JP2001099861A - 容量式物理量検出装置 - Google Patents
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Abstract
効率的に自己診断を可能な容量式半導体加速度センサを
提供する。 【解決手段】 加速度センサ100は、梁の長手方向と
直交する方向に変位する梁部22を有し、この梁部22
に一体に形成された可動電極24と固定電極32、42
との間に周期的に変化する信号を印加して、これら両電
極間の容量CS1、CS2の差動容量変化に応じた電圧
を出力することにより加速度を検出する。ここで、加速
度を検出するための検出信号と自己診断信号とを切り替
えて印加し、自己診断信号の印加によって可動電極24
に疑似的な加速度を発生させるようになっており、可動
電極24の変位方向の梁幅W1を梁部22の変位方向の
梁幅W2と略同一とし且つ可動電極24の変位方向の剛
性を梁部22の変位方向の剛性よりも大きくしている。
Description
圧力等の物理量を検出する容量式物理量検出装置に関す
る。
出装置において、その自己診断を行うものとしては、例
えば特開平8−110355号公報に記載の容量式加速
度センサが提案されている。このものは、梁形状をなす
とともに物理量としての加速度の印加に応じて弾性的に
変位する梁部と、この梁部に一体成形された梁形状の可
動電極と、この可動電極に対向配置された2つの固定電
極とを備え、これら可動電極と固定電極との間に形成さ
れた2つの容量差をC−V変換して出力を計測するよう
にしたものである。
ンサの自己診断を行うために、上記の可動及び固定電極
の他に、別体の自己診断用の電極(セルフ電極)を設
け、このセルフ電極にある電圧を印加することにより、
静電気力を発生させ、上記梁部を強制的に変位させるこ
とで自己診断を行っている。
容量式物理量検出装置においては、上記のように、擬似
的に物理量が発生したような状態とすべく、別体の自己
診断用の電極を設けているために、装置の体格が大きく
なるという問題がある。
自己診断用の電極を設けることなく、効率的に自己診断
を行うことのできる容量式物理量検出装置を提供するこ
とを目的とする。
め、請求項1〜請求項3記載の発明では、まず、梁形状
をなす梁部(22)に一体に形成されて該梁部と同一方
向に延びる梁形状をなす可動電極(24)と固定電極
(32、42)との間に周期的に変化する信号を印加し
て、該可動電極と該固定電極とからなる容量の変化に応
じた電圧を出力することにより物理量を検出するように
したものであって、物理量を検出するための検出信号と
自己診断を行うための自己診断信号とを切り替えて印加
し、該自己診断信号の印加によって該梁部を変位させ該
可動電極に疑似的な物理量を発生させるようになってい
ることを特徴としている。
4)におけるその変位方向の梁幅(W1)が、梁部(2
2)におけるその変位方向の梁幅(W2)と略同一であ
り、且つ、該可動電極におけるその変位方向の剛性が、
該梁部におけるその変位方向の剛性よりも大きくなって
いることを特徴としている。
自己診断信号が周期的に可動電極と固定電極との間に印
加されるため、可動電極と固定電極の間に静電気力を発
生させ、それにより、梁部及びこれと一体である可動電
極を、該梁の長手方向と直交する方向に変位させ、可動
電極に疑似的に物理量が発生した状態にすることができ
る。この場合、可動電極の変位を、C−V変換回路の出
力電圧に基づいて検出することによって自己診断を行う
ことができる。
大きくすれば、可動電極と固定電極とからなる容量の変
化も大きくなり、出力電圧を大きくできて効率的な自己
診断が可能となる。そのための手段として、本発明者等
は、可動電極におけるその変位方向の梁幅を狭くして可
動電極を軽くすることに着目した。しかし、この梁幅を
あまりにも細くし過ぎると、物理量が印加されたときに
梁部だけでなく、可動電極もたわんで変位してしまう。
量の印加時、梁部の変位と可動電極の変位とは、一体且
つ同一方向であることが必要であるが、可動電極自身が
たわんで変位してしまうと、可動電極と固定電極との間
隔の変化が不均一となり、所望の容量変化を得ることが
できなくなる可能性がある。
4)におけるその変位方向の剛性が梁部(22)におけ
るその変位方向の剛性よりも大きいことを確保した上
で、該可動電極におけるその変位方向の梁幅(W1)が
該梁部におけるその変位方向の梁幅(W2)と略同一と
なるまで細くしているため、可動電極を軽くしつつ、物
理量の印加時に可動電極がたわむのを防止できる。
用の電極を設けることなく、効率的に自己診断を行うこ
とのできる容量式物理量検出装置を提供することができ
