JPH09102273A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法

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JPH09102273A
JPH09102273A JP19630496A JP19630496A JPH09102273A JP H09102273 A JPH09102273 A JP H09102273A JP 19630496 A JP19630496 A JP 19630496A JP 19630496 A JP19630496 A JP 19630496A JP H09102273 A JPH09102273 A JP H09102273A
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film
forming material
material layer
dielectric layer
glass substrate
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Tadahiko Udagawa
忠彦 宇田川
Hideaki Masuko
英明 増子
Yoshio Tanzawa
嘉夫 丹沢
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Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
    • C03C8/14Glass frit mixtures having non-frit additions, e.g. opacifiers, colorants, mill-additions
    • C03C8/16Glass frit mixtures having non-frit additions, e.g. opacifiers, colorants, mill-additions with vehicle or suspending agents, e.g. slip

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜厚の大きい誘電体層を効率的に形成するこ
とができる新規な形成工程を含むプラズマディスプレイ
パネルの製造方法を提供すること。 【解決手段】 支持フィルム上に形成された膜形成材料
層を、電極が固定されたガラス基板の表面に転写し、転
写された膜形成材料層を焼成することにより、前記ガラ
ス基板の表面に誘電体層を形成する工程を含むことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネルの製造方法に関し、更に詳しくは、ガラス基
板上に誘電体層を形成するための新規な工程を含むプラ
ズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近において、平板状の蛍光表示体とし
てプラズマディスプレイが注目されている。図1は交流
型のプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と
もいう。)の断面形状を示す模式図である。同図におい
て、1及び2は、対向配置されたガラス基板、3は隔壁
であり、ガラス基板1、ガラス基板2及び隔壁3により
セルが区画形成されている。4はガラス基板1に固定さ
れたバス電極、5はガラス基板2に固定されたアドレス
電極、6はセル内に保持された蛍光物質、7は、バス電
極4を被覆するようガラス基板1の表面に形成された誘
電体層、8は例えば酸化マグネシウムよりなる保護層で
ある。誘電体層7はガラス焼結体より形成され、その膜
厚は例えば20〜50μmとされる。
【0003】誘電体層7の形成方法としては、ガラス粉
末を含有するペースト状組成物を調製し、このペースト
状組成物をスクリーン印刷法によりガラス基板1の表面
に塗布して乾燥することにより膜形成材料層を形成し、
次いでこの膜形成材料層を焼成することにより有機物質
を除去してガラス粉末を焼結させる方法が知られてい
る。
【0004】ここで、ガラス基板1上に形成する膜形成
材料層の厚さは、焼成工程における有機物質の除去に伴
う膜厚の目減量を考慮して、形成すべき誘電体層7の膜
厚の1.3〜1.5倍程度とすることが必要であり、例
えば、誘電体層7の膜厚を20〜50μmとするために
は、30〜70μm程度の厚さの膜形成材料層を形成す
る必要がある。
【0005】一方、上記ガラス粉末を含有するペースト
状組成物をスクリーン印刷法により塗布する場合に、1
回の塗布処理によって形成される塗膜の厚さは15〜2
5μm程度である。このため、膜形成材料層を所定の厚
さとするためには、ガラス基板の表面に対して該ペース
ト状組成物を複数回(例えば2〜5回)にわたり繰り返
