JP2001091535A - 容量式物理量検出装置 - Google Patents
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Abstract
効率的に自己診断を可能な容量式半導体加速度センサを
提供する。 【解決手段】 加速度センサ100は、加速度の印加に
応じて梁の長手方向と直交する方向に変位するバネ機能
を有する梁部22を有し、この梁部22に一体に形成さ
れた可動電極24と固定電極32、42との間に周期的
に変化する信号を印加して、これら両電極間の容量CS
1、CS2の差動容量変化に応じた電圧を出力すること
により加速度を検出する。ここで、加速度を検出するた
めの検出信号と自己診断信号とを切り替えて印加し、自
己診断信号の印加によって可動電極24に疑似的な加速
度を発生させるとともに、自己診断信号の周波数と梁部
22の変位方向の共振周波数との比を、自己診断信号を
印加したときに梁部22の共振倍率が1倍以上となるよ
うに設定している。
Description
圧力等の物理量を検出する容量式物理量検出装置に関す
る。
出装置において、その自己診断を行うものとしては、例
えば特開平8−110355号公報に記載の容量式加速
度センサが提案されている。このものは、物理量として
の加速度の印加に応じて弾性的に変位するバネ部(梁
部)に一体成形された可動電極と、この可動電極に対向
配置された2つの固定電極とを備え、これら可動電極と
固定電極との間に形成された2つの容量差をC−V変換
して出力を計測するようにしたものである。
ンサの自己診断を行うために、上記の可動及び固定電極
の他に、別体の自己診断用の電極(セルフ電極)を設
け、このセルフ電極にある電圧を印加することにより、
静電気力を発生させ、上記バネ部を強制的に変位させる
ことで自己診断を行っている。
容量式物理量検出装置においては、上記のように、擬似
的に物理量が発生したような状態とすべく、別体の自己
診断用の電極を設けているために、装置の体格が大きく
なるという問題がある。
自己診断用の電極を設けることなく、効率的に自己診断
を行うことのできる容量式物理量検出装置を提供するこ
とを目的とする。
め、請求項1及び請求項2記載の発明では、バネ部(2
2)に一体に形成された可動電極(24)と固定電極
(32、42)との間に周期的に変化する信号を印加し
て、該可動電極と該固定電極とからなる容量の変化に応
じた電圧を出力することにより物理量を検出するように
したものであって、物理量を検出するための検出信号と
自己診断を行うための自己診断信号とを切り替えて印加
し、該自己診断信号の印加によって該バネ部を変位させ
該可動電極に疑似的な物理量を発生させるようになって
おり、さらに、自己診断信号の周波数と該バネ部の変位
方向の共振周波数との比を、該自己診断信号を印加した
ときに該バネ部の共振倍率が1倍以上となるように設定
したことを特徴としている。
自己診断信号が周期的に可動電極と固定電極との間に印
加されるため、可動電極と固定電極の間に静電気力を発
生させ、それによりバネ部及びこれと一体である可動電
極を変位させ可動電極に疑似的に物理量が発生した状態
にすることができる。この場合、可動電極の変位を、C
−V変換回路の出力電圧に基づいて検出することによっ
て自己診断を行うことができる。
変位方向の共振周波数と大きく異なる場合には、自己診
断信号の周波数に対し、バネ部の動きが追従しにくい。
つまり、バネ部が振動せず、あたかもDC(直流電圧)
が印加された状態となる。それに対し、自己診断信号の
周波数が上記共振周波数に近いと、バネ部が共振し、バ
ネ部をDC的な変位の場合よりも大きな振幅にて変位さ
せることができる。このように、バネ部が振動するよう
に自己診断信号を印加すれば、可動電極に発生する擬似
的な物理量を大きくでき、効率的な自己診断が可能とな
る。
の周波数と該バネ部の変位方向の共振周波数との比を、
該バネ部の共振倍率(DCが印加されたときのバネ部及
び可動電極の変位を1と規格化したもの)が1倍以上
(好ましくは1.1倍)となるように設定している。そ
のため、自己診断信号の印加時にバネ部を振動させるこ
とができ、効率的な自己診断が可能となる。よって、本
発明によれば、別体の自己診断用の電極を設けることな
く、効率的に自己診断を行うことのできる容量式物理量
検出装置を提供することができる。
は、自己診断信号の周波数とバネ部の変位方向の共振周
波数との関係において、自己診断信号の周波数がバネ部
の変位方向の共振周波数の1.41倍以下(好ましくは
0.2〜1.4倍)となるようにしたものである。この
ような関係にすれば、自己診断信号の印加時にバネ部を
