JP2005232357A - 無機粒子含有樹脂組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネル用誘電体層の製造方法 - Google Patents

無機粒子含有樹脂組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネル用誘電体層の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温かつ短時間の焼成処理でも表面平滑性に優れた誘電体層を形成できる無機粒子含有樹脂組成物、該樹脂組成物からなる層を有する転写フィルムおよび該転写フィルムを用いたプラズマディスプレイパネル用誘電体層の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る無機粒子含有樹脂組成物は、(A)無機粒子および(B)下記一般式(I)で表される構成単位を有する重合体を含有する結着樹脂を含有することを特徴とする。
【化1】
Figure 2005232357

(式中、Rは1価の有機基を示す。)
本発明に係るプラズマディスプレイパネル用誘電体層の製造方法は、上記無機粒子含有樹脂組成物からなる無機粒子含有樹脂層を有する転写フィルムを用いて該無機粒子含有樹脂層を基板上に転写する工程、および該無機粒子含有樹脂層を焼成処理する工程を含むことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル用誘電体層の製造に好適な無機粒子含有樹脂組成物、該組成物から得られる転写フィルムおよび該転写フィルムを用いた上記誘電体層の製造方法に関する。
近年、平板状の蛍光表示体としてプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」ともいう)が注目されている。PDPは、透明電極を形成し、近接した2枚のガラス板の間にアルゴンまたはネオンなどの不活性ガスを封入し、プラズマ放電を起こしてガスを光らせることにより、蛍光体を発光させて情報を表示するディスプレイである。一方、FEDは、電界印可によって陰極から真空中に電子を放出させ、その電子を陽極上の蛍光体に照射することにより、蛍光体を発光させて情報を表示するディスプレイである。
図1は従来公知の交流型PDPの断面形状を示す模式図である。図1において、101および102は対抗配置されたガラス基板、103は隔壁であり、ガラス基板101、ガラス基板102および隔壁103によりセルが区画形成されている。104はガラス基板101に固定された透明電極であり、105は透明電極104の抵抗を下げる目的で、該透明電極104上に形成されたバス電極であり、106はガラス基板102に固定されたアドレス電極であり、107はセル内に保持された蛍光物質であり、108は透明電極104およびバス電極105を被覆するようガラス基板101の表面に形成された誘電体層であり、109はアドレス電極106を被覆するようガラス基板102の表面に形成された誘電体層であり、110は例えば酸化マグネシウムよりなる保護膜である。また、カラーPDPにおいては、コントラストの高い画像を得るため、ガラス基板と誘電体層との間に、カラーフィルター(赤色・緑色・青色)やブラックマトリックスなどを設けることがある。
このようなPDPの誘電体層の製造方法としては、無機粒子を含有する樹脂層を基板上に形成し、該樹脂層を焼成する工程からなる方法が好適に用いられている。
無機粒子を含有する樹脂層を基板上に形成する方法としては、可撓性を有する支持フィルム上に該無機粒子含有樹脂層を形成した転写フィルムを用いて、該無機粒子含有樹脂層を転写して形成する方法が好適に用いられている。このように、転写フィルムを用いることにより、厚みの均一性に優れた無機粒子含有樹脂層が得られるとともに、作業効率の向上を図ることができる。
しかしながら、該樹脂組成物より得られた無機粒子含有樹脂層を焼成する工程において、無機粒子含有樹脂層の表面にクラックが生じやすいという問題点があった。PDP用誘電体層は表面平滑性や膜厚均一性に優れたものでなければ、安定した誘電特性を発現できない。また、クラックやピンホールは絶縁破壊につながるものである。
従来、この問題点を解決するためには、高い温度で長時間にわたる焼成条件を設定し、無機粒子含有樹脂層の溶融を十分に行う必要があった。しかし、高温で長時間にわたる焼成処理は、焼成炉への負担が大きく、かつ生産性が低下するという問題があった。従って、低温、短時間での焼成処理によってもクラックが生じない誘電体層形成材料が求められていた。
特開平9−102273号公報
本発明の課題は、低温かつ短時間での焼成処理により、表面平滑性に優れた誘電体層を好適に形成することができる無機粒子含有樹脂組成物、該樹脂組成物からなる層を有する転写フィルムおよび該転写フィルムを用いたPDP用誘電体層の製造方法を提供することにある。
本発明に係る無機粒子含有樹脂組成物は、
(A)無機粒子 および
(B)下記一般式(I)で表される構成単位を有する重合体を含有する結着樹脂
Figure 2005232357
(式中、Rは1価の有機基を示す。)
を含有することを特徴とする。
本発明に係る転写フィルムは、上記無機粒子含有樹脂組成物を用いて形成された無機粒子含有樹脂層を有することを特徴とする。
本発明に係るPDP用誘電体層の製造方法は、上記転写フィルムを構成する無機粒子含有樹脂層を基板上に転写し、当該無機粒子含有樹脂層を焼成処理する工程を含むことを特徴とする。
