像は互いに重ね合わせられカラー画像を構成する。この中間転写ベルト102上のカラー画像は図示されないシート状記録媒体(例えば記録紙)上ヘ二次転写された後、図示されない定着装置により加熱および/または加圧されて定着される。カラー画像転写後の中間転写ベルト102は図示されないクリーニング装置でクリーニングされる。
この実施例において、上に説明した部分は、カラー画像を構成する2色以上の色成分画像に対応する複数の光源装置から放射された各光束を、偏向走査手段のポリゴンミラー8により偏向走査し、各偏向光束を走査結像光学系の第一のレンズ14、第二のレンズ17(Y〜K)により、各色成分画像に対応する被走査面(感光体)103Y,103M,103C,103Kに向かって個別的に集光させて光走査を行い、各色成分画像の書込みを行う光走査装置である。また、複数の光源装置から放射され、偏向走査手段のポリゴンミラー8により同一方向に偏向された各光束は、走査結像光学系を構成する第一のレンズ14を共通に透過する構成である。
なお、各色の偏向光束は、ブラックを例に上げると、ハーフミラー19Kにより分離された部分が、走査領域の開始側、終了側でビーム検出器の受光素子P1K(開始側)、P2K(終了側)により検出される(イエロー、マゼンタ、シアンも同様)。開始側での検出に基づき、各光束による書込み開始の同期がとられる。また、開始側と終了側の検出時間差に基づき、各光束に対する駆動クロックの周波数が調整され、各光束の書込幅が同一となるように補正される。なお、受光素子P1K、P2Kが固定される固定板B1,B2は別部材で示しているが、温度が50℃以上の高温に曝される場合、または各色部に配置されている受光素子部の温度差が5℃以上ある場合、固定板B1,B2は同一の基板上に配置することが好適である。その際の固定板は熱膨張率1.0×10−5/℃以下の材質からなり、温度変動による影響(ビーム検出器の移動、および相対位置関係の移動により正確な検出ができなくなる)を実質的になくしている。さらにビーム検出器の受光素子P1K、P2Kをフォトダイオードで構成した場合に、複数のビーム検出器間に発生する電気ノイズの影響をなくすために、固定板B1,B2は非導電性で有ることが好適である。具体的にはガラス(熱膨張率0.5×10−5/℃)、セラミック材質(アルミナ:熱膨張率0.7×10−5/℃、炭化珪素:熱膨張率0.4×10−5/℃)が好適である。なお、アルミ合金(熱膨張率2.4×10−5/℃)では温度変動によりビーム検出精度が劣化する。
また、図1において、符号11はレーザ透過部材を示しており、光源10側からの各光束はレーザ透過部材11を介してポリゴンミラー8に入射し、偏向光束はレーザ透過部材11を介して第一のレンズ14に入射する。
図1において、符号22、23、24は「走査線ずれ検出手段」を構成する検出部を示している。この検出部22、23、24は、検出部22を例に上げると、半導体レーザ22aからの光束を集光レンズ22bで集光して中間転写ベルト102の定位置を照射し、反射光をレンズ22cにより受光素子22d上に結像するようになっている。走査線ずれ検出を行うときは、各検出部22、23、24の各光束により1走査の中で両端、中央の3箇所部分に検知用のパターンが書込まれ、現像可視化されて中間転写ベルト102に転写される。このとき、各色の検知用のパターン21aは、中間転写ベルト102上において互いに副走査方向(図中の矢印で示すベルトの進行方向)に等間隔となるように形成される。これら検知用のパターン画像は、走査線ずれ検出手段の各検出部22、23、24で検出され、その結果に基づき、各走査線の走査線曲がり(走査線の傾き、走査線相互の位置ずれを含む)が決定される。
図1に示すように第一のレンズ14の直後には、走査線を補正する手段である液晶偏向素子15が配置されている。配置位置は走査結像手段の光路内のうち副走査方向にパワーを有するレンズよりも光源装置側に配置され、ポリゴンミラー8に近いほど良い(上記位置であれば副走査方向にパワーを有するレンズに対して遠くなるため、液晶偏向素子15の偏向角度に対する走査線の補正量を大きくすることができる)。
