JP2002162229A - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JP2002162229A JP2000359835A JP2000359835A JP2002162229A JP 2002162229 A JP2002162229 A JP 2002162229A JP 2000359835 A JP2000359835 A JP 2000359835A JP 2000359835 A JP2000359835 A JP 2000359835A JP 2002162229 A JP2002162229 A JP 2002162229A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体基板に、角速度を検出するための2個
の振動子を形成してなる角速度センサにおいて、体格の
小型化が可能な駆動電極の構成を実現する。 【解決手段】 半導体基板10に、2個の振動子30、
40、及び、各振動子毎に櫛歯状の検出電極60、70
を形成するとともに、各々の振動子30、40における
両振動子が対向する部位に、櫛歯状に突出する電極部3
4、44を形成し、各々の電極部34、44を互いの櫛
歯が噛み合うように対向して配置させており、各々の電
極部34、44間に電圧を印加することにより両振動子
30、40をx方向へ互いに逆相で駆動振動させるよう
にしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板に、角
速度を検出するための2個の振動子を形成してなる角速
度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の角速度センサは、一般に、半導
体基板と、この半導体基板に形成された2個の振動子と
を備え、両振動子を第1の方向へ逆相に駆動振動させ、
この駆動振動のもと角速度が印加されたときに第1の方
向と直交する第2の方向への両振動子の振動に基づいて
角速度を検出するものである。
【0003】このような角速度センサによれば、両振動
子を逆相に駆動振動させることによって、外部加速度を
キャンセルしつつ、角速度の検出信号を2個の振動子か
らの足し合わせとして感度良く検出することができると
いう利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種の角速度センサ
について、本発明者等は、試作検討を行った。図8は、
本発明者等が周知の半導体製造技術を用いて試作した角
速度センサの概略平面構成を示す図である。
【0005】図8に示す様に、半導体基板J1には、エ
ッチング等にて溝を形成することにより、第1の振動子
J3、第2の振動子J4、及び、両振動子J3、J4の
外周に位置し両振動子J3、J4を支持する基部J2等
が形成されている。なお、両振動子J3、J4は基部J
2に対して可動となっており、基部J2は、図示しない
支持部(支持基板等)に支持されている。
【0006】両振動子J3、J4は、図中のy方向へ自
由度を持つ検出梁J5を介して基部J2に連結された略
コの字型をなす外側部J31、J41と、外側部J3
1、J41の内側に位置する内側部J32、J42と、
図中のx方向へ自由度を持ち、これら外側部と内側部と
を連結する駆動梁J6とより構成されている。
【0007】また、両振動子J3、J4の間に位置する
基部J2には、各振動子J3、J4をx方向へ駆動振動
させるための櫛歯状の駆動電極J7が、各振動子J3、
J4毎に形成されている。この駆動電極J7は、各振動
子J3、J4の内側部J32、J42から突出する櫛歯
部と噛み合うように配置されている。
【0008】また、基部J2には、角速度を検出するた
めの櫛歯状の検出電極J8が、各振動子J3、J4毎に
形成されている。検出電極J8は、各振動子J3、J4
の外側部J31、J41から突出する櫛歯部と噛み合う
ように配置されている。
【0009】かかる角速度センサにおいては、各振動子
J3、J4について、対応する駆動電極J7から信号を
印加することにより、各振動子J3、J4をx方向にて
互いに逆相に駆動振動させる。そして、この駆動振動の
もとz軸回りに角速度Ωが加わったとき、コリオリ力に
よって各振動子J3、J4は、y方向へ振動(検出振
動)する。この検出振動によって、検出電極J8におけ
る櫛歯間の容量が変化し、この容量変化を検出すること
