JP2007123292A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 図7(a)では、誘電体層106に形成している溝601a,601bの溝幅は、赤色の放電セル202R、緑色の放電セル202G、青色の放電セル202Bの順に大きくなるように設定されている。図7(b)では、島状の凹部602a,602bの面積が、赤色の放電セル202R、緑色の放電セル202G、青色の放電セル202Bの順に大きくなるように設定されている。
【選択図】図7
Description
これらの中でもプラズマディスプレイパネル(PDP)は、自発光型で美しい画像表示ができ且つ大画面化が容易であるといった、他のデバイスにはない特徴を持っている。
このようなPDPにおいて、良好な画質を得るために、白色表示したときに高い色温度が得られるように、各色セルの発光量を調整する必要がある。一般的に、青色蛍光体は、他の2色に比べての発光強度が弱いため、従来のPDPでは、青色セルにおける放電量が他の色のセルよりも大きくなるように駆動回路で調整することによって、各色の発光量バランスをとっている。
PDPを高輝度で発光させるには、誘電体層の膜厚を薄く設定することによって、放電強度を増加させることも有効と考えられる。しかし、単に誘電体層を薄くするだけでは発光効率は向上ぜず、むしろ、蛍光体層の発光効率は低くなる傾向もある。
また、PDPにおいて、駆動回路で調整しなくても、各色の発光量バランスをとることによって、白色表示時において高い色温度が得られるようにすることを第2の目的とする。
これに対して、上記本発明の構成によれば、誘電体層の容量は各凹部において局所的に大きくなるので、表示電極に電圧を印加したときに、各凹部には比較的大きな電荷が形成される。従って、放電開始電圧が低くなる。それと共に、各凹部を起点として放電が発生するので、放電ギャップ近傍だけでなく周辺にも強い放電が広がり、それによって、蛍光体の輝度飽和は抑制される。
誘電体層の表面に凹部を形成する際に、以下のような形態をとることが好ましい。
誘電体層の表面をテクスチャー構造とする。
また、各放電セル内において、第1凹部と第2凹部とを、放電セルの中央部を挟んで第1表示電極側と第2表示電極側とに分散して配置する。
あるいは、第1凹部及び第2凹部を、各放電セル内で島状に形成する。ここで、第1凹部及び第2凹部を、U字形またはV字形とし、端部もしくは頂部どうしが互いに向かい合うよう配置する。
各放電セル内で、第1凹部と第2凹部とを、放電セルの中央部を挟んで、前記第1表示電極及び第2表示電極が伸長する方向に分散して配置する。
ここで、誘電体層の表面に、第1表示電極及び第2表示電極が伸長する方向に対して直交する方向に沿って、複数の放電セルにまたがる第1溝及び第2溝を形成し、第1溝及び第2溝の一部が、第1凹部及び第2凹部となるようにする。
第1凹部及び第2凹部の少なくとも一方について、その内部において深さが互いに異なる領域を有するようにする。
上記構成のPDPにおいて、放電セル内の蛍光体層の色ごとに凹部の形状を異ならせることによって、第2の目的も達成することができる。
放電セル内に形成されている凹部の面積を、その放電セル内に形成されている蛍光体層の色がRGBの順に大きくなるよう設定する。
各放電セル内における第1凹部と第2凹部の間隔を、その放電セルに形成されている蛍光体層の色がRGBの順に大きくなるよう設定する。
本発明では、上記のように誘電体層の表面に凹部が形成されたPDPを製造する際に、少ない工程数で、歩留まりをよくすることによって低コスト化を実現することを第3の目的とする。
ここで、「誘電体前駆体層に凹部を形成する」というのは、誘電体前駆体層の膜厚を部分ごとに変化させるという意味である。
前記基体は、平板状でもローラー状でもよいが、ローラ状の方が、連続的に凹部を形成しやすく、誘電体前駆体層が偏肉していても、均一的な深さで凹部を形成できる点などで好ましい。
上記転写フィルムは、ガラス粉末及び樹脂を含む誘電体組成物から成る誘電体前駆体層を支持フィルム上に形成する誘電体前駆体層形成ステップと、誘電体前駆体層に凹部を形成する凹部形成ステップとを備えた製造方法によって製造することができる。
