(実施形態1)
まず、図2を参照して、本実施の形態に係る印刷管理システム1の概略構成について説明する。なお、この図2は本実施の形態に係る印刷管理システム1の概略構成の一例を示図である。
この印刷管理システム1は、図2に示すように1台以上のユーザ端末2と、1台以上の管理者端末3と、1台以上の複合型プリンタ(Multi Function Printer)(MFP)4と、スケジュール管理装置5とが、通信ネットワーク6を介して相互に通信可能に接続された構成となっている。
上記ユーザ端末2は、ユーザからの指示に応じて印刷データ45作成し、この印刷データ45を複合型プリンタ4に送信して印刷処理を要求するものである。複合型プリンタ4に対して、ユーザ端末2から印刷処理の要求を行う際、ユーザ端末2の操作者であるユーザを特定するための例えばアカウント情報72を送信する。
また、ユーザ端末2では、後述するが、スケジュール管理装置5に対して、ユーザ端末2の操作者であるユーザに関するスケジュールを送信するように要求したり、管理者端末3に対して、上記ユーザに割り当てられている印刷枚数の上限値の設定変更の承認(許可)を要求したりする。
上記管理者端末3は、印刷管理システム1において各ユーザ端末2のユーザの印刷処理に関する管理を行う管理者が利用する端末装置である。
なお、この管理者とは、印刷管理システム1において、ユーザ端末2を利用する利用者それぞれに対して何枚まで印刷を許可するか等、印刷枚数の上限値の設定を行うことができる権限を有するものであり、会社組織などでは例えば管理職種にあるものが該当する。また、この管理者端末3は、図2において複数備えられているがこれに限定されるものではなく、管理者端末3が1台だけ備えられた構成であってもよい。
管理者端末3が1台だけ備えられている場合、この管理者端末3を操作する管理者の所在が明確であるため、管理者端末3が複数台備えられている構成に比べてユーザ端末2から行われる印刷枚数の上限値の設定変更の許可の要求先を容易に設定できる。
また、印刷管理システム1において複数の管理者端末3が備えられている場合、ユーザ端末2からの要求等を複数の管理者端末3で分散させて処理できるため、1台の管理者端末3に、複数のユーザ端末2からの要求等が集中する場合と比べてユーザ端末2からの要求等に対する処理の効率が向上する。
なお、管理者端末3は、一般的なコンピュータと同様の構成を有している。すなわち、これらの装置は、処理装置(CPU(Central Processing Unit))と、記憶装置と、外部の装置とのインターフェースをとるインターフェース装置とを備えており、各種の動作は、記憶装置に記憶されたプログラムを処理装置に実行させることにより行なわれる。
上記複合型プリンタ4は、ユーザ端末2から送信された印刷データ45あるいは、当該複合型プリンタ4で読取った印刷データ45に基づき、印刷を行ったり、通信ネットワーク6、あるいは別途設けられた電話回線(不図示)を介して入力された外部のファクシミリ装置(不図示)から受信したデータを印刷したりする等、複数の機能が一体となった複合型のプリンタである。この複合型プリンタ4の構成に関する詳細は後述する。
通信ネットワーク6は、ユーザ端末2,管理者端末3,複合型プリンタ4,およびスケジュール管理装置5間の通信経路を構成するものである。通信ネットワーク6には、インターネット、LAN(Local Area Network)、独自回線など、公知の通信ネットワークを利用することができる。
スケジュール管理装置5は、本実施の形態に係る印刷管理システム1において備えられているユーザ端末2のユーザそれぞれのスケジュール、またはいくつかのユーザ端末2によって形成される所定のグループのスケジュールなどを管理するものである。スケジュール管理装置5は、管理しているスケジュールの情報を、ユーザ端末2,管理者端末3,および複合型プリンタ4それぞれからの要求に応じて、各装置に送信し、それぞれの装置において閲覧可能とすることができる。
なお、本実施の形態に係る印刷管理システム1において、スケジュール管理装置5が1つだけ備えられている構成であるが、複数備えられている構成であってもよい。例えば、部署ごとにスケジュールを管理する要求が高い場合は、部署ごとにこのスケジュール管理装置5が備えられ、これらスケジュール管理装置5は保持するスケジュールの情報を他のスケジュール管理装置5と共有できるように、これらの情報を相互に送受信できる構成であることが好ましい。
あるいは、全てのスケジュール管理装置5が、自身が管理している部署のスケジュールの情報のみならず、他の部署のスケジュールの情報を含む全てのスケジュールの情報を保持する構成であってもよい。
このように、部署ごとにスケジュール管理装置5が備えられている場合、多くの部者が存在し、それぞれの部署で印刷用紙の使用枚数を管理しなければならないとき、部署ごとのスケジュールを直ぐに把握できるため有利である。
また、複数のスケジュール管理装置5が印刷管理システム1に備えられている場合、複数のスケジュール管理装置5によって分散して処理を行うことができるため、1つのスケジュール管理装置5にアクセスが集中して負荷が大きくなることを防ぐこともできる。
また、スケジュール管理装置5とともに、当該スケジュール管理装置5が保持するデータのバックアップ用に別のスケジュール管理装置5が設けられている構成であってもよい。この場合は、例えば一方のスケジュール管理装置5が故障あるいは保持するデータの破壊等生じた場合、他方のスケジュール管理装置5によって対応することができる。
ところで、本実施の形態に係る印刷管理システム1では、各ユーザに対して、複合型プリンタ4にて印刷処理可能な印刷枚数が予め割り当てられている。このため、印刷管理システム1では、各ユーザあるいは各グループで不必要な印刷処理を行うことを抑制し、経費節減および印刷用のシートまたはトナー等の資源の消費を抑えることができる。
なお、複合型プリンタ4にて印刷処理できるシートの枚数は、各ユーザだけではなく、複数のユーザから構成される部署単位、または任意のユーザから構成されたチーム単位等、当該複合型プリンタ4の利用実態に応じて割り当てられる。
(ユーザ端末の構成)
以下、ユーザ端末2の構成について図18を参照して説明する。なお、この図18は、ユーザ端末2の概略構成の一例を示すブロック図である。
上記ユーザ端末2は、図18に示すように、ユーザ端末入出力部160,ユーザ端末記憶部161,ユーザ端末制御部162,およびユーザ端末通信部163を備えている。
ユーザ端末入出力部160は、入力手段を用いてユーザからの入力を受け付けたり、出力手段を用いて、ユーザへの入力指示の内容を表示したりするものである。この入力手段の例としては、キーボード、テンキー、カーソルキー、マウスなどのポインティングデバイス、およびタッチパネルが挙げられる。また、出力手段の例としては、LCD(Liquid Crystal Display)などの各種ディスプレイが挙げられる。
ユーザ端末通信部163は、通信ネットワーク6を通じて管理者端末3,複合型プリンタ4,またはスケジュール管理装置5と情報の送受信を可能とするものである。具体的には、ユーザ端末通信部163は、ユーザ端末制御部162からの指示に応じて、複合型プリンタ4に対し、印刷データを送信し印刷処理の指示を行ったり、複合型プリンタ4からユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値の変更要求を行うか否かの問合せを受信したりする。
あるいは、ユーザ端末通信部163は、スケジュール管理装置5からスケジュールの情報を受信したり、管理者端末3からユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値の変更の承認または不承認に関する指示を受信したりする。
ユーザ端末記憶部161は、例えばフラッシュEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性記憶媒体、あるいはハードディスクによって実現可能である。そして、このユーザ端末記憶部161には、印刷データ45が記憶されている。
ユーザ端末制御部162は、ユーザ端末2における各部に対する各種制御を行うものである。このユーザ端末制御部162は、機能ブロックとしてアプリケーション処理部170,印刷処理部171を備えている。
アプリケーション処理部170は、ユーザ端末入出力部160によって、ユーザから入力された情報に基づき印刷データを作成するものである。この作成した印刷データ45はユーザ端末記憶部161に記憶される。
印刷処理部171は、ユーザ端末入出力部160、あるいはアプリケーション処理部170からの指示に応じて、ユーザ端末記憶部161に記憶されている印刷データを読出し、ユーザ端末通信部163を介して複合型プリンタ4に印刷データおよび印刷処理指示などを送信するものである。
なお、ユーザ端末制御部162の具体的な処理は後述する。
(複合型プリンタの構成)
以下、複合型プリンタ4の詳細な構成について図1に基づいて説明する。図1は、複合型プリンタ4の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、複合型プリンタ4は、表示操作部11,画像入力部12,プリンタ制御部13,プリンタ通信部14,画像形成部15,プリンタ記憶部16,および計時部17を備えている。
表示操作部11は、入力手段を用いてユーザからの入力を受け付けたり、出力手段を用いて、ユーザへの入力指示の内容を表示したりするものである。この入力手段の例としては、キーボード、テンキー、カーソルキー、マウスなどのポインティングデバイス、およびタッチパネルが挙げられる。また、出力手段の例としては、LCD(Liquid Crystal Display)などの各種ディスプレイが挙げられる。なお、後述する設定変更問合せ部20とこの表示操作部11とによって、スケジュール選択出力手段を実現する。
画像入力部12は、画像の複写等を行うために、画像を印刷データ45として取り込むためのものである。なお、本明細書において、この画像には図形や写真、絵等以外に文字も含まれるものとする。
プリンタ通信部14は、通信ネットワーク6を通じてユーザ端末2,管理者端末3,またはスケジュール管理装置5と情報の送受信を可能とするものである。具体的には、プリンタ通信部14は、プリンタ制御部13からの指示に応じてユーザ端末2に対し、印刷枚数の上限に達した旨の情報を伝えたり、ユーザ端末2からの印刷枚数の上限の拡大要求を受信したりする。
あるいは、プリンタ通信部14は、スケジュール管理装置5からスケジュールの情報を受信したり、管理者端末3からユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値の変更の承認または不承認に関する指示を受信したりする。
画像形成部15は、プリンタ通信部14を介して受信した、あるいは画像入力部12によって読取られた印刷データ45に基づき、シートに画像の印刷を行うものである。この画像形成部15において画像が印刷されたシートは用紙排出口(不図示)に送出され、この用紙排出口から排出される。
計時部17は、管理者端末3からの応答期間を計測し管理するものである。すなわち、複合型プリンタ4では管理者端末3に対して印刷処理を要求するユーザに割り当てられている印刷枚数の上限値の設定変更を依頼する場合、この管理者端末3からの応答が所定の期間内に受信できない場合は印刷されないように設定されている。
この計時部17は、この所定の期間を計測するタイマである。この所定の期間は印刷管理システム1において適切な時間に計時部17によって設定できる。このため、管理者端末3からの応答をずっと複合型プリンタ4が待ちつづけ、印刷枚数の上限値の変更を要求しているユーザの処理を停滞させることがないように、管理者端末3からの応答が受信可能な適切な時間に設定できる。
また、管理者端末3が複数ある場合には、それぞれの管理者端末3の操作者である管理者の業務状態から個別に適切な時間を設定することもできる。
プリンタ記憶部16は、例えばフラッシュEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性記憶媒体、あるいはハードディスクによって実現可能である。そして、このプリンタ記憶部16には、印刷条件27(印刷制限情報)および印刷未処理データ28が記憶されている。なお、後述する印刷枚数監視部21とこのプリンタ記憶部16によって印刷未処理データ記憶手段を実現する。
印刷条件27は、印刷処理を要求するユーザ端末2のユーザまたはグループを特定するためのアカウント情報72と、このユーザまたはグループに予め割り当てられている印刷枚数の上限値と、いままでの印刷枚数の履歴とが対応付けられている情報である。
印刷未処理データ28とは、プリンタ通信部14を介して受信した印刷データ45、あるいは、画像入力部12によって読取られた印刷データ45のうち印刷処理が未処理である印刷データである。
