以下添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1のPODシステム10000は、印刷システム1000、スキャナ102、サーバコンピュータ103(PC103)、クライアントコンピュータ104(PC104)を有し、それらはネットワーク101を介して接続されている。また、PODシステム10000は、紙折り機107、断裁機109、中綴じ製本機110、くるみ製本機108等を有する。
印刷システム1000は、印刷装置100とシート処理装置200とを有する。なお、本実施形態では、印刷装置100として、コピー機能及びプリンタ機能等、複数の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)を例に取り説明する。しかしながら、印刷装置100は、コピー機能のみ、あるいは、プリンタ機能のみの単一機能型の印刷装置であっても良い。
PC103は、ネットワーク101に接続された各種装置とのデータの送受信を管理する。PC104は、ネットワーク101を介して、画像データを印刷装置100やPC103に送信する。また、紙折り機107は、印刷装置100で印刷されたシートの折り処理を行う。くるみ製本機108は、印刷装置100で印刷されたシートに対するくるみ製本処理を行う。断裁機109は、複数枚のシートからなるシート束毎に、印刷装置100で印刷されたシートの断裁処理を行う。中綴じ製本機110は、印刷装置100で印刷されたシートに対する中綴じ製本処理を行う。
紙折り機107、くるみ製本機108、断裁機109、中綴じ製本機110を利用する場合、ユーザは印刷装置100で印刷されたシートを印刷システム1000から取り出し、利用する装置にセットし、その装置によって処理を実行させる。また、図1のPODシステム10000が有する複数の装置のうち、中綴じ製本機110以外の装置は、ネットワーク101に接続されており、互いに他装置とデータ通信可能に構成されている。
次に、印刷システム1000の構成について、図2のシステムブロック図を用いて説明する。
印刷システム1000に含まれる図2に示す各ユニットのうちのシート処理装置200以外のユニットは、印刷装置100に含まれる。印刷装置100には、任意の台数のシート処理装置200を接続することができる。
印刷システム1000は、印刷装置100で印刷されたシートに対するシート処理を、印刷装置100に接続されたシート処理装置200により実行できるように構成されている。ただし、シート処理装置200を接続せずに印刷装置100のみで印刷システム1000を構成することも可能である。
シート処理装置200は、印刷装置100と通信可能に構成され、印刷装置100からの指示を受け、後述するようなシート処理を実行することができる。スキャナ部201は、原稿上の画像を読み取り、これを画像データに変換し、他のユニットに転送する。外部I/F202は、ネットワーク101に接続された他の装置との間でデータの送受信を行う。プリンタ部203は、入力された画像データに基づく画像をシート上に印刷する。操作部204は、後述するハードキー入力部(キー入力部)402や、タッチパネル部401を有し、それらを介してユーザからの指示を受付ける。また、操作部204は、操作部204が有するタッチパネルに各種表示を行う。
制御部205は、印刷システム1000が有する各種ユニットの処理や動作等を統括的に制御する。即ち、印刷装置100及び印刷装置100に接続されたシート処理装置200の動作も制御する。ROM207は、制御部205によって実行される各種コンピュータプログラムを記憶する。例えば、ROM207は、後述するフローチャートの各種処理を制御部205に実行させる為のプログラムや、後述する各種設定画面を表示するために必要な表示制御プログラムを記憶する。また、ROM207は、PC103やPC104等から受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを、制御部205が解釈し、ラスタイメージデータに展開する動作を実行するためのプログラムを記憶する。他にも、ROM207は、ブートシーケンスやフォント情報等を記憶する。RAM208は、スキャナ部201や外部I/F202から送られてきた画像データや、ROM207からロードされた各種プログラム、設定情報を記憶する。またRAM208は、シート処理装置200に関する情報(印刷装置100に接続されたシート処理装置200の台数(0からn台)と、各シート処理装置200の機能に関する情報、また、各シート処理装置200の接続順序等)を記憶する。
HDD(ハードディスクドライブ)209は、ハードディスクとハードディスクへのデータの読み書きを行う駆動部等で構成される。HDD209は、スキャナ部201や外部I/F202から入力され、圧縮伸張部210によって圧縮された画像データを記憶する為の大容量の記憶装置である。制御部205は、ユーザからの指示に基づいて、HDD209に格納された画像データをプリンタ部203によって印刷することができる。また、制御部205は、ユーザからの指示に基づいて、HDD209に格納された画像データを、外部I/F202を介してPC103等の外部装置へ送信することもできる。
圧縮伸張部210は、JBIGやJPEG等といった各種圧縮方式によってRAM208、HDD209に記憶されている画像データ等の圧縮・伸張動作を行う。
次に、印刷システム1000の構成について、図3を用いて説明する。図3は、印刷装置100と印刷装置100に接続されたシート処理装置200の断面図である。
自動原稿搬送装置(ADF)301は、原稿トレイの積載面にセットされた原稿束を1頁目の原稿から、ページ順に、順番に分離して、スキャナ302によって原稿走査するために原稿台ガラス上へ搬送する。
スキャナ302は、原稿台ガラス上に搬送された原稿の画像を読み取り、CCDによって画像データに変換する。回転多面鏡(ポリゴンミラー等)303は、画像データに応じて変調された、例えばレーザ光などの光線を入射させ、反射ミラーを介して反射走査光として感光ドラム304に照射する。感光ドラム304上にレーザ光によって形成された潜像はトナーによって現像され、転写ドラム305上に貼り付けられたシート材に対してトナー像を転写する。この一連の画像形成プロセスをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーに対して順次実行することによりフルカラー画像が形成される。4回の画像形成プロセスの後に、フルカラー画像形成された転写ドラム305上のシート材は、分離爪306によって分離され、定着前搬送器307によって定着器308へ搬送される。定着器308は、ローラやベルトの組合せによって構成され、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、トナー像が転写されたシート材上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着させる。排紙フラッパ309は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、シート材の搬送方向を規定する。排紙フラッパ309が図中時計回りの方向に揺動しているときには、シート材は真直ぐに搬送され、排紙ローラ310によって機外へ排出される。
制御部205は、以上のような一連のシーケンスによって、片面印刷を実行するように印刷装置100を制御する。
一方、シート材の両面に画像を形成する場合には、排紙フラッパ309が図中反時計回りの方向に揺動し、シート材は下方向に進路を変更され両面搬送部へと送り込まれる。両面搬送部は、反転フラッパ311、反転ローラ312、反転ガイド313および両面トレイ314を備える。反転フラッパ311は、揺動軸を中心に揺動し、シート材の搬送方向を規定する。制御部205は、両面印刷ジョブを処理する場合、プリンタ部203でシートの第1面にプリント済みのシートを、反転フラッパ311を図中反時計回りの方向に揺動し、反転ローラ312を介して、反転ガイド313へと送り込むよう制御する。そして、シート材後端が反転ローラ312に狭持された状態で反転ローラ312を一旦停止させ、引き続き反転フラッパ311が図中時計回りの方向に揺動させる。且つ、反転ローラ312を逆方向に回転させる。これにより、シートスイッチバックして搬送させ、シートの後端と先端が入れ替わった状態で、このシートを両面トレイ314へと導くよう制御する。両面トレイ314ではシート材を一旦積載し、その後、再給紙ローラ315によってシート材は再びレジストローラ316へと送り込まれる。このときシート材は、1面目の転写工程とは反対の面が感光ドラムと対向する側になって送られてきている。そして、先述したプロセスと同様にしてシートの第2面に対して2面目の画像を形成させる。そして、シート材の両面に画像が形成され、定着工程を経て排紙ローラ310を介して印刷装置100本体内部から機外へとシートを排出させる。制御部205は、以上のような一連のシーケンスによって、両面印刷を実行するように印刷装置100を制御する。
また、印刷装置100は、印刷処理に要するシートを収納する給紙部を有する。給紙部には、給紙カセット317、318(例えば、それぞれ500枚のシートを収容可能)、給紙デッキ319(例えば、5000枚のシートを収納可能)、手差しトレイ320等がある。給紙カセット317、318、給紙デッキ319は、サイズや材質の異なる各種シートを、給紙部ごとに区別してセットできる。また、手差しトレイ320には、OHPシート等の特殊なシートを含む各種シートをセットすることができる。給紙カセット317、318、給紙デッキ319、手差しトレイ320には、それぞれに給紙ローラが設けられており、給紙ローラによってシートは1枚単位で連続的に給送される。
次に、図3に示すシート処理装置200ついて説明する。
本実施形態の印刷システム1000におけるシート処理装置200は、上流の装置から下流の装置にシート搬送路を介してシートを搬送できるのであれば、任意の種類の装置を任意の台数だけ連結することができる。例えば、図3に示すように、印刷装置100に近い順に、大容量スタッカ200−3a、糊付け製本機200−3b、中綴じ製本機200−3cの順序で連結し、これらを印刷システム1000にてそれぞれ選択的に利用することができる。また、シート処理装置200のそれぞれがシート排出部を備え、ユーザは、シート処理がなされたシートを、それぞれのシート処理装置のシート排出部から取出すことができる。
制御部205は、印刷装置100に接続されたシート処理装置200にて実行可能な種類のシート処理の候補から、ユーザが所望する種類のシート処理の実行要求を、操作部204を介して印刷実行要求と共に受付ける。そして、操作部204を介して処理対象となるジョブの印刷実行要求をユーザから受付けたことに応じて、制御部205は、そのジョブにて要する印刷処理をプリンタ部203で実行させる。そして、制御部205は、この印刷処理がなされたジョブのシートを、ユーザが所望するシート処理を実行可能なシート処理装置までシート搬送路を介して搬送させ、そのシート処理装置でシート処理を実行させる。
例えば、印刷システム1000が図3に示すシステム構成の場合に、ユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、大容量スタッカ200−3aによる大量積載処理を行うように指示されたジョブであるとする。このジョブを「スタッカジョブ」と呼ぶ。
このスタッカジョブを、図3のシステム構成にて処理する場合、制御部205は、印刷装置100で印刷されたこのジョブのシートを、図3のA点を通過させて、大容量スタッカ200−3a内部へ搬送させる。その後、制御部205は、このジョブの積載処理を大容量スタッカ200−3aで実行させる。そして、制御部205は、大容量スタッカ200−3aで積載処理がなされたこのジョブの印刷物を、他の装置(例えば後段の装置)へ搬送せずに、大容量スタッカ200−3a内部の排紙先Xに保持させる。
ユーザは、この図3の排紙先Xにホールドされたスタッカジョブの印刷物を、排紙先Xの個所から直接取出すことができる。それにより、図3のシート搬送方向、最下流の排紙先Zまでシートを搬送して、排紙先Zからスタッカジョブの印刷物を取出すといった、一連の装置の動作やユーザの操作が不要になる。
また、図3のシステム構成にてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、糊付け製本機200−3bによるシート処理(例えば、くるみ製本処理、または、天糊製本処理の何れかの糊付け製本処理)を行うように指示されたジョブであるとする。このジョブを「糊付け製本ジョブ」と呼ぶ。
この糊付け製本ジョブを、図3のシステム構成にて処理する場合、制御部205は、印刷装置100で印刷されたシートを、図3のA点及びB点を介して糊付け製本機200−3b内部へ搬送させる。その後、制御部205は、このジョブの糊付け製本処理を糊付け製本機200−3bで実行させる。そして、制御部205は、糊付け製本機200−3bで糊付け製本処理がなされたこのジョブの印刷物を、他の装置(例えば後段の装置)へ搬送させずに、そのまま、糊付け製本機200−3b内部の排紙先Yに保持させる。
更に、例えば、図3のシステム構成にてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、中綴じ製本機200−3cによるシート処理を行うように指示されたジョブであるとする。中綴じ製本機200−3cによるシート処理には、例えば、中綴じ製本、パンチ処理、断裁処理、シフト排紙処理、折り処理等がある。ここでは、このジョブを「中綴じ製本ジョブ」と呼ぶ。
この中綴じ製本ジョブを、図3のシステム構成にて処理する場合、制御部205は、印刷装置100で印刷されたこのジョブのシートを、A点及びB点及びC点を通過させて中綴じ製本機200−3cに搬送させる。その後、制御部205は、このジョブのシート処理を中綴じ製本機200−3cで実行させる。そして、制御部205は、この中綴じ製本機200−3cによるシート処理がなされた中綴じ製本ジョブの印刷物を、中綴じ製本装置200−3cの排紙先Zに保持させる。
尚、排紙先Zには複数の排紙先候補がある。これは、中綴じ製本機200−3cが複数種類のシート処理を実行することができ、シート処理ごとに排紙先をわける際に用いられるものである。
図1〜図3で説明したように、本実施形態の印刷システム1000は、印刷装置100に対して、複数台のシート処理装置を接続することができる。そして、これら複数台のシート処理装置は、任意の組合せで、印刷装置100に対して接続できる。また、これら複数台のシート処理装置の接続順序も、装置同士のシート搬送路がつながる範囲内において自由に変更することができる。また、印刷装置100に接続可能なシート処理装置の候補も複数種類存在する。
次に、印刷装置100に対して接続可能なシート処理装置200の内部構成を、図4から図6を用いて種類別に説明する。
まず、図4に示す断面図を用いて、シート処理装置200に適用可能な大容量スタッカの内部構成について説明する。大容量スタッカは、上流の装置から搬送されたシートを3つの搬送パスに選択的に搬送する。1つは、サンプルトレイパスであり、1つはスタックパスであり、1つはストレートパスである。
大容量スタッカ内部に備えるスタックパスは、スタックトレイにシートを搬送するためのシート搬送路である。図4のスタックトレイは、伸縮可能なステイなどの上に載置される積載ユニットである。伸縮可能なステイの下には、着脱可能な台車が備えられている。この台車を用いていることで、スタックトレイに積載されたシートをオペレータが運搬できる。
この大容量スタッカによりシートの積載処理を行うように設定されたジョブの実行要求を操作部204を介してユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、印刷装置100にて印刷されたシートを、この大容量スタッカが備えるスタックパスに搬送し、スタックパスを介してスタックトレイへ排紙する。
図4に示す大容量スタッカのストレートパスは、この大容量スタッカが有するスタックトレイを用いたシートの積載処理を要さないジョブのシートを後段の装置へ搬送するためのシート搬送路である。
サンプルトレイパスは、サンプルトレイにシートを排出するためのシート搬送路である。これらは、出力の確認を要する作業等を行う際にスタックトレイからの出力物の取出しを簡略化する場合等に用いられる。例えば、この場合、制御部205は、印刷装置100にて印刷されたシートをサンプルトレイパスへ搬送してサンプルトレイに排出させる。
尚、この大容量スタッカ内部のシート搬送路にはシートの搬送状況やジャムを検知する為に要する複数のシート検知センサが設けられている。
また、大容量スタッカは不図示のCPUを備え、これら各センサからのシート検知情報を、データ通信を行うための信号線を介して制御部205に通知する。制御部205は、この大容量スタッカから通知された情報に基づき、大容量スタッカ内部のシートの搬送状況やジャムを把握する。尚、大容量スタッカと印刷装置100の間に他のシート処理装置が接続されている場合、そのシート処理装置が備える不図示のCPUが、この大容量スタッカのセンサの情報を制御部205に通知する。
次に、図5に示す断面図を用いて、糊付け製本機の内部構成について説明する。
糊付け製本機は、上流の装置から搬送されたシートを3つの搬送パスに選択的に搬送する。1つは表紙パスであり、1つは本身パスであり、1つはストレートパスである。また、糊付け製本機はインサータパスを有する。インサータパスは、インサータトレイに置かれたシートを、表紙パスに搬送する為のシート搬送路である。
図5に示す糊付け製本機のストレートパスは、この糊付け製本機による糊付け製本処理を要さないジョブのシートを後段の装置へ搬送するためのシート搬送路である。
また、図5に示す糊付け製本機の本身パスと表紙パスは、くるみ製本印刷物を作成する為に必要なシートを搬送するためのシート搬送路である。
例えば、この糊付け製本機を用いてくるみ製本印刷物を作成する場合、制御部205は、くるみ製本印刷物の本文用のシートに印刷されるべき本文用の画像データをプリンタ部203により印刷させる。1冊分のくるみ製本印刷物を作成する際には、この本文用のシートの1冊分のシート束が1枚の表紙でくるまれる。くるみ製本における、この本文用のシート束を「本身」と呼ぶ。
制御部205は、本身となる、印刷装置100で印刷されたシートを、図5に示す本身パスへ搬送するように制御する。そして、制御部205は、くるみ製本処理を行う場合、印刷装置100にて印刷された本身を、表紙パスを介して搬送された表紙用のシートでくるむ処理を実行する。
例えば、制御部205は、上流側の装置から搬送された本身となるシートを順次、図5の本身パスを介してスタック部でスタックさせる。本文データが印刷されたシートがスタック部に1冊に相当する枚数分スタックされると、制御部205は、表紙パスを介して、そのジョブにて要する表紙用の1枚のシートを搬送させる。制御部205は、この本身に相当する1セット分のシート束の背表紙部分に糊付け処理を行うように図5の糊付け部を制御する。その後、この本身の背表紙部分と表紙の中央部とを糊付け部で接合させるように制御部205は制御する。表紙に本身を接合する際には、本身が装置下方に対して押し込まれるように搬送される。これにより、本身が1枚の表紙でくるまれるように表紙の折り畳み処理がなされる。その後、この1セット分のシート束は、ガイドに添って図5の回転台の上に積載される。
この1セット分のシート束が図5の回転台にセットされた後に、制御部205は、このシート束の断裁処理を図5のカッタ部で実行させる。この際、この1セット分のシート束における背表紙部分に該当する端部以外の3つの端部を断裁する三方断裁処理をカッタ部で実行することができる。
その後、制御部205は、この三方断裁処理済みのシート束を、幅寄せ部を用いてバスケットの方向に押し出し、バスケットに収納させる。
次に、図6に示す断面図を用いて、中綴じ製本機の内部構成について説明する。
中綴じ製本機は、印刷装置100からのシートに対してステイプル処理、断裁処理、パンチ処理、折り処理、シフト排紙処理、中綴じ製本処理等を選択的に実行する各種ユニットを備える。また、この中綴じ製本機は、後段の装置へのシート搬送機能の役目を果たすストレートパスを持たない。このため、印刷装置100に複数台のシート処理装置を接続する場合には、図3に示すように、この中綴じ製本機は最後尾に接続される。
また、中綴じ製本機は、図6に示すように、装置外部にサンプルトレイ、スタックトレイを有し、装置内部にブックレットトレイを有す。
制御部205は、この中綴じ製本機にてステイプルするように指示を受けた場合、印刷装置100で印刷されたシートを、中綴じ製本機内部の処理トレイに順次スタックさせる。一束分のシートが処理トレイにスタックされたら、制御部205は、ステープラにてステイプルを行わせる。その後、制御部205は、このステイプルされたシート束を、この処理トレイから図5のスタックトレイへ排出させる。
また、制御部205は、中綴じ製本機にてZ折りを行うように指示を受けたジョブを実行する場合、印刷装置100で印刷されたシートに対してZ折り部により、Z字状に折り処理を実行する。そして、制御部205は、折り処理されたシートを、中綴じ製本機内を通過させて、スタックトレイ及びサンプルトレイ等の排出トレイに排紙するよう制御する。
また、制御部205は、中綴じ製本機にてパンチ処理設定を行うように指示を受けた場合、印刷装置100で印刷されたシートに対してパンチャによるパンチ処理を実行する。そして、制御部205は、中綴じ製本機内を通過させて、スタックトレイ及びサンプルトレイ等の排出トレイに排紙するよう制御する。
また、制御部205は、中綴じ製本機にて中綴じ製本処理を行うように指示を受けたジョブを実行する場合、サドルステッチャ部によって、1セット分の複数枚のシートからなるシート束の中央部分に二箇所綴じを行わせる。その後、制御部205は、このシート束の中央部分をローラに噛ませることにより、シートの中央部分を基準とした二つ折りを行わせる。これにより、パンフレットのようなブックレットが作成できる。このように、サドルステッチャ部で中綴じ製本処理が施されたシート束は、ブックレットトレイに搬送される。
また、中綴じ製本処理を行うように指示を受けたジョブに対して、断裁処理を行うように指示を受付けた場合には、制御部205は、中綴じ製本されたシート束をブックレットトレイからトリマへ搬送させる。その後、制御部205は、トリマに搬送されたシート束をカッタ部によって断裁させ、このシート束をブックレットホールド部に保持させる。この図6の中綴じ製本機でも、中綴じ製本されたシート束の三方断裁が実行できるように構成されている。
尚、中綴じ製本機がトリマを持たない場合には、サドルステッチャ部で製本されたシート束は、ブックレットトレイから取り出すことができる。
また、中綴じ製本機は、図6のインサートトレイにセットされたシート(例えば予め印刷済みのカバーシート)を印刷装置100から搬送される(印刷装置100で印刷された)シートに添付することも出来るように構成されている。
次に、図7を用いて、操作部204の構成を説明する。
操作部204は、タッチパネル部401と、キー入力部402とを備える。タッチパネル部401は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示部)とその上に貼られた透明電極からなり、ユーザから指示を受付けるための各種設定画面を表示する。このタッチパネル部401は、各種画面を表示する機能とユーザからの指示を受付ける指示入力機能を兼ね備える。キー入力部402は、電源キー501やスタートキー503や、ストップキー502やユーザモードキー505、テンキー506を備える。スタートキー503は、コピージョブや、送信ジョブの実行を印刷装置100に開始させる場合に用いられる。テンキー506は、印刷部数等の数値入力の設定を行う場合に用いられる。
制御部205は、このタッチパネル部401に表示される各種画面を介して受付けたユーザ指示やキー入力部402を介して受付けたユーザ指示に基いた各種処理を行うように印刷システム1000を制御する。
図8は、印刷装置100により印刷されたシートに対して実行すべきシート処理の種類をユーザに選択させるための設定画面の表示例を示す図である。制御部205は、タッチパネル部401に表示される画面上の図7に示すシート処理設定のキー609がユーザにより押されると、この図8の画面をタッチパネル部401に表示させる。この図8の画面は、印刷システム1000に含まれるシート処理装置200を用いて実行可能なシート処理の種類をユーザが選択できるように構成された設定画面である。制御部205は、この図8の画面を介して、処理対象となるジョブにて実行すべきシート処理の設定をユーザから受付け、その設定に従ったシート処理をシート処理装置200で実行させる。
図9に示す画面は、印刷装置100にシート処理装置200が接続されるケースにて、どのような種類のシート処理装置をどのような接続順序で何台接続するのか等を特定するための情報をユーザが登録できるように構成された設定画面である。制御部205は、ユーザモードキー505が押された場合に、この図9に示す画面をタッチパネル部401に表示できるように制御する。
例えば、印刷システム1000を図3に示すようなシステム構成にする場合、図9に示すように、大容量スタッカ、糊付け製本機、中綴じ製本機の3台のシート処理装置を大容量スタッカから順番に印刷装置100に接続する旨を示す登録情報を設定する。制御部205は、この図9の画面を介してユーザにより設定されたシート処理装置200に係る情報をシステム構成情報としてRAM208に保持させ、適宜読み出して参照する。これにより、制御部205は、印刷装置100に対してどのようなシート処理装置をどのような接続順序で何台接続するのか等を確認する。
尚、この図9の画面において、ストレートパスを持たない中綴じ製本機を複数台のシート処理装置の途中に接続するような設定がユーザにより行われたとする。この場合、制御部205は、その設定を無効とする旨を通知する為のエラー表示をタッチパネル部401に行わせる。又、図9に示すように、制御部205は、このような設定を行うこと無しに中綴じ製本機は最後尾に接続するようにユーザに通知するガイダンス情報を表示させる。
本実施形態では、印刷システム1000に適用されるユーザインタフェース部の1例として印刷装置100に具備される操作部204を例示しているが、これ以外でも良い。例えば、PC103やPC104等の外部装置に具備されるユーザインタフェース部からの指示に基いた処理を印刷システム1000で実行できるように構成されても良い。このように、外部装置から印刷システム1000を遠隔操作する場合、その装置の表示部に図10に示すような印刷システム1000に関する設定画面を表示させる。この1例としてPC104を用いて説明する。図10は、PC104が備えるディスプレイに表示される画面の例である。
PC104が備えるCPUは、ユーザから印刷要求を受付けた場合に、図10に示すような画面をディスプレイに表示させ、この画面を介して印刷処理条件の設定をPC104のユーザから受付ける。例えば、PC104から、印刷実行要求を行う対象である印刷ジョブに対してシート処理装置200で行わせるシート処理の種類を、PC104のCPUは設定欄1702を介してユーザから受付ける。そして、図10のOKキーが押されたことによって印刷実行要求を受付けた場合、PC104が備えるCPUは、この画面を介して受付けた印刷処理条件と印刷されるべき画像データとを関連付ける。そして、1つのジョブとして印刷システム1000に対してネットワーク101経由で送信するよう制御する。
一方、印刷システム1000にて、制御部205は、このジョブの印刷実行要求を外部I/F202を介して受付けると、このPC104からのジョブをこのPC104からの印刷処理条件に基いて処理するように印刷システム1000を制御する。
このように、印刷システム1000のユーザインタフェースとして種々のユニットが提供できる。
次に、本実施形態の制御部の一例に該当する制御部205が印刷システム1000のために実行する各種制御に関して、以下に説明する。
なお、印刷システム1000は、複数のジョブのデータを記憶可能なHDD209のデータの印刷処理を実行可能なプリンタ部203を有する印刷装置100を具備する。また、印刷システム1000は、印刷装置100と複数台のシート処理装置200が接続できるように構成されている。また、印刷装置100に接続可能なこれら複数台のシート処理装置200はそれぞれ、プリンタ部203で印刷がなされたジョブのシート(印刷物又は印刷媒体とも呼ぶ)に対するシート処理(フィニッシング又は後処理とも呼ぶ)を実行可能に構成されている。また、これらのシート処理装置200は、各装置毎に、自装置でシート処理を施した印刷物をオペレータが取出すことができるように構成されている。そして、本実施形態の印刷システム1000は、プリンタ部203からこれら複数台のシート処理装置200に対して、プリンタ部203により印刷がなされたジョブのシートを、選択的に供給できるように構成されている。
また、この印刷システム1000は、試し印刷機能(試しコピー機能とも呼ぶ)を有する。また、印刷システム1000は、この試し印刷機能とは区別された確認プリント機能を有する。制御部205は、これらの2つの機能の動作を、処理対象となる各ジョブ毎にユーザインタフェース部(UI部)からのオペレータ指示に基いて選択的に実行できるように印刷システム1000を制御する。
尚、本実施形態の印刷システム1000はこれら2つの機能の両方を具備する構成であるが、確認プリント機能に関する構成のみを具備する構成でも本実施形態には適用できる。
まず、試し印刷機能による動作について説明する。
例えば、図7の表示をタッチパネル部401に実行させた状態において、オペレータが処理対象のジョブの為の印刷部数としてテンキー506を用いて「50」部を設定したとする。且つ、フィニシング(シート処理や後処理と同義)の設定として、図8の表示のキー701を押下することで「ステイプル」を設定したとする。即ち、このジョブは、「50部数分の印刷を要し、且つステイプル処理を要するジョブ」である。このように、処理対象となるジョブが「複数部数分の印刷を要し、且つフィニッシング処理を要するジョブ」であるとする。この場合、制御部205は、このジョブの為に試しコピー動作を実行する事を許可し、図11Aの画面を介して試しコピー動作の実行可否をオペレータが決定可能に操作部204を制御する。
制御部205は、図11Aに示すように、上述の2つの設定項目がオペレータにより設定済みである事が表示内容に反映させた表示内容となるようにタッチパネル部401を制御する。なおかつ、図11Aに示すように、制御部205は、このジョブのために試しコピー(試し印刷)をオペレータが指示できるように構成された「試しコピー」ボタン(ソフトキー)をタッチパネル部401に有効表示させる。そして、この有効表示状態の試しコピーボタンがオペレータにより押下されると、その情報は操作部204から制御部205に通知される。これにより、制御部205は、このジョブの為にオペレータから試しコピー動作の実行要求を受付たと判断し、このジョブは、試しコピー動作を要するジョブとして取り扱う。
なお、処理対象のジョブが「複数部数分の印刷を要し、且つフィニッシング処理の実行を要するジョブ」には該当しないジョブである場合、制御部205は、このジョブの為に試しコピー動作を印刷システム1000に実行させる事を禁止する。この場合、制御部205は、タッチパネル部401に「試しコピー」ボタンを有効表示させる事を禁止する。このケースの場合、「試しコピー」ボタンを網掛け表示、又はグレーアウト表示する。或いは、このボタンの表示自体を禁止する(非表示となるよう制御する)。これにより、制御部205は、このジョブのために試しコピー動作の実行要求をオペレータから受付ることを禁止する。
また、処理対象のジョブが「複数部数分の印刷を要し、且つフィニッシング処理の実行を要するジョブ」であっても、そのジョブが印刷動作中のジョブに該当するとする。この場合、制御部205は、そのジョブの為の試しコピー動作の実行要求をオペレータから受付る事を禁止し、このジョブのために試しコピー動作を印刷システム1000が実行することを禁止する。一方、このジョブが印刷動作中のジョブには該当しないとする。この場合、制御部205は、そのジョブの為の試しコピー動作の実行要求をオペレータから受付る事を許可し、このジョブのために試しコピー動作を印刷システム1000が実行することを許可する。このように、試しコピー動作の実行要求の受付を許可するタイミングは、そのジョブの印刷動作が開始される前のタイミングであり、そのジョブの印刷データがHDD209に記憶される前のタイミングである。
次に、この印刷システム1000が具備する試しコピー機能に係る制御の詳細を以下に説明する。
[印刷システム1000が具備する試しコピー機能に係る制御]
図12Aは、制御部205が実行する試しコピー機能の制御シーケンスを、T0を基点とするタイミングチャートで例示した図である。
まず、制御部205が、タッチパネル部401に表示させた図11Aの「試しコピー」ボタンがオペレータにより押下されたとする。これを受け制御部205は、図11Bに示す表示を、タッチパネル部401に実行させる。
この図11Bの表示は、試しコピーの実行要求がなされたジョブの試しコピー動作として如何なる種類の試しコピーを印刷システム1000に実行させるかをオペレータ自身が指示出来るようにする為の表示である。
例えば、オペレータが、図11Bの表示画面の「全ページ」ボタンを押下したうえで図11BのOKボタンを押下したとする。すると、このオペレータ操作に応答し、制御部205は、タッチパネル部401の表示内容を、図11Cの表示画面に遷移させる。この図11Cの表示画面では、この処理対象のジョブの為に試しコピー動作を実行する事が確定済の状態を示している。この状態で、スタートキー503がオペレータにより押下されたとする。これを受け、制御部205は、そのジョブの試しコピー実行要求の受付がオペレータによりなされたと判断する。そして、制御部205は、このジョブの為の試しコピー動作を印刷システム1000にて開始させる。
このケースの場合、上述のオペレータの設定に基き、このジョブの試しコピー動作として、制御部205は、このジョブの印刷データの全頁を1回分、印刷装置100に印刷させる。その後、制御部205は、この全頁分の印刷が実行された1セット分の印刷束に対してステイプル処理をシート処理装置200で実行させる。尚、本実施形態の印刷システム1000では、このステイプル処理は中綴じ製本機により実行される。
もしオペレータが、図11Bの表示画面の「指定ページ」ボタンを押下し、図11Bの表示における開始ページ入力欄と終了ページ入力欄とを具備する「指定頁の範囲の設定欄」を介してオペレータが、任意の頁を指定したとする。その後、図11BのOKボタンを押下したとする。その後、スタートキー503がオペレータにより押下されたとする。これを受け、制御部205は、このジョブの試しコピー実行要求の受付がオペレータによりなされたと判断する。これにより、制御部205は、このジョブの為の試しコピー動作を印刷システム1000にて開始させる。
このケースの場合、このジョブの試しコピー動作としてこのジョブの印刷データの全頁を1回分印刷装置100により実行することを、制御部205は禁止する。この場合、制御部205は、図11Bの表示の指定頁の範囲の設定欄を介してオペレータが設定した頁に相当する印刷データのみを印刷装置100で印刷させる。尚、このジョブは、ステイプル処理の実行要求が処理条件として設定されているジョブである。しかし、この試しコピー動作では、全頁分の印刷は禁止したので、制御部205は、1セット分の印刷束は作成させない。この場合、その指定頁の印刷がなされた試しコピー用の印刷物に対してはステイプル処理の実行を禁止するように制御部205は印刷システム1000を制御する。
このように、本実施形態では、試しコピー動作にて複数種類の試しコピー動作を実行可能に構成している。
なお、スタートキー503によりこのジョブの為の試しコピー動作の実行要求を受け付けた時点が図12AのT0の時点に相当する。また、このジョブの試しコピー動作が終了した時点が図12AのT1の時点に相当する。また、この試しコピー動作を印刷装置100が実行している期間が図12AのT0の時点から図12AのT1の時点までの期間に相当し、この試しコピー動作が図12Aの[工程1]に相当する。また、図12AのT1の時点から図12AのT2の時点までの期間は、制御部205が、この試しコピー動作を実行したジョブの本番用の印刷動作に係る指示の入力をオペレータから待機する期間に相当する。例えば、制御部205は、図12AのT0の時点から印刷システム1000にて開始させた試しコピー動作が完了した事に応じて、図11Dに例示の表示をタッチパネル部401に実行させる。また、制御部205は、図12Aの[工程1]にて試しコピー動作を完遂させたジョブの処置として以下の何れかの指示を、図11Dに例示する表示を介してオペレータから択一的に受付可能に制御する。
