JP2006336840A - シフトレンジ切替装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 SBW制御装置9は、再起動された場合に、(1)SBW記憶装置9aに記憶された出力軸位置S、(2)シフトレンジ設定手段82から出力されるレンジ要求値、(3)AT記憶装置10aに記憶された出力軸位置Aに基づいて、出力軸位置Sを確定する。これにより、再起動後に「実シフトレンジ」を把握できる。また、AT制御装置10は、SBW制御装置9の電源瞬断を検出すると、AT制御装置10の有する情報を基に出力軸位置Sを確定する。これにより、SBW制御装置9の電源瞬断中に出力軸位置Aの確定処理を開始できるため、瞬断復帰後の制御開始時期を早めることができる。
【選択図】 図1
Description
自動変速機のシフトレンジ切替機構を、電動アクチュエータの出力を利用して切り替える電動式のシフトレンジ切替装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
この電動式のシフトレンジ切替装置は、乗員がシフトレンジの切り替えを行うシフトレンジ設定手段(メカ式シフトレバーで設定されるスイッチ、シフトレンジ設定ボタン、ジョイスティック等)と、シフトレンジ切替機構(油圧コントローラにおいてシフトレンジに応じた油圧の切り替えを行うマニュアルスプール弁を機械的にスライド変位させる機構)との間に機械的な連結がないため、シフトレンジ設定手段およびシフトレンジ切替機構の車両搭載性の自由度が高まる利点がある。
また、シフトレンジ設定手段とシフトレンジ切替機構の間に機械的な連結がないため、シフトレンジ切替機構の構造にとらわれる必要がなく、シフトレンジ設定手段を自由に設計することができ、人間工学の観点から、より操作しやすいシフトレンジ設定手段を設計することが可能になる。あるいはユーザが、その時々の状況に応じて任意にシフトレンジ設定手段を交換するといったことも可能になる。
SBW制御装置は通電を受けて作動する電子制御装置である。このため、予期せぬ何らかの要因(例えば、予期せぬ接触不良等)により、SBW制御装置の電源が瞬断(瞬間的に通電がたたれる)される可能性がある。
ここで、ワイヤやロッド等の機械的な伝達機構によって乗員が自動変速機のシフトレンジの切り替えを行う機械式のシフトレンジ切替装置では、機械的な連結が破損しない限り、乗員がシフトレンジ設定手段(メカ式シフトレバー)で設定した「設定シフトレンジ」と、シフトレンジ切替機構の「実シフトレンジ」とが確実に一致する。
しかし、電動式のシフトレンジ切替装置では、上述のように、シフトレンジ設定手段とシフトレンジ切替機構の間に機械的な連結がないため、SBW制御装置の電源が瞬断されて、SBW制御装置が再起動した際に、SBW制御装置が現在(瞬断復帰後)の「実シフトレンジ」を把握できなくなる可能性がある。
請求項1の手段を採用するシフトレンジ切替装置のSBW制御装置は、第1再起動手段の機能により、SBW制御装置自身が電源の瞬断によって再起動された場合に、電源の瞬断前に電動モータを駆動しておらず、且つ電源の瞬断前にSBW記憶装置に記憶された出力軸位置が破壊されていない場合、再起動後における出力軸位置を、SBW記憶装置に記憶された出力軸位置とする。
このようにして、SBW制御装置は、自身の電源の瞬断復帰後(再起動後)において、出力軸位置(実シフトレンジ位置に対応している)を把握することができる。この結果、SBW制御装置は、自身の電源の瞬断復帰後(再起動後)でも、確実に実シフトレンジの切替制御を行うことができる。
請求項2の手段を採用するシフトレンジ切替装置のSBW制御装置は、第2再起動手段の機能により、SBW制御装置自身が電源の瞬断によって再起動された場合に、電源の瞬断前に電動モータを駆動していない場合、再起動後における出力軸位置を、シフトレンジ設定手段から出力されるレンジ要求値とする。
このようにして、SBW制御装置は、自身の電源の瞬断復帰後(再起動後)において、出力軸位置(実シフトレンジ位置に対応している)を把握することができる。この結果、SBW制御装置は、自身の電源の瞬断復帰後(再起動後)でも、確実に実シフトレンジの切替制御を行うことができる。
請求項3の手段を採用するシフトレンジ切替装置のSBW制御装置は、第3再起動手段の機能により、SBW制御装置自身が電源の瞬断によって再起動された場合に、再起動後における出力軸位置を、AT記憶装置に記憶された出力軸位置とする。
このようにして、SBW制御装置は、自身の電源の瞬断復帰後(再起動後)において、出力軸位置(実シフトレンジ位置に対応している)を把握することができる。この結果、SBW制御装置は、自身の電源の瞬断復帰後(再起動後)でも、確実に実シフトレンジの切替制御を行うことができる。
請求項4の手段を採用するシフトレンジ切替装置のSBW制御装置は、第4再起動手段の機能により、SBW制御装置自身が電源の瞬断によって再起動された場合に、電源の瞬断前に電動モータを駆動していた場合、SBW制御装置の作動のみで出力軸位置を確定できない旨をAT制御装置に通知する。
これにより、SBW制御装置で出力軸位置(実シフトレンジ位置)を把握できなくても、AT制御装置から出力軸位置(実シフトレンジ位置)を知ることができる。