して塗布する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
(1)スクリーン印刷法により複数回にわたり繰り返し
ペースト状組成物を塗布する操作(多重印刷)は、煩雑
であって作業性に劣るものである。また、ペースト状組
成物を塗布するごとに構成成分の分散状態を確認する必
要があり、ガラス粉末の沈殿など分散不良が生じた場合
には再分散処理をしなければならない。従って、このよ
うな煩雑な塗布工程を経て誘電体層を形成する従来の方
法は、PDPの製造効率の観点から問題があり、ディス
プレイパネルの大型化に伴って特に顕著な問題となって
いる。
【0007】(2)スクリーン印刷法を利用する多重印
刷によって膜形成材料層を形成する場合には、当該膜形
成材料層を焼成して形成される誘電体層が均一な膜厚
(例えば公差が±5%以内)を有するものとならない。
これは、スクリーン印刷法による多重印刷では、ガラス
基板の表面に対してペースト状組成物を均一に塗布する
ことが困難だからであり、塗布面積(パネルサイズ)が
大きいほど、また、塗布回数が多いほど誘電体層におけ
る膜厚のバラツキの程度は大きいものとなる。そして、
多重印刷による塗布工程を経て得られるパネル材料(当
該誘電体層を有するガラス基板)には、その面内におい
て、膜厚のバラツキに起因する誘電特性にバラツキが生
じ、誘電特性のバラツキは、PDPにおける表示欠陥
(輝度ムラ)の原因となる。
【0008】(3)スクリーン印刷法では、スクリーン
を通過するペースト状組成物によって微少量の空気が巻
き込まれ、膜形成材料層内に気泡として残留することが
ある。そして気泡を含む膜形成材料層を焼成すると、形
成される誘電体層にはピンホールやクラックが発生す
る。更に、(n+1)層目の塗膜の形成時において、n
層目の塗膜がスクィージによって損傷を受けやすく、こ
れに起因して、誘電体層にクラックが発生することがあ
る。そして、ピンホールやクラックにより絶縁性が破壊
された誘電体層は、所期の誘電特性を発揮することがで
きない。
【0009】(4)スクリーン印刷法では、スクリーン
版のメッシュ形状が膜形成材料層の表面に転写されるこ
とがあり、このような膜形成材料層を焼成して形成され
る誘電体層は、表面の平滑性に劣るものとなる。
【0010】本発明は以上のような事情に基づいてなさ
れたものであって、本発明の第1の目的は、膜厚の大き
い誘電体層を効率的に形成することができる新規な形成
工程を含むPDPの製造方法を提供することにある。本
発明の第2の目的は、大型のパネルに要求される誘電体
層を効率的に形成することができる新規な形成工程を含
むPDPの製造方法を提供することにある。本発明の第
3の目的は、膜厚の均一性に優れた誘電体層を有するP
DPの製造方法を提供することにある。本発明の第4の
目的は、ピンホールやクラックなどの欠陥のない信頼性
の高い誘電体層を有するPDPの製造方法を提供するこ
とにある。本発明の第5の目的は、表面の平滑性に優れ
た誘電体層を有するPDPの製造方法を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のPDPの製造方
法は、支持フィルム上に形成された膜形成材料層を、電
極が固定されたガラス基板の表面に転写し、転写された
膜形成材料層を焼成することにより、前記ガラス基板の
表面に誘電体層を形成する工程を含むことを特徴とす
る。
【0012】また、本発明のPDPの製造方法は、ガラ
ス粉末、結着樹脂及び溶剤を含有するペースト状組成物
を支持フィルム上に塗布して膜形成材料層を形成し、支
持フィルム上に形成された膜形成材料層を、電極が固定
されたガラス基板の表面に転写し、転写された膜形成材
料層を焼成することにより、前記ガラス基板の表面に誘
電体層を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0013】本発明のPDPの製造方法においては、ペ
ースト状組成物をロールコータにより塗布して膜形成材
料層を支持フィルム上に形成することが好ましい。ま
た、膜形成材料層の厚さが10〜200μmであること
が好ましい。さらに、膜形成材料層に含有されるガラス
粉末が、酸化亜鉛60〜90重量%、酸化ホウ素5〜2
0重量%、酸化珪素5〜20重量%の混合物であること
が好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法において、焼成
されることにより誘電体層となる膜形成材料層は、ガラ
ス粉末を含有するペースト状組成物を、剛性を有するガ
ラス基板上に直接塗布して形成されるのではなく、可撓
性を有する支持フィルム上に塗布することにより形成さ
れる。このため、当該ペースト状組成物の塗布方法とし
て、ロールコータなどによる塗布方法を採用することが
でき、これにより、膜厚が大きくて、かつ、膜厚の均一