共振倍率1倍以上で振動させることができ、効率的な自
己診断が可能となる。そのため、別体の自己診断用の電
極を設けることなく、効率的に自己診断を行うことので
きる容量式物理量検出装置を提供することができる。
号の周波数とバネ部の変位方向の共振周波数との関係に
おいて、自己診断信号の周波数とバネ部の変位方向の共
振周波数との比が該自己診断信号を印加したときに該バ
ネ部が振動するように設定したものである。それによ
り、自己診断信号の印加時にバネ部を共振倍率1倍以上
で振動させることができるため、別体の自己診断用の電
極を設けることなく、効率的に自己診断を行うことので
きる容量式物理量検出装置を提供することができる。
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
について説明する。本実施形態は、容量式物理量検出装
置として、差動容量式の半導体加速度センサについて本
発明を適用したものである。図1に半導体加速度センサ
100の平面構成を示し、図2に図1中のA−A線に沿
った模式的な断面構造を示す。この半導体加速度センサ
100は、例えば、エアバッグ、ABS、VSC等の作
動制御を行うための自動車用加速度センサやジャイロセ
ンサ等に適用できる。
いう)100は、半導体基板に周知のマイクロマシン加
工を施すことにより形成される。センサ100を構成す
る半導体基板は、図2に示す様に、第1の半導体層とし
ての第1シリコン基板11と第2の半導体層としての第
2シリコン基板12との間に、絶縁層としての酸化膜1
3を有する矩形状のSOI基板10である。
ことにより、可動部20及び固定部30、40よりなる
櫛歯形状を有する梁構造体が形成されている。また、酸
化膜13のうち上記梁構造体20〜40の形成領域に対
応した部位は、犠牲層エッチング等により矩形状に除去
されて開口部13aを形成している。
た可動部20は、矩形状の錘部21の両端を、梁部(本
発明でいうバネ部)22を介してアンカー部23a及び
23bに一体に連結した構成となっており、これらアン
カー部23a及び23bは、酸化膜13における開口部
13aの開口縁部に固定され、支持基板としての第1シ
リコン基板11上に支持されている。これにより、錘部
21及び梁部22は、開口部13aに臨んだ状態となっ
ている。
梁がその両端で連結された矩形枠状をなしており、梁の
長手方向と直交する方向に変位するバネ機能を有する。
具体的には、梁部22は、図1中の矢印X方向の成分を
含む加速度を受けたときに錘部21を矢印X方向へ変位
させるとともに、加速度の消失に応じて元の状態に復元
させるようになっている。よって、可動部20は、加速
度の印加に応じて、開口部13a上にて梁部22の変位
方向(矢印X方向)へ変位可能となっている。
(矢印X方向)と直交した方向にて、錘部21の両側面
から互いに反対方向へ一体的に突出形成された複数個の
可動電極24を備えている。図1では、可動電極24
は、錘部21の左側及び右側に各々3個ずつ突出して形
成され、各可動電極24は断面矩形の梁状に形成され
て、開口部13aに臨んだ状態となっている。このよう
に、各可動電極24は、梁部22及び錘部21と一体的
に形成され、梁部22及び錘部21とともに梁部21の
変位方向へ変位可能となっている。
開口部13aの開口縁部における対向辺部のうち、アン
カー部23a、23bが支持されていないもう1組の対
向辺部に支持されている。ここで、固定部30、40
は、錘部21を挟んで2個設けられており、図1中の左
側に位置する第1の固定部30と、図1中の右側に位置
する第2の固定部40とより成り、両固定部30、40
は互いに電気的に独立している。
る開口部13aの開口縁部に固定されて第1シリコン基
板11に支持された配線部31及び41と、可動電極2
4の側面と所定の検出間隔を存して平行した状態で対向
配置された複数個(図示例では3個ずつ)の固定電極3
2及び42とを有した構成となっている。なお、第1の
固定部30側の固定電極32を第1の固定電極、第2の
固定部40側の固定電極42を第2の固定電極とする。
各固定電極32及び42は断面矩形の梁状に形成され
て、各配線部31、41に片持ち状に支持された状態と
なっており、開口部13aに臨んだ状態となっている。
1、41上の所定位置には、それぞれワイヤボンディン
グ用の固定電極パッド31a、41aが形成されてい
る。また、一方のアンカー部23bと一体に連結された
状態で、可動電極用配線部25が形成されており、この
配線部25上の所定位置には、ワイヤボンディング用の
可動電極パッド25aが形成されている。上記の各電極
パッド25a、31a、41aは、例えばアルミニウム
