JP2007178420A - 容量式物理量センサおよびその診断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部ノイズなどによって誤って自己診断が行われることで、物理量が印加されたと誤認識されることを防止する。
【解決手段】PIN信号がHiになったときに、PIN信号が外部ノイズなどよりも長い時間と想定される時間継続した場合にのみ、自己診断モードに移行するようにする。これにより、外部ノイズなどによってPIN信号がHiになったとしても、自己診断モードに移行しないようにできる。このため、自己診断時でないにもかかわらず、外部ノイズなどに起因して加速度センサから加速度を示す出力信号Goが出力されることで、加速度が印加されているとご認識されることを防止することができる。そして、加速度センサに基づいて作動する装置などが誤作動を起こすことも防止することができる。
【選択図】図1
【解決手段】PIN信号がHiになったときに、PIN信号が外部ノイズなどよりも長い時間と想定される時間継続した場合にのみ、自己診断モードに移行するようにする。これにより、外部ノイズなどによってPIN信号がHiになったとしても、自己診断モードに移行しないようにできる。このため、自己診断時でないにもかかわらず、外部ノイズなどに起因して加速度センサから加速度を示す出力信号Goが出力されることで、加速度が印加されているとご認識されることを防止することができる。そして、加速度センサに基づいて作動する装置などが誤作動を起こすことも防止することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、可動電極と固定電極との間に形成した容量が物理量の印加により変動することを利用して、印加された物理量の検出を行う容量式物理量センサおよびその診断方法に関するものであり、例えば、加速度センサ等に適用することができる。
従来より、容量式物理量センサとして、自己診断機能を備えた加速度センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。この加速度センサでは、自己診断モードの時に可動電極と固定電極の間に電圧を印加することで強制的に可動電極を移動させ、可動電極を振動させると共に、それに応じた加速度信号が出力されるか否かを検出することで異常の発生を自己診断する。
具体的には、加速度センサには、可動電極に対して加速度検出のために駆動電圧を印加したり、自己診断の為に自己診断用電圧を印加したりすることを制御する制御回路が備えられている。この制御回路には、自己診断を行うことを指示するPIN信号が入力される入力端子と、自己診断中であること及びどの加速度センサが自己診断中であるかを示すID信号を出力する出力端子に相当するステータス(STAT)端子が備えられている。
そして、入力端子にPIN信号が入力されると、可動電極と固定電極との間に自己診断用の電圧が印加されることで、自己診断が行われる。図6は、従来の加速度センサの自己診断動作を示したタイミングチャートである。この図に示されるように、PIN信号がHiになると自己診断モードとなり、加速度センサの出力信号GoがHiになる。これと同時に、STAT端子の出力もHiとなり、自己診断が行われる。その後、PIN信号がLowになると、STAT端子からID信号が出力されることで、どの加速度センサが自己診断中であるかが示される。
特開2002−040047号公報
しかしながら、上記のように自己診断機能を備えた加速度センサにおいては、自己診断モードとされていない時にも、PIN信号がEMCノイズなどの外部ノイズによってHi状態に切り替わると、加速度センサの出力信号GoがHiとなる。したがって、自己診断時でないときに出力信号GoがHi状態となることから、加速度が加わった状態とご認識され、加速度センサに基づいて作動する装置などが誤作動を起こす恐れがある。
本発明は上記点に鑑みて、自己診断機能を備えた容量式物理量センサにおいて、外部ノイズなどによって誤って自己診断が行われることで、物理量が印加されたと誤認識されることを防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴によれば、制御手段(22、24)は、自己診断を行うか否かを表す自己診断指令信号が入力される入力端子と、自己診断を行っているか否かの状態を表す信号を出力する出力端子と、クロック信号を発生するクロックを有しており、入力端子に入力される自己診断指令信号が自己診断を行うことを示す信号であった場合に、クロックによるクロック数の計数を行い、自己診断を行うことを示す信号が規定クロック数分継続したときに、可動電極を変位させるための信号を可動電極と固定電極との間に印加したのち、容量の変化を検出するための信号を可動電極と固定電極との間に加えることで自己診断を行うようにしている。
このように、自己診断指令信号が自己診断を行うことを示す信号であった場合に、それが規定クロック数分継続した場合にのみ、自己診断が行われるようにしている。これにより、外部ノイズなどによって自己診断指令信号が自己診断を行うことを示す信号になったとしても、自己診断が行われないようにできる。このため、自己診断時でないにもかかわらず、外部ノイズなどに起因して容量式物理量センサから物理量を示す出力信号が出力されることで、物理量が印加されているとご認識されることを防止することができる。
具体的には、規定クロック数は、外部ノイズとして想定される時間よりも長い期間に相当するクロック数とされる。
なお、制御手段にて、自己診断が完了して、入力端子に入力される自己診断指令信号が自己診断を行うことを示す信号から切り替わったときに、出力端子からID信号を出力することで、どの容量式物理量センサで自己診断が行われたかを外部の装置に知らせることができる。
本発明の第2の特徴によれば、制御手段は、入力端子に入力される自己診断指令信号が自己診断を行うことを示す信号であった場合に、該信号が複数回繰り返された場合には、可動電極を変位させるための信号を可動電極と固定電極との間に印加したのち、容量の変化を検出するための信号を可動電極と固定電極との間に加えることで自己診断を行い、複数回繰り返されなかった場合には、自己診断を行わないようにしている。
このように、入力端子に入力される自己診断指令信号が自己診断を行うことを示す信号であった場合に、それが複数回繰り返された場合には自己診断を行うものと判定し、繰り返されなかった場合には、外部ノイズなどによるものと判定することができる。このようにしても、上記した本発明の第1の特徴と同様の効果を得ることができる。
例えば、制御手段は、自己診断を行うことを示す信号が2回繰り返された場合に自己診断を行い、1回のみであった場合には、自己診断を行わないようにすることができる。
この場合、制御手段は、自己診断を行うことを示す信号が1回目に入力されたときと、2回続けて入力されたときとで、出力端子から異なる信号を出力することで、出力端子の出力に基づいて、容量式物理量センサが自己診断をしているか否かを外部の装置が確認することができる。
