以下、添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1のPODシステム10000は、印刷システム1000、スキャナ102、サーバコンピュータ103(PC103)、クライアントコンピュータ104(PC104)を有し、それらはネットワーク101を介して接続されている。また、PODシステム10000は、紙折り機107、断裁機109、中綴じ製本機110、くるみ製本機108等を有する。
印刷システム1000は、図2に示す如く、印刷装置100とシート処理装置200とを有する。なお、本実施形態では、印刷装置100として、コピー機能及びプリンタ機能等、複数の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)を例に取り説明する。しかしながら、印刷装置100は、コピー機能のみ、あるいは、プリンタ機能のみの単一機能型の印刷装置であっても良い。
PC103は、ネットワーク101に接続された各種装置とのデータの送受信を管理する。PC104は、ネットワーク101を介して、画像データを印刷装置100やPC103に送信する。また、紙折り機107は、印刷装置100で印刷されたシートの折り処理を行う。くるみ製本機108は、印刷装置100で印刷されたシートに対するくるみ製本処理を行う。断裁機109は、複数枚のシートからなるシート束毎に、印刷装置100で印刷されたシートの断裁処理を行う。中綴じ製本機110は、印刷装置100で印刷されたシートに対する中綴じ製本処理を行う。
紙折り機107、くるみ製本機108、断裁機109、中綴じ製本機110を利用する場合、ユーザは印刷装置100で印刷されたシートを印刷システム1000から取り出し、利用する装置にセットし、その装置によって処理を実行させる。また、図1のPODシステム10000が有する複数の装置のうち、中綴じ製本機110以外の装置は、ネットワーク101に接続されており、互いに他装置とデータ通信可能に構成されている。
次に、印刷システム1000の構成について、図2のシステムブロック図を用いて説明する。
印刷システム1000に含まれる図2に示す各ユニットのうちのシート処理装置200以外のユニットは、印刷装置100に含まれる。印刷装置100には、任意の台数のシート処理装置200を接続することができる。
印刷システム1000は、印刷装置100で印刷されたシートに対するシート処理を、印刷装置100に接続されたシート処理装置200により実行できるように構成されている。ただし、シート処理装置200を接続せずに印刷装置100のみで印刷システム1000を構成することも可能である。
シート処理装置200は、印刷装置100と通信可能に構成され、印刷装置100からの指示を受け、後述するようなシート処理を実行することができる。スキャナ部201は、原稿上の画像を読み取り、これを画像データに変換し、他のユニットに転送する。外部I/F202は、ネットワーク101に接続された他の装置との間でデータの送受信を行う。プリンタ部203は、入力された画像データに基づく画像をシート上に印刷する。操作部204は、後述するハードキー入力部(キー入力部)402や、タッチパネル部401を有し、それらを介してユーザからの指示を受付ける。また、操作部204は、操作部204が有するタッチパネルに各種表示を行う。
制御部205は、印刷システム1000が有する各種ユニットの処理や動作等を統括的に制御する。即ち、印刷装置100及び印刷装置100に接続されたシート処理装置200の動作も制御する。ROM207は、制御部205によって実行される各種コンピュータプログラムを記憶する。例えば、ROM207は、後述するフローチャートの各種処理を制御部205に実行させる為のプログラムや、後述する各種設定画面を表示するために必要な表示制御プログラムを記憶する。また、ROM207は、PC103やPC104等から受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを、制御部205が解釈し、ラスタイメージデータに展開する動作を実行するためのプログラムを記憶する。他にも、ROM207は、ブートシーケンスやフォント情報等を記憶する。RAM208は、スキャナ部201や外部I/F202から送られてきた画像データや、ROM207からロードされた各種プログラム、設定情報を記憶する。またRAM208は、シート処理装置200に関する情報(印刷装置100に接続されたシート処理装置200の台数(0からn台)と、各シート処理装置200の機能に関する情報、また、各シート処理装置200の接続順序等)を記憶する。
HDD(ハードディスクドライブ)209は、ハードディスクとハードディスクへのデータの読み書きを行う駆動部等で構成される。HDD209は、スキャナ部201や外部I/F202から入力され、圧縮伸張部210によって圧縮された画像データを記憶する為の大容量の記憶装置である。制御部205は、ユーザからの指示に基づいて、HDD209に格納された画像データをプリンタ部203によって印刷することができる。また、制御部205は、ユーザからの指示に基づいて、HDD209に格納された画像データを、外部I/F202を介してPC103等の外部装置へ送信することもできる。
圧縮伸張部210は、JBIGやJPEG等といった各種圧縮方式によってRAM208、HDD209に記憶されている画像データ等の圧縮・伸張動作を行う。
次に、印刷システム1000の構成について、図3を用いて説明する。図3は、印刷装置100と印刷装置100に接続されたシート処理装置200の断面図である。
自動原稿搬送装置(ADF)301は、原稿トレイの積載面にセットされた原稿束を1頁目の原稿から、ページ順に、順番に分離して、スキャナ302によって原稿走査するために原稿台ガラス上へ搬送する。
スキャナ302は、原稿台ガラス上に搬送された原稿の画像を読み取り、CCDによって画像データに変換する。回転多面鏡(ポリゴンミラー等)303は、画像データに応じて変調された、例えばレーザ光などの光線を入射させ、反射ミラーを介して反射走査光として感光ドラム304に照射する。感光ドラム304上にレーザ光によって形成された潜像はトナーによって現像され、転写ドラム305上に貼り付けられたシート材に対してトナー像を転写する。この一連の画像形成プロセスをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーに対して順次実行することによりフルカラー画像が形成される。4回の画像形成プロセスの後に、フルカラー画像形成された転写ドラム305上のシート材は、分離爪306によって分離され、定着前搬送器307によって定着器308へ搬送される。定着器308は、ローラやベルトの組合せによって構成され、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、トナー像が転写されたシート材上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着させる。排紙フラッパ309は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、シート材の搬送方向を規定する。排紙フラッパ309が図中時計回りの方向に揺動しているときには、シート材は真直ぐに搬送され、排紙ローラ310によって機外へ排出される。
制御部205は、以上のような一連のシーケンスによって、片面印刷を実行するように印刷装置100を制御する。
一方、シート材の両面に画像を形成する場合には、排紙フラッパ309が図中反時計回りの方向に揺動し、シート材は下方向に進路を変更され両面搬送部へと送り込まれる。両面搬送部は、反転フラッパ311、反転ローラ312、反転ガイド313および両面トレイ314を備える。反転フラッパ311は、揺動軸を中心に揺動し、シート材の搬送方向を規定する。制御部205は、両面印刷ジョブを処理する場合、プリンタ部203でシートの第1面にプリント済みのシートを、反転フラッパ311を図中反時計回りの方向に揺動し、反転ローラ312を介して、反転ガイド313へと送り込むよう制御する。そして、シート材後端が反転ローラ312に狭持された状態で反転ローラ312を一旦停止させ、引き続き反転フラッパ311が図中時計回りの方向に揺動させる。且つ、反転ローラ312を逆方向に回転させる。これにより、シートスイッチバックして搬送させ、シートの後端と先端が入れ替わった状態で、このシートを両面トレイ314へと導くよう制御する。両面トレイ314ではシート材を一旦積載し、その後、再給紙ローラ315によってシート材は再びレジストローラ316へと送り込まれる。このときシート材は、1面目の転写工程とは反対の面が感光ドラム304と対向する側になって送られてきている。そして、先述したプロセスと同様にしてシートの第2面に対して2面目の画像を形成させる。そして、シート材の両面に画像が形成され、定着工程を経て排紙ローラ310を介して印刷装置100本体内部から機外へとシートを排出させる。制御部205は、以上のような一連のシーケンスによって、両面印刷を実行するように印刷装置100を制御する。
また、印刷装置100は、印刷処理に要するシートを収納する給紙部を有する。給紙部には、給紙カセット317、318(例えば、それぞれ500枚のシートを収容可能)、給紙デッキ319(例えば、5000枚のシートを収納可能)、手差しトレイ320等がある。給紙カセット317、318、給紙デッキ319は、サイズや材質の異なる各種シートを、給紙部ごとに区別してセットできる。また、手差しトレイ320には、OHPシート等の特殊なシートを含む各種シートをセットすることができる。給紙カセット317、318、給紙デッキ319、手差しトレイ320には、それぞれに給紙ローラが設けられており、給紙ローラによってシートは1枚単位で連続的に給送される。
次に、図3に示すシート処理装置200について説明する。
本実施形態の印刷システム1000におけるシート処理装置200は、上流の装置から下流の装置にシート搬送路を介してシートを搬送できるのであれば、任意の種類の装置を任意の台数だけ連結することができる。例えば、図3に示すように、印刷装置100に近い順に、大容量スタッカ200−3a、糊付け製本機200−3b、中綴じ製本機200−3cの順序で連結し、これらを印刷システム1000にてそれぞれ選択的に利用することができる。また、シート処理装置200のそれぞれがシート排出部を備え、ユーザは、シート処理がなされたシートを、それぞれのシート処理装置のシート排出部から取出すことができる。
制御部205は、印刷装置100に接続されたシート処理装置200にて実行可能な種類のシート処理の候補から、ユーザが所望する種類のシート処理の実行要求を、操作部204を介して印刷実行要求と共に受付ける。そして、操作部204を介して処理対象となるジョブの印刷実行要求をユーザから受付けたことに応じて、制御部205は、そのジョブにて要する印刷処理をプリンタ部203で実行させる。そして、制御部205は、この印刷処理がなされたジョブのシートを、ユーザが所望するシート処理を実行可能なシート処理装置までシート搬送路を介して搬送させ、そのシート処理装置でシート処理を実行させる。
例えば、印刷システム1000が図3に示すシステム構成の場合に、ユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、大容量スタッカ200−3aによる大量積載処理を行うように指示されたジョブであるとする。このジョブを「スタッカジョブ」と呼ぶ。
このスタッカジョブを、図3のシステム構成にて処理する場合、制御部205は、印刷装置100で印刷されたこのジョブのシートを、図3のA点を通過させて、大容量スタッカ200−3a内部へ搬送させる。その後、制御部205は、このジョブの積載処理を大容量スタッカ200−3aで実行させる。そして、制御部205は、大容量スタッカ200−3aで積載処理がなされたこのジョブの印刷物を、他の装置(例えば後段の装置)へ搬送せずに、大容量スタッカ200−3a内部の排紙先Xに保持させる。
ユーザは、この図3の排紙先Xにホールドされたスタッカジョブの印刷物を、排紙先Xの個所から直接取出すことができる。それにより、図3のシート搬送方向、最下流の排紙先Zまでシートを搬送して、排紙先Zからスタッカジョブの印刷物を取出すといった、一連の装置の動作やユーザの操作が不要になる。
また、図3のシステム構成にてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、糊付け製本機200−3bによるシート処理(例えば、くるみ製本処理、または、天糊製本処理の何れかの糊付け製本処理)を行うように指示されたジョブであるとする。このジョブを「糊付け製本ジョブ」と呼ぶ。
この糊付け製本ジョブを、図3のシステム構成にて処理する場合、制御部205は、印刷装置100で印刷されたシートを、図3のA点及びB点を介して糊付け製本機200−3b内部へ搬送させる。その後、制御部205は、このジョブの糊付け製本処理を糊付け製本機200−3bで実行させる。そして、制御部205は、糊付け製本機200−3bで糊付け製本処理がなされたこのジョブの印刷物を、他の装置(例えば後段の装置)へ搬送させずに、そのまま、糊付け製本機200−3b内部の排紙先Yに保持させる。
更に、例えば、図3のシステム構成にてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、中綴じ製本機200−3cによるシート処理を行うように指示されたジョブであるとする。中綴じ製本機200−3cによるシート処理には、例えば、中綴じ製本、パンチ処理、断裁処理、シフト排紙処理、折り処理等がある。ここでは、このジョブを「中綴じ製本ジョブ」と呼ぶ。
この中綴じ製本ジョブを、図3のシステム構成にて処理する場合、制御部205は、印刷装置100で印刷されたこのジョブのシートを、A点及びB点及びC点を通過させて中綴じ製本機200−3cに搬送させる。その後、制御部205は、このジョブのシート処理を中綴じ製本機200−3cで実行させる。そして、制御部205は、この中綴じ製本機200−3cによるシート処理がなされた中綴じ製本ジョブの印刷物を、中綴じ製本機200−3cの排紙先Zに保持させる。
尚、排紙先Zには複数の排紙先候補がある。これは、中綴じ製本機200−3cが複数種類のシート処理を実行することができ、シート処理ごとに排紙先をわける際に用いられるものである。
図1〜図3で説明したように、本実施形態の印刷システム1000は、印刷装置100に対して、複数台のシート処理装置を接続することができる。そして、これら複数台のシート処理装置は、任意の組合せで、印刷装置100に対して接続できる。また、これら複数台のシート処理装置の接続順序も、装置同士のシート搬送路がつながる範囲内において自由に変更することができる。また、印刷装置100に接続可能なシート処理装置の候補も複数種類存在する。
次に、図4に示す断面図を用いて、シート処理装置200に適用可能な大容量スタッカの内部構成について説明する。本実施形態にてこの大容量スタッカは、後述する確認プリント機能による印刷で得られる印刷物をスタックする構成を有する特定種類の後処理装置として機能する。そして、大容量スタッカは、上流の装置から搬送されたシートを3つの搬送パスに選択的に搬送する。1つは、サンプルトレイパスであり、1つはスタックパスであり、1つはストレートパスである。
大容量スタッカ内部に備えるスタックパスは、スタックトレイにシートを搬送するためのシート搬送路である。図4のスタックトレイは、伸縮可能なステイなどの上に載置される積載ユニットである。伸縮可能なステイの下には、着脱可能な台車が備えられている。この台車を用いていることで、スタックトレイに積載されたシートをオペレータが運搬できる。
この大容量スタッカによりシートの積載処理を行うように設定されたジョブの実行要求を操作部204を介してユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、印刷装置100にて印刷されたシートを、この大容量スタッカが備えるスタックパスに搬送し、スタックパスを介してスタックトレイへ排紙する。
図4に示す大容量スタッカのストレートパスは、この大容量スタッカが有するスタックトレイを用いたシートの積載処理を要さないジョブのシートを後段の装置へ搬送するためのシート搬送路である。
サンプルトレイパスは、サンプルトレイにシートを排出するためのシート搬送路である。これらは、出力の確認を要する作業等を行う際にスタックトレイからの出力物の取出しを簡略化する場合等に用いられる。例えば、この場合、制御部205は、印刷装置100にて印刷されたシートをサンプルトレイパスへ搬送してサンプルトレイに排出させる。本実施形態では、このサンプルトレイに確認プリント機能による印刷で得られる印刷物を出力するように制御部205により制御している。
尚、この大容量スタッカ内部のシート搬送路にはシートの搬送状況やジャムを検知する為に要する複数のシート検知センサが設けられている。
また、大容量スタッカは不図示のCPUを備え、これら各センサからのシート検知情報を、データ通信を行うための信号線を介して制御部205に通知する。制御部205は、この大容量スタッカから通知された情報に基づき、大容量スタッカ内部のシートの搬送状況やジャムを把握する。尚、大容量スタッカと印刷装置100の間に他のシート処理装置が接続されている場合、そのシート処理装置が備える不図示のCPUが、この大容量スタッカのセンサの情報を制御部205に通知する。
次に、図5を用いて、操作部204の構成を説明する。
操作部204は、タッチパネル部401と、キー入力部402とを備える。タッチパネル部401は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示部)とその上に貼られた透明電極からなり、ユーザから指示を受付けるための各種設定画面を表示する。このタッチパネル部401は、各種画面を表示する機能とユーザからの指示を受付ける指示入力機能を兼ね備える。キー入力部402は、電源キー501やスタートキー503や、ストップキー502やユーザモードキー505、テンキー506を備える。スタートキー503は、コピージョブや、送信ジョブの実行を印刷装置100に開始させる場合に用いられる。テンキー506は、印刷部数等の数値入力の設定を行う場合に用いられる。
制御部205は、このタッチパネル部401に表示される各種画面を介して受付けたユーザ指示や、キー入力部402を介して受付けたユーザ指示、に基いた各種処理を行うように印刷システム1000を制御する。
図6は、印刷装置100により印刷されたシートに対して実行すべきシート処理の種類をユーザに選択させるための設定画面の表示例を示す図である。制御部205は、タッチパネル部401に表示される画面上の図5に示すシート処理設定のキー609がユーザにより押されると、この図6の画面をタッチパネル部401に表示させる。この図6の画面は、印刷システム1000に含まれるシート処理装置200を用いて実行可能なシート処理の種類をユーザが選択できるように構成された設定画面である。制御部205は、この図6の画面を介して、処理対象となるジョブにて実行すべきシート処理の設定をユーザから受付け、その設定に従ったシート処理をシート処理装置200で実行させる。
図7に示す画面は、印刷装置100にシート処理装置200が接続されるケースにて、どのような種類のシート処理装置をどのような接続順序で何台接続するのか等を特定するための情報をユーザが登録できるように構成された設定画面である。制御部205は、ユーザモードキー505が押された場合に、この図7に示す画面をタッチパネル部401に表示できるように制御する。
例えば、印刷システム1000を図3に示すようなシステム構成にする場合、図7に示すように、大容量スタッカ、糊付け製本機、中綴じ製本機の3台のシート処理装置を大容量スタッカから順番に印刷装置100に接続する旨を示す登録情報を設定する。制御部205は、この図7の画面を介してユーザにより設定されたシート処理装置200に係る情報をシステム構成情報としてRAM208に保持させ、適宜読み出して参照する。これにより、制御部205は、印刷装置100に対してどのようなシート処理装置をどのような接続順序で何台接続するのか等を確認する。
なお、印刷システム1000は、複数のジョブのデータを記憶可能なHDD209のデータの印刷処理を実行可能なプリンタ部203を有する印刷装置100を具備する。また、印刷システム1000は、印刷装置100と複数台のシート処理装置200が接続できるように構成されている。また、印刷装置100に接続可能なこれら複数台のシート処理装置200はそれぞれ、プリンタ部203で印刷がなされたジョブのシート(印刷物又は印刷媒体とも呼ぶ)に対するシート処理(フィニッシング又は後処理とも呼ぶ)を実行可能に構成されている。また、これらのシート処理装置200は、各装置毎に、自装置でシート処理を施した印刷物をオペレータが取出すことができるように構成されている。そして、本実施形態の印刷システム1000は、プリンタ部203からこれら複数台のシート処理装置200に対して、プリンタ部203により印刷がなされたジョブのシートを、選択的に供給できるように構成されている。
そして本実施形態にて印刷システム1000に適用される印刷装置100は、印刷結果の確認及び/又は印刷条件の変更のために利用することが可能な確認プリント機能を具備している。
そして本実施形態にて制御部205は、この確認プリント機能による印刷をプリンタ部203(印刷手段)によって自動的に実行させるための制御手段として機能する。
また、制御部205は、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行させるための条件を満足するか否かの判断を行う判断手段としても機能する。
そして、この判断により、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行させるための条件を満足する判断結果が得られたとする。
このように、印刷対象のジョブが、確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行させるための条件を満足することに応じて、制御部205は、確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行させる。
このように本実施形態の印刷システム1000は、印刷対象のジョブが、確認プリント機能による印刷を自動的に実行させるための条件を満足することに応じて、当該機能による印刷を自動的に実行できるように構成されている。このように、印刷システム1000の印刷動作を無駄に停止させずに確認プリント機能を有効活用できる使い勝手の良い印刷環境を、オペレータに不用意に手間をとらせることなく構築できる仕組みを具備している。
なお、この確認プリント機能よる印刷を行う場合、制御部205は、プリンタ部203による印刷対象のジョブの印刷データを用いて確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行させる。なおかつ、確認プリント機能よる印刷を行う場合、制御部205は、この印刷対象のジョブの印刷の途中で当該確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行させる。これにより、実際に利用される印刷データそのものを用いた印刷結果の確認が出来る。そして、無駄に印刷動作を停止させる事無しに、印刷濃度等の実際に印刷動作が進むにつれて出力結果に変化を及ぼすようなパラメータを、抜き取りチェックのような感覚でオペレータは簡単に確認できる。
また、前述の判断に関する1つの実施形態として、本実施形態にて制御部205は、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、印刷を完了するために予め定められた枚数以上(規定枚数以上)の印刷媒体を要するジョブか否かを判断する。
そして、もし、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、印刷を完了するために予め定められた枚数以上の印刷媒体を要さないジョブであるとする。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、当該ジョブの印刷の途中で該確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行すること無しに当該ジョブの印刷をプリンタ部203によって完了させる。