本発明によれば、低温かつ短時間の焼成処理によっても表面平滑性に優れ、クラックを生じないPDP用誘電体層を形成することができる無機粒子含有樹脂組成物が得られる。
上記樹脂組成物から形成された無機粒子含有樹脂層を有する本発明の転写フィルムは転写性に優れており、該転写フィルムを用いることにより、表面平滑性に優れたPDP用誘電体層を形成することができる。
以下、本発明に係る無機粒子含有樹脂組成物、該樹脂組成物からなる層を有する転写フィルムおよび該転写フィルムを用いたディスプレイパネル用誘電体層の製造方法について詳細に説明する。
<無機粒子含有樹脂組成物>
本発明の無機粒子含有樹脂組成物は、(A)無機粒子および(B)結着樹脂を含有してなるペースト状の組成物である。
(A)無機粒子
本発明の無機粒子含有樹脂組成物に用いられる無機粒子は、その軟化点が400〜600℃の範囲内にあるものが好ましい。無機粒子の軟化点が上記範囲にあることにより、PDP用誘電体層を製造する際の焼成工程を良好に行うことができる。その結果、結着樹脂などの有機物質が誘電体層中に残留することがないため、誘電体層の光透過率を損なうことがなく、アウトガスのパネル内への拡散による蛍光体の寿命低下を引き起こさず、またガラス基板の歪みなどを生じることもない。
本発明の樹脂組成物に好適に用いられる無機粒子としては、1.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素(PbO−B2O3−SiO2系)の混合物、2.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化マグネシウム(PbO−B2O3−SiO2−MgO系)の混合物、3.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム(PbO−B2O3−SiO2−Al2O3系)の混合物、4.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化カルシウム(PbO−B2O3−SiO2−CaO系)の混合物、5.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化バリウム(PbO−B2O3−SiO2−BaO系)の混合物、6.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化亜鉛(PbO−B2O3−SiO2−ZnO系)の混合物、7.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化チタン(PbO−B2O3−SiO2−TiO2系)の混合物、8.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化バリウム(PbO−B2O3−SiO2−Al2O3−BaO系)の混合物、9.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化チタン(PbO−B2O3−SiO2−Al2O3−BaO−TiO2系)の混合物などを例示することができる。また、上記無機粒子に、例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化銅、酸化ストロンチウムなどの無機酸化物粉末を混合して用いてもよい。
(B)結着樹脂
本発明の組成物における結着樹脂は、下記一般式(I)で表される構成単位(以下、構成単位(I)ともいう)を有する重合体、具体的には、α−ヒドロキシメチル基を有するアクリレートを構成モノマーとする重合体である。
Figure 2005232357
式(I)中、Rは1価の有機基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基などのアルキル基を示す。
上記構成単位(I)を有する重合体を用いることにより、無機粒子に対する重合体の吸着性が強まり、無機粒子の融着を有利にするため、低温かつ短時間の焼成処理によっても表面平滑性に優れた誘電体層が形成できる無機粒子含有樹脂組成物が得られる。
本発明で好ましく用いられるα−ヒドロキシメチル基を有する(メタ)アクリレートとしては、メチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、n−プロピル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、n−ブチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレートなどのアルキル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレートが挙げられる。これらの中では、メチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレートが特に好ましい。
本発明で用いられる重合体において、構成単位(I)の含有量は、0.1〜70重量%、好ましくは0.1〜20重量%である。含有量が上記範囲にあることにより、本発明の効果が充分に発現される。
本発明で用いられる重合体における他の構成モノマーとしては、他の(メタ)アクリレートが好ましい。
かかる他の(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらの(メタ)アクリレート化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
