JP2005011579A - プラズマディスプレイパネル用転写フィルム並びにプラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記の課題は、ガラスフリット、結着樹脂および可塑性付与物質が含有されてなる膜形成材料層を有し、前記膜形成材料層は、10℃/分の昇温速度で熱重量分析を行ったときのTG曲線において、100〜400℃の間に熱重量減少のピークが多段階で現れるものであることを特徴とする転写フィルムによって解決される。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネルの隔壁などを形成するために好適なプラズマディスプレイパネル用転写フィルムおよびこの転写フィルムから得られるガラス焼結体よりなる隔壁を具えたプラズマディスプレイパネルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近において、平板状の蛍光表示体としてプラズマディスプレイが注目されている。図1は交流型のプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」ともいう。)の断面形状を示す模式図である。この図において、1および2は、互いに対向するよう配置されたガラス基板、3は隔壁であり、ガラス基板1、ガラス基板2および隔壁3によって区画されることによりセルが形成されている。4はガラス基板1に固定された透明電極、5は透明電極4の抵抗を低下させるために当該透明電極4上に形成されたバス電極、6はガラス基板2に固定されたアドレス電極、7はセル内に保持された蛍光物質、8は透明電極4およびバス電極5を被覆するようガラス基板1の内面に形成された誘電体層、9はアドレス電極6を被覆するようガラス基板2の内面に形成された誘電体層、10は例えば酸化マグネシウムよりなる保護膜である。
このようなPDPにおいて、隔壁3はガラス焼結体により形成され、その幅は例えば30〜60μm、高さは例えば100〜150μmとされる。
【0003】
隔壁3を形成する方法としては、一般に、以下の方法が知られている。
(1)ガラスフリット、結着樹脂および溶剤を含有するペースト状の組成物(ガラスペースト組成物)を調製し、このガラスペースト組成物をスクリーン印刷によってガラス基板1の表面に塗布して乾燥する工程を、複数回繰り返すことにより、所要の形態の隔壁形成材料層を形成し、次いで、この隔壁形成材料層を焼成することにより、当該隔壁形成材料層中の有機物質を除去してガラスフリットを焼結させる方法(以下、この方法を「スクリーン印刷法」という。)。
(2)ガラスフリット、結着樹脂および溶剤を含有するペースト状の組成物(ガラスペースト組成物)を調製し、このガラスペースト組成物をスクリーン印刷またはブレードコーター等によってガラス基板1の表面に塗布して乾燥することにより、隔壁形成材料層を得るための材料層形成用膜を形成し、この材料層形成用膜上にレジスト液を塗布またはドライフィルムレジストを転写し、露光処理および現像処理することにより、形成すべき隔壁の形態に対応する形態のレジスト層を形成し、その後、サンドブラスト装置により、主に材料層形成用膜における露出部分をサンドブラスト処理して当該部分を除去することにより、所要の形態の隔壁形成材料層を形成し、次いで、残存したレジスト層を隔壁形成材料層から剥離した後、隔壁形成材料層を焼成することにより、当該隔壁形成材料層中の有機物質を除去してガラスフリットを焼結させる方法(以下、この方法を「サンドブラスト法」という。)。
【0004】
(3)ガラスフリット、感光性樹脂および溶剤を含有するペースト状の組成物(感光性ガラスペースト組成物)を調製し、この感光性ガラスペースト組成物をスクリーン印刷またはブレードコーター等によってガラス基板1の表面に塗布して乾燥することにより、隔壁形成材料層を得るための感光性材料層形成用膜を形成し、その感光性材料層形成用膜を露光処理および現像処理することにより、所要の形態の隔壁形成材料層を形成し、次いで、この隔壁形成材料層を焼成することにより、当該隔壁形成材料層中の有機物質を除去してガラスフリットを焼結させる方法(以下、この方法を「感光性ペースト法」という。)。
(4)ガラスフリット、結着樹脂および溶剤を含有するペースト状の組成物(ガラスペースト組成物)を調製し、このガラスペースト組成物をスクリーン印刷またはブレードコーター等によってガラス基板1の表面に塗布して乾燥することにより、隔壁形成材料層を得るための材料層形成用膜を形成し、この材料層形成用膜をその上方から隔壁の形態に対応する形態の構造を有する型によって加圧することにより、所要の形態の隔壁形成材料層を形成し、次いで、この隔壁形成材料層を焼成することにより、当該隔壁形成材料層中の有機物質を除去してガラスフリットを焼結させる方法(以下、この方法を「加圧成形法」という。)。
【0005】
ここに、ガラスペースト組成物を構成する結着樹脂としては、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂などが知られており、これらのうち、ガラスフリットの分散性、組成物の塗布特性、燃焼の容易性などの観点から、エチルセルロースが好ましいとされている(例えば特許文献1参照。)。
【0006】
上記の方法のうち、加圧成型法においては、簡単な工程により隔壁を形成することが可能であるが、精度の高い型を作製することが必要であること、ガラス基板の平坦性によって隔壁形成材料層の形状が大きく影響されることなど、隔壁の形成方法としての信頼性が未だ低いものである。
また、感光性ペースト法においては、露光処理、現像工程が必要なこと。廃棄物の発生などが問題になる。
これに対して、サンドブラスト法は、現在、最も普及している方法であり、また、信頼性も高い方法である。然るに、このブスラト法においては、ガラスペースト組成物を塗布する方法として、スクリーン印刷法を利用せざるを得ないため、以下のような問題がある。
【0007】
すなわち、ガラス基板1上に形成する隔壁形成材料層の高さは、焼成工程における有機物質の除去に伴う膜厚の目減量を考慮して、形成すべき隔壁3の高さの1.3〜2.0倍程度とすることが必要であり、例えば、隔壁3の高さを100〜150μmとするためには、130〜300μm程度の高さの隔壁形成材料層を形成することが必要である。
一方、前記ガラスペースト組成物をスクリーン印刷法により塗布する場合に、1回の塗布処理によって形成される塗膜の厚さは15〜25μm程度である。従って、所定の高さの隔壁形成材料層を形成するためには、ガラス基板の表面に対して、当該ガラスペースト組成物を複数回(例えば10〜20回)にわたり繰り返して塗布(多重印刷)することにより、材料層形成膜を形成することが必要である。
しかしながら、スクリーン印刷法による多重印刷によって材料層形成膜を形成する場合には、形成工程が長大となり、そればかりでなく、得られる隔壁形成材料層の高さにバラツキが生じるため、均一な高さを有する隔壁を形成することが困難である。
【0008】
そして、サンドブラスト法において、スクリーン印刷法によって材料層形成膜を形成する場合における上記のような問題を解決する手段として、ガラスペースト組成物をドライフィルム化し、これをガラス基板上に転写することによって材料層形成膜を形成する方法が検討されている。