(指示1)
この指示1は、印刷条件の変更を行わずにこのジョブ(即ち、図12Aの[工程1]にて試しコピー動作がなされたジョブ)の本番用の印刷動作を印刷システム1000に開始させるための指示である。制御部205は、図11Dの表示の「プリント開始」キーがオペレータにより押下されることで、この指示1がなされたと判断する。この指示1を受付けた場合、制御部205は、試しコピーを行う前に、設定された印刷処理条件の変更を行わずにそのまま、このジョブの為の本番用の印刷動作を印刷システム1000にて開始させる。例えば、オペレータが図12AのT0の時点の直前に設定したこのジョブの為の印刷条件に従った処理を、このジョブの本番用の印刷動作にて実行させるように制御部205は印刷システム1000を制御する。なお、図12Aの[工程1]にて試しコピー動作を実行した際に、制御部205は、そのジョブの印刷データを全頁HDD209に記憶させる。そして、制御部205は、このジョブの本番用の印刷動作が完了するまで、その印刷データをHDD209に保持させておく。そこで本実施形態ではこのように試しコピー動作が実行されたジョブの本番用の印刷動作を図12Aの[工程3]にて実行する場合、制御部205は次のような処理を実行する。即ち、図12Aの[工程1]の段階においてHDD209に既に保持済みのこのジョブの印刷データを用いた印刷動作を印刷装置100で実行させる。
(指示2)
この指示2は、試しコピーが実行されたジョブの本番用の印刷動作を開始することをキャンセル(中止)させる指示である。制御部205は、図11Dの表示の「中止」キーがオペレータにより押下されたことで、この指示2がなされたと判断する。そして、この指示2を受付けた場合、制御部205は、このジョブの為の本番用の印刷動作を印刷システム1000にて開始させる事を禁止し、このジョブの本番用の印刷動作の実行はキャンセルさせる。また、この指示2によりキャンセルを行う場合、図12Aの[工程1]にてHDD209に保持済みのこのジョブの印刷データを全頁HDD209から消去するように制御する。
(指示3)
この指示3は、このジョブの本番用の印刷動作の開始に先立ってこのジョブの印刷処理条件を変更するための指示である。制御部205は、図11Dの表示の「設定変更」キーがオペレータにより押下されることで、この指示3がなされたと判断する。そして、この指示3を受付けた場合、制御部205は、このジョブの為の本番用の印刷動作を印刷システム1000で開始させるに先立って、オペレータによりこのジョブの処理条件の変更を操作部204で実行可能に制御する。例えば、この図11Dの「設定変更」キーが押下されると、制御部205は、このジョブの本番用の印刷動作は開始すること無しに、図11Eの表示をタッチパネル部401に実行させる。そして、制御部205は、図12AのT0の時点の直前にオペレータから受付たこのジョブの為の本番用の印刷処理条件の変更を、この図11Eの表示を介してオペレータから受付ける。例えば図11Eの表示を介して、制御部205は、印刷部数の設定変更や、フィニッシングの設定変更や、綴じ代の設定変更や、片面印刷から両面印刷への設定変更や、両面印刷から片面印刷への設定変更等を受付可能に操作部204を制御する。その後、図11Eの表示にて設定変更が完了し図11Eの「閉じる」キーが押下されると、制御部205は、図11Dの表示に戻るようタッチパネル部401を制御する。そして、図11Dの表示にて「プリント開始」キーが押下されたとする。すると、これを受け、制御部205は、図11Eの表示を介してオペレータから受付けた設定変更後の印刷処理条件に従った印刷動作をこのジョブの本番用の印刷動作として実行するように印刷システム1000を制御する。
なお、図12AのT1の時点からT2の時点までの期間にて印刷システム1000にて実行対象となる動作が、図12Aの[工程2]に対応する。そして、図12AのT2の時点から開始させる[工程3]は、上記(指示2)又は(指示3)がオペレータによりなされた場合に印刷システム1000が行う動作に相当する。つまり、制御部205は、図12Aの[工程1]にて試しコピー動作が実行されたジョブの本番用の印刷動作を、図12AのT2の時点からこの[工程3]にて開始させる。
また、試しコピー動作を実行する場合、図12Aの[工程1]と図12Aの[工程3]との間にオペレータによる介入操作として図12Aの[工程2]の操作が要求される。制御部205は、図12Aの[工程2]にてオペレータからの明示的な要求が入力されない限り、図12Aの[工程3]の本番用の印刷動作を開始させないように制御する。そして、制御部205は、図11Dの「プリント開始」キーが図12Aの[工程2]にてオペレータ入力されたことに応じて、図12Aの[工程3]の動作に移行させるように印刷システム1000を制御する。
この図12Aの[工程3]では、試しコピー動作が実行されたジョブの本番用の印刷動作として以下の動作の何れかが実行される。
例えば、図12Aの[工程2]にて設定変更がオペレータによりなされたとする。この場合、制御部205は、このジョブの本印刷の印刷動作として、設定変更後の印刷条件で、且つ試しコピー実行前に受付けた印刷部数分、このジョブの印刷処理をプリンタ部203に実行させる。一方、図12Aの[工程2]にて設定変更がオペレータによりなされなかったとする。この場合、制御部205は、このジョブの本印刷の印刷動作として、図12AのT0の直前に受け付けた印刷条件、即ち、試しコピー実行前に受付けた印刷条件のままで、このジョブの印刷処理をプリンタ部203に実行させる。但し、試しコピーにて「全頁」指定が指定されたジョブに関しては、本番用の印刷動作における印刷部数の合計が試しコピー前に受付けたトータルの印刷部数から1部減算した印刷部数となるように制御部205により制御される。
なお、本実施形態では、試しコピーが行われるジョブの試しコピー用の印刷物の出力先と同一の出力先へこのジョブの本番用の印刷物を出力することができるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
例えば、印刷システム1000が、図3に示すシステム構成であるとする。そして、図3に示す中綴じ製本機200−3cによるフィニシング処理(シート処理)として「中綴じ製本処理」が指定されたジョブの為の試しコピー動作の実行要求を、オペレータから受付たとする。この場合、制御部205は、このジョブの印刷データの印刷を、このジョブにて要する印刷媒体に対してプリンタ部203により実行させることで、このジョブの試しコピー用の印刷物を得る。そして、制御部205は、この印刷済の印刷媒体に対する中綴じ製本処理を図3の中綴じ製本機200−3cに実行させる。そして、制御部205は、この印刷物を図3の中綴じ製本機200−3cの3つの出力先Zのうちの装置下方の1番下に位置する出力先へ出力させる。尚、この試しコピー用の印刷物は、1セット(即ち、1部数分の印刷束)分、印刷システム1000にて作成される。制御部205は、このような一連の試しコピー動作を、図12Aの[工程1]にて印刷システム1000で実行させる。その後、制御部205は、このジョブの本番用の印刷物の作成のために、このジョブの印刷データの印刷を、このジョブにて要する印刷媒体に対してプリンタ部203により実行させる。そして、制御部205は、この印刷済の印刷媒体に対してオペレータが要求したフィニシング処理に相当する中綴じ製本処理を図3の中綴じ製本機200−3cに実行させる。そして、制御部205は、この本番用の印刷物を、このジョブの試しコピー用の印刷物の出力先と同一の出力先(即ち、図3の中綴じ製本機200−3cの3つの出力先Zのうちの装置下方の1番下に位置する出力先)へ出力させる。この本番用の印刷物を、オペレータが図12AのT0の直前に設定したトータルの印刷部数よりも1部数分減算した値に相当する印刷部数分、作成させるように制御部205は印刷システム1000を制御する。
このように、本実施形態にて制御部205は、試しコピーが行われるジョブの試しコピー用の印刷物と同一の出力先へそのジョブの本番用の印刷物を出力する印刷動作を、図12Aの[工程3]にて、印刷システム1000により実行可能にする。
なお、後述する確認プリント機能の実行要求をオペレータから受付ることを許可する条件や、その要求を受付けるタイミングは、この試しコピー機能のケースとは異なるように構成されている。また、印刷物の出力先に関する制御も、後述する確認プリント機能とこの試しコピー機能とでは異なるように構成されている。
このように、本実施形態の印刷システム1000は、試しコピー機能と後述する確認プリント機能とでそれぞれ区別した制御が実行されるように構成されている。そして、この後述する確認プリント機能を実行する場合、制御部205は、上述した試しコピー機能とは異なる(区別した)制御を行う。
なお、この試しコピー機能は、オフィス環境でもニーズとして要望されうる機能と考える。たとえば、ユーザが所望の出力形態でもって処理対象のジョブの印刷物を作成したいのであるが、その為に、意図しない出力や失敗は防止したい、と考えたとする。そこで、好適には、そのジョブの正式な本番用の印刷物の作成開始前に事前に出力形態を確認し、修正が必要ならば、そのジョブの印刷処理条件を変更してから正式な本番用の印刷物を作成したい。このようなニーズは、PODのような印刷環境のみならず、オフィス環境でも、要望されうると考える。
しかし、POD環境などの印刷環境にて要求されるデジタルプリンティングシステムなどでは、このような試しコピー機能にて対処可能なニーズだけを考慮していればよいというわけにはいかないと考える。
例えば、上述したオフィス環境などの印刷環境では、自分のジョブ1つだけを考慮していれば良いケースが多く、このケースでは、試しコピー機能でも十分役目を果たす。一方、PODのような印刷環境では、1つのジョブのことばかりを気にしているのではなく、印刷システムが受付ける複数の印刷ジョブの全体の生産性や、これら複数の印刷ジョブの各々の品位が重要視されうる。
たとえば、PODのような印刷環境では、印刷物の作成を要求する依頼者は顧客であり、一方、印刷システムを操作するオペレータは、印刷業者にて従事する作業者である。このような印刷環境では、より多くの顧客から印刷物の作成依頼を受注し、短期間で且つ短納期で、それらのジョブを処理したいという要望が想定されうる。そして、このような状況に対処するためにも、印刷システムにて、顧客が満足する印刷物を、可能な限り大量に、効率よく且つ短期間で、作成できるようにすることが今後要求されうる。
そこで、本実施形態では、後述する確認プリント機能に関する各種構成を印刷システム1000が具備する。これにより、例えば、印刷物の品位に係る確認作業をオペレータが行っている期間中でも、印刷システム1000による印刷動作を無駄に停止させること無しに連続運転をさせ続けることができる。このように、印刷システム1000の稼働率が無駄に低下しないようにすることができ、複数のジョブを絶え間なく処理できるように印刷システム1000は構成されている。
次に、この確認プリント機能に関する制御について以下に説明する。
[印刷システム1000が具備する確認プリント機能に係る制御]
本実施形態に係る確認プリント機能は、処理対象のジョブの印刷動作を印刷システム1000にて開始させた時点からこのジョブの印刷動作が終了する時点迄の期間中に、そのジョブの確認用の印刷物を印刷システム1000に作成させる機能である。
例えば、処理対象のジョブの為に、操作部204を介して、印刷実行要求をオペレータから受付たとする。この印刷実行要求に応答し、制御部205は、このジョブの印刷動作を印刷システム1000により開始させる。その後、制御部205は、この印刷動作を実際に印刷システム1000にて実行させている最中に、この印刷実行中のジョブの為の確認プリント動作の実行要求をオペレータから受付ることができるように、操作部204を制御する。そして、このジョブの印刷動作をプリンタ部203により実行させている最中にこのジョブの為の確認プリント要求をオペレータから受付たとする。この場合、制御部205は、この確認プリント要求がオペレータによりなされた事に応答して、プリンタ部203による印刷実行中のこのジョブの印刷動作を中断させる。そして、この確認プリント動作の対象となるジョブの印刷動作が印刷システム1000にて中断された直後に、制御部205は、このジョブの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。尚、この確認プリント動作では、この確認プリント要求がなされたジョブの確認用の印刷物が印刷システム1000により作成される。また、この確認プリント動作を行う場合、制御部205は、この印刷動作が中断されたジョブ自身の印刷データをHDD209から読み出して印刷装置100により印刷処理を実行させる。そして、この確認プリント動作を完遂させた直後に、制御部205は、印刷中断状態のこのジョブの印刷動作を自動的に再開(継続)させるように、印刷システム1000を制御する。
尚、確認プリント動作の実行要求に応じて処理が中断される印刷動作に相当し、且つこの確認プリント動作の終了に応じて自動的に処理が印刷システム1000で再開される印刷動作の事を、この確認プリント動作が実行されたジョブの本番用の印刷動作と称す。或いは、確認プリント要求がなされたジョブの印刷動作と称す。また、この確認プリントの対象となるジョブの印刷動作にて作成対象となる印刷物の事を、確認プリント動作の対象のジョブの本番用の印刷物と称す。或いは、確認プリント要求がなされたジョブの印刷物と称す。これに対して、確認プリント動作により作成対象となる印刷物の事は、確認プリント要求がなされたジョブの確認用の印刷物と称す。
また、本実施形態では、確認プリント動作として第1タイプの確認プリント動作と第2タイプの確認プリント動作とをオペレータからの指示に基いて選択的に印刷システム1000にて実行できるように、制御部205が印刷システム1000を制御する。
この第1タイプの確認プリント動作は、確認プリント要求がなされたジョブの本番用の印刷動作で利用する印刷データの全頁分の印刷データを1回分(即ち、1セット分)印刷システム1000で印刷させる動作である。
一方、この第2タイプの確認プリント動作は、確認プリント要求がなされたジョブの印刷データの1頁分の印刷のみを印刷システム1000で実行させる動作である。尚、この第2タイプの確認プリント動作では、確認プリント要求がオペレータにより操作部204を介して入力された時点において、そのとき印刷を行っている頁を印刷させるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
例えば、100ページ分の文書データからなるジョブの印刷動作を印刷システム1000に開始させているとする。そして、現在、25ページ目の印刷をプリンタ部203により実行させているタイミングで、このジョブの確認プリント要求が操作部204を介してオペレータから入力されたとする。且つ、その際、1ページ分のみの確認プリント要求がなされたとする。この場合、制御部205は、その確認プリント要求がなされた時点で印刷中の頁に該当する25頁目の印刷データのみの印刷を確認プリント動作として実行させるように印刷システム1000を制御する。尚、本実施形態にて、印刷システム1000は、プリンタ部203に対して、頁単位で給紙コマンドを発行するように構成されている。そこで、この第2タイプの確認プリント動作では、確認プリント要求が入力された際に給紙コマンドが発行されている頁と同じ頁を印刷するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。このように本実施形態では、確認プリント要求が入力された時点で印刷中の頁と同じ頁のみを印刷させる第2タイプの確認プリント動作を印刷システム1000にて実行可能に制御部205が制御する。
なお、本実施形態に係る確認プリント動作により作成して出力させた確認用の印刷物の結果は、印刷システム1000のオペレータにより確認される。そして本実施形態に係る印刷システム1000は、この確認用の印刷物の出力結果を確認したオペレータからの要求に応答し、少なくとも以下に示す3つの処理を印刷システム1000にて選択的に実行可能に構成されている。
[1. 確認プリントにより出力された確認用の印刷物の結果を見たオペレータからの要求に応じて制御部205が印刷システム1000に実行させる処理の1例(その1)〜本番用の印刷をキャンセル(中止)する]
例えば、確認プリント動作対象のジョブの確認用の印刷物を目視した結果、所望とする出力体裁ではないとオペレータが判断したとする。この場合に、この確認プリント動作の実行直後に自動的に印刷システム1000にて再開されているそのジョブの本番用の印刷動作を、制御部205は、このオペレータからの要求に基いて中止(キャンセル)するように、印刷システム1000を制御する。これにより、そのジョブの処理自体を強制終了させる。なお、制御部205は、このオペレータからの要求を、後述する図14Fの画面2400Fのキー2401Fを介して受付ける。
[2. 確認プリントにより出力された確認用の印刷物の結果を見たオペレータからの要求に応じて制御部205が印刷システム1000に実行させる処理の1例(その2)〜確認プリントの対象の本番用の印刷ジョブ固有の印刷処理条件の変更を行う]
確認用の印刷物を目視した結果、所望とする出力体裁ではないとオペレータが判断したとする。この場合に、この確認プリント動作の実行直後に印刷システム1000にて自動的に再開されているそのジョブの本番用の印刷動作を、制御部205は、オペレータからの要求に応じて一時停止するように印刷システム1000を制御する。そして、その一時停止期間中に、制御部205は、そのジョブの出力体裁を変更する設定をオペレータから操作部204を介して受付ける。例えば、その本番用のジョブの印刷動作にて要する印刷媒体の種類に関する変更設定や、印刷時の濃度の設定変更等を受付ける。又、印刷部数の増減に関する設定変更や、ステイプル等の後処理に関する設定変更も、設定変更対象の1例として受付可能にする。このような、そのジョブ固有の印刷処理条件の設定変更をオペレータから受け付け可能に制御部205は操作部204を制御する。その後、オペレータからの要求に基いて、設定変更後の印刷処理条件でもって、その本番用の印刷物の作成及び出力を最初からやり直すようにように制御部205は印刷システム1000を制御する。このように、その確認プリント対象のジョブ固有の設定をオペレータにより変更可能にする。なお、制御部205は、このオペレータからの一時停止要求を、後述する図14Dの画面2400Dのキー2401Dを介して受付ける。また、制御部205は、このオペレータからの設定変更を、後述する図13Fの画面2300Aまたは図14Cの画面2400Cなどを介して受付ける。
[3. 確認プリントにより出力された確認用の印刷物の結果を見たオペレータからの要求に応じて制御部205が印刷システム1000に実行させる処理の1例(その3)〜確認プリント対象の本番用の印刷ジョブ以外のジョブも含む、複数の印刷ジョブに共通して影響のある印刷処理条件の変更を行う]
このケースは、確認用の印刷物を目視した結果、そのジョブに限らず、その他のジョブにも影響のある、印刷システム1000の機器固有の調整値の変更が必要とオペレータが判断した場合に適用されるケースである。例えば、確認プリントの出力結果を確認した結果、印刷装置100を含む印刷システム1000の機器固有の調整値(パラメータ)を修正する必要があるとオペレータが判断した場合等が、これに該当する。尚、この機器固有のパラメータとは、例えば、プリンタ部203の定着部の温度や、印刷媒体の搬送スピード等、印刷システム1000の印刷プロセスに直接関係する機器固有のパラメータや、機器の基準値とすべき印刷濃度の値などである。本実施形態では、この機器固有のパラメータとして、少なくとも以下に示す4つの何れかのパラメータが、これに含まれる。
(1) 印刷媒体に対する印字位置のクリープ(ずれ)補正量の調整
(2) 自動階調補正
(3) 濃度補正
(4) 文字/背景のコントラスト調整
このような調整値が変更された場合、印刷装置100を含む印刷システム1000にて出力対象となる印刷ジョブの印刷出力結果にもこの調整値の変更結果が反映されるように制御部205は印刷システム1000を制御する。つまり、これら機器固有の調整値(パラメータ)自体も、処理対象となるジョブの印刷処理に影響の有る条件値である。本実施形態では、このような機器固有の調整値(パラメータ)も、処理対象となる印刷ジョブに関する印刷処理条件の1例として包含される。
又、本実施形態では、上述したような調整値以外にも、印刷出力結果に変化を与える要素がある事を想定している。例えば、印刷装置100のスキャナ部201が具備するフィーダや、プリンタ部203のワイヤや、印刷媒体を搬送する為の各種ローラといった、部材は、その利用頻度や利用期間に応じて、汚れ等が生じえる。このような場合は、このような部材のクリーニングを行うことで、より高品位な出力結果が得られる。そこで、本実施形態では、確認プリントの実行後に、オペレータからの要求に基き、以下に示す3つのうちの少なくとも何れかの処置を印刷システム1000で実行できるように制御部205が印刷システム1000を制御する。
(1) フィーダのクリーニング
(2) ワイヤのクリーニング
(3) ローラのクリーニング
このような各種部材のクリーニングを印刷システム1000の各種関係ユニットにより実行させたとする。この場合も、印刷装置100を含む印刷システム1000にて出力対象となる印刷ジョブの印刷出力結果に変化が生じる。このような印刷システム1000が具備する部材のクリーニング処理も、処理対象となるジョブの印刷処理に影響の有る処理である。故に、このような、印刷システム1000が具備する部材のクリーニング処理を実行することも、処理対象となる印刷ジョブに関する印刷処理条件を変更することの1例として包含される。
そして、制御部205は、上述したような印刷システム1000の機器固有の処理条件(パラメータ)の変更を、上述した確認プリント動作の実行後に、オペレータ操作に応じて、印刷システム1000に実行させる。その後、制御部205は、この変更済の機器固有のパラメータに従った印刷プロセスでもって、この確認プリントが実行されたジョブを処理できるように印刷システム1000を制御する。尚且つ、このジョブのみならず、他の印刷待ち行列のジョブ等、このジョブ以外のジョブについても、変更済の機器固有のパラメータに従った印刷プロセスでもって処理するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
このように、確認プリント実行後に複数のジョブの印刷処理条件に影響のある機器固有の処理条件をオペレータ要求に基き変更した上で、これら複数のジョブを印刷システム1000で連続的に処理できるように制御部205は印刷システム1000を制御する。この点も上述した試しコピー機能とは異なる点である。
例えば、制御部205が、印刷システム1000にて試しコピー動作を実行させたとする。この場合、制御部205は「この試しコピー動作が実行対象のジョブの印刷動作に関係し、且つこのジョブとは異なる他のジョブの印刷動作には関係しない印刷処理条件」を、操作部204を介して受付けたオペレータからの指示に従い変更できるように制御する。一方、制御部205が、この確認プリント動作を印刷システム1000で実行させたとする。この場合、制御部205は「この確認プリント動作が実行対象のジョブの印刷動作に関係し、且つこのジョブとは異なる他のジョブの印刷動作にも関係する印刷処理条件」を操作部204を介して受付けたオペレータからの指示に従い変更できるように制御する。なお、制御部205は、後述する図14Cの画面2400Cなどを介して確認プリント実行後の設定変更をオペレータから受付ける。
次に、この確認プリントに係る構成について、図12B〜図14H等を用いて更に説明する。
例えば、まず、制御部205が、図7の表示を操作部204に実行させたとする。なお、この表示処理は後述する図16のステップS101の処理に相当する。そして、この図7の表示を介して、制御部205が、処理対象のジョブの一連の印刷条件をオペレータから受付けたとする。なお、この印刷条件を受付ける処理は後述する図16のステップS102の処理に相当する。また、ここでは、このジョブをジョブXと称す。また、このジョブXは、合計10頁からなる一連の原稿をスキャナ部201で読取り、この読み取った原稿の印刷データを、HDD209を介してプリンタ部203で印刷させるジョブとする。
また、この図7の表示を介して、オペレータによりこのジョブXの印刷条件として以下に例示の各処理条件が設定されたとする。
(1) 印刷に要する印刷媒体の設定として、「用紙サイズがA3サイズで、且つ用紙の種類が厚紙」
(2) 印刷倍率は100%
(3) フィニシングの設定としてステイプル処理
(4) トータルの印刷部数として「100部」
以上の(1)〜(4)の各種処理条件のパラメータが、図7の表示を実行させた操作部204を介してオペレータにより設定されたとする。この場合、制御部205は、このオペレータの設定内容を反映するように操作部204を制御する。例えば、操作部204のタッチパネル部401の表示内容を、図7の表示内容から、図13Aに示す表示内容に更新させるように、タッチパネル部401を制御する。
尚、図13Aに示す設定条件をみても分るように、このジョブXは、「印刷部数分の印刷を要し、且つフィニシングの実行を要するジョブ」に該当する。この場合、制御部205は、先程と同様に、このジョブXの為の試しコピー動作の実行指示をオペレータから受付ける事を許可する。そして、制御部205は、このジョブXの為の試しコピー実行指示をオペレータが入力するために使用するキーとして、図13Aに示す画面のように、「試しコピー」キーを有効表示させる。この図13Aの「試しコピー」キーが押下された場合、制御部205は、図11Bの表示をタッチパネル部401に実行させる。そして、制御部205は、この図11Bの表示を介してジョブXの為の試しコピー動作に係る設定をオペレータから受付ける。これにより、制御部205は、このジョブXにおいても、図12Aを用いた説明と同様に、試しコピー動作を印刷システム1000により実行可能にする。そして、制御部205は、ジョブXの試しコピー動作を実行させたうえで、このジョブXの本番用の印刷動作を実行可能に印刷システム1000を制御する。
次に、このジョブXの本番用の印刷動作を開始する場合について説明する。ここで、例えば、上述した図13Aの表示をタッチパネル部401により実行させた状態において、オペレータがスタートキー503を押下したとする。これにより、制御部205は、ジョブXの印刷動作の実行要求をオペレータから操作部204を介して受付けたと判断する。なお、この印刷実行要求(印刷開始要求)を受付けたか否かの判断は後述する図16のステップS103の処理に相当する。また、この印刷動作は、確認プリント動作の実行対象となるジョブXの本番用の印刷動作に相当する。また、このジョブXの本番用の印刷動作が開始されるタイミングは、図12BのT0の時点に相当する。
このように、図13Aの画面をタッチパネル部401により表示させている状態にてスタートキー503が押下されたとする。そして、このスタートキー503が押下された時点にて、このジョブX以外に印刷要求が入力済の他のジョブがHDD209内に存在しないとする。この条件に合致する場合、制御部205は、このオペレータからのジョブXの印刷実行要求に応答し、ジョブXの一連の印刷動作を印刷システム1000により開始させる。そして、このジョブXの一連の印刷動作として、制御部205は、以下に示す複数の動作を実行するように印刷システム1000を制御する。
まず、上述したように、スタートキー503を介してジョブXの印刷実行要求をオペレータから受付けたことに応じ、制御部205は、この10頁分の原稿からなるジョブXの原稿の読取動作をスキャナ部201により先頭頁から順次実行させる。そして、この読取動作を印刷システム1000で開始させるのと同時に、このジョブXの進捗状況(処理状況)をオペレータに確認させるための表示をタッチパネル部401に実行させる。この1例として、制御部205は、図13Bに示す画面の表示をタッチパネル部401に実行させる。制御部205は、ジョブXの印刷実行要求をオペレータから受付たタイミングでこの画面2300Aをポップアップ表示するようにタッチパネル部401を制御する。なお、この画面2300Aをポップアップ表示する処理は、後述する図16のステップS104の処理に対応する。また、この画面2300Aは、印刷動作が開始されるジョブの処理状況等の進捗状況をリアルタイムにオペレータに通知出来るように構成されたジョブ処理状況画面である。尚、このジョブ処理状況の画面2300Aは、図16に示す「印刷状況画面」に相当する。
また、制御部205は、このジョブXの一連の印刷動作を完遂する為に必要な動作(例えばジョブXの読取動作、記憶動作、印刷動作、フィニシング動作等)を実行させるべき各ユニットから、このジョブXに係るステータス情報を取得する。そして、制御部205は、この画面2300Aの表示内容がこのステータス情報を反映した表示内容となるように、タッチパネル部401を制御する。
また、このジョブXの一連の印刷動作を行う場合、上述したように、制御部205は、この10頁分の原稿からなるジョブXのスキャナ部201による読取動作を、先頭頁から順番に実行させる。そして制御部205は、この読取対象のジョブXの印刷データを順次、HDD209に記憶させる。なお、この記憶処理は、後述する図26のステップS105に対応する。この段階において、ジョブXの1頁目の印刷データのHDD209への蓄積が完了していないとする。たとえば、HDD209からのデータ蓄積情報の通知を制御部205がまだ受信していないとする。この場合、制御部205は、ジョブXの処理状況を示す画面2300Aの表示内容を図13Bに示す表示内容となるようにタッチパネル部401を制御する。
この図13Bに示す画面の表示内容には、ジョブXの印刷データのHDD209への読込中である事をオペレータに確認させる為の表示として「受付け番号0001のジョブ(この例では、ジョブX)は読込中です」というメッセージが含まれる。また、この図13Bに示す画面は、このジョブXは100部数分の印刷を要するジョブであるが、まだ、1部数分の印刷も行っておらず、且つ1枚も印刷していない事をオペレータが確認できるように構成されている。
尚、図13A〜図14Hや図15に例示する画面一番下の表示欄2300は、オペレータに通知すべき優先度の高いステータス情報が存在する場合に、そのステータス情報を表示できるように構成さているステータス表示部である。例えば、図13Aの段階では、ジョブXの実際の処理はまだ開始していない。この場合、図13Aに示すように、制御部205は、表示欄2300にはステータス情報を表示させないようにタッチパネル部401を制御する。一方、図13Bの状態では、HDD209へのジョブXの読込動作中である。この場合、制御部205は、このジョブXの処理状況を示す情報を表示欄2300においても表示するように、タッチパネル部401を制御する。
次に、図13Bをタッチパネル部401に表示させた段階から、その後、ジョブXの進捗状況に変化が生じたとする。例えば、このジョブXの1頁目の印刷データは少なくともスキャナ部201からHDD209へ転送されたとする。そして、この情報をHDD209から制御部205が受取ったとする。すると、これに応答し、制御部205は、このHDD209に蓄積されたジョブXの1頁目の印刷データの印刷をプリンタ部203により開始させる。この際、制御部205は、このジョブXの1頁目の印刷動作に並行して、このジョブXの後続頁の印刷データをHDD209へ記憶するための記憶動作も印刷システム1000に実行させる。
そして更に、制御部205は、このジョブXの進捗状況の変化に対応するように、このジョブXの処理状況を示すジョブ状況の画面2300Aの表示内容を図13Bの内容から図13Cに示す内容に更新するように、タッチパネル部401を制御する。
この図13Cに示す表示は、ジョブXの印刷データのHDD209への記憶動作と同時に、ジョブXの印刷データの印刷動作を実行している事をオペレータが確認できるように表示内容が更新されている。その1例として「受付け番号0001のジョブ(この例では、ジョブX)は読込+プリント中です」というメッセージを表示させている。また、図13Cの画面は、このジョブXが100部数分の印刷を要するジョブであり、現在1部目の印刷(1セット目の印刷)の1枚目を印刷中である事をオペレータが確認できるように構成されている。尚、この画面2300Aのポップアップ表示が消去された場合でも、この情報をオペレータに通知できるように、図13Cに示すように、制御部205は、この情報と同等の情報を表示欄2300にも表示させる。
この図13Cをタッチパネル部401に表示させた段階は、ジョブXの印刷動作をプリンタ部203により開始させ、現在このジョブXの印刷動作が実行中の段階に該当する。即ち、このジョブXは現在、プリンタ部203による印刷動作の実行中のジョブに該当する。この場合、制御部205は、このジョブXの確認用の印刷物を印刷システム1000にて出力させる為の確認プリント要求をオペレータから受付ける事を許可する。このように、ジョブXが現在印刷実行中である事を条件に、制御部205は、このジョブXの為の確認プリント要求をオペレータから受付可能にタッチパネル部401を制御する。
例えば、図13Cに示すように、画面2300Aのキー2301Aを有効表示状態となるように制御部205はタッチパネル部401を制御する。そして、制御部205は、この有効表示状態のキー2301Aを介して、現在印刷動作中のジョブに該当するジョブXの確認プリント要求をオペレータから受付る。
尚、このジョブXがプリンタ部203により現在印刷実行中では無いとする。この場合、制御部205は、ジョブXの為の確認プリント要求をオペレータから受付ける事は禁止する。
例えば、図13Bの段階では、ジョブXのHDD209への記憶動作自体は開始されたが、まだジョブXの印刷データのプリントは開始していない状況である。この場合、制御部205は、図13Bの段階にてこのジョブXの為の確認プリント要求を受付ける事は禁止する。この場合、制御部205は、図13Bに示すように、キー2301Aをオペレータが押下出来ないように、キー2301Aを無効表示状態となるようタッチパネル部401を制御する。このように、制御部205は、印刷システム1000にて処理対象のジョブが現在プリント中のジョブには該当しない場合、このジョブの確認プリント要求をオペレータから受付る事は禁止するように制御する。尚、このキー2301Aの表示を無効化する方法として、図13Bのようにグレーアウト表示を行う構成でも良いし、網掛け表示や非表示等の他の無効化表示を行う構成でも良い。
次に、図13Cの表示段階からその後更に、ジョブXの進捗状況に変化が生じたとする。例えば、この10頁の原稿からなるジョブXの全頁をスキャナ部201からHDD209へ転送したとする。例えば、このジョブXのHDD209への記憶動作に関して、10ページ分全て完了したとする。そして、現在、HDD209からこのジョブXの印刷データを、このジョブXにて要するトータル100部数分の印刷完遂目指して、印刷実行中であるとする。このような状況である事を特定する為の各種情報を、制御部205は、操作部204やスキャナ部201やHDD209やプリンタ部203から、取得する。このように処理状況が変化した場合も、制御部205は、この取得した情報に基いた表示内容となるように画面2300Aの表示内容を更新するようにタッチパネル部401を制御する。
例えば、制御部205は、このジョブXの進捗状況の変化に対応するように、このジョブXの処理状況を示す画面2300Aの表示内容が図13Dに示す表示内容となるように、タッチパネル部401を制御する。