により形成されている。
3b、可動電極24、及び各固定電極32、42には、
開口部13a側から反対側に貫通する矩形状の貫通孔5
0が複数形成されており、これら貫通孔50により、矩
形枠状部を複数組み合わせた所謂ラーメン構造形状が形
成されている。これにより、可動部20及び各固定電極
32、42の軽量化、捩じり強度の向上がなされてい
る。
板11の裏面(酸化膜13とは反対側の面)側において
接着剤60を介してパッケージ70に接着固定されてい
る。このパッケージ70には、後述する回路手段200
が収納されている。そして、この回路手段200と上記
の各電極パッド25a、31a、41aとは、金もしく
はアルミニウムのワイヤボンディング等により形成され
たワイヤW1、W2、W3により電気的に接続されてい
る。
デンサ記号で示す様に、第1の固定電極32と可動電極
24との検出空隙に第1の容量CS1、第2の固定電極
42と可動電極24との検出空隙に第2の容量CS2が
形成されている。そして、加速度を受けると、梁部22
のバネ機能により、アンカー部を除く可動部20全体が
一体的に矢印X方向へ変位し、可動電極24の変位に応
じて上記各容量CS1、CS2が変化する。そして、上
記検出回路200は、可動電極24と固定電極32、4
2による差動容量(CS1−CS2)の変化に基づいて
加速度を検出する。
00及び検出方法は、本出願人が先に出願した特願平1
1−108454号に記載した検出回路を基本としてお
り、その詳細説明は同号明細書に譲ることとし、以下、
主として本実施形態における特徴部分を述べることとす
る。図3に、本センサ100に設けられた回路手段20
0の構成を示す。
ッチドキャパシタ回路)210及びスイッチ回路220
を有する。C−V変換回路210は、可動電極24と固
定電極32、42とからなる容量CS1、CS2の変化
を電圧に変換して出力するもので、演算増幅器211、
コンデンサ212、及びスイッチ213から構成されて
いる。
電極パッド25aを介して可動電極24に接続されてお
り、反転入力端子と出力端子との間には、コンデンサ2
12およびスイッチ213が並列に接続されている。ま
た、演算増幅器211の非反転入力端子には、スイッチ
回路220を介してV/2の電圧とV1の電圧のいずれ
かが入力される。
10における演算増幅器211の非反転入力端子に、図
示しないそれぞれの電圧源からのV/2の電圧とV1
(V/2とは異なる)の電圧のいずれかを入力するもの
で、スイッチ221とスイッチ222から構成されてい
る。スイッチ221とスイッチ222は、一方が閉じて
いるときに他方が開くようになっている。
路を有しており、この制御回路は、固定電極パッド31
aから、一定振幅Vで周期的に変化する搬送波P1を第
1の固定電極32へ入力し、固定電極パッド41aか
ら、搬送波P1と位相が180°ずれ且つ同一振幅Vで
ある搬送波P2を第2の固定電極42へ入力する。ま
た、この制御回路は、上記の各スイッチ213、22
1、222の開閉を所定のタイミングにて制御できるよ
うになっている。本実施形態では、この制御回路と上記
スイッチ回路220とにより本発明でいう信号印加手段
が構成される。
ず、加速度を検出する検出信号を印加する状態(通常動
作時)について図4に示す信号波形図を参照して説明す
る。信号印加手段としての上記制御回路から出力される
搬送波P1(例えば、周波数100kHz、振幅0〜5
V)は、図4に示すように、期間φ1を1周期(例えば
10μs)としてハイレベルとローレベルが変化する一
定振幅の矩形波信号となっており、搬送波P2は、搬送
波P1に対して電圧レベルが反転した矩形波信号となっ
ている。
1及びP2が各固定電極32、42へ印加されていると
き、スイッチ回路220においてスイッチ221は閉、
スイッチ222は開になっている。それによって、演算
増幅器211の非反転入力端子にV/2の電圧が印加さ
れ、可動電極24にはV/2(例えば2.5V)の一定
電圧(可動電極信号)が印加されている。
い場合には、第1の固定電極32と可動電極24との電
位差、及び、第2の固定電極42と可動電極24との電
位差は、共にV/2となり、第1の固定電極32と可動
電極24との間の静電気力、及び、第2の固定電極42
と可動電極24との間の静電気力は、略等しく釣り合っ
ている。
20において、スイッチ213は図4に示すタイミング
で開閉される。このスイッチ213が閉のとき(期間φ
2)、コンデンサ212がリセットされる。一方、スイ
ッチ213が開のときに、加速度検出が行われる。つま
り、期間φ1のうち期間φ2以外の期間が加速度を検出
する期間である。この検出期間において、C−V変換回
