JP2005234506A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光学素子の温度上昇や温度偏差を低減し、また偏向部材の振動を低減し、ビームの位置ずれを高精度で低減した、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に搭載される光走査装置およびこの光走査装置を備えたかかる画像形成装置の提供。
【解決手段】光源から出射されたビームを回転により偏向する偏向部材94と、偏向部材94により偏向されたビームLY、LM、LC、LBKを像担持体に結像させるための光学素子と、偏向部材94の回転により生じた、偏向部材94から光学素子に向かう気流を遮断する遮風部材25とを有する光走査装置およびこの光走査装置を備えた画像形成装置。
【選択図】図3
【解決手段】光源から出射されたビームを回転により偏向する偏向部材94と、偏向部材94により偏向されたビームLY、LM、LC、LBKを像担持体に結像させるための光学素子と、偏向部材94の回転により生じた、偏向部材94から光学素子に向かう気流を遮断する遮風部材25とを有する光走査装置およびこの光走査装置を備えた画像形成装置。
【選択図】図3
Description
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に搭載される光走査装置、およびこの光走査装置を備えたかかる画像形成装置に関する。
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置は、レーザビームを感光体等の像担持体の表面に照射して画像情報に応じた潜像を像担持体上に形成する光走査装置を備えている。このような光走査装置においては、たとえば〔特許文献1〕ないし〔特許文献3〕に記載されているように、光源から出射されたレーザビームを、回転するポリゴンミラーにより偏向し、偏向されたレーザビームの光路中に配設されたレーザビームを像担持体に結像させるための光学素子群を経て、像担持体上を走査するようにしている。
かかる光学素子群は、像担持体をレーザビームにより正確に走査して良好な画像を得るうえで非常に重要である。
かかる光学素子群は、像担持体をレーザビームにより正確に走査して良好な画像を得るうえで非常に重要である。
しかし、ポリゴンミラーの駆動を行うことに伴って生じる熱が、通常高速で回転駆動されるポリゴンミラーの回転により生じた風切りの気流に乗って、光学素子群に伝達され、光学素子群の温度を上昇させ、その光学特性を変化させるという問題がある。
特に、かかる光学素子群に含まれる、ポリゴンミラーに最も近接する、たとえばfθレンズである走査レンズの温度上昇が問題となる。
特に、かかる光学素子群に含まれる、ポリゴンミラーに最も近接する、たとえばfθレンズである走査レンズの温度上昇が問題となる。
すなわち、ポリゴンミラーを含む光偏向器と走査レンズが同一空間内にある場合には、ポリゴンミラーの高速回転による高温の気流が直接走査レンズに当たり、走査レンズが温度上昇するのであるが、このとき走査レンズを均一に温度上昇させるのではなく、発熱源たる光偏向器からの距離や、ポリゴンミラーの回転方向に応じた気流の方向等の影響により、走査レンズが、主走査方向に温度分布をもつ態様で、温度上昇するため、走査レンズの形状精度および屈折率が変化してしまい、レーザビームのスポット位置が変動し、位置ずれが生じ、カラー画像形成装置にあっては色ずれの発生等によって画質が劣化しまうのである。
この問題は特に熱膨張率の大きく、熱伝導率の低い樹脂製のレンズの場合が顕著となる。このことは、近年、走査特性の向上を意図して、光走査装置の結像光学系に、非球面に代表される特殊な面を有する光学素子を採用することが一般化しており、このような特殊な面を有する光学素子を容易かつ安価に形成すべく、樹脂材料で製作された光学素子をかかる光学素子群に用いた結像光学系が多用されている事情の下においては、重要な問題である。
特に、走査レンズとして代表的なfθレンズ等の走査結像レンズは一般に、副走査方向におけるレンズ不用部分すなわちレーザビームたる偏向光束が入射する部分以外の部分をカットし、主走査方向に長い短冊形レンズとして形成され、主走査方向のレンズ長さが大きいため、これを上述したように樹脂材料を用いて形成すると、レンズ内の温度分布が不均一になった場合、反りを生じてレンズが副走査方向に弓なりな形状、すなわちレンズをその光軸方向から見た場合に弓状に曲がった形状をなすこととなり、非常に問題である。
このように、樹脂材料により成形した走査レンズは、温度の影響を受けることで光学特性が変化しやすく、このような光学特性の変化は走査線の曲がり具合や等速性も変化させる。このため例えばカラー画像形成装置において、数十枚のカラー画像の形成を連続して行い、画像形成装置の連続運転により機内温度が上昇した場合には、その光走査装置に備えられた結像光学系の光学特性が変化して、各光書込装置すなわち各光走査装置の書き込む走査線の曲がり具合や等速性が次第に変化するため、色ずれの現象により、初期に得られたカラー画像と終期に得られたカラー画像とで色合いのまったく異なるものになることがあるのである。なお、この色ずれの現象は、カラー画像形成装置に特有かつ顕著な現象である。
また、光偏向器のモータハウジング外周と走査レンズとの間隔が主走査方向で異なると輻射および伝熱による差が生じるため、走査レンズに主走査方向の温度分布が発生しやすい。さらに、光偏向器に対して走査レンズが対称位置に配置されている光走査装置の場合、各走査レンズの温度分布は主走査方向で互いに逆になるため、対称配置された走査レンズの形状精度および屈折率変化の差分が拡大する方向となり、上記色ずれが一層増大してしまう。
一方、光偏向器の発熱による温度上昇がポリゴンミラーおよびその他、ロータ磁石が固定されるフランジ、軸等の回転する部品、特に質量割合の多い高負荷ポリゴンミラーの微移動を誘発し、ポリゴンミラー等の回転のバランスを変化させ、振動を発生させてしまうという問題もある。すなわち、かかるポリゴンミラー等の回転する部品相互の熱膨張率が異なっていると、またはかかる部品相互の熱膨張率が一致している場合であっても部品公差や固定方法などの厳密な管理、検査を怠ると、高温高速回転時にかかる回転する部材のバランスの変化に起因する微移動が発生し、ひいては振動を増大させることとなるのである。
このような位置ずれ、色ずれや振動の問題は、カラー画像形成装置における高速プリント化・高画質化を実現するべく、たとえば4つの感光体ドラムを記録紙の搬送方向に配列し、これらの各感光体ドラムに対応した複数の走査光学系で同時に露光して潜像を作り、これらの潜像をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの各々異なる色の現像剤を使用する現像器で可視像化したのち、これらの可視像を同一の記録紙に順次重ね合わせて転写し、カラー画像を得るタンデム型のカラー画像形成装置において、光偏向器を25,000rpm以上の高速で、かつ高精度に回転させる必要が生じている現在の状況下において、顕著に現れる。
また、近年、像担持体の表面に照射するレーザビームを小径化して高画質化を行うことが要求されており、そのためにはポリゴンミラーに入射するレーザビーム径を大きくする必要があるため、ポリゴンミラーの内接円半径や主走査方向および副走査方向の面幅が比較的大型化し、高負荷化する動向にあるが、高負荷化は、消費電力の増加による発熱量の増加を招き、位置ずれ、色ずれの問題が顕著になるとともに、振動が顕著になる。
さらに、タンデム型のカラー画像形成装置のように、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックといった複数色の書込手段としてそれぞれの色に対応した光走査装置を備えたカラー画像形成装置では、特に、各光走査装置において光偏向器の発熱の影響による温度変化を原因として、各走査レンズの形状および屈折率が変化し、光学特性が変化し、像担持体の被走査面上のレーザビームのスポット位置のずれや走査線の曲がりが発生し、各色の走査線の相対位置がそれぞれ異なり、色ずれが顕著に起こってカラー画像の品質が著しく低下する問題があった。
このような問題は、たとえば〔特許文献2〕、〔特許文献3〕に記載の技術においても同様である。
〔特許文献2〕には、複数の光源と、ポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射された各レーザビームをそれぞれ複数の被照射対象物に収束させる複数の光学部材からなる光学系とを備えるマルチビーム光源走査装置において、複数の光学部材のうち少なくとも1つの光学部材は、各レーザビームの全てが通過するように構成され、各レーザビームの全てが通過する光学部材は、単一の素材からなる単一の部材で構成された光源走査装置が記載されている。
〔特許文献2〕には、複数の光源と、ポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射された各レーザビームをそれぞれ複数の被照射対象物に収束させる複数の光学部材からなる光学系とを備えるマルチビーム光源走査装置において、複数の光学部材のうち少なくとも1つの光学部材は、各レーザビームの全てが通過するように構成され、各レーザビームの全てが通過する光学部材は、単一の素材からなる単一の部材で構成された光源走査装置が記載されている。
このような装置では、各色に対応するレーザビームの全てが通過する前記光学部材が温度変化などに起因する光学的特性の変化を生じたとしても、各レーザビームの全てが前記光学部材の光学的特性の変化の影響を同様に受けるため、例えば各レーザビーム間でレーザビームの走査方向の位置ずれが生じることを防止できる。したがって、このマルチビーム光源装置がカラープリンタやカラー複写機などに適用された場合、各色に対応して設けられている各感光ドラム上を走査するレーザビーム間で主走査方向の位置ずれが発生しないから、各感光ドラムによって記録紙に印画される画像の色ずれの発生を防止することが可能となる。また、各レーザビームの全てが通過する前記光学部材は、単一の素材からなる単一の部材で構成されているため、構成が簡素化されるという効果を奏することができる。
しかしながら、光偏向器と光学部材、特に光偏向器に最も近い走査レンズが光学ハウジング内の同一空間内に設置されると、光偏向器からの高温熱風が直接走査レンズに当たるため、光偏向器の発熱が高速回転時に伴う気流とともに光学部材へ伝熱しやすく、光学部材が温度上昇をする。さらに光学ハウジング当接面からも熱が伝導してくるため実際は前記走査レンズは主走査および副走査方向ともに温度分布が一様ではなく、分布をもってしまう。よって上述のような色ずれの問題を生じる。
〔特許文献3〕には、カラー画像形成装置の起動により、片側に配置された光走査装置以外の駆動部が発熱し、光走査装置の光学ハウジングが前記発熱を受けて副走査方向に膨張しても、駆動部と反対側がポリゴンスキャナ制御回路のドライバの発熱によって同じく副走査方向に膨張するので、主走査方向の一方側の副走査方向の伸びと、他方側の伸びとの間との差を軽減し副走査方向均一に膨張させ、各感光体上の走査線は互いに平行な関係を保ち、画像の色ずれを防止することができることが記載されている。
しかしながら、かかる構成では、制御手段の発熱を利用するため、高速画像形成を実現する25,000rpm以上の速さで回転するポリゴンスキャナでは、システム全体での温度上昇が高く、プラスチック等の走査レンズの場合、屈折率の変化が大きくビームスポットの位置ずれが発生してしまう。よってやはり上述のような色ずれの問題を生じるおそれがある。
本発明は、光学素子の温度上昇や温度偏差を低減し、また偏向部材の振動を低減し、ビームの位置ずれを高精度で低減した、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に搭載される光走査装置およびこの光走査装置を備えたかかる画像形成装置を提供することを目的とし、かかる画像形成装置がタンデム型のカラー画像形成装置である場合にも、高画質化・静音化を実現した画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、光源から出射されたビームを回転により偏向する偏向部材と、この偏向部材により偏向されたビームを像担持体に結像させるための光学素子と、上記偏向部材の回転により生じた、同偏向部材から上記光学素子に向かう気流を遮断する遮風部材とを有する光走査装置にある。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光走査装置において、上記遮風部材が、上記偏向部材と上記光学素子との間において、同偏向部材により偏向されたビームの光路中に配設された、同ビームを透過する部材であることを特徴とする光走査装置。
請求項3記載の発明は、請求項3記載の光走査装置において、上記光学素子を、上記偏向部材の片側に配設し、同光学素子が、同偏向部材により偏向されたビームのすべてを透過することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の光走査装置において、上記光学素子を、上記偏向部材の回転中心を中心に対称に配設したことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の光走査装置において、上記遮風部材の熱伝導率が、上記光学素子よりも大きいことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか1つに記載の光走査装置において、上記遮風部材の熱膨張率が、上記光学素子よりも小さいことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか1つに記載の光走査装置において、上記偏向部材によるビームの主走査方向における上記光学素子の中心が、上記偏向部材の回転中心を含む平面であって上記主走査方向に垂直な平面上に位置することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7の何れか1つに記載の光走査装置において、上記偏向部材を覆い、上記光学素子と対向する筐体を有し、この筐体と、上記光学素子との、互いに対向する部分の形状が、略同一であることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1ないし8の何れか1つに記載の光走査装置において、上記光学素子を直接的または間接的に支持する部材を低熱伝導率の材質としたことを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1ないし9の何れか1つに記載の光走査装置において、上記光学素子の、ビームが入出射する部分を除く部分の少なくとも一部を、同光学素子の熱伝導率よりも大きな熱伝導率の部材で覆ったことを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項1ないし10の何れか1つに記載の光走査装置において、上記偏向部材の回転軸と、この回転軸の軸受けと、この軸受けを支持する軸受け支持部材とを有し、上記軸受けを、上記軸受け支持部材に対し、焼きばめにより固定したことを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項1ないし11の何れか1つに記載の光走査装置において、上記偏向部材の回転軸の倒れを、上記偏向部材の回転中心を含む平面であって上記偏向部材によるビームの主走査方向に垂直な平面内において最小とし、上記偏向部材の回転方向において上記平面に垂直な平面内において最大としたことを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項1ないし12の何れか1つに記載の光走査装置において、上記偏向部材によるビームの主走査方向に対しそれぞれ異なる角度で傾斜した複数の受光部を備えた受光素子を、上記主走査方向にずらして複数備えたビーム検出手段を有することを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項13記載の光走査装置において、上記ビーム検出手段を、下方に傾斜して配設したことを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項13または14記載の光走査装置において、上記ビーム検出手段による検出結果に基づいて、ビームによる走査を制御する制御手段を有することを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項1ないし15の何れか1つに記載の光走査装置において、上記偏向部材により複数のビームを偏向することを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項16記載の光走査装置であって、上記ビーム検出手段と上記制御手段とを有する光走査装置において、上記ビーム検出手段を複数のビームそれぞれに対して有し、上記制御手段が、ビームによる走査の制御を、上記ビーム検出手段による検出結果に基づいて、制御の必要なビームに対してのみ行うことを特徴とする。