このようにして、SBW制御装置は、自身の電源の瞬断復帰後(再起動後)において、出力軸位置(実シフトレンジ位置に対応している)を把握することができる。この結果、SBW制御装置は、自身の電源の瞬断復帰後(再起動後)でも、確実に実シフトレンジの切替制御を行うことができる。
請求項5の手段を採用するシフトレンジ切替装置のAT制御装置は、瞬断検出手段の機能により、SBW制御装置の電源が瞬断されたか否かを検出する。そして、AT制御装置は、SBW制御装置の電源瞬断を検出すると、第5再起動手段の機能により、AT制御装置の有する情報を基に出力軸位置の特定を行う。
これにより、SBW制御装置からSBW制御装置の電源が瞬断されたという情報をもらわなくても、AT制御装置においてSBW制御装置の電源瞬断の発生を検出することができるため、SBW制御装置の再起動を待たずして、SBW制御装置の電源瞬断の発生直後から復帰処理を開始できる。この結果、SBW制御装置の瞬断復帰後の制御開始時期を極力早めることができる。
請求項6の手段を採用するシフトレンジ切替装置のAT制御装置は、SBW制御装置の電源瞬断を検出すると、第6再起動手段の機能により、電源の瞬断前に電動モータを駆動していない場合に、SBW制御装置の再起動後における出力軸位置を、AT記憶装置に記憶された出力軸位置とする。
このようにして、AT制御装置は、出力軸位置(実シフトレンジ位置に対応している)を把握することができる。この結果に基づいて、SBW制御装置は、電源の瞬断復帰後(再起動後)でも、確実に実シフトレンジの切替制御を行うことができる。
請求項7の手段を採用するシフトレンジ切替装置のAT制御装置は、SBW制御装置の電源瞬断を検出すると、第7再起動手段の機能により、自動変速機をニュートラル状態にするとともに、SBW制御装置に対して壁位置検出を行って出力軸位置の特定を行うように要求する。
これにより、SBW制御装置が壁位置検出を行って、SBW制御装置において出力軸位置の特定を行うことができる。即ち、SBW制御装置は、自身の電源の瞬断復帰後(再起動後)において、出力軸位置(実シフトレンジ位置に対応している)を把握することができる。この結果、SBW制御装置は、自身の電源の瞬断復帰後(再起動後)でも、確実に実シフトレンジの切替制御を行うことができる。
請求項8の手段を採用するシフトレンジ切替装置のAT制御装置は、SBW制御装置の電源瞬断を検出すると、第8再起動手段の機能により、電源の瞬断前に電動モータを駆動していた場合に、電源の瞬断前における電動モータの回転方向を読み込む第1ステップと、エンジンの回転数と自動変速機におけるトルクコンバータのタービン回転数から、現在の実シフトレンジが、P/Nレンジであるか、D/Rレンジであるかの判定を行う第2ステップと、電源の瞬断前に確定していた出力軸位置を読み込む第3ステップとを実施し、第1〜第3ステップの関係に基づいて出力軸位置の確定を行う。
このようにして、AT制御装置は、SBW制御装置の電源の瞬断復帰後(再起動後)において、出力軸位置(実シフトレンジ位置に対応している)を把握することができる。この結果に基づいて、SBW制御装置は、電源の瞬断復帰後(再起動後)でも、確実に実シフトレンジの切替制御を行うことができる。
請求項9の手段を採用するシフトレンジ切替装置のAT制御装置は、第9再起動手段の機能により、SBW制御装置の電源が瞬断されたことを検出した後、出力軸位置が確定されたら、SBW制御装置が正常に復帰したと判断する。
これにより、SBW制御装置の電源が瞬断されてから、SBW制御装置が出力軸位置(実シフトレンジ位置に対応している)を把握するまでの間、AT制御装置とSBW制御装置とを同期させることができる。
このシフトレンジ切替装置は、自動変速機の実シフトレンジを切り替えるシフトレンジ切替機構と、このシフトレンジ切替機構を駆動する出力軸を備え、通電を受けて回転出力を発生する電動モータによって出力軸を直接駆動する、あるいは電動モータの回転を減速して出力軸を駆動する電動アクチュエータと、シフトレンジ設定手段から出力されるレンジ要求値と、自身が認識する出力軸位置とに基づいて電動モータを制御することで、シフトレンジ切替機構を駆動して実シフトレンジの切り替えを行うSBW制御装置とを具備する。
なお、最良の形態5のAT制御装置は、SBW制御装置の電源が瞬断されたことを検出すると、電源の瞬断前に電動モータを駆動していない場合に、SBW制御装置の再起動後における出力軸位置を、AT記憶装置に記憶された出力軸位置とする第6再起動手段を備える。
あるいは、最良の形態5のAT制御装置は、SBW制御装置の電源が瞬断されたことを検出すると、電源の瞬断前に電動モータを駆動していた場合に、電源の瞬断前における電動モータの回転方向を読み込む第1ステップと、エンジンの回転数と自動変速機におけるトルクコンバータのタービン回転数から、現在の実シフトレンジが、P/Nレンジであるか、D/Rレンジであるかの判定を行う第2ステップと、電源の瞬断前に確定していた出力軸位置を読み込む第3ステップとを実施し、第1〜第3ステップの関係に基づいて出力軸位置の確定を行う第8再起動手段を備える。
最良の形態5のAT制御装置は、SBW制御装置の電源が瞬断されたことを検出した後、出力軸位置が確定されたら、SBW制御装置が正常に復帰したと判断する第9再起動手段を備える。
