JP2004231156A - 空気通路開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜状部材を用いて空気通路を開閉するに際して、膜状部材と空調ケース側の空気通路の開口部との摺動摩擦を防止する。
【解決手段】ケース1a内に空気通路11、12を開閉する膜状部材13、14を配置し、空気通路11、12の開口部周縁部に膜状部材13、14の一端部を固定部16d、16eにて固定し、膜状部材13、14の他端部を巻き取り軸17、18に連結し、一方、駆動軸22の回転により移動する移動部材21を空気通路11、12の開口部上に設け、移動部材21の移動により巻き取り軸17、18を回転させながら固定部16d、16eに対して開離、接近する方向Aに移動させて、膜状部材13、14の他端部の巻き取り、送り出しを行う。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、膜状部材(フィルムドア)により空気通路を開閉する空気通路開閉装置に関するもので、車両用空調装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の膜状部材によって空気通路を開閉する空気通路開閉装置は、特開平5−238244号公報等にて提案されている。この従来技術は、開口部を有する可撓性の膜状部材の両端をそれぞれ軸に連結し、膜状部材の両端を軸に巻き取ることにより膜状部材を空調ケース内にて移動させ、それにより、膜状部材の開口部を空調ケース側の空気通路に対して移動させて、空調ケース側の空気通路を開閉している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術によると、膜状部材が空調ケース側の空気通路の開口部上を摺動しながら移動するので、膜状部材には必然的に空調ケースとの間の摩擦力が作用する。しかも、膜状部材は送風空気の風圧により空気通路の開口部上に押し付けられるので、膜状部材の摺動による摩擦力を一層増大させる。
【0004】
その結果、膜状部材として低摩擦で、かつ、摩擦力に対抗する引っ張り強度と引き裂き強度とを有する特別の材質のものを使用する必要が生じ、膜状部材のコストが高くなるという不具合がある。また、膜状部材の摺動による摩擦力の発生により膜状部材の移動のための駆動力が増大するので、膜状部材の駆動用アクチュエータとしても高トルクタイプのものが必要となり、コストアップを招く。
【0005】
そこで、本発明は上記点に鑑み、膜状部材を用いて空気通路を開閉するに際して、膜状部材とケース側の空気通路の開口部との摺動摩擦を防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空気通路(5〜9、11、12、26)を形成するケース(1a)と、ケース(1a)内に配置され、空気通路(5〜9、11、12、26)の開口部(26a)を開閉する膜状部材(13、14)と、空気通路(5〜9、11、12、26)の開口部(26a)周縁部に膜状部材(13、14)の一端部を固定する固定部(16d、16e)と、前記開口部(26a)上で前記固定部(16d、16e)に対して開離、接近する方向に移動することによって、前記開口部(26a)上における前記膜状部材(13、14)の一端部からの長さを可変する膜状部材操作機構(17、18、21、22、27、32、33)とを備えることを特徴とする。
【0007】
これによると、膜状部材(13、14)の一端部をケース(1a)側に固定したまま、膜状部材操作機構が空気通路の開口部上で上記方向に移動することによって、開口部上における膜状部材(13、14)の一端部からの長さを変化でき、これにより、空気通路の開口部を開閉できる。
【0008】
従って、膜状部材(13、14)がケース(1a)側の空気通路の開口部上を摺動することがない。その結果、膜状部材(13、14)として、摺動摩擦力に対抗する引っ張り強度と引き裂き強度とを有する特別の材質のものを使用する必要がなく、従来技術よりもはるかに安価な材質のものを使用できる。
【0009】
また、膜状部材(13、14)の摺動による摩擦力が発生しないため、膜状部材(13、14)の駆動力を大幅に減少できる。そのため、膜状部材(13、14)の駆動をアクチュエータにより行う場合は、アクチュエータとして低トルクタイプの安価なものを使用できる。また、膜状部材(13、14)の駆動をマニュアル操作で行う場合は、そのマニュアル操作力を減少できる。
【0010】
請求項2に記載の発明のように、請求項1において、膜状部材操作機構は、具体的には、膜状部材(13、14)の他端部に連結され、膜状部材(13、14)の他端部の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(17、18)と、巻き取り軸(17、18)を、回転させながら前記開口部(26a)上で前記開離、接近する方向に移動させる移動機構(21、22、27、32、33)とにより構成することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、請求項2において、巻き取り軸(17、18)とケース(1a)との間に巻き取り軸(17、18)の回転の滑りを防止する機構(17a、18a、19、20)を備えることを特徴とする。
【0012】
これにより、巻き取り軸(17、18)の回転の滑りを防止して、巻き取り軸(17、18)を回転させながら前記開離、接近する方向に確実に移動させることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明のように、請求項3において、滑りを防止する機構は、具体的には、巻き取り軸(17、18)に設けた第1ギヤ(17a、18a)と、ケース(1a)側に設けられ、第1ギヤ(17a、18a)とかみ合う第2ギヤ(19、20)とにより構成することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明では、請求項2において、膜状部材操作機構は巻き取り軸(17、18)における膜状部材(13、14)の巻き取り径の変化を吸収するように巻き取り軸(17、18)の回転角を調整する手段(17a、18a、19、20、23、25)を備えていることを特徴とする。
【0015】
ところで、膜状部材(13、14)の巻き取り重ね数が増えると、膜状部材(13、14)の巻き取り径が増大するので、巻き取り軸(17、18)の回転角当たりの膜状部材巻き取り量、送り出し量が増大することになる。従って、膜状部材(13、14)の巻き取り径が最小径であるときに、巻き取り軸(17、18)の回転角当たりの膜状部材巻き取り量、送り出し量が適正値であるように設定すると、膜状部材(13、14)の巻き取り径が増大すると、巻き取り軸(17、18)の回転角当たりの膜状部材巻き取り量、送り出し量が適正値よりも増えて、膜状部材(13、14)の弛みが発生し、この弛みの発生が原因となって、膜状部材(13、14)のシール不良、膜状部材(13、14)のバタツキによる異音の発生等の不具合を生じる。
【0016】
しかるに、請求項5によると、膜状部材(13、14)の巻き取り径の変化を吸収するように巻き取り軸(17、18)の回転角を調整する手段を備えているから、巻き取り径の変化の影響を排除して膜状部材の巻き取り量、送り出し量を適正値に維持することができる。これにより、膜状部材(13、14)の弛みを防止して、シール不良、バタツキ異音等の不具合を回避できる。
【0017】
請求項6に記載の発明のように、請求項5において、回転角を調整する手段は、具体的には移動機構(21、22)側の移動量と巻き取り軸(17、18)側の回転角との位相差を調整するものである。
【0018】
請求項7に記載の発明では、請求項6において、回転角を調整する手段は、具体的には巻き取り軸(17、18)に設けた第1ギヤ(17a、18a)と、ケース(1a)側に設けられ、第1ギヤ(17a、18a)とかみ合う第2ギヤ(19、20)とにより構成され、膜状部材(13、14)の巻き取り径が増大する側に巻き取り軸(17、18)が移動するにつれて第2ギヤ(19、20)のピッチを大きくすることを特徴とする。
【0019】
これにより、膜状部材(13、14)の巻き取り径が増大する側では第2ギヤ(19、20)のピッチの増加により巻き取り軸(17、18)の回転角を減少して、巻き取り径の増大による膜状部材巻き取り量、送り出し量の増大を解消して、膜状部材(13、14)の弛みを防止できる。
【0020】
請求項8に記載の発明では、請求項6において、回転角を調整する手段は、移動機構(21、22)側の部材と、巻き取り軸(17、18)との間に介在されるばね手段(23、25)であることを特徴とする。
【0021】
これによると、ばね手段(23、25)のばね力により移動機構(21、22)側の移動量と巻き取り軸(17、18)側の回転角との位相差を膜状部材の巻き取り径変化に対応して調整でき、巻き取り径変化の影響を排除できる。
【0022】
請求項9に記載の発明では、請求項8において、ばね手段は、巻き取り軸(17、18)の全移動範囲において移動機構(21、22)側の部材と、巻き取り軸(17、18)との間にばね力のテンションを与え続けるように構成されたコイルばね(25)であることを特徴とする。
【0023】
これによると、巻き取り径の変化による膜状部材(13、14)の弛みを防止できるのみならず、巻き取り軸(17、18)の全移動範囲において移動機構(21、22)側の部材の移動に伴ってコイルばね(25)の巻き締め、巻き戻しが起こり、これにより、巻き取り軸(17、18)を回転できる。そのため、請求項3のような巻き取り軸(17、18)の回転の滑り防止機構が不要となる。
【0024】
請求項10に記載の発明では、空気通路(26)を形成するケース(1a)と、ケース(1a)内に配置され、空気通路(26)の開口部(26a)を開閉する膜状部材(13)と、空気通路(26)の開口部(26a)外側に膜状部材(13)の一端部を固定する固定部(16d)と、膜状部材(13)の他端部に連結され、膜状部材(13)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(17)と、駆動軸(22)からの回転伝達により回転するループ状の回転伝達体(27)とを備え、ループ状の回転伝達体(27)により巻き取り軸(17)に回転を伝達して、巻き取り軸(17)を回転させながら空気通路(26)の開口部(26a)上で固定部(16d)に対して開離、接近する方向に移動させ、巻き取り軸(17)が固定部(16d)から開離する方向に移動するときは、膜状部材(13)の他端部側を巻き取り軸(17)から送り出し、巻き取り軸(17)が固定部(16d)に接近する方向に移動するときは膜状部材(13)の他端部側を巻き取り軸(17)に巻き取るようにしたことを特徴とする。
【0025】
これによると、膜状部材(13)の一端部をケース(1a)側に固定したまま、膜状部材(13)の他端部を、その固定部(16d)に対して開離、接近する方向に移動させることで、空気通路の開口部(26a)を開閉できる。従って、膜状部材(13)がケース(1a)側の空気通路の開口部(26a)上を摺動することがないので、請求項1と同様に膜状部材(13)として強度の低い安価な材質のものを使用できる等の効果が得られる。
【0026】