請求項18記載の発明は、請求項1ないし17の何れか1つに記載の光走査装置と、この光走査装置によって潜像を形成される像担持体とを有する画像形成装置にある。
本発明は、光源から出射されたビームを回転により偏向する偏向部材と、この偏向部材により偏向されたビームを像担持体に結像させるための光学素子と、上記偏向部材の回転により生じた、同偏向部材から上記光学素子に向かう気流を遮断する遮風部材とを有する光走査装置にあるので、光学素子の温度上昇や温度偏差を低減でき、これによりビームの位置ずれを高精度で低減し、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに静音化した光走査装置を提供することができる。
遮風部材が、偏向部材と光学素子との間において、同偏向部材により偏向されたビームの光路中に配設された、同ビームを透過する部材であることとすれば、遮風部材を、偏向部材から上記光学素子に向かう気流の最も通過しやすい部分に配設することで、かかる気流を良好に遮断することができ、よって、ビームの劣化を抑制しつつ、光学素子の温度上昇や温度偏差を低減でき、これによりビームの位置ずれを高精度で低減し、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに静音化した光走査装置を提供することができる。
光学素子を、偏向部材の片側に配設し、同光学素子が、同偏向部材により偏向されたビームのすべてを透過することとすれば、光学素子の、各ビームが透過する部分の光学特性を精度よく揃えることができるから、光学素子の温度上昇や温度偏差を低減できることとあわせてビームの位置ずれを高精度で低減し、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに、静音化でき、さらにはビームの光軸方向の大きさを抑制し、小型化することができる光走査装置を提供することができる。
光学素子を、偏向部材の回転中心を中心に対称に配設したこととすれば、光学素子の温度上昇や温度偏差を低減でき、これによりビームの位置ずれを高精度で低減し、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに、静音化でき、さらにはビームの副走査方向において、光学素子の大きさを抑制し、小型化できる光走査装置を提供することができる。
遮風部材の熱伝導率が、光学素子よりも大きいこととすれば、遮風部材により光学素子の温度上昇や温度偏差を低減でき、特に、遮風部材自身が温度分布をもつことを抑制し、曲率等の形状の変化や屈折率変化によるビーム径の変化に起因する光学特性の劣化が生じにくいため、ビームの位置ずれを高精度で低減し、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに静音化した光走査装置を提供することができる。
遮風部材の熱膨張率が、光学素子よりも小さいこととすれば、遮風部材により光学素子の温度上昇や温度偏差を低減でき、特に、昇温に伴う温度膨張により、曲率等の形状の変化や屈折率変化によるビーム径の変化に起因する光学特性の劣化が生じにくいため、ビームの位置ずれを高精度で低減し、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに静音化した光走査装置を提供することができる。
偏向部材によるビームの主走査方向における光学素子の中心が、上記偏向部材の回転中心を含む平面であって上記主走査方向に垂直な平面上に位置することとすれば、光学素子の温度上昇や温度偏差、特に偏向部材からの放熱ムラを低減して温度偏差を低減でき、これによりビームの位置ずれを高精度で低減し、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに静音化した光走査装置を提供することができる。
偏向部材を覆い、光学素子と対向する筐体を有し、この筐体と、上記光学素子との、互いに対向する部分の形状が、略同一であることとすれば、光学素子の温度上昇や温度偏差、特に筐体からの放熱ムラを低減して温度偏差を低減でき、これによりビームの位置ずれを高精度で低減し、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに静音化した光走査装置を提供することができる。
光学素子を直接的または間接的に支持する部材を低熱伝導率の材質としたこととすれば、光学素子の温度上昇や温度偏差、特にかかる支持する部材からの伝熱を低減して温度上昇を低減でき、これによりビームの位置ずれを高精度で低減し、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに静音化した光走査装置を提供することができる。
光学素子の、ビームが入出射する部分を除く部分の少なくとも一部を、同光学素子の熱伝導率よりも大きな熱伝導率の部材で覆ったこととすれば、光学素子の温度上昇や温度偏差、特にかかる部材で熱量の変異を均すことで温度偏差を低減でき、これによりビームの位置ずれを高精度で低減し、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに静音化した光走査装置を提供することができる。
偏向部材の回転軸と、この回転軸の軸受けと、この軸受けを支持する軸受け支持部材とを有し、上記軸受けを、上記軸受け支持部材に対し、焼きばめにより固定したこととすれば、光学素子の温度上昇や温度偏差を低減できるとともに軸受けを高剛性で位置決めでき、これにより偏向部材の振動を防止して、ビームの位置ずれを高精度で低減し、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに静音化した光走査装置を提供することができる。
偏向部材の回転軸の倒れを、上記偏向部材の回転中心を含む平面であって上記偏向部材によるビームの主走査方向に垂直な平面内において最小とし、上記偏向部材の回転方向において上記平面に垂直な平面内において最大としたこととすれば、光学素子の温度上昇や温度偏差を低減できるとともに、偏向部材の、光学特性に影響を与え易い成分方向のブレを抑制することで、ビームの位置ずれを高精度で低減し、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに静音化した光走査装置を提供することができる。
偏向部材によるビームの主走査方向に対しそれぞれ異なる角度で傾斜した複数の受光部を備えた受光素子を、上記主走査方向にずらして複数備えたビーム検出手段を有することとすれば、光学素子の温度上昇や温度偏差を低減できるとともに、ビーム検出手段によってビームの位置ずれを高精度で検知することで、ビームの位置ずれを高精度で低減可能となり、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに静音化した光走査装置を提供することができる。
ビーム検出手段を、下方に傾斜して配設したこととすれば、光学素子の温度上昇や温度偏差を低減できるとともに、汚れの付着を軽減したビーム検出手段によってビームの位置ずれを経時的にも高精度で検知することで、ビームの位置ずれを高精度で低減可能となり、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに静音化した光走査装置を提供することができる。
ビーム検出手段による検出結果に基づいて、ビームによる走査を制御する制御手段を有することとすれば、光学素子の温度上昇や温度偏差を低減できるとともに、ビーム検出手段によってビームの位置ずれを高精度で検知し、これに基づいて制御手段がビームの位置ずれや色ずれを低減する制御を行うことで、画像形成中や、画像形成後一定の待機時間後の走査位置の変化など、経時的なビームの位置ずれを高精度で低減でき、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに静音化した光走査装置を提供することができる。
偏向部材により複数のビームを偏向することとすれば、光学素子の温度上昇や温度偏差を低減できるとともに、各ビーム相互間の偏向の精度が良好な状態で偏向を行うことができ、これによりビームの位置ずれを高精度で低減し、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに静音化した
光走査装置を提供することができる。
光走査装置を提供することができる。
ビーム検出手段と記制御手段とを有する光走査装置において、上記ビーム検出手段を複数のビームそれぞれに対して有し、上記制御手段が、ビームによる走査の制御を、上記ビーム検出手段による検出結果に基づいて、制御の必要なビームに対してのみ行うこととすれば、光学素子の温度上昇や温度偏差を低減できるとともに、ビーム検出手段によってビームの位置ずれを高精度で検知し、これに基づいて制御手段がビームの位置ずれや色ずれを低減するための最低限の制御を行うことで、画像形成中や、画像形成後一定の待機時間後の走査位置の変化など、経時的なビームの位置ずれを十分に高精度で低減でき、またカラー画像形成に用いられる場合には色ずれを高精度で防止できるとともに静音化した光走査装置を提供することができる。
本発明は、請求項1ないし17の何れか1つに記載の光走査装置と、この光走査装置によって潜像を形成される像担持体とを有する画像形成装置にあるので、上述の各効果を奏する光走査装置を有し、像担持体上を、位置ずれを高精度で低減したビームによって走査することで高画質の画像を静音で形成することができる画像形成装置であって、画像形成装置がタンデム型のカラー画像形成装置である場合にも、各像担持体上における走査位置が高精度で一致し、色ずれを高精度で低減でき、その高画質化・静音化を実現できる画像形成装置を提供することができる。
図1に本発明を適用した、カラー画像を形成可能な画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、カラーレーザプリンタであるが、他のタイプのプリンタ、ファクシミリ、複写機、複写機とプリンタとの複合機等、他の画像形成装置であっても良い。画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。これは画像形成装置100がファクシミリとして用いられる場合も同様である。画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な複数の像担持体としての感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを並設したタンデム構造を採用したタンデム型の画像形成装置である。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、同一径であり、画像形成装置100の本体内部のほぼ中央部に配設された無端ベルトである中間転写ベルトとしての転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に、等間隔で並んでいる。
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、記録媒体である転写材たる転写紙Sに一括転写されるようになっている。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKのそれぞれに対向する位置に配設された転写チャージャとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
転写ベルト11は、その全層をゴム剤等の弾性部材を用いて構成した弾性ベルトである。転写ベルト11は、単層の弾性ベルトであっても良いし、その一部を弾性部材とした弾性ベルトであっても良いし、従来から用いられている、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等を用いても良く、非弾性ベルトであっても良い。
各感光体ドラム感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、A1方向の上流側からこの順で並設されている。各感光体ドラム感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成するための、画像形成部としての作像部たる画像ステーション60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
画像形成装置100は、4つの画像ステーション60Y、60M、60C、60BKと、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの下方に対向して配設され、転写ベルト11を備えたベルトユニットとしての転写ベルトユニット10と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11に当接し、転写ベルト11への当接位置において転写ベルト11と同方向に回転する転写部材としての紙転写ベルトである2次転写ローラ5と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11上をクリーニングする中間転写クリーニングブレードである中間転写ベルトクリーニング装置としての図示しないクリーニング装置と、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKの上方に対向して配設された書き込み手段である光書き込み装置としての光走査装置8とを有している。
画像形成装置100はまた、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと転写ベルト11との間に向けて搬送される転写紙Sを積載した給紙カセットとしてのシート給送装置61と、シート給送装置61から搬送されてきた記録紙Sを、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、転写ベルト11と2次転写ローラ5の間の転写部に向けて繰り出す図示しないレジストローラ対と、転写紙Sの先端がレジストローラ対に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