また、制御手段は、自己診断を行うことを示す信号が1回目に入力されてから、規定時間を経過するまで2回目の信号が入力されなかった場合に、それ以降に該信号が入力されたときに再び1回目の入力とすることができる。
この場合、規定時間は、例えば、自己診断の際に自己診断を行うことを示す信号が繰り返し入力されると予想される時間よりも長く設定される。
また、本発明では、容量式物理量センサの診断方法が、容量式物理量センサの入力端子に所定時間の準備信号を入力して、出力端子より出力される信号が該所定時間に対応した時間長であるか否かを判定する準備処理と、準備処理において出力端子より出力される信号が該所定時間に対応した時間長であると判定された場合に、入力端子に自己診断を行うことを示す信号を所定時間入力して、出力端子より出力される信号が該所定時間に対応した時間長である場合に容量式物理量センサは正常であると判定する診断処理とからなることを第3の特徴としている。
このような診断方法とすることで、容量式物理量センサの入力端子に準備信号と類似したノイズが入力されたとしても、ノイズが所定時間入力され続けなければ準備処理以降の処理が行われないため、ノイズに起因して診断処理が開始されることを防止することができる。
さらに、本発明では、容量式物理量センサは、同一方向に第1感度と第2感度とを有するとともに、該第1感度における信号を出力する第1出力端子と、該第2感度における信号を出力する第2出力端子とを備えることと、第2感度における信号は第1感度における信号を増幅したものであり、診断処理が第2感度における信号の時間長に基づいて行われるようにすることを第4の特徴としている。
第2感度における信号は、第1感度における信号を増幅して生成されるため、第2感度における信号の時間長に基づいて診断処理を行うことで、第1感度における信号が正常であるか否かも同時に診断することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかる半導体式容量式の加速度センサの全体構成を図1に示す。以下、図1に基づいて加速度センサの構成を説明する。
本発明の第1実施形態にかかる半導体式容量式の加速度センサの全体構成を図1に示す。以下、図1に基づいて加速度センサの構成を説明する。
加速度センサは、可動電極1a、1b及び固定電極2a、2bを備えたセンサエレメント10と、可動電極1a、1bと固定電極2a、2bによる差動容量の変化に基づいて加速度を検出する検出回路20とを有した構成となっている。
センサエレメント10は梁構造体を有する構造となっており、この梁構造体によって可動電極1a、1b及び固定電極2a、2bが構成されている。そして、対向配置された可動電極1a及び固定電極2aと可動電極1b及び固定電極2bとによって差動の容量を構成し、各固定電極2a、2bに対して互いに反転する電圧を周期的に印加することで、可動電極1a、1bの変位に応じた差動容量の変化に基づく加速度検出が行われる。
一方、検出回路20には、C−V変換回路21、スイッチ回路22、信号処理回路23、及び制御信号発生回路24が備えられている。
C−V変換回路21は、可動電極1a、1bと固定電極2a、2bからなる差動容量の変化を電圧に変換するもので、オペアンプ21a、コンデンサ21b、スイッチ21cとを有した構成となっている。オペアンプ21aの反転入力端子は可動電極1a、1bに接続されており、反転入力端子と出力端子との間には、コンデンサ21b及びスイッチ21cが並列に接続されている。スイッチ21cは制御信号発生回路24からの信号S1によって駆動されるようになっており、オペアンプ21aの非反転入力端子にはスイッチ回路22を介して、固定電極2a、2bに印加された電圧の半分の電圧(すなわち中点電圧、本実施形態の場合には2.5V)と、この中点電圧とは異なる電圧(本実施形態の場合には4V)のいずれかが入力されるようになっている。
スイッチ回路22は、C−V変換回路21におけるオペアンプ21aの非反転入力端子に、図示しないそれぞれの電圧源からの電圧を入力するもので、スイッチ22aとスイッチ22bとから構成されている。これら各スイッチ22a、22bは、制御信号発生回路24からの信号Stに基づいて駆動され、一方が閉じている時には他方が開くようになっている。
信号処理回路23は、サンプルホールド回路23aとSCF回路23bとを有した構成となっている。サンプルホールド回路23aは、制御信号発生回路24からの信号S2に基づいて駆動され、C−V変換回路21の出力をサンプリングして一定期間保持する。SCF回路23bは、制御信号発生回路24からの信号F1に基づいて駆動され、サンプルホールド回路23aの出力電圧から所定の周波数帯域の成分のみを取り出して加速度信号として出力する。
制御信号発生回路24は、固定電極2a、2bへの電圧印加タイミングを示す信号(搬送波)PW1、PW2、スイッチ回路22のスイッチの切替えタイミングを示す信号St、スイッチ21cの切替えタイミングS1、サンプルホールド回路23aの制御信号S2、SCF回路23bの駆動クロック信号F1を出力する。
次に、このように構成された加速度センサの作動について説明する。
まず、通常の加速度検出時の作動について説明する。通常の加速度検出時には、制御信号発生回路24からの信号Stにより、スイッチ22aが閉じ、スイッチ22bが開くように制御される。
制御信号発生回路24から出力された信号PW1、PW2は、互いに電圧レベルが反転した電圧Vccの振幅(例えば5V)を有する信号となっており、4つの期間t1〜t4でハイレベル(Hi)とローレベル(Low)が変化する一定振幅の矩形波信号となっている。
まず、第1の期間t1では、信号PW1、PW2に基づいて固定電極2aの電位がV、固定電極2bの電位が0にされると共に、制御信号発生回路24からの信号S1によりスイッチ21cが閉じられる。このため、オペアンプ21aの働きにより可動電極1a、1bがV/2の電位にバイアスされると共に、帰還容量となるコンデンサ21bの電極間に蓄えられた電荷が放電される。
このとき、仮に可動電極1aと固定電極2aとの間の容量C1と、可動電極1bと固定電極2bとの間の容量C2とが、C1>C2の関係となっている場合には、この関係と固定電極2a、2bに印加される電位の関係とから、可動電極1a、1bは負の電荷が多い状態になる。
次に、第2の期間t2では、信号PW1、PW2に基づいて固定電極2aの電位がV、固定電極2bの電位が0にされると共に、制御信号発生回路24からの信号S1によりスイッチ21cが開かれる。このため、可動電極1a、1bの状態に応じた電荷がコンデンサ21bに蓄えられる。そして、このときコンデンサ21bに蓄えられた電荷に応じた電圧値がC−V変換回路21から出力されると、信号S2に基づきサンプルホールド回路23aによってC−V変換回路21の出力電圧がサンプリングされる。
続いて、第3の期間t3では、信号PW1、PW2に基づいて固定電極2aの電位が0、固定電極2bの電位がVとなるように電位が入れ替えられると共に、制御信号発生回路24からの信号S1によりスイッチ21cが開かれたままにされる。
