JP2005149786A - リチウム二次電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ケイ素及び/またはケイ素合金を含む活物質粒子を負極活物質として用いたリチウム二次電池において、充放電による電極及び電池の厚みの増加を抑制し、サイクル特性を向上させる。
【解決手段】 ケイ素及び/またはケイ素合金を含む活物質粒子とバインダーとを含む合剤層を導電性金属箔からなる集電体の表面上に配置した負極と、正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池において、非水電解質に五酸化二リンが固体状態で含有されていることを特徴としており、好ましくは五酸化二リンが非水電解質中に懸濁していることを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リチウム二次電池及びその製造方法に関するものである。
近年、高出力及び高エネルギー密度の新型二次電池の1つとして、非水電解液を用い、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行うリチウム二次電池が利用されている。
このようなリチウム二次電池用負極として、リチウムと合金化する材料を負極活物質として用いたものが検討されている。リチウムと合金化する材料としては、例えばケイ素材料が検討されている。しかしながら、ケイ素材料等のリチウムと合金化する材料は、リチウムを吸蔵・放出する際に、活物質の体積が膨張・収縮するため、充放電に伴い活物質が微粉化したり、活物質が集電体から脱離する。このため、電極内の集電性が低下し、充放電サイクル特性が悪くなるという問題があった。
本出願人は、このような問題を解決するリチウム二次電池用負極として、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む活物質粒子とバインダーとを含む合剤層を集電体の表面上に配置した後、非酸化性雰囲気下に焼結して得られるリチウム二次電池用負極を提案している(特許文献1)。
しかしながら、このようなリチウム二次電池用負極においては、ケイ素を含む活物質が、リチウムの吸蔵・放出の際にその体積の膨張及び収縮を伴うため、充放電を行う度に活物質表面の新生面と電解質が反応し、活物質表面が多孔質化し、活物質の見かけ上 の密度が低くなって、電極厚み及び電池厚みが増加してしまうという問題があった。また、活物質の体積の膨張・収縮によって、活物質表面にひび割れを生じ、活性な新生面が生じるため、活物質表面の新生面と電解質の反応により、電解質中のリチウムが消費され、充放電効率が低下するという問題もあった。
国際公開第02/21616号パンフレット 特開平8−329985号公報 特開2000−243357号公報
本発明の目的は、充放電による電極及び電池の厚み増加を抑制することができ、サイクル特性に優れたリチウム二次電池及びその製造方法を提供することにある。
本発明のリチウム二次電池は、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む活物質粒子とバインダーとを含む合剤層を導電性金属箔からなる集電体の表面上に配置した負極と、正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池であり、非水電解質に五酸化二リンが固体状態で含有されていることを特徴としている。
本発明において、「非水電解質に五酸化二リンが固体状態で含有されている」とは、非水電解質に五酸化二リンが溶解されているだけではなく、固体状態の五酸化二リンが含有されていることを意味している。また、非水電解質の溶媒が五酸化二リンを溶解しないものである場合には、非水電解質に五酸化二リンが溶解されていない状態で、固体状態の五酸化二リンが含有されていてもよい。
五酸化二リンを固体状態で非水電解質中に含有させておくことにより、充放電反応に伴って非水電解質中に溶解している五酸化二リンが消費されても、随時固体状態の五酸化二リンが非水電解質中に溶解するので、非水電解質中に溶解している五酸化二リンを補うことができる。従って、非水電解質中に五酸化二リンを常に飽和させておくことができる。また、非水電解質中の溶媒が五酸化二リンを溶解しない場合には、非水電解質と五酸化二リンが接触していることにより、添加による効果を得ることができると考えられる。また、五酸化二リンが吸湿剤として作用する場合には、非水電解質中に含有されている固体状態の五酸化二リンの表面に水分が吸着することにより、水分を除去することができる。従って、活物質表面から水分を遠ざけることができ、充放電反応に伴って活物質表面で起こる反応に水分が関与することを防ぐことができる。
本発明において、非水電解質に五酸化二リンが固体状態で含有されていることにより、以下のような効果が得られると考えられる。すなわち、充放電反応に伴い、負極活物質表面で起こる非水電解質の分解により生じた、水やフッ酸などと、五酸化二リンが反応することによって、負極活物質表面にリンを含有するリン酸リチウムや、リン酸エステルなどの良質の被膜が形成されると考えられる。このような被膜の形成により、充放電反応に伴う活物質表面のひび割れが抑制されるため、充放電の度に生じる活物質表面の新生面と電解質との反応が抑制され、活物質表面が多孔質化するのを抑制することができるものと思われる。この結果、電極厚み及び電池厚みの増加を抑制することができると考えられる。また、被膜の形成により、活物質表面の新生面の出現が抑制されるため、被膜形成に消費されるリチウムイオン量が減少し、充放電効率の低下を抑制することができると考えられる。