る。ここで、可動電極(24)におけるその変位方向の
梁幅(可動電極幅)が梁部(22)におけるその変位方
向の梁幅(梁部幅)と略同一であることは、装置の加工
誤差等を考えた場合、可動電極幅(W1)が梁部幅(W
2)の0.8倍〜1.2倍の範囲にあれば良い。
(24)と略平行に延びる梁形状をなすものであり、且
つ、該可動電極と該固定電極とが梁の側面にて互いに対
向している場合、梁部(22)の変位方向における該固
定電極の梁幅を、該可動電極におけるその変位方向の梁
幅(W1)と略同一とすれば、変位方向における装置の
体格を小さくできる。
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
について説明する。本実施形態は、容量式物理量検出装
置として、差動容量式の半導体加速度センサについて本
発明を適用したものである。図1に半導体加速度センサ
100の平面構成を示し、図2に図1中のA−A線に沿
った模式的な断面構造を示す。この半導体加速度センサ
100は、例えば、エアバッグ、ABS、VSC等の作
動制御を行うための自動車用加速度センサやジャイロセ
ンサ等に適用できる。
いう)100は、半導体基板に周知のマイクロマシン加
工を施すことにより形成される。センサ100を構成す
る半導体基板は、図2に示す様に、第1の半導体層とし
ての第1シリコン基板11と第2の半導体層としての第
2シリコン基板12との間に、絶縁層としての酸化膜1
3を有する矩形状のSOI基板10である。
ことにより、可動部20及び固定部30、40よりなる
櫛歯形状を有する梁構造体が形成されている。また、酸
化膜13のうち上記梁構造体20〜40の形成領域に対
応した部位は、犠牲層エッチング等により矩形状に除去
されて開口部13aを形成している。
た可動部20は、矩形状の錘部21の両端を、梁部22
を介してアンカー部23a及び23bに一体に連結した
構成となっており、これらアンカー部23a及び23b
は、酸化膜13における開口部13aの開口縁部に固定
され、支持基板としての第1シリコン基板11上に支持
されている。これにより、錘部21及び梁部22は、開
口部13aに臨んだ状態となっている。
連結された矩形枠状をなしており、梁の長手方向と直交
する方向に変位するバネ機能を有する。具体的には、梁
部22は、図1中の矢印X方向の成分を含む加速度を受
けたときに錘部21を矢印X方向へ変位させるととも
に、加速度の消失に応じて元の状態に復元させるように
なっている。よって、可動部20は、加速度の印加に応
じて、開口部13a上にて梁部22の変位方向(矢印X
方向)へ変位可能となっている。
(矢印X方向)と直交した方向にて、錘部21の両側面
から互いに反対方向へ一体的に突出形成された複数個の
可動電極24を備えている。図1では、可動電極24
は、錘部21の左側及び右側に各々3個ずつ突出して形
成され、各可動電極24は断面矩形の梁状に形成され
て、開口部13aに臨んだ状態となっている。このよう
に、各可動電極24は、梁部22及び錘部21と一体的
に形成され、梁部22及び錘部21とともに梁部21の
変位方向へ変位可能となっている。
動電極24におけるその変位方向(図1中、矢印X方
向)の梁幅W1を、梁部22におけるその変位方向(図
1中、矢印X方向)の1本の梁幅W2と略同一とし、且
つ、可動電極24におけるその変位方向の剛性を、梁部
22におけるその変位方向の剛性よりも大きくした独自
の構成としている。本センサ100では、これら梁幅W
1、W2を略同一としても、梁部22の方は、上述のよ
うに2本の梁がその両端で連結された矩形枠状であり、
変位の支点が2カ所あるため、変位の支点が1カ所であ
る可動電極24に比べて、変位方向に曲がりやすく(即
ち、剛性が大きく)できる。
開口部13aの開口縁部における対向辺部のうち、アン
カー部23a、23bが支持されていないもう1組の対
向辺部に支持されている。ここで、固定部30、40
は、錘部21を挟んで2個設けられており、図1中の左
側に位置する第1の固定部30と、図1中の右側に位置
する第2の固定部40とより成り、両固定部30、40
は互いに電気的に独立している。
る開口部13aの開口縁部に固定されて第1シリコン基
板11に支持された配線部31及び41と、可動電極2
4の側面と所定の検出間隔を存して平行した状態で対向
配置された複数個(図示例では3個ずつ)の固定電極3
2及び42とを有した構成となっている。なお、第1の
固定部30側の固定電極32を第1の固定電極、第2の
固定部40側の固定電極42を第2の固定電極とする。
各固定電極32及び42は、可動電極24と略平行に延
びる断面矩形の梁状に形成されて、各配線部31、41