路220からの出力電圧V0は、次の数式1で示され
る。
固定電極32及び42の間の電圧であり、Cfはコンデ
ンサ212の容量である。
と第2の容量CS2とのバランスが変化する。すると、
上記数式1に基づき容量差(CS1−CS2)に応じた
電圧が、加速度が印加されていないときの出力V0にバ
イアスとして加わった形で出力V0(例えば0〜5V)
として出力される。この出力V0は、この後、増幅回路
やローパスフィルタ等を備えた信号処理回路(図示せ
ず)にて信号処理され、加速度検出信号として検出され
る。
示す信号波形図を参照して説明する。信号印加手段とし
ての上記制御回路により、図5に示す様に、一定振幅V
(図示例では振幅0〜5V)の矩形波信号である搬送波
P1及びP2が入力される。ここで、期間φ3(例えば
100μs)において、搬送波P1と搬送波P2とは、
互いに電圧レベルが反転した一定電圧信号(例えば搬送
波P1が0V、搬送波P2が5V)となっている。
P1及びP2が各固定電極32、42へ印加されている
とき、スイッチ回路220においてスイッチ221は
開、スイッチ222は閉になっている。そのため、演算
増幅器211の非反転入力端子へ、V/2とは異なるV
1(例えば3V)の電圧が印加され、可動電極24に
は、この電圧V1が可動電極信号として印加されてい
る。
記通常動作時における静電気力の釣り合いが崩れ、可動
電極24は、両固定電極32、42のうち可動電極24
との間の電位差が大きい方の固定電極へ引き寄せられ
る。図5に示す例では、第1の固定電極32の方へ引き
寄せられるように、梁部22がたわみ、それと一体的に
可動電極24が擬似的に変位する。このように、期間φ
3は、可動電極24に擬似的な加速度を発生させる期間
である。なお、期間φ3においては、C−V変換回路2
20のスイッチ213は閉であるため、コンデンサ21
2がリセット状態にある。
記図4に示した期間φ1と同様の信号波形を、可動電極
24と固定電極32、42との間に印加することによ
り、直前の期間φ3にて発生した擬似的な加速度(物理
量)を検出する期間である。つまり、C−V変換回路2
20のスイッチ213を開とし、コンデンサ212を加
速度検出可能な状態と同じにし、上記通常動作時と同様
の搬送波P1及びP2を印加する。また、スイッチ回路
220においてスイッチ221を閉、スイッチ222を
開として可動電極24にV/2(例えば2.5V)の一
定電圧を駆動電極信号として印加する。
固定電極32の方へ引き寄せられていた可動電極24が
元の位置に戻ろうとするため、この容量変化に応じてC
−V変換回路220のコンデンサ212に電荷が発生
し、期間φ3にて発生した擬似的な加速度を検出するこ
とができる。このように、期間(φ3+φ4)を1周期
とした自己診断信号(上記搬送波及び可動電極信号)を
可動電極24と固定電極32、42との間に印加するこ
とにより、自己診断が可能となっている。
断を可能とするために、自己診断信号の周波数(以下、
自己診断周波数という)と梁部22の変位方向の共振周
波数(以下、センサデバイスの共振周波数という)との
比を、自己診断信号を印加したときに梁部22の共振倍
率が1倍以上、好ましくは1.1倍以上となるように設
定している。このように自己診断周波数を規定した根拠
について、次に述べる。
物理量検出装置における一般的なモデルとして示したも
のである。このモデルにおいて、変位する可動部(変位
可動部)は、可動部20のうちアンカー部23a、23
bを除く部分、即ち錘部21、梁部22及び可動電極2
4であり、この変位可動部の質量(可動部質量)をmと
し、その変位をxとすると、振動方程式は次の数式2に
示される。
K・x=Fa+Fe ここで、mは上記可動部質量、Cは変位可動部の減衰係
数、Kは梁部22の検出軸方向(変位方向)のバネ定
数、Faは外部入力G、Feは可動電極24と固定電極
32、42との間の静電引力である。通常動作時では、
Faが外部入力加速度となるが、自己診断においてはF
aは0である。このとき、変位可動部の変位xは、上記
振動方程式に従う。
する変化を示す説明図であり、(a)は自己診断周波数
とセンサデバイスの共振周波数との周波数差が大きい場
合、(b)は当該周波数差が小さい場合を示す。センサ
デバイスの共振周波数と自己診断周波数とが大きく異な
る場合、自己診断周波数に対し、梁部22の動きが追従
しにくい。つまり、図7(a)に示す様に、梁部22が
振動せず、あたかもDC(直流電圧)が印加されたDC
的な変位状態となる。例えば、本センサ100では、セ
ンサデバイスの共振周波数は7kHz程度であり、自己
診断周波数を約2倍(12kHz〜13kHz程度)と