更に、上記に加えて、ループ状の回転伝達体(27)を用いて巻き取り軸(17)に回転を伝達して、巻き取り軸(17)を回転させながら空気通路(26)の開口部(26a)上で固定部(16d)に対して開離、接近する方向に移動させることができる。そして、ループ状の回転伝達体(27)は空気通路(26)の開口部(26a)に対する所定位置で回転するだけでよく、移動させる必要がない。そのため、請求項10では、図8の比較例のように剛体製の移動部材(21)の移動スペース(27)をケース(1a)内にて空気通路(26)の開口部(26a)側方に設定する必要がなく、ケース(1a)の小型化に極めて有利である。
【0027】
請求項11に記載の発明のように、請求項10において、ループ状の回転伝達体は、具体的には駆動軸(22)および巻き取り軸(17)の両方に対してギヤ結合されるギヤ付きベルト(27)で構成できる。
【0028】
請求項12に記載の発明のように、請求項10において、ループ状の回転伝達体は、具体的には駆動軸(22)および巻き取り軸(17)の両方に対してギヤ結合されるチェーンで構成してもよい。
【0029】
請求項13に記載の発明ように、請求項10において、ループ状の回転伝達体は、具体的には駆動軸(22)および巻き取り軸(17)の両方に対して摩擦結合により回転を伝達するベルトで構成してもよい。
【0030】
請求項14に記載の発明では、請求項10ないし13のいずれか1つにおいて、巻き取り軸(17)とケース(1a)との間に巻き取り軸(17)の回転の滑りを防止する機構(17a、19)を備えることを特徴とする。
【0031】
これにより、請求項3と同様に、巻き取り軸(17)の回転の滑りを防止して、巻き取り軸(17)を前記開離、接近する方向に確実に移動させることができる。
【0032】
請求項15に記載の発明では、空気通路(26)を形成するケース(1a)と、ケース(1a)内に配置され、空気通路(26)の開口部(26a)を開閉する膜状部材(13)と、空気通路(26)の開口部(26a)外側に膜状部材(13)の一端部を固定する固定部(16d)と、膜状部材(13)の他端部に連結され、膜状部材(13)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(17)と、巻き取り軸(17)に設けられたウォームホィール(33)と、ウォームホィール(33)とかみ合うウォーム(32)を有する駆動軸(22)とを備え、駆動軸(22)の回転によりウォーム(32)とウォームホィール(33)とのかみ合い部を介して、巻き取り軸(17)を、回転させながら空気通路(26)の開口部(26a)上で固定部(16d)に対して開離、接近する方向に移動させ、巻き取り軸(17)が固定部(16d)から開離する方向に移動するときは、膜状部材(13)の他端部側を巻き取り軸(17)から送り出し、巻き取り軸(17)が固定部(16d)に接近する方向に移動するときは膜状部材(13)の他端部側を巻き取り軸(17)に巻き取るようにしたことを特徴とする。
【0033】
これにより、ウォームギヤ機構を用いて請求項10と同様の効果を発揮できる。
【0034】
請求項16に記載の発明では、空気通路(26)を形成するケース(1a)と、ケース(1a)内に配置され、空気通路(26)の開口部(26a)を開閉する膜状部材(13)と、空気通路(26)の開口部(26a)外側に膜状部材(13、14)の一端部を固定する固定部(16d)と、膜状部材(13)の他端部に連結され、膜状部材(13)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(17)と、巻き取り軸(17)と同一平面上にて直交配置された駆動軸(22)とを備え、
巻き取り軸(17)の端部を駆動軸(22)に接触させ、駆動軸(22)の回転に伴う押し付け力を巻き取り軸(17)の端部に与えることより、巻き取り軸(17)を、回転させながら空気通路(26)の開口部(26a)上で固定部(16d)に対して開離、接近する方向に移動させ、
巻き取り軸(17)が固定部(16d)から開離する方向に移動するときは、膜状部材(13)の他端部側を巻き取り軸(17)から送り出し、巻き取り軸(17)が固定部(16d)に接近する方向に移動するときは膜状部材(13)の他端部側を巻き取り軸(17)に巻き取るようにしたことを特徴とする。
【0035】
これによると、請求項1、10、15と同様に、膜状部材(13)がケース(1a)側の空気通路の開口部(26a)上を摺動することなく、開口部(26a)を開閉できる。
【0036】
しかも、巻き取り軸(17)と同一平面上にて直交配置された駆動軸(22)から巻き取り軸(17)の端部に押し付け力を直接与えて、巻き取り軸(17)を回転させながら前記方向に移動できる。このように、巻き取り軸(17)と駆動軸(22)を同一平面上にて直交配置することにより、巻き取り軸操作機構の空気流れ方向のスペースを特に効果的に小型化できる。
【0037】
請求項17に記載の発明のように、請求項16において、具体的には、駆動軸(22)の外周面に螺旋溝(22d)を形成し、巻き取り軸(17)の端部を螺旋溝(22d)内に嵌合し、螺旋溝(22d)によって押し付け力を巻き取り軸(17)の端部に与えるようにすればよい。
【0038】
請求項18に記載の発明のように、請求項16または17において、具体的には、ケース(1a)側に備えたギヤ(19)にかみ合うギヤ(17a)を巻き取り軸(17)に備え、この両ギヤ(17a、19)のかみ合いにより巻き取り軸(17)が回転しながら前記方向に移動するようにすればよい。
【0039】
請求項19に記載の発明では、空気通路(5〜9、11、12、26)を形成するケース(1a)と、ケース(1a)内に配置され、空気通路(5〜9、11、12、26)の開口部(26a)を開閉する膜状部材(13、14)と、空気通路(5〜9、11、12、26)の開口部(26a)外側に膜状部材(13、14)の一端部を固定する固定部(16d,16e)と、膜状部材(13、14)の他端部に連結され、膜状部材(13、14)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(17、18)と、巻き取り軸(17、18)を、回転させながら空気通路(5〜9、11、12、26)の開口部(26a)上で固定部(16d,16e)に対して開離、接近する方向に移動させる移動機構(21、22、27、32、33)とを備え、
ケース(1a)のうち開口部(26a)周縁のシール面(1c)を、膜状部材(13)の巻き癖による湾曲形状の凸形状と同方向の凸形状となる湾曲形状に形成したことを特徴とする。
【0040】
請求項19に記載の発明では、空気通路(5〜9、11、12、26)を形成するケース(1a)と、ケース(1a)内に配置され、空気通路(5〜9、11、12、26)の開口部(26a)を開閉する膜状部材(13、14)と、ケース(1a)のうち開口部(26a)周縁のシール面(1c)上に膜状部材(13、14)の一端部を固定する固定部(16d,16e)と、膜状部材(13、14)の他端部に連結され、膜状部材(13、14)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(17、18)と、巻き取り軸(17、18)を、回転させながらシール面(1c)上で固定部(16d,16e)に対して開離、接近する方向に移動させる移動機構(21、22、27、32、33)とを備え、
巻き取り軸(17、18)が固定部(16d,16e)から開離する方向に移動して膜状部材(13、14)が巻き取り軸(17、18)から送り出されたときに、膜状部材(13、14)の巻き癖に基づいて膜状部材(13、14)の一部(13a)がシール面(1c)より凸形状に浮き上がるようになっており、
シール面(1c)を膜状部材(13、14)の浮き上がり部分(13a)の凸形状と同方向の凸形状となるように湾曲させたことを特徴とする。
【0041】
これによると、請求項1、10、15、16と同様に、膜状部材(13、14)がケース(1a)側の空気通路の開口部(26a)上を摺動することなく、開口部(26a)を開閉できる。
【0042】
しかも、膜状部材(13、14)に巻き癖(転写)が発生しても、ケース(1a)側のシール面(1c)を膜状部材(13、14)の巻き癖による浮き上がり部分(13a)の凸形状と同方向の凸形状となる湾曲させているから、膜状部材(13、14)の浮き上がり部分(13a)とシール面(1c)との間に隙間が発生することを抑制して、膜状部材(13、14)の浮き上がり部分(13a)から空気洩れが生じることを抑制できる。同時に、膜状部材(13、14)の浮き上がり部分(13a)がシール面(1c)から大きく離れて自励振動することを抑制でき、自励振動による異音も防止できる。
【0043】
請求項20に記載の発明では、請求項1ないし19のいずれか1つにおいて、空気通路(5〜9、11、12、26)の開口部形状のうち、固定部(16d、16e)と反対側の辺(35)を膜状部材(13)の他端部と交差する形状にしたことを特徴とする。
【0044】
ところで、膜状部材(13)の他端部側が固定部(16d、16e)と反対側の辺(35)を覆うと、空気通路(5〜9、11、12、26)の開口部(26a)は全閉状態となる。従って、反対側の辺(35)は空気通路の開口部形状のうち、全閉側の辺である。
【0045】
ここで、もし、空気通路開口部の全閉側の辺(35)が膜状部材(13)の他端部と平行な直線形状(図12、13参照)になっていると、空気通路(26)の全閉直前まで膜状部材(13)の幅方向全長にわたる開口面積が空気通路(26)に形成される。そして、膜状部材(13)の他端部側が空気通路開口部の全閉側の辺(35)に近接すると、空気通路開口面積の減少に伴って膜状部材(13)上流側の静圧が上昇する。
【0046】
この結果、空気通路(26)の全閉直前まで空気通路(26)の開口部通過風量が多くなっている状態が維持され、そして、空気通路(26)の全閉直前で開口部通過風量が急激に減少する特性(図14の破線の特性参照)となる。
【0047】
これに対し、請求項20では、空気通路開口部の全閉側の辺(35)を膜状部材(13)の他端部と交差する形状にしているから、膜状部材(13)の他端部が空気通路26の開口部の全閉側の辺(35)に向かって移動するとき、この全閉側の辺(35)をその交差形状によって開口部幅方向に対して徐々に閉じていくことができる。
【0048】
これにより、膜状部材(13)の他端部の移動量に対する空気通路(26)の開口面積の減少割合を上述の比較例(図12、13)より低減できる。そのため、空気通路(26)の全閉直前に膜状部材(13)上流側における静圧が上昇しても、空気通路(26)の開口面積の減少割合を低減することにより、空気通路(26)の開口部通過風量を膜状部材13の他端部の位置変化に対してより直線的に変化させることができる(図14の実線の特性参照)。
【0049】
請求項21に記載の発明のように、請求項20において、上記辺(35)は膜状部材(13)の他端部と交差する直線形状にすることができる。
【0050】
また、請求項22に記載の発明のように、請求項20において、上記辺(35)は膜状部材(13)の他端部と交差する曲線形状にしてもよい。
【0051】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0052】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1〜図4は本発明を車両用空調装置に適用した第1実施形態の全体構成を示しており、本実施形態における車両用空調装置の空調ユニット部1は、樹脂製の空調ケース1aを有している。この空調ケース1aは自動車の車室内計器盤内側の車両幅(左右)方向の略中央部位に配置され、かつ車両の前後、上下、左右方向に対して図1〜図4の矢印に示すように配置される。