に片持ち状に支持された状態となっており、開口部13
aに臨んだ状態となっている。
1、41上の所定位置には、それぞれワイヤボンディン
グ用の固定電極パッド31a、41aが形成されてい
る。また、一方のアンカー部23bと一体に連結された
状態で、可動電極用配線部25が形成されており、この
配線部25上の所定位置には、ワイヤボンディング用の
可動電極パッド25aが形成されている。上記の各電極
パッド25a、31a、41aは、例えばアルミニウム
により形成されている。
3b、及び各固定電極32、42には、開口部13a側
から反対側に貫通する矩形状の貫通孔50が複数形成さ
れており、これら貫通孔50により、矩形枠状部を複数
組み合わせた所謂ラーメン構造形状が形成されている。
これにより、可動部20及び各固定電極32、42の軽
量化、捩じり強度の向上がなされている。
板11の裏面(酸化膜13とは反対側の面)側において
接着剤60を介してパッケージ70に接着固定されてい
る。このパッケージ70には、後述する回路手段200
が収納されている。そして、この回路手段200と上記
の各電極パッド25a、31a、41aとは、金もしく
はアルミニウムのワイヤボンディング等により形成され
たワイヤW1、W2、W3により電気的に接続されてい
る。
デンサ記号で示す様に、第1の固定電極32と可動電極
24との検出空隙に第1の容量CS1、第2の固定電極
42と可動電極24との検出空隙に第2の容量CS2が
形成されている。そして、加速度を受けると、梁部22
のバネ機能により、アンカー部を除く可動部20全体が
一体的に矢印X方向へ変位し、可動電極24の変位に応
じて上記各容量CS1、CS2が変化する。そして、上
記検出回路200は、可動電極24と固定電極32、4
2による差動容量(CS1−CS2)の変化に基づいて
加速度を検出する。
00及び検出方法は、本出願人が先に出願した特願平1
1−108454号に記載した検出回路を基本としてお
り、その詳細説明は同号明細書に譲ることとし、以下、
主として本実施形態における特徴部分を述べることとす
る。図3に、本センサ100に設けられた回路手段20
0の構成を示す。
ッチドキャパシタ回路)210及びスイッチ回路220
を有する。C−V変換回路210は、可動電極24と固
定電極32、42とからなる容量CS1、CS2の変化
を電圧に変換して出力するもので、演算増幅器211、
コンデンサ212、及びスイッチ213から構成されて
いる。
電極パッド25aを介して可動電極24に接続されてお
り、反転入力端子と出力端子との間には、コンデンサ2
12およびスイッチ213が並列に接続されている。ま
た、演算増幅器211の非反転入力端子には、スイッチ
回路220を介してV/2の電圧とV1の電圧のいずれ
かが入力される。
10における演算増幅器211の非反転入力端子に、図
示しないそれぞれの電圧源からのV/2の電圧とV1
(V/2とは異なる)の電圧のいずれかを入力するもの
で、スイッチ221とスイッチ222から構成されてい
る。スイッチ221とスイッチ222は、一方が閉じて
いるときに他方が開くようになっている。
路を有しており、この制御回路は、固定電極パッド31
aから、一定振幅Vで周期的に変化する搬送波P1を第
1の固定電極32へ入力し、固定電極パッド41aか
ら、搬送波P1と位相が180°ずれ且つ同一振幅Vで
ある搬送波P2を第2の固定電極42へ入力する。ま
た、この制御回路は、上記の各スイッチ213、22
1、222の開閉を所定のタイミングにて制御できるよ
うになっている。本実施形態では、この制御回路と上記
スイッチ回路220とにより本発明でいう信号印加手段
が構成される。
ず、加速度を検出する検出信号を印加する状態(通常動
作時)について図4に示す信号波形図を参照して説明す
る。信号印加手段としての上記制御回路から出力される
搬送波P1(例えば、周波数100kHz、振幅0〜5
V)は、図4に示すように、期間φ1を1周期(例えば
10μs)としてハイレベルとローレベルが変化する一
定振幅の矩形波信号となっており、搬送波P2は、搬送
波P1に対して電圧レベルが反転した矩形波信号となっ
ている。
1及びP2が各固定電極32、42へ印加されていると
き、スイッチ回路220においてスイッチ221は閉、
スイッチ222は開になっている。それによって、演算
増幅器211の非反転入力端子にV/2の電圧が印加さ
れ、可動電極24にはV/2(例えば2.5V)の一定
電圧(可動電極信号)が印加されている。
い場合には、第1の固定電極32と可動電極24との電
位差、及び、第2の固定電極42と可動電極24との電
位差は、共にV/2となり、第1の固定電極32と可動
