近時、経費削減や資源の有効利用などの観点から、無駄な印刷を省いて適切な印刷を行うことが求められている。しかしながら、特許文献1では、印刷の適切性に関しては考慮されていない。また、特許文献2では、印刷された文書量を把握しているが、配布用、決済用など文書の種類によっては、印刷すべき枚数が大きく異なるので、印刷された文書量だけで印刷の適切性を判断することは不十分である。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、印刷の状況に応じて印刷の適切性を判断することができる印刷管理装置などを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の印刷管理装置は、ユーザからの印刷要求に基づいて、プリンタに印刷を指示する印刷管理装置であって、印刷に関する設定である印刷設定の適切性を判定する規準となる適切性判定ルール情報であって、印刷目的と上記印刷設定の適切性との対応関係を含む適切性判定ルール情報を記憶する記憶手段と、印刷目的を取得する印刷目的取得手段と、上記印刷設定を取得する印刷設定取得手段と、上記印刷目的取得手段が取得した印刷目的と、上記印刷設定取得手段が取得した印刷設定とに基づいて、上記記憶手段が記憶する適切性判定ルール情報を参照することにより、上記印刷設定の適切性を判定する適切性判定手段とを備えることを特徴としている。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記記憶手段が記憶する適切性判定ルール情報は、上記印刷目的とは無関係に上記印刷設定の適切性を判定する基準となるデフォルトの適切性判定ルール情報を含んでおり、上記適切性判定手段は、上記印刷目的が不明である場合には、上記印刷設定取得手段が取得した印刷設定とに基づいて、上記記憶手段が記憶するデフォルトの適切性判定ルール情報を参照することにより、上記印刷設定の適切性を判定することを特徴としている。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記記憶手段が記憶するデフォルトの適切性判定ルール情報は、上記印刷設定の所定期間における適切性を含むことを特徴としている。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記記憶手段は、ユーザのスケジュール情報を記憶しており、上記印刷要求を行うユーザに対応するスケジュール情報を上記記憶手段から取得して上記印刷要求に対応付けるスケジュール対応付け手段をさらに備えており、上記印刷目的取得手段は、上記スケジュール対応付け手段が対応付けたスケジュール情報から印刷目的を取得することを特徴としている。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記記憶手段が記憶するユーザのスケジュール情報は、スケジュールとは無関係の印刷を行うためのデフォルトのスケジュール情報を含むことを特徴としている。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記記憶手段が記憶する適切性判定ルール情報は、上記印刷目的取得手段が上記デフォルトのスケジュール情報から取得した印刷目的と、上記印刷設定の所定期間における適切性との対応関係を含むことを特徴としている。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記印刷要求を行うユーザを認証する認証手段をさらに備えており、上記スケジュール対応付け手段は、上記認証手段が認証したユーザに対応するスケジュール情報を上記記憶手段から取得して上記印刷要求に対応付けることを特徴としている。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記記憶手段が記憶するユーザのスケジュール情報は、該スケジュール情報のスケジュールにて行われるイベントに参加する参加者の構成を含んでおり、上記記憶手段が記憶する適切性判定ルール情報は、上記参加者の構成と上記印刷設定の適切性との対応関係をさらに含むことを特徴としている。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記印刷設定取得手段が取得した印刷設定を記憶手段に記憶させる保存手段をさらに備えており、上記適切性判定手段は、上記印刷目的と、上記印刷設定取得手段が取得した印刷設定と、上記記憶手段が記憶する印刷設定とに基づいて、上記適切性判定ルール情報を参照することにより、同一のスケジュール情報に関する印刷設定の適切性を一括して判定することを特徴としている。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記適切性判定手段にて不適切であると判定された場合には、印刷を指示する前に印刷が不適切である旨をユーザに警告する警告手段を備えることを特徴としている。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記印刷設定取得手段が取得した印刷設定を記憶手段に記憶させる保存手段をさらに備えることを特徴としている。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記保存手段は、上記適切性判定手段が判定した適切性の判定結果を記憶手段にさらに記憶させることを特徴としている。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記記憶手段に記憶された印刷設定および適切性の判定結果を、指定または所定の期間で集計する集計手段と、該集計手段が集計した集計情報を表示する表示手段とをさらに備えることを特徴としている。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記集計手段は、上記印刷設定および適切性の判定結果のうち、指定の項目に関する印刷設定および適切性の判定結果を集計することを特徴としている。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記表示手段は、上記集計情報の中の或る集計値が所定の範囲内にある場合には、上記集計値または上記集計値の表示領域を、上記範囲に対応する色で表示することを特徴としている。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記表示手段は、上記集計情報における集計値の順に上記集計情報を整列して表示することを特徴としている。
また、本発明のプリンタは、上記構成の印刷管理装置を一体に備えるプリンタであることを特徴としている。
また、本発明の印刷管理システムは、上記構成の印刷管理装置と、該印刷管理装置からの印刷指示に基づいて印刷を行うプリンタと、ユーザ端末とが通信ネットワークを介して接続されていることを特徴としている。
また、本発明の印刷管理装置の印刷管理方法は、ユーザからの印刷要求に基づいて、プリンタに印刷を指示する印刷管理装置の印刷管理方法であって、上記印刷管理装置は、印刷に関する設定である印刷設定の適切性を判定する規準となる適切性判定ルール情報であって、印刷目的と上記印刷設定の適切性との対応関係を含む適切性判定ルール情報を記憶する記憶手段を備えており、印刷目的を取得する印刷目的取得ステップと、上記印刷設定を取得する印刷設定取得ステップと、上記印刷目的取得ステップにより取得された印刷目的と、上記印刷設定取得ステップにより取得された印刷設定とに基づいて、上記記憶手段が記憶する適切性判定ルール情報を参照することにより、上記印刷設定の適切性を判定する適切性判定ステップとを含むことを特徴としている。
また、本発明の印刷管理プログラムは、上記構成の印刷管理装置を動作させるための印刷管理プログラムであって、コンピュータを上記印刷目的取得手段、上記印刷設定取得手段、および上記適切性判定手段として機能させるための印刷管理プログラムであることを特徴としている。
また、本発明のコンピュータ読取り可能な記録媒体は、上記印刷管理プログラムが記録されていることを特徴としている。