性に優れた膜形成材料層(例えば100μm±5μm)
を支持フィルム上に形成することが可能となる。そし
て、このようにして形成された膜形成材料層をガラス基
板の表面に対して一括転写するという簡単な操作によ
り、当該膜形成材料層をガラス基板上に確実に形成する
ことができる。従って本発明の製造方法によれば、誘電
体層の形成工程における工程改善(高効率化)を図るこ
とができるとともに、形成される誘電体層の品質の向上
(安定した誘電特性の発現)を図ることができる。
【0015】以下、本発明の製造方法について詳細に説
明する。本発明の製造方法においては、転写フィルムを
用いることによる膜形成材料層の転写工程、膜形成材料
層の焼成工程により、ガラス基板の表面に誘電体層が形
成される。
【0016】(1)転写フィルム:本発明の製造方法に
用いる転写フィルムは、支持フィルムと、この支持フィ
ルム上に形成された膜形成材料層とにより構成される。
【0017】転写フィルムを構成する支持フィルムは、
耐熱性及び耐溶剤性を有すると共に可撓性を有する樹脂
フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可撓性
を有することにより、ロールコータによってペースト状
組成物を塗布することができ、膜形成材料層をロール状
に巻回した状態で保存し、供給することができる。支持
フィルムを形成する樹脂としては、例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアル
コール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含
フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることが
できる。支持フィルムの厚さとしては、例えば20〜1
00μmとされる。
【0018】転写フィルムを構成する膜形成材料層は、
ガラス粉末、結着樹脂及び溶剤を必須成分として含有す
るペースト状組成物を前記支持フィルム上に塗布し、塗
膜を乾燥して溶剤の一部又は全部を除去することによっ
て形成することができる。
【0019】ペースト状組成物の必須成分であるガラス
粉末としては、例えば、 酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸
化珪素(ZnO−B2 3 −SiO2 系)の混合物、
酸化鉛、酸化ホウ素、酸化珪素(PbO−B2 3
SiO2 系)の混合物、酸化鉛、酸化ホウ素、酸化珪
素、酸化アルミニウム(PbO−B2 3 −SiO 2
Al2 3 系)の混合物、 酸化鉛、酸化亜鉛、酸化
ホウ素、酸化珪素(PbO−ZnO−B2 3 −SiO
2 系)の混合物などを挙げることができる。これらのう
ち、酸化亜鉛を主成分とするZnO−B2 3 −SiO
2 系の混合物を含有してなるペースト状組成物は、比較
的低温条件(500℃以下)で焼成処理することができ
る点で好ましい。
【0020】ペースト状組成物の必須成分である結着樹
脂としては、適度な粘着性を有してガラス粉末を結着さ
せることができ、膜形成材料層の焼成処理(400〜5
00℃)によって完全に酸化除去されるものであれば、
特に限定されるものではなく、例えばポリメチルメタク
リレート、ポリブチルメタクリレートなどのアクリル酸
エステル系樹脂;エチルセルロース、ニトロセルロース
などのセルロース系樹脂を例示することができる。
【0021】ペースト状組成物の必須成分である溶剤と
しては、当該ペースト状組成物に適度な粘性(例えば5
00〜10,000cp)を付与することができ、乾燥
処理によってペースト状組成物から容易に蒸発除去でき
るものであることが好ましく、例えばテレビン油、セロ
ソルブ(エチルセロソルブ)、メチルセロソルブ、テル
ピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカ
ルビトール、ベンジルアルコール、乳酸メチル、乳酸エ
チルなどを好適に用いることができる。
【0022】ペースト状組成物には、上記の必須成分の
ほかに、分散剤、粘着性付与剤、可塑剤、表面張力調整
剤、安定剤、消泡剤などの各種添加剤が任意成分として
含有されていてもよい。
【0023】好ましいペースト状組成物の一例を示せ
ば、ガラス粉末として、酸化亜鉛60〜90重量%、酸
化ホウ素5〜20重量%及び酸化珪素5〜20重量%か
らなる混合物100重量部と、ポリメチルメタクリレー
ト(結着樹脂)2〜10重量部と、テルピネオール(溶
剤)10〜50重量部とを必須成分として含有する組成
物を挙げることができる。
【0024】ペースト状組成物を支持フィルム上に塗布
する方法としては、膜厚の均一性に優れた膜厚の大きい
(例えば30μm以上)塗膜を効率よく形成することが
できるものであることが必要とされ、具体的には、ロー