また、PDPの誘電体層を形成するための誘電体前駆体層を支持フイルム上に形成する転写フィルム作成装置において、膜形成材料層の表面に凹部を形成するための突起を有するローラーが備え付けられているものを用いることによっても、誘電体前駆体層に容易に凹部を形成できる。
また、本発明では、前面基板及び背面基板が間隔をおいて並設され、前面基板の対向面上に、表示電極対と、当該表示電極対を覆う誘電体層とが形成され、示電極対に沿って複数の放電セルが形成され、各放電セルの前面基板側に、当該放電セルで発する可視光を透過しやすい透過領域と当該可視光を透過しにくい遮蔽領域とを有するPDPにおいて、誘電体層の厚みを、放電セルにおいて発生し遮蔽領域に向かう光束を透過領域に屈折させるように、領域ごとに異ならせることによっても、発光輝度と発光効率を向上させることを可能とする。
図1は、実施の形態に係るAC面放電型PDPを示す要部斜視図である。
このPDPは、前面パネル101と背面パネル111とが、互いに平行に間隔をおいて配されて構成されている。
図2は、表示電極対103a,103bと、アドレス電極113及び隔壁115が配置されている状態を示している。
隔壁115とアドレス電極113は、列方向に沿って、ストライプ状に配されている。
そして、表示電極対103a,103bとアドレス電極113とが交差するところに、赤,緑,青の各色を発光する放電セル(単位発光領域)202が形成されたパネル構成となっている。
保護層107は、酸化マグネシウム(MgO)からなる薄層であって、誘電体層106の放電空間に臨む表面全体を覆っている。
誘電体層114は、誘電体層106と同様のものであるが、可視光を反射する反射層としての働きも兼ねるようにTiO2粒子が混合されている。
隔壁115は、ガラス材料からなり、背面パネル111の誘電体層114の表面上に突設されている。
青色蛍光体:BaMgAl10O17:Eu
緑色蛍光体:Zn2SiO4:Mn
赤色蛍光体:(Y、Gd)BO3:Eu
を用いることとする。
以下、実施の形態1〜3で詳しく説明する。
〔実施の形態1〕
本実施形態では、誘電体層106において、各放電セル202内に、凹部108が複数形成されている。そして、保護層107は、誘電体層106の表面に沿ってこれを被覆しており、凹部108の内面も覆っている。
このように局所的に大きな電荷が形成されると、表示電極に印加される電圧は比較的低くても、凹部に形成された電荷が大きいので放電が開始される。
すなわち、従来のPDPにおいて、一般的に、放電ギャップの近傍で放電が開始されるので、放電ギャップ近傍に強い放電が集中しやすい。そのため、この放電ギャップ近傍において蛍光体の輝度飽和(励起された蛍光体層が発光し切らないうちに次の放電による紫外線が蛍光体層にあたり、紫外線が有効に利用されていない。)が生じやすく、それが発光効率を低下させる原因となる。
これに対して、上記誘電体層106のように、各放電セルの放電領域内に形成された複数の凹部108の各々に、局所的に電荷量が多く形成され、各凹部108を起点として放電が発生する。
このように、上記誘電体層106によれば、放電開始電圧が低下するだけでなく、放電領域内における放電の起点が分散するので、発光輝度及び発光効率を大きく向上させることが可能となる。
従って、放電セル202内において、複数の凹部(第1凹部108a,第2凹部108b)を、中央ラインAを挟んで、表示電極103a側と表示電極103b側とに分散して配置すれば、放電セル202の長手方向に放電の起点が分散される点で好ましい。
以下、誘電体層106の各放電セル202内に、複数の凹部を形成する様々な形態について説明する。
まず、図3に示すように誘電体層106の表面をテクスチャー構造(Texturized surface)とする形態がある。
また、凸部・凹部の大きさは必ずしも均一でなくてもよく、大きさがばらついていてもよい。
凸部の高さ、あるいは凹部の深さとしては、1μm〜30μmが望ましく、中で5μm〜20μm、更に5μm〜10μmが望ましい。