上記のように、本発明の印刷管理装置は、印刷に関する設定である印刷設定の適切性を判定する規準となる適切性判定ルール情報であって、印刷目的と上記印刷設定の適切性との対応関係を含む適切性判定ルール情報を記憶する記憶手段と、印刷目的を取得する印刷目的取得手段と、上記印刷設定を取得する印刷設定取得手段と、上記印刷目的取得手段が取得した印刷目的と、上記印刷設定取得手段が取得した印刷設定とに基づいて、上記記憶手段が記憶する適切性判定ルール情報を参照することにより、上記印刷設定の適切性を判定する適切性判定手段とを備える構成である。
ここで、ユーザからの印刷要求は、ユーザの使用するPC(Personal Computer)等のユーザ端末から行ってもよいし、ユーザが操作するプリンタの操作部から行ってもよい。また、印刷目的取得手段は、印刷目的をユーザから取得してもよいし、後述のスケジュール情報から取得してもよい。また、印刷設定取得手段は、印刷前であればユーザから印刷設定を取得することができ、印刷後であればプリンタの印刷結果から印刷設定を取得することができる。
また、印刷設定の例としては、印刷枚数、カラー印刷および白黒印刷の選択、印刷用紙のサイズおよび品質、印刷用紙の供給トレイの選択、片面印刷および両面印刷の選択、ならびに印刷用紙の片面に印刷する文書の頁数が挙げられる。
また、適切性判断ルール情報の例としては、印刷目的や参加者の構成に基づいてカラー印刷が不適切か否かを判定するカラー印刷適切性判定情報や、印刷目的に基づいて印刷枚数が不適切か否かを判定する印刷枚数適切性判定情報が挙げられる。
上記の構成によると、印刷目的取得手段が取得した印刷目的と、印刷設定取得手段が取得した印刷設定とに基づいて、記憶手段が記憶する適切性判定ルール情報を参照することにより、印刷設定の適切性を判定している。これにより、印刷が無駄のない適切なものであるか否かの判定を、印刷目的に応じて行うことができるので、印刷の適切性を的確に判定できるという効果を奏する。
なお、印刷すべき文書情報は、ユーザ端末から印刷要求とともに印刷管理装置に送出し、印刷管理装置からプリンタに印刷指示とともに送出してもよいし、ユーザ端末からプリンタに直接送出してもよい。ユーザ端末からプリンタに直接送出する場合には、プリンタは、印刷管理装置から印刷指示を取得した後に印刷を行うことになる。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記記憶手段が記憶する適切性判定ルール情報は、上記印刷目的とは無関係に上記印刷設定の適切性を判定する基準となるデフォルトの適切性判定ルール情報を含んでおり、上記適切性判定手段は、上記印刷目的が不明である場合には、上記印刷設定取得手段が取得した印刷設定とに基づいて、上記記憶手段が記憶するデフォルトの適切性判定ルール情報を参照することにより、上記印刷設定の適切性を判定する構成である。
ところで、日常業務では種々の目的で印刷が行われており、それぞれの印刷目的についてユーザに問い合せると、ユーザに新たな負担を強いることになる。この場合、印刷目的を印刷管理装置が取得しなくても、印刷の適切性が判断されることが望ましい。
そこで、上記の構成によると、デフォルトの適切性判定ルール情報を利用することにより、印刷目的が不明であっても印刷の適切性を判定することができる。したがって、例えば日常業務における印刷に対しても印刷の適切性を判定できるという効果を奏する。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記記憶手段が記憶するデフォルトの適切性判定ルール情報は、上記印刷設定の所定期間における適切性を含む構成である。
上記の構成によると、例えば日常業務の印刷に関して、印刷設定の所定期間における適切性が判定されるので、例えば所定期間内の印刷量を適切に判定できるという効果を奏する。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記記憶手段は、ユーザのスケジュール情報を記憶しており、上記印刷要求を行うユーザに対応するスケジュール情報を上記記憶手段から取得して上記印刷要求に対応付けるスケジュール対応付け手段をさらに備えており、上記印刷目的取得手段は、上記スケジュール対応付け手段が対応付けたスケジュール情報から印刷目的を取得する構成である。
上記の構成によると、印刷目的をスケジュール情報から取得している。これにより、ユーザに印刷目的を要求する必要がないので、印刷目的を効率よく取得できるという効果を奏する。
なお、スケジュールが複数存在する場合には、ユーザにスケジュール情報の選択要求を行ってもよいし、直近のスケジュール情報に対応付けてもよい。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記記憶手段が記憶するユーザのスケジュール情報は、スケジュールとは無関係の印刷を行うためのデフォルトのスケジュール情報を含む構成である。
上記の構成によると、日常業務の印刷などのように、スケジュールとは無関係の印刷を行う場合であっても、スケジュール対応付け手段がデフォルトのスケジュール情報と対応付けることにより、印刷の適切性を判定できるという効果を奏する。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記記憶手段が記憶する適切性判定ルール情報は、上記印刷目的取得手段が上記デフォルトのスケジュール情報から取得した印刷目的と、上記印刷設定の所定期間における適切性との対応関係を含む構成である。
上記の構成によると、スケジュールとは無関係の印刷を行う場合には、印刷設定の所定期間における適切性が判定されるので、例えば所定期間内の印刷量を適切に判定できるという効果を奏する。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記印刷要求を行うユーザを認証する認証手段をさらに備えており、上記スケジュール対応付け手段は、上記認証手段が認証したユーザに対応するスケジュール情報を上記記憶手段から取得して上記印刷要求に対応付ける構成である。
上記の構成によると、認証手段の認証により印刷要求を行う真正のユーザを特定できるので、ユーザのスケジュール情報を印刷要求に確実に対応付けることができるという効果を奏する。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記記憶手段が記憶するユーザのスケジュール情報は、該スケジュール情報のスケジュールにて行われるイベントに参加する参加者の構成を含んでおり、上記記憶手段が記憶する適切性判定ルール情報は、上記参加者の構成と上記印刷設定の適切性との対応関係をさらに含む構成である。
ここで、スケジュールにて行われるイベントとしては、会議、打合わせなどが挙げられる。また、参加者の構成例としては、社外、社内であってグループ外、社内であってグループ内の各参加人数が挙げられる。
上述のように、印刷の適切性に関しては、カラー印刷の適切性のように参加者の構成に基づいて判定する必要がある場合がある。したがって、上記の構成によると、適切性判定ルール情報は、参加者の構成と印刷設定の適切性との対応関係を含むので、印刷の適切性の判定がより的確となる効果を奏する。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記印刷設定取得手段が取得した印刷設定を記憶手段に記憶させる保存手段をさらに備えており、上記適切性判定手段は、上記印刷目的と、上記印刷設定取得手段が取得した印刷設定と、上記記憶手段が記憶する印刷設定とに基づいて、上記適切性判定ルール情報を参照することにより、同一のスケジュール情報に関する印刷設定の適切性を一括して判定する構成である。
上記の構成によると、或るスケジュールに関して行われた一連の印刷設定の適切性を一括して判定できるので、時期をずらして印刷が行われても、印刷設定の適応性を確実に調べることができるという効果を奏する。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記適切性判定手段にて不適切であると判定された場合には、印刷を指示する前に印刷が不適切である旨をユーザに警告する警告手段を備える構成である。