した場合が、この状態に相当する。
と自己診断周波数とが近いと、図7(b)に示す様に、
梁部22が自己診断周波数にて振動し、変動量M即ち変
位可動部の変位をDC的な変位に比べて大きくできる。
つまり、自己診断信号の印加によって梁部22が振動す
るように自己診断周波数を設定すれば、自己診断信号の
印加時に、共振倍率1倍以上にて、梁部22を振動させ
ることができ、上記の容量差(CS1−CS2)即ちセ
ンサ出力を大きくできる。なお、共振倍率は、DCが印
加されたときの梁部22の変位(つまり、変位可動部の
変位)を1と規格化したとき、これに対する変動量Mの
倍率である。
1倍以上で振動させるための自己診断周波数は、上記変
動量Mに関する次の数式3を用いて計算で求めることが
できる。なお、以下、自己診断周波数をfs、センサデ
バイスの共振周波数をfoとする。
s/foである。この数式3から、センサデバイスの共
振周波数foと自己診断周波数fsとの比を変えて上記
変動量Mを求め、梁部22の共振倍率を求めたものが図
8である。
を共振倍率1倍以上で振動させるためのfo/fsの範
囲が存在することが判る。共振倍率1倍以上とするに
は、自己診断周波数fsがセンサデバイスの共振周波数
foの1.41倍以下であることが必要である。また、
より効率的な自己診断を行うためには共振倍率が1.1
倍以上であることが好ましく、そのためには、自己診断
周波数fsがセンサデバイスの共振周波数foの0.2
倍〜1.4倍であることが必要である。以上が自己周波
数を規定した根拠である。
診断時には、自己診断信号が周期的に可動電極24と固
定電極32、42との間に印加されるため、可動電極2
4と固定電極32、42の間に静電気力を発生させて可
動電極24に疑似的に加速度(物理量)が発生した状態
にすることができる。そして、可動電極24の変位を、
C−V変換回路210の出力電圧V0に基づいて検出す
ることによって自己診断を行うことができる。
数とセンサデバイスの共振周波数との比を、梁部22の
共振倍率が1倍以上(好ましくは1.1倍)となるよう
に設定している。そのため、自己診断信号の印加時に梁
部22を自己診断周波数にて振動させ、可動電極24に
発生する擬似的な物理量を大きくでき、効率的な自己診
断が可能となる。
診断用の電極を設けることなく、装置の体格(チップサ
イズ)の小型化が可能であり、且つ、効率的に自己診断
を行うことのできる容量式物理量検出装置100を提供
することができる。そして、自己診断を行うことによ
り、例えば、可動電極24と固定電極32、42間にゴ
ミが付着して容量が変化しない場合には、出力電圧V0
が変化しないため故障検出ができる。また、経時変化等
で感度が変化した場合も、出力電圧の変化量により感度
変化を検出することができる。
いては、通常動作時と自己診断時とで、可動電極24に
印加する電圧を変えて可動電極24を擬似的に変位させ
ているが、固定電極32、42に印加する搬送波P1、
P2において電圧を変えることにより、可動電極24を
擬似的に変位させ、自己診断を行うようにしても良い。
状をなすものでなくとも良く、梁部22と同様のバネ機
能を有するものであれば、どのような形状でも良い。ま
た、本発明は上記半導体加速度センサ100に適用する
ものに限らず、圧力センサ、ヨーレートセンサなどの静
電容量式の物理量検出装置にも同様に適用することがで
きる。
概略平面図である。
る。
成図である。
供する信号波形図である。
供する信号波形図である。
す説明図である。
波数fsとの比と、梁部の共振倍率との関係を示す図で
ある。
42…第2の固定電極、210…C−V変換回路、22
0…スイッチ回路。
Claims (5)
- 【請求項1】 物理量の印加に応じて所定方向へ変位す
るバネ機能を有するバネ部(22)と、 このバネ部に一体に形成され前記バネ部とともに前記バ
ネ部の変位方向へ変位可能な可動電極(24)と、 前記可動電極に対向して配置された固定電極(32、4
2)と、 周期的に変化する信号であって前記物理量を検出するた
めの検出信号と周期的に変化する信号であって自己診断
を行うための自己診断信号とを切り替えて、前記可動電
極と前記固定電極との間に印加する信号印加手段(22
0)と、 前記可動電極と前記固定電極とからなる容量の変化に応
じた電圧を出力するC−V変換回路(210)とを備
え、 前記検出信号の印加中に発生する前記容量の変化に応じ
て前記物理量を検出し、 前記自己診断信号の印加によって前記バネ部を変位させ
ることにより前記可動電極に疑似的な物理量を発生させ
るようになっており、 前記自己診断信号の周波数と前記バネ部の変位方向の共
振周波数との比は、前記自己診断信号を印加したときに