一方、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、印刷を完了するために予め定められた枚数以上の印刷媒体を要するジョブであるとする。このケースに該当する判断を下した場合に、制御部205は、当該ジョブの印刷の途中で当該確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行させる。
なお、この構成にかわって以下に示す構成を具備するものでも本発明の一実施形態に適用できる。
たとえば前述の判断の別の実施形態として、制御部205は、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、印刷を完了するために予め定められた時間以上(規定時間以上)の時間を要するジョブか否かを判断する。
そして、もし、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、印刷を完了するために予め定められた時間以上の時間を要さないジョブであるとする。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、当該ジョブの印刷の途中で該確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行すること無しに、当該ジョブの印刷をプリンタ部203によって完了させる。
一方、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、印刷を完了するために予め定められた時間以上の時間を要するジョブであるとする。このケースに該当する判断を下した場合に、制御部205は、当該ジョブの印刷の途中で当該確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行させる。
なお、この構成にかわって以下に示す構成を具備するものでも本発明の一実施形態に適用できる。
たとえば前述の判断の別の実施形態として、制御部205は、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、特定種類の後処理装置の内部に具備される予め定められた排出先に印刷物を出力する必要のあるジョブか否かを判断する。なお、本実施形態にて前述の大容量スタッカの内部に具備されるスタックトレイは、この特定種類の後処理装置の内部に具備される予め定められた排出先の具体例である。
そして、もし、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、この特定種類の後処理装置の内部に具備される予め定められた排出先に印刷物を出力する必要が無いジョブであるとする。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、当該ジョブの印刷の途中で該確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行すること無しに、当該ジョブの印刷をプリンタ部203によって完了させる。
一方、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、この予め定められた排出先に印刷物を出力する必要があるジョブであるとする。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、当該ジョブの印刷の途中で当該確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行させる。
このように構成することで、例えば、印刷物の排紙先が、後処理装置の筐体外部に露出する排紙先である場合に、制御部205は、自動的に確認プリントを実行することを禁止するよう制御する。一方、例えば、印刷物の排紙先が、後処理装置の筐体内部に具備される排紙先である場合には、制御部205は、自動的に確認プリントを実行できるように制御する。このような構成に、本実施形態の印刷システム1000は適用できる。これにより、大容量スタッカの内部の排紙先を用いて印刷している最中は、大容量スタッカにどんな印刷物が出力されているのかをオペレータが確認できない、といったトラブルの発生を抑制できる。しかも、このようなトラブルを抑制しつつ、排紙先に関係なく一律的に確認プリントを自動的に行わないようにすることで、必要以上に確認プリントを自動的に行わないようにすることができ、生産性に影響を及ぼすような無駄な動作を抑制できる。このように確認プリント機能の利便性が向上できる。
なお、この構成にかわって以下に示す構成を具備するものでも本発明の一実施形態に適用できる。
たとえば前述の判断の別の実施形態として、制御部205は、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、複数の工程からなる特定種類の後処理を行う必要のあるジョブか否かを判断する。なお、印刷物本文に糊付けする工程と表紙を接着する工程と小口を断裁する工程などからなる上述した糊付け製本機によるくるみ製本処理などは、この特定種類の後処理の具体例である。
そして、もし、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、この特定種類の後処理を行う必要の無いジョブであるとする。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、当該ジョブの印刷の途中で該確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行すること無しに、当該ジョブの印刷をプリンタ部203によって完了させる。
一方、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、この特定種類の後処理を行う必要の有るジョブであるとする。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、当該ジョブの印刷の途中で、当該確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行させる。
このように構成することで、たとえば、印刷対象のジョブが、ステイプルジョブといった単純な作業工程からなる後処理を要するジョブである場合は、自動的に確認プリントを実行することを禁止するよう制御部205により制御する。一方、たとえば、印刷対象のジョブが、前述の糊付け製本ジョブといった高度な高付加価値機能の後処理を要するジョブの場合は、自動的に確認プリントを実行できるように制御部205により制御する。このような構成に本実施形態の印刷システム1000は適用できる。これにより、確認プリント機能の利便性を向上でき、時間と労力を費やしてようやく完成した高付加価値機能の後処理が施された印刷物であるにも拘らず、印刷結果に不備があるといったトラブルの発生を抑えることができる。
なお、この構成にかわって以下に示す構成を具備するものでも本発明の一実施形態に適用できる。
たとえば前述の判断の別の実施形態として、制御部205は、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、特定種類の消耗材を用いる必要の有るジョブか否か判断する。なお、カラープリントに利用するトナーや光沢感を出すために利用されるクリアトナーといった付加価値の高いトナーは、この特定種類の消耗材の具体例である。また、糊付け製本する際に利用される糊といった付加価値の高い後処理資源も、この特定種類の消耗材の具体例である。また、光沢紙といった付加価値の高い印刷媒体も、この特定種類の消耗材の具体例である。
そして、もし、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、この特定種類の消耗材を用いる必要の無いジョブであるとする。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、当該ジョブの印刷の途中で該確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行すること無しに、当該ジョブの印刷をプリンタ部203によって完了させる。
一方、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、この特定種類の消耗材を用いる必要のあるジョブであるとする。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、当該ジョブの印刷の途中で当該確認プリント機能による印刷を、プリンタ部203によって自動的に実行させる。
このように構成することで、たとえば、印刷対象のジョブが、モノクロ印刷ジョブや、ステイプルジョブや、普通紙を印刷に利用するジョブ、などであるとする。このように、印刷対象のジョブが、カラー印刷ジョブや、糊付け製本ジョブや、光沢紙を印刷に利用するジョブ、よりは付加価値の低い消耗材を要するジョブであるとする。この場合は、自動的に確認プリントを実行することを禁止するよう、制御部205により制御する。一方、たとえば、印刷対象のジョブが、これらカラー印刷ジョブや、糊付け製本ジョブや、光沢紙を印刷に利用するジョブ、であるとする。この場合は、自動的に確認プリントを実行できるように、制御部205により制御する。このような構成に本実施形態の印刷システム1000は適用できる。これにより、確認プリント機能の利便性を向上でき、高い付加価値の消耗材を用いてようやく完成した印刷物であるにも拘らず、印刷結果に不備があるといったトラブルの発生を抑えることができる。
なお、この構成にかわって以下に示す構成を具備するものでも本発明の一実施形態に適用できる。
たとえば前述の判断の別の実施形態として、制御部205は、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、第1のジョブ種のジョブか第2のジョブ種のジョブかを判断する。原稿読取手段として機能するスキャナ302によって読取られる原稿の印刷データの印刷を要するジョブは、この第1のジョブ種のジョブの具体例である。一方、PC104などの情報処理装置など、印刷装置100とデータ通信可能な外部の他装置から送信される印刷データの印刷を要するジョブは、この第2のジョブ種のジョブの具体例である。
そして、もし、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、この第1のジョブ種のジョブであるとする。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、当該ジョブの印刷の途中で該確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行すること無しに、当該ジョブの印刷をプリンタ部203によって完了させる。
一方、プリンタ部203による印刷対象のジョブが、この第2のジョブ種のジョブであるとする。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、当該ジョブの印刷の途中で、当該確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行させる。
このように構成することで、たとえば、印刷対象のジョブがコピージョブなど、印刷装置100の前に存在するオペレータ自身が印刷される原稿の内容を事前に把握しているケースに該当するジョブなどであるとする。この場合は、自動的に確認プリントを実行することを禁止するよう制御部205により制御する。一方、たとえば、印刷対象のジョブが外部からのPDLジョブなど、印刷装置100の前に存在するオペレータ自身が印刷される原稿の内容を事前に把握していないケースに該当するジョブなどであるとする。このように、印刷システム1000の前に存在するオペレータとは違うユーザが外部などの遠隔の端末から印刷ジョブを投入したケースであるとする。この場合は、自動的に確認プリントを実行できるように制御部205により制御する。このような構成に本実施形態の印刷システム1000は適用できる。これにより、確認プリント機能の利便性が向上でき、印刷システム1000のオペレータ自身が印刷されるデータの内容を事前に知らない場合でも、そのデータの印刷結果が容易に確認できる。また、たとえば、コピーをとろうとオペレータが印刷システム1000の目の前に赴いたら外部からの印刷が行われており、どんなデータを印刷していのかその時点で理解できないといったトラブルの発生も抑制できる。
以上、本実施形態の印刷システム1000は、確認プリント機能による印刷を自動的に行う構成として、複数種類の構成に対応するよう構成されている。しかし、これら前述した複数種類の構成のうちの1つのみ或いは2個以上の構成或いは全ての構成を具備するように印刷システム1000を構成しても良い。このように種々の変更や応用に対応した構成を具備したものも本実施形態に包含されるのであるが、以下に示す本実施形態の印刷システム1000が具備する構成に相当する構成も具備することが好ましい。
たとえば前述のように、プリンタ部203による印刷対象のジョブの印刷の途中で、確認プリント機能による印刷を自動的に行うとする。この場合、制御部205は、確認プリント機能による印刷を予め定められた間隔でもって繰り返しプリンタ部203によって自動的に実行させることができるように制御する。
たとえば、印刷対象のジョブが予め定められた枚数以上の印刷を要するジョブであるとする。この場合、本実施形態にて制御部205は、このジョブの印刷においてこの予め定められた枚数よりも少ない値の特定枚数分の印刷を行う度に、このジョブの印刷にかわって、前述の確認プリント機能による印刷をプリンタ部203により自動的に実行させる。たとえば本実施形態にて、印刷対象のジョブが5000枚以上の印刷を要するジョブであることを制御部205により判断したとする。この場合、これを条件に制御部205は、当該ジョブの印刷において印刷用紙100枚連続して印刷する度に、この印刷にかわって自動的にこのジョブの為の確認プリントをプリンタ部203に実行させる。この一連の制御は当該構成の具体例である。
また、たとえば、印刷対象のジョブが、印刷開始から印刷完了までの印刷に要する所要時間が予め定められた時間以上の大量印刷ジョブであるとする。この場合、本実施形態にて制御部205は、該ジョブの印刷完了までに必要な時間よりも短い値の特定時間分のこのジョブの印刷を行う度に、当該ジョブの印刷にかわって、確認プリント機能による印刷をプリンタ部203により自動的に実行させる。たとえば本実施形態にて、印刷対象のジョブが印刷完了迄に20分以上の印刷を要するジョブであることを制御部205により判断したとする。この場合、これを条件に制御部205は、当該ジョブの印刷を5分間連続して実行する度に、当該印刷にかわって自動的に該ジョブの為の確認プリントをプリンタ部203に実行させる。この一連の制御は当該構成の具体例である。
本実施形態の印刷システム1000は、前者の構成のように、特定枚数印刷したらそのジョブの確認プリントを実行する動作と、後者の構成のように特定時間分印刷をしたらそのジョブの確認プリントを実行する動作とが選択的に実行できるよう構成されている。
そのために本実施形態では、制御部205が、第1の指示または第2の指示をユーザインタフェースを介してユーザから予め受け付ける手段として機能する。
第1の指示とは、プリンタ部203による印刷対象のジョブの印刷の途中で確認プリント機能による印刷を自動的に行う場合、当該ジョブの印刷を何枚行ったら該機能による印刷を自動的に行うのかを決定する為に、その枚数を指定するユーザからの指示である。本実施形態では、第1の指示がユーザインタフェースを介してユーザにより予め入力済みの場合、その第1の指示に従って当該確認プリント機能による印刷をプリンタ部203により自動的に実行できるよう制御部205により制御する。
一方、第2の指示とは、次のような指示である。即ち、プリンタ部203による印刷対象のジョブの印刷の途中で確認プリント機能による印刷を自動的に行うにあたり、当該ジョブの印刷を何分行ったら該機能による印刷を自動的に行うのかを決定するために、その時間を指定するユーザからの指示である。本実施形態では、第2の指示がユーザインタフェースを介してユーザにより予め入力済みの場合、その第2の指示に従って当該確認プリント機能による印刷をプリンタ部203により自動的に実行できるよう制御部205により制御する。
以上各種構成を具備することで印刷システム1000における確認プリント機能に係る前述の効果を向上させることができるという、更なる効果が得られる。なお、これらの構成に加えて、本実施形態にて印刷システム1000は以下の構成も具備している。
例えば本実施形態にて制御部205は、プリンタ部203による印刷対象のジョブの印刷の途中で確認プリント機能による印刷を自動的に行うことを禁止または許可する要求を、ユーザインタフェースを介してユーザから事前に受け付ける手段としても機能する。
そして、もし、確認プリント機能による印刷を自動的に行うことを禁止するための要求が当該ユーザインタフェースを介してユーザにより予め入力済みであるとする。この場合、その要求に基いて制御部205は、前述の各構成のように、プリンタ部203による印刷対象のジョブの印刷の途中で確認プリント機能による印刷を自動的に行うことを禁止する。一方、この要求が、当該ユーザインタフェースを介してユーザにより予め入力済みでは無いとする。たとえば、確認プリント機能による印刷を自動的に行うことを許可する指示が当該ユーザインタフェースを介してユーザにより予め入力済みであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、前述の各構成のように、プリンタ部203による印刷対象のジョブの印刷の途中で、確認プリント機能による印刷を自動的に行うことを許可する。
以上説明した各種の構成のように、本実施形態にて制御部205は、確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行させるための条件を満足するか否かの判断を行う。そして、この条件に満足しないと判断した場合、制御部205は、プリンタ部203による印刷対象のジョブの印刷の途中で、確認プリント機能による印刷を自動的に行わない(禁止する)よう制御する。
このように本実施形態の印刷システム1000は、印刷対象のジョブの印刷の途中で確認プリント機能による印刷を自動的に行うことを禁止するケースに対応する構成も具備している。ただし、このケースにおいても、ユーザから明示的に確認プリントを実行させる指示が入力された場合には、制御部205は、当該ジョブの印刷の途中で確認プリント機能による印刷をプリンタ部203により実行することを許可する。
たとえば、印刷対象のジョブの印刷の途中で、確認プリント機能による印刷を自動的に行うことを禁止するとする。本実施形態ではこのケースにおいても、制御部205は、プリンタ部203による印刷対象のジョブの印刷をプリンタ部203で実行している最中に、当該機能による印刷要求を前述のユーザインタフェースを介してユーザから受付ることを許可する。そして、この要求がユーザインターフェースを介して該ジョブの印刷実行中に入力された事を条件に、制御部205は、該ジョブの印刷の途中で前述の確認プリント機能による印刷を、プリンタ部203により実行させる。このように本実施形態の印刷システム1000は手動入力に対応した構成も具備する。
即ち、本実施形態の印刷システム1000は、確認プリント機能による印刷をプリンタ部203により実行させる方法として、第1のモードと第2のモードの2種類のモードを有する。
そして、本実施形態の印刷システム1000は、この第1のモードとして、前述したように、予め定められた条件を満足することに応じて、確認プリント機能による印刷をプリンタ部203により自動的に実行させる自動モードを有する。この条件は、本実施形態において、確認プリント機能による印刷を自動的に実行させることを制御部205が許可するために予め定められた規定条件であって、自動確認プリントの実行許可条件を定義した制御部205により利用される判断材料データである。
なお、この自動モードに関し、前述した実施形態では、確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって自動的に実行させるための予め定められた規定条件として、以下の7種類を説明した。
(1) 印刷対象のジョブが、印刷を完了するために、条件として予め定められた規定枚数(後述の具体例では5000枚)以上の印刷媒体を要するジョブであること。
(2) 印刷対象のジョブが、印刷を完了するために、条件として予め定められた規定時間(たとえば10分)以上の時間を要するジョブであること。
(3) 印刷対象のジョブが、条件として予め定められた排出先であって、特定種類の後処理装置の内部に具備される排出先(本形態では大容量スタッカのスタックトレイ)に印刷物を出力する必要のあるジョブであること。
(4) 印刷対象のジョブが、条件として予め定められた種類の後処理であって、複数の工程からなる特定種類の後処理(たとえば、糊付け、断裁等の工程を要するくるみ製本処理)を行う必要のあるジョブであること。
(5) 印刷対象のジョブが、条件として予め定められた特定種類の消耗材(前述の例では付加価値の高い色材や印刷媒体や綴じ部材)を要するジョブであること。
(6) 印刷対象のジョブが、条件として予め定められたタイプ(属性)の印刷ジョブであって、印刷装置100とデータ通信可能な他の装置から送信される印刷データの印刷を要するジョブであること。
(7) 確認プリント機能による印刷を自動的に行うことを禁止する要求が、ユーザインタフェースを介してユーザにより予め入力されていないこと。
これら(1)〜(7)の規定条件は、確認プリント機能による自動印刷を実行するための管理情報として、予め印刷装置100内のメモリに登録されている。なお、本実施形態では、管理者等の特定のオペレータが不図示の初期設定画面を介してこれらの規定条件に対応する設定を変更できるように構成されている。
例えば、制御部205は、前述の(1)に相当する規定枚数として5000が初期値として登録されている場合に、オペレータからの指示に応答して図11Bに示したユーザインタフェースを操作部204に表示させる。このユーザインタフェースでは、5000枚をデフォルト表示する。そして、このユーザインタフェースでは、この規定枚数として採用可能な設定値の候補として1000枚〜9999枚を提示する。そして、このユーザインタフェースにて、この範囲内の値がオペレータにより設定されると、これに応答して制御部205は、オペレータが設定した値をこの規定枚数として利用するように設定変更する。その他の規定条件についても同様に、ユーザインタフェースからの指示で変更できる。
本実施形態の印刷システム1000は、前述したとおり、制御部205による制御によって、これら7つの条件の全てに対応する構成を具備する。このような構成のものは当然、本実施形態に包含されるわけだが、これに限定されるものではない。たとえば、これら7つの条件のうちの1つのみに対応する構成を具備する装置或いはシステム、2〜6個の複数の条件に対応する構成を具備する装置或いはシステムであっても、本実施形態に包含される。
また、これら(1)〜(7)の条件に対応する前述の判断を行うにあたり、制御部205は、印刷対象となるジョブの印刷処理条件、印刷データのトータルのページ数、印刷システム1000のシステム構成情報や初期設定に関する情報を取得する。たとえば、印刷処理条件は、図5や図6のユーザインタフェースにて、ユーザにより設定された設定情報をもとに、制御部205により特定される。ページ数は、ジョブの属性情報から取得する。或いは、HDD209に記憶される印刷データのページ数をカウントするカウンタからの情報により、このページ数の合計が制御部205により特定される。また、印刷システム1000のシステム構成情報や初期設定に関する情報は、印刷装置100のメモリに予め登録されているので、この情報を読出すことで、制御部205により特定される。そして、これら取得した各情報によって、制御部205は、これら(1)〜(7)の条件に対応する前述の判断及び制御を行う。ただし、これらは例示的なものであって、前述のように、確認プリント機能による印刷を自動的に実行させる条件を満足するか否かに関する判断が可能であるならば、如何なる構成でも良い。
