JP2003272534A - プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents
プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法Info
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Abstract
の提供を目的とする。 【解決手段】基板対の第1の基板上に配列する表示電極
のそれぞれを、一方向に並ぶ複数のセルに跨る細長い給
電部と、セルごとに給電部から電極配列方向に張り出し
て第2の基板に近づく放電部とを有した立体形状をもつ
ように形成する。
Description
レイパネル(Plasma Display Panel:PDP)およびそ
の製造方法に関する。
て注目されている。ハイビジョン分野へ用途が拡がる
中、より明るい高性能のPDPが望まれている。
て面放電タイプのAC型PDPが使用されている。ここ
でいう面放電タイプは、セルの発光量を決める表示放電
において陽極および陰極となる第1および第2の表示電
極を、前面側または背面側の基板の上に平行に配列し、
表示電極対と交差するようにアドレス電極を配列した3
電極構造をもつ。表示電極の配列には、マトリクス表示
の行ごとに1対ずつ配列する形態と、第1および第2の
表示電極を1本ずつ交互に等間隔に配列する形態とがあ
る。後者の場合、2行に対して3本の割合で表示電極が
対応し、配列の両端を除く表示電極は隣リ合う2行の表
示に係わる。面放電タイプでは、カラー表示のための蛍
光体層を表示電極対からパネル厚さ方向に遠ざけて配置
することができ、それによって放電時のイオン衝撃によ
る蛍光体層の劣化を低減することができる。面放電タイ
プは、第1および第2の表示電極を前面基板と背面基板
とに振り分けて配置する対向放電タイプと比べて、長寿
命化に適している。
に成膜した導電性薄膜のパターニングによって形成され
ていた。つまり、表示電極は細長い膜状導体であり、そ
の表面(放電面)が基板面と実質的に平行であった。
電の放電開始電圧が同程度のギャップ長をもつ対向放電
タイプよりも高いことから、発光効率が低いという問題
があった。
造をもつPDPの提供を目的としている。他の目的は、
新規なセル構造をもつPDPを作製可能な生産性の高い
製造方法を提供することである。
対の第1の基板上に配列する表示電極のそれぞれを、一
方向に並ぶ複数のセルに跨る細長い給電部と、セルごと
に給電部から電極配列方向に張り出して第2の基板に近
づく放電部とを有した立体形状をもつように形成する。
これによって、表示電極における放電に寄与する主面
を、基板面に対してほぼ直交しかつ隣り合う表示電極の
主面と放電ガス空間を挟んで対向するように配置する。
隣り合う表示電極の放電部どうしの距離が給電部どうし
の距離よりも短い構造では、放電部どうしの間で最も放
電が生じ易い。表示電極の立体形状は、基板上に溝を形
成し、溝の底面および側面を覆うように導電膜を設け、
導電膜をパターニングする方法によって得られる。
電(ただし、電荷移動方向はパネル厚さ方向ではなく、
基板面に沿った方向である)となる。この放電形態を
“面方向対向放電”と呼称する。面方向対向放電では主
面が対向するので、従来の面放電と比べて放電開始電圧
が低い。また、放電部の面積の選定により、放電電流を
最適化して発光効率を高めることができる。
構造の模式図、図2は表示電極の要部の構造を示す図で
ある。なお、図1では誘電体の保護膜が描かれていな
い。
(row)および列(colomn)を構成するように
多数のセルが配置されたカラー表示デバイスであり、一
対の基板構体10,20からなる。基板構体10,20
は、いわゆる外囲器を構成する基板11,21とその内
面側に形成されたセル構成要素とからなる構造体であ
る。図1は、表示面における1行内の2列、すなわち2
個のセルについて、その近傍を含む構造を示している。
的な面放電型PDPと同様である。背面側のガラス基板
21の内面に1列に1本ずつアドレス電極Aが配列さ
れ、アドレス電極Aを覆う絶縁体層の上に列の境界位置
ごとに平面視直線帯状の隔壁29が形成されている。そ
して、隔壁間の領域および隔壁29の側面を被覆するよ
うに、カラー表示のための蛍光体層28R,28G,2
8Bが設けられている。色配列は列ごとに色分けした
R,G,Bの繰り返しパターンである。表示画像の1画
素には1行内の3列 (3個のセル)が対応する。なお、