電極24との間の静電気力、及び、第2の固定電極42
と可動電極24との間の静電気力は、略等しく釣り合っ
ている。
20において、スイッチ213は図4に示すタイミング
で開閉される。このスイッチ213が閉のとき(期間φ
2)、コンデンサ212がリセットされる。一方、スイ
ッチ213が開のときに、加速度検出が行われる。つま
り、期間φ1のうち期間φ2以外の期間が加速度を検出
する期間である。この検出期間において、C−V変換回
路220からの出力電圧V0は、次の数式1で示され
る。
固定電極32及び42の間の電圧であり、Cfはコンデ
ンサ212の容量である。
と第2の容量CS2とのバランスが変化する。すると、
上記数式1に基づき容量差(CS1−CS2)に応じた
電圧が、加速度が印加されていないときの出力V0にバ
イアスとして加わった形で出力V0(例えば0〜5V)
として出力される。この出力V0は、この後、増幅回路
やローパスフィルタ等を備えた信号処理回路(図示せ
ず)にて信号処理され、加速度検出信号として検出され
る。
示す信号波形図を参照して説明する。信号印加手段とし
ての上記制御回路により、図5に示す様に、一定振幅V
(図示例では振幅0〜5V)の矩形波信号である搬送波
P1及びP2が入力される。ここで、期間φ3(例えば
100μs)において、搬送波P1と搬送波P2とは、
互いに電圧レベルが反転した一定電圧信号(例えば搬送
波P1が0V、搬送波P2が5V)となっている。
P1及びP2が各固定電極32、42へ印加されている
とき、スイッチ回路220においてスイッチ221は
開、スイッチ222は閉になっている。そのため、演算
増幅器211の非反転入力端子へ、V/2とは異なるV
1(例えば3V)の電圧が印加され、可動電極24に
は、この電圧V1が可動電極信号として印加されてい
る。
記通常動作時における静電気力の釣り合いが崩れ、可動
電極24は、両固定電極32、42のうち可動電極24
との間の電位差が大きい方の固定電極へ引き寄せられ
る。図5に示す例では、第1の固定電極32の方へ引き
寄せられるように、梁部22がたわみ、それと一体的に
可動電極24が擬似的に変位する。このように、期間φ
3は、可動電極24に擬似的な加速度を発生させる期間
である。なお、期間φ3においては、C−V変換回路2
20のスイッチ213は閉であるため、コンデンサ21
2がリセット状態にある。
記図4に示した期間φ1と同様の信号波形を、可動電極
24と固定電極32、42との間に印加することによ
り、直前の期間φ3にて発生した擬似的な加速度(物理
量)を検出する期間である。つまり、C−V変換回路2
20のスイッチ213を開とし、コンデンサ212を加
速度検出可能な状態と同じにし、上記通常動作時と同様
の搬送波P1及びP2を印加する。また、スイッチ回路
220においてスイッチ221を閉、スイッチ222を
開として可動電極24にV/2(例えば2.5V)の一
定電圧を駆動電極信号として印加する。
固定電極32の方へ引き寄せられていた可動電極24が
元の位置に戻ろうとするため、この容量変化に応じてC
−V変換回路220のコンデンサ212に電荷が発生
し、期間φ3にて発生した擬似的な加速度を検出するこ
とができる。このように、期間(φ3+φ4)を1周期
とした自己診断信号(上記搬送波及び可動電極信号)を
可動電極24と固定電極32、42との間に印加するこ
とにより、自己診断が可能となっている。
極24の変位を大きくすれば、可動電極24と固定電極
32、42とからなる容量CS1、CS2の変化も大き
くなり、出力電圧V0を大きくできて効率的な自己診断
が可能となる。そのための手段としては、可動部20を
軽くすることが考えられる。可動部20の軽量化にあた
っては、上記のラーメン構造を採用する等により最低限
まで錘部21を軽量化した上で、さらに可動電極24を
軽量化することが必要である。
を短くすることが考えられるが、その場合、固定電極3
2、42との対向面積(電極面積)が小さくなり、検出
の容量CS1、CS2が減少してしまうため好ましくな
い。そこで、可動電極24におけるその変位方向の梁幅
W1(以下、可動電極幅W1という)を狭くすることで
可動電極24の軽量化を実現することとした。
細くし過ぎると、物理量が印加されたときに梁部22だ
けでなく、可動電極24自身もたわんで変位してしま
う。この種の加速度センサにおいては、加速度の印加
時、梁部の変位と可動電極の変位とは一体且つ同一方向
であることが必要であるが、可動電極自身がたわんで変
位してしまうと、可動電極と固定電極との検出間隔の変
化が不均一となり、所望の容量変化を得ることができな
くなる可能性がある。
た独自の構成、即ち、可動電極24におけるその変位方