(シフトレンジ切替装置の説明)
シフトレンジ切替装置は、電動アクチュエータ1によって車両用自動変速機2(図1参照)に搭載されたシフトレンジ切替機構3(パーキング切替機構4を含む:図3参照)を切り替えるものである。
即ち、シフトレンジ切替装置は、SBW制御装置9によって電動モータ5の回転方向、回転速度、回転量、回転角度を制御することで、減速機6を介して駆動されるシフトレンジ切替機構3およびパーキング切替機構4を切替制御して、自動変速機2における実シフトレンジの切り替えおよびパーキング(自動変速機2の出力軸のロック)の切り替えを行うものである。
(電動モータ5の説明)
この実施例1の電動モータ5は、永久磁石を用いないブラシレスのSRモータ(スイッチド・リラクタンス・モータ)であり、回転自在に支持されるロータ11と、このロータ11の回転中心と同軸上に配置されたステータ12とで構成される。
なお、フロント転がり軸受15は、減速機6の出力軸17の内周に嵌合固定されたものであり、減速機6の出力軸17はフロントハウジング18の内周に配置されたメタルベアリング19によって回転自在に支持されている。つまり、ロータ軸13の前端は、フロントハウジング18に設けられたメタルベアリング19→出力軸17→フロント転がり軸受15を介して回転自在に支持される。
一方、リヤ転がり軸受16は、ロータ軸13の後端外周に圧入固定され、リヤハウジング20によって支持されるものである。
ステータコア21は、薄板を多数積層して形成されたものであり、リヤハウジング20に固定されている。このステータコア21には、内側のロータコア14に向けて30度毎に突設されたステータティース23(内向突極)が設けられており、各ステータティース23のそれぞれには各ステータティース23毎に磁力を発生させる各相の励磁コイル22が巻回されている。
そして、各相の励磁コイル22の通電位置および通電方向を順次切り替えることで、ロータティースを磁気吸引するステータティース23を順次切り替えて、ロータ11を一方または他方へ回転する構成になっている。
この実施例1の減速機6は、内接噛合遊星歯車減速機(サイクロイド減速機)であり、ロータ軸13に設けられた偏心部25を介してロータ軸13に対して偏心回転可能な状態で取り付けられたサンギヤ26(インナーギヤ:外歯歯車)と、このサンギヤ26が内接噛合するリングギヤ27(アウターギヤ:内歯歯車)と、サンギヤ26の自転成分のみを出力軸17に伝達する伝達手段28とを備える。
サンギヤ26は、上述したように、サンギヤ軸受31を介してロータ軸13の偏心部25に対して回転自在に支持されるものであり、偏心部25の回転によってリングギヤ27に押しつけられた状態で回転するように構成されている。
リングギヤ27は、フロントハウジング18に固定されるものである。
シフトレンジ切替機構3およびパーキング切替機構4を、図3を参照して説明する。
シフトレンジ切替機構3は、上述した減速機6の出力軸17によって駆動されて、自動変速機2の実シフトレンジの切り替えを行うものである。
自動変速機2における各シフトレンジ(例えば、P、R、N、Dレンジ)の切り替えは、油圧コントローラ41に設けられたマニュアルスプール弁42を適切な位置にスライド変位させ、自動変速機2の図示しない油圧クラッチへの油圧供給路を切り替え、油圧クラッチの係合状態をコントロールすることによって行われる。
ディテントプレート46は、半径方向の先端(略扇形状の円弧部)に複数の凹部46aが設けられており、油圧コントローラ41に固定されたディテントバネ47の先端の係合部47aが凹部46aに嵌まり合うことで、切り替えられたシフトレンジが保持されるようになっている。
ピン48は、マニュアルスプール弁42の端部に設けられた溝49に係合しており、ディテントプレート46がコントロールロッド45によって回動操作されると、ピン48が円弧駆動されて、ピン48に係合するマニュアルスプール弁42が油圧コントローラ41の内部で直線運動を行う。
逆方向にコントロールロッド45を回転させると、ピン48がマニュアルスプール弁42を油圧コントローラ41から引き出し、油圧コントローラ41内の油路がP→R→N→Dレンジの順に切り替えられる。つまり、自動変速機2のシフトレンジがP→R→N→Dレンジの順に切り替えられる。
この円錐部52は、自動変速機2のハウジングの突出部53とパークポール44の間に介在されるものであり、コントロールロッド45を図3中矢印A方向から見て時計回り方向に回転させると(具体的には、R→Pレンジ)、ディテントプレート46を介してパークロッド51が図3中矢印B方向へ変位して円錐部52がパークポール44を押し上げる。すると、パークポール44が軸44bを中心に図3中矢印C方向に回転し、パークポール44の凸部44aがパークギヤ43の凹部43aに係合し、パーキング切替機構4のロック状態が達成される。
上述した電動アクチュエータ1には、そのハウジング(フロントハウジング18+リヤハウジング20)内に、ロータ11の回転角度を検出するエンコーダ7が搭載されている。このエンコーダ7によってロータ11の回転角度を検出して励磁コイル22への通電を切替制御することにより、電動モータ5を脱調させることなく高速運転することができる。