隔壁パターンは図示のストライプパターンに限らず、セ
ルごとに基板間隙を区画するメッシュパターンであって
もよい。
造をもつ。前面側のガラス基板11の内面には、基板対
の対向間隙をセルごとに区画する平面視格子状の隔壁を
設けるように、各セルに1つずつ平面視四角形の窪みが
形成されている。格子状の隔壁のうち、行方向に沿った
部分(これを水平壁という)119の上部に、表示電極
Xおよび表示電極Yが配置されている。隣り合う水平壁
119の一方に表示電極Xが配置され、他方に表示電極
Yが配置されている。表示面の全体における表示電極
X,Yの配列形態は、2行に3本の割合で表示電極Xと
表示電極Yとを1本ずつ交互に等間隔に並べ、隣り合う
電極どうしを電極対とする形態である。表示電極総数は
行数に1を加えた数となる。表示電極Xおよび表示電極
Yは、隔壁と重なる平面視格子状の絶縁体17によって
被覆されている。なお、隔壁のうち、列方向に沿った部
分(これを垂直壁という)は、行方向の放電のクロスト
ークを防止する。ただし、クロストークが起こりにくい
場合や駆動制御でクロストークを防止できる場合には、
垂直壁を省略することができる。
行方向の全長にわたって連続する細長い給電部42と、
セルごとに給電部42から電極配列方向に張り出す複数
の放電部43とを有した導電膜である。図2のとおり、
放電部43はその先端が給電部42よにも背面側へ突出
するように湾曲しており、基板面に対してほぼ直交する
面を有する。この直交する面が放電に係る主面となる。
表示電極Xの主面は、隣り合う表示電極Yの主面と放電
ガス空間を挟んで対向する。表示電極Xおよび表示電極
Yを構成する導電膜の厚さが2μm程度であるのに対し
て、放電部43の高さ(主面の長さ)hは50μm程度
である。主面どうしが対向し、かつ主面どうしの距離が
給電部42どうしの距離より短いので、隣り合う表示電
極間に駆動電圧を印加すると、互いに対向する放電部ど
うしの間で面方向対向放電82が生じる。
図であり、図4は図1の4−4矢視断面の構造を示す図
である。これらの図のとおり、実際には表示電極X,Y
は絶縁体17および耐スパッタ保護膜18によって被覆
されている。保護膜18の材質はマグネシアである。絶
縁体17を設けることによって、隣り合う表示電極X,
Yにおける給電部42どうしの間や給電部42と放電部
43との間での放電が確実に抑制される。
電部43は水平壁119で区画された放電ガス空間31
の両端に配置される。面方向対向放電82が生じる放電
部43どうしの間の距離は列方向のセル寸法に近い十分
に大きな値であるので、放電82は陽光柱が延びた高輝
度の放電となる。また、表示電極間の静電容量が小さい
ので、容量の充電に費やす無駄な電力が少ないことも、
発光効率の向上に寄与する。放電82は蛍光体層(図示
は蛍光体層28G)から離れた位置で起こるので、PD
P1では、従来の面放電タイプPDPと同様に蛍光体が
劣化しにくい。
ーケンスの概略は、次のとおりである。PDP1の電極
構成では配列の両端を除く表示電極X,Yが隣り合う2
行に共通であるので、1フレームを奇数行のデータを表
示するフィールドと偶数行のデータを表示するフィール
ドとに分けるインタレース駆動を行う。各フィールドの
アドレス期間において、表示電極Yをスキャン電極とし
て用いて行選択を行い、それと同時に、選択行のうちの
点灯すべきセルに対応したアドレス電極Aを選択電位に
バイアスする。これによって点灯すべきセルの表示電極
Yとアドレス電極Aとの間でアドレス放電を生じさせ
る。全ての行について順に同様の処理を行い、点灯すべ
きセルに所定量の壁電荷を形成する。アドレス期間に続
く表示期間において、表示対象の全行の表示電極Xと表
示電極Yとの間に維持電圧を印加し、それによって壁電
荷の存在する点灯すべきセルのみで面方向対向放電82
を生じさせる。面方向対向放電のエネルギーを受けて放
電ガスが紫外線を放射する。この紫外線が蛍光体層28
Gを励起し、蛍光体層28Gが表示光85を発する。
21について別個に上述の構成要素を設けて基板構体1
0,20を得る工程、基板構体10,20を対向配置し
て周囲を封止する工程、および内部を清浄して放電ガス
を封入する工程がある。以下、基板構体10の製造工程
を説明する。
5(A)のように、平板状のガラス基板11aの表面
に、立体構造の表示電極を形成するのに必要な深さ50
μmの複数の溝111を等間隔に形成する。形成にはサ
ンドブラスト法を用いる。切削は、溝に対応したネガパ
ターンのマスクをドライフィルムを用いて形成した後に