これらのうち、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよびアルコキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、特に好ましい(メタ)アクリレート化合物として、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
他の共重合性単量体としては、上記(メタ)アクリレートと共重合可能な化合物ならば特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、ビニルフタル酸などの不飽和カルボン酸類;ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、スチレン、α-メチルスチレン、ブタジエン、イソプレンなどのビニル基含有ラジカル重合性化合物が挙げられる。
上記重合体の重量平均分子量(Mw)は、5,000〜5,000,000であることが好ましく、特に10,000〜300,000であることが好ましい。なお上記Mwは、GPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
本発明の組成物における上記重合体を含む結着樹脂の含有量は、上記無機粒子100重量部に対して、通常1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部である。結着樹脂の含有量が上記範囲にあることにより、本発明の効果が充分に発現される。
(C)溶剤
本発明の組成物には、通常、適当な流動性または可塑性および良好な膜形成性を付与するために溶剤が含有される。本発明で用いられる溶剤としては、無機粒子との親和性および結着樹脂の溶解性が良好であり、本組成物に適度な粘性を付与することができるとともに、乾燥により容易に蒸発除去できる溶剤であることが好ましい。
本発明で用いられる溶剤としては、上記特性を有する溶剤であれば特に制限されないが、かかる溶剤の具体例としては、ジエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;n−ペンタノ−ル、4−メチル−2−ペンタノ−ル、シクロヘキサノ−ル、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系アルコール類;酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの不飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸エチル、乳酸−n−ブチルなどの乳酸エステル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのエーテル系エステル類などを例示することができ、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物における溶剤の含有割合としては、組成物の粘度を好適な範囲に維持する観点から、無機粒子100重量部に対して、40重量部以下であることが好ましく、さらに好ましくは5〜30重量部とされる。
これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物における上記溶剤の含有量は、良好な膜形成性(流動性または可塑性)が得られる範囲内において適宜選択すればよい。
(D)分散剤
本発明の組成物には、分散剤が含有されることが好ましい。当該分散剤としては、下記一般式(II)で表されるシランカップリング剤〔飽和アルキル基含有(アルキル)アルコキシシラン〕が好ましい。
Figure 2005232357
(式中、pは3〜20の整数、mは1〜3の整数、nは1〜3の整数、そしてaは1から3の整数である。)
上記一般式(II)において、飽和アルキル基の炭素数を示すpは3〜20の整数とされ、好ましくは4〜16の整数とされる。
pが3未満である飽和アルキル基含有(アルキル)アルコキシシランを含有させても、得られる無機粒子含有樹脂層において十分な可撓性が発現されない場合がある。一方、pの値が20を超える飽和アルキル基含有(アルキル)アルコキシシランは分解温度が高く、得られるによる無機粒子含有樹脂層の焼成工程において、有機物質(前記シラン誘導体)が完全に分解除去されない段階で無機粒子が溶融してしまうため、形成される誘電体層中に有機物質の一部が残留し、この結果、誘電体層の光透過率が低下する場合がある。
上記一般式(II)で表されるシランカップリング剤の具体例としては、n−プロピルジメチルメトキシシラン、n−ブチルジメチルメトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルメトキシシラン、n−イコサンジメチルメトキシシランなどの飽和アルキルジメチルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=1);
n−プロピルジエチルメトキシシラン、n−ブチルジエチルメトキシシラン、n−デシルジエチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルメトキシシラン、n−イコサンジエチルメトキシシランなどの飽和アルキルジエチルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=2);
n−ブチルジプロピルメトキシシラン、n−デシルジプロピルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルメトキシシラン、n−イコサンジプロピルメトキシシランなどの飽和アルキルジプロピルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=3);