このとき、可動電極1a、1bの電荷の状態は信号PW1、PW2の反転により、第2の期間t2と逆になる。すなわち、上述したようにC1>C2の関係を満たす場合には、固定電極2a、2bへの印加電位の反転により、可動電極1a、1bは正の電荷が多い状態になる。
しかしながら、このとき、可動電極1a、1bとコンデンサ21bとの間が閉回路となっており、第1の期間t1の電荷量が保存されているため、可動電極1a、1bの電荷量のバランスから溢れ出した電荷がコンデンサ21bに移動して蓄えられる。そして、Q=CVの関係から、移動してきた電荷量に比例すると共にコンデンサ21bの容量Cに反比例した電圧値がC−V変換回路21から出力される。
さらに、第4の期間t4、すなわち信号PW1、PW2に基づいて固定電極2aの電位が0、固定電極2bの電位がVにしたのちC−V変換回路21の出力が十分に安定すると、信号S2に基づきサンプルホールド回路23aにて、C−V変換回路21の出力電圧がサンプリングされる。
そして、最終的に、第2の期間t2にサンプリングされた電圧値と第4の期間t4にサンプリングされた電圧値とがサンプルホールド回路23aで差動演算されたのち出力される。この出力に基づいて可動電極1a、1bの変位に応じた加速度検出が行われる。
次に、本実施形態の加速度センサの自己診断時および自己診断時でないにもかかわらず外部ノイズなどによってPIN信号がHiになった場合における作動を説明する。
自己診断時には、制御信号発生回路24に自己診断指令信号となるPIN信号がHiになる。また、外部ノイズなどに起因としてPIN信号がHiになる。このため、PIN信号がHiになったときには、制御信号発生回路24に内蔵されたクロックが発生するクロック信号CLKに基づいて、PIN信号がHiになった理由が、自己診断のためであるのか、それとも外部ノイズなどによるものなのかが制御信号発生回路24において判定される。
まず、クロック信号CLKにてPIN信号のHiが継続されている時間が計数される。このとき、規定クロック数分のクロックが発生する期間中、PIN信号のHiが継続した場合には、そのクロックの立上り(もしくは立下り)に基づいて信号Stが通常の加速度検出時から切替えられ、その期間中にPIN信号がLoに戻った場合には、信号Stは通常の加速度検出時のままとされる。
規定クロック数とは、外部ノイズなどとして想定される時間よりも長い時間分に相当するクロック数のことを意味している。つまり、PIN信号がHiになったときに、クロック信号CLKでのクロック数を計数し、PIN信号のHiが維持された期間が規定クロック数を超えるような場合には、PIN信号が外部ノイズなどによって誤ってHiになってしまったのではなく、真に自己診断の為にHiになったものと考えられる。逆に、PIN信号がHiになったとしても、PIN信号のHiが維持された期間が規定クロック数未満であった場合には、PIN信号が外部ノイズなどによって誤ってHiになってしまったものと考えられる。
このため、制御信号発生回路24では、PIN信号のHiが規定クロック数分継続した場合には、外部ノイズなどではないと判定して自己診断モードに移行すべく信号Stを通常の加速度検出時から切り替え、継続しなかった場合には、外部ノイズなどであると判定して自己診断モードへは移行せずに、そのまま通常の加速度検出を続ける。
これにより、自己診断モードに移行した場合には、信号Stに基づいてスイッチ回路22のスイッチ22aが開、スイッチ22bが閉とされ、オペアンプ21aに固定電極2a、2bの中点電圧とは異なる電圧(本実施形態では4V)が印加される。
これと同時に、信号PW1及び信号PW2に基づいて固定電極2aと固定電極2bとの間に電位差が形成される。このため、例えば、可動電極1aと固定電極2aとの間の電位差(1V)よりも可動電極1bと固定電極2bとの間の電位差(4V)の方が大きくなり、静電気力が増大するため、この静電気力によって可動電極1a、1bが強制的に中心点から移動させられる。
続いて、信号Stに基づいてスイッチ回路22によるスイッチ切替えが行われ、通常の加速度検出時と同様に、オペアンプ21aの非反転入力端子に固定電極2a、2bの中点電圧が印加されるようにする。
この後、上記した通常の加速度検出時と同様の作動を行い、可動電極1a、1bの変位量に応じた出力を得る。このとき、上記静電気力による可動電極1a、1bの変位量はオペアンプ21aの非反転入力端子に印加される電圧によって一義的に決まるため、可動電極1a、1bの変位量に応じた出力も一義的に決まっており、得られた出力と一義的に決まっている出力とを比較することによって自己診断が行える。
そして、この自己診断が完了すると、STAT端子からどの加速度センサで自己診断が行われたかということを示すID信号がクロック信号CLKに同期して出力され、加速度センサの検出結果に基づいて各種制御を実行する装置において、自己診断結果がどの加速度センサのものであるかが認識される。
図2は、本実施形態の加速度センサの作動を示す状態遷移図である。この図に示されるように、PIN信号がLoの時には、通常の加速度検出の状態(通常状態)となっている。このときには、基本的に加速度センサの出力信号Goは0Gを示しており、加速度が印加されたときに、それに応じた値を示すことになる。また、STAT端子の電位はLoになっている。
PIN信号がHiになると、プライマリ状態(1)となり、PIN信号がHiとなっている期間が規定クロック数分継続するか否かを検出している状態、つまり、自己診断を行う必要性があるか否かの判定状態となる。このときにも、基本的に加速度センサの出力信号Goは0Gを示しており、STAT端子の電位はLoのままとなる。このプライマリ状態(1)においては、PIN信号のHiが継続している最中には、プライマリ状態(1)が継続し、PIN信号がLoに切り替わると、再び通常状態に戻る。
プライマリ状態(1)において、クロック信号CLKが規定クロック数(例えば4クロック)分計数されると、プライマリ状態(2)、つまり自己診断モードに移行する。これにより、自己診断が行われ、加速度センサの出力信号Goは、自己診断に応じた値(プライマリ出力)となる。このプライマリ状態(2)においても、PIN信号のHiが継続している最中には、プライマリ状態(2)が継続する。そして、PIN信号がLoに切り替わると、ID出力状態になる。
ID出力状態では、基本的に加速度センサの出力信号Goは0Gを示しており、STAT端子からクロック信号CLKに同期してID信号が出力される。このID出力状態においては、PIN信号がLoが継続している最中はID出力状態が続けられ、Hiになるとプライマリ状態(2)に再び戻る。そして、ID信号の出力が完了すると、自己診断が完了したものとして、通常状態に移行する。
図3(a)は、自己診断時における加速度センサの作動を示すタイミングチャート、図3(b)は、自己診断時でないにも関わらず、外部ノイズなどによってPIN信号が瞬間的にHiになったときの加速度センサの動作を示すタイミングチャートである。