画像形成装置100はまた、トナー像を転写され矢印C1方向に搬送されることで進入してきた転写紙Sに同トナー像を定着させるためのローラ定着方式の定着ユニットとしての定着装置6と、定着済みの転写紙Sを画像形成装置100の本体外部に排出する排紙ローラ7と、画像形成装置100の本体上部に配設され排紙ローラ7により画像形成装置100の本体外部に排出された転写紙Sを積載する排紙トレイ17と、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを充填された図示しないトナーボトルとを有している。
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、転写ベルト11を巻き掛けられた、複数の巻き掛け部材としての、駆動部材である駆動ローラ72、転写入口ローラ73、テンションローラ74と、テンションローラ74を転写ベルト11の張力を増加する方向に付勢する付勢手段としての図示しないばねとを有している。駆動ローラ72は、図示しない駆動源としてのモータの駆動により回転駆動され、これによって、転写ベルト11がA1方向に回転駆動される。
定着装置6は、熱源を内部に有する定着ローラ62と、定着ローラ62に圧接された加圧ローラ63とを有しており、トナー像を担持した転写紙Sを定着ローラ62と加圧ローラ63との圧接部である定着部に通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を転写紙Sの表面に定着するようになっている。
光走査装置8は、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの表面によって構成された被走査面をそれぞれ走査して露光し、静電潜像を形成するための、画像信号に基づくレーザービームとしてのレーザー光であるビームLY、LM、LC、LBKを発するものである。
画像ステーション60Y、60M、60C、60BKについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yの構成を代表して構成を説明する。なお、他の画像ステーションの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、画像ステーション60Yの構成に付した符号に対応する符号を、他の画像ステーションの構成に付し、また詳細な説明については適宜省略することとし、符号の末尾にY、M、C、BKが付されたものはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yは、感光体ドラム20Yの周囲に、図中時計方向であるその回転方向B1に沿って、1次転写ローラ12Yと、感光体ドラム20Yをクリーニングするためのクリーニング手段としての図示しないクリーニング装置と、感光体ドラム20Yを帯電するための帯電手段である帯電装置としての帯電装置30Yと、感光体ドラム20Yを現像するための現像手段としての現像器である現像装置50Yとを有している。
以上のような構成により、感光体ドラム20Yは、B1方向への回転に伴い、帯電装置30Yにより表面を一様に帯電され、光走査装置8からのビームLYの露光走査によりイエロー色に対応した静電潜像を形成される。この静電潜像の形成は、ビームLYが、紙面垂直方向である主走査方向に走査するとともに、感光体ドラム20YのB1方向への回転により、感光体ドラム20Yの円周方向である副走査方向へも走査することによって行われる。
このようにして形成された静電潜像には、現像装置50Yにより供給されるイエロー色のトナーが付着し、イエロー色に現像され、現像により得られたイエロー色の可視画像たるトナー像は、1次転写ローラ12YによりA1方向に移動する転写ベルト11に1次転写され、転写後に残留したトナー等の異物はクリーニング装置により除去されて、感光体ドラム20Yは、帯電装置30Yによる次の除電、帯電に供される。
他の感光体ドラム20C、20M、20BKにおいても同様に各色のトナー像が形成等され、形成された各色のトナー像は、1次転写ローラ12C、12M、12BKにより、A1方向に移動する転写ベルト11上の同じ位置に順次1次転写される。
転写ベルト11上に重ね合わされたトナー像は、転写ベルト11のA1方向の回転に伴い、2次転写ローラ5との対向位置である2次転写部である転写部まで移動し、この転写部において転写紙Sに2次転写される。
転写ベルト11上に重ね合わされたトナー像は、転写ベルト11のA1方向の回転に伴い、2次転写ローラ5との対向位置である2次転写部である転写部まで移動し、この転写部において転写紙Sに2次転写される。
転写ベルト11と2次転写ローラ5との間に搬送されてきた転写紙Sは、シート給送装置61から繰り出され、レジストローラ対によって、センサによる検出信号に基づいて、転写ベルト11上のトナー像の先端部が2次転写ローラ5に対向するタイミングで送り出されたものである。
転写紙Sは、すべての色のトナー像を一括転写され、担持すると、C1方向に搬送されて定着装置6に進入し、定着ローラ62と加圧ローラ63との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を定着され、この定着処理により、転写紙S上に合成カラー画像たるカラー画像が形成され、永久画像が得られる。定着装置6を通過した定着済みの転写紙Sは、排紙ローラ7を経て、画像形成装置100の本体上部の排紙トレイ17上にスタックされる。一方、2次転写を終えた転写ベルト11は、クリーニング装置によってクリーニングされ、次の1次転写に備える。
図2に光走査装置8を示す。以下の説明において、符号の末尾にY、M、C、BKが付されたものはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応する構成であることを示すこととする。なお、図面において末尾にY、M、C、BKが付された構成であっても、特に区別する必要がないときには、Y、M、C、BKを末尾に記載することを適宜省略することがある。
光走査装置8は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応するレーザービームとしてのレーザー光である図示しないビームを発する図示しない4つの光源ユニットと、各光源ユニットから出射されたビームを偏向する光偏向手段としての偏向手段であるポリゴンスキャナたる光偏向器81と、光偏向器81によって偏向されたビームLY、LM、LC、LBKを感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの被走査面上に導くとともに結像させるための光学素子群としての走査結像光学系82Y、82M、82C、82BKとを有している。
光走査装置8はまた、4つの光源ユニット、光偏向器81および走査結像光学系82Y、82M、82C、82BKを内部に備えた光学ハウジングとしての樹脂製のハウジング83と、ハウジング83の下面に一体化されビームLY、LM、LC、LBKをそれぞれハウジング83外に向けて透過するレーザ透過部材である防塵ガラス84Y、84M、84C、84BKと、4つの光源ユニットと光偏向器81との間にそれぞれ配設された図示しない面倒れ補正用のシリンドリカルレンズと、図11に示す、ビーム検出手段としてのビーム検出器55と、ビーム検出器55による検知結果に基づいて、ビームLY、LM、LC、LBKによる走査を制御する図示しないCPU等を備えた図示しない制御手段とを有している。
光源ユニットはそれぞれ、図示を省略するが、光源である半導体レーザと、半導体レーザによって出射されたビームをコリメートするコリメートレンズとを有しており、ハウジング83の側壁に配設されている。光源は、光源駆動用の信号に変換された画像データに応じてビームを発するものである。半導体レーザは、各光源ユニットのそれぞれに複数備えられており、各光源ユニットから出射される各色に対応するビームLY、LM、LC、LBKは各々複数本あり、主走査方向および副走査方向には所定の間隔で離間した状態で走査が行われるが、図においては1本のみを示している。
ハウジング83は、その内部の空間を上下に仕切る略平面状の仕切り板85と、仕切り板85の上側に位置する上カバー86と、仕切り板85の下側に位置する下カバー87とを有している。
防塵ガラス84Y、84M、84C、84BKは、下カバー87に形成された、ビームLY、LM、LC、LBKが通過する開口を塞ぐように取り付けられており、ハウジング83の内と外との空間を遮断して、ハウジング83内に埃等が侵入することを防止している。
防塵ガラス84Y、84M、84C、84BKは、下カバー87に形成された、ビームLY、LM、LC、LBKが通過する開口を塞ぐように取り付けられており、ハウジング83の内と外との空間を遮断して、ハウジング83内に埃等が侵入することを防止している。
走査結像光学系82は、光学素子としてのfθレンズである結像レンズたる走査レンズ88、89と、走査レンズ88、89を透過したビームLを下方に向けて反射する反射部材としての第1の折り返しミラーであるミラー90と、ミラー90によって反射されたビームLを透過する結像レンズとしてのトロイダルレンズ91と、トロイダルレンズ91を透過したビームLを上方に向けて反射する反射部材としての第2の折り返しミラーであるミラー92と、ミラー92によって反射されたビームLを下方に向けて反射するとともに防塵ガラス84を経て感光体ドラム20に導く反射部材としての第3の折り返しミラーであるミラー93とを有している。
走査レンズ88、89はそれぞれ上下2層構成となっており、それぞれ樹脂により一体成形されている。走査レンズ88は、その上層にビームLC、その下層にビームLBKを透過し、走査レンズ89は、その上層にビームLM、その下層にビームLYを透過する。このように、走査レンズ88は走査結像光学系82C、82BKに共通の部材であり、走査レンズ89は走査結像光学系82M、82Yに共通の部材である。走査レンズ88、89およびトロイダルレンズ91は、成形が容易で低コストなプラスチック材質からなり、具体的には低吸水性や高透明性、成形性に優れたポリカーボネートやポリカーボネートを主成分とする合成樹脂からなっている。
走査レンズ88、89およびミラー90は、ハウジング83内の、仕切り板85より上方の空間内に収納されており、トロイダルレンズ91、ミラー92およびミラー93は、ハウジング83内の、仕切り板85より下方の空間内に収納されている。走査レンズ88、89は、仕切り板85の上面に取り付けられている。走査レンズ88、89の形状および取り付け態様については後述する。
光偏向器81はハウジング83内の略中央部に収納されており、その内部に後に詳述する偏向部材としての回転偏向部材であるポリゴンミラー94を備えている。ポリゴンミラー94は、その回転中心を挟んで、ビームLを、反射により、図2における左右方向である2方向に対称に振り分ける。具体的に、ポリゴンミラー94は、その回転中心、実質的には後述するシャフト95を挟んで、ビームLC、LBKを、図2における右方向に反射し、ビームLM、LYを、図2における左方向に反射する。走査レンズ88、89はその光学特性を担保するため、ポリゴンミラー94の回転中心を中心に、対称配置されている。
このような構成の光走査装置8においては、各光源ユニットから出射されたビームLは、シリンドリカルレンズを通って光偏向器81に至り、ポリゴンミラー94で対称な2方向に偏向走査される。ポリゴンミラー94で偏向走査されたビームLは、走査レンズ88、89を通過し、ミラー90により折り返され、トロイダルレンズ91を通過し、ミラー92、93、防塵ガラス84を介して感光体ドラム20の被走査面上に照射され、静電潜像を書き込む。
図3に示すように、光偏向器81は、ポリゴンミラー94と、ポリゴンミラー94の回転軸である軸受けシャフトとしてのシャフト95と、ポリゴンミラー94を覆い、走査レンズ88、89と対向する筐体としてのモータハウジング96と、シャフト95の軸受け97と、モータハウジング96に固定され軸受け97を支持した軸受け支持部材としての軸受けホルダ98と、シャフト95の下端に当接したスラスト受部材としてのスラスト軸受け99とを有している。
光偏向器81はまた、ポリゴンミラー94の内側に位置するロータ磁石21と、ロータ磁石21の外周面とポリゴンミラー94との間に位置しロータ磁石21をポリゴンミラー94に固定するアルミ合金製のリング部材22と、ロータ磁石21の内側に位置し軸受けホルダ98に固定されたモータコアとしての巻線コイルであるステータコア23と、ポリゴンミラー94の下面94fに対向する位置でモータハウジング96に固定された基板24と、ポリゴンミラー94の回転により生じた、ポリゴンミラー94から走査レンズ88、89に向かう気流を遮断する遮風部材としての遮風板25、25とを有している。
ポリゴンミラー94は、アルミ合金製であり、多面体によって構成されビームLを反射する上下二段のポリゴンミラー部94a、94bと、ポリゴンミラー部94aとポリゴンミラー部94bとの間に形成された凹部である空間部94cと、上面94dに形成された円周凹部としての凹部である円周溝94eと、下面94fに形成された下部円周溝94gと、空間部94cの上面に形成された円周凹部としての円周溝94hと、下部円周溝94gの中央部に形成された凹部94iと、シャフト95を固定した内周面である内径部94jとを有している。
下部円周溝94g内には、次に述べるように、種々の部材が位置している。リング部材22と、ステータコア23とが、下部円周溝94g内に位置している。シャフト95は、その上端が上面94dと略面一であり、その中央部が下部円周溝94gおよび凹部94i内に位置し、その下端が下面94fよりも下方に位置している。軸受け97および軸受けホルダ98の上部が下部円周溝94g内に位置している。
ポリゴンミラー部94a、94bはそれぞれ、シャフト95を中心に軸対称に形成されている。ポリゴンミラー部94aは、ビームLM、LCの反射面であり、ポリゴンミラー部94bは、ビームLY、LBKの反射面である。ポリゴンミラー部94a、94bはそれぞれ、シャフト95の軸方向である高さ方向すなわち図3における上下方向の厚さを2mmとされ、ビームLを反射するのに十分な厚さを持っている。かかる厚さは1mm超〜3mm未満の範囲であればよい。理由は、1mm以下の場合、ポリゴンミラー部94a、94bの厚さが薄くなるため鏡面加工時の剛性が低く、平面度が悪化するからであり、3mm以上の場合、回転体としてイナーシャが大きく、起動時間が長くなるという問題が生じるからである。
空間部94cは、シャフト95の軸方向の高さH11を1.5mmとされている。高さH11は、1mm以上とすることが好ましい。これは、バランス修正時に円周溝94hに接着剤を塗布する必要が有るため、その作業性を考慮したものである。すなわちH11を1mm未満とすると、円周溝94hに接着剤を塗布する接着剤塗布機の先端と、円周溝94hに塗布されて盛り上がった接着剤とがポリゴンミラー94に接触し、ポリゴンミラー部94a、94bに傷、汚損の問題が発生するおそれがあるためである。
ポリゴンミラー部94a、94bの、シャフト95の軸方向におけるそれぞれの中心間の間隔H21は走査レンズ88、89の副走査方向の高さにより決定される。
ポリゴンミラー部94a、94bの、シャフト95の軸方向におけるそれぞれの中心間の間隔H21は走査レンズ88、89の副走査方向の高さにより決定される。