前記バネ部の共振倍率が1倍以上となるように設定され
ていることを特徴とする容量式物理量検出装置。 - 【請求項2】 前記自己診断信号の周波数と前記バネ部
(22)の変位方向の共振周波数との比は、前記自己診
断信号を印加したときに前記バネ部の共振倍率が1.1
倍以上となるように設定されていることを特徴とする請
求項1に記載の容量式物理量検出装置。 - 【請求項3】 物理量の印加に応じて所定方向へ変位す
るバネ機能を有するバネ部(22)と、 このバネ部に一体に形成され前記バネ部とともに前記バ
ネ部の変位方向へ変位可能な可動電極(24)と、 前記可動電極に対向して配置された固定電極(32、4
2)と、 周期的に変化する信号であって前記物理量を検出するた
めの検出信号と周期的に変化する信号であって自己診断
を行うための自己診断信号とを切り替えて、前記可動電
極と前記固定電極との間に印加する信号印加手段(22
0)と、 前記可動電極と前記固定電極とからなる容量の変化に応
じた電圧を出力するC−V変換回路(210)とを備
え、 前記検出信号の印加中に発生する前記容量の変化に応じ
て前記物理量を検出し、 前記自己診断信号の印加によって前記バネ部を変位させ
ることにより前記可動電極に疑似的な物理量を発生させ
るようになっており、 前記自己診断信号の周波数が、前記バネ部の変位方向の
共振周波数の1.41倍以下であることを特徴とする容
量式物理量検出装置。 - 【請求項4】 前記自己診断信号の周波数が、前記バネ
部(22)の変位方向の共振周波数の0.2〜1.4倍
であることを特徴とする請求項3に記載の容量式物理量
検出装置。 - 【請求項5】 物理量の印加に応じて所定方向へ変位す
るバネ機能を有するバネ部(22)と、 このバネ部に一体に形成され前記バネ部とともに前記バ
ネ部の変位方向へ変位可能な可動電極(24)と、 前記可動電極に対向して配置された固定電極(32、4
2)と、 周期的に変化する信号であって前記物理量を検出するた
めの検出信号と周期的に変化する信号であって自己診断
を行うための自己診断信号とを切り替えて、前記可動電
極と前記固定電極との間に印加する信号印加手段(22
0)と、 前記可動電極と前記固定電極とからなる容量の変化に応
じた電圧を出力するC−V変換回路(210)とを備
え、 前記検出信号の印加中に発生する前記容量の変化に応じ
て前記物理量を検出し、 前記自己診断信号の印加によって前記バネ部を変位させ
ることにより前記可動電極に疑似的な物理量を発生させ
るようになっており、 前記自己診断信号の周波数と前記バネ部の変位方向の共
振周波数との比は、前記自己診断信号を印加したときに
前記バネ部が振動するように設定されていることを特徴
とする容量式物理量検出装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27258599A JP2001091535A (ja) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | 容量式物理量検出装置 |
DE10046958A DE10046958B4 (de) | 1999-09-27 | 2000-09-21 | Kapazitive Vorrichtung zum Erfassen einer physikalischen Grösse |
US09/667,800 US6450029B1 (en) | 1999-09-27 | 2000-09-22 | Capacitive physical quantity detection device |
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JP27258599A JP2001091535A (ja) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | 容量式物理量検出装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=17515979
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JP (1) | JP2001091535A (ja) |
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- 1999-09-27 JP JP27258599A patent/JP2001091535A/ja active Pending
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