より具体的には、本実施の形態に係る複合型プリンタ4では、印刷処理時に、印刷枚数が予め割り当てられている上限値を超えた場合、ユーザ端末2から管理者端末3に対して上限値の変更を要求する。この管理者端末3への上限値の設定変更の要求を行う際に、複合型プリンタ4では、一旦印刷処理が途中である印刷未処理データ28がプリンタ記憶部16に格納されるように構成されている。
プリンタ制御部13は、複合型プリンタ4における各部に対する各種制御をおこなうものである。プリンタ制御部13は、機能ブロックとして設定変更問合せ部20,印刷枚数監視部21,印刷データ取得部22,承認確認部23,スケジュール送信要求部24,および設定変更指示部25を備えている。これら機能ブロックとして実現できる各部は、例えば、CPUが不図示のROM(Read Only Memory)に記憶されているプログラムを不図示のRAM(Random Access Memory)に読出し実行することによって実現できる。
印刷データ取得部22は、画像入力部12によって読み出された印刷データ45を、あるいはプリンタ通信部14を介してユーザ端末2から送信された印刷データ45を取得するものである。
この印刷データ取得部22は、取得した印刷データ45を、印刷枚数監視部21を介して画像形成部15に送信し、この印刷データに基づく印刷処理を行うように指示する。
印刷枚数監視部21(許可量判定手段・印刷停止手段・印刷使用量通知手段)は、印刷データ45の印刷を要求しているユーザ端末2のユーザに予め割り当てられている印刷枚数の上限値に到達していないか監視するものである。印刷枚数監視部21は、印刷枚数の上限値に到達していないか監視しながら印刷データ取得部22から受信した印刷データ45を画像形成部15に送信し、当該印刷データ45に基づく印刷処理を行うように指示する。なお、この印刷枚数監視部21と、後述する承認確認部23とによって、印刷使用量通知手段を実現する。
また、印刷枚数監視部21は、印刷枚数の上限値に到達したと判定した場合、画像形成部15に印刷データ45の印刷処理を停止するように指示を出し、印刷処理が未処理である印刷未処理データ28をプリンタ記憶部16に記憶させる。さらに印刷枚数監視部21は、上記判定結果を設定変更問合せ部20に通知し、上限値の設定変更を要求するか否かをユーザに問い合わせるように指示する。
上記設定変更問合せ部20(変更要求確認手段)は、上記印刷枚数監視部21の指示に応じて、印刷処理を指示しているユーザに対して印刷枚数の上限値の設定変更を要求するか否かについて問合せを行うものである。この設定変更問合せ部20は、複合型プリンタ4がユーザ端末2から送信された印刷データ45に基づき印刷処理を行っている場合、プリンタ通信部14を介して当該ユーザ端末2に上記した問合せを行い、ユーザの上限値の設定変更を要求するか否かに関する意思を確認する。なお、この設定変更問合せ部20と印刷枚数監視部21とによって印刷未処理情報通知手段を実現する。
一方、複写のように印刷データ45を画像入力部12によって読取っている場合、設定変更問合せ部20は、印刷枚数の上限値の設定変更を要求するか否かについて表示するように表示操作部11に指示を出す。
そして、この設定変更問合せ部20は、表示操作部11またはユーザ端末2から印刷枚数の上限値の設定変更を要求するか否かに関するユーザの返答を受信し、ユーザが上限値の設定変更を要求する場合は、スケジュール送信要求部24に対して当該ユーザのスケジュールをスケジュール管理装置5から取得するように指示を出す。
一方、ユーザが上限値の設定変更を要求しない場合は、印刷枚数監視部21に画像形成部15に対して印刷処理を終了するように指示する。
スケジュール送信要求部24(印刷スケジュール取得手段)は、上記設定変更問合せ部20からの指示に応じて、印刷処理を指示しているユーザに関するスケジュールを送信するようにスケジュール管理装置5に対して要求し、このスケジュールを取得するものである。
スケジュール送信要求部24は、スケジュール管理装置5からスケジュールを受信すると、このスケジュールを設定変更指示部25に渡すとともに、管理者端末3に対して印刷枚数の上限値の設定変更について承認するよう依頼するように指示を出す。
設定変更指示部25は、上記スケジュール送信要求部24からの指示に応じて、上記スケジュールを送信するとともに、上記ユーザに割り当てられている上限値の設定変更を承認するように管理者端末3に対して依頼するものである。なお、設定変更指示部25と承認確認部23とによって変更許可確認手段を実現する。
承認確認部23は、上記設定変更指示部25からの依頼に応じて、管理者端末3から、印刷枚数の上限値の設定変更を承認するか否かの指示を受信するものである。管理者端末3から上記設定変更を許可する旨の通知を受信した場合、承認確認部23は、管理者端末3からの通知に応じて印刷処理を指示しているユーザに関する印刷条件27を書き換える。また、承認確認部23は、印刷枚数監視部21に画像形成部15に対して印刷処理を続行するよう指示するように通知する。なお、この承認確認部23は、計時部17に指示を出して管理者端末3からの変更許可に関する応答に対する待ち時間を任意に設定することができる。すなわち、承認確認部23と計時部17とで応答時間設定手段を実現する。
(スケジュール管理装置の構成)
次に、スケジュール管理装置5の詳細な構成について図3に基づいて説明する。図3は、スケジュール管理装置5の概略構成の一例を示す図である。
図3に示すようにスケジュール管理装置5は、印刷管理システム1における各ユーザまたは各部署やプロジェクトチーム等のグループそれぞれのスケジュールを管理するものであり、入出力部31,管理装置制御部32,管理装置記憶部33,および管理装置通信部34を備える。
入出力部31は、入力手段を用いて、初期設定でのスケジュールの入力情報を作成し、作成した入力情報を管理装置制御部32に送信したり、出力手段を用いて、管理装置制御部32から出力情報を受け取り、受け取った出力情報を出力したりする。この入力手段の例としては、キーボード、テンキー、カーソルキー、マウスなどのポインティングデバイス、およびタッチパネルが挙げられる。また、出力手段の例としては、LCD(Liquid Crystal Display)などの各種ディスプレイが挙げられる。
なお、このスケジュールの情報の入力は、例えば、管理職等の特定の操作者である管理者のみによって入力できるようにあらかじめパスワードが決められている。あるいは、スケジュールの入力可能な操作者のアカウント情報72がスケジュール管理装置5において記録されており、特定のアカウント情報72の操作者のみしかスケジュールの情報を入力できないように構成されている。
入出力部31を介してスケジュール情報を入力する場合、まず管理者はパスワード、あるいは自身を特定するためのアカウント情報72をスケジュール管理装置5に入力する。この入力されたパスワードあるいはアカウント情報72に基づき、管理部40がスケジュール情報の入力の許可あるいは非許可を判定する。そして、許可された操作者である場合、入力されたスケジュールは管理部40が受信し、スケジュールファイル42にこの入力されたスケジュールを書込み管理装置記憶部33に記憶させる。
管理装置通信部34は、通信ネットワーク6に接続して、外部のユーザ端末2や複合型プリンタ4に対し各種データを送受信できるようにするものである。すなわち、この管理装置通信部34は、送信すべきデータを、通信に適した形式に変換した後通信ネットワーク6上に送信するとともに、受信したデータを装置内部での処理に適した形式に変換して管理装置制御部32に送出する。管理装置通信部34は、例えばモデム、ターミナルアダプタ、ネットワークアダプタなどによって構成される。
上記管理装置記憶部33は、各種情報を記憶する機能を有し、例えば半導体メモリやハードディスクによって構成される。本実施の形態に係るスケジュール管理装置5では、この管理装置記憶部33においてスケジュールファイル42を記憶している。このスケジュールファイルに関する詳細は後述する。
上記管理装置制御部32は、スケジュール管理装置5内の各種構成を統括的に制御する機能を有するものである。管理装置制御部32は機能ブロックとして管理部40および設定部41を備えている。なお、これら機能ブロックによって示される各部は、CPUが不図示のROM等に記憶されているプログラムを不図示のRAMに読出し実行することで実現できる。
上記設定部41は、入出力部31を介してスケジュール情報等が入力された場合、この情報の入力者が正規の入力者であるか否かを判定し、正規の入力者による入力操作である場合は、この入力されたスケジュールをスケジュールファイル42に書込むものである。
また、上記設定部41は、あるユーザの指示に応じて印刷処理がなされた場合、この印刷処理の結果使用した印刷枚数をこのユーザのスケジュールに書込む。すなわち、設定部41は、複合型プリンタ4から印刷処理の終了通知とともに印刷処理によって使用された印刷枚数の結果を受信した場合、この受信した印刷枚数の結果を、上記ユーザのスケジュールに書込む。
(スケジュールファイル)
次に、この管理装置記憶部33に記憶されている、スケジュールファイル42について図4を参照して説明する。図4は、本実施の形態に係るスケジュールファイルの一例を示す図である。
上記スケジュールファイル42は、図4に示すように、例えば、共有スケジュール43…(共有スケジュールA、共有スケジュールB…)やユーザ個人スケジュール44…(ユーザA個人スケジュール、ユーザB個人スケジュール…)などのように、印刷管理システム1において印刷枚数を管理する対象ごとに管理されているスケジュールの情報を含んでいる。
なお、上記共有スケジュールとは、例えばある部署またはあるプロジェクトチーム単位でのスケジュールである。一方、ユーザ個人スケジュールは、複合型プリンタ4を利用するユーザ各個人のスケジュールである。
また、スケジュールファイル42において共有スケジュール43およびユーザ個人スケジュール44の2種類で管理されているが、スケジュールの管理はこれらの2種類に限定されるものではなく、さらにこれらのスケジュールを仕事上の重要度に応じてさらに細分化して管理されていてもよい。
また、これら共有スケジュール43およびユーザ個人スケジュール44はそれぞれ、部署またはプロジェクトチーム等のグループを特定するためのアカウント情報72や、ユーザ個人を特定するためのアカウント情報72が対応付けられており、スケジュール管理装置5は、受信したアカウント情報72に基づいて該当するスケジュールをスケジュールファイル42から選択することができる。
また、共有スケジュールに関しては、このスケジュールを利用可能なユーザを予め設定しておき、上記ユーザのアカウント情報72のみ共有スケジュール43を利用できるように設定されていてもよい。
共有スケジュール43およびユーザ個人スケジュール44の内容は、図4に示すように日時,印刷目的,必要な印刷枚数等の情報が対応づけて記録されている。なお、共有スケジュールの場合は、印刷目的となる例えば会議等への参加人数等がさらに対応づけられて記録される。
このように、スケジュールには、日時,印刷目的、および必要な印刷枚数、さらには参加人数等の情報が対応付けて記録されているため、どの日時のどのような使用目的で印刷物の枚数がいくら必要となるか把握することができる。
また共有スケジュール43およびユーザ個人スケジュール44に記録されているスケジュール内容と印刷データ45とは対応付けられており、例えば共有スケジュールAに示すスケジュール内容に対して図5に示す印刷データ45が対応付けられる。図5は、スケジュールに対応付けられた印刷データの表示内容の一例を示す図である。
このスケジュール内容と印刷データ45との対応づけは、印刷データ45のヘッダ情報とスケジュール内容とが対応するように設定されることで実現できる。ただし、この印刷データ45とスケジュール内容との対応付けは、印刷データ45がユーザ端末2から送信されるような電子データである場合のみ可能であり、複写のように印刷用のシートから印刷データ45を画像入力部12によって読取る場合は、印刷データ45とスケジュールの内容の対応付けはできないこととなる。
そこで、後述するが複写を行う場合、印刷データ45に対応するスケジュール内容を選択する場合は、表示操作部11において、ユーザに関するスケジュールを表示させ、その中からこの印刷データ45に対応するスケジュール内容をユーザに選択させることとなる。
また、後述するがこの共有スケジュール43およびユーザ個人スケジュール44では、これらスケジュールに記録されている印刷目的に対して実際に印刷処理が行われた場合、印刷された枚数の結果が書き込まれるようになっている。
したがって、スケジュールで前もって予定していた印刷枚数と実際に印刷された枚数の誤差を過去のスケジュールの履歴から知ることができる。
このため、スケジュールの履歴に基づいて、印刷枚数の上限値を1月単位、あるいは年間単位で各個人または各部署に適切に割り当てることができ、1月単位または年間単位での必要となる印刷枚数を計上し予算を組むことができる。
(ユーザ端末からの印刷指示における印刷処理)
次に、ユーザ端末2から複合型プリンタ4に対して、印刷指示とともに印刷データ45が送信される場合における複合型プリンタ4の印刷処理について図9を参照して説明する。図9は、ユーザ端末2から印刷データ45の印刷指示が出された場合における複合型プリンタ4での処理を示すフローチャートである。