本発明における活物質表面の多孔質化は、合金化によりリチウムを吸蔵する活物質において、充放電サイクルを繰り返した際に見られる現象であり、活物質表面に丸みのある細かい凹凸が多数発生する現象を意味している。充放電サイクルが進むほど細かい凹凸の数が増加し、活物質の内部に多孔質化が進行する。
上記の活物質表面に形成されるリンを含有する被膜は、リチウムイオン伝導性に優れた被膜であるため、活物質内の充放電反応の分布の均一性が向上する。このため、活物質内でのリチウムの吸蔵・放出に伴う体積変化量の偏りにより発生する歪みが小さくなるので、活物質表面のひび割れを抑制することができ、活物質表面における新生面の発生も抑制することができる。従って、充放電効率を向上させることができる。また、ひび割れを重ねることによって生じる活物質の微粉化と、それに追随する合剤層の膨れを抑制することができる。
上述のように、本発明においては、非水電解質中に五酸化二リンが含有されているので、五酸化二リンによって非水電解質中の水分を効率良く除去することができる。非水電解質中の水分を除去することにより、リチウムの失活を防止し、充放電容量が低下するのを抑制することができる。また、負極活物質が水分によって失活すると、リチウムの吸蔵・放出が不可能な化合物となるため、放電容量が低下する。特に、ケイ素を含む活物質は、炭素系材料と比較すると、負極活物質1原子当りのリチウムイオン反応量が大きいため、1原子分の失活により充放電容量が大きく低下する。従って、五酸化二リンを含有させたことによる水分除去の効果は、ケイ素を含む活物質を用いた場合に、より大きく得ることができる。非水電解質中の水分が除去されない場合には、失活したリチウムや失活した負極活物質が、負極活物質表面に点在することにより、リチウムイオン導電性がその部分において低くなり、活物質内での充放電反応の分布の均一性が低下する。このため、活物質内でのリチウムの吸蔵・放出に伴う体積変化量の偏りによって歪みが発生し、この歪みにより活物質に割れが生じると考えられる。
特許文献2には、五酸化二リンを懸濁させた電解液が開示されている。しかしながら、ケイ素を含む活物質を用いる場合において、五酸化二リンを懸濁させた電解液を用いることにより、電極厚み及び電池厚みの増加を抑制することができ、サイクル特性の低下が顕著に改善されることについては何ら開示されておらず示唆されていない。
また、特許文献3においても、五酸化二リンを用いることが開示されているが、ケイ素を含む活物質を用いる場合に、電極厚み及び電池厚みの増加を抑制し、サイクル特性の低下を顕著に改善できることについて何ら開示されておらず、その示唆もなされていない。
本発明においては、五酸化二リンが、非水電解質中に懸濁した状態で含有されていることが好ましい。ここでいう懸濁とは、五酸化二リンの固体が、粒子として非水電解質中に分散している状態である。
本発明において、非水電解質中の五酸化二リンの含有量は、非水電解質の総重量に対して、0.01〜10重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。五酸化二リンの含有量が10重量%を超えると、非水電解質中の固体成分が過剰になり、電池内部に占める電解液の体積の割合を増やす必要が生じ、結果として電池の体積当りの充放電容量が低下するおそれがある。また、非水電解質中の固体成分が過剰になると、非水電解質の粘度が高くなり、リチウムイオン伝導性が低下するおそれがある。また、非水電解質中の五酸化二リンの含有量が、0.01重量%未満であると、負極活物質表面において、五酸化二リンによる良質な被膜が形成されず、充放電特性が低下するおそれがある。
本発明において、負極は、合剤層を集電体の表面上で焼結して配置したものであることが好ましい。焼結することにより、活物質粒子同士の密着性、及び活物質粒子と集電体との密着性を高めることができ、充放電反応におけるリチウムの吸蔵・放出の際の活物質の体積の膨張・収縮による活物質の集電体からの剥離を抑制することができる。
本発明において用いる活物質粒子としては、ケイ素及び/またはケイ素合金の粒子が挙げられる。ケイ素合金としては、ケイ素と他の1種以上の元素との固溶体、ケイ素と他の1種以上の元素との金属間化合物、ケイ素と他の1種以上の元素との共晶合金などが挙げられる。合金の作製方法としては、アーク溶解法、液体急冷法、メカニカルアロイング法、スパッタリング法、化学気相成長法、焼成法などが挙げられる。特に、液体急冷法としては、単ロール急冷法、双ロール急冷法、及びガスアトマイズ法、水アトマイズ法、ディスクアトマイズ法などの各種アトマイズ法が挙げられる。
また、本発明において用いる活物質粒子としては、ケイ素及び/またはケイ素合金の粒子表面を金属等で被覆したものを用いてもよい。被覆方法としては、無電解めっき法、電解めっき法、化学還元法、蒸着法、スパッタリング法、化学気相成長法などが挙げられる。粒子表面を被覆する金属としては、集電体として用いる金属箔と同じ金属であることが好ましい。金属箔と同じ金属を被覆することにより、焼結の際の集電体との結合性が大きく向上し、さらに優れた充放電サイクル特性を得ることができる。