そして本実施形態の印刷システム1000は、この自動モードの他にも更に、第2のモードとして、手動モードも有する。本実施形態の印刷システム1000は前述したように、プリンタ部203が印刷を実行している最中に確認プリント機能による印刷要求がユーザインタフェースを介してユーザから入力されたことに応じて、確認プリント機能による印刷を実行するモードを有する。このモードが当該手動モードに該当する。
このように印刷システム1000は、第1のモード(自動モード)と第2のモード(手動モード)の両方を具備するわけだが、本実施形態の印刷システム1000は、これら2つのモードに共通して適用される構成要件を更に具備している。これは、確認プリント機能に関する、本実施形態にて得られる効果を更に向上させる仕組みである。
たとえば、第1のモードに従って確認プリント機能による印刷を行う場合でも、第2のモードに従って確認プリント機能による印刷を行う場合でも、制御部205は、当該機能による印刷で得られる印刷物の排紙先が同じとなるよう制御する。そして、どちらのケースであっても制御部205は、印刷対象のジョブの印刷の途中で当該ジョブの印刷にかわって実行される確認プリント機能による印刷で得られる印刷物を、該ジョブの印刷に利用される排出先とは異なる排出先へ出力するよう制御する。このように、本実施形態にて制御部205は、確認プリント機能にて印刷される印刷物ための排出先制御手段としても機能する。
なお、どちらのモードにおいても制御部205は、確認プリント機能で得られる印刷物は同じ場所(排紙先)に出力するよう制御するわけだが、本実施形態では、排出先として、前述した大容量スタッカのサンプルトレイが選択されるよう制御している。このように、制御部205は、自動でも手動でも、確認プリント機能で得られる印刷物を後処理装置の機外に露出した排出先へ出力させる。そして本実施形態では更に、自動でも手動でも確認プリント機能で得られる印刷物は、大容量スタッカのスタックトレイといった後処理装置内部の排出先へ出力されないように、制御部205により制御している。
このように制御部205は、第1のモードと第2のモードの何れのモードで確認プリント機能による印刷を実行する場合でも、特定種類の後処理装置の内部に具備される排出先へ、当該機能による印刷で得られる印刷物を出力することを禁止する。そして何れのケースでも制御部205は、この出力先へ確認プリント機能による印刷で得られる印刷物を出力すること無しに、特定種類の後処理装置の外部に具備される排出先へ、該機能による印刷で得られる印刷物を出力できるよう(出力可能に)制御する。
これらの構成によって、第1のモードと第2のモードの何れかによって確認プリント機能で得られる印刷物の排紙先が異なってしまい、オペレータが困惑するといったトラブルの発生を抑制できる。また、一方のモードでは機外に露出した排出先に当該印刷物が排出されるにも拘らず、他方のモードでは機内の排出先に当該印刷物が排出されてしまい、オペレータの負荷増大や当該機能の利便性の低下を招くといったトラブルの発生も抑制できる。
なお、本実施形態の印刷システム1000は、これらの構成以外にも、第1のモード、第2のモードで共通して適用される制御に対応した構成を具備している。
例えば第1のモード、第2のモードのどちらのモードで確認プリント機能による印刷を実行する場合でも、制御部205は、印刷対象となるジョブの印刷の途中で、当該ジョブの印刷にかわって確認プリント機能による印刷をプリンタ部203により実行させる。そして、どちらのケースにおいても、制御部205は、当該確認プリント機能による印刷をプリンタ部203によって実行させた後に、印刷対象のジョブの印刷をプリンタ部203によって自動的に再開できるよう(再開可能に)制御している。
これにより第1のモード、第2のモードの何れのモードにおいても、確認プリント機能による印刷が原因で無駄に印刷対象のジョブの生産性が低下するというトラブル無しに、確認プリント機能により得られる前述の各種効果が図れるという更なる効果が図れる。
ただし本実施形態では少なくとも、第2のモードに従った確認プリント機能による印刷に先立って、この印刷を自動的に再開させることを禁止する指示を、ユーザインタフェースを介してユーザから予め受付可能に制御部205により制御している。もし、この指示を事前に受付済みならば、少なくとも第2のモードにおいては、確認プリント機能による印刷を実行させた後に、この印刷をプリンタ部203により自動的に再開することは禁止するよう制御部205により制御する。
これにより、第1のモード、第2のモード毎に、ユーザのニーズに柔軟に対応できる仕組みが提供でき、確認プリント機能により得られる前述の各種効果が図れるという更なる効果が図れる。
なお、確認プリント機能による印刷を自動的に実行させる、とは、該機能による印刷指示を印刷対象となるジョブのためにユーザが明示的にいちいち指示すること無しに、前述の条件を満足することに応じて当該機能による印刷を実行させることを意味する。
また、本実施形態では前述のとおり、確認プリント機能に係わる複数種類の判断及び/又は制御を、印刷装置100に具備される制御部205が行う。ただし、これ以外の構成でもよく、これに限定されるものでもない。例えば、PC103、104等の情報処理装置やシート処理装置(108、109等)の後処理装置といった装置(印刷装置100と通信手段を介してデータ通信可能な装置)に具備される制御部が、これらの判断及び/又は制御を制御部205のかわりに行う。このような構成でも本実施形態は適用できる。なお、このように、印刷装置100とは異なる他の装置によってこれらの判断及び/又は制御が行われる場合には、前述のユーザインタフェースはその装置によって提供されるように構成する。
また、これら確認プリント機能に係わる複数種類の判断及び/又は制御を、1つの手段によって行う構成でも良いし、複数の手段に分担し、それらの手段が協働することでこれらの判断及び/又は制御を実行する構成でもよい。これにより、たとえば、1つのCPUで装置及び/又はシステムが制御される構成でも、複数のCPUが協働することで装置及び/又はシステムが制御される構成でも良い。このように、各種の変形、応用が可能である。
次に、以上に説明した本実施形態の印刷システム1000が具備する確認プリント機能に係わる構成の補足説明と、具体例の説明を以下に列挙する。
なお、以下に説明する各種の構成は、前述した確認プリント機能に係わる各種構成に対して矛盾の無い範囲内で取捨選択して適宜適用可能なものとしても良い。また、以下に説明する構成はあくまでも例示的なものとし、以下の記載に限定されるものでもなく、前述した確認プリント機能に係わる各種の構成に基づいた構成だけでもって本実施形態の構成は完成させても良い。また、以下の例示では、前述のユーザインタフェースの具体例として操作部204及び/又は操作部204により表示される画面を採用しているが、これに限定されるものではない。例えば、前述のようにPC103やPC104で確認プリント機能に関する判断及び/又は制御を行う場合には、その装置の操作/又はその操作部により表示される画面が本実施形態におけるユーザインタフェースとして適用される。
まず、本実施形態にて、印刷システム1000が具備する確認プリント機能は、前述したように、印刷結果の確認及び/又は印刷条件の変更のために利用することができる機能である。そして本実施形態では、この機能を利用することで、処理対象のジョブの印刷動作を開始させた時点からこのジョブの印刷動作が終了する時点迄の期間中に、そのジョブの確認用の印刷物を印刷システム1000に作成させることができる。
例えば、処理対象のジョブの為に、操作部204を介して、印刷実行要求をオペレータから受付けたとする。この印刷実行要求に応答し、制御部205は、このジョブの印刷動作を印刷システム1000により開始させる。その後、制御部205は、この印刷動作を実際に印刷システム1000にて実行させている最中に、この印刷実行中のジョブの為の確認プリント動作の実行要求をオペレータから受付けることができるように、操作部204を制御する。そして、このジョブの印刷動作をプリンタ部203により実行させている最中に、このジョブの為の確認プリント要求をオペレータから受付けた、もしくはこのジョブの印刷状態が自動実行条件に合致したとする。この場合、制御部205は、この確認プリント要求がオペレータによりなされた事、もしくはこのジョブの印刷状態が自動実行条件に合致したことに応答して、プリンタ部203による印刷実行中のこのジョブの印刷動作を中断させる。そして、この確認プリント動作の対象となるジョブの印刷動作が印刷システム1000にて中断された直後に、制御部205は、このジョブの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。尚、この確認プリント動作では、この確認プリント要求がなされたジョブの確認用の印刷物が印刷システム1000により作成される。また、この確認プリント動作を行う場合、制御部205は、この印刷動作が中断されたジョブの印刷データをHDD209から読み出して、印刷装置100により印刷処理を実行させる。この確認プリントによる印刷処理を完了した後、制御部205は、オペレータに確認プリントを完了したことを通知する。そして、この確認プリント動作を完遂させた直後に、制御部205は、印刷中断状態のこのジョブの印刷動作を自動的に再開(継続)させるように、印刷システム1000を制御する。
また制御部205は、処理対象のジョブの印刷設定が操作部204で行われた際にジョブの印刷枚数が既定の枚数を上回る場合、このジョブの確認プリント要求の自動実行を可能にするよう、操作部204に確認プリントの自動実行条件の設定画面を表示する。
例えば、操作部204において、あらかじめ確認プリントの自動実行条件の入力を許可する条件が設定されているとする。そのとき、操作部204においてユーザにより印刷条件が入力されたとする。この後、制御部205は、処理対象のジョブの為に、操作部204を介して印刷実行要求をオペレータから受付けたとする。この印刷実行要求に応答し、制御部205は、このジョブの印刷動作を印刷システム1000により開始させる。その後、制御部205は、この印刷動作を実際に印刷システム1000にて実行させている最中に、この印刷実行中のジョブの為の確認プリント動作の実行要求をオペレータから受付けることができるように、操作部204を制御する。同時に、実行中のジョブの印刷状況が、ジョブ開始前に操作部204に設定された条件に合致するかどうかの判定処理を行う。制御部205が、確認プリントの自動実行条件に合致すると判断した場合、操作部204において確認プリント要求がなされている/いないに関わらず、プリンタ部203による印刷実行中のこのジョブの印刷動作を中断させる。そして、この実行中のジョブの印刷動作が印刷システム1000にて中断された直後に、制御部205は、このジョブの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。尚、この確認プリント動作では、この実行中のジョブの確認用の印刷物が印刷システム1000により作成される。また、この確認プリント動作を行う場合、制御部205は、この印刷動作が中断されたジョブの印刷データをHDD209から読み出して、印刷装置100により印刷処理を実行させる。制御部205は、この確認プリントによる印刷処理の完了後、オペレータに確認プリントが完了したことを通知するよう制御する。そして、この確認プリント動作を完遂させた直後に、制御部205は、印刷中断状態のこのジョブの印刷動作を自動的に再開(継続)させるように、印刷システム1000を制御する。
尚、確認プリント動作の実行要求に応じて中断される印刷動作に相当し、且つこの確認プリント動作の終了に応じて自動的に印刷システム1000で再開される印刷動作の事を、この確認プリント動作が実行されたジョブの本番用の印刷動作と称す。或いは、確認プリント要求がなされたジョブの印刷動作と称す。また、この確認プリントの対象となるジョブの印刷動作で作成対象となる印刷物の事を、確認プリント動作の対象のジョブの本番用印刷物と称す。或いは、確認プリント要求がなされたジョブの印刷物と称す。これに対して、確認プリント動作により作成対象となる印刷物の事は、確認プリント要求がなされたジョブの確認用印刷物と称す。
この具体例では、オペレータの設定と本番用印刷物の設定に基づいて、第1タイプの確認プリント動作と第2タイプの確認プリント動作を選択的且つ自動的に実行するか又は手動で実行するかを、選択可能に制御部205が制御する構成を説明する。
またこの具体例では、オペレータにより確認プリント要求がなされないジョブの確認プリントを、操作部204で指定された前述の条件の1例に包含される条件に基づき印刷システム1000で自動的に実行させるよう、制御部205が制御する構成を説明する。
この第1タイプの確認プリント動作は、確認プリント要求がなされたジョブの本番用の印刷動作で利用する印刷データの全頁分の印刷データを、1回分(即ち、1セット分)印刷システム1000で印刷させる動作である。
一方、この第2タイプの確認プリント動作は、確認プリント要求がなされたジョブの印刷データの1頁分の印刷のみを印刷システム1000で実行させる動作である。尚、この第2タイプの確認プリント動作では、確認プリント要求がオペレータにより操作部204を介して入力された時点において、そのとき印刷を行っている頁を印刷させるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
例えば、100ページ分の文書データからなるジョブの印刷動作を印刷システム1000に開始させているとする。そして、現在、25ページ目の印刷をプリンタ部203により実行させているタイミングで、このジョブの確認プリント要求が操作部204を介してオペレータから入力されたとする。且つ、その際、1ページ分のみの確認プリント要求がなされたとする。この場合、制御部205は、その確認プリント要求がなされた時点で印刷中の頁に該当する25頁目の印刷データのみの印刷を、確認プリント動作として実行させるように印刷システム1000を制御する。尚、本実施形態にて、印刷システム1000は、プリンタ部203に対して、頁単位で給紙コマンドを発行するように構成されている。そこで、この第2タイプの確認プリント動作では、確認プリント要求が入力された際に給紙コマンドが発行されている頁と同じ頁を印刷するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。このように本実施形態では、確認プリント要求が入力された時点で印刷中の頁と同じ頁のみを印刷させる第2タイプの確認プリント動作を、印刷システム1000にて実行可能に制御部205が制御する。
また、自動実行で行われる第2タイプの確認プリント動作では、現在実行中の印刷ジョブの実行途中結果が確認プリントの自動実行条件と合致した時点において、そのとき印刷中の頁を印刷させるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
例えば、10000ページ分の文書データからなるジョブの印刷動作を印刷システム1000に開始させているとする。このとき、確認プリントの自動実行条件として、500枚ごとに、その時点で印刷中のページについて確認プリントを実行するとする。そして10分間印刷を行った時点で、このジョブの累計印刷枚数が500枚に達したとする。この場合、制御部205は、印刷中の500ページ目と同じページの印刷データのみの印刷を確認プリント動作として実行させるように印刷システム1000を制御する。尚、本実施形態にて、印刷システム1000は、プリンタ部203に対して、頁単位で給紙コマンドを発行するように構成されている。そこで、この第2タイプの確認プリント動作では、確認プリント要求が入力された際に給紙コマンドが発行されている頁と同じ頁を印刷するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。このように本実施形態では、確認プリント要求が入力された時点で印刷中の頁と同じ頁のみを印刷させる第2タイプの確認プリント動作を、印刷システム1000にて実行可能に制御部205が制御する。
また、例えば100ページ分の文書データを100部印刷するジョブの印刷動作を、印刷システム1000に開始させているとする。このとき、確認プリントの自動実行条件として、10分毎にその時点で印刷中のページを含む1部について確認プリントを実行するとする。そして680枚印刷した時点で、このジョブの累計印刷時間が開始から10分に達したとする。この場合、制御部205は、印刷中の680ページを含む文書データの1ページからの印刷を確認プリント動作として実行させるように印刷システム1000を制御する。尚、本実施形態にて、印刷システム1000は、プリンタ部203に対して、頁単位で給紙コマンドを発行するように構成されている。第2タイプの確認プリント動作を行う場合、確認プリント要求が入力された際に給紙コマンドが発行されている頁に相当する印刷データを1ページ分だけ印刷するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。このように本実施形態では、確認プリント要求が入力された時点で印刷中の頁を含む印刷データを印刷させる第2タイプの確認プリント動作を、印刷システム1000にて実行可能に制御部205が制御する。
なお、確認プリントによる印刷処理の実行後、制御部205は、確認プリントを実行したことをオペレータに通知する制御を行う。この具体例では、以下の3種類の通知の全てを行う構成を説明するが、これに限定されるものでもない。たとえば、以下の何れか1つ又は2つの通知のみを実行するものでも良い。また、以下に例示する通知処理は、前述したように、第1のモード、第2のモードの何れのモードにおいても共通に適用される構成としても良いが、これ以外でも良い。たとえば、前述した第1のモード(自動モード)の場合においてのみ以下に例示する通知処理を実行し、第2のモード(手動モード)の場合には以下の通知処理を実行しないよう制御部205により制御する。このように構成することで、必要以上の処理を簡略化することができ、前述した確認プリント機能に関する効果が更に一層向上可能となる。
(1) 印刷装置での表示による通知
制御部205は、確認プリントを実行後、印刷システム1000が備える操作部204に、確認プリントを実行したことを表示する。また制御部205は、印刷システム1000が備えるランプの点灯による表示や、ブザーの鳴動による通知と組合せて、確認プリントの実行をオペレータに通知するよう制御する。係る制御により、オペレータは確認プリントの実行を検知し、確認プリントの実行により印刷された確認用の印刷物の結果を確認する。
(2) 電子メールによる通知
また制御部205は、オペレータに確認プリントを実行したことを表記した電子メールを、あらかじめ登録しておいた任意の電子メールアドレスに対して送信することで、確認プリントの実行を通知するよう制御する。制御部205は電子メールに確認プリントの対象となるジョブの情報と、ジョブの確認プリント実行時の状態、確認プリントを実行した条件、実行結果、を記載するよう制御する。これにより、オペレータが印刷システム1000から離れた環境下で、かつ印刷システム1000に依存しない電子メール受信可能な環境で、確認プリントの実行を検知することが可能となる。
(3) リモート端末への通知
制御部205は、印刷システム1000とネットワークを介してリモート接続されるWebブラウザやクライアントソフトなどの端末に、確認プリントが実行されたことを表示するよう制御する。このとき、制御部205は、確認プリントの対象となるジョブの情報と、ジョブの確認プリント実行時の状態、確認プリントを実行した条件、実行結果、が表示されるよう制御する。
なお、これらの通知は、オペレータからの指示に基づいて選択的に行われる。ただし、これら(1)〜(3)の通知を、確認プリント実行時に同時に実行するように制御部205が制御する構成でも良い。
なお、制御部205は、確認プリントを実行したことをオペレータに通知するのに並行して、中断していた本番用の印刷物の印刷処理を再開させる。
また、確認プリント動作により作成された確認用の印刷物は、印刷システム1000のオペレータにより、目視で確認される。そしてこの具体例では、この確認用の印刷物の出力結果を確認したオペレータからの要求に応答し、少なくとも以下に示す3つの処理を印刷システム1000にて選択的に実行可能に制御部205により制御する。
[1.確認プリントにより出力された確認用の印刷物の結果を見たオペレータからの要求に応じて、制御部205が印刷システム1000に実行させる処理の1例(その1)]
例えば、確認プリント動作対象のジョブの確認用印刷物を目視した結果、所望とする出力体裁ではないとオペレータが判断したとする。この場合、この確認プリント動作の実行直後に、自動的に印刷システム1000にて再開されているそのジョブの本番用の印刷動作を、制御部205は、このオペレータからの要求に基いて中止(キャンセル)するように、印刷システム1000を制御する。これにより、そのジョブの処理自体を強制終了させる。なお、制御部205は、このオペレータからの要求を、後述する図10Eの画面2400Fのキー2401Fを介して受付ける。
[2.確認プリントにより出力された確認用の印刷物の結果を見たオペレータからの要求に応じて、制御部205が印刷システム1000に実行させる処理の1例(その2)〜確認プリントの対象の本番用の印刷ジョブ固有の印刷処理条件の変更を行う]
確認用の印刷物を目視した結果、所望とする出力体裁ではないとオペレータが判断したとする。この場合に、この確認プリント動作の実行直後に印刷システム1000にて自動的に再開されているそのジョブの本番用の印刷動作を、制御部205は、オペレータからの要求に応じて一時停止するように印刷システム1000を制御する。そして、その一時停止期間中に、制御部205は、そのジョブの出力体裁を変更する設定をオペレータから操作部204を介して受付ける。例えば、その本番用のジョブの印刷動作にて要する印刷媒体の種類に関する変更設定や、印刷時の濃度の設定変更等を受付ける。又、印刷部数の増減に関する設定変更や、ステイプル等の後処理に関する設定変更も、設定変更対象の1例として受付可能にする。このような、そのジョブ固有の印刷処理条件の設定変更をオペレータから受け付け可能に制御部205は操作部204を制御する。その後、オペレータからの要求に基いて、設定変更後の印刷処理条件でもって、その本番用の印刷物の作成及び出力を最初からやり直すように制御部205は印刷システム1000を制御する。このように、その確認プリント対象のジョブ固有の設定をオペレータにより変更可能にする。なお、制御部205は、このオペレータからの一時停止要求を、後述する図10Dの画面2400Dのキー2401Dを介して受付ける。また、制御部205は、このオペレータからの設定変更を、後述する図9Fの画面2300A、または図10Cの画面2400Cなどを介して受付ける。
[3.確認プリントにより出力された確認用の印刷物の結果を見たオペレータからの要求に応じて、制御部205が印刷システム1000に実行させる処理の1例(その3)]
このケースは、確認用の印刷物を目視した結果、そのジョブに限らず、その他のジョブにも影響のある、印刷システム1000の機器固有の調整値の変更が必要とオペレータが判断した場合に適用されるケースである。例えば、確認プリントの出力結果を確認した結果、印刷装置100を含む印刷システム1000の機器固有の調整値(パラメータ)を修正する必要があるとオペレータが判断した場合等が、これに該当する。尚、この機器固有のパラメータとは、例えば、プリンタ部203の定着部の温度や、印刷媒体の搬送スピード等、印刷システム1000の印刷プロセスに直接関係する機器固有のパラメータや、機器の基準値とすべき印刷濃度の値などである。本実施形態では、この機器固有のパラメータとして、少なくとも以下に示す4つの何れかのパラメータが、これに含まれる。
(1) 印刷媒体に対する印字位置のクリープ(ずれ)補正量の調整
(2) 自動階調補正