ところで、本実施の形態に係る複合型プリンタ4は、受信した印刷データ45に基づく印刷枚数が、印刷中に、ユーザに割り当てられている印刷枚数の上限値に到達した場合、管理者端末3にこの上限値の設定変更を要求し、印刷処理を続行することが可能となるように構成されている。
したがって、本実施形態においてユーザ端末2のユーザには印刷可能な枚数、すなわち印刷枚数の上限値が予め割り当てられているものとして以下に、ユーザ端末2から送信された印刷データ45に基づく印刷処理に関する説明を行う。
まず、複合型プリンタ4は、ユーザ端末2から印刷データ45とともに、この印刷データ45の印刷処理の指示を受信する(ステップS1、これ以降S1のように称する)。なお、ユーザ端末2は、複合型プリンタ4に対して、この印刷データ45および印刷処理の指示を送信する際、ユーザに割り当てられているアカウント情報72も送信している。
すなわち、複合型プリンタ4において、印刷データ取得部22が通信ネットワーク6を通じてユーザ端末2から印刷データ45,印刷処理指示,およびアカウント情報72を受信する。そして、ユーザ端末2から受信した印刷処理指示に応じて、印刷データ取得部22は、ユーザ端末2から受信した印刷データ45を、印刷枚数監視部21を介して画像形成部15に送信し、受信した印刷データ45に基づく印刷処理を開始する(S2)。
印刷処理を行っている間、複合型プリンタ4では、受信したアカウント情報72に基づき、印刷データ45の送信元であるユーザ端末2のユーザに割り当てられている印刷枚数の上限値に到達しているか否かを判定する(S3)。
すなわち、複合型プリンタ4では印刷枚数監視部21が、印刷データ取得部22から受信したアカウント情報72に基づき、プリンタ記憶部16に記憶されている印刷条件27を参照して、印刷データ45の送信元であるユーザ端末2に割り当てられた印刷枚数の上限値を確認する。そして、印刷枚数監視部21は、印刷データ取得部22から受信した印刷データ45を画像形成部15に順次渡し、印刷枚数がこの上限値を到達しているか否かを判定する。
ステップS3において「No」の場合、すなわち、印刷枚数監視部21が、受信した印刷データ45に基づく印刷処理において、ユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値に達していないと判定している間、この印刷データ45に基づく印刷処理を続行する(S4)。そして、印刷枚数監視部21が最終ページの印刷であると判定する(ステップS5において「Yes」と判定)まで印刷処理が行われる。
一方、印刷データ45の印刷枚数が、ユーザに割り当てられた上限値に到達した場合(ステップS3において「Yes」の場合)、すなわち印刷枚数監視部21が印刷処理を行っている最中に、印刷枚数がユーザに割り当てられた上限値に達したと判定した場合、この印刷枚数の上限値の変更を要求するか否についてユーザ端末2に問い合わせる(S8)。
すなわち、印刷枚数監視部21が、印刷処理を要求するユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値に到達した判定すると、設定変更問合せ部20にその判定結果を通知する。設定変更問合せ部20は、印刷枚数監視部21からの通知に応じて、プリンタ通信部14を介して印刷データ45の送信元のユーザ端末2に印刷枚数の上限値の変更を要求するか否かを問い合わせる情報を、サムネイルを添付して送信する。
なお、このサムネイルは印刷処理が行われていない印刷未処理データ28を図的に示すものである。このように、複合型プリンタ4は、サムネイルを添付して上限値の変更を要求するか否かをユーザ端末2に問い合わせることができるため、ユーザは、印刷未処理データ28の印刷処理の必要性をすぐに確認することができる。
また、印刷データ45の送信元であるユーザ端末2の特定は、設定変更問合せ部20が、印刷枚数監視部21から当該ユーザ端末2のユーザのアカウント情報72を受信することで実現できる。
一方、上記した問合せに対するユーザ端末2からの返答を、設定変更問合せ部20がプリンタ通信部14を介して受信し、上記返答の内容が、上記印刷枚数の上限値の設定変更を要求するものであるのか否かを確認する(S8)。
設定変更問合せ部20は、ユーザ端末2からの返答内容が上限値の設定変更を要求するものであると判定した場合(S8において「Yes」)、受信している印刷データ45のうち印刷処理未処理分のデータである印刷未処理データ28をプリンタ記憶部16に記憶させるように印刷枚数監視部21に指示を出す。この指示に応じて、印刷枚数監視部21は、プリンタ記憶部16に上記印刷未処理データ28を記憶させる(S9)。
また、設定変更問合せ部20は、スケジュール管理装置5から上記ユーザ端末2のユーザに関するスケジュールを取得するように指示を出すスケジュール送信要求部24に指示を出す。なお、この指示を行う際、設定変更問合せ部20は、上記ユーザ端末2のユーザのアカウント情報72をスケジュール送信要求部24に送信する。
設定変更問合せ部16からの指示に応じて、スケジュール送信要求部24は、スケジュール管理装置5に対して、ユーザ端末2のユーザに関するスケジュールを送信するように指示する(S10)。
スケジュール送信要求部24からの指示に応じて、スケジュール管理装置5は、自身が保持しているスケジュールファイル42の中から、受信したアカウント情報72に対応するスケジュールを選択し、このスケジュールをユーザ端末2に送信する。
また、スケジュール情報を取得したユーザ端末2は、このスケジュール情報の中から印刷中の印刷データ45と対応するスケジュールを選択して、管理者端末3に対して印刷枚数の上限値の設定変更を要求する。
管理者端末3は、ユーザ端末2から送信された印刷枚数の上限値の設定変更の要求を受信すると、この要求に対する応答を複合型プリンタ4に送信する。
なお、上記したユーザ端末2およびスケジュール管理装置5における処理の詳細は後述する。
ステップS10においてスケジュール管理装置5にスケジュールの送信要求をした後、複合型プリンタ4では管理者端末3からユーザ端末2の印刷枚数の上限値の設定変更要求に対する応答を待つこととなる。
すなわち、複合型プリンタ4において承認確認部23が管理者端末3からの応答を受信したか判定する(S11)。承認確認部23は、管理者端末3からの応答を受信したと判定した場合、その応答内容が印刷枚数の上限値の設定変更を承認するものであるのか否かを判定する(S14)。
そして、承認確認部23は、管理者端末3から受信した応答が、印刷枚数の上限値の設定変更を承認するものであると判定した場合(S14において「Yes」)、印刷枚数監視部21に対して印刷を中止している印刷未処理データ28の印刷を続行するように指示を出す。
そして、この承認確認部23からの指示に応じて、印刷枚数監視部21は、プリンタ記憶部16に記憶している印刷未処理データ28を読出して、画像形成部15に送信し印刷処理を行うように指示を出す。そして、画像形成部15は印刷未処理データ28に基づく印刷処理を続行する(S4)。
また、この印刷処理は印刷データ45の最後まで、すなわち上記印刷データ45に基づく印刷結果物の最終ページの印刷が完了するまで行われ、全ての印刷データ45の印刷処理が完了すると複合型プリンタ4は印刷処理を終了する(S6)。
一方、承認確認部23が管理者端末3から応答を受信していないと判定している間(S11において「No」)、待ち時間が経過したかどうか判定する(S12)。すなわち、本実施の形態に係る複合型プリンタ4では、管理者端末3からの応答待ち時間を設定しており、この応答待ち時間は計時部17において計測されている。
本実施例の場合では、スケジュール送信要求部24がスケジュールの送信要求をスケジュール管理装置5に対して行う際に、計時部17に信号を送り、この信号を受信してから所定期間の時間を計測する。そして、所定期間が経過すると計時部17は承認確認部23に対して所定期間経過した旨通知する。この通知に応じて、承認確認部23は、所定期間内に管理者端末3から応答を受信しなかったと判定し、時間切れ(S13)として印刷処理を終了するように印刷枚数監視部21に通知する。
なお、スケジュール管理装置5からスケジュールを受信したユーザ端末2が、印刷枚数の上限値の設定変更の承認を管理者端末3に対して行う際に、複合型プリンタ4に許可の要求を行った旨の通知を行い、この通知を受信してから上記計時部17が所定期間の時間の計測を行う構成であってもよい。
そして、複合型プリンタ4において、印刷データ45の印刷処理を終了すると、この印刷処理が終了した旨の通知と印刷された枚数の情報をユーザ端末2およびスケジュール管理装置5に通知する(S7)。
また、管理者端末3からの応答を、複合型プリンタ4が所定時間内に受信しなかった場合、あるいは管理者端末3から印刷枚数の上限値の設定変更の承認が得られなかった場合、プリンタ記憶部16に記憶されている印刷未処理データ28を自動的に消去するように構成されている。すなわち、印刷枚数監視部21は、承認確認部23から印刷処理の終了するように通知を受けると、プリンタ記憶部16に記憶している印刷未処理データ28を消去する。
(複写による印刷処理)
次に、複写のように複合型プリンタ4の画像入力部12によって印刷データ45を読取る場合について図10を参照して説明する。図10は、複合型プリンタ4において読取られた印刷データ45に基づき、印刷処理を行う場合を示すフローチャートである。
図10に示すように先ず、複合型プリンタ4の画像入力部12は、ユーザによって入力された印刷対象の原稿から印刷データ45を読取る(ステップS20、これ以降S20のように称する)。
なお、ユーザは、印刷対象の原稿を複合型プリンタ4に入力する場合、ユーザ自身を特定するアカウント情報72を複合型プリンタ4に入力する。このように、ユーザが上記アカウント情報72を入力することで複合型プリンタ4は、印刷原稿の入力を行ったこのユーザに割り当てられている印刷枚数の上限値を確認することができる。
また、ユーザが複合型プリンタ4に入力する情報は上記アカウント情報72に限定されるものではなく、当該ユーザがユーザ端末2によって印刷データ45を複合型プリンタ4に入力する際に送信するアカウント情報72との対応関係が取れる情報であればよい。
ユーザが自身を特定するためにアカウント情報72とともに、印刷原稿を複合型プリンタ4に入力すると、この複合型プリンタ4は、入力された印刷原稿の印刷データ45に基づき印刷を開始する(S21)。すなわち、複合型プリンタ4では、画像入力部12がユーザから入力された印刷原稿か印刷データ45を読取り、この印刷データ45を印刷データ取得部22に渡す。そして、印刷データ取得部22は、印刷枚数監視部21を介して画像形成部15に印刷データ45を送信し、画像形成部15によってこの印刷データ45に基づく印刷処理が開始される。
印刷開始後、すなわちステップS21以降のステップS22〜ステップS26までの処理については、上記した図9のステップS3〜ステップS7までの処理と同じであるため説明は省略する。
一方、ステップS21において印刷開始後、印刷処理の途中で印刷処理を所望するユーザに割り当てられている、印刷枚数の上限値に到達した場合、すなわち、ステップS22において「Yes」の場合、複合型プリンタ4はユーザに対して、管理者に印刷枚数の上限値の設定変更を要求するか否かを問い合わせる(S27)。すなわち、印刷枚数監視部21は、印刷処理中に印刷枚数が印刷処理を要求するユーザに割り当てられた上限値に到達したと判定すると、この判定結果を設定変更問合せ部20に通知する。
設定変更問合せ部20は、印刷枚数監視部21から受信した通知に応じて、表示操作部11に印刷枚数の上限値の設定変更を要求するか否かをユーザに問い合わせるように指示を出す。
表示操作部11は、設定変更問合せ部20からの指示に応じて、例えば、表示パネルに上記した設定変更の問合せを行うか否かについて表示する。なお、この表示を行う際、印刷未処理データ28のサムネイルもともに表示される。このため、ユーザは、どのような内容の印刷データが未処理であるのかを容易に知ることができる。
なお、印刷データ取得部22は、印刷データ45を受信する際に、この印刷データ45がプリンタ通信部14を介して外部のユーザ端末2から受信したものであるのか、画像入力部12をから入力されたものであるのかについて判定できるようになっている。
したがって、この印刷データ取得部22による判定結果に応じて、設定変更問合せ部20は、プリンタ通信部14を介してユーザ端末2に上記問合せを指示するのか、または表示操作部11において上記問合せを表示するのかについて選択を切替えることができる。
表示操作部11において、印刷枚数の上限値の設定変更を要求するか否かに関する表示がなされると、ユーザは、表示操作部11に備えられている例えばタッチパネル等の入力手段を利用して、上限値の設定変更を要求するか否かを選択する。ユーザが、管理者に対して印刷枚数の上限値の設定変更を要求しない場合(S27において「No」)、複合型プリンタ4は印刷処理を、印刷枚数の上限値まで行って終了する(S25)。