この図13Dに示す表示は、ジョブXの印刷データのHDD209への記憶動作は完了し、現在ジョブXの印刷データの印刷動作を実行している事をオペレータに確認できるように構成された表示である。例えば図13Dの画面では、「受付け番号0001のジョブ(この例では、ジョブX)はプリント中です」というメッセージを表示させている。また、この図13Dの画面では、このジョブXは合計100部数分の印刷を要するジョブであり、そのうち現在、3部目の印刷(3セット目の印刷)の10枚目を印刷中である事をオペレータに通知している。尚、図13Dの表示段階も、図13Cの表示段階と同様、ジョブXの印刷実行中の段階に該当する。この場合も、図13Dの表示に示すように、制御部205は、画面2300Aの「確認プリント」のキー2301Aが有効表示状態となるようにタッチパネル部401を制御する。このように、印刷実行要求がなされた処理対象のジョブが現在印刷実行中のジョブに該当する場合、制御部205は、そのジョブの為の確認プリント要求をオペレータから受付ける事は許可するように(有効となるように)制御する。尚、この画面2300Aのポップアップ表示が消去された場合でも、オペレータにこのジョブの処理状況がわかるようにこのジョブのステータス情報を表示欄2300にも表示させるように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。
このように、制御部205は、印刷実行要求が行われたジョブの画面2300Aの表示内容を、そのジョブの印刷システム1000における処理状況に連動してリアルタイムに更新するように、タッチパネル部401を制御する。この1例として図13A〜図13Dの一連の表示遷移の制御例のように、制御部205は、ジョブXの印刷システム1000における進捗状況に応じて、ジョブXの処理状況を示す画面2300Aの表示内容を順次更新するようにタッチパネル部401を制御する。また、制御部205は、タッチパネル部401の下方部に設けた表示欄2300の表示内容も、この処理対象のジョブの処理状況に連動した表示内容となるようにタッチパネル部401を制御する。
また、制御部205は、印刷実行要求がなされた処理対象のジョブが印刷システム1000により印刷実行中か否かに基いてそのジョブの確認プリント要求の受付可否を決定する。例えば、ジョブXの印刷動作がプリンタ部203により実行中である事を条件に、制御部205は、図13Cや図13Dに示すようにキー2301Aをオペレータが押下できるように操作部204を制御する。これにより、このキー2301Aを介してジョブXの確認プリント要求をオペレータから受付ける事を許可する。このように、印刷実行要求がなされた処理対象のジョブが現在印刷実行中のジョブに該当する場合、制御部205は、そのジョブの為の確認プリント要求をオペレータから受付ける事を許可するように(有効となるように)制御する。
一方、このジョブXが現在印刷実行中でない場合、図13Bに示したように、制御部205は、キー2301Aをオペレータが押下することができないように無効表示状態にし、このジョブXの為に確認プリント要求をオペレータから受付ける事は禁止する。このように、印刷実行要求がなされた処理対象のジョブが現在印刷実行中のジョブには該当しない場合、制御部205は、そのジョブの為の確認プリント要求をオペレータから受付ける事は禁止するように(無効となるように)制御する。
次に、例えば、図13Dの表示をタッチパネル部401に実行させた状態にて、図13Dのジョブ処理状況の画面2300Aにて有効表示状態のキー2301Aがオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、このキー操作に応答して、図13Eに示す表示をタッチパネル部401に実行させる。なお、この処理は、後述する図16のステップS109でYESと判定し、ステップS110の処理へ進むケースに相当する。
この図13Eに示す画面2300Bは、確認プリント動作が実行されるべきジョブのために上述の第1タイプの確認プリント動作と第2タイプの確認プリント動作のどちらを実行させるかをオペレータが決定できるように構成された表示画面である。この図13Eの画面2300Bは、図16に記す「確認プリントの種類の選択画面」に相当する。
この画面2300Bに具備される「全ページ」キー2301Bは、確認プリント動作の実行が許可対象のジョブのために第1タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる指示をオペレータが入力可能に構成された表示キーである。
また、画面2300Bに具備される「1枚(自動)」キー2302Bは、確認プリント動作の実行が許可されているジョブのために第2タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる指示をオペレータが入力可能に構成された表示キーである。
制御部205は、このキー2301B及びキー2302Bによる選択は択一的な選択となるように制御する。また、オペレータが2301Bを選択した場合を除き、この画面2300Bのキー2302Bが選択状態となるように制御部205は制御する。そして、何れかの確認プリント動作がこれらのキーの何れかの選択により決定され、図13Eの表示の「プリント開始」キー2304Bがオペレータにより押下された時点で、制御部205は、確認プリント動作の実行要求をオペレータから受付けたと判断する。一方、キー2304Bが押下されない場合、制御部205は、確認プリント動作の実行が許可されているジョブの為の確認プリント動作は開始しないよう制御している。
例えば、現在の状況として、図13Eの表示を操作部204により実行させた状態であり、且つ、キー2304Bがオペレータにより押下されていない状態であるとする。なお、この判断は、後述する図16のステップS111にてNOと判定したケースに対応する。そして、この状況の場合、制御部205は、ジョブXの確認プリント動作を開始させる事は禁止している。この状況の場合、制御部205は、このジョブXの本番用の印刷動作の完遂を目指して、印刷システム1000によるジョブXの本番用の印刷動作を引き続き継続して実行させるように印刷システム1000を制御する。尚且つ、この状況をリアルタイムにオペレータに通知するようにジョブXのジョブ処理状況画面の表示内容も印刷状況に連動して更新するようタッチパネル部401を制御する。
この点に関し、例えば、図13Dの表示の段階では、10頁分の印刷データの100部数分の印刷を本番用の印刷動作にて要するジョブXの3部目(3セット目)の印刷を実行中であった。その後、制御部205は、図13Eの表示を操作部204により実行させる。且つ、図13Eの表示のキー2304Bがオペレータにより押下されていない事を確認している。この状況下の場合、制御部205は、確認プリント動作の対象として許可するジョブXの本番用の印刷動作を印刷システム1000で継続させる。例えば、現在、制御部205は、ジョブXの4部目(4セット目)の印刷をプリンタ部203により実行させている最中であるとする。この場合、制御部205は、「受付け番号0001のジョブXが、現在プリント中であり、且つ現在トータル100部(100セット)のうちの4部目(4セット目)を印刷中である事をオペレータに通知する為にタッチパネル部401を制御する。この1例として、制御部205は、画面2300Bを表示させたままの状態であっても、図13Eに示すように、ジョブXの処理状況として、「0001 コピー プリント中です(4/100)」というメッセージを表示欄2300で表示するよう制御している。
その後、この図13Eの画面2300Bの「全ページ」キー2301Bがオペレータにより押下されたうえで「プリント開始」キー2304Bがオペレータにより押下されたとする。すると、このキー操作に応答し、制御部205は、第1タイプの確認プリント動作の実行要求がオペレータにより入力されたと判断する。なお、この判断は、後述する図16のステップS111においてYESと判定したケースに対応する。そして、この要求が入力されたことをうけて、制御部205は、印刷システム1000により現在実行中のジョブに該当するジョブXの本番用の印刷動作を停止(中断)させるように印刷システム1000を制御する。そして、制御部205は、このジョブXの本番用の印刷動作を中断させた直後に、このジョブXの確認プリント動作として、第2タイプの確認プリント動作は実行させずに第1タイプのプリント動作を開始させるように印刷システム1000を制御する。
一方、この図13Eの画面2300Bの「1枚(自動)」キー2302Bがオペレータにより押下されたうえで「プリント開始」キー2304Bがオペレータにより押下されたとする。この場合、このキー操作に応答し、制御部205は、第2タイプの確認プリント動作の実行要求がオペレータにより入力されたと判断する。この場合、制御部205は、印刷システム1000により現在実行中のジョブに該当するジョブXの本番用の印刷動作を停止(中断)させる。そして、その直後に、このジョブXの確認プリント動作として、第1タイプの確認プリント動作は実行させずに第2タイプのプリント動作を開始させるように印刷システム1000を制御する。
また、上述したように、本番用の印刷動作の代わりに印刷システム1000にて開始させる「第1タイプの確認プリント動作」では、その本番用の印刷動作における1セット分の印刷にて印刷対象となる全ページの印刷データが全て1回分印刷さえる。例えば、この例の場合、制御部205は、ジョブXの第1タイプの確認プリント動作として、ジョブXの10頁分の印刷データを全頁1回分印刷するように印刷システム1000を制御する。
一方、上述したように、本番用の印刷動作の代わりに印刷システム1000に開始させる「第2タイプの確認プリント動作」では、その本番用の印刷動作における1セット分の印刷にて印刷対象となる全ページのうちの特定頁のみが1枚印刷される。本実施形態では、上述したように、確認プリント要求が入力された時点で丁度印刷中の頁に該当する頁を印刷させるように制御している。例えば、オペレータにより、画面2300Bの「1枚(自動)」キー2302Bが押下されたうえで「プリント開始」キー2304Bが押下されたとする。このキー2304Bの指示が入力されたタイミングの時点にて、ジョブXの4セット目の印刷動作として、ジョブXの7頁目の印刷を開始するようにプリンタ部203に制御部205が指示した段階であったとする。このように、HDD209からジョブXの7頁目の印刷データを読出させ、その7頁目の印刷が対象となる1枚の印刷媒体を給紙部から給送させる為の給紙コマンドをプリンタ部203に発行した段階であるとする。この場合、制御部205は、このジョブXの本番用の印刷動作を中断させた直後に、第2タイプの確認プリント動作として、ジョブXの7頁目の印刷データのみを1枚の印刷媒体に印刷するように印刷システム1000を制御する。このように、キー2302Bが押下されキー2304Bが押下された場合、制御部205は、その時点でそのジョブの本番用の印刷動作の何頁目の印刷を行おうとしているのかを確認する。そして、その確認した頁のみを確認プリント動作にて印刷させるように制御する。このように、第2タイプの確認プリント動作にて印刷されるページは、オペレータが確認プリント要求を入力したタイミングに基いて自動的に決定され、そのページが1枚の印刷媒体に印刷される。
尚、図13Eの「キャンセル」キー2303Bがオペレータにより押下されたとする。この場合、このキー操作に応答し、制御部205は、確認プリント動作の実行を許可するジョブの為の確認プリントに関する設定をキャンセルする。そして、この場合、画面2300Bのポップアップ表示は終了し、このジョブの進捗状況を示す画面2300Aを再度、タッチパネル部401に表示するように制御部205は操作部204を制御する。例えば、このケースではジョブXの画面2300Aが再度表示される。
又、本実施形態では、第2タイプの確認プリント動作にて、制御部205自身の判断で、自動的に確認プリント対象とする印刷頁を特定し、その特定頁の印刷のみを1枚の印刷媒体に実行するように制御部205により制御する構成を説明した。しかし、これ以外の構成でも良い。例えば、キー2302Bがオペレータにより押下された後に、確認プリントの実行を許可するジョブの印刷データのうちの任意の頁を、オペレータ自身が1ページ特定する。そして、オペレータによる任意の頁が選択され、キー2304Bが押下された事に応答し、制御部205が、そのオペレータにより指定された任意の頁の印刷データを1枚の印刷媒体にプリントし、出力させるように制御する。このような構成でも良い。但し、この構成でも、このような確認プリント要求は、そのジョブが現在印刷動作中のジョブである事を条件とする。
以上説明したように、オペレータが図13Eの画面2300Bにて、確認プリントの種類を選択すべく、キー2301B及びキー2302Bの何れかを指示し、更に、確認プリント要求を入力すべく、キー2304Bが指示されたとする。これにより制御部205は、確認プリント要求がオペレータによりなされたと判断する。なお、この処理は、後述する図16のステップS111においてYESと判定したケースに対応する。そして、これを受け、制御部205は、ジョブXの本番用の印刷動作を自動的に中断(停止)させるように印刷システム1000を制御する。なお、この処理は、後述する図16のステップS114の処理に対応する。そして、制御部205は、このジョブXの本番用の印刷動作を中断させたうえで、このジョブXの確認プリントとして、画面2300Bにてオペレータにより選択された種類の確認プリント動作を、印刷システム1000にて自動的に開始させるように制御する。なお、この処理は、後述する図16のステップS115の処理に対応する。そしてその後、ジョブXの為の確認プリント動作が印刷システム1000にて完了(終了)したとする。すると、制御部205は、このジョブXの確認プリント動作が終了した事に応じて、このジョブXの本番用の印刷動作を自動的に再開(継続)させるように、印刷システム1000を制御する。なお、これらの処理は、後述する図16のステップS116からステップS117までの処理に対応する。
また、このように確認プリント動作が実行されたジョブの本番用の印刷動作を印刷システム1000で再開させるとする。この場合、制御部205は、この確認プリント動作の実行要求がオペレータにより入力される直前迄に既に処理済の印刷分については、この再開動作の際においては印刷しないように印刷システム1000を制御する。そして、確認プリント動作が終了した事に応じて自動的に再開させるこの本番用の印刷動作では、確認プリント動作の実行前にそのジョブにて未処理部分(残り部分)の印刷動作のみを実行するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
例えば、上記確認プリント動作の対象のジョブXは、本番用の印刷動作として、「10頁からなる一連の印刷データをトータルで100部数分(100セット分)印刷を実行する必要があるジョブ」である。且つ、上述した例では、このジョブXの為の確認プリント動作の実行要求が図13Eのキー2304Bを用いてオペレータ入力される直前迄に、既に、ジョブXの本番用の印刷動作として、4部目(4セット目)の7頁目の印刷までを実行済の状況である。この場合、制御部205は、確認プリント動作が終了した事に応じて自動的に再開させるジョブXの本番用の印刷動作としては、以下の動作を、順次、実行するように、印刷システム1000を制御する。
(1) 4部目(4セット目)の印刷を完了させるべく、ジョブXの8〜10頁目までの印刷データを、3枚の印刷用紙を用いて、1ページずつ印刷させる。
(2) 5セット目の印刷から、最終部数に該当する100セット目の印刷までを、完了させる。
即ち、ジョブXの確認プリント動作直後に自動的に再開させるジョブXの印刷動作では、[4セット目の残り印刷枚数3枚]と、[5セット目〜100セット目の印刷分に該当する(10枚×95セット)]との合計に相当する、953枚分の印刷を実行させる。
このように本実施形態にて、この確認プリント動作が行われる場合、制御部205は、以下に示す動作を順次、自動的に、実行させるように印刷システム1000を制御する。
[動作1] まず、制御部205は、スタートキー503を用いたオペレータからの印刷実行要求の入力に応答して、処理対象となるジョブの印刷動作を印刷システム1000に開始させる。この印刷動作は、確認プリント動作が実行される対象となるジョブの本番用の印刷動作に相当する。この印刷動作の開始のタイミングは図12BのT0の時点に相当する。また、この[動作1]は、図12BのT0時点からTX時点直前までの期間中にて印刷システム1000にて実行される図12Bの[工程1]の動作に相当する。
[動作2] 次に、制御部205は、キー2304Bを用いたオペレータからの確認プリント動作の実行要求の入力に応答し、この本番用の印刷動作を中断させる。そして、この本番用の印刷動作の中断直後に、制御部205は、そのジョブの確認プリント動作を印刷システム1000により自動的に開始させる。この確認プリント動作では、この印刷動作が中断されたジョブの印刷データを用いた印刷処理が実行される。また、このキー2304Bの入力に先立ち、画面2300Bのキー2301Bがオペレータにより入力されていたとする。この場合、制御部205は、この確認プリント動作にて上述の第1タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。一方、このキー2304Bの入力に先立ち、画面2300Bのキー2302Bがオペレータにより入力されていたとする。この場合、制御部205は、この確認プリント動作にて上述の第2タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。この確認プリントの開始タイミングは図12BのTXの時点に相当する。また、この[動作2]における確認プリント動作が、図12BのTX時点からTY時点直前までの期間中にて実行される図12Bの[工程2]の動作に相当する。
[動作3] 次に、制御部205は、この確認プリント動作の終了直後に、上述の印刷中断対象のジョブの本番用の印刷動作を印刷システム1000により自動的に再開(継続)させる。この印刷動作を再開するタイミングが図12BのTYの時点に相当する。そして、この[動作3]は、図12BのTYの時点から図12Bの最後の直前までの期間中にて実行される図12Bの[工程3]の動作に相当する。
図12Bの制御シーケンスを参照しても分るように、この確認プリント機能を利用する場合、印刷システム1000の印刷動作が無駄に停止されることなく連続運転出来るように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
例えば、図12BのT0時点からTX時点までの期間中において、図12Bの[工程1]のように、制御部205は、プリンタ部203による印刷動作を実行できるようにする。なおかつ、図12BのTX時点からTY時点までの期間中においても、図12Bの[工程2]のように、制御部205は、プリンタ部203による印刷動作を停止させること無く持続(継続)できるように印刷システム1000を制御する。なおかつ、図12BのTY時点から図12Bの最後の時点までの期間中においても、図12Bの[工程3]のように、制御部205は、プリンタ部203による印刷動作を停止させることなく持続(継続)できるように印刷システム1000を制御する。
このように、印刷システム1000にて確認プリント機能に関する動作を実行させたとしても、印刷システム1000における印刷動作を無駄に止めずに連続動作できるように構成されている。
このような確認プリント機能に関する仕組みも、上述した試しコピー機能とは異なる点である。
例えば、図12Aに示すように、試しコピー動作を実行するケースにおいては、図12AのT1時点〜T2時点迄の期間中は、この試しコピー動作対象のジョブに係る印刷動作が停止状態となるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。一方、確認プリント動作を印刷システム1000にて実行するケースでは、図12Bに示す如く、確認プリント動作対象のジョブに係るプリンタ部203による印刷動作が図12Bのどの期間においても継続可能に制御部205は印刷システム1000を制御する。
このように、本実施形態の印刷システム1000は、試しコピー動作の実行時における印刷システム1000の稼動率よりも高い稼働率で確認プリント動作が実行可能に、制御部205により制御される。
なお上述したように図12AのT1〜T2の期間中、制御部205は、試しコピー動作対象のジョブに関する印刷動作の実行は禁止している。しかし、この状況下においても、例えば、この試しコピー動作対象のジョブとは異なる他の印刷待ち状態のジョブの印刷データがHDD209に記憶されているとする。この場合、制御部205は、その他のジョブの印刷動作を図12AのT1〜T2の期間中にて実行させる事を許可する。このように、試しコピー動作が実行されたジョブがオペレータの介入操作待ちの状態である事を条件に、制御部205は、そのジョブ以外の他のジョブの印刷動作を印刷システム1000にて実行可能にする。
これにより、試しコピー動作を印刷システム1000にて実行させる場合であっても、印刷システム1000の稼働率が無駄に低下しないようにする事ができるという効果が上述した効果に加えて更に得られる。且つ、複数のジョブを処理するのに必要なトータルの所要時間の短縮化という効果が可能な限り向上可能となるという更なる効果が得られる。
なお、上述したように、制御部205は、プリンタ部203によるジョブXの本番用の印刷動作の実行中にキー2304Bがオペレータから入力された事を受け、このジョブXの本番用の印刷動作を中断させる。そして、このジョブXの印刷動作を中断させた時点から、制御部205は、このジョブXの確認プリント動作を印刷システム1000に開始させる。そして、このジョブXの確認プリント動作が終了したことに応じて、制御部205は、この時点から、この印刷中断対象のジョブXの本番用の印刷動作を印刷装置100により再開させる(継続)させる。このようにジョブXの本番用の印刷動作が再び実行期間中になったら、制御部205は再度、このジョブXの画面2300Aをタッチパネル部401に自動的に表示させる。
また、上述したように、キー2304Bが押下された場合、自動的に、この図13Eの画面2300Bのポップアップ表示は終了し、ジョブXの画面2300Aを再度表示するように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。この1例として、制御部205は、ジョブXの本番用の印刷動作が再開された時点から図13Fに示す表示をタッチパネル部401に実行させる。
この図13Fの表示をタッチパネル部401により実行させている段階は、ジョブXの確認プリント動作も終了し、現在、ジョブXの印刷動作を再開させている段階に該当する。この段階は、図12Bの[工程3]の動作を印刷システム1000にて実行期間中の段階に該当する。
上述したように、ジョブXの確認プリント動作の終了に応じて制御部205がジョブXの印刷動作を印刷システム1000により自動的に再開させたとする。そして、印刷システム1000にて再開させたジョブXの本番用の印刷動作の進捗状況として現在、ジョブXの34部目(34セット目)の10枚目を印刷実行中であるとする。この場合、制御部205は、図13Fの画面2300Aに示すように、受付番号0001のジョブに該当するジョブXの画面の表示内容もこの現在の印刷進捗状況に合致した表示内容となるようにタッチパネル部401を制御する。
ここで、制御部205は、タッチパネル部401に再表示させたこの図13Fに示す画面2300Aにおいても上述した「確認プリント」のキー2301Aが有効表示状態となるように、タッチパネル部401を制御する。そして、この図13Fの画面2300Aにて有効表示状態のキー2301Aがオペレータにより押下されたとする。この場合、このキー操作に応答して、制御部205は、図13Eに示す確認プリントの種類の選択の画面2300Bを再度タッチパネル部401に表示させる。
そして、タッチパネル部401に再表示させた図13Eの画面2300Bを介してキー2304Bが再度押下されたとする。この場合、制御部205は、このキー2304Bによる2回目の確認プリント要求に応答し、以下の動作を順次実行するように印刷システム1000を制御する。
[動作A1] ジョブXの1回目の確認プリント動作の終了に応じて印刷システム1000により再開済みのこのジョブXの本番用の印刷動作を制御部205は再度、中断させる。
[動作A2] このジョブXの印刷動作が中断された直後に、制御部205は、このジョブXの2回目の確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。なお、この2回目の確認プリント動作でも、この印刷動作が中断されたジョブXの印刷データを用いた印刷処理が実行される。また、キー2304Bによる2回目の確認プリント要求の入力に先立ち、画面2300Bのキー2301Bがオペレータにより入力されていたとする。この場合、制御部205は、この2回目の確認プリント動作にて上述の第1タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。一方、キー2304Bによる2回目の確認プリント要求の入力に先立ち、画面2300Bのキー2302Bがオペレータにより入力されていたとする。この場合、制御部205は、この2回目の確認プリント動作にて上述の第2タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。
[動作A3] このジョブXの為の2回目の確認プリント動作が終了した直後に、制御部205は、このジョブXの本番用の印刷動作を印刷システム1000にて再度自動的に再開(継続)させる。このように確認プリント動作が2回行われたジョブXの2回目の印刷再開動作が行われる。
尚、この[動作A3]にて再開対象となるジョブXの本番用の印刷動作では、この[動作A2]の開始直前までに処理した分の印刷は実行させずに、[動作A2]の開始直前までの段階にて未処理であった部分に相当する印刷動作を実行させる。例えば、図13Fの表示の直後にジョブXの為の2回目の確認プリント要求がキー2304Bを介して入力されたとする。この場合には、10頁からなる一連の印刷データをトータル100セット分印刷するジョブに該当するジョブXの34セット目の10枚目の印刷までは、既に処理済である。故にこの場合、制御部205は、この[動作A3]として、ジョブXの35セット目の印刷から100セット目の印刷までを実行させるように制御する。
このように、印刷が再開されたジョブの本番用の印刷動作が未完了であり、且つ現在実行中である事を条件に、制御部205は、そのジョブの為の確認プリント要求を再びオペレータから受付ける事を許可するように操作部204を制御する。そして、この確認プリント要求が再度オペレータから要求されたとする。この場合、制御部205は、この確認プリント要求が再度実行されたジョブに関して、上述の一連の処理(即ち、本番用の印刷動作の中断処理、このジョブの確認プリント、このジョブの本番用の印刷動作の再開)を再び印刷システム1000に実行させる。
以上のように、本実施形態では、本番用の印刷動作が実行中であるならば、そのジョブの為の確認プリント要求を何回でも繰り返し、オペレータから受付ける事を制御部205は許可する。そして、制御部205は、確認プリント要求が入力される毎に何回でもそのジョブの確認プリント動作を実行可能に印刷システム1000を制御する。
例えば、処理対象のジョブが5000枚もの大量枚数の印刷を要するジョブであるとする。この場合に、例えば、1000枚目の印刷を行った時点で、そのジョブの為の1回目の確認プリントを実行する。その後、2500枚目の印刷を行った時点で、そのジョブの為の2回目の確認プリントを実行させる。その後、更に、4000枚目の印刷を行った時点で、そのジョブの為の3回目の確認プリントを実行させる。
このように、本実施形態の印刷システム1000は、同一ジョブでも、定期的に繰り返し確認プリント動作を実行できるように印刷システム1000を制御することができる。これにより、例えば、大量に印刷が行われるジョブの本番用の印刷動作にて出力される印刷物の出力結果に問題がないか否かを、印刷動作は継続させたままの状態で、抜き取りチェックのようにオペレータが定期的に確認する事ができる。又、出力結果の濃度や印刷位置等の変化が、印刷を継続させている最中に生じていないか否かを、生産性を損なう事無く、定期的にオペレータがチェック可能となる。また、例えば、大量枚数の印刷を要するジョブの本番用の印刷物の出力結果に変化が生じれば、速やかに、印刷条件を変更して、その印刷動作を継続させることができる。これにより、例えば、以下に示すような問題が発生することも未然に防止することができるという効果が得られる。
(1) 大量枚数の印刷を要するジョブの本番用の印刷動作を全て完了した後に、このジョブの大量の印刷結果をオペレータが全て検品した結果、印刷物の出力結果が途中から変化していることにその時点で初めてオペレータが気づくといった問題。
(2) (1)の問題が発生した事に起因して、本番用の印刷動作が全て完了した後に最初からもう一度そのジョブの本番用の印刷動作をやり直すといった問題。且つ、この問題の発生が原因で、必要以上に資源を利用したり、必要以上に作業時間が要求されるといった資源の無駄使いや無駄な作業時間の発生の問題。
本実施形態では更に、確認プリント動作の実行直後にオペレータから受付を許可するオペレータ要求として、例えば以下に示す要求(1)〜(4)の少なくとも何れかを含む複数種類の要求を選択的に受付可能に制御部205が印刷システム1000を制御する。
[確認プリント実行直後に制御部205が受付を許可するオペレータ要求(1)]
この要求(1)は、確認プリント動作が実行され、且つに本番用の印刷動作が再開されたジョブの本番用の印刷動作を一時停止させるオペレータ要求である。
制御部205は、確認プリントが済んだジョブの本番用の印刷動作が印刷システム1000にて再開している期間中にこの要求(1)を操作部204を介してオペレータから受け付け可能にする。そして、この要求(1)を受付けた場合、制御部205は、その本番用の印刷動作を一時停止するよう印刷システム1000を制御する。このケースの場合、このジョブの一時停止期間中に、そのジョブの出力結果、及び他の印刷待ちの後続ジョブの印刷結果に影響のある機器固有の処理条件をオペレータが変更できるように、制御部205は操作部204を制御する。そして、この処理条件の変更が済んだら、制御部205は、その変更後の処理条件でもって、そのジョブの本番用の印刷動作を再開するよう印刷システム1000を制御する。そして、そのジョブの印刷動作が完了したら、制御部205は、その変更後の処理条件でもって、HDD209に印刷データが記憶済の他の印刷待ち状態の後続ジョブの本番用の印刷動作を開始させるように、印刷システム1000を制御する。
このように制御部205は、1つのジョブの確認プリントが実行された後にこのジョブを含む複数のジョブの出力結果に影響がある(複数のジョブに共通する)処理パラメータに該当する、印刷システム1000固有の処理条件に関する印刷処理条件を変更(調整)できるようにする。そして制御部205は、その変更後の処理条件でこれら複数のジョブの印刷動作を連続的に印刷システム1000により実行できるようにする。
この要求(1)に基いた制御に関する具体例を、上述したジョブXを用いて説明する。
例えば現在、ジョブXの本番用の印刷動作が再開され、この印刷動作が印刷システム1000にて実行している最中であるとする。そして、このようにジョブXの印刷動作が再開されている最中にて、上述した確認プリント動作により出力済のこのジョブXの確認用の印刷物の出力結果を目視で確認しているとする。そして、このジョブXの確認用の印刷物の出力結果を目視で確認した結果、オペレータが、印刷システム1000機器固有の処理条件を変更する必要があると判断したとする。
この状況の場合、図13Fに示すように、画面2300Aが表示されたままの状態であっても「システム状況/中止」キー2301が有効表示されるように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。
そして、この状況にて、このキー2301がオペレータにより押下されたとする。この場合、ジョブXの本番用の印刷動作は印刷システム1000で継続させたままの状態で、制御部205は、このキー2301の操作に応答して、図14Aに示す表示をタッチパネル部401に実行させる。
この図14Aに示す画面2400Aには、以下に示す情報に基いた表示内容が表示されるように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。
(情報1) この情報1は、印刷システム1000のシステム構成情報である。この情報は、例えば、印刷装置100にどのようなシート処理装置がどのような順序で何台接続されているのかをオペレータに通知するための情報である。
(情報2) この情報2は、印刷中のジョブ、及び印刷待ち状態のジョブを含む、印刷対象のデータがHDD209に記憶された、プリンタ部203で印刷すべき各ジョブの情報である。例えば、受付け番号や、受付け時刻、ジョブ名(ジョブの種類)、ユーザ名、状況等の情報が、この情報2に含まれている。
これら(情報1)や(情報2)に基いて、制御部205は、図14Aに示すように、印刷システム1000の概観図を視覚的に表現したデバイス情報を画面2400Aに表示させるようにタッチパネル部401を制御する。
また、これら(情報1)や(情報2)に基いて、制御部205は、図14Aに示すように、画面2400Aの表示領域の上方箇所にジョブリストを表示させるようにタッチパネル部401を制御する。
このようにジョブリストの一覧表示を実行させる場合、制御部205は、HDD209に印刷データが記憶されたジョブでプリンタ部203による印刷動作を要する複数のジョブの情報をジョブ毎に区別してこのジョブリストに一覧表示させる。係る複数のジョブは、印刷中のジョブ、印刷待ち状態のジョブを含む。
例えば、ここでは現在、ジョブXの本番用の印刷動作がプリンタ部203により実行中である。この場合、制御部205は、図14Aに示すように、ジョブリスト上の1番上に、「(受付番号)0001(時刻)13:24(ジョブ名)コピー(ユーザ名)COPY USER(状況)プリント中(待ち時間)1分未満」等のジョブXの情報を表示させる。また、制御部205は、このジョブリストの2番目以降に、このジョブXとは異なる他の印刷待ち状態のジョブとして、受付番号0002のジョブ(以下、ジョブYと称す)や受付番号0003のジョブ(以下、ジョブZと称す)の各ジョブの情報を表示させる。
尚、この画面2400Aのジョブリストに一覧表示させるジョブの順番は、オペレータから印刷実行要求を受付けた順番と同じ順番となるように制御部205は制御する。即ち、印刷システム1000による処理順番と同じ順序で各ジョブの情報をリスト表示させる。
又、この画面2400Aのジョブリストは、オペレータがタッチパネル部401に対して行う操作に応答し、このジョブリストに表示されている複数のジョブの中からオペレータが所望のジョブを選択出来るように構成されている。そして、この図14Aに示すジョブリストにおける複数のジョブの中から何れかのジョブの表示ラインをタッチすることで、オペレータによるジョブの選択がなされたと制御部205は判断する。
又、画面2400Aのジョブリストでオペレータより所望のジョブが選択された場合、選択されたジョブがどのジョブであるかを特定出来るようにする為に、選択対象のジョブの表示ラインを反転表示するよう、制御部205はタッチパネル部401を制御する。例えば、図14Aの表示状態は、オペレータによりジョブXが選択された後の状態を示している。
また、画面2400Aは更に、以下の表示構成要素が具備されるように構成されている。
プリントの一時停止のキー2401Aは、画面2400Aのジョブリストで選択されたジョブ(即ち、プリンタ部203による印刷動作を要し且つ現時点で印刷未完了のジョブ)の印刷動作を一時停止する指示をオペレータが入力可能にする為の表示キーである。
例えば、図14Aの表示状態にて、キー2401Aがオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、プリンタ部203により現在プリント動作中のジョブXの印刷動作を一時的に停止させる。
尚、印刷動作が一時的に停止されたジョブは、後でオペレータからの指示により、一時停止状態が解除され、印刷動作が再開できるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
又、本実施形態では、このキー2401Aによりプリントの一時停止指示がオペレータから入力された場合に、画面2400Aのジョブリストにて表示対象の全てのジョブの印刷動作の実行開始をロックすることができる。例えば、図14Aの表示段階にてキー2401Aが押下された場合、制御部205は、ジョブXの印刷動作をストップさせる。尚且つ制御部205は、印刷待ち状態の他のジョブYやZの印刷動作を印刷システム1000にて開始実行させる事も禁止する。このように印刷システム1000にて印刷する必要があるジョブ全てを一時停止することができる。