なお、円周溝94hを空間部94cの下面側すなわち、本形態において円周溝94hが形成されている面と反対側の面に形成してもよいが、このように形成すると、接着剤の塗布時には円周溝94hを上方に向ける必要があるにもかかわらず、光偏向器81の組み立て時には、円周溝94hが下方に向くこととなるため、接着剤を塗布する際にはポリゴンミラー94、シャフト95、ロータ磁石21およびリング部材22の組み立て体である回転体26を軸受け97から外して、これらを上下倒立して設置固定する必要がある。
よって、円周溝94hを空間部94cの下面側に形成すると、光偏向器81の製造のために複雑な工程を経る必要があるばかりか、軸受け97との脱着工程が入るため、その都度油の飛散等が発生し、軸受け97の劣化を誘発するという問題がある。したがって、円周溝94hは空間部94cの上面側に設けることが好ましい。
このように、円周溝94hは、バランス修正用の接着剤塗布部に使用するために形成されるが、その他、回転体26の軽量化によるイナーシャ低減、質量低減による軸受け97の摩耗劣化の抑制や起動時間の短縮という利点もある。
なお、円周溝94eも、円周溝94hと同様に、回転体26の軽量化によるイナーシャ低減、質量低減による軸受け97の摩耗劣化の抑制や起動時間の短縮のため、および、バランス修正用の接着剤塗布部に使用するために形成される。接着剤の塗布は、主にその内周面に行う。
なお、円周溝94eも、円周溝94hと同様に、回転体26の軽量化によるイナーシャ低減、質量低減による軸受け97の摩耗劣化の抑制や起動時間の短縮のため、および、バランス修正用の接着剤塗布部に使用するために形成される。接着剤の塗布は、主にその内周面に行う。
円周溝94h、94eは、上述のように、回転体26のバランスの修正部であり、円周溝94h、94eに対する接着剤の塗布は、回転体26のアンバランスを修正するために行うものであるが、回転体26は、後述するように25,000rpm以上の高速で回転でするため、回転体26の回転時の振動を小さくするためには回転体26のバランスを高精度に修正かつ維持しなければならず、したがって、円周溝94h、94eに対する接着剤の塗布は塗布位置を選択しつつ高精度に行う必要がある。
具体的には、回転体26の重心Gを挟んでシャフト95の軸方向における、上側に関しては円周溝94eに、下側に関しては円周溝94hに、各々接着剤を塗布することにより、バランス修正を行う。アンバランス量は10mg・mm以下が必要であり、例えば半径10mmの箇所では、修正量を1mg以下に保つ。なお、微少な修正を実行する際に接着剤等の付着物では管理がしにくい場合や、接着剤の量が少ないため接着力が弱く40,000rpm以上の高速回転時に剥離、飛散してしまうおそれがある場合には、回転体26の部品の一部を、ドリルによる切削やレーザ加工によって削除する方法により、バランスの修正を実施することが好適である。
空間部94cは、ポリゴンミラー部94a、94bの形状である多面体の外接円径よりも小径な形状とすることにより、風損の低減を図るものである。風損は、ポリゴンミラー部94a、94bの外接円部の角部が大きく影響するため、空間部94cは、かかる角部を丸めて形成する。
空間部94cの風損は外周円径で決まるため、ポリゴンミラー部94a、94bの内接円径よりも小径にすることにより、風損をより小さくすることも可能であるが、空間部94cは、多面体部に挟まれているので、角部を大きく削っても、これによる風損の低減効果は相対的に小さくなる。
また、空間部94cの深さ、すなわちポリゴンミラー部94a、94bの外接円径と空間部94cの最大外径との差が、高さH11の1/5倍より大きい場合、掘り込み量が多くなるため、空間部94cを形成するためのバイトの寿命が短くなり、かつ加工時間が長くなる。したがって、空間部94cの深さは、かかる加工性を考慮し、高さH11の1/5倍以下となるように設定されている。
また、空間部94cの深さ、すなわちポリゴンミラー部94a、94bの外接円径と空間部94cの最大外径との差が、高さH11の1/5倍より大きい場合、掘り込み量が多くなるため、空間部94cを形成するためのバイトの寿命が短くなり、かつ加工時間が長くなる。したがって、空間部94cの深さは、かかる加工性を考慮し、高さH11の1/5倍以下となるように設定されている。
シャフト95は、マルテンサイト系のステンレス鋼であるSUS420J2製であり、表面を硬化処理または潤滑処理したその先端部が内径部94jに焼きばめにより固定され、ポリゴンミラー94と一体化されている。シャフト95は、他のマルテンサイト系のステンレス鋼で構成しても良い。マルテンサイト系のステンレス鋼は、焼入れが可能で表面硬度を高くでき、耐磨耗性が良好で好適であるために選択した。
ロータ磁石21は樹脂をバインダーに使用したボンド磁石である。ロータ磁石21は、その外周面が、下部円周溝94gの内周面に圧入により固定されている。圧入固定するのは、高温かつ高速で回転してもロータ磁石21が微移動することなく、安定した高速回転を確保できるからである。すなわち、圧入でなく接着などで固定した場合には、高温かつ高速で回転すると、熱膨張率の差に起因して、接着層の微移動により回転体26のバランスの変化やポリゴンミラー94の振動が生じるが、圧入で固定すると、回転体26のバランスの変化やポリゴンミラー94の振動を抑制し、安定した高速回転を確保できる。また、ロータ磁石21はその外径部がポリゴンミラー94に保持されているので、高速回転時の遠心力による破壊が発生し難い構造となっている。
ロータ磁石21はアルミマンガン系の磁石であっても良い。ロータ磁石21をアルミマンガン系の磁石とした場合、シャフト95もアルミ合金製とすれば、ポリゴンミラー94、リング部材22がアルミ合金製であることから、回転体26を全てアルミ合金で構成することとなり、回転体26の各部品間の熱膨張が略等しくなり、温度上昇に伴う部品間の微移動をより抑制でき、回転体26の高精度なバランスがさらに良好に維持できる。
また、ロータ磁石21をアルミマンガン系の磁石とすることは、機械強度が高く高速回転時の遠心力でも破壊しないという観点からも優れており、ポリゴンミラー94をアルミ合金製とすることは、高純度アルミがビームLの反射率が高いという観点からも優れており、シャフト95をアルミ合金製とすることは、これをステンレス製とした場合よりも軽量化が可能となるという観点からも優れている。
軸受け97は銅系の含油燒結部材からなり、熱膨張率を1.6×10−5/℃とされている。軸受け97は、軸受けホルダ98に圧入され、固定されている。軸受け97は、潤滑油を含浸している。軸受けホルダ98に対する軸受け97の固定方法は、接着であっても良いが、軸受けホルダ98に対する軸受け97の固定を、圧入、接着の何れによって固定を行うかは、次の条件により適宜選択される。
すなわち、軸受け97が、含浸した潤滑油の使用上限温度となる100℃近傍にまで昇温するような環境で使用される場合には、接着剤の接着力が低下するとともに、軸受け97の外径と軸受けホルダ98の内径間の隙間が拡縮して変化し、接着剥がれを起こす可能性があるので、圧入によって固定することが好適であり、軸受け97が、含浸した潤滑油の使用上限温度となる100℃を下回る環境で使用される場合には、圧入で固定しても良いし、接着により固定してもよい。
軸受けホルダ98は、軸受け97と同程度の熱膨張率を有する材質によって構成するのが適しており、本形態では、熱膨張率1.8×10−5/℃の黄銅製とされている。軸受けホルダ98は、軸受け97と同程度の熱膨張率を有する材質であればよく、たとえば熱膨張率2.4×10−5/℃のアルミ合金製とすることができる。しかし、軸受けホルダ98を、軸受け97熱膨張率との差が大きな熱膨張率の材質、たとえば熱膨張率4.5×10−5/℃のポリイミド樹脂で構成することは、高温温度下で軸受けホルダ98と軸受け97との間に緩みが生ずるため不適である。
軸受けホルダ98は、モータハウジング96に焼きばめされる大径の基部98aと、軸受け97を固定した、先端に行くに従って径が細くなるテーパ部98bとを有している。
基部98aは、軸受けホルダ98の下面をなし、モータハウジング96に焼きばめされる際の位置決めを行うための基準面98cを有している。基準面98cは、基部98aの焼きばめ時に、モータハウジング214に当接し、固定される。
テーパ部98bは、ステータコア23を、かしめにより固定している。
基部98aは、軸受けホルダ98の下面をなし、モータハウジング96に焼きばめされる際の位置決めを行うための基準面98cを有している。基準面98cは、基部98aの焼きばめ時に、モータハウジング214に当接し、固定される。
テーパ部98bは、ステータコア23を、かしめにより固定している。
軸受けホルダ98は、テーパ部98bを有していることにより、かりに、回転体26にアンバランスが生じシャフト95が軸受け97内で振れ回りしたとしも、振れ回り加振力の応力が、軸受けホルダ98とモータハウジング96との焼きばめ部に集中することを防止し、アンバランス振動を低減する効果がある。
軸受けホルダ98は、軸受け97と一体化された後に、焼きばめによりモータハウジング96と一体化される。この焼きばめ工程は、モータハウジング96を、150℃以上の高温状態に保持し、モータハウジング96に備えられた、基部98aの嵌め込み部である孔部96cを、基部98aの外径よりも拡径し、その拡径部に常温状態の軸受けホルダ98の基部98aを挿入し、その後徐冷することで、基部98aを孔部96cに堅固に固定するものである。
焼きばめ工程においては、軸受け97の温度を100℃以下に維持する必要がある。これは、軸受け97に含浸された潤滑油の温度が、100℃を超えるになると化学反応により劣化するためである。したがって、焼きばめ工程時には、軸受けホルダ98の下部に焼きばめ工程中に脱着可能な治具である放熱フィンを設け、軸受け97の温度が100℃を超えることを防止している。なお、焼きばめ工程は、軸受けホルダ98を軸受け97と一体化する前に行い、焼きばめ工程では軸受けホルダ98のみを固定し、焼きばめ工程が完了し、軸受けホルダ98を充分に徐冷した後に、軸受け97を固定する工程を行っても良い。
本形態のように、潤滑油が含浸された軸受け97を保持する軸受けホルダ98とモータハウジング96とを、焼きばめ固定することは、軸受固定部を高剛性化し、回転体26のアンバランス振動を抑制する観点からも優れている。
なお、軸受けホルダ98を、焼きばめではなく、従来のように、薄板基板に軸受けホルダ98を嵌合し、加圧変形させてカシメ固定をする方法によって固定することも考えられるが、薄板を使用すると嵌合部のガタツキが発生しやすいなど固定剛性が低くなってしまうため、本形態のように焼きばめによって固定することが好ましい。
なお、軸受けホルダ98を、焼きばめではなく、従来のように、薄板基板に軸受けホルダ98を嵌合し、加圧変形させてカシメ固定をする方法によって固定することも考えられるが、薄板を使用すると嵌合部のガタツキが発生しやすいなど固定剛性が低くなってしまうため、本形態のように焼きばめによって固定することが好ましい。
モータハウジング96は、軸受けホルダ98の基部98aの嵌め込み部である孔部96cを備え回転体26をその径方向から覆う本体部96aと、回転体26をその上方から覆う上カバー部96bとを有している。
本体部96aは、軸受けホルダ98の他に、基板24を支持しているとともに、孔部96cの他に、ポリゴンミラー94へのビームの入射用および走査レンズ88、89等へのビームLの出射用の開口窓であるビーム入出射窓としての開口96d、96dと、開口96d、96dの上方に位置し、その側面をなす位置決め部96e、96eと、光偏向器81をハウジング83に固定する際に仕切り板85の上面に当接する当接面96fとを有している。
上カバー部96bは鉄板の板金製であるが、その他アルミ板等の板金製であっても良い。
本体部96aは、軸受けホルダ98の他に、基板24を支持しているとともに、孔部96cの他に、ポリゴンミラー94へのビームの入射用および走査レンズ88、89等へのビームLの出射用の開口窓であるビーム入出射窓としての開口96d、96dと、開口96d、96dの上方に位置し、その側面をなす位置決め部96e、96eと、光偏向器81をハウジング83に固定する際に仕切り板85の上面に当接する当接面96fとを有している。
上カバー部96bは鉄板の板金製であるが、その他アルミ板等の板金製であっても良い。
モータハウジング96は、光偏向器81を光走査装置8本体に取り付ける際に、当接面96fを仕切り板85に位置決めするため、後述するようにモータハウジング96に取り付けられる遮風板25、25の高精度配置を達成するべく、遮風板25、25の取付基準として、高精度かつ幾何学位置を占めるように形成されている。
モータハウジング96は、本体部96aを仕切り板85に対して、図6、図7、図8に示すように本体部96aに形成された孔18において図示しない固定ねじで締結することで取り付けられるようになっており、したがって光偏向器81は、光走査装置8本体に対して、かかる固定ねじで着脱可能となっている。
モータハウジング96は、本体部96aを仕切り板85に対して、図6、図7、図8に示すように本体部96aに形成された孔18において図示しない固定ねじで締結することで取り付けられるようになっており、したがって光偏向器81は、光走査装置8本体に対して、かかる固定ねじで着脱可能となっている。
シャフト95の外周面と軸受け97の内周面とは、ラジアル方向の軸受けすなわちラジアル軸受けである含油動圧軸受を構成している。25,000rpmの高速回転時でも燒結部材である軸受け97内に含油されている油の循環を効率良く行うために、図示しない動圧発生溝としての動圧溝を軸受け97の内周面に形成している。動圧溝はシャフト95の外周面または軸受け97の内周面の何れかに設ければよいが、本形態のように、加工性の良好な軸受け97の内周面に形成することが好適である。
なお、動圧軸受隙間は直径で10μm以下に設定されている。ラジアル軸受けを動圧軸受としたことにより、玉軸受で発生していた25,000rpm以上の高速回転時における軸受騒音が無く、回転むらが非常に少なく、回転精度が高い。
また本形態は、動圧軸受を構成する流体として油を用いたが、動作時における軸受け97の温度が、油の劣化を生じさせ得る75℃以上となる場合や、運転時間が累積で3000時間以上となるような高耐久が必要な場合は空気動圧軸受が好適である。
また本形態は、動圧軸受を構成する流体として油を用いたが、動作時における軸受け97の温度が、油の劣化を生じさせ得る75℃以上となる場合や、運転時間が累積で3000時間以上となるような高耐久が必要な場合は空気動圧軸受が好適である。
スラスト軸受け99は、マルテンサイト系ステンレス鋼製であり、軸受けホルダ98の、軸受け97を固定した位置よりも奥側の位置に、圧入により固定配設されている。
シャフト95の下端面には、凸曲面95aが形成されている。
スラスト軸受け99と凸曲面95aとは、アキシャル方向の軸受すなわちアキシャル軸受けであるピボット軸受を構成している。
シャフト95の下端面には、凸曲面95aが形成されている。
スラスト軸受け99と凸曲面95aとは、アキシャル方向の軸受すなわちアキシャル軸受けであるピボット軸受を構成している。
スラスト軸受け99の材質は、凸曲面95aとの摩擦による磨耗粉の発生を極力抑制する観点から、マルテンサイト系ステンレス鋼の他、セラミック、金属部材表面にダイヤモンドライクカーボンすなわちDLC処理等の硬化処理をしたものが適している。
スラスト軸受け99は、軸受け97とは異なり、潤滑油を含浸するものではないので、実用上の仕様温度の上限はないが、軸受け97の固定方法と同様に、その使用上限温度に応じて、圧入、接着の何れかの方法で、軸受けホルダ98に固定される。