本発明において用いる活物質粒子には、リチウムと合金化する材料からなる粒子が含まれていてもよい。リチウムを合金化する材料としては、ゲルマニウム、錫、鉛、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム及びこれらの合金などが挙げられる。
また、本発明における活物質粒子としては、ケイ素単体粒子も好ましく用いることができる。
本発明において用いる活物質粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、効果的な焼結を行うためには、100μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは50μm以下、最も好ましくは10μm以下である。活物質粒子の粒子径が小さいほど、良好なサイクル特性が得られる傾向にある。また、合剤層に添加して用いる導電性粉末の平均粒子径も、特に限定されるものではないが、100μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは50μm以下であり、最も好ましくは10μm以下である。
平均粒子径の小さい活物質粒子を用いることにより、充放電反応でのリチウムの吸蔵・放出に伴う活物質粒子の体積の膨張・収縮の絶対量が小さくなるため、充放電反応時の電極内での活物質粒子間の歪みの絶対量も小さくなるので、バインダーの破壊が生じず、電極内の集電性の低下を抑制することができ、良好な充放電特性を得ることができる。
また、平均粒子径の小さい活物質粒子を用いることにより、活物質表面に形成される被膜により、合剤層中に緻密なリチウムイオン伝導経路が形成されるため、電極内の充放電反応分布の均一性がさらに向上する。このため、リチウムの吸蔵・放出に伴う体積変化量の偏りにより発生する歪みがさらに抑制され、活物質表面のひび割れをさらに抑制することができる。また、活物質表面の新生面の発生も抑制することができ、充放電特性をさらに向上させることができる。
また、活物質粒子の粒度分布は、できる限り狭いことが好ましい。幅広い粒度分布であると、粒度が大きく異なる活物質粒子間において、リチウムの吸蔵・放出に伴う体積の膨張・収縮の絶対量に大きな差が存在することになるため、合剤層内で歪みが生じ、バインダーの破壊が生じる。このため、電極内の集電性が低下し、充放電サイクル特性が低下する。
本発明における集電体は、その表面の算術平均粗さRaが、0.2μm以上であることが好ましい。このような算術平均粗さRaの表面を有する集電体を用いることにより、合剤層と集電体との接触面積を大きくすることができ、合剤層と集電体との密着性を向上させることができる。このため、電極内の集電性をさらに向上させることができる。集電体の両面に合剤層を配置する場合には、集電体の両面の算術平均粗さRaが0.2μm以上であることが好ましい。
算術平均粗さRaは、日本工業規格(JIS B 0601−1994)に定められている。算術平均粗さRaは、例えば、表面粗さ計により測定することができる。
また、算術平均粗さRaと局部山頂平均間隔Sは、100Ra≧Sの関係を有することが好ましい。局部山頂の平均間隔Sは、日本工業規格(JIS B 0601−1994)に定められており、例えば、表面粗さ計により測定することができる。
本発明において、集電体の厚みは特に限定されるものではないが、10〜100μmの範囲であることが好ましい。
本発明において、集電体表面の算術平均粗さRaの上限は、特に限定されるものではないが、集電体の厚みが10〜100μmの範囲であることが好ましいので、集電体表面の算術平均粗さRaの上限は実質的には10μm以下であることが好ましい。
本発明における集電体は、導電性金属箔からなる。このような導電性金属箔としては、例えば、銅、ニッケル、鉄、チタン、コバルト等の金属またはこれらの組み合わせからなる合金のものを挙げることができる。特に、活物質材料中に拡散しやすい金属元素を含有するものが好ましい。このようなものとして、銅元素を含む金属箔、特に銅箔または銅合金箔が挙げられる。銅は、熱処理によって活物質であるケイ素材料中に拡散しやすいため、集電体と活物質材料との密着性が焼結により向上することが期待できる。また、このような焼結による集電体と活物質材料の密着性の向上を目的とする場合、活物質と接する集電体表面に銅元素を含む層が存在する金属箔を集電体として用いればよい。従って、銅以外の金属元素からなる金属箔を用いる場合には、その表面に銅または銅合金層を形成することが好ましい。
また、本発明においては、集電体の表面に大きな凹凸を形成するため、粗面化処理を施してもよい。このような粗面化処理としては、電析法、気相成長法、エッチング法、及び研磨法などが挙げられる。気相成長法としては、スパッタリング法、CVD法、蒸着法などが挙げられる。エッチング法としては、物理的エッチングや化学的エッチングによる方法が挙げられる。研磨法としては、サンドペーパーによる研磨やブラスト法による研磨などが挙げられる。
本発明において、合剤層の厚みXは、集電体の厚みY及びその表面の算術平均粗さRaと、5Y≧X、及び250Ra≧Xの関係を有することが好ましい。合剤層の厚みXが、5Yまたは250Raを超える場合、合剤層が、集電体から剥離する場合がある。