これらの図に示されるように、自己診断時には、PIN信号のHiが規定クロック数分継続することになるため、規定クロック数分継続したのち自己診断が行われ、加速度センサから自己診断に応じた出力信号Goが出力されることになる。一方、外部ノイズなどによってPIN信号が瞬間的にHiになったときには、PIN信号のHiが規定クロック数分継続しないため、自己診断が行われず、加速度センサの出力信号Goは0になる。
以上説明した本実施形態の加速度センサによれば、PIN信号がHiになったときに、PIN信号が外部ノイズなどよりも長い時間と想定される時間継続した場合にのみ、自己診断モードに移行するようにしている。これにより、外部ノイズなどによってPIN信号がHiになったとしても、自己診断モードに移行しないようにできる。
このため、自己診断時でないにもかかわらず、外部ノイズなどに起因して加速度センサから加速度を示す出力信号Goが出力されることで、加速度が印加されているとご認識されることを防止することができる。そして、加速度センサに基づいて作動する外部の装置などが誤作動を起こすことも防止することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態を変更したものであるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態を変更したものであるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態では、PIN信号を複数回に分けてHiとすることで自己診断であるか外部ノイズであるかを判定するものであり、加速度センサの基本構造などに関しては第1実施形態と同様である。したがって、ここでは、本実施形態の加速度センサについて、自己診断時および自己診断時でないにも関わらず、外部ノイズなどによってPIN信号が瞬間的にHiになったときの加速度センサの動作についてのみ説明する。
自己診断時には、制御信号発生回路24に自己診断指令信号となるPIN信号がHiになる。また、外部ノイズなどに起因としてPIN信号がHiになる。このため、PIN信号がHiになったときには、制御信号発生回路24に内蔵されたクロックが発生するクロック信号CLKに基づいて、PIN信号がHiになった理由が、自己診断のためであるのか、それとも外部ノイズなどによるものなのかが制御信号発生回路24において判定される。
まず、PIN信号がHiになったとき、PIN信号の立上りと同期して、制御信号発生回路24から各種信号が出力され、またSTAT端子の出力がHiになる。
具体的には、制御信号発生回路24から出力された各種信号に基づき、第1実施形態で説明した自己診断モードの場合と同様の動作が行われる。
このため、通常の自己診断時と同様の動作が行われることになるが、このときにはまだ自己診断のための動作であるのか、外部ノイズなどに起因して行われた動作なのか分からない。したがって、自己診断であるか否か不明であるということがSTAT端子の出力(Hi)に基づいて判定され、このときに得られる加速度センサの出力は自己診断に用いないようにされる。言い換えると、自己診断時と同様の動作が行われるものの、まだこの段階では自己診断モードへのエントリが行われないようにされる。
続いて、自己診断の場合には、先ほどHiにしたときから一定の時間間隔を空けて、もう一度PIN信号としてHiが入力されるようにする。つまり、外部ノイズなどの場合には不定期にPIN信号がHiになり、連続してHiにならないため、自己診断のときにはPIN信号を複数回にわたって定期的にHiとすることで、外部ノイズなどと区別できるようにするのである。
このため、自己診断の場合には、もう一度PIN信号がHiになるため、再度、上記と同様に自己診断モードに移行し、今度は正式な自己診断(2回目の自己診断)が行われる。このときにはSTAT端子の出力がHiにならないようにする。このようにすることで、1度目の自己診断のときに対してSTAT端子の出力が変わるため、STAT端子の出力を読み取ることで自己診断中であるか否かを判定することができる。そして、2回目の自己診断が完了した後、STAT端子からID信号を出力させるようにしている。
図4は、本実施形態の加速度センサの作動を示す状態遷移図である。この図に示されるように、PIN信号がLoの時には、通常の加速度検出の状態(通常状態)となっている。このときには、基本的に加速度センサの出力信号Goは0Gを示しており、加速度が印加されたときに、それに応じた値を示すことになる。また、STAT端子の電位はLoになっている。
PIN信号がHiになると、プライマリ状態(1)となり、自己診断モードに移行する。これにより、自己診断が行われ、加速度センサの出力信号Goは、自己診断に応じた値(プライマリ出力)となる。また、STAT端子の出力はHiとなる。このプライマリ状態(1)においても、PIN信号のHiが継続している最中には、プライマリ状態(1)が継続する。そして、PIN信号がLoに切り替わると、プライマリ状態(2)に移行する。
プライマリ状態(2)においては、基本的に加速度センサの出力信号Goは0Gを示しており、STAT端子の電位はLoのままとなる。このプライマリ状態(2)においては、PIN信号のLoが継続している最中には、プライマリ状態(2)が継続し、PIN信号がHiに切り替わると、プライマリ状態(3)に移行する。なお、プライマリ状態(2)が一定期間、つまり自己診断の為にPIN信号が複数回Hiに切り替わると想定される期間を過ぎた場合には、通常状態に戻る。この場合、それ以降にPIN信号がHiになったとしても、再度1回目として取り扱われる。
プライマリ状態(3)では、再び自己診断モードに移行する。これにより、自己診断が行われ、加速度センサの出力信号Goは、自己診断に応じた値(プライマリ出力)となる。ただし、このときにはSTAT端子の出力はLowとなる。このプライマリ状態(3)においても、PIN信号のHiが継続している最中には、プライマリ状態(3)が継続する。そして、PIN信号がLoに切り替わると、ID出力状態に移行する。
ID出力状態では、基本的に加速度センサの出力信号Goは0Gを示しており、STAT端子からクロック信号CLKに同期してID信号が出力される。このID出力状態においては、PIN信号がLoが継続している最中はID出力状態が続けられ、Hiになるとプライマリ状態(3)に再び戻る。そして、ID信号の出力が完了すると、自己診断が完了したものとして、通常状態に移行する。
図5(a)は、自己診断時における加速度センサの作動を示すタイミングチャート、図5(b)は、自己診断時でないにも関わらず、外部ノイズなどによってPIN信号が瞬間的にHiになったときの加速度センサの動作を示すタイミングチャートである。
これらの図に示されるように、自己診断時には、PIN信号のHiが2回続くが、外部ノイズなどによる場合にはPIN信号のHiが単独で発生する。このため、自己診断時には、2回目にPIN信号がHiになったときに自己診断が行われ、加速度センサから自己診断に応じた出力信号Goが出力されることになる。一方、外部ノイズなどによる場合には、PIN信号が2回続いてHiにならないため、自己診断が行われず、加速度センサの出力信号Goは0になる。