行う。切削材としてはアルミナが好適である。
の表面における表示面領域全体を一様に覆う導電材料膜
を形成する。手法としては、銀(Ag)を主成分とする
感光性厚膜材料を印刷する方法、および真空蒸着に代表
される薄膜法がある。クロム(Cr)/銅(Cu)/ク
ロムの積層が薄膜の好適例である。導電材料膜をフォト
リソグラフィによってパターニングし、表示電極X,Y
を形成する。電極形成後、表示電極X,Yを含めてガラ
ス基板11aの表示面領域全体に低融点ガラスペースト
を塗布し、塗布層を焼成して絶縁体層17aを形成する
(図5(B)参照)。図示では溝111が完全に埋まっ
て絶縁体層17aの表面が平坦であるが、必ずしも溝1
11が完全に埋まる必要はなく、表示電極X,Yの絶縁
が十分であれば、絶縁体層17aの表面が溝111の位
置で窪んでいてもよい。絶縁体層17aの形成手法は厚
膜法に限らず、気相成長法(CVD)やゾル−ゲル法と
いった他の方法を用いてもよい。
aおよびガラス基板11aにおける表示電極X,Yの配
列間隙の部分を、サンドブラスト法によって溝111よ
りも深く削る。例えば、水平壁119の高さを100μ
mから150μmの範囲内の値となるようにガラス基板
11aを削る。この切削に好適な切削材はアルミナであ
る。深く削ることによって放電ガス空間が広がり、面方
向対向放電が起こり易くなって発光効率が高まる。ただ
し、表示電極X,Yを露出させないことが必須である。
放電部43と放電ガス空間との間に厚さ30μm程度の
ガラスが誘電体として残るようにする。以後において、
保護膜を形成すれば、前面側の製造が終わる。なお、焼
成によって絶縁体層17aを形成せずに、低融点ペース
トを乾燥させた段階で切削を行い、切削終了後にペース
トを焼成して絶縁体17を形成してもよい。
す図、図7は表示電極を配置する溝の第2例を示す図で
ある。図6において表示電極X,Yが形成される溝11
1の平面視形状は、一定幅の帯状である。この例の長所
としては、溝111の形成が容易であること、および電
極のパターニングの信頼性の高いことが挙げられる。図
7において表示電極X,Yは溝111に代わる溝112
の内壁に形成されている。溝111の平面視形状は、行
の全長にわたる帯部とセルごとに帯部から張り出した短
冊部とを有する表示電極X,Yの形状とほぼ一致する。
この例の長所としては次の2点が挙げられる。第1は、
導電材料層の形成に、比較的に粘度の小さいペーストを
溝112に充填する手法が使えることである。充填後に
ペーストを乾燥させると、溝112の壁面に沿った薄い
層となる。第2は、給電部42と放電ガス空間との間に
介在するガラスの厚さd1が放電部42との間に介在す
るガラスの厚さd1より大きくなり、絶縁および静電容
量の低減の観点で有利になることである。図7(B)の
ように、溝112における給電部42に対応した部分の
幅は小さいので、電極形成のための導電膜のパターニン
グに際しては、溝112の底まで確実に露光するため
に、斜め露光や散乱光による露光を行うのが好ましい。
ある。図8(A)のように、平板状のガラス基板12a
の表面における表示面領域全体に低融点ガラスペースト
を塗布し、ペーストを乾燥させる。乾燥したペースト層
の上にドライフィルムを用いて溝形成用の切削マスクを
設け、サンドブラストによってペースト層の露出部分を
削る。切削材の好適例は炭酸カルシウムである。切削後
のペースト層を焼成し、溝112を有した低融点ガラス
層13aを形成する。
よび絶縁体層17aを形成する(図8(B))。そし
て、絶縁体層17a、低融点ガラス層13a、およびガ
ラス基板12aにおける表示電極X,Yの配列間隙の部
分を、サンドブラスト法によって溝111よりも深く削
る。
3aの形成には、公知の隔壁形成技術である積層印刷
法、アディティブ法、感光性隔壁形成法、および転写隔
壁形成法のいずれかを用いることも可能である。特に転
写隔壁形成法を用いると、放電ガス空間を区画する隔壁
とその頂上部に配置されるべき溝とを同時に形成するこ
とができるので、電極形成後に基板を削る必要がなくな
って製造工程数が大幅に減少する。
る。PDP2では、背面側の基板21bに図2と同様の
立体構造をもつ表示電極X,Yが配列されている。表示
電極X,Yは、隔壁29bの上部の溝211の中に形成
され、絶縁体27によって覆われている。基板21bに
おける電極間隙の部分には蛍光体層28R,28G,2
8Bが設けられている。蛍光体層28R,28G,28
Bの配置に関しては、上端が表示電極X,Yに近づき過