合剤層の厚みXは、特に限定されるものではないが、1000μm以下が好ましく、さらに好ましくは10μm〜100μmである。
本発明においては、合剤層に導電性粉末を混合することができる。導電性粉末を添加することにより、活物質粒子の周囲に導電性粉末による導電性ネットワークが形成されるので、電極内の集電性をさらに向上させることができる。導電性粉末としては、上記集電体と同様の材質のものを好ましく用いることができる。具体的には、銅、ニッケル、鉄、チタン、コバルト等の金属またはこれらの組み合わせからなる合金または混合物である。特に、金属粉末としては銅粉末が好ましく用いられる。また、導電性カーボン粉末も好ましく用いることができる。
合剤層への導電性粉末の添加量は、活物質粒子との合計重量の50重量%以下であることが好ましい。導電性粉末の添加量が多過ぎると活物質粒子の混合割合が相対的に少なくなるので、電極の充放電容量が小さくなる。
本発明において用いるバインダーは、焼結のための熱処理後も完全に分解せずに残存しているものが好ましい。熱処理後もバインダーが分解せずに残存していることにより、焼結による活物質粒子と集電体間及び活物質粒子間の密着性の向上に加え、バインダーによる結着力も加わり、密着性をさらに高めることができる。また、算術平均粗さRaが0.2μm以上の金属箔を集電体として用いる場合、集電体の表面の凹凸部分にバインダーが入り込むことにより、バインダーと集電体の間にアンカー効果が発現し、さらに密着性が向上する。このため、リチウムの吸蔵・放出の際の活物質の体積の膨張・収縮による集電体からの活物質層の脱離を抑制することができ、良好な充放電サイクル特性を得ることができる。
本発明におけるバインダーとしては、ポリイミドが好ましく用いられる。ポリイミドとしては、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミドが挙げられる。なお、ポリイミドは、ポリアミド酸を熱処理することによっても得ることができる。
ポリアミド酸の熱処理により得られるポリイミドは、ポリアミド酸が熱処理により脱水縮合してポリイミドとなるものである。ポリイミドのイミド化率は80%以上のものが好ましい。イミド化率とは、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)に対する生成したポリイミドのモル%である。イミド化率80%以上のものは、例えば、ポリアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液を100〜400℃の温度で1時間以上熱処理することにより得ることができる。例えば、350℃で熱処理する場合、熱処理時間が約1時間でイミド化率80%となり、約3時間でイミド化率は100%となる。
本発明においては、焼結のための熱処理後もバインダーは完全に分解せずに残存していることが好ましいので、バインダーとしてポリイミドを用いる場合は、ポリイミドが完全に分解しない600℃以下で焼結処理を行うことが好ましい。
本発明において、合剤層中のバインダーの量は、合剤層の総重量の5重量%以上であることが好ましい。また、バインダーの占める体積は、合剤層の総体積の5%以上であることが好ましい。合剤層におけるバインダー量が少な過ぎると、バインダーによる電極内の密着性が不十分となる場合がある。また、合剤層中のバインダー量が多過ぎると、電極内の抵抗が増加するため、初期の充電が困難になる場合がある。従って、合剤層中のバインダー量は総重量の50重量%以下であることが好ましく、バインダーの占める体積は、合剤層の総体積の50%以下であることが好ましい。
本発明のリチウム二次電池に用いる非水電解質の溶媒は、特に限定されるものではないが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネートや、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートが挙げられる。非水電解質の溶媒中に環状カーボネートが存在する場合、活物質粒子の表面において、リチウムイオン導電性に優れた良質の被膜が特に形成されやすいため、環状カーボネートが好ましく用いられる。特に、エチレンカーボネートが好ましく用いられる。また、環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒を好ましく用いることができる。このような混合溶媒としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを含んでいることが特に好ましい。また、上記環状カーボネートと、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどのエーテル系溶媒や、γ−ブチロラクトン、スルホラン、酢酸メチル等の鎖状エステル等との混合溶媒も例示される。
