JP2005173354A - 光偏向器 - Google Patents

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Abstract

【課題】光走査装置に用いられる光偏向器は使用すべき回転数の近傍に固有振動数を有し、そう有オンが大きくなったり、ビームスポットの位置精度が劣化して画質低下が生ずるなどの問題があった。
【解決手段】ポリゴンスキャナ本体1には、シャフト10が焼きばめされたレーザビーム偏向部材としてのポリゴンミラー8を有する回転部材2が、軸受ホルダ3に圧入された軸受部材5に回転自在に保持されている。軸受ホルダ3は、ハウジング214の底面のほぼ中央部に焼きばめされており、ハウジング214の底部に近づくほど大径となるテーパ状に形成され、そのテーパ部に巻線コイル4とステータコア4aからなるモータ部が圧入されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光偏向器による光走査装置、カラー画像形成装置等に用いることのできるレーザラスタ書込み光学系に関する。
カラー画像形成装置等の高速プリント化・高画質化を実現するにあたって、光走査装置に用いられる光偏向器(以下ポリゴンスキャナ)を25000rpm以上の高速で、かつ高精度に回転させる必要が生じている。さらに、レーザビームの小径化による高画質化のため、光走査装置においては上記ポリゴンスキャナに使用される光偏向部材となるポリゴンミラーの内接円半径増大や、主走査または副走査方向のミラー面の広幅化が進み、回転体としての質量が増大することにより、ポリゴンスキャナとして高負荷化の動向にある。
従来、質量の大きい回転体を、一般的に軸受剛性が低いといわれる動圧軸受で支持すると、回転体のアンバランスによる振動が大きく発生するため、動圧軸受の軸受径を大径化して軸受剛性を確保していた。その反面、軸受損失が大きくなり軸受部の発熱、温度上昇が増加し、回転体バランス悪化による振動増加の問題が生ずる結果となっていた。特に、上記のような高負荷ポリゴンミラーの場合、消費電力が大きく、発熱による温度上昇が回転体構成部品(特に質量割合の多いポリゴンミラー)の微小移動を誘発し、回転体バランスを変化させ、高温環境時に振動が増大する。
ポリゴンスキャナの振動は、光走査装置内に配置されているレンズや、折り返しミラー等の光学素子に伝播、拡大し画像形成時にバンディングや振動に起因する騒音が発生する。特に大径であったり、あるいは軸方向に厚みがあるか、または複数段に構成されたポリゴンミラーの場合は、回転体の重心位置が軸端側(ポリゴンミラー側)に偏るため上記問題は顕著となる。
また、回転体を構成している部品(ポリゴンミラー、ロータ磁石が固定されるフランジ、軸)の熱膨張率が異なっていると、部品公差によるばらつきや固定方法などを考慮して厳密に管理、検査する必要があり、コストアップの要因ともなっていた。
軸の剛性を高めて回転時の振動を低減させる提案がある(例えば、特許文献1 参照。)。この提案によれば、固定軸は固定ねじの頭部とベースとの間に両持ち梁の構成で挟持固定され、さらに固定ねじの軸部は、固定軸の貫通孔に挿入されている部分において、半分以上の長さを非ねじ部としたので剛性が高くなり、軸部全体をねじ部とした固定ねじで固定する従来例よりも、固定軸がロータの高速回転による加振力に対し振動を生じ難く、光偏向器の回転時の振動を低減することができる。
しかしながら、固定軸の内部に貫通穴が必要となり、軸受径が大きくなってしまう。その結果、軸受損失が大きくなり、軸受部の発熱、温度上昇を引き起こし、回転体バランス悪化による振動増加の問題が発生する。また、さらにシャフトが回転する方式には採用できないため、不都合である。
特開平2001−174743号公報(第4頁、第1図)
本発明はポリゴンスキャナの振動を低減するとともに、ビームスポットの位置精度を向上させ、カラー機の高画質化、静音化を達成することを目的とする。
請求項1に記載の発明では、レーザビームを偏向させる偏向部材としての回転部材と、該回転部材の回転軸となるシャフトと、該シャフトを回転自在に支持する軸受部材と、該軸受部材を保持する軸受ホルダと、該軸受ホルダに取り付けられたモータ部と、ハウジングと、前記回転部材を回転駆動する回転装置とを有する光偏向器において、前記軸受部材は潤滑油が含浸されており、前記軸受ホルダは前記ハウジングの底部に焼きばめ固定されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、レーザビームを偏向させる偏向部材としての回転部材と、該回転部材の回転軸となるシャフトと、該シャフトを回転自在に支持する軸受部材と、該軸受部材を保持する軸受ホルダと、該軸受ホルダに取り付けられたモータ部と、ハウジングと、前記回転部材を回転駆動する回転装置とを有する光偏向器において、前記軸受部材は潤滑油が含浸されており、前記軸受ホルダは前記ハウジングの底部の中央部に一体部材で形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の光偏向器において、前記軸受ホルダの外径は、前記ハウジングの底部の側に向かって大径となるテーパ形状となし、該テーパ部に前記モータ部を固定したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光偏向器において、前記ハウジングは前記回転部材の周囲を覆い、前記レーザビームが入出射する窓部を一体的に形成したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光偏向器において、前記回転部材の重心位置は、前記シャフトが前記軸受部材に挿入された範囲より外に位置するシャフト内にあることを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の光偏向器において、前記偏向部材は複数のレーザビームを一方向に同時に走査可能な構成であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の光偏向器と、複数の走査結像手段と、を単一の光学ハウジング内に収容し、複数のレーザビームを同時に走査する光走査装置を特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の光走査装置と、潜像担持体と、潜像を可視化する現像装置とを有し、前記光走査装置により前記潜像担持体に潜像を形成し、該潜像を前記現像装置で可視化して所望の記録画像を得るカラー画像形成装置を特徴とする。
本発明は光偏向器における潤滑油が含浸された軸受部材を保持する軸受ホルダとハウジングを焼きばめ固定したことにより軸受固定部が高剛性化し、回転体のアンバランス振動が小さい光偏向器を提供できる。
本発明の説明に先立って、本発明を適用しうる光走査装置の説明をする。
図6は光走査装置を用いたカラー画像形成装置を示す概略図である。
同図において符号101は画像形成装置、102は中間転写ベルト、103は感光体、104は給紙装置、105は光走査装置、106は現像装置、107は定着装置、Y、M、C、Kはイエロー、マゼンダ、シアン、ブラック現像色をそれぞれ示す。
光走査装置105は単一の光学ハウジングに収納され、カラー画像形成装置101内に配置されている。光走査装置105は画像形成装置101内の4つの感光体103Y、103M、103C、103Kが並設された作像部の上方に配置されている。
潜像担持体である複数の感光体103Y,103M,103C,103Kを並列に配置したタンデム型のカラー画像形成装置である。装置上部から順に光走査装置105、現像装置106、感光体103、中間転写ベルト102、定着装置107、給紙カセット104がレイアウトされている。
中間転写ベルト102には各色に対応した感光体103Y、103M、103C、103Kが並列順に等間隔で配設されている。感光体103Y、103M、103C、103Kは同一径に形成されたもので、その周囲には電子写真プロセスに従い部材が順に配設されている。感光体103Yを例に説明すると、図示しない帯電チャージャ、光走査装置105から出射された画像信号に基づくレーザビームL1、現像装置106Y、図示しない転写チャージャ、図示しないクリーニング装置等が順に配設されている。他の感光体103M,103C,103Kに対しても同様である。即ち、感光体103Y,103M,103C,103Kを各色毎に設定された被走査面とし、各々に対して光走査装置105からレーザビームL1、L2,L3、L4が各々に対応するように設けられている。
帯電チャージャにより一様に帯電された感光体103Yは、矢印A方向に回転することによってレーザビームL1を副走査し、感光体103Y上に静電潜像が形成される。また、光走査装置105によるレーザビームL1の照射位置よりも感光体103の回転方向下流側には、感光体103Yにトナーを供給する現像器106Yが配設され、イエローのトナーが供給される。現像器106Yから供給されたトナーは、静電潜像が形成された部分に付着して可視化され、トナー像が形成される。同様に感光体103M,103C,103Kには、それぞれM、Y、Kの単色トナー像が形成される。各感光体103Yの現像器106Yの配設位置よりもさらに回転方向下流側には、中間転写ベルト102が配置されている。中間転写ベルト102は、複数のローラ102a、102b、102cに巻付けられ、図示しないモータの駆動により矢印B方向に移動搬送されるようになっている。この搬送により、中間転写ベルト102は順に感光体103Y、103M、103C、103Kに移動されるようになっている。中間転写ベルト102は感光体103Y、103M、103C、103Kで現像された各々単色画像を順次重ねあわせて転写し、中間転写ベルト102上にカラー画像を形成するようになっている。その後、給紙装置104から転写紙が矢印C方向に搬送されカラー画像が転写される。カラー画像が形成された転写紙は、定着装置107により定着処理後、所望の記録画像としてのフルカラー画像が排紙される。
図7は多色用光走査装置の詳細を示す図である。
同図において符号108はポリゴンミラー、110は複数の光源、111はレーザ透過部材、114は第1のレンズ、115は液晶偏向装置、116はミラー、117は第2のレンズ、119はハーフミラー、122、123.124は走査線ずれ検出手段をそれぞれ示す。
カラー機用として4色分(イエロ、マゼンダ、シアン、ブラック)の走査結像光学系をもち、各色に相当するレーザビームが感光体に集光する図を示している。
同図の光源110は、半導体レーザとカップリングレンズとシリンドリカルレンズとにより構成される光源装置を4組有している。各半導体レーザから放射される光束は、カップリングレンズにより以後の光学系に適合する光束形態(平行光束あるいは弱い発散性もしくは集束性の光束)に変換され、シリンドリカルレンズにより副走査方向に集束されて偏向走査手段であるポリゴンミラー8の偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像として結像される。光源における4つの半導体レーザは、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色成分画像を書込むための情報を担った光束を放射する。