但し、このジョブリストでオペレータにより選択されたジョブの印刷動作のみをロック(一時停止)するように制御しても良い。例えば、図14Aの表示状態にて、ジョブXが選択されたうえで、キー2401Aがオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、このジョブXの印刷動作のみを一時停止させ、かわりに、ジョブYやジョブZ等の印刷待ち状態の後続ジョブの印刷動作を印刷システム1000により実行させるように制御しても良い。
キー2401Aがオペレータにより押下されていない場合、制御部205は画面2400Aの表示をタッチパネル部401に実行させた状態のままで、現在印刷動作が実行中のジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作をプリンタ部203により継続させ続ける。
そして、この状況の場合でも、制御部205は、この印刷実行中のジョブの情報をリアルタイムにオペレータに通知すべく、表示欄2300の表示も随時、そのジョブの進捗状況に対応するよう更新させる。例えば、図13Fの表示段階では、ジョブXは100セット分の印刷のうちの34セット目の印刷を実行中であった。しかし、図14Aの表示段階では、ジョブXの進捗は進んでいる。この段階では、例えば、ジョブXの38セット目の印刷をプリンタ部203により実行させているとする。この場合、図14Aに示すように、制御部205は現在、38セット目の印刷を実行中である事をオペレータに通知する情報を表示欄2300に表示させる。
また、図14Aの画面2400Aのキー2401Aがオペレータにより押下されたとする。この場合、このキー2401Aが押下された事に応答し、制御部205は、図14Bに例示する画面2400Bをタッチパネル部401にポップアップ表示させる。
この画面2400Bは、プリント中のジョブのプリント動作を一時停止するか否かをオペレータが決定出来るように構成されたプリント一時停止確認画面である。
例えば、画面2400Bのキー2402Bがオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、現在プリント実行中のジョブXのプリント動作は停止させることなく、この画面2400Bの表示を終了させ、図14Aの表示に戻るようにタッチパネル部401を制御する。
一方、この画面2400Bのキー2401Bがオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、プリント中のジョブXのプリント動作を停止させる。これにより、制御部205は、ジョブXのプリント動作を一時停止状態にする。
なお、上述したような方法で、プリンタ部203によるプリント動作が一時停止状態になったとする。そして、この状況下にて、操作部204のユーザモードキー505がオペレータにより押下されたとする。この場合、このキー操作に応答し、制御部205は、図14Cに例示する表示をタッチパネル部401に実行させる。
この画面2400Cは、プリンタ部203による印刷対象となる1つのジョブに限らず複数のジョブの各ジョブの印刷結果に共通して影響のある処理条件をオペレータからの指示に応じて変更できるようにする為の表示画面である。また、この画面2400Cは、印刷装置100を含む印刷システム1000が有する複数のユニットのクリーニングを印刷システム1000に実行させる際に利用される。
例えば、上述したジョブXの本番用の印刷動作が一時停止期間中に、オペレータが画面2400Cの「クリープ(ずれ)補正量の調整」キーを押下したとする。この場合、制御部205はこの操作に応答し、クリープ補正量調整画面(不図示)をタッチパネル部401に表示させる。
このクリープ補正量調整画面(不図示)は、プリンタ部203による印刷媒体(印刷用紙)に対して印刷対象となる画像の印刷媒体上における印字位置をオペレータが微調整する指示を入力可能に構成された表示画面である。且つ、この画面(不図示)は、印字画像のずらし量(クリープ補正量)等をオペレータが明示的に入力出来るように構成された表示画面である。
また、このクリープ補正量調整画面(不図示)を介して、制御部205は、印刷媒体に対する画像の印字位置の補正量をオペレータから受付ける。本実施形態では、この補正量は、印刷システム1000固有の印刷処理条件に該当する。そして本実施形態では、この印刷処理条件は、プリンタ部203により印刷対象となる1つのジョブのみならず複数のジョブに共通するパラメータに該当する。
例えば、この「クリープ補正量」が上述のクリープ補正量調整画面(不図示)を介してオペレータにより変更されたとする。その後、ジョブXの印刷動作の再開指示が入力されたとする。このように、ジョブXの印刷動作の一時停止状態が解除されてジョブXの印刷動作が再開された場合、制御部205は、以下に例示する処理を順次実行させる。
まず、制御部205は、ジョブXの印刷データの印字画像の印刷媒体に対する印字位置が、上述した変更後のクリープ補正値に従った印字位置となるように、印刷装置100による印刷処理を制御する。
その後、ジョブXに後続するジョブYの印刷動作においても、制御部205は、ジョブYの印刷データの印字画像の印刷媒体に対する印字位置が、上述の変更後のクリープ補正値に従った印字位置となるように、印刷装置100による印刷処理を制御する。
またその後、ジョブYに後続するジョブZの印刷動作においても、制御部205は、ジョブZの印刷データの印字画像の印刷媒体に対する印字位置が、上述の変更後のクリープ補正値に従った印字位置となるように、印刷装置100による印刷処理を制御する。
なお、画面2400Cを介しオペレータにより設定変更された後のクリープ補正値に従った印刷動作をジョブXにて完了させたら、その設定変更後の補正値に従ったジョブYの印刷動作を自動的に開始させるように、制御部205は印刷装置100を制御する。そして、このジョブYの印刷動作を完了させたら、この設定変更後の補正値に従ったジョブZの印刷動作を自動的に開始させるように、制御部205は印刷装置100を制御する。このように、処理対象の複数のジョブを全てオペレータにより設定変更後の補正値を反映した状態で順次自動的且つ連続的に処理するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
また、本実施形態の印刷システム1000は、確認プリント実行後にオペレータによる設定変更を許可する「複数のジョブの印刷動作に関係の有る印刷処理条件」として、上述したパラメータ以外にも複数対応できるように構成されている。
例えば、ジョブXの本番用の印刷動作が一時停止期間中に、オペレータが画面2400Cの「濃度補正」キーを押下したとする。この場合、制御部205は、この操作に応答し、濃度補正画面(不図示)をタッチパネル部401に表示させる。
この濃度補正画面(不図示)は、プリンタ部203による印刷媒体(印刷用紙)に対して印刷対象となる画像の印刷濃度をオペレータが微調整する指示を入力可能に構成された表示画面である。また、この画面(不図示)は、印字画像の濃度等をオペレータが明示的に入力出来るように構成された表示画面である。
そして、この濃度補正画面(不図示)にて、既に実行済のジョブXの確認プリント動作時におけるジョブXの印刷データの印刷媒体に対する画像の印字濃度よりも濃くする濃度設定変更がオペレータによりなされたとする。その後、ジョブXの印刷動作の再開指示が入力されたとする。このように、ジョブXの印刷動作の一時停止状態が解除され、ジョブXの印刷動作が再開される場合、例えば、制御部205は、以下に例示するジョブ処理を順次実行させる。
まず制御部205は、ジョブXの印刷データの印字画像の印刷媒体に対する印字濃度が上述の変更後の濃度値に従った印字濃度となるように、印刷装置100による印刷処理を制御する。
その後、ジョブXに後続するジョブYの印刷動作においても、制御部205は、ジョブYの印刷データの印字画像の印刷媒体に対する印字濃度もその変更後の濃度値に従った印字濃度となるように、印刷装置100による印刷処理を制御する。
その後、ジョブYに後続するジョブZの印刷動作においても、制御部205は、ジョブZの印刷データの印字画像の印刷媒体に対する印字濃度もその変更後の濃度値に従った印字濃度となるように、印刷装置100による印刷処理を制御する。
このように図14Cの画面2400Cを介して、オペレータにより印刷濃度が設定変更された場合も、制御部205は、先程と同様に複数のジョブを処理する。即ち、ジョブX、Y、Zを含む印刷対象となる複数のジョブを全て、オペレータにより設定変更後の印刷濃度に従って順次自動的且つ連続的に処理するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
また、上述した「クリープ補正値」や「濃度補正値」などの処理条件以外にも、複数のジョブの印刷動作にも関係する印刷処理条件が存在する。例えば、「自動階調補正に関する印刷処理条件」や「文字/背景のコントラスト調整に係る処理条件」等がこれに該当する。これらの印刷処理条件の変更も画面2400Cの「自動階調補正」キーや「文字/背景のコントラスト調整」キー等に対するオペレータ操作に応答し、タッチパネル部401に表示される不図示の画面を介してオペレータにより変更可能に制御部205が制御する。
又、本実施形態では更に、この画面2400Cを介して、以下に例示するクリーニング処理を印刷システム1000に実行させる為の指示をオペレータから制御部205は受付けることができる。
(フィーダのクリーニング処理) この処理は、スキャナ部201に具備される自動原稿搬送装置(ADF)301の原稿搬送ユニットのクリーニング処理を実行する為の処理である。この処理を行う場合の具体例を以下に説明する。
例えば、ジョブXの本番用の印刷動作が一時停止中の期間中においてこの画面2400Cの「フィーダのクリーニング」キーがオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、このキー操作に応答し、フィーダのクリーニング処理をADF301に開始させる指示をオペレータが入力するためのフィーダクリーニング実行画面(不図示)を、タッチパネル部401に表示させる。
このフィーダクリーニング実行画面(不図示)は、「フィーダに白紙を10枚位セットして「開始」キーを押して下さい」等のオペレータに対するガイダンスメッセージを示すように構成された表示画面である。また、この画面(不図示)は、フィーダのクリーニング処理をADF301に実行させる為の「開始」キーが具備されている。
そして例えば、オペレータが、このガイダンスに従い、汚れ除去用の白紙をADF301の原稿トレイにセットしたうえで、この開始キー(不図示)を押下したとする。この場合、このキー操作に応答し、制御部205は、この白紙原稿の給送動作をADF301に開始させる。この場合、ADF301では、原稿搬送ローラによりこの白紙が連続して搬送される。これにより、このADF301の原稿搬送ローラに付着した鉛筆の粉等の汚れが原稿搬送ローラから除去されてこの白紙へと付着する。このように汚れ除去用の白紙原稿を特定枚数連続給送することで、原稿搬送ローラの汚れが除去される。
尚、本実施形態では、このようなフィーダのクリーニング処理を印刷システム1000に実行させるための処理も、印刷システム1000機器固有の印刷処理条件を変更する処理に含まれる。
また、このフィーダのクリーニング処理が行われた後に、制御部205は、ジョブXの印刷動作を再開させ、このジョブXおよび後続のジョブYやジョブZを含む複数のジョブを順次連続して処理できるように、印刷システム1000を制御する。
また、本実施形態にて制御部205は、以下に例示するクリーニング処理を印刷システム1000に実行させる為の指示をこの画面2400Cを介してオペレータから受付けることができる。
(ワイヤのクリーニング処理) この処理は、プリンタ部203内部に具備するワイヤユニット(不図示)のクリーニング処理を実行する為の処理である。この処理が行われる場合の具体例を以下に示す。
例えば、ジョブXの本番用の印刷動作が一時停止中期間中にて、画面2400Cの「ワイヤのクリーニング」キーがオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、このクリーニング処理をプリンタ部203に開始させる指示をオペレータが入力するためのワイヤクリーニング実行画面(不図示)をタッチパネル部401に表示させる。
このワイヤクリーニング実行画面(不図示)は、プリンタ部203内部のワイヤニットのクリーニング処理をプリンタ部203に実行させる為の「開始」キー(不図示)が具備される。
そして、オペレータがその開始キー(不図示)を押下したとする。これに応答し、制御部205は、プリンタ部203内部のワイヤユニット(不図示)のクリーニング処理をプリンタ部203に実行させる。
本実施形態では、この「プリンタ部203内部のワイヤユニット(不図示)のクリーニング処理を実行するための処理」も、「印刷動作に関係のある印刷処理条件を変更する処理」に含まれる。
また、プリンタ部203内部のワイヤユニットのクリーニング処理が行われた後、制御部205はジョブXの印刷動作を再開させ、ジョブX及び後続のジョブYやジョブZを含む複数のジョブを順次連続して処理できるように、印刷システム1000を制御する。
尚、上述したクリーニング処理の他にも、プリンタ部203の印刷用紙を搬送するための搬送ローラのクリーニング処理を実行する為の項目もある。例えば、画面2400Cの「ローラのクリーニング」キーが押下された場合に、制御部205は、プリンタ部203内部の搬送ローラのクリーニング処理をプリンタ部203に実行させる。なお、本実施形態では、このクリーニング処理を実行するための処理も、印刷動作に関係のある印刷処理条件を変更する処理に含まれる。また、プリンタ部203内部の搬送ローラのクリーニング処理が行われた後、制御部205は、ジョブXの印刷動作を再開させ、ジョブX及び後続のジョブYやジョブZを含む複数のジョブを順次連続して処理できるように、印刷システム1000を制御する。
なお、本実施形態では、例えば、ジョブXの印刷動作が一時停止期間中に、この画面2400Cを介して受付けたオペレータからの指示により、上述したような印刷処理条件の変更が完了したとする。その後、「システム状況/中止」キーがオペレータにより押下されたとする。この場合に、制御部205は、ジョブXの本番用の印刷動作の一時停止状態は維持したままで、図14Dに例示する表示をタッチパネル部401に実行させる。
図14Dに示すように、制御部205は、表示欄2300にはジョブXのプリント動作が一時停止中である旨を表示させた状態で、画面2400Dをタッチパネル部401にポップアップ表示させる。
この画面2400Dは、印刷システム1000における印刷動作の一時停止状態を解除し、印刷動作をプリンタ部203により再開させるか否かをオペレータが決定出来るように構成された表示画面である。
例えば、この画面2400Dのキー2402Dがオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、現在のプリント動作の一時停止状態は維持したままで、プリンタ部203によるプリント動作も再開させずに、画面2400Dの表示を終了させる。そしてこの場合、例えば、画面2400Aの表示を再度タッチパネル部401に実行させる。但し、この画面2400Aでは、ジョブXがプリント動作一時停止中である事をジョブリスト上で示すように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。
一方、この画面2400Dのキー2401Dがオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、印刷システム1000における印刷動作の一時停止状態を解除し、プリンタ部203によるプリント動作を再開させる。これにより、制御部205は、ジョブXの本番用の印刷動作を印刷システム1000で再開させる。
もし、この画面2400Dのキー2401Dに対するオペレータからの指示入力に先立ち、画面2400Cを介して、上述したように、ジョブXに限らず複数のジョブの印刷動作に共通して関係する印刷処理条件の変更がなされていたとする。この場合、制御部205はまず、キー2401Dの入力に応答し、ジョブXの本番用の印刷動作を再開させる。この際、このキー2401Dの入力に先立って受付けた設定変更後の印刷処理条件に従った印刷動作を実行させる。その後、このジョブXの印刷が全て完了した事に応じ、制御部205は、ジョブYの印刷動作を印刷システム1000にて実行させる。但し、このジョブYの印刷動作においても、制御部205は、その設定変更後の印刷処理条件に従った印刷動作を実行させる。その後、ジョブYの印刷が全て完了した事に応じ、制御部205は、ジョブZの印刷動作を印刷システム1000にて実行させる。但し、このジョブZの印刷動作においても、制御部205は、その設定変更後の印刷処理条件に従った印刷動作を実行させる。
尚、画面2400Cを用いて例示した設定変更の対象となる各種印刷処理条件は、全て、例示的なものである。
以上の説明のように、確認プリント動作により出力された確認用の印刷物の出力結果をオペレータが確認した後に、その確認プリントされたジョブだけでなく他のジョブの印刷動作にも関係のある印刷処理条件の変更を受付けることができる。そのうえで、この設定変更後の処理条件に従って、複数のジョブを印刷システム1000にて印刷させることができる。
尚、本実施形態では、確認プリント動作が実行されたジョブ固有の印刷処理条件のみを変更する事も出来るように構成されている。
例えば図13Fで説明したように、確認プリント実行後にジョブXの本番用の印刷動作が再開され、この印刷動作が印刷システム1000にて実行させ続けている状態で制御部205は、画面2300Aを再度表示できるようにタッチパネル部401を制御する。このように、本番用の印刷動作が印刷実行中の期間ならば繰り返し表示可能な画面2300Aには、プリント濃度を選択する為の表示キーが具備されている。
ここで、例えば、ジョブXの本番用の印刷動作が再開され、この印刷動作が実行期間中に、再表示されたこの図13Fに示す画面2300Aのプリント濃度調整キーがオペレータにより押下されたとする。
このように、ジョブXの印刷動作の再開動作中にジョブXのための印刷濃度変更の要求が行われたとする。この場合、ジョブXの本番用の印刷動作を停止させることなく、このジョブXの一連の印刷工程の途中から印刷濃度を変更してこのジョブXの本番用の印刷動作を継続し続けるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。例えば、プリント濃度調整キーが押下された直後に給紙部から給紙される印刷媒体に対するジョブXの画像の印刷を行う時点から、制御部205は、その変更後の印刷濃度でジョブXの印刷画像を印刷媒体に印刷するように印刷システム1000を制御する。
このように、制御部205は、画面2300Aを介して受付けた印刷濃度の変更指示に従い、ジョブXの本番用の印刷動作における一連の印刷工程の途中から印刷濃度を自動的に変更するよう制御する。
なお、ジョブXの本番用の印刷動作が終了したら、制御部205は自動的にジョブYの印刷動作をプリンタ部203により開始させる。但し、このケースの場合では、ジョブYの印刷動作は、そのジョブYの為にオペレータが設定した印刷濃度に基いた印刷処理を実行するように制御部205は印刷システム1000を制御する。
また、このジョブYの本番用の印刷動作が終了したら、制御部205は、自動的にジョブZの印刷動作をプリンタ部203により開始させる。但し、この場合でも、制御部205は、そのジョブZの印刷動作においてはそのジョブZの為にオペレータが設定した印刷濃度に基いた印刷処理を実行するように印刷システム1000を制御する。
以上説明したように、確認プリント動作が実行されたジョブには関係するが、そのジョブ以外のジョブには関係の無い、そのジョブ固有の印刷処理条件の変更も行うことができる。そして、そのジョブの印刷処理条件のみ設定変更して印刷動作を実行させ、後続ジョブの印刷動作ではこの設定変更によらずに各ジョブ固有の印刷条件で順次自動的に処理できるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
また、本実施形態の印刷システム1000は、この要求(1)以外にも、例えば以下の要求にも対処可能に構成されている。
[確認プリント実行直後に制御部205が受付けを許可するオペレータ要求(2)]
この要求(2)は、確認プリント動作が実行され、且つ本番用の印刷動作が再開されたジョブの本番用の印刷動作を中止(キャンセル)させるためのオペレータ要求である。
この要求(2)がなされた場合、制御部205は、その確認プリント動作が実行直後に本番用の印刷動作が開始されたジョブの本番用の印刷動作を直ちに中止させる。
この要求(2)の具体例を以下に説明する。
例えば現在、確認プリント動作が終了し、本番用の印刷動作が再開されたジョブXの本番用の印刷動作が印刷システム1000にて実行期間中であるとする。そして、この状況下において、画面2400AのジョブリストでジョブXに相当する受付番号0001のジョブがオペレータにより選択されたとする。この場合、制御部205は、このジョブの情報を表示する表示ラインを図14Aに示すように反転表示させる。そして、このジョブXがこのジョブリストで選択されたうえで、画面2400Aの中止キー2403Aがオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、このキー操作に応答し、図14Fに示す表示をタッチパネル部401に実行させる。
中止キー2403Aが押下された場合、図14Fに示すように、制御部205は、表示欄2300にはジョブXがプリント実行中である旨を表示させた状態のままで、画面2400Fをタッチパネル部401にポップアップ表示させる。
この画面2400Fは、現在プリント実行中のジョブ(この例ではジョブX)のプリント動作をキャンセルするか否かをオペレータが決定出来るように構成された表示画面である。
例えば、この画面2400Fのキー2402Fがオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、現在プリント動作が実行中のジョブXのプリント動作は維持した状態のままで画面2400Dの表示を終了させる。そして、制御部205は、画面2400Aの表示を再度タッチパネル部401により実行させる。
一方、この画面2400Fのキー2401Fがオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、現在プリント動作が実行中のジョブXの印刷動作を中止するよう印刷システム1000を制御する。例えばこの際、このジョブの中止処理として、制御部205は、以下に例示する処理の全てを実行するように印刷システム1000を制御する。
(中止処理1) まず、制御部205は、ジョブXの印刷動作をストップするように印刷装置100を制御する。
(中止処理2) 制御部205は、ジョブXの10ページ分の印刷データをHDD209から消去するよう印刷装置100を制御する。
(中止処理3) 制御部205は、画面2400AのジョブリストからジョブXのジョブ情報を削除するように、タッチパネル部401を制御する。
このように、ジョブXの為の処理を中止する為の指示がキー2401Fを用いて入力された場合に、これら(中止処理1)〜(中止処理3)が含まれる中止処理(キャンセル処理)を行うように制御部205は印刷システム1000を制御する。また、このキー2401Fがオペレータにより押下された場合、制御部205は更に、以下の制御も実行する。
(制御1) ジョブXの上述したキャンセル処理が行われた直後に、ジョブYの印刷動作を自動的にプリンタ部203により開始させるように制御部205は印刷装置100を制御する。また、このジョブYの印刷動作が開始された事をジョブリストに反映表示させるようにシステム構成情報の画面2400Aの表示内容を更新するように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。例えば、この場合、画面2400Aの表示内容が、図14Aの表示内容から図14Hに示す表示内容となるように制御部205はタッチパネル部401を制御する。
(制御2)その後、ジョブYの印刷動作が完了したら、ジョブZの印刷動作を自動的にプリンタ部203により開始させるように制御部205は印刷装置100を制御する。また、ジョブYの印刷動作が完了しジョブZの印刷動作が開始された事をジョブリストにて反映表示させるように画面2400Aの表示内容を更新するように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。
例えば、ジョブXの本番用の印刷動作が中止されたとする。この場合、例えば、あらためて、図7の表示や図13Aの表示の段階に戻って、最初から、このジョブXの為の印刷条件を設定することもできる。そしてその後、この変更後の印刷処理条件に従った印刷動作を要するジョブとして改めてこのジョブXを投入し、印刷動作を行わせる事もできる。
但し、この場合、このあらためて投入しなおしたジョブXをジョブYやジョブZの処理の後に処理するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
また、本実施形態の印刷システム1000は、この要求(2)以外の以下の要求にも対処可能に構成されている。
[確認プリント実行直後に制御部205が受付を許可するオペレータ要求(3)]
この要求(3)は、確認プリント動作が実行され、且つ本番用の印刷動作が再開されたジョブの本番用の印刷動作に関する詳細情報をタッチパネル部401に表示させる為のオペレータ要求である。
この要求(3)の具体例を以下に説明する。
例えば、ジョブXの本番用の印刷動作が再開されてこの印刷動作が実行期間中であるとする。この状況下にて、画面2400AのジョブリストでジョブXが選択されたうえで、同画面2400Aのキー2402Aがオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、このキー操作に応答して、図14Eに示す表示を、タッチパネル部401に実行させる。
この図14Eに例示の画面2400Eは、画面2400Aのジョブリストにてオペレータにより選択されたジョブの詳細な情報をオペレータが確認できるように構成された表示画面である。この図14Eの例では、ジョブXの確認用の印刷物を出力する確認プリント動作の完了に応じて、自動的に印刷動作が再開されたジョブXの本番用の印刷動作の実行中に、ジョブXの詳細なジョブ情報を制御部205がタッチパネル部401に表示させた例である。尚、この画面2400Eの「閉じる」キーが押下された場合、制御部205は、図14Aの表示に戻るように制御する。但し、この画面2400Aは、現在ジョブXがプリント動作実行中である事をジョブリスト上にて反映済の表示内容となるように、制御部205により、タッチパネル部401を制御する。
このように、本実施形態では、確認プリント実行後で且つ確認プリント対象のジョブの本番用の印刷動作の実行中に、そのジョブの詳細な情報の表示を操作部204により実行可能に構成されている。
また、本実施形態の印刷システム1000は、この要求(3)以外にも以下の要求にも対処可能に構成されている。
[確認プリント実行直後に制御部205が受付けを許可するオペレータ要求(4)]
この要求(4)は、確認プリント動作が実行され、且つ本番用の印刷動作が再開されたジョブの本番用の印刷動作の実行中に再度、そのジョブの確認プリントを実行させる為のオペレータ要求である。
この要求(4)の具体例は、図13Fを用いて詳述済みのためここでは省略する。
以上の図14A〜図14F及び図14Hを用いて例示したように、制御部205は、確認プリント動作を印刷システム1000で実行させた直後に、上述の4種類のオペレータからの要求を操作部204を介して選択的に受付可能にする。これにより、制御部205は、確認プリント動作が終了したジョブの本番用の印刷動作が再開期間中に上述の4種類のオペレータからの要求を操作部204を介して選択的に受付可能にする。そして、これらの何れかの要求を受け付けたら制御部205は、その受付けた要求に応じた処理や動作を実行するように印刷装置100を含む本実施形態の印刷システム1000を制御する。
また、図13Fを用いて上述したように、制御部205は、現在印刷実行中のジョブに該当するジョブについては、その印刷動作が印刷システム1000にて終了しない限り、何度でも繰り返し、確認プリント要求をオペレータから受付ける事を許可する。ただし、制御部205は、現在印刷実行中のジョブに該当しないジョブに対する確認プリント要求をオペレータから受付ける事は禁止する。
例えば、制御部205が現在、ジョブXの本番用の印刷動作を印刷システム1000にて継続させ続けている最中に、キー2301からの指示により図14Aの画面2400Aをタッチパネル部401に表示させたとする。
そして、このジョブXの本番用の印刷動作を実行中の状況下にて、この画面2400Aのジョブリストで、このジョブXに相当する受付番号0001のジョブがオペレータにより選択されたとする。この場合、制御部205は、ジョブリスト上のこのジョブの情報を表示する表示ラインを、図14Aのように反転表示させる。
このように、印刷実行中の受付番号0001のジョブ、即ち、ジョブXが画面2400Aでオペレータにより選択されたとする。この場合、図14Aに示すように、制御部205は、画面2400Aにおけるキー2404Aを有効表示状態となるようタッチパネル部401を制御する。そして、例えば、このキー2404Aが押下された場合、図13Eの画面2300Bを再度表示するよう制御部205はタッチパネル部401を制御する。そしてキー2304Bにより再度、ジョブXの為に確認プリント要求が入力されると、この場合でも制御部205は上述のように、ジョブXの本番用の印刷動作を再度中断させた後に、ジョブXの2回目の確認プリントを印刷システム1000に実行させる。このように、画面2400Aからも確認プリント要求をオペレータから受付ることができる。これにより、図13Fで説明したように、再表示される画面2300Aを利用しない方法で、同一ジョブにて複数回確認プリント動作が実行できる。
例えば、画面2400Aのジョブリストにて現在印刷実行中のジョブには該当しないジョブが選択されたとする。例えば、受付番号0002のジョブYが画面2400Aのジョブリストにてオペレータにより選択されたとする。このように、印刷待ち状態のジョブが画面2400Aで選択された場合、制御部205は、画面2400Aのキー2404Aを無効表示状態となるようにタッチパネル部401を制御する。例えば、図14Gに示すように、ジョブYが選択された場合、キー2404Aの表示をグレーアウト表示するように制御部205はタッチパネル部401を制御する。このように、制御部205は、現在印刷動作中のジョブ以外のジョブが操作部204を介してオペレータにより選択された場合に、その選択されたジョブの為の確認プリント要求をオペレータから受付ける事は禁止するように操作部204を制御する。これにより、ジョブXの印刷動作を中断させてジョブYやジョブZの印刷物を出力させる確認プリント動作が実行されないように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
以上、図14A〜図14H等を用いて説明したように、本実施形態の印刷システム1000の確認プリント機能に関する構成によれば、次のような効果がある。即ち、確認プリント機能により出力させる確認用の印刷物でもって、印刷システム1000にて現在印刷中のジョブの印刷確認をオペレータにより迅速に目視確認できる。そして図3に示す如く複数台のシート処理装置を印刷装置100に接続したことで印刷システム1000内部のシート搬送路が長くなっても、現在如何なるジョブの如何なる画像を印刷しているのかをオペレータは迅速且つ容易に判断することができる。又、現在印刷中のジョブの印刷物の出力先が大容量スタッカや糊付け製本機等のシート処理装置内部に具備される出力先であっても、如何なるジョブの如何なる画像を現在印刷しているのかを、オペレータは迅速且つ容易に判断することができる。しかも、オペレータがこの確認用の印刷物を確認している最中にも、滞りなく印刷動作を印刷システム1000で継続させ続けることが出来る。このように、印刷システム1000の高い稼働率が無駄に低下することなく持続させ続ける事が可能となる。
また、図14Cを用いて説明したように、確認プリント動作の実行対象のジョブと後続ジョブとを含む複数の印刷ジョブに関係のある印刷処理条件を変更後にこれら複数のジョブを完了できるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。これにより、1個のジョブずつ個別に処理条件を変更せずとも、複数のジョブのどのジョブも全て印刷結果の品位を無駄に低下させない印刷環境が構築可能となるという効果が得られる。また、印刷システム1000は、図14F等で説明したように、確認プリントの結果に不備がある場合には速やかにジョブXの本番用の印刷動作をキャンセル可能に構成されている。これにより、確認プリント動作によって得られる効果として、その確認プリント動作の対象のジョブ固有の効果も享受可能となる。このように、極力高い生産性でもって複数のジョブを処理する事が重要視されうる印刷環境であっても、可能な限り無駄な出力は控える事が可能となるという効果が得られる。
なお、図12Bの[工程1]にて本番用のプリント動作を実行している期間中に、制御部205は、図13B〜図13D等で示したように、キー2301Aが表示可能に構成された画面2300Aの表示をタッチパネル部401に実行させる。
そして、この処理対象のジョブが印刷実行期間中にタッチパネル部401にて図13Cや図13Dの画面2300Aのように、有効表示状態のキー2301Aがオペレータにより押下されたとする。後述する図16のステップS109の判断では、この有効表示状態のキー2301Aがオペレータにより押下された否かに基いて確認プリント要求をオペレータから受付けたか否かの判断を制御部205が行う。
そして、キー2301Aが押下されたと判断した場合、制御部205は、図13Eに示すように、確認プリントの種類の選択の画面2300Bの表示をタッチパネル部401に実行させる。これは、制御部205が、図16のステップS109においてYESと判定し、処理をステップS110に進めた場合に相当する。
そして、画面2300Bをタッチパネル部401に表示させた時点では未だ、図12Bの[工程1]の段階、即ち、確認プリント動作対象のジョブの本番用の印刷動作が継続中の状態である。
そして、画面2300Bにてオペレータによりキー2301B及びキー2302Bの何れかが押下されたうえキー2304Bが押下されたとする。これは、制御部205が、図16のステップS111にてYESと判定した場合に相当する。
そして、上述したように、制御部205は、このオペレータによるキー2304Bの押下による確認プリント開始指示を受付けた事に応じて、確認プリントが実行されるべきジョブについて印刷システム1000が現在実行中の本番用の印刷動作を中断させる。そして制御部205は、この本番用の印刷動作の中断処理が完了したことに応じて、キー2301B及びキー2302Bのうちのオペレータが指定した方に対応するタイプの確認プリントを自動的に印刷システム1000にて開始させる。
本実施形態では、この本番用の印刷動作を中断する際に、例えば以下に示す制御を上述した本番用の印刷動作の中断処理として実行するように制御部205が印刷システム1000を制御する。
例えば、確認プリント開始指示の入力時点にて既に、印刷システム1000の給紙部から本番用の印刷動作に要する印刷物の給紙を開始してしまっているとする。この場合、制御部205は、これらの、既に給紙開始済の本番用の印刷物に対しては全て、プリンタ部203による印刷を実行するように制御する。且つ、制御部205は、これら印刷済のジョブの本番用の印刷物の全てを、このジョブの本番用の最終成果物を保持するのに利用するシート処理装置の出力先(排紙先)へ排出させ、出力先にて保持させる。
このように、確認プリント要求がオペレータから入力された時点で既に本番用の印刷物の給紙が印刷システム1000にて開始済の場合には、制御部205は、上述したような中断処理を実行させる。
但し、制御部205は、確認プリント要求が入力された時点で既に給送開始済の本番用の印刷物の全てが、本番用の印刷物の出力先に全て排出完了しない場合でも、このジョブの確認用の印刷媒体を印刷システム1000の給紙部から給送する事は、許可する。
