JP3746420B2 - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に関し、更に詳しくは、ガラス基板上に誘電体層を形成するための新規な工程を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近において、平板状の蛍光表示体としてプラズマディスプレイが注目されている。図1は交流型のプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」ともいう。)の断面形状を示す模式図である。同図において、1及び2は、対向配置されたガラス基板、3は隔壁であり、ガラス基板1、ガラス基板2及び隔壁3によりセルが区画形成されている。4はガラス基板1に固定されたバス電極、5はガラス基板2に固定されたアドレス電極、6はセル内に保持された蛍光物質、7は、バス電極4を被覆するようガラス基板1の表面に形成された誘電体層、8は例えば酸化マグネシウムよりなる保護層である。誘電体層7はガラス焼結体より形成され、その膜厚は例えば20〜50μmとされる。
【0003】
誘電体層7の形成方法としては、ガラス粉末を含有するペースト状組成物を調製し、このペースト状組成物をスクリーン印刷法によりガラス基板1の表面に塗布して乾燥することにより膜形成材料層を形成し、次いでこの膜形成材料層を焼成することにより有機物質を除去してガラス粉末を焼結させる方法が知られている。
【0004】
ここで、ガラス基板1上に形成する膜形成材料層の厚さは、焼成工程における有機物質の除去に伴う膜厚の目減量を考慮して、形成すべき誘電体層7の膜厚の1.3〜1.5倍程度とすることが必要であり、例えば、誘電体層7の膜厚を20〜50μmとするためには、30〜70μm程度の厚さの膜形成材料層を形成する必要がある。
【0005】
一方、上記ガラス粉末を含有するペースト状組成物をスクリーン印刷法により塗布する場合に、1回の塗布処理によって形成される塗膜の厚さは15〜25μm程度である。このため、膜形成材料層を所定の厚さとするためには、ガラス基板の表面に対して該ペースト状組成物を複数回(例えば2〜5回)にわたり繰り返して塗布する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
(1)スクリーン印刷法により複数回にわたり繰り返しペースト状組成物を塗布する操作(多重印刷)は、煩雑であって作業性に劣るものである。また、ペースト状組成物を塗布するごとに構成成分の分散状態を確認する必要があり、ガラス粉末の沈殿など分散不良が生じた場合には再分散処理をしなければならない。従って、このような煩雑な塗布工程を経て誘電体層を形成する従来の方法は、PDPの製造効率の観点から問題があり、ディスプレイパネルの大型化に伴って特に顕著な問題となっている。
【0007】
(2)スクリーン印刷法を利用する多重印刷によって膜形成材料層を形成する場合には、当該膜形成材料層を焼成して形成される誘電体層が均一な膜厚(例えば公差が±5%以内)を有するものとならない。これは、スクリーン印刷法による多重印刷では、ガラス基板の表面に対してペースト状組成物を均一に塗布することが困難だからであり、塗布面積(パネルサイズ)が大きいほど、また、塗布回数が多いほど誘電体層における膜厚のバラツキの程度は大きいものとなる。そして、多重印刷による塗布工程を経て得られるパネル材料(当該誘電体層を有するガラス基板)には、その面内において、膜厚のバラツキに起因する誘電特性にバラツキが生じ、誘電特性のバラツキは、PDPにおける表示欠陥(輝度ムラ)の原因となる。
【0008】
(3)スクリーン印刷法では、スクリーンを通過するペースト状組成物によって微少量の空気が巻き込まれ、膜形成材料層内に気泡として残留することがある。そして気泡を含む膜形成材料層を焼成すると、形成される誘電体層にはピンホールやクラックが発生する。更に、(n+1)層目の塗膜の形成時において、n層目の塗膜がスクィージによって損傷を受けやすく、これに起因して、誘電体層にクラックが発生することがある。そして、ピンホールやクラックにより絶縁性が破壊された誘電体層は、所期の誘電特性を発揮することができない。
【0009】
(4)スクリーン印刷法では、スクリーン版のメッシュ形状が膜形成材料層の表面に転写されることがあり、このような膜形成材料層を焼成して形成される誘電体層は、表面の平滑性に劣るものとなる。
【0010】
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであって、本発明の第1の目的は、膜厚の大きい誘電体層を効率的に形成することができる新規な形成工程を含むPDPの製造方法を提供することにある。本発明の第2の目的は、大型のパネルに要求される誘電体層を効率的に形成することができる新規な形成工程を含むPDPの製造方法を提供することにある。本発明の第3の目的は、膜厚の均一性に優れた誘電体層を有するPDPの製造方法を提供することにある。本発明の第4の目的は、ピンホールやクラックなどの欠陥のない信頼性の高い誘電体層を有するPDPの製造方法を提供することにある。本発明の第5の目的は、表面の平滑性に優れた誘電体層を有するPDPの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のPDPの製造方法は、ガラス粉末、アクリル酸エステル系樹脂及び溶剤を含有するペースト状組成物を支持フィルム上に塗布して膜形成材料層を形成し、支持フィルム上に形成された膜形成材料層を、電極が固定されたガラス基板の表面に転写し、転写された膜形成材料層を焼成することにより、前記ガラス基板の表面に誘電体層を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明のPDPの製造方法においては、下記の形態が好ましい。