ポリゴンミラー108の回転により同一方向に偏向された4色分の偏向光束は、走査結像光学系のfθレンズ群を構成する第一のレンズ114を透過する。ブラック成分画像を書込む光束(例えばレンズの上端の位置)はミラー116Kで反射され、fθレンズ群を構成する第二のレンズ117Kを透過し、ハーフミラー119Kを透過して被走査面の実態を成すドラム状の光導電性の感光体103K上に光スポットとして集光し、感光体103Kを矢印方向に光走査する。fθレンズ群の114、117Kの材質は非球面形状が容易かつ低コストなプラスチック材質からなり、具体的には低吸水性や高透明性、成形性に優れたポリカーボネートやポリカーボネートを主成分とする合成樹脂が好適である。
イエロー、マゼンタ、シアンの各色成分画像を書込む光束もそれぞれ上記と同様に、ミラーで反射され、レンズを透過し、ハーフミラーを透過してドラム状の光導電性の感光体上に光スポットとして集光し、各色とも同一の矢印方向に走査される。この光走査により各感光体に対応する色成分画像の静電潜像が形成される。煩雑さを避けるため、ブラック以外の各色に相当する光学素子等は符号を省略した。
これら静電潜像は、同図には図示されない現像装置106により、対応する色のトナーで可視化され、中間転写ベルト102上に転写される。転写の際、各色トナー画像は互いに重ね合わせられカラー画像を構成する。このカラー画像は、給紙装置104から給紙される図示されないシート状記録媒体上ヘ転写され、定着装置107で定着される。カラー画像転写後の中間転写ベルト102は図示されないクリーニング装置でクリーニングされる。
即ち、ここまで説明した部分は、カラー画像を構成する2以上の色成分画像に対応する複数の光源装置から放射された各光束を、偏向走査手段のポリゴンミラー108により偏向走査し、各偏向光束を走査結像光学系のレンズ114 、117 により、各色成分画像に対応する被走査面103に向かって個別的に集光させて光走査を行い、各色成分画像の書込みを行う光走査装置である。複数の光源装置から放射され、偏向走査手段により同一方向に偏向された各光束は、走査結像光学系を構成する第一のレンズ114を共通に透過する構成である。
なお、各色の偏向光束はハーフミラーにより分離された部分が、走査領域の開始側、終了側で受光素子P1K(開始側)、P2K(終了側)により検出される。開始側での検出に基づき、各光束による書込み開始の同期がとられる。また、開始側と終了側の検出時間差に基づき、各光束に対する駆動クロックの周波数が調整され、各光束の書込幅を同一となるように補正される。なお、受光素子P1K、P2Kが固定される固定板B1,B2は別部材で示しているが、温度が50℃以上の高温に曝される場合、または各色部に配置されている受光素子部の温度差が5℃以上ある場合、固定板は同一の基板上に配置することが好適である。その際の固定板は熱膨張率1.0×10−5/℃以下の材質からなり、温度変動による影響(ビーム検出器の移動、および相対位置関係の移動により正確な検出ができなくなる)を実質的になくしている。さらにビーム検出器をフォトダイオードで構成した場合に複数のビーム検出器間に発生する電気ノイズの影響をなくすために、固定板231は非導電性で有ることが好適である。具体的にはガラス(熱膨張率0.5×10−5/℃)、セラミック材質(アルミナ:熱膨張率0.7×10−5/℃、炭化珪素:熱膨張率0.4×10−5/℃)が好適である。なお、アルミ合金(熱膨張率2.4×10−5/℃)では温度変動によりビーム検出精度が劣化する。
また、同図において、符号111はポリゴンミラー108 を略密閉状態に収納するアルミダイキャストからなるハウジングのレーザ透過部材を示しており、光源110側からの各光束はレーザ透過部材111を介してポリゴンミラー108に入射し、偏向光束はレーザ透過部材111を介してレンズ114 に入射する。
走査線ずれ検出部122 、123 、124 は、別の半導体レーザからの光束を集光レンズで集光して中間転写ベルト102の定位置を照射し、反射光をレンズにより受光素子上に結像するようになっている。走査線ずれ検出を行うときは、各光束により1走査の中で両端、中央の3箇所部分に検知用のパターン121aが書込まれ、現像可視化されて中間転写ベルト102に転写される。このとき、各色の検知用のパターン121aは、中間転写ベルト102上において互いに副走査方向に等間隔となるように形成される。これら検知用のパターン画像は、走査線ずれ検出手段の各検出部で検出され、その結果に基づき、各走査線の走査線曲がり(走査線の傾き、走査線相互の位置ずれを含む)が決定される。
第1レンズ114の直後には、走査線を補正する手段である液晶偏向装置115が配置されている。配置位置は複数の走査結像手段の光路のうち副走査方向にパワーを有するレンズよりも光源装置側に配置され、ポリゴンミラーに近いほど良い。上記位置であれば副走査方向にパワーを有するレンズに対して遠くなるため、液晶偏向装置の偏向角度に対する走査線の補正量を大きくすることができる。
図8は液晶偏向装置の概略構成を示す正面図である。
液晶偏向装置115 は、4つの部分115K 、115C 、115M 、115Yを有している。符号115K で示す部分は「素通し」であり、符号115Y 、115M 、115C で示す部分は液晶偏向部が主走査方向に複数配置されている。