上記の構成によると、印刷前に印刷管理装置からユーザに警告が発せられるので、ユーザに不適切な印刷であることを気付かせる効果を奏する。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記印刷設定取得手段が取得した印刷設定を記憶手段に記憶させる保存手段をさらに備える構成である。
上記の構成によると、保存手段により印刷設定が記憶手段に記憶されるので、任意の時に、記憶手段から印刷設定を読み取って、印刷の適切性を判定できるという効果を奏する。
なお、ここでの印刷設定は、実際の印刷設定、すなわち印刷後のプリンタの印刷結果であることが望ましい。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記保存手段は、上記適切性判定手段が判定した適切性の判定結果を記憶手段にさらに記憶させる構成である。
上記の構成によると、後日に、記憶手段に記憶された印刷設定および判定結果を分析することができるので、不適切な印刷の原因を特定できるという効果を奏する。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記記憶手段に記憶された印刷設定および適切性の判定結果を、指定または所定の期間で集計する集計手段と、該集計手段が集計した集計情報を表示する表示手段とをさらに備える構成である。
上記の構成によると、印刷設定および判定結果を集計して表示することにより、印刷設定および判定結果の分析が容易となり、不適切な印刷の原因の特定が容易となる効果を奏する。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記集計手段は、上記印刷設定および適切性の判定結果のうち、指定の項目に関する印刷設定および適切性の判定結果を集計する構成である。
ここで、指定の項目には、ユーザ名、使用枚数、使用回数、不適切性判定回数などがある。
上記の構成によると、指定の項目に関する印刷設定および判定結果に特化して分析でき、不適切な印刷の原因を特定できるという効果を奏する。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記表示手段は、上記集計情報の中の或る集計値が所定の範囲内にある場合には、上記集計値または上記集計値の表示領域を、上記範囲に対応する色で表示する構成である。
ここで、所定の範囲として複数個を設定しても良い。また、色の表示は、色相、彩度、および明度の少なくとも1つを変更して表示すれば良い。
上記の構成によると、集計情報を色分けして表示できるので、印刷設定および判定結果の分析がさらに容易となり、不適切な印刷の原因の特定がさらに容易となる効果を奏する。
さらに、本発明の印刷管理装置は、上記の構成において、上記表示手段は、上記集計情報における集計値の順に上記集計情報を整列して表示することを特徴としている。
上記の構成によると、集計値の順に上記集計情報が整列して表示されるので、例えば不適切な印刷の頻度が多いものから順番に優先的に解析できるという効果を奏する。
なお、上記構成の印刷管理装置は、プリンタと一体に備えることもできる。また、上記構成の印刷管理装置と、該印刷管理装置からの印刷指示に基づいて印刷を行うプリンタと、ユーザ端末とが通信ネットワークを介して接続された印刷管理システムでも、上述の作用効果を得ることができる。
また、本発明の印刷管理装置の印刷管理方法は、上記のように、印刷目的を取得する印刷目的取得ステップと、上記印刷設定を取得する印刷設定取得ステップと、上記印刷目的取得ステップにより取得された印刷目的と、上記印刷設定取得ステップにより取得された印刷設定とに基づいて、上記記憶手段が記憶する適切性判定ルール情報を参照することにより、上記印刷設定の適切性を判定する適切性判定ステップとを含む方法である。
上記の方法によると、印刷目的取得ステップにより取得された印刷目的と、印刷設定取得ステップにより取得された印刷設定とに基づいて、記憶手段が記憶する適切性判定ルール情報を参照することにより、印刷設定の適切性を判定している。これにより、印刷が無駄のない適切なものであるか否かの判定を、印刷目的に応じて行うことができるので、印刷の適切性を的確に判定できるという効果を奏する。
なお、上記印刷管理装置における印刷目的取得手段、印刷設定取得手段、および適切性判定手段を、印刷管理プログラムによりコンピュータ上で実行させることができる。さらに、上記印刷管理プログラムをコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶させることにより、任意のコンピュータ上で上記印刷管理プログラムを実行させることができる。
本発明の一実施形態について図1〜図23に基づいて説明すれば、以下のとおりである。図2は、本実施形態の印刷管理システムの概略構成を示している。印刷管理システム1は、1台以上のユーザ端末(PC)2と、1台以上の複合型プリンタ(Multi Function Printer)(MFP)3と、印刷管理装置4とが、通信ネットワーク5を介して相互に通信可能に接続された構成となっている。
ユーザ端末2、複合型プリンタ3、および印刷管理装置4は、一般的なコンピュータと同様の構成を有している。すなわち、これらの装置は、処理装置(CPU(Central Processing Unit))と、記憶装置と、外部の装置とのインターフェースをとるインターフェース装置とを備えており、各種の動作は、記憶装置に記憶されたプログラムを処理装置に実行させることにより行なわれる。
ユーザ端末2は、文書の印刷に関する各種の情報を印刷管理装置4に送信する。具体的には、ユーザ端末2は、文書の印刷要求や、認証のためのユーザ名およびパスワードや、スケジュールの選択や、印刷設定や、不適切な印刷であると印刷管理装置4から警告されたときに印刷を実行するか否かの選択を印刷管理装置に送信する。また、ユーザ端末2は、印刷管理装置4からスケジュールの通知や印刷結果を受信する。
なお、ユーザ端末2は、印刷要求とともに、または印刷要求に代えて印刷すべき文書データを印刷管理装置4に送信しても良いし、印刷要求を印刷管理装置4に、文書データを複合型プリンタ3にそれぞれ送信しても良い。
複合型プリンタ3は、ユーザ端末2または印刷管理装置4から文書データを受信し、印刷管理装置4からの印刷実行指示により文書を印刷用紙に印刷する。また、複合型プリンタ3は、印刷の完了または失敗の情報を印刷管理装置4に送信する。
なお、複合型プリンタ3は、印刷管理装置4からの印刷指示のみに基づいて印刷を実行し、ユーザ端末2からの印刷指示を受け付けないように設定されている。これは、例えばIPアドレスやMACアドレスのような装置を特定するデータに着目し、複合型プリンタ3へのアクセスは印刷管理装置4のアドレスからのみ受け付けるようにすることで可能である。
また、複合型プリンタ3は、操作部(図示せず)にて印刷指示を受け取ると、印刷管理装置4に印刷の要求を行い、印刷管理装置4から印刷指示を取得した後に印刷を実行するように設定されている。同様に、複合型プリンタ3は、ユーザ端末2からの印刷指示を受け取ると、印刷管理装置4に印刷の要求を行い、印刷管理装置4から印刷指示を取得した後に印刷を実行するように設定されても良い。
これにより、複合型プリンタ3にて印刷を行う場合には、必ず印刷管理装置4を介するから、印刷管理装置4は、印刷管理システム1における全ての印刷状況を把握することができ、印刷の適切性を管理することができる。
通信ネットワーク5は、装置2〜3間の通信経路を構成するものである。通信ネットワーク5には、インターネット、LAN(Local Area Network)、独自回線など、公知の通信ネットワークを利用することができる。
印刷管理装置4は、全ての複合型プリンタ3の印刷を一括して管理するものである。本実施形態では、印刷管理装置4は、全ての複合型プリンタ3の印刷履歴および印刷の適切性を一括して管理している。すなわち、印刷管理装置4は、ユーザ端末2から文書の利用日時、印刷目的、参加人数などのスケジュールを予め登録しておき、複合型プリンタ3にて文書の印刷前または印刷後に、登録されたスケジュール情報からその印刷が適切なものであるか否かといった印刷の適切性を判定し、その結果を蓄積して保存している。
これにより、印刷管理装置4を操作する管理者は、通信ネットワーク3に接続する全ての複合型プリンタ3の利用状況と印刷の適切性とを把握することができる。