これにより、例えば、図3に示すように印刷システム1000における印刷媒体の搬送経路がある程度長い場合でも、確認プリントの実行タイミングが遅延しないようにすることが可能となる。
このように、本実施形態の印刷システム1000は、確認プリント要求が入力された時点で既に給紙済みの本番用の印刷物の全てが印刷システム1000の出力先へ排出完了しないうちに、確認プリントを開始することができるように構成されている。これにより、確認プリントの開始タイミングに遅延が生じる等のトラブルが原因で、確認用の印刷物の出力が済むまでの時間が遅延する等のトラブルが発生するのを未然に抑えることができる。また、係るトラブルが原因で確認用の印刷物のオペレータによる目視確認や本番用の印刷動作の再開開始のタイミングが遅延し、ジョブの生産性のみならず後続ジョブを含む複数ジョブ全体の生産性にも影響が生じる等のトラブル発生も未然に抑える事ができる。
このように、確認プリント開始指示が入力した時点で既に本番用の印刷物の給紙が開始してしまっている場合でも、それら全ての印刷物を出力先へ排出していなくても、確認用の印刷物は給送部から給送可能に制御部205は印刷システム1000を制御する。
例えば、この具体例として、図3のシステム構成を例にとる。ここでは、処理対象のジョブが、本番用の印刷動作にて本番用の印刷物を図3の中綴じ製本機200−3cの出力先Zに排出すべきジョブであるとする。そしてここでは、確認プリント開始指示が入力された時点で既に、給紙デッキ319からこのジョブの本番用の印刷物の給送が開始された直後の状況であるとする。
この場合、例えば、制御部205は、既に給送開始済の本番用の印刷物が図3のA点を通過した事を確認したうえで、このジョブの確認用の印刷物を給紙デッキ319から取出し給送処理を開始させるように印刷装置100を制御する。このように、制御部205は、本番用の印刷物が図3のA点を通過した事を条件として、この印刷物が排紙先(出力先)Zへ排出完了したか否かに関係なく、この確認用の印刷物の給送処理を開始させる。
このように、制御部205は、本番用の印刷動作の中断後に、可能な限り速やかに、確認プリント動作を印刷システム1000にて開始可能にする。これにより、制御部205は、確認プリント動作の開始が無駄に遅延する事無く(滞ることなく)、確認プリント動作を印刷システム1000にて実行可能にする。
尚、本実施形態では、この上述した構成の動作と同様の動作を、確認プリント実行後に本番用の印刷動作を再開させる場合でも実行可能に印刷システム1000は構成されている。
例えば、図3を引き続き用いて説明すると、制御部205は、確認用の印刷物が図3のA点を通過した事を確認したうえで、このジョブの本番用の印刷物を給紙デッキ319から取出し給送処理を開始させるように印刷装置100を制御する。このように、制御部205は、確認プリント実行対象のジョブの確認用の印刷物が図3のA点を通過した事を条件として、その印刷物が排紙先(出力先)へ排出完了したか否かに関係なく、このジョブの本番用の印刷動作に要する印刷物の給送処理を開始させる。
また、上述したように、キー2304Bを用いたオペレータからの確認プリント開始要求に基き、制御部205は、図12BのTXの時点から確認プリント動作を印刷システム1000に開始させる。そして、この確認プリントが済んだ時点、即ち、図12BのTYの時点から、この確認プリントが行われたジョブの本番用の印刷動作を印刷システム1000で自動的に再開させる。なお、この再開処理が図12Bの[工程3]に相当する。
このジョブの本番用の印刷動作の再開処理では、図12Bの[工程2]の直前までの期間において未処理分の印刷のみを実行するように制御部205は印刷システム1000を制御する。
又、この再開処理を行うにあたり、制御部205は、画面2300Aの表示処理に必要な情報として制御部205が利用する処理対象のジョブの処理状況(進捗状況)を示す情報を、この再開処理を行う際にも必要な情報として利用する。このように、制御部205は、処理対象のジョブの本番用の印刷動作が印刷システム1000にて全て完了するまでの期間中は少なくとも、HDD209にこの情報を保持させておくように制御する。
又、本番用の印刷動作が再開された場合、制御部205は、そのジョブの画面2300Aを自動的にタッチパネル部401に再表示させる。例えば、制御部205は、図12Bの[工程3]にて本番用の印刷動作の再開動作期間中に、このジョブの画面2300Aを再度タッチパネル部401に表示可能にする。そしてこのように現在のタイミングがあるジョブの本番用の印刷動作が開始された直後の時点からそのジョブの本番用の印刷動作が終了する直前の時点までの期間中に含まれているとする。この場合、制御部205は、タッチパネル部401に再度表示されたキー2301Aを用いてオペレータから確認プリント要求が再入力される毎に、その1つのジョブのために確認プリント動作を複数回繰り返し実行可能に印刷システム1000を制御する。
尚、図12BのTYの時点から印刷システム1000に再開させた本番用の印刷動作の実行期間中に、制御部205は、上述のオペレータ要求(1)〜(4)の要求を選択的にオペレータから操作部204を介して受付ける。これにより、その受付けた要求に応じた処理を印刷システム1000に実行させることができる。
また、本実施形態にて、図12BのTYの時点から再開させたジョブの本番用の印刷動作を継続させたままの状態で、上述したような印刷システム1000の機器固有の設定変更をオペレータが実行できるように制御部205は印刷システム1000を制御する。例えば、図12Bの[工程3]において本番用の印刷動作が再開されている最中に、図14Cの画面2400Cを用いて印刷システム1000の機器固有の設定変更要求を受付ける。この場合、制御部205は、この要求を受付けた時点から、このジョブの印刷動作の処理条件を自動的に変更するように制御部205は印刷システム1000を制御する。更に、このジョブの後に処理すべき後続ジョブの印刷動作を実行する際にも、この画面2400Cを介してオペレータから受付けた設定変更後の印刷処理条件でこれらの後続ジョブを処理しつづけるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
例えば、確認プリントを定期的に同一ジョブにて繰り返し実行してみた結果、徐々に印刷結果の濃度が薄くなっている状況が発生したとする。この場合でも、例えば、この画面2400Cを介して濃度を濃くする為の設定変更をオペレータが行えば、この印刷実行中のジョブは勿論のこと、後続ジョブの印刷結果も、適正な印字濃度の出力結果が得られる。
なお、本実施形態では、印刷システム1000が確認プリント動作を行う場合に、その確認プリント動作により得られる確認用の印刷物が本番用の印刷物に混ざらないように制御部205が印刷システム1000を制御する構成を更に具備する。例えば、制御部205は、この確認用の印刷物を、その本番用の印刷物とは異なる別の場所に出力するように印刷システム1000を制御する。またこの場合、更に制御部205は、確認用の印刷物が何処に出力されたかをオペレータにが確認できるように印刷システム1000を制御する。
この構成に関する具体的な構成例については、図16〜図23Eを用いて後述する。
そして、上述した確認プリント機能に係る構成に加え、更にこの構成を具備することで、次のようなことが言える。即ち「印刷システム1000が連続的に印刷動作を行っている合間に確認用のプリントを実行して欲しい」等のニーズに対処可能に構成した場合でも以下に例示する新たな問題が発生するといったトラブルも生じることなく、上述の各種効果を得る事ができる。
(1) 例えば、印刷システム1000で連続的な印刷動作を行っている合間に確認用のプリントを実行できるように印刷システム1000を構築した結果、商品としての本番用の印刷物の中に確認用の印刷物が紛れ込んでしまうといった問題。
(2) このような問題発生に起因し、作業者が確認用の印刷物を大量の印刷束の中から捜し出すといった、作業者への負担増加や作業効率の低下といった問題。
(3) その結果、システム全体の作業効率が低下し、高い生産性が維持できなくなるといった問題。
本実施形態の印刷システム1000は、これらの各種問題も起こる事無く、確認プリント機能により得られる上述の効果が得られるように構成されている。この具体的な構成に関して、図16〜図23Eを用いて以下に説明する。
なお、図16〜図19に示すフローチャートは、制御部205により実行される確認プリント動作に係る上述の制御に対応する処理も含まれたフローチャートである。
まず図16のフローチャートから説明する。
この図16のステップS101にて、制御部205は、印刷装置100の電源投入後、図7に示すような印刷システム1000の基本画面を操作部204のタッチパネル部401に表示させる。
次に、図16のステップS102にて制御部205は、操作部204を介してオペレータによるキー操作に応答して各種の印刷条件の設定をオペレータから受付ける。
次に、図16のステップS103にて制御部205は、処理対象のジョブの印刷開始要求がなされたか否かをスタートキー503がオペレータにより押下された否かに基いて判断する。
例えば、処理対象のジョブの為に各種一連の印刷処理条件がオペレータにより操作部204を介してなされたうえで、オペレータがスタートキー503を押したとする。この場合、制御部205は、この印刷開始要求(スタートキー入力)を検知し、ステップS103にてYESという判定を行う。これにより、制御部205は、処理をステップS103からステップS104へ進める。
ステップS104にて制御部205は、この印刷開始要求がなされたジョブの処理条件(進捗状況)を示す表示として、図13B等で示したジョブ処理状況画面(印刷状況画面)2300Aをポップアップ表示するようにタッチパネル部401を制御する。
また、制御部205は、ステップS104の処理を実行するのと同時に(並行して)、ステップS105の処理も実行するように印刷装置100を制御する。
例えば、このジョブが、スキャナ部201による原稿読取動作を要するジョブであるとする。この場合、ステップS105にて制御部205は、スキャナ部201によりこのジョブの読取動作を開始させる。また、制御部205は、この読取対象のジョブの印刷データを、先頭頁から順次、HDD209へ記憶させる。なお、この記憶動作は、このジョブの最終頁の印刷データがHDD209へ記憶させるまで実行される。このような、印刷開始要求がなされたジョブの印刷データをHDD209に記憶する動作をステップS105にて実行するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
なお、印刷開始要求がなされた処理対象のジョブが、印刷装置100が具備するボックス機能のジョブであるならば、制御部205は、ステップS105の処理を行わずに、ステップS106の処理へ移行する。
このボックス機能は、操作部204を介してオペレータから印刷開始要求を受付ける前に、スキャナ部201又は外部I/F202を介して印刷対象のデータの全ページをHDD209に保持させておく機能である。そして、このHDD209に予め記憶済みの印刷データをその後、操作部204からの印刷開始要求がオペレータ入力されたことに応じて印刷することができる機能である。
このように、印刷開始要求がなされたジョブがこのボックス機能のジョブのように予めHDD209に印刷データが記憶済みのジョブである場合、制御部205はステップS105の処理をスキップしてステップS104からステップS106の処理へ移行する。
このように、本実施形態では、コピー機能のジョブに限らず、ボックス機能のジョブでも適用可能に印刷システム1000は構成されており、外部装置からの印刷ジョブでも同様に適用可能に構成されている。
例えば図10に示すような、印刷システム1000の為のプリンタドライバ画面を表示可能な外部装置のUI部を介して印刷開始要求がオペレータから入力されたとする。そして、この外部装置からの印刷ジョブを印刷システム1000が受付けたとする。このような外部印刷ジョブでも本実施形態は適用可能である。
図16の説明に戻る。ステップS106にて制御部205は、ステップS103にて印刷開始要求がなされたジョブの印刷データをHDD209を介してプリンタ部203で印刷させる。ステップS106にて制御部205は、ステップS102でオペレータから受付けたこのジョブの一連の印刷処理条件に従った印刷動作を実行するように印刷システム1000を制御する。
尚、ステップS106にて実行対象の「印刷動作」は、「本番用の印刷動作」に相当する。
又、制御部205は、この本番用の印刷動作が印刷システム1000にて全て完了するまでの期間中は、このジョブの印刷データを全ページHDD209に保持させたままの状態となるようにHDD209を制御する。また制御部205は、HDD209に保持させるジョブの印刷データを、ステップS106の処理に限らず、後述するステップS115の処理やステップS117の処理においても利用可能にHDD209を制御する。
また更に、制御部205は、ステップS106の処理を実行させつつも、ステップS104にて上述したこのジョブの為の画面2300Aのポップアップ表示は維持したままの状態となるようにタッチパネル部401を制御する。
但し、画面2300Aの表示内容は図13B〜図13Dで説明したように、この処理対象のジョブの印刷システム1000における実際の処理状況(進捗状況)をリアルタイムに反映した表示内容となるように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。
ステップS107で制御部205は、ステップS106で開始されたジョブの本番用の印刷動作が印刷システム1000で完了したか否かを、このジョブの処理に必要な各ユニット(例えばプリンタ部203やシート処理装置200)からの情報に基き判断する。
そして、このジョブの本番用の印刷動作が全て完了したことをステップS107にて判断した場合、制御部205はステップS107からステップS108へ処理を進める。
図16のS108にて制御部205は、ステップS104の段階から既に実行状態にあるこのジョブの画面2300Aのポップアップ表示を終了させる(ポップアップ画面を消去する)ようにタッチパネル部401を制御する。
このように、本番用の印刷動作が完了した事に応じて、この画面2300Aの表示を自動的に終了するように制御部205はタッチパネル部401を制御する。また、画面2300Aの「閉じる」キーがオペレータにより押下された場合も、画面2300Aの表示を終了するように制御部205はタッチパネル部401を制御する。ステップS108の処理が行われた後は、ステップS101の処理へと戻る。
一方、処理対象のジョブの本番用の印刷動作が印刷システム1000にて完了していないと判断した場合、制御部205はステップS107からステップS109へ処理を進める。
ステップS109にて制御部205は、現在実行中のジョブの本番用の印刷動作をプリンタ部203により継続させたままの状態で、そのジョブの確認用の印刷物を出力する為の確認プリント要求がオペレータによりなされか否かを判断する。
ステップS109の判断は、ステップS104の段階から既にタッチパネル部401に表示中のこのジョブの画面2300Aにおける「確認プリント」のキー2301Aがオペレータにより押下されたか否かに基いて、行われる。
そして、このキー2301Aに対するオペレータの操作状況に基き、確認プリント要求がオペレータによりなされていないと判断した場合、制御部205はステップS109からステップS107へ処理を戻す。
一方、キー2301Aが押下されたことで確認プリント要求がオペレータによりなされたと判断した場合、制御部205は、ステップS109からステップS110へ処理を移す。
ステップS110にて制御部205は、図13Eで示したように、確認プリントの種類に関する画面2300Bの表示をタッチパネル部401に実行させる。
尚、制御部205は、現在実行中のこのジョブの本番用の印刷動作はプリンタ部203により継続させたままの状態で、この図13Eに示す画面2300Bをタッチパネル部401に表示させる。
そして、制御部205は、このジョブの本番用の印刷動作は継続させたままの状態で、このジョブの確認プリント開始指示がオペレータによりなされか否かを、ステップS111にて判断する。
このステップS111における判断は、この図13Eに示す画面2300Bのキー2304Bがオペレータにより押下されたか否かに基いて、行われる。
そして、このキー2304Bを用いて確認プリントの開始指示がオペレータによりなされていないことをステップS111で判断したとする。この場合、ステップS111から処理を進めずに、制御部205は、この画面2300Bを用いて確認プリントの種類がオペレータにより選択されるのを待つ。尚、この状況では、現在実行中のこのジョブの本番用の印刷動作はプリンタ部203により継続させ続けるように制御部205は印刷システム1000を制御する。
一方、この画面2300Bにてキー2301Bとキー2302Bの何れかを用いて第1タイプか第2タイプの何れかの確認プリント動作の種類がオペレータにより選択され、キー2304Bがオペレータにより押下されたとする。すると、制御部205は、このキー2304Bによる確認プリントの開始指示がオペレータ入力されたことを受けて、ステップS111からステップS112へ処理を進める。
このステップS112にて制御部205は、例えば以下の確認1、2を行う。
[確認1] HDD209に登録済の印刷システム1000のシステム構成情報を確認する。
このシステム構成情報は、図9の画面を介してオペレータにより登録されたシート処理装置200に関する情報が含まれる。即ち、このシステム構成情報には、「どのような種類のシート処理が実行できるのか、どのような種類のシート処理装置が何台印刷装置100に接続されているのか」などを制御部205が判断するための情報が含まれる。また、「どのような種類のシート処理装置がどのような接続順序で印刷装置100に対して何台連結接続されているのか」などを制御部205が判断するための情報が、このシステム構成情報に含まれる。
この[確認1]により、印刷システム1000のシステム構成を把握したうえで、制御部205は、以下に例示の[確認2]を行う。
[確認2] この確認プリント要求がなされたジョブの本番用の印刷物の出力先は、印刷システム1000における複数の出力先の候補のうちのどの出力先(排紙先)であるかを確認する。例えば、印刷システム1000が図3に示すシステム構成である場合、このジョブの本番用の印刷物の排紙先は図3に示す排紙先X、Y、Zのどの排紙先であるかを、制御部205がこの[確認2]にて確認する。尚、この本番用の出力先の確認を制御部205が行うにあたり、このジョブの本番用の印刷動作の為にオペレータがステップS102にて設定した一連の印刷処理条件のデータを利用する。
また本実施形態では、オペレータが処理対象のジョブに対して設定したフィニッシングの種類(シート処理の種類)に基いて、そのジョブの印刷物の排紙先を制御部205が決定することもできる。その場合、本番用の印刷動作にて要するフィニシングの種類に応じて制御部205が決定した出力先をステップS112にて制御部205が確認する。
また本実施形態では、図13A〜図13Dに示す表示のように、本番用の印刷動作に要する印刷物の出力先をオペレータがステップS102にて明示的に指定できるように制御部205はタッチパネル部401を制御する。そこでこのように、オペレータにより明示的に設定された出力先をステップS112にて制御部205が確認することもできる。
以上のような方法で、制御部205は、確認プリントが行われるジョブの本番用の印刷動作にて必要な出力先を、この[確認2]にて判別する。
そして、上述したこれら[確認1]と[確認2]を含むステップS112における確認が済んだら、制御部205は、ステップS112からステップS113へ処理を進める。
ステップS113にて制御部205は、ステップS112にて確認済のシステム構成情報と上述した本番用の印刷物の出力先の確認結果を示す情報とに基き、上述の確認プリント要求がなされたジョブの確認用の印刷物の出力先を決定する。このようにステップS113にて制御部205は、確認プリント動作にて印刷対象となるシートを印刷システム1000のどの出力先に出力するかを決定する。
なお、ステップS113にて更に制御部205は、この確認プリントが行われるジョブの確認用の印刷物を印刷システム1000のどこに出力するのかをオペレータが確認できるように構成された表示をタッチパネル部401に実行させる。このように、制御部205は、ステップS113における決定結果をオペレータにフォードバックするための報知処理をタッチパネル部401に実行させる。
ステップS113に関する処理の詳細については後述する。
そして、ステップS113の処理を経て、制御部205は、ステップS114の処理へ移行する。
ステップS114にて制御部205は、上述の確認プリント要求がなされた対象のジョブの本番用の印刷動作を中断させる。この本番用の印刷動作はステップS106の段階から既に印刷システム1000にて実行中の印刷動作である。制御部205は、この本番用の印刷動作を中断するように印刷システム1000を制御する。
そして、この本番用の印刷動作を中断(一時停止)させた直後に、このジョブの確認用の印刷物を出力する為の確認プリント動作を自動的に開始させるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。この処理は図16のステップS115の処理に相当する。
尚、ステップS115で実行される確認プリント動作では、ステップS113で制御部205が決定した出力先に対してこの確認プリント動作にてプリンタ部203により印刷された印刷物が出力されるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
又、ステップS115で実行される確認プリント動作で要する印刷媒体(印刷用紙やシートとも呼ぶ)には、このジョブの本番用の印刷動作で印刷対象となる印刷データと同一の印刷データが印刷されるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
その為に、制御部205は上述したように、ステップS105の処理によりHDD209に既に保持済のこのジョブの本番用の印刷動作に要する印刷データをステップS115においても利用するように、印刷装置100を制御する。
又、ステップS115にて実行される確認プリント動作では、この本番用の印刷動作に要する印刷データのうちの全ページ分の印刷が実行できる。このケースは、キー2301Bが選択されたことに応じて上述の第1タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させるように制御部205が制御するケースに相当する。
また、ステップS115にて実行される確認プリント動作では、この本番用の印刷動作に要する印刷データのうちの1ページ分の印刷を実行することも出来る。このケースは、、キー2302Bが選択されたことに応じて上述の第2タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させるように制御部205が制御するケースに相当する。
このように、ステップS115にて制御部205は、上述の第1タイプの確認プリント動作と第2タイプの確認プリント動作のうち、オペレータから指定された動作を印刷システム1000に実行させる。
その後、制御部205は、ステップS115を経て、ステップS116の処理を行う。
ステップS116にて制御部205は、ステップS115にて開始させたジョブの確認プリント動作が完了したか否かを、印刷システム1000内部のシート搬送路上に複数配設した各種検知センサからの情報等を基に判断する。
そして、上述の確認プリント動作が完了していないことをステップS116にて判断した場合、制御部205は、次の工程へ移行せずに、その確認プリント動作の完了を待機する。
一方、上述の確認プリント動作が完了したことをステップS116の処理にて判断した場合、制御部205はステップS116からステップS117へ処理を進める。
ステップS117にて制御部205は、上述の確認プリント動作が実行されたジョブの本番用の印刷動作を再度この時点から実行(継続)させるように印刷システム1000を制御する。
ステップS117にて再実行の対象となるこのジョブの本番用の印刷動作では、ステップS114におけるこのジョブの印刷動作の中断直前までに処理済の分については印刷を行わないように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
そして、ステップS117では、ステップS114の段階にて未処理であった残り分の印刷についてのみを実行するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
ステップS117で本番用の印刷動作を再実行させるに際し、制御部205は上述の如く、ステップS105等により既にHDD209に保持済のジョブの本番用の印刷動作に要する印刷データをステップS117でも利用するように印刷装置100を制御する。
以上のステップS117の処理を経て、制御部205は、ステップS117からステップS107へ処理を戻すように制御する。
なお、ステップS117からステップS107へ処理を戻した場合、図13Fで説明したように、この本番用の印刷動作が完了していない事を条件に、制御部205は、画面2300Aを再度表示できるようにタッチパネル部401を制御する。これにより、制御部205は、ステップS107からステップS109へ処理を再び移行できるようにし、ステップS109からステップS115の処理を再度実行できるように印刷システム1000を制御する。
このように、制御部205は、処理対象のジョブの本番用の印刷動作が完了していない期間中に、オペレータからの要求に応じて複数回確認プリント動作を印刷システム1000により実行可能にする。
上述したように、キー2304Bを介してオペレータから確認プリント開始要求が入力された事を受け、ステップS114で制御部205は自動的に(オペレータからの中断要求の入力無しに)、この確認プリントすべきジョブの本番用の印刷動作を中断させる。
そして、ステップS114にてその本番用の印刷動作の中断後(一時停止後)、ステップS115にて制御部205は自動的に、そのジョブの確認プリント動作を印刷システム1000により実行させる。
そして、このジョブの確認プリント動作の実行直後のステップS117の時点から、制御部205は自動的に、その確認プリントが行われたジョブの本番用の印刷動作を印刷システム1000により再実行(再開)させる。
このように、1つのジョブの一連の印刷工程における以下の3つの処理を、確認プリントの開始要求がオペレータから入力されたことを受けて、順次自動的に実行するように制御部205は印刷システム1000を制御する。
・ 「本番用の印刷動作の中断処理」
・ 「確認プリント処理」
・ 「本番用の印刷動作の再開処理」
そして本実施形態では、上述した3つの問題等のトラブルもなく確認プリントが実行できるように印刷システム1000は構成されている。
例えば、ステップS115にて確認プリント動作を行うとする。この場合に、既にステップS114にて印刷中断対象のジョブ(即ち、確認プリント要求がなされたジョブ)の本番用の印刷物を積載するのに必要な出力先に対してこのジョブの確認用の印刷物が出力されることを制御部205は禁止する。
そしてステップS115の確認プリント動作により出力されるこのジョブの確認用の印刷物はこのジョブの本番用の印刷物の出力先とは異なる出力先へ出力されるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
そして、この確認プリントが実行された後にステップS117にて本番用の印刷動作を再実行(再開)するとする。この場合に、このステップS117にて出力させるこのジョブの本番用の印刷物がこの確認用の印刷物の出力先へ出力されることを、制御部205は禁止する。
そして、ステップS117にて再実行させる本番用の印刷動作におけるジョブの本番用の印刷物は、ステップS114の印刷中断時点の直前までに利用中であった本番用の印刷物の出力先へ出力されるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
尚、本実施形態では上述したように、確認用の印刷物の出力先を決定する為の処理を制御部205がステップS113にて行う。そして制御部205は、ステップS113における処理の詳細を示すフローチャートの一例に相当する図17に示すフローチャートの処理を実行する。また制御部205は、図17のステップS300における処理の詳細を示すフローチャートの1例に相当する図19に示すフローチャートの処理を実行する。また、制御部205は、この図17のステップS304における処理の詳細を示すフローチャートの1例に相当する図18に示すフローチャートの処理を実行する。
但し、これらのフローチャートはあくまでも例示的な説明とし、必ずしもこれに限った処理を行わなければならないという事は無い。
例えば、後述する図21、図22を用いて例示する3つの制御例のうちの少なくとも何れかの制御が実行できるように構成されている印刷装置やシステムなどでも、本実施形態は適用可能である。
又、制御部205は上述したように、確認プリント動作が行われるジョブの確認用の印刷物をそのジョブの本番用の印刷物の出力先とは異なるシート処理装置の出力先へ出力できるように印刷システム1000を制御する。
そして制御部205は、この確認プリントを行うに際し、どの出力先にジョブの確認用の印刷物が出力されるのかをオペレータが識別できるようにした表示を操作部204に実行させる。
この1例として、図16のステップS113にて制御部205は、図15に示す表示をタッチパネル部401に実行させる。この図15の画面2500は、以下に例示するガイダンス情報が示されるように構成された表示画面である。
尚、制御部205は、画面2300Bのキー2304Bにより確認プリント開始要求がオペレータから入力された直後に、この画面2500をタッチパネル部401に表示させる。
[ガイダンス情報1] 印刷システム1000が確認プリントを開始した旨をオペレータに通知する為のガイダンス情報。
[ガイダンス情報2] 確認プリント対象のジョブの確認用の印刷物が、印刷システム1000の何処に出力されるのかをオペレータに対して明示的且つ視覚的に確認させるためのガイダンス情報。
なお、この[ガイダンス情報2]は、このジョブの本番用の印刷物の出力先が印刷システム1000の何処に出力されるのもオペレータに対して明示的且つ視覚的に確認させるためのガイダンス情報でもある。
また、制御部205は、画面2500上に印刷システム1000の実際の概観に相当する概観図をグラフィカルに表示するように、タッチパネル部401を制御する。
そして画面2500上のグラフィカルな概観図における本番用の印刷物の出力先に該当する出力先を示す個所には、色は「赤」で且つ形状は「●」で表現されるマークが付与された表示内容となるように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。
また画面2500上のグラフィカルな概観図にて、このジョブの確認用の印刷物の出力先に該当する出力先を示す個所には、色は「青」で且つ形状は「★」で表現されたマークが付与された表示内容となるように制御部205はタッチパネル部401を制御する。
画面2500の表示をタッチパネル部401に実行させる場合にも、制御部205は、印刷装置100のメモリに予め登録済の上述した印刷システム1000のシステム構成情報等を利用する。
この画面2500に示すように、制御部205は、オペレータが本番用の印刷物の出力先と確認用の印刷物の出力先とを同時に識別できるようにした(識別可能にした)報知処理をタッチパネル部401に実行させる。尚、変形例として、表示出力ではなく、音声出力や印刷出力によるオペレータへの報知処理を代替案として採用しても良い。
これにより、オペレータに対する操作性及び作業効率に係る効果、即ち、本実施形態に係る確認プリント機能に係る効果が更に向上可能となる。
例えば、印刷システム1000のシステム構成で説明したように、印刷装置100に対して複数台のシート処理装置が連結接続可能なシステム構成であり、複数の出力先の候補が存在するとする。このようなシステム構成でも、確認プリント動作により作成された確認用の印刷物がどの出力先に出力されるのかをオペレータが認識するのが困難になるといった問題が発生するのを抑える事が出来る。また、このような問題が発生したことが原因で、高い生産性がより重要視されうるPOD環境のような印刷環境で作業効率や生産性にも影響が発生するといった新たなトラブルが発生することもなく、上述のように高い生産性を維持した印刷環境が構築できる。
次に、この確認プリント動作により出力される確認用の印刷物の出力先を決定する為の制御処理を、図16〜図19のフローチャートを用いて説明する。
尚、ここでは、印刷装置100に対して複数台のシート処理装置が連結されたシステム構成であって、複数の出力先の候補が存在するものとする。
そして、本実施形態では、確認用の印刷物の出力先の候補として利用が許可される対象の出力先が複数存在する場合に、以下の複数種類のモードの中から何れかのモードの動作を選択的に実行できるように制御部205は印刷システム1000を制御する。
[モード1] 例えば、印刷システム1000の構成が図3で上述したように、印刷装置100に対して複数台のシート処理装置が連結されているシステム構成であるとする。そして、このシステム構成にて、処理対象のジョブの確認用の印刷物を出力する出力先として利用が許可される出力先を具備するシート処理装置の選択候補が複数台存在するとする。このケースを以下、ケースAと呼ぶ。
このケースAに該当する場合にモード1の動作を行う場合、制御部205は、確認プリントが実行されるジョブの本番用の印刷動作で利用するシート処理装置よりもシート搬送路上流側(印刷装置100に近い方)に位置するシート処理装置を優先的に選択する。
本番用の印刷動作に要するシート処理装置よりも上流側に、確認用の印刷物の出力先のシート処理装置として選択許可対象の装置が複数台存在するとする。このケースに該当する場合は、その中でも、最もシート搬送路上流側のシート処理装置(最も印刷装置100本体に近い場所に位置する後処理装置)を優先的に選択する。
この[モード1]の制御を、図20に例示するシステム構成を例に取り、説明する。
例えば、確認プリント動作が行われるジョブの本番用の印刷動作の出力先として必要なシート処理装置が、図20のシステム構成における3番目の中綴じ製本機200cであるとする。この場合、確認用の印刷物の出力先として利用が許可される対象のシート処理装置は、2番目の大容量スタッカ200bと、1番目の大容量スタッカ200aの2つの選択候補であると制御部205が判断する。
そして、この状況の場合においてモード1の動作を実行するとする。この場合、制御部205は、このジョブの確認用の印刷物の出力先として利用すべきシート処理装置として、印刷装置100に最も近い1番目の大容量スタッカ200aを選択する。以上のような一連の動作並びに制御が、このモード1に相当するものである。
このモード1の動作を実行可能に構成することで、印刷システム1000により以下のような効果が図れる。
例えば、操作部204を具備する印刷装置100により近い位置に存在する出力先へ確認用の印刷物が出力されるので、オペレータが操作部204で操作してから確認用の印刷物をとりにいくまでの移動距離が少なくて済み、オペレータの作業効率が良くなる。また、印刷装置100に近い出力先に確認用の印刷物が出力されることで、出力先までの確認用の印刷物の搬送距離も短く済む。これにより、確認プリントの出力が完了するまでの所要時間も短縮できる。またその分、確認プリントが行われた後にオペレータにより行われる上述の各種指示に対応した処理も迅速に対応できる。これにより、そのジョブおよび後続ジョブの処理を印刷システム1000で完了するまでの時間も短くなる。このように、POD環境等の作業現場で従事するオペレータが印刷装置100の操作部204を利用する頻度が高い状況を考慮した各種の効果が図れる。
[モード2] 先程と同様、ここでは、例えば、印刷システム1000の構成が、上述したケースAに相当するとする。
このケースAに該当する場合にモード2を実行する場合、制御部205は、確認プリントが実行されるジョブの本番用の印刷動作にて利用するシート処理装置に最も近い場所に位置するシート処理装置を優先的に選択する。
このモード2に関する構成を、図20に例示するシステム構成を例に取り、説明する。