また、非水電解質の溶質としては、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C25SO2)2、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiC(CF3SO2)3、LiC(C25SO2)3、LiAsF6、LiClO4、Li210Cl10、Li212Cl12など及びそれらの混合物が例示される。特に、LiXFy(式中、XはP、As、Sb、B、Bi、Al、Ga、またはInであり、XがP、AsまたはSbのときyは6であり、XがB、Bi、Al、Ga、またはInのときyは4である)と、リチウムペルフルオロアルキルスルホン酸イミドLiN(Cm2m+1SO2)(Cn2n+1SO2)(式中、m及びnはそれぞれ独立して1〜4の整数である)またはリチウムペルフルオロアルキルスルホン酸メチドLiC(Cp2p+1SO2)(Cq2q+1SO2)(Cr2r+1SO2)(式中、p、q及びrはそれぞれ独立して1〜4の整数である)との混合溶質が好ましく用いられる。これらの中でも、LiPF6が特に好ましく用いられる。
さらに電解質として、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルなどのポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、LiI、Li3Nなどの無機固体電解質が例示される。本発明のリチウム二次電池の電解質は、イオン導電性を発現させる溶質としてのリチウム化合物とこれを溶解・保持する溶媒が電池の充電時や放電時あるいは保存時の電圧で分解しない限り、制約なく用いることができる。
本発明のリチウム二次電池の正極材料としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiMnO2、LiCo0.5Ni0.52、LiNi0.7Co0.2Mn0.12などのリチウム含有遷移金属酸化物や、MnO2などのリチウムを含有していない金属酸化物が例示される。また、この他にも、リチウムを電気化学的に挿入、脱離する物質であれば、制限なく用いることができる。
本発明の製造方法は、上記本発明のリチウム二次電池を製造することができる方法であり、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む活物質粒子とバインダーとを含む合剤層を導電性金属箔からなる集電体の表面上に配置して負極を作製する工程と、非水電解質に五酸化二リンを懸濁させる工程と、負極、正極、及び非水電解質を用いてリチウム二次電池を組み立てる工程とを備えることを特徴としている。
非水電解質に五酸化二リンを懸濁させる方法としては、特に限定されるものではなく、非水電解質の溶媒に五酸化二リンを添加し、添加後撹拌混合してもよいし、非水電解質の溶媒に溶質を添加した後に、五酸化二リンを添加し、添加後撹拌混合してもよい。
本発明において、合剤層は、活物質粒子をバインダーの溶液中に分散させたスラリーを集電体の表面上に塗布することにより、集電体の表面上に配置することができる。
また、本発明の製造方法においては、集電体の表面上に合剤層を形成した後、焼結する前に、合剤層を集電体とともに圧延することが好ましい。このような圧延により、合剤層における充填密度が高まり、活物質粒子間の密着性及び合剤層と集電体との密着性を高めることができる。このため、さらに良好な充放電サイクル特性を得ることができる。
本発明における非酸化性雰囲気下での焼結は、例えば、真空下または窒素雰囲気下またはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことができる。また、水素雰囲気などの還元性雰囲気下で行ってもよい。焼結する際の熱処理温度は、金属箔集電体及び活物質粒子の融点以下の温度であることが好ましい。例えば、金属箔集電体として銅箔を用いた場合には、銅の融点である1083℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは200〜500℃の範囲内であり、さらに好ましくは300〜450℃の範囲内である。焼結する方法としては、放電プラズマ焼結法や、ホットプレス法を用いてもよい。
本発明によれば、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む活物質粒子を負極活物質として用いたリチウム二次電池において、充放電による電極及び電池の厚みの増加を抑制することができ、サイクル特性を向上させることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
(実験1)
〔負極の作製〕
活物質粒子としての平均粒子径3μmのケイ素粉末(純度99.9%)81.8重量部を、バインダーとしてのポリイミド18.2重量部を含む8.6重量%のN−メチルピロリドン溶液に混合して、負極合剤スラリーとした。
この負極合剤スラリーを、表面の算術平均粗さRaが0.5μmである電解銅箔(厚み35μm)(集電体a1)の片面(粗面)に塗布し乾燥した。得られたものを25mm×30mmの長方形状に切り抜き、圧延した後、アルゴン雰囲気下で400℃1時間熱処理し、焼結して負極とした。焼結体の厚み(集電体を含む)は50μmであった。従って、合剤層の厚みは15μmであった。
また、この負極において、ポリイミドの密度は1.1g/cm3であり、ポリイミドの占める体積は、合剤層の総体積の31.8%であった。
〔正極の作製〕