で、角速度Ωを求めることができる。
【0010】しかしながら、上記試作品に示したような
従来の角速度センサにおいては、2個の振動子J3、J
4に対応して2個の駆動電極J7を設けるが、これら駆
動電極J7を固定支持するための部分(上記図8では、
両振動子J3、J4の間に位置する基部J2)が必要で
あり、この固定支持部の分、半導体基板の面積が必要と
なるため、センサの小型化の障害となる。
【0011】本発明は上記問題に鑑み、半導体基板に、
角速度を検出するための2個の振動子を形成してなる角
速度センサにおいて、体格の小型化が可能な駆動電極の
構成を実現することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、半導体基板(10)
と、この半導体基板に形成された2個の振動子(30、
40)とを備え、両振動子を第1の方向(x)へ駆動振
動させ、この駆動振動のもと角速度が印加されたときに
第1の方向(x)と直交する第2の方向(y)への両振
動子の振動に基づいて角速度を検出するようにした角速
度センサにおいて、各々の振動子(30、40)におけ
る両振動子が対向する部位に、櫛歯状に突出する電極部
(34、44)を形成し、各々の電極部を互いの櫛歯が
噛み合うように対向して配置させ、駆動振動を行うと
き、各々の電極部間に電圧を印加することにより両振動
子を互いに逆相で振動させるようにしたことを特徴とし
ている。
【0013】それによれば、対向する電極部(34、4
4)が駆動電極として機能するとともに、これら電極部
は各振動子に固定支持されたものである。そのため、本
発明によれば、従来必要とされていた駆動電極の固定支
持部が不要となり、体格の小型化が可能な駆動電極の構
成を実現することができる。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
の角速度センサの具体的手段を提供するものであり、各
々の振動子(30、40)を、第2の方向(y)へバネ
変形可能な検出梁(50)を介して基部(20)に連結
された第1の振動部(31、41)と、第1の方向
(x)へバネ変形可能な駆動梁(33、43)を介して
前記第1の振動部(31、41)の内側にて第1の振動
部に連結された第2の振動部(32、42)とを備える
ものとし、この第2の振動部を、各々の振動子(30、
40)における両振動子が対向する部位として構成した
ことを特徴としている。
【0015】それによれば、各々の振動子(30、4
0)において、第1及び第2の方向(x、y)へ振動可
能な構成を適切に実現できるとともに、両振動子におけ
る第2の振動部(32、42)に、上記電極部(34、
44)が形成された構造となる。
【0016】また、請求項3に記載の発明は、半導体基
板(10)には、第1及び第2の振動子(30、40)
それぞれに設けられた検出用可動電極(31a、41
a)に対応した検出用固定電極(60、70)が形成さ
れており、第1及び第2の振動子には基準電圧(V0
と、この基準電圧に対し互いに反対の電圧とが印加され
互いに逆相で振動させるようにしており、また、検出用
固定電極には、基準電圧(V0)が印加されており、第
1及び第2の振動子の電位が基準電位の期間に、コリオ
リ力に起因する検出用可動電極と検出用固定電極との間
の容量変化を検出するものであることを特徴としてい
る。
【0017】それによれば、駆動信号の影響を受けず
に、コリオリ力に起因する容量変化を検出することがで
きる。
【0018】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る角
速度センサS1の概略平面構成を示す図である。
【0020】角速度センサS1は、シリコン基板等の半
導体基板10よりなり、この半導体基板10に、エッチ
ング等の周知の半導体製造技術を用いて溝を形成するこ
とにより、図1に示す様に、枠状の基部20、2個の振
動子30、40等が区画形成されている。なお、図1
中、溝以外の部分は、斜線ハッチング領域及び太線部と
して示してある。
【0021】基部20の内周に位置する第1の振動子
(図中、左側)30及び第2の振動子(図中、右側)4
0は、互いに対称形状をなしている。本例では、両振動
子30、40は、図1中のx方向(第1の方向)に沿っ
て並べられており、両方とも基部20に対して可動とな
っている。なお、基部20は、図示しない支持部(支持