上記のように誘電体層106の表面にテキスチャ構造を形成すると、放電セル202内に放電開始点が多数分散して形成されることになる。
またこれらの効果は、表示電極103a,103bと凹部301との位置関係が多少ずれたとしても大きく損なわれることはないので、両者の位置合わせを厳密に行わなくてもよく、この点で製造が容易である。
図5(a)〜(e)に、誘電体層106に、複数の放電セルにまたがる溝401a,401b〜405a,405bが形成されている例を示す。
図5に示す(a)〜(e)に示す溝401a,401b〜405a,405bは、いずれも表示電極103a,103b(行電極)に沿って伸長している。
ただし、図5(a)に示す溝401a,401bは、表示電極103a,103bに平行な直線状である。従って、放電セル202における行方向中央部202aでも行方向周辺部202bでも、溝401aと溝401b間の距離は同じである。
この中、(b)に示す溝402a,402b及び(d)に示す溝404a,404bは、放電セルの行方向中央部202aでは互いに接近し、行方向周辺部202bでは互いに離れている。
一方、(c)に示す溝403a,403b及び(e)に示す溝405a,405bは、放電セルの行方向中央部202aでは溝どうしが互いに離れ、行方向周辺部202bでは溝どうしが互いに接近している。
また、上記の中、(b)に示す溝402a,402b及び(c)に示す溝403a,403bは曲線的に変化する波状に形成されているが、(d)に示す溝404a,404b及び(e)に示す溝405a,405bはギザ状に形成されている。
次に、図6(a)〜(e)を参照しながら、第1凹部501a,第2凹部501b〜第1凹部505a,第2凹部505bが、放電セル202ごとに独立して島状に形成されている形態について説明する。この(a)〜(e)では、各々1つの放電セル202に相当する部分だけを示している。
これに対して、図6(b)〜(d)に示す凹部502a,502b〜505a,505bは、U字形またはV字形であって、凹部間の距離が場所によって異なっている。
この場合、上記溝403a,403b及び溝405a,405bと同様に、放電セルの行方向中央部202aでは互いに離れ、行方向周辺部202bでは互いに接近しているので、放電が、中央部だけでなく周辺部でも分散して開始される。従って、放電セル内の広い範囲にわたって強い放電が分布することになる。
この場合、上記溝402a,402b及び溝404a,404bと同様に、放電セルの行方向中央部202aでは互いに接近し、行方向周辺部202bでは互いに離れているので、放電の開始は中央部でなされるが、その後、溝に沿って周辺部に強い放電が広がっていく。
また、以上の説明では、図2の第1凹部108a,第2凹部108bに示されるように、第1表示電極103a側と第2表示電極103b側とに凹部を分散させて配置したが、表示電極103a,103bが伸長する方向に分散させて配置してもよい。この場合、放電セル内で放電の起点が放電セル202の長手方向と直交する方向に分散されるので、発光輝度及び発光効率の向上効果をある程度奏する。
(凹部の深さについての考察)
上記図5,6に示す形態の凹部の深さに関しては、浅すぎると凹部に局所的に電荷を形成する作用が得られず、一方深すぎるとアドレスが難しくなる。その点を考慮して、適当な深さは5μ〜50μmであり、中でも10μm〜40μmの範囲が好ましく、更に20μm〜30μmの範囲が好ましい。
例えば、凹部の中の一部分を局所的に深くすることによって、その部分で放電開始の種火を容易に形成することもできる。
〔実施の形態2〕
本実施の形態では、誘電体層106の表面に、RGB各色セルごとに異なる形態で凹部を形成している。
表示電極103a,103b間に電圧印加したときに各色放電セルで発生する放電の広がりは、凹部の面積(体積)が大きいほど大きくなるので、上記のように凹部の面積(体積)を調整することによって、放電の広がりを赤色の放電セル202R、緑色の放電セル202G、青色の放電セル202Bの順に大きくすることができる。