出発原料として、Li2CO3及びCoCO3を用いて、Li:Coの原子比が1:1となるように秤量して乳鉢で混合し、これを直径17mmの金型でプレスし、加圧成形した後、空気中において800℃24時間焼成し、LiCoO2の焼成体を得た。これを乳鉢で粉砕し、平均粒子径20μmに調製した。
得られたLiCoO2粉末90重量部と、導電剤としての人工黒鉛粉末5重量部を、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン5重量部を含む5重量%のN−メチルピロリドン(NMP)溶液に混合し、正極合剤スラリーを調製した。
この正極合剤スラリーを、集電体であるアルミニウム箔の上に塗布し、乾燥した後、圧延した。得られたものを20mm×20mmの正方形に切り抜き、正極とした。
〔電解液の作製〕
電解液として、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比3:7で混合した溶媒に対し、LiPF6を1モル/リットル溶解し、得られた溶液に、五酸化二リンを全体の2重量%となるように添加して電解液とした。
〔電池の作製〕
上記の正極、負極、及び電解液を、アルミニウムラミネートの外装体内に挿入し、リチウム二次電池A1を作製した。なお、リチウム二次電池は、常温、常圧のアルゴン雰囲気下で作製した。
図2は、作製したリチウム二次電池を示す正面図である。図3は、図2のA−A線に沿う断面図である。図2に示すように、正極1及び負極2は、外装体6内において、セパレータ3を介して対向している。正極1にはアルミニウム金属製の正極タブ4が接続され、負極2にはニッケル金属製の負極タブ5が接続されている。これらの集電タブ4及び5は、外装体6から外部に引き出されている。外装体6は、アルミニウムラミネートからなり、外装体6の周辺を、ヒートシールすることにより閉口部7が形成されている。
(実験2)
実験1において、電解液への五酸化二リンの添加を行わなかった以外は、実験1と同様にして電池B1を作製した。
〔充放電サイクル特性の評価〕
上記の電池A1及びB1について、充放電サイクル特性を評価した。各電池を、25℃において、電流値14mAで4.2Vまで定電流充電後、電圧4.2Vで電流値0.7mAまで定電圧充電を行った後、電流値14mAで2.75Vまで放電し、これを1サイクルの充放電とした。1サイクル目の放電容量の80%に達するまでのサイクル数を測定し、サイクル寿命とした。結果を表1に示す。なお、各電池のサイクル寿命は、電池A1のサイクル寿命を100とした指数である。
Figure 2005149786
表1から明らかなように、五酸化二リンが懸濁している電解液を用いた電池A1は、五酸化二リンが懸濁していない電解液を用いた電池B1に比べ、サイクル寿命が長いことがわかる。これは、五酸化二リンが懸濁している電解液を用いることにより、活物質表面で形成される被膜が良質なものとなり、充放電反応に伴う活物質表面のひび割れにより生じる新生面上での被膜の形成に消費されるリチウムイオン量が減るため、充放電効率の低下が抑制されたことによるものと考えられる。また、活物質粒子表面で形成される被膜は、リチウムイオン導電性に優れた被膜であるので、活物質内での充放電反応の分布の均一性が向上する。このため、活物質内でのリチウムの吸蔵・放出に伴う体積変化量の偏りによる歪みの発生を抑制することができ、活物質の割れを抑制することができる。また、活物質表面での新生面の発生も抑制することができるので、充放電効率を向上することができる。
マイクロメーターにより、充放電サイクル試験後の電池A1及びB1の負極の電極厚みを測定したところ、それぞれ61μm及び89μmであった。このことから、電池A1の方が、電池B1よりも合剤層の膨れが抑制されていることがわかる。従って、負極活物質の多孔質化による体積膨張が抑制されていることがわかる。
(実験3)
ここでは、活物質としてケイ素粉末を使用した電池のサイクル特性に与える五酸化二リンの効果と、活物質として黒鉛を使用した電池のサイクル特性に与える五酸化二リンの効果とを比較検討した。
負極の活物質として黒鉛を用い、活物質層の厚みを70μmとした以外は、実験1と同様にして電池C1を作製した。
充放電試験前の電池C1の厚みをマイクロメーターで測定したところ、500μmであった。
(実験4)
負極の活物質として黒鉛を用い、活物質層の厚みを70μmとしたこと以外は、実験2と同様にして電池D1を作製した。
充放電試験前の電池D1の厚みをマイクロメーターで測定したところ、449μmであった。
〔充放電サイクル特性の評価〕
上記の電池C1及びD1について、実験1と同様にしてサイクル特性を評価した。結果を、サイクル寿命として表2に示す。
また、電池A1、B1、C1、及びD1について、1サイクル目の放電容量に対する200サイクル後の放電容量の比(放電容量維持率)、及び200サイクル後の活物質層の厚みを表2に示す。なお、電池C1の200サイクル後の厚みは529μmであり、200サイクル後の電池の膨れは29μmであった。また、200サイクル後の電池D1の厚みは473μmであり、200サイクル後の電池の膨れは24μmであった。電池C1及びD1の200サイクル後の活物質層の厚みは、合剤層が剥がれやすく測定が困難であるため、充放電サイクル試験前の負極の電極厚みと、充放電サイクル試験後の電池厚みの増加分から計算した値を示している。すなわち、充放電サイクル試験前の活物質層の厚み70μmに、電池の厚み増加分を加えた値として示している。また、電池A1及びB1については、充放電サイクル試験後の電極の厚みから、集電体の厚みを引いた値を示している。
