JP2007227328A - リチウム二次電池用負極及びその製造方法並びにリチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ケイ素及び/又はケイ素合金を含む負極活物質粒子とバインダーを含む負極合剤層が負極集電体の表面に形成された負極を用いたリチウム二次電池において、負極合剤層が負極集電体に充分に密着されるようにし、単位体積あたりの容量を低下させることなく、充放電サイクル特性を向上できるようにする。
【解決手段】 正極1と負極2と非水電解質とを備えたリチウム二次電池において、その負極として、ケイ素及び/又はケイ素合金を含む負極活物質粒子とバインダーを含む負極合剤層が負極集電体の表面に焼成により形成され、負極活物質粒子の一部が負極集電体に埋設された負極を用いた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リチウム二次電池、リチウム二次電池の負極に使用するリチウム二次電池用負極及びその製造方法に係り、特に、ケイ素及び/又はケイ素合金を含む負極活物質粒子とバインダーを含む負極合剤層が負極集電体の表面に形成されたリチウム二次電池用負極を用いたリチウム二次電池において、このリチウム二次電池用負極を改善して、充放電サイクル特性を向上させた点に特徴を有するものである。
近年、高出力,高エネルギー密度の新型二次電池として、非水電解液を用い、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行うようにしたリチウム二次電池が利用されるようになった。
ここで、このようなリチウム二次電池においては、その負極の1つとして、負極活物質にリチウムと合金化する材料を用い、この負極活物質とバインダーとを含む負極合剤層を負極集電体の表面に形成したものが使用されている。
しかし、このように負極活物質としてリチウムと合金化する材料を用いたリチウム二次電池を充放電させた場合、リチウムを吸蔵・放出する際に、この負極活物質の体積が膨張・収縮し、これにより負極活物質が微粉化したり、負極活物質が集電体から剥離したりして、負極における集電性が低下し、これによりリチウム二次電池の充放電サイクル特性が低下するという問題があった。特に、リチウム二次電池の容量を高めるために、リチウムと合金化する材料として、リチウムを吸蔵・放出する能力が大きいケイ素及び/又はケイ素合金を使用した場合、この負極活物質の体積の膨張・収縮が大きくなり、初期の充放電サイクルによる容量の低下が大きくなると共に、充放電サイクル特性が大きく低下するという問題があった。
そして、近年においては、リチウム二次電池用負極として、表面粗さRaが0.2μm以上になった粗面化された導電性金属箔からなる負極集電体の表面上に、ケイ素及び/又はケイ素合金を含む負極活物質粒子とバインダーを含む負極合剤層を非酸化性雰囲気下で焼結させたものを使用し、上記の負極合剤層と負極集電体との密着性を高めて、リチウム二次電池における充放電サイクル特性を向上させるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、上記のようなリチウム二次電池用負極を用いた場合においても、上記の負極合剤層と負極集電体との密着力が必ずしも充分であるとはいえず、また負極合剤層と負極集電体との密着力を高めるために、負極集電体の表面粗さを大きくすると、この負極集電体の厚みが厚くなり、リチウム二次電池における単位体積あたりの容量が低下するという問題もあった。
特開2002−260637号
本発明は、ケイ素及び/又はケイ素合金を含む負極活物質粒子とバインダーを含む負極合剤層が負極集電体の表面に形成されたリチウム二次電池用負極を用いたリチウム二次電池における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
すなわち、本発明は、上記のようなリチウム二次電池において、ケイ素及び/又はケイ素合金を含む負極活物質粒子を用いた負極合剤層と負極集電体との密着力をさらに向上させ、負極集電体の表面粗さを大きくしなくても、上記の負極合剤層が負極集電体に充分に密着されるようにし、リチウム二次電池における単位体積あたりの容量を低下させることなく、充放電サイクル特性を向上させ、さらに初期の充放電サイクルによる容量低下を少なくすることを課題とするものである。