これに対して、上記図7(a),(b)に示すように、凹部の面積または体積を変化させることによって、各色発光量のバランスを調整することができる。
なお、RGB各色の発光量バランスをとるために、従来技術として、RGBのそれぞれの隔壁の間隔(セルピッチ)を変更して色温度を高める方法などが知られているが、上記のように凹部の面積(体積)を調整すれば、各色セル幅(セルピッチ)を同等に設定しても、RGB各色の発光量バランスをとることができる。
この場合、放電セル202Rにおいては、溝603a,603bによって形成される凹部が放電ギャップ201から近い位置にあるが、放電セル202G、放電セル202Bでは、溝603a,603bによって形成される凹部が放電ギャップ201から順次遠く離れている。
従って、図7と同様に、各色発光量のバランスを調整することができる。
なお、上記説明では、放電の広がりがRGBの順に大きくなるように凹部の形状を調整することとしたが、放電の広がりは、必ずしもRGBの順ということではなく、蛍光体層における可視光変換効率の大小に応じて調整すればよい。すなわち、蛍光体層の可視光変換効率が小さい色の放電セルについて、放電の広がりが大きくなるように凹部の形状を調整すればよい。
本実施の形態では、光遮蔽領域から光透過領域に集光させるように誘電体層の厚みを変化させることによって、発光効率を向上させている。
一般的にPDPにおいて、セル内で発生した可視光が前面基板をとおって外部に放出されるが、前面基板においては、この可視光が透過しやすい透過領域と、透過しにくい遮蔽領域が存在する。
図9において、白抜矢印は、放電セル内で発生して前面ガラス基板102を通過して外部に向かう可視光の光束を示している。
すなわち、誘電体層106は、セル内で発生する可視光を、遮蔽領域から透過領域に集光させるレンズ形状を有している。
誘電体層106の表面が前面ガラス基板102と平行であるとすれば、光束702aは、バス電極105やブラックストライプ701で遮蔽されてしまうが、上記のように光束702aが透過領域に屈折することによって、遮られる光量が抑えられるので、発光効率を向上させることができる。
以下、上記PDPの製造方法について説明する。
まず、前面パネル101を製造する方法について、特に誘電体層106を形成する工程(転写フィルム作製工程、転写工程、焼成工程)について説明する。
電極形成工程:
前面ガラス基板102として、フロート法により製造されたガラス板を用いる。この前面ガラス基板102上に、通常の薄膜形成法で透明電極104を形成する。
この銀ペーストを、スクリーン印刷法を用いて、バス電極105のパターン形状に塗布し乾燥してもよいし、スクリーン印刷法やダイコート法などを用いてベタで塗布し乾燥した後、フォトリソグラフィー法(或はリフトオフ法)でパターニングを行っても良い。
銀電極前駆体層は、焼成せずに、次の誘電体層を形成する工程で、誘電体前駆体層と同時に焼成する。ただし、電極前駆体を焼成し、次の誘電体層を形成する工程に移ってもよい。
転写フィルム作製工程:
まず、誘電体前駆体層を有する転写フィルムを以下のようにして作製する。
ガラス粉末、樹脂および溶剤を含有するペースト状のガラス粉末含有組成物(ガラスペースト組成物)を調製する。
支持フィルムの材料となる材質としては、可撓性を有する樹脂が好ましく、例えばポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリイミド,ポリビニルアルコール,ポリ塩化ビニルなどが挙げられ、支持フィルムの厚さは例えば20〜100μmである。
誘電体前駆体層の表面上に、可撓性を有する樹脂からなるカバーフィルムを圧着して積層しておくことによって、転写フィルムの取り扱いがしやすくなる。
転写工程:
このように作製した転写フィルムを用い、上記工程で電極前駆体が形成された前面ガラス基板102上に、誘電体前駆体層を熱転写するが、この転写の前または後で、誘電体前駆体層に型押しすることによって凹部を形成する。
上記のように作製した転写フィルムの誘電体前駆体層は、やわらかい粘土のような粘着性および適度な形状保持性を有する。