(1)膜形成材料層の厚さが10〜200μmであること。
(2)膜形成材料層の厚さが30〜100μmであること。
(3)形成される誘電体層の膜厚公差が±5%以内であること。
(4)ロールコーターにより、ペースト状組成物を支持フィルム上に塗布して膜形成材料層を形成すること。
(5)ドクターブレード、カーテンコーターおよびワイヤーコーターから選ばれた塗布手段により、ペースト状組成物を支持フィルム上に塗布して膜形成材料層を形成すること。
(6)支持フィルムが可撓性を有する樹脂フィルムであること。
(7)支持フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであること。
(8)支持フィルムの表面に離型処理が施されていること。
(9)転写された膜形成材料層を500℃以下の温度で焼成すること。
(10)転写された膜形成材料層を400〜500℃の温度で焼成すること。
(11)ペースト状組成物の粘性が500〜10,000cpであること。
【0013】
(12)膜形成材料層に含有されるガラス粉末が、酸化亜鉛60〜90重量%、酸化ホウ素5〜20重量%、酸化珪素5〜20重量%の混合物であること。
(13)ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、及びメタクリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体から選ばれた少なくとも1種のアクリル酸エステル系樹脂がペースト状組成物中に含有されていること。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法において、焼成されることにより誘電体層となる膜形成材料層は、ガラス粉末を含有するペースト状組成物を、剛性を有するガラス基板上に直接塗布して形成されるのではなく、可撓性を有する支持フィルム上に塗布することにより形成される。このため、当該ペースト状組成物の塗布方法として、ロールコータなどによる塗布方法を採用することができ、これにより、膜厚が大きくて、かつ、膜厚の均一性に優れた膜形成材料層(例えば100μm±5μm)を支持フィルム上に形成することが可能となる。そして、このようにして形成された膜形成材料層をガラス基板の表面に対して一括転写するという簡単な操作により、当該膜形成材料層をガラス基板上に確実に形成することができる。従って本発明の製造方法によれば、誘電体層の形成工程における工程改善(高効率化)を図ることができるとともに、形成される誘電体層の品質の向上(安定した誘電特性の発現)を図ることができる。
【0015】
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。本発明の製造方法においては、転写フィルムを用いることによる膜形成材料層の転写工程、膜形成材料層の焼成工程により、ガラス基板の表面に誘電体層が形成される。
【0016】
(1)転写フィルム:
本発明の製造方法に用いる転写フィルムは、支持フィルムと、この支持フィルム上に形成された膜形成材料層とにより構成される。
【0017】
転写フィルムを構成する支持フィルムは、耐熱性及び耐溶剤性を有すると共に可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可撓性を有することにより、ロールコータによってペースト状組成物を塗布することができ、膜形成材料層をロール状に巻回した状態で保存し、供給することができる。支持フィルムを形成する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。支持フィルムの厚さとしては、例えば20〜100μmとされる。
【0018】
転写フィルムを構成する膜形成材料層は、ガラス粉末、結着樹脂であるアクリル酸エステル系樹脂及び溶剤を必須成分として含有するペースト状組成物を前記支持フィルム上に塗布し、塗膜を乾燥して溶剤の一部又は全部を除去することによって形成することができる。
【0019】
ペースト状組成物の必須成分であるガラス粉末としては、例えば、▲1▼ 酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化珪素(ZnO−B2 3 −SiO2 系)の混合物、▲2▼ 酸化鉛、酸化ホウ素、酸化珪素(PbO−B2 3 −SiO2 系)の混合物、▲3▼ 酸化鉛、酸化ホウ素、酸化珪素、酸化アルミニウム(PbO−B2 3 −SiO2 −Al2 3 系)の混合物、▲4▼ 酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化珪素(PbO−ZnO−B2 3 −SiO2 系)の混合物などを挙げることができる。これらのうち、酸化亜鉛を主成分とするZnO−B2 3 −SiO2 系の混合物を含有してなるペースト状組成物は、比較的低温条件(500℃以下)で焼成処理することができる点で好ましい。
【0020】
ペースト状組成物の必須成分であるアクリル酸エステル系樹脂としては、適度な粘着性を有してガラス粉末を結着させることができ、膜形成材料層の焼成処理(400〜500℃)によって完全に酸化除去されるものから選択され、具体的にはポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体等を例示することができる。
【0021】
ペースト状組成物の必須成分である溶剤としては、当該ペースト状組成物に適度な粘性(例えば500〜10,000cp)を付与することができ、乾燥処理によってペースト状組成物から容易に蒸発除去できるものであることが好ましく、例えばテレビン油、セロソルブ(エチルセロソルブ)、メチルセロソルブ、テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、ベンジルアルコール、乳酸メチル、乳酸エチルなどを好適に用いることができる。