液晶偏向素子15は、副走査方向に4つ各色に相当する領域を有している。4つの領域のうち1つは液晶層のない「素通し」領域であり、その他の3つの領域は、主走査方向に複数配置されている。その他、液晶偏向素子内の接地電極、液晶層、レーザ透過部材(例えば、透過率の高い樹脂、ガラスなど)は共通に構成されている。即ち、この実施例においては、走査線曲がりを補正すべき各色に相当する偏向光束に対する液晶層が全て同じレーザ透過部材により一体化されている。
したがって、液晶偏向素子15は、ブラック成分画像を書込む光束は素通しさせ、イエロー、マゼンタ、シアンの各色成分画像を書込む光束に対しては、走査線曲がりの補正(補正量の演算・設定は、図示されないコントローラが行う)を行い、これらの光束の走査線曲がりを基準走査線曲がり(ブラック成分画像書込み用の光束の走査線曲がり)に略合致させる。図1の実施例では、共通の光路(第一のレンズ14)を透過した直後に液晶偏向素子15を配置し一体構成による小型化を達成している。なお、上記第一のレンズ14は主走査方向にパワーを有しかつ副走査方向にはノンパワーとし、第二のレンズ17Kは主走査方向にレンズ14よりも小となるパワーを有しかつ副走査方向にパワーを有しており、液晶偏向素子15を配置する好適な位置は副走査方向にパワーを有するレンズの前が良く、図1で最も好適な位置は折り返しミラー16Kよりも前で第一のレンズ14の直後である。このように、より光源側に配置することにより、液晶偏向素子15の主走査方向の全長を小さくすることが可能となり、材料の歩留まりも向上し安価にできる。
次に図2は本発明の光偏向器(ポリゴンスキャナ)の一実施例を示す図であり、(a)はポリゴンスキャナの断面図、(b)は回転体であるポリゴンミラーの斜視図を示している。
ポリゴンスキャナ1の軸方向に離間したポリゴンミラー部を形成する多面体8a、8bに各々各色に対応した複数のレーザビーム(A、B,C、D)が各々上下2面に入射され、高速偏向走査される。なお、レーザビームB,Cは水平入射、A,Dは副走査方向に角度θを有する斜め入射(Aは上方側、Dは下方側)となっている。
以下、ポリゴンスキャナ1の構成について詳述する。マルテンサイト系のステンレス鋼からなる軸受シャフト9の上部外周にポリゴンミラー部を形成する多面体8a、8bを有するアルミ純度99.9%以上のポリゴンミラー8の内径部8mが焼きばめ固定されている。マルテンサイト系ステンレス(例えばSUS420J2)は焼入れが可能で表面硬度を高くでき、軸受シャフトとしては耐磨耗性が良好で好適である。ポリゴンミラー8の下部にはロータ磁石211が固定されモータコア4(巻線コイル4a)とともにアウターロータ型のブラシレスモータを構成している。
ポリゴンミラー部を形成する多面体8a、8bの反射面は所定のレーザビームを偏向するのに十分な軸方向長さ(厚み)を有しており、具体的には1〜3mmに設定している。この範囲に設定している理由は1mm以下の場合、薄板となるため鏡面加工時の剛性が低くなるため平面度が悪化する。3mm以上だと回転体としてイナーシャが大きく、起動時間が長くなる問題がある。
空間部8j(軸方向長さH11)は多面体8a、8bの外接円径よりも小径な形状とすることにより、風損の低減を図っている。空間部8jの風損は最大外周円径で決まり、外接円部の角部が大きく影響する。したがって、角部を丸めることが好適である。一方、内接円径よりも小径にすることにより、風損をより小さくすることも可能であるが、多面体部に挟まれているので、その低減効果は相対的に小さくなる。空間部8jの軸方向長さH11に対して、外接円径と空間部8jの最大外径との差Dは加工性を考慮し、5倍以下となるように設定されている(R/H11≦5)。なお、5倍以上の場合、掘り込み量が多くなるため加工バイトの寿命が短くなり、かつ加工時間が長くなる。
一方、空間部8jの軸方向長さH11はバランス修正時に円周溝8kに接着剤を塗布する必要が有るため、作業性を考慮し1mm以上に設定している。1mm未満の場合、接着剤塗布機の先端と盛り上がった接着剤がポリゴンミラー8に接触し、ミラー部が傷、汚損の問題が発生する。なお、円周溝8kを反対面(下方の8g側)に設けることも考えられるが、下方に開放した溝に接着剤を塗布する際には回転体(軸受シャフト9、ポリゴンミラー8、ロータ磁石211の組立体)を軸受部材5から外して、回転体を上下倒立して設置固定した上で塗布する必要があり、複雑な工程を経る必要があるばかりか、軸受部材5と脱着工程が入るため、その都度油の飛散等が発生し、軸受の劣化を誘発するという問題がある。また、上側のバランス修正は回転体に設けられた円周溝8iに接着剤を塗布することにより行われる。