磁石61は、略リング円板形状を呈し、ロータ軸13と同芯上に配置されるものであり、ロータコア14の軸方向の端面(後面)に接合される。この磁石61は、ホールIC62と対向する面(後面)に、回転角度検出用の着磁が施され、磁石61の軸方向に磁力を発生する。
これにより、ロータ11が回転すると、磁石61の着磁位置が回転することにより、磁石61に対向するホールIC62の受ける磁束密度が変化して、ホールIC62がロータの回転に応じた出力波形を発生する。
SBW制御装置9を図1を参照して説明する。
電動モータ5の通電制御を行うSBW制御装置(SBW−ECU)9は、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを保存するSBW記憶装置(ROM、EEPROM、SRAM、RAMなどのメモリ)9a、入力回路、出力回路、電源回路等で構成された周知構造のマイクロコンピュータである。
この運転パラメータ検出手段は、起動スイッチ(車両のイグニッションスイッチ、アクセサリースイッチ等)81、乗員が操作するシフトレンジ設定手段(シフトレンジ設定スイッチ、シフトレバー位置検出センサ、ジョイスティック等)82、自動変速機2の出力回転数を検出する車速センサ83、自動変速機2におけるトルクコンバータのタービン回転数を検出するタービンセンサ84、エンジン回転数センサやブレーキスイッチ等を含むその他のセンサ類からなる。
なお、図1中における符号85は車載バッテリ、符号86は実シフトレンジなど自動変速機2の状態等を示す表示・警告手段(通常運転時の視覚表示、警告灯、警告音声等)である。
レンジ切替処理手段は、SBW制御装置9に与えられる「レンジ要求値」に、エンコーダ7によって検出される「実シフトレンジ」を一致させる制御機能であり、「レンジ要求値」と「実シフトレンジ」に差がある場合に、「レンジ要求値」と「実シフトレンジ」とのシフトレンジの差に基づいて、電動モータ5の回転方向、回転速度、回転量、回転角度の決定を行い、その決定に基づいて複数相よりなる各励磁コイル22を通電制御して、電動モータ5の回転方向、回転速度、回転量、回転角度の制御を行って、SBW制御装置9に与えられた「レンジ要求値」とSBW制御装置9が認識する「実シフトレンジ」とを一致させる制御プログラムである。
そして、実シフトレンジの切り替えを行う際は、「回転位置読取手段」で求めた現在の実シフトレンジを目標シフトレンジに切り替えるのに必要な電動モータ5の制御量(回転方向、回転速度、回転量、回転角度)を求め、求めた制御量が「回転位置読取手段」から得られるように電動モータ5の通電制御を行うものである。
SBW制御装置9は通電を受けて作動する電子制御装置である。このため、予期せぬ何らかの要因(例えば、予期せぬ接触不良等)により、起動スイッチ81がON状態であるにもかかわらずSBW制御装置9の電源が瞬断される可能性がある。
SBW制御装置9の電源が瞬断された場合、電源の復帰に伴い、SBW制御装置9が再起動する。この時、SBW制御装置9が現在(瞬断復帰後)の「実シフトレンジ」を把握できなくなる不具合が発生する。
実施例1では、上記の不具合を解決するために、次の技術が採用されている。
(1)SBW制御装置9は、SBW制御装置9が認識する出力軸位置SをSBW記憶装置9a(例えばSRAM等)に記憶させる第1出力軸位置記憶手段を備える。
また、SBW制御装置9自身が電源の瞬断によって再起動された場合に、電源の瞬断前に電動モータ5を駆動しておらず、且つ電源の瞬断前にSBW記憶装置9aに記憶された出力軸位置Sが破壊されていない場合、再起動後における出力軸位置Sを、SBW記憶装置9aに記憶された出力軸位置Sとする第1再起動手段を備える。
一方、AT制御装置10は、SBW制御装置9から与えられた出力軸位置SをAT制御装置10が認識する出力軸位置AとしてAT記憶装置10a(例えばSRAM等)に記憶させる第2出力軸位置記憶手段を備える。
また、SBW制御装置9は、当該SBW制御装置9自身が電源の瞬断によって再起動された場合に、再起動後における出力軸位置Sを、AT記憶装置10aに記憶された出力軸位置Aとする第3再起動手段を備える。
(6)AT制御装置10は、SBW制御装置9の電源が瞬断されたことを検出すると、電源の瞬断前に電動モータ5を駆動していない場合に、SBW制御装置9の再起動後における出力軸位置Sを、AT記憶装置10aに記憶された出力軸位置Aとする第6再起動手段を備える。
(7)AT制御装置10は、SBW制御装置9の電源が瞬断されたことを検出すると、電源の瞬断前に電動モータ5を駆動していた場合に、自動変速機2をニュートラル状態にするとともに、SBW制御装置9に対して壁位置検出を行って出力軸位置Sの特定を行うように要求する第7再起動手段を備える。
(8)AT制御装置10は、SBW制御装置9の電源が瞬断されたことを検出した後、出力軸位置Sが確定したら、SBW制御装置9が正常に復帰したと判断する第9再起動手段を備える。
なお、第8再起動手段については後述する実施例2において説明する。
なお、図4〜図7は、SBW制御装置9における処理制御を示すものであり、このSBW制御装置9における処理制御を、以下において、起動判定処理、メイン処理、出力軸位置Sの状態判定処理、AT制御装置10の指示による再起動処理の順に説明する。