一方、ユーザが、管理者に対して印刷枚数の上限値の設定変更を要求する場合(S27において「Yes」)、複合型プリンタ4において設定変更問合せ部20は、印刷枚数監視部21に対して、印刷処理が未処理の印刷未処理データ28をプリンタ記憶部16に記憶させるように指示を出す。そして、この設定変更問合せ部20からの指示に応じて、印刷枚数監視部21は上記印刷未処理データ28をプリンタ記憶部16に記憶させる(S28)。
さらに、設定変更問合せ部20は、スケジュール送信要求部24に対して、印刷処理を要求しているユーザに関するスケジュールの送信を要求するように指示を出す。一方、この指示に応じてスケジュール送信要求部24は、プリンタ通信部14を介してスケジュール管理装置5に対して上記ユーザに関するスケジュールを送信するように指示を出す(S29)。
スケジュール送信要求部24からの指示に応じて、スケジュール管理装置5が上記ユーザに関するスケジュール送信すると、スケジュール送信要求部24はこのスケジュールを取得し、この取得したスケジュールを表示操作部11に表示させるように指示を出す。
表示操作部11によってスケジュール送信要求部24から受信したスケジュールが表示されると、ユーザは、表示操作部11のタッチパネル等を操作してこのスケジュールの中から現在印刷中である印刷データ45に対応するスケジュールを選択し、自身に割り当てられた印刷枚数の上限値の設定変更を要求する。
このユーザによる要求および選択されたスケジュールは、設定変更指示部25に送信され、設定変更指示部25は、管理者端末3に対して、ユーザから受信したスケジュールを送信するとともに、当該ユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値の設定変更を要求する(S30)。なお、ステップS31〜ステップS34までの処理については、上記図9にて説明したステップS12〜ステップS14までの処理と同様であるため説明は省略する。ただし、管理者端末3からの応答に対する待ち時間は、スケジュール送信要求部24がスケジュール管理装置5に対してスケジュールの送信要求を行ってからの所定時間ではなく、設定変更指示部25が管理者端末3に対して印刷枚数の上限値の設定変更を依頼してから経過した所定時間であってもよい。この場合は、設定変更指示部25が管理者端末に印刷枚数の上限値の変更を依頼する際に、計時部17に信号を送る。この信号に応じて計時部17は所定期間の時間を計測し、時間が所定期間経過した際に、その旨承認確認部23に通知する。
(印刷処理時におけるユーザ端末の処理ステップ)
上記にて、印刷処理時における複合型プリンタ4での処理ステップについて、印刷データ45がユーザ端末2から入力される場合と、画像入力部12によって読取られ入力される場合について説明した。
次に、印刷処理時におけるユーザ端末2での処理ステップについて図11を参照して説明する。図11は、印刷処理時におけるユーザ端末2の処理ステップを示すフローチャートである。なお、この処理ステップに示す処理は、具体的にはユーザ端末制御部162によって処理が実行される。
まず、ユーザは、ユーザ端末2が保持する印刷データ45の印刷を所望する場合、この印刷データ45をユーザ端末2から複合型プリンタ4に対して送信する(ステップS40、これ以降S40のように称する)。なお、ユーザ端末2は、印刷処理部171がユーザ端末記憶部161から上記印刷データ45を読出し、複合型プリンタ4に対して送信する際に、ユーザ端末2のユーザを特定できるようにアカウント情報72をともに送信する。
複合型プリンタ4での上記印刷データ45の印刷処理において、このユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値に到達せずに最後のページまで印刷データ45に基づく印刷処理を実行した場合、すなわち、ステップS41において「No」の場合、複合型プリンタ4において印刷処理が終了され、ユーザ端末2は複合型プリンタ4から印刷処理終了を示す通知を受信する(S42)。
一方、印刷処理中にユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値に到達した場合、ユーザ端末2は、複合型プリンタ4から印刷枚数の上限値に到達した旨を示す通知を受信し(S41において「Yes」)、そして、複合型プリンタ4から印刷枚数の上限値の設定変更を行うか否かの問合せを受信する。
なお、この複合型プリンタ4からの問合せには、印刷処理の未処理分の印刷データである印刷未処理データ28を示すサムネイルが添付されており、このためユーザは、このサムネイルを参照することによって、印刷未処理データ28の内容を容易に把握することができる。
この複合型プリンタ4から受信した問合せに対して、印刷枚数の上限値の設定変更をユーザが要求しない場合(S43において「No」)、ユーザ端末2は印刷処理を終了するように、複合型プリンタ4に対して指示を出す。ユーザ端末2はこの指示に応じて複合型プリンタ4から印刷終了を示す通知を受信し印刷処理を終了する(S42)。
なお、複合型プリンタ4から受信した印刷処理終了を示す通知には、印刷処理が全ての印刷データ45に対して完全に実行されなかった旨を示す情報が含まれる。この情報を見ることによってユーザ端末2は、印刷データ45の印刷処理が未処理で終了したことについて確認することができる。
一方、上記複合型プリンタ4から受信した問合せに対して、印刷枚数の上限値の設定変更をユーザが要求する場合(S43において「Yes」)、ユーザ端末2は、この上限値の設定変更を要求するように複合型プリンタ4に対して指示を行う。なお、このユーザ端末2による指示は、ユーザが、ユーザ端末2が備える外部入力手段によってこの指示を入力することによって実現できる。
ユーザから上限値の設定変更の要求指示が入力されると、ユーザ端末2は、スケジュール管理装置5に対して当該ユーザ端末2のユーザのスケジュールを送信するように指示を出し、この指示に応じて、スケジュール管理装置5は上記スケジュールをユーザ端末2に送信する。
なお、このスケジュールの送信要求は上記したようにユーザ端末2からスケジュール管理装置5に対して直接送信されてもよいし、複合型プリンタ4を介してスケジュール管理装置5に送信されてもよい。直接ユーザ端末2からスケジュール管理装置5に対してスケジュールの送信要求を行う場合、ユーザ端末2のプリンタ制御部13においてスケジュール送信要求部24を備える必要がなく、ユーザ端末2の構成がより簡単な構成とすることができる。
また、ユーザ端末2を介してスケジュール管理装置5に対してスケジュールの送信を要求する場合、複合型プリンタ4はユーザ端末2からスケジュール管理装置5に対してスケジュールの送信要求がおこなわれていることを把握することができる。
すなわち、複合型プリンタ4は、印刷管理システム1においてユーザ端末2やスケジュール管理装置5で行われている操作を監視することができる。
また、このユーザ端末2から管理者端末3に対する印刷枚数の上限値の設定変更の要求は、印刷処理中の印刷未処理データ28のサムネイルを添付して行われることが好ましい。
このようにサムネイルを添付して管理者端末3に対して印刷枚数の上限値の設定変更を要求する場合、管理者端末3の操作者である管理者は、印刷未処理データ28の内容を把握することができる。このため、送信されたスケジュールを参照して、ユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値の設定変更をどのように変更するか管理者は容易に決定することができる。
一方、ユーザ端末2はスケジュール管理装置5からスケジュールを受信すると(S44)、受信したスケジュールを表示するように表示装置等の出力手段に指示しこのスケジュールの情報を表示する。
なお、このスケジュールの表示は、例えば、終了した過去のスケジュール等を表示させないようにしたりして、現在の印刷処理中のスケジュールが選択しやすいように表示されることが好ましい。
より具体的には、図6に示すように、例えば、まずユーザに関する4月分のスケジュールが表示される。この図6は、本実施形態に係るスケジュール管理装置5が保持するスケジュールの表示例の一例を示す図である。
ここで、このスケジュールにおいて、4月10日の×△会議−印刷枚数10枚に関する印刷データ45をユーザが複写することを要求しているものとする。
この場合、図6に示すように、既に予定が終了している4月1日〜4月9日までの網掛けがされ、ユーザによって選択ができないようになっている。
ユーザが表示操作部11を用いて、図6に示すスケジュールにおいて4月10日を選択すると、表示操作部11の表示装置等の出力手段において、図7に示すように4月10日のスケジュールが拡大されて表示される。この図7は、特定の日付のスケジュールの表示の一例を示す図である。
また、同日に複数の印刷予定がある場合、ユーザが表示操作部11のタッチパネル等の入力手段を用いて、所望するスケジュールを選択できるようになっている。本実施形態では、4月10日にユーザに関するスケジュールとして、×△会議、ユーザが参加しているグループの△△会、○△ミーティングがあるとする。このうちユーザが複写処理を行う印刷データに関するスケジュールが×△会議であるため、これをユーザは表示操作部11によって選択する。
なお、ユーザがこの選択を行う場合、グループでの△△会に関する印刷処理が既に処理済みである場合、図7に示すようにアスタリックがその処理済みのスケジュールに付され、ユーザによってそのスケジュールを選択できないようになっている。
このように印刷未処理データのサムネイルが併記されて表示されることで、ユーザは、印刷枚数の上限値の変更を管理者端末3に要求する、印刷未処理データ28の内容を確認することができる。
また、上記にてユーザ端末2から印刷データを複合型プリンタ4に送信し、印刷処理を行う処理に関する説明を行ったが、この処理において、ユーザがスケジュール管理装置5からスケジュールを受信した場合も同様に、印刷データに関するスケジュールが選択できるように、ユーザ端末のユーザ端末入出力部160においてスケジュールの表示が行われ、ユーザによるスケジュールの選択が容易となるように工夫されていてもよい。
さらには、図8に示すように、印刷未処理データ28の内容がユーザによって確認しやすいように、この印刷未処理データ28にサムネイルがスケジュールのない内容と併記されて表示されるように設定されていてもよい。図8は、特定の日付のスケジュールの別の表示の一例を示す図である。
この表示されたスケジュールを参照して、ユーザは、キーボード等の入力手段によって、現在印刷処理中の印刷データ45と対応するスケジュールを選択する。そして、ユーザは、印刷枚数の上限値の設定変更を管理者端末3に対して要求するように入力手段を介してユーザ端末2に指示する。このユーザからの指示に応じて、ユーザ端末2は、管理者端末3に対して、ユーザが選択したスケジュールとともに印刷枚数の上限値の設定変更を要求する(S45)。
なお、このユーザ端末2から送信される印刷枚数の上限値の設定変更要求は、直接管理者端末3に対して行われる構成であってもよいし、複合型プリンタ4を介して管理者端末3に要求される構成であってもよい。なお、直接ユーザ端末2から管理者端末3に対して
印刷枚数の上限値の設置変更が要求される場合は、ユーザ端末2のプリンタ制御部13において設定変更指示部25を備える必要がなく、ユーザ端末2の構成がより簡単な構成とすることができる。
また、ユーザ端末2を介して管理者端末3に対して印刷枚数の上限値の設定変更を要求するなど常にユーザ端末2およびスケジュール管理装置5で行われた操作指示が複合型プリンタ4を介して行われる場合、複合型プリンタ4はユーザ端末2やスケジュール管理装置5にて行われた操作結果を把握することができる。すなわち、複合型プリンタ4は、印刷管理システム1においてユーザ端末2やスケジュール管理装置5で行われている操作を監視することができる。
また、このユーザ端末2から管理者端末3に対する印刷枚数の上限値の設定変更の要求は、印刷未処理データ28あるいは印刷データ45全部のサムネイルを添付して行われることが好ましい。
このようにサムネイルを添付して管理者端末3に対して印刷枚数の上限値の設定変更承認を要求する場合、管理者端末3の管理者は、どのような内容の印刷データ45を複合型プリンタ4において印刷処理しているのか、あるいは未処理となっている印刷未処理データ28の内容を容易に把握することができる。このため、送信されたスケジュールを参照してユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値の設定をどのように変更するか管理者は容易に決定することができる。
一方、管理者端末3は、ユーザ端末2から印刷枚数の上限値の設定変更の承認要求を受信した場合、この要求に対して承認するか否かに関する情報をユーザ端末2および複合型プリンタ4に対して送信する。そして、ユーザ端末2は、この管理者端末3から送信された承認するか否かの返信を受信する(S46)。