この型押しに際して、誘電体前駆体層に形成しようとする凹部の形状と同形状の凸部を有する型を用いる。
また、支持フィルムの上から誘電体前駆体層を型押しをすることによって、凹部形成時に誘電体前駆体層にダストが混入するのを防ぐことができる。
ここで、支持フィルムも可撓性を有するので、支持フィルムの上から誘電体前駆体層を型押ししても、誘電体前駆体層に凹部を形成することができる。
図10(a),(b)は、型押しと転写とを合わせて行うラミネート装置の概略構成図である。
これらのラミネート装置には、加熱ローラ810の他に型押しローラ820が備えられており、転写フィルム800と、電極前駆体が形成された前面ガラス基板102が送り込まれるようになっている。
そして、前面ガラス基板102の電極前駆体が形成された表面に、誘電体前駆体層802の表面が接するように転写フィルム800を重ね合わせながら、支持フィルム801の上から加熱ローラ810により熱圧着することによって、誘電体前駆体層802を基板102上に転写する。
図10(a)のラミネート装置では、加熱ローラ810で誘電体前駆体層802を転写した後、続いて、前面ガラス基板102上に転写された誘電体前駆体層802に、型押しローラ820を圧着することにより、誘電体前駆体層802の表面に凹部を形成する。なお、この型押しローラ820は加熱しなくても良い。
図11に示すものでは、円筒ローラ821の外周面上に、回転方向に沿って環状の凸部822が形成されている。この型押しローラ820を用いると、図5(a)に示すような平行な溝を形成することができるが、凸部822を波状あるいはギザ状に蛇行されることによって図5(b)、(c)あるいは(d)、(e)に示すような形状の溝も形成できる。また、凸部822を島状に形成することによって、図6に示すような島状の凹部を形成することができる。
なお、この方法で凹部を形成する場合、図6のように島状の凹部を形成するよりも、図5のように溝を形成する方が、型押しで凹部を形成した後に型を抜くのが容易であるし、位置合わせもしやすいので、製造上有利である。
例えば、図10(a)に示すように、型押しローラ820による型押しを支持フィルム801の上から行って、次の焼成工程の直前に支持フィルム801の剥離を行ってもよく、この場合、支持フィルム801によって誘電体前駆体層802の表面が保護されるので、異物の影響を受けにくいという利点がある。
一方、図10(b)に示すラミネート装置では、型押しローラ820を加熱ローラ810の前に配置して、転写フィルムの誘電体前駆体層に対して、型押しローラ820で凹部を形成した後、前面ガラス基板102に熱転写するようになっている。
その他、転写工程において、誘電体前駆体層に凹部を形成する方法として、以下のような方法も可能である。
また、誘電体前駆体層を前面ガラス基板102に熱転写する工程では、誘電体前駆体層に凹部を形成することなく、後述するように、誘電体前駆体層を焼成する直前に、支持フィルムを除去する際に凹部を形成することもできる。
型押しされた誘電体前駆体層802を有する前面ガラス基板102を、焼成炉に入れて焼成する。
ただし、誘電体前駆体層802を支持フィルム801が覆っている場合、支持フィルム801を剥離する装置(支持フィルムピーラー)を焼成炉の入口に設け、支持フィルムを剥離除去してから基板を焼成炉に入れて焼成する。
それによって、凹部を有する誘電体層106が、前面ガラス基板102上に形成される。
誘電体層106の上に、電子ビーム蒸着などによりMgOからなる保護層107を形成する。保護層は、誘電体層106の凹部内面にも形成する。
以上で前面パネルができあがる。
背面パネルの製造方法:
背面ガラス基板112上に、銀電極用のペーストをスクリーン印刷しその後焼成することによってアドレス電極113を形成し、その上に、誘電体ペーストをスクリーン印刷法で塗布して焼成することによって誘電体層114を形成する。
そして、赤色,緑色,青色の各色蛍光体ペースト(または蛍光体インキ)を作製し、これを隔壁115どうしの間隙に塗布し、空気中で焼成することによって各色蛍光体層116を形成する。以上で、背面パネル111ができあがる。