以下、印刷管理装置4の詳細な構成について図1と図3〜図11とに基づいて説明する。図3は、印刷管理装置4の概略構成を示している。図示のように、印刷管理装置4は、制御部11、記憶部(記憶手段)12、入出力部(表示手段)13、および通信部14を備える構成である。
制御部11は、印刷管理装置4内の各種構成を統括的に制御する機能を有し、例えばCPUにてプログラムが実行されることによって実現される。記憶部12は、各種情報を記憶する機能を有し、例えば半導体メモリやハードディスクによって構成される。なお、本実施形態における制御部11の構成と、記憶部12に記憶される情報とに関しては後述する。
入出力部13は、入力手段を用いて、管理者の入力に基づいて入力情報を作成し、作成された入力情報を制御部11に送信する機能と、出力手段を用いて、制御部11から出力情報を受け取り、受け取った出力情報を管理者に出力する機能とを有する。入力手段の例としては、キーボード、テンキー、カーソルキー、マウスなどのポインティングデバイス、およびタッチパネルが挙げられる。また、出力手段の例としては、LCD(Liquid Crystal Display)などの各種ディスプレイが挙げられる。
通信部14は、通信ネットワーク5に接続して、外部のユーザ端末2や複合型プリンタ3に対し各種データを通信する機能を有する。通信部14は、送信すべきデータを、通信に適した形式に変換した後通信ネットワーク5上に送信するとともに、受信したデータを装置内部での処理に適した形式に変換して制御部11に送出する。通信部14は、例えばモデム、ターミナルアダプタ、ネットワークアダプタなどによって構成される。
次に、記憶部12に記憶される情報に関して説明する。記憶部12には、印刷管理ファイル30、スケジュールファイル(スケジュール情報)31、結果ファイル32、ルール管理ライブラリ(適切性判定ルール情報)33、および認証ファイル34が記憶されている。
図4は、印刷管理ファイル30に保持されるデータのデータ構成例を示している。図示のように、印刷管理ファイル30には、スケジュールデータと結果データとの対応関係がユーザIDごとに含んでいる。これにより、印刷の適切性をユーザごとに管理することができる。なお、スケジュールデータの内容はスケジュールファイル31に保持され、結果データの内容は結果ファイル32に保持されている。
また、複数のユーザが共同で使用するスケジュールに関しては、印刷管理ファイル30における各ユーザのユーザIDの対応関係リストに、同じスケジュールデータおよび結果データの対応関係を追加すればよい。
ところで、日常業務においては、ユーザがスケジュールとは無関係に印刷を行いたい場合がある。このような場合に対処するため、スケジュールファイル31は、スケジュールとは無関係のデフォルトのスケジュールデータと、スケジュールとは無関係のデフォルトの結果データとの対応関係もユーザIDごとに含んでいる。
図5は、スケジュールファイル31に保持されるスケジュールデータのデータ構成例を示している。図示のように、スケジュールデータ(スケジュール情報)40は、印刷した文書の使用日時を、2003年6月16日9:00〜12:00などの形式で、印刷した文書の使用目的を、会議、配布、決裁書、届出、その他などの形式で、そのスケジュールへの参加者の構成および人数を、社内(グループ内)3人、社内(グループ外)1人、社外3人などの形式で含んでいる。
これらの情報は、例えば印刷目的が会議であれば、正式な場所での文書となるので、モノクロではなくカラーで印刷し、印刷用紙についても上質紙を使用しても適切であると判定するのに使用したり、参加者が社外の者や、社内でもグループ外の者に対して正式な対応を取る必要があると考えた場合は、印刷目的が配布資料でもカラーで印刷し上質紙を使用しても適切であると判定したりするのに使用する。
さらに、スケジュールファイル31は、スケジュールとは無関係のデフォルトのスケジュールデータ41をユーザIDごとに含んでいる。デフォルトのスケジュールデータ41は、印刷目的に日常業務などを割り当てることにより設定される。なお、使用日時や参加者の構成および人数の設定は不要である。
使用日時を設定しない場合には、デフォルトのスケジュールデータ41は、使用日時が無期限のスケジュールデータとなる。一方、使用日時を週単位や月単位などの或る期間で設定する場合には、使用日時が有限のスケジュールデータとなり、設定された期間での印刷枚数に関して、適切な印刷を行っているか否かを管理することが可能となる。
なお、デフォルトのスケジュールデータ41は、ユーザが自由に設定できず、管理者だけが設定し修正できることが望ましい。
図6は、結果ファイル32に保持される結果データのデータ構成例を示している。図示のように、結果ファイル32は、結果データ42をスケジュールごとに含んでおり、結果データ42は、或るスケジュールに関連して行われた印刷の印刷履歴データのリストと該印刷の適切性判定結果データのリストとを含んでいる。また、結果ファイル32は、スケジュールとは無関係に行われた印刷のデフォルトの結果データ43をユーザIDごとに含んでいる。結果データ42・43は、複合型プリンタ3にて印刷を実行するたびに、印刷処理部21から結果ファイルに追加される。
図7は、印刷履歴データのデータ構造例を示している。図示のように、印刷履歴データ44は、印刷履歴ID、印刷を要求したユーザのユーザID、印刷に対応付けられたスケジュールデータのスケジュールID、印刷日時、印刷枚数、カラー/モノクロの種別、用紙サイズ(A4、B5等)、用紙の種類(上質紙、裏紙、フォト光沢紙等)、使用した用紙トレイ、片面印刷/両面印刷の種別、および用紙片面あたりに印刷した頁数(N−up)を含んでいる。印刷履歴IDは、印刷履歴データを識別するための番号であり、固有かつ一意的な番号が割り当てられる。
図7の例では、既に作成された印刷履歴データの印刷履歴IDに使用していない固有な値として、印刷履歴IDにID1を与え、ユーザAで識別されるユーザが、スケジュールAで識別されるスケジュールにて使用することを目的として、2003年06月13日15:00に印刷を実行したことを示している。さらに、カラー印刷でA4サイズの上質紙を20枚印刷し、用紙トレイとしてトレイ1を使用し、片面印刷で用紙片面あたり2頁分の文書を印刷したことを示している。
なお、印刷履歴IDは、印刷日時の順番に割り当てられることが望ましい。これにより、2つの印刷履歴IDを比較するのみで何れの印刷履歴データが新しいかを判断することができる。さらにこの場合、一日の最初に行われた印刷の印刷履歴IDをその日付とともに毎日記憶することが望ましい。このとき、或る日に実行された印刷の印刷履歴データは、その日に対応する印刷履歴IDを有する印刷履歴データから、その日の翌日に対応する印刷履歴IDの1つ前の印刷履歴IDを有する印刷履歴データまでのものであることが理解できる。これにより、後述するカレンダー形式による表示が容易となる。
再び図6を参照すると、適切性判定結果データは、判定の規準としたルールのルールラベルと、該ルールによる判定結果と、判定を行った印刷の印刷履歴IDと、管理者が確認したか否かを示す確認情報とを含んでいる。例えば、ルールラベルはルールA1、ルールB3などの形式で含んでおり、印刷履歴IDは印刷履歴ID2や印刷履歴ID3などの形式で含んでいる。
また、確認情報は確認済や未確認などの形式で含んでいる。この場合、初期値は未確認の状態であり、管理者が印刷の適切性の管理を行うために管理者が適切性判定結果データの確認を行うと、未確認から確認済へ変更される。なお、管理上の都合により、一度確認済に変更したものでも未確認へ戻すこともできる。
また、判定結果は、適切または不適切の形式や、規準となる値からのずれを+5%などの割合で示した形式などで含んでいる。判定結果に関するこれらの形式は、ルール全体で決定しても良いし、ルールごとに決定しても良い。
図8は、ルール管理ライブラリ33のファイル構成例を示している。図示のように、ルール管理ライブラリ33は、ルールファイル45、目的タイプファイル46、および参加者タイプファイル47を含んでいる。
ルールファイル45は、適切な印刷であるかどうかを判定する規準となる複数のルールデータを含んでいる。目的タイプファイル46は、印刷目的のタイプを示す複数の目的タイプデータを含んでいる。参加者タイプファイル47は、参加者のタイプを示す複数の参加者タイプデータを含んでいる。