以上のような空間部8jを設けることにより、回転上昇とともに増大する風損を効果的に低減できた結果を図3に示す。「本実施例」はH11=1mmのとき、「単一面」は空間部8jがない例であり、特に25,000rpm以上の回転領域になると消費電力は1/2以下となり、低減効果が高いことがわかる。また、消費電力の上昇とともに風切音の騒音も増大する。
なお、レーザビームA,Dのポリゴンミラー8への斜め入射角θは1.5°〜3°の間に設定することが好適である。より好適には2°〜2.5°である。
複数のレーザビームが各々の反射面で偏向反射された後に、各々対応する感光体に、折返しミラーで導かれるわけであるが、レーザビームA,Dのポリゴンミラー8への斜め入射角θが1.5°未満の場合、水平入射と斜入射の各々のレーザビームが極近接するため、折返しミラーが物理的に干渉してしまい各光束の分離が困難となる(分離するためには反射面から距離を大きくする必要があり、光学系が大型化する不具合となる)。上記不具合を避けるために、ポリゴンスキャナ1における副走査方向へのポリゴンミラー8の2段以上の多段化、または1段あたりの副走査方向の厚さを厚くする方法もあるが、高速回転時の消費電力かつ風切による騒音が増大する不具合となる。
また、レーザビームA,Dのポリゴンミラー8への斜め入射角θが3°超の場合、レーザビームのビーム径(ピークパワーの1/e(以下同じ))の劣化が顕著となり、高画質化に必要なビーム径60μm以上に太径化してしまう。さらに、走査線曲がりも大きく劣化する。特に水平入射のレーザビームとの走査線曲がり差異が大きくなるため、色毎の走査線曲がり差が特に色ずれの発生という不具合を生じさせてしまう。
本構造は、従来のようにポリゴンミラーに板バネ等の固定部材を使用する必要が無いので、固定押圧力によるポリゴンミラーの反射面部への歪みがなくなるというメリットがある。
ロータ磁石211は樹脂をバインダーに使用したボンド磁石であり、ロータ磁石211の外径部には高速回転時の遠心力による破壊が発生しないように、ポリゴンミラー8部材の下部がロータ磁石211の外径を保持している構造である。ロータ磁石211の外径を圧入固定することにより接着剤固定時に発生する接着層介在がないため、一層の高速回転、かつ高温環境においても固定部の微移動を生ずることなく、回転体バランスの高精度維持が可能となる。
なお、ロータ磁石211はアルミマンガン系の磁石でも良く、アルミ純度99.9%以上の高純度アルミのポリゴンミラー8と表面を硬化処理または潤滑処理したアルミ合金製の軸受シャフト9で構成することにより、回転体を全てアルミ合金で構成して各部品間の熱膨張差を略等しくし、温度上昇に伴う部品間の微移動を防止することにより、回転体の高精度バランスが維持できる。また、アルミマンガン系の磁石は機械強度が高く高速回転時の遠心力にも破壊しないこと、高純度アルミはポリゴンミラー8の反射面8a、8bの反射率が高いこと、アルミ合金シャフトはステンレスよりも軽量化が可能となること、などの効果を有する。
ラジアル軸受は軸受シャフト9の外径と軸受ホルダ3内に圧入または接着固定された軸受部材5により動圧軸受を構成している(軸受部材5は銅系の含油燒結部材からなり、含油動圧軸受を構成:熱膨張率1.6×10−5/℃)。25,000rpmの高速回転でも燒結部材内に含油されている油の循環を効率良く行うために、図示しない動圧発生溝を設けている。動圧溝は軸受シャフト9の外周面または軸受部材5の内周面に設けるが、加工性の良好な燒結部材の内周に施すのが好適である。なお、動圧軸受隙間は直径で10μm以下に設定されている。ラジアル軸受を動圧軸受としたことにより、玉軸受で発生していた25,000rpm以上における軸受騒音が無く、回転むらが非常に少なく回転精度が高いという効果がある。
軸受ホルダ3は、軸受部材5と同程度の熱膨張率を有する材質として、黄銅(熱膨張率1.8×10−5/℃)、アルミ合金(熱膨張率2.4×10−5/℃)が好適である。ポリイミド樹脂(熱膨張率4.5×10−5/℃)のように熱膨張率差が大きくなる材質の場合、高温時に緩みが生ずるため不適である。