上記製造方法において、使用する型押しローラ820の凸部形状を調整することによって、誘電体層に、上記図5〜8に示す形状の凹部や、図3,4に示すようなテクスチャ構造を形成することができる。また、図9に示すように誘電体層の厚みを変化させることもできる。
また、上記型押し方法を用いれば、誘電体層の表面に形成する凹部の形状については、上記図3〜8に示したものに限らず、任意の形状で形成することができる。また、セル内における凹部の数についても、2個に限らず、1以上の任意の数で形成できる。
つまり、誘電体層の膜厚を領域ごとに変える方法として、まず誘電体ガラスペーストを全体領域に一様に塗布し、その上に、スクリーン印刷法などによって、凹部形成予定領域を除く領域に、誘電体ガラスペーストをパターン塗布するという方法もある。
更に、スクリーン印刷法を用いてパターン塗布する場合、スクリーン版の伸びや劣化によって形成される凹部の形状が変わったり、ガラスペーストの特性変化によってペーストの塗布状態にばらつき生じるので、歩留まりが悪くなる。
よって、誘電体層の表面に凹部が形成されたPDPを、比較的低コストで製造できる。
上記説明では、転写フィルムを基板上に転写する転写装置に型押しローラを設け、その型押しローラで誘電体前駆体層に凹部を形成したが、誘電体前駆体層に凹部を形成する方法として、以下のような方法をとることもできる。
転写装置とは別の装置において、型押しローラを用いて、転写フィルムに凹部を形成してもよい。
102 前面ガラス基板
103a,103b 表示電極
106 誘電体層
107 保護層
108 凹部
108a 第1凹部
108b 第2凹部
111 背面パネル
112 背面ガラス基板
113 アドレス電極
114 誘電体層
115 隔壁
116 蛍光体層
201 放電ギャップ
202 放電セル
301 凹部
302 凸部
401〜405 溝
501a,501b〜505a,505b 凹部
602 誘電体前駆体層
800 転写フィルム
801 支持フィルム
802 誘電体前駆体層
810 加熱ローラ
820 型押しローラ
822 凸部
Claims (3)
- 第1基板及び第2基板が間隔をおいて並設され、前記第1基板の対向面上に、対を成す第1表示電極及び第2表示電極と、当該第1表示電極及び第2表示電極を覆う誘電体層とが形成され、前記第2基板の対向面上に蛍光体層が形成され、対を成す第1表示電極及び第2表示電極に沿って、複数の放電セルが形成されたプラズマディスプレイパネルであって、
前記誘電体層の表面には、前記各放電セル内に、第1凹部と第2凹部を含む2個以上の凹部が形成され、
前記放電セルには、複数色から選択された色の蛍光体層が形成されており、
前記第1凹部及び第2凹部は、対応する放電セル内の蛍光体層の色ごとに形状が異なっていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。 - 前記放電セルには、RGBから選択された色の蛍光体層が形成されており、
放電セル内に形成されている第1凹部及び第2凹部の面積は、当該放電セル内に形成されている蛍光体層の色がRGBの順に大きくなっていることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。 - 前記放電セルには、RGBから選択された色の蛍光体層が形成されており、各放電セル内における第1凹部と第2凹部との間隔は、当該放電セルに形成されている蛍光体層の色がRGBの順に大きくなっていることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007031865A JP3957739B2 (ja) | 2001-05-28 | 2007-02-13 | プラズマディスプレイパネル |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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