スラスト軸受け99は、軸受け97とは異なり、潤滑油を含浸するものではないので、実用上の仕様温度の上限はないが、軸受け97の固定方法と同様に、その使用上限温度に応じて、圧入、接着の何れかの方法で、軸受けホルダ98に固定される。
ポリゴンミラー94は、シャフト10、ロータ磁石21およびリング部材22と一体化され組み立てられた回転体26の状態で、光偏向器81に一体化される。回転体26の光偏向器81との一体化は、軸受けホルダ98がハウジング96に固定され、かつ軸受け97およびスラスト軸受け99が軸受けホルダ98に嵌め込まれた状態で、図3における上方からシャフト10を、凸曲面95aとスラスト軸受け99とが当接するまで、軸受け97に嵌合挿入することで行われる。
このように、本形態の構成では、従来と異なりポリゴンミラー94を板バネ等の固定部材を用いて支持する必要がないので、固定圧力によるポリゴンミラー部94a、94bの歪みがなくなるというメリットがある。
このように、本形態の構成では、従来と異なりポリゴンミラー94を板バネ等の固定部材を用いて支持する必要がないので、固定圧力によるポリゴンミラー部94a、94bの歪みがなくなるというメリットがある。
ロータ磁石21は径方向に着磁されている。ロータ磁石21は内径以外の外径および高さ方向は磁路を開放しており、励磁切り換えのためのホール素子を開放磁路内に配置している。磁気開放している理由は、鉄板、ステンレス等の磁性体を配置したときの、ポリゴンミラー94の材質であるアルミ合金との熱膨張差により、ロータ磁石21を固定した部分が微移動し、高温時に回転体26のバランスが変化するという不具合を防止するためである。
ロータ磁石21は磁気回路が開放されているので、回転体26を囲う周辺に図示しない磁気シールド部材を配置したり、回転体26を囲う周辺を樹脂などの非導電性材料で構成したりすることが好適である。これは、鋼板などの導電材料が周辺にあると、高速回転に伴うロータ磁石21の漏れ磁束が渦電流を発生させ、エネルギーの損失が多くなるためである。
ロータ磁石21とステータコア23とは、径方向に磁気ギャップをもつ、アウターロータ型のブラシレスモータを構成している。このブラシレスモータは、上述の動圧軸受を用いて、ロータ磁石21とステータコア23の外周とで回転トルクを発生し、回転体26を25,000rpm以上の高速で回転駆動し、ビームLの偏向走査を高速で行わせる。かかるブラシレスモータにおける回転駆動は、ロータ磁石21の磁界により基板24に実装されているホール素子から出力される信号を位置信号として参照し、図示しない駆動用ICによりステータコア23の励磁切り替えを行うことでなされる。そして、ポリゴンミラー84は、ブラシレスモータにより回転駆動され、半導体レーザから出射されたビームを、その回転に伴って反射することで偏向する。
かかるブラシレスモータの回転駆動によって、熱が発生する。上述したように、この熱が、高速で回転駆動されるポリゴンミラー94の回転により生じた風切りの気流に乗るなどして、走査結像光学系82に伝達され、走査結像光学系82の温度を上昇させると、その光学特性を変化させ、ビームLの感光体ドラム20上での位置ずれ等の問題、特に本形態のようにカラー画像を形成可能な画像形成装置100においては、カラー画像を形成した際に色ずれが発生するという問題がある。特に、走査結像光学系82に含まれる、ポリゴンミラー94に最も近接する走査レンズ88、89の温度上昇が問題となる。
そこで、光走査装置8は、光偏向器81に、遮風板25、25を備えている。遮風板25、25は、モータハウジング96に支持されている。
遮風板25、25はそれぞれ、開口96d、96dを塞ぐように、位置決め部96e、96eを基準として、本体部96aに取り付けられている。
遮風板25、25はそれぞれ、開口96d、96dを塞ぐように、位置決め部96e、96eを基準として、本体部96aに取り付けられている。
したがって、モータハウジング96と遮風板25、25とは、その内部の空間を、その外部の空間から隔離し、密閉している。すなわち、回転体26の周囲はポリゴンミラー94の風損に伴って生じる、走査レンズ88、89をはじめとする走査結像光学系82への伝熱や、風切音が外部に漏れることを防止している。
なお、風切音による騒音を小さくするため、上カバー部96bを構成する板金を複数枚とすることができる。
なお、風切音による騒音を小さくするため、上カバー部96bを構成する板金を複数枚とすることができる。
遮風板25、25は、ビーム入出射窓としての開口96d、96dを塞ぐように配設され、ポリゴンミラー94と走査レンズ88、89との間において、ポリゴンミラー94により偏向されたビームLの光路中に配設されていることから、ビームLを透過する部材であるガラス板によって構成されている。ビームLの透過性を考慮し、遮風板25、25は、その平面度が実際の偏向動作時に達する雰囲気温度100℃以上の環境下において透過波面で100mR以上となるように設定されている。
遮風板25、25は、特にビームLの径(1/e2)が50μm以下の場合での、ビームLの径の劣化を防止するため、その取付角度は主走査方向および副走査方向ともに所望の値を基準として±0.01°以下の高精度で配置する必要がある。ここで、主走査方向とは、図3における紙面に垂直な方向であり、副走査方向とは、図3における紙面の上下方向である。遮風板25、25の高精度配置を達成するため、位置決め部96e、96eは、高精度かつ互いに幾何学位置を占めるように形成されている。
表1に、好適な例である本形態の遮風板25、25および走査レンズ88、89の、熱膨張率を示す熱膨張係数および熱伝導率に関する特性値を示す。なお、走査レンズ88、89とともに走査結像光学系82に含まれるトロイダルレンズ91も、熱膨張係数および熱伝導率に関し走査レンズ88、89と同じ特性値を有している。
本形態の遮風板25、25および走査レンズ88、89の、熱膨張率および熱伝導率は、表1に示すようにした。すなわち、遮風板25、25は、その熱膨張率が走査レンズ88、89の熱膨張率より低く、その熱伝導率が走査レンズ88、89の熱伝導率より高いという特性を有する。この特性は、熱膨張率、熱伝導率のそれぞれに関して、次のような利点を有する。
すなわち、遮風板25、25を、かかる熱膨張率を有するガラス板とすることは、ポリゴンミラー94からの高温気流が吹き付けた場合においても、昇温に伴う温度膨張により、曲率等の形状の変化や屈折率変化によるビーム径の変化に起因する光学特性の劣化が生じにくいという観点から好ましい。
また、遮風板25、25を、かかる熱伝導率を有するガラス板とすることは、ポリゴンミラー94からの高温気流が吹き付けた場合においても、遮風板25、25自身が主走査方向に温度分布をもつことを抑制し、曲率等の形状の変化や屈折率変化によるビーム径の変化に起因する光学特性の劣化が生じにくいという観点から好ましい。
これらの利点により、走査レンズ88、89は、遮風板25、25によりポリゴンミラー94が発する高温気流の影響を受けないため、走査レンズ88、89を、容易に非球面形状を形成可能であるが熱の影響を受けやすいという特徴を有する樹脂によって構成しても、走査レンズ88、89は、光学特性上安全に使用することができる。
なお、走査レンズ88、89の材質を、樹脂でなく、ガラスなどとすると、非球面形状の製作が困難であり、所望の光学特性を満足できず、また、非球面形状の製作を容易にするために光学特性を犠牲にしたとしても、製作するコストが高くなるというデメリットがある。
上述のように、遮風板25、25を設けたことにより、走査レンズ88、89は、ポリゴンミラー94が発する高温気流の影響を受けないため、かかる気流に起因して主走査方向における温度分布が生じ、これによるビームLの位置ずれ、色ずれが生じることはない。
しかし、走査レンズ88、89に、温度分布など、光学特性の劣化を生じさせる原因としては、雰囲気温度も挙げられる。
そこで、本形態は、雰囲気温度の影響による走査レンズ88、89の光学特性の劣化を防止する構造も有している。
しかし、走査レンズ88、89に、温度分布など、光学特性の劣化を生じさせる原因としては、雰囲気温度も挙げられる。
そこで、本形態は、雰囲気温度の影響による走査レンズ88、89の光学特性の劣化を防止する構造も有している。
図4または図5に示すように、走査レンズ88、89は、ビームLが入出射する部分を除く部分、本形態では、ビームLが入出射する面88a、88b、89a、89bを除く、ビームLが入出射しない面88c、88d、88e、88f、89c、89d、89e、89fを、走査レンズ88、89の熱伝導率よりも大きな熱伝導率の部材である挟持部材31、32、33、34で挟持包囲し、覆っている。
挟持部材31、32、33、34の材質としては高熱伝導性をもつ金属、特にアルミ合金が加工性、コストを考慮すると最も好適である。他に金属粉を混入した樹脂や鉄系、銅系の材質が好適である。走査レンズ88、89を挟持包囲することにより、熱伝導性の低い樹脂製の走査レンズ88、89の熱を、挟持部材31、32、33、34に伝えることで、走査レンズ88、89の温度分布をなくすことが可能となる。
挟持部材31、32、33、34のうち、走査レンズ88、89の、主走査方向に長い上下の面88e、88f、89e、89fにそれぞれ配置している挟持部材31、34は、主走査方向に沿って配設されているから主走査方向の温度分布をなくす効果が有り、挟持部材31、32、33、34のうち、走査レンズ88、89の、副走査方向に平行な側面88c、88d、89c、89dにそれぞれ配置している挟持部材32、33は、副走査方向に沿って配設されているから副走査方向の温度分布を無くす効果が有る。
図4は、走査レンズ88、89の、主走査方向に長い上下の面88e、88f、89e、89fにそれぞれ配置している挟持部材31、34が、当接している面の主走査方向の長さよりも短く、走査レンズ88、89の、副走査方向に平行な側面88c、88d、89c、89dにそれぞれ配置している挟持部材32、33との間に間隙を有している例を示しており、図5は、走査レンズ88、89の、副走査方向に平行な側面88c、88d、89c、89dにそれぞれ配置している挟持部材32、33が、当接している面の副走査方向の長さよりも短く、走査レンズ88、89の、主走査方向に長い上下の面88e、88f、89e、89fにそれぞれ配置している挟持部材31、34との間に間隙を有している例を示している。
かかる間隙は、挟持部材31、32、33、34の、使用温度範囲での膨張収縮も考慮に入れたうえで、挟持部材31、32、33、34が互いに干渉しない大きさとなっている。したがって、挟持部材31、32、33、34同士が、接触など、干渉することにより、熱応力等の応力が作用し、走査レンズ88、89へ局部的な変形を誘発することがない。
主走査方向に長い挟持部材31、34は、主走査方向における配設領域が、主走査方向における走査レンズ88、89の有効走査領域を含むようになっており、副走査方向に平行な挟持部材32、33は、副走査方向における配設領域が、副走査方向における走査レンズ88、89の有効走査領域を含むようになっている。したがって、挟持部材の配設領域が有効走査領域よりも小さいときに挟持部材のエッジ部分で生じる温度分布の残存が、生じることがない。
挟持部材31、32、33、34と走査レンズ88、89との固定は接着剤または両面テープで行うことが好適である。板バネ等を用いて固定を行うと、固定接触部分に固定時の応力が作用し、走査レンズ88、89を変形させてしまうからである。特に、走査レンズ88、89は樹脂製であるので、ヤング率がガラス材に比較して小さいため変形し易いため、板ばね等を用いる固定よりも、接着剤または両面テープを用いる固定の方が適している。
図4、図5において、接着剤または両面テープによる、挟持部材31、32、33、34と走査レンズ88、89との、主走査方向における固着部分すなわち固定位置のみを、符号27で示しているが、固定位置は、各走査方向における走査レンズ88、89の中央部分とすることが好ましい。これは、走査レンズ88、89の全面または両端部分を固定位置とすると、挟持部材31、32、33、34と走査レンズ88、89とでは、熱膨張率に差があるため、走査レンズ88、89に反りが発生する恐れが有るからである。本形態のように、固定位置を各走査方向の中央部とすると、走査レンズ88、89の膨張を両端に向かって許容するため、走査レンズ88、89に反りが発生することが防止される。
なお、走査レンズ88、89は、主走査方向に長く、副走査方向に薄いことから、その変形は、主に副走査方向に撓む態様で生じ、また、光学特性については、主走査方向における直線度が要求されるため、挟持部材31、32、33、34と走査レンズ88、89との、副走査方向における固定位置は、上述のようにその中央部であることが好ましいが、副走査方向における固定位置は、全面としても良い。
挟持部材31、32、33、34と走査レンズ88、89とを互いに固定したときに、熱膨張率の差に起因する走査レンズ88、89の反りを防止する観点から、挟持部材31、32、33、34と走査レンズ88、89との固定に用いる接着剤または両面テープは、挟持部材31、32、33、34の熱膨張率と走査レンズ88、89の熱膨張率との間の値の熱膨張率を有するものとすることが好ましい。
挟持部材31、32、33、34と走査レンズ88、89との固定に両面テープを用いるときは、使用する両面テープには基材のないものを選択することが好ましい。これは、基材がある両面テープは、基材の部分が高温状態となるとすべりが発生しやすく、特に固定方向と垂直となる、挟持部材31、32、33、34と走査レンズ88、89とをせん断する方向における固着力が低下し、低温状態から高温状態の使用が繰り返すと剥がれが生じる恐れがあるからである。
挟持部材は、上下の面88e、88f、89e、89fまたは側面88c、88d、89c、89dのみに配置してもよいが、走査レンズ88、89は、主走査方向に長く、副走査方向に薄いことから、走査レンズ88、89の温度分布は、主走査方向において生じやすいため、主走査方向に沿うように配設することが好ましい。このように、挟持部材は、主走査方向または副走査方向の温度分布の影響の大きいほうのみに配置しても良い。また、挟持部材は、上下の面88e、88f、89e、89fや側面88c、88d、89c、89d毎に対で配置することが好ましいが、温度上昇が高い側にのみ配置することも好適である。
上述のように、走査レンズ88、89を挟持部材31、32、33、34で覆ったことにより、走査レンズ88、89は、雰囲気温度の影響を受けないため、これによるビームLの位置ずれ、色ずれが生じることはない。
しかし、走査レンズ88、89の光学特性を劣化させる原因としては、ハウジング83からの熱伝達も挙げられる。
そこで、本形態は、ハウジング83からの熱伝達の影響による走査レンズ88、89の光学特性の劣化を防止する構造も有している。
しかし、走査レンズ88、89の光学特性を劣化させる原因としては、ハウジング83からの熱伝達も挙げられる。
そこで、本形態は、ハウジング83からの熱伝達の影響による走査レンズ88、89の光学特性の劣化を防止する構造も有している。
すなわち、走査レンズ88、89は、挟持部材31、32、33、34に覆われた状態で、仕切り板85の上面に、挟持部材34が接着されることで固定されているが、仕切り板85と挟持部材34との接着は、主走査方向における挟持部材34の中央部のみで行っている。仕切り板85の上面は、挟持部材34との固定位置以外の部分が一段凹んでおり、挟持部材34との間に間隙を有し、逃げている。