基板等)に支持されている。
【0022】両振動子30、40は、略コの字型をなす
外側部(第1の振動部)31、41と、この外側部3
1、41の内側に位置する略矩形状の内側部(第2の振
動部)32、42と、これら外側部31、41と内側部
32、42とを連結する駆動梁33、43とを備えてい
る。そして、両振動子30、40は、外側部31、41
にて検出梁50を介して基部20に連結支持されてい
る。
【0023】駆動梁33、43は、図1中のx方向(第
1の方向)へ自由度を持つもので、本例では、x方向へ
バネ変形可能な様に、x方向へ延びて折り返された略コ
の字形状をなしている。また、検出梁50は、図1中の
y方向(第2の方向)へ自由度を持つもので、本例で
は、y方向へバネ変形可能な様に、y方向が長手方向と
なっている長方形枠状をなしている。なお、駆動梁3
3、43と検出梁50の共振周波数は異なっている。
【0024】また、各々の振動子30、40において、
両振動子30、40が対向する内側部32、42には、
櫛歯状に突出する電極部(可動電極)34、44が形成
されており、各々の電極部34、44は、互いの櫛歯が
噛み合うように対向して配置されている。これら電極部
34、44は、両振動子30、40を互いに逆相で駆動
振動させるための駆動電極として機能する。
【0025】また、基部20には、角速度を検出するた
めの櫛歯状の検出電極(検出用固定電極)60、70
が、各振動子30、40毎に形成されている。この検出
電極60、70は、各振動子30、40の外側部31、
41から突出する櫛歯部(検出用可動電極)31a、4
1aと噛み合うように配置されている。
【0026】また、上記した第1の振動子30、第2の
振動子40、検出電極60(第1の振動子側)、検出電
極70(第2の振動子側)は、半導体基板10に形成さ
れた上記溝によって、それぞれ互いに電気的に絶縁され
ている。そして、これら振動子30、40及び検出電極
60、70は、半導体基板10に形成されたアルミ等よ
りなるパッド(図示せず)により、後述するセンサS1
の信号回路と電気的に接続されている。
【0027】次に、角速度センサS1の製造方法につい
て、SOI(シリコンオンインシュレータ)基板を用い
た例として述べる。図2及び図3は、最終的に図3
(d)に示す角速度センサS1を製造するための製造方
法を示すもので、上記図1中のA−A線に沿った断面に
対応して、各工程中のワークを示したものである。
【0028】図3(d)に示す様に、このSOI基板1
04は、一対のシリコン基板101、102を酸化膜
(絶縁層)103を介して貼り合わせてなるものであ
り、上記図1に示す半導体基板10は、図3(d)中の
SOI基板104における上側のシリコン基板102に
相当する。
【0029】そして、図3(d)に示す様に、上側のシ
リコン基板(半導体基板)10は、開口部10aが形成
された下側のシリコン基板101及び酸化膜103に、
支持されている。なお、開口部10aの平面形状は、上
記図1中の破線に示すようになっている。
【0030】まず、図2(a)に示す様に、単結晶シリ
コンからなる両シリコン基板101、102の間に酸化
膜(例えば厚さ1μm)103を挟んでなるSOI基板
104を用意し、上側のシリコン基板102の全面に表
面抵抗値を下げ、次工程にて形成されるアルミニウムか
らなる上記パッド(図示せず)との接触抵抗を下げるた
めに、例えばリンを高濃度に拡散(N+ 拡散)する。
【0031】続いて、SOI基板104の表面(上側の
シリコン基板102)にアルミニウムを例えば1μm蒸
着し、ホト、エッチングを行い、信号取り出し用の上記
パッドを形成する。続いて、図2(b)に示す様に、S
OI基板104の裏面(下側のシリコン基板101)を
切削研磨(バックポリッシュ)することにより所定の厚
さ(例えば300μm)とし、且つ鏡面仕上げする。
【0032】続いて、図2(c)に示す様に、SOI基
板104の裏面(下側のシリコン基板101)にプラズ
マSiN膜300を堆積(例えば0.5μm)し、ホト
パターンを形成し、プラズマSiN膜300をエッチン
グすることにより所定の領域を開口する。
【0033】続いて、図3(a)に示す様に、上側のシ
リコン基板102の表面に、上記振動子30、40、各
電極及び各梁等を画定するパターンをレジストで形成
し、ドライエッチングにより垂直に酸化膜103までト
レンチ形状を形成する。