n−プロピルジメチルエトキシシラン、n−ブチルジメチルエトキシシラン、n−デシルジメチルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルエトキシシラン、n−イコサンジメチルエトキシシランなどの飽和アルキルジメチルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=1);
n−プロピルジエチルエトキシシラン、n−ブチルジエチルエトキシシラン、n−デシルジエチルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルエトキシシラン、n−イコサンジエチルエトキシシランなどの飽和アルキルジエチルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=2);
n−ブチルジプロピルエトキシシラン、n−デシルジプロピルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルエトキシシラン、n−イコサンジプロピルエトキシシランなどの飽和アルキルジプロピルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=3);
n−プロピルジメチルプロポキシシラン、n−ブチルジメチルプロポキシシラン、n−デシルジメチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルプロポキシシラン、n−イコサンジメチルプロポキシシランなどの飽和アルキルジメチルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=1);
n−プロピルジエチルプロポキシシラン、n−ブチルジエチルプロポキシシラン、n−デシルジエチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルプロポキシシラン、n−イコサンジエチルプロポキシシランなどの飽和アルキルジエチルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=2);
n−ブチルジプロピルプロポキシシラン、n−デシルジプロピルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルプロポキシシラン、n−イコサンジプロピルプロポキシシランなどの飽和アルキルジプロピルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=3);
n−プロピルメチルジメトキシシラン、n−ブチルメチルジメトキシシラン、n−デシルメチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジメトキシシラン、n−イコサンメチルジメトキシシランなどの飽和アルキルメチルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=1);
n−プロピルエチルジメトキシシラン、n−ブチルエチルジメトキシシラン、n−デシルエチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジメトキシシラン、n−イコサンエチルジメトキシシランなどの飽和アルキルエチルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=2);
n−ブチルプロピルジメトキシシラン、n−デシルプロピルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジメトキシシラン、n−イコサンプロピルジメトキシシランなどの飽和アルキルプロピルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=3)
n−プロピルメチルジエトキシシラン、n−ブチルメチルジエトキシシラン、n−デシルメチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジエトキシシラン、n−イコサンメチルジエトキシシランなどの飽和アルキルメチルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=1);
n−プロピルエチルジエトキシシラン、n−ブチルエチルジエトキシシラン、n−デシルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジエトキシシラン、n−イコサンエチルジエトキシシランなどの飽和アルキルエチルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=2);
n−ブチルプロピルジエトキシシラン、n−デシルプロピルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジエトキシシラン、n−イコサンプロピルジエトキシシランなどの飽和アルキルプロピルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=3);
n−プロピルメチルジプロポキシシラン、n−ブチルメチルジプロポキシシラン、n−デシルメチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジプロポキシシラン、n−イコサンメチルジプロポキシシランなどの飽和アルキルメチルジプロポキシシラン類 (a=2,m=3,n=1);