Figure 2005149786
表2に示す電池A1とB1の比較から明らかなように、負極活物質としてケイ素を用いた場合には、非水電解質に五酸化二リンを添加することによって、電極の厚みの増加を抑制できることがわかる。これに対し、電池C1とD1の比較から明らかなように、負極活物質として炭素を用いた場合には、五酸化二リンを添加することによって電極の厚み増加を抑制することはできない。
また、負極活物質としてケイ素粉末を用いた場合、五酸化二リンを非水電解質に添加することにより、負極活物質として炭素を用いた場合よりも、サイクル特性の向上の度合いが大きいことがわかる。
負極活物質としてケイ素粉末を用いた電極においては、活物質の多孔質化による体積の増大や、活物質の集電体からの剥離が生じるため、活物質層の厚みが増加し、また電極内の集電性が低下することにより、サイクル特性が低くなるものと思われる。本発明に従い、非水電解質に五酸化二リンを含有させることにより、充放電反応により活物質表面に形成される良質の被膜が、リチウムイオン伝導性に優れた被膜となるため、活物質内での充放電反応の分布の均一性が向上し、活物質内での体積変化量の偏りにより発生する歪みを抑制することができる。これにより、活物質層表面のひび割れが抑制されるので、活物質表面の新生面の発生も抑制され、活物質の多孔質化による体積の増大が起こらないため活物質層の厚みの増加が抑制されるものと思われる。また、これによって充放電効率を向上させることができると考えられる。また、新生面での被膜形成に消費されるリチウムイオン量が減少するため、充放電効率の低下を抑制することができると考えられる。
(実験5)
ここでは、サイクル特性に与えるケイ素粉末粒径の影響について検討した。
実験1において、平均粒径20μmのケイ素粉末を用いたこと以外は実験1と同様にして電池A2を作製した。
これらの電池について、実験1と同様にサイクル特性を評価した。なお、サイクル寿命は電池A1のサイクル寿命を100とした指数である。表3には、電池A1のサイクル寿命も併せて示す。
Figure 2005149786
表3から明らかなように、平均粒径10μm以下であるケイ素粉末活物質を用いた電池A1は、平均粒径10μm以上であるケイ素粉末活物質を用いた電池A2に比べ、優れたサイクル特性を示していることがわかる。これは、粒径の小さい活物質粒子では、充放電反応でのリチウムの吸蔵・放出に伴う体積の膨張・収縮の絶対量が小さくなるため、充放電反応時の電極内での活物質粒子間の歪みの絶対量も小さくなるので、バインダーの破壊が生じず、電極内の集電性の低下を抑制することができたためと考えられる。また、粒径の小さい活物質粒子を用いることにより、合剤層中により緻密なリチウムイオン伝導経路が形成されるため、電極内の充放電反応分布の均一性がさらに向上され、これより、活物質内でのリチウムの吸蔵・放出に伴う体積変化量の偏りにより発生する歪みによる活物質表面のひび割れがさらに抑制されるので、新生面の発生も抑えられ、充放電特性をさらに向上させることができたものと考えられる。
(実験6)
ここでは、集電体表面の算術平均粗さRaがサイクル特性に与える影響について検討した。
実験4において、実験1で用いた電解銅箔と同材料からなり、算術平均粗さRaが0.2μmの電解銅箔または0.17μmの電解銅箔を用いたこと以外は実験1と同様にして、電池A3及びA4を作製した。
これらの電池について、実験1と同様にサイクル特性を評価した。なお、サイクル寿命は電池A1のサイクル寿命を100とした指数である。表4には、電池A1のサイクル寿命も併せ示す。
Figure 2005149786
表4から明らかなように、算術平均粗さRaが0.2μm以上である集電体を用いた電池A1及びA3は、算術平均粗さRaが0.2μm未満である集電体を用いた電池A4に比べ、優れたサイクル特性を示していることがわかる。これは、算術平均粗さRaが0.2μm以上の金属箔を用いることにより、バインダーによるバインダーと集電体間のアンカー効果が大きく得られ、合剤層と集電体との密着性が大きく向上したため、リチウムの吸蔵・放出に伴う活物質粒子の体積の膨張・収縮による合剤層の集電体からの剥離が抑制され、電極内の集電性が向上したためと考えられる。
(実験7)
ここでは、負極の焼結条件がサイクル特性に与える影響について検討した。
実験1において、負極の熱処理を600℃、1時間行ったこと以外は実験1と同様にして、電池A5を作製した。
この電池A5について、上記と同様にサイクル特性を評価した。なお、サイクル寿命は電池A1のサイクル寿命を100とした指数である。表5には、電池A1のサイクル寿命も併せて示す。
Figure 2005149786
表5から明らかなように、600℃、1時間で熱処理を行った電池A5は、400℃、1時間で熱処理を行った電池A1に比べ、サイクル特性が大きく低下していることがわかる。これは、600℃の熱処理ではバインダーが分解されるためにバインダーによる電極内の密着性が大きく低下し、集電性が低下したためと考えられる。
(実験8)
ここでは、合剤層に添加した導電性粉末がサイクル特性に与える影響について検討した。