【0053】
そして、空調ケース1a内部の最も車両前方側部位に、図示しない送風ユニットの送風空気が接続ダクト1b(図4)を介して流入する空気入口空間2が形成されている。右ハンドル車の場合には、この接続ダクト1bが空調ケース1aの助手席側の面(車両左側の面)に配置され、車室内計器盤内側の助手席側に配置される送風ユニット(図示せず)の空気出口部が図2の接続ダクト1bに接続される。従って、送風ユニット内の送風機が作動することによって、接続ダクト1bから空気入口空間2内に空気が流入する。
【0054】
空調ケース1a内には、その空気上流側から順に蒸発器3、ヒータコア4が設けられている。この蒸発器3は周知の冷凍サイクルに設けられ、空調ケース1a内への送風空気から冷媒が吸熱して蒸発することにより送風空気を冷却するる冷却用熱交換器である。また、ヒータコア4は、車両エンジンの温水(エンジン冷却水)を熱源として空調ケース1a内の空気を加熱する加熱用熱交換器である。
【0055】
空調ケース1aの空気下流端には複数の吹出開口部5〜9が形成されている。このうち、デフロスタ開口部5は空調ケース1aの上面部に配置され、図示しないデフロスタダクトが接続され、このデフロスタダクト先端部のデフロスタ吹出口から空調空気を車室内フロントガラス内面に向けて吹き出す。また、前席用フェイス開口部6は空調ケース1aの車両後方側の面の上部に配置され、図示しないフェイスダクトが接続され、このフェイスダクト先端部のフェイス吹出口から空調空気を前席(運転席および助手席)乗員の上半身に向けて吹き出す。
【0056】
更に、前席用フット開口部7は空調ケース1aの車両後方側の面の下部の左右両側に配置され、前席(運転席および助手席)乗員の足元部に向けて空調空気を吹き出す。後席用フェイス開口部8には図示しない後席用フェイスダクトが接続され、この後席用フェイスダクトを介して空調空気を後席乗員の上半身に向けて吹き出す。また、後席用フット開口部9には図示しない後席用フットダクトが接続され、この後席用フットダクトを介して空調空気を後席乗員の足元部に向けて空調空気を吹き出す。
【0057】
なお、本例では、上記各吹出開口部5〜9のうち、デフロスタ開口部5および前席用フェイス開口部6を開閉するために吹出モード用膜状部材10が設けてあり、この吹出モード用膜状部材10が駆動ギヤ10aの回転により矢印▲1▼方向に往復動することにより吹出開口部5、6を開閉するようになっている。また、他の吹出開口部7〜9は、吹出モード用膜状部材10とは別のドア手段(図示せず)により開閉されるようになっている。
【0058】
図1〜図3に示すように空調ケース1a内において、ヒータコア4の上方部にはヒータコア4をバイパスして冷風が流れる冷風側通路11が形成されている。そして、冷風側通路11の下方に冷風側通路11と並列に、ヒータコア4にて加熱される空気(温風)が流れる温風側通路12が形成されている。
【0059】
冷風側通路11を通過する冷風と温風側通路12を通過する温風との風量割合を調整することにより車室内への吹出空気温度を調整するようになっている。この吹出空気温度の温度調整手段として、冷風側通路11の開度を調整する冷風側膜状部材13と、温風側通路12の開度を調整する温風側膜状部材14が空調ケース1a内に設けてある。
【0060】
なお、本第1実施形態では、空調ケース1a内の空気通路を車両幅方向の中央部に位置する仕切り板15によって仕切り、空調ケース1a内の運転席側(右側)の空気通路と助手席側(左側)の空気通路にそれぞれ、上記両膜状部材13、14を独立に設け、上記両膜状部材13、14を運転席側(右側)と助手席側(左側)とでそれぞれ独立に操作することにより、運転席側(右側)の車室内吹出空気温度と助手席側(左側)の車室内吹出空気温度を独立に調整できるようにしている。
【0061】
上記の左右の両膜状部材13、14の操作機構は、運転席側(右側)と助手席側(左側)とも同一構成でよいので、図4では図示の簡略化のために、助手席側(左側)の両膜状部材13、14およびその操作機構のみを図示している。また、、両膜状部材13、14の操作機構に関する以下の説明は、運転席側(右側)および助手席側(左側)の双方に対して共通に適用される。
【0062】
図5は両膜状部材13、14の操作機構の具体的構成を例示するものであり、空調ケース1aの内部には、冷風側通路11の開口部と温風側通路12の開口部を形成する開口部形成部材16が配置されている。この開口部形成部材16は図5に示すように概略プレート状の部材であり、空調ケース1aに一体成形できる。
【0063】
開口部形成部材16はその上下方向の中央部に仕切部16aを有し、この仕切部16aの上側に冷風側通路11の開口部を形成し、仕切部16aの下側に温風側通路12の開口部を形成している。両膜状部材13、14は図1〜図3に示すように開口部形成部材16に対して空気流れ上流側に配置され、それにより、送風空気の風圧によって両膜状部材13、14が開口部形成部材16の表面に圧着するようにしてある。
【0064】
そこで、図5の図示例では、開口部形成部材16に上下方向に延びる格子部16b、16cを一体成形して、冷風側通路11の開口部および温風側通路12の開口部をそれぞれ車両幅方向に3個に区画している。このように上下方向に延びる格子部16b、16cを備えることにより、両膜状部材13、14の車両幅方向の中央部も格子部16b、16cにて支持できる。従って、両膜状部材13、14の車両幅方向の中央部が風圧によって下流側へ大きく湾曲することを防止できる。
【0065】
開口部形成部材16において、冷風側通路11の開口部の上側周縁部(すなわち、開口部外側)に、冷風側膜状部材13の一端部(上端部)を固定する固定部16dが形成してある。また、開口部形成部材16において、温風側通路12の開口部の下側周縁部(すなわち、開口部外側)に、温風側膜状部材14の一端部(下端部)を固定する固定部16eが形成してある。ここで、固定部16d、16eは具体的には、開口部形成部材16に一体成形された複数のL状の係止爪片からなり、このL状の係止爪片を各膜状部材13、14の端部近傍の係止穴部13a、14aに嵌入、係止する。これにより、各膜状部材13、14の一端部を開口部形成部材16に対して固定するようになっている。
【0066】
そして、冷風側膜状部材13の他端部(下端部)は冷風側巻き取り軸17に固定され、また、温風側膜状部材14の他端部(上端部)は温風側巻き取り軸18に固定されている。ここで、両巻き取り軸17、18は互いに車両幅(水平)方向に延びるように開口部形成部材16の上流側に平行配置されている。
【0067】
この両巻き取り軸17、18は樹脂製であり、その一端側、図5の例では右端部近傍に円形のギヤ17a、18aが一体に成形してある。一方、開口部形成部材16の上流側の面において、冷風側通路11および温風側通路12の右側縁部にギヤ17a、18aがかみ合う直線状のギヤ19、20が一体に設けてある。
【0068】
また、両巻き取り軸17、18の両端部は移動部材21によって支持され、移動部材21の移動に連動して両巻き取り軸17、18は開口部形成部材16の上流側にて上下方向に移動するようになっている。ここで、両巻き取り軸17、18はギヤ17a、18aとギヤ19、20とのかみ合いにより360°以上回転しながら上下方向に移動する。
【0069】
また、移動部材21は開口部形成部材16の上流側の面において、冷風側通路11および温風側通路12の左右の両側縁部に位置する直線状のギヤ21a、21bを有している。
【0070】
この直線状のギヤ21a、21bの上下の両端部に円弧状の軸保持部21c〜21fを形成して、この軸保持部21c〜21fにより両巻き取り軸17、18の両端部を回転可能に嵌合保持するようになっている。左右の直線状のギヤ21a、21bの間を複数の連結片21gにより一体に連結している。なお、図5では、冷風側通路11側の連結片21gのみを図示し、温風側通路12側の連結片21gの図示は省略している。移動部材21は樹脂製の剛体部品であり、直線状のギヤ21a、21b、軸保持部21c〜21fおよび連結片21gを一体成形している。
【0071】
駆動軸22は樹脂製であり、その両端部は空調ケース1aの左右の側面部に設けられた軸受穴(図示せず)により回転可能に支持される。また、駆動軸22の一端部(図示右端部)の大径部22aは図示しないアクチュエータとの結合部であり、この大径部22aを空調ケース1aの外部へ突出させて、アクチュエータ、例えばステップモータの出力軸に連結するようになっている。これにより、アクチュエータの回転により駆動軸22を所定角度回転させる。
【0072】
駆動軸22の両端部において、移動部材21の左右の直線状のギヤ21a、21bに対応する部位に円形のギヤ22b、22cを一体成形し、このギヤ22b、22cを直線状のギヤ21a、21bにかみ合わせている。なお、移動部材21は開口部形成部材16の上流側の面に当接して、開口部形成部材16により案内されて上下方向に往復動するようになっている。
【0073】
膜状部材13、14の具体的材質としては、巻き取り軸17、18に巻き取り可能な可撓性を有する樹脂フィルム材であれば、種々なものを使用でき、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルム等が好適であり、これらのフィルム材に更に織布を貼り合わせてもよい。また、膜状部材13、14の厚さは例えば、200μm程度である。
【0074】
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明すると、図1は最大冷房時の状態を示しており、図示しないアクチュエータにより駆動軸22が回転して、移動部材21が最上部の位置に移動している。この移動部材21の移動により両巻き取り軸17、18も最上部の位置に移動している。
【0075】
この結果、冷風側膜状部材13の全体が冷風側巻き取り軸17に巻き取られ、冷風側膜状部材13が冷風側通路11の開口部を全開する。一方、温風側膜状部材14は温風側巻き取り軸18から最大量送り出された(巻き戻された)状態となり、温風側膜状部材14が温風側通路12の開口部を全閉する。このとき、温風側膜状部材14は送風空気の風圧により開口部形成部材16の上流側の面に圧着して、温風側通路12の開口部を確実にシールする。
【0076】
従って、図示しない送風機ユニットの作動により送風される送風空気が空調ケース1a内の蒸発器3で冷却され、冷風となった後、この冷風の全量が冷風側通路11を通過する。よって、各吹出開口部5〜9から車室内へ吹き出される吹出空気温度を最低温度に調整でき、最大冷房能力を発揮できる。
【0077】
次に、図2は車室内への吹出空気温度を中間温度に調整する温度制御域の状態を示しており、図示しないアクチュエータにより駆動軸22が回転して、移動部材21が図1の最上部の位置から所定量だけ下方へ移動している。これにより、冷風側巻き取り軸17が冷風側通路11の開口部に対して上下方向の中間部に移動し、同様に、温風側巻き取り軸18も温風側通路12の開口部に対して上下方向の中間部に移動する。この際、両巻き取り軸17、18はギヤ17a、18aとギヤ19、20とのかみ合いにより回転しながら下方へ移動する。
【0078】
これにより、冷風側膜状部材13が冷風側巻き取り軸17から半分程度送り出され、冷風側通路11の開口部の上側半分程度を閉塞し、下側半分程度を開放する。また、温風側膜状部材14の半分程度が温風側巻き取り軸18に巻き取られ、温風側通路12の開口部の上側半分程度を開放し、下側半分程度を閉塞する。