【0034】続いて、図3(b)に示す様に、下側のシ
リコン基板101を、プラズマSiN膜300に形成し
たパターンをマスクとして、例えばKOH水溶液で深く
エッチングする。このとき、酸化膜103までエッチン
グを進めると、エッチング液の圧力により酸化膜103
が破れてSOI基板104を破損するため、酸化膜10
3が破れないように、例えば下側のシリコン基板101
のシリコンを10μm残してエッチングを終了できるよ
うエッチング時間を管理する。
【0035】続いて、図3(c)に示す様に、プラズマ
ドライエッチングにより、図3(b)の工程で残したS
iをエッチング除去する。このとき、SOI基板104
の裏面のプラズマSiN膜300は同時に除去される。
最後に、図3(d)に示す様に、酸化膜103をドライ
エッチングによって除去して、上記振動子30、40等
を形成することにより、角速度センサS1が完成する。
【0036】この後、振動子30、40及び検出電極6
0、70は、上記パッドにより、上記信号回路と電気的
に接続される。図4は、この信号回路のブロック図であ
る。図4には、第1の振動子30、第2の振動子40、
検出電極60(第1の振動子側)、検出電極70(第2
の振動子側)に対応して接続される上記パッド30a、
40a、60a、70aが示してある。
【0037】図4に示す様に、第1の振動子30、第2
の振動子40には、それぞれ、互いにオフセットされた
逆相の交流電圧(矩形波もしくは正弦波)が、駆動信号
として印加されるようになっている。つまり、電極部3
4と電極部44との間に、電圧が印加されることで静電
気力が発生し、両振動子30、40が共振周波数(例え
ば5kHz)にて振動するようになっている。
【0038】また、検出電極60、70には、それぞ
れ、検出電極60、70と櫛歯部31a、41aとの間
の容量を電圧に変換するためのチャージアンプ(C/V
変換回路)100が接続され、このチャージアンプ10
0の先には、駆動信号からのタイミングに基づき、検出
を行わせるためのスイッチングを行うサンプルホールド
回路110が接続されている。
【0039】次に、本角速度センサS1の作動につい
て、図5も参照して述べる。図5は、角速度検出におけ
る信号のタイミングチャートの一例を示す図である。ま
ず、パッド30a、パッド40aを介してそれぞれ、第
1の振動子30、第2の振動子40に駆動信号を印加す
る。
【0040】例えば、図5に示す様に、第1の振動子3
0即ち電極部34には、基準電位をV0として、V0〜2
0(例えば2.5〜5V)の範囲で矩形波(第1矩形
波)を印加する。同時に、第2の振動子40即ち電極部
44には、0〜V0(例えば0〜2.5V)の範囲で第
1矩形波と逆相の矩形波(第2矩形波)を印加する。
【0041】すると、電極部34と電極部44との間に
電圧を印加することにより、両電極部34と44との間
に電圧差の自乗に比例した静電引力が発生し、これによ
って、両振動子30、40における内側部32、42
が、駆動梁33、43の作用により、互いに逆相でx方
向へ駆動振動する。
【0042】この駆動振動における両振動子30、40
(両内側部32、42)の振動振幅は、図5に示す様に
なり、第1の振動子30(図中、実線にて図示)と第2
の振動子40(図中、破線にて図示)とで、互いに逆相
且つ同一周波数にて駆動振動が行われる。
【0043】この両振動子30、40が駆動振動してい
るときに、z軸(図1参照)回りに角速度Ωが印加され
ると、各振動子30、40にはy方向へコリオリ力が作
用する。すると、このコリオリ力によって、各振動子3
0、40は、それぞれ振動子全体が検出梁50の作用に
より、y方向へ互いに逆相且つ同一周波数にて振動(検
出振動)する。
【0044】この検出振動において、各振動子30、4
0に対応する検出電極60、70における櫛歯間の容量
が、印加角速度(コリオリ力)の大きさに応じて変化
し、この容量変化は、パッド60a、70aを介して上
記チャージアンプ100にて電圧に変換される。このと
き、上記サンプルホールド回路110によって検出電極
60、70からの出力を所定のタイミングでサンプリン
グする。
【0045】各振動子30、40に加わるコリオリ力の
大きさは、図5に示す様に、第1の振動子30(実線)
及び第2の振動子40(破線)にて変化する。両電極部
34と44との間(パッド30aと40aとの間)の電
圧が同じになる時間帯(図5中のハッチング部分)に、