このように、主走査方向の中央部のみで固定すると、上述した走査レンズ88、89と挟持部材31、32、33、34との固定と同様に、走査レンズ88、89、挟持部材34が熱膨張により拡大変形する際、走査レンズ88、89、挟持部材34の膨張を両端に向かって許容し、走査レンズ88、89、挟持部材34が自由膨張により中央部を基準に両端に向かって広がるため、走査レンズ88、89に反り等の異変形が発生することが防止され、走査レンズ88、89の主走査方向の倍率誤差が局部的に大きく悪化することが防止できる。
すでに述べたように、走査レンズ88、89はポリゴンミラー94の回転中心を中心に、対称配置されており、このことも、走査レンズ88、89の光学特性を維持することに寄与しているが、さらに光学特性を考慮して、走査レンズ88を覆う挟持部材34と仕切り板85との固定位置と、走査レンズ89を覆う挟持部材34と仕切り板85との固定位置とも、ポリゴンミラー94の回転中心を中心に、対称配置されている。
なお、走査レンズ88、89を、挟持部材34を介さず、仕切り板85の上面に直接固定することもできる。この場合にも、上述と同様の態様で固定を行うことで、同様の効果を達成できる。
仕切り板85と挟持部材34との固定を接着により行うことは、部品点数削減、固定工程簡素化により製造コストが安価であるため、最も好適である。
仕切り板85と挟持部材34との固定を接着により行うことは、部品点数削減、固定工程簡素化により製造コストが安価であるため、最も好適である。
走査レンズ88、89は、挟持部材34を介して間接的に、または直接、ハウジング83に支持されているが、ハウジング83の材質である樹脂は、低熱伝導率の部材であるため、走査レンズ88、89を加熱することが抑制されており、走査レンズ88、89の光学特性の劣化を防止している。また、かりに、ハウジング83が走査レンズ88、89への加熱作用を与えるとしても、走査レンズ88、89を、挟持部材34を介して間接的に支持している場合には、上述のように挟持部材34が高熱伝導性をもつため、走査レンズ88、89の温度分布は極めて微小とされ、光学特性の劣化は極めて小さくされる。
ハウジング83の材質を、樹脂でなく、アルミ等の金属製とすると、熱伝導性が高いため短時間で走査レンズ88、89との間接的なまたは直接的な当接面が高温となり、当接面の場所により局部的な温度分布を与えてしまい、走査レンズ88、89の光学特性に与える影響が大きい他、重量が大幅に増加してしまう、製作するコストが高くなるなどのというデメリットがある。したがって、ここに言う、低熱伝導率の材質は、特にアルミニウム合金よりも低い熱伝導率の材質を言う。
上述のような態様で走査レンズ88、89をハウジング83に固定したことにより、走査レンズ88、89は、ハウジング83からの熱伝達の影響を受けないため、これによるビームLの位置ずれ、色ずれが生じることはない。
しかし、走査レンズ88、89に主走査方向の温度分布を生じさせ光学特性を劣化させる原因としては、走査レンズ88、89へのモータハウジング96の熱放射も挙げられる。これを、図21を用いて説明すると、次のとおりである。
しかし、走査レンズ88、89に主走査方向の温度分布を生じさせ光学特性を劣化させる原因としては、走査レンズ88、89へのモータハウジング96の熱放射も挙げられる。これを、図21を用いて説明すると、次のとおりである。
図21に、従来のポリゴンミラー19とモータハウジング29と走査レンズ39との、位置関係、形状を示す。主走査方向における走査レンズ39の中心、言い換えると中央像高をなす画像領域中央が、ポリゴンミラー19の回転中心を含み主走査方向に垂直な平面16とは別の平面15上に位置するよう配設されているとともに、モータハウジング29と走査レンズ39との互いに対向する部分13、14の形状が、異なる形状となっている。
すなわち、ポリゴンミラー19の回転中心と主走査方向における走査レンズ39の中心とが一致していない。また、モータハウジング29の走査レンズ39と対向する側の外形の部分13の形状と、走査レンズ39の、モータハウジング29に対向する側の外形の、少なくともビームが入射する有効範囲内の部分14の形状とが一致しておらず、モータハウジング29と走査レンズ39との距離が、主走査方向で異なっている。
なお、モータハウジング29と走査レンズ39との距離が主走査方向で異なっているのは、モータハウジング29を固定する孔41が走査レンズ39とポリゴンミラー19との間に配設されていることが要因の一つとなっている。図21において、二点鎖線42、43はそれぞれ、部分13、14の輪郭の形状がよくわかるように補助的に示したものである。
従来のポリゴンミラー19とモータハウジング29と走査レンズ39との、位置関係、形状はこのようであったため、ポリゴンミラー19の回転等によって生ずる熱がモータハウジング29から光学ハウジングを経由して走査レンズ39に伝熱するときに主走査方向に伝熱分布すなわち熱の偏りが生じ、その結果走査レンズ39が主走査方向に温度分布を持ってしまっていたのである。
そこで、本形態は、モータハウジング96の熱放射等の影響による走査レンズ88、89の温度分布を軽減する構造も有している。
すなわち、ポリゴンミラー94、モータハウジング96と走査レンズ88、89との、位置関係、形状を図6に示すように、主走査方向における走査レンズ88、89の中心、言い換えると中央像高をなす画像領域中央が、ポリゴンミラー94の回転中心を含み主走査方向に垂直な平面28上に位置するよう配設されているとともに、モータハウジング96と走査レンズ88、89との互いに対向する部分35、36の形状を、略同一形状となるようにしている。
すなわち、ポリゴンミラー94、モータハウジング96と走査レンズ88、89との、位置関係、形状を図6に示すように、主走査方向における走査レンズ88、89の中心、言い換えると中央像高をなす画像領域中央が、ポリゴンミラー94の回転中心を含み主走査方向に垂直な平面28上に位置するよう配設されているとともに、モータハウジング96と走査レンズ88、89との互いに対向する部分35、36の形状を、略同一形状となるようにしている。
言い換えると、ポリゴンミラー94の回転中心と主走査方向における走査レンズ88、89の中心とが一致している。また、モータハウジング96の走査レンズ88、89と対向する側の外形の部分35の形状と、走査レンズ88、89の、モータハウジング96に対向する側の外形の、少なくともビームLが入射する有効範囲内の部分36の形状とが平行であって一致しており、モータハウジング96と走査レンズ88、89との距離が、主走査方向で等しくなっている。これは、モータハウジング96を光走査装置8本体に固定ねじで着脱するための孔18を、走査レンズ88、89とポリゴンミラー94との間でなく、主走査方向における有効範囲外に配置し、外形の形状を一致しやすくしたことが寄与している。
ポリゴンミラー94、モータハウジング96、走査レンズ88、89はすべてポリゴンミラー94の回転中心を中心として対象の形状、配設態様とされているので、図6においては、一方の走査レンズを図示し、これを走査レンズ88、89としている。図6において、二点鎖線37、38はそれぞれ、部分35、36の輪郭の形状がよくわかるように補助的に示したものであり、符号44で示す一点鎖線は、ポリゴンミラー94の回転方向において平面28に垂直な平面を示したものである。
ポリゴンミラー94とモータハウジング96と走査レンズ88、89との、位置関係、形状を上述のようにしたため、ポリゴンミラー94の回転等によって生ずる熱がモータハウジング96の熱放射により走査レンズ88、89に伝熱するときに主走査方向に伝熱分布すなわち熱の偏りが生じることがなく、その結果走査レンズ88、89が主走査方向に温度分布を持たず、モータハウジング96の熱放射に起因するビームLの位置ずれ、色ずれが生じることはない。
図6においては、部分35、36が何れも直線形状を有しているため、走査レンズ88、89の熱分布の偏倚を防止するのに理想的であるが、部分35、36の形状は、上述の条件を満たせば、図7に示すように、部分35が凹形状で部分36が凸形状となるようにしても良いし、図8に示すように、部分35が凸形状で部分36が凹形状となるようにしても良い。図7、図8において、図6と同様のものには同一の符号を付しているため説明を省略する。
なお、図6ないし図8に示した態様では、主走査方向における走査レンズ88、89の中心を、ポリゴンミラー94の回転中心を含み主走査方向に垂直な平面28上に位置させたため、ポリゴンミラー94に入射するビームは、平面28上に位置することを要し、したがって、光源は、平面28上における紙面手前方向または紙面奥方向に位置することとなる。
本形態は、さらに、ビームLの位置ずれを防止するために、ポリゴンミラー94の回転軸であるシャフト95の倒れ、言い換えると傾き、傾斜を、ビームLの位置ずれを最も小さくするように構成している。
このように構成した理由を、本形態の構成を借りて説明すると次のとおりである。
このように構成した理由を、本形態の構成を借りて説明すると次のとおりである。
ポリゴンミラー部94a、94bのミラー面は、走査レンズ88、89に入出射すべき理想のビームの光軸に対して垂直であることが望ましい。
しかし、シャフト95とミラー面との平行度、および、軸受ホルダ98によるシャフト95の支持方向と当接面96fとの直角度に関する誤差は、ポリゴンミラー部94a、94b、シャフト95、軸受ホルダ98、当接面96f等の加工精度や組立精度を考慮するとゼロとすることができない。
よって従来の構成では、かかるミラー面はかかる光軸に対して10〜15′の角度で偏角θXを有していた。
しかし、シャフト95とミラー面との平行度、および、軸受ホルダ98によるシャフト95の支持方向と当接面96fとの直角度に関する誤差は、ポリゴンミラー部94a、94b、シャフト95、軸受ホルダ98、当接面96f等の加工精度や組立精度を考慮するとゼロとすることができない。
よって従来の構成では、かかるミラー面はかかる光軸に対して10〜15′の角度で偏角θXを有していた。
しかし、偏角θXが生じる方向へのシャフト95の傾きはポリゴンミラー94への斜入射の影響により、ビームLの曲がり等が生じ、ビーム径の劣化への影響が大きい。したがって、ビームの走査位置を高精度化し色ずれを低減するためには、偏角θXを10′以下、より望ましくは5′以下にまで高精度化とする必要があるため、従来のように大きさが10〜15′の偏角のレベルでは問題である。
偏角θXの高精度化の方法として、ポリゴンミラー部94a、94b、シャフト95、軸受ホルダ98、当接面96f等の構成要素部品を高精度化することも考えられる。しかし、かかる構成要素部品を高精度化すると、生産時の歩留まり低下が避けられずコストアップとなる。
そこで、本形態の構成は、偏角の発生する方向を、位置ずれ、色ずれへの影響が大きい偏角θXの方向から、位置ずれ、色ずれへの影響が小さい偏角θYの方向へ集約することにより、色ずれへの影響を軽減している。
具体的には、モータハウジング96を光走査装置8本体のハウジング83に固定ねじで取り付ける際に、各々部品の倒れ角度の位相をモニタし、固定組立時に倒れ角度位相がθY方向となるように、可能であれば何れの方向における偏角もなくするように組立を行い、ポリゴンミラー94のシャフト95の傾きを、平面28内において最小とし、平面44内において最大となるようにしている。
すなわち、図9に示す、平面28による断面内における軸倒れすなわち偏角θXが最小になり、図10に示す、平面28による断面内における軸倒れすなわち偏角θYが最大になるようにしている。ここにいう、偏角θYが最大になるようにする、とは、偏角θXを最小にするための手段としてそのようにすることを意味するのであって、偏角θYを積極的に大きくすることを意味するのではない。
ビーム検出器55は、主走査方向および副走査方向におけるビームLY、LM、LC、LBKの走査位置を検出するものであって、ビーム検出器55は、ビームLY、LM、LC、LBKのそれぞれの光路中の、ビームLY、LM、LC、LBKの走査領域内における画像領域外の、ミラー93Y、93M、93C、93BKの両端2箇所に配置されている。
なお、画像領域内の光路中にハーフミラーを配置し、ビームLY、LM、LC、LBKを、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKへ集光するビームと、ビーム検出器45、46へ集光するビームとに分離することにより、画像領域内のビームを多点で検出することも可能である。多点で検出すれば、多像高におけるビームLY、LM、LC、LBKの走査位置が検出可能となり、走査線としてのビームLY、LM、LC、LBKの検出精度が向上する。
図11に示すように、ビーム検出器55は、フォトダイオードで構成された受光素子部56と、受光素子部56を覆うように封止されたパッケージ54と、後述する図12に示す増幅器51、52および比較器53と、増幅器51、52および比較器53をIC化して実装する基板57とを有している。パッケージ54は樹脂からなるレーザ透過部材で形成されている。パッケージ54は、透過率や内部歪等が問題となる場合、樹脂でなく、薄板ガラスとこの薄板ガラスの周辺をセラミック製や金属製の部材とで封止したパッケージとすることが好適である。
ここで、かりにビームLが入射するパッケージ54の表面に画像形成装置100で使用するトナーやシリコンオイル等が付着すると、遮光または散乱、乱反射、屈折が生じ、ビームLの検出が正常にできなくなくなる恐れがある。ビームLの検出精度が劣化すると、補正対象となるビームLの補正位置精度が悪化し、誤った情報で補正することになり、画像が悪化する恐れがある。
そこで本形態では、ビーム検出器55を副走査方向に対して下方に角度αだけ傾斜させた態様で配設し、トナーやシリコンオイル、ゴミの付着を防止している。なお、図11においては、紙面に垂直な方向が主走査方向であり、紙面の上下方向が副走査方向である。受光素子部56の副走査方向での長さ56aが1mm以下の場合、ビームLの光軸高さのばらつきや、組立時、および温度変動によるビーム検出器55の固定位置決め精度のばらつきが生じた場合、受光素子部56でビームLの検出が不能となるため、傾斜角αは、長さ56aが1mm以上となるように設定する。たとえば、受光素子部56の副走査方向の受光有効範囲が、1.5mmのときは、傾斜角αは48°以下とし、2mmのときは、傾斜角αは60°以下に設定する。
図12に示すように、受光素子部56は、軌跡48、49に沿って、主走査方向に互いにずれた位置において隣接した態様で配置された、フォトダイオードによって構成された受光素子45、46を有している。受光素子45は、矢印48、49で示す、主走査方向および副走査方向に所定の間隔で離間したビームLの主走査方向における走査の軌跡に対して直角方向を向く直線状の受光面である受光部45aと、受光部45aに対してθ(0°<θ<90°)の角度をなす直線状の受光面である受光部45bとを有しており、よって、軌跡48、49に対してそれぞれ異なる角度で傾斜した複数の受光部45a、45bを有している。受光素子46は、矢印48、49で示す、主走査方向および副走査方向には所定の間隔で離間しビームLの主走査方向における走査の軌跡に対して直角方向を向く直線状の受光面である受光部46aと、受光部46aに対してθの角度をなす直線状の受光面である受光部46bとを有しており、よって、軌跡48、49に対してそれぞれ異なる角度で傾斜した複数の受光部46a、46bを有している。
このように、2つの互いに隣接する受光部45a、46aは互いに平行であり、2つの互いに隣接する受光部45b、46bは互いに平行である。後述するように制御手段で種々の制御を行うために、本形態のように、各々のビーム検出器に備えられた互いに平行な複数の受光部のうち、少なくとも一方は、主走査方向と非平行な角度θをもって配置することを要する。すべての受光部を主走査方向と非平行な角度としても良い。