また、図8〜図10は、AT制御装置10における処理制御を示すものであり、このAT制御装置10における処理制御を、以下において、SBW制御装置9の電源瞬断判定処理、出力軸位置Aの判定処理、SBW制御装置9の電源瞬断時の処理の順に説明する。
SBW制御装置9における起動判定処理を図4を参照して説明する。
この制御ルーチンに侵入すると(スタート)、起動スイッチ81がON状態であるかOFF状態であるかの判断を行う(ステップA1)。
このステップA1において、起動スイッチ81がOFF状態であると判断された場合は、出力軸位置SがP位置であるか否かの判断を行う(ステップA2)。このステップA2において出力軸位置SがP位置であると判断されたら、『正常終了フラグ=ON』し(ステップA3)、続いてSBW制御装置9の電源スイッチである『メインリレー=OFF』し(ステップA4)、その後、ステップA5の『メイン処理(図5参照)』へ進む。なお、『メイン処理』は後述する。
一方、ステップA2において出力軸位置SがP位置以外(R、N、D位置)であると判断されたら、『再起フラグ=ON』し(ステップA6)、その後、ステップA5の『メイン処理』へ進む。
SBW制御装置9における『メイン処理』を図5を参照して説明する。
この制御ルーチンに侵入すると(スタート)、起動ステータスが通常(上記ステップA9の正常判断処理参照)であるか否かの判断を行う(ステップB1)。この判断結果が通常であると判断された場合は、『壁位置検出』を行って出力軸位置Sの特定を行う(ステップB2)。
ステップB2の処理後、上述したレンジ切替処理手段により『レンジ切替処理』を行い(ステップB3)、その後リターンする。
ステップB6の処理後、ステップB6の『出力軸位置Sの状態判定処理』で出力軸位置Sが確定したか否かの判断を行う(ステップB7)。この判断結果において出力軸位置Sが確定された場合は、『再起フラグ=ON』し(ステップB8)、その後リターンする。 ステップB7において、出力軸位置Sが不定であると判断された場合は、ステップB9の『AT制御装置10の指示による再起動処理(図7参照)』へ進み、その後リターンする。
SBW制御装置9における『出力軸位置Sの状態判定処理』を図6を参照して説明する。
上記ステップB4の判断結果により電源瞬断が検出されて、この制御ルーチンに侵入すると(スタート)、電源の瞬断前に電動モータ5が停止していたか、駆動していたかの判断を行う(ステップC1)。この判断結果が停止の場合(電源の瞬断前に電動モータ5を駆動していない場合)、電源の瞬断前にSBW記憶装置9aに記憶された出力軸位置S(データ)が破壊されていないか否かの判断を行う(ステップC2)。
なお、このステップC4において、SBW制御装置9で出力軸位置Sを確定できない旨をAT制御装置10に通知しても良い{上記(4)で示した第4再起動手段の機能}。
SBW制御装置9における『AT制御装置10の指示による再起動処理』を図7を参照して説明する。
上記ステップC4で出力軸位置Sが不定であると判断されて、この制御ルーチンに侵入すると(スタート)、出力軸位置Sの更新要求(シフトレンジを変更する要求)があるか否かの判断を行う(ステップD1)。この判断結果が更新要求ありの場合、再起動後における出力軸位置Sを、AT記憶装置10aで確定した出力軸位置A(後述するステップF9参照)とする{上記(3)、(6)で示した第3、第6再起動手段の機能}。
続いて、『再起フラグ=ON』し(ステップD3)、その後リターンする。
上記ステップD4において、AT制御装置10から壁位置検出要求があると判断された場合は、壁位置検出(上述したステップB2における『壁位置検出』参照)を行う(ステップD5)。
続いて、『再起フラグ=ON』し(ステップD6)、その後リターンする。
AT制御装置10における『SBW制御装置9の電源瞬断判定処理』を図8を参照して説明する。
この制御ルーチンに侵入すると(スタート)、SBW制御装置9の通電状態をモニターするモニター手段に基づいて、SBW制御装置9の電源が瞬断されたか否かを判断する(ステップE1:瞬断検出手段の機能)。この判断結果がSBW制御装置9の電源瞬断を検出する場合(瞬断あり:瞬断によりSBW制御装置9が停止あるいは再起動前の状態)、ステップE2で『出力軸位置Aの判定処理{図9参照:上記(5)で示した第5再起動手段の機能}』を行う。
そして、ステップE2の実行後は、出力軸位置Sは不定であると判断し(ステップE3)、電動モータ5は停止していると判断し(ステップE4)、『SBW制御装置9の瞬断経験フラグ=ON』にし(ステップE5)、その後リターンする。
このステップE6が『瞬断経験フラグ=ON』と判断した場合は、ステップE7において『SBW制御装置9の電源瞬断時の処理{図10参照:上記(7)で示した第7再起動手段の機能}』を行う。
そして、ステップE7の実行後は、出力軸位置Sが確定されたか否かの判断を行う(ステップE8)。この判断結果により出力軸位置Sが不定であると判断された場合は、リターンする。
また、ステップE8で出力軸位置Sが確定したと判断した場合は、『SBW制御装置9の瞬断経験フラグ=OFF』にし(ステップE9)、その後リターンする。