液晶偏向装置115は各色とも主走査方向に長手となるように構成され、主走査方向の長さは少なくとも画像領域の範囲を、副走査方向には少なくともビーム光束の幅(副走査方向)以上の範囲がカバーできるように設定されている。なお、液晶層の副走査方向の幅は、光走査装置を構成する部品の配置ばらつきや部品寸法のばらつきによるビームのけられを考慮して、入射ビーム光束の副走査方向幅よりも2mm以上広く設定している。
主走査方向には幅Wの駆動区間(以下ブロックという)に略均等に分割されて駆動される。同図の例ではb1、b2、・・・、b9、b10の10ブロックある。ブロックの分割数はレンズの特性により、適宜設定される。なお、1ブロック内は複数単一素子に略均等に分割されている。同図の例では5分割してある。縦線は素子に分割されている領域を示しており、縦太線はブロックの境界線を判り易くするために、誇張して示した。
各ブロックは入射するビーム光束の主走査方向の幅よりも広く設定している。なぜなら、主走査方向の幅よりも狭い場合、偏向時常にビーム光束が副走査方向に分離されることになり、ビーム劣化が避けられないからである。したがって、入射ビーム光束幅には主走査方向に分割された液晶層が複数入り、また分割された隣接の境界幅(縦線の線幅:液晶層の無い非偏向部)は入射ビーム光束幅の1/50以下となるように設定され、かつ境界幅が入る全数の幅の合計が1/10以下に設定されている。たとえば同図で入射ビーム光束幅が10mmのとき境界幅は0.2mm(0.2mm/10mm=1/50)で、境界幅を4つ跨ぐ(0.2mm×4/10mm=1/12.5)という設定である。これ以上となる場合、偏向後のビームプロファイルが劣化し、感光体に結像する光スポット径が太る等の不具合が発生する。
ブロック内を複数に分割することにより、駆動境界部以外でも入射光束に対して分割境界部分(非偏向部)が存在することになり、境界部の影響(ビームの劣化)を目立たなくすることができる。
なお偏向角は駆動電圧波形の波高値またはパルス幅デューティにより任意に可変であり、その偏向角はつぎのように設定される。まず、画像出力の開始信号の入力により、液晶偏向装置115内の走査線基準色部分(ブラック)115Kを透過させたレーザビームの走査位置をP1K、P2Kにより検出し、その検出結果に基づき所望の値以下であれば他の色に相当する液晶層115C、115M、115Y部を駆動せず、それ以上であれば液晶偏向層115C、115M、115Y部のいずれかまたは全部を所定量偏向駆動し走査位置の補正を行う。また、Wをほぼ一定とせず、ブロックの幅を、走査結像光学系の特性により、温度変動などで走査位置ずれが発生しやすい箇を狭くし、それ以外の箇所を広くすることにより、ビーム検出器の個数を少なくすることができる。
図9は液晶偏向素子の縦断面図である。
図10は液晶偏向素子による光ビームの偏向状態を示す図である。
両図において符号43は液晶層、141は液晶駆動回路、142はレーザ透過部材をそれぞれ示す。
液晶偏向装置内の115Y 、115M 、115C における接地電極、液晶層、レーザ透過部材(例えば、透過率の高い樹脂、ガラスなど)が共通に構成されている。すなわち、走査線曲がりを補正すべき各偏向光束に対する液晶偏向装置内の115Y 、115M 、115C が同じレーザ透過部材により一体化されている。
したがって、液晶偏向装置115は、ブラック成分画像を書込む光束は素通しさせ、イエロー、マゼンタ、シアンの各色成分画像を書込む光束に対しては、走査線曲がりの補正を行う。補正量の演算・設定は、図示されないコントローラが行う。これらの光束の走査線曲がりを、ブラック成分画像書込み用の光束の走査線曲がりを基準とした基準走査線曲がりに略合致させる。図7の構成では、共通の光路、すなわち、第1のレンズ114 を透過した後に、液晶偏向装置115による走査線補正手段を配置することにより、各色の液晶偏向装置115のように容易に一体構成できている。ブラックの部分も他の色と同様に液晶層を構成することも可能であるが、それを駆動するための電極が必要となり、また駆動回路も必要となり消費電力の増加やコストアップとなってしまう。
なお、第1のレンズ114は主走査方向にパワーを有し、かつ副走査方向にはノンパワーとし、第2のレンズ117は主走査方向に第1のレンズ114よりも小となるパワーを有し、かつ副走査方向にもパワーを有しており、液晶偏向装置115を配置する好適な位置は、副走査方向にパワーを有するレンズの前が良く、図7で最も好適な位置は折り返しミラー116よりも前で第1のレンズ114の直後である。より光源側に近く配置することにより、液晶偏向装置115の主走査方向の全長を小さくすることが可能となり、材料の歩留まりも向上し安価にできる。
図1は本発明の光偏向器としてのポリゴンスキャナの実施例を示す断面図である。
同図において符号1はポリゴンスキャナ本体、2は回転部材、3は軸受ホルダ、4は巻線コイル、5は軸受部材、7はスラスト受部材、8はポリゴンミラー、10はシャフト、11はレーザ透過部材、12はホール素子、14は回路基板、211はロータ磁石、214はハウジング、215は上フタ、A、B、C、Dはレーザビーム、D1はボス径、Gは重心位置、Hは高さ方向の寸法をそれぞれ示す。
ポリゴンスキャナ1の軸方向に離間した偏向部材としてのポリゴンミラー部を形成する多面体8a、8b、8c、8dには各々各色に対応した複数のレーザビーム(A、B,C、D)が軸方向に配置された各々4面に入射され、一方向に同時に高速偏向走査される。