なお、管理者端末3からユーザ端末2に返信される内容は、印刷枚数の上限設定の変更の承認または不承認を示す通知内容とともに、上限値をいくらまで変更した、あるいは不承認の理由等を示す情報が含まれている。
なお、この管理者からの通知は、例えばスケジュール、連絡先、メール等が利用可能な公知のPIM(Personal Information Management)用ソフトを利用してスケジュール管理装置5に保持されているユーザのスケジュール情報に関連付けてユーザ端末2に対して行うことができる。
なお、上記不承認の理由は、管理者端末3側で予め定型のメッセージが用意されており、このメッセージを管理者端末3の管理者が選択してユーザ端末2に通知するように構成されていてもよい。一方、管理者端末3から複合型プリンタ4に通知する印刷枚数の上限値の設定変更の承認または不承認の情報は、承認の場合は印刷処理を要求しているユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値をいくらまで変更するかという内容の情報が含まれている。この情報に応じて、複合型プリンタ4では、承認確認部23がプリンタ記憶部16に記憶されている上記ユーザのアカウント情報72に対応する印刷枚数の上限値を書き換える。
また、管理者端末3からの返信が印刷枚数の上限値の設定変更を承認する場合、複合型プリンタ4側で印刷処理を続行し、全て印刷処理が実行されたら印刷処理が完了した旨を知らせる通知をユーザ端末2に送信する。一方、管理者端末3からの応答が上記設定変更の不承認の場合、あるいは複合型プリンタ4において設定されている所定期間内に受信できなかった場合、複合型プリンタ4側で印刷処理が終了され、ユーザ端末2に印刷データ45に対する印刷処理が全て完了せずに印刷処理が終了された旨の通知が送信される。
そして、ユーザ端末2は、複合型プリンタ4から上記した印刷処理の終了を示す通知を受信する(S42)。
(印刷処理時におけるスケジュール管理装置の処理ステップ)
次に、印刷処理時におけるスケジュール管理装置5での処理ステップについて、図12を参照して説明する。図12は、印刷処理時におけるスケジュール管理装置5の処理ステップを示すフローチャートである。
まず、スケジュール管理装置5は、複合型プリンタ4から印刷処理を要求しているユーザのスケジュールの送信要求を、当該ユーザを特定するためのアカウント情報72とともに受信する(S50)。すなわち、スケジュール管理装置5において、管理装置通信部34が通信ネットワーク6を通じて複合型プリンタ4からスケジュールの送信要求および上記アカウント情報72を受信する。
そして、この管理装置通信部34は、このスケジュールの送信要求およびアカウント情報72を管理部40に送信する。
なお、印刷管理システム1においてスケジュールの送信要求が直接ユーザ端末2から指示されるように構成されている場合は、このユーザ端末2からスケジュール管理装置5はスケジュールの送信要求を受信する。この場合、管理装置通信部34は、ユーザ端末2からスケジュールの送信要求および上記アカウント情報72を受信することとなる。
この送信要求に応じてスケジュール管理装置5は、自身が保持しているスケジュールの中から上記ユーザのアカウント情報72を参照して、当該ユーザのスケジュール情報を選択する。そして、この選択したスケジュールを複合型プリンタ4に送信する(S51)。
すなわち、管理部40は、管理装置通信部34を介して受信したアカウント情報72に基づき、管理装置記憶部33に格納されているスケジュールファイル42から当該アカウント情報72に該当するスケジュールを選択し管理装置通信部34を介して複合型プリンタ4に送信する。
あるいは印刷管理システム1において複合型プリンタ4を介さず直接ユーザ端末2に送信するように設定されている場合は、このユーザ端末2に選択したスケジュールを送信する。この場合、管理部40が、管理装置記憶部33に記憶されているスケジュールファイル42から選択したスケジュールをユーザ端末2に送信する。
この後、ユーザ端末2に対してスケジュールを送信し、ユーザ端末2が管理者端末3に対して印刷枚数の上限値の設定変更の承認を要求するなどして、複合型プリンタ4において印刷データ45の印刷処理が終了した場合、スケジュール管理装置5は、複合型プリンタ4から印刷処理を要求したユーザのスケジュールとともに印刷処理を行った印刷枚数の結果を受信する(S52)。
スケジュール管理装置5は、ユーザのスケジュールとともに印刷処理を行った印刷枚数の結果を受信すると、この受信した印刷枚数の結果に基づき上記スケジュールにこの結果を書込み反映させる(S53)。そして、今回の印刷処理によって印刷された印刷枚数を新たに反映させたスケジュールを管理装置記憶部33に格納して保持する。
すなわち、スケジュール管理装置5において、設定部41が管理装置通信部34を介して上記スケジュールおよび印刷枚数の結果を受信する。そして、設定部41は受信したスケジュールに印刷処理された印刷枚数の結果を書込み、管理装置記憶部33に記憶されている上記ユーザのアカウント情報72に対応するスケジュールを更新する。
なお、本実施の形態に係る印刷管理システム1では、複合型プリンタ4が印刷条件27として、各ユーザのアカウント情報と、ユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値と、印刷処理によって消費された印刷枚数を反映させた印刷処理可能な残り枚数との対応関係を記録しておく構成であった。
したがって、スケジュール管理装置5は、複数の複合型プリンタが印刷管理システム1において備えられている場合、ユーザに割り当てられた印刷が許可され枚数の変更と、この変更に伴いユーザにおいて印刷できる残り枚数の情報を各複合型プリンタ4に送信する。
(印刷処理時における管理者端末の処理ステップ)
次に本実施の形態に係る印刷管理システム1の管理者端末3における印刷処理時の処理ステップについて図13を参照して説明する。図13は、印刷処理時における管理者端末3の処理ステップを示すフローチャートである。
まず、前提として、印刷処理中においてユーザ端末2の操作者であるユーザに割り当てられた印刷枚数が上限値に到達したため、このユーザ端末2から管理者端末3に当該ユーザ端末2のユーザのスケジュールとともに、上限値の設定変更の要求が送信されたものとする。あるいは、原稿の複写を行っている場合は、複合型プリンタ4から管理者端末3にユーザのスケジュールとともに、上限値の設定変更の要求が送信されたものとする。
管理者端末3は、ユーザ端末2から、あるいは複合型プリンタ4から印刷枚数の上限値の設定変更の要求およびスケジュールを受信すると(S60)、管理者端末3の管理者にこの要求を承認するか否か問い合わせる(S61)。
すなわち、印刷枚数の上限値の設定変更の要求およびスケジュールを受信すると、管理者端末3では、この受信した要求および上記スケジュールを表示装置等の出力手段によって表示させる。そして、管理者はこの表示されているスケジュールを参照して、ユーザ端末2からの印刷枚数の上限値の設定変更の要求を承認するか否かを判断する。
なお、ユーザ端末2から上限値の設定変更の要求を受信する際に、印刷処理が未処理である印刷データ45を示すサムネイルも受信している。このため、管理者は、このサムネイルを確認することで、印刷処理が未処理であるデータの重要度を直ぐに把握することができる。
したがって、例えば、管理者がこの受信したスケジュールおよびサムネイルを確認し、印刷未処理の印刷未処理データ28が重要なものであると判断した場合は設定変更を承認する。一方、管理者が、印刷未処理データ28はこれ以上印刷する必要のないものであると判断した場合は、設定変更を承認しない。
また、管理者はスケジュールを確認することによって、印刷枚数として後最低限必要な枚数を把握することができるため、ユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値の設定変更を適切に行うことができる。
このように、管理者が、管理者端末3で受信したスケジュールおよびサムネイルを参照して、印刷処理を指示しているユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値の設定変更を承認する場合(S61において「YES」)、管理者端末3から承認する旨の通知を複合型プリンタ4に送信する(S62)。なお、管理者端末3からこの通知を送信する場合、印刷枚数の上限値をいくつに設定変更したかに関する情報も通知する。
なお、この通知は、ユーザ端末2から送信された印刷データ45に基づく印刷処理を行っている場合は、管理者端末3から複合型プリンタ4に対してのみならず、ユーザ端末2に対しても送信される。このため、ユーザ端末2のユーザは、管理者から印刷枚数の上限値の変更が承認されたことが分かるとともに、自身の印刷枚数の上限値の変更後の値について把握することができる。
一方、管理者が、印刷処理を指示しているユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値の設定変更を承認しない場合(S61において「No」)、承認しない旨の通知を複合型プリンタ4およびユーザ端末2に通知する。なお。ユーザ端末2への通知には、承認しない理由等のメッセージが添付されていることが好ましい。この添付されたメッセージをユーザ端末2のユーザが受信し確認することで、承認されなかった理由を知ることができる。
このように本実施の形態に係る印刷管理システム1では、複合型プリンタ4において印刷枚数監視部21を備えているため、ユーザの印刷枚数の履歴を監視することができる。このため、各ユーザに印刷枚数の上限値が割り当てられている場合、複合型プリンタ4において、この上限値を越えた印刷処理を行うことを防ぐことができる。このため、むやみに各ユーザあるいは各グループにおいて印刷処理が行われシートやトナーの不要な使用が生じることを防ぐことができる。
また、複合型プリンタ4は、設定変更問合せ部20を備えているため、印刷枚数の上限値の設定変更を行うか否かについて、ユーザの意思を確認することができる。したがって、ユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値に到達した場合であっても、印刷未処理データ28の印刷処理を続行するか否かについてユーザの意思を確認することができる。
また、複合型プリンタ4は、スケジュール送信要求部24および設定変更指示部25を備えているため、上記ユーザのスケジュールをスケジュール管理装置5から取得し、この取得したスケジュールとともに管理者に対して印刷枚数の上限値の設定変更を依頼することができる。
このため、ユーザは、自身に割り当てられた印刷枚数の上限値に到達した場合、わざわざ自身のスケジュールを示して管理者に上限値の設定変更を依頼しにいく必要がない。
また、複合型プリンタ4は、承認確認部23を備えているため、管理者の、上限値の設定変更の承認または不承認に関する応答を確認でき、この管理者の応答に応じて印刷処理の続行または終了を決定することができる。
したがって、本実施の形態に係る印刷管理システム1では、無駄な印刷処理を抑制するとともに、各ユーザに割り当てられた印刷処理枚数の上限値に到達している場合であっても、管理者が印刷未処理データ28の印刷処理の必要性を認めた場合は、この上限値を越えて印刷処理を行うことができる。さらには、ユーザはユーザ端末2から、または複合型プリンタ4からスケジュールとともに印刷枚数の上限値の設定変更を管理者端末3に依頼できるため、わざわざ、ユーザが管理者に対して印刷枚数の承認をえるために自身のスケジュールを管理者に説明するなどの手間を省くことができる。
また、本実施の形態に係る印刷管理システム1において、複合型プリンタ4では、印刷未処理の印刷未処理データ28をプリンタ記憶部16に一旦記憶しておくことができるため、例えば他の印刷データの印刷処理指示を受信している場合、管理者端末3に印刷枚数の上限値の設定変更を依頼している間に他の印刷データの処理を行うことができる。このため、複合型プリンタ4における印刷処理を停滞させることなく利用することができる。
なお、上記にて印刷データ45に基づく印刷処理中に、印刷処理を指示するユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値に到達する構成の場合について説明した。
本実施の形態に係る印刷管理システム1では、上記した構成に限定されるものではなく、複合型プリンタ4が印刷データ45を受信あるいは読取った際、印刷処理において必要とされる印刷枚数を予め算出し、印刷処理を開始する前に印刷枚数の上限値の設定変更を管理者端末3に依頼するか否かを問い合わせるように構成されていてもよい。
具体的には、図14に示すように、まず、複合型プリンタ4がユーザ端末2から印刷データ45を受信する(S70)。すなわち、印刷データ取得部12は、印刷データ45をユーザ端末2から通信ネットワーク6を通じで取得すると、この印刷データ45を印刷枚数監視部21に送信する。なお、この図14は、複合型プリンタ4において読取られた印刷データ45に基づき、印刷処理を行う場合の別の一例を示すフローチャートである。