(3) 濃度補正
(4) 文字/背景のコントラスト調整
このような調整値が変更された場合、印刷装置100を含む印刷システム1000の出力対象となる印刷ジョブの印刷出力結果にも、この調整値の変更結果が反映されるように制御部205は印刷システム1000を制御する。つまり、これら機器固有の調整値(パラメータ)自体も、処理対象となるジョブの印刷処理に影響の有る条件値である。本実施形態では、このような機器固有の調整値(パラメータ)も、処理対象となる印刷ジョブに関する印刷処理条件の1例として包含される。
又、本実施形態では、上述したような調整値以外にも、印刷出力結果に変化を与える要素がある事を想定している。例えば、印刷装置100のスキャナ部201が具備するフィーダや、プリンタ部203のワイヤや、印刷媒体を搬送する為の各種ローラといった部材は、その利用頻度や利用期間に応じて汚れ等が生じえる。このような場合は、このような部材のクリーニングを行うことで、より高品位な出力結果が得られる。そこで、本実施形態では、確認プリントの実行後に、オペレータからの要求に基き、以下に示す3つのうちの少なくとも何れかの処置を印刷システム1000で実行できるように制御部205が印刷システム1000を制御する。
(1) フィーダのクリーニング
(2) ワイヤのクリーニング
(3) ローラのクリーニング
このような各種部材のクリーニングを、印刷システム1000の各種関係ユニットにより実行させたとする。この場合も、印刷装置100を含む印刷システム1000の出力対象となる印刷ジョブの印刷出力結果に変化が生じる。このような印刷システム1000が具備する部材のクリーニング処理も、処理対象となるジョブの印刷処理に影響の有る処理である。故に、印刷システム1000が具備する部材のクリーニング処理を実行することも、処理対象となる印刷ジョブに関する印刷処理条件を変更することの1例として包含される。
そして、制御部205は、上述したような印刷システム1000の機器固有の処理条件(パラメータ)の変更を、上述した確認プリント動作の実行後に、オペレータ操作に応じて、印刷システム1000に実行させる。その後、制御部205は、この変更済の機器固有のパラメータに従った印刷プロセスでもって、この確認プリントが実行されたジョブを処理できるように印刷システム1000を制御する。尚且つ、このジョブのみならず、他の印刷待ち行列のジョブ等、このジョブ以外のジョブについても、変更済の機器固有のパラメータに従った印刷プロセスでもって処理するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
このように、確認プリント実行後に複数のジョブの印刷処理条件に影響のある機器固有の処理条件をオペレータ要求に基づいて変更し、これら複数のジョブを印刷システム1000で連続的に処理できるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
例えば、制御部205が、この確認プリント動作を印刷システム1000で実行させたとする。この場合、制御部205は「この確認プリント動作対象のジョブの印刷動作に関係し、且つこのジョブとは異なる他のジョブの印刷動作にも関係する印刷処理条件」を、操作部204を介して受付けたオペレータからの指示に従って変更できるように制御する。なお、制御部205は、後述する図10Cの画面2400Cなどを介して確認プリント実行後の設定変更をオペレータから受付ける。
次に、この確認プリントに係る構成について更に説明する。
例えば、まず、制御部205が、図5の表示を操作部204に実行させたとする。なお、この表示処理は後述する図16のステップS101の処理に相当する。
この図5の表示において、制御部205は、ユーザモードキー505が押下されることで、図11Aで示されるような画面を表示するよう操作部204を制御する。この図11Aに示した画面で、確認プリントの設定の為のキー1401が指示された場合、制御部205は操作部204に図11Bに示す「確認プリントの初期設定を入力可能な画面」を表示するよう制御する。図11Bにおいて領域1501内の印刷枚数は、自動確認プリントを選択可能にするジョブの設定印刷枚数を示す。この処理は図16のステップS102、S103に相当する。
ここで設定された印刷枚数を閾値とする。即ち、印刷ジョブの印刷枚数が閾値以上になる場合、制御部205は、印刷ジョブの印刷条件設定画面において、自動確認プリントの実行条件を設定可能となるよう制御する。この処理は、図16のステップS105に相当する。
例えばここで、オペレータが自動確認プリントを選択可能にするジョブの設定印刷枚数として、5000枚以上に設定したとする。この後、制御部205は、以降に印刷設定されるジョブの設定印刷枚数が5000枚を超えるよう設定されている場合に限り、図12に示されるジョブの自動確認プリント実行の選択画面が表示するよう制御する。
そして、この図5の表示を介して、制御部205が、処理対象のジョブの一連の印刷条件をオペレータから受付けたとする。なお、この印刷条件を受付ける処理は後述する図16のステップS104の処理に相当する。また、ここでは、このジョブをジョブXと称す。また、このジョブXは、合計10頁からなる一連の原稿をスキャナ部201で読取り、この読み取った原稿の印刷データを、HDD209を介してプリンタ部203で印刷させるジョブとする。
また、この図5の表示を介して、このジョブXの印刷条件として以下に例示の各処理条件がオペレータにより設定されたとする。
(1) 印刷に要する印刷媒体の設定として「用紙サイズがA4サイズで、且つ用紙の種類が普通紙」
(2) 印刷倍率は100%
(3) フィニシングの設定としてステイプル処理
(4) トータルの印刷部数として「100部」
以上の(1)〜(4)の各種処理条件のパラメータが、図5の表示を実行させた操作部204を介してオペレータにより設定されたとする。この場合、制御部205は、このオペレータの設定内容を反映するように操作部204を制御する。例えば、操作部204のタッチパネル部401の表示内容を、図5に示す表示内容から、図9Aに示す表示内容に更新させるように、タッチパネル部401を制御する。
そして、ジョブXの印刷枚数が、図11Bに示す画面で設定された「自動確認プリントの設定可能である条件」に合致する場合、制御部205は、このジョブXのための確認プリントの自動実行条件の設定指示を受付けることを許可する。このとき制御部205は、このジョブXのための確認プリントの自動実行条件をオペレータが入力するために使用するキーとして、図9Bに示す画面のように、「確認プリント」キー2310を有効表示させる。この「確認プリント」キー2310が指示された場合、制御部205は、図12に示す表示をタッチパネル部401に実行させる。そして、制御部205は、この図12に示す画面を介して、ジョブXの為の確認プリントの自動実行条件の設定をオペレータから受付ける。
例えば、オペレータが図12に示す画面における詳細設定キー1603を指示した場合、制御部205は、図13Aに示す画面をタッチパネル部401に表示させる。オペレータはタッチパネル部401において設定キー1701を指示して、既定の確認プリントを自動実行する枚数の間隔を選択する。このキーを指示して枚数を選択する場合、制御部205は、ジョブ開始からの累計印刷枚数が、設定された枚数間隔になるたびに、確認プリントを自動的に実行するよう制御する。
また、オペレータはタッチパネル部401で、設定キー1702を指示して、既定の確認プリントを自動実行する時間の間隔を選択する。このキーを指示して時間を選択する場合、制御部205は、ジョブ開始からの累計印刷実行時間が、設定された時間間隔になるたびに、確認プリントを自動実行するよう制御する。
ここで制御部205は、既定の自動実行条件をタッチパネル部401に表示し、その中から選択させているが、その他の構成でもよい。例えば、制御部205は、図12において、詳細設定キー1603が指示された場合、自動実行条件として印刷枚数間隔、印刷実行時間の何れを条件とするかを選択させる画面を、タッチパネル部401に表示する。オペレータがどちらかを選択すると、制御部205は次に任意の間隔を入力させるような画面をタッチパネル部401に表示する制御を行う。
図13Aに示す画面においてキー1704が指示された場合、制御部205はタッチパネル部401に図13Bに示す画面を表示する。ここで制御部205は、自動確認プリント実行時の設定を受付ける。例えば、オペレータが図13Bに示すキー1705を指示すると、制御部205は自動確認プリントの実行時に、第1タイプの確認プリントを実行するよう制御を行う。また図13Bに示すキー1706を指示すると、制御部205は自動確認プリントの実行時に、第2タイプの確認プリントを実行するよう制御を行う。
次に、このジョブXの本番用の印刷動作を開始する場合について説明する。ここで、例えば、上述した図9Aに示す画面の表示をタッチパネル部401により実行させた状態において、オペレータがスタートキー503を押下したとする。これにより、制御部205は、ジョブXの印刷動作の実行要求(印刷実行要求)を、オペレータから操作部204を介して受付けたと判断する。なお、この印刷実行要求(印刷開始要求)を受付けたか否かの判断は、後述する図16のステップS108の処理に相当する。また、この印刷動作は、確認プリント動作の実行対象となるジョブXの本番用の印刷動作に相当する。また、このジョブXの本番用の印刷動作が開始されるタイミングは、図8に示すT0の時点に相当する。
このように、図9Aに示す画面をタッチパネル部401に表示させている状態でスタートキー503が押下されたとする。そして、このスタートキー503が押下された時点で、このジョブX以外に印刷実行要求が入力済の他のジョブがHDD209内に存在しないとする。この条件に合致する場合、制御部205は、このオペレータからのジョブXの印刷実行要求に応答し、ジョブXの一連の印刷動作を印刷システム1000により開始させる。そして、このジョブXの一連の印刷動作として、制御部205は、以下に示す複数の動作を実行するように、印刷システム1000を制御する。
まず、上述したように、スタートキー503を介してジョブXの印刷実行要求をオペレータから受付けたことに応じ、制御部205は、この10頁分の原稿からなるジョブXの原稿の読取動作をスキャナ部201に先頭頁から順次実行させる。そしてこの読取動作を印刷システム1000が開始すると同時、若しくはHDD209内の10頁分の原稿データを制御部205が展開すると同時に、このジョブXの進捗状況(処理状況)をオペレータに確認させる為の表示をタッチパネル部401に行わせる。制御部205は、ジョブXの印刷実行要求をオペレータから受付けたタイミングで画面2300Aをポップアップ表示するようにタッチパネル部401を制御する。なお、この画面2300Aをポップアップ表示する処理は、後述する図16のステップS109の処理に対応する。また、この画面2300Aは、印刷動作が開始されるジョブの処理状況等の進捗状況をリアルタイムにオペレータに通知出来るように構成されたジョブ処理状況画面である。尚、このジョブ処理状況の画面2300Aは、図16に示す「印刷状況画面」に相当する。
また制御部205は、ジョブXの印刷動作を完遂する為に必要な動作(例えばジョブXの読取動作、記憶動作、受信動作、記憶装置からの展開動作、印刷動作、フィニシング動作等)を実行させる各ユニットから、ジョブXに係るステータス情報を取得する。そして、制御部205は、この画面2300Aの表示内容がこのステータス情報を反映した表示内容となるように、タッチパネル部401を制御する。
尚、図9A〜図11Aや図14、図15に例示する画面一番下の表示欄2300は、オペレータに通知すべき優先度の高いステータス情報が存在する場合に、そのステータス情報を表示できるように構成されているステータス表示部である。例えば、図9Aに示す画面の段階では、ジョブXの実際の処理はまだ開始していない。この場合、図9Aに示すように、制御部205は、表示欄2300にはステータス情報を表示させないようにタッチパネル部401を制御する。一方、図9Dに示す画面の状態では、ジョブXの印刷動作中である。この場合、制御部205は、このジョブXの処理状況を示す情報を表示欄2300においても表示するように、タッチパネル部401を制御する。
尚、このジョブXがプリンタ部203により現在印刷実行中では無いとする。この場合、制御部205は、ジョブXの為の確認プリント要求をオペレータから受付ける事は禁止する。
例えば、図9Cに示す画面の段階では、ジョブXのHDD209への記憶動作自体は開始されたが、まだジョブXの印刷データのプリントは開始していない状況である。この場合、制御部205は、図9Cに示す画面の段階にてこのジョブXの為の確認プリント要求を受付ける事は禁止する。この場合、制御部205は、図9Cに示すように、キー2301Aをオペレータが指示出来ないように、キー2301Aを無効表示状態となるようタッチパネル部401を制御する。このように、制御部205は、印刷システム1000にて処理対象のジョブが現在プリント中のジョブには該当しない場合、このジョブの確認プリント要求をオペレータから受付ける事は禁止するように制御する。尚、このキー2301Aの表示を無効化する方法としては、図9Cに示すようにグレーアウト表示を行う構成でも良いし、網掛け表示や非表示等の他の無効化表示を行う構成でも良い。
図9Cにおいて読み込みが終了した段階で、ジョブXの合計印刷枚数が確定する。このとき、制御部205は予め、図11Bに示されるような自動確認プリント実行条件に合致するかの判定を行う。そして、合致する場合、操作部204に図12、図13A、図13Bに示されるような確認プリントの設定画面を表示するよう、制御する。
図12に示すキー1601が指示され、確認プリントの自動実行を行うと設定された場合、制御部205は、確認プリントの自動実行条件の設定を行う。また、詳細設定キー1603が指示された場合、制御部205は、続けて図13Aおよび図13Bで示される画面を表示するよう制御する。
図12に示すOKキー1605、もしくは図13Bに示すOKキー1708が指示された場合、制御部205は、画面を図9Cに示す表示に戻すように制御する。
図9Cに示す表示の段階からその後更に、ジョブXの進捗状況に変化が生じたとする。例えば、この10頁の原稿からなるジョブXの全頁をスキャナ部201からHDD209へ転送したとする。例えば、このジョブXのHDD209への記憶動作に関して、10ページ分全て完了したとする。そして、現在、HDD209からこのジョブXの印刷データを、このジョブXにて要するトータル100部数分の印刷完遂を目指して読み出し、印刷実行中であるとする。このような状況である事を特定する為の各種情報を、制御部205は、操作部204やスキャナ部201やHDD209やプリンタ部203から取得する。このように処理状況が変化した場合も、制御部205は、この取得した情報に基いた表示内容となるように、画面2300Aの表示内容を更新するようにタッチパネル部401を制御する。
例えば、制御部205は、このジョブXの進捗状況の変化に対応するように、このジョブXの処理状況を示す画面2300Aの表示内容が図9Dに示す表示内容となるように、タッチパネル部401を制御する。
図9Dに示す表示は、ジョブXの印刷データのHDD209への記憶動作は完了し、現在、ジョブXの印刷データの印刷動作を実行している事をオペレータに確認できるように構成された表示である。例えば、図9Dに示す画面では、「受付け番号0003のジョブ(この例では、ジョブX)はプリント中です」というメッセージを表示させている。また、図9Dに示す画面では、このジョブXは合計100部数分の印刷を要するジョブであり、そのうち現在4部目の印刷(4セット目の印刷)の10枚目を印刷中である事をオペレータに通知している。図9Dに示す表示の段階は、ジョブXの印刷実行中の段階に該当する。図9Dに示すように、制御部205は、画面2300Aの「確認プリント」のキー2301Aが有効表示状態となるようにタッチパネル部401を制御する。このように、印刷実行要求がなされた処理対象のジョブが現在印刷実行中のジョブに該当する場合、制御部205は、そのジョブの為の確認プリント要求をオペレータから受付ける事は許可するように(有効となるように)制御する。尚、この画面2300Aのポップアップ表示が消去された場合でも、オペレータにこのジョブの処理状況がわかるようにこのジョブのステータス情報を表示欄2300にも表示させるように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。
このように、制御部205は、印刷実行要求が行われたジョブの画面2300Aの表示内容を、そのジョブの印刷システム1000における処理状況に連動してリアルタイムに更新するように、タッチパネル部401を制御する。この1例として図9A〜図9Dに示した各表示を遷移させる制御例のように、制御部205は、ジョブXの印刷システム1000における進捗状況に応じて画面2300Aの表示内容を順次更新するように、タッチパネル部401を制御する。また、制御部205は、タッチパネル部401の下方部に設けた表示欄2300の表示内容も、この処理対象のジョブの処理状況に連動した表示内容となるようにタッチパネル部401を制御する。
また、制御部205は、印刷実行要求がなされた処理対象のジョブが印刷システム1000により印刷実行中か否かに基づいて、そのジョブの確認プリント要求の受付可否を決定する。例えば、ジョブXの印刷動作がプリンタ部203により実行中である事を条件に、制御部205は、図9Dに示すように、キー2301Aをオペレータが指示できるように操作部204を制御する。これにより、このキー2301Aを介してジョブXの確認プリント要求をオペレータから受付ける事を許可する。このように、印刷実行要求がなされた処理対象のジョブが現在印刷実行中のジョブに該当する場合、制御部205は、そのジョブの為の確認プリント要求をオペレータから受付ける事を許可するように(有効となるように)制御する。
また、制御部205は、印刷実行要求がなされた処理対象のジョブが印刷システム1000により印刷実行中であるか否かに基づいて、そのジョブの自動確認プリントの実行条件を判定する。例えば、図13Aに示す画面で設定されるような5分間隔での確認プリントの自動実行条件が設定されている場合、ジョブXの印刷動作がプリンタ部203により実行中であることを条件に、制御部205は実行条件の判定を行う。即ち、図10Aに示すプリントの一時停止キー2401Aを指示されることにより行われる印刷処理の一時停止中は、制御部205は、たとえ一時停止時間が5分以上続いたとしても、実行条件の判定処理は行わないし確認プリントも実行しない。このように、印刷実行要求がなされた処理対象のジョブが現在印刷実行中のジョブに該当する場合、制御部205は、そのジョブの為の確認プリントを自動的に実行するか否かを判定するよう制御する。
一方、このジョブXが現在印刷実行中でない場合、図9Cに示したように、制御部205は、キー2301Aをオペレータが指示することができないように無効表示状態にし、このジョブXの為に確認プリント要求をオペレータから受付ける事は禁止する。このように、印刷実行要求がなされた処理対象のジョブが現在印刷実行中のジョブには該当しない場合、制御部205は、そのジョブの為の確認プリント要求をオペレータから受付ける事は禁止するように(無効となるように)制御する。
次に、例えば、図9Dに示す表示をタッチパネル部401に実行させた状態にて、図9Dに示すジョブ処理状況の画面2300Aにて有効表示状態のキー2301Aがオペレータにより指示されたとする。この場合、制御部205は、このキー操作に応答し、図9Eに示す表示をタッチパネル部401に実行させる。なお、この処理は、後述する図16のステップS115でYESと判定し、ステップS116の処理へ進むケースに相当する。
この図9Eに示す画面2300Bは、確認プリント動作が実行されるべきジョブのために上述の第1タイプの確認プリント動作と第2タイプの確認プリント動作のどちらを実行させるかをオペレータが決定できるように構成された表示画面である。この画面2300Bは、図16に記す「確認プリントの種類の選択画面」に相当する。
この画面2300Bに具備される「全ページ」キー2301Bは、確認プリント動作の実行が許可対象のジョブのために第1タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる指示をオペレータが入力可能に構成された表示キーである。
また、画面2300Bに具備される「1枚(自動)」キー2302Bは、確認プリント動作の実行が許可されているジョブのために第2タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる指示をオペレータが入力可能に構成された表示キーである。
制御部205は、このキー2301B及びキー2302Bの選択は択一的な選択となるように制御する。また、オペレータが2301Bを選択した場合を除き、この画面2300Bのキー2302Bが選択状態となるように制御部205は制御する。そして、何れかの確認プリント動作がこれらのキーの何れかの選択により決定され、図9Eに示す「プリント開始」キー2304Bがオペレータにより指示された時点で、制御部205は、確認プリント動作の実行要求をオペレータから受付けたと判断する。一方、キー2304Bが指示されない場合、制御部205は、確認プリント動作の実行が許可されているジョブの為の確認プリント動作は開始しないよう制御している。
例えば、現在の状況として、図9Eに示す表示を操作部204に実行させた状態であり、且つキー2304Bがオペレータにより指示されていない状態であるとする。なお、この判断は、後述する図16のステップS117にてNOと判定したケースに対応する。そして、この状況の場合、制御部205は、ジョブXの確認プリント動作を開始させる事は禁止している。この状況の場合、制御部205は、このジョブXの本番用の印刷動作の完遂を目指して、印刷システム1000によるジョブXの本番用の印刷動作を引き続き継続して実行させるように、印刷システム1000を制御する。尚且つ、この状況をリアルタイムでオペレータに通知するように、ジョブXのジョブ処理状況画面の表示内容も印刷状況に連動して更新するようタッチパネル部401を制御する。
この点に関し、例えば、図9Dに示す表示の段階では、「10頁分の印刷データの100部数分の印刷を本番用の印刷動作にて要するジョブX」の4部目(4セット目)の印刷を実行中であった。その後、制御部205は、図9Eに示す表示を操作部204により実行させる。且つ、図9Eに示すキー2304Bがオペレータにより指示されていない事を確認している。この状況下の場合、制御部205は、確認プリント動作の対象として許可するジョブXの本番用の印刷動作を、印刷システム1000で継続させる。例えば、現在、制御部205は、ジョブXの4部目(4セット目)の印刷をプリンタ部203により実行させている最中であるとする。この場合、制御部205は、「受付け番号0001のジョブXが現在プリント中であり、且つ現在トータル100部(100セット)のうちの4部目(4セット目)を印刷中である」事をオペレータに通知する為に、タッチパネル部401を制御する。この1例として制御部205は、画面2300Bを表示させたままの状態であっても、図9Eに示すように、ジョブXの処理状況として、「0001 コピー プリント中です(4/100)」というメッセージを表示欄2300に表示するよう、制御している。
その後、この図9Eに示す画面2300Bにおける「全ページ」キー2301Bがオペレータにより指示されたうえで、「プリント開始」キー2304Bがオペレータにより指示されたとする。すると、このキー操作に応答し、制御部205は、第1タイプの確認プリント動作の実行要求がオペレータにより入力されたと判断する。なお、この判断は、後述する図16のステップS117においてYESと判定したケースに対応する。そして、この要求が入力されたことを受けて、制御部205は、印刷システム1000が現在実行中のジョブに該当するジョブXの本番用の印刷動作を停止(中断)させるように、印刷システム1000を制御する。そして、制御部205は、このジョブXの本番用の印刷動作を中断させた直後に、このジョブXの確認プリント動作として、第2タイプの確認プリント動作は実行させずに、第1タイプのプリント動作を開始させるように印刷システム1000を制御する。