ポリゴンスキャナ本体1を詳述する。マルテンサイト系のステンレス鋼からなるシャフト10の上部外周が、ポリゴンミラー部を形成する多面体8a、8b、8c、8dを有する、アルミ純度99.9%以上のポリゴンミラー8の内径部8mに焼きばめ固定されている。マルテンサイト系ステンレス(例えばSUS420J2)は焼入れが可能で表面硬度を高くでき、シャフトとしては耐磨耗性が良好で好適である。ポリゴンミラー8の下部にはロータ磁石211が固定され、巻線コイル4およびステータコア4aとともにアウターロータ型のブラシレスモータを構成している。
ポリゴンミラー部を形成する多面体8a、8b、8c、8dの反射面は所定のレーザビームを偏向するのに十分な軸方向長さ(厚み)を有しており、具体的には1〜3mmに設定している。この範囲に設定している理由は1mm以下の場合、薄板となるので鏡面加工時の剛性が低くなるため平面度が悪化する。3mm以上だと回転体としてイナーシャが大きく、起動時間が長くなる問題がある。
空間部8j(軸方向長さH11、H12、H13)の底の径は多面体8a、8b、8c、8dの外接円径よりも小径な形状とすることにより、風損の低減を図っている。空間部8jの風損は最大外周円径で決まり、外接円部の角部が大きく影響する。したがって、角部を丸めることが好適である。一方、内接円径よりも小径にすることにより、風損をより小さくすることも可能であるが、多面体部に挟まれているので、その低減効果は相対的に小さくなる。H11、H12、H13に対して、外接円径と空間部8jの底径との差Lの比(例えばL/H11)は加工性を考慮し、5倍以下となるように設定されている。5倍以上の場合、掘り込み量が多くなるため加工バイトの寿命が短くなり、かつ加工時間が長くなる。
一方、H13はバランス修正時に円周溝8kに接着剤を塗布する必要が有るため、作業性を考慮し1mm以上に設定している。1mm未満の場合、接着剤塗布機の先端と盛り上がった接着剤がポリゴンミラーに接触し、ミラー部に傷、汚損の問題が発生する。なお、円周溝8kを反対面(下方の8g側)に設けることも考えられるが、下方に開放した溝に接着剤を塗布する際には回転部材2を軸受部材5から外して、回転部材を上下倒立して設置固定した上で塗布する必要があり、複雑な工程を経る必要があるばかりか、軸受部材5と脱着工程が入るため、その都度油の飛散等が発生し、軸受の劣化を誘発するという問題がある。
回転部材中央部の円周溝8iはバランス修正時に行う接着剤の塗布が可能な外壁面(内周面)と回転部材2を軸受部材5に嵌合組立時、および後述のミラー加工時のハンドリング性向上のための外径部D1とシャフト10とポリゴンミラー部材8の焼きばめ時の応力がミラー面(8a,8b)に伝達しないように応力遮断の機能を有している。円周溝の深さH5はミラー面8bの下端面までのH6と同等もしくはそれ以上とすることが好適である。ミラー面(8c、8d)については、応力遮断機能はモータ部(ロータ磁石211、コイル巻線4)を収納するための下部円周溝(8p、8n)により構成され、ミラー面8cの上端面よりも8nは上部に位置している。なお、回転部材2として一体になっているロータ磁石211も、軸受ホルダ3に取り付けられている巻線コイル4とステータコア4aの組も、便宜上それぞれをモータ部と呼ぶ。
図2は本発明による風損の低減効果を示す図である。
空間部8jを設けることにより、回転上昇とともに増大する風損を効果的に低減できた結果を同図に示す。本実施例は、H11=H12=H13=3mm、H21=H22=H23=5mmであり、単一面は、本実施例のH11=H12=H13に対応する部分を0mm(空間部なし)とした例であり、特に25000rpm以上の回転領域になると消費電力は1/2以下となり低減効果が高いことがわかる。また、消費電力の上昇とともに風切音の騒音も増大する。
なお、ポリゴンミラー中心間隔H21、H22、H23は反射面8a、8b、8c、8dで偏向後に通るレンズ14の副走査方向の高さにより決定される。5mm以上となる場合、回転部材2の重心位置Gが軸受内H4の外(上方)に位置するシャフト内にあることになるが、軸受ホルダ3を後述の焼きばめによりハウジングに固定してあり、剛性が高いので、アンバランス振動が増大することは無い。
一方、中心間隔H21、H22、H23が狭いほど回転部材としての表面積が少なくなるのでより風損は小さくできる反面、3mm以下となると、ポリゴンミラー偏向後の各色に相当する感光体へ光路を分離する折り返しミラーのレイアウトが不可能となり、図7に示した構成が成立しなくなってしまう。なお、H21、H22、H23は同一である必要はない。例えば、部品の共通化や、1個あたりのレンズ体積を減少させ成形時間の短縮効果を狙って、第1レンズ114を同一レンズ2個使用した上下2層に分離してレイアウトする場合、固定時の接着層等の厚みを考慮しH22をH21、H23よりも広くしても良い。さらに、H11、H12、H13も同一である必要はない。
本構造は、従来のようにポリゴンミラーに板バネ等の固定部材を使用する必要が無いので、固定圧力によるポリゴンミラー反射面部への歪みがなくなるというメリットがある。
ポリゴンミラー8に設けられた円周溝8iや8kは、バランス修正用の接着剤塗布部に使用されるが、それと共に、回転部材2(ポリゴンミラー8、シャフト10、ロータ磁石211の組立体)を軽量化させることによるイナーシャ低減、質量低減による軸受摩耗劣化の抑制や起動時間の短縮の効果をもたらす。