例えば、確認プリント動作が行われるジョブの本番用の印刷動作の出力先に利用するシート処理装置が、図20のシステム構成における3番目の中綴じ製本機200cであるとする。この場合、確認用の印刷物の出力先として利用を許可するシート処理装置は、2番目の大容量スタッカ200bと、1番目の大容量スタッカ200aの2つの選択候補であると制御部205が判断する。
そして、この状況の場合においてモード2の動作を実行するとする。この場合、制御部205は、このジョブの確認用の印刷物の出力先として利用すべきシート処理装置として、本番用の印刷物の出力先のシート処理装置に最も近い2番目の大容量スタッカ200bを選択する。以上のような一連の動作並びに制御が、このモード2に相当するものである。
このモード2のメリットは、本印刷が完了し、印刷物を装置から取り出す際、本印刷の印刷物と確認プリントの印刷物が近い場所にあるので、オペレータの作業が容易である点等が挙げられる。
[モード3] 先程と同様、ここでは、例えば、印刷システム1000の構成が、上述したケースAに相当するとする。
ケースAに該当する場合にモード3の動作を行う場合、制御部205は、確認プリントを実行するジョブの本番用の印刷動作に用いるシート処理装置の位置(接続順序)や印刷装置100の位置等に関係なく決定済みの特定のシート処理装置を固定的に選択する。
このモード3の制御を、図20に例示するシステム構成を例に取り、説明する。
例えば、確認プリント動作が行われるジョブの本番用の印刷動作の出力先として利用するシート処理装置が、図20のシステム構成における3番目の中綴じ製本機200cであるとする。この場合に確認用の印刷物の出力先として利用を許可するシート処理装置は、2番目の大容量スタッカ200bと、1番目の大容量スタッカ200aの2つの選択候補があると制御部205が判断する。
そして、この状況下にてモード3の動作を行うとする。この場合に、制御部205は、予め決定されている特定のシート処理装置は、1番目の大容量スタッカ200aであると判断する。尚、この予め決定されている特定のシート処理装置は、例えば、オペレータ自身が操作部204を用いて、初期設定として印刷装置100のHDD209に予め登録しておいても良い。又は、制御部205が用いる制御プログラムの1つとして予め機器情報として登録されている構成でも良い。
そして、このモード3の動作を行うとする。この場合、このジョブの本番用の印刷物の出力先のシート処理装置の位置(接続順序)に係る判別処理等を行う事無く、制御部205はこのジョブの確認用の印刷物の出力先として利用すべきシート処理装置として、1番目の大容量スタッカ200aを選択する。以上のような一連の動作並びに制御が、このモード3に相当するものである。
このモード3のメリットは例えば、本番用の印刷物の出力先とは異なる出力先として常に同じ出力先に確認用の印刷物を出力することができるので、分りやすい等がある。
以上のような各モードに対応する動作を、印刷システム1000にて選択的に実現可能に制御部205は印刷システム1000を制御する。
尚、以上の[モード1]〜[モード3]は、ユーザメリットを考慮した上での仕組みでもあるので、あくまでも例示的な説明とし、必ずしも必須の構成要件としなくとも良い。例えば、モード1に相当する動作のみしか対応していない構成でも良い。モード2に相当する動作のみしか対応していない構成でも良い。モード3に相当する動作のみしか対応していない構成でも良い。勿論、このような、モードという概念自体が存在しない構成でも良い。又、モード1の動作とモード2の動作を選択的に実行可能に構成しても良い。又、モード2の動作とモード3の動作を選択的に実行可能に構成しても良い。又、モード1の動作とモード3の動作を選択的に実行可能に構成しても良い。このように2者択一的な構成でも良い。このように本実施形態の印刷システム1000は種々の形態に適用できる。
また本実施形態では、確認用の印刷物の出力先を特定種類のシート処理装置の特定の出力先へ出力可能にし、これに該当しない出力先へは、確認用の印刷物を出力することは禁止するように、制御部205が印刷システム1000を制御する。
また本実施形態では、この特定の出力先を具備する特定の種類のシート処理装置として、図4で説明した、装置筐体外部に露出したトレイを具備する大容量スタッカを利用できるように構成される。
そして、本実施形態では、処理対象のジョブの本番用の印刷物は図4で例示した大容量スタッカのサンプルトレイ以外の出力先へ出力されるように、制御部205が印刷システム1000を制御する。一方、このジョブの確認用の印刷物が本番用の印刷物の出力先へ出力されることは禁止し、このジョブの確認用の印刷物は図4で例示した大容量スタッカのサンプルトレイへ出力されるように、制御部205が印刷システム1000を制御する。そして確認プリント実行後に再実行されるこのジョブの本番用の印刷動作で作成される本番用の印刷物は、この確認プリントの開始前に本番用の印刷動作で利用された出力先と同じ出力先へ出力されるように、制御部205が印刷システム1000を制御する。
このように、本実施形態では、印刷システム1000が複数台のシート処理装置を具備するシステム構成を有していても、本番用の印刷物の出力先とは異なる出力先を確認用の印刷物の出力先として利用可能に制御部205が印刷システム1000を制御する。
そして処理すべきジョブの本番用の印刷動作で必要なシート処理の種類や出力先に依らず、図4で示した大容量スタッカの機外に露出した出力先に該当するサンプルトレイに確認用の印刷物を出力できるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。これにより、制御部205は、以下に例示する制御を行う。
例えば、処理対象のジョブが、本番用の印刷物の出力先として図4の大容量スタッカ内部のスタックトレイを要するスタッカジョブであるとする。この場合でも、制御部205は、このジョブの確認用の印刷物をその大容量スタッカ内部のスタックトレイへ出力する事を禁止する。
また、処理対象のジョブが、本番用の印刷物の出力先として図5の糊付け製本機内部に具備するバスケットを要する糊付け製本ジョブであるとする。この場合でも、制御部205は、このジョブの確認用の印刷物を図5の糊付け製本機内部に具備するバスケットへ出力する事を禁止する。
また、処理対象のジョブが、本番用の印刷物の出力先として図6の中綴じ製本機内部に具備するブックレットホールド部を要する中綴じ製本ジョブであるとする。この場合でも、制御部205は、このジョブの確認用の印刷物をそのブックレットホールド部へ出力する事を禁止する。
このように本実施形態では、制御部205が、図12B〜図14Hで上述した確認プリント動作に係る各種制御を印刷システム1000のために実行する。そして、この確認プリントを実行する場合に、処理対象のジョブの本番用の印刷物の出力先とは異なるシート処理装置の出力先へ、そのジョブの確認用の印刷物を出力可能に制御部205が印刷システム1000を制御する。
これにより、例えば、POD環境のような印刷環境の作業現場から要望されうる以下に例示するような要望に対処可能となる。
[要望] コンパクトに構成された印刷システムで、顧客から要求されうるニーズに対処できる豊富な後処理を実行できるように構成された印刷システムで、プリンタ部203の高い稼働率を維持したい。特に、大量ジョブの大量ドキュメントを可能な限り同時に集中的に絶え間なく連続して印刷したい。このように、印刷システムを連続動作させ続ける事を維持しながらも、高品位な出力結果を得る為の確認プリントを実現して欲しい。
しかも、このような要望に対処可能となるのみならず、この要望に応えるように構成した結果、「本番用の印刷物に確認用の印刷物が紛れ込んでしまう」等の既述で例示が如くの新規な問題が発生するといったトラブルも発生しないようにすることができる。
また、このように、オペレータが本番用の印刷物の中から確認用の印刷物を抜き取るといった介入作業等を要求しないようにすることができるため、使い勝手のよい操作環境のもとでオペレータの作業効率が向上する。これにより、1つのジョブの処理完遂に要する時間も極力短縮可能となるのみならず、後続ジョブをも含む複数のジョブを、可能な限り高品位且つ高生産性でもって連続処理できる効果が印刷システム1000によって更に向上可能となる。
また本実施形態にて、上述した[モード1]〜[モード3]に相当する構成を具備することで、これらの効果が更に向上可能となるという効果が図れる。
また、本実施形態では、上述したように、大容量スタッカが具備する装置筐体外部で且つ装置上部に具備するサンプルトレイへ、確認用の印刷物を出力可能に制御部205は印刷システム1000を制御している。
ここで、本番用の印刷物の出力先として利用可能な出力先として、印刷物自体が未出力の出力先が存在するとする。そして、その出力先がこの大容量スタッカのサンプルトレイ以外の出力先であるとする。
このケースの具体例としては、例えば、図4に例示の大容量スタッカ内部のスタックトレイに印刷物が1枚もスタックされていない状況がこのケースに含まれる。
又、図5に例示の糊付け製本機内部に具備するバスケットに印刷物が1枚もスタックされていない状況も、このケースの具体例に含まれる。
又、図6の中綴じ製本機内部に具備するブックレットホールド部に印刷物が1枚もスタックされていない状況もこのケースの具体例に含まれる。
このように、印刷システム1000において印刷物自体が未出力の出力先が存在していても、その出力先は、大容量スタッカのサンプルトレイ等の装置筐体外部に露出された出力先には該当しない、装置筐体内部に具備する出力先であるとする。
この場合、制御部205は、例えその出力先が、印刷物の出力が可能な出力先であっても、その出力先へ処理対象のジョブの確認用の印刷物を出力する事は禁止する。そして、大容量スタッカのサンプルトレイ等の装置筐体外部に露出された出力先へ、このジョブの確認用の印刷物を出力可能に制御部205は印刷システム1000を制御する。
このように構成することで、以下に例示する各種トラブル等の発生を未然に抑えることが可能となる。
「折角、本番用の印刷物とは異なる出力先へ確認用の印刷物を出力したにも拘らず、印刷システムのシート処理装置内部の出力先に確認用の印刷物が出力されてしまうといったトラブル。またこれにより、シート処理装置のどの出力先に出力されたのかを探すべく、複数台のシート処理装置の中からオペレータがあちこち探し回るといったトラブル。また、本番用の印刷物から確認用の印刷物を抜き取る作業自体は不要だが、確認用の印刷物を捜しだす時間が必要となる分、作業ロスやダウンタイム発生の削減があまり実現できない結果となるといったトラブル。その結果、生産性や作業効率にも影響がでてしまうといったトラブル。」
また、本実施形態のように構成することで、例えば以下のような作業を不要とすることが可能となる。
「大容量スタッカ内部の出力先に確認用の印刷物が出力されてしまうことが原因で、確認プリントの出力物を取出す為に毎回、この大容量スタッカのフロントカバーの開閉操作をオペレータに要求してしまうといったオペレータの介入作業。」
そして、本実施形態のように構成することで、上述したような各種問題が発生するのを抑えながら、本番用の印刷物とは異なる出力先で且つオペレータにより印刷物の存在が一目瞭然の出力先に確認用の印刷物の出力することができる。これにより、オペレータがその確認用の印刷物を迅速に発見可能となる。
これにより、「複数ジョブを同時期に集中して連続処理する場合でも、可能な限り高生産性且つ高品位で、これら複数のジョブを処理できる。」という、本実施形態にて得られる効果が更に向上可能となるという効果が得られる。しかも、図15で上述したような表示制御を実行することで、更に、この効果が向上可能となる。
次に、図17のフローチャートの処理を説明する。この図17の処理は、図16のステップS113の処理に含まれている処理である。
先ず制御部205は、図17のステップS300にて、確認プリント動作の対象となる確認用の印刷物の出力先として利用可能な出力先が存在するか否かをチェックする。尚、図17のステップS300では、この出力先のことを「確認プリント先」と記している。
又、図17のステップS300にて制御部205は、例えば、以下に例示の情報に基いて、上記判断を行う。
(1) 印刷システム1000のシステム構成情報。この情報は、図9で説明したように、印刷装置100のメモリに予め登録されたシート処理装置200に関する情報を含む。
(2) 処理対象のジョブの本番用の印刷動作にて要する後処理装置の出力先を特定する為の本番用の出力先情報。この情報も、上述したように、処理対象のジョブに対してオペレータにより設定された印刷処理条件に関する情報に基いて制御部205が特定する情報である。
(3) 印刷システム1000にて印刷物の出力先対象となる出力先毎の現在の状況を特定する出力先カレントステータス情報。この情報は、印刷システム1000が具備する複数台のシート処理装置の各ユニット毎に具備する用紙有無検知センサからの各情報を制御部205が取得することで、特定する情報である。
なお、制御部205は、この図17のステップS300による処理の詳細を示すフローチャートである、図19に例示されるフローチャートの処理を実行する。
図19のステップS201にて、制御部205は、上述した(1)〜(3)の情報をもとに、確認プリントを出力可能で且つ本番用の印刷で使用しない出力先が印刷システム1000に存在するか否を判断する。尚、この出力先の事を、図19のステップS201では「排紙先」と記している。
そして、制御部205は、確認プリントを出力可能で且つ本番用の印刷で使用しない出力先が印刷システム1000に存在しないと判断した場合に、図19のステップS201からステップS203へ処理を進める。
この図19のステップS203にて制御部205は、オペレータが確認プリント要求を指示したジョブの確認プリントの実行を禁止する。
例えば、本番用の印刷動作の実行中にこのジョブの確認プリント開始要求が図13Eのキー2304Bを用いてオペレータから入力されたことを、制御部205が図16のステップS111にて判断したとする。しかし、図19のステップS201にてNOと判定した場合、ステップS203にて制御部205は、このジョブの為に確認プリント動作を実行する事を禁止する。この場合、制御部205は、図16のステップS115にてこのジョブの為に確認プリント動作を実行させること無しに、この確認プリント動作の実行をキャンセルする(中止する)。また、このケースの場合、図16のステップS114とステップS115の処理は実行する事無く(スキップして)、ステップS113の処理から図16のステップS107の処理へ戻るように制御部205は制御する。即ち、このケースの場合、図16のステップS116にて開始させたこのジョブの本番用の印刷動作を図16のステップS114にて中断すること無しにそのまま継続させ続けるように制御部205は印刷システム1000を制御する。尚、このケースの場合、この確認プリントを禁止(キャンセル)した旨及びその理由をタッチパネル部401に表示させるように制御部205は制御する。このようなオペレータに対する報知処理を操作部204により実行する。
一方、図19のステップS201にて、確認プリントを出力可能で且つ本番用の印刷で使用しない出力先が印刷システム1000に存在すると制御部205が判断したとする。
この場合、制御部205は、ステップS202にて、このジョブの為の確認プリントを受付ける事を正式に許可し、この図19のステップS202から図17のステップS301へ処理を進める。
この図17のステップS301にて制御部205は、サンプルトレイを具備するシート処理装置が印刷システム1000に存在するか否かを、上述したシステム構成情報等をもとに判断する。尚、この「シート処理装置」とは図17のステップS301の「排紙装置」に対応する。
このステップS301でNOと判定した場合、ステップS301からステップS304へ処理を進める。
このステップS304にて制御部205は、本実施形態の印刷システム1000が実行可能な確認用の印刷物の出力先を決定する為の複数の処理のうちの1つを実行する。この処理は、図4で例示した大容量スタッカのサンプルトレイ以外で確認用の印刷物の出力先として利用が許可される出力先の候補の中から、確認用の印刷物の出力先を決定する為の処理に相当する。これがステップS304では「排紙先選択処理2(サンプルトレイ以外に排紙)」に対応する。又、このステップS304の処理の詳細は図18のフローチャートで後述する。なお、図17や図18のフローチャートの「本印刷」とは確認プリントが実行されるジョブの本番用の印刷動作に相当する。
一方、図17のステップS301でYESと判定した場合、ステップS301からステップS302へ処理を進める。このステップS302にて制御部205は、本番用の印刷動作にて印刷される本番用の印刷物の出力先として利用されない出力先に該当するサンプルトレイが印刷システム1000に存在するか否を、上述したシステム構成情報等に基いて、判断する。
ステップS302でNOと判定した場合にはステップS302からステップS304へ処理を進める。一方、ステップS302でYESと判定した場合にはステップS302からステップS303へ処理を進める。
ステップS303の処理は、確認用の印刷物の出力先として利用が許可されるシート処理装置が印刷システム1000内に複数台存在するケースにおいて実行される処理である。また、ステップS303の処理は、これら複数台のシート処理装置のそれぞれに、図4で例示したサンプルトレイがそれぞれ具備されているケースにおいて実行される処理である。このようなケースの場合に、ステップS303にて制御部205は、確認用の印刷物の出力先として利用を許可する選択候補の中から何れか1台のシート処理装置を、確認プリントが行われるジョブの確認用の印刷物の出力先のシート処理装置として選択する。尚、ステップS302にて制御部205は、上述の[モード1]〜[モード3]のうち、オペレータにより手動で(或いは、機器固有の設定値として自動で)予め印刷装置100に対して設定されているモードに基いた処理を実行する。このように、制御部205は、複数の選択候補の中から特定種類のシート処理装置を1台決定する処理をステップS303にて行い、その後、ステップS303からステップS305へ処理を進める。
なお、選択候補が1つしかない場合、制御部205は、その選択候補を、確認用の印刷物の出力先のシート処理装置として選択する。またこのケースの場合、制御部205は、ステップS303の処理はスキップしてステップS302からステップS305へ処理を進める。
ステップS305にて制御部205は、ステップS303にて選択したシート処理装置が複数のサンプルトレイを具備するか否かを、上述したシステム構成情報等に基いて判断する。
なお、図4で例示した大容量スタッカは、サンプルトレイが1個しかないシート処理装置に相当する。よって、印刷システム1000が例えば図3で示したシステム構成の場合、ステップS305の判定結果はNOとなる。このケースの場合、制御部205は、この大容量スタッカのサンプルトレイを確認用の印刷物の出力先として決定し、ステップS305からステップS307へ処理を進める。
また、ステップS303で選択したシート処理装置が複数のサンプルトレイを有するのであれば、処理をステップS306に進める。ステップS306では、制御部205は、複数のサンプルトレイのうち確認用の印刷物の出力先として用いるサンプルトレイをオペレータに選択させるための画面をタッチパネル部401に表示させ、オペレータからの選択操作により、1つを決定する。
ステップS307で制御部205は、ステップS305又はS306で決定した「確認用の印刷物の出力先」がフェイスアップ/フェイスダウンの切替えが可能に構成されたシート処理装置の出力先であるか否かを、上述のシステム構成情報等に基いて判断する。
この「フェイスダウン」とは、印刷対象の画像データの奇数頁に相当する印刷データの印刷媒体における印字面が下向きの状態で出力先に対して排出され、且つその状態のまま出力先にて積載保持させる動作モードに相当する。これをここでは、第1積載モードと呼ぶ。このモードを実行する場合、印刷データの印刷順序は、HDD209に記憶された順序と同じ先頭ページから順番に印刷し、最後に最終ページの印刷データを印刷する。このような印刷順序でこの第1積載モードを実行するように、制御部205は、印刷システム1000を制御する。
一方、「フェイスアップ」とは、印刷対象の画像データの奇数頁に相当する印刷データの印刷媒体における印字面が上向きの状態で出力先に対して排出され、且つその状態のまま出力先に積載保持させる動作モードに相当する。これをここでは、第2積載モードと呼ぶ。このモードを実行する場合、印刷データの印刷順序は、HDD209に記憶された順序と逆順、即ち、最終ページから順番に印刷し、最後に先頭ページの印刷データを印刷する。このような印刷順序で第2積載モードを実行するように、制御部205は、印刷システム1000を制御する。
そして、制御部205は、確認用の印刷物の出力先として決定した出力先がこれら2種類の積載モードによる積載処理に対応できるように構成された出力先であるならば、ステップS307からステップS308へ処理を進める。
ステップS308では、予め設定された2つのモード(モードAとモードB)のうちのどちらのモードが設定されているかを、制御部205により確認する。これらモードとして例えば、以下のモードを持つ。
[モードA] 処理対象のジョブの本番用の印刷動作にて、本番用の印刷物の積載形態と同じ積載形態で、このジョブの確認用の印刷物を出力先へ出力し、積載させる。
例えば、処理対象のジョブが、本番用の印刷動作にて第1積載モードによる積載形態を要するジョブであるとする。このモードAが設定されている場合、制御部205は、このジョブの確認プリント動作では第1積載モードで確認用の印刷物の出力を実行する。
一方、処理対象のジョブが、本番用の印刷動作にて第2積載モードによる積載形態を要するジョブであるとする。このモードAが設定されている場合、制御部205は、このジョブの確認プリント動作では第2積載モードで確認用の印刷物の出力を実行する。
このモードAにより出力される確認用の印刷物は、本番用の印刷物と同じ積載形態になる。そして、確認プリントを実行する時に、印刷データの頁順序や積載形態の変更といった制御シーケンスの切換が必要ない。これにより、例えば印刷システム1000に対する余計な負担もかけずに生産性重視が図れる。
[モードB] このモードBが設定されている場合、制御部205は、処理対象のジョブの本番用の印刷動作にて、本番用の印刷物の積載形態に関係なく、このジョブの確認プリント動作にて、第2積載モードで確認用の印刷物の出力を実行する。
このモードBにより出力される確認用の印刷物は、確認プリントされた画像の印刷面が上を向いて出力される。よって、表裏を裏返さなくても確認プリントの印刷結果を見ることができる等の効果に役立ち、操作性重視が図れる。
このようにどちらのモードにもユーザメリットがある。また、どちらのモードで動作させるかは操作部204によるメニュー設定でオペレータにより設定できる。
次に、図17のステップS308にて制御部205は、これらのモードAとモードBのどちらのモードが設定されているのかに基いて、上述した2つの積載モードのうちの何れかの積載モードを選択する。このように、制御部205は、処理対象のジョブの確認用の印刷物を第1積載モードで処理するか第2積載モードで処理するかを予め設定されている条件に基いて決定する。
一方、確認用の印刷物の出力先として決定した出力先が、上述した2つの動作モードによる積載処理に未対応の出力先であるとする。この場合、制御部205は、ステップS307にてNOと判定する。そしてこの場合、制御部205は、上述したモードAやモードBの選択確認など実行すること無しに、上述したモードAに対応する動作でもって確認用の印刷物の出力を実行するよう印刷システム1000を制御する。
その後、制御部205は、ステップS308又はステップS307にてNOと判定し、再び、図16のメインフローチャートのステップS114へ処理を戻す。そして、制御部205は、この図17のサブフローチャートの判断結果を反映した確認プリント動作を図16のステップS115にて実行するように印刷システム1000を制御する。
次に、上述した図17のステップS304の処理の詳細について、同処理の詳細を示す図18のフローチャートを用いて説明する。
この図18の処理は、大容量スタッカのサンプルトレイ以外の出力先に確認プリント動作により印刷される確認用の印刷物を出力する場合に行われる。そして、この図18の処理は、例えば、印刷システム1000が図20に示すシステム構成である場合で、且つ、大容量スタッカのサンプルトレイが本番用の印刷動作により使用されているケースの場合等において、行われる。
まず、図18のステップS401にて制御部205は、本番用の印刷動作で使用しないシート処理装置で、且つ確認用の印刷物を出力可能なシート処理装置が印刷システム1000に存在するか調べる。例えば、図20のシステム構成の場合にて、中綴じ製本機200cを本番用の印刷動作に利用する場合、大容量スタッカ200a、200bは本番用の印刷動作では利用されない。しかし、これら大容量スタッカ200a、200bのサンプルトレイは、両方ともに既に印刷物が積載されており、利用が不可能であるとする。この場合、ステップS401ではNOと判定する。なおこの場合、制御部205は、本番用の印刷動作で利用する中綴じ製本機200cをステップS403で選択する。但しこの場合でも、図6に例示した中綴じ製本機が具備する機外に露出したトレイのうち本番用の印刷動作で利用しない空きトレイに対して、この確認プリントが行われるジョブの確認用の印刷物を出力できるように印刷システム1000を制御する。
また、ステップS401にてNOと判定した場合、ステップS401からステップS403へ処理を進める。ステップS403にて制御部205は、本番用の印刷動作で使用するシート処理装置を選択する。但しこの場合でも、上述したように、本番用の印刷物に利用しない出力先が選択される。
一方、ステップS401にてYESと判定した場合には、ステップS401からステップS402へ処理を進める。そして、ステップS402にて制御部205は、確認用の印刷物の出力に利用するシート処理装置の選択を行う。この選択方法は前述した3通り(モード1〜モード3)がある。ステップS403の処理が済んだらステップS404へ進む。
ステップS404にて制御部205は、ステップS402又はステップS403で選択されたシート処理装置の内部と外部のそれぞれに本番用の印刷動作で使用しない出力先(トレイ)が存在するか調べる。例えば、ステップS402又はステップS403にて選択された1台のシート処理装置における内部と外部のそれぞれに、本番用の印刷物が出力されず、確認用の印刷物を出力できる出力先が複数存在するとする。この場合、制御部205は、ステップS404からステップS405へ移行し、ステップS405にて、このシート処理装置の外部に存在する出力先を優先的に確認用の印刷物の出力先として選択する。一方、もし、ステップS402又はステップS403にて選択された1台のシート処理装置における内部にのみ、本番用の印刷物が出力されず、確認用の印刷物を出力できる出力先の候補が存在するとする。この場合、制御部205は、ステップS404からステップS406へ移行し、ステップS406にて、このシート処理装置の内部に存在する出力先を確認用の印刷物の出力先として決定する。
次に、ステップS407では、ステップS405又はステップS406で選択された出力先がフェイスアップ/フェイスダウンの切替えが可能かを判断する。ステップS407にてYESと判定した場合、制御部205はステップS407からステップS408へ処理を進める。そして、ステップS408にて制御部205は、上述したモードAとモードBのどちらのモードに基いた動作を、処理対象のジョブの確認プリント動作にて実行するかを決定する。一方、ステップS407にてNOと判定した場合、制御部205は、ステップS408の処理をスキップする。
そして、制御部205は、図18のフローチャートの処理が終了したら再び、図16のメインフローチャートのステップS114の処理へと処理を戻す。そして、制御部205は、この図18のサブフローチャートによるシート処理装置及び出力先の決定結果を反映した確認プリント動作を図16のステップS115にて実行するように印刷システム1000を制御する。
以上の図16〜図19で例示した確認プリント動作における確認用の印刷物の出力先の決定方法は、あくまでも例示的なものとする。少なくとも、本実施形態の印刷システム1000のように、例えば、以下に例示する[制御例1]〜[制御例3]の何れの制御が実行できるように構成されていれば、本実施形態に適用可能である。本実施形態では、制御部205が以下の[制御例1]〜[制御例3]の制御を実行するのためのコンピュータ読出実行可能なコンピュータプログラムを印刷装置100のメモリから読み出して実行することで、これらの制御が印刷システム1000にて実行される。
[印刷システム1000による確認プリント動作に係る制御に含まれる印刷物の出力先に関する制御例1]
まず、図21を用いて、制御部205が実行する確認プリント動作に係る制御の1つに含まれる、印刷物の出力先に関する制御に相当する1番目の制御例を説明する。図21は、図3に示したシステム構成における印刷物の出力先の候補を詳細に示した断面図であり、図3と図21は同一のシステム構成である。
まず、例えば、制御部205は、印刷装置100のメモリに登録済の上述したシステム構成情報を確認する。その結果、印刷システム1000は図21に例示するシステム構成であるとする。この場合、例えば、制御部205は、以下に示す[確認事項1−1]と[確認事項1−2]の確認を、HDD209内に登録済のシステム構成情報に基いて行う。
[確認事項1−1] 印刷システム1000が図21に示すシステム構成の場合、プリンタ部203で印刷されるシートを保持できる出力先(排紙先)は合計6個である事を特定する。
[確認事項1−2] 印刷システム1000が図21に示すシステム構成の場合、第1の出力先(以下、図21のように出力先X1と称す)として、大容量スタッカの機内に具備するスタックトレイが存在する事を確認する。
また、印刷システム1000が図21に示すシステム構成の場合、第2の出力先(以下、図21のように出力先X2と称す)として、大容量スタッカの機外上部に具備するサンプルトレイが存在する事を確認する。
また、印刷システム1000が図21に示すシステム構成の場合、第3の出力先(以下、図21のように出力先Yと称す)として、糊付け製本機の機内に具備するバスケットが存在する事を確認する。
また、印刷システム1000が図21に示すシステム構成の場合、第4の出力先(以下、図21のように出力先Z1と称す)として、中綴じ製本機の機外に具備する1番目のトレイが存在する事を確認する。
また、印刷システム1000が図21に示すシステム構成の場合、第5の出力先(以下、図21のように出力先Z2と称す)として、中綴じ製本機の機外に具備する2番目のトレイが存在する事を確認する。
また、印刷システム1000が図21に示すシステム構成の場合、第6の出力先(以下、図21のように出力先Z3と称す)として、中綴じ製本機の機内に具備するトレイが存在する事を確認する。
このように、印刷システム1000が図21に示すシステム構成である場合、制御部205は、これら[確認事項1−1]と[確認事項1−2]に例示した確認を、上述したシステム構成情報に基いて行う。そして、この図21に示すシステム構成において印刷システム1000により処理すべきジョブが、例えば、以下に例示する何れかのケースに該当するジョブであるとする。
[ケース1−1] 処理対象のジョブがスタッカジョブに該当し、且つそのジョブの本番用の印刷物の出力先として、図21の出力先X1の利用を要するジョブである場合。
[ケース1−2] 処理対象のジョブが糊付け製本ジョブに該当し、且つそのジョブの本番用の印刷物の出力先として、図21の出力先Yの利用を要する、ジョブである場合。
[ケース1−3] 処理対象のジョブが中綴じ製本機によるシート処理を要するジョブに該当し、且つそのジョブの本番用の印刷物の出力先として、図21のZ1〜Z3の何れかの出力先の利用を要するジョブである場合。
以上のように、印刷システム1000が図21に示すシステム構成の場合で、この印刷システム1000により処理すべきジョブがこれら[ケース1−1]〜[ケース1−3]ノ何れかのケースに該当するとする。この場合、制御部205は、そのジョブのために、以下に例示する[制御1−1]と[制御1−2]を順次実行する。
[制御1−1] まず、制御部205は、処理すべきジョブの本番用の印刷動作を印刷システム1000により実行中に、そのジョブの為の確認プリント要求をオペレータから受付ることができるように操作部204を制御する。この操作部204に対する制御の説明は上述した操作部204に対する制御と同様なので省略する。
[制御1−2] その後、処理すべきジョブの本番用の印刷実行中にそのジョブの為に確認プリント要求が操作部204を介してオペレータによりなされたとする。この場合、この要求に応答して、制御部205は、そのジョブの本番用の印刷動作を中断させ、そのジョブの確認プリントを印刷システム1000で開始させる。
そして、このジョブの確認プリント動作を実行する場合、制御部205は、このジョブの確認用の印刷物を図21に示す大容量スタッカが具備する機外に露出した出力先X2へ出力するように印刷システム1000を制御する。このように、このジョブの確認用の印刷物の出力先として出力先X2以外の出力先を利用する事を禁止するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
そして、このジョブの確認用の印刷物の出力先X2に対する出力が全て完了した事に応じて、制御部205は、そのジョブの本番用の印刷動作を自動的に再開させるように印刷システム1000を制御する。また、この再開動作の際には、このジョブの確認プリント動作が開始される前に、このジョブで利用していた出力先と同じ出力先にこのジョブの本番用の印刷物を出力するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
このように、図21に示すシステム構成で確認プリント要求がなされた場合、図16〜図19で例示したフローチャートの処理に従い、[制御1−1]と[制御1−2]とが含まれる一連の制御を実行できるように印刷システム1000は構成されている。
[印刷システム1000による確認プリント動作に係る制御に含まれる印刷物の出力先に関する制御例2]
次に、図22を用いて、制御部205が実行する確認プリント動作に係る制御の1つに含まれる、印刷物の出力先に関する制御に相当する2番目の制御例を説明する。図22は、図20に示したシステム構成における印刷物の出力先の候補を詳細に示した断面図であり、図20と図22は同一のシステム構成である。
まず、制御部205は、上述したように、上述したシステム構成情報を確認する。その結果、印刷システム1000は図22に示すシステム構成であるとする。この場合、例えば、制御部205は、以下に例示する[確認事項2−1]と[確認事項2−2]の確認を、システム構成情報に基いて行う。
[確認事項2−1] 印刷システム1000が図22に示すシステム構成の場合、プリンタ部203で印刷されるシートを保持できる出力先(排紙先)は合計7個である事を特定する。
[確認事項2−2] 印刷システム1000が図22に示すシステム構成の場合、第1の出力先(以下、図22のように出力先X1と称す)として、接続順序が1番目の大容量スタッカの機内に具備するスタックトレイが存在する事を確認する。
また、印刷システム1000が図22に示すシステム構成の場合、第2の出力先(以下、図22のように出力先X2と称す)として、接続順序が1番目の大容量スタッカの機外上部に具備するサンプルトレイが存在する事を確認する。
また、印刷システム1000が図22に示すシステム構成の場合、第3の出力先(以下、図22のように出力先Y1と称す)として、接続順序が2番目の大容量スタッカの機内に具備するスタックトレイが存在する事を確認する。
また、印刷システム1000が図22に示すシステム構成の場合、第4の出力先(以下、図22のように出力先Y2と称す)として、接続順序が2番目の大容量スタッカの機外上部に具備するサンプルトレイが存在する事を確認する。
また、印刷システム1000が図22に示すシステム構成の場合、第5の出力先(以下、図22のように出力先Z1と称す)として、接続順序が3番目の中綴じ製本機の機外に具備する1番目のトレイが存在する事を確認する。
また、印刷システム1000が図22に示すシステム構成の場合、第6の出力先(以下、図22のように出力先Z2と称す)として、接続順序が3番目の中綴じ製本機の機外に具備する2番目のトレイが存在する事を確認する。