n−プロピルエチルジプロポキシシラン、n−ブチルエチルジプロポキシシラン、n−デシルエチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジプロポキシシラン、n−イコサンエチルジプロポキシシランなどの飽和アルキルエチルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=2);
n−ブチルプロピルジプロポキシシラン、n−デシルプロピルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジプロポキシシラン、n−イコサンプロピルジプロポキシシランなどの飽和アルキルプロピルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=3);
n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−イコサントリメトキシシランなどの飽和アルキルトリメトキシシラン類(a=3,m=1);
n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−イコサントリエトキシシランなどの飽和アルキルトリエトキシシラン類(a=3,m=2);
n−プロピルトリプロポキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリプロポキシシラン、n−イコサントリプロポキシシランなどの飽和アルキルトリプロポキシシラン類(a=3,m=3)などを挙げることができ、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−デシルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジエトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリプロポキシシランなどが特に好ましい。
本発明の無機粒子含有樹脂組成物におけるシランカップリング剤の含有割合としては、無機粒子100重量部に対して、0.001〜10重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.001〜5重量部とされる。シランカップリング剤の割合が過小である場合には、無機粒子の分散安定性の向上効果、形成される無機粒子含有樹脂層における可撓性の向上効果を十分に発揮させることができない。一方、この割合が過大である場合には、無機粒子含有樹脂組成物を保存する際に粘度が経時的に上昇したり、シランカップリング剤同士で反応が起こり、焼成後の誘電体層の光透過率を下げる原因になったりする場合がある。
(E)可塑剤
本発明の組成物には、形成される無機粒子含有樹脂層に良好な可撓性と燃焼性とを発現させるために、可塑剤が含有されることが好ましい。当該可塑剤としては、下記一般式(III)で示される化合物からなる可塑剤が好ましい。
Figure 2005232357
(式中、R2 およびR5 は、それぞれ、同一または異なる炭素数1〜30のアルキル基を示し、R3 およびR4 は、それぞれ、同一または異なるメチレン基または炭素数2〜30のアルキレン基を示し、sは0〜5の数であり、tは1〜10の数である。)
可塑剤を含有する無機粒子含有樹脂層を備えた転写フィルムによれば、これを折り曲げても、当該無機粒子含有樹脂層の表面に微小な亀裂(ひび割れ)が発生するようなことはなく、また、当該転写フィルムは柔軟性に優れたものとなり、これをロール状に巻き取ることも容易に行うことができる。特に、上記一般式(III)で示される化合物からなる可塑剤は熱により容易に分解除去されるため、当該無機粒子含有樹脂層を焼成して得られる誘電体層の光透過率を低下させることはない。
上記一般式(III)において、R2 またはR5で示されるアルキル基、並びにR3 またはR4で示されるアルキレン基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、また、飽和基であっても不飽和基であってもよい。
2 またはR5 で示されるアルキル基の炭素数は、1〜30とされ、好ましくは2〜20、さらに好ましくは4〜10とされる。当該アルキル基の炭素数が30を超える場合には、本発明を構成する溶剤に対する可塑剤の溶解性が低下し、良好な可撓性が得られない場合がある。
上記構造式(III)で示される化合物の具体例としては、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジブチルセバケート、ジブチルジグリコールアジペートなどが挙げられる。好ましくは、nが2〜6で表される化合物である。
本発明の無機粒子含有樹脂組成物における可塑剤の含有割合としては、無機粒子100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜10重量部とされる。可塑剤の割合が過小である場合には、転写フィルムの可撓性を十分に向上させることができない場合がある。一方、この割合が過大である場合には、得られる無機粒子含有樹脂層の粘着性(タック)が過大となり、転写フィルムの取扱性が劣るものとなることがある。
本発明の組成物には、任意成分として、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、フィラー等の各種添加剤が含有されていてもよい。