また、ステップE11で出力軸位置Sが確定したと判断した場合は、出力軸位置Sを確定位置と判定するとともに、回転方向Sを確定方向と判定し(ステップE12)、その後リターンする。なお、回転方向Sは、SBW制御装置9の判定する出力軸17の回転方向である。
AT制御装置10における『出力軸位置Aの判定処理』を図9を参照して説明する。
SBW制御装置9の電源瞬断が検出されてこのルーチンに侵入すると(スタート)、現在(今回)電動モータ5が駆動状態であるか否かの判断を行う(ステップF1)。この判断結果が電動モータ5の駆動状態の場合、出力軸位置Aは不定であると判定し(ステップF2)、その後リターンする。
上記ステップF3で電動モータ5の停止を判断した場合、あるいは上記ステップF4の実行後は、シフタ位置切替(シフトレンジ設定手段82によるシフト変更指示)があるか否かの判断を行う(ステップF5)。この判断結果がシフタ位置切替ありの場合は、「レンジ切替要求」をありにし(ステップF6)、続いて出力軸位置Aは不定であると判定し(ステップF7)、その後リターンする。
上記ステップF8において「レンジ切替要求なし」と判断した場合は、出力軸位置Aが確定したと判定し(ステップF9)、その後リターンする。
AT制御装置10における『SBW制御装置9の電源瞬断時の処理』を図10を参照して説明する。
SBW制御装置9が電源瞬断から復帰して(瞬断経験あり)このルーチンに侵入すると(スタート)、油圧クラッチや油圧ブレーキを解放して自動変速機2をニュートラル状態にする(ステップG1)。続いて、SBW制御装置9に対して『壁位置検出』を行って出力軸位置Sの特定を行うように要求し(ステップG2)、その後リターンする。
実施例1では、上記の構成を採用することにより、次の効果が得られる。
○SBW制御装置9は、第1再起動手段の機能により、SBW制御装置9自身が電源の瞬断によって再起動された場合に、電源の瞬断前に電動モータ5を駆動しておらず、且つ電源の瞬断前にSBW記憶装置9aに記憶された出力軸位置Sが破壊されていない場合、再起動後における出力軸位置Sを、SBW記憶装置9aに記憶された出力軸位置Sに確定する。
○SBW制御装置9は、第2再起動手段の機能により、SBW制御装置9自身が電源の瞬断によって再起動された場合に、電源の瞬断前に電動モータ5を駆動していない場合、再起動後における出力軸位置Sを、シフトレンジ設定手段82から出力されるレンジ要求値として確定する。
○SBW制御装置9は、第3再起動手段の機能により、SBW制御装置9自身が電源の瞬断によって再起動された場合に、再起動後における出力軸位置Sを、AT記憶装置10aに記憶された出力軸位置Aに確定する。
○SBW制御装置9は、第4再起動手段の機能により、SBW制御装置9自身が電源の瞬断によって再起動された場合に、電源の瞬断前に電動モータ5を駆動していた場合、SBW制御装置9の作動のみで出力軸位置Sを確定できない旨をAT制御装置10に通知し、SBW制御装置9で出力軸位置Sを把握できなくても、AT制御装置10から出力軸位置Aを知ることができる。
○AT制御装置10は、第6再起動手段の機能により、SBW制御装置9の電源瞬断を検出すると、電源の瞬断前に電動モータ5を駆動していない場合に、SBW制御装置9の再起動後における出力軸位置Sを、AT記憶装置10aに記憶された出力軸位置Aに確定する。
○AT制御装置10は、第7再起動手段の機能により、SBW制御装置9の電源瞬断を検出すると、電源の瞬断前に電動モータ5を駆動していた場合に、自動変速機2をニュートラル状態にするとともに、SBW制御装置9に対して壁位置検出を行って出力軸位置Sの特定を行うように要求する。これにより、SBW制御装置9が壁位置検出を行って、SBW制御装置9において出力軸位置Sを確定する。
また、AT制御装置10は、SBW制御装置9から電源瞬断の情報をもらわなくても、SBW制御装置9の電源瞬断の発生を検出し、SBW制御装置9の再起動を待たずして、SBW制御装置9の電源瞬断の発生直後から復帰処理を開始するため、SBW制御装置9の瞬断復帰後の制御開始時期を極力早めることができる。
上記の実施例1では、ステップE7における『SBW制御装置9の瞬断時の処理』の一例として、第7再起動手段により、自動変速機2をニュートラル状態にするとともに、SBW制御装置9に壁位置検出を行わせることで出力軸位置Sの確定を行う例を示した。
これに対し、この実施例2は、ステップE7の『SBW制御装置9の瞬断時の処理』において、第8再起動手段により、(i)電源の瞬断前における電動モータ5の回転方向を読み込む第1ステップと、(ii)エンジンの回転数と自動変速機2におけるトルクコンバータのタービン回転数から、現在の実シフトレンジが、P/Nレンジであるか、D/Rレンジであるかの判定を行う第2ステップと、(iii)電源の瞬断前に確定していた出力軸位置Aを読み込む第3ステップとを実施し、第1〜第3ステップの関係(下記「表1」に示す関係)に基づいて出力軸位置Aの確定を行うものである。なお、この表1の関係は、AT制御装置10に予めプログラムされるものである。
この制御ルーチンに侵入すると(スタート)、エンジン回転数センサで検出されたエンジン回転数(回転速度)と、タービンセンサ84で検出されたタービン回転数(回転速度)との関係から、現在の運転状態が、P/Nレンジであるか、D/Rレンジであるかの特定を行う(ステップH1:上記第2ステップの機能)。