【0079】
この結果、蒸発器3で冷却された冷風のうち、半分程度の冷風が冷風側通路11の下側半分程度の開口部を通過して、ヒータコア4をバイパスする。そして、蒸発器3で冷却された冷風のうち、残り半分程度の冷風は、温風側通路12の上側半分程度の開口部を通過してヒータコア4に流入する。このヒータコア4で加熱された温風は、ヒータコア4下流側を上昇して冷風側通路11からの冷風と混合して所望温度になる。この所望温度の空気が吹出開口部5〜9から車室内へ吹き出される。
【0080】
次に、図3は最大暖房時の状態を示しており、図示しないアクチュエータにより駆動軸22が回転して、移動部材21が最下部の位置に移動している。この移動部材21の移動により両巻き取り軸17、18も最下部の位置に移動している。
【0081】
この結果、冷風側膜状部材13の全体が冷風側巻き取り軸17から送り出されて、冷風側膜状部材13が冷風側通路11の開口部を全閉する。このとき、冷風側膜状部材13は送風空気の風圧により開口部形成部材16の上流側の面に圧着して、冷風側通路11の開口部を確実にシールする。
【0082】
一方、温風側膜状部材14の全体が温風側巻き取り軸18に巻きとられて、温風側膜状部材14が温風側通路12の開口部を全開する。従って、図示しない送風機ユニットの作動により送風される送風空気が空調ケース1a内の蒸発器3を通過した後、この送風空気の全量が温風側通路12を通過してヒータコア4に流入する。従って、各吹出開口部5〜9から車室内へ吹き出される吹出空気(温風)の温度を最高温度に調整でき、最大暖房能力を発揮できる。
【0083】
次に、本実施形態による作用効果を説明する。
【0084】
(1)冷風側膜状部材13および温風側膜状部材14の一端部を空調ケース1aの開口部形成部材16側に固定し、この両膜状部材13、14の他端部側を巻き取り軸17、18により巻き取ったり、送り出すことにより、冷風側通路11の開口部および温風側通路12の開口部を開閉している。
【0085】
そのため、両膜状部材13、14の一端部を固定したまま、他端部側が両通路11、12の開口部上で変位するだけであるから、空調ケース1aの開口部形成部材16の面に対して両膜状部材13、14が摺動することがない。これにより、両膜状部材13、14と空調ケース1a側との間に摺動摩擦が発生しないので、摺動摩擦力に対抗する引っ張り強度や引き裂き強度を両膜状部材13、14に設定する必要がない。
【0086】
その結果、両膜状部材13、14の具体的材質として、前述したようにPETフィルム、PPSフィルム等の樹脂フィルム材をそのまま使用できる。
【0087】
因みに、従来技術では、摺動摩擦力に対抗する引っ張り強度や引き裂き強度を得るために、PETフィルム、PPSフィルム等の樹脂フィルム材に織布を貼り合わせる等の強度向上策、およびシリコーンコーティングのような低摩擦表面層を施した高価な特別の材料を必要としているが、本実施形態によると、PETフィルム、PPSフィルム等の安価な樹脂フィルム材をそのまま使用でき、材料費を大幅に低減できる。
【0088】
(2)両膜状部材13、14の摺動摩擦がないから、摺動摩擦音の発生も防止できる。
【0089】
(3)両膜状部材13、14の駆動は基本的には転がり力ですむから、両膜状部材13、14の駆動のための駆動力を従来技術に比較して大幅に低減できる。そのため、両膜状部材13、14の駆動手段(アクチュエータ)として、従来技術よりも大幅に小出力のものを使用でき、駆動手段の低コスト、小型化を達成できる。
【0090】
(4)巻き取り軸17、18のギヤ17a、18aを空調ケース1a側のギヤ19、20にかみ合わせているから、移動部材21の移動に連動して巻き取り軸17、18を確実に回転させることができ、巻き取り軸17、18の滑りを防止できる。
【0091】
(5)膜状部材13、14の巻き取り径の変化による膜状部材13、14の弛みを防止するようになっているので、この弛みに起因する膜状部材13、14のシール不良、膜状部材13、14のバタツキ異音といった不具合を防止できる。
【0092】
先ず、膜状部材(13、14)の巻き取り径の変化による弛み発生について説明すると、巻き取り軸17、18における両膜状部材13、14の巻き取り量(巻き取り重ね数)の変化により、巻き取り軸17、18の膜状部材巻き取り径が変化する。このため、移動部材21の移動量、すなわち、巻き取り軸17、18の移動量が同一であっても、巻き取り軸17、18の移動量に対する膜状部材13、14の巻き取り、送り出し量が変化する。
【0093】
ここで、通常は、膜状部材13、14の巻き取り径が最小径であるときに、膜状部材13、14に過度の引っ張り力が作用しないように、巻き取り軸17、18の回転角当たりの膜状部材巻き取り量、送り出し量が適正値であるように設定する。従って、膜状部材13、14の巻き取り径が増大すると、巻き取り軸17、18の回転角当たりの膜状部材巻き取り量、送り出し量が適正値より増えて、膜状部材13、14の弛みが発生する。この弛みの発生が原因となって、膜状部材13、14のシール不良、膜状部材13、14のバタツキによる異音の発生といった不具合を生じる。
【0094】
そこで、本実施形態では、空調ケース1a側の直線状のギヤ19、20のピッチを巻き取り軸17、18の膜状部材巻き取り径の変化に応じて変化させている。
【0095】
具体的には、冷風側通路11側の直線状のギヤ19においては、その上端側に冷風側膜状部材13の固定部16dが位置しているので、冷風側膜状部材13の巻き取り径がギヤ19の上端側にて最大となり、ギヤ19の下端側にて冷風側膜状部材13の巻き取り径が最小になる。そこで、ギヤ19のピッチを上端側で最大とし、下端側で最小となるように順次変化させている。
【0096】
これに対し、温風側通路12側の直線状のギヤ20においては、その下端側に温風側膜状部材14の固定部16eが位置しているので、温風側膜状部材14の巻き取り径がギヤ20の下端側にて最大となり、ギヤ20の上端側にて温風側膜状部材14の巻き取り径が最小になる。そこで、ギヤ20のピッチを下端側で最大とし、上端側で最小となるように順次変化させている。
【0097】
以上により、冷風側巻き取り軸17がギヤ19の上端側に位置して冷風側膜状部材13の巻き取り径が大きくなるときは、ギヤ19のピッチが大きくなって、冷風側巻き取り軸17のギヤ17aの回転角が小さくなる。逆に、冷風側巻き取り軸17がギヤ19の下端側に位置して冷風側膜状部材13の巻き取り径が小さくなるときは、ギヤ19のピッチが小さくなって、冷風側巻き取り軸17のギヤ17aの回転角が大きくなる。
【0098】
また、温風側巻き取り軸18においても、同様に、温風側膜状部材14の巻き取り径が大きくなるときは、ギヤ20のピッチが大きくなってギヤ18aの回転角が小さくなり、温風側膜状部材14の巻き取り径が小さくなるときは、ギヤ20のピッチが小さくなって、温ギヤ18aの回転角が大きくなる。
【0099】
このように、両膜状部材13、14の巻き取り径の変化に対応して両巻き取り軸17、18のギヤ17a,18aの回転角が変化し、移動部材21の移動量と巻き取り軸17、18側の回転角との位相差を調整するから、両膜状部材13、14の巻き取り径が変化するにもかかわらず、移動部材21(巻き取り軸17、18)の移動量に対して、膜状部材13、14の巻き取り、送り出し量を一定に維持できる。従って、両膜状部材13、14の弛みの発生を防止して、膜状部材13、14のシール不良や膜状部材13、14のバタツキ異音といった不具合を防止できる。
【0100】
(6)両膜状部材13、14の固定部16d、16eを空調ケース1aの開口部形成部材16の上下両端部に配置し、両膜状部材13、14によって開口される両通路11、12の開口部分を仕切部16aの上下両側に隣接させているから、冷風側通路11側の冷風と温風側通路12側の温風が隣接して流れる。これにより、下流側での冷風と温風との混合性を向上でき、車室内吹出空気の温度バラツキを低減できる。
【0101】
(第1実施形態の変形例)
なお、上記第1実施形態では、冷風側膜状部材13の他端部を巻き取る冷風側巻き取り軸17、および温風側膜状部材14の他端部を巻き取る温風側巻き取り軸18を1個の移動部材21により連動して移動させる構成になっているが、冷風側巻き取り軸17および温風側巻き取り軸18に対してそれぞれ専用の駆動機構(駆動軸22およびアクチュエータ)を設け、冷風側膜状部材13の巻き取り、送り出し(冷風側通路11側の開度調整)および温風側膜状部材14の巻き取り、送り出し(温風側通路12側の開度調整)を独立に行うようにしてもよい。
【0102】
これによると、図2に示すような中間温度の制御時に、例えば、冷風側通路11側の開度および温風側通路12側の開度をともに全開として、中間温度の調整を行うことが可能となり、中間温度の制御時における通風抵抗(圧損)を低減できるという利点がある。
【0103】
また、上記変形例のように、各膜状部材毎にそれぞれ専用の操作機構を設けることにより、第1実施形態で説明した空気通路開閉装置を、各吹出開口部5〜9を開閉する吹出モードドアとして使用できる。
【0104】
また、膜状部材13、14の巻き取り径が増大する側(固定部16d,16e側)では、巻き取り軸17、18の回転中心位置が空調ケース1a側のギヤ19、20から離れる側に移動するので、ギヤ19、20の高さを膜状部材13、14の巻き取り径が減少する側(固定部16d,16eの反対側)よりも膜状部材13、14の巻き取り径が増大する側(固定部16d,16e側)で高くなるようにしてもよい。これにより、巻き取り軸17、18の回転中心位置の変化を吸収できる。
【0105】
また、駆動軸22をアクチュエータでなく手動操作機構に連結して、手動操作力により膜状部材13、14の巻き取り、送り出しを行ってもよいことはもちろんである。
【0106】
また、第1実施形態では、固定部16dを冷風側通路11の上部側に配置し、固定部16eを温風側通路12の下部側に配置しているが、固定部16dを冷風側通路11の下部側に配置し、また、固定部16eを温風側通路12の上部側に配置する等種々な変形が可能である。
【0107】
(第2実施形態)
第1実施形態では、空調ケース1a側の直線状のギヤ19、20のピッチを膜状部材13、14の巻き取り径の変化に応じて変化させ、これにより、巻き取り軸17、18における膜状部材13、14の巻き取り量、送り出し量の変化を吸収して弛み防止を図るようにしているが、第2実施形態は、巻き取り軸17、18と別体のギヤ17a、18aとの間にばね手段を介在し、巻き取り軸17、18とギヤ17a、18aとの間に回転方向の位相差を設定することにより、膜状部材13、14の巻き取り径の変化による巻き取り量、送り出し量の変化を吸収するようにしている。
【0108】
図6は第2実施形態であり、巻き取り軸17、18の一端側の小径部17b、18bに別体のギヤ17a、18aを回転可能に嵌合し、ばね手段であるコイルばね23の一端部を小径部17b、18bの外周面に連結(固定)し、コイルばね23の他端部をギヤ17a、18aに連結(固定)している。
【0109】
そして、巻き取り軸17、18が固定部16d、16e側に位置して膜状部材13、14の巻き取り径が最大となるときに、コイルばね23が最大に巻き締められ、膜状部材13、14の巻き取り径が減少するにつれてコイルばね23が巻き戻されるようになっている。
【0110】