向の剛性が梁部22におけるその変位方向の剛性よりも
大きいことを確保した上で、可動電極幅W1が梁部22
におけるその変位方向(図1中、矢印X方向)の1本の
梁幅W2(以下、梁部幅W2という)と略同一となるま
で細くした構成としている。そのため、可動電極24を
軽くしつつ、加速度の印加時に可動電極24がたわむの
を防止でき、可動電極24の擬似的な変位を大きくして
効率的な自己診断が可能となる。
同一であることは、ミクロンオーダーの加工(エッチン
グ等)を行う本センサ100における加工誤差等を考え
た場合、可動電極幅W1が梁部幅W2の0.8倍〜1.
2倍の範囲にあれば良いものである。
自己診断用の電極を設けることなく、装置の体格(チッ
プサイズ)の小型化が可能であり、且つ、効率的に自己
診断を行うことのできる容量式物理量検出装置100を
提供することができる。そして、自己診断を行うことに
より、例えば、可動電極24と固定電極32、42間に
ゴミが付着して容量が変化しない場合には、出力電圧V
0が変化しないため故障検出ができる。また、経時変化
等で感度が変化した場合も、出力電圧の変化量により感
度変化を検出することができる。
軽くした場合、通常動作時における感度が落ちないかと
いう問題があるが、これについては、次に述べる考え方
を用いれば解決できる。この加速度センサ100におい
ては、感度ΔC及び自己診断の出力Jは、各々、次の数
式2で示される。
d、単位F)であり、mは可動部の質量(単位kg)、
dは可動電極と固定電極との間隔(単位m)、Kはバネ
定数(単位N/m)、Sは電極面積(可動電極と固定電
極との対向する部分の面積、単位m2)、Dは自己診断
におけるデューティ比、Vは自己診断における電圧(単
位V)である。
力Jを高めれば、感度ΔCが質量mに比例することから
感度ΔCは下がる。しかし、上記数式2をみると、自己
診断にの出力Jには効かなくて、感度ΔCにのみ効く項
目「K」が存在する。つまりバネ定数Kの調整により、
感度の低下を防止できる。また、振動体においては、そ
の共振周波数ω0は、ω0=(K/m)1/2で表されるた
め、例えば、可動電極の質量mを半分にしても、梁部2
2のバネ定数Kを半分にすれば、感度も共振周波数も変
化しないので、通常動作時におけるセンサ特性は確保さ
れる。具体的には、センサ100において、梁部22の
長さを長くする等により梁部22のバネ定数を小さくで
きる。
うに、固定電極32、42が可動電極24と略平行に延
びる梁形状をなすものであり、且つ、可動電極24と固
定電極32、42とが梁の側面にて互いに対向している
場合、梁部22の変位方向(図1中の矢印X方向)にお
ける固定電極32、42の梁幅を、可動電極幅W1と略
同一としても良い。それにより、変位方向(図1中の矢
印X方向)における装置の体格を小さくできる。
時と自己診断時とで、可動電極24に印加する電圧を変
えて可動電極24を擬似的に変位させているが、固定電
極32、42に印加する搬送波P1、P2において電圧
を変えることにより、可動電極24を擬似的に変位さ
せ、自己診断を行うようにしても良い。
00に適用するものに限らず、圧力センサ、ヨーレート
センサなどの静電容量式の物理量検出装置にも同様に適
用することができる。
概略平面図である。
る。
成図である。
供する信号波形図である。
供する信号波形図である。
42…第2の固定電極、210…C−V変換回路、22
0…スイッチ回路、W1…可動電極におけるその変位方
向の梁幅、W2…梁部におけるその変位方向の梁幅。
Claims (3)
- 【請求項1】 梁形状をなすとともに物理量の印加に応
じて該梁の長手方向と直交する方向に変位するバネ機能
を有する梁部(22)と、 この梁部に一体に形成されて前記梁部と同一方向に延び
る梁形状をなし、前記梁部とともに前記梁部の変位方向
へ変位可能な可動電極(24)と、 前記可動電極に対向して配置された固定電極(32、4
2)と、 周期的に変化する信号であって前記物理量を検出するた
めの検出信号と周期的に変化する信号であって自己診断
を行うための自己診断信号とを切り替えて、前記可動電
極と前記固定電極との間に印加する信号印加手段(22
0)と、 前記可動電極と前記固定電極とからなる容量の変化に応
じた電圧を出力するC−V変換回路(210)とを備
え、 前記検出信号の印加中に発生する前記容量の変化に応じ
て前記物理量を検出し、 前記自己診断信号の印加によって前記梁部を変位させる
ことにより前記可動電極に疑似的な物理量を発生させる
ようになっており、 前記可動電極におけるその変位方向の梁幅(W1)が、
前記梁部におけるその変位方向の梁幅(W2)と略同一
であり、且つ、前記可動電極におけるその変位方向の剛