ルール管理ライブラリ33は、制御部11の設定部20にて以下のように設定される。まず、図8に示される会議や配布などの印刷目的タイプと、社外、社内(グループ外)、社内(グループ内)などの参加者タイプとを自由に設定し、それぞれ目的タイプファイル46および参加者タイプファイル47に追加する。なお、図示のように、印策目的タイプをさらにタイプA、タイプBなどに細分化したものを設定してもよい。
次に、ルールファイル45において、カラーの許可や印刷枚数に対する制限等の判定項目を設定し、設定された判定項目ごとに、目的タイプファイル46に含まれる印刷目的タイプと、参加者タイプファイル47に含まれる参加者タイプとを組み合わせ、組み合わせた条件ごとのデータをルールデータとして作成する。このとき、作成された各ルールデータに対してルールA1、ルールA2などの固有かつ一意の名称になるルールラベルを付加する。
図6に示すように、適切性判定結果データにルールラベルを含ませることにより、或る印刷がどのスケジュールで、どのルールを用いて不適切な判定になったのかを特定することができ、ルール使用の容易性を向上させるという効果を得ることができる。
次に、ルール管理ライブラリ33の設定例を図8に基づいて説明する。図示の例では、目的タイプファイル46に、会議(タイプA、タイプB、タイプC等)、配布資料(タイプA、タイプB、タイプC等)、決裁書(タイプA、タイプB、タイプC等)、届出(タイプA、タイプB、タイプC等)、日常業務等の目的タイプデータを予め設定しておき、参加者タイプファイル47についても社外、社内(グループ外)、社内(グループ内)、ユーザA、ユーザB等のように参加者タイプデータを設定する。
次に、「カラー印刷」、「印刷枚数」等の判定項目を作成し、各判定項目に対して印刷目的タイプと参加者タイプとの組み合せた条件でルールデータを作成する。図8の例では、ルールラベルに「A」を含むデータは、カラー印刷が判定項目であり、ルールラベルに「B」を含むデータは、印刷枚数が判定項目である。なお、図8において、ルールデータの判定部分に記した「○」は、不適切ではないことを示し、「×」は不適切であることを示している。
まず、カラー印刷のルール設定例について説明する。ルールA1は、目的タイプファイル46から会議のタイプAとタイプCを選択するものであり、カラー印刷が不適切では無いと判定するものである。また、ルールA2は、目的タイプファイル46からタイプAおよびタイプC以外の会議を選択し、かつ参加者タイプファイル47から社外を選択するものであり、カラー印刷が不適切では無いと判定するものである。また、ルールA3は、目的タイプファイル46から配布を選択し、かつ参加者タイプファイル47から社外または社内(グループ外)を選択するものであり、カラー印刷が不適切では無いと判定するものである。
一方、ルールAnは、目的タイプファイル46からタイプCの配布を選択し、かつ参加者タイプファイル47から社内(グループ内)を選択するものであり、カラー印刷が不適切であると判定するものである。また、ルールA_usrAは、ユーザAに対するデフォルトのルールであり、目的タイプファイル46から日常業務を選択するものであり、カラー印刷が不適切であると判定するものである。そして、カラー印刷の判定項目に対して、設定されたルールの何れの条件も当てはまらない場合のために、デフォルトのルールAdefを設定する。図8の例では、デフォルトのルールAdefは、カラー印刷が不適切であると判定するものである。
次に、印刷枚数に関するルール設定について説明する。決裁書や届出のようなものは予めフォーマットも決まっており、枚数は一定と考えられるので、一般的には印刷枚数もその枚数であると考えられる。また、配布資料などのように資料の内容によって枚数が変化すると考えられるものに対しては、適当と考えられる合計枚数を設定するのが一般的と考えられる。これらを考慮して設定したルールがルールB1、ルールB2、ルールB3等である。
ルールB1は、タイプAまたはタイプBの決裁書は3枚の印刷が適当であるというものである。また、ルールB2は、タイプCの届出は、1枚の印刷が適当であるというものである。また、ルールB3は、タイプBの配布資料は、30枚以下の印刷が適当であるというものである。
なお、判定項目としては、上記のカラー印刷や印刷枚数以外にも、印刷用紙サイズ、印刷用紙種類、片面印刷/両面印刷等、印刷履歴データに含まれる項目に対して自由に設定することができる。
次に、制御部11の構成に関して図3に基づいて説明する。制御部11は、設定部20、印刷処理部21、通知部22、および管理部(集計手段)23を備える構成である。
設定部20は、入出力部13および通信部14を介して各種情報を取得して、スケジュールファイル31、ルール管理ライブラリ33、および認証ファイル34を設定して記憶部12に記憶するものである。
具体的には、設定部20は、ユーザ端末2から通信ネットワーク5および通信部14を介してスケジュールデータを取得して、スケジュールファイル31に追加するものである。
また、設定部20は、ユーザ端末2を利用するユーザを識別するためのユーザIDと、該ユーザIDに対応するパスワードとを設定し、認証ファイル34に追加するものである。なお、ユーザIDおよびパスワードは、管理者が入出力部13を操作することにより取得しても良いし、ユーザがユーザ端末2を操作することにより通信ネットワーク5および通信部14を介して受け取っても良い。また、ユーザIDは、ユーザ名であってもよい。
また、設定部20は、ルール管理ライブラリ33の各種データを設定する。すなわち、ルールファイル45、目的タイプファイル46、および参加者タイプファイル47の各種データを入出力部13にて出力表示し、管理者がその出力表示を参照しつつ入出力部13を操作することにより、これら各種データの追加・修正・削除を行って、ルール管理ライブラリ33を更新する。
印刷処理部21は、ユーザ端末2または複合型プリンタ3からの要求により、複合型プリンタ3に印刷指示を送信して、複合型プリンタ3に印刷を実行させるものである。また、印刷処理部21は、印刷の終了後に印刷履歴データ44を結果ファイル32に追加するものである。さらに、本実施形態では、印刷指示を送信する前、または印刷の終了後に印刷の適切性判定を行い、判定結果データを結果ファイル32に追加するものである。なお、印刷処理部21の詳細な構成および処理動作については後述する。
通知部22は、ユーザ端末2からの要求により、或いはスケジュールデータ40に含まれる開始時刻の30分前など所定のタイミングで、記憶部12からスケジュールファイル31を読み取り、現在登録されているスケジュールデータ40をユーザ端末2に通知するものである。また、通知部22は、ユーザ端末2からの要求により、記憶部12から結果ファイル32を読み取り、印刷履歴データ44をユーザ端末2に通知するものである。
管理部23は、結果ファイル32に含まれる印刷履歴データ44を利用して印刷に関する各種の管理を行うものである。本実施形態では、管理部23は、記憶部12から印刷管理ファイル30を読み取ることにより、不適切な印刷を把握し、入出力部13またはユーザ端末2に送信して管理者またはユーザに通知するものである。なお、管理部23の詳細については後述する。
次に、印刷処理部21の構成および処理動作について図1および図9〜図11に基づいて説明する。図1は、印刷処理部21の概略構成を示している。印刷処理部21は、認証部(認証手段)50、スケジュール対応付け部(印刷目的取得手段、スケジュール対応付け手段)51、印刷設定取得部(印刷設定手段)52、適切性判定部(適切性判定手段)53、不適切印刷警告部(警告手段)54、および印刷指示部55を備える構成である。
また、図9は、印刷処理部21における各構成の処理動作を示している。まず、ユーザ端末2または複合型プリンタ3から印刷が要求されると、認証部50は、印刷を要求したユーザ端末2または複合型プリンタ3に対し、ユーザIDおよびパスワードを要求して取得する(ステップS10(以下「S10」と略称することがある。他のステップについても同様である。))。次に、認証部50は、取得したユーザIDおよびパスワードの認証を行い、認証に成功するまでステップS10を繰り返す(S11)。これにより、印刷を要求する真正のユーザを特定することができる。