而して、ドライフィルムは、その特性上、高い柔軟性を有するものであることが必要とされる。然るに、サンドブラスト法によって隔壁を形成するためには、材料層形成膜すなわちドライフィルムは、サンドブラスト処理によって容易に除去される程度の脆性を有するものであることが必要とされる。
以上のように、サンドブラスト法において、ガラスペースト組成物の代わりにドライフィルムを用いる場合には、当該ドライフィルムには、柔軟性および脆性という互いに相反する特性が必要となるため、このような方法を実用化することは困難であった。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−321619号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その第1の目的は、高さの均一性に優れ、アスペクト比が高く、所要の形態を有するガラス焼結体を、比較的簡単な工程により確実に形成することができるプラズマディスプレイパネル用転写フィルムを提供することにある。
本発明の第2の目的は、高さの均一性に優れ、アスペクト比が高く、所要の形態を有し、比較的簡単な工程によって得られるガラス焼結体よりなる隔壁を具えたプラズマディスプレイパネルを提供することにある。
本発明の第3の目的は、高さの均一性に優れ、アスペクト比が高く、所要の形態を有するガラス焼結体よりなる隔壁を比較的簡単な工程によって形成することができるプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマディスプレイパネル用転写フィルムは、ガラスフリット、結着樹脂および可塑性付与物質が含有されてなる膜形成材料層を有するプラズマディスプレイパネル用転写フィルムであって、
前記膜形成材料層は、10℃/分の昇温速度で熱重量分析を行ったときのTG曲線において、100〜400℃の間に熱重量減少のピークが多段階で現れるものであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のプラズマディスプレイパネル用転写フィルムは、ガラスフリット、結着樹脂および可塑性付与物質が含有されてなる膜形成材料層を有するプラズマディスプレイパネル用転写フィルムであって、
前記結着樹脂および前記可塑性付与物質を10℃/分の昇温速度で焼成した場合において、当該結着樹脂の重量減少率が30%となる温度をTr [℃]、当該可塑性付与物質の95%が分解または揮発する温度をTp [℃]としたとき、Tr ≧Tp を満足することを特徴とする。
【0013】
本発明のプラズマディスプレイパネルは、上記のプラズマディスプレイパネル用転写フィルムを用いて形成されたガラス焼結体よりなる隔壁を具えてなることを特徴とする。
【0014】
本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法は、上記のプラズマディスプレイパネル用転写フィルムにおける膜形成材料層を転写し、転写された膜形成材料層に対してポストベークを行い、その後、サンドブラスト処理を行うことにより、目的とする形態の隔壁形成材料層を形成し,当該隔壁形成材料層を焼成することにより、ガラス焼結体よりなる隔壁を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法においては、ポストベークの条件が、膜形成材料層中の結着樹脂の重量減少率が30%以下で、かつ、可塑性付与物質の分解または揮発する割合が95%以上となる条件であることが好ましい。
【0015】
【作用】
上記の構成のプラズマディスプレイパネル用転写フィルムによれば、膜形成材料層中に、当該膜形成材料層に可塑性を付与するための可塑性付与物質が含有されているため、ドライフィルムとして十分な柔軟性が得られる。
また、膜形成材料層は、熱重量分析を行ったときのTG曲線において、熱重量減少のピークが2段階で現れる、すなわち可塑性付与物質の分解または揮発に起因する熱重量減少のピークが、結着樹脂の分解に起因する熱重量減少のピークより相当に低い温度で現れるものであるため、膜形成材料層を転写した後、可塑性付与物質の熱重量減少のピーク温度と結着樹脂の熱重量減少のピーク温度との間の温度範囲で、当該膜形成材料層に対してポストベークを行うことにより、結着樹脂の分解を進行させずに可塑性付与物質を確実に分解または揮発させることができ、これにより、膜形成材料層の柔軟性が失われる結果、脆性を有する膜が形成される。そのため、この膜をサンドブラスト処理することにより、その一部を除去して所要の形態に加工することができる。
従って、膜形成材料層の厚みを制御すると共に、サンドブラスト処理された膜を焼成することにより、高さの均一性に優れ、アスペクト比が高く、所要の形態を有するガラス焼結体が、比較的簡単な工程により確実に得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〈転写フィルム〉
本発明のプラズマディスプレイパネル用転写フィルム(以下、単に「転写フィルム」ともいう。)は、ガラスフリット、結着樹脂および可塑性付与物質が含有されてなる膜形成材料層を有し、この膜形成材料層は、10℃/分の昇温速度で熱重量分析を行ったときのTG曲線において、100〜400℃の間に熱重量減少のピークが多段階、好ましくは2段階で現れるものである。このTG曲線において、最初(低温側)の熱重量減少のピークは、主として可塑性付与物質の分解または揮発に起因するものであり、2回目(高温側)の熱重量減少のピークは、主として結着樹脂の分解に起因するものである。
ここで、「熱重量減少のピークが2段階で現れる」とは、図2に示すように、温度が上昇するに従って、最初の熱重量減少のピークp1が現れた後、熱重量減少が停止し、その後、2回目の熱重量減少のピークp2が現れる場合、および、図3に示すように、温度が上昇するに従って、最初の熱重量減少のピークp1が現れた後、熱重量減少の速度が低下し、その後、熱重量減少の速度が上昇して2回目の熱重量減少のピークp2が現れる場合の両方を含むものである。
【0017】
このような条件を満足する膜形成材料層を得るためには、結着樹脂および可塑性付与物質として、10℃/分の昇温速度で焼成した場合において、当該結着樹脂の重量減少率が30%となる温度Tr (以下、単に「温度Tr 」という。)が、当該可塑性付与物質の95%が分解または揮発する温度Tp (以下、単に「温度Tp 」という。)以上となるものを選択して用いればよい。また、温度Tr と温度Tp との差(Tr −Tp )は、50〜200℃であることが好ましく、より好ましくは80〜150℃である。
温度Tr が温度Tp より低い場合には、膜形成材料層を転写した後に、当該膜形成材料層に対して、可塑性付与物質を十分に分解または揮発する温度条件でポストベークを行うと、結着樹脂の分解が相当に進行するため、発煙などが発生する結果、排気等に問題が生じ、一方、結着樹脂の分解が進行しない温度条件でポストベークを行うと、相当な量の可塑性付与物質が残存するため、当該膜形成材料層の柔軟性が失われず、その結果、サンドブラスト処理によって所期の形態に加工することが困難となる。
【0018】
