JP2003127638A - 空気通路開閉装置 - Google Patents

空気通路開閉装置

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JP2003127638A
JP2003127638A JP2001332746A JP2001332746A JP2003127638A JP 2003127638 A JP2003127638 A JP 2003127638A JP 2001332746 A JP2001332746 A JP 2001332746A JP 2001332746 A JP2001332746 A JP 2001332746A JP 2003127638 A JP2003127638 A JP 2003127638A
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film
film member
air
air passage
sliding surface
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JP2001332746A
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Masaharu Yamazaki
正晴 山崎
Yukio Kamimura
上村  幸男
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可撓性を有する膜状部材を往復動させること
により空気通路を開閉する空気通路開閉装置において、
膜状部材に開口する穴部の周縁部に発生するバリに起因
する不具合を防止する。 【解決手段】 空気通路23を開閉する可撓性を有する
膜状部材15を備え、この膜状部材15は、バリ15c
が周縁部に発生するギヤ穴部15a、15bを有し、ケ
ース1に膜状部材15が摺動する摺動面21を備えると
ともに、この摺動面21に、バリ15cの接触を回避す
る凹部25を形成する。これにより、膜状部材15のギ
ヤ穴部15a、15bの周縁部からバリ15cが突き出
しても、バリ15cと摺動面21との接触を回避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜状部材(フィル
ムドア)を空気通路中で移動させることによって空気通
路を開閉する空気通路開閉装置に関するもので、車両用
空調装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の膜状部材の移動によって
空気通路を開閉する空気通路開閉装置は、特開平8−2
238号公報等にて提案されている。この従来技術は、
空調ケース内に回転自在に設けられた駆動軸および従動
軸のそれぞれに、樹脂フィルムのような可撓性の膜状部
材の両端を連結するとともに、前記両軸の端部にそれぞ
れ、同軸上にプーリーを連結し、さらに、この両プーリ
ーにワイヤーの両端を巻架している。また、駆動軸には
モータを結合して、駆動軸を回転駆動するようにしてい
る。
【0003】そして、駆動軸が膜状部材を巻き取る方向
に回転すると、この駆動軸が膜状部材を直接巻き取り、
膜状部材が移動する。逆に、駆動軸が膜状部材を送り出
す方向に回転すると、この駆動軸の回転が上記両プーリ
ーおよびワイヤーを介して従動軸に伝わり、従動軸が膜
状部材を巻き取る方向に回転し、膜状部材が従動軸に巻
き取られ、移動する。このように、膜状部材を空調ケー
ス内で正逆両方向に移動させることによって、空気通路
を開閉できるようにしている。
【0004】しかし、上記従来技術においては、膜状部
材の両端を駆動軸および従動軸にそれぞれ連結し、巻き
取る構成であるので、駆動軸と従動軸とを連動させる必
要がある。このため、プーリー、ワイヤーといった連動
機構が必要となり、装置全体として部品点数が増加する
とともに、組付も煩雑となり、コスト高になるという問
題があった。
【0005】そこで、本発明者らは先に、特願2000
−275306号の特許出願において、可撓性のある膜
状部材を用いて空気通路の開閉を行うに際して、膜状部
材の巻き取り機構を不要にして、構成の簡素化を図った
空気通路開閉装置を提案している。
【0006】この先願の空気通路開閉装置では、可撓性
を有する膜状部材に駆動ギヤがかみ合うギヤ穴部を開
け、このギヤ穴部での駆動ギヤのかみ合いによって膜状
部材の往復動のための駆動力を膜状部材に付与するよう
にし、また、膜状部材の往復動をガイドするガイド手段
を空気通路に備え、駆動ギヤの回転により膜状部材をガ
イド手段に沿って往復動させ、この膜状部材の往復動に
より空気通路を開閉するようにしている。
【0007】従って、膜状部材の巻き取り機構を不要に
して、膜状部材を用いた空気通路開閉装置の構成を大幅
に簡素化できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、先願の装置
について実際に試作評価してみると、膜状部材にギヤ穴
部を打ち抜き加工する際に、ギヤ穴部の周縁部にバリが
形成されて、このギヤ穴部のバリが空気通路側の摺動面
に接触して異音(擦れ音)を発生したり、膜状部材の操
作力が増大する場合がある。また、バリと空気通路側の
摺動面との間で引っ掛かりが発生して膜状部材の作動不
良が発生する場合もある。
【0009】本発明は上記点に鑑みて、可撓性を有する
膜状部材を往復動させることにより空気通路を開閉する
空気通路開閉装置において、膜状部材に開口する穴部の
周縁部に発生するバリに起因する不具合を防止すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、空気通路(13、1
4、23)を開閉する可撓性を有する膜状部材(15)
を備え、この膜状部材(15は、バリ(15c)が周縁
部に発生する穴部(15a、15b)を有しており、ケ
ース(1)に膜状部材(15)が摺動する摺動面(2
1)を備えるとともに、摺動面(21)に、バリ(15