第2実施形態によると、膜状部材13、14の巻き取り径が最大となる回転角位置から巻き取り径が所定量減少する回転角位置の間、例えば、巻き取り径最大側の90°の回転角範囲にてコイルばね23のばね力により巻き取り軸17、18とギヤ17a、18aとの間に回転方向の位相差を与える。具体的には、ギヤ17a、18aの回転角に対する巻き取り軸17、18の回転角が減少するように回転方向の位相差を与えて、膜状部材13、14の巻き取り径増大側でも巻き取り量、送り出し量を適正に維持する。これと同時に、膜状部材13、14の巻き取り径増大側ではコイルばね23のばね力によるテンションを膜状部材13、14に与えることができる。よって、膜状部材13、14の巻き取り径増大側における膜状部材13、14の弛みを防止できる。
【0111】
(第3実施形態)
第2実施形態におけるコイルばね23は、コイル長さの比較的短いものであり、そのため、膜状部材13、14の巻き取り径が最大となる側(固定部16d、16e側)から巻き取り径が最小となる側(固定部16d、16eと反対側)へ向かって送り出される途中でコイルばね23の巻き戻しが完了し、コイルばね23のばね力によるテンションが消滅する。
【0112】
これに対し、第3実施形態は、図7に示すように巻き取り軸17、18を円筒状に形成し、その円筒状の内側空間17c、18cに別体のばね支持軸24を巻き取り軸17、18に対して回転可能に嵌入している、。そして、このばね支持軸24のうち、巻き取り軸17、18の外部に突出している一端部24aを、図5の移動部材21の右側の円弧状軸保持部21c、21d内に嵌入し、また、巻き取り軸17、18のうち、上記一端部24aと反対側の一端部17d、18dを、図5の移動部材21の左側の円弧状軸保持部21e、21f内に嵌入する。
【0113】
そして、巻き取り軸17、18の円筒状の内側空間17c、18cのほぼ軸方向全長に至るコイル長さを持つコイルばね25をばね支持軸24の外周上に装着し、コイルばね25の一端部はばね支持軸24の先端部に連結(固定)し、コイルばね25の他端部を巻き取り軸17、18の円筒状部の先端部に連結(固定)している。
【0114】
第3実施形態では、膜状部材13、14の巻き取り径が最大となる側(固定部16d、16e側)から巻き取り径が最小となる側(固定部16d、16eと反対側)へ向かって送り出される全範囲、すなわち、巻き取り軸17、18およびばね支持軸24の全移動範囲において、コイルばね25のばね力によるテンションを膜状部材13、14に与え続けるようにコイルばね25を設計している。
【0115】
そして、膜状部材13、14の巻き取り径が最大となる側から最小となる側へ巻き取り軸17、18およびばね支持軸24が移動するとき、膜状部材13、14の送り出しに伴って巻き取り軸17、18が回転し、この回転によりコイルばね25が巻き締められ、膜状部材13、14の巻き取り径が最小となったとき(巻き取り軸17、18が最大に巻き締められ、ばね力を蓄える。
【0116】
従って、膜状部材13、14の巻き取り径が最小となった側から最大側へ巻き取り軸17、18およびばね支持軸24が移動するときは、コイルばね25に蓄えられたばね力により巻き取り軸17、18が回転して膜状部材13、14の巻き取りを行うことができる。
【0117】
そのため、第3実施形態によると、第1、第2実施形態におけるギヤ17a、18a、19、20を廃止できる。また、移動部材21と一体に移動するばね支持軸24と、巻き取り軸17、18との間をコイルばね25を介して結合し、ばね支持軸24と、巻き取り軸17、18との間に回転位相差を設定できるので、膜状部材13、14の巻き取り径の変化による弛みを防止できる。
【0118】
(第4実施形態)
第1〜第3実施形態では、移動部材21が剛体部品であるから、膜状部材13、14の巻き取り、送り出しのためには必ず、この移動部材21の移動範囲を確保するスペースが必要となる。
【0119】
このことは、特に、1枚の膜状部材13にて1つの空気通路、例えば、吹出開口部5〜9のうち任意の1つの空気通路を開閉する場合に顕著となる。
【0120】
図8はこの不具合を説明するものであり、図8(a)は移動部材21および巻き取り軸17が最も固定部16d側に移動して、膜状部材13の全部が巻き取り軸17に巻き取られ、1つの空気通路26の開口部を全開している状態(図1に相当)を示す。
【0121】
これに対し、図8(b)は移動部材21および巻き取り軸17が固定部16d側から最も離れる側へ移動して、膜状部材13が巻き取り軸17から最大量送り出されて、膜状部材13により1つの空気通路26の開口部を全閉している状態(図3に相当)を示す。
【0122】
このように、1つの空気通路26を開閉する場合であっても、移動部材21が剛体であると、空気通路26の側方に移動部材21の移動のための大きなスペース27を確保する必要が生じ、空調ケース1aの小型化を阻害する。
【0123】
第4実施形態は上記不具合の解消を目的としたものであり、以下、図9、10により第4実施形態を具体的に説明する。図9、10において、図1〜図8と同等部分には同一符号を付してある。空調ケース1aには1つの空気通路26が開口しており、この空気通路26の上流側の開口端面に複数の格子16bが設けてある。ここで、空気通路26は具体的には例えば、前述した吹出開口部5〜9のうち任意の1つの空気通路である。
【0124】
この空気通路26の上流側の開口端面の周縁部(すなわち、開口部外側)に膜状部材13の一端部を空調ケース1aに固定する固定部16dが配置してある。
【0125】
膜状部材13の他端部は巻き取り軸17に連結されて、この巻き取り軸17に巻き取られたり、巻き取り軸17から送り出されるようになっている。また、巻き取り軸17のギヤ17aを空調ケース1aに設けた直線状のギヤ(ギヤレール)19にかみ合わせている。これらのことは第1実施形態と同じである。
【0126】
但し、第4実施形態では、図9(b)に示すように巻き取り軸17の軸方向の両端部近傍にギヤ17aを一体に設け、この両端部近傍のギヤ17aに対応して直線状のギヤ19を空気通路26の開口端面の上下両側に設けている。
【0127】
そして、第4実施形態では、巻き取り軸17を空気通路26の開口部上で固定部16dに対して開離、接近する方向Aに移動させる操作機構として、ギヤ付きベルト27を用いている。このギヤ付きベルト27は変形の容易な柔軟なものであり、弾性材料、例えば、繊維により補強したゴム系の弾性材料からループ形状に成形され、その外周面の全周にわたってギヤ27aを一体に成形している。
【0128】
ギヤ付きベルト27は図9(b)に示すように巻き取り軸17の軸方向の一端側(下側)のギヤ17aの空気流れ上流側に配置され、ギヤ27aをギヤ17aにかみ合わせる。そして、図9(a)に示すように、ギヤ付きベルト27は巻き取り軸17の移動方向Aの全長にわたって延びる長円状のループ形状となるように配置される。
【0129】
巻き取り軸17の移動方向Aの両端部近傍に円柱状のガイド軸28a、28bを空調ケース1aの壁面からケース内部へ突出させ、この円柱状のガイド軸28a、28bをギヤ付きベルト27の長円状の長軸方向の両端部近傍位置にてベルト27の内側に配置して、ベルト27の長円状のループ形状を維持するようになっている。円柱状のガイド軸28a、28bは空調ケース1aの壁面に開けた軸受穴29に回転可能に支持されている。なお、ギヤ付きベルト27とガイド軸28a、28bとの間の摺動摩擦を低減すれば、ガイド軸28a、28bを空調ケース1aの壁面に固定してもよく、その場合はガイド軸28a、28bを空調ケース1aの壁面に一体成形できる。
【0130】
ギヤ付きベルト27の更に空気流れ上流側に駆動軸22を配置している。この駆動軸22は空調ケース1aの壁面に開けた軸受穴30に回転可能に支持され、空調ケース1a内へ突出している先端部にギヤ22bを一体に設けている。この駆動軸22のギヤ22bもベルト27のギヤ27aにかみ合うようになっている。駆動軸22のうち、空調ケース1a外部への突出部22aは、第1実施形態と同様に図示しないステップモータ等のアクチュエータあるいは手動操作機構に連結される。
【0131】
次に、第4実施形態の作動を説明すると、図9(a)は空気通路26の開口状態を示している。すなわち、巻き取り軸17が膜状部材13の一端部の固定部16d近傍に位置しているので、膜状部材13の全部が巻き取り軸17に巻き取られ、空気通路26を全開している。従って、空気通路26を矢印Bのように空気が流れる。
【0132】
この全開状態において、駆動軸22を図9(a)の時計方向に回転すると、駆動軸22のギヤ22bとベルト27のギヤ27aとのかみ合いによりベルト27が反時計方向に回転する。そのため、ベルト27のギヤ27aと巻き取り軸17のギヤ17aとのかみ合い、および巻き取り軸17のギヤ17aと空調ケース1aのギヤ19とのかみ合いにより巻き取り軸17は時計方向に回転しながら図9(a)、図10の上方へ移動する。この巻き取り軸17の上方への移動(固定部16dから離れる方向への移動)によって、膜状部材13の他端部が巻き取り軸17から送り出される。
【0133】
図10は巻き取り軸17の上方への移動を終了した状態を示しており、巻き取り軸17が空気通路26の開口部周縁部において固定部16dと反対側の周縁部に位置するので、膜状部材13によって空気通路26の開口部を全閉する。従って、空気通路26の空気流れが遮断される。
【0134】
そして、図10の状態から巻き取り軸17を下方(固定部16dに接近する方向)へ移動させることによって、膜状部材13が巻き取り軸17に巻き取られ、空気通路26を開口する。
【0135】
第4実施形態によると、柔軟なループ形状のギヤ付きベルト27を回転することにより巻き取り軸17を矢印A方向に移動できるので、第1〜第3実施形態のように剛体の移動部材21を移動させるためのスペース27(図8)を空気通路26の側方に確保する必要がない。そして、ギヤ付きベルト27は図9(a)(b)に示すように巻き取り軸17の一端側のギヤ17aの空気流れ上流側における僅少スペースにて配置できるので、空調ケース1aの小型化にとって極めて有利である。
【0136】
また、第4実施形態によると、第1実施形態に比較して冷風量と温風量との風量割合により吹出空気温度を調整するエアミックス方式の温度制御特性を向上できるという利点も得られる。
【0137】
すなわち、第1実施形態では、移動部材21によって冷風側膜状部材13の巻き取り軸17と温風側膜状部材14の巻き取り軸18とを連動して移動させ、これにより、両巻き取り軸17、18間に形成される開口部(図5参照)が移動して、冷風側通路11の開口面積と温風側通路12の通路開口面積が変化し、冷風量と温風量との風量割合を変化させる。
【0138】
ここで、温風側通路12にはヒータコア4が配置されているので、温風側通路12の圧損は通常、冷風側通路11の圧損より高くなっている。しかるに、両巻き取り軸17、18間の開口部は常に開口面積一定のまま、移動するので、冷風側通路11と温風側通路12の通路開口面積が同一割合で増減する。従って、冷風側通路11と温風側通路12との圧損の差異から、移動部材21の移動量の変化に対して、冷風量の変化割合と温風量の変化割合とが同一とならず、吹出空気温度の制御特性が悪化する。
【0139】