ぎないことが重要である。スクリーン印刷で蛍光体層を
形成する場合であっても、ペーストの調整によって適正
に蛍光体を配置することができる。フォトリソグラフィ
を用いる場合には形状を精密に制御することができる。
アドレス電極Aについては、蛍光体層の背面側に配置す
る図示の形態および前面側の基板11bに配置する形態
がある。また、基板11bに放電ガス空間を区画する隔
壁を設けてもよい。
によって底面と側面とが滑らかにつながった溝111,
112が得られるので、表示電極X,Yの形成における
導電材料膜のステップカバレッジが良好となり、給電部
42と放電部43との間の断線が起こりにくい。
うちの給電部42のみについて、めっきにより導体を積
層し、表示電極X,Yの導電性を高めることができる。
ば、面放電タイプと比べて表示放電が起こり易くなって
発光効率が高まるとともに、表示電極における放電に直
接に関与する主面の面積を選定することによって放電電
流を最適化することができる。また、表示電極間隙を面
放電タイプよりも拡げることができるので、十分に長い
陽光柱を生じさせて輝度を高め、かつ静電容量による無
駄な電力消費を低減することが可能となる。
新規な構造をもつプラズマディスプレイパネルを製造す
ることができる。
る。
る。
る。
Claims (8)
- 【請求項1】対向配置された第1および第2の基板によ
って外囲器が構成され、 前記第1の基板の内面上に表示電極が配列され、 前記表示電極のそれぞれが、一方向に並ぶ複数のセルに
跨る細長い給電部と、セルごとに前記給電部から電極配
列方向に張り出した複数の放電部とを有するパターニン
グされた導電膜であり、かつ前記放電部の先端が前記給
電部よりも前記第2の基板に近い立体構造をもち、 隣り合う表示電極の前記放電部どうしの間に放電ガス空
間が存在し、 前記表示電極は絶縁体で被覆されており、 隣り合う表示電極間に駆動電圧を印加したときに、互い
に対向する前記放電部どうしの間で最も放電が生じ易い
ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。 - 【請求項2】各表示電極において、前記放電部と前記放
電ガス空間との距離が前記給電部と前記放電ガス空間と
の距離よりも短い請求項1記載のプラズマディスプレイ
パネル。 - 【請求項3】対向配置された一対の基板によって外囲器
が構成され、 マトリクス表示の行の境界位置に行の全長にわたって基
板対の対向間隙を局部的に狭める隔壁が設けられ、 前記隔壁の上部に行の全長にわたる細長い溝が設けら
れ、 前記溝の底面をその全長にわたって覆いかつセルごとに
側面の一部を覆う導電膜が表示電極として設けられ、 隣り合う表示電極の前記放電部どうしの間に放電ガス空
間が存在し、 隣り合う表示電極間に駆動電圧を印加したときに、互い
に対向する前記溝の側面どうしの間で最も放電が生じ易
いことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。 - 【請求項4】前記表示電極を被覆しかつ前記溝を埋める
絶縁体を有する請求項3記載のプラズマディスプレイパ
ネル。 - 【請求項5】前記表示電極は、平面視において、行の全
長にわたる帯部とセルごとに前記帯部から張り出した短
冊部とを有する形状にパターニングされている請求項3
記載のプラズマディスプレイパネル。 - 【請求項6】前記溝の平面視形状は前記表示電極に一致
する形状である請求項5記載のプラズマディスプレイパ
ネル。 - 【請求項7】基板に細長い溝の配列を形成する工程と、 前記溝の底面および側面を覆う導電膜を形成する工程
と、 前記導電膜をパターニングして表示電極の配列を形成す
る工程と、 前記表示電極を絶縁体で被覆する工程と、 前記基板における表示電極の配列間隙の部分を、前記表
示電極が露出しないように前記溝よりも深く削る工程と
を有することを特徴とする請求項1記載のプラズマディ
スプレイパネルの製造方法。 - 【請求項8】基板上に配置された誘電体層に細長い溝の
配列を形成する工程と、 前記溝の底面および側面を覆う導電膜を形成する工程
と、 前記導電膜をパターニングして表示電極の配列を形成す
る工程と、 前記表示電極を絶縁体で被覆する工程と、 前記誘電体層における表示電極の配列間隙の部分を、前
記表示電極が露出しないように前記溝よりも深く削る工
程とを有することを特徴とする請求項1記載のプラズマ
ディスプレイパネルの製造方法。
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