以下、本発明の転写フィルムを構成する材料について具体的に説明する。
《支持フィルム》
本発明の転写フィルムは、膜形成材料層を支持する支持フィルムを有する。この支持フィルムは、耐熱性および耐溶剤性を有すると共に可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可撓性を有することにより、ロールコーター、ブレードコーターなどによって支持フィルムの表面に膜形成材料組成物を塗布することができ、得られる転写フィルムをロール状に巻回した状態で保存しまたは供給することができる。
支持フィルムを形成する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。
支持フィルムの厚みは、例えば20〜100μmとされる。
また、支持フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ましく、これにより、ガラス基板への転写工程において、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
【0019】
《膜形成材料層》
膜形成材料層は、ガラスフリットと、結着樹脂と、可塑性付与物質と、必要に応じて用いられるその他の成分とを含有してなるものである。
【0020】
(1)ガラスフリット:
膜形成材料層を構成するガラスフリットとしては、その軟化点が400〜600℃の範囲内にあるものを用いることが好ましい。
このガラスフリットの軟化点が400℃未満である場合には、得られる膜形成材料層の焼成工程において、結着樹脂などの有機物質が完全に分解除去されない段階でガラスフリットが溶融してしまうため、形成される隔壁中に有機物質の一部が残留し、これにより、得られるプラズマディプレイパネル内にアウトガスが拡散する結果、蛍光体の寿命を低下させる恐れがある。一方、ガラスフリットの軟化点が600℃を超える場合には、得られる膜形成材料層を600℃より高温で焼成する必要があるために、当該膜形成材料層の被転写体であるガラス基板に歪みなどが発生しやすい。
好適なガラスフリットの具体例としては、酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素および酸化カルシウム(PbO−B2 O3 −SiO2 −CaO)系、酸化亜鉛、酸化ホウ素および酸化ケイ素(ZnO−B2 O2 −SiO2 )系、酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素および酸化アルミニウム(PbO−B2 O3 −SiO2 −Al2 O3 )系、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素および酸化ケイ素(PbO−ZnO−B2 O3 −SiO2 )系、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素および酸化チタン(PbO−ZnO−B2 O3 −SiO2 −TiO2 )系などを挙げることができる。また、これらの物質に、例えば酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガンなどの無機酸化物を混合してガラスフリットとして使用してもよい。
また、ガラスフリットの平均粒子径は0.5〜2.5μmであることが好ましい。
【0021】
(2)結着樹脂:
膜形成材料層を構成する結着樹脂としては、ガラス転移点が50℃以上であるものを用いることが好ましい、このガラス転移点が50℃未満である場合には、膜形成材料層を転写してポストベークを行っても、当該膜形成材料層が十分に脆いものにならず、そのため、当該膜形成材料層をサンドブラスト処理によって所期の形態に加工することが困難となる。
【0022】
また、膜形成材料層を構成する結着樹脂としては、アクリル樹脂を用いることが好ましい。結着樹脂としてアクリル樹脂が含有されていることにより、当該膜形成材料層には、ガラス基板に対する優れた(加熱)接着性が発揮され、従って、得られる転写フィルムは、膜形成材料層の転写性(ガラス基板への転写性)に優れたものとなる。
かかるアクリル樹脂としては、適度な粘着性を有してガラスフリットを結着させることができ、膜形成材料層の焼成処理温度(400〜600℃)によって完全に酸化除去される(共)重合体の中から選択される。かかるアクリル樹脂には、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物の単独重合体、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物の2種以上の共重合体、および下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物と他の共重合性単量体との共重合体が含まれる。
【0023】
【化1】
【0024】
〔一般式(1)において、R1 は水素原子またはメチル基等を示し、R2 は1価の有機基を示す。〕
【0025】
上記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
これらのうち、上記一般式(1)中、R2 で示される基が、アルキル基またはオキシアルキレン基を含有する基であることが好ましく、特に好ましい(メタ)アクリレート化合物として、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレートおよび2−エトキシエチル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0026】
(メタ)アクリレート化合物との共重合に供される他の共重合性単量体としては、上記(メタ)アクリレート化合物と共重合可能な化合物であれば特に制限はなく、例えば(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、ビニルフタル酸などの不飽和カルボン酸類;ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレンなどのビニル基含有ラジカル重合性化合物を挙げることができる。
【0027】
膜形成材料層を構成する結着樹脂としてアクリル樹脂を用いる場合において、当該アクリル樹脂は、上記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物に由来する共重合成分が、通常70重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは100重量%のものである。
膜形成材料層を構成する結着樹脂の分子量としては、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量として2,000〜300,000であることが好ましく、さらに好ましくは5,000〜200,000とされる。
【0028】
膜形成材料層における結着樹脂の含有割合は、ガラスフリット100重量部に対して、1〜40重量部であることが好ましく、さらに好ましくは3〜30重量部とされる。この割合が過小である場合には、ガラスフリットを確実に結着保持することが困難となることがある。一方、この割合が過大である場合には、当該膜形成材料層の焼成工程に長い時間を要したり、形成されるガラス焼結体が十分な強度や膜厚を有するものとならなかったりする。