認証部50にて認証に成功すると(S11にてYES)、スケジュール対応付け部51は、要求された印刷が何れのスケジュールに対応するかを調べるスケジュール対応付け処理を行う。図10は、スケジュール対応付け処理の処理動作を示している。まず、認証されたユーザIDに対応するスケジュールデータ40をスケジュールファイル31から取得して、現在ユーザが利用しているユーザ端末2または複合型プリンタ3に送信する(S30)。
ところで、或るスケジュールで利用される文書を印刷する場合、該スケジュールの開始時刻よりも前に印刷が行われることが一般的である。したがって、ステップS30にて送信するスケジュールデータ40は、現時点よりも後に予定されているスケジュールデータ40を送信することが望ましい。また、現時点から所定期間内に予定されているスケジュールデータ40を送信しても良い。また、複数のスケジュールデータ40が送信されるユーザ端末2または複合型プリンタ3では、スケジュールの予定日時の順番でスケジュールデータ40がリスト表示されることが望ましい。
次に、スケジュールデータ40を送信したユーザ端末2または複合型プリンタ3からスケジュールの指定情報を取得し(S31)、取得した指定情報にスケジュールが指定されているか否かを判断する(S32)。
スケジュールが指定されている場合には(S32にてYES)、指定したスケジュールに現在の印刷処理を対応付ける(S33)。一方、スケジュールが指定されていない場合には(S32にてNO)、デフォルトのスケジュールに現在の印刷処理を対応付ける(S34)。その後、スケジュール対応付け処理を終了して元の処理に戻る。このスケジュール対応付け処理により、全ての印刷処理を何らかのスケジュールに対応付けることができる。
次に、印刷設定取得部52は、上記ユーザ端末2または複合型プリンタ3に対し、印刷設定データを要求して取得する(S13)。次に、印刷の適切性判定を印刷前に行うか、印刷後に行うかを判断する(S14)。この判断の規準は、印刷管理装置4を提供する者や管理者が、先に適切性判定を行うと、ユーザに対して警告できるという長所と、ユーザが印刷を指示してから複合型プリンタ3が印刷するまでの時間が長くなるという短所とを勘案して予め設定されることが望ましい。
また、印刷管理システム1の構築直後は、適切性判定ルールがまだ実態に合っていないために、印刷前に判定すると不適切な警告が多く発生することが考えられる。したがって、ステップS14は、システムの構築直後は、適切性判定を印刷後に行うように設定しておき、或る程度期間が経過した後に、適切性判定を印刷前にも行うことができるように設定することが望ましい。また、上記判断の基準は、ユーザごとに行っても良い。例えば、過去の実績で不適切な設定での使用が多いユーザのみ、印刷前に適切性を判定するように設定することもできる。
印刷の適切性判定を印刷前に行う場合には(S14にてYES)、適切性判定部53は、要求された印刷の適切性を判定する(S15)。なお、印刷の適切性判定の詳細な処理動作については後述する。このとき、不適切な印刷であると判定された場合には(S16にてNO)、不適切印刷警告部54は、上記ユーザ端末2または複合型プリンタ3に不適切な印刷であることを示す警告メッセージを送信する(S17)。その後、上記ユーザ端末2または複合型プリンタ3から印刷要求を再取得しない場合には(S18にてNO)、ステップS13に戻って、印刷設定を変更させ、上記の動作を繰り返す。
一方、適切な印刷であると判定された場合(S16にてYES)、または印刷を強行するため上記ユーザ端末2または複合型プリンタ3から印刷要求を再取得した場合には(S18にてYES)、印刷指示部55は、印刷の指示を複合型プリンタ3に送信して、複合型プリンタ3に印刷を実行させる(S19)。その後、印刷指示部55は、複合型プリンタ3から印刷履歴データを取得して、結果ファイル32に追加するとともに、適切性判定部53は、適切性の判定結果データを結果ファイル32に追加して(S22)、印刷処理を終了する。
上記ステップS15〜S19のように、印刷の適切性判定を印刷前に実行した場合には、その判定結果を印刷前にユーザにフィードバックすることができ、ユーザの入力ミスや勘違い等による不適切な印刷を減らすことができる。また、不適切な印刷と判定された場合でも、ユーザは印刷を強行することができるが、判定結果が保存されるので、後に管理者が印刷の適切性を確認することができる。
一方、印刷の適切性判定を印刷後に行う場合には(S14にてNO)、印刷指示部55は、印刷の指示を複合型プリンタ3に送信して、複合型プリンタ3に印刷を実行させた後(S20)、ステップS15と同様に、適切性判定部53は、要求された印刷の適切性を判定する(S21)。その後、印刷指示部55は、複合型プリンタ3から印刷履歴データを取得して、結果ファイル32に追加するとともに、適切性判定部53は、適切性の判定結果データを結果ファイル32に追加して(S22)、印刷処理を終了する。
なお、ステップS22において、結果ファイル32に追加される印刷履歴データおよび判定結果データには、既に使用されている印刷履歴ID以外の印刷履歴IDが付与される。これにより、判定結果データを印刷履歴データに関連付けることができる。
上記ステップS20・S21のように、印刷後に印刷の適切性判定を実行した場合には、ユーザは、適切性判定の処理が終わるのを待つ必要がなく、ユーザを拘束する時間を省くことができる。また、この場合には、ユーザは印刷の適切性を認識することがないが、後に、管理者が不適切な印刷の情報を取得してユーザに伝えることにより、今後の不適切な印刷を減らすことができる。
次に、適切性判定部53における適切性判定処理を図10に基づいて詳述する。図10は、適切性判定処理の処理動作を示している。まず、スケジュール対応付け処理(S12)にて対応付けられたスケジュールデータ40を取得する(S40)。次に、ルール管理ライブラリ33におけるルールファイル45に含まれる判定項目全てに関して、未判定の判定項目が存在するか否かを判断する(S41)。未判定の判定項目が存在しない場合には(S41でNO)、全ての判定項目に関して判定が完了しているので、適切性判定を終了して元の処理に戻る。
一方、未判定の判定項目が存在する場合には(S41でYES)、或る未判定の判定項目を選択し(S42)、選択した判定項目が現在の印刷のみに関するものか否かを判断する(S43)。
カラー印刷の是非のように判定項目が現在の印刷のみに関するものである場合には(S43でYES)、現在の印刷に対する印刷設定データのみを取得すればよい(S44)。一方、印刷の合計枚数のように判定項目がスケジュール内の全印刷履歴に関わる場合には(S43でNO)、スケジュールデータ40に対応する結果データ42を取得し、取得した結果データ42に含まれる全ての印刷履歴データを取得する(S45)。
次に、ステップS44またはS45にて取得したデータを用いて、選択した判定項目に関するルールデータと照合することにより、適切性の判定を実行する(S46)。このとき、印刷枚数等のように、規準となる値からのずれの程度を知る必要のあるものに関しては、不適切か否かに代えて、前記ずれの割合等を算出することが望ましい。その後、ステップS41に戻って、全ての判定項目の判定が完了するまで上記処理を繰り返す。
従って、本実施形態の印刷管理装置4では、適切性判定部53は、スケジュール対応付け部51にて取得した印刷目的と、印刷設定取得部52にて取得した印刷設定データとに基づいて、記憶部12のルール管理ライブラリ33を参照することにより印刷設定の適切性を判定している。これにより、印刷が無駄のない適切なものであるか否かの判定を、印刷目的に応じて行うことができるので、印刷の適切性を的確に判定することができる。
また、スケジュール対応付け部51がスケジュール情報から印刷目的を取得しており、ユーザ端末2または複合型プリンタ3に印刷目的を要求する必要がないので、印刷目的を効率よく取得することができる。また、スケジュールファイル31は、スケジュールとは無関係のデフォルトのスケジュールデータ41を含んでいるので、日常業務の印刷などのように、スケジュールとは無関係の印刷を行う場合であっても、スケジュール対応付け部51がデフォルトのスケジュールデータ41と印刷要求に対応付けることにより、印刷の適切性を判定することができる。