増幅器51は、受光素子45の出力信号を電流電圧変換するとともに電圧増幅するアンプである。増幅器52は、受光素子46の出力信号を電流電圧変換するとともに電圧増幅するアンプである。規格器53は、増幅器51、52からの出力信号の電圧を比較し、増幅器52からの出力信号レベルが増幅器51からの出力信号レベルより低くなったときに信号を出力するものである。
受光素子部56と、増幅器51と、増幅器52と、比較器53とは、ビーム検知回路47を構成している。
受光素子部56と、増幅器51と、増幅器52と、比較器53とは、ビーム検知回路47を構成している。
図13はビームLが受光素子45、46を通過したときの、受光素子45、46の出力信号およびビーム検知回路47の出力信号のタイミングチャートをあらわしている。ビームLは実際には2つのビームを含むため、1つのビームLの通過によりビーム検知回路47から2つのパルスが出力される。その2つのパルスの時間間隔であるT1、T2は、2つのビームが走査される副走査の位置に比例する。
2つのビームの時間間隔がT1、T2のとき、その副走査間隔ΔPは、制御手段によって、以下の式から求められる。
ΔP=v×(T2−T1)/tanθ・・・(1)
ここで、vはビームの走査の速度を表す。vおよびθは実質的には定数であるため、実際の演算では(T2−T1)を行い、その結果を用いて副走査間隔の補正を実施している。
ΔP=v×(T2−T1)/tanθ・・・(1)
ここで、vはビームの走査の速度を表す。vおよびθは実質的には定数であるため、実際の演算では(T2−T1)を行い、その結果を用いて副走査間隔の補正を実施している。
丸1(これは、丸付きの数字の1を意味する。以下、丸付きの数字を同様にして記載する)、丸2で示す1回の走査、すなわちポリゴンミラー部94a、94bを構成する複数のミラー面のうちの1つのミラー面による走査で(T2−T1)が演算できるが、丸3、丸4で示す次回の走査、すなわち丸1、丸2で示した走査を行ったミラー面の次のミラー面による走査が、ポリゴンミラー部94a、94bの面倒れやジターに起因する走査誤差成分を含む場合には、2回目の検出結果(T2′−T1′)や、1回目、2回目の走査と同様に検出される3回目以降の検出結果を平均化して、走査誤差成分の影響を少なくすることが好適である。
なお、図13において、T3、T3‘は、丸1または丸3のビームが走査されてから丸2または丸4のビームが走査されるまでの時間であり、複数のビームの主走査方向間隔に相当し、その時間は少なくとも丸1または丸3のビームにより受光素子45の受光信号が非検出状態になってから、丸2または丸4のビームを走査するのに十分な時間となるように設定されている。これは、受光素子45または受光素子46に同時に複数のビームが入ると誤検知となるためである。T4は丸1またはこれに相当するビームが2回目、またはそれ以降に走査されるまでの時間であり、T3よりも実質的に時間が長く、制御手段はこの間にデータ処理の演算を行っている。
副走査間隔は複数のビームすなわち丸1、丸2のビームのピッチに限らず、1つの光走査結像手段のビームの走査位置を検出ことも可能である。走査位置の場合、式(1)の(T2−T1)を(T1′−T1)に置換することにより達成できる。このとき副走査間隔は変化が無い場合は(T2′−T2)に置換しても同じである。ただし、光源ユニットの温度変化により副走査間隔が影響を受ける場合、(T1′−T1)と(T2′−T2)の平均化処理をすることにより、その影響を小さくすることができる。
受光素子45、46において、主走査方向の同期信号が検出可能である。具体的にはT1またはT1′の信号を検知してから所定時間後に画像の書込みを開始することによってこれを行うことができる。
以上説明したように、一つのビーム検出器から出力される信号を選択的に使用し演算することによりビームの副走査間隔、走査位置、同期信号の検出をすることが可能となる。
以上説明したように、一つのビーム検出器から出力される信号を選択的に使用し演算することによりビームの副走査間隔、走査位置、同期信号の検出をすることが可能となる。
ビーム検出器により、各ビームによる書込み開始の主走査方向の同期がとられるとともに、2箇所に配置されたビーム検出器の走査開始側と終了側の検出時間差に基づき、制御手段により、各ビームに対する駆動クロックの周波数が調整され、各ビームの書込幅を同一となるように補正される。
副走査方向については検出された結果に基づき、制御手段により、走査線の傾き、走査線相互の位置ずれを含む、各走査線の走査線曲がりの補正を行うことが可能である。この補正はたとえば、後述する図16に示す走査位置補正手段としての液晶偏向素子59で行うことができる。その際、あらかじめ設定された許容量を超えた場合について、実行することで無駄な処理時間を要せずプリンタの生産性を維持することが可能である。なお、上記許容量は画像形成装置100を使用するユーザが任意に設定することを可能にするために、外部より任意に変更可能とすることが好適である。
画像形成装置100においては、画像形成前、または製造時の出荷時に、ビーム検出器55に対して光走査を行い、またはビーム検出器55の近傍のみビームを点灯させ、ビーム検出器55の検出結果により得られた各色毎の主走査位置および副走査位置の計測結果を制御手段に備えられた記憶手段により記憶し、プリント中またはプリント後一定の待機時間後に再度光走査を行い、制御手段によって、ビーム検出器55の検出結果により得られた各色毎の主走査位置および副走査位置の計測結果と前記走査位置の計測結果から各色毎の変動量を算出する。
その変動量が副走査方向に所定量以上となる色すなわち制御の必要なビームのみに対応する画像クロックまたは位相を制御手段により制御し、また液晶偏向素子59を有するときにはかかるビームのみに対応する液晶偏向素子59を制御手段により制御して、主走査位置および/または副走査位置の補正を行うことにより、最低限の制御で色ずれの少ない画像をプリントすることが可能となる。
以上説明した、光偏向器81、具体的にはポリゴンミラー94の回転中心を中心に、光学素子たる走査レンズ88、89が対称配置される光走査装置8では、その全体の高さが小型化できるが、光学素子は、光偏向器81、具体的にはポリゴンミラー94の片側に配設され、その1つの光学素子が、ポリゴンミラー94によって反射されたビームのすべてを透過するようにしても良い。図14に、このような構成の光走査装置8を示す。図14以下に示す図およびこれに伴う説明において、すでに述べた構成と同様の構成、または同等の構成には、すでに述べた構成と同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
図14に示す光走査装置8は、光学素子として、走査レンズ58を有している。走査レンズ58は主走査方向にパワーを有し、副走査方向にはノンパワーである。この光走査装置8は、図2等を参照しつつ述べた光走査装置8と異なり、ビームLY、LM、LC、LBKを一方向に走査する。そのため、この光走査装置8に備えられた、図15に示す光偏向器81の内部に配設された偏向部材たるポリゴンミラー94は、ビームLY、LM、LC、LBKそれぞれの反射面である上下四段のポリゴンミラー部94m、94n、94o、94pを、この順で上方から有している。
したがって、ポリゴンミラー94が回転することにより、4色分のビームLY、LM、LC、LBKが同一方向すなわち図14、図15における右方向に偏向され、そのすべてが走査レンズ58を透過する。これに伴い、開口96d、遮風板25も、ポリゴンミラー94の、図14、図15における右方向にのみ配設されている。
ビームビームLY、LM、LC、LBKは、ポリゴンミラー94への入射時およびポリゴンミラー94への出射後、走査レンズ58を透過する際は、各々互いに平行となっている。なおビームLY、LM、LC、LBKが互いに平行でなく、ポリゴンミラー94へ斜入射するような光学系では走査線の曲がりが発生し、かつ、ビームLY、LM、LC、LBKが太径化するため、画質が低下する傾向にある。
図14に示すように、走査結像光学系82は、第2の走査レンズ64を有している。第2の走査レンズ64は、主走査方向に走査レンズ58よりも小となるパワーを有しかつ副走査方向にパワーを有している。第2の走査レンズを透過したビームLはそのまま感光体ドラム20上を走査するようになっている。第2の走査レンズ64の材質は、成形が容易で低コストなプラスチック材質からなり、具体的には低吸水性や高透明性、成形性に優れたポリカーボネートやポリカーボネートを主成分とする合成樹脂が好適である。
光走査装置8は、ポリゴンミラー94の駆動用の駆動回路基板65と、ビームLの進行方向における走査レンズ58の直後、すなわち、走査レンズ58の、光偏向器61と反対側に配設された、走査線を補正する手段である補正偏向手段としての液晶偏向素子である偏向素子59とを有している。
駆動回路基板65は、光偏向器61の下部に一体的に固定され、ハウジング83の下部から外部へ露出するように設置されている。発熱源の一つである駆動回路基板65をハウジング83の外部へ露出することによりハウジング83内の温度上昇を低減することが可能となり、ビームLの位置ずれ、色ずれを防止できる。
偏向素子59は、ビームLの光路中において、第2の走査レンズ64よりも光偏向器81側に配置されており、第2の走査レンズ64からの光路距離が大きくとられている。これは、上述のパワーを有する第2の走査レンズ64からの光路距離が遠いと、偏向素子59の偏向角度に対する走査線の補正量を大きくすることができるからである。同様の理由で、偏向素子59は、ポリゴンミラー94に近いほど良い。
また、ビームLY、LM、LC、LBKが走査レンズ58を透過した直後に偏向素子59に入射するように、偏向素子59を配設したので、ビームLY、LM、LC、LBKのそれぞれに対し、別々に偏向素子59を設ける必要がなく、ビームLY、LM、LC、LBKのすべてに対して一体の偏向素子59を配設でき、省スペース化に寄与している。さらに、偏向素子59の主走査方向の全長を小さくすることが可能となり、材料の歩留まりも向上し安価にできる。
図16または図17に示すように、偏向素子59は、ビームLY、LM、LC、LBKがそれぞれ透過する4つの透過部66Y、66M、66C、66BKと、4つの透過部66Y、66M、66C、66BKを挟持するようにして支持した一対のレーザ透過部材としての基板67、67と、透過部66M、66C、66BKのそれぞれに対して配設され透過部66M、66C、66BKに電圧を印加して偏向を制御する駆動回路68とを有している。
透過部66YはビームLに干渉することのない素通しの部分であり、透過部66M、66C、66BKはそれぞれ、液晶偏向部としての偏向部69を主走査方向すなわち図16における左右方向に直線状に複数有している。
基板67、67は、透過部66Y、66M、66C、66BKを一体に支持している。基板67、67は、ビームLの透過率の高い樹脂製であるが、他にもたとえばガラス製とすることができる。
基板67、67は、透過部66Y、66M、66C、66BKを一体に支持している。基板67、67は、ビームLの透過率の高い樹脂製であるが、他にもたとえばガラス製とすることができる。
透過部66M、66C、66BKは、基板67、67のそれぞれの互いに対向する面上に固定された一対の透明電極71、71と、透明電極71、71のそれぞれの互いに対向する面上に固定された一対の配向膜75、75と、配向膜75、75間に配設され配向膜75、75の間隔を所定の間隔に規定する一対のスペーサ76、76と、配向膜75、75およびスペーサ76、76により密閉された空間内に充填された液晶層77とを有している。
駆動回路68は、各透過部66M、66C、66BKに備えられた透明電極71、71のそれぞれに接続されている。各制御回路68の動作は、制御手段によって制御される。制御手段は、ビームLYの走査位置を基準走査位置として、各透過部66M、66C、66BKによる走査位置の補正のための補正量の演算・設定を行う。制御手段が行う、走査位置の補正のための補正量の演算・設定は、すでに述べたとおりである。
透明電極71、71のうちの一方の透明電極71は接地されている。
透明電極71、71のうちの一方の透明電極71は接地されている。
したがって、偏向素子59は、ビームLYは素通しさせ、ビームLM、LC、LBKに対しては、制御手段が、図18に示すように、副走査方向に所定の偏向角を持って偏向させることで、走査位置の補正を行い、ビームLM、LC、LBKの走査位置をビームLYの走査位置に略合致させる。
なお、透過部66Yも、透過部66M、66C、66BKと同様の構成として偏向を行うようにしても良い。
なお、透過部66Yも、透過部66M、66C、66BKと同様の構成として偏向を行うようにしても良い。
偏向素子は、光源ユニットとポリゴンミラー94との間に配設することもでき、この場合、たとえば一色当たり複数本あるビームのそれぞれに対して偏向素子を配設することにより、一色当たりのビームの副走査方向の相対的な間隔を補正することも可能となる。偏向素子は図2等を参照して説明した形態の光走査装置8にも適用可能であり、かかる光走査装置8に適用すれば本形態における偏向素子59と同様の利点が有る。
走査レンズ58は、ビームLY、LM、LC、LBKの全てを透過するため高さ方向の大きさが大きくなっているが、遮風板25等、走査レンズ88、89の温度上昇や温度分布を抑制するための構成が、走査レンズ58に対しても採用されていることから、走査レンズ58の昇温は45℃以下とされているとともに、主走査方向の温度分布は2℃以下とされ、主走査方向における温度が略一致しているとともに、副走査方向の温度分布も低いレベルで抑制されているため、各色が透過する部分の相対的な温度差も小さく、位置ずれや色ずれの低減が高精度に達成されている。
図15に示すように、ポリゴンミラー94は、ポリゴンミラー部94mとポリゴンミラー部94nとの間に形成された凹部である空間部94qと、ポリゴンミラー部94nとポリゴンミラー部94oとの間に形成された凹部である空間部94rと、ポリゴンミラー部94oとポリゴンミラー部94pとの間に形成された凹部である空間部94sとを有している。円周凹部としての円周溝94hは空間部94sの上面に形成されている。
円周溝94eは、図2等を参照して説明した形態の光走査装置8と同様に、バランス修正のための接着剤の塗布が可能な内周面を有している。円周溝94eはまた、回転体26を軸受け97に嵌合して組立を行うとき、および後述するミラー加工をおこなうときの、ハンドリング性を向上する外径部としての把持部94tを形成しているとともに、シャフト10とポリゴンミラー94との焼きばめ時の応力がポリゴンミラー部94m、94nに伝達しないよう応力を遮断する機能を有している。このことは、図2等を参照して説明した形態の光走査装置8においても同様である。ただし、図3において、符号94tの図示は省略している。円周溝94eの深さH31は、上面94dからポリゴンミラー部94nの下面までの高さH32と同等もしくはそれ以上とすることが好適である。
ポリゴンミラー部94o、94pについては、これに対する応力の遮断機能は下部円周溝94gと凹部94iとにより果たされている。下部円周溝94gの上面は、ポリゴンミラー部94oの上面よりも上部に位置している。
空間部94q、94r、94sのそれぞれの、シャフト95の軸方向の幅H12、H13、H14はそれぞれ互いに等しい1mmである。これは、図2等を参照して説明した形態の光走査装置8と同様に、バランス修正時に円周溝94hに接着剤を塗布するときの作業性を考慮したものである。なおH12、H13、H14は必ずしも同一である必要はない。