【0029】
(3)可塑性付与物質:
膜形成材料層を構成する可塑性付与物質は、当該膜形成材料層に良好な柔軟性を与えるために含有されるものである。この可塑性付与物質が含有されることにより、膜形成材料層はドライフィルムとして十分な柔軟性を有するものとなり、これにより、当該転写フィルムは、これを折り曲げても膜形成材料層の表面に微小な亀裂(ひび割れ)が発生することがなく、また、ロール状に容易に巻き取ることが可能なものとなる。
【0030】
かかる可塑性付与物質としては、下記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表される化合物よりなる群から選ばれた可塑剤、ポリプロピレングリコール、或いは前述した(メタ)アクリレート化合物等の共重合性単量体および後述する溶剤のうち沸点が150℃以上のものを用いることが好ましく、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0031】
【化2】
【0032】
〔一般式(2)において、R3 およびR6 は、それぞれ独立して炭素数が1〜30の1価の鎖式炭化水素基を示し、R4 およびR5 は、それぞれ独立してメチレン基または炭素数が2〜30の2価の鎖式炭化水素基を示す。sは0〜5の整数であり、tは1〜10の整数である。〕
【0033】
【化3】
【0034】
〔一般式(3)において、R7 は炭素数が1〜30の1価の鎖式炭化水素基を示す。〕
【0035】
また、上記一般式(2)でおいて、R3 またはR6 で示される1価の鎖式炭化水素基、並びにR4 またはR5 で示される2価の鎖式炭化水素基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、また、アルキル基またはアルキレン基(飽和基)であってもアルケニル基またはアルケニレン基(不飽和基)であってもよい。
また、R3 またはR6 で示される鎖式炭化水素基の炭素数は1〜30とされ、好ましくは2〜20、さらに好ましくは4〜10とされる。この鎖式炭化水素基の炭素数が30を超える場合には、後述する溶剤に対する溶解性が低いものとなるため、得られる膜形成材料層に良好な柔軟性を与えることが困難となることがある。
上記一般式(2)で表される化合物の具体例としては、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジブチルセバケート、ジブチルジグリコールアジペートなどが挙げられる。
【0036】
上記一般式(3)において、R7 で示される1価の鎖式炭化水素基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、また、アルキル基(飽和基)であってもアルケニル基(不飽和基)であってもよい。
また、R7 で示される鎖式炭化水素基の炭素数は、1〜30とされ、好ましくは2〜20、さらに好ましくは10〜18とされる。
上記一般式(3)で示される化合物の具体例としては、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノオレートなどが挙げられる。
【0037】
上記の化合物の中で、可塑性付与物質として好ましいものは、ポリプロピレングリコールおよび炭素数が10〜20の(メタ)アクリレートであり、特に好ましくはポリプロピレングリコールおよびラウリルメタクリレートである。これらの化合物は比較的低い温度で分解するため、可塑性付与物質としてこれらの化合物を含有する膜形成材料層は、ポストベークを行うことによって柔軟性が確実に失われ、サンドブラスト処理によって確実に所期の形態に加工することができる。
【0038】
また、可塑性付与物質としてポリプロピレングリコールを用いる場合には、当該ポリプロピレングリコールの重量平均分子量(Mw)は、200〜3,000の範囲にあることが好ましく、300〜2,000の範囲にあることが特に好ましい。この重量平均分子量Mwが200未満である場合には、膜強度の大きい膜形成材料層を支持フィルム上に形成することが困難になる場合があり、当該膜形成材料層を支持フィルムからガラス基板に転写する工程において、ガラス基板に加熱接着された膜形成材料層から支持フィルムを剥離する際に、当該膜形成材料層の凝集破壊を起こすことがある。一方、この重量平均分子量Mwが3,000を超える場合には、被転写体であるガラス基板との加熱接着性が良好な膜形成材料層が得られない場合がある。
【0039】
膜形成材料層における可塑性付与物質の含有割合は、当該膜形成材料層を構成する材料全体の3重量%以上であることが好ましく、より好ましくは4〜15重量%である。可塑性付与物質の含有割合が過小である場合には、膜形成材料層に良好な柔軟性を与えることが困難となる場合がある。
【0040】
(4)その他の成分:
本発明の転写フィルムにおいては、ガラスフリットの分散性の向上および膜形成材料層の可塑化の向上を目的として、膜形成材料層中にシランカップリング剤が含有されていてもよい。かかるシランカップリング剤としては、下記一般式(4)で表される化合物〔飽和アルキル基含有(アルキル)アルコキシシラン〕が好ましい。
【0041】
【化4】
【0042】
〔一般式(4)において、pは3〜20の整数、mは1〜3の整数、nは1〜3の整数、aは1〜3の整数である。〕
【0043】
上記一般式(4)において、飽和アルキル基の炭素数を示すpは3〜20の整数とされ、好ましくは4〜16の整数とされる。
このpの値が3未満である飽和アルキル基含有(アルキル)アルコキシシランを含有させても、得られる形膜形成材料層において十分な可撓性が発現されない場合がある。一方、このpの値が20を超える飽和アルキル基含有(アルキル)アルコキシシランは分解温度が高く、得られるによる膜形成材料層の焼成工程において、有機物質(前記シラン誘導体)が完全に分解除去されない段階でガラスフリットが溶融してしまうため、形成される誘電体層中に有機物質の一部が残留し、この結果、誘電体層の光透過率が低下する場合がある。
【0044】
上記一般式(4)で表されるシランカップリング剤の具体例としては、n−プロピルジメチルメトキシシラン、n−ブチルジメチルメトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルメトキシシラン、n−イコサンジメチルメトキシシランなどの飽和アルキルジメチルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=1);
n−プロピルジエチルメトキシシラン、n−ブチルジエチルメトキシシラン、n−デシルジエチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルメトキシシラン、n−イコサンジエチルメトキシシランなどの飽和アルキルジエチルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=2);