また、印刷システム1000が図22に示すシステム構成の場合、第7の出力先(以下、図22のように出力先Z3と称す)として、接続順序が3番目の中綴じ製本機の機内に具備するトレイが存在する事を確認する。
このように、印刷システム1000が図22に示すシステム構成である場合、制御部205は、これらの[確認事項2−1]及び[確認事項2−2]に例示した確認を、上述のシステム構成情報に基いて行う。そして、この図22に示すシステム構成において印刷システム1000により処理すべきジョブが、例えば、以下に例示する何れかのケースに該当するジョブであるとする。
[ケース2−1] 処理対象のジョブがスタッカジョブに該当し、且つそのジョブの本番用の印刷物の出力先として、図22の出力先X1の利用を要するジョブである場合。
[ケース2−2] 処理対象のジョブがスタッカジョブに該当し、且つそのジョブの本番用の印刷物の出力先として、図22の出力先Y1の利用を要するジョブである場合。
[ケース2−3] 処理対象のジョブが中綴じ製本機によるシート処理を要するジョブに該当し、且つそのジョブの本番用の印刷物の出力先として、図22のZ1〜Z3の何れかの出力先の利用を要するジョブである場合。
以上のように、印刷システム1000が図22に示すシステム構成の場合で、この印刷システム1000で処理すべきジョブが、これら[ケース2−1]〜[ケース2−3]のうちの何れかのケースに該当するとする。この場合、制御部205は、そのジョブのために以下に例示する[制御2−1]と[制御2−2]を順次実行する。
[制御2−1] まず、制御部205は、その処理すべきジョブの本番用の印刷動作を実行中に、そのジョブの為の確認プリント要求をオペレータから受付ることができるように操作部204を制御する。
[制御2−2] その後、そのジョブの本番用の印刷実行中にそのジョブの為に確認プリント要求が操作部204を介してオペレータによりなされたとする。この場合、この要求に応答し、制御部205は、そのジョブの本番用の印刷動作を中断させ、そのジョブの確認プリントを印刷システム1000に開始させる。
ジョブの確認プリント動作を実行する場合、制御部205は、このジョブの確認用の印刷物を、そのジョブの本番用の印刷物の出力先に関係なく印刷装置100に最も近い1番目の大容量スタッカの出力先X2へ出力するように印刷システム1000を制御する。このように、制御部205は、処理対象のジョブの確認用の印刷物の出力先として、処理対象のジョブの本番用の印刷物の出力先に関係なく、シート搬送方向上流側の図22の大容量スタッカの出力先X2を利用するように印刷システム1000を制御する。
そして、このジョブの確認用の印刷物の大容量スタッカの出力先X2に対する出力が全て完了した事に応じ、制御部205は、そのジョブの本番用の印刷動作を自動的に再開させるように印刷システム1000を制御する。またこの際、このジョブの確認プリント動作が開始される前にこのジョブで利用していた出力先と同じ出力先へこのジョブの本番用の印刷物を出力するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
このように、図22に示すシステム構成にて確認プリント要求がなされた場合に、上述したフローチャートの処理に従い、これらの[制御2−1]と[制御2−2]とが含まれる一連の制御が実行できるように印刷システム1000は構成されている。
[印刷システム1000による確認プリント動作に係る制御に含まれる印刷物の出力先に関する制御例3]
次に、上述の図22を再び用いて、制御部205が実行する確認プリント動作に係る制御の1つに含まれる、印刷物の出力先に関する制御に相当する3番目の制御例を説明する。
まず、例えば、制御部205は、上述と同様にシステム構成情報を確認する。その結果、印刷システム1000は図22に示すシステム構成であるとする。即ち、この制御例3では、上述した[確認事項2−1]と[確認事項2−2]の確認と同じ確認を、印刷装置100のメモリに予め登録されている上述のシステム構成情報に基いて行う。
このように、印刷システム1000が図22に示すシステム構成であるとする。なおかつ、このシステム構成にて印刷システム1000により処理すべきジョブが、上述の[ケース2−1]〜[ケース2−3]のうちの何れかのケースに該当するジョブであるとする。これらの条件は上述の制御例2と同じである。しかし、この制御例3では、上述した制御例2とは異なる制御が実行される。この制御例3では、その処理すべきジョブのために、制御部205は、以下に例示する[制御3−1]と[制御3−2]を順次実行する。
[制御3−1] まず、制御部205は、その処理すべきジョブの本番用の印刷動作を実行中に、そのジョブの為の確認プリント要求をオペレータから受付ることができるように操作部204を制御する。この点は、上述の各制御例と同様である。
[制御3−2] その後、その処理すべきジョブの本番用の印刷実行中にそのジョブの為に確認プリント要求が操作部204を介してオペレータによりなされたとする。この場合、この要求に応答し、制御部205は、そのジョブの本番用の印刷動作を中断するように印刷システム1000を制御する。且つ、この制御例3では更に、制御部205は、このジョブの本番用の印刷物の出力先が図22のX1〜Z3のどの出力先であるかを確認する。
その結果、制御部205は、このジョブの本番用の印刷物の出力先が図22の出力先X1では無く、Y1又はZ1〜Z3の何れかである事を確認したとする。この場合、制御部205は、このジョブの確認用の印刷物を図22の2番目の大容量スタッカの出力先Y2へ出力するよう印刷システム1000を制御する。
一方、このジョブの本番用の印刷物の出力先が図22の出力先X1であるとする。この場合、制御部205は、このジョブの確認用の印刷物を図22の1番目の大容量スタッカの出力先X2へ出力するよう印刷システム1000を制御する。
このように、制御例3では、制御部205が、機外上部に露出した出力先(排紙部)に相当する図22の1番目の大容量スタッカの出力先X2と、2番目の大容量スタッカの出力先Y2の2つの選択候補を確認する。そして、この2つの出力先の選択候補のうち、このジョブの本番用の印刷物の出力先により近い方の出力先をこのジョブの確認用の印刷物の出力先として利用するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
その後、このジョブの確認用の印刷物の出力が全て完了した事に応じて、制御部205は、そのジョブの本番用の印刷動作を自動的に再開させるように印刷システム1000を制御する。そしてこの際、このジョブの確認プリントが開始される前にこのジョブで利用していた出力先と同じ出力先へこのジョブの本番用の印刷物を出力するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
このように、図22に示すシステム構成にて確認プリント要求がなされた場合に、図16〜図19で例示したフローチャートの処理に従い、[制御3−1]と[制御3−2]とが含まれる一連の制御を実行できるように印刷システム1000は構成されている。
尚、図21の制御例1や図22の制御例2は、図17のフローチャート等で例示したモード1又はモード3に相当する動作を制御部205が印刷システム1000に実行させる制御例に対応する。一方、図22の制御例3は、図17のフローチャート等で例示したモード2に相当する動作を制御部205が印刷システム1000に実行させる制御例に対応する。
又、図21、図22〜図30を用いた3つの制御例に関し、これら3つの全ての制御を実行可能にし、これらを選択的に実行可能に本実施形態の印刷システム1000を構成しても良い。或いは、これら3種類の制御のうちの2種類の制御のみを選択的に実行可能に印刷システム1000を構成しても良い。或いは、これら3種類の制御例のうちの何れか1つに相当する制御のみを実行可能に印刷システム1000を構成しても良い。このように、種々の構成が本実施形態の印刷システム1000に適用できる
又、上述したように、本実施形態の印刷システム1000は以下のように構成されている。即ち、オペレータが設定したフィニッシングの種類(シート処理の設定内容)と、印刷システム1000のシステム構成に基いて、制御部205により、そのジョブの本番用の印刷物の出力先を自動的に決定できるように構成されている。
これ以外の方法として、本番用の印刷動作にて印刷される本番用の印刷物の出力先をオペレータが明示的に指定できるように印刷システム1000は構成されている。この点を、図23A〜図23Eを用いて例示する。
例えば、現在の状況が、本番用の印刷動作の開始に先立って本番用の印刷動作の為の印刷条件の設定をオペレータが操作部204を介して実行する段階にあるとする。例えば、上述した図13Aの画面の「仕上げ」キーを押下したとする。すると、これを受け、制御部205は、図23Aに示す表示をタッチパネル部401に実行させる。
図23A〜図23Eに例示する画面は、例えば、図4に示す大容量スタッカと図6に示す中綴じ製本機の2台のシート処理装置が利用できるように印刷システム1000が構成されている場合に、制御部205がタッチパネル部401に表示させる画面である。なお、上述したように、これら図23A〜図23Eに例示する画面を表示させる場合でも、制御部205は、上述のシステム構成情報に基いた表示内容となるようにタッチパネル部401を制御する。
また、図23Aの画面の表示領域3303には、中綴じ製本機と大容量スタッカの2台が印刷システム1000に存在する事を明示的且つグラフィカルに理解できるように、これらの装置の概観を示す表示を実行するように制御部205は制御する。
また、図23Aのキー3301とキー3302を用いてどちらのシート処理装置を利用するかをオペレータが明示的に決定できるように、制御部205は操作部204を制御する。
例えば、図23Aの画面3300のキー3301がオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、このジョブの本番用の印刷物の出力先として、印刷システム1000に存在する中綴じ製本機の出力先を利用するように、印刷システム1000を制御する。尚、この中綴じ製本機が選択された場合、中綴じ製本機により実行可能な複数種類のフィニッシングの中から本番用のジョブにて要するフィニッシングの種類を設定欄3304でオペレータが指定可能に制御部205は操作部204を制御する。
一方、例えば、図23Aの画面3300のキー3302がオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、このジョブの本番用の印刷物の出力先として、印刷システム1000に存在する大容量スタッカを利用するように、印刷システム1000を制御する。
尚、このキー3302がオペレータにより押下された際は、図23Aの表示から図23Bの表示に切り換えるように制御部205はタッチパネル部401を制御する。この図23Bの画面が具備する設定欄3305には、スタッカの排紙先の選択欄3306が具備されている。
そして本番用の印刷物の出力先として、大容量スタッカ内部の出力先(図4のスタックトレイ)を利用するか、大容量スタッカ外部の機外に露出した出力先(図4のサンプルトレイ)を利用するかを、選択欄3306を介してオペレータが決定することができる。尚、選択欄3306にて選択対象となる「スタック部」は図4の大容量スタッカのスタックトレイに対応する。また、選択欄3306にて選択対象となる「排紙トレイ」は図4の大容量スタッカのサンプルトレイに対応する。
そして、この選択欄3306をオペレータが押下する事に応答し、制御部205は、この選択欄3306の表示形態を、図23Cに例示する表示形態に変化させる。この図23Cの選択欄3306の表示に示すように、1台の大容量スタッカにおける2つの出力先の選択肢をオペレータに提示するよう制御部205はタッチパネル部401を制御する。
そして、例えば、この選択欄3306にて「スタック部」がオペレータにより選択されたとする。この場合、図23Bに示すように、大容量スタッカ内部の出力先(スタックトレイ)が、そのジョブの本番用の印刷動作における本番用の印刷物の出力先としてオペレータにより選択されたと制御部205が判断する。そしてこの場合、この選択指示に従い、この大容量スタッカ内部の出力先(スタックトレイ)をそのジョブの本番用の印刷動作における本番用の印刷物の出力先として利用するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
一方、例えば、この選択欄3306にて「排紙トレイ」がオペレータにより選択されたとする。この場合、図23Dに示すように、大容量スタッカ外部の出力先(サンプルトレイ)が、そのジョブの本番用の印刷動作における本番用の印刷物の出力先としてオペレータにより選択されたと制御部205が判断する。そしてこの場合、この選択指示に従い、この大容量スタッカ外部の出力先(サンプルトレイ)をそのジョブの本番用の印刷動作における本番用の印刷物の出力先として利用するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
図17のステップS308や図18のステップS408で例示したように、本実施形態の印刷システム1000は、フェイスアップとフェイスダウンの何れの積載モードの動作を本番用の印刷動作で実行するかをオペレータが明示的に指定可能に構成されている。この構成に関し、図23A〜図23Eを用いて説明する。
例えば、上述した図23A〜図23Dの各画面にはそれぞれ、「排紙面指定」キーが具備されている。このキーがオペレータにより押下されたとする。すると、制御部205は、このキー操作に応答し、図23Eに例示する画面3300Eをタッチパネル部401に表示させる。
そして、この画面3300Eの「フェースダウン」キーがオペレータにより押下された場合、このジョブの本番用の印刷動作にて上述した第1積載モードに相当する動作を実行するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
一方、この画面3300Eの「フェースアップ」キーがオペレータにより押下された場合、このジョブの本番用の印刷動作にて上述した第2積載モードに相当する動作を実行するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
以上の図23A〜図23Eに例示のように、処理すべきジョブの本番用の印刷動作における本番用の印刷物の出力先や排紙面をオペレータがこのジョブの印刷実行指示を入力するに先立って明示的に指定可能に印刷システム1000は構成されている。
以上、図1〜図23Eを用いて説明したように、印刷システム1000は、印刷装置100により印刷対象の印刷物を少なくとも、複数台のシート処理装置の何れかのシート処理装置の出力先へ出力可能に構成されている。なお、本実施形態の印刷システム1000にて利用可能な図4〜図6で例示したシート処理装置のことを、図1のシート処理装置107〜110とは区別するために、以下では、インラインフィニッシャ(インラインタイプの後処理装置)と呼ぶ。これらの装置は、種々のシート処理(後処理、フィニッシングと同義)が実行可能である。
そして本実施形態において、制御部205は、処理対象のジョブにて要するフィニッシングの種類に応じた出力先へ処理対象のジョブの本番用の印刷物を出力可能に印刷システム1000を制御する。
このジョブの印刷実行要求の入力に先立ち操作部204を介してオペレータから受付けるこのジョブの印刷処理条件に基き、そのジョブの本番用の印刷物の出力先をオペレータが明示的又は間接的に指定できるように制御部205は操作部204を制御する。
そして、このジョブの本番用の印刷動作の実行要求が入力されたことを受けて制御部205は、そのジョブの本番用の印刷動作を印刷システム1000に開始させる。この印刷動作は、第1の印刷処理に相当する。そして、このジョブの本番用の印刷動作の実行期間中に、この印刷システム1000による印刷処理に係る確認処理を印刷システム1000に実行させるための特定の要求をオペレータから受付ることができるように、制御部205は操作部204を制御する。この確認処理は、本実施形態の確認プリント処理に相当し、この特定の要求は本実施形態の確認プリント要求に相当する。このように、本実施形態の確認プリント要求は、印刷システム1000で印刷されるジョブの印刷結果をオペレータが目視で確認できるようにするための確認処理を印刷システム1000に実行させる要求である。
この確認処理を実行することで印刷システム1000で印刷されるジョブに関し、どのような印刷データがどのような出力形態(印刷倍率や印刷レイアウトや光沢度や印刷濃度等)で印刷媒体に印刷されるのかをオペレータが容易且つ迅速に確認可能となる。
尚、本実施形態では、ユーザインターフェース部の一例として、タッチパネル部401を具備した操作部204、ホストコンピュータの表示部及びマウスやキーボード等の操作デバイスを例示した。しかし、これには該当しないタイプや構成のユーザインタフェースユニットを用いても構わない。
そして、このジョブの本番用の印刷動作を印刷装置100により実行させている状態において、制御部205が、この特定の要求を操作部204を介してオペレータから受付けたとする。
この場合、印刷システム1000にて現在実行中のこのジョブの本番用の印刷動作を、オペレータからの明示的な印刷中断要求の入力無しに、この特定の要求に応答して自動的に中断(一時停止)させるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
そして、このジョブの本番用の印刷動作の中断処理が済んだら、その直後に、この特定の要求に従い、この確認処理を自動的に開始させるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。本実施形態では1例として、この確認処理として、この印刷動作が中断されたジョブの本番用の印刷動作で利用される印刷データを用いた印刷処理を制御部205による制御の元で、印刷装置100により実行させる。この印刷処理は第2の印刷処理に相当する。即ち、この第2の印刷処理は、本実施形態にて確認プリント動作に相当する。
そして、このジョブの確認プリント動作が完了したら、その直後に、自動的に、この印刷中断状態のジョブの本番用の印刷動作を再開させるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
このように、制御部205は、処理対象のジョブの本番用の印刷処理の一時停止とそのジョブの確認プリントの実行とそのジョブの本番用の印刷処理の再開という3種類の動作を順次自動的に印刷システム1000で実行可能にする。そして、これら3種類の動作が含まれる一連の動作は、このジョブの本番用の印刷動作の実行中にキー2304Bを用いて確認プリント要求がオペレータ入力された場合に実行できるように、印刷装置100を含む印刷システム1000を制御部205が制御する。
以上のように、本実施形態において、制御部205は、印刷装置100による第1の印刷処理中に特定の要求を操作部204を介してオペレータから受付可能にする。そして、この特定の要求を受付けた場合、制御部205は、この第1の印刷処理を中断させる。そして、制御部205は、この第1の印刷処理の中断後に確認処理を印刷装置100に実行させる。そして、この確認処理として、制御部205は、この第1の印刷処理を行うのに必要な印刷データを用いた第2の印刷処理を印刷装置100に実行させる。そして、この確認処理が行われた後に、制御部205は、この第1の印刷処理を印刷装置100により再開させる。
そして更に、制御部205は、このジョブの確認プリント動作にて出力対象となる確認用の印刷物を、そのジョブの本番用の印刷動作にて要する印刷物の出力先と同じ出力先へ出力する事は禁止する。そして、このジョブの確認プリント動作にて出力対象となる確認用の印刷物を、このジョブの本番用の印刷動作にて要する印刷物の出力先とは異なるインラインフィニッシャが具備する出力先へ出力できるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
そして更に、この確認用の印刷物の出力先が印刷システム1000に含まれる複数台のインラインフィニッシャのどのインラインフィニッシャの出力先であるかをオペレータが特定出来るように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
この1例として、この確認プリント要求がなされたジョブの本番用の印刷動作にて出力対象となる本番用の印刷物を、インラインフィニッシャの装置内部(機内)に具備される出力先へ出力させるケースにおいても、制御部205は以下の制御を行う。
例えば、このケースに該当する場合であっても、そのジョブの確認プリント動作にて出力対象の確認用の印刷物をそのインラインフィニッシャの機内に具備される出力先へ出力することを、制御部205は禁止する。
また、このケースの場合、そのジョブの確認プリント動作にて出力対象の確認用の印刷物を、そのインラインフィニッシャ又は別のインラインフィニッシャの機外に具備される出力先へ出力できるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
また、本実施形態の印刷システム1000にて複数台のインラインフィニッシャが印刷装置100に接続されており、これらが利用可能な場合に、制御部205は以下の動作を実行するように印刷システム1000を制御する。
例えば、上述のジョブの本番用の印刷動作にて出力される本番用の印刷物を特定のインラインフィニッシャを介して後段側(シート搬送方向下流側)のインラインフィニッシャの出力先へ出力させるとする。
本実施形態では、このケースに該当する場合においても、そのジョブの確認プリント動作にて出力対象の確認用の印刷物を、その後段側のインラインフィニッシャの出力先へ出力する事を制御部205は禁止する。
またこのケースの場合、制御部205は、そのジョブの確認プリントにて出力対象の確認用の印刷物を、その本番用の印刷物の出力先のインラインフィニッシャよりも前段側(上流側)に位置する上述の特定のインラインフィニッシャの出力先へ出力可能にする。この特定のインラインフィニッシャとして本実施形態では大容量スタッカが利用される。
また本実施形態の印刷システム1000は、第1タイプと第2タイプのインラインフィニッシャというように、互いに異なる種類のフィニッシングが実行可能な複数台のインラインフィニッシャが利用可能に構成されている。この第1タイプのインラインフィニッシャとして本実施形態では、図4の大容量スタッカが利用される。一方、この第2タイプのインラインフィニッシャとして本実施形態では、図5の糊付け製本機や図6の中綴じ製本機が利用される。
そして、このシステム構成にて、上述のジョブの本番用の印刷動作にて要する印刷物をこの第2タイプのインラインフィニッシャの出力先へ出力するように制御部205が印刷システム1000を制御したとする。
このケースに該当する場合においても、そのジョブの確認プリント動作にて出力対象の確認用の印刷物がこの第2タイプのインラインフィニッシャの出力先へ出力されることを、制御部205は禁止する。また、このケースの場合、そのジョブの確認プリントにて出力対象の確認用の印刷物を上述の第1タイプのインラインフィニッシャの出力先へ出力するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
また、本実施形態の印刷システム1000は、第1、第2出力先を具備するこの第1タイプのインラインフィニッシャを少なくとも2台含む複数台のインラインフィニッシャを印刷装置100に対して連結できるように構成されている。本実施形態にて、この第1出力先の1例が図4の大容量スタッカのサンプルトレイに相当し、この第2出力先の1例がこの大容量スタッカのスタックトレイに相当する。
そして、このシステム構成にて、制御部205は、上述のジョブの本番用の印刷動作にて要する印刷物をこの第1タイプのインラインフィニッシャの第1出力先以外の出力先へ出力可能に印刷システム1000を制御する。
例えば、制御部205は、上述のジョブの本番用の印刷動作にて要する印刷物をこれら2台のうちの上流側の第1タイプのインラインフィニッシャの第2出力先へ出力させる。なお、このジョブの処理条件次第で、このジョブの本番用の印刷動作にて要する印刷物を下流側の第1タイプのインラインフィニッシャの第2出力先に対して出力可能に制御部205は制御する。但し、これらどちらケースの場合においても、その処理対象のジョブの確認用の印刷物は、この上流側の第1タイプのインラインフィニッシャの第1出力先へ出力するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。なお、この制御例は、図21を用いた制御例1や図22を用いた制御例2に対応する。
また、本実施形態にて制御部205は、上述の2台のシート処理装置に存在する2つの第1出力先のうちの、上述のジョブの本番用の印刷物の出力先により近い方の出力先へこのジョブの確認用の印刷物を出力できるように印刷システム1000を制御する。この制御例が図22で例示した制御例3に対応する。
また更に本実施形態にて制御部205は、フェイスダウン動作とフェイスアップ動作とを1ジョブ単位で選択可能に印刷システム1000により実行可能にする。このフェイスダウン動作とは、上述したように、処理対象のジョブの印刷動作にて要する印刷物の奇数頁目の印刷結果が下向きの状態で、印刷物を印刷システム1000の出力先へ出力させる動作である。一方、フェイスアップ動作とは、上述したように、処理対象のジョブの印刷動作にて要する印刷物の奇数頁目の印刷結果が、上向きの状態で印刷物を印刷システム1000の出力先へ出力させる動作である。
そして、上述の確認プリント対象となるジョブが、本番用の印刷動作にてこのフェイスダウン動作を要するジョブであるとする。この場合、制御部205は、そのジョブの確認用の印刷物の出力においてもこのフェイスダウン動作を実行するように印刷システム1000を制御する。一方、上述の確認プリント対象となるジョブが、本番用の印刷動作にてフェイアップ動作を要するジョブであるとする。この場合、制御部205は、そのジョブの確認用の印刷物の出力においてもフェイスアップ動作を実行するように印刷システム1000を制御する。
但し、確認プリント要求がなされたジョブの本番用の印刷動作にてファイスダウン動作を要する場合であっても、そのジョブの確認プリントにおいてはファイスアップ動作を実行するように、制御部205が印刷システム1000を制御する構成でも良い。
このような選択的な制御が実行できるように本実施形態の印刷システム1000は構成されている。
また本実施形態にて制御部205は、上述したように、確認プリント要求がなされたジョブの確認用の印刷物の出力先をオペレータが特定できるようにする表示を、本実施形態の操作部204により実行可能にする。
又上述したように、本番用の印刷動作にて要する印刷物の出力先とは異なる出力先の候補が存在しない場合、そのジョブの為に確認プリント要求を操作部204を介してオペレータから受け付ける事を制御部205は禁止する。
また、上述したように、確認プリント要求を受付けた場合、制御部205は、その確認プリント要求がなされたジョブの印刷処理(本番用の印刷処理に相当)を印刷システム1000にて中断させる。そして、この印刷処理の中断直後に、制御部205は、このジョブのための確認処理を印刷システム1000に実行させる。本実施形態では、この確認処理として、上述したように、この印刷処理が中断されたジョブの印刷データをHDD209から読み出してこの印刷データを用いた確認プリント処理を実行するように、制御部205が印刷システム1000を制御する。そして、この確認処理が終了直後に、制御部205は、この印刷中断状態のジョブの印刷処理(本番用の印刷処理に相当)を印刷システム1000により自動的に再開(継続)させる。
またこのように確認プリントを開始させるのに先立ち、そのジョブの確認プリントの印刷動作として、そのジョブの印刷データを1ページ印刷するか全頁印刷するかを操作部204を介してオペレータが指定できるように制御部205は操作部204を制御する。
また上述したように、本実施形態の印刷システム1000は、印刷対象のジョブの印刷実行要求をオペレータから受け付ける前に事前に、試しコピー動作を実行する為の試しコピー機能を有する。そして、本実施形態の印刷システム1000は、この試しコピー機能とは独立した機能として上述の確認プリントを実行する為の確認プリント機能を具備する。
そして上述したように、この試しコピー機能と確認プリント機能のどちらの機能の動作を実行するかを、処理対象となるジョブ毎に操作部204を用いてオペレータが指定できるように制御部205は制御する。
このように本実施形態の印刷システム1000は、確認プリント動作とは独立した動作として、印刷対象のジョブの印刷実行要求をオペレータから受け付ける前に、事前に試しコピーを実行する試しコピー動作が実行可能に構成されている。
そして上述したように制御部205は、この試しコピー動作の実行可否と上述の確認プリント動作の実行可否とを夫々区別して決定する。
例えば、処理対象のジョブが複数部数分の印刷を要し、且つソートやステイプル等のフィニッシングを要するジョブであるとする。この場合に、制御部205は、そのジョブの為に試しコピー動作を実行させる事を許可する。但し、この試しコピー動作の実行要求の受付けを許可するタイミングは、そのジョブの本番用の印刷動作を印刷システム1000に開始させる前のタイミングである。これに対して、確認プリント要求の受付けを許可するタイミングは、上述したように、処理対象となるジョブの本番用の印刷動作の実行期間中のタイミングである。例えば、処理対象のジョブの本番用の印刷動作が印刷システム1000にて実行中であるとする。この場合に、制御部205は、そのジョブの為の確認プリント要求を操作部204を介してオペレータから受付ける事を許可する。
また上述したように本実施形態では、この試しコピー動作が実行されたジョブの試しコピー用の印刷物の出力先と同じ出力先へ、このジョブの本番用の印刷動作にて出力される印刷物を出力することを、制御部205は許可する。一方、確認プリント動作が実行されるジョブの確認用の印刷物の出力先と同じ出力先へ、そのジョブの本番用の印刷動作にて出力される印刷物を出力することは、制御部205は禁止する。
また上述したように本実施形態にて、この試しコピー動作が実行されたとする。この場合、その試しコピー動作が実行されたジョブの印刷動作に関係し、そのジョブとは異なる他のジョブの印刷動作には関係しない印刷処理条件を操作部204を用いてオペレータが変更できるように、制御部205は操作部204を制御する。
一方、確認プリント動作が実行されたとする。この場合、その確認プリント動作が実行されたジョブの印刷動作に関係し、且つそのジョブとは異なる他のジョブの印刷動作にも関係する印刷処理条件を操作部204を介してオペレータが変更できるように、制御部205は操作部204を制御する。
また、制御部205は、この試しコピー動作が実行されたジョブであっても、確認プリント機能を利用可能にし、そのジョブの確認プリント動作を実行可能に印刷システム1000を制御する。例えば、図12Aの制御により試しコピー動作を実行したジョブにおいて図12Bの制御を更に実行する。これにより、制御部205は、本番用の印刷動作の開始に先立って試しコピーが実行済のジョブであっても、確認プリント動作を印刷システム1000により実行可能にする。これにより、商品としての印刷物の高品位な出力を確保する仕組みを幾重にも搭載した印刷環境が実現でき、印刷システム1000により得られる効果が更に向上可能となる。
また、本実施形態にて制御部205は、処理対象のジョブの確認用の印刷物を、そのジョブの印刷動作にて要する印刷物の出力先とは異なるインラインフィニッシャへ出力させる。そして、この確認プリント完了後に、制御部205は自動的にそのジョブの本番用の印刷動作を印刷システム1000により再開可能にする。また制御部205は、その印刷動作が再開されたジョブの印刷動作が印刷システム1000にて終了する迄の期間中に、そのジョブの確認用の印刷物を出力させる確認プリント要求を操作部204を介してオペレータから再度受付可能にする。
また、本実施形態の印刷システム1000は、処理対象のジョブの為にオペレータが操作部204を介して設定した後処理の種類に基いて、制御部205が決定する出力先へそのジョブの印刷物を出力する出力先自動決定モードを有する。
また更に、印刷システム1000は、処理対象のジョブの為にオペレータが操作部204を介して明示的に指定した後処理装置の出力先へそのジョブの印刷物を出力する出力先手動決定モードも有する。
そして本実施形態にて、これら2つの何れのモードを実行する場合においても、制御部205は、処理対象となるジョブの印刷物の出力先とは異なるインラインフィニッシャの出力先へそのジョブの確認用の印刷物を印刷システム1000により出力可能にする。
また上述したように、確認プリント要求がなされた時点にて既に、印刷システム1000によりそのジョブの本番用の印刷動作に要する印刷物の給送が開始されているとする。この場合、その給送された印刷物がその本番用の印刷動作で利用される出力先に出力完了していなくても、そのジョブの確認プリント動作に要する確認用の印刷物(印刷前のシート)の給送を開始できるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
また本実施形態の印刷装置100は、原稿読取部からの印刷データの印刷処理を要するジョブと、外部装置からの印刷データの印刷処理を要するジョブを含む複数種類のジョブのデータを記憶可能なHDD209を具備する。そして上述したように、操作部204やPC104等の外部装置の表示装置やキーボードやマウスといった印刷システム1000に適用可能な各種UI部を介して、制御部205は確認プリント要求を受け付ける。これにより、このような複数種類のジョブのどの種類のジョブに対しても本実施形態の確認プリント動作に関する制御が制御部205により実行できる。
本実施形態では上述の如く、印刷装置100による第1の印刷処理(本番用の印刷動作に相当)の実行期間中に第1の印刷処理に係る確認処理の実行要求を操作部204を介してオペレータから受付ることができるように制御部205が操作部204を制御する。そして、この要求を受付け場合、制御部205は、この第1の印刷処理を中断させる。そして、この中断直後から、この第1の印刷処理の完了に優先し、この第1の印刷処理にかわって確認処理(確認プリント動作に相当)を印刷装置100により自動的に実行させるように、制御部205は印刷装置100を制御する。そして、この確認処理として、制御部205は、この第1の印刷処理にて利用する印刷データをHDD209から読み出し、この印刷データを用いた第2の印刷処理を印刷装置100により実行させる。そして、この確認処理が済んだ直後から、この第1の印刷処理を印刷装置100により自動的に継続するように、制御部205は印刷装置100を制御する。
このように、確認処理が行われた後に、オペレータから指示を受け付けること無しに、自動的に第1の印刷処理を印刷装置100により継続(再開)させる構成を説明した。
しかし、本実施形態にて、この確認処理が行われた後にオペレータから指示を受け付けたうえで、この第1の印刷処理を印刷装置100により継続(再開)させる構成でも良い。例えば、確認プリントが実行された直後に、自動的に本番用の印刷動作を再開させることなしに、確認プリントの実行後に操作部204を介してオペレータから指示を受付け、その後に、このジョブの本番用の印刷動作を再開するように構成しても良い。
またこのように、確認処理の実行後にオペレータから指示を受け付けたうえで第1の印刷処理を継続させるモードと、上述したように、確認処理の実行後にオペレータから指示を受け付けること無しに自動的に第1の印刷処理を継続させるモードの2つを有する。そして、これらのどちらのモードで印刷装置100を動作させるかを、この確認処理の実行要求をオペレータが入力するのに先立って予めオペレータが操作部204を介して指定可能にする。このような構成でも良い。例えば、確認プリント実行後にオペレータからの指示を受けた後に本番用の印刷動作を再開させるか、上述したように、確認プリント実行後に自動的に本番用の印刷動作を再開させるかを、オペレータが操作部204を介して予め指定できるように構成する。
これらの具体例を以下に説明する。
例えば上述したように、スタートキー503により印刷開始要求がなされたジョブの本番用の印刷動作の実行期間中に、オペレータがキー2301Aを押下したとする。そしてこれを受け、制御部205が、画面2300Bをタッチパネル部401に表示させたとする。そして、この画面2300Bのキー2301B又はキー2302Bにより確認プリントの種類がオペレータにより選択されたとする。