<転写フィルム>
本発明の転写フィルムは、支持フィルム上に、本発明の無機粒子含有樹脂組成物からなる層が形成されてなる。前記無機粒子含有樹脂層は、前記組成物を支持フィルム状に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥することにより得られる。
転写フィルムを構成する支持フィルムは、耐熱性および耐溶剤性を有するとともに可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可撓性を有することにより、ロールコーターによってペースト状組成物を塗布することができ、無機粒子含有樹脂層をロール状に巻回した状態で保存し、供給することができる。なお、支持フィルムの厚さとしては、使用に適した範囲であればよく、例えば20〜100μmである。
支持フィルムを形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどが挙げられる。
本発明の組成物を支持フィルム上に塗布する方法としては、膜厚が大きく(例えば10μm以上)、かつ、均一性に優れた塗膜を効率よく形成することができる方法であれば特に限定されず、例えば、ロールコーターによる塗布方法、ドクターブレードによる塗布方法、カーテンコーターによる塗布方法、ダイコーターによる塗布方法、ワイヤーコーターによる塗布方法などが挙げられる。
なお、本発明の組成物が塗布される支持フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ましい。これにより、PDP構成部材形成の際に、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
塗膜の乾燥条件は、基板に対する粘着性および適度な形状保持性を無機粒子含有樹脂層に発揮させる観点から、乾燥後における溶剤の残存割合(無機粒子含有樹脂層中の溶剤含有率)が2重量%以下、好ましくは0.1〜1重量%以下となるように適宜調整すればよく、例えば、50〜150℃の乾燥温度で、0.5〜30分間程度である。
上記のようにして支持フィルム上に形成される無機粒子含有樹脂層の厚さは、無機粒子の含有率やサイズなどによっても異なるが、例えば5〜200μmである。
なお、無機粒子含有樹脂層の表面に設けられることのある保護フィルム層としては、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコール系フィルムなどが挙げられる。
<PDP用誘電体層の製造方法>
PDP用誘電体層は、本発明の無機粒子含有樹脂組成物または本発明の転写フィルムを用いて無機粒子含有樹脂層を基板上に形成し、該無機粒子含有樹脂層を焼成処理することにより形成される。
(i)無機粒子含有樹脂層の形成工程
無機粒子含有樹脂層は、本発明の無機粒子含有樹脂組成物を電極が固定された基板上に塗布するか、本発明の転写フィルムを用いて該転写フィルムの無機粒子含有樹脂層を転写することによって形成することができる。
転写フィルムを用いる方法によれば、膜厚均一性に優れた無機粒子含有樹脂層を容易に形成することができ、形成されるパターンの膜厚均一化を図ることができる。また、上記転写フィルムを用いてn回転写を繰り返すことで、n層(nは2以上の整数を示す)の無機粒子含有樹脂層を有する積層体を形成してもよい。あるいは、n層の無機粒子含有樹脂層からなる積層体が支持フィルム上に形成された転写フィルムを用いて基板上に一括転写することにより、上記積層体を形成してもよい。
本発明の組成物を基板上に塗布する方法としては、スクリーン印刷法、ロール塗布法、回転塗布法、流延塗布法など種々の方法が挙げられる。このような方法により組成物を塗布した後、塗膜を乾燥することにより、無機粒子含有樹脂層を形成することができる。なお、上記工程をn回繰り返すことでn層からなる積層体を形成してもよい。
転写フィルムを用いた転写工程の一例を示せば以下のとおりである。必要に応じて用いられる転写フィルムの保護フィルム層を剥離した後、基板の表面に無機粒子含有樹脂層の表面が当接するように転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラなどにより熱圧着した後、無機粒子含有樹脂層から支持フィルムを剥離除去する。これにより、基板の表面に無機粒子含有樹脂層が転写されて密着した状態となる。
転写条件としては、例えば、加熱ローラの表面温度が60〜140℃、加熱ローラによるロール圧が0.1〜10kg/cm、加熱ローラの移動速度が0.1〜10m/分である。また、基板は予熱されていてもよく、予熱温度は、例えば60〜140℃である。なお、基板は予熱されていてもよく、予熱温度としては例えば40〜100℃とすることができる。
本発明で用いられる基板材料としては、例えば、ガラス、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族アミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの絶縁性材料が挙げられ、基板表面には、必要に応じて、シランカップリング剤などによる薬品処理;プラズマ処理;イオンプレーティング法、スパッタリング法、気相反応法、真空蒸着法などによる薄膜形成処理などの前処理が施されていてもよい。
なお、本発明においては、基板として、耐熱性を有するガラスを用いることが好ましい。このようなガラス基板としては、例えば旭硝子(株)製PD200が挙げられる。