本発明におけるリチウム二次電池用負極においては、上記のような課題を解決するため、ケイ素及び/又はケイ素合金を含む負極活物質粒子とバインダーを含む負極合剤層が、負極集電体の表面に焼成により形成されたリチウム二次電池用負極において、上記の負極活物質粒子の一部を負極集電体に埋設させるようにした。
そして、上記のようなリチウム二次電池用負極を製造するにあたっては、ケイ素及び/又はケイ素合金を含む負極活物質粒子とバインダーを含む負極合剤スラリーを負極集電体の表面に塗布して負極合剤層を形成する工程と、負極合剤層が形成された負極集電体を圧延させて、負極活物質粒子の一部を負極集電体に埋設させる工程と、負極活物質粒子の一部が負極集電体に埋設された負極合剤層を焼結させる工程とを行うようにする。
そして、上記のように負極合剤層が形成された負極集電体を圧延させて、負極活物質粒子の一部を負極集電体に埋設させると、負極合剤層と負極集電体との接着面積が大きくなり、負極集電体に対する負極合剤層の密着性が向上し、表面が粗面化されていない負極集電体に対しても負極合剤層が充分に密着されるようになる。
ここで、負極活物質粒子の一部を負極集電体に埋設させる場合において、負極活物質粒子の一部を負極集電体に埋設させる程度は特に限定されないが、負極集電体の平面部分の長さ1mm以内に、負極活物質粒子が0.1μm以上埋設された部分が少なくとも1ヶ所以上存在すれば充分である。
また、上記の負極集電体の材料としては、例えば、銅、ニッケル、鉄、チタン、コバルト等の金属又はこれらの合金を用いることができ、特に、銅元素を含む金属箔を用いることが好ましく、例えば、銅又は銅合金の箔、表面に銅又は銅合金の層が形成された金属箔から選択される1種を用いることが好ましい。
ここで、この負極集電体の引張強度が低い場合、負極活物質粒子が負極集電体に埋設されやすくなるが、焼成後の引張強度が450N/mm2より低くなると、充放電時における負極活物質粒子の体積変化によって、この負極集電体に皺や撓みが発生し、これによって負極合剤層が負極集電体から剥離しやすくなる。一方、負極集電体の引張強度が高くなりすぎると、この負極集電体に負極活物質粒子の一部を埋設させることが困難になって、負極合剤層と負極集電体との密着性を充分に向上させることができなくなり、また負極活物質粒子の一部を埋設させるように圧力を高めると、負極活物質粒子が粉砕されてしまうという問題がある。このため、この負極集電体としては、焼成後の引張強度が450N/mm2〜1000N/mm2の範囲のものを用いることが好ましい。
また、上記の負極集電体として、十点平均粗さRzが5μm未満の表面粗さの小さいものを用いた場合、上記のように負極活物質粒子の一部が負極集電体に埋設されて、負極合剤層が負極集電体に対して充分に密着されると共に、表面粗さの大きい負極集電体を用いた場合に比べて、負極集電体の厚みを低減させることができ、リチウム二次電池における単位体積あたりの容量を増大させることができる。
また、この本発明において用いる負極活物質粒子は、上記のようにケイ素及び/又はケイ素合金を含むものであればよく、ケイ素及び/又はケイ素合金以外に、リチウムと合金化する材料を含むものであってもよい。ここで、リチウムと合金化する材料としては、例えば、ゲルマニウム、錫、鉛、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム及びこれらの合金等を用いることができる。但し、この負極における容量を高めるためには、負極活物質粒子として上記のケイ素及び/又はケイ素合金だけを用いることが好ましく、特に、ケイ素を用いることが好ましい。
ここで、上記のケイ素合金としては、ケイ素と他の1種以上の元素と固溶体、ケイ素と他の1種以上の元素との金属間化合物、ケイ素と他の1種以上の元素との共晶合金等を用いることができる。また、このような合金の作製方法としては、アーク溶解法、液体急冷法、メカニカルアロイング法、スパッタリング法、化学気相成長法、焼成法等を用いることができる。
また、上記の負極活物質粒子の平均粒径は特に限定されないが、その粒径が小さくなるほど、負極活物質が微粉化するのが抑制されるため、100μm以下であることが好ましく、更に好ましくは50μm以下、最も好ましくは20μm以下である。
また、上記の負極合剤層の負極集電体に対する密着性を高めるためには、この負極合剤層に用いるバインダーとして、熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、より好ましくはポリイミドを用いるようにする。