一方、図9Eに示す画面2300Bにおける「1枚(自動)」キー2302Bがオペレータにより指示されたうえで、「プリント開始」キー2304Bがオペレータにより指示されたとする。この場合、このキー操作に応答し、制御部205は、第2タイプの確認プリント動作の実行要求がオペレータにより入力されたと判断する。この場合、制御部205は、印刷システム1000が現在実行中のジョブに該当するジョブXの本番用の印刷動作を停止(中断)させる。そして、その直後に、このジョブXの確認プリント動作として、第1タイプの確認プリント動作は実行させずに、第2タイプのプリント動作を開始させるように、印刷システム1000を制御する。
また、上述したように、本番用の印刷動作の代わりに、印刷システム1000にて開始させる「第1タイプの確認プリント動作」では、その本番用の印刷動作における1セット分の印刷にて印刷対象となる全ページの印刷データが全て1回分印刷される。例えば、この例の場合、制御部205は、ジョブXの第1タイプの確認プリント動作として、ジョブXの10頁分の印刷データを全頁1回分印刷するように、印刷システム1000を制御する。
一方、上述したように、本番用の印刷動作の代わりに、印刷システム1000に開始させる「第2タイプの確認プリント動作」では、その本番用の印刷動作における1セット分の印刷にて印刷対象となる全ページのうちの特定頁のみが1枚印刷される。本実施形態では上述したように、確認プリント要求が入力された時点で丁度印刷中の頁に該当する頁を印刷させるように制御している。例えば、オペレータにより、画面2300Bにおける「1枚(自動)」キー2302Bが指示されたうえで、「プリント開始」キー2304Bが指示されたとする。このキー2304Bに対する指示が入力されたタイミングで、ジョブXの4セット目の印刷動作としてジョブXの7頁目の印刷を開始するように、プリンタ部203に制御部205が指示した段階であったとする。このように、HDD209からジョブXの7頁目の印刷データを読出させ、その7頁目の印刷で用いられる1枚の印刷媒体を給紙部から給送させる為の給紙コマンドをプリンタ部203に発行した段階であるとする。この場合、制御部205は、このジョブXの本番用の印刷動作を中断させた直後に、第2タイプの確認プリント動作として、ジョブXの7頁目の印刷データのみに基づいた印刷を1枚の印刷媒体に対して行うように、印刷システム1000を制御する。このように、キー2302Bとキー2304Bとが指示された場合、制御部205は、その時点でそのジョブの本番用の印刷動作の何頁目の印刷を行おうとしているのかを確認する。そして、その確認した頁のみを確認プリント動作にて印刷させるように制御する。このように、第2タイプの確認プリント動作にて印刷されるページは、オペレータが確認プリント要求を入力したタイミングに基づいて自動的に決定され、そのページが1枚の印刷媒体に印刷される。
尚、図9Eに示す「キャンセル」キー2303Bがオペレータにより指示されたとする。この場合、このキー操作に応答し、制御部205は、確認プリント動作の実行を許可するジョブの為の確認プリントに関する設定をキャンセルする。そして、この場合、画面2300Bのポップアップ表示は終了し、このジョブの進捗状況を示す画面2300Aを再度、タッチパネル部401に表示するように、制御部205は操作部204を制御する。例えば、このケースではジョブXの画面2300Aが再度表示される。
又、本実施形態では、第2タイプの確認プリント動作にて、制御部205自身の判断で、自動的に確認プリント対象とする印刷頁を特定し、その特定頁の印刷のみを1枚の印刷媒体に実行するように、制御部205が制御する構成を説明した。しかし、これ以外の構成でも良い。例えば、キー2302Bがオペレータにより指示された後に、確認プリントの実行を許可するジョブの印刷データのうちの任意の頁を、オペレータ自身が1ページ分特定する。そして、オペレータによる任意の頁が選択され、キー2304Bが指示された事に応答し、制御部205は、オペレータにより指定された任意の頁の印刷データに基づいた印刷を1枚の印刷媒体に対して行い、出力させるように制御する。このような構成でも良い。但し、この構成でも、このような確認プリント要求は、そのジョブが現在印刷動作中のジョブである事を条件とする。
以上説明したように、オペレータが図9Eに示す画面2300Bにて、確認プリントの種類を選択すべく、キー2301B及びキー2302Bの何れかを指示し、更に、確認プリント要求を入力すべく、キー2304Bが指示されたとする。これにより制御部205は、確認プリント要求がオペレータによりなされたと判断する。なお、この処理は、後述する図16のステップS117においてYESと判定したケースに対応する。そして、これを受け、制御部205は、ジョブXの本番用の印刷動作を自動的に中断(停止)させるように印刷システム1000を制御する。なお、この処理は、後述する図16のステップS121の処理に対応する。そして、制御部205は、このジョブXの本番用の印刷動作を中断させたうえで、このジョブXの確認プリントとして、画面2300Bでオペレータにより選択された種類の確認プリント動作を、印刷システム1000にて自動的に開始させるように制御する。なお、この処理は、後述する図16のステップS122の処理に対応する。そしてその後、ジョブXの為の確認プリント動作が印刷システム1000にて完了(終了)したとする。すると、制御部205は、このジョブXの確認プリント動作が終了した事に応じて、このジョブXの本番用の印刷動作を自動的に再開(継続)させるように、印刷システム1000を制御する。なお、これらの処理は、後述する図16のステップS123〜ステップS125までの処理に対応する。
またこのように、確認プリント動作が実行されたジョブの本番用の印刷動作を印刷システム1000で再開させるとする。この場合、制御部205は、この確認プリント動作の実行要求がオペレータにより入力される直前迄に既に処理済の印刷分については、この再開動作の際には印刷しないように、印刷システム1000を制御する。そして、確認プリント動作が終了した事に応じて自動的に再開させるこの本番用の印刷動作では、確認プリント動作の実行前にそのジョブにて未処理部分(残り部分)の印刷動作のみを実行するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
例えば、上記確認プリント動作の対象であるジョブXは、本番用の印刷動作として、「10頁からなる一連の印刷データをトータルで100部数分(100セット分)印刷する必要があるジョブ」である。且つ、上述した例では、このジョブXの為の確認プリント動作の実行要求が図9Eに示すキー2304Bを用いてオペレータから入力される直前迄に、既にジョブXの本番用の印刷動作として4部目(4セット目)の7頁目の印刷までを実行済の状況である。この場合、制御部205は、確認プリント動作が終了した事に応じて自動的に再開させるジョブXの本番用の印刷動作としては、以下の動作を順次実行するように、印刷システム1000を制御する。
(1) 4部目(4セット目)の印刷を完了させるべく、ジョブXの8〜10頁目までの印刷データを、3枚の印刷用紙を用いて、1ページずつ印刷させる。
(2) 5セット目の印刷から、最終部数に該当する100セット目の印刷までを、完了させる。
即ち、ジョブXの確認プリント動作直後に自動的に再開させるジョブXの印刷動作では、[4セット目の残り印刷枚数3枚]と、[5セット目〜100セット目の印刷分に該当する(10枚×95セット)]との合計に相当する、953枚分の印刷を実行させる。
このように、本実施形態にてこの確認プリント動作が行われる場合、制御部205は、以下に示す動作を順次、自動的に実行させるように印刷システム1000を制御する。
[動作1] まず、制御部205は、スタートキー503を用いたオペレータからの印刷実行要求の入力に応答して、または確認プリントの自動実行条件に合致した場合に、処理対象となるジョブの印刷動作を印刷システム1000に開始させる。この印刷動作は、確認プリント動作の対象となるジョブの本番用の印刷動作に相当する。この印刷動作の開始のタイミングは、図8に示すT0の時点に相当する。また、この[動作1]は、図8に示すT0の時点からTXの時点直前までの期間中に印刷システム1000にて実行される、図8に示す[工程1]の動作に相当する。
[動作2] 次に、制御部205は、キー2304Bを用いたオペレータからの確認プリント動作の実行要求の入力に応答して、またはジョブの印刷状況が確認プリントの自動実行条件に合致した場合、この本番用の印刷動作を中断させる。そして、この本番用の印刷動作の中断直後に、制御部205は、そのジョブの確認プリント動作を印刷システム1000により自動的に開始させる。この確認プリント動作では、この印刷動作が中断されたジョブの印刷データを用いた印刷処理が実行される。
また、このキー2304Bに対する指示に先立ち、画面2300Bにおけるキー2301Bがオペレータにより指示されていたとする。この場合、制御部205は、この確認プリント動作にて、上述の第1タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。一方、このキー2304Bに対する指示に先立ち、画面2300Bにおけるキー2302Bがオペレータにより指示されていたとする。この場合、制御部205は、この確認プリント動作にて、上述の第2タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。
オペレータからの確認プリント動作の実行要求の指示ではなく、確認プリントの自動実行条件に合致する場合、予め図13Bに示すキー1705がオペレータにより指示されているとする。この場合、制御部205は、この確認プリント動作にて上述の第1タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。また、予め図13Bに示すキー1706がオペレータにより指示されていると、制御部205は、この確認プリント動作にて上述の第2タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。
この確認プリントの開始タイミングは図8に示すTXの時点に相当する。また、この[動作2]における確認プリント動作が、図8に示すTXの時点からTYの時点直前までの期間中にて実行される図8に示す[工程2]の動作に相当する。
[動作3] 次に、制御部205は、この確認プリント動作の終了直後に、上述の印刷中断対象のジョブの本番用の印刷動作を印刷システム1000により自動的に再開(継続)させる。この印刷動作を再開するタイミングが図8に示すTYの時点に相当する。そして、この[動作3]は、図8に示すTYの時点から図8に示す最後の直前までの期間中にて実行される、図8に示す[工程3]の動作に相当する。
図8に示す制御シーケンスを参照しても分るように、この確認プリント機能を利用する場合、印刷システム1000の印刷動作が無駄に停止されることなく連続運転出来るように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
例えば、図8に示すT0の時点からTXの時点までの期間中において、図8に示す[工程1]のように、制御部205は、プリンタ部203による印刷動作を実行できるようにする。なおかつ、図8に示すTXの時点からTYの時点までの期間中においても、図8に示す[工程2]のように、制御部205は、プリンタ部203による印刷動作を停止させること無く持続(継続)できるように印刷システム1000を制御する。なおかつ、図8に示すTYの時点から図8に示す最後の時点までの期間中においても、図8に示す[工程3]のように、制御部205は、プリンタ部203による印刷動作を停止させることなく持続(継続)できるように印刷システム1000を制御する。
このように、印刷システム1000にて確認プリント機能に関する動作を実行させたとしても、印刷システム1000における印刷動作を無駄に止めずに連続動作できるように構成されている。
このような確認プリント機能に関する仕組みも、試しコピー機能とは異なる点である。
上述の如く制御部205は、プリンタ部203によるジョブXの本番用の印刷動作中にキー2304Bがオペレータから入力された事を受けるか、ジョブの印刷状況が確認プリントの自動実行条件に合致する場合、このジョブXの本番用の印刷動作を中断させる。そして、このジョブXの印刷動作を中断させた時点から、制御部205は、このジョブXの確認プリント動作を印刷システム1000に開始させる。そして、このジョブXの確認プリント動作が終了したことに応じて、制御部205は、この時点から、この印刷中断対象のジョブXの本番用の印刷動作を印刷装置100により再開させる(継続)させる。このようにジョブXの本番用の印刷動作が再び実行期間中になったら、制御部205は再度、このジョブXについての画面2300Aをタッチパネル部401に自動的に表示させる。
また、上述したように、キー2304Bが指示された場合、自動的に、画面2300Bのポップアップ表示は終了し、ジョブXについての画面2300Aを再度表示するように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。この1例として、制御部205は、ジョブXの本番用の印刷動作が再開された時点から図9Fに示す表示をタッチパネル部401に行わせる。
この図9Fに示す表示をタッチパネル部401に行わせている段階は、ジョブXの確認プリント動作も終了し、現在、ジョブXの印刷動作を再開させている段階に該当する。この段階は、図8に示す[工程3]の動作を印刷システム1000にて実行中の段階に該当する。
上述したように、ジョブXの確認プリント動作の終了に応じて、制御部205がジョブXの印刷動作を印刷システム1000により自動的に再開させたとする。そして、印刷システム1000にて再開させたジョブXの本番用の印刷動作の進捗状況として現在、ジョブXの59部目(59セット目)の10枚目を印刷実行中であるとする。この場合、制御部205は、図9Fに示す画面2300Aに示すように、受付番号0001のジョブに該当するジョブXの画面の表示内容も、この現在の印刷進捗状況に合致した表示内容となるようにタッチパネル部401を制御する。
ここで、制御部205は、タッチパネル部401に再表示させた図9Fに示す画面2300Aにおいても、上述した「確認プリント」のキー2301Aが有効表示状態となるように、タッチパネル部401を制御する。そして、この図9Fに示す画面2300Aにて有効表示状態のキー2301Aがオペレータにより指示されたとする。この場合、このキー操作に応答して、制御部205は、図9Eに示す確認プリントの種類の選択の画面2300Bを再度タッチパネル部401に表示させる。
そして、タッチパネル部401に再表示させた図9Eに示す画面2300Bを介してキー2304Bが再度指示されたとする。この場合、制御部205は、このキー2304Bに対する指示による2回目の確認プリント要求に応答し、以下の動作を順次実行するように印刷システム1000を制御する。
もしくは、ジョブXの印刷状況が進み、印刷枚数もしくは印刷実行時間が確認プリントの自動実行条件に再度合致したとする。この場合も同様に、制御部205は、確認プリントの自動実行条件に従い、以下の動作を順次実行するように印刷システム1000を制御する。
[動作A1] ジョブXの1回目の確認プリント動作の終了に応じて印刷システム1000により再開済みのこのジョブXの本番用の印刷動作を、制御部205は再度中断させる。
[動作A2] ジョブXの印刷動作が中断された直後に、制御部205は、このジョブXの2回目の確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。なお、この2回目の確認プリント動作でも、この印刷動作が中断されたジョブXの印刷データを用いた印刷処理が実行される。
また、キー2304Bに対する指示による2回目の確認プリント要求の入力に先立ち、画面2300Bにおけるキー2301Bがオペレータにより指示されていたとする。この場合、制御部205は、この2回目の確認プリント動作にて上述の第1タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。一方、キー2304Bに対する指示による2回目の確認プリント要求の入力に先立ち、画面2300Bにおけるキー2302Bがオペレータにより指示されていたとする。この場合、制御部205は、この2回目の確認プリント動作にて上述の第2タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。
キーによる確認プリント実行要求と同様に、自動確認プリント実行の場合も、予め図13Bに示すキー1705が指示されていれば、制御部205は第1タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。また、予め図13Bに示すキー1706が指示されていれば、第2タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させる。
[動作A3] ジョブXの為の2回目の確認プリント動作が終了した直後に、制御部205は、このジョブXの本番用の印刷動作を印刷システム1000にて再度自動的に再開(継続)させる。このように、確認プリント動作が2回行われたジョブXの2回目の印刷再開動作が行われる。
尚、この[動作A3]にて再開対象となるジョブXの本番用の印刷動作では、この[動作A2]の開始直前までに処理した分の印刷は実行させずに、[動作A2]の開始直前までの段階で未処理であった部分に相当する印刷動作を実行させる。例えば、図9Fに示す表示の直後にジョブXの為の2回目の確認プリント要求がキー2304Bを介して入力された、若しくはジョブXの印刷進捗状況が確認プリントの自動実行条件に合致したとする。この場合には、10頁からなる一連の印刷データをトータル100セット分印刷するジョブに該当するジョブXの59セット目の10枚目の印刷までは、既に処理済である。故にこの場合、制御部205は、この[動作A3]として、ジョブXの60セット目の印刷から100セット目の印刷までを実行させるように制御する。
このように、印刷が再開されたジョブの本番用の印刷動作が未完了であり、且つ現在実行中である事を条件に、制御部205は、そのジョブの為の確認プリント要求を再びオペレータから受付ける事を許可するように、操作部204を制御する。また制御部205は自動確認プリントの実行判定を再開するよう制御する。そして、この確認プリント要求が再度オペレータから要求されたか、そのジョブの印刷進捗状況が自動確認プリントの実行条件に合致したとする。この場合、制御部205は、この確認プリントが再度実行されたジョブに関して、上述の一連の処理(即ち、本番用の印刷動作の中断処理、このジョブの確認プリント、このジョブの本番用の印刷動作の再開)を再び印刷システム1000に実行させる。
以上のように、本番用の印刷動作が実行中であるならば、そのジョブの為の確認プリント要求を何回でも繰り返しオペレータから受付ける事を制御部205は許可する。そして制御部205は、確認プリント要求が入力される毎に何回でもそのジョブの確認プリント動作を実行可能に印刷システム1000を制御する。このように第2のモード(手動モード)でも、1つのジョブが完了するまでの期間中ならば、ユーザからの明示的な指示に応答して、そのジョブの印刷結果及び/又は処理条件、の変更に利用可能な確認プリントを繰り返し実行可能に制御部205により制御する。
なお、制御部205は、自動確認プリントの実行条件判定を行い、条件に合致する場合は何度でも確認プリントを実行するように、印刷システム1000を制御する。このように第1のモード(自動モード)でも、1つのジョブが完了するまでの期間中に前述の条件を満足するならば、ユーザからの明示的な指示無しにそのジョブの印刷結果及び/又は処理条件の変更に利用可能な確認プリントを繰り返し実行可能に制御する。
例えば、処理対象のジョブが5000枚もの大量枚数の印刷を要するジョブであるとする。また、自動確認プリントの実行条件を20分毎とする。この場合に、例えば、1000枚目の印刷を行った時点で、オペレータはそのジョブの為の1回目の確認プリントを実行する。次に1500枚印刷を行った時点で、印刷開始から20分経過したので、自動確認プリントの実行条件に従い、オペレータからの実行要求がなくても2回目の確認プリントを実行する。その後、2500枚目の印刷を行った時点で、オペレータはそのジョブの為の3回目の確認プリントを実行させる。続いて、3000枚印刷を行った時点で、印刷開始から40分経過したので、自動確認プリントの実行条件に従い、オペレータからの実行要求がなくても4回目の確認プリントを実行する。その後、更に、4000枚目の印刷を行った時点で、オペレータはそのジョブの為の5回目の確認プリントを実行させる。最後に、4500枚印刷を行った時点で、印刷開始から60分経過したので、自動確認プリントの実行条件に従い、オペレータからの実行要求がなくても6回目の確認プリントを実行する。
このように、同一ジョブでも、定期的に繰り返し確認プリント動作を実行できるように印刷システム1000を制御することができる。これにより例えば、大量の印刷を要するジョブの本番用の印刷動作で出力される印刷物の出力結果に問題がないか否かの確認を、印刷動作は継続させたままで抜き取りチェックのように、確認プリントの実行タイミングを忘れることなく定期的に行う事ができる。又、出力結果の濃度や印刷位置等の変化が、印刷を継続させている最中に生じていないか否かを、生産性を損なう事無く、定期的にオペレータがチェック可能となる。また、例えば、大量枚数の印刷を要するジョブの本番用の印刷物の出力結果に変化が生じれば、速やかに印刷条件を変更し、その印刷動作を継続させることができる。これにより、例えば、以下に示すような問題が発生することも未然に防止することができるという効果が得られる。
(1) 大量枚数の印刷を要するジョブの本番用の印刷動作を全て完了した後に、このジョブの大量の印刷結果をオペレータが全て検品した結果、印刷物の出力結果が途中から変化していることにその時点で初めて気づくといった問題。
(2) (1)の問題が発生した事に起因し、本番用の印刷動作が全て完了した後に最初からもう一度そのジョブの本番用の印刷動作をやり直すといった問題。且つ、この問題の発生が原因で、必要以上に資源を利用したり、必要以上に作業時間が要求されたり、といった資源の無駄使いや無駄な作業時間の発生の問題。
(3) 確認プリントによりジョブの印刷結果の確認を行うが、大量ジョブの出力中にオペレータが常に検品を行うために、このオペレータが印刷システムの側に常駐していなければならない問題。かつ、大量ジョブの出力中、オペレータは確認プリントを行うタイミングを意識していなければならないというような煩雑さの問題。
本実施形態では更に、確認プリント動作の実行直後にオペレータから受付を許可するオペレータ要求として、例えば以下に示す要求(1)〜(4)の少なくとも何れかを含む複数種類の要求を選択的に受付可能に制御部205が印刷システム1000を制御する。
[確認プリント実行直後に制御部205が受付を許可するオペレータ要求(1)]
この要求(1)は、確認プリント動作が実行された後に本番用の印刷動作が再開されたジョブの本番用の印刷動作を一時停止させるオペレータ要求である。
制御部205は、確認プリントが済んだジョブの本番用の印刷動作が印刷システム1000にて再開している期間中に、この要求(1)を操作部204を介してオペレータから受け付け可能にする。そして、この要求(1)を受付けた場合、制御部205は、その本番用の印刷動作を一時停止するよう、印刷システム1000を制御する。このケースの場合、このジョブの一時停止期間中に、そのジョブの出力結果、及び他の印刷待ちの後続ジョブの印刷結果に影響のある機器固有の処理条件をオペレータが変更できるように、制御部205は操作部204を制御する。そして、この処理条件の変更が済んだら、制御部205は、その変更後の処理条件でもって、そのジョブの本番用の印刷動作を再開するよう印刷システム1000を制御する。そして、そのジョブの印刷動作が完了したら、制御部205は、その変更後の処理条件でもって、HDD209に印刷データが記憶済の他の印刷待ち状態の後続ジョブの本番用の印刷動作を開始させるように、印刷システム1000を制御する。