これに対し、第4実施形態によると、冷風側通路11に冷風側膜状部材13の巻き取り軸17専用の操作機構(図9、10に示す機構)を、また、温風側通路12に温風側膜状部材14の巻き取り軸18専用の操作機構(図9、10に示す機構)をそれぞれ独立に設置することにより、冷風側膜状部材13の巻き取り軸17の移動量を冷風側通路11の圧損に対応した量に、また、温風側膜状部材14の巻き取り軸18の移動量を温風側通路12の圧損に対応した量にそれぞれ独立に設定できる。
【0140】
これにより、冷風側通路11と温風側通路12の圧損が異なっていても、冷風側通路11の通路開口面積と温風側通路12の通路開口面積を圧損の差を考慮した異なる割合で増減できるので、冷風量と温風量を同一割合で変化させることができ、吹出空気温度の制御特性が良好となる。
【0141】
なお、第4実施形態では巻き取り軸17おける膜状部材13の巻き取り径の変化を吸収する対応について説明していないが、この対応は第1〜第3実施形態の前述の対応と同じでよい。
【0142】
(第4実施形態の変形例)
第4実施形態の考え方は以下のように種々変形可能である。ギヤ付きベルト27の代わりに、ギヤ27aを設けない、外周面が平坦な通常のベルトを使用しても第4実施形態の特徴を発揮できる。この変形例によると、駆動軸22もギヤ22bを設けない単純な軸形状でよく、駆動軸22の単純な軸形状部をベルト27に圧接して、ベルト27を構成するゴム系材料の摩擦により駆動軸22からベルト27に回転動力を伝達してベルト27を回転させる。
【0143】
巻き取り軸17においてもギヤ17aを廃止し、また、空調ケース1aでもギヤ19を廃止する。その代わりに、巻き取り軸17の単純な軸形状面に摩擦力を高めるためのゴム製の高摩擦ローラ部を設け、この高摩擦ローラ部をベルト27および空調ケース1aの空気通路周縁部の平坦摺動面に圧接させる。
【0144】
これにより、ベルト27が回転すると、摩擦回転伝達により巻き取り軸17が回転しながら図9、10の矢印Aに移動して、第4実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0145】
なお、上記の変形例において、空調ケース1a側にギヤ19を設けるとともにこのギヤ19のみにかみ合うギヤ17aを巻き取り軸17に設けるようにすれば、巻き取り軸17と空調ケース1aとの間の滑りは発生しないので、巻き取り軸17に高摩擦ローラ部を設ける必要はない。つまり、ベルト27を巻き取り軸17の単純な軸形状部に圧接して、ベルト27の回転を巻き取り軸17に摩擦伝達すればよい。上記の変形例は駆動軸22からベルト27への回転伝達およびベルト27から巻き取り軸17への回転伝達がいずれも摩擦による回転伝達であるから、ベルトテンションは第4実施形態より高める必要がある。
【0146】
また、ベルト27の代わりに、金属製または樹脂製のループ状のチェーンを用い、このチェーンの貫通空隙部または凹状係合部に、駆動軸22のギヤ22bおよび巻き取り軸17のギヤ17aをかみ合わせることにより、第4実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0147】
つまり、巻き取り軸17の移動のための手段として、ループ状の回転伝達手段を用いるのであれば、ベルト27、チェーン等の種々な手段を使用できる。
【0148】
(第5実施形態)
第5実施形態は第4実施形態とは別の膜状部材操作機構を構成して、第4実施形態と同様の作用効果を発揮できるようにしたものである。
【0149】
図11は第5実施形態であり、図9(a)に対応する図である。空調ケース1aの外部にステップモータ等のアクチュエータ31が配置され、このアクチュエータ31により回転駆動される駆動軸22が空調ケース1aの壁面の軸受穴30により回転可能に支持される。そして、駆動軸22のうち、空調ケース1a内に位置する部位にウォームギヤ機構のウォーム32が形成されている。
【0150】
このウォーム32は駆動軸22の外周面にねじ状の形態に形成されるものであって、駆動軸22の軸方向において巻き取り軸17の矢印A方向の移動範囲の全長にわたってウォーム32が形成されている。
【0151】
一方、巻き取り軸17の軸方向の一端部、例えば、図9(b)の下側のギヤ17aに相当する位置にウォームホィール33を設け、このウォームホィール33をウォーム32にかみ合わせている。また、空調ケース1aには、ウォームホィール33の軸方向の両側を案内するガイド部34を形成して、ウォームホィール33とウォーム32とのかみ合いを確実に維持するようになっている。なお、駆動軸22と巻き取り軸17は空気通路26の開口部周縁部において直交状に交差するように配置されている。
【0152】
第5実施形態においても、空気通路26の上流側の開口端面の周縁部(すなわち、開口部外側)に膜状部材13の一端部を空調ケース1aに固定する固定部16dを配置し、そして、膜状部材13の他端部は巻き取り軸17に連結されている。
【0153】
第5実施形態では、駆動軸22が回転すると、ウォーム32とウォームホィール33とのかみ合い部を介して巻き取り軸17が回転しながら図11の矢印A方向に移動する。この巻き取り軸17の移動により膜状部材13の他端部側の巻き取り、送り出しを行って、空気通路26の開口部を開閉できる。
【0154】
駆動軸22のウォーム32と巻き取り軸17のウォームホィール33とによるウォームギヤ機構は空調ケース1a内にコンパクトに配置でき、第1実施形態の移動部材21を廃止できるので、空調ケース1aの小型化に極めて有利である。
【0155】
(第6実施形態)
図12、図13は第6実施形態の比較例を図示する模式的斜視図、模式的平面図であり、上記した第5実施形態による空気通路開閉装置の作動原理を示すものである。膜状部材13により開閉される空気通路26の開口部形状は矩形状である。従って、空気通路26の開口部形状のうち、膜状部材13の一端部の固定部16dと反対側の辺35、すなわち、全閉側の辺35は膜状部材13の他端部および巻き取り軸17と平行な直線形状となる。
【0156】
ところで、膜状部材13の他端部が空気通路26の開口部形状の辺35に近接するとき、すなわち、膜状部材13が空気通路26を全閉しようとするときは、空気通路26の開口面積が僅少になるに伴って膜状部材13の上流側(図12の上方側)における空気通路26の静圧が上昇する。
【0157】
これに加え、空気通路26の開口部形状のうち全閉側の辺35が膜状部材13の他端部(巻き取り軸17)と平行な直線形状になっているので、空気通路26の全閉直前まで膜状部材13の幅方向全長にわたる開口面積が空気通路26に形成される。
【0158】
この結果、空気通路26の全閉直前まで空気通路26の開口部通過風量が多くなっている状態が維持され、そして、空気通路26の全閉直前で開口部通過風量が急激に減少する特性となる。図14の破線はこの図12、図13の比較例による開口部通過風量特性を示す。
【0159】
図14の横軸は膜状部材13の他端部位置であり、図14の横軸の全閉位置は、膜状部材13の他端部(巻き取り軸17)が固定部16より最大に開離して空気通路26の開口部を全閉する位置(図12、図13の右端側位置)であり、図14の横軸の全開位置は、膜状部材13の他端部(巻き取り軸17)が固定部16に最大に接近して空気通路26の開口部を全開する位置(図12、図13の左端側位置)である。
【0160】
図14の縦軸は空気通路26の開口部通過風量(%)であり、送風機ユニットの送風機を所定回転数にて作動させ、且つ、膜状部材13の他端部を上記全開位置に移動させた際の風量を100%とし、この全開位置の風量に対する風量割合を図14の縦軸にとっている。
【0161】
図15、図16は第6実施形態であり、空気通路26の開口部のうち、膜状部材13の一端部の固定部16dと反対側の辺35、すなわち、全閉側の辺35を膜状部材13の他端部および巻き取り軸17と斜めに交差する直線形状にしている。
【0162】
なお、膜状部材13の他端部を巻き取り軸17とともに矢印A方向に移動させる機構は、図示の例では第5実施形態(図11)と同様であり、駆動軸22に形成したウォーム32と巻き取り軸17の軸方向の一端部に形成したウォームホィール33とをかみ合わせ、駆動軸22の回転により巻き取り軸17が回転しながら矢印A方向に移動する。空調ケース1aには、巻き取り軸17のウォームホィール33の軸方向の両側面をガイドするガイド部(図示せず)が空気通路26の開口部形状の片側(図15の上側)の側縁部に沿って形成してある。このガイド部は図11のガイド部34と同じものである。
【0163】
第6実施形態によると、巻き取り軸17および膜状部材13の他端部が空気通路26の開口部の全閉側の辺35に向かって移動するとき、この全閉側の辺35の斜め形状に沿って開口部幅方向の一端部(図15の上端部)から他端部(図15の下端部)へ向かって全閉側の辺35を徐々に閉じていくことができる。
【0164】
これにより、巻き取り軸17および膜状部材13の他端部の矢印A方向の移動量に対する空気通路26の開口面積の減少割合を上述の比較例(図12、13)より低減できる。そのため、空気通路26の全閉直前に膜状部材13上流側における静圧が上昇しても、空気通路26の開口面積の減少割合を低減することにより、空気通路26の開口部通過風量を図14の実線に示すように膜状部材13の他端部の位置変化に対してより直線的に変化させることができる。
【0165】
図17は第6実施形態の変形例であり、空気通路26の開口部の全閉側の辺35を開口部幅方向の中央部が凹となる鋸歯状の斜め形状にしている。図18は第6実施形態の別の変形例であり、空気通路26の開口部の全閉側の辺35を凹状の曲線形状にしている。更に、図19も第6実施形態の別の変形例であり、空気通路26の開口部の全閉側の辺35を開口部幅方向の中央部に底部が位置する凹状の曲線形状にしている。
【0166】
このような図17ないし図19の変形例によっても、第6実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0167】
(第7実施形態)
最初に、第7実施形態の目的を説明すると、第1〜第3実施形態では、図8に示すように空気通路26の側方に移動部材21の移動のための大きなスペース27を確保する必要が生じ、空調ケース1aの大型化を招く。これに対し、第4実施形態ないし第6実施形態(図9〜図16)では、移動部材21の移動のためのスペース27を廃止でき、その分だけ、空調ケース1aを小型化できる。
【0168】
しかし、第4実施形態ないし第6実施形態においても、空調ケース1aの空気流れ方向(通風方向)Bの体格が大きくなるという不具合が残っている。すなわち、第4実施形態(図9、10)では、空気流れ方向Bに巻き取り軸17とガイド軸28a、28bと駆動軸22とを積層配置している。また、第5、第6実施形態(図11〜図16)では、空気流れ方向Bに巻き取り軸17と駆動軸22とを積層配置している。
【0169】
このように複数本の軸を空気流れ方向Bに積層配置するので、空調ケース1aの空気流れ方向Bの体格がどうしても大きくなってしまう。そこで、第7実施形態では、空調ケース1aの空気流れ方向Bの体格をも小型化できる、巻き取り軸17の操作機構を得ることを目的としている。
【0170】
図20、図21は第7実施形態を示すものであり、上記各実施形態と同等部分には同一符号が付してある。空調ケース1aには空気通路26が矩形状、より具体的には長方形にて形成され、膜状部材13の一端部がこの空気通路26の開口部26aの長手方向の一端部に固定されている。すなわち、空調ケース1aには空気通路26の開口部26aの周縁に平坦なシール面1cが形成され、このシール面1cに膜状部材13の一端部が固定部材16dにより固定されている。
【0171】