また、この負極合剤層中におけるバインダーの量が少ないと、負極合剤層中における負極活物質を充分に保持したり、負極合剤層と負極集電体との密着性を充分に高めたりすることが困難になる一方、バインダーの量が多くなると、負極の抵抗が増大して初期の充電が困難になる。このため、負極合剤層中においてバインダーの占める体積を5%〜50%の範囲にすることが好ましい。
また、この発明におけるリチウム二次電池用負極においては、上記の負極合剤層中における負極活物質粒子間及び負極活物質粒子と負極集電体との間の導電性を高め、負極における集電性をさらに向上させるため、上記の負極合剤層中に導電性粉末を添加させることが好ましい。
そして、このように負極合剤層中に導電性粉末を添加させると、負極活物質粒子の周囲における導電性粉末により導電性ネットワークが形成され、初期の充放電サイクルによる容量の低下も抑制されるようになる。
ここで、この導電性粉末としては、導電性炭素材料や上記の負極集電体と同様の材質で構成されたものを用いることが好ましく、特に、導電性炭素材料の中でも、結晶性が高くて導電率の高い黒鉛を用いることが好ましい。
また、負極合剤層に添加させる導電性粉末の平均粒径は特に限定されるものではないが、1〜10μmの範囲が好ましい。これは、導電性粉末の平均粒径が10μmを超えると、これに伴って負極合剤層の厚みが大きくなり、高エネルギー密度のリチウム二次電池が得られなくなる一方、導電性粉末の平均粒径が1μm未満になると、この導電性粉末の表面部分に存在するバインダーの割合が多くなり、負極活物質粒子間及び負極活物質粒子と負極集電体との間の接触性を高めることが困難になって、負極の集電性を向上させる効果が低下するためである。
また、負極合剤層に添加させる導電性粉末の添加量については、その添加量が多くなりすぎると、負極合剤層の厚みが大きくなり、高エネルギー密度のリチウム二次電池が得られなくなる一方、添加量が少なすぎると、負極活物質粒子間及び負極活物質粒子と負極集電体との間の接触性を高めて、負極の集電性を向上させる効果が充分に得られなくなるため、負極合剤層全体の重量に対して0.1〜10重量%の範囲にすることが好ましい。
また、上記のリチウム二次電池用負極を製造するにあたり、前記のように負極活物質粒子の一部が負極集電体に埋設された負極合剤層を焼結させるにあたっては、負極合剤層中におけるバインダーが負極集電体に熱融着されて、充分なアンカー効果が得られるようにするため、バインダーのガラス転移温度より20℃以上高い温度で焼結させることが好ましい。但し、焼結させる温度が高くなりすぎて、上記のバインダーが分解すると、負極合剤層中における負極活物質間の密着性や、負極合剤層と負極集電体との密着性が大きく低減されるため、上記のバインダーが分解しない温度で焼結させることが必要となり、例えば、バインダーとしてポリイミドを用いる場合、ポリイミドが完全に分解しない600℃以下で焼結させることが好ましい。
また、上記の負極集電体として銅箔を用いた場合において、焼結させる温度が高くなりすぎると、銅の結晶性が変化するなどにより、負極集電体の強度が大きく低下するため、好ましくは500℃以下で、さらに好ましくは450℃以下で焼結させるようにする。
また、前記のように負極合剤層と負極集電体との密着性を高めるためには、バインダーのガラス転移温度より20℃以上高い温度で焼結させることが好ましいため、負極集電体に銅箔を用いた場合、バインダーとしては、ガラス転移温度が450℃以下のものを用いることが好ましい。
また、負極活物質粒子の一部が負極集電体に埋設された負極合剤層を焼結させるにあたっては、負極活物質粒子や負極集電体が酸化されないように、非酸化性雰囲気下で焼結させることが好ましい。
また、本発明においては、正極と負極と非水電解質とを備えたリチウム二次電池において、その負極に上記のリチウム二次電池用負極を用いるようにした。
ここで、本発明のリチウム二次電池において使用する非水電解質は特に限定されず、一般に使用されているものを用いることかでき、例えば、非水系溶媒に溶質を溶解させた非水電解液や、ポリエチレンオキシド,ポリアクリロニトリル等のポリマー電解質に上記の非水電解液を含浸させたゲル状ポリマー電解質や、LiI,Li3N等の無機固体電解質を用いることができる。