このように、PIN信号がHiになるのが複数回繰り返された場合には自己診断を行うものと判定し、繰り返されなかった場合には、外部ノイズなどによってPIN信号がHiになったものと判定することができる。本実施形態のようにしても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、加速度センサが1軸方向に2出力の感度を有する点で前述の各実施形態と異なる。なお、加速度センサの基本構造は第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と同様の部分に関しては同様の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、加速度センサが1軸方向に2出力の感度を有する点で前述の各実施形態と異なる。なお、加速度センサの基本構造は第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と同様の部分に関しては同様の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図7は、本実施形態の加速度センサのパッケージIC30の構成を示す。この図に示すように、パッケージIC30は、センサエレメント10、C−V変換回路21、検出回路20、スイッチ回路22、制御信号発生回路24とを含んだ構成とされている。パッケージIC30には、パッケージIC30への駆動電圧VCCを供給する電源端子30a、後述する出力信号Go1を出力する第1出力端子30b、後述する出力信号Go2を出力する第2出力端子30c、パッケージIC30の基準電位GNDと接続されるGND端子30d、加速度センサの状態を示す信号を出力するSTAT端子30e、自己診断指令信号となるPIN信号が入力される入力端子30fを出力する端子の合計6本の端子30a〜30f(後述するリードフレーム35に相当)が設けられている。
ここで、図8(a)および図8(b)を用いて前述した端子の配置について詳細に説明する。図8(a)は、加速度センサの実装構造を示した側面図である。また、図8(b)は、図8(a)のA−A'線における断面図である。
図8(a)に示すように、加速度センサは、基板部31とパッケージ部32とを接合することにより構成されている。基板部31は、C−V変換回路21と検出回路20とスイッチ回路22と制御信号発生回路24とからなる信号処理回路基板の上に、センサエレメントを有するセンサ回路基板を積層することにより構成されている。
また、図8(a)および図8(b)に示すように、基板部31には、基板部31のパッケージ部32側の面に設けられた6箇所の主電極33が設けられている。同様に、パッケージ部32にも、基板部31の6箇所の主電極33に対応するように、6本のリードフレーム35が設けられている。これらのうちのリードフレーム35により上述した6本の端子30a〜30fが構成されている。
主電極33とリードフレーム35とはバンプ接続されている。このバンプ接続は、パッケージ部32から基板部31に応力(特に、熱応力)が発生した場合であっても、破壊されないように、濡れ性良好な形状によりハンダ付けされている。具体的には、基板部31側よりもパッケージ部32側のハンダ付着面積が広くされている。
また、基板部31とパッケージ部32との間のバンプ接続は、前述の6箇所だけではなく、基板部31の4隅に設けられた補助電極34と、これらの補助電極34に対応するようにパッケージ部32に設けられた4箇所のダミーパッド36とがバンプ接続されている。この補助電極34は、パッケージ部32が熱変形した際に、基板部31に熱応力を印加し難いように、主電極33とは異なり、基板部31側もパッケージ部32側も同じような面積でハンダ付けされている。これにより、パッケージ部32に応力が発生したとしても、各主電極33がリードフレーム35から外れることを防止できると共に、補助電極34によって該応力を緩和することが可能となる。
次に、図7に基づいて、本実施形態における制御信号発生回路24について説明する。制御信号発生回路24は、内部クロック生成回路24aを有しており、この内部クロック生成回路24aが生成したクロック信号に基づいて、各種信号PW1、PW2、St、S1、S2、F1を出力する構成となっている。すなわち、本実施形態の加速度センサは、パッケージ外からのクロック信号を必要としない構成となっている。
ところで、本実施形態の加速度センサは、1軸方向に2出力の感度を有すると述べたが、図7に示す通りセンシング部を構成するセンサエレメントは1つしか設けられておらず、上記各実施形態と同様の構造とされている。しかし、本実施形態の加速度センサは、SCF回路23bの出力後に分岐回路25が設けられている点で上記各実施形態と異なる。
分岐回路25は、SCF回路23bの出力信号を増幅し、出力信号Go2を形成するための回路であり、オペアンプ25aおよびSCF回路23bの出力端子とオペアンプ25aの反転入力端子との間に接続された抵抗25b、およびオペアンプ25aの反転入力端子と出力端子の間に接続された抵抗25cによる増幅回路にて構成されている。
SCF回路23bから出力された信号は、点Bにおいて分岐し、一方はそのまま出力信号Go1として出力され、他方は分岐回路25によりさらに増幅された後に出力信号Go2として出力される。このように、出力信号Go1と出力信号Go2とは増幅度が異なるため、この加速度センサは、1軸方向に2つの感度を有する構成となる。なお、分岐回路25は反転増幅回路とされているので、出力信号Go2は出力信号Go1に対して反転方向に増幅され、これら2つの出力信号Go1、Go2が混同し難い構成となっている。
図9は、パッケージIC30(圧力センサ)とそのセンサ出力に基づいた処理を行うECU40との間の信号の入出力関係を示した模式図である。前述したように、加速度センサへは駆動電圧VDD、基準電位GNDおよび信号PINが入力され、加速度センサからは出力信号Go1、Go2および信号STATが出力される。そして、加速度センサが出力した出力信号Go1、Go2および信号STATは、車両内部のバスを通じてECU40(例えば、エアバッグECU)に送信される。
ECU40は、内部にクロック生成回路(制御信号発生回路の内部クロック生成回路24aとは同期しなくても良い)を有し、1[msec]程度の制御周期で駆動されている。例えば、ECU40がエアバックECUの場合、ECU40は、図示しないキーシリンダ部が出力したIG信号(エンジンが始動された際に出力される信号)を受信すると、加速度センサに対して信号PINを出力する。その後、ECU40は、加速度センサが出力する出力信号Go1、Go2および信号STATを受信すると、これらの信号に基づいて診断結果もしくは衝突判定結果を出力する。