このように制御部205は、1つのジョブの確認プリントが実行された後にこのジョブを含む複数のジョブの出力結果に影響がある処理パラメータに該当する、印刷システム1000固有の処理条件に関する印刷処理条件を変更(調整)できるようにする。ここで、「確認プリントが実行されたジョブを含む複数のジョブの出力結果に影響がある」とは、「複数のジョブに共通する」ということである。そして制御部205は、その変更後の処理条件で、これら複数のジョブの印刷動作を連続的に印刷システム1000により実行できるようにする。
この要求(1)に基いた制御に関する具体例を、上述したジョブXを用いて説明する。
例えば現在、ジョブXの本番用の印刷動作が再開され、この印刷動作が印刷システム1000にて実行している最中であるとする。そして、このようにジョブXの印刷動作が再開されている最中にて、上述した確認プリント動作により出力済のこのジョブXの確認用の印刷物の出力結果を目視で確認しているとする。そして、このジョブXの確認用の印刷物の出力結果を目視で確認した結果、オペレータが、印刷システム1000機器固有の処理条件を変更する必要があると判断したとする。
この状況の場合、図9Fに示すように、画面2300Aが表示されたままの状態であっても「システム状況/中止」キー2301が有効表示されるように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。
そして、この状況にて、このキー2301がオペレータにより指示されたとする。この場合、ジョブXの本番用の印刷動作は印刷システム1000で継続させたままの状態で、制御部205は、このキー2301の操作に応答して、図10Aに示す画面をタッチパネル部401に表示させる。
図10Aに示す画面2400Aには、以下に示す情報に基いた表示内容が表示されるように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。
(情報1) この情報1は、印刷システム1000のシステム構成情報である。この情報は、例えば、印刷装置100にどのようなシート処理装置がどのような順序で何台接続されているのかをオペレータに通知するための情報である。
(情報2) この情報2は、印刷中のジョブ、及び印刷待ち状態のジョブを含む、印刷対象のデータがHDD209に記憶されており且つプリンタ部203で印刷すべき各ジョブの情報である。例えば、受付け番号や、受付け時刻、ジョブ名(ジョブの種類)、ユーザ名、状況等の情報が、この情報2に含まれている。
これら(情報1)や(情報2)に基いて、制御部205は、図10Aに示すように、印刷システム1000の概観図を視覚的に表現したデバイス情報を画面2400Aに表示させるようにタッチパネル部401を制御する。
また、これら(情報1)や(情報2)に基いて、制御部205は、図10Aに示すように、画面2400Aの表示領域の上方箇所にジョブリストを表示させるようにタッチパネル部401を制御する。
このようにジョブリストの一覧表示を実行させる場合、制御部205は、HDD209に印刷データが記憶されたジョブであって、プリンタ部203による印刷動作を要する複数のジョブの情報をジョブ毎に区別してこのジョブリストに一覧表示させる。係る複数のジョブは、印刷中のジョブ、印刷待ち状態のジョブを含む。
尚、この画面2400A中のジョブリストに一覧表示させるジョブの順番は、オペレータから印刷実行要求を受付けた順番と同じ順番となるように制御部205は制御する。即ち、印刷システム1000による処理順番と同じ順序で各ジョブの情報をリスト表示させる。
又、この画面2400A中のジョブリストは、オペレータがタッチパネル部401に対して行う操作に応答し、このジョブリストに表示されている複数のジョブの中からオペレータが所望のジョブを選択出来るように構成されている。そして、この図10Aに示すジョブリストにおける複数のジョブの中から何れかのジョブの表示ラインをタッチすることで、オペレータによるジョブの選択がなされたと制御部205は判断する。
又、画面2400Aのジョブリストからオペレータが所望のジョブを選択した場合、選択されたジョブがどのジョブであるかを特定出来るようにする為に、選択対象のジョブの表示ラインを反転表示するよう、制御部205はタッチパネル部401を制御する。例えば、図10Aに示した表示状態は、オペレータによりジョブXが選択された後の状態を示している。
また、画面2400Aは更に、以下の表示構成要素が具備されるように構成されている。
プリントの一時停止のキー2401Aは、画面2400A中のジョブリストで選択されたジョブ(プリンタ部203による印刷動作を要し且つ現時点で印刷未完了のジョブ)の印刷動作を一時停止する指示をオペレータが入力可能にする為の表示キーである。
尚、印刷動作が一時的に停止されたジョブは、後でオペレータからの指示により、一時停止状態が解除され、印刷動作が再開できるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
又、本実施形態では、このキー2401Aによりプリントの一時停止指示がオペレータから入力された場合に、画面2400A中のジョブリストに表示されている全てのジョブの印刷動作の実行開始をロックすることができる。
但し、このジョブリストにおいて、オペレータにより選択されたジョブの印刷動作のみをロック(一時停止)するように制御しても良い。例えば、図10Aに示した表示状態にて、ジョブXが選択されたうえで、キー2401Aがオペレータにより指示されたとする。この場合、制御部205は、このジョブXの印刷動作のみを一時停止させ、かわりに、ジョブYやジョブZ等の印刷待ち状態の後続ジョブの印刷動作を印刷システム1000に実行させるように制御しても良い。
キー2401Aがオペレータにより指示されていない場合、制御部205は画面2400Aをタッチパネル部401に実行させた状態のままで、現在印刷動作を実行中のジョブ(この例ではジョブX)の印刷動作をプリンタ部203により継続させ続ける。
そしてこの状況でも、制御部205は、この印刷実行中のジョブの情報をリアルタイムにオペレータに通知すべく、表示欄2300の表示も随時、そのジョブの進捗状況に対応するよう更新させる。例えば、図9Dに示した表示の段階では、ジョブXは100セット分の印刷のうちの4セット目の印刷を実行中であった。しかし、図9Fに示した表示の段階では、ジョブXの進捗は進んでいる。
また、図10Aに示した画面2400A中のキー2401Aがオペレータにより指示されたとする。この場合、このキー2401Aが指示された事に応答し、制御部205は、図10Bに例示する画面2400Bをタッチパネル部401にポップアップ表示させる。
この画面2400Bは、プリント中のジョブのプリント動作を一時停止するか否かをオペレータが決定出来るように構成されたプリント一時停止確認画面である。
例えば、画面2400B中のキー2402Bがオペレータにより指示されたとする。この場合、制御部205は、現在プリント実行中のジョブXのプリント動作は停止させることなく、この画面2400Bの表示を終了させ、図10Aに示す表示に戻るようにタッチパネル部401を制御する。
一方、画面2400B中のキー2401Bがオペレータにより指示されたとする。この場合、制御部205は、プリント中のジョブXのプリント動作を停止させる。これにより、制御部205は、ジョブXのプリント動作を一時停止状態にする。
なお、上述したような方法で、プリンタ部203によるプリント動作が一時停止状態になったとする。そして、この状況下にて、操作部204のユーザモードキー505がオペレータにより指示されたとする。この場合、このキー操作に応答し、制御部205は、図10Cに例示する画面2400Cをタッチパネル部401に実行させる。
この画面2400Cは、プリンタ部203による印刷対象となる1つのジョブに限らず複数のジョブの各ジョブの印刷結果に共通して影響のある処理条件をオペレータからの指示に応じて変更できるようにする為の表示画面である。また、この画面2400Cは、印刷装置100を含む印刷システム1000が有する複数のユニットのクリーニングを印刷システム1000に実行させる際に利用される。
例えば、上述したジョブXの本番用の印刷動作が一時停止期間中に、オペレータが画面2400Cの「クリープ(ずれ)補正量の調整」キー2490を指示したとする。この場合、制御部205はこの操作に応答し、クリープ補正量調整画面(不図示)をタッチパネル部401に表示させる。
このクリープ補正量調整画面(不図示)は、印刷媒体(印刷用紙)に印刷する画像の印刷媒体上における印字位置をオペレータが微調整する指示を入力可能に構成された表示画面である。且つ、この画面(不図示)は、印字画像のずらし量(クリープ補正量)等をオペレータが明示的に入力出来るように構成された表示画面である。
また、このクリープ補正量調整画面(不図示)を介して、制御部205は、印刷媒体に対する画像の印字位置の補正量をオペレータから受付ける。本実施形態では、この補正量は、印刷システム1000固有の印刷処理条件に該当する。そして本実施形態では、この印刷処理条件は、プリンタ部203により印刷対象となる1つのジョブのみならず複数のジョブに共通するパラメータに該当する。
例えば、この「クリープ補正量」が上述のクリープ補正量調整画面(不図示)を介してオペレータにより変更されたとする。そしてその後、ジョブXの印刷動作の再開指示が入力されたとする。このように、ジョブXの印刷動作の一時停止状態が解除されてジョブXの印刷動作が再開された場合、制御部205は、以下に例示する処理を順次実行させる。
まず、制御部205は、ジョブXの印刷データの印字画像の印刷媒体に対する印字位置が、上述した変更後のクリープ補正値に従った印字位置となるように、印刷装置100による印刷処理を制御する。
その後、ジョブXに後続するジョブYの印刷動作においても、制御部205は、ジョブYの印刷データの印字画像の印刷媒体に対する印字位置が、上述の変更後のクリープ補正値に従った印字位置となるように、印刷装置100による印刷処理を制御する。
またその後、ジョブYに後続するジョブZの印刷動作においても、制御部205は、ジョブZの印刷データの印字画像の印刷媒体に対する印字位置が、上述の変更後のクリープ補正値に従った印字位置となるように、印刷装置100による印刷処理を制御する。
なお、画面2400Cを介してオペレータにより設定変更されたクリープ補正値に従ってジョブXの印刷動作を完了させると、その設定変更後の補正値に従ってジョブYの印刷動作を自動的に開始させるように、制御部205は印刷装置100を制御する。そして、このジョブYの印刷動作を完了させると、この設定変更後の補正値に従ってジョブZの印刷動作を自動的に開始させるように、制御部205は印刷装置100を制御する。このように、処理対象の複数のジョブを全て、オペレータにより設定変更後の補正値を反映した状態で順次自動的且つ連続的に処理するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
また、本実施形態の印刷システム1000は、確認プリント実行後にオペレータによる設定変更を許可する「複数のジョブの印刷動作に関係の有る印刷処理条件」として、上述したパラメータ以外にも複数対応できるように構成されている。
例えば、ジョブXの本番用の印刷動作が一時停止期間中に、オペレータが画面2400C中の「濃度補正」キー2491を指示したとする。この場合、制御部205は、この操作に応答し、濃度補正画面(不図示)をタッチパネル部401に表示させる。
この濃度補正画面(不図示)は、印刷媒体(印刷用紙)に印刷する画像の印刷濃度をオペレータが微調整する指示を入力可能に構成された表示画面である。また、この画面(不図示)は、印字画像の濃度等をオペレータが明示的に入力出来るように構成された表示画面である。
そして、この濃度補正画面(不図示)にて、既に実行済のジョブXの確認プリント動作時におけるジョブXの印刷データの印刷媒体に対する画像の印字濃度よりも濃くする濃度設定変更がオペレータによりなされたとする。その後、ジョブXの印刷動作の再開指示が入力されたとする。このように、ジョブXの印刷動作の一時停止状態が解除され、ジョブXの印刷動作が再開される場合、例えば、制御部205は、以下に例示するジョブ処理を順次実行させる。
まず制御部205は、ジョブXの印刷データの印字画像の印刷媒体に対する印字濃度が上述の変更後の濃度値(濃度補正値)に従った印字濃度となるように、印刷装置100による印刷処理を制御する。
その後、ジョブXに後続するジョブYの印刷動作においても、制御部205は、ジョブYの印刷データの印字画像の印刷媒体に対する印字濃度も、その変更後の濃度値に従った印字濃度となるように、印刷装置100による印刷処理を制御する。
その後、ジョブYに後続するジョブZの印刷動作においても、制御部205は、ジョブZの印刷データの印字画像の印刷媒体に対する印字濃度も、その変更後の濃度値に従った印字濃度となるように、印刷装置100による印刷処理を制御する。
このように、図10Cに示す画面2400Cを介して、オペレータにより印刷濃度が設定変更された場合も、制御部205は、先程と同様に複数のジョブを処理する。即ち、ジョブX、Y、Zを含む印刷対象となる複数のジョブを全て、オペレータにより設定変更後の印刷濃度に従って順次自動的且つ連続的に処理するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
また、上述した「クリープ補正値」や「濃度補正値」などの処理条件以外にも、複数のジョブの印刷動作にも関係する印刷処理条件が存在する。例えば、「自動階調補正に関する印刷処理条件」や「文字/背景のコントラスト調整に係る処理条件」等がこれに該当する。これらの変更も、「自動階調補正」キー2492や「文字/背景のコントラスト調整」キー2493等に対するオペレータ操作に応答してタッチパネル部401に表示される不図示の画面を介してオペレータが行えるように、制御部205が制御する。
又、本実施形態では更に、制御部205はこの画面2400Cを介して、以下に例示するクリーニング処理を印刷システム1000に実行させる為の指示をオペレータから受付けることができる。
(フィーダのクリーニング処理) この処理は、スキャナ部201に具備される自動原稿搬送装置(ADF)301の原稿搬送ユニットのクリーニング処理を実行する為の処理である。この処理を行う場合の具体例を以下に説明する。
例えば、ジョブXの本番用の印刷動作が一時停止中の期間中においてこの画面2400C中の「フィーダのクリーニング」キー2494がオペレータにより指示されたとする。この場合、制御部205は、このキー操作に応答し、フィーダのクリーニング処理をADF301に開始させる指示をオペレータが入力する為のフィーダクリーニング実行画面(不図示)を、タッチパネル部401に表示させる。
このフィーダクリーニング実行画面(不図示)は、「フィーダに白紙を10枚位セットして「開始」キーを押して下さい」等、オペレータに対するガイダンスメッセージを示すように構成された表示画面である。また、この画面(不図示)には、フィーダのクリーニング処理をADF301に実行させる為の「開始」キーが具備されている。
そして例えば、オペレータが、係るガイダンスメッセージに従い、汚れ除去用の白紙をADF301の原稿トレイにセットしたうえで、この開始キー(不図示)を指示したとする。この場合、このキー操作に応答し、制御部205は、この白紙原稿の給送動作をADF301に開始させる。この場合、ADF301では、原稿搬送ローラによりこの白紙が連続して搬送される。これにより、このADF301の原稿搬送ローラに付着した鉛筆の粉等の汚れが原稿搬送ローラから除去されてこの白紙へと付着する。このように汚れ除去用の白紙原稿を特定枚数連続して給送することで、原稿搬送ローラの汚れが除去される。
尚、本実施形態では、このようなフィーダのクリーニング処理を印刷システム1000に実行させるための処理も、印刷システム1000機器固有の印刷処理条件を変更する処理に含まれる。
また、このフィーダのクリーニング処理が行われた後に、制御部205は、ジョブXの印刷動作を再開させ、このジョブXおよび後続のジョブYやジョブZを含む複数のジョブを順次連続して処理できるように、印刷システム1000を制御する。
また、本実施形態にて制御部205は、以下に例示するクリーニング処理を印刷システム1000に実行させる為の指示を、この画面2400Cを介してオペレータから受付けることができる。
(ワイヤのクリーニング処理) この処理は、プリンタ部203内部に具備するワイヤユニット(不図示)のクリーニング処理を実行する為の処理である。この処理が行われる場合の具体例を以下に示す。
例えば、ジョブXの本番用の印刷動作が一時停止中期間中にて、画面2400C中の「ワイヤのクリーニング」キー2495がオペレータにより指示されたとする。この場合、制御部205は、このクリーニング処理をプリンタ部203に開始させる指示をオペレータが入力するためのワイヤクリーニング実行画面(不図示)をタッチパネル部401に表示させる。
このワイヤクリーニング実行画面(不図示)には、プリンタ部203内部のワイヤニットのクリーニング処理をプリンタ部203に実行させる為の「開始」キー(不図示)が具備される。
そして、オペレータがその開始キー(不図示)を押下したとする。これに応答し、制御部205は、プリンタ部203内部のワイヤユニット(不図示)のクリーニング処理をプリンタ部203に実行させる。
本実施形態では、この「プリンタ部203内部のワイヤユニット(不図示)のクリーニング処理を実行するための処理」も、印刷システム1000機器固有の印刷処理条件を変更する処理に含まれる。
また、プリンタ部203内部のワイヤユニットのクリーニング処理が行われた後、制御部205はジョブXの印刷動作を再開させ、ジョブX及び後続のジョブYやジョブZを含む複数のジョブを順次連続して処理できるように、印刷システム1000を制御する。
尚、上述したクリーニング処理の他にも、プリンタ部203の印刷用紙を搬送するための搬送ローラのクリーニング処理を実行する為の項目もある。例えば、画面2400C中に「ローラのクリーニング」キー(不図示)を設け、係るキーが指示された場合、制御部205は、プリンタ部203内部の搬送ローラのクリーニング処理をプリンタ部203に実行させる。なお、本実施形態では、このクリーニング処理を実行するための処理も、印刷システム1000機器固有の印刷処理条件を変更する処理に含まれる。また、プリンタ部203内部の搬送ローラのクリーニング処理が行われた後、制御部205は、ジョブXの印刷動作を再開させ、ジョブX及び後続のジョブYやジョブZを含む複数のジョブを順次連続して処理できるように、印刷システム1000を制御する。
なお、本実施形態では、例えば、ジョブXの印刷動作が一時停止期間中に、画面2400Cを介して受付けたオペレータからの指示により、上述したような印刷処理条件の変更が完了したとする。その後、「システム状況/中止」キー2301がオペレータにより指示されたとする。この場合、制御部205は、ジョブXの本番用の印刷動作の一時停止状態は維持したままで、図10Dに例示する画面2400Dをタッチパネル部401に実行させる。
図10Dに示すように、制御部205は、表示欄2300にはジョブXのプリント動作が一時停止中である旨を表示させた状態で、画面2400Dをタッチパネル部401にポップアップ表示させる。
この画面2400Dは、印刷システム1000における印刷動作の一時停止状態を解除し、印刷動作をプリンタ部203により再開させるか否かをオペレータが決定出来るように構成された表示画面である。
例えば、画面2400D中のキー2402Dがオペレータにより指示されたとする。この場合、制御部205は、現在のプリント動作の一時停止状態は維持したままで、プリンタ部203によるプリント動作も再開させずに、画面2400Dの表示を終了させる。そしてこの場合、例えば、画面2400Aを再度タッチパネル部401に表示させる。但し、この画面2400Aでは、ジョブXがプリント動作一時停止中である事をジョブリスト上で示すように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。
一方、画面2400D中のキー2401Dがオペレータにより指示されたとする。この場合、制御部205は、印刷システム1000における印刷動作の一時停止状態を解除し、プリンタ部203によるプリント動作を再開させる。これにより、制御部205は、ジョブXの本番用の印刷動作を印刷システム1000で再開させる。
もし、画面2400D中のキー2401Dに対するオペレータからの指示入力に先立ち、画面2400Cを介して、上述したように、ジョブXに限らず複数のジョブの印刷動作に共通して関係する印刷処理条件の変更がなされていたとする。この場合、制御部205はまず、キー2401Dに対するユーザからの指示に応答し、ジョブXの本番用の印刷動作を再開させる。この際、キー2401Dに対するユーザからの指示に先立って受付けた設定変更後の印刷処理条件、に従った印刷動作を実行させる。その後、このジョブXの印刷が全て完了した事に応じ、制御部205は、ジョブYの印刷動作を印刷システム1000にて実行させる。但し、このジョブYの印刷動作においても、制御部205は、その設定変更後の印刷処理条件に従った印刷動作を実行させる。その後、ジョブYの印刷が全て完了した事に応じ、制御部205は、ジョブZの印刷動作を印刷システム1000にて実行させる。但し、このジョブZの印刷動作においても、制御部205は、その設定変更後の印刷処理条件に従った印刷動作を実行させる。
尚、画面2400Cを用いて例示した設定変更の対象となる各種印刷処理条件は、全て、例示的なものである。
以上の説明のように、確認プリント動作により出力された確認用の印刷物の出力結果をオペレータが確認した後に、その確認プリントされたジョブだけでなく他のジョブの印刷動作にも関係のある印刷処理条件の変更を受付けることができる。そのうえで、この設定変更後の印刷処理条件に従って、複数のジョブを印刷システム1000にて印刷させることができる。
尚、本実施形態では、確認プリント動作が実行されたジョブ固有の印刷処理条件のみを変更する事も出来るように構成されている。
例えば図9Fを用いて説明したように、確認プリント実行後にジョブXの本番用の印刷動作が再開され、この印刷動作を印刷システム1000に実行させ続けている状態で制御部205は、画面2300Aを再度表示すべくタッチパネル部401を制御する。このように、本番用の印刷動作が印刷実行中であれば、繰り返し表示可能な画面2300Aにはプリント濃度を選択する為の表示キーが具備される。
ここで、例えば、ジョブXの本番用の印刷動作が再開され、この印刷動作が実行期間中に、再表示された図9Fに示す画面2300A中のプリント濃度調整の為のキー2301Dがオペレータにより指示されたとする。
このように、ジョブXの印刷動作の再開動作中にジョブXのための印刷濃度変更の要求が行われたとする。この場合、ジョブXの本番用の印刷動作を停止させることなく、このジョブXの一連の印刷工程の途中から印刷濃度を変更してこのジョブXの本番用の印刷動作を継続し続けるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。例えば、プリント濃度調整の為のキー2301Dが指示された直後に給紙部から給紙される印刷媒体にジョブXの画像を印刷する時点から制御部205は、変更後の印刷濃度でジョブXの印刷画像を印刷媒体に印刷するように印刷システム1000を制御する。
このように、制御部205は、画面2300Aを介して受付けた印刷濃度の変更指示に従い、ジョブXの本番用の印刷動作における一連の印刷工程の途中から印刷濃度を自動的に変更するよう制御する。
なお、ジョブXの本番用の印刷動作が終了したら、制御部205は自動的にジョブYの印刷動作をプリンタ部203に開始させる。但し、このケースの場合では、ジョブYの印刷動作は、そのジョブYの為にオペレータが設定した印刷濃度に基いた印刷処理を実行するように制御部205は印刷システム1000を制御する。