また、上記の非水系溶媒についても特に限定されず、一般に使用されているものを用いることかでき、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネートと、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネートとの混合溶媒や、環状カーボネートと1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル系溶媒との混合溶媒を使用することができる。
また、上記の溶質についても特に限定されず、一般に使用されているものを用いることができ、例えば、LiPF6,LiBF4,LiCF3SO3,LiN(CF3SO22,LiN(C25SO22,LiN(CF3SO2)(C49SO2),LiC(CF3SO23,LiC(C25SO23,LiAsF6,LiClO4,Li210Cl10,Li212Cl12や、これらの混合物等を用いることができる。
また、正極に使用する正極活物質についても特に限定されず、一般に使用されているものを用いることができ、例えば、LiCoO2,LiNiO2,LiMn24,LiMnO2,LiCo0.5Ni0.52,LiNi0.7Co0.2Mn0.12等のリチウム含有遷移金属酸化物や、MnO2などのリチウムを含有していない金属酸化物等を用いることができる。
本発明におけるリチウム二次電池用負極においては、前記のようにケイ素及び/又はケイ素合金を含む負極活物質粒子の一部が負極集電体に埋設されるようにして、上記の負極活物質粒子とバインダーを含む負極合剤層を、負極集電体の表面に焼成により形成したため、負極集電体に対する負極合剤層の密着性が向上し、表面が粗面化されていない負極集電体に対しても負極合剤層が充分に密着されて、負極合剤層が負極集電体から剥離するのが充分に抑制されるようになった。
また、本発明におけるリチウム二次電池においては、上記のようなリチウム二次電池用負極を用いたため、このリチウム二次電池を充放電させた場合にも、上記の負極合剤層が負極集電体から剥離するのが充分に防止されて、リチウム二次電池におけるサイクル寿命が向上し、特に、表面が粗面化されていない負極集電体を用いた場合においては、リチウム二次電池におけるサイクル寿命が向上すると共に、負極集電体の厚みを低減させることができ、リチウム二次電池における単位体積あたりの容量を増大させることができた。
以下、この発明に係るリチウム二次電池用負極及びその製造方法、またこのリチウム二次電池用負極を用いたリチウム二次電池について実施例を挙げて具体的に説明すると共に、この実施例に係るリチウム二次電池においてはサイクル寿命が向上することを、比較例を挙げて明らかにする。なお、本発明は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例1)
実施例1においては、下記のようにして作製した負極と正極と非水電解液とを用いるようにした。
[負極の作製]
負極活物質粒子に平均粒径が15μmのケイ素粉末(純度99.9%)を、バインダーにポリイミドを用い、上記の負極活物質粒子とバインダーとが9:1の重量比になるようにしてN−メチル−2−ピロリドンに加え、これらを混合させて負極合剤スラリーを調製した。
また、負極集電体としては、Niが3wt%,Siが0.65wt%,Mgが0.15wt%含有されたCu−Ni−Si−Mg合金で構成され、厚みが18μmで、引張強度が900N/mm2の圧延銅合金箔の両面を、銅で電解処理して粗面化させ、厚みが21μm、十点平均粗さRzが1.5μmとなったものを用いた。
そして、この負極集電体の両面に上記の負極合剤スラリーを塗布し、これを乾燥させて、負極集電体の両面に負極合剤層を形成した。この時点での電極厚みは86μmであった。
その後、これを380mm×52mmの長方形状に切り抜き、線圧1.0×103kg/cmの圧延ローラを用いて、電極厚みが60μmになるまで圧延させた後、これをアルゴン雰囲気下において400℃で1時間焼結させて負極を作製した。なお、焼成後における負極集電体の引張強度は750N/mm2であった。
そして、上記のようにして作製した負極の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、その結果を図1に示した。
この結果、同図に示すように、上記のようにして作製した負極においては、上記の負極集電体に負極活物質粒子が0.1μm以上埋設されている箇所が数ヵ所存在していた。
[正極の作製]
