JP2005345475A - センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】電気的な導体を用いて電気的に接続されているマイクロメカニカル機能部100と電子的な処理回路200とを備えていて、所要スペース面で有利に構成されたセンサ。
【解決手段】センサの自己テストを実施するための手段が、少なくとも1つの電気的な接続部350,355のエラー識別が実現されるように設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、導体を用いて電気的に接続されているマイクロメカニカル機能部と電子的な処理回路部とを備えているセンサから出発している。
コムストラクチャを有する容量的に評価処理されるイナーシャルセンサ、殊に加速度センサでは、信号は2つのコンタクト(C1,C2)を介して電子処理回路とセンサエレメントとの間で伝送される。更に別のコンタクト(CM)を介して電気容量的に、コムストラクチャの変位状態が加速度の関数として得られる。センサエレメントの基板はこのために第4のコンタクト、すなわち基板コンタクト(CS)を介して電子処理回路から規定の電位に保持される。この基板コンタクトが作動中、障害のある接続技術または疲労により分離されると、この高抵抗のまたは開いた接続の結果としてドリフトする電位が生じる。磁力線の移動およびこれに対応する、コムストラクチャの変位により、外部に加わっている加速度の状態に相応する状態が静電気的なコンフィギュレーションにおいて、それが実際に存在していなくとも実現される可能性がある。このようなことに鑑みると、ESP、エアバッグ、ロール・オーバ、ABSなどのような安全性に関連している用途の場合には殊に、電気的な接続のエラー識別が必要になってくる。
従来技術においてこのエラー識別、殊にコンタクト/ボンディング剥がれは別のコンタクトによって保証される。2つのコンタクトを介して供給される電流によって、接続が万が一解離されても電位差を検出することができる。電気的な接続が冗長的に実現されている場合、同じ機能を果たす2つのコンタクトが切り離される確率は低い。しかしマイクロメカニカルセンサがますます小型化していくなかで、コンタクト面および電気的な導体接続の所要スペースはますます制限要因になってきている。
本発明の課題は、電気的な導体を用いて電気的に接続されているマイクロメカニカル機能部と電子的な処理回路とを備えているセンサにおいて、所要スペース面で有利に構成され、信頼性も向上されたセンサを提供することである。
この課題は本発明によれば、上に述べた形式のセンサから出発して、センサの自己テストを実施するための手段が、少なくとも1つの電気的な接続部のエラー識別が実現されるように設けられていることによって解決される。
本発明のセンサでは、設定されている自己テストのために、冗長的な電気的な接続部を使用しないでもすむという利点が得られる。これにより、センサエレメントおよびセンサの電子処理回路にスペースの節約が実現される。結果的に部品コストも低減される。
本発明の有利な形態によれば、センサは、自己テストが行われる作動状態と、通常の測定作動が行われる別の作動状態とを有してる。センサはこのようにしてまず、自己テストを実施しかつ、それから続いて自己テストが合格すると通常の測定作動を始めることができる。
本発明の別の有利な実施形態によれば、センサの自己テストを実施するための手段が、自己テストを通常の測定作動の期間に行うことができるように設けられている。これにより、いつでも、測定期間中であっても、センサの正しい機能をテストすることができる。
センサが容量センサ、殊に差動コンデンサ構造を有するセンサであれば有利である。容量センサは、電位変動およびそこから生じるエラーもしくは異常信号に敏感である。
マイクロメカニカル機能部が1つの基板に配置されておりかつ電子的な処理回路が少なくとも別の基板に配置されているようにすれば有利である。マイクロメカニカル機能部および電子的な処理回路が異なっている基板に配置されている場合、電気的な接続線路によって形成される規定の共通の電位が特別重要である。
更に、自己テストを用いてマイクロメカニカル機能部と電子的な処理回路との間の基板接続部および/またはアース接続部の状態が検査可能であることは特別有利である。障害のある基板接続が原因の誤測定は、マイクロメカニカルセンサの検出することが難しい問題である。この電気的な接続部の状態は更に有利にも、断線または高抵抗性に関して検査可能である。
電子的な処理回路からマイクロメカニカル機能部への電気的な信号の送信およびその結果生じるセンサ測定信号の受信を自己テストが含んでいることは特別有利である。このようにして、電位変化が原因の測定エラーをテスト作動中に既にそれと対応付けることができる。
自己テストは、それが少なくとも1つの接続部の導電性および/またはこれら接続部の断線を特定するように実現されていても有利である。電気的な接続部の場合によっては高められている抵抗または接続部の断線は電位変動の発生に対する決定的な前提条件である。
すなわち要約すると有利にも、1つのコンタクトまたはボンディングランドもしくはダブルボンディングを設けずにすむのでセンサエレメントおよび電子処理回路でのスペースが節約され、にも拘わらず、監視の信頼性が高められる。有利にも更に、自己テストに対する回路コストはデジタル信号処理により僅かになる。コンタクトはぎ取り識別は有利にもいずれにせよ存在しているコンタクトに基づいて行うことができる。既に劣化し始めているコンタクト(ボンディングの緩慢な剥離、カーケンドール効果…)を、完全に故障してしまう前に立上がり振動特性の監視により早期に識別することができる。