n−ブチルジプロピルメトキシシラン、n−デシルジプロピルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルメトキシシラン、n−イコサンジプロピルメトキシシランなどの飽和アルキルジプロピルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=3);
n−プロピルジメチルエトキシシラン、n−ブチルジメチルエトキシシラン、n−デシルジメチルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルエトキシシラン、n−イコサンジメチルエトキシシランなどの飽和アルキルジメチルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=1);
n−プロピルジエチルエトキシシラン、n−ブチルジエチルエトキシシラン、n−デシルジエチルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルエトキシシラン、n−イコサンジエチルエトキシシランなどの飽和アルキルジエチルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=2);
n−ブチルジプロピルエトキシシラン、n−デシルジプロピルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルエトキシシラン、n−イコサンジプロピルエトキシシランなどの飽和アルキルジプロピルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=3);
n−プロピルジメチルプロポキシシラン、n−ブチルジメチルプロポキシシラン、n−デシルジメチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルプロポキシシラン、n−イコサンジメチルプロポキシシランなどの飽和アルキルジメチルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=1);
n−プロピルジエチルプロポキシシラン、n−ブチルジエチルプロポキシシラン、n−デシルジエチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルプロポキシシラン、n−イコサンジエチルプロポキシシランなどの飽和アルキルジエチルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=2);
n−ブチルジプロピルプロポキシシラン、n−デシルジプロピルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルプロポキシシラン、n−イコサンジプロピルプロポキシシランなどの飽和アルキルジプロピルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=3);
【0045】
n−プロピルメチルジメトキシシラン、n−ブチルメチルジメトキシシラン、n−デシルメチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジメトキシシラン、n−イコサンメチルジメトキシシランなどの飽和アルキルメチルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=1);
n−プロピルエチルジメトキシシラン、n−ブチルエチルジメトキシシラン、n−デシルエチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジメトキシシラン、n−イコサンエチルジメトキシシランなどの飽和アルキルエチルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=2);
n−ブチルプロピルジメトキシシラン、n−デシルプロピルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジメトキシシラン、n−イコサンプロピルジメトキシシランなどの飽和アルキルプロピルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=3)
n−プロピルメチルジエトキシシラン、n−ブチルメチルジエトキシシラン、n−デシルメチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジエトキシシラン、n−イコサンメチルジエトキシシランなどの飽和アルキルメチルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=1);
n−プロピルエチルジエトキシシラン、n−ブチルエチルジエトキシシラン、n−デシルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジエトキシシラン、n−イコサンエチルジエトキシシランなどの飽和アルキルエチルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=2);
n−ブチルプロピルジエトキシシラン、n−デシルプロピルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジエトキシシラン、n−イコサンプロピルジエトキシシランなどの飽和アルキルプロピルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=3);
n−プロピルメチルジプロポキシシラン、n−ブチルメチルジプロポキシシラン、n−デシルメチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジプロポキシシラン、n−イコサンメチルジプロポキシシランなどの飽和アルキルメチルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=1);
n−プロピルエチルジプロポキシシラン、n−ブチルエチルジプロポキシシラン、n−デシルエチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジプロポキシシラン、n−イコサンエチルジプロポキシシランなどの飽和アルキルエチルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=2);
n−ブチルプロピルジプロポキシシラン、n−デシルプロピルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジプロポキシシラン、n−イコサンプロピルジプロポキシシランなどの飽和アルキルプロピルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=3);
【0046】
n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−イコサントリメトキシシランなどの飽和アルキルトリメトキシシラン類(a=3,m=1);
n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−イコサントリエトキシシランなどの飽和アルキルトリエトキシシラン類(a=3,m=2);