ルコータによる塗布方法、ドクターブレードによる塗布
方法、カーテンコーターによる塗布方法、ワイヤーコー
ターによる塗布方法などを好ましいものとして挙げるこ
とができる。
【0025】なお、ペースト状組成物が塗布される支持
フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ま
しい。これにより、後述する転写工程において、支持フ
ィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
【0026】塗膜の乾燥条件としては、例えば、50〜
150℃で0.5〜30分間程度とされ、乾燥後におけ
る溶剤の残存割合(膜形成材料層中の含有率)は、通常
10重量%以内とされる。
【0027】上記のようにして形成される膜形成材料層
の厚さとしては、ガラス粉末の含有率、パネルの種類や
サイズなどによっても異なるが、例えば10〜200μ
mとされ、好ましくは30〜100μmとされる。この
厚さが10μm未満である場合には、最終的に形成され
る誘電体層の膜厚が過小なものとなり、所期の誘電特性
を確保することができないことがある。通常、この厚さ
が30〜100μmであれば、大型のパネルに要求され
る誘電体層の膜厚を十分に確保することができる。
【0028】なお、転写フィルムには、膜形成材料層の
表面に保護フィルム層が設けられていてもよい。斯かる
保護フィルム層としては、ポリエチレンフィルム、ポリ
ビニルアルコール系フィルムなどを挙げることができ
る。
【0029】(2)膜形成材料層の転写工程:本発明の
製造方法は、以上のようにして作製した転写フィルムを
用い、当該転写フィルムを構成する膜形成材料層を、電
極が固定されたガラス基板の表面に転写する点に特徴を
有するものである。
【0030】転写工程の一例を示せば以下のとおりであ
る。必要に応じて使用される転写フィルムの保護フィル
ム層を剥離した後、ガラス基板の表面(電極固定面)
に、膜形成材料層の表面が当接されるように転写フィル
ムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラなどに
より熱圧着した後、膜形成材料層から支持フィルムを剥
離除去する。これにより、ガラス基板の表面に膜形成材
料層が転写されて密着した状態となる。ここで、転写条
件としては、例えば、加熱ローラの表面温度が80〜1
00℃、加熱ローラによるロール圧が1〜5kg/cm
2 、加熱ローラの移動速度が0.5〜10.0m/分を
示すことができる。また、ガラス基板は予熱されていて
もよく、予熱温度としては例えば40〜60℃とするこ
とができる。
【0031】(3)膜形成材料層の焼成工程:ガラス基
板の表面に転写された膜形成材料層は、焼成される。具
体的には、膜形成材料層が形成されたガラス基板を、高
温雰囲気下に配置することにより、膜形成材料層中に含
有されている有機物質(例えば結着樹脂、残存溶剤、各
種の添加剤)が分解などによって除去され、無機物質で
あるガラス粉末が溶融して焼結する。これにより、ガラ
ス基板上には、ガラス焼結体よりなる誘電体層が形成さ
れる。ここに、焼成温度としては、膜形成材料層中の構
成物質によっても異なるが、例えば400〜500℃と
される。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。な
お、以下において「部」は「重量部」を示す。
【0033】<実施例> 〔転写フィルムの作製工程〕ガラス粉末として、酸化亜
鉛80重量%、酸化ホウ素10重量%、酸化珪素10重
量%の組成を有するZnO−B2 3 −SiO2 系の混
合物100部と、メタクリル酸(10重量%)とメタク
リル酸メチル(90重量%)との共重合体(重量平均分
子量:100,000)(結着樹脂)30部と、エチレ
ングリコールジアクリレート(粘着性付与剤)30部
と、メチルセロソルブ(溶剤)60部とを混練すること
により、粘度5,000cpのペースト状組成物を調製
した。
【0034】次いで、調製されたペースト状組成物を、
ロールコータを用いて予め離型処理したポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルムよりなる支持フィルム
(幅200mm,長さ30m,厚さ38μm)上に塗布
して塗膜を形成した。形成された塗膜を110℃で2分
間乾燥することにより溶剤を完全に除去し、これによ
り、厚さ50μmの膜形成材料層が支持フィルム上に形
成されてなる転写フィルムを作製した。
【0035】〔膜形成材料層の転写工程〕6インチパネ
ル用のガラス基板の表面(バス電極の固定面)に、膜形
成材料層の表面が当接されるよう転写フィルムを重ね合
わせ、この転写フィルムを加熱ローラにより熱圧着し
た。ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度