その他の有利な形態は従属請求項から読み取ることができる。
次に本発明を以下に説明する実施例に基づいて詳細に考察したい。
図1のa)には従来のマイクロメカニカルセンサが略示されている。センサはマイクロメカニカル機能部10と電子処理回路20とを有しており、これらの間には電気的な接続部が存在している。電気的な接続部はこの実施例において電気的な導体35である。導体はコンタクト形成面30にコンタクト形成されている。4つの信号の伝送のためにここでは5つの接続部が存在しており、すなわち1つの接続部は冗長的である。
b)にはエラー識別部を備えた本発明のマイクロメカニカルセンサが略示されている。センサはマイクロメカニカル機能部100と電子処理回路200とを有しており、これらの間には電気的な接続部が存在している。電気的な接続部はそれぞれ、コンタクト形成面300にコンタクト形成されている電気的な導体350を有している。図1a)の従来技術とは異なって、本発明のセンサのこの例では、4つの電気的な接続部しか存在していない。以前は存在していた冗長的な第5の電気的な接続部はここにはない。これによりチップ面110を低減する可能性が生じる。チップ面110はセンサの小型化のためにまたは付加的な機能の実現のために利用することができる。
図2には、マイクロメカニカルセンサ出力信号の、基板に加わる電圧に対する依存性が示されている。この線図には基板電圧Vに関する相対センサ信号Sが示されている。センサ信号はこの例において上昇率dS/dVを以て基板電圧Vにリニヤに依存している。別の依存性も可能である。いわゆる支配率(Durchgriff)dS/dVの感度もここでは例示されているにすぎない。それはセンサおよび電子処理回路の種々のパラメータに左右されかつシステムにおいて定めるべきものである。ここに図示の例において基板電圧Vが5V変化する場合、センサ信号Sの変化は測定領域の約±20%のオーダにある。
図3には、本発明のセンサが電子処理回路とともに略示されている。電子的な電子処理回路200は電子処理モジュール220、刺激モジュール240、復調モジュール260並びに重み付けモジュール280を有している。電子処理モジュール220の課題は、典型的な容量センサの信号処理である。それは電気的な接続部350を介して差動コンデンサの電極C1,CMおよびC2に接続されている。電子処理モジュール220は差動コンデンサの容量変化を電子処理しかつそこからセンサ出力信号225を生成する。電子的な電子処理回路200は更に別の電子的な接続部350を用いてマイクロメカニカル機能部100に接続されている。この電気的な接続部はいわゆる基板線路355でありかつ従来技術のセンサでは冗長的に実現されており、または特別にコンタクト監視の多重形態を介して用いられる。コンタクト監視は従来技術では供給される電流によって2つのコンタクトを介して行われる。接続がもし切り離されたとすると、電位差を検出することができる。
本発明のセンサのここで説明する例では基板線路355は1つしか実現されていないが、自己テスト機能を用いて監視される。基板線路355は刺激モジュール240を基板コンタクトCSに接続する。作動状態において、例えばセンサのスイッチオン後、刺激モジュール240は自己テストの枠内において信号パターンを基板線路355を介してマイクロメカニカル機能部100に送信する。その結果において、図2に図示の依存性に従って測定信号が生じ、それは信号電子処理モジュール220によってセンサ出力信号225に変換される。刺激モジュール240はテスト信号の他に相関信号245も用意する。相関信号245およびセンサ出力信号225は復調モジュール260において処理される。復調モジュール260において信号の相関された復調が行われる。復調された出力信号265は評価モジュール280において処理される。評価モジュール280において処理された信号パターン265に基づいて最終的に基板線路355の状態が評価されかつ相応の信号285が出力される。
マイクロメカニカル機能部100の測定信号は電子処理モジュール220においてデジタル化することができかつ自己テストの信号処理全体をデジタルで行うことができる。
図4には、エラー識別部を備えた本発明のメカニカルセンサの刺激信号の1例が示されている。それぞれの波形において信号電圧Vが時間tに関して図示されている。ここに図示の例において刺激モジュール240から周期的な、矩形のテスト信号400が送信される。しかし別の信号形態も考えられる。
図4b)には、正常に機能するセンサのテスト信号応答が図示されている。この波形図にはセンサ信号Sが時間tに関して示されている。信号パターン420はテスト信号パターン400に対する応答信号を表している。応答信号としての信号パターン420は時間的な経過において実際に遅延なくテスト信号パターン400に追従する。従って電子処理回路200とマイクロメカニカル機能部100との間の電位接続は低オーミックまたは高度に導電性であり、従って無傷である。
図4c)には欠陥のあるセンサの信号応答が示されている。この波形図にはセンサ信号Sが時間Tに関して示されている。波形図に示されている最初の信号パターン440は高オーミックまたは低導電性の基板線路355を示している。テスト信号パターン400によって前以て与えられる電位変化に対してマイクロメカニカル機能部は時間遅延してしか追従しない。波形図に示されている第2の信号パターン460はセンサ出力信号がテスト信号パターン400に全く依存していないことを示している。すなわち抵抗は実際に無限ということかまたは導電性は零に等しいということである。この状態は、例えば電気的な導体接続部の、コンタクト面からの剥離、または基板線路355の導体の切断が原因で生じる、基板線路355の完全な断線が推測される。