印刷枚数監視部21は、ユーザからの印刷データ45の複写枚数の指示や、印刷データ45のデータ量から、入力された印刷データ45の印刷枚数を算出する。一方、印刷枚数監視部21は、印刷データ45とともに入力されたユーザのアカウント情報72を参照して印刷条件27の中から当該ユーザが印刷可能な残りの印刷枚数を確認する。そして、印刷枚数監視部21は、上記にて算出した印刷枚数と、上記にて確認した印刷可能な印刷枚数とを比較して、印刷データ45に基づき印刷処理をすべて行った場合、算出した印刷枚数が印刷可能な印刷枚数を越えるか否か、すなわち、印刷枚数の上限値に到達することが予想されるか否かを判定する(S71)。
この判定の結果、入力された印刷データ45の印刷処理における印刷枚数が、ユーザに割り当てられた上限値を越えないと予想される場合(S71において「NO」の場合)、ユーザ端末2から受信した印刷データ45に基づく印刷処理を開始する(S72)。これ以降の処理、すなわちステップS73〜ステップS74までの処理は上記した図10に示すステップS25〜ステップS26の処理と同じであるため説明は省略する。
一方、印刷枚数監視部21が、印刷枚数の上限値に到達すると判定した場合(S71において「YES」の場合)、設定変更問合せ部20に対して、ユーザ端末2に印刷枚数の上限値の設定変更を要求するか否かをユーザ端末2に問い合わせるように指示を出す。この指示に応じて設定変更問合せ部20は、ユーザ端末に対して、上記した問合せを行い、この問合せに対するユーザの返答をユーザ端末2から受信する。
設定変更問合せ部20は、受信したユーザ端末2からの応答が管理者端末3に対して印刷枚数の上限値の設定変更を要求しない旨の通知であると判定した場合(S75において「NO」の場合)、印刷処理を終了する(S73)。
一方、設定変更問合せ部20は、受信したユーザ端末2からの応答が管理者端末3に対して印刷枚数の上限値の設定変更を要求する旨の通知であると判定した場合(S75において「YES」の場合)、印刷枚数監視部21に印刷データ取得部22によってユーザ端末2から受信した印刷データ45をプリンタ記憶部16に記憶させるように指示を出す。
この設定変更問合せ部20からの指示に応じて、印刷枚数監視部21は、受信した印刷未処理データ28をプリンタ記憶部16に保存する(S76)。そして、印刷枚数監視部21は、スケジュール送信要求部24に、スケジュール管理装置5に印刷処理を指示しているユーザのスケジュールをユーザ端末2に送信するよう要求するように指示を行う。この指示に応じてスケジュール送信要求部24は、スケジュール管理装置5に対してスケジュールをユーザ端末2に送信するように指示を出す。これ以降の処理においてステップS78〜ステップS81までの処理については、図9に示すステップS11〜ステップS14までの処理と同様であるため説明は省略する。
ただし、図14に示す処理フローは、図9に示す処理フローと比較して、ステップS81の処理において、ユーザ端末2からの印刷枚数の上限値の設定変更の依頼に対する管理者端末3からの応答が、この設定変更を承認する内容である場合(S81において「YES」)においてはじめて印刷データ45の印刷処理を開始する点が異なる。
また、本実施の形態に係る印刷管理システム1において、スケジュールの送信要求を上記したように複合型プリンタ4側からスケジュール管理装置5に対して行う構成ではなく、ユーザ端末2からスケジュール管理装置5に要求する構成であってもよい。この場合は、ステップS77に示す処理は複合型プリンタ4側で行わずユーザ端末2側で行うこととなるめ、この処理は省略することができるため複合型プリンタ4側で行われる処理がより簡単になる。
また、図14のステップS79において、管理者端末3からの印刷枚数の上限値の設定変更に対する承認または不承認の返答を受信するまでの待ち受け状態の期間が予め設定されており、一定時間が経過するまでの間に管理者端末3からの応答が受信できない場合(S79において「YES」)は、印刷処理を終了するように設定されている。
そこで、本実施の形態に係る複合型プリンタ4では、この待ち受け期間に他の印刷処理指示がある場合は、この他の印刷処理を実行するように構成されていてもよい。
このように、本実施の形態の係る印刷管理システム1では、印刷を開始する前に、予め印刷処理が要求されている印刷データ45において必要とされる印刷枚数を確認し、この印刷処理を行うことによってユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値を超えるか否かを判定する。そして、この上限値を超える場合は、管理者に上限値の設定変更を要求するように設定されていてもよい。
また、上記ではユーザ端末2から印刷データ45を複合型プリンタ4が受信する場合について説明したが、印刷用の原稿の印刷データ45を画像入力部12によって読取る場合であっても、図17に示すように印刷開始を行う前に、印刷枚数の上限値を超えるか否かについて確認し、その後印刷を開始することができる。この図17は、実施形態2における、複合型プリンタ51において読取られた印刷データ45に基づき、印刷処理を行う場合の一例を示すフローチャートである。
すなわち、ユーザがパスワードまたはアカウント情報72を複合型プリンタ4に入力し、複合型プリンタ4側でユーザの特定が完了したら、ユーザの印刷データ45の読取り指示に応じて、印刷データ45を画像入力部12が読取る(S130)。そして、読取った印刷データ45は、印刷未処理データ28としてプリンタ記憶部16に記憶される。
この印刷データ45の読取りとユーザからの複写枚数の指示とに基づいて、複合型プリンタ4の印刷枚数監視部21が、この複写指示による印刷枚数はユーザに割り当てられた上限値に到達しないと予想される場合(S131において「NO」)、読取った印刷データ45に基づく印刷を開始する(S132)。これ以降のステップS132〜ステップS134までの処理は、図14に示す処理フローのステップS73〜ステップS74と同じであるため説明は省略する。
一方、複合型プリンタ4の印刷枚数監視部21が、この複写処理によって、ユーザに割り当てられた印刷可能な印刷枚数を越えると判定する場合(S131において「YES」)、管理者へ印刷枚数の上限値の設定変更を要求するか否かをユーザ端末2に問い合わせる(S135)。
すなわち、印刷枚数監視部21が複写指示を行っているユーザが印刷可能な印刷枚数の上限値を越えると判定する場合、設定変更問合せ部20にその旨を通知する。そして、設定変更問合せ部20は、印刷枚数監視部21からの通知に応じて、管理者へ印刷枚数の上限値の設定変更を要求するか否かを問い合わせるための表示を行うように、表示操作部11に指示を出す。この設定変更問合せ部20からの指示に応じて、表示操作部11は、上記した問合せをユーザに対して表示し、ユーザからの返答を待ち受ける。
ここで、ユーザからの返答が管理者に印刷枚数の上限値の設定変更を要求しない場合(S135において「NO」)、複合型プリンタ4では印刷処理が終了される(S133)。
一方、ユーザからの返答が管理者に印刷枚数の上限値の設定変更を要求するものである場合(S135において「YES」)、画像入力部12が読取った印刷未処理データ28をプリンタ記憶部16に記憶する(S136)。
すなわち、ユーザが表示操作部11の入力手段によって上記返答を入力すると、この入力された返答の情報は、プリンタ通信部14を介して設定変更問合せ部20によって受信される。そして、設定変更問合せ部20は、ユーザ端末2から受信した情報を解析し、印刷枚数監視部21に指示を出す。
ここで、ユーザ端末2から受信したユーザからの返答が、印刷枚数の上限値の設定変更を管理者に要求しないことを示す場合、設定変更問合せ部20からの指示に応じて、印刷枚数監視部21は画像形成部15に印刷処理の終了を指示し、印刷処理を終了する)。
一方、上記ユーザからの返答が、印刷枚数の上限値の設定変更を管理者に要求することを示す場合、設定変更問合せ部20からの指示に応じて、印刷枚数監視部21は、画像入力部12によって読取った印刷未処理データ28をプリンタ記憶部16に記憶し、スケジュール送信要求部24に指示して、スケジュール管理装置5に対して複写指示を行っているユーザのスケジュールを複合型プリンタ4に送信するように要求する(S137)。
スケジュール管理装置5から送信されたスケジュールは、プリンタ通信部14を介してスケジュール送信要求部24で受信される。そして、スケジュール送信要求部24は、この受信したスケジュールを表示操作部11において表示させ、ユーザに現在複写を要求している印刷データ45に対応する内容のスケジュールを選択させる。
そこで、ユーザは、表示操作部11において表示されているスケジュールの中から印刷データ45に対応する内容のスケジュールを表示操作部11の入力手段を用いて選択する。そして、ユーザによって選択されたスケジュールは、スケジュール送信要求部24に通知される。
なお、スケジュール管理装置5から送信されるスケジュールは、予め処理済みのものについてはユーザが選択できないように、処理済以外のスケジュールと区別されている。また、このスケジュールを表示する際、印刷データ45のサムネイルも共に表示操作部11において表示される。
このようにサムネイルを表示させることで、ユーザは印刷データ45の内容を容易に把握でき、スケジュールの選択を容易に行うことができる。
スケジュール管理装置5は、ユーザによって選択されたスケジュールを設定変更指示部25に渡し、設定変更指示部25に指示して、管理者端末3に対して上記ユーザに割り当てられている印刷枚数の上限値の設定変更を依頼させる(S138)。
なお、設定変更指示部25は、管理者端末3に上記設定変更を依頼する際に、受信しているスケジュールもともに送信する。これ以降の処理、すなわち、図17に示す処理フローのステップS139〜ステップS142の処理は、図14に示すステップS78〜ステップS81の処理と同様であるため説明は省略する。
このように、本実施の形態に係る印刷管理システム1は、印刷データ45の印刷処理を行う場合に必要となる印刷枚数が、この印刷処理を指示するユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値に到達するか否かを予め判定した上で印刷処理の開始または終了を決定する構成であってもよい。
このような構成の場合、本実施の形態に係る印刷管理システム1では、予め印刷処理にともなう印刷枚数が、上記ユーザに設定されている印刷枚数の上限値を超えると分かる場合、管理者端末3に印刷枚数の上限値の設定変更を依頼することができる。このため、ユーザは印刷枚数の上限値の設定変更を速やかに管理者に依頼して印刷処理を行うことができる。
なお、先に述べた印刷処理の途中で、印刷枚数が上限に到達した場合に、この印刷処理を要求するユーザが、管理者に対して自身の印刷枚数の上限値の設定変更を依頼する構成と比較して先に印刷処理を進めていないため、管理者から印刷枚数の上限値の設定変更を承認されなかた場合に無駄な印刷物が生じることがない点で有利である。
また、図9および図10に示す処理ステップにおいて管理者端末3からの応答が待ち時間内に受信できず時間切れとなった場合(図9においてS13,図10においてS33)、印刷処理を終了するように設定されていた。しかし、これに限定されるものではなく、この場合、仮の承認を与え、ユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値を越えて印刷処理を行うように設定されていてもよい。このように設定することで、管理者からの応答が得られないために印刷処理が行えず仕事を中断してしまうことを防ぐことができる。
また、上記にて、複合型プリンタ4がユーザ端末2から、または複写の場合はユーザによってアカウント情報72が入力されたら、このアカウント情報72から印刷条件27を参照して、印刷処理を所望するユーザに割り当てられた印刷可能な印刷枚数の上限値を確認するように構成されていた。また、管理者端末3からの承認を得て、変更された上記印刷枚数の上限値や、印刷処理によって使用されたシートの枚数は、印刷処理終了後に、複合型プリンタ4から、ユーザ端末2およびスケジュール管理装置5に送信されるように構成されていた。
そして、スケジュール管理装置5は、この送信された変更後の印刷枚数の上限値および、印刷処理によって使用された印刷枚数を反映するように、スケジュールファイル42を書き換え、複合型プリンタ4が複数存在する場合は、この変更された印刷枚数にお上限値および印刷処理によって使用された印刷枚数を、印刷処理を行った複合型プリンタ4以外の他の複合型プリンタ4に通知し、プリンタ記憶部16に記憶している印刷条件27を書き換えるように指示する構成であった。
しかし、各複合型プリンタ4において、印刷条件27を記憶するのではなく、この印刷条件27をスケジュール管理装置5において記憶しておき、ユーザからまたはユーザ端末2からアカウント情報72を取得した場合、スケジュール管理装置5に複合型プリンタ4から、印刷処理を要求したユーザの印刷枚数の上限値を問い合わせる構成であってもよい。この場合、管理者端末3から印刷枚数の上限値の変更が承認され、この上限値が変更された場合、変更された上限値の書き換えは、複合型プリンタ4において行う必要がなくスケジュール管理装置5において書き換えがなされることとなる。