また、軸受ホルダ3は、下部にハウジング214と焼きばめされる3d部で焼きばめ固定される。軸受ホルダ3の下面3cは焼きばめの軸方向位置決め用であり、焼きばめ時にハウジング214と同面を当接し固定される。
軸受部材5は潤滑油が含浸しているため焼きばめ時には100℃以下とする必要がある(100℃以上になると潤滑油が化学反応により劣化する)。焼きばめ工程はハウジング214を150℃以上の高温状態に保持し、穴部(3dとの対向面)を軸受ホルダ3の外径3dよりも拡径し、その拡径部に常温状態の軸受ホルダ3を挿入し、その後、徐冷し堅固に固定される。その際、軸受部材5が100℃以上とならないように軸受ホルダ3の下部に焼きばめ工程時に脱着可能な治具用の放熱フィンを設け、軸受部材5が100℃以上の高温になることを防止している。また、焼きばめは軸受ホルダ3のみを固定し、焼きばめ完了後、充分に徐冷した後に軸受部材を固定する工程としても良い。
先に軸受部材5は軸受ホルダ3に圧入又は接着固定されていると説明したが、下記状況により適宜選択される。圧入固定が好適な場合は、潤滑油の使用上限温度となる100℃近傍まで、軸受部材5が高温状態になるような環境で使用される場合である。一方、接着固定の場合、100℃近傍の場合は接着剤の接着力が低下すると共に、軸受部材5の外径と軸受ホルダ3の内径間の隙間が変化(拡縮)し接着剥がれを起こす可能性があるので、接着固定が好適なのは100℃以下の場合に限られる。
アキシャル方向の軸受は軸受シャフト9の下端面に形成された凸曲面9aと、その対向面にスラスト受部材7を接触させるピボット軸受である。スラスト受部材7はマルテンサイト系ステンレス鋼やセラミック、または金属部材表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)処理等の硬化処理をしたものが磨耗粉の発生が極力抑えられるので好適である。また、モータコア4とのロータ磁石211の径方向の磁気吸引力で回転体をアキシャル方向に支持することも可能である。この場合、回転体の質量以上の磁気吸引力を発生させるため、ロータ磁石211を希土類系磁石やモータコア4と磁気ギャップを狭小化することにより、所望の支持力を得ることができる。一方、25,000rpm以上の高速回転では、振動を小さくするために回転体のバランスを高精度に修正かつ維持しなければならない。先に記述した通り回転体にはアンバランスの修正部があり、重心Gを挟んで上側は円周凹部8iに、下側は円周凹部8kに各々接着剤を塗布することによりバランス修正を行う。アンバランス量は10mg・mm以下が必要であり、例えば半径10mmの箇所で修正量は1mg以下に保たれている。なお、上記のような微少な修正を実行する際に接着剤等の付着物では管理がしにくい場合、また量が少ないため接着力が弱く40,000rpm以上の高速回転時には剥離、飛散してしまう場合には、回転体の部品の一部を削除する方法(ドリルによる切削やレーザ加工)を実施することが好適である。
モータ方式は径方向に磁気ギャップを持ちモータコア4の外径部にロータ磁石211がレイアウトされるアウターロータ型といわれる方式である。回転駆動はロータ磁石211の磁界により回路基板14に実装されているホール素子(図示しない)から出力される信号を位置信号として参照し、駆動用IC(図示しない)により巻線コイル4aの励磁切り替えを行い回転する。ロータ磁石211は径方向に着磁されており、モータコア4の外周とで回転トルクを発生し回転する。ロータ磁石211は内径以外の外径および高さ方向は磁路を開放しており、モータの励磁切り換えのためのホール素子12を開放磁路内に配置している。磁気開放している理由は磁性体(鉄板、ステンレス)を配置すると、ポリゴンミラー材質のアルミ合金と熱膨張差により、ローや磁石固定部が微移動し、高温時に回転体のバランスが変化するという不具合が発生するためである。
ロータ磁石211の外径部は磁気回路が開放されているので、回転体を囲う周辺は磁気シールド部材(図示しない)を配置したり、樹脂などの非導電性材料で構成することが好適である。鋼板などの導電材料が周辺にあると高速回転に伴うロータ磁石の漏れ磁束が渦電流を発生させモータ損失が多くなるためである。