正極活物質を作製するにあたっては、Li2Co3とCoCo3とを用い、Li:Coの原子比が1:1になるように秤量して、これらを乳鉢で混合し、これを直径17mmの金型でプレスして加圧成形した後、これを空気中において、800℃の温度で24時間焼成してLiCoO2の焼成体を製造し、このLiCoO2の焼成体を乳鉢で粉砕して、平均粒径が20μmになったLiCoO2粉末を得た。
そして、このLiCoO2粉末からなる正極活物質粒子90重量部に対して、導電剤の人工黒鉛粉末5重量部と、結着剤のポリフッ化ビニリデンを3重量部含む5重量%のN−メチル−2−ピロリドン溶液を混合させて、正極合剤スラリーを調製した。
次いで、この正極合剤スラリーをアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、これを乾燥させて圧延した後、402mm×50mmの大きさに切り抜いて、正極集電体の両面に正極合剤層が形成された正極を作製した。
[非水電解液の作製]
非水電解液を作製するにあたっては、エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとを3:7の体積比で混合させた混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットルの濃度になるように溶解させ、さらに25℃において10分間二酸化炭素を吹き込み、二酸化炭素を飽和量となるまで溶解させた。
そして、リチウム二次電池を作製するにあたっては、図2(A),(B)に示すように、上記の正極1にアルミニウムからなる正極集電タブ1aを取り付けると共に、上記の負極2にニッケルからなる負極集電タブ2aを取り付け、この正極1と負極2とがポリエチレン製多孔質体からなるセパレータ3を介して対向するように捲回して電極体10を作製した。
次いで、図3に示すように、上記の電極体10をアルミニウムラミネートフィルムで構成された外装体20内に挿入させると共に、この外装体20内に上記の非水電解液を加え、その後、上記の正極集電タブ1aと負極集電タブ2aとを外部に取り出すようにして、上記の外装体20の開口部を封口させた。
(比較例1)
比較例1においては、上記の実施例1における負極の作製において、負極を線圧1.0×103kg/cmの圧延ローラを用いて圧延させるにあたり、電極厚みが70μmになるように圧延させ、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
そして、この比較例1において作製した負極の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、その結果を図4に示した。
この結果、同図に示すように、上記のようにして作製した負極においては、上記の負極集電体に負極活物質粒子が埋設されていなかった。
次に、上記のようにして作製した実施例1及び比較例1の各リチウム二次電池を、25℃の雰囲気中において、電流値1000mAで4.2Vまで充電させた後、電流値1000mAで2.75Vまで放電し、これを1サイクルとして充放電を繰り返して行い、放電容量が1サイクル目の放電容量の70%に達するまでのサイクル数を測定し、これをサイクル寿命とした。そして、実施例1のリチウム二次電池のサイクル寿命を100とした指数で、その結果を下記の表1に示した。
この結果、負極集電体に負極活物質粒子の一部が埋設された負極を用いた実施例1のリチウム二次電池は、負極集電体に負極活物質粒子が埋設されていない負極を用いた比較例1のリチウム二次電池に比べてサイクル寿命が大きく向上していた。
これは、前記のように負極集電体に負極活物質粒子の一部が埋設されることにより、負極合剤層と負極集電体との密着性が増加したためであると考えられる。また、上記のように負極活物質粒子の一部を負極集電体に埋設させることにより、負極活物質粒子が負極集電体と直接接触し、負極の抵抗が低減されて、負荷特性も向上すると考えられる。
(実施例2)
実施例2においては、上記の実施例1における負極の作製において、負極集電体として、Niが3wt%,Siが0.65wt%,Mgが0.15wt%含有されたCu−Ni−Si−Mg合金で構成され、厚みが18μmで、引張強度が900N/mm2の圧延銅合金箔を粗面化処理せずにそのまま用いるようにし、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