次に、上記「表1」に従って、出力軸位置Aを確定する(ステップH2)。
次に、ステップH2で確定された出力軸位置AをSBW制御装置9に送信し(ステップH3)、その後リターンする。
上記の実施例2では、エンジン回転数とタービン回転数に基づいてP/Nレンジであるか、D/Rレンジであるかの特定を行う例を示したが、自動変速機2の出力軸の回転数と回転方向から、P/Nレンジであるか、D/Rレンジであるかの特定を行うなど、他の検出方法によりP/Nレンジであるか、D/Rレンジであるかの特定を行うようにしても良い。
上記の実施例1、2では、電動モータ5の一例としてSRモータを用いる例を示したが、シンクロナス・リラクタンス・モータなど他のリラクタンスモータや、表面磁石構造型シンクロナスモータ(SPM)、埋込磁石構造型シンクロナスモータ(IPM)などの永久磁石型同期モータなど、他のモータを用いても良い。
上記の実施例1、2では、電動アクチュエータ1として、電動モータ5と減速機6を組み合わせた例を示したが、電動モータ5の出力によって出力軸17を直接駆動する電動アクチュエータ1を用いても良い。
2 自動変速機
3 シフトレンジ切替機構
5 電動モータ
6 減速機
9 SBW制御装置
9a SBW記憶装置
10 AT制御装置
10a AT記憶装置
17 出力軸
82 シフトレンジ設定手段
83 車速センサ(運転パラメータ検出手段の一例)
84 タービンセンサ(運転パラメータ検出手段の一例)
Claims (9)
- (a1)車両走行用のエンジンの回転を変速して車輪側へ出力する自動変速機と、
(a2)前記エンジンの運転状態、車両の走行状態、乗員の運転指示などの運転パラメータを検出する運転パラメータ検出手段と、
(a3)この運転パラメータ検出手段の検出した運転パラメータに応じて前記自動変速機の変速状態を制御するAT制御装置とを備えた自動変速装置に設けられ、
(b1)前記自動変速機の実シフトレンジを切り替えるシフトレンジ切替機構と、
(b2)このシフトレンジ切替機構を駆動する出力軸を備え、通電を受けて回転出力を発生する電動モータによって前記出力軸を直接駆動する、あるいは前記電動モータの回転を減速して前記出力軸を駆動する電動アクチュエータと、
(b3)シフトレンジ設定手段から出力されるレンジ要求値と、自身が認識する前記出力軸の回転角度(以下、出力軸位置と称す)とに基づいて前記電動モータを制御することで、前記シフトレンジ切替機構を駆動して実シフトレンジの切り替えを行うSBW制御装置と、を具備するシフトレンジ切替装置であって、
(c1)前記SBW制御装置は、
データを記憶するSBW記憶装置と、
前記SBW制御装置自身が認識している出力軸位置を前記SBW記憶装置に記憶させる第1出力軸位置記憶手段と、
当該SBW制御装置自身が電源の瞬断によって再起動された場合に、
電源の瞬断前に前記電動モータを駆動しておらず、且つ電源の瞬断前に前記SBW記憶装置に記憶された出力軸位置が破壊されていない場合、再起動後における出力軸位置を、前記SBW記憶装置に記憶された出力軸位置とする第1再起動手段とを備えることを特徴とするシフトレンジ切替装置。 - (a1)車両走行用のエンジンの回転を変速して車輪側へ出力する自動変速機と、
(a2)前記エンジンの運転状態、車両の走行状態、乗員の運転指示などの運転パラメータを検出する運転パラメータ検出手段と、
(a3)この運転パラメータ検出手段の検出した運転パラメータに応じて前記自動変速機の変速状態を制御するAT制御装置とを備えた自動変速装置に設けられ、
(b1)前記自動変速機の実シフトレンジを切り替えるシフトレンジ切替機構と、
(b2)このシフトレンジ切替機構を駆動する出力軸を備え、通電を受けて回転出力を発生する電動モータによって前記出力軸を直接駆動する、あるいは前記電動モータの回転を減速して前記出力軸を駆動する電動アクチュエータと、
(b3)シフトレンジ設定手段から出力されるレンジ要求値と、自身が認識する出力軸位置とに基づいて前記電動モータを制御することで、前記シフトレンジ切替機構を駆動して実シフトレンジの切り替えを行うSBW制御装置と、を具備するシフトレンジ切替装置であって、
(c2)前記SBW制御装置は、当該SBW制御装置自身が電源の瞬断によって再起動された場合に、
電源の瞬断前に前記電動モータを駆動していない場合、再起動後における出力軸位置を、前記シフトレンジ設定手段から出力されるレンジ要求値とする第2再起動手段を備えることを特徴とするシフトレンジ切替装置。 - (a1)車両走行用のエンジンの回転を変速して車輪側へ出力する自動変速機と、
(a2)前記エンジンの運転状態、車両の走行状態、乗員の運転指示などの運転パラメータを検出する運転パラメータ検出手段と、
(a3)この運転パラメータ検出手段の検出した運転パラメータに応じて前記自動変速機の変速状態を制御するAT制御装置とを備えた自動変速装置に設けられ、
(b1)前記自動変速機の実シフトレンジを切り替えるシフトレンジ切替機構と、
(b2)このシフトレンジ切替機構を駆動する出力軸を備え、通電を受けて回転出力を発生する電動モータによって前記出力軸を直接駆動する、あるいは前記電動モータの回転を減速して前記出力軸を駆動する電動アクチュエータと、