コリオリ力が最大となることを利用して、この時間帯で
検出電極60、70の容量変化を検出する。
【0046】なお、各検出電極60には、基準電位V0
が印加されており、この時間を利用することにより、駆
動電圧に影響されず、コリオリ力に基づく容量変化を検
出できる。
【0047】つまり、検出電極60、検出電極70にお
けるサンプリングのタイミング信号は、図5に示す様に
なり、上記時間帯にて、サンプルホールド回路110を
オン状態とする。そして、チャージアンプ100、サン
プルホールド回路110を介して検出された信号が、角
速度信号として出力される。
【0048】このように、図5に示すタイミングを用い
れば、両振動子30、40が同電位の状態でコリオリ力
を最大値近傍にて検出することができ、感度のよい角速
度検出が可能となる。
【0049】なお、各振動子に基準電圧V0から離れた
駆動電圧(2V0、0)が印加されるとき、各振動子3
0、40と検出電極60、70との間に静電引力が生ず
るが、各振動子は共振周波数で駆動するとともに、駆動
梁33、43と検出梁50の共振周波数が異なる(例え
ば5kHzと7kHz)ため、y方向へはほとんど変位
しない。
【0050】また、図5のタイミングで検出を行えば、
いったん駆動信号の入力を停止し、検出を行うといった
時間分割の必要は無いが、スイッチトキャパシタ回路を
用いる等により、入力される駆動信号を間引くことで時
間分割による検出を行うことも可能である。
【0051】以上述べてきたように、本実施形態では、
各々の振動子30、40における両振動子が対向する部
位に、櫛歯状に突出する電極部34、44を形成し、各
々の電極部33、43を互いの櫛歯が噛み合うように対
向して配置させ、駆動振動を行うとき、各々の電極部3
3、43間に電圧を印加することにより両振動子30、
40(内側部32、42)を互いに逆相で振動させるよ
うにしたことを特徴としている。
【0052】そして、本実施形態によれば、対向する電
極部34、44が駆動電極として機能するとともに、こ
れら電極部34、44は、それぞれ各振動子30、40
(外側部31、41)に固定支持されたものであるた
め、従来必要とされていた駆動電極の固定支持部が不要
となる。よって、体格の小型化が可能な駆動電極の構成
が実現される。
【0053】また、本実施形態では、各々の振動子3
0、40を、y方向へバネ変形可能な検出梁50を介し
て基部20に連結された外側部31、41と、x方向へ
バネ変形可能な駆動梁33、43を介して外側部31、
41に連結された内側32、42とを備えたものとし、
この内側部32、42にて、各々の振動子30、40を
対向させている。そのため、各々の振動子30、40に
おいて、x方向及びy方向へ振動可能な構成を適切に実
現できる。
【0054】なお、本実施形態では、2個の振動子3
0、40をx方向へ逆相に振動させているが、図1に示
す両振動子30、40の形状は、振動子の片側に櫛歯を
設けているため、左右非対称となり、各振動子30、4
0がきちんと左右(x方向)に振れない場合が考えられ
る。その対策としては、以下のような種々の変形例が考
えられる。
【0055】図6に示す第1の変形例の様に、各振動子
30、40の重心が振動子の中心に来るように、各振動
子30、40において電極部34、44が形成されてい
る部位と反対側の部位に、電極部34、44と同形状の
ダミー櫛歯パターン80を形成する。なお、このダミー
櫛歯パターン80は、振動子の駆動振動状態(振幅、周
波数等)をモニタするためのモニタ電極として用いても
よい。
【0056】または、図7に示す第2の変形例の様に、
各振動子30、40において電極部34、44が形成さ
れている部位と反対側の部位の幅を大きくし(図中、幅
広部81)、電極部34、44と釣り合うようにするこ
とで、各振動子30、40の重心が振動子の中心に来る
ようにしてもよい。
【0057】なお、各振動子30、40で共振周波数が
極端に異ならないように、各振動子30、40の間で、
振動子の重さや梁のバネ定数等のばらつきを抑えること
が重要である。もし、各振動子30、40で共振周波数
が極端に異なると、片方の振動子だけが大きく振動し、
コリオリ力の作用が各振動子でばらつくため、加速度感
度がキャンセルされずに現れる場合がある。
【0058】実際には、本実施形態では、同一チップ内
のしかも隣接する振動子パターンであるため、問題にな