また、認証部50での認証により印刷要求を行う真正のユーザを特定できるので、ユーザのスケジュールデータ40・41を印刷要求に確実に対応付けることができる。また、ルールファイル45には、参加者の構成と印刷設定の適切性との対応関係を有するルールデータを含むので、印刷の適切性の判定をより的確に行うことができる。また、印刷前に不適切印刷警告部54からユーザ端末2または複合型プリンタ3に警告が発せられるので、ユーザに不適切な印刷であることを気付かせることができる。
次に、印刷管理装置4の制御部11における管理部23について図12〜図23に基づいて説明する。
管理部23は、印刷管理ファイル30を参照し、スケジュールファイル31から所望のスケジュールデータ40・41を取得し、結果ファイル32から所望の印刷履歴データ44および適切性判定結果データを取得して、入出力部13に出力する。
本実施形態では、入出力部13における表示デバイスに上記各種データを送信することにより、画面上に表示出力している。これにより、管理者は、画面を参照することにより、印刷の不適切性を把握して管理することができる。
本実施形態では、管理時に表示する画面は2つあり、1つは図12に示されるようなカレンダー表示のタイプを選択するための選択画面であり、他の1つは図14などに示されるような不適切な印刷状況などをカレンダー形式で表示するカレンダー表示画面である。
図12に示されるように、選択画面には、期間、ユーザ、スケジュール、単位、ルール、および表示形式の項目を含んでいる。期間には、カレンダー表示画面に表示する期間が設定される。カレンダー表示画面には、この期間内で選択した項目(ユーザ、スケジュール、月日の単位、ルール、表示形式など)に関する情報が表示されることになる。
ユーザの項目は整列項目と一覧の項目とを含んでいる。一覧の項目の先頭には「全員」が表示されている。整列項目を選択していない状態では、「全員」の後にはユーザIDの順番で並んでいる。そして、整列項目から1つを選択すると、その項目の多い順にユーザIDを並び替えて一覧の項目に表示する。
例えば、図13に示すように、整列項目として不適切判定回数を選択すると、一覧には不適切判定回数の多いユーザIDから順番に並び替えられる。これにより、不適切判定回数の多いユーザから不適切な印刷の原因を検討することができ、不適切な印刷の減少を効率よく行うことができるなど、印刷の管理を効率よく行うことができる。
スケジュールの項目は整列項目と一覧の項目とを含んでいる。一覧の項目の先頭には「全て」が表示されている。整列項目を選択していない状態では、「全て」の後にはスケジュールIDの順番で並んでいる。そして、整列項目から1つを選択すると、その項目の多い順にスケジュールIDを並び替えて一覧の項目に表示する。これにより、ユーザの項目の場合と同様に、不適切判定回数の多いスケジュールから不適切な印刷の原因を検討したり、スケジュールに特化して使用状況を管理したりすることができるので、印刷の管理を効率よく行うことができる。
単位の項目を選択すると、選択された月日の単位ごとに各種データを集計してカレンダー表示画面に表示することになる。ルールの項目を選択すると、選択されたルールに関する情報のみがカレンダー表示画面に表示される。このとき、表示されるルールは、実際に不適切判定で使用しているルールのみを表示することが望ましい。表示形式の項目は、印刷枚数、使用者数、使用回数などの印刷状況を表示するか、或いはスケジュールを表示するかを選択するためのものである。
なお、各項目において選択が行われなかった場合には、各項目の先頭が選択されたものとして、カレンダー表示画面を表示する。すなわち、ユーザの項目は「全員」が選択され、スケジュールの項目は「全て」が選択され、単位の項目は「日」が選択され、ルールの項目は「全て」が選択され、形式の項目は「印刷状況」が選択されるものとする。この場合のカレンダー表示画面を図14に示す。
図14に示されるように、各項目において選択が行われなかった場合には、複合型プリンタ3全体の使用状況を把握できるように、一日の印刷枚数および使用者数がカレンダー表示画面に表示されることになる。また、カレンダー表示画面では、不適切な印刷を行った人数が所定の基準を超えていると、それに応じて色付けされる。図示の例では、不適切な印刷を行った人数が1人、3人、および5人の規準を超えるごとに別の色づけがなされている。なお、図面では色づけの代わりに斜線で示している。
また、カレンダー表示画面には、一日の表示領域の右上に、管理者が確認したことを示す確認印を付ける領域が存在する。該領域には角括弧([])が表示され、管理者が確認した場合には角括弧の中にアステリスク(*)が表示される。図14の例では、24日は確認済みであり、26日は未確認の状態であることを示している。これにより、管理者が不適切な印刷に対して何らかの対応を行ったが否かを確認することができる。
なお、上記の色づけを未確認のものだけに行うように設定することにより、管理者が確認すべき日を強調させることができ、管理者による印刷の管理を効率よく行うことができる。
カレンダー表示画面において所望の日を選択すると、選択した日の詳細情報が表示される。図15は、一日の詳細情報を示す詳細情報表示画面を示している。詳細情報表示画面には、不適切な印刷を行った時刻、ユーザID、スケジュールID、管理者の確認印の一覧が表示される。詳細情報表示画面は、一日の不適切な印刷状況を確認するのに便利である。なお、図15に示される一日の不適切な印刷の全てに対して確認印が付与されると、図14に示される一日の確認印が自動的に付与される。
詳細情報表示画面において所望のスケジュールを選択すると、選択したスケジュールに関する詳細情報が表示される。図16は、選択したスケジュールに関する詳細情報を示すスケジュール関連情報表示画面を示している。スケジュール関連情報表示画面には、スケジュール開催日時、印刷目的、参加人数など、ユーザがスケジュール登録時に入力した情報と、印刷履歴のリスト、適切性判定結果のリストなど、印刷時の情報が表示される。
不適切な印刷が存在する場合には、その印刷履歴の情報において判定の根拠となった箇所がハイライトで表示されるとともに、不適切な印刷と判定した理由が表示される。このとき、不適切な印刷と判定したルールのルールラベルが表示されるため、図8に示されるルールファイル45の何れのルールデータにより不適切な印刷と判定されたのかを知ることができる。なお、図面では、ハイライトの代わりに白黒反転表示で示している。
図17は、或るユーザの印刷状況を示すカレンダー表示画面である。このようなカレンダー表示画面は、図12に示される選択画面におけるユーザの項目で所望のユーザを選択することにより表示され、或いは、図15に示される詳細情報表示画面において所望のユーザを選択することにより表示される。
図17に示されるように、或るユーザの印刷状況を示すカレンダー表示画面には、ユーザの印刷枚数、使用回数、および不適切判定回数が1日単位で表示され、図14と同様の色付けがなされることになる。これにより、管理者は、ユーザに特化した印刷状況を把握することができ、そのユーザが起こし易い不適切な印刷の原因を分析することができる。例えば、図17の例では、水曜日に不適切な印刷の回数が多いので、ユーザCは、水曜日に不適切な印刷を起こしやすい傾向があると分析することができる。
図17に示されるカレンダー表示画面において所望の日を選択すると、選択した日においてユーザが行った印刷の詳細情報が表示される。図18は、或るユーザに関する一日の印刷の詳細情報を示す詳細情報表示画面を示している。この詳細情報表示画面では、その日行われた印刷の印刷履歴のリストが表示される。また、各印刷履歴には、管理者の確認印が記入される角括弧が表示される。
なお、不適切な印刷が存在する場合には、図16と同様に、その印刷履歴の情報において判定の根拠となった箇所がハイライトで表示される。また、図17に示される詳細情報表示画面において、印刷履歴のリストから1つを選択すると、図16に示されるスケジュール関連情報表示画面が表示されることになる。