すなわち、ユーザからの印刷枚数の上限値の変更要求に応じて、管理者端末3でこの変更要求を承認し、新たな上限値が設定された場合、複合型プリンタ4では、印刷処理終了後、使用されたシートの枚数および新たに設定された上限値をスケジュール管理装置5に通知する。この通知を受信すると、管理者端末3では、印刷処理を要求したユーザのアカウント情報72に対応する印刷枚数の上限値を変更し、また使用されたシートの枚数を反映させこのユーザの印刷可能なシートの枚数が分かるように管理する。
このようにスケジュール管理装置5において印刷条件27が管理される構成の場合、変更された印刷枚数の上限値や、印刷処理で使用された印刷枚数の情報を、印刷処理終了後に、スケジュール管理装置5から他の複合型プリンタ4および管理者端末3に通知する必要がないという利点を有する。
なお、上記実施形態の複合型プリンタ4の各部や各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、キーボードやタッチパネルなどの入力手段、ディスプレイなどの出力手段、あるいは、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態の複合型プリンタ4の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワーク6を接続可能なシステム構成であるため、通信ネットワーク6からプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワーク6からプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
また、本実施の形態に係る印刷管理システム1において、管理者端末3が複数台備えられている場合、複合型プリンタ4からユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値の設定変更を管理者端末3に依頼する際、どの管理者端末3に対して優先的に依頼を行うか管理者端末3に優先度が設定されていてもよい。
さらにまた、複合型プリンタ4が上記した依頼を行った管理者端末3の管理者が不在である場合、自動的に優先度の順に従って別の管理者端末3にこの複合型プリンタ4からの依頼が転送されるように構成されていてもよい。
あるいは、複合型プリンタ4から依頼を行う管理者端末3の管理者が不在である場合、この依頼は、自動的に管理者が所持する携帯端末装置に転送され、この携帯端末装置から管理者が承認または非承認の応答を複合型プリンタ4に行うように設定されていてもよい。
また、複合型プリンタ4から上記した依頼を管理者端末3に行う際、スケジュール管理装置5から上記管理者端末3の管理者のスケジュールを取得し、不在か否かを確認した上で行うように設定されていてもよい。あるいは、複合型プリンタ4は、管理者端末3が複数備えられている場合は、すべての管理者端末3の管理者のスケジュールを取得し、不在でない管理者の管理者端末3に対して上記した依頼を送信する構成であってもよい。
(実施形態2)
上記において、各ユーザまたは各グループに割り当てられた印刷枚数の上限値を越える場合に管理者に印刷枚数の上限値の設定変更を依頼して印刷処理を行う印刷管理システム1について説明した。
次に、実施形態2として、複合型プリンタ51において各ユーザに割り当てられた印刷枚数を用いて印刷データ45の印刷処理を行うのか、あるいは、このユーザに割り当てられた印刷枚数とは別枠で設けられている印刷枚数を用いて印刷処理を行うのかをユーザが選択できるように構成されている印刷管理システム50について説明する。
なお、この各ユーザに割り当てられた印刷枚数とは別枠に設けられた印刷枚数とは、例えば、各ユーザに設定されている印刷枚数の上限値とは別に予備としてさらに印刷枚数が設けられているものであってもよいし、複数のユーザによって共有されるグループに割り当てられたものであってもよい。
この印刷管理システム50は、上記にて説明した印刷管理システム1と同様に、1つ以上のユーザ端末2と、1つ以上の管理者端末3と、1つ以上の複合型プリンタ(MFP)51と1台以上のスケジュール管理装置5とから構成される。
実施形態1の印刷管理システム1と比較して、複合型プリンタ51の構成のみが異なるため、この複合型プリンタ51の構成についてのみ説明する。なお実施形態1と同一部材には同一の符号を付しその説明は省略する。
(複合型プリンタの構成)
図19に示すように、複合型プリンタ51は、実施形態1に示す複合型プリンタ4と比較して、プリンタ制御部52が備える機能ブロックの構成が異なる。すなわち、プリンタ制御部52は、実施形態1のプリンタ制御部機能ブロックと比較して、承認確認部23,設定変更指示部25,および設定変更問合せ部20の代わりに、印刷条件承認確認部62,印刷条件変更指示部61,および印刷条件問合せ部60を備える点で異なる。
なお、この図19は、実施形態2に係る複合型プリンタ51の概略構成の一例を示すブロック図である。
上記印刷条件問合せ部60(変更要求確認手段・印刷未処理情報通知手段・スケジュール選択出力手段)は、印刷データ45に基づき印刷処理を行う場合、印刷によって消費される印刷枚数は、ユーザに割り当てられた印刷枚数の中から使用するものとして処理を行うか、あるいは、このユーザに割り当てられている印刷枚数とは別枠に設けられている印刷枚数の中から使用するものとして処理を行うかをユーザに問い合わせ、この問い合わせに対するユーザの応答を受信して解析するものである。
つまり、印刷データ取得部22が画像入力部12から印刷データ45を取得すると、印刷データ45を取得した旨を、印刷条件問合せ部60に通知する。この印刷取得部60からの通知に応じて、印刷条件問合せ部60は上記したユーザへの問い合わせを行うように表示操作部11に指示を出す。そして、表示操作部11を介してユーザからこの問い合わせに対する応答が入力されると、この応答を受信し解析する。なお、印刷条件問合せ部60は、上記したユーザへの問い合わせを行う際に、印刷データ45の内容を示すサムネイルも当該ユーザに送信することが好ましい。
なお、この印刷枚数監視部21とこの印刷条件問合せ部20とによって印刷未処理情報通知手段を実現できる。
そして、この解析の結果、ユーザが印刷処理によって消費される印刷枚数を自身に割り当てられた印刷枚数とは別枠で計上するように要求する場合、スケジュール送信要求部24に当該ユーザのスケジュールを受信するように指示を出す。
一方、ユーザが上記別枠で計上することを要求しない場合、印刷枚数監視部63に対して、印刷データ取得部22によって取得した印刷データ45に基づく印刷処理を、上記ユーザに割り当てられた印刷枚数を使用して印刷するように指示を出す。
上記印刷条件変更指示部61(変更許可確認手段)は、管理者端末3に対して印刷処理を要求しているユーザに割り当てられた印刷枚数とは別枠で設けられた印刷枚数に、印刷処理によって消費される印刷枚数を計上するものとして処理を行うように依頼するものである。つまり、スケジュール送信要求部24がスケジュール管理装置5から上記ユーザのスケジュールを受信し、このスケジュールの中から印刷処理を行う印刷データ45に対応するスケジュールをユーザに選択させる。
そして、スケジュール送信要求部24は、ユーザによって選択されたスケジュールとともに印刷処理によって消費される印刷枚数を、上記別枠で設けられた印刷枚数に計上してもよいか管理者端末3に依頼するように指示を出す。このスケジュール送信要求部24からの指示に応じて、印刷条件変更指示部61は管理者端末3に対して上記依頼を行うとともに、ユーザによって選択されたスケジュールを送信する。
なお、ユーザによって選択されたスケジュールを送信し、上記した依頼を管理者端末3に対して行う際、印刷データ45のサムネイルもともに送信することができる。このサムネイルは、印刷条件変更指示部61が印刷データ取得部22によって取得された印刷データ45に基づいて作成する。
上記印刷条件承認確認部62(変更許可確認手段)は、印刷条件変更指示部61から管理者端末3に送信された依頼に対する、管理者端末3からの応答を受信し、この応答内容を解析するものである。
印刷条件承認確認部62は、管理者端末3から受信した応答が、上記依頼を承認するものである場合は、印刷枚数監視部63に画像形成部15に対して印刷処理を行うよう指示するように要求するとともに、印刷処理によって消費された印刷枚数は別枠に設けられた印刷可能な印刷枚数に計上するように指示を出す。
一方、上記管理者端末3から受信した応答が、上記した依頼を承認しないものである場合、印刷枚数監視部63に画像形成部15に対して印刷処理を行うように指示するように要求するとともに、印刷処理によって消費された印刷枚数をユーザに割り当てられた印刷枚数の中から使用するように指示を出す。
なお、この印刷条件承認確認部62と印刷条件変更指示部61とによって、変更許可確認手段を実現できる。
さらにまた、本実施の形態に係る複合型プリンタ51は、実施形態1の印刷枚数監視部21と比較して印刷枚数監視部63が、印刷処理を別枠に設けられた印刷枚数の上限値の範囲で行う場合、印刷処理によって消費された印刷枚数をこの印刷処理を指示したユーザに割り当てられた印刷枚数に計上せず、別枠で設けられた印刷枚数に計上するように設定されている点が異なる。
(複写による印刷処理)
次に、複写のように複合型プリンタ51の画像入力部12によって印刷データ45を読取る場合について図15を参照して説明する。図15は、実施形態2における、複合型プリンタ51において読取られた印刷データ45に基づき、印刷処理を行う場合の一例を示すフローチャートである。
図15に示すように先ず、複合型プリンタ51の画像入力部12は、ユーザによって入力された印刷対象の原稿から印刷データ45を読取る(ステップS90、これ以降S90のように称する)。なお、ユーザは、印刷対象の原稿を複合型プリンタ51に入力する場合、実施形態1と同様にユーザ自身を特定するアカウント情報72を複合型プリンタ51に入力する。
複合型プリンタ51は、印刷データ45を読取ると、ユーザに対して当該ユーザに割り当てられた印刷枚数とは別枠で印刷処理を要求するか否かを問い合わせる(S91)。
すなわち、複合型プリンタ51において、印刷データ取得部22の指示に応じて、画像入力部12が印刷データ45を読取ると、印刷データ取得部22は、印刷条件問合せ部60に印刷データ45を読取ったことを伝える通知を送信する。なお、読取った印刷データ45は、図示していないがプリンタ記憶部16に記憶しておく。
印刷条件問合せ部60は、印刷データ取得部22からの通知に応じて、表示操作部11に、印刷枚数の上限値とは別枠で印刷処理を要求するか否かを問い合わせる表示を行うよう指示を出す。この印刷条件問合せ部60からの指示に応じて表示操作部11は、表示装置等の出力手段によって上記問合せを表示する。
この問合せを表示する際、印刷条件問合せ部60は、印刷データ取得部22によって取得された印刷データ45に基づきサムネイルを作成し、このサムネイルを上記問合せとともに表示操作部11によって表示させる構成であってもよい。このようにサムネイルを表示する構成の場合、ユーザはこのサムネイルを参照してどのような内容の印刷データ45に対して、複合型プリンタ51から問合せがなされているか容易に把握することができる。
この表示操作部11における問合せの表示に対してユーザが、タッチパネル等の入力手段によって別枠で印刷処理を要求するか否かの指示を入力する。ユーザによって入力された指示は、表示操作部11から印刷条件問合せ部60に送信され、印刷条件問合せ部60は、ユーザからの指示を解析する。
印刷問合せ部60の解析の結果、ユーザからの指示が、別枠で印刷データ45の複写処理を行わない場合(S91において「NO」)は、上記ユーザに割り当てられている上限値の範囲で印刷処理を行う(S92)。そして印刷処理を終了し(S93)、印刷処理が終了した旨の通知を行う(S94)。
すなわち、ステップS91において「NO」の場合、印刷条件問合せ部60は、印刷データ取得部22に、受信した印刷データ45を印刷枚数監視部21に送信するように指示を出す。印刷枚数監視部21は、印刷データ取得部22から印刷データ45を受信すると、ユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値に到達しないように監視しながら、画像形成部15に受信した印刷データ45に基づく印刷処理を行うように指示を出す。この印刷枚数監視部21からの指示に応じて、画像形成部15は印刷処理を行う。
一方、ユーザからの指示が、別枠で印刷データ45の複写処理を行う場合(S91において「YES」)は、上記スケジュール管理装置にスケジュールを送信するよう要求する(S95)。そして、スケジュールを受信すると(S96)、この受信したスケジュールとともに管理者に、上記ユーザに割り当てられた印刷枚数とは別枠で印刷処理を行うことを許可してもらうように依頼する(S97)。