また、このジョブYの本番用の印刷動作が終了したら、制御部205は、自動的にジョブZの印刷動作をプリンタ部203に開始させる。但し、この場合でも、制御部205は、そのジョブZの印刷動作においてはそのジョブZの為にオペレータが設定した印刷濃度に基いた印刷処理を実行するように印刷システム1000を制御する。
以上説明したように、確認プリント動作が実行されたジョブには関係するが、そのジョブ以外のジョブには関係の無い、そのジョブ固有の印刷処理条件の変更も行うことができる。そして、そのジョブの印刷処理条件のみ設定変更して印刷動作を実行させ、後続ジョブの印刷動作ではこの設定変更によらずに各ジョブ固有の印刷条件で順次自動的に処理できるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
また、本実施形態の印刷システム1000は、この要求(1)以外にも、例えば以下の要求にも対処可能に構成されている。
[確認プリント実行直後に制御部205が受付けを許可するオペレータ要求(2)]
この要求(2)は、確認プリント動作が実行され、且つ本番用の印刷動作が再開されたジョブの本番用の印刷動作を中止(キャンセル)させるためのオペレータ要求である。
この要求(2)がなされた場合、制御部205は、その確認プリント動作の実行直後に本番用の印刷動作が開始されたジョブの本番用の印刷動作を直ちに中止させる。
この要求(2)の具体例を以下に説明する。
例えば現在、確認プリント動作が終了し、本番用の印刷動作が再開されたジョブXの本番用の印刷動作が印刷システム1000にて実行期間中であるとする。そして、この状況下において、画面2400A中のジョブリストで、ジョブXに相当する受付番号0001のジョブがオペレータにより選択されたとする。この場合、制御部205は、このジョブの情報を表示する表示ラインを反転表示させる。そして、このジョブXがこのジョブリストで選択されたうえで、画面2400A中の中止キー2403Aがオペレータにより指示されたとする。この場合、制御部205は、このキー操作に応答し、図10Eに示す画面2400Fをタッチパネル部401に実行させる。
中止キー2403Aが指示された場合、図10Eに示すように、制御部205は、表示欄2300にはジョブXがプリント実行中である旨を表示させた状態のままで、画面2400Fをタッチパネル部401にポップアップ表示させる。
この画面2400Fは、現在プリント実行中のジョブ(この例ではジョブX)のプリント動作をキャンセルするか否かをオペレータが決定出来るように構成された表示画面である。
例えば、画面2400F中のキー2402Fがオペレータにより指示されたとする。この場合、制御部205は、現在プリント動作を実行中のジョブXのプリント動作は維持した状態のままで、画面2400Fの表示を終了させる。そして、制御部205は、画面2400Aの表示を再度タッチパネル部401により実行させる。
一方、画面2400F中のキー2401Fがオペレータにより指示されたとする。この場合、制御部205は、現在プリント動作を実行中のジョブXの印刷動作を中止するよう印刷システム1000を制御する。例えばこの際、このジョブの中止処理として、制御部205は、以下に例示する処理の全てを実行するように印刷システム1000を制御する。
(中止処理1) まず、制御部205は、ジョブXの印刷動作をストップするように印刷装置100を制御する。
(中止処理2) 制御部205は、ジョブXの10ページ分の印刷データをHDD209から消去するよう印刷装置100を制御する。
(中止処理3) 制御部205は、画面2400A中のジョブリストからジョブXのジョブ情報を削除するように、タッチパネル部401を制御する。
このように、ジョブXの為の処理を中止する指示がキー2401Fを用いて入力された場合に、これら(中止処理1)〜(中止処理3)が含まれる中止処理(キャンセル処理)を行うように、制御部205は印刷システム1000を制御する。また、このキー2401Fがオペレータにより指示された場合、制御部205は更に、以下の制御も実行する。
(制御1) 上述したキャンセル処理をジョブXについて行った直後に、ジョブYの印刷動作を自動的にプリンタ部203により開始させるように、制御部205は印刷装置100を制御する。また、このジョブYの印刷動作が開始された事をジョブリストに反映表示させるべく、画面2400Aにおけるシステム構成情報の表示内容を更新するように制御部205はタッチパネル部401を制御する。
(制御2) その後、ジョブYの印刷動作が完了すると、ジョブZの印刷動作を自動的にプリンタ部203により開始させるように、制御部205は印刷装置100を制御する。また、ジョブYの印刷動作が完了し、ジョブZの印刷動作が開始された事をジョブリストに反映表示させるべく、画面2400Aの表示内容を更新するように制御部205はタッチパネル部401を制御する。
例えば、ジョブXの本番用の印刷動作が中止されたとする。この場合、例えば、あらためて、図5や図9Aに示した表示の段階に戻って、最初から、このジョブXの為の印刷条件を設定することもできる。そしてその後、この変更後の印刷処理条件に従った印刷動作を要するジョブとして改めてこのジョブXを投入し、印刷動作を行わせる事もできる。
但し、この場合、このあらためて投入しなおしたジョブXを、ジョブYやジョブZの処理の後に処理するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
また、本実施形態の印刷システム1000は、この要求(2)以外の以下の要求にも対処可能に構成されている。
[確認プリント実行直後に制御部205が受付を許可するオペレータ要求(3)]
この要求(3)は、確認プリント動作が実行され、且つ本番用の印刷動作が再開されたジョブの本番用の印刷動作に関する詳細情報をタッチパネル部401に表示させる為のオペレータ要求である。
また、本実施形態の印刷システム1000は、この要求(3)以外にも以下の要求にも対処可能に構成されている。
[確認プリント実行直後に制御部205が受付けを許可するオペレータ要求(4)]
この要求(4)は、確認プリント動作が実行され、且つ本番用の印刷動作が再開されたジョブの本番用の印刷動作の実行中に再度、そのジョブの確認プリントを実行させる為のオペレータ要求である。
この要求(4)の具体例は、図9Fを用いて詳述済みのためここでは省略する。
以上、図10A〜図10Eを用いて例示したように、制御部205は、確認プリント動作を印刷システム1000で実行させた直後に、上述の4種類のオペレータからの要求を操作部204を介して選択的に受付可能にする。これにより、制御部205は、確認プリント動作が終了したジョブの本番用の印刷動作が再開期間中に、上述の4種類のオペレータからの要求を操作部204を介して選択的に受付可能にする。そして、これらの何れかの要求を受け付けると制御部205は、その受付けた要求に応じた処理や動作を実行するように、印刷装置100を含む本実施形態の印刷システム1000を制御する。
また、図9Fを用いて上述したように制御部205は、現在印刷実行中のジョブに該当するジョブについては、その印刷動作が終了しない限り、何度でも繰り返し確認プリント要求をオペレータから受付け、確認プリントの自動実行条件を判定する。ただし、制御部205は、現在印刷実行中のジョブに該当しないジョブに対する確認プリント要求をオペレータから受付ける事は禁止し、自動実行条件の判定も行わない。
例えば、制御部205が現在、ジョブXの本番用の印刷動作を印刷システム1000にて継続させている最中に、キー2301に対する指示に応答し、図10Aに示す画面2400Aをタッチパネル部401に表示させたとする。
そして、このジョブXの本番用の印刷動作を実行中に、この画面2400A中のジョブリストで、このジョブXに相当する受付番号0001のジョブがオペレータにより選択されたとする。この場合、制御部205は、ジョブリスト上のこのジョブの情報を表示する表示ラインを反転表示させる。
このように、印刷実行中の受付番号0001のジョブ、即ち、ジョブXが画面2400A内でオペレータにより選択されたとする。この場合、図10Aに示すように、制御部205は、画面2400Aにおけるキー2404Aを有効表示状態にすべく、タッチパネル部401を制御する。そして、例えば、キー2404Aが指示された場合、図9Eに示した画面2300Bを再度表示するよう、制御部205はタッチパネル部401を制御する。そしてキー2304Bへの指示で、再度ジョブXの為に確認プリント要求が入力されると、この場合でも制御部205は上述のように、ジョブXの本番用の印刷動作を再度中断させた後にジョブXの2回目の確認プリントを印刷システム1000に実行させる。このように、確認プリント要求をオペレータから画面2400Aを介して受付ることができる。これにより、図9Fを用いて説明したように、再表示される画面2300Aを利用しない方法で、同一ジョブにて複数回、確認プリント動作を実行することができる。
例えば、画面2400A中のジョブリストにおいて、現在印刷実行中のジョブには該当しないジョブが選択されたとする。例えば、受付番号0002のジョブYが画面2400A中のジョブリストにおいてオペレータから選択されたとする。このように、印刷待ち状態のジョブが画面2400Aで選択された場合、制御部205は、画面2400A中のキー2404Aを無効表示状態にすべくタッチパネル部401を制御する。このように、制御部205は、現在印刷動作中のジョブ以外のジョブが操作部204を介してオペレータにより選択された場合に、その選択されたジョブの為の確認プリント要求をオペレータから受付ける事は禁止するように操作部204を制御する。これにより、ジョブXの印刷動作を中断させてジョブYやジョブZの印刷物を出力させる確認プリント動作が実行されないように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
以上、図10A〜図10E等を用いて説明したように、本実施形態の印刷システム1000の確認プリント機能に関する構成によれば、次のような効果がある。即ち、確認プリント機能により出力させる確認用の印刷物によって、印刷システム1000にて現在印刷中のジョブの印刷確認をオペレータにより迅速に目視確認することができる。そして図3に示す如く、複数台のシート処理装置を印刷装置100に接続したことで印刷システム1000内部のシート搬送路が長くなっても、現在如何なるジョブの如何なる画像を印刷しているのかをオペレータは迅速且つ容易に判断することができる。又、現在印刷中のジョブの印刷物の出力先が大容量スタッカや糊付け製本機等のシート処理装置内部に具備される出力先であっても、如何なるジョブの如何なる画像を現在印刷しているのかを、オペレータは迅速且つ容易に判断することができる。かつ、上記全ての処理を、オペレータが実行タイミングを意識することなく、定期的に行うことが可能となる。しかも、オペレータがこの確認用の印刷物を確認している最中にも、滞りなく印刷動作を印刷システム1000で継続させ続けることが出来る。このように、印刷システム1000の高い稼働率が無駄に低下することなく持続させ続ける事が可能となる。
また、図10Cを用いて説明したように、確認プリント動作対象のジョブと後続ジョブとを含む複数の印刷ジョブに関係のある印刷処理条件を変更後にこれら複数のジョブを完了できるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。これにより、ジョブ毎に個別に処理条件を変更せずとも、複数のジョブのどのジョブも全て印刷結果の品位を無駄に低下させない印刷環境が構築可能となるという効果が得られる。また、印刷システム1000は、図10E等を用いて説明したように、確認プリントの結果に不備がある場合には、速やかにジョブXの本番用の印刷動作をキャンセルすることができるように構成されている。これにより、確認プリント動作によって得られる効果としては、確認プリント動作対象のジョブ固有の効果も享受可能となる、という効果がある。このように、極力高い生産性でもって複数のジョブを処理する事が重要視されうる印刷環境であっても、可能な限り無駄な出力は控える事が可能となるという効果が得られる。
なお、図8に示した[工程1]において本番用のプリント動作を実行している期間中に、制御部205は、キー2301Aが表示可能に構成された画面2300Aをタッチパネル部401に実行させる。
そして、この処理対象のジョブの印刷実行期間中に、タッチパネル部401にて図9Dに示した画面2300Aのように、有効表示状態のキー2301Aがオペレータにより指示されたとする。後述する図16のステップS115の判断では、制御部205は、この有効表示状態のキー2301Aがオペレータにより指示された否かに基づいて、確認プリント要求をオペレータから受付けたか否かの判断を行う。
そして、キー2301Aが指示されたと判断した場合、制御部205は、図9Eに示すように、確認プリントの種類を選択するための画面2300Bをタッチパネル部401に表示させる。これは、制御部205が、図16のステップS115においてYESと判定し、処理をステップS116に進めた場合に相当する。
そして、画面2300Bをタッチパネル部401に表示させた時点では未だ、図8に示す[工程1]の段階、即ち、確認プリント動作対象のジョブの本番用の印刷動作が継続中の状態である。
そして、画面2300Bにおいて、オペレータによってキー2301B、キー2302Bの何れかが指示された上でキー2304Bが指示されたとする。これは、制御部205が、図16のステップS117にてYESと判定した場合に相当する。
そして上述したように、制御部205は、オペレータがキー2304Bを指示したことで入力された確認プリント開始指示に応じて、確認プリントの実行対象であるジョブについて印刷システム1000が現在実行中の本番用の印刷動作を中断させる。そして制御部205は、この本番用の印刷動作の中断処理が完了したことに応じて、キー2301B、キー2302Bのうちオペレータが指定した方に対応するタイプの確認プリントを自動的に印刷システム1000に開始させる。
本実施形態では、この本番用の印刷動作を中断する際に、例えば以下に示す制御を、上述した本番用の印刷動作の中断処理として実行するように、制御部205が印刷システム1000を制御する。
例えば、確認プリントの開始を指示した時点で既に、印刷システム1000の給紙部から本番用の印刷動作に要する印刷物の給紙を開始してしまっているとする。この場合、制御部205は、これらの、既に給紙開始済の本番用の印刷物に対しては全て、プリンタ部203による印刷を実行するように制御する。且つ、制御部205は、これら印刷済のジョブの本番用の印刷物の全てを、このジョブの本番用の最終成果物を保持するのに利用するシート処理装置の出力先(排紙先)へ排出させ、出力先にて保持させる。
このように、確認プリント要求がオペレータから入力された時点、或いは確認プリントの自動実行条件の条件判定に合致した時点で既に本番用の印刷物の給紙が印刷システム1000で開始済の場合には、制御部205は、上述したような中断処理を実行させる。
但し、制御部205は、前者の時点若しくは後者の時点で既に給送開始済の本番用の印刷物の全てが、本番用の印刷物の出力先に全て排出完了しない場合でも、このジョブの確認用の印刷媒体を印刷システム1000の給紙部から給送する事は、許可する。
これにより、例えば、図3に示すように印刷システム1000における印刷媒体の搬送経路がある程度長い場合でも、確認プリントの実行タイミングが遅延しないようにすることが可能となる。
このように、本実施形態の印刷システム1000は、確認プリント要求が入力された時点で既に給紙済みの本番用の印刷物の全てが印刷システム1000の出力先へ排出完了しないうちに、確認プリントを開始することができるように構成されている。これにより、確認プリントの開始タイミングに遅延が生じる等のトラブルが原因で、確認用の印刷物の出力が済むまでの時間が遅延する等のトラブルが発生するのを未然に抑えることができる。また、係るトラブルが原因で確認用の印刷物に対するオペレータの目視確認や本番用の印刷動作の再開開始のタイミング、が遅延してジョブの生産性のみならず後続ジョブを含むジョブ全体の生産性にも影響が生じる等のトラブル発生も未然に抑える事ができる。
このように、確認プリント開始指示が入力され時点で既に本番用の印刷物の給紙が開始してしまっている場合でも、それら全ての印刷物を出力先へ排出していなくても、確認用の印刷物は給送部から給送可能に制御部205は印刷システム1000を制御する。
例えば、この具体例として、図3に示したシステム構成を例にとる。ここでは、処理対象のジョブが、本番用の印刷動作による印刷物は図3の中綴じ製本機200−3cの出力先Zに排出すべきジョブ、であるとする。そしてここでは、確認プリント開始指示が入力された時点で既に、給紙デッキ319からこのジョブの本番用の印刷物の給送が開始された直後であるとする。
この場合、例えば、制御部205は、既に給送開始済の本番用の印刷物が図3のA点を通過した事を確認したうえで、このジョブの確認用の印刷物を給紙デッキ319から取出し、給送処理を開始させるように印刷装置100を制御する。このように、制御部205は、本番用の印刷物が図3のA点を通過した事を条件として、この印刷物が排紙先(出力先)Zへ排出完了したか否かに関係なく、この確認用の印刷物の給送処理を開始させる。
このように、制御部205は、本番用の印刷動作の中断後に、可能な限り速やかに、確認プリント動作を印刷システム1000において開始可能にする。これにより、制御部205は、確認プリント動作の開始が無駄に遅延する事無く(滞ることなく)、確認プリント動作を印刷システム1000にて実行可能にする。
尚、本実施形態では、確認プリント実行後に本番用の印刷動作を再開させる場合でも、この上述した構成の動作と同様の動作を実行可能に印刷システム1000は構成されている。
例えば、図3を引き続き用いて説明すると、制御部205は、確認用の印刷物が図3のA点を通過した事を確認したうえで、このジョブの本番用の印刷物を給紙デッキ319から取出し、給送処理を開始させるように印刷装置100を制御する。このように、制御部205は、確認プリント実行対象のジョブの確認用の印刷物が図3のA点を通過した事を条件として、その印刷物が排紙先(出力先)へ排出完了したか否かに関係なく、このジョブの本番用の印刷動作に要する印刷物の給送処理を開始させる。
また、上述したように、オペレータがキー2304Bを指示することで入力された確認プリント開始要求、もしくは確認プリントの自動実行指示に基き、制御部205は、図8に示すTXの時点から確認プリント動作を印刷システム1000に開始させる。そして、この確認プリントが済んだ時点、即ち、図8に示すTYの時点から、この確認プリントが行われたジョブの本番用の印刷動作を印刷システム1000で自動的に再開させる。なお、この再開処理が図8に示す[工程3]に相当する。
このジョブの本番用の印刷動作の再開処理では、図8に示す[工程2]の直前までの期間において、未処理分の印刷のみを実行するように制御部205は印刷システム1000を制御する。
又、この再開処理を行うにあたり、制御部205は、画面2300Aの表示処理に必要な情報として制御部205が利用する処理対象のジョブの処理状況(進捗状況)を示す情報を、この再開処理を行う際にも必要な情報として利用する。このように、制御部205は、処理対象のジョブの本番用の印刷動作が印刷システム1000にて全て完了するまでの期間中は少なくとも、HDD209にこの情報を保持させておくように制御する。
又、本番用の印刷動作が再開された場合、制御部205は、そのジョブの画面2300Aを自動的にタッチパネル部401に再表示させる。例えば、制御部205は、図8に示す[工程3]にて本番用の印刷動作の再開動作期間中に、このジョブの画面2300Aを再度タッチパネル部401に表示可能にする。そしてこのように現在のタイミングが、あるジョブの本番用の印刷動作が開始された直後の時点から、そのジョブの本番用の印刷動作が終了する直前の時点までの期間中に含まれているとする。この場合、制御部205は、次のようにして印刷システム1000を制御する。即ち、タッチパネル部401に再度表示されたキー2301Aに対するオペレータ指示で確認プリント要求が再入力、或いは確認プリントの自動実行毎に、その1つのジョブの為に確認プリント動作を複数回繰り返し実行すべく印刷システム1000を制御する。
尚、図8に示すTYの時点から印刷システム1000に再開させた本番用の印刷動作の実行期間中に、制御部205は、上述のオペレータ要求(1)〜(4)を選択的にオペレータから操作部204を介して受付ける。これにより、その受付けた要求に応じた処理を印刷システム1000に実行させることができる。
また、本実施形態にて、図8に示すTYの時点から再開させたジョブの本番用の印刷動作を継続させたままの状態で、上述したような印刷システム1000の機器固有の設定変更をオペレータが実行できるように制御部205は印刷システム1000を制御する。例えば、図8に示す[工程3]において本番用の印刷動作が再開されている最中に、図10Cに示した画面2400Cを用いて印刷システム1000の機器固有の設定変更要求を受付ける。この場合、制御部205は、この要求を受付けた時点から、このジョブの印刷動作の処理条件を自動的に変更するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。更に、このジョブの後に処理すべき後続ジョブの印刷動作を実行する際にも、この画面2400Cを介してオペレータから受付けた設定変更後の印刷処理条件でこれらの後続ジョブを処理しつづけるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
例えば、確認プリントを定期的に同一ジョブに対して繰り返し実行してみた結果、徐々に印刷結果の濃度が薄くなっている状況が発生したとする。この場合でも、例えば、この画面2400Cを介して濃度を濃くする為の設定変更をオペレータが行えば、この印刷実行中のジョブは勿論のこと、後続ジョブの印刷結果も、適正な印字濃度の出力結果が得られる。
図16に示すフローチャートは、制御部205により実行される確認プリント動作の処理を示すフローチャートである。
ステップS101において制御部205は、印刷装置100の電源投入後、図5に示すような印刷システム1000の基本画面を、操作部204のタッチパネル部401に表示させる。次に、ステップS102に進む。
ステップS102において制御部205は、図11Aに示すようなキー1401を操作部204のタッチパネル部401に表示させる。オペレータはキー1401を指示することで、自動確認プリントの初期設定を行うことができる。キー1401を指示して自動確認プリントの初期設定を行う場合は、ステップS103に進む。初期設定を行わない場合は、ステップS104に進む。
ステップS103において制御部205は、操作部204のタッチパネル部401に図11Bに示すような画面(自動確認プリントの初期設定画面)を表示させる。オペレータは初期設定画面において、自動確認プリントの初期設定を行うことが可能である。自動確認プリントの初期設定画面における領域1501には、自動確認プリント機能を選択可能とする印刷ジョブ枚数を入力することができる。ここで入力(設定)された初期設定は、設定以降の全ての印刷ジョブに適用される。次に、ステップS104に進む。
ステップS104において制御部205は、オペレータによる操作部204を介したキー操作に応答して、各種の印刷条件の設定をオペレータから受け付ける。次に、ステップS105に進む。
ステップS105において制御部205は、ステップS104で設定された印刷条件の1つである部数と印刷ジョブの印刷ページ数とから、印刷ジョブの印刷枚数を求める。そして求めた印刷枚数が、ステップS103で設定された自動確認プリントを選択可能とする印刷ジョブ枚数の条件を満たすかどうか判定する。そして、求めた印刷枚数が、自動確認プリントを選択可能とする印刷ジョブ枚以上である場合、自動確認プリントを実行可能な印刷ジョブと判断し、ステップS106に進む。一方、求めた印刷枚数が、自動確認プリントを選択可能とする印刷ジョブ枚よりも少ない場合、自動確認プリントを実行できない印刷ジョブと判断し、ステップS108に進む。