図19は、或るユーザの印刷状況を或るスケジュールに関して絞り込んだものを示すカレンダー表示画面である。このようなカレンダー表示画面は、図12に示される選択画面においてユーザの項目で所望のユーザを選択し、スケジュールの項目で所望のスケジュールを選択することにより表示される。或いは、図16に示されるスケジュール関連情報表示画面において、上端部のユーザIDおよびスケジュールIDが表示されている領域を選択することにより表示される。
図19に示されるカレンダー表示画面を表示することにより、スケジュールのみに注目しながら不適切な印刷の原因を分析することができる。なお、図19に示されるカレンダー表示画面において、所望の日を選択すると、図18に示される詳細情報表示画面が表示されることになる。
図20は、或るユーザの印刷状況を或るルールデータに関して絞り込んだものを示すカレンダー表示画面である。このようなカレンダー表示画面は、図12に示される選択画面においてユーザの項目で所望のユーザを選択し、ルールの項目で所望のルールラベルを選択することにより表示される。或いは、図16に示されるスケジュール関連情報表示画面において、左下部のルールラベル表示箇所を選択することにより表示される。
図20に示されるカレンダー表示画面を表示することにより、ルールに特化して不適切な印刷の原因を分析することができ、ルールの見直し等を検討することができる。なお、図20に示されるカレンダー表示画面において、所望の日を選択すると、図18に示される詳細情報表示画面が表示されることになる。
図21は、或るユーザのスケジュール状況を示すカレンダー表示画面である。このようなカレンダー表示画面は、図12に示される選択画面においてスケジュールの項目で所望のスケジュールを選択することにより表示される。
図21に示されるカレンダー表示画面において、不適切な印刷が行われたスケジュールに関してはハイライトで表示されている。このようなカレンダー表示画面を表示することにより、不適切な印刷をスケジュール単位で把握することができ、そのスケジュールで起こし易い不適切な印刷の原因を分析することができる。なお、図21に示されるカレンダー表示画面において、所望の日の所望のスケジュールを選択すると、図16に示されるスケジュール関連情報表示画面が表示されることになる。
図12〜図21の表示を行うためには、印刷履歴データ44、スケジュールデータ40、および結果データ42から表示単位毎に、合計枚数、使用回数、不適切判定回数などの所望の項目に関して集計する集計処理と、集計したデータを表示する表示処理とを行う必要がある。図22は、この集計処理の流れを示している。なお、集計処理および表示処理は、印刷管理装置4における制御部11にて行われる。
図22に示されるように、集計処理では、図12における表示に対して、ユーザが表示したい項目を指定して、カレンダー表示の要求を行うと(S50)、まず、表示期間の項目から開始日を取得し、その日に対応する最初の印刷履歴データを取得する(S51)。ここで、期間の項目が入力されない場合には、予め設定されたデフォルトの期間が利用される。デフォルトの期間の例としては、表示単位が日単位であればその月の最初の日から最後の日まで、月単位であればその年の最初の月から最後の月まで、年単位であれば前後5年間が挙げられる。
次に、取得した印刷履歴データが、入力または予め設定された期間外のデータか否かを判別する(S52)。期間外のデータであれば(S52でYES)、この集計表示処理を終了する。一方、期間内のデータであれば(S52でNO)、取得した印刷履歴データが表示単位の最初のデータであるか否かを判別する(S53)。例えば、表示単位が日であればその日の最初のデータであるか否かを判別することになる。判別の結果、表示単位の最初のデータである場合には(S53でYES)、新たにその表示単位の集計結果を保存するための集計用データ領域を記憶部12に用意して初期化する(S54)。一方、表示単位の最初のデータでは無い場合には(S53でNO)、使用中の集計用データ領域が存在するから、ステップS54の処理を行う必要はなく、使用中の集計用データ領域に追加して集計を行うことになる。
次に、現在の印刷履歴データに対して、ユーザが表示したい項目のデータであるか否かを判別する(S55)。判別の結果、表示したい項目のデータである場合には(S55でYES)、該データを現在の表示単位の集計に追加する(S56)。一方、表示したい項目のデータでは無い場合には(S55でNO)、ステップS56の処理を行わない。例えば、ユーザがスケジュールAのみの情報を見たいと指定した場合、スケジュールAのデータに対してのみ集計を行う。また、確認済のデータについて不適切判定回数にカウントしたくない場合には、このステップS55で結果データから確認してカウントするか否かを判定する。
以上の処理により、現在の印刷履歴データに対する集計は終了するので、次の印刷履歴データを取得し(S57)、その後ステップS52に戻って上記処理動作を繰返し、これにより、所望の期間内の所望の表示項目における全ての印刷履歴データを集計することができる。
図22に示される集計処理の終了後、表示処理が行われる。図23は、この表示処理の流れを示している。なお、以下では、表示単位の集計データを表示単位データと称する。まず、期間内で最初の表示単位データを取得する(S60)。次に、取得した表示単位データにおいて印刷状況に関して指定したデータが、予め設定した範囲内にあるか否かを判定する(S61)。判定の結果、範囲内にある場合には(S61でYES)、現在の表示単位データをその範囲の程度に応じて色分けして表示する(S62)。一方、範囲内に無い場合には(S61でNO)、ノーマル表示(通常表示)を行う(S63)。
次に、表示単位データが期間内における最後のデータであるか否かを判別する(S64)。判別の結果、最後のデータではない場合には(S64でNO)、次の表示単位データを取得して(S65)、ステップS61に戻り、上記処理動作を繰り返す。一方、最後のデータである場合には、表示処理を終了する。
なお、図22に示される集計処理の後、使用枚数、使用回数、不適切判定回数などをユーザ毎やスケジュール毎に整列しておき、図23に示される表示処理において整列順に表示することもできる。この場合、集計結果を、問題が多いと考えられる数値のものから順に表示することができ、管理者に問題点を迅速に見出すことができる。
従って、本実施形態の印刷管理装置4では、記憶部12に結果ファイル32が記憶されているので、後日に、結果ファイル32の分析を行うことにより、不適切な印刷の種々の原因を特定することができる。
なお、記憶部12に結果ファイル32が記憶されているので、印刷の前後以外でも、任意の時に、記憶部12から印刷履歴データ44を読み取って印刷の適切性の判定することができる。また、印刷管理装置4は、複合型プリンタ3と一体に備える構成であってもよい。
また、上記実施形態では、認証部50におけるユーザの認証方法として、IDおよびパスワードを用いた一般的な認証方法を利用しているが、ICカードからの情報による認証や、指紋等のバイオメトリクス技術を利用したバイオメトリック認証など、その他の認証方法を利用することもできる。この場合、ICカードリーダや指紋を認識するセンサなど、利用する認証方法に適した情報を入力できる装置をユーザ端末2または複合型プリンタ3に設けるとともに、該情報を記憶部12の認証ファイル34に予め追加しておく必要がある。
また、上記実施形態の印刷管理装置4の制御部11における各機能ブロックや各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROM(read only memory)やRAM(random access memory)などの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、周辺のデバイスを制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態の印刷管理装置4の制御部11における各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、さらに、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。