n−プロピルトリプロポキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリプロポキシシラン、n−イコサントリプロポキシシランなどの飽和アルキルトリプロポキシシラン類(a=3,m=3)などを挙げることができ、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0047】
これらのうち、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−デシルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジエトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリプロポキシシランなどが特に好ましい。
【0048】
膜形成材料層におけるシランカップリング剤の含有割合は、ガラスフリット100重量部に対して、0.001〜10重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.001〜5重量部とされる。シランカップリング剤の割合が過小である場合には、ガラスフリットの分散安定性の向上効果、形成される膜形成材料層における可撓性の向上効果を十分に発揮させることができない。一方、この割合が過大である場合には、得られるガラスペースト組成物を保存する際に粘度が経時的に上昇したり、シランカップリング剤同士で反応が起こり、焼成後の光透過率を下げる原因になったりする場合がある。
【0049】
《カバーフィルム》
本発明の転写フィルムにおいては、膜形成材料層の表面を保護するために当該膜形成材料層の表面上にカバーフィルムが設けられていてもよい。このカバーフィルムは、可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましく、これにより、得られる転写フィルムをロール状に巻回した状態で保存しまたは供給することができる。
カバーフィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコール系フィルムなどを挙げることができる。
【0050】
〈転写フィルムの製造方法〉
本発明の転写フィルムは、膜形成材料層を構成する材料、すなわちガラスフリット、結着樹脂、可塑性付与物質および必要に応じて用いられるその他の成分と、溶剤とを含有するガラスペースト組成物を調製し、このガラスペースト組成物を支持フィルム上に塗布し、得られる塗布膜を乾燥することにより、膜形成材料層を形成し、必要に応じて膜形成材料層の表面上にカバーフィルムを密着して配置することによって、得られる。
【0051】
《溶剤》
ガラスペースト組成物を構成する溶剤としては、ガラスフリットとの親和性、結着樹脂の溶解性が良好で、ガラスペースト組成物に適度な粘性を付与することができると共に、乾燥されることにより容易に蒸発除去できるものであることが好ましい。
また、特に好ましい溶剤として、標準沸点(1気圧における沸点)が60〜200℃であるケトン類、アルコール類およびエステル類(以下、これらを「特定溶剤」という。)を挙げることができる。
かかる特定溶剤の具体例としては、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;n−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系アルコール類;酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸エチル、乳酸−n−ブチルなどの乳酸エステル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのエーテル系エステル類などを挙げることができ、これらの中では、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、エチル−3−エトキシプロピオネートなどが好ましい。これらの特定溶剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、特定溶剤以外の使用可能な溶剤の具体例としては、テレビン油、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールなどを挙げることができる。
【0052】
ガラスペースト組成物における溶剤の含有割合としては、当該ガラスペースト組成物の粘度を好適な範囲に維持する観点から、ガラスフリット100重量部に対して、5〜50重量部であることが好ましく、さらに好ましくは10〜40重量部とされる。
また、全溶剤に対する特定溶剤の含有割合は、50重量%以上であることが好ましく、更に好ましくは70重量%以上とされる。
【0053】
ガラスペースト組成物は、上記ガラスフリット、結着樹脂、可塑性付与物質、溶剤および必要に応じて用いられるその他の成分を、ロール混練機、ミキサー、ホモミキサー、サンドミルなどの混練・分散機を用いて混練することにより調製することができる。
ここで、ガラスペースト組成物の粘度としては、0.3〜30Pa・sであることが好ましい。
ガラスペースト組成物を支持フィルム上に塗布する方法としては、膜厚の均一性が高くかつ膜厚が大きい(例えば20μm以上の)塗膜を高い効率で形成することができるものであることが好ましく、具体的には、ロールコーターによる塗布方法、ブレードコーターによる塗布方法、カーテンコーターによる塗布方法、ワイヤーコーターによる塗布方法などを好ましいものとして挙げることができる。膜形成材料層の膜厚は、形成すべき隔壁の高さにもよるが、100〜500μm、好ましくは150〜400μmである。
【0054】
本発明の転写フィルムによれば、膜形成材料層中に、当該膜形成材料層に可塑性を付与するための可塑性付与物質が含有されているため、ドライフィルムとして十分な柔軟性が得られる。
また、膜形成材料層は、熱重量分析を行ったときのTG曲線において、熱重量減少のピークが2段階で現れる、すなわち可塑性付与物質の分解または揮発に起因する熱重量減少のピークが、結着樹脂の分解に起因する熱重量減少のピークより相当に低い温度で現れるものであるため、膜形成材料層を転写した後、可塑性付与物質の熱重量減少のピーク温度と結着樹脂の熱重量減少のピーク温度との間の温度範囲で、当該膜形成材料層に対してポストベークを行うことにより、結着樹脂の分解を進行させずに可塑性付与物質を確実に分解または揮発させることができ、これにより、膜形成材料層の柔軟性が失われる結果、脆性を有する膜が形成される。そのため、この膜をサンドブラスト処理することにより、その一部を除去して所要の形態に加工することができる。
従って、膜形成材料層の厚みを制御すると共に、サンドブラスト処理された膜を焼成することにより、高さの均一性に優れ、アスペクト比が高く、所要の形態を有するガラス焼結体が、比較的簡単な工程により確実に得られる。
【0055】
〈プラズマディスプレイパネル〉
本発明のプラズマディスプレイパネルは、例えば図1に示すような構成を有するものであり、その隔壁が上記の転写フィルムによって得られるガラス焼結体により形成されている。