そして、この実施例2において作製した負極の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、その結果を図5に示した。
この結果、同図に示すように、実施例2において作製した負極においても、上記の実施例1において作製した負極と同様に、負極集電体に負極活物質粒子が0.1μm以上埋設されている箇所が数ヵ所存在していた。
(実施例3)
実施例3においては、上記の実施例1における負極の作製において、負極合剤スラリーを調製するにあたり、導電性粉末として平均粒径が3μmの黒鉛粉末を用い、前記の負極活物質粒子とバインダーとこの導電性粉末とが87:10:3の重量比になるようにして、負極合剤スラリーを調製し、また負極集電体としては、上記の実施例2の場合と同様に、Niが3wt%,Siが0.65wt%,Mgが0.15wt%含有されたCu−Ni−Si−Mg合金で構成され、厚みが18μmで、引張強度が900N/mm2の圧延銅合金箔を粗面化処理せずにそのまま用いるようにし、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
そして、この実施例3において作製した負極の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した結果、上記の実施例2の場合と同様に、負極集電体に負極活物質粒子が0.1μm以上埋設されている箇所が数ヵ所存在していた。
(実施例4)
実施例4においては、負極を作製するにあたり、負極集電体として、Zrが0.02wt%含有されたCu−Zr合金で構成され、厚みが18μmで、引張強度が450N/mm2の圧延銅合金箔を粗面化処理せずにそのまま用いるようにし、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
(比較例2)
比較例2においては、負極を作製するにあたり、負極集電体として、実施例2と同様に、Niが3wt%,Siが0.65wt%,Mgが0.15wt%含有されたCu−Ni−Si−Mg合金で構成され、厚みが18μmで、引張強度が900N/mm2の圧延銅合金箔を粗面化処理せずにそのまま用いると共に、上記の比較例2と同様にして、負極を圧延ローラにより圧延させ、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
そして、この比較例2において作製した負極の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、その結果を図6に示した。
この結果、同図に示すように、上記のようにして作製した負極においては、上記の負極集電体に負極活物質粒子が埋設されていなかった。
次に、上記のようにして作製した実施例2〜4及び比較例2の各リチウム二次電池を、前記の実施例1のリチウム二次電池と同様にして、充放電を繰り返して行い、放電容量が1サイクル目の放電容量の70%に達するまでのサイクル数を測定し、上記の実施例1のリチウム二次電池のサイクル寿命を100とした指数で、その結果を下記の表2に示した。
また、サイクル後における実施例1〜4及び比較例2の各リチウム二次電池を解体して、各負極の負極集電体における皺の発生の有無を調べ、その結果を表2に合わせて示した。
さらに、実施例1〜3の各リチウム二次電池については、1サイクル目の放電容量Q1と30サイクル目の放電容量Q30とを求め、下記の式により、30サイクル目の容量維持率を算出し、その結果を表2に合わせて示した。
容量維持率(%)=(Q30/Q1)×100
この結果、負極集電体として引張強度が900N/mm2の同じ圧延銅合金箔を用いた実施例2,3のリチウム二次電池と比較例2のリチウム二次電池とを比較した場合、負極集電体に負極活物質粒子の一部が埋設された負極を用いた実施例2,3のリチウム二次電池は、負極集電体に負極活物質粒子が埋設されていない負極を用いた比較例2のリチウム二次電池に比べてサイクル寿命が大きく向上していた。
また、表面が粗面化処理されていない圧延銅合金箔を負極集電体に用いた場合においても、実施例2,3のリチウム二次電池のように負極集電体に負極活物質粒子の一部が埋設された負極を使用すると、表面が粗面化処理された負極集電体を用いた実施例1のリチウム二次電池と同程度のサイクル寿命が得られた。