膜状部材13の他端部は巻き取り軸17に連結され、巻き取り軸17に巻き取られたり、巻き取り軸17から送り出されるようになっている。巻き取り軸17は開口部26aの長手方向と直交方向に配置されている。巻き取り軸17の両端部には小径部(ピン部)17bが形成され、この両端の小径部17bには円形ギヤ(ピニオン)17aが一体に設けられている。
【0172】
一方、空調ケース1aのシール面1cのうち開口部26aの左右の両長辺部に沿って直線状のギヤ(ラック)19が配置され、このケース1a側の左右のギヤ19に、巻き取り軸17の両端のギヤ17aがかみ合うようになっている。
【0173】
駆動軸22は、左右のギヤ19のうちいずれか一方、例えば、図20の例では図示上方側のギヤ19の側方に開口部26aの長手方向と平行に配置されている。従って、駆動軸22は巻き取り軸17と直交方向(T状)に配置されることになる。しかも、図21に示すように、駆動軸22は巻き取り軸17と同一平面上に配置されている。
【0174】
駆動軸22の外周面には螺旋溝22dが形成されている。この螺旋溝22dおよびギヤ19は巻き取り軸17の移動範囲の全長にわたって形成する必要があるので、螺旋溝22dおよびギヤ19の形成範囲は開口部26aの長手方向寸法以上になっている。
【0175】
巻き取り軸17の両端の小径部17bのうち、駆動軸22側の小径部17bを駆動軸22に向けて延長させ、その延長端部を駆動軸22の径方向の中心位置にて螺旋溝22d内に嵌合している。駆動軸22の回転により螺旋溝22dと駆動軸22の端部との嵌合位置が軸方向に変化することにより、螺旋溝22dの壁面から駆動軸22の嵌合端部に直接押し付け力が作用するようになっている。
【0176】
駆動軸22の両端部は空調ケース1aの軸受穴30により回転自在に支持され、更に、駆動軸22の一端部(図示の例では左端部)は空調ケース1aの外部へ突き出してステップモータ等のアクチュエータ31に連結される。
【0177】
なお、巻き取り軸17は図7に示す第3実施形態と同様に、内外2重の軸構造とし、この内外2重の軸相互間をコイルばね25(図7)により結合することにより、巻き取り軸17における膜状部材13の巻き取り径の変化による弛みを吸収できる。
【0178】
次に、第7実施形態の作動を説明する。図20、21は膜状部材13により空気通路26の通路開口面積の20%程度を開口し、80%程度を閉塞する状態を示している。この状態からアクチュエータ31に通電してアクチュエータ31により駆動軸22を回転駆動すると、螺旋溝22dと巻き取り軸17の小径部17bの端部との嵌合位置が軸方向に変化し、螺旋溝22dの壁面から巻き取り軸17に直接押し付け力が作用して、巻き取り軸17を矢印A方向に移動させる。
【0179】
このとき、駆動軸22の両端部は円形ギヤ17aによりケース1a側のギヤ19にかみ合っているので、駆動軸22の回転により巻き取り軸17は回転しながら、空気通路26の開口部26a上を矢印A方向に移動して、空気通路26の通路開口面積を変化させる。ここで、矢印A方向は、巻き取り軸17が膜状部材13の一端部の固定部材16dに対して開離、接近する方向であるから、開口部26aの開閉方向ということができ、以下開閉方向Aと略称する。
【0180】
以上のように第7実施形態では、駆動軸22と巻き取り軸17を同一平面上にてT状に直交配置するだけで、巻き取り軸17が回転しながら開口部26a上を開閉方向Aに移動できるので、巻き取り軸17の操作機構設置のためのスペースを空気流れ方向Bに対しても僅少にすることができる。従って、空調ケース1aの体格を最も効果的に小型化できる。
【0181】
しかも、駆動軸22の螺旋溝22dのピッチ(隣接する溝間の距離)を大きくすることにより、駆動軸22の1回転当たりの巻き取り軸17の移動量を第5実施形態(図11)のウォームギヤ機構に比較して格段と大きくすることができる。そのため、図20、21の空気通路開閉装置をエアミックスドアとして構成した場合には駆動軸22の回転によりドア位置(通路開口面積)を素早く変化させることができ、吹出空気温度変化の応答性を向上できる。
【0182】
(第8実施形態)
上記の各実施形態において膜状部材13の端部は巻き取り軸17に巻き取られるので、その巻き取り状態が長時間放置されると、特に、高温状態で長時間放置されると、膜状部材13に巻き癖(転写)が発生する。
【0183】
この巻き癖が発生すると、巻き取り軸17を図22に示す開口部26aの全閉位置に操作して膜状部材13を巻き取り軸17から送り出した(巻き戻した)ときに、膜状部材13は巻き癖によって開口部26a周縁の平坦なシール面1cから凸状に浮き上がる浮き上がり部分13aを形成する。
【0184】
この巻き癖によって発生する浮き上がり部分13aは、図22(a)(b)に示すように開口部26aの全閉位置にある巻き取り軸17と固定部材16dとの中間部に位置する。そして、巻き取り軸17の軸方向(開閉方向Aと垂直な方向)においては図22(c)に示すように軸方向の両端部に浮き上がり部分13aが形成される。
【0185】
このため、この凸状の浮き上がり部分13aとシール面1cとの隙間を空気が矢印B’のように通過して開口部26a内へ空気が流れ込み、空気洩れが生じる。また、膜状部材13の浮き上がり部分13aが風圧により自励振動を起こして異音を発生することもある。
【0186】
そこで、第8実施形態では、膜状部材13の巻き癖による空気洩れや異音の発生を抑制することを目的としている。
【0187】
図23は、第8実施形態による課題解決の考え方を示す要部の概略斜視図であり、膜状部材13の巻き癖によって発生する浮き上がり部分13aの凸方向と同方向に凸となる湾曲形状を開口部26a周縁のシール面1cに形成して、膜状部材13の巻き癖による浮き上がり部分13aと、シール面1cとの間の浮き上がり隙間を低減したり、浮き上がり隙間を解消するものである。なお、図23において、Rはシール面1cの湾曲形状の曲率半径を示している。
【0188】
図24、図25は第8実施形態による具体例を示すものであり、膜状部材13の巻き癖による浮き上がり部分13aは図25の上方へ凸となる。そこで、シール面1cも図25の上方へ凸となる湾曲形状にしてある。このようにシール面1cを図25の上方へ凸となる湾曲形状に形成してあるため、ケース側ギヤ19もシール面1cに沿った湾曲形状にしてある。
【0189】
巻き取り軸17は開口部26aの開閉方向Aに移動する時、その両端部のギヤ17aとケース側ギヤ19とのかみ合いによってシール面1cの上方へ凸となる湾曲形状に沿って移動する必要がある。すなわち、巻き取り軸17の開閉方向Aの移動軌跡を上方へ凸となる湾曲形状にする必要がある。
【0190】
そこで、巻き取り軸17の操作機構を第4実施形態(図9、10)と同様にギヤ付きベルト27を用いて構成している。このギヤ付きベルト27は前述のように、変形の容易な柔軟なゴム系の弾性材料からループ形状に成形されている。但し、第4実施形態では、ギヤ付きベルト27の外周面の全周にわたってギヤ27aを一体に成形したが、第8実施形態では、ギヤ付きベルト27の内周面の全周にわたってギヤ27aを一体に成形している。
【0191】
そして、第8実施形態では、巻き取り軸17の移動方向Aの両端部のうちいずれか一方に駆動軸22を配置し、他方に支持軸220を回転自在に配置している。駆動軸22はアクチュエータ31に連結されて回転駆動される。支持軸220は空調ケース1aに単に回転自在に支持されるだけである。
【0192】
駆動軸22の端部に設けたギヤ22bおよび支持軸220の端部に設けたギヤ220aをギヤ付きベルト27の内周面のギヤ27aにかみ合わせる。これにより、ギヤ付きベルト27は図25に示すように、巻き取り軸17の移動方向Aの全長にわたって延びる長円状のループ形状となるように配置される。また、ギヤ付きベルト27は図24に示すように、左右両側のケース側ギヤ19のうち、片側のギヤ19の側方に平行に配置される。
【0193】
更に、巻き取り軸17の一端部の小径部17bに、ケース側ギヤ19とかみ合う第1ギヤ17aとは別の第2ギヤ17cを設けている。ここで、第1ギヤ17aは小径部17bの根元側に位置し、第2ギヤ17cは小径部17bの先端側に位置している。そして、この先端側の第2ギヤ17cをギヤ付きベルト27の内周面のギヤ27aにかみ合わせる。
【0194】
第8実施形態によると、アクチュエータ31により駆動軸22を回転駆動すると、ループ状のギヤ付きベルト27を介して巻き取り軸17が回転し、巻き取り軸17はケース側ギヤ19とのかみ合いにより開閉方向Aに回転しながら移動して、膜状部材13の巻き取りまたは送り出しを行う。
【0195】
そして、開口部26a周縁のシール面1cを、膜状部材13の巻き癖による浮き上がり部分13aの凸方向と同方向に凸となるように湾曲させているため、膜状部材13の巻き癖(転写)が発生しても、膜状部材13とシール面1cとの間の浮き上がり隙間を低減したり、浮き上がり隙間を解消することができる。そのため、膜状部材13の浮き上がり部分13aによる空気洩れや異音の発生を効果的に抑制できる。
【0196】
なお、第8実施形態では、巻き取り軸17を回転しながら開閉方向Aに移動させる操作機構をギヤ付きベルト27を用いて構成しているが、この操作機構をチェーン等を用いて構成してもよい。
【0197】
(他の実施形態)
なお、上記の各実施形態では、本発明を車両用空調装置の空気通路の開閉に適用した例について説明したが、車両用空調装置に限らず、種々な用途の空気通路の開閉装置に本発明は広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の最大冷房時を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の温度制御域の状態を示す断面図である。
【図3】第1実施形態の最大暖房時を示す断面図である。
【図4】第1実施形態の要部破断正面図である。
【図5】第1実施形態の要部の斜視図である。
【図6】第2実施形態の巻き取り軸部分の一部断面正面図である。
【図7】第3実施形態の巻き取り軸部分の一部断面正面図である。
【図8】第4実施形態の課題を説明する模式断面図である。
【図9】(a)は第4実施形態の巻き取り軸と直交方向の要部断面図で、空気通路開口状態を示す。(b)は第4実施形態の巻き取り軸の軸方向の要部断面図である。
【図10】第4実施形態の巻き取り軸と直交方向の要部断面図で、空気通路全閉状態を示す。
【図11】第5実施形態の巻き取り軸と直交方向の要部断面図で、空気通路開口状態を示す。
【図12】第6実施形態の課題を説明する比較例の模式的斜視図である。
【図13】図12の模式的平面図である。
【図14】第6実施形態および比較例の開口部通過風量の特性図である。
【図15】第6実施形態の模式的平面図である。
【図16】第6実施形態の模式的断面図である。
【図17】第6実施形態の変形例の模式的平面図である。
【図18】第6実施形態の別の変形例の模式的平面図である。
【図19】第6実施形態の更に別の変形例の模式的平面図である。
【図20】第7実施形態の模式的平面図である。
【図21】第7実施形態の模式的断面図である。
【図22】(a)は第8実施形態の課題を説明する模式的斜視図、(b)は(a)のC−C断面図、(c)は(b)のD−D断面図である。
【図23】第8実施形態の要部の模式的斜視図である。
【図24】第8実施形態の模式的平面図である。
【図25】第8実施形態の模式的断面図である。
【符号の説明】
1a…ケース、5〜9、11、12、26…空気通路、