このように確認プリントの種類がオペレータにより選択されると、制御部205は、図24に示す画面2501をタッチパネル部401にポップアップ表示させる。なお、この画面2501がタッチパネル部401に表示された段階ではまだ、このジョブの本番用の印刷動作は印刷装置100で継続させ続けるように制御部205は印刷システム1000を制御する。このように、制御部205は、このジョブの確認プリントを印刷システム1000により開始させる前に、この画面2501をタッチパネル部401に表示させる。
この画面2501は、確認プリントの開始直前に中断される本番用の印刷動作を、この確認プリントの実行直後に自動的に再開させるか、オペレータからの指示を受けた後に再開させるかを、オペレータが決定できるように構成された画面である。
この画面2501にはデバイス情報の表示欄2502が具備される。この表示欄2502は、上述の画面2500の機能と同様の機能を果たす。即ち、制御部205は、印刷システム1000の実際のシステム構成に一致するシステム概観図を示すイメージデータをこの表示欄2502に表示させる。なおかつ、この表示欄2502のシステム概観図における本番用の印刷物の出力先に該当する出力先を示す個所には、色は「赤」で且つ形状は「●」で表現されるマークを付与するように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。同様に、この表示欄2502のシステム概観図におけるこのジョブの確認用の印刷物の出力先に該当する出力先を示す個所には、色は「青」で且つ形状は「★」で表現されたマークを付与するように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。このように、確認プリントがなされるジョブの本番用の印刷物の出力先と確認用の印刷物の出力先が、印刷システム1000におけるどの出力先であるのかをオペレータが確認できるように構成された表示内容を、制御部205は表示欄2502にて表示させる。但し、このケースではまだ確認プリントが開始されていない状況なので、画面2501では「確認プリントを開始できます」というメッセージが表示される。
そして、この画面2501に具備されるキー2503やキー2504は、確認プリントの実行後に自動的に本番用の印刷動作を再実行する事を許可するか禁止するかの選択をオペレータが実行できるようにする為の操作指示部である。また、このキー2503やキー2504は、確認プリントを開始させる為の正式な指示をオペレータが入力する為にも機能するものである。つまり、これらのキーの何れかのキーが押下された時点で、制御部205は、この確認プリントが行われる対象のジョブの本番用の印刷動作を中断させ、このジョブの確認プリントを開始させる。このように、このキー2503やキー2504は、複数の役目を果たすように構成されている表示キーである。
ここで、例えば、この画面2501のキー2503がオペレータにより押下されたとする。これを第1ケースと呼ぶ。この第1ケースの場合、このキー2503の入力がなされた時点で、制御部205は、現在印刷続行中の上述のジョブの本番用の印刷動作を中断(停止)させる。そして本番用の印刷動作を中断したことに応じ、このジョブの確認プリント動作としてキー2301B、2302Bの何れかで指定されたタイプの確認プリントを自動的に印刷システム1000に開始させるように制御部205が印刷システム1000を制御する。そして、この確認プリント動作が実行されたことに応じて、制御部205は、このジョブの本番用の印刷動作を自動的に再開させるように、印刷システム1000を制御する。この第1ケースの一連の制御は、上述した図12Bの制御シーケンスに相当する。
一方、例えば、この画面2501のキー2504がオペレータにより押下されたとする。これを第2ケースと呼ぶ。この第2ケースの場合、このキー2504の入力がなされた時点で、制御部205は、現在印刷続行中の上述のジョブの本番用の印刷動作を中断(停止)させる。そしてこの本番用の印刷動作を中断した事に応じ、このジョブの確認プリント動作としてキー2301B、2302Bの何れかで指定されたタイプの確認プリントを自動的に印刷システム1000に開始させる為に制御部205が印刷システム1000を制御する。ここまでは第1ケースと同じである。
しかし、この第2ケースの場合、制御部205は、このジョブの確認プリント動作が終了しても、このジョブの本番用の印刷動作を自動的に再開させずに、この本番用の印刷動作の再開を待機させるように印刷システム1000を制御する。
そして、この第2ケースの場合、制御部205は、このジョブの確認プリント動作が印刷システム1000により終了したことに応じて、図25に示すポップアップ画面をタッチパネル部401に表示させる。この図25の画面にはキー2601とキー2602とキー2603が具備される。
このキー2601は、この確認プリントが行われたジョブの本番用の印刷動作を再開させずに、そのまま処理を中止する指示をオペレータが入力するための表示キーである。
この指示がオペレータからキー2601を指示することで入力された場合、制御部205は、このジョブの本番用の印刷動作を再開させずに、このジョブの処理を中止する(キャンセル)するよう印刷システム1000を制御する。なお、このジョブの処理を中止する場合、上述したように、制御部205は、HDD209からこのジョブの印刷データを全頁消去する。このジョブ以外に印刷待ち状態の後続ジョブが存在する場合、このジョブの本番用の印刷動作を中止した直後から速やかにその後続ジョブの印刷データをHDD209から読み出して印刷処理を開始するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
一方、キー2602は、本番用の印刷動作を印刷システム1000に再開させる指示をオペレータが入力するための表示キーである。そして、キー2603は、本番用の印刷動作の再開に先立って、本番用の印刷動作の印刷条件をオペレータが変更するための指示を入力するための表示キーである。
ここで、オペレータがキー2603を指示せずにキー2602を指示した場合、制御部205は、このジョブの本番用の印刷動作の印刷処理条件を変更せずに、そのまま本番用の印刷動作を印刷システム1000により再開させる。尚、このように、処理条件の変更無しにこのジョブの本番用の印刷動作を再開する場合は、このジョブの印刷中断前に未処理分の印刷のみを実行するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
一方、キー2602からの指示がオペレータによって入力されるのに先立って、キー2603がオペレータにより指示されたとする。この場合、制御部205は、図26に示すポップアップの画面2701をタッチパネル部401に表示させる。この画面2701は、印刷再開が待機状態にあるこのジョブの本番用の印刷動作の印刷条件を、オペレータにより設定変更できるように構成された画面である。
例えば、この画面2701の表示欄2702、及び操作部204が有するテンキー506を用いて、このジョブの本番用の印刷動作を再開する場合におけるこのジョブの印刷部数をオペレータが変更することができる。また、この画面2701のスライダ2703を用いてオペレータは、このジョブの本番用の印刷再開時における印刷濃度を変更することができる。また、この画面2701のキー2704を介してオペレータは、このジョブの本番用の印刷動作を再開する際にこのジョブの印刷物に対してシート処理装置200により実行させるべき後処理を変更させることができる。また、この画面2701のキー2705を介してオペレータは、このジョブの本番用の印刷動作を再開する際に印刷装置100が使用する印刷用紙を変更させることができる。その他にもキー2706を用いてオペレータは、綴じ代の設定を変更することができる。また、キー2707を用いてオペレータは、片面印刷するか両面印刷するかに関する設定を変更することができる。
また、キー2708は、この画面2701のポップアップ表示を終了し、図25の画面に戻るようにオペレータが指示するための表示キーである。
尚、この画面2701には、現時点までにこのジョブの本番用の印刷動作がどこまで済んでいるのか、その進捗状況が表示できるように構成されている。例えば、図26の表示例では、合計100セットを印刷すべきジョブの本番用の印刷動作が現時点までに20セット済んでいる旨を示すメッセージが表示されている。
以上の印刷条件の設定変更が図26の画面を介してオペレータにより行われた後、図25の画面の表示に戻ったとする。その後、この再表示された図25の画面のキー2602がオペレータにより押下されたとする。するとこれを受けて制御部205は、上述の印刷再開が待機状態にあるジョブの印刷動作を印刷システム1000により再開させる。そして、この印刷動作を再開する場合に、制御部205は、キー2602の入力に先立って図26の画面を介してオペレータから受付けた設定変更後の印刷条件でもって、このジョブの本番用の印刷動作を再開するように印刷システム1000を制御する。
なお、本実施形態では、キー2602の入力に先立ってオペレータからの要求に基き、上述した図14A〜図14Hで説明した各種画面を表示できるように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。そして、これらの各種画面を介して上述したような各種要求をオペレータから受付けることができる。これにより、上述した説明と同様に、このジョブ及びこのジョブ以外の後続ジョブを含む複数のジョブに係る印刷システム1000の機器固有の印刷処理条件の変更も受付けることができる。そして、このような複数のジョブに係る印刷システム1000の機器固有の印刷処理条件が変更された後にキー2602からの指示がオペレータから入力されたとする。この場合に、制御部205は、この変更後の処理条件で、これらの複数のジョブを順次連続的に処理するように印刷システム1000を制御する。
以上、キー2504からの指示により実行されるこの第2ケースにおける一連の制御に相当する制御シーケンスは図12Bとは異なる。この第2ケースにおける一連の制御に相当する制御シーケンスを図27に示す。以下に、この図27の説明を行う。
図27のT0の時点からTXの時点までの期間における[工程1]にて行われる処理と、図12BのT0の時点からTXの時点までの期間における[工程1]にて行われる処理は同じである。同様に、図27のTXの時点からTYの時点までの期間における[工程2]にて行われる処理と、図12BのTXの時点からTYの時点までの期間における[工程2]にて行われる処理も同じである。
ただし、図27のTXの時点において制御部205が受付ける指示は、キー2504からの指示による確認プリント要求である。よって、図27のTYの直前の時点にて、このジョブの確認プリント動作が終了しても、制御部205は、このジョブの本番用の印刷動作を印刷システム1000により自動的に再開させることは禁止する。そして、制御部205は、図27のTYの時点から、このジョブの本番用の印刷再開を待機状態にする。そして、この印刷再開が待機状態の期間中に、制御部205は、図25の表示や図26の表示を介して上述したような各種指示をオペレータから受付ける。
例えば、図27の[工程2]にて確認プリントが行われたジョブの本番用の印刷動作の再開を実行せずにそのまま処理を中止する指示(図27の指示Aに相当)を、図27の[工程3]にて制御部205は受付ける。
または、図27の[工程2]にて確認プリントが行われたジョブの本番用の印刷動作の印刷条件を変更せずに、そのまま本番用の印刷動作を再開させるための指示(図27の指示Bに相当)を、図27の[工程3]にて制御部205は受付ける。
または、図27の[工程2]にて確認プリントが行われたジョブの本番用の印刷動作の印刷条件を変更して、本番用の印刷動作を再開させるための指示(図27の指示Cに相当)を、図27の[工程3]にて制御部205は受付ける。
そして、例えば、この指示Aを図27のTZの時点にて受付けた場合、図27の(処理A)に示すように、制御部205はこの確認プリントが行われたジョブの本番用の印刷動作を再開すること無しにそのまま中止(終了)するように制御する。
一方、上述の指示Bを図27のTZの時点にて受付けた場合、図27の(処理B)に示すように、制御部205は、この確認プリントが行われたジョブの本番用の印刷動作を、印刷条件の変更を行う事無しに、そのまま再開するように制御する。但し、この図27の(処理B)を行う場合、図27に示すように、このジョブの本番用の印刷動作の中断時点までに未処理分の印刷のみ実行するよう制御する。
また、上述の指示Cを図27のTZの時点にて受付けた場合に、図27の(処理C)に示すように、制御部205は、この確認プリント動作が行われたジョブの本番用の印刷動作を、図26の表示を介して設定変更された処理条件で、再開するよう制御する。なお、この図27の(処理C)を行う場合、図27に示すように、このジョブの本番用の印刷動作の再開時にて、印刷中断前に未処理分のみ印刷することができる。また、図26の表示を介して受付けたオペレータからの指示次第では、最初から処理をやりなおすこともできる。また、印刷部数を変更してこのジョブの本番用の印刷動作を再開することもできる。
また、この図27のTZの時点がキー2602の指示の入力タイミングである。このキー2602がオペレータから入力されたことに応じて制御部205は、このジョブの本番用の印刷再開の待機状態を解除し、上述したような各種の処理を図27の[工程4]にて択一的に印刷システム1000で実行させる。
なお、図27の[工程3]では、この確認プリントが行われたジョブの印刷動作の再開は待機状態である。ただし本実施形態の印刷システム1000は、上述したように、印刷動作に係る稼働率を無駄に停止させないように構成されている。そこで、この図27の[工程3]においても、制御部205は、この確認プリントが行われたジョブ以外の後続ジョブの印刷動作を印刷システム1000により実行可能にする。この点は後述する。
以上のように、確認プリントが行われるジョブの確認プリントの開始に先立ち、制御部205は、この確認プリントの実行後にこのジョブの本番用の印刷処理を自動的に再開することを禁止する禁止要求をキー2504を介してオペレータから受付可能にする。なお、この確認プリントとは、上述の第2の印刷処理に相当する。そして、この本番用の印刷処理とは上述の第1の印刷処理に相当する。
そして、キー2504を介してこの禁止要求をオペレータから受付けた後に、制御部205がこのジョブの確認プリントを印刷装置100により開始させたとする。この場合、制御部205は、この確認プリントの実行後にこのジョブの本番用の印刷処理を印刷装置100により自動的に再開することを禁止する。またこの場合、制御部205は、このジョブの本番用の印刷処理の再開は待機状態にする。そしてその後、このジョブの印刷処理の再開を要求する指示がキー2602を介してオペレータから入力されたことを条件に、制御部205は、このジョブの本番用の印刷処理を印刷装置100により再開させる。
一方、キー2504を介してこの禁止要求をオペレータから受付ること無しに制御部205が、このジョブの確認プリント処理を開始させたとする。この場合、制御部205は、この確認プリントの実行後にこのジョブの本番用の印刷処理を印刷装置100により自動的に再開することを許可する。
例えば本実施形態では、確認プリント対象のジョブの確認プリントの開始に先立ち、制御部205はこの確認プリントの実行後にこのジョブの本番用の印刷処理を自動的に再開することを許可する許可要求をキー2503を介してオペレータから受付可能にする。このように、確認プリント開始に先立って上述の禁止要求を受付けずにこの許可要求をキー2504を介してオペレータから受付けた場合、制御部205はこの確認プリントの実行後にこのジョブの本番用の印刷処理を印刷装置100に自動的に再開させる。この場合、制御部205は、この確認プリントの実行後にキー2602を介して上記の指示を受付ける事無しに、この確認プリントが済み次第、このジョブの本番用の印刷処理を再開させるように印刷装置100を制御する。
以上説明したように、本実施形態の印刷システム1000は、図24のキー2503による指示に対応する確認プリント機能に関する第1の動作モードと、図24のキー2504による指示に対応する確認プリント機能に関する第2の動作モードを有する。そして、制御部205は、これらの動作モードをオペレータからの指示により選択的に実行可能に印刷システム1000を制御する。このような構成も本実施形態の印刷システム1000に適用できる。
これにより、上述した本実施形態の効果に加え、更に以下のニーズの両方を満足できるという更なる効果が本実施形態の印刷システム1000により提供できる。
(確認プリントに係る第1のニーズ) 印刷物の確認が済むまでそのジョブの本番用の印刷動作を待機(ロック)させたいというニーズ。
(確認プリントに係る第2のニーズ) 確認プリントは行う場合でも、印刷動作は停止させずに高い生産性で印刷ジョブを処理したいというニーズ。
また、これらの構成以外の構成として上述した構成を具備する構成でも本実施形態は適用出来る。
例えば、これら第1、第2のどちらの動作モードで動作させる場合においても、確認プリントが行われるジョブの本番用の印刷物の出力先とは異なる出力先へ、このジョブの確認用の印刷物を出力させるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。そして、この場合も、上述した図24の表示欄2502に示すように、本番用と確認用の夫々の印刷物の出力先をオペレータが特定できるようにするための情報を通知するように制御部205が操作部204を制御する。このような構成でも良い。これにより、第1の動作モードでも第2の動作モードでも、上述の各種効果が得られるという更なる効果が得られる。
尚、このように確認プリント機能に関する第1、第2の動作モードを選択的に実行できる場合において、以下に示す各種動作を実行できるように制御部205は印刷システム1000を制御する。
例えば、印刷システム1000が図21に示すシステム構成の場合に、図28に示すように、互いに利用するインラインフィニッシャが異なる4つのジョブA、B、C、Dの印刷実行要求がジョブAから順番に連続して印刷装置100により受付けられたとする。なお、ジョブAとジョブBは中綴じ製本ジョブである。ジョブCはスタッカジョブである。ジョブDは糊付け製本ジョブである。以下、これをケースXと呼ぶ。
そして、このケースXの場合においてジョブAを確認プリントするのに先立って、図24のキー2503が押下された場合に、以下の制御を制御部205が実行するように構成しても良い。以下、図29を用いて説明する。
まず、例えばスタートキー503などを用いて印刷開始要求が入力されたことに応じて、図29の(3001)に示すように、制御部205はジョブAの本番用の印刷動作を印刷装置100により開始させる。
そして、このジョブAの印刷実行中にキー2503の入力を受付けたことに応じ、制御部205は、このジョブAの本番用の印刷動作の中断直後に、図29の(3002)に示すように、ジョブAの確認プリント動作を印刷装置100により自動的に開始させる。
そして、このジョブAの確認プリントが終了したことに応じ、図29の(3003)に示すように、制御部205はこのジョブAの本番用の印刷動作を印刷装置100により自動的に再開させる。
そして、このジョブAの本番用の印刷動作が終了したことに応じ、図29の(3003)〜(3006)に示すように、後続ジョブB、C、Dを、印刷実行要求が入力された順序どおりに順次処理するように制御部205は印刷システム1000を制御する。
即ち、このジョブAの本番用の印刷動作が終了したことに応じ、図29の(3004)に示すように、制御部205はジョブBの本番用の印刷動作を印刷装置100により自動的に実行させる。
その後、このジョブBの本番用の印刷動作が終了したことに応じ、図29の(3005)に示すように、制御部205はジョブCの本番用の印刷動作を印刷装置100により自動的に実行させる。
その後、このジョブCの本番用の印刷動作が終了したことに応じ、図29の(3006)に示すように、制御部205はジョブDの本番用の印刷動作を印刷装置100により自動的に実行させる。
以上のような一連の制御が上述の第1の動作モードが印刷システム1000にて実行される場合に、制御部205により実行される。
これに対して、上述の第2の動作モードが印刷システム1000にて実行される場合には、以下に示す一連の制御が制御部205により実行される。ここでは図30を用いて説明する。また、この一連の制御は、上述のケースXの場合においてジョブAを確認プリントするのに先立って、図24のキー2504が押下された場合に、制御部205により実行される制御である。
まず、例えばスタートキー503などを用いて印刷開始要求が入力されたことに応じて、図30の(3101)に示すように、制御部205はジョブAの本番用の印刷動作を印刷装置100により開始させる。
そして、ジョブAの印刷実行中にキー2504の入力を受付けたことに応じ、制御部205は、このジョブAの本番用の印刷動作の中断直後に、図30の(3102)に示すように、このジョブAの確認プリント動作を印刷装置100により自動的に開始させる。
そして、このジョブAの確認プリントが終了したとする。ここで、キー2602によりこのジョブAの本番用の印刷動作の再開要求が入力されていないことを制御部205が判断したとする。この場合、制御部205は、このジョブAの本番用の印刷動作を再開させずに、後続ジョブの印刷動作を印刷装置100により実行可能にする。但し、このジョブAの直後に印刷実行要求を受付けたジョブBは、ジョブAと同じインラインフィニッシャによるフィニッシングを要する中綴じ製本ジョブである。一方、このジョブBの直後に印刷実行要求を受付けたジョブCは、ジョブAとは異なるインラインフィニッシャによるフィニッシングを要するスタッカジョブである。
そこで、これらの判断結果を踏まえ、これらジョブAとジョブBの本番用の印刷動作は後回しにし、図30の(3103)に示すように、制御部205はジョブCの本番用の印刷動作を印刷装置100により自動的に実行させる。
そして、このジョブCの本番用の印刷動作が終了したとする。しかしまだ、キー2602によりジョブAの本番用の印刷動作の再開要求が入力されていないことを制御部205が判断したとする。この場合も、制御部205は、ジョブAの本番用の印刷動作の再開は待機状態のままで、後続ジョブの印刷動作を印刷装置100により実行可能にする。ここで、制御部205は、このジョブCの直後に印刷実行要求を受付けたジョブDは、ジョブAとは異なるインラインフィニッシャによるフィニッシングを要する糊付け製本ジョブであることを判断する。
以上のような判断結果を踏まえて、制御部205は、ジョブAとジョブBの本番用の印刷動作は後回しにし、図30の(3104)に示すように、制御部205はジョブDの本番用の印刷動作を印刷装置100により自動的に実行させる。
そして、このジョブDの印刷実行中にキー2602によりジョブAの本番用の印刷動作の再開要求をオペレータから制御部205が受付けたとする。この場合、制御部205は、このジョブDの本番用の印刷動作は完了させるように印刷システム1000を制御する。
そして、このジョブDの本番用の印刷動作が終了したことに応じ、図30の(3105)に示すように、制御部205は、ジョブAの本番用の印刷動作を印刷装置100により再開させる。
その後、このジョブAの本番用の印刷動作が終了したことに応じ、図30の(3106)に示すように、制御部205は、ジョブBの本番用の印刷動作を印刷装置100により自動的に実行させる。
以上のような一連の制御が上述の第2の動作モードが印刷システム1000にて実行される場合に、制御部205により実行される。
このように、第2の動作モードが行われる場合に、制御部205は、印刷システム1000のシステム構成情報および各ジョブのフィニッシングの種類等に基いて、複数のジョブの実行順序を変更して処理するように印刷システム1000を制御する。
この制御部205による制御により、確認プリント実行後に本番用の印刷動作をオペレータからの指示無しに自動的に再開するのを禁止する場合でも、印刷システム1000の印刷動作が無駄に停止することなく連続運転可能となる。
また、図29の制御、及び図30の制御のどちらを実行する場合でも、制御部205は、ジョブAの確認用の印刷物を、このジョブAの本番用の印刷物の出力先に相当する図21の中綴じ製本機の出力先(Z1〜Z3の何れか)へ出力することを禁止する。そして、どちらの制御を実行する場合でも、ジョブAの確認用の印刷物を、このジョブAの本番用の印刷物の出力先とは異なる出力先に相当する図21の大容量スタッカのサンプルトレイX2へ出力するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
これにより上述の効果が更に向上可能にした印刷システムが提供できる。
以上、本実施形態では、制御部205が、印刷装置100による第1の印刷処理が開始された後のタイミングで、確認処理を実行させる特定の指示をオペレータから操作部204を介して受付可能にする。特に本実施形態にて制御部205は、この第1の印刷処理が印刷装置100により実行している最中に、この特定の指示をオペレータから操作部204を介して受付可能にする。なお、この特定の指示は、上述の実施形態における、キー2304B又はキー2503又はキー2504を介してオペレータから受け付ける、確認プリントの実行要求に相当する。
そして、この特定の指示を受け付けたことに応じ、制御部205は、この第1の印刷処理の完了に先立ってこの確認処理を印刷装置100により実行させる。本実施形態では、この確認処理として、制御部205は、この第1の印刷処理にて利用される印刷データを用いた第2の印刷処理を印刷装置100により実行させる。また、この第1の印刷処理は、上述の実施形態における、確認プリントが行われるジョブの本番用の印刷動作に相当する。一方、この第2の印刷処理は、このジョブの確認プリント動作に相当する。
そして、この第2の印刷処理が印刷装置100により行われた直後に、制御部205は、この第1の印刷処理を印刷装置100により継続可能にする。
これらの各種構成は、図12B〜図14Hで説明した確認プリント動作に関する上述の制御例に対応する構成である。
また、この第2の印刷処理にて印刷させるページは、この特定の指示がオペレータにより入力されたタイミングに基いて自動的に決定されるように、制御部205が印刷装置100を制御する。これは図13Eのキー2302Bが押下された場合に実行する上述の制御例などに対応する構成である。
また、制御部205は、この第1の印刷処理が開始されてから終了されるまでの期間中に、この特定の指示をオペレータから繰り返し受付け可能にする。これは、図13Fのキー2301Aで2回目の確認プリント要求が入力された場合に実行する上述の制御例に対応する構成である。
また本実施形態では、この第2の印刷処理にて印刷される少なくとも1枚の第2のシートを、この第1の印刷処理にて印刷装置100で印刷される複数の第1のシートとは異なる出力先へ出力するように、制御部205が印刷システム1000を制御する。なお、この複数の第1のシートは、上述の実施形態における本番用の印刷物に相当する。一方、この1枚の第2のシートは、上述の実施形態におけるこのジョブの確認用の印刷物に相当する。
そして本実施形態では、この複数の第1のシートをインラインフィニッシャの内部の出力先へ出力できるように、制御部205が印刷システム1000を制御する。一方、この第2のシートはその同一のインラインフィニッシャの外部の出力先へ出力されるように、制御部205が印刷システム1000を制御する。なお、この内部と外部に出力先を具備するインラインフィニッシャとして、上述の実施形態にて図4の大容量スタッカが利用される。
また更なる形態として、この第1のシートを第1のインラインフィニッシャ(第1の後処理装置)を介して第2のインラインフィニッシャ(第2の後処理装置)の出力先へ出力できるように、制御部205が印刷システム1000を制御する。一方、この第2のシートはその第1のインラインフィニッシャの出力先へ出力されるように、制御部205が印刷システム1000を制御する。
これらの構成は、図20〜図21等を用いて上述した制御例に対応する構成である。
そして本実施形態では、この第2のシートの出力先が、オペレータが認識できるような報知情報を、制御部205が報知装置により報知させる。これは、図15や図24で説明した制御例に対応する構成である。
また本実施形態では、制御部205が、この第2の印刷処理の後に操作部204を用いてオペレータからこの第1の印刷処理を継続させる要求を受け付けること無しに、この第1の印刷処理を印刷装置100により継続させる。これは図12B等で説明した制御例に対応する。
また更なる形態として、制御部205は、この第2の印刷処理の後に操作部204を用いてオペレータからこの第1の印刷処理を継続させる要求を受け付けた後に、この第1の印刷処理を印刷装置100により継続させる。これは図27等で説明した制御例に対応する。そして、この第2の印刷処理が完了した時点からこの要求をオペレータから受け付ける迄の期間中に、制御部205は、この第1の印刷処理とは異なる他の印刷処理を印刷装置100により実行可能にする。これは図30等で説明した制御例に対応する。
また更に、本実施形態では、制御部205が、この第2の印刷処理に対応する上述の確認処理の開始に先立って、第1の動作モードと第2の動作モードの何れかの動作モードを操作部204を介してオペレータにより選択可能にする。この第1の動作モードとは、この第2の印刷処理の後に操作部204を用いてオペレータからこの第1の印刷処理を継続させる要求を受け付けること無しに、この第1の印刷処理を印刷装置100により継続させるモードである。一方、この第2の動作モードとは、この第2の印刷処理の後に操作部204を用いてオペレータからこの第1の印刷処理を継続させる要求を受け付けた後にこの第1の印刷処理を印刷装置100により継続させるモードである。
これらの構成は図24等を用いて上述した制御例に対応する。
また更に本実施形態では、制御部205が、この第1の印刷処理の開始に先立ってこの特定の指示とは異なる指示をオペレータから操作部204を介して受付可能にする。尚、この特定の指示とは異なる指示とは、上述の形態における、図13A等の画面の試しコピーキーを用いてオペレータから受け付ける試しコピーの実行要求に相当する。そして、この特定の指示とは異なる他の指示を受け付けたことに応じて、制御部205は、上述の確認処理とは異なる他の処理を印刷装置100に実行させる。尚、この確認処理とは異なる他の処理は、図12A等で上述した試しコピー動作に相当する。そして、この確認処理(第2の印刷処理、本実施形態では、確認プリント動作に相当)は、この第1の印刷処理が開始された後に印刷条件を変更する場合に利用することができる処理である。これに対して、この確認処理とは異なる他の処理は、この第1の印刷処理が開始される前に印刷条件を変更する場合に利用することができる処理である。
また、この確認処理に相当する第2の印刷処理で印刷される第2のシートは、この第1の印刷処理で印刷される複数の第1のシートの出力先へ出力すること無しに他の出力先へ出力されるように、制御部205が印刷システム1000を制御する。これに対して、この確認処理とは異なる処理に相当する試しコピー動作により印刷されるシートは、この第1のシートの出力先と同じ出力先へ出力することができるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
また、この確認処理とは異なる他の処理に相当する試しコピー動作は、1つの印刷ジョブに係る印刷条件を変更する際に利用することができる処理である。これに対して、この確認処理に相当する確認プリント動作は、複数の印刷ジョブに係る印刷条件を変更する際に利用することができる処理である。
そして、本実施形態では、これら上述の特定の指示と、この特定の指示とは異なる指示とを、同一のジョブにおいてオペレータが操作部204を介して入力することができるように制御部205が操作部204を制御する。
以上の各種構成は図12A〜図14H等で上述した試しコピーと確認プリントに関する選択的な制御例に対応する。
なお、本実施形態の印刷システム1000は、上述のように、これらの各種の構成が矛盾のない範囲で如何様にも組み合わせることができるように構成されている。
[その他のしくみ]
本実施形態における図に示す機能が、外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータ(例えば、PC103やPC104)により遂行されていてもよい。尚、この場合に、各画面を含む本実施形態で述べた画面と同様の画面を表示させる為のデータを外部からインストールし、ホストコンピュータの表示部に上記各種のユーザインターフェース画面を提供可能に構成する。
ここで、以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。従って、このようなプログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態は問わない。
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
その他、プログラムの供給方法としては次のようなものがある、即ち、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、このホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
またコンピュータが読出したプログラムコードを実行することで、前述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行う。従って、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれたとする。この場合、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う。従って、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
例えば、1例を挙げると、本実施形態にて、試しコピー機能や確認プリント機能により制御対象とするジョブは、PCのアプリケーションから印刷を行うプリントジョブも包含してもよい。この場合、ハードディスクに保存されたプリントジョブに対して確認プリントを指示する形式も含まれる。これにより、上述したボックス機能のジョブも同等に処理できる。
また、例えば、確認プリントの印刷物を出力した出力先に色紙などを出力できるようにしても良い。このように、図15の表示処理以外の報知処理により、確認用の印刷物の出力先をオペレータに識別させるように構成してもよい。
以上種々の構成を具備したシステム構成となっている本実施形態により、上述の種々の効果が図れる。しかし、これらの全てを具備した構成でなくてもよい。例えば、上述した本実施形態の確認プリント機能に関する主要部分の制御のみを実行できるものならば、本実施形態に適用できる。又、本実施形態では、上述した操作部204に関する操作制御と印刷システム1000の実際の印刷動作に係る出力制御を制御部205が実行する構成を例示したが、このうちの操作制御に関しては操作制御部といった別の制御部が行う構成でも良い。
また、例えば、本実施形態では、印刷装置100に具備される制御部205により上述の複数の制御が実行される構成を例示的に説明した。しかし、制御部205とは異なる他の制御部が、上述した複数の制御のうちの一部又は全部の制御を実行する構成でも良い。例えば、制御部205とは異なる他の制御部として、印刷装置100とは別筐体の外付けコントローラや、PC104などの遠隔の外部装置のCPUや、インラインフィニッシャが具備するCPUを利用できるようにする。これにより、印刷システム1000が設置されうる印刷環境に即した柔軟性に富んだ印刷環境が構築可能となるという効果が更に向上可能となるという効果が図れる。このように本実施形態によれば、今後のデジタルプリンティングシステムを見据えた利便性のある印刷システムが提供可能となる。例えば、従来で想定したようなPOD環境で想定されうるユースケースやニーズに対処可能な便利で柔軟な印刷環境が構築可能となり、製品実用化に向けての様々な仕組みが提供可能となる。
以上、本発明の様々な例と実施形態について説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのものではないことは明らかである。