ロータ磁石211は樹脂をバインダーに使用したボンド磁石であり、ロータ磁石211の外径部には高速回転時の遠心力による破壊が発生しないように、ポリゴンミラー8部材の下部がロータ磁石211の外径を保持している構造である。ロータ磁石211の外径を圧入固定することにより接着剤固定時に発生する接着層介在がないため、一層の高速回転、かつ高温環境においても固定部の微移動を生ずることなく、回転体バランスの高精度維持が可能となる。
なお、ロータ磁石211はアルミマンガン系の磁石でも良く、アルミ純度99.9%以上の高純度アルミのポリゴンミラー8と、表面を硬化処理または潤滑処理したアルミ合金製のシャフトで構成することにより、回転部材を全てアルミ合金で各部品間の熱膨張差は略等しくし、温度上昇に伴う部品間の微移動を防止し、回転体の高精度バランスが維持できる。アルミマンガン系の磁石は機械強度が高く高速回転時の遠心力にも破壊しないこと、高純度アルミはポリゴンミラー反射面8a、8b、8c、8dの反射率が高いこと、アルミ合金シャフトはステンレスよりも軽量化が可能となるという効果を有する。
ラジアル軸受は、シャフト10の外径と、軸受ホルダ3内に圧入または接着固定された軸受部材5により動圧軸受を構成している。軸受部材5は銅系の含油燒結部材からなり、含油動圧軸受を構成している。その熱膨張率は1.6×10−5/℃である。25000rpmの高速回転でも燒結部材内に含油されている油の循環を効率良く行うために、図示しない動圧発生溝を設けている。動圧溝はシャフト10の外周面、または軸受部材5の内周面に設けるが、加工性の良好な燒結部材の内周に施すのが好適である。なお、動圧軸受隙間は直径で10μm以下に設定されている。ラジアル軸受を動圧軸受としたことにより、玉軸受で発生していた25000rpm以上における軸受騒音が無く、回転むらが非常に少なく回転精度が高くなるという効果がある。
軸受ホルダ3は軸受部材5と同程度の熱膨張率を有する材質として、黄銅(熱膨張率1.8×10−5/℃)、アルミ合金(熱膨張率2.4×10−5/℃)が好適である。ポリイミド樹脂(熱膨張率4.5×10−5/℃)のように熱膨張率差が大きくなる材質の場合、高温時に緩みが生ずるため不適である。軸受ホルダ3は下部にハウジング214の底部のほぼ中央部に焼きばめされる3d部と、焼きばめ下部に向かって外径が大径となるようなテーパ形状としている。テーパ部3aにはステータコア4aがかしめ固定されて、巻線コイル4とともにモータ部を形成している。テーパ形状としたことにより、回転部材2のアンバランスによりシャフト10が軸受部材5内で振れ回りが発生しても、振れ回り加振力が焼きばめ部に応力が集中することを防止し、アンバランス振動を低減する効果がある。軸受ホルダ3の下面3cは焼きばめの軸方向位置決め用であり、焼きばめ時にハウジング214と同面を当接し固定される。
また、軸受部材5は潤滑油が含浸しているため、焼きばめ時には100℃以下とする必要がある。100℃以上になると潤滑油が化学反応により劣化する。焼きばめ工程はハウジング214を150℃以上の高温状態に保持し、穴部(3dとの対向面)を軸受ホルダ3の外径3dよりも拡径し、その拡径部に常温状態の軸受ホルダ3を挿入し、その後徐冷し堅固に固定される。その際、軸受部材5が100℃以上とならないように軸受ホルダ3の下部に焼きばめ工程時に脱着可能な治具用の放熱フィンを設け、軸受部材5が100℃以上の高温になることを防止している。また、焼きばめは軸受ホルダ3のみを固定し、焼きばめ完了後、充分に徐冷した後に軸受部材5を固定する工程としても良い。
先に軸受部材5は軸受ホルダ3に圧入又は接着固定されていると説明したが、下記状況により適宜選択される。圧入固定が好適な場合は、潤滑油の使用上限温度となる100℃近傍まで、軸受部材5が高温状態になるような環境で使用される場合である。一方、接着固定の場合、100℃近傍になると、接着剤の接着力が低下すると共に、軸受部材5の外径と軸受ホルダ3の内径間の隙間が変化(拡縮)し接着剥がれを起こす可能性があるので、接着固定が好適なのは100℃以下の場合に限られる。
上記内容は後述のアキシャル軸受にも同様に適用できるが、潤滑油を使用していないので、実用上使用温度上限はない。
アキシャル方向の軸受は、シャフト10の下端面に形成された凸曲面10aと、その対向面にスラスト受部材7を接触させるピボット軸受である。スラスト受部材7はマルテンサイト系ステンレス鋼やセラミック、または金属部材表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)処理等の硬化処理をしたものが、磨耗粉の発生が極力抑えられるので、好適である。また、モータコア4とのロータ磁石211の径方向の磁気吸引力で、回転部材をアキシャル方向に微少量浮かせて支持することも可能である。この場合、回転部材2の質量以上の磁気吸引力を発生させるため、ロータ磁石211を希土類系磁石とすることや、モータコア4と磁気ギャップを狭小化することにより、所望の支持力を得ることができる。一方、25000rpm以上の高速回転では、振動を小さくするために回転部材2のバランスを高精度に修正かつ維持しなければならない。回転部材2にはアンバランスの修正部があり、重心Gを含む軸に垂直な平面を挟んで上側はポリゴンミラー8の円周凹部8iに、下側は円周凹部8kに、各々接着剤を塗布することによりバランス修正を行う。
アンバランス量は10mg・mm以下が必要であり、例えば半径10mmの箇所で修正量は1mg以下に保たれている。なお、上記のような微少な修正を実行する際に接着剤等の付着物では管理がしにくい場合、また量が少ないため接着力が弱く40000rpm以上の高速回転時には剥離、飛散してしまう場合には、回転部材の部品の一部を削除する方法(ドリルによる切削やレーザ加工)を実施することが好適である。