衝突判定結果とは、車両各部に設けられた各加速度センサの出力を鑑みて判定されるものであり、具体的には車両がエアバッグを展開すべき物体に衝突したか否かの判定結果のことを示している。これは、通常の加速度検出時における加速度センサの出力に基づいて判定される。一方、診断結果は、ECU40がIG信号を受信した際に行われる自己診断処理の結果であり、具体的にはセンサエレメント10に電圧を印加して可動電極1a、1bを変位させたときの加速度センサの出力に基づく判定結果のことを示している。
以下、本実施形態の加速度センサによる自己診断処理について、図10のフローチャートおよび図11のタイミングチャートを用いて説明する。
自己診断処理は、図示しないキーシリンダ部が出力したIG信号がECU40に入力されると所定の初期化処理等を経た後に開始され、所定の制御周期毎に実行される。
まず、図10のステップ100では、加速度センサに対して信号PINを一定期間Δt
1[sec]の間、連続してHiにする。一定期間Δt1[秒]は、車両の通信系に影響
を及ぼすノイズが連続して照射されると予想される時間よりも長い時間に設定される。車両の通信系に影響を与えるノイズは、ギガヘルツ帯の周波数の信号であるため、そのようなノイズは連続して1〜500[nsec]程度、通信系に重畳されると予想される。そこで、このようなノイズが通信系に乗りPINと誤認され自己診断が開始されないように、本実施形態では、Δt1[sec]を0.25[msec]としている。一定期間Δt1[sec]の範囲としては、0.1〜0.5[msec]程度が望ましい。すなわち、Δt1[sec]には、重畳されると予想されるノイズ時間1〜100[nsec]の5〜500倍程度のマージンを設けると良い。
1[sec]の間、連続してHiにする。一定期間Δt1[秒]は、車両の通信系に影響
を及ぼすノイズが連続して照射されると予想される時間よりも長い時間に設定される。車両の通信系に影響を与えるノイズは、ギガヘルツ帯の周波数の信号であるため、そのようなノイズは連続して1〜500[nsec]程度、通信系に重畳されると予想される。そこで、このようなノイズが通信系に乗りPINと誤認され自己診断が開始されないように、本実施形態では、Δt1[sec]を0.25[msec]としている。一定期間Δt1[sec]の範囲としては、0.1〜0.5[msec]程度が望ましい。すなわち、Δt1[sec]には、重畳されると予想されるノイズ時間1〜100[nsec]の5〜500倍程度のマージンを設けると良い。
これにより、図11の時点t0〜t2に示すように、加速度センサからはSTAT端子30eと第2出力端子30cから加速度センサの状態を示す信号と出力信号Go2がECU40に対して出力される。このとき、信号PINが一定期間Δt1[sec]連続して
入力されているため、一定期間Δt1の間、STAT端子からHiの電位、第2出力端子
30cの出力信号Go2もHiの電位が出力される。
入力されているため、一定期間Δt1の間、STAT端子からHiの電位、第2出力端子
30cの出力信号Go2もHiの電位が出力される。
続く、ステップ101では、この時点t0〜t2の間のSTAT端子の出力電位および第2出力端子30cの出力信号Go2を取得し、どれだけの時間連続してHi出力されたかを算出する(正常なら一定期間Δt1[sec]と一致する)。そして、ステップ10
2において、STAT端子の出力電位がHiとなっている期間に基づいて分岐判定を行う。STAT端子の出力電位がHiとなる期間が一定期間Δt1[sec]であるなら、信号PINは正常に加速度センサに入力されたと判定してステップ103へ進み、STAT端子の出力電位がHiとなる期間が一定期間Δt1[sec]未満であれば、信号PINは正常に加速度センサに入力されていないと判定してステップ100へ戻る。
2において、STAT端子の出力電位がHiとなっている期間に基づいて分岐判定を行う。STAT端子の出力電位がHiとなる期間が一定期間Δt1[sec]であるなら、信号PINは正常に加速度センサに入力されたと判定してステップ103へ進み、STAT端子の出力電位がHiとなる期間が一定期間Δt1[sec]未満であれば、信号PINは正常に加速度センサに入力されていないと判定してステップ100へ戻る。
ステップ103では、再度、加速度センサに対して信号PINを一定期間Δ1t[se
c]の間、連続してHiにする。これにより、図11の時点t0〜t2と同様に、時点t2〜t4においても、加速度センサからはSTAT端子30eと第2出力端子30cから加速度センサの状態を示す信号と出力信号Go2がECU40に対して出力される。
c]の間、連続してHiにする。これにより、図11の時点t0〜t2と同様に、時点t2〜t4においても、加速度センサからはSTAT端子30eと第2出力端子30cから加速度センサの状態を示す信号と出力信号Go2がECU40に対して出力される。
続く、ステップ104では、この時点t2〜t4の間のSTAT端子の出力電位および第2出力端子30cの出力信号Go2を取得し、どれだけの時間連続してHi出力されたかを算出する。そして、ステップ105において、STAT端子の出力電位がHiとなっている期間に基づいて分岐判定を行う。STAT端子の出力電位がHiとなる期間が一定期間Δt1[sec]であるなら、信号PINは正常に加速度センサに入力されたと判定
してステップ106へ進み、STAT端子の出力電位がHiとなる期間が一定期間Δt1
[sec]未満であれば、信号PINは正常に加速度センサに入力されていないと判定してステップ100へ戻る。
してステップ106へ進み、STAT端子の出力電位がHiとなる期間が一定期間Δt1
[sec]未満であれば、信号PINは正常に加速度センサに入力されていないと判定してステップ100へ戻る。
上述したステップ100〜102は1回目準備処理であり、ステップ103〜105は2回目準備処理であるが、これらの両方の準備処理を正常に終了した場合に、ステップ106以下の診断判定を行うための出力信号Go2を取得する処理に進むことができる。
ステップ106では、加速度センサに対して、一定期間Δt2[sec]の間、信号P
INを連続してHiにする。続くステップ107では、図11の時点t4〜t5の間(=一定期間Δt2[sec])のSTAT端子の出力電位および第2出力端子30cの出力
信号Go2を取得する。そして、ステップ108において、STAT端子の出力電位に基づいて分岐判定を行う。STAT端子の出力電位がHiとなっている時間が一定期間Δt
2[sec]であるなら、信号PINは正常に加速度センサに入力されたと判定してステップ109へ進み、STAT端子の出力電位がHiとなっている時間が一定期間Δt2[sec]未満なら、信号PINは正常に加速度センサに入力されていないと判定してステップ100へ戻る。
INを連続してHiにする。続くステップ107では、図11の時点t4〜t5の間(=一定期間Δt2[sec])のSTAT端子の出力電位および第2出力端子30cの出力
信号Go2を取得する。そして、ステップ108において、STAT端子の出力電位に基づいて分岐判定を行う。STAT端子の出力電位がHiとなっている時間が一定期間Δt