図2(b)に回転体の斜視図を示す。ポリゴンミラー8の反射面は軸方向に2段(8a、8b)有している。各段の反射面は6面あり(実施例では6面であるが何面でも構わない)、各面順に上段を8a1,8a2,・・・8a6、下段を8b1,8b2,・・・8b6とする。ここで、ポリゴンミラー8の回転中心から各反射面8a1,8a2,・・・8a6までの距離(内接円半径)の加工上で発生する6面分のばらつき量(6面分の最大最小差)をPVa、下面も同様にPVbとし、同じ位相となる上下段の反射面8a1と8b1のばらつき量をPVab1(他の面も同様に8a2と8b2のばらつき量をPVab2、・・・PVab6)としたとき、以下の2つの式をともに満足するような関係となっている。
(PVa)>(PVab1、・・・、PVab6の最大値)
(PVb)>(PVab1、・・・、PVab6の最大値)
先に述べたように、ポリゴンミラー8の回転中心から反射面までの距離ばらつきは走査ピッチむらに影響するわけであるが、上記の関係としたことにより、各色間における走査ピッチむらが各単色よりも相対的に小さくできるので、走査ピッチむらが色ずれとなって認識される影響を小さくすることができる。
さらに、ポリゴンミラー8の面倒れの量および面倒れが最大となる方向は上下段のポリゴンミラー8a,8bで略一致させている。その結果、各単色における面倒れ方向が各色とも一致するので、各色間に発生する走査ピッチむらの影響(色ずれ)を極力低減することが可能となる。
上記反射面の品質を得るために、下記のようなポリゴンミラーの加工方法を実施しており、図4をもとに詳述する。
図4において、ポリゴンミラー8の反射面8a、8bは少なくとも軸受シャフト9とポリゴンミラー8が焼きばめ固定された組立体(以下、ポリゴンミラーブランク)で鏡面加工される
ポリゴンミラー8は、まず金型(ダイキャスト、鍛造)で反射面数に相当する、多角柱状に作製し、その後、ポリゴンミラー8の軸受シャフト9が焼きばめ挿入される内周面8mを高精度(真円度、円筒度1μm以下)に加工する。その後、複数の多面体の離間する部分8jおよび周辺を切削加工する。この加工の際、8jの角(すみ)形状をR状の丸みを設けてある(実際にはポリゴンミラー反射面8a、8bの厚み分の半径以下とするR形状が良い:例えばポリゴンミラー厚さ3mmの場合、すみ部の半径3mm以下)。理由は鏡面加工時、バイトの切削方向(図4の上下方向)に切削による負荷荷重がかかるため、その荷重に対して変形を小さくするために剛性を高める効果がある。
その後、軸受シャフト9を焼きばめ固定してポリゴンミラーブランクを構成し、該ポリゴンミラーブランクを台座423と保持部材424に載置、軸受シャフト9を保持部材424に嵌合する。つぎに、もう1つの保持部材425をポリゴンミラーブランク上部に載置し、もう1つのポリゴンミラーブランクを嵌合挿入し、軸方向に積み重ねる。このとき上部のポリゴンミラーブランクの軸受シャフト9部分は下部ポリゴンミラーブランクの上端部に設けた軸受の回転軸径よりも僅かに大径となる穴8nに嵌合される。最上段のポリゴンミラーブランクの上方から図示しない押圧部材で一定の押圧力で2つのポリゴンミラーブランクを頑固に固定する。なお、図では2つのポリゴンミラーブランクを重ねているが、2つ以上でも良い。ただし、加工部全体の高さHmは切削抵抗の影響による鏡面加工の平面度に影響の出ない加工バイトの回転半径r以下が好適である。
また、穴8nの直径は具体的には軸受シャフト9の外径よりも+2μm〜+10μm大径としている。+2μm未満では軸受シャフト10の外径寸法公差が1μm程度であるため嵌合できない恐れが生じるためである(公差を厳しくする方法も考えられるが高コストとなる)。また、+10μm超では嵌合部のガタツキが大きく、ポリゴンミラーブランクの半径方向の高精度位置決め固定が困難となり、鏡面加工後の面倒れおよび回転中心から反射面までの距離のばらつきが大きくなり、走査ピッチむらの悪化による画質の劣化を招く。
この状態で、切削用バイト421が回転することによりポリゴンミラーブランクの表面を鏡面加工する。鏡面加工時に発生する上下反射面部8a、8bの切削時の切り粉は空間部8jに逃げるので切り粉による鏡面部のスクラッチ(傷、打痕)防止が図れる。なお、ポリゴンミラー8のポリゴンミラー反射面部以外は内接円径よりも直径で0.1mm以上の小径となっている。理由は鏡面加工時に切削用バイト421の先端がポリゴンミラー外径部に衝突しないように避けるためである。