を120℃、ロール圧を4kg/cm2 、加熱ローラの
移動速度を1m/分とした。熱圧着処理の終了後、膜形
成材料層から支持フィルムを剥離除去した。これによ
り、ガラス基板の表面に膜形成材料層が転写されて密着
した状態となった。この膜形成材料層について膜厚を測
定したところ50μm±2μmの範囲にあった。
【0036】〔膜形成材料層の焼成工程〕転写された膜
形成材料層を室温から10℃/分の昇温速度で450℃
まで昇温し、450℃の温度雰囲気下30分間にわたっ
て焼成処理することにより、ガラス基板の表面に、ガラ
ス焼結体よりなる誘電体層を形成した。この誘電体層の
膜厚を測定したところ35μm±1.5μmの範囲にあ
り、膜厚の均一性に優れているものであった。
【0037】〔誘電体層の性能評価〕このようにして、
誘電体層を有するガラス基板よりなるパネル材料を5台
分作製した。形成された誘電体層について、断面及び表
面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、全てのパネル
材料に形成された誘電体層においてピンホールやクラッ
クなどの膜欠陥は認められなかった。
【0038】<比較例>実施例と同様の組成を有するペ
ースト状組成物を調製し、スクリーン印刷法を利用した
多重印刷により、ガラス基板(実施例で使用したものと
同様の基板)上にガラスペーストを塗布して膜形成材料
層を形成した。ここで、1回の塗布による乾燥膜厚は1
5〜17μm程度であり、塗布回数は3回とした。得ら
れた膜形成材料層について膜厚を測定したところ50μ
m±5μmの範囲にあった。次いで、実施例と同様にし
て焼成処理を行って、ガラス基板の表面に誘電体層を形
成した。この誘電体層の膜厚を測定したところ35μm
±4μmの範囲にあり、膜厚の均一性に劣るものであっ
た。このようにして、誘電体層を有するガラス基板より
なるパネル材料を5台分作製した。形成された誘電体層
について、断面及び表面を走査型電子顕微鏡で観察した
ところ、60%(3台分)のパネル材料についてはピン
ホールやクラックなどの膜欠陥が認められた。
【0039】
【発明の効果】本発明の方法によれば、膜形成材料層の
転写工程を含む簡単な方法によって、膜厚の大きな誘電
体層であっても効率的に形成することができ、誘電体層
の形成工程における工程改善が図れて、PDPの製造効
率を向上させることができる。
【0040】また、本発明の方法によれば、膜厚の均一
性(膜厚公差5%以内)を維持しながら、膜厚の大きな
誘電体層を形成することができ、大型のパネルに要求さ
れる誘電体層であっても効率的に形成することができ
る。
【0041】また、本発明の方法によれば、膜厚の均一
性及び表面の平滑性に優れ、ピンホールやクラックなど
の欠陥のない誘電体層を形成することができる。従っ
て、このような信頼性の高い誘電体層によって安定した
誘電特性が発揮され、この結果、本発明の方法により製
造されるPDPにおいて、輝度ムラなどの表示欠陥が発
生することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】交流型のプラズマディスプレイパネルの断面形
状を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 ガラス基板 3 隔壁 4 バス電極 5 アドレス電極 6 蛍光物質 7 誘電体層 8 保護層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持フィルム上に形成された膜形成材料
    層を、電極が固定されたガラス基板の表面に転写し、転
    写された膜形成材料層を焼成することにより、前記ガラ
    ス基板の表面に誘電体層を形成する工程を含むことを特
    徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 ガラス粉末、結着樹脂及び溶剤を含有す
    るペースト状組成物を支持フィルム上に塗布して膜形成
    材料層を形成し、 支持フィルム上に形成された膜形成材料層を、電極が固
    定されたガラス基板の表面に転写し、 転写された膜形成材料層を焼成することにより、前記ガ
    ラス基板の表面に誘電体層を形成する工程を含むことを
    特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 膜形成材料層に含有されるガラス粉末
    が、酸化亜鉛60〜90重量%、酸化ホウ素5〜20重
    量%、酸化珪素5〜20重量%の混合物であることを特
    徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のプラズ
    マディスプレイパネルの製造方法。
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