ステップS106において制御部205は、操作部204のタッチパネル部401に図12に示す画面(自動確認プリントの実行条件設定画面)を表示させる。オペレータが自動確認プリントの実行条件設定画面においてキー1601を指示すると、自動確認プリントの実行が設定される。この状態でオペレータがOKキー1605を指示すると、制御部205は、確認プリント実行を設定した状態で、ステップS108に進む。
一方、オペレータが自動確認プリントの実行条件設定画面においてOFFキー1602を指示した状態で、OKキー1605を指示すると、確認プリント実行設定がなされない状態でステップS108に進む。また、オペレータが詳細設定キー1603を指示すると、ステップS107に進む。
ステップS107において制御部205は、操作部204のタッチパネル部401に図13Aに示す画面(自動確認プリントの実況条件の詳細設定画面)を表示させる。オペレータは自動確認プリントの実行条件の詳細設定画面で、印刷実行枚数と印刷実行時間とを設定することができる。
また、ステップS107において制御部205は、操作部204のタッチパネル部401に図13Bに示す画面を表示させる。キー1705を指示した場合、第1タイプの確認プリント動作を行うよう、制御部205は制御を行う。キー1706を指示した場合、第2タイプの確認プリントを行うよう、制御部205は制御を行う。
制御部205は、オペレータが入力した実行条件を、予め保持していた所定の実行条件設定に上書きし、保持する。即ち、ステップS106でキー1601を指示して確認プリントの実行を設定するが、詳細設定キー1603を指示しないことでステップS107での詳細設定を行わない場合は、自動確認プリントの実行設定のみが行われる。そして、詳細な実行条件は制御部205が予め保持する所定の設定に従う。
印刷ジョブの印刷実行枚数は、印刷ジョブにおいて、自動確認プリントの実行条件判定の際に印刷された印刷実行枚数が、印刷実行枚数として設定された枚数を単位としてこれに達するたびに自動的に確認プリントを実行することを表す条件である。
ステップS107において自動確認プリントの実行条件が設定されると、制御部205は、設定された印刷ジョブの印刷実行枚数ごとに、ステップS119において確認プリントの実行を設定する。例えば、印刷部数が10部で1部当たり10枚印刷するジョブの総印刷枚数は100枚であるが、設定キー1701により印刷実行枚数を「30枚」と設定すると、制御部は印刷累計枚数が30枚、60枚、90枚に達する毎に確認プリントを実行する。
同様に印刷ジョブの印刷実行時間は、印刷ジョブにおいて、自動確認プリントの実行条件判定の際に印刷ジョブの印刷実行時間の累計が、印刷実行時間として設定された時間を単位としてこれに達する度に自動的に確認プリントを実行することを表す条件である。
ステップS107において制御部205は、設定された印刷ジョブの印刷実行時間ごとに、ステップS120で確認プリントの実行を設定する。例えば印刷実行時間に「10分間隔」と設定すると、この印刷ジョブの印刷開始から印刷完了までの間に10分毎に確認プリントを実行する。
なお、オペレータは印刷実行時間と印刷実行時間のうち片方のみ設定しても良いし、同時に設定することも可能である。オペレータが双方同時に設定する場合、制御部205はステップS119及びステップS120において、各処理のどちらかで条件に該当すると確認プリントが設定される。
ステップS107において、図13Aに示したキー1704を指示すると、制御部205は、図13Bに示す画面を表示する。この画面では、図13Aに示した画面で設定された自動確認プリントの実行条件に基づいて自動的に確認プリントが実行される際の確認用の印刷物の種類を設定する。キー1705「全ページ」が指示されると、制御部205は、確認プリント印刷対象として印刷ジョブ中の1部を構成する全てのページを印刷する設定を保持する。また、キー1706「1枚(自動)」が指示されると、制御部205は、確認プリントの印刷対象として、前述の条件に合致する1枚を印刷する設定を保持する。
図13Bに示した画面において、制御部205はOKキー1708が指示されたことを検知すると、確認プリントの種類を保持する。次に、ステップS108に進む。
ステップS108において制御部205は、処理対象のジョブの印刷開始要求がなされたか否かを、スタートキー503がオペレータにより押下された否かに基いて判断する。
例えば、処理対象のジョブの為に各種一連の印刷処理条件が、オペレータにより操作部204を介してなされたうえで、オペレータがスタートキー503を押下したとする。この場合、制御部205は、この印刷開始要求(スタートキー503入力)を検知し、ステップS108にてYESという判定を行う。これにより、処理をステップS108からステップS109へ進める。
ステップS109にて制御部205は、この印刷開始要求がなされたジョブの処理条件(進捗状況)を示す表示として図9D等で示した画面(ジョブ処理状況画面、印刷状況画面)2300Aをポップアップ表示するようにタッチパネル部401を制御する。
また制御部205は、ステップS109における処理を実行するのと同時に(並行して)、ステップS110の処理も実行するように印刷装置100を制御する。
例えば、このジョブが、スキャナ部201による原稿読取動作を要するジョブであるとする。この場合、ステップS110にて制御部205は、スキャナ部201によりこのジョブの読取動作を開始させる。また、制御部205は、この読取対象のジョブの印刷データを、先頭頁から順次、HDD209へ記憶させる。この記憶動作は、このジョブの最終頁の印刷データがHDD209へ記憶させるまで実行される。このような印刷開始要求がなされたジョブの印刷データをHDD209に記憶する動作をステップS110にて実行するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
ステップS111において制御部205は、ステップS108にて印刷開始要求がなされたジョブの印刷データをHDD209から読み出し、読み出した印刷データに基づいた印刷をプリンタ部203に行わせる。ステップS111において制御部205は、ステップS104でオペレータから受付けたこのジョブの一連の印刷処理条件に従った印刷動作を実行するように、印刷システム1000を制御する。次に、ステップS112に進む。
尚、ステップS111における実行対象の「印刷動作」は、「本番用の印刷動作」に相当する。
又、制御部205は、この本番用の印刷動作が印刷システム1000にて全て完了するまでの期間中は、このジョブの印刷データを全ページHDD209に保持させたままにする。また制御部205は、HDD209に保持させるジョブの印刷データを適宜利用可能にHDD209を制御する。
また更に、制御部205は、ステップS111における処理を実行させつつ、ステップS109にて上述したこのジョブの為の画面2300Aのポップアップ表示は維持したままの状態となるようにタッチパネル部401を制御する。
但し、画面2300Aの表示内容は図9Dを用いて説明したように、この処理対象のジョブの印刷システム1000における実際の処理状況(進捗状況)をリアルタイムに反映した表示内容となるように、制御部205はタッチパネル部401を制御する。
制御部205は、ステップS109で表示された画面2300Aにおいて設定したプリント濃度をプリンタ部203に設定し、印刷処理を止めることなく現在実行中の印刷ジョブに反映させる。また、プリント濃度が変更された場合も同様に、この設定をプリンタ部203に設定し、即座に現在実行中の印刷ジョブに反映させる。
この制御は、ステップS109で画面2300Aが表示されてからステップS113において本番用の印刷ジョブが完了するまで行われる。
ステップS112において制御部205は、図9Dに示したこのジョブの画面2300Aのポップアップ表示において、実行中の印刷ジョブを中止する中止キー2301Cが指示されたか否かを判定する。制御部205は、中止キー2301Cが指示されると直ちに、プリンタ部203によるジョブの処理を停止させるよう制御する。制御部205は、プリンタ部203による印刷が停止するとステップS104に進み、印刷ジョブに対して印刷設定を可能な状態にする。
オペレータは、印刷ジョブの印刷(本番用の印刷)の途中でこれに代わって行われた確認プリントにより得られた確認用の印刷物の印刷品位を確認する。なお、確認プリント機能による印刷が済み次第、この本番用の印刷は自動的に再開される。よって、オペレータが確認用の印刷物の結果を確認している最中でも、この本番用の印刷は実行中である。ここで、確認用の印刷物の印刷結果をチェックしたオペレータが、もし濃度に問題があると判断すると、図9Dに示した画面2300Aにおいてキー2301Dを操作する。これにより、印刷中の本番用の印刷物の濃度を変更することができる。また、濃度以外の品質に問題がある、もしくは前述の濃度品位調整で調整できない場合は、中止キー2301Cを指示して実行中の印刷ジョブを停止することができる。停止した印刷ジョブは印刷設定を変更後、再印刷を行う。
ステップS113にて制御部205は、ステップS111で開始された本番用の印刷動作が印刷システム1000で完了したか否かを、このジョブの処理に必要な各ユニット(例えばプリンタ部203やシート処理装置200)からの情報に基き判断する。
そして、このジョブの本番用の印刷動作が全て完了したことをステップS113にて判断した場合、制御部205はステップS113からステップS114へ処理を進める。
ステップS114において制御部205は、ステップS109の段階から既に実行状態にあるこのジョブの画面2300Aのポップアップ表示を終了させる(ポップアップ画面を消去する)ようにタッチパネル部401を制御する。
このように、本番用の印刷動作が完了した事に応じて、この画面2300Aの表示を自動的に終了するように制御部205はタッチパネル部401を制御する。また、画面2300Aの「閉じる」キーがオペレータにより指示された場合も、画面2300Aの表示を終了するように制御部205はタッチパネル部401を制御する。ステップS114における処理が行われた後は、ステップS101の処理へと戻る。
一方、処理対象のジョブの本番用の印刷動作が印刷システム1000にて完了していないと判断した場合、制御部205はステップS113からステップS115へ処理を進める。
ステップS115にて制御部205は、現在実行中のジョブの本番用の印刷動作をプリンタ部203により継続させている状態で、そのジョブの確認用の印刷物を出力する為の確認プリント要求がオペレータから入力されているか否かを判断する。
ステップS115における判断は、ステップS109の段階から既にタッチパネル部401に表示中のこのジョブの画面2300Aにおける「確認プリント」のキー2301Aがオペレータにより指示されたか否かを判断することで行われる。
そして、キー2301Aが指示されていないことで、確認プリント要求がオペレータによりなされていないと判断した場合、制御部205はステップS115からステップS118に進む。
一方、キー2301Aが指示されたことで、確認プリント要求がオペレータによりなされたと判断した場合、制御部205は、ステップS115からステップS116へ処理を移す。
ステップS116において制御部205は、図9Eに示したように、確認プリントの種類に関する画面2300Bの表示をタッチパネル部401に実行させる。
尚、制御部205は、現在実行中のジョブの本番用の印刷動作はプリンタ部203により継続させたままの状態で、この図9Eに示す画面2300Bをタッチパネル部401に表示させる。次に、ステップS117に進む。
そして、制御部205は、このジョブの本番用の印刷動作は継続させたままの状態で、このジョブの確認プリント開始指示がオペレータによりなされか否かを、ステップS117にて判断する。
このステップS117における判断は、この図9Eに示す画面2300B中のキー2304Bがオペレータにより指示されたか否かを判断することで行われる。
そして、このキー2304Bを指示しないことで、確認プリントの開始指示がオペレータによりなされていないことをステップS117で判断したとする。この場合、ステップS117から処理を進めずに、制御部205は、この画面2300Bを介して確認プリントの種類がオペレータにより選択されるのを待つ。尚、この状況では、現在実行中のこのジョブの本番用の印刷動作をプリンタ部203に継続させ続けるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
一方、この画面2300Bにてキー2301Bとキー2302Bの何れかを用いて第1タイプか第2タイプの何れかの確認プリント動作の種類がオペレータにより選択され、キー2304Bがオペレータにより指示されたとする。この場合、制御部205は、このキー2304Bによる確認プリントの開始指示がオペレータから入力されたことを受けて、ステップS117からステップS121へ処理を進める。
一方、ステップS118において制御部205は、現在実行中の印刷ジョブについて、自動確認プリントの実行条件が設定されているか否かを判定する。係る判定で、ステップS106で自動確認プリントの実行条件が設定されていると判断される場合、制御部205は、現在実行中の印刷ジョブの状態が実行条件と適合するか否かを確認するため、ステップS119に進む。一方、ステップS106での設定に基づき、ステップS118で自動確認プリントの実行条件が設定されていないと判断される場合、制御部205はステップS118からステップS112に処理を戻す。
ステップS119において制御部205は、現在実行中の印刷ジョブの累計印刷枚数が、ステップS106で設定された自動確認プリントの実行条件に合致するか否かを判定する。制御部205は、現在実行中の印刷ジョブの印刷開始からの累計枚数と、ステップS106もしくはステップS107で設定された自動確認プリントの実行条件と、を比較する。
例えば、ステップS104で印刷設定の条件として10ページの原稿を10部印刷すると設定する。このときステップS107において、20部ごとに印刷を行うと設定するとする。
この条件に合致すると、制御部205はステップS119からステップS121に進み、現在実行中の印刷ジョブを停止して確認プリントを開始する。合致しない場合、制御部205は印刷実行時間による自動確認プリントの実行条件を判定するためにステップS120に進む。
ステップS120において制御部205は、現在実行中の印刷ジョブの累計印刷時間が、ステップS106で設定された自動確認プリント実行条件に合致するか否かを判定する。制御部205は、現在実行中の印刷ジョブの印刷開始から判定時点での実行時間と、ステップS106もしくはステップS107で設定された自動確認プリントの実行条件と、を比較する。係る比較の結果、合致する場合には、制御部205はステップS121に進む。合致しない場合、制御部205は確認プリントを実行せず、ステップS112に処理を戻す。
ステップS121において制御部205は、上述の確認プリント要求がなされたジョブの本番用の印刷動作を中断させる。この本番用の印刷動作は、ステップS111の段階から既に印刷システム1000にて実行中の印刷動作である。制御部205は、この本番用の印刷動作を中断するように印刷システム1000を制御する。
そして、ステップS122において制御部205は、この本番用の印刷動作を中断(一時停止)させた直後に、このジョブの確認用の印刷物を出力する為の確認プリント動作を自動的に開始させるように、印刷システム1000を制御する。
ステップS122で実行される確認プリント動作で要する印刷媒体(印刷用紙やシートとも呼ぶ)には、このジョブの本番用の印刷動作で印刷対象となる印刷データと同一の印刷データが印刷されるように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
その為に、制御部205は上述したように、ステップS110における処理でHDD209に既に保持済のこのジョブの本番用の印刷動作に要する印刷データを、ステップS122においても利用するように、印刷装置100を制御する。
また、ステップS122にて実行される確認プリント動作では、この本番用の印刷動作に要する印刷データのうちの全ページ分の印刷が実行できる。このケースは、キー2301Bが選択されたことに応じて上述の第1タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させるように制御部205が制御するケースに相当する。
また、ステップS122にて実行される確認プリント動作では、この本番用の印刷動作に要する印刷データのうちの1ページ分の印刷を実行することも出来る。このケースは、キー2302Bが選択されたことに応じて上述の第2タイプの確認プリント動作を印刷システム1000に実行させるように制御部205が制御するケースに相当する。
このように、ステップS122にて制御部205は、上述の第1タイプの確認プリント動作と第2タイプの確認プリント動作のうち、オペレータから指定された動作を印刷システム1000に実行させる。
その後、制御部205は、ステップS123の処理を行う。
ステップS123にて制御部205は、ステップS122にて開始させたジョブの確認プリント動作が完了したか否かを、印刷システム1000内部のシート搬送路上に複数配設した各種検知センサからの情報等を基に判断する。
そして、上述の確認プリント動作が完了していないと、ステップS123にて判断した場合、制御部205は、次の工程へ移行せずに、その確認プリント動作の完了を待機する。
一方、上述の確認プリント動作が完了したことをステップS123にて判断した場合、制御部205はステップS123からステップS124へ処理を進める。
ステップS124において制御部205は、所定の通知手段を実行する。これにより制御部205は、印刷装置100から離れた位置にいるオペレータに確認プリントが実行されたことを通知し、通知を受けたオペレータは出力された印刷物の品位を確認する。
ステップS124で制御部205によって実行されるオペレータへの通知手段としては、例えば、次のようなものがある。例えば、PC104に搭載されたアプリケーションのUI(ユーザインターフェース)上での通知や、ネットワーク101上に存在するPCにおいて実行されるWebブラウザ上で実行されるWebアプリケーションのUI上での通知がある。更には、オペレータを宛先としたメール送信による通知、印刷装置100もしくは印刷装置100に設置されたランプまたはブザーもしくはUI上の表示、オペレータが携帯する端末上のUIへの表示などの通知手段による通知がある。またこれらの通知手段を組合せることにより、オペレータに確認プリントが実行されたことを、より確実に通知することも可能である。
ステップS124で制御部205は、通知手段によってオペレータに確認プリントの実行を通知した後、ステップS125に進む。
ステップS125にて制御部205は、上述の確認プリント動作が実行されたジョブの本番用の印刷動作を再度この時点から実行(継続)させるように印刷システム1000を制御する。
ステップS125において再実行の対象となるこのジョブの本番用の印刷動作では、ステップS121におけるこのジョブの印刷動作の中断の直前までに処理済の分については印刷を行わないように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
そして、ステップS125では、ステップS121の段階にて未処理であった残り分の印刷についてのみを実行するように、制御部205は印刷システム1000を制御する。
ステップS125で本番用の印刷動作を再実行させるに際し、制御部205は上述の如く、ステップS110等で既にHDD209に保持済のジョブの本番用の印刷動作に要する印刷データを、ステップS125でも利用するように印刷装置100を制御する。
以上のステップS125の処理を経て、制御部205は、ステップS125からステップS112へ処理を戻すように制御する。
なお、ステップS125からステップS112へ処理を戻した場合、図9Fを用いて説明したように、この本番用の印刷動作が完了していない事を条件に、制御部205は、画面2300Aを再度表示するようにタッチパネル部401を制御する。
これにより、制御部205は、ステップS113からステップS115へ処理を再び移行できるようにし、ステップS115からステップS125までの処理を再度実行できるように印刷システム1000を制御する。
[その他のしくみ]
各図に示す機能が、外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータ(例えば、PC103やPC104)により遂行されていてもよい。尚、この場合、各画面を含む、本実施形態で述べた画面と同様の画面を表示させる為のデータを外部からインストールし、ホストコンピュータの表示部に上記各種のユーザインターフェース画面を提供可能に構成する。
ここで、以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した、コンピュータ読取可能な記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。従って、このようなプログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態は問わない。
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD等を用いることができる。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
その他、プログラムの供給方法としては次のようなものがある、即ち、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、このホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを、複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより、暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
またコンピュータが読出したプログラムコードを実行することで、前述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行う。従って、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれたとする。この場合、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う。従って、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアのプログラムを格納した記憶媒体を、該システムあるいは装置が読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
例えば、1例を挙げると、本実施形態にて、確認プリント機能により制御対象とするジョブは、PCのアプリケーションから発行される「印刷を行うプリントジョブ」も包含してもよい。この場合、ハードディスクに保存されたプリントジョブに対して確認プリントを指示する形式も含まれる。
なお、前述の具体例では、印刷装置100に具備される制御部205により上述の複数の制御が実行される構成を例示的に説明した。しかし、制御部205とは異なる他の制御部が、上述した複数の制御のうちの一部又は全部の制御を実行する構成でも良い。例えば、制御部205とは異なる他の制御部として、印刷装置100とは別筐体の外付けコントローラや、PC104などの遠隔の外部装置のCPUや、インラインフィニッシャが具備するCPUを利用できるようにする。これにより、印刷システム1000が設置されうる印刷環境に即した、柔軟性に富んだ印刷環境が構築可能となるという効果が更に向上可能となるという効果が図れる。
このように本実施形態によれば、今後のデジタルプリンティングシステムを見据えた利便性のある印刷システムが提供可能となる。例えば、従来で想定したようなPOD環境で想定されうるユースケースやニーズに対処可能な、便利で柔軟な印刷環境が構築可能となり、製品実用化に向けての様々な仕組みが提供可能となる。
以上、本発明の様々な例と実施形態について説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのものではないことは明らかである。