(b3)シフトレンジ設定手段から出力されるレンジ要求値と、自身が認識する出力軸位置とに基づいて前記電動モータを制御することで、前記シフトレンジ切替機構を駆動して実シフトレンジの切り替えを行うSBW制御装置と、を具備するシフトレンジ切替装置であって、
(c3)前記AT制御装置は、データを記憶するAT記憶装置と、前記AT制御装置自身が認識する出力軸位置を前記AT記憶装置に記憶させる第2出力軸位置記憶手段とを備え、
前記SBW制御装置は、当該SBW制御装置自身が電源の瞬断によって再起動された場合に、
再起動後における出力軸位置を、前記AT記憶装置に記憶された出力軸位置とする第3再起動手段を備えることを特徴とするシフトレンジ切替装置。 - (a1)車両走行用のエンジンの回転を変速して車輪側へ出力する自動変速機と、
(a2)前記エンジンの運転状態、車両の走行状態、乗員の運転指示などの運転パラメータを検出する運転パラメータ検出手段と、
(a3)この運転パラメータ検出手段の検出した運転パラメータに応じて前記自動変速機の変速状態を制御するAT制御装置とを備えた自動変速装置に設けられ、
(b1)前記自動変速機の実シフトレンジを切り替えるシフトレンジ切替機構と、
(b2)このシフトレンジ切替機構を駆動する出力軸を備え、通電を受けて回転出力を発生する電動モータによって前記出力軸を直接駆動する、あるいは前記電動モータの回転を減速して前記出力軸を駆動する電動アクチュエータと、
(b3)シフトレンジ設定手段から出力されるレンジ要求値と、自身が認識する出力軸位置とに基づいて前記電動モータを制御することで、前記シフトレンジ切替機構を駆動して実シフトレンジの切り替えを行うSBW制御装置と、を具備するシフトレンジ切替装置であって、
(c4)前記SBW制御装置は、当該SBW制御装置自身が電源の瞬断によって再起動された場合に、
電源の瞬断前に前記電動モータを駆動していた場合、当該SBW制御装置の作動のみで出力軸位置を確定できない旨を前記AT制御装置に通知する第4再起動手段を備えることを特徴とするシフトレンジ切替装置。 - (a1)車両走行用のエンジンの回転を変速して車輪側へ出力する自動変速機と、
(a2)前記エンジンの運転状態、車両の走行状態、乗員の運転指示などの運転パラメータを検出する運転パラメータ検出手段と、
(a3)この運転パラメータ検出手段の検出した運転パラメータに応じて前記自動変速機の変速状態を制御するAT制御装置とを備えた自動変速装置に設けられ、
(b1)前記自動変速機の実シフトレンジを切り替えるシフトレンジ切替機構と、
(b2)このシフトレンジ切替機構を駆動する出力軸を備え、通電を受けて回転出力を発生する電動モータによって前記出力軸を直接駆動する、あるいは前記電動モータの回転を減速して前記出力軸を駆動する電動アクチュエータと、
(b3)シフトレンジ設定手段から出力されるレンジ要求値と、自身が認識する出力軸位置とに基づいて前記電動モータを制御することで、前記シフトレンジ切替機構を駆動して実シフトレンジの切り替えを行うSBW制御装置と、を具備するシフトレンジ切替装置であって、
(c5)前記AT制御装置は、
前記SBW制御装置の電源が瞬断されたか否かを検出する瞬断検出手段と、
前記SBW制御装置の電源瞬断を検出すると、前記AT制御装置が有する情報を基に出力軸位置の特定を行う第5再起動手段とを備えることを特徴とするシフトレンジ切替装置。 - 請求項5に記載のシフトレンジ切替装置において、
前記第5再起動手段は、前記SBW制御装置の電源瞬断を検出すると、電源の瞬断前に前記電動モータを駆動していない場合に、
前記SBW制御装置の再起動後における出力軸位置を、前記AT制御装置のAT記憶装置に記憶された出力軸位置とする第6再起動手段を備えることを特徴とするシフトレンジ切替装置。 - 請求項5に記載のシフトレンジ切替装置において、
前記第5再起動手段は、前記SBW制御装置の電源瞬断を検出すると、
前記自動変速機をニュートラル状態にするとともに、前記SBW制御装置に対して壁位置検出を行って出力軸位置の特定を行うように要求する第7再起動手段を備えることを特徴とするシフトレンジ切替装置。 - 請求項5に記載のシフトレンジ切替装置において、
前記第5再起動手段は、前記SBW制御装置の電源瞬断を検出すると、電源の瞬断前に前記電動モータを駆動していた場合に、
電源の瞬断前における前記電動モータの回転方向を読み込む第1ステップと、
前記エンジンの回転数と前記自動変速機におけるトルクコンバータのタービン回転数から、現在の実シフトレンジが、PシフトレンジまたはNシフトレンジ(以下、P/Nレンジと称す)であるか、DシフトレンジまたはRシフトレンジ(以下、D/Rレンジと称す)であるかの判定を行う第2ステップと、
電源の瞬断前に確定していた出力軸位置を読み込む第3ステップとを実施し、
前記第1〜第3ステップの関係に基づいて出力軸位置の確定を行う第8再起動手段を備えることを特徴とするシフトレンジ切替装置。 - 請求項5に記載のシフトレンジ切替装置において、
前記AT制御装置は、
前記SBW制御装置の電源が瞬断されたことを検出した後、出力軸位置が確定されたら、前記SBW制御装置が正常に復帰したと判断する第9再起動手段を備えることを特徴とするシフトレンジ切替装置。
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