空間部94q、94r、94sのそれぞれの、シャフト95の軸方向の幅H12、H13、H14はそれぞれ互いに等しい1mmである。これは、図2等を参照して説明した形態の光走査装置8と同様に、バランス修正時に円周溝94hに接着剤を塗布するときの作業性を考慮したものである。なおH12、H13、H14は必ずしも同一である必要はない。
ポリゴンミラー部94m、94n、94o、94pの、シャフト95の軸方向におけるそれぞれの中心間の間隔H22、H23、H24は走査レンズ58の副走査方向の高さにより決定される。本形態において、間隔H22、H23、H24の高さは5mmである。間隔H22、H23、H24の高さが5mm以上となる場合、回転体26の重心Gが軸受けホルダ98よりも上方に位置するが、軸受けホルダ98は、図2等を参照して説明した形態の光走査装置8と同様にモータハウジング96に焼きばめしているので、固定剛性が高く、アンバランス振動が増大することはない。
H22、H23、H24は同一である必要はない。たとえば、同一のレンズを2個、上下に重ね合わせて、かかる上下2層のレンズで走査レンズ58を構成することで、部品の共通化や、1個あたりのレンズ体積を減少させて成形時間の短縮化を図る場合には、かかる2個のレンズを一体化して固定するために接着剤を用いるとすれば、2個のレンズの間に形成される接着層等の厚みを考慮し、H22を、H21、H23よりも広くすることができる。
空間部94q、94r、94sは、ポリゴンミラー94の回転数の上昇とともに増加する風損を低減するために設けられている。
図19に、空間部94q、94r、94sを設けた場合と、設けない場合すなわち間隔H22、H23、H24の高さを0mmとした場合言い換えると空間部94q、94r、94sを形成しなかった場合とで、風損と等価である消費電力を比較した結果を示す。
図19に、空間部94q、94r、94sを設けた場合と、設けない場合すなわち間隔H22、H23、H24の高さを0mmとした場合言い換えると空間部94q、94r、94sを形成しなかった場合とで、風損と等価である消費電力を比較した結果を示す。
図19から、ポリゴンミラー94の回転数が増加するにつれて、空間部94q、94r、94sを設けた場合の消費電力が、空間部94q、94r、94sを設けなかった場合の消費電力に比べて大きく抑制されている。特に25,000rpm以上の高回転領域になると、空間部94q、94r、94sを設けた場合の消費電力が、空間部94q、94r、94sを設けなかった場合の消費電力の1/2以下となり、消費電力の低減効果が高いことがわかる。
このことから空間部94q、94r、94sを形成したことにより、回転数の上昇とともに増大する風損を効果的に低減できたことが分かる。また、消費電力の上昇とともに風切音の騒音も増大するため、空間部94q、94r、94sを設けた場合、空間部94q、94r、94sを設けなかった場合に比べて、静音であることも明確になった。
図14、図15に示したポリゴンミラー94の製造方法を説明する。なお、この製造方法は、図2等を参照して説明したポリゴンミラー94の製造方法にも適用できる。
ポリゴンミラー94は、まず鍛造されたダイキャストである金型で、ポリゴンミラー部94m、94n、94o、94pのそれぞれの反射面数に相当する、多角柱状のブランクを作成し、その後、ポリゴンミラー94のシャフト95が挿入され焼きばめされる内径部94jを円筒度3μm以下の高精度で加工して形成する。その後、空間部94q、94r、94s、円周溝94e、下部円周溝94g等を切削加工して形成する。
ポリゴンミラー94は、まず鍛造されたダイキャストである金型で、ポリゴンミラー部94m、94n、94o、94pのそれぞれの反射面数に相当する、多角柱状のブランクを作成し、その後、ポリゴンミラー94のシャフト95が挿入され焼きばめされる内径部94jを円筒度3μm以下の高精度で加工して形成する。その後、空間部94q、94r、94s、円周溝94e、下部円周溝94g等を切削加工して形成する。
この空間部94q、94r、94sの切削加工の際、内径の角形状にR状の丸みを設ける。このR状の丸みは、たとえばポリゴンミラー部94m、94n、94o、94pの厚さが3mmの場合、角部の半径を3mm以下とするなど、ポリゴンミラー部94m、94n、94o、94pの厚み分の半径以下とすることが望ましい。これは、図20を参照して後述するポリゴンミラー部94m、94n、94o、94pの鏡面加工時に、切削用バイトとしての刃物であるバイト78の切削方向である図20の上下方向に切削荷重がかかるため、その荷重に対して変形を小さくするために剛性を高めることを目的とするものである。
空間部94q、94r、94sの径はポリゴンミラー部94m、94n、94o、94pの内接円径よりも、直径で0.1mm以上の小径となっている。この理由は、鏡面加工時に、バイト78の先端がポリゴンミラー部94m、94n、94o、94p以外の部分に衝突することを避けるためである。
その後、シャフト95を内径部94jに焼きばめしてから、鏡面加工によってポリゴンミラー部94m、94n、94o、94pする。このように、ポリゴンミラー部94m、94n、94o、94pを形成するための鏡面加工は、少なくともシャフト95とポリゴンミラー94に焼きばめ固定されたのちに行われる。
図20に示すように、ポリゴンミラー部94m、94n、94o、94pを形成するための鏡面加工は、シャフト95の、軸受け97に保持される部分の全体すなわち全長、全周を、堅固に保持し、加工時の作用力に対して保持力を高めたうえで行う。シャフト95の外径の保持には、シャフト95の外径よりも僅かに広い内径を有する油圧縮径式の保持部材79を使用する。
保持部材79は、図示しない油圧機構により上昇する油圧により、その内周部79aが縮径し、シャフト95を堅固に保持し、固定する。この保持方法はシャフト95の軸方向における保持力の偏りが起きにくいため、軸振れの発生が抑えられ、高精度加工をする際の基準を形成するのに好適である。
保持部材79でシャフト95を固定した後、軸受シャフト10の外径を基準にして、バイト78が上下動し、ポリゴンミラー部94m、94n、94o、94pを形成するための鏡面加工行われて、ポリゴンミラー部94m、94n、94o、94pが形成される。
鏡面加工時に発生する切削切り粉すなわち切り粉は、空間部94q、94r、94sに逃げるので、切り粉によるスクラッチが防止される。
このような鏡面加工工程によれば、従来、面倒れ特性を維持するために必要であったポリゴンミラー搭載面の平面度や直角度を、高精度に設定する必要がなくなる利点がある。
鏡面加工時に発生する切削切り粉すなわち切り粉は、空間部94q、94r、94sに逃げるので、切り粉によるスクラッチが防止される。
このような鏡面加工工程によれば、従来、面倒れ特性を維持するために必要であったポリゴンミラー搭載面の平面度や直角度を、高精度に設定する必要がなくなる利点がある。
本形態の画像形成装置100のようにフルカラーの画像を形成する画像形成装置に用いられる光走査装置に搭載するポリゴンミラーとして、本形態のポリゴンミラー94のように、上述のような切削加工を行うことによって形成した、シャフトの軸方向に離間した複数段のポリゴンミラー部を有するポリゴンミラーを用いることは、次の観点から好適である。すなわち、上述のような切削加工を行うことによって、各段のポリゴンミラー部の形状を互いに同じ位相となるように揃えることができるため、各段のポリゴンミラー部の位相が異なるなどして互いの凹凸形状が異なることがなく、よって、理想の基準に対して、ずれる方向が異なることがないため、各ビームに対応する各色の画像毎にずれが生じてしまうことがなく、主走査方向の色ずれが発生することがないという観点から好適である。
以上、本発明を実施するための形態として、本発明を適用した光走査装置8および画像形成装置100について説明した。この説明においては、光学素子を走査レンズとしたが、光学素子は、温度の変位により光学特性が劣化する部材であればどのようなものであってもよく、たとえば、かかる説明中における光学素子群を構成するとして説明した、走査レンズとは異なる部材であっても良い。本発明の適用は、上述の説明において特に限定を行っていない限り、上述の形態に限られるものではない。
20Y、20C、20M、20BK 像担持体
25 遮風部材、ビームを透過する部材
28 偏向部材の回転中心を含み主走査方向に垂直な平面
31、32、33、34 光学素子を覆う部材
44 偏向部材の回転中心を含み主走査方向に垂直な平面に垂直な平面
45、46 受光素子
45a、45b、46a、46b 受光部
55 ビーム検出手段
58、88、89 光学素子
58 偏向部材の片側に配設した光学素子
88、89 偏向部材の回転中心を中心に対称に配設した光学素子
94 偏向部材
95 回転軸
96 筐体、光学素子を間接的に支持する部材
97 軸受け
98 軸受け支持部材
100 画像形成装置
L、LY、LM、LC、LBK 偏向部材により偏向されたビーム
25 遮風部材、ビームを透過する部材
28 偏向部材の回転中心を含み主走査方向に垂直な平面
31、32、33、34 光学素子を覆う部材
44 偏向部材の回転中心を含み主走査方向に垂直な平面に垂直な平面
45、46 受光素子
45a、45b、46a、46b 受光部
55 ビーム検出手段
58、88、89 光学素子
58 偏向部材の片側に配設した光学素子
88、89 偏向部材の回転中心を中心に対称に配設した光学素子
94 偏向部材
95 回転軸
96 筐体、光学素子を間接的に支持する部材
97 軸受け
98 軸受け支持部材
100 画像形成装置
L、LY、LM、LC、LBK 偏向部材により偏向されたビーム
Claims (18)
- 光源から出射されたビームを回転により偏向する偏向部材と、この偏向部材により偏向されたビームを像担持体に結像させるための光学素子と、上記偏向部材の回転により生じた、同偏向部材から上記光学素子に向かう気流を遮断する遮風部材とを有する光走査装置。
- 請求項1記載の光走査装置において、上記遮風部材が、上記偏向部材と上記光学素子との間において、同偏向部材により偏向されたビームの光路中に配設された、同ビームを透過する部材であることを特徴とする光走査装置。
- 請求項2記載の光走査装置において、上記光学素子を、上記偏向部材の片側に配設し、同光学素子が、同偏向部材により偏向されたビームのすべてを透過することを特徴とする光走査装置。
- 請求項2記載の光走査装置において、上記光学素子を、上記偏向部材の回転中心を中心に対称に配設したことを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし4の何れか1つに記載の光走査装置において、上記遮風部材の熱伝導率が、上記光学素子よりも大きいことを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし5の何れか1つに記載の光走査装置において、上記遮風部材の熱膨張率が、上記光学素子よりも小さいことを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし6の何れか1つに記載の光走査装置において、上記偏向部材によるビームの主走査方向における上記光学素子の中心が、上記偏向部材の回転中心を含む平面であって上記主走査方向に垂直な平面上に位置することを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし7の何れか1つに記載の光走査装置において、上記偏向部材を覆い、上記光学素子と対向する筐体を有し、この筐体と、上記光学素子との、互いに対向する部分の形状が、略同一であることを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし8の何れか1つに記載の光走査装置において、上記光学素子を直接的または間接的に支持する部材を低熱伝導率の材質としたことを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし9の何れか1つに記載の光走査装置において、上記光学素子の、ビームが入出射する部分を除く部分の少なくとも一部を、同光学素子の熱伝導率よりも大きな熱伝導率の部材で覆ったことを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし10の何れか1つに記載の光走査装置において、上記偏向部材の回転軸と、この回転軸の軸受けと、この軸受けを支持する軸受け支持部材とを有し、上記軸受けを、上記軸受け支持部材に対し、焼きばめにより固定したことを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし11の何れか1つに記載の光走査装置において、上記偏向部材の回転軸の倒れを、上記偏向部材の回転中心を含む平面であって上記偏向部材によるビームの主走査方向に垂直な平面内において最小とし、上記偏向部材の回転方向において上記平面に垂直な平面内において最大としたことを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし12の何れか1つに記載の光走査装置において、上記偏向部材によるビームの主走査方向に対しそれぞれ異なる角度で傾斜した複数の受光部を備えた受光素子を、上記主走査方向にずらして複数備えたビーム検出手段を有することを特徴とする光走査装置。
- 請求項13記載の光走査装置において、上記ビーム検出手段を、下方に傾斜して配設したことを特徴とする光走査装置。
- 請求項13または14記載の光走査装置において、上記ビーム検出手段による検出結果に基づいて、ビームによる走査を制御する制御手段を有することを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし15の何れか1つに記載の光走査装置において、上記偏向部材により複数のビームを偏向することを特徴とする光走査装置。
- 請求項16記載の光走査装置であって、上記ビーム検出手段と上記制御手段とを有する光走査装置において、上記ビーム検出手段を複数のビームそれぞれに対して有し、上記制御手段が、ビームによる走査の制御を、上記ビーム検出手段による検出結果に基づいて、制御の必要なビームに対してのみ行うことを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし17の何れか1つに記載の光走査装置と、この光走査装置によって潜像を形成される像担持体とを有する画像形成装置。
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JP2004046999A JP2005234506A (ja) | 2004-02-23 | 2004-02-23 | 光走査装置及び画像形成装置 |
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-
2004
- 2004-02-23 JP JP2004046999A patent/JP2005234506A/ja active Pending
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US8780159B2 (en) | 2008-08-20 | 2014-07-15 | Ricoh Company, Ltd. | Optical scanner and image forming apparatus including same |
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