また、引張強度が450N/mm2の圧延銅合金箔を負極集電体に使用した実施例4のリチウム二次電池においては、サイクル後における負極集電体に皺が発生して、サイクル寿命が実施例2,3のリチウム二次電池に比べて低下していたが、負極集電体に負極活物質粒子が埋設されていない負極を用いた比較例2のリチウム二次電池に比べるとサイクル寿命が向上していた。
また、30サイクル目の容量維持率は、表面が粗面化処理されていない圧延銅合金箔を負極集電体に用いた実施例2のリチウム二次電池よりも、表面が粗面化処理された負極集電体を用いた実施例1のリチウム二次電池のほうが高くなっていたが、表面が粗面化処理されていない圧延銅合金箔を負極集電体に用いた場合においても、実施例3のリチウム二次電池のように、負極合剤層に導電性粉末を添加させると、30サイクル目の容量維持率が大きく向上し、表面が粗面化処理された負極集電体を用いた実施例1のリチウム二次電池よりも30サイクル目の容量維持率が高くなっていた。
実施例1において作製した負極の状態を示した図である。 実施例及び比較例において作製した電極体の概略平面図及び部分断面説明図である。 実施例及び比較例において作製したリチウム二次電池の概略平面図である。 比較例1において作製した負極の状態を示した図である。 実施例2において作製した負極の状態を示した図である。 比較例2において作製した負極の状態を示した図である。
符号の説明
1 正極
1a 正極集電タブ
2 負極
2a 負極集電タブ
3 セパレータ
10 電極体
20 外装体

Claims (10)

  1. ケイ素及び/又はケイ素合金を含む負極活物質粒子とバインダーを含む負極合剤層が、負極集電体の表面に焼成により形成されたリチウム二次電池用負極において、上記の負極活物質粒子の一部が負極集電体に埋設されていることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  2. 請求項1に記載したリチウム二次電池用負極において、上記の負極集電体が、銅又は銅合金の箔、表面に銅又は銅合金の層が形成された金属箔から選択される1種であることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  3. 請求項1又は請求項2に記載したリチウム二次電池用負極において、上記の負極集電体の焼成後の引張強度が450N/mm2〜1000N/mm2の範囲であることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載したリチウム二次電池用負極において、上記の負極活物質粒子がケイ素粒子であることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載したリチウム二次電池用負極において、上記の負極合剤層に導電性粉末が添加されていることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  6. 請求項5に記載したリチウム二次電池用負極において、上記の導電性粉末が黒鉛であることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  7. 請求項5又は請求項6に記載したリチウム二次電池用負極において、上記の導電性粉末の平均粒径が1〜10μmの範囲であることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  8. ケイ素及び/又はケイ素合金を含む負極活物質粒子とバインダーを含む負極合剤スラリーを負極集電体の表面に塗布して負極合剤層を形成する工程と、負極合剤層が形成された負極集電体を圧延させて、負極活物質粒子の一部を負極集電体に埋設させる工程と、負極活物質粒子の一部が負極集電体に埋設された負極合剤層を焼結させる工程とを備えることを特徴とするリチウム二次電池用負極の製造方法。
  9. 請求項8に記載したリチウム二次電池用負極の製造方法において、負極活物質粒子の一部が負極集電体に埋設された負極合剤層を非酸化性雰囲気下で焼結させることを特徴とするリチウム二次電池用負極の製造方法。
  10. 正極と負極と非水電解質とを備えたリチウム二次電池において、上記の負極に請求項1〜6の何れか1項に記載したリチウム二次電池用負極を用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
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