本実施例では1つのポリゴンミラーブランクの鏡面加工における加工基準を2つ有している。1つは軸受シャフト9の外径を基準として、各鏡面部の回転中心から反射面までの距離のばらつきを小さく高精度加工を行う基準である。基準となる軸受シャフト9は動圧軸受として使用されるので、外径の寸法精度は真円度、同軸度、表面粗さ、円筒度が全て1μm以下となっており、回転中心から反射面までの距離のばらつきを小さくするための基準とするのに最も好適である。軸受シャフト9が露出している部分(焼きばめされていない部分)の1/2以上の長さの全外周を保持し、切削バイト421による切削力に対して保持力を高めている。外径保持は軸受外径よりも僅かに広い内径を有する油圧縮径式の保持部材424(425)を使用する。保持部材は油圧機構(図示しない)により上昇する油圧により内周部424a(425a)が縮径し、高精度かつ頑固に軸受シャフト9を固定する。この保持方法は軸方向の保持力の偏りが起きにくいため、軸振れの発生が抑えられ高精度加工をする際の基準としては最も好適である。
もう1つの基準はポリゴンミラーブランクの下端面8gを基準として、各鏡面部の面倒れを小さく高精度加工を行う基準である。また、下端面8gも平面度1μm以下の高精度に仕上げてある(平面度が1μm以上の場合、鏡面の平面度、面倒れの品質が劣化する)。なお、治具となる保持部材424、425の当接面も同様に同程度の高精度に仕上げ加工されており、保持部材424と425は上記のような2つの加工基準を1つの保持部材で対応可能にしている。
上記方法により、重ねられたポリゴンミラーブランクのポリゴンミラー8の回転中心と端面を同時に加工基準としているので、回転中心から反射面までの距離が1つの段における複数の反射面のばらつき量よりも、同じ位相となる各段の反射面のばらつき量の方が小さく高精度化しつつ、各段の面倒れ量および面倒れが最大となる方向を一致することが可能となった。
実際に加工した結果の回転中心から反射面までの距離は、PVa=28μm、PVb=25μm、PVab1、・・・PVab6の最大値=5μmであった。また、全てが30μm以下となっており、色ずれの少ない高画質な印字品質が可能となった。この加工結果は重ねたポリゴンミラーブランクにおいて同等の結果が得られた。なお、従来のように平板形状のポリゴンミラーと間隔部材を軸方向に別々に重ねて固定する方法では、回転中心から反射面までの距離のばらつきが上下段で異なり色間の走査ピッチむらの影響が大きく色ずれが大きくなるが、本実施例ではこのような問題が解消された。
さらに、軸方向に離間した複数のレーザビームを入射するようなフルカラー画像形成用光走査装置の場合には、同じ位相となる各段の反射面の主走査方向の形状(微小なうねり、例えば凸状の曲面または凹状の曲面)を揃えることがより好適である。各段の反射面の凹凸形状が異なる場合、各色の画像毎にレーザビームが結像する位置ずれが生じてしまい(理想位置に対して、ずれる方向が上下段で異なる)、主走査方向の色ずれが発生してしまうからである。図4における実施例の場合、ポリゴンミラーブランクを上方から押圧固定する際の押圧を全周に渡って均等押圧することにより、各段の反射面8a、8bの凹凸形状を揃えることが可能となる。なお、均等押圧でないと局部的に応力が多いうなる部分が発生し、反射面を加工しようとする面を微小に変形させる。これは変形させた状態で加工するため、その状態で平面に加工しても、加工後押圧を解除したときに変形した部分が凹または凸に戻ってしまうからである。
他の実施例を図5に示す。図4と異なる点は軸受シャフト9の外径を保持する保持部材524、525の油圧拡張部分を上下に分離し(524aと524bおよび525aと525b)、上下の保持部分の少なくとも1つは軸受として使用する部分を避けた位置を保持している(図では上部の524a,525aに相当)。軸受として使用する部分を避けたことにより軸受シャフト9の微細な傷、打痕の発生を抑制し、本来の軸受機能を劣化させる恐れがない。また、軸受シャフトが露出している部分の略上下端で保持しているので、保持剛性が図4の場合と比較して相対的に低下することを極力防止できる。