2[sec]であるなら、信号PINは正常に加速度センサに入力されたと判定してステップ109へ進み、STAT端子の出力電位がHiとなっている時間が一定期間Δt2[sec]未満なら、信号PINは正常に加速度センサに入力されていないと判定してステップ100へ戻る。
ステップ109では、ステップ107で取得した出力信号Go2を用いて分岐判定を行う。出力信号Go2が規定値であると判定されたならステップ110に進み、出力信号Go2が規定値でないと判定されたならステップ111に進む。ここでいう規定値とは、信号PINが一定期間Δt2[sec]連続で入力された際に、加速度センサがそれを検出
して出力信号Go2として出力すべき信号が示す値である。
して出力信号Go2として出力すべき信号が示す値である。
次に、ステップ110では、ステップ109で出力信号Go2が出力されるべき信号と同値であると判定されたため、加速度センサは正常であるとの診断結果を出力する。逆に、ステップ111では、ステップ109で出力信号Go2が出力されるべき信号と同値でないと判定されたため、加速度センサは異常であるとの診断結果を出力する。
なお、図11のタイミングチャートでは、信号PINの立ち上がり立ち下りと、STAT端子の出力電位および出力信号Go2の立ち上がり立ち下りとが同期しているような表現となっているが、実際のSTAT端子の出力電位および出力信号Go2の応答は、信号PINに対して極少の時間遅れがある。
このような構成とすることで、第1および第2の実施形態と同様に、信号PINに対応してSTAT端子からHiの出力電位が出力され、かつこれが複数回(本実施形態の場合には2回)連続で成功した場合にのみ自己診断処理がなされるため、外部ノイズなどによって信号PINがHiになったとしても、自己診断モードに移行しないようにできる。
また、上述したように、制御信号発生回路24に内蔵したクロックによりクロック信号CLKを形成しているため、以下の効果も得られる。これについて、従来構造の加速度センサのパッケージICを例に挙げて説明する。
従来の1軸1出力の加速度センサパッケージは、本実施形態と同様に6本の主電極、及びリードフレームを有した構造とされている。それらは、それぞれ、電源電圧VCC・出力信号Go・基準電位GND・STAT端子の出力電位・信号PINとクロック信号CLKの伝達に使用されている。そして、主電極から入力されたクロック信号CLKに基づいて、信号処理回路中のサンプルホールド回路やSCF回路が駆動されている。このため、このような従来構造の加速度センサを本実施形態のような1軸2出力の感度を有する加速度センサにするためには、分岐回路を備えるだけでなく、1出力分の主電極およびリードフレームを増設する必要が出てくる。
しかしながら、6本の主電極を7本に増設した場合、ICパッケージの形状が従来構造から変わり、従来構造との互換性を保つことができなくなる。また、パッケージ自体の体格も大きくなってしまうという問題がある。
このため、本実施形態のように、クロック信号CLKを制御信号発生回路24に内蔵したクロックにて生成し、従来クロック信号CLKの入力に使用していた主電極33の1つを第2出力端子30cとして用い、これから出力信号Go2が出力されるようにしている。これにより、従来のパッケージを流用可能としながら、加速度センサの出力を1軸2出力とすることができる。
さらに、図10のステップ109において、出力信号Go2に基づいて加速度センサが正常か否かを判定しているため、追加した分岐回路25の故障も含めて自己診断することができる。このため、本実施形態のような1軸2出力の加速度センサにおいても、第1、第2実施形態に示した効果を奏することが可能となる。そして、出力信号Go1を増幅した出力信号Go2に基づいて自己診断処理を行うため、一度の判定で出力信号Go1、Go2の両方の信号が正常であるか否かを判定することができ、出力信号Go1と出力信号Go2とを別々に判定する必要も無くせる。
なお、上記自己診断処理では、信号PINを一定期間Δt1[sec]連続して出力す
るとともに、STAT端子の出力電位がHiになった時間が一定期間Δt1[sec]程
度連続したか否かを判定していた。しかし、ECU40はECU40自体の時間管理のためにパルスクロックを使っているため、信号PINを一定期間Δt1[sec]ではなく
、1制御周期当たりのHiになった時間の割合、すなわちPWM方式によるデューティ比によって表しても良い。すなわち、ステップ100で信号PINのデューティ比を50%とし、ステップ102でSTAT端子の出力電位がHiになった時間のデューティ比が50%であるか否かを判定するなどしても良い。
るとともに、STAT端子の出力電位がHiになった時間が一定期間Δt1[sec]程
度連続したか否かを判定していた。しかし、ECU40はECU40自体の時間管理のためにパルスクロックを使っているため、信号PINを一定期間Δt1[sec]ではなく
、1制御周期当たりのHiになった時間の割合、すなわちPWM方式によるデューティ比によって表しても良い。すなわち、ステップ100で信号PINのデューティ比を50%とし、ステップ102でSTAT端子の出力電位がHiになった時間のデューティ比が50%であるか否かを判定するなどしても良い。
(他の実施形態)
上記実施形態では容量式物理量センサとして加速度センサを例に挙げて説明したが、それ以外のセンサ、例えば圧力センサやヨーレートセンサにも本発明を適用することが可能である。
上記実施形態では容量式物理量センサとして加速度センサを例に挙げて説明したが、それ以外のセンサ、例えば圧力センサやヨーレートセンサにも本発明を適用することが可能である。
なお、本実施形態では、自己診断でない通常動作時には、容量の変化を検出するための信号を可動電極1a、1bと固定電極2a、2bとの間に周期的に印加し、自己診断時には、可動電極1a、1bを変位させるための信号を可動電極1a、1bと固定電極2a、2bとの間に印加したのち、容量の変化を検出するための信号に加える制御手段として、スイッチ回路22および制御信号発生回路24を例に挙げて説明したが、これらが一体的に構成されるものであっても構わない。
1a、1b…可動電極、2a、2b…固定電極、10…センサエレメント、
20…検出回路、21…C−V変換回路、21a…オペアンプ、21b…コンデンサ、
21c…スイッチ、21d…中点電圧供給回路、21e…オペアンプ、
22…スイッチ回路、23…信号処理回路、23a…サンプルホールド回路、
23b…SCF回路、24…制御信号発生回路、24a…内部クロック生成回路、
30…パッケージIC、31…基板部、32…パッケージ部、33…主電極、
34…補助電極、35…リードフレーム、40…ECU
20…検出回路、21…C−V変換回路、21a…オペアンプ、21b…コンデンサ、
21c…スイッチ、21d…中点電圧供給回路、21e…オペアンプ、
22…スイッチ回路、23…信号処理回路、23a…サンプルホールド回路、
23b…SCF回路、24…制御信号発生回路、24a…内部クロック生成回路、
30…パッケージIC、31…基板部、32…パッケージ部、33…主電極、
34…補助電極、35…リードフレーム、40…ECU
Claims (11)