要約すると、本発明のセンサの構成および機能は次の通りに表すことができる。センサの基板電位はボンディング剥離識別に対するテストフェーズ外の連続作動においては例えばアース(GND)のような一定の基準電位に対するまたは対称的な電圧供給の場合には例えば中間値(VDD/2)のような値に対する接続によって定義される。従って容量的な測定系の出力信号はザイズモ質量に作用する質量慣性力または静電場力にだけ依存している。テストフェーズにおいて、マイクロメカニカル機能部100の基板電位の定義された変化によってテスト信号パターン400を用いてセンサ内の静電気力のコンフィギュレーションの変化を起こし、これによりザイズモ質量に作用する付加的な力が生じることになる。この付加的な力によって、センサの正常な出力信号に別の信号が加算的に重畳される。この信号の高さおよび時間的な経過はテスト信号400に相応して明らかに定められている。このために、例えばASIC回路として実現されている電子処理回路200に、マイクロメカニカル機能部100の基板コンタクトCSに種々の電圧を印加することができる刺激モジュール240が設けられている。刺激モジュール240により更に、時間経過に関して電圧のパターンを任意に定めることができる。センサ基板における種々の電圧によって、時間的なシーケンスにおいて測定システムの出力信号の変化が発生し、これは相関された復調により、重畳された加速度信号を除去して取り出すことができる。こうしてノイズ除去された信号は引き続いて評価モジュール280における許容偏差検査を介して評価することができる。その際種々のテスト信号パターン400を用いて基板電位、ひいては基板線路355の状態を検査して、電気的な接続部の完全な剥離または高抵抗性を推定することができる。種々の用途のために種々のパターンを使用することができるので、出力信号を相応の相関された復調によって真のセンサ信号、すなわち例えば加速度信号を取り除いた形で評価されるようにすることができる。本発明のマイクロメカニカルセンサは殊に、例えば加速度センサまたは回転速度センサのような慣性力センサであってよい。
a)は従来のマイクロメカニカルセンサの略図、b)はエラー識別部を備えた本発明のマイクロメカニカルセンサの略図 センサ出力信号の、基板に加わる電圧に対する依存性を示す図 電子処理回路を備えている本発明のセンサのブロック回路図 a)はエラー識別部を備えている本発明のマイクロメカニカルセンサの1つの可能な刺激信号の波形図、b)はエラー識別部を備えている正常に機能する本発明のマイクロメカニカルセンサのテスト応答信号の波形図、c)はエラー識別部を備えている欠陥のある本発明のマイクロメカニカルセンサのテスト応答信号の波形図
符号の説明
100 マイクロメカニカル機能部、 110 チップ面、 200 電子処理回路、 220 電子処理モジュール、 225 センサ出力信号、 240 刺激モジュール、 245 相関信号、 260 復調モジュール、 265 信号パターン、 280 評価モジュール、 285 評価信号、 300 コンタクト形成面、 350 電気的な導体、 355 基板線路、 400 テスト信号パターン、 420 応答信号パターン

Claims (8)

  1. 電気的な導体(350)を用いて電気的に接続(300,350,355)されている、マイクロメカニカル機能部(100)と電子的な処理回路(200)とを備えているセンサにおいて、
    センサの自己テストを実施するための手段(200)が、少なくとも1つの電気的な接続部(300,350,355)のエラー識別が実現されるように設けられている
    ことを特徴とするセンサ。
  2. センサは、自己テストが行われる作動状態と、通常の測定作動が行われる別の作動状態とを有してる
    請求項1記載のセンサ。
  3. センサの自己テストを実施するための手段(200)が、自己テストを通常の測定作動の期間に行うことができるように設けられている
    請求項1記載のセンサ。
  4. センサは容量センサ、例えば差動コンデンサ構造を有するセンサである
    請求項1記載のセンサ。
  5. マイクロメカニカル機能部(100)は1つの基板に配置されておりかつ電子的な処理回路(200)は少なくとも別の基板に配置されている
    請求項1記載のセンサ。
  6. 自己テストを用いてマイクロメカニカル機能部(100)と電子的な処理回路(200)との間の基板接続(355)および/またはアース接続(355)の状態が検査可能である
    請求項1記載のセンサ。
  7. 自己テストには、電気的な信号(400)の、電子的な処理回路(200)からマイクロメカニカル機能部(100)への送信およびその結果生じるセンサ測定信号の受信が含まれている
    請求項1記載のセンサ。
  8. 自己テストは、それが少なくとも1つの接続部(300,350,355)の導電性および/またはこれら接続部(300,350,355)の断線を特定するように実現されている
    請求項1記載のセンサ。
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