なお、これまで回転軸の軸受シャフト9の外径を使用する場合について述べてきたが、例えば空気軸受のような軸受スリーブ(中空軸)の場合でも軸受スリーブの内径に置きかえれば良く、軸受の形態にとらわれず、要は軸受として使用する軸受面を使用することにより、本発明の作用・効果を得ることができる。
次に図6に本発明に係る画像形成装置の概略構成図を示す。図6においては、図1に示す光走査装置を単一の光学ハウジングに収納した構成の光走査装置105がカラー画像形成装置内に配置されている。光走査装置105は図6に示した画像形成装置内の4つの感光体103Y、103M、103C、103K(以下、符号に対する添字Y,M,C,Kを適宜付け、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:ブラックの色に対応する部分として区別するものとする)が並設された作像部の上方に配置されている。
すなわち、図6に示す画像形成装置は、複数の感光体103Y、103M、103C、103Kを並列に配置したタンデム型のカラー画像形成装置であり、装置上部から順に光走査装置105、各色の現像装置106Y、106M、106C、106K、感光体103Y、103M、103C、103K、中間転写ベルト102、定着装置114、給紙カセット111がレイアウトされている。
中間転写ベルト102には各色に対応した感光体103Y、103M、103C、103Kが並列順に等間隔で配設されている。感光体103Y、103M、103C、103Kは同一径に形成されたもので、その周囲には電子写真プロセスに従い画像形成を行う部材が順に配設されている。感光体103Yを例に説明すると、帯電チャージャ(図示しない)、光走査装置105から出射された画像信号に基づくレーザビームL1、現像装置106Y、転写チャージャ(図示しない)、クリーニング装置(図示しない)等が順に配設されている。他の感光体103M,103C,103Kに対しても同様である。即ち、本実施例では、感光体103Y、103M、103C、103Kを各色毎に設定された被走査面とするものであり、各々の感光体103Y、103M、103C、103Kに対して光走査装置105からのレーザビームL1、L2、L3、L4がそれぞれ対応するように設けられている。
図示しない帯電チャージャにより一様に帯電された感光体103Yは、光走査装置105からのレーザビームL1が主走査方向に偏向走査されている状態で矢印AA方向に回転することによりレーザビームL1を副走査し、感光体103Y上に静電潜像が形成される。また、光走査装置105によるレーザビームL1の照射位置よりも感光体103の回転方向下流側には、感光体103Yにトナーを供給する現像装置106Yが配設され、イエローのトナーが供給される。現像器106Yから供給されたトナーは、静電潜像が形成された部分に付着し、トナー像が形成される。同様に感光体103M、103C、103Kには、それぞれM、Y、Kの各色の単色トナー像が形成される。各感光体103Y、103M、103C、103Kの現像装置106Y、106M、106C、106Kの配設位置よりもさらに回転方向下流側には、中間転写ベルト102が配置されている。中間転写ベルト102は、複数のローラ102a、102b、102cに巻付けられ、図示しないモータの駆動により矢印BB方向に移動搬送されるようになっている。この搬送により、中間転写ベルト102は順に各感光体103Y、103M、103C、103Kに移動されるようになっている。中間転写ベルト102には、各感光体103Y、103M、103C、103K上で現像された各々の単色画像が順次重ね合わせて転写され、中間転写ベルト102上にカラー画像が形成されるようになっている。その後、給紙トレイ111から記録紙が矢印CC方向に搬送され、転写ローラ102dによりカラー画像が記録紙に二次転写される。カラー画像が形成された記録紙は定着装置114へ搬送され、定着装置114により定着処理後、フルカラー画像として排紙トレイ110に排紙される。