- 物理量の変化に応じて変位する可動電極(1a、1b)と、
前記可動電極に対向して配置された固定電極(2a、2b)と、
自己診断でない通常動作時には、前記可動電極と前記固定電極によって形成される容量の変化を検出するための信号を前記可動電極と前記固定電極との間に周期的に印加し、自己診断時には、前記可動電極を変位させるための信号を前記可動電極と前記固定電極との間に印加したのち、前記容量の変化を検出するための信号を前記可動電極と前記固定電極との間に加える制御手段(22、24)と、
前記容量の変化を検出するための信号が前記可動電極と前記固定電極との間に印加されているときに、前記容量の変化に応じた電圧を出力するC−V変換回路(21)と、
前記C−V変換回路の出力電圧を信号処理して前記物理量の変化に応じた信号を出力する信号処理回路(23)とを備え、
前記制御手段は、前記自己診断を行うか否かを表す自己診断指令信号が入力される入力端子と、前記自己診断を行っているか否かの状態を表す信号を出力する出力端子と、クロック信号を発生するクロックを有しており、前記入力端子に入力される前記自己診断指令信号が前記自己診断を行うことを示す信号であった場合に、前記クロックによるクロック数の計数を行い、前記自己診断を行うことを示す信号が規定クロック数分継続したときに、前記可動電極を変位させるための信号を前記可動電極と前記固定電極との間に印加したのち、前記容量の変化を検出するための信号を前記可動電極と前記固定電極との間に加えることで自己診断を行うことを特徴とする容量式物理量センサ 。 - 前記規定クロック数は、外部ノイズとして想定される時間よりも長い期間に相当するクロック数であることを特徴とする請求項1に記載の容量式物理量センサ。
- 前記制御手段は、前記自己診断が完了して、前記入力端子に入力される前記自己診断指令信号が前記自己診断を行うことを示す信号から切り替わったときに、前記出力端子からID信号を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の容量式物理量センサ。
- 物理量の変化に応じて変位する可動電極(1a、1b)と、
前記可動電極に対向して配置された固定電極(2a、2b)と、
自己診断でない通常動作時には、前記可動電極と前記固定電極によって形成される容量の変化を検出するための信号を前記可動電極と前記固定電極との間に周期的に印加し、自己診断時には、前記可動電極を変位させるための信号を前記可動電極と前記固定電極との間に印加したのち、前記容量の変化を検出するための信号を前記可動電極と前記固定電極との間に加える制御手段(22、24)と、
前記容量の変化を検出するための信号が前記可動電極と前記固定電極との間に印加されているときに、前記容量の変化に応じた電圧を出力するC−V変換回路(21)と、
前記C−V変換回路の出力電圧を信号処理して前記物理量の変化に応じた信号を出力する信号処理回路(23)とを備え、
前記制御手段は、前記自己診断を行うか否かを表す自己診断指令信号が入力される入力端子と、前記自己診断を行っているか否かの状態を表す信号を出力する出力端子と、クロック信号を発生するクロックを有しており、前記入力端子に入力される前記自己診断指令信号が前記自己診断を行うことを示す信号であった場合に、該信号が複数回繰り返された場合には、前記可動電極を変位させるための信号を前記可動電極と前記固定電極との間に印加したのち、前記容量変化を検出するための信号を前記可動電極と前記固定電極との間に加えることで自己診断を行い、前記複数回繰り返されなかった場合には、前記自己診断を行わないことを特徴とする容量式物理量センサ 。 - 前記制御手段は、前記自己診断を行うことを示す信号が2回繰り返された場合に前記自己診断を行い、1回のみであった場合には、前記自己診断を行わないことを特徴とする請求項4に記載の容量式物理量センサ 。
- 前記制御手段は、前記自己診断を行うことを示す信号が1回目に入力されたときと、2回続けて入力されたときとで、前記出力端子から異なる信号を出力することを特徴とする請求項5に記載の容量式物理量センサ 。
- 前記制御手段は、前記自己診断を行うことを示す信号が1回目に入力されてから、規定時間を経過するまで2回目の信号が入力されなかった場合に、それ以降に該信号が入力されたときに再び1回目の入力とすることを特徴とする請求項5または6に記載の容量式物理量センサ。
- 前記規定時間は、前記自己診断の際に前記自己診断を行うことを示す信号が繰り返し入力されると予想される時間よりも長く設定されていることを特徴とする請求項7に記載の容量式物理量センサ。
- 前記制御手段は、前記自己診断が完了して、前記入力端子に入力される前記自己診断指令信号が前記自己診断を行うことを示す信号から切り替わったときに、前記出力端子からID信号を出力することを特徴とする請求項4ないし8のいずれか1つに記載の容量式物理量センサ。
- 物理量の変化に応じて変位する可動電極(1a、1b)と、
前記可動電極に対向して配置された固定電極(2a、2b)と、
自己診断でない通常動作時には、前記可動電極と前記固定電極によって形成される容量の変化を検出するための信号を前記可動電極と前記固定電極との間に周期的に印加し、自己診断時には、前記可動電極を変位させるための信号を前記可動電極と前記固定電極との間に印加したのち、前記容量の変化を検出するための信号を前記可動電極と前記固定電極との間に加える制御手段(22、24)と、
前記容量の変化を検出するための信号が前記可動電極と前記固定電極との間に印加されているときに、前記容量の変化に応じた電圧を出力するC−V変換回路(21)と、
前記C−V変換回路の出力電圧を信号処理して前記物理量の変化に応じた信号を出力する信号処理回路(23)と、
前記自己診断を行うか否かを表す自己診断指令信号が入力される入力端子と、
前記信号処理回路(23)の信号を出力する信号出力端子とを備える容量式物理量センサの診断方法であって、
前記診断方法は、前記容量式物理量センサの入力端子に所定時間の準備信号を入力して、前記出力端子より出力される信号が該所定時間に対応した時間長であるか否かを判定する準備処理と、
前記準備処理において、前記出力端子より出力される信号が該所定時間に対応した時間長であると判定された場合に、前記入力端子に自己診断を行うことを示す信号を所定時間入力して、前記出力端子より出力される信号が該所定時間に対応した時間長である場合に、前記容量式物理量センサは正常であると判定する診断処理とからなることを特徴とする容量式物理量センサの診断方法。 - 前記容量式物理量センサは、同一方向に第1感度と第2感度とを有するとともに、該第1感度における信号を出力する第1出力端子と、該第2感度における信号を出力する第2出力端子とを備え、
前記第2感度における信号は、前記第1感度における信号を増幅したものであり、
前記診断処理は、前記第2感度における信号の時間長に基づいて行われることを特徴とする請求項10に記載の容量式物理量センサの診断方法。
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