つまり、ステップS91において「YES」の場合、印刷条件問合せ部60は、上記ユーザのスケジュールを送信するようスケジュール管理装置5に要求するように、スケジュール送信要求部24に対して指示を出す。スケジュール送信要求部24は、印刷条件問合せ部60からの指示に応じて、スケジュール管理装置5に対して上記ユーザのスケジュールを送信するように要求して、当該スケジュール管理装置5からこのスケジュールを受信する。スケジュール送信要求部24が受信するユーザのスケジュールは、既に終了したスケジュールが含まれていないことが好ましい。
そして、スケジュール送信要求部24は、受信したスケジュールを表示操作部11に指示して表示させ、このスケジュールの中から印刷処理を要求している印刷データ45に対応するスケジュールをユーザに選択させる。そして、ユーザは、表示操作部11の入力手段によって適切なスケジュールを選択して複合型プリンタ51に送信する。
なお、表示操作部11において表示されるスケジュールは、実施形態1と同様にして、終了したスケジュールは選択できないようにしたりして、使用済みのスケジュールと他のスケジュールと区別できるように表示される。
ユーザによって選択されたスケジュールは複合型プリンタ51において、スケジュール送信要求部24で受信され印刷条件変更指示部61に渡される。さらにスケジュール送信要求部24は、管理者端末3に対して、ユーザに割り当てられた印刷枚数とは別枠に設けられた印刷枚数として、印刷処理によって消費される印刷枚数を計上するように依頼するよう印刷条件変更指示部61に指示を出す。
印刷条件変更指示部61は、スケジュール送信要求部24からの指示に応じて、プリンタ通信部14を介して管理者端末3に上記ユーザによって選択されたスケジュールを送信し、上記した依頼を行う。印刷条件変更指示部61は、この依頼を行う際に、計時部17に信号を送り、この計時部17で依頼に対する応答期間を管理するように指示する。
なお、印刷条件変更指示部61から管理者端末3への依頼を行う際、印刷データ45のサムネイルも共に送信する。
この依頼に対して管理者端末3から所定期間内に応答を受信した場合(S98において「YES」)、複合型プリンタ4は管理者端末からの応答が別枠での印刷処理を承認するものであるか否かを判定する(S101)。
すなわち、印刷条件変更指示部61から管理者端末3に対して印刷処理を別枠に設定された印刷枚数の範囲で行う旨の依頼がなされる。この依頼に対して、印刷条件承認確認部62が所定期間内に管理者端末3から応答を受信した場合、この印刷条件承認確認部62は管理者端末3から受信した応答の内容を解析する。そして、印刷条件承認確認部62はこの解析の結果、管理者端末3から受信した応答の内容が上記依頼に対して承認するものであるのか否かを判定する。
印刷条件承認確認部62が管理者端末3から受信した応答の内容が上記依頼に対して不承認であると判定した場合(S101において「NO」)、ユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値の範囲で印刷処理を行うように印刷枚数監視部63に指示を出す。
印刷枚数監視部63は、印刷条件承認確認部62からの指示に応じて、印刷データ取得部22で取得した印刷データ45を画像形成部15に送信し印刷処理の実行指示を行うとともに、画像形成部15において印刷される印刷データ45の枚数を、上記ユーザの印刷条件27を参照して監視する(S92)。
一方、印刷条件承認確認部62が管理者端末3から受信した応答の内容が上記依頼に対して承認するものであると判定した場合(S101において「YES」)、印刷枚数監視部63に印刷処理を行うように指示を出す。そして、印刷枚数監視部63はこの印刷条件承認確認部62からの指示に応じて、印刷データ取得部22で取得した印刷データ45を画像形成部15に送信し、印刷処理を行うように指示する(S102)。
また、印刷枚数監視部63は、各ユーザに設けられている印刷枚数の上限の範囲とは別枠で設けられている印刷枚数の範囲で印刷処理を行う場合、この印刷処理で使用した印刷枚数を、印刷処理を要求したユーザの印刷枚数として計上しないようにする。
なお、この別枠で設けられている印刷枚数の範囲は、例えば、特定のグループ等に設けられた印刷上限の範囲で行うことが指定される場合は、印刷処理によって消費された印刷枚数の履歴をこの特定グループの印刷枚数に加算するようにスケジュール管理装置5に対して通知できる構成であることが好ましい。
また、この特定グループに割り当てられた印刷枚数の上限値の範囲で印刷処理を行う場合、ステップS91でユーザに割り当てられた印刷枚数とは別枠で印刷を行う旨ユーザが要求する際に、このユーザが上記特定グループを指定することでこの特定グループの選択を行うことができる。あるいは、管理者端末3からの応答を受信する際に、この応答に特定のグループに割り当てられた印刷枚数の上限値の範囲で印刷処理を行うように指定することで選択されてもよい。
一方、所定の期間内で管理者端末3から上記依頼に対する応答を受信できなかった場合(S98において「NO」)、時間切れとしてユーザに割り当てられた印刷枚数の範囲で印刷処理が行われる(S92)。
すなわち、計時部17は、印刷条件変更指示部61からの依頼時から所定期間が経過した場合、その旨を伝える信号を印刷条件承認確認部62に送信する。この信号を受信するまでの間に、印刷条件承認確認部62が管理者端末3から上記応答の受信がない場合、時間切れとして印刷枚数監視部63にユーザに割り当てられた印刷枚数の範囲で印刷を行うように指示を出す。この印刷条件承認確認部62からの指示に応じて印刷枚数監視部63は印刷処理によって消費された印刷枚数の数がユーザに割り当てられた印刷枚数の範囲であるか否かを監視しながら印刷データ45に基づく印刷処理を画像形成部15に対して指示する。
印刷処理が終了すると印刷枚数監視部63は印刷処理が終了した旨を通知するとともに、印刷処理によって消費された印刷枚数を表示するように表示操作部11に指示を出す。また、印刷枚数監視部63は、プリンタ記憶部16で記憶している印刷条件27の中から印刷処理を要求したユーザのアカウント情報72に対応する残りの印刷枚数に今回印刷処理で消費した印刷枚数を追加するように書き換える。
なお、上記した処理ステップにおいてステップS92〜ステップS94において、実施形態1に示すようにユーザに割り当てられた印刷枚数の上限値に到達した場合に、管理者端末3に対して上限値の設定変更を複合型プリンタ51から要求できる構成であってもよい。なお、この場合、上記した複合型プリンタ51の構成に加えて、複合型プリンタ4が備える承認確認部23,設定変更指示部25,設定変更問合せ部20を備えることで実現できる。
(ユーザ端末からの印刷指示に基づく印刷処理)
次に、本実施の形態に係る印刷管理システム50において、ユーザ端末2から印刷データ45を送信し印刷処理を行う場合について図16を参照して説明する。この図16は、実施形態2における、ユーザ端末2からの印刷指示に基づく複合型プリンタ51の印刷処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この処理ステップは、ユーザ端末2においてユーザ端末制御部162によって実行される。
まず、ユーザ端末2において印刷処理部171がユーザ端末記憶部161に記録されている印刷データ45を複合型プリンタ4に送信する場合、ユーザ端末2において以下に示す判定が行われる。すなわち、ユーザ端末2は、ユーザに対して、この印刷データ45の印刷処理によって消費されるシートの印刷枚数は、このユーザに割り当てられている印刷可能な印刷枚数を使用するのか、あるいは別枠で設けられている印刷枚数を使用するのかについて問い合わせる(S110)。なお、ユーザ端末2にこの問合せを行う際、ユーザ端末2から送信された印刷データ45は、一旦プリンタ記憶部16に記憶される。
この問い合わせは、ユーザがユーザ端末入出力部160の入力手段を操作し、複合型プリンタ51に印刷指示を行う際に、ユーザ端末2の表示装置等の出力手段によって表示することで実現できる。
また、この問い合わせを行う場合、ユーザ端末入出力部160において印刷データ45のサムネイルも表示するように構成されていてもよい。このように、サムネイルで印刷データ45を表示することで、ユーザは印刷データ45の内容を容易に把握することができる。
ユーザはこの問い合わせに対して、ユーザ端末入出力部160のキーボード等の入力手段によってどちらを選択するか入力することができる。
ユーザが印刷データ45の印刷処理を、ユーザに割り当てられている印刷枚数を用いて行うことを選択する場合(S110において「NO」)、印刷データ45を複合型プリンタ51に送信する(S111)。
なお、ユーザ端末2がこの印刷データ45を複合型プリンタ51に送信する際に、ユーザ端末2は、複合型プリンタ51に対して、ユーザに割り当てられている印刷枚数を用いて印刷処理を行うことを示す情報とこのユーザのアカウント情報72とも併せて通知する。このユーザ端末2から送信された印刷データ45に基づいて印刷処理が行われ終了すると、複合型プリンタ51から印刷処理が全て完了したことを示す情報と、印刷処理で消費された印刷枚数の情報とが送信される。そして、これらの情報を受信して(S112)、ユーザ端末2の処理が終了する。
一方、ユーザが印刷データ45の印刷処理を、ユーザに割り当てられている印刷枚数とは別枠を用いて行うことを選択する場合(S110において「YES」)、ユーザ端末2からスケジュール管理装置5にスケジュールの送信を要求する(S113)。
ユーザは、このスケジュールの送信要求を行う場合、スケジュール管理装置5に対してユーザ端末2から自身のアカウント情報72と印刷処理を行う印刷データ45に関する情報を送信する。
ところで、スケジュール管理装置5において保持されているスケジュールは、それぞれ各ユーザのアカウント情報72と対応付けられており、さらにスケジュールには印刷目的と印刷される印刷物のデータとが記録されている。このため、スケジュール管理装置5は、ユーザ端末2からユーザのアカウント情報72および印刷データ45の情報を受信することで、この印刷データ45に対応するスケジュールをユーザ端末2に送信することができる。なお、スケジュール管理装置5から送信されるスケジュールは、既に処理済のスケジュールをユーザが選択できないように他のスケジュールと区別されていることが好ましい。
ユーザ端末2は、スケジュールを受信すると(S114)、管理者端末3に対して、ユーザに割り当てられている印刷枚数とは別枠に設けられている印刷枚数を用いて印刷処理を行うことについて依頼する(S115)。
このユーザ端末2からの依頼に対する返答を管理者端末3からユーザ端末2が受信する場合(S116において「YES」)、ユーザ端末2において、この返答の内容が上記依頼に対して承認するものであるのか否かを判定する(S119)。この管理者端末3からの返答の内容の確認は、例えばユーザ端末2の出力手段によって管理者端末3からの返答内容を表示させることによって実現できる。
そして、管理者端末3からの応答が上記した依頼を承認する内容である場合(S119において「YES」)、ユーザ端末2は印刷データ45とともに、管理者端末3から別枠の印刷枚数を用いて印刷することが承認されたことを示す情報を複合型プリンタ51に送信する(S120)。
一方、ステップS119において「NO」の場合、印刷データを複合型プリンタ51に送信するとともに、ユーザに割り当てられた印刷枚数を使用して印刷処理を行う旨通知する。
また、管理者端末3からの応答を受信したか判定し(S116)、まだ受信していない場合(S116においてNO)、予めユーザ端末2において設定されている所定時間の待ち時間内であれば(S117において「YES」)、ユーザ端末2は管理者からの応答待ち状態を維持する。しかし、所定時間経過後においても管理者端末3から応答が受信されない場合、時間切れとして(S118)、ユーザ端末2は、複合型プリンタ51に印刷データを送信するとともに、ユーザに割り当てられた印刷枚数を使用して印刷処理を行う旨通知する。
このように、本実施の形態に係る印刷管理システム50において、ユーザが自身に割り当てられている印刷枚数を使用して印刷処理を行うのか、あるいは別枠で設けられた印刷枚数を使用して印刷処理を行うのかを選択できるように構成されている。
このため、印刷データの内容がユーザ個人のものではなく、あるグループにおいて用いる配布資料である場合、ユーザは自身に割り当てられている印刷枚数を用いて印刷しなくても、別枠で例えばこのグループに割り当てられている印刷枚数を用いて印刷処理を行うことができる。
なお、上記実施形態の複合型プリンタ51の各部や各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、キーボードなどの入力手段、ディスプレイなどの出力手段、あるいは、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態の複合型プリンタ51の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。