以上の構成のカラー画像形成装置では、先に説明した実施例の光偏向器(ポリゴンスキャナー)を用いた光走査装置105を備え、該光走査装置105により各感光体103Y、103M、103C、103Kに潜像を形成し、該潜像を可視化して所望の記録画像を得るので、光偏向器の消費電力を増大させることなく、走査ピッチむらが少ない光走査を実現でき、カラー画像を形成する際の色ずれの発生を抑制することができる画像形成装置を実現することができる。
本発明の一実施例を示す光走査装置の概略斜視図である。 本発明の光偏向器(ポリゴンスキャナ)の一実施例を示す図であり、(a)はポリゴンスキャナの断面図、(b)は回転体であるポリゴンミラーの斜視図である。 図2に示す本実施例のポリゴンミラーと単一面のポリゴンミラーの回転数と消費電力の関係を示す図である。 本発明の一実施例を示すポリゴンミラーの加工方法の説明図である。 本発明の別の実施例を示すポリゴンミラーの加工方法の説明図である。 本発明の一実施例を示す画像形成装置の概略構成図である。
符号の説明
1:光偏向器(ポリゴンスキャナ)
3:軸受ホルダ
4:モータコア
4a:巻線コイル
5:軸受部材
7:スラスト受部材
8:ポリゴンミラー
8a,8b:多面体(ポリゴンミラー部)
9:軸受シャフト
10:光源装置
14:第一のレンズ
15:液晶偏向素子
16K:ミラー
17K:第二のレンズ
19K:ハーフミラー
22,23,24:検出部
102:中間転写ベルト
102d:転写ローラ
103Y、103M、103C、103K:感光体(潜像担持体)
105:光走査装置
106Y、106M、106C、106K:現像装置
110:排紙トレイ
111:給紙トレイ
114:定着装置

Claims (9)

  1. 軸受により回転自在に支持され、回転装置の駆動によりレーザビームを偏向する光偏向器において、
    ポリゴンミラー部を軸方向に複数段有し、前記ポリゴンミラー部の回転中心から反射面までの距離が1つの段における複数の反射面のばらつき量よりも、同じ位相となる各段の反射面のばらつき量の方が小さいことを特徴とする光偏向器。
  2. 請求項1記載の光偏向器において、
    前記ポリゴンミラー部の各段の面倒れ量および面倒れが最大となる方向が略一致したことを特徴とする光偏向器。
  3. 請求項1記載の光偏向器において、
    前記軸受の回転軸径よりも僅かに大径となる穴を回転部材の端部に設けたことを特徴とする光偏向器。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の光偏向器に用いるポリゴンミラーの加工方法において、
    前記光偏向器のポリゴンミラーと軸受シャフトが一体的に固定された状態の回転部材を軸方向に重ね合せ、複数の回転部材の反射面を同時に鏡面加工することを特徴とするポリゴンミラーの加工方法。
  5. 請求項4記載のポリゴンミラーの加工方法において、
    前記光偏向器の回転軸内径または外径と回転部材の端部を共に同一の固定部材に当接し、回転体の径方向および軸方向を位置決め固定して、複数段の反射面を同時に鏡面加工することを特徴とするポリゴンミラーの加工方法。
  6. 請求項5記載のポリゴンミラーの加工方法において、
    前記回転軸の径方向の当接部は軸長の1/2以上有することを特徴とするポリゴンミラーの加工方法。
  7. 請求項5記載のポリゴンミラーの加工方法において、
    前記回転軸の径方向の当接部は軸方向に離間して複数有することを特徴とするポリゴンミラーの加工方法。
  8. 複数の走査結像手段を単一のハウジング内に収容し、複数のレーザビームを一方向に同時に走査可能な偏向走査手段により複数のレーザビームを走査する光走査装置において、
    前記偏向走査手段として請求項1〜3のいずれか一つに記載の光偏向器を用い、少なくとも1つ以上のレーザビームがポリゴンミラーの反射面に対して副走査方向に角度を有することを特徴とする光走査装置。
  9. 光走査手段により潜像担持体に潜像を形成し、前記潜像を可視化して所望の記録画像を得る画像形成装置において、
    前記光走査手段として請求項8記載の光走査装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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