このようなプラズマディスプレイパネルによれば、隔壁を形成するガラス焼結体が上記の転写フィルムによって形成されているため、当該隔壁は、高さの均一性に優れ、アスペクト比が高く、所要の形態を有するものとなり、しかも、比較的簡単な工程によって得ることができる。
【0056】
〈プラズマディスプレイパネルの製造方法〉
本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法においては、上記の転写フィルムを用い、例えば以下のようにしてガラス焼結体よりなる隔壁を形成する。
先ず、転写フィルムにおけるカバーフィルムを膜形成材料層の表面から剥離し、その後、ガラス基板の表面に、膜形成材料層の表面が接するよう転写フィルムを重ね合わせる。
次いで、加熱ロールによって膜形成材料層をガラス基板に熱圧着し、その後、膜形成材料層から支持フィルムを剥離することにより、膜形成材料層をガラス基板上に転写する。
ここで、加熱ロールによる熱圧着条件としては、例えば加熱ロールの温度が50〜130℃で、ロール圧が1〜4kg/cm2 、加熱ロールの移動速度が0.5〜5m/分である。
次いで、転写された膜形成材料層に対してポストベークを行うことにより、当該膜形成材料層中の可塑性付与物質を除去し、これにより、隔壁形成材料層を得るための材料層形成用膜を形成する。
ここで、ポストベークは、膜形成材料層中の結着樹脂の重量減少率が30%以下で、かつ、可塑性付与物質の分解または揮発する割合が95%以上となる条件下で行われることが好ましい。具体的な条件は、用いられる結着樹脂および可塑性付与物質の種類に応じて設定されるが、例えば処理温度が100〜300℃、処理時間が15〜120分間である。
【0057】
このようにして形成された材料層形成用膜上にレジスト液を塗布またはドライフィルムレジストを転写し、露光処理および現像処理することにより、形成すべき隔壁の形態に対応する形態のレジスト層を形成し、その後、サンドブラスト装置により、主に材料層形成用膜における露出部分をサンドブラスト処理して当該部分を除去することにより、所要の形態の隔壁形成材料層を形成する。
次いで、残存したレジスト層を隔壁形成材料層から剥離し、その後、隔壁形成材料層を焼成することにより、当該隔壁形成材料層中の有機物質(結着樹脂等)を分解除去すると共にガラスフリットを溶融して焼結させる。
ここで、隔壁形成材料層の焼成条件は、用いられる結着樹脂およびガラスフリットの種類に応じて設定されるが、例えば処理温度が500〜650℃、処理時間が5〜90分間である。
【0058】
このような方法によれば、転写された膜形成材料層に対し、膜形成材料層中の結着樹脂の重量減少率が30%以下で、かつ、可塑性付与物質の分解または揮発する割合が95%以上となる条件下でポストベークを行うため、当該ポストベークにおいて、発煙を防止または抑制した状態で、膜形成材料層中の可塑性付与物質を除去して脆性を有する材料層形成膜を形成することができる。そして、材料層形成膜に対してサンドブラスト処理を行い、得られる隔壁形成材料層を焼成することにより、高さの均一性に優れ、アスペクト比が高く、所要の形態を有するガラス焼結体よりなる隔壁を形成することができる。
【0059】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0060】
また、下記の実施例および比較例において使用した材料は、次の通りである。
[ガラスフリット]
DTAによる軟化転移点が460℃で,平均粒子径が1.3μmのPbO−B2 O3 −SiO2 −Al2 O3 −TiO3 系物質よりなるもの(旭硝子(株)製)
[結着樹脂]
結着樹脂(a):イソブチルメタクリレートとヒドロキシプロピルメタクリレートとを、重量比でイソブチルメタクリレート/ヒドロキシプロピルメタクリレートが90/10となる割合で共重合させて得られたアクリル樹脂(温度Tr =330℃,ガラス転移点Tg=40℃,重量平均分子量Mw=130,000),
結着樹脂(b):メチルメタクリレートとヒドロキシエチルメタクリレートとを、重量比でメチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレートが90/10となる割合で共重合させて得られたアクリル樹脂(温度Tr =330℃,ガラス転移点Tg=90℃,重量平均分子量Mw=50,000),
結着樹脂(c):メチルメタクリレートとブチルメタクリレートとを、重量比でメチルメタクリレート/ブチルメタクリレートが10/90となる割合で共重合させて得られたアクリル樹脂(温度Tr =300℃,ガラス転移点Tg=55℃),
結着樹脂(d):ポリブチルメタクリレート(温度Tr =290℃,ガラス転移点Tg=40℃)
[可塑性付与物質]
可塑性付与物質(a):ポリプロピレングリコール(温度Tp =250℃,重量平均分子量Mw=400),
可塑性付与物質(b):ジ−2−エチルヘキシルアゼレート(温度Tp =330℃),
可塑性付与物質(c):ラウリルメタクリレート(温度Tp =200℃)
[シランカップリング剤]
n−ブチルトリメトキシシラン
[溶剤]
プロピレングリコールモノメチルエーテル
【0061】
〈実施例1〉
(1)ガラスペースト組成物の調製:
ガラスフリット100重量部と、結着樹脂(a)5重量部と、可塑性付与物質(a)10重量部と、シランカップリング剤1重量部と、溶剤20重量部とを、分散機を用いて混練することにより、粘度が2,000cpであるガラスペースト組成物を調製した。
(2)転写フィルムの製造:
上記(1)で調製したガラスペースト組成物を、予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)よりなる支持フィルム(幅400mm,長さ30m,厚み38μm)上にロールコータを用いて塗布し、形成された塗膜を100℃で5分間加熱することにより溶剤を除去し、これにより、厚みが250μmの膜形成材料層が支持フィルム上に形成されてなる転写フィルムを製造した。この転写フィルムにおける膜形成材料層中の可塑性付与物質の割合は、10重量%である。
この転写フィルムについて、膜形成材料層の表面状態を顕微鏡を用いて観察したところ、ガラスフリットの凝集物、筋状の塗装跡、クレーター、ピンホールなどの膜欠陥は認められなかった。
また、膜形成材料層について、測定温度が30〜600℃、昇温速度が10℃/分、リファレンスがアルミナの条件下で熱重量分析を行った。その結果を図4に示す。
【0062】
(3)膜形成材料層の転写:
20インチパネル用のガラス基板の表面に、膜形成材料層の表面が当接されるよう、上記(2)で製造した転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ロールにより熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ロールの表面温度を110℃、ロール圧を3kg/cm2 、加熱ロールの移動速度を1m/分とした。
熱圧着処理が終了した後、膜形成材料層から支持フィルムを剥離除去した。これにより、ガラス基板の表面に膜形成材料層を転写した。
(4)膜形成材料層のポストベーク:
上記(3)によりガラス基板に転写された膜形成材料層に対して、280℃で60分の条件でポストベークすることにより、隔壁形成材料層を得るための材料層形成膜を形成した。このポストベークにおける結着樹脂の重量減少率は10%であり、可塑性付与物質の分解率は98%であった。また、ポストベークにおいて、膜形成材料層からの発煙は殆ど認められなかった。
【0063】
(5)サンドブラスト処理:
上記(4)により得られた材料層形成膜上に、所要のパターンのレジスト層を形成した後、サンドブラスト装置を用い、材料層形成膜に対してサンドブラスト処理を行うことにより、隔壁形成材料層を形成した。
得られた隔壁形成材料層を観察したところ、所要の形態に加工されており、サンドブラスト性が良好なものであることが確認された。
(6)隔壁形成材料層の焼成:
上記(5)により形成された隔壁形成材料層を有するれたガラス基板を焼成炉内に配置し、炉内の温度を、常温から10℃/分の昇温速度で560℃まで昇温し、560℃の温度雰囲気下で10分間にわたって焼成処理することにより、ガラス基板の表面に、ガラス焼結体よりなる隔壁を形成した。
この隔壁の形状を目視で観察したところ、ひび割れ、基板からの剥離などは認められなかった。
また、この隔壁の寸法を測定したところ、幅が40μmで高さが130μmであり、アスペクト比の高いものであった。また、隔壁の寸法を詳細に測定したところ、幅および高さなどの寸法の均一性に優れたものであることが確認された。
【0064】
〈実施例2〜3および比較例1〜6〉
表1に示す処方に従ってガラスペースト組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にして転写フィルムを製造し、得られた転写フィルムを用い、表1に示す条件に従ってポストベークを行ったこと以外は、実施例1と同様にしてガラス基板上に隔壁を形成した。
また、実施例2および比較例1に係る各転写フィルムにおける膜形成材料層について、熱重量分析を行った。それらの結果を、図5(実施例2)および図6(比較例1)に示す。
実施例2〜3および比較例1〜6の各工程における評価結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の転写フィルムによれば、膜形成材料層中に、当該膜形成材料層に可塑性を付与するための可塑性付与物質が含有されているため、ドライフィルムとして十分な柔軟性が得られる。
また、膜形成材料層は、熱重量分析を行ったときに、可塑性付与物質の分解または揮発に起因する熱重量減少のピークが結着樹脂の分解に起因する熱重量減少のピークより相当に低い温度で現れるものであるため、膜形成材料層を転写した後、可塑性付与物質の熱重量減少のピーク温度と結着樹脂の熱重量減少のピーク温度との間の温度範囲で、当該膜形成材料層に対してポストベークを行うことにより、結着樹脂の分解を進行させずに可塑性付与物質を確実に分解または揮発させることができ、これにより、膜形成材料層はその柔軟性が失われて脆いものとなる。そのため、当該膜形成材料層をサンドブラスト処理することにより、その一部を容易に除去することができる。
従って、本発明の転写フィルムによれば、形成すべきガラス焼結体の高さに応じて膜形成材料層の厚みを制御することにより、高さの均一性に優れ、アスペクト比が高く、所要の形態を有するガラス焼結体を、比較的簡単な工程により確実に得ることができる。
【0067】
また、本発明のプラズマディスプレイパネルによれば、隔壁が上記の転写フィルムによって形成されているため、当該隔壁は、高さの均一性に優れ、アスペクト比が高く、所要の形態を有するものとなり、しかも、比較的簡単な工程によって得ることができる。
また、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法によれば、高さの均一性に優れ、アスペクト比が高く、所要の形態を有するガラス焼結体よりなる隔壁を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】交流型のプラズマディスプレイパネルの断面形状を示す模式図である。
【図2】本発明に係る転写フィルムの一例における膜形成材料層について熱重量分析を行ったときのTG曲線を示す図である。
【図3】本発明に係る転写フィルムの他の例における膜形成材料層について熱重量分析を行ったときのTG曲線を示す図である。
【図4】実施例1に係る転写フィルムにおける膜形成材料層について熱重量分析を行ったときのTG曲線を示す図である。
【図5】実施例2に係る転写フィルムにおける膜形成材料層について熱重量分析を行ったときのTG曲線を示す図である。
【図6】比較例1に係る転写フィルムにおける膜形成材料層について熱重量分析を行ったときのTG曲線を示す図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 ガラス基板
3 隔壁
4 透明電極
5 バス電極
6 アドレス電極
7 蛍光物質
8 誘電体層
9 誘電体層
10 保護層
Claims (5)
- ガラスフリット、結着樹脂および可塑性付与物質が含有されてなる膜形成材料層を有するプラズマディスプレイパネル用転写フィルムであって、
前記膜形成材料層は、10℃/分の昇温速度で熱重量分析を行ったときのTG曲線において、100〜400℃の間に熱重量減少のピークが多段階で現れるものであることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用転写フィルム。 - ガラスフリット、結着樹脂および可塑性付与物質が含有されてなる膜形成材料層を有するプラズマディスプレイパネル用転写フィルムであって、
前記結着樹脂および前記可塑性付与物質を10℃/分の昇温速度で焼成した場合において、当該結着樹脂の重量減少率が30%となる温度をTr [℃]、当該可塑性付与物質の95%が分解または揮発する温度をTp [℃]としたとき、Tr ≧Tp を満足することを特徴とするプラズマディスプレイパネル用転写フィルム。 - 請求項1または請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル用転写フィルムを用いて形成されたガラス焼結体よりなる隔壁を具えてなることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
- 請求項1または請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル用転写フィルムにおける膜形成材料層を転写し、転写された膜形成材料層に対してポストベークを行い、その後、サンドブラスト処理を行うことにより、目的とする形態の隔壁形成材料層を形成し,当該隔壁形成材料層を焼成することにより、ガラス焼結体よりなる隔壁を形成する工程を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- ポストベークの条件が、膜形成材料層中の結着樹脂の重量減少率が30%以下で、かつ、可塑性付与物質の分解または揮発する割合が95%以上となる条件であることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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