【0022】
ペースト状組成物には、上記の必須成分のほかに、分散剤、粘着性付与剤、可塑剤、表面張力調整剤、安定剤、消泡剤などの各種添加剤が任意成分として含有されていてもよい。
【0023】
好ましいペースト状組成物の一例を示せば、ガラス粉末として、酸化亜鉛60〜90重量%、酸化ホウ素5〜20重量%及び酸化珪素5〜20重量%からなる混合物100重量部と、ポリメタクリル酸メチル、又はメタクリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体(アクリル酸エステル系樹脂)2〜10重量部と、テルピネオール(溶剤)10〜50重量部とを必須成分として含有する組成物を挙げることができる。
【0024】
ペースト状組成物を支持フィルム上に塗布する方法としては、膜厚の均一性に優れた膜厚の大きい(例えば30μm以上)塗膜を効率よく形成することができるものであることが必要とされ、具体的には、ロールコータによる塗布方法、ドクターブレードによる塗布方法、カーテンコーターによる塗布方法、ワイヤーコーターによる塗布方法などを好ましいものとして挙げることができる。
【0025】
なお、ペースト状組成物が塗布される支持フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ましい。これにより、後述する転写工程において、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
【0026】
塗膜の乾燥条件としては、例えば、50〜150℃で0.5〜30分間程度とされ、乾燥後における溶剤の残存割合(膜形成材料層中の含有率)は、通常10重量%以内とされる。
【0027】
上記のようにして形成される膜形成材料層の厚さとしては、ガラス粉末の含有率、パネルの種類やサイズなどによっても異なるが、例えば10〜200μmとされ、好ましくは30〜100μmとされる。この厚さが10μm未満である場合には、最終的に形成される誘電体層の膜厚が過小なものとなり、所期の誘電特性を確保することができないことがある。通常、この厚さが30〜100μmであれば、大型のパネルに要求される誘電体層の膜厚を十分に確保することができる。
【0028】
なお、転写フィルムには、膜形成材料層の表面に保護フィルム層が設けられていてもよい。斯かる保護フィルム層としては、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコール系フィルムなどを挙げることができる。
【0029】
(2)膜形成材料層の転写工程:
本発明の製造方法は、以上のようにして作製した転写フィルムを用い、当該転写フィルムを構成する膜形成材料層を、電極が固定されたガラス基板の表面に転写する点に特徴を有するものである。
【0030】
転写工程の一例を示せば以下のとおりである。必要に応じて使用される転写フィルムの保護フィルム層を剥離した後、ガラス基板の表面(電極固定面)に、膜形成材料層の表面が当接されるように転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラなどにより熱圧着した後、膜形成材料層から支持フィルムを剥離除去する。これにより、ガラス基板の表面に膜形成材料層が転写されて密着した状態となる。ここで、転写条件としては、例えば、加熱ローラの表面温度が80〜100℃、加熱ローラによるロール圧が1〜5kg/cm2 、加熱ローラの移動速度が0.5〜10.0m/分を示すことができる。また、ガラス基板は予熱されていてもよく、予熱温度としては例えば40〜60℃とすることができる。
【0031】
(3)膜形成材料層の焼成工程:
ガラス基板の表面に転写された膜形成材料層は、焼成される。具体的には、膜形成材料層が形成されたガラス基板を、高温雰囲気下に配置することにより、膜形成材料層中に含有されている有機物質(例えば結着樹脂、残存溶剤、各種の添加剤)が分解などによって除去され、無機物質であるガラス粉末が溶融して焼結する。これにより、ガラス基板上には、ガラス焼結体よりなる誘電体層が形成される。ここに、焼成温度としては、膜形成材料層中の構成物質によっても異なるが、例えば400〜500℃とされる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下において「部」は「重量部」を示す。
【0033】
<実施例>
〔転写フィルムの作製工程〕
ガラス粉末として、酸化亜鉛80重量%、酸化ホウ素10重量%、酸化珪素10重量%の組成を有するZnO−B2 3 −SiO2 系の混合物100部と、メタクリル酸(10重量%)とメタクリル酸メチル(90重量%)との共重合体(重量平均分子量:100,000)(アクリル酸エステル系樹脂)30部と、エチレングリコールジアクリレート(粘着性付与剤)30部と、メチルセロソルブ(溶剤)60部とを混練することにより、粘度5,000cpのペースト状組成物を調製した。
【0034】
次いで、調製されたペースト状組成物を、ロールコータを用いて予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムよりなる支持フィルム(幅200mm,長さ30m,厚さ38μm)上に塗布して塗膜を形成した。形成された塗膜を110℃で2分間乾燥することにより溶剤を完全に除去し、これにより、厚さ50μmの膜形成材料層が支持フィルム上に形成されてなる転写フィルムを作製した。
【0035】
〔膜形成材料層の転写工程〕