性が、前記梁部におけるその変位方向の剛性よりも大き
くなっていることを特徴とする容量式物理量検出装置。 - 【請求項2】 前記可動電極(24)におけるその変位
方向の梁幅(W1)は、前記梁部(22)におけるその
変位方向の梁幅(W2)の0.8倍〜1.2倍であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の容量式物理量検出装
置。 - 【請求項3】 前記固定電極(32、42)は前記可動
電極(24)と略平行に延びる梁形状をなすものであ
り、 前記可動電極と前記固定電極とは、梁の側面にて互いに
対向しており、 前記梁部(22)の変位方向における前記固定電極の梁
幅は、前記可動電極におけるその変位方向の梁幅(W
1)と略同一であることを特徴とする請求項1または2
に記載の容量式物理量検出装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27997199A JP2001099861A (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | 容量式物理量検出装置 |
DE10046958A DE10046958B4 (de) | 1999-09-27 | 2000-09-21 | Kapazitive Vorrichtung zum Erfassen einer physikalischen Grösse |
US09/667,800 US6450029B1 (en) | 1999-09-27 | 2000-09-22 | Capacitive physical quantity detection device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27997199A JP2001099861A (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | 容量式物理量検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001099861A true JP2001099861A (ja) | 2001-04-13 |
Family
ID=17618502
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27997199A Pending JP2001099861A (ja) | 1999-09-27 | 1999-09-30 | 容量式物理量検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001099861A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002318244A (ja) * | 2001-04-24 | 2002-10-31 | Denso Corp | 半導体力学量センサとその製造方法 |
DE102005038914B8 (de) * | 2004-08-17 | 2009-01-22 | Denso Corp., Kariya-shi | Sensor für eine physikalische Grösse, der einen beweglichen Abschnitt aufweist |
JP2009115811A (ja) * | 2008-12-26 | 2009-05-28 | Denso Corp | 力学量センサ装置 |
KR100928909B1 (ko) | 2005-11-30 | 2009-11-30 | 가부시키가이샤 덴소 | 용량성 물리량 센서 및 용량성 물리량 센서의 진단 방법 |
JP2018531158A (ja) * | 2015-09-30 | 2018-10-25 | メムズ ドライブ, インク.Mems Drive, Inc. | Memsデバイスの構造パラメータを操作する為のmemsグリッド |
-
1999
- 1999-09-30 JP JP27997199A patent/JP2001099861A/ja active Pending
Cited By (6)
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JP7166917B2 (ja) | 2015-09-30 | 2022-11-08 | メムズ ドライブ,インク. | Memsデバイスの構造パラメータを操作する為のmemsグリッド |
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