13、14…膜状部材、16d、16e…固定部、17、18…巻き取り軸、
21…移動部材、22…駆動軸、27…ギヤ付きベルト、32…ウォーム、
33…ウォームホィール。

Claims (22)

  1. 空気通路(5〜9、11、12、26)を形成するケース(1a)と、
    前記ケース(1a)内に配置され、前記空気通路(5〜9、11、12、26)の開口部(26a)を開閉する膜状部材(13、14)と、
    前記空気通路(5〜9、11、12、26)の開口部(26a)外側に前記膜状部材(13、14)の一端部を固定する固定部(16d、16e)と、
    前記開口部(26a)上で前記固定部(16d、16e)に対して開離、接近する方向に移動することによって、前記開口部(26a)上における前記膜状部材(13、14)の一端部からの長さを可変する膜状部材操作機構(17、18、21、22、27、32、33)とを備えることを特徴とする空気通路開閉装置。
  2. 前記膜状部材操作機構は、前記膜状部材(13、14)の他端部に連結され、前記膜状部材(13、14)の他端部の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(17、18)と、
    前記巻き取り軸(17、18)を、回転させながら前記開口部(26a)上で前記方向に移動させる移動機構(21、22、27、32、33)とにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の空気通路開閉装置。
  3. 前記巻き取り軸(17、18)と前記ケース(1a)との間に前記巻き取り軸(17、18)の回転の滑りを防止する機構(17a、18a、19、20)を備えることを特徴とする請求項2に記載の空気通路開閉装置。
  4. 前記滑りを防止する機構は、前記巻き取り軸(17、18)に設けた第1ギヤ(17a、18a)と、前記ケース(1a)側に設けられ、前記第1ギヤ(17a、18a)とかみ合う第2ギヤ(19、20)とにより構成されていることを特徴とする請求項3に記載の空気通路開閉装置。
  5. 前記膜状部材操作機構は前記巻き取り軸(17、18)における前記膜状部材(13、14)の巻き取り径の変化を吸収するように前記巻き取り軸(17、18)の回転角を調整する手段(17a、18a、19、20、23、25)を備えていることを特徴とする請求項2に記載の空気通路開閉装置。
  6. 前記回転角を調整する手段(17a、18a、19、20、23、25)は、前記移動機構(21、22)側の移動量と前記巻き取り軸(17、18)側の回転角との位相差を調整するものであることを特徴とする請求項5に記載の空気通路開閉装置。
  7. 前記回転角を調整する手段は、前記巻き取り軸(17、18)に設けた第1ギヤ(17a、18a)と、前記ケース(1a)側に設けられ、前記第1ギヤ(17a、18a)とかみ合う第2ギヤ(19、20)とにより構成され、
    前記膜状部材(13、14)の巻き取り径が増大する側に前記巻き取り軸(17、18)が移動するにつれて前記第2ギヤ(19、20)のピッチを大きくすることを特徴とする請求項6に記載の空気通路開閉装置。
  8. 前記回転角を調整する手段は、前記移動機構(21、22)側の部材と、前記巻き取り軸(17、18)との間に介在されるばね手段(23、25)であることを特徴とする請求項6に記載の空気通路開閉装置。
  9. 前記ばね手段は、前記巻き取り軸(17、18)の全移動範囲において前記移動機構(21、22)側の部材と、前記巻き取り軸(17、18)との間にばね力のテンションを与え続けるように構成されたコイルばね(25)であることを特徴とする請求項8に記載の空気通路開閉装置。
  10. 空気通路(26)を形成するケース(1a)と、
    前記ケース(1a)内に配置され、前記空気通路(26)の開口部(26a)を開閉する膜状部材(13)と、
    前記空気通路(26)の開口部(26a)外側に前記膜状部材(13)の一端部を固定する固定部(16d)と、
    前記膜状部材(13)の他端部に連結され、前記膜状部材(13)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(17)と、
    駆動軸(22)からの回転伝達により回転するループ状の回転伝達体(27)とを備え、
    前記ループ状の回転伝達体(27)により前記巻き取り軸(17)に回転を伝達して、前記巻き取り軸(17)を、回転させながら前記空気通路(26)の開口部(26a)上で前記固定部(16d)に対して開離、接近する方向に移動させ、
    前記巻き取り軸(17)が前記固定部(16d)から開離する方向に移動するときは、前記膜状部材(13)の他端部側を前記巻き取り軸(17)から送り出し、
    前記巻き取り軸(17)が前記固定部(16d)に接近する方向に移動するときは前記膜状部材(13)の他端部側を前記巻き取り軸(17)に巻き取るようにしたことを特徴とする空気通路開閉装置。
  11. 前記ループ状の回転伝達体は、前記駆動軸(22)および前記巻き取り軸(17)の両方に対してギヤ結合されるギヤ付きベルト(27)であることを特徴とする請求項10に記載の空気通路開閉装置。
  12. 前記ループ状の回転伝達体は、前記駆動軸(22)および前記巻き取り軸(17)の両方に対してギヤ結合されるチェーンであることを特徴とする請求項10に記載の空気通路開閉装置。
  13. 前記ループ状の回転伝達体は、前記駆動軸(22)および前記巻き取り軸(17)の両方に対して摩擦結合により回転を伝達するベルトであることを特徴とする請求項10に記載の空気通路開閉装置。
  14. 前記巻き取り軸(17)と前記ケース(1a)との間に前記巻き取り軸(17)の回転の滑りを防止する機構(17a、19)を備えることを特徴とする請求項10ないし13のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
  15. 空気通路(26)を形成するケース(1a)と、
    前記ケース(1a)内に配置され、前記空気通路(26)の開口部(26a)を開閉する膜状部材(13)と、
    前記空気通路(26)の開口部(26a)外側に前記膜状部材(13)の一端部を固定する固定部(16d)と、
    前記膜状部材(13)の他端部に連結され、前記膜状部材(13)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(17)と、
    前記巻き取り軸(17)に設けられたウォームホィール(33)と、
    前記ウォームホィール(33)とかみ合うウォーム(32)を有する駆動軸(22)とを備え、
    前記駆動軸(22)の回転により前記ウォーム(32)と前記ウォームホィール(33)とのかみ合い部を介して、前記巻き取り軸(17)を、回転させながら前記空気通路(26)の開口部(26a)上で前記固定部(16d)に対して開離、接近する方向に移動させ、
    前記巻き取り軸(17)が前記固定部(16d)から開離する方向に移動するときは、前記膜状部材(13)の他端部側を前記巻き取り軸(17)から送り出し、
    前記巻き取り軸(17)が前記固定部(16d)に接近する方向に移動するときは前記膜状部材(13)の他端部側を前記巻き取り軸(17)に巻き取るようにしたことを特徴とする空気通路開閉装置。
  16. 空気通路(26)を形成するケース(1a)と、
    前記ケース(1a)内に配置され、前記空気通路(26)の開口部(26a)を開閉する膜状部材(13)と、
    前記空気通路(26)の開口部(26a)外側に前記膜状部材(13、14)の一端部を固定する固定部(16d)と、
    前記膜状部材(13)の他端部に連結され、前記膜状部材(13)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(17)と、
    前記巻き取り軸(17)と同一平面上にて直交配置された駆動軸(22)とを備え、
    前記巻き取り軸(17)の端部を前記駆動軸(22)に接触させ、前記駆動軸(22)の回転に伴う押し付け力を前記巻き取り軸(17)の端部に与えることより、前記巻き取り軸(17)を、回転させながら前記空気通路(26)の開口部(26a)上で前記固定部(16d)に対して開離、接近する方向に移動させ、
    前記巻き取り軸(17)が前記固定部(16d)から開離する方向に移動するときは、前記膜状部材(13)の他端部側を前記巻き取り軸(17)から送り出し、
    前記巻き取り軸(17)が前記固定部(16d)に接近する方向に移動するときは前記膜状部材(13)の他端部側を前記巻き取り軸(17)に巻き取るようにしたことを特徴とする空気通路開閉装置。
  17. 前記駆動軸(22)の外周面に螺旋溝(22d)を形成し、前記巻き取り軸(17)の端部を前記螺旋溝(22d)内に嵌合し、前記螺旋溝(22d)によって前記押し付け力を前記巻き取り軸(17)の端部に与えることを特徴とする請求項16に記載の空気通路開閉装置。
  18. 前記ケース(1a)側に備えたギヤ(19)にかみ合うギヤ(17a)を前記巻き取り軸(17)に備え、前記両ギヤ(17a、19)のかみ合いにより前記巻き取り軸(17)が回転しながら前記方向に移動することを特徴とする請求項16または17に記載の空気通路開閉装置。
  19. 空気通路(5〜9、11、12、26)を形成するケース(1a)と、
    前記ケース(1a)内に配置され、前記空気通路(5〜9、11、12、26)の開口部(26a)を開閉する膜状部材(13、14)と、
    前記ケース(1a)のうち前記開口部(26a)周縁のシール面(1c)上に前記膜状部材(13、14)の一端部を固定する固定部(16d,16e)と、
    前記膜状部材(13、14)の他端部に連結され、前記膜状部材(13、14)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(17、18)と、
    前記巻き取り軸(17、18)を、回転させながら前記シール面(1c)上で前記固定部(16d,16e)に対して開離、接近する方向に移動させる移動機構(21、22、27、32、33)とを備え、
    前記巻き取り軸(17、18)が前記固定部(16d,16e)から開離する方向に移動して前記膜状部材(13、14)が前記巻き取り軸(17、18)から送り出されたときに、前記膜状部材(13、14)の巻き癖に基づいて前記膜状部材(13、14)の一部(13a)が前記シール面(1c)より凸形状に浮き上がるようになっており、
    前記シール面(1c)を前記膜状部材(13、14)の浮き上がり部分(13a)の凸形状と同方向の凸形状となるように湾曲させたことを特徴とする空気通路開閉装置。
  20. 前記空気通路(5〜9、11、12、26)の開口部形状のうち、前記固定部(16d、16e)と反対側の辺(35)を前記膜状部材(13)の他端部と交差する形状にしたことを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
  21. 前記辺(35)は前記膜状部材(13)の他端部と交差する直線形状であることを特徴とする請求項20に記載の空気通路開閉装置。
  22. 前記辺(35)は前記膜状部材(13)の他端部と交差する曲線形状であることを特徴とする請求項20に記載の空気通路開閉装置。
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