また、基板上に固定される電極は、銀、アルミニウム、ニッケル、銅、クロム等の金属パターンであり、好ましくは銀、銅を含有する。
(ii)焼成工程
無機粒子含有樹脂層における有機物質を焼失させるために、形成された無機粒子含有樹脂層を焼成処理する。焼成処理条件は、無機粒子含有樹脂層中の有機物質が焼失されることが必要であり、通常、焼成温度が400〜650℃、焼成時間が5〜90分間である。
以上の工程を含む本発明の製造方法により、PDP用誘電体層を形成することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、以下において「部」は「重量部」を示す。また、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(測定条件)
GPC測定装置:東ソー株式会社製HLC−802A
GPCカラム:東ソー製 TSKguardcolumn SuperHZ−L
溶媒:THF
測定温度:40℃
<合成例1>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート550部、メチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート45部、n−ブチルメタクリレート135部、2−エチルヘキシルメタクリレート270部、アゾビスイソブチロニトリル3部およびを、攪拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下において、60℃で均一になるまで攪拌した。攪拌後、アゾビスイソブチロニトリル2部を投入し、70℃で4時間重合させ、さらに95℃で1時間重合反応を継続させた後、室温まで冷却してポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液は、重合率が98%であり、このポリマー溶液から析出した共重合体(樹脂I)のMwは127,000であった。
<実施例1>
(1)無機粒子含有樹脂組成物の調製:
無機粒子として、酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化バリウム(PbO−B2O3−SiO2−Al2O3−BaO系)からなる混合物(軟化点560℃)100部、結着樹脂としてブチルメタクリレート(BMA)/2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)/メチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート(RHMA−M)共重合体(重量比30/60/10、重量平均分子量127,000)17部と、分散剤としてn−デシルトリメトキシシラン1.0部と、可塑剤としてジ−2−エチルヘキシルアゼレート2.5部と、溶剤としてエチル−3−エトキシプロピオネート14.4部を分散機を用いて混錬することにより、粘度が2,230mPa・s(20rpm, 東機産業製、TV−30形粘度計)である本発明の組成物を調製した。
(2)転写フィルムの製造および評価(可撓性・取扱性):
上記(1)で調製した本発明の組成物を、予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)よりなる支持フィルム(幅400mm,長さ30m,厚さ38μm)上にブレードコーターを用いて塗布し、形成された塗膜を100℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去し、これにより、厚さ77μmの無機粒子含有樹脂層を支持フィルム上に形成した。次いで、当該無機粒子含有樹脂層上に、予め離型処理したPETよりなるカバーフィルム(幅400mm,長さ30m,厚さ38μm)を貼り付けることにより、図2に示したような構成を有する本発明の転写フィルムを製造した。
得られた転写フィルムは柔軟性を有しており、ロール状に巻き取る操作を容易に行うことができた。また、この転写フィルムを折り曲げても、無機粒子含有樹脂層の表面にひび割れ(屈曲亀裂)が生じることはなく、当該無機粒子含有樹脂層は、優れた可撓性を有するものであった。
また、この転写フィルムからカバーフィルムを剥離し、無機粒子含有樹脂層の表面がガラス基板の表面に当接されるように、当該転写フィルム(支持フィルムと無機粒子含有樹脂層との積層体)を加圧することなく重ね合わせ、次いで当該転写フィルムをガラス基板の表面から剥がしてみたところ、当該無機粒子含有樹脂層は、ガラス基板に対して適度な粘着性を示しており、しかも、当該無機粒子含有樹脂層に凝集破壊を起こすことなく転写フィルムを剥がすことができ、転写フィルムとしての取扱性(ハンドリング性)は良好なものであった。
(3)無機粒子含有樹脂層の転写:
上記(2)により得られた転写フィルムからカバーフィルムを剥離した後、21インチパネル用のガラス基板の表面(高さ12μmの銀電極(ライン/スペース=100μm/200μm)が固定された面)に、無機粒子含有樹脂層の表面が当接されるように、当該転写フィルム(支持フィルムと無機粒子含有樹脂層との積層体)を重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ロールにより熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ロールの表面温度を90℃、ロール圧を2kg/cm、加熱ロールの移動速度を0.8m/分とした。
熱圧着処理の終了後、ガラス基板の表面に固定(加熱接着)された無機粒子含有樹脂層から支持フィルムを剥離除去し、当該無機粒子含有樹脂層の転写を完了した。