るほど共振周波数のばらつきは無いと考えられる。それ
でも、各振動子30、40において、検出電極60、7
0と電極部34、44との間にバイアス電圧(上記図4
中の仮想GND電圧V0)を適宜設定し、見かけ上の検
出梁50のバネ定数を調整するようにすれば、両振動子
30、40の共振周波数を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る角速度センサの概略平
面図である。
【図2】上記実施形態に係る角速度センサの製造方法を
示す工程図である。
【図3】図2に続く製造方法を示す工程図である。
【図4】上記実施形態に係る角速度センサの信号回路の
ブロック図である。
【図5】角速度検出における信号のタイミングチャート
の一例を示す図である。
【図6】上記実施形態の第1の変形例を示す概略平面図
である。
【図7】上記実施形態の第2の変形例を示す概略平面図
である。
【図8】本発明者等が試作した角速度センサの概略平面
図である。
【符号の説明】
10…半導体基板、20…基部、30…第1の振動子、
31…第1の振動子の外側部、32…第1の振動子の内
側部、40…第2の振動子、41…第2の振動子の外側
部、42…第2の振動子の内側部、33、43…駆動
梁、34、44…電極部、50…検出梁、x…第1の方
向、y…第2の方向。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 岳志 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 Fターム(参考) 2F105 BB13 CC04 CD03 CD05 CD11 4M112 AA02 BA07 CA03 CA04 CA06 CA11 CA15 DA12 EA03 EA06 EA11 FA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板(10)と、 この半導体基板に形成された2個の振動子(30、4
    0)とを備え、 前記両振動子を第1の方向(x)へ駆動振動させ、この
    駆動振動のもと角速度が印加されたときに前記第1の方
    向と直交する第2の方向(y)への前記両振動子の振動
    に基づいて前記角速度を検出するようにした角速度セン
    サにおいて、 各々の前記振動子における前記両振動子が対向する部位
    には、櫛歯状に突出する電極部(34、44)が形成さ
    れており、 各々の前記電極部は、互いの櫛歯が噛み合うように対向
    して配置されており、 前記両振動子の前記駆動振動を行うとき、各々の前記電
    極部間に電圧を印加することにより、前記両振動子を互
    いに逆相で振動させるようにしたことを特徴とする角速
    度センサ。
  2. 【請求項2】 各々の前記振動子(30、40)は、前
    記第2の方向(y)へバネ変形可能な検出梁(50)を
    介して基部(20)に連結された第1の振動部(31、
    41)と、 この第1の振動部の内側に位置し、前記第1の方向
    (x)へバネ変形可能な駆動梁(33、43)を介して
    前記第1の振動部に連結された第2の振動部(32、4
    2)とを備えるものであり、 前記第2の振動部が、各々の前記振動子における前記両
    振動子が対向する部位として構成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の角速度センサ。
  3. 【請求項3】 前記半導体基板(10)には、前記第1
    及び第2の振動子(30、40)それぞれに設けられた
    検出用可動電極(31a、41a)に対応した検出用固
    定電極(60、70)が形成されており、 前記第1及び第2の振動子には基準電圧(V0)と、こ
    の基準電圧に対し互いに反対の電圧とが印加され互いに
    逆相で振動させるようにしており、 また、前記検出用固定電極には、前記基準電圧(V0
    が印加されており、前記第1及び第2の振動子の電位が
    基準電位の期間に、コリオリ力に起因する前記検出用可
    動電極と前記検出用固定電極との間の容量変化を検出す
    るものであることを特徴とする請求項1または2に記載
    の角速度センサ。
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