6インチパネル用のガラス基板の表面(バス電極の固定面)に、膜形成材料層の表面が当接されるよう転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラにより熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を120℃、ロール圧を4kg/cm2 、加熱ローラの移動速度を1m/分とした。熱圧着処理の終了後、膜形成材料層から支持フィルムを剥離除去した。これにより、ガラス基板の表面に膜形成材料層が転写されて密着した状態となった。この膜形成材料層について膜厚を測定したところ50μm±2μmの範囲にあった。
【0036】
〔膜形成材料層の焼成工程〕
転写された膜形成材料層を室温から10℃/分の昇温速度で450℃まで昇温し、450℃の温度雰囲気下30分間にわたって焼成処理することにより、ガラス基板の表面に、ガラス焼結体よりなる誘電体層を形成した。この誘電体層の膜厚を測定したところ35μm±1.5μmの範囲にあり、膜厚の均一性に優れているものであった。
【0037】
〔誘電体層の性能評価〕
このようにして、誘電体層を有するガラス基板よりなるパネル材料を5台分作製した。形成された誘電体層について、断面及び表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、全てのパネル材料に形成された誘電体層においてピンホールやクラックなどの膜欠陥は認められなかった。
【0038】
<比較例>
実施例と同様の組成を有するペースト状組成物を調製し、スクリーン印刷法を利用した多重印刷により、ガラス基板(実施例で使用したものと同様の基板)上にガラスペーストを塗布して膜形成材料層を形成した。ここで、1回の塗布による乾燥膜厚は15〜17μm程度であり、塗布回数は3回とした。得られた膜形成材料層について膜厚を測定したところ50μm±5μmの範囲にあった。次いで、実施例と同様にして焼成処理を行って、ガラス基板の表面に誘電体層を形成した。この誘電体層の膜厚を測定したところ35μm±4μmの範囲にあり、膜厚の均一性に劣るものであった。このようにして、誘電体層を有するガラス基板よりなるパネル材料を5台分作製した。形成された誘電体層について、断面及び表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、60%(3台分)のパネル材料についてはピンホールやクラックなどの膜欠陥が認められた。
【0039】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、膜形成材料層の転写工程を含む簡単な方法によって、膜厚の大きな誘電体層であっても効率的に形成することができ、誘電体層の形成工程における工程改善が図れて、PDPの製造効率を向上させることができる。
【0040】
また、本発明の方法によれば、膜厚の均一性(膜厚公差±5%以内)を維持しながら、膜厚の大きな誘電体層を形成することができ、大型のパネルに要求される誘電体層であっても効率的に形成することができる。
【0041】
また、本発明の方法によれば、膜厚の均一性及び表面の平滑性に優れ、ピンホールやクラックなどの欠陥のない誘電体層を形成することができる。従って、このような信頼性の高い誘電体層によって安定した誘電特性が発揮され、この結果、本発明の方法により製造されるPDPにおいて、輝度ムラなどの表示欠陥が発生することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】交流型のプラズマディスプレイパネルの断面形状を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 ガラス基板
3 隔壁 4 バス電極
5 アドレス電極 6 蛍光物質
7 誘電体層 8 保護層

Claims (6)

  1. プラズマディスプレイパネルを製造するに際して、
    (i)ガラス粉末、アクリル酸エステル樹脂及び溶剤を含有するペースト状組成物を支持フィルム上に塗布して、膜厚が10〜200μmの膜形成材料層を形成し、
    (ii)支持フィルム上に形成された膜形成材料層を、電極が固定されたガラス基板の表面に、加熱ローラの表面温度が80〜100℃、加熱ローラによるロール圧が1〜5kg/cm 2 、加熱ローラの移動速度が0.5〜10.0m/分の条件で転写し、
    (iii)転写された膜形成材料層を焼成することにより、前記ガラス基板の表面に、膜形成材料層中に含まれる有機物質が分解除去されたガラス焼結体よりなる誘電体層を形成する工程を含み、
    プラズマディスプレイパネルに形成される誘電体層の膜厚公差±5%以内にすることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 膜形成材料層に含有されるガラス粉末が、酸化亜鉛60〜90重量%、酸化ホウ素5〜20重量%、酸化珪素5〜20重量%の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 支持フィルムが可撓性を有する樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 支持フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 支持フィルムの表面に離型処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  6. ペースト状組成物の粘性が500〜10,000cpであることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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