モータ方式は径方向に磁気ギャップをもち、ステータコア4の外径部にロータ磁石211がレイアウトされるアウターロータ型といわれる方式である。回転駆動はロータ磁石211の磁界により回路基板14に実装されているホール素子12から出力される信号を位置信号として参照し、図示しない回転装置に含まれる駆動用ICにより巻線コイル4aの励磁切り替えを行い回転する。ロータ磁石211は径方向に着磁されており、ステータコア4の外周との間で回転トルクを発生し回転する。ロータ磁石211は、内径以外の外径および高さ方向は磁路を開放しており、モータの励磁切り換えのためのホール素子12を開放磁路内に配置している。磁気開放している理由は磁性体(鉄板、ステンレス)を配置すると、ポリゴンミラー材質のアルミ合金と熱膨張差により、ローや磁石固定部が微移動し、高温時に回転体のバランスが変化するという不具合が発生するためである。
ロータ磁石211は磁気回路が開放されているので、回転部材を囲う周辺は磁気シールド部材(図示しない)を配置したり、樹脂などの非導電性材料で構成することが好適である。鋼板などの導電材料が周辺にあると高速回転に伴うロータ磁石の漏れ磁束が渦電流を発生させモータ損失が多くなるためである。
また、ハウジング214にはポリゴンミラー部へのレーザビーム入出射用の窓部としての開口窓214aを有し、該開口窓にはレーザ透過部材11が固定され、回転部材2はその周囲をハウジング214、レーザ透過部材11、上フタ215で略密閉されている構造である。レーザ透過部材11は平板ガラスからなる光学素子であり、特にレーザビーム径(1/e)が50μm以下の場合、レーザビーム径の太径化を招くため、その取付角度は主走査方向および副走査方向ともに所望の値を基準として±0.01°以下の高精度で配置する必要がある。そのため、レーザ透過部材の取付基準となるレーザビーム入出射窓214aとの当接面とポリゴンスキャナ1が光学ハウジング(図示しない)に取り付けられる当接面214cの幾何学位置を高精度に達成する必要があり、ハウジング214にはレーザビーム入出射窓214aが一体に形成されている。なお、構成によっては、ハウジング214は、底部と、回転部材2の周囲を覆う部分とが、別部品で作られたものであっても構わない。例えば底部は装置の基板部が兼ねていて、そこに回転部材2の周囲を覆う部分がかぶせられていても良い。
図3は本実施例と従来例とのアンバランス振動を比較した図である。
従来は軸受ホルダ3が、厚さ1mm程度の薄板金属板からなる駆動回路基板(図示しない)に接着固定されていたので、固定部と薄板金属板の剛性が弱く、同図に破線で示すように、35000rpm近傍で共振点が存在していたが、本実施例においては前記剛性を高剛性化し、同図の実線で示すように、共振点を50000rpm近傍まで高周波側にシフトさせることができ、低振動化を達成している。
図4はポリゴンミラーの鏡面加工を説明するための図である。
同図において符号421は鏡面切削要のバイト、422はバイトの回転軸、423は加工用の台座、424は油圧縮径式の保持部材をそれぞれ示す。
ポリゴンミラーの反射面8a、8b、8c、8dは少なくともシャフト10とポリゴンミラー8が、焼きばめ固定されたのちに鏡面加工される。鏡面加工は、シャフト10の外径を基準として高精度に加工する以外に、ポリゴンミラー上端面8e、または下端面8gを基準として高精度に加工する方法がある。ただし、振れ精度は鏡面加工時の平面度、面倒れ品質に影響するので、上端面8eまたは下端面8gが基準の場合は、あらかじめ軸外径中心に対する振れを5μm以下の高精度に加工しておく必要がある。なおポリゴンミラー8のポリゴンミラー反射面部以外は、内接円径よりも小径となっている(直径で0.1mm以上の小径であれば良い)。理由は鏡面加工時に切削用バイト(刃物)421の先端がポリゴンミラー外径部に衝突しないように避けるためである。
ポリゴンミラー8は、まず金型(ダイキャスト、鍛造)で反射面数に相当する多角柱状のブランクを作成し、その後、ポリゴンミラー8のシャフト10が焼きばめ挿入される内周面8mを高精度(円筒度3μm以下)に加工する。その後、複数の多面体の離間する部分8jおよび周辺を切削加工する。この加工の際、内径の角(すみ)形状をR状の丸みを設けてある。実際にはポリゴンミラー反射面8a、8b、8c、8dの厚み分の半径以下とするR形状が良い。たとえばポリゴンミラー厚さ3mmの場合、すみ部の半径3mm以下とする。理由は鏡面加工時、バイトの切削方向(図4の上下方向)に切削荷重がかかるため、その荷重に対して変形を小さくするために剛性を高める効果がある。その後、シャフト10を焼きばめし、ポリゴンミラー反射面部を鏡面加工する。鏡面加工時に発生する上下反射面部8a、8b、8c、8dの切削切り粉は各々の空間部8jに逃げるので切り粉によるスクラッチの防止が図れる。本工程により、従来は面倒れ特性を維持するために必要であったポリゴンミラー搭載面の平面度や直角度を、高精度にする必要がなくなる。
図4を用いて、シャフト10の外径を基準に加工する実施例を詳述する。軸受部材5に挿入して使用する部分を全長、全周に保持し、加工抵抗に対して保持力を高めている。外径保持は軸受外径よりも僅かに広い内径を有する油圧縮径式の保持部材424を使用する。保持部材424は、図示しない油圧機構により上昇する油圧により、内周部424aが縮径し、強固にシャフト10を固定する。この保持方法は軸方向の保持力の偏りが起きにくいため、軸振れの発生が抑えられ高精度加工をする際の基準としては最適である。