この転写工程において、支持フィルムを剥離するときに、無機粒子含有樹脂層が凝集破壊を起こすようなことはなく、当該無機粒子含有樹脂層は十分大きな膜強度を有するものであった。さらに、転写さえた無機粒子含有樹脂層は、ガラス基板の表面に対して良好な接着性を有するものであった。
(4)無機粒子含有樹脂層の焼成(誘電体層の形成):
上記(3)により無機粒子含有樹脂層を転写形成したガラス基板を焼成炉内に配置し、炉内の温度を570℃まで毎分10℃の割合で昇温させた後、570℃で10分間焼成処理することにより、ガラス基板の表面に、ガラス焼結体よりなる誘電体層を形成した。
得られた誘電体層の表面について光学顕微鏡(日本光学工業株式会社製、X6UW−NR)を用いて、倍率50倍で観察したところ、銀電極上にクラックの発生がなく、表面平滑性に優れたものであった。
<実施例2〜5>
実施例1において、結着樹脂としてそれぞれ表1に示す共重合体を用いた以外は実施例1(1)と同様にしてガラスペースト組成物を調製し、得られた各ガラスペーストを用いて実施例1(2)と同様にして転写フィルムを形成した。得られた転写フィルムはいずれも柔軟性を有しており、ロール状に巻き取る操作を容易に行うことができた。また、この転写フィルムを折り曲げても、無機粒子含有樹脂層の表面にひび割れ(屈曲亀裂)が生じることはなく、当該無機粒子含有樹脂層は、優れた可撓性を有するものであった。
得られた各転写フィルムを用いて実施例1(3)と同様にして転写を行ったところ、いずれの転写フィルムを用いた場合も、支持フィルムを剥離するときに無機粒子含有樹脂層が凝集破壊を起こすようなことはなく、当該無機粒子含有樹脂層は十分大きな膜強度を有するものであった。また、転写された無機粒子含有樹脂層は、ガラス基板の表面に対して良好な接着性を有するものであった。
さらに、実施例1(4)と同様にして、誘電体層を形成し、得られた誘電体層の表面について、実施例1と同様に顕微鏡での観察を行った。結果を実施例1と共に表1に示す。
Figure 2005232357
*HPMA:ヒドロキシプロピルメタクリレート
RHMA−E:エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート
i−DMA:イソデシルメタクリレート
<比較例>
結着樹脂の部数を17部とし、ブチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート/メチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート共重合体(重量比30/60/10、重量平均分子量127,000)の代わりにブチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレート共重合体(重量比30/60/10、重量平均分子量150,000)を用いた以外は実施例と同様にして、粘度が1,200mPa・s(20rpm, 東機産業製、TV−30形粘度計)である組成物を調製した。得られた組成物を用いて実施例と同様にして転写フィルムを製造し評価したところ、可撓性および取扱性は良好であったが、実施例と同様にして得られた誘電体層の表面について光学顕微鏡を用いて、倍率50倍で観察したところ、銀電極上にクラックが発生しており、表面平滑性に劣るものであった。
一般的なPDPを示す説明用断面図である。
符号の説明
1 ガラス基板 2 ガラス基板
3 隔壁 4 透明電極
5 バス電極 6 アドレス電極
7 蛍光物質 8 誘電体層
9 誘電体層 10 保護層

Claims (7)

  1. (A)無機粒子 および
    (B)下記一般式(I)で表される構成単位を有する重合体を含有する結着樹脂
    Figure 2005232357
    (式中、Rは1価の有機基を示す。)
    を含有することを特徴とする無機粒子含有樹脂組成物。
  2. 前記式(I)で表される構成単位が、α−ヒドロキシメチル基を有するアクリレートから導かれる構成単位であることを特徴とする請求項1に記載の無機粒子含有樹脂組成物。
  3. 前記α−ヒドロキシメチル基を有するアクリレートが、メチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレートおよびn−ブチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレートから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項2に記載の無機粒子含有樹脂組成物。
  4. 重合体が、式(I)で表わされる構成単位を0.1〜70重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の無機粒子含有樹脂組成物。
  5. 無機粒子が、400〜600℃の軟化点を有することを特徴とする請求項1に記載の無機粒子含有樹脂組成物。
  6. 請求項1に記載の無機粒子含有樹脂組成物を用いて形成された無機粒子含有樹脂層を有することを特徴とする転写フィルム。
  7. 請求項6に記載の転写フィルムを構成する無機粒子含有樹脂層を基板上に転写し、当該無機粒子含有樹脂層を焼成処理する工程を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用誘電体層の製造方法。
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