合剤層中に、平均粒径3μmのNi粉末をケイ素粉末に対して20重量%添加した以外は実験1と同様にして、電池A6を作製した。
この電池について、上記と同様にサイクル特性を評価した。なお、サイクル寿命は電池A1のサイクル寿命を100とした指数である。表6には、電池A1のサイクル寿命も併せて示す。
Figure 2005149786
表6から明らかなように、合剤層にNi粉末を添加した電池A6の方が、合剤層に導電性粉末無添加の電池A1に比べ、サイクル特性が向上していることがわかる。これは、導電性粉末が、活物質粒子の周りに導電性ネットワークを形成することにより、合剤層内の集電性が向上したためと考えられる。
なお、上記実施例においては、負極集電体として片面のみに表面凹凸を有したものを用い、その粗面上にのみ活物質層を配置した負極を用いたリチウム二次電池を例にして説明を行ったが、これに限定されるものではなく、集電体の両面に表面凹凸形状を有し、その両面上に活物質層を配置した負極を用いたリチウム二次電池にも同様に適用される。
本発明における実施例の電池(電池A1)のサイクル数と放電容量維持率との関係を示す図。 本発明の実施例において作製したリチウム二次電池を示す正面図。 図2に示すリチウム二次電池のA−A線に沿う断面図。
符号の説明
1…正極
2…負極
3…セパレータ
4…正極タブ
5…負極タブ
6…外装体
7…閉口部

Claims (16)

  1. ケイ素及び/またはケイ素合金を含む活物質粒子とバインダーとを含む合剤層を導電性金属箔からなる集電体の表面上に配置した負極と、正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池において、前記非水電解質に五酸化二リンが固体状態で含有されていることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 前記五酸化二リンが前記非水電解質中に懸濁していることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記五酸化二リンの含有量が、前記非水電解質の総重量に対して0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記負極が、前記合剤層を前記集電体の表面上で焼結して配置したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  5. 前記合剤層を非酸化性雰囲気下で焼結したことを特徴とする請求項4に記載のリチウム二次電池。
  6. 前記活物質粒子の平均粒子径が、10μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  7. 前記集電体表面の算術平均粗さRaが、0.2μm以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  8. 前記集電体が、銅箔もしくは銅合金箔、または表面に銅層もしくは銅合金層を設けた金属箔であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  9. 前記集電体が、電解銅箔もしくは電解銅合金箔、または表面に電解銅層もしくは電解銅合金層を設けた金属箔であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  10. 前記バインダーが、焼結のための熱処理後にも残存していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  11. 前記バインダーが、ポリイミドであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  12. 前記活物質粒子が、ケイ素粒子であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  13. 前記合剤層に導電性粉末が混合されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  14. 負極と、正極と、非水電解質とを含むリチウム二次電池を製造する方法であって、
    ケイ素及び/またはケイ素合金を含む活物質粒子とバインダーとを含む合剤層を導電性金属箔からなる集電体の表面上に配置して前記負極を作製する工程と、
    前記非水電解質に五酸化二リンを懸濁させる工程と、
    前記負極、前記正極、及び前記非水電解質を用いてリチウム二次電池を組み立てる工程とを備えることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
  15. 前記負極を作製する工程が、前記活物質粒子を前記バインダーの溶液中に均一に混合し分散させたスラリーを前記集電体の表面上に塗布して合剤層を形成する工程と、前記合剤層を前記集電体の表面上に配置した状態で焼結する工程とを備えることを特徴とする請求項14に記載のリチウム二次電池の製造方法。
  16. 前記合剤層を非酸化性雰囲気下で焼結することを特徴とする請求項15に記載のリチウム二次電池の製造方法。
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