上記軸外径を基準とする以外の方法として、先に述べたように以下のような方法もある。ポリゴンミラー8の上下端面を基準とする方法であり、シャフトの外径がφ3mm以下の場合に好適である。φ3mm以下では軸を保持する保持力が低下することと合わせて軸自体の剛性が低く、切削加工時の振れが大きく高精度加工が困難となるためである。端面と当接する部材の対向面は上下端面8e、8gとともに振れ精度を5μm以下とする必要がある。端面を基準とする方法は上方から一定の押圧力でポリゴンミラー8を固定する。
なお、軸方向に離間した複数のレーザビームを入射するようなフルカラー画像形成用光走査装置の場合には、同じ位相となる各段の反射面の形状を揃えることがより好適である。各段の反射面の凹凸形状が異なる場合、各ビームに対応する各色の画像毎にずれが生じてしまう。そのずれも、理想基準に対して、ずれる方向が一様でないため、主走査方向の色ずれが発生してしまう。
図5は本発明の他の実施例を示す図である。
同図において符号314はハウジングを示す。
図1において、ハウジング中央部に焼きばめ固定していた軸受ホルダ3を、本図ではハウジング314で同一部材として一体化した例である。ステータコア4aを固定する部分についても、前記説明と同様な効果を奏する目的でハウジング底部に向かってテーパ形状をしている。ハウジング314は前記テーパ部3aを一体で形成することに適したアルミダイキャストからなり、外径のテーパ部3aは金型の抜き勾配以上に設定している。なお、軸受部材5の固定は先に述べたように圧入又は接着が適宜選択される。一体化したことにより、別部品の軸受ホルダが不要になり、焼きばめ時の高精度取付工程の必要が無い。特にレーザビーム径(1/e)が50μm以下の小径の場合、レーザビーム径の太径化を招くため、シャフト10の取付角度誤差は±0.02°以下の高精度である必要がある。そのため、軸受部材5が固定される部分とポリゴンスキャナ1が光学ハウジング(図示しない)に取り付けられる当接面314cの幾何学位置を高精度にする必要があり、軸受ホルダ3をハウジング314で一体化し高精度化を図っている。
本発明のポリゴンスキャナの実施例を示す断面図である。 本発明による風損の低減効果を示す図である。 本実施例と従来例とのアンバランス振動を比較した図である。 ポリゴンミラーの鏡面加工を説明するための図である。 本発明の他の実施例を示す図である。 光走査装置を用いたカラー画像形成装置を示す概略図である。 多色用光走査装置の詳細を示す図である。 液晶偏向装置の概略構成を示す正面図である。 液晶偏向素子の縦断面図である。 液晶偏向素子による光ビームの偏向状態を示す図である。
符号の説明
1 ポリゴンスキャナ本体
2 回転部材
3 軸受ホルダ
8 ポリゴンミラー
10 はシャフト
214 ハウジング
314 ハウジング

Claims (8)

  1. レーザビームを偏向させる偏向部材としての回転部材と、該回転部材の回転軸となるシャフトと、該シャフトを回転自在に支持する軸受部材と、該軸受部材を保持する軸受ホルダと、該軸受ホルダに取り付けられたモータ部と、ハウジングと、前記回転部材を回転駆動する回転装置とを有する光偏向器において、前記軸受部材は潤滑油が含浸されており、前記軸受ホルダは前記ハウジングの底部に焼きばめ固定されていることを特徴とする光偏向器。
  2. レーザビームを偏向させる偏向部材としての回転部材と、該回転部材の回転軸となるシャフトと、該シャフトを回転自在に支持する軸受部材と、該軸受部材を保持する軸受ホルダと、該軸受ホルダに取り付けられたモータ部と、ハウジングと、前記回転部材を回転駆動する回転装置とを有する光偏向器において、前記軸受部材は潤滑油が含浸されており、前記軸受ホルダは前記ハウジングの底部の中央部に一体部材で形成されていることを特徴とする光偏向器。
  3. 請求項1または2に記載の光偏向器において、前記軸受ホルダの外径は、前記ハウジングの底部の側に向かって大径となるテーパ形状となし、該テーパ部に前記モータ部を固定したことを特徴とする光偏向器。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光偏向器において、前記ハウジングは前記回転部材の周囲を覆い、前記レーザビームが入出射する窓部を一体的に形成したことを特徴とする光偏向器。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光偏向器において、前記回転部材の重心位置は、前記シャフトが前記軸受部材に挿入された範囲より外に位置するシャフト内にあることを特徴とする光偏向器。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の光偏向器において、前記偏向部材は複数のレーザビームを一方向に同時に走査可能な構成であることを特徴とする光偏向器。
  7. 請求項6に記載の光偏向器と、複数の走査結像手段と、を単一の光学ハウジング内に収容し、複数のレーザビームを同時に走査することを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項7に記載の光走査装置と、潜像担持体と、潜像を可視化する現像装置とを有し、前記光走査装置により前記潜像担持体に潜像を形成し、該潜像を前記現像装置で可視化して所望の記録画像を得ることを特徴とするカラー画像形成装置。
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