c)の接触を回避する凹部(25)を形成したことを特
徴とする。
【0011】これにより、膜状部材(15)の穴部(1
5a、15b)の周縁部からバリ(15c)が突き出し
ても、バリ(15c)と摺動面(21)との接触を回避
して、バリに起因する異音(擦れ音)の発生、膜状部材
操作力の増大、膜状部材の作動不良といった不具合を防
止できる。
【0012】請求項2に記載の発明では、請求項1にお
いて、膜状部材(15)の風下側にバリ(15c)が突
き出すようになっており、摺動面(21)は膜状部材
(15)の風下側に配置されていることを特徴とする。
【0013】請求項2の配置によると、膜状部材(1
5)がその風下側に位置する摺動面(21)上に風圧に
より圧接して、空気通路閉塞のシール作用を発揮する。
その際に、膜状部材(15)の風下側に突き出すバリ
(15c)と摺動面(21)との接触を凹部(25)に
より回避できる。
【0014】請求項3に記載の発明では、空気通路(1
3、14、23)を開閉する可撓性を有する膜状部材
(15)が穴部(15a、15b)を有しており、この
穴部(15a、15b)の周縁部から膜状部材(15)
の一面側へバリ(15c)が突き出すようになってお
り、ケース(1)に、膜状部材(15)の風下側に位置
して膜状部材(15)が摺動する摺動面(21)を備
え、膜状部材(15)のうち、バリ(15c)が突き出
す一面が風上側に向き、膜状部材(15)の他の面が摺
動面(21)側に向くようにしたことを特徴とする。
【0015】請求項3の配置によると、膜状部材(1
5)の風下側に位置する摺動面(21)上に膜状部材
(15)が風圧により圧接して、空気通路閉塞のシール
作用を発揮する。その際に、膜状部材(15)のうち、
バリ(15c)が突き出す一面を風上側に向け、膜状部
材(15)の他の面を摺動面(21)側に向けているか
ら、膜状部材(15)のうち、バリ(15c)が突き出
さない面が摺動面(21)上に風圧により圧接する。そ
のため、風下側の摺動面(21)にバリ(15c)が接
触することが発生せず、バリに起因する前述の不具合を
一切解消できる。
【0016】請求項4に記載の発明では、請求項1ない
し3のいずれか1つにおいて、駆動軸(16)と、駆動
軸(16)により回転する駆動ギヤ(19、20)とを
備え、穴部は駆動ギヤ(19、20)がかみ合うギヤ穴
部(15a、15b)であり、駆動ギヤ(19、20)
の回転により膜状部材(15)を往復動させるようにな
っていることを特徴とする。
【0017】これにより、駆動ギヤ(19、20)の回
転により膜状部材(15)を往復動させて空気通路を開
閉することができる。そのため、膜状部材(15)の巻
き取り機構を不要にして、膜状部材(15)を用いた空
気通路開閉装置の構成を大幅に簡素化できる。
【0018】請求項5に記載の発明では、空気通路(1
3、14、23)を開閉する可撓性を有する膜状部材
(15)と、駆動軸(16)と、駆動軸(16)により
回転する駆動ギヤ(19、20)とを備え、膜状部材
(15)に駆動ギヤ(19、20)がかみ合うギヤ穴部
(15a、15b)を設け、駆動ギヤ(19、20)の
回転により膜状部材(15)を往復動させるようになっ
ており、駆動ギヤ(19、20)に、膜状部材(15)
が摺動する摺動面(28)を備え、この摺動面(28)
に、バリ(15c)の接触を回避する凹部(30)を形
成したことを特徴とする。
【0019】これにより、請求項4と同様に膜状部材
(15)の巻き取り機構を不要にして、膜状部材(1
5)を用いた空気通路開閉装置の構成を大幅に簡素化で
きる。しかも、駆動ギヤ(19、20)に膜状部材(1
5)が摺動する摺動面(28)を設ける場合に、この摺
動面(28)にバリ(15c)が接触することを凹部
(30)にて回避できる。よって、駆動ギヤ(19、2
0)の摺動面(28)において、バリ(15c)の接触
に起因する前述の不具合を防止できる。
【0020】請求項7に記載の発明では、請求項6にお
いて、膜状部材(15)の風下側にバリ(15c)が突
き出すようになっており、駆動ギヤ(19、20)は膜
状部材(15)の風下側に配置されることを特徴とす
る。
【0021】これにより、膜状部材(15)が駆動ギヤ
(19、20)の摺動面(28)に風圧により圧接しよ
うとする際に、風下側に突き出すバリ(15c)が摺動
面(28)に接触することを凹部(30)にて回避でき
る。
【0022】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は第1実施
形態による車両用空調装置の室内空調ユニット部の概要
を示す。本実施形態における室内空調ユニット部は、樹
脂製の空調ケース1を有しており、この空調ケース1は
自動車の車室内計器盤の左右方向の略中央部位に配置さ
れ、かつ車両の前後、上下方向に対して図1に示すよう
に配置される。
【0024】そして、空調ケース1はその車両前方側部
位の側面に空気入口2が開口している。右ハンドル車の
場合には、この空気入口2が空調ケース1の助手席側の
面(車両左側の面)に配置され、車室内計器盤の助手席
側に配置された送風ユニット(図示せず)の空気出口部
が空気入口2に接続される。従って、送風ユニット内の
送風機が作動することによって、空気入口2から空調ケ
ース1内に空気が流入する。
【0025】空調ケース1内には、その空気上流側から
順に蒸発器3、ヒータコア4が設けられている。この蒸
発器3は周知の冷凍サイクルに設けられ、空調ケース1
内への送風空気から吸熱して冷媒が蒸発することにより
送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。また、ヒー
タコア4は、内部を流れる温水(エンジン冷却水)を熱
源として空調ケース1内の空気を加熱する加熱用熱交換
器である。
【0026】空調ケース1の空気下流端には複数の吹出
開口部5〜7が形成されている。このうち、デフロスタ
開口部5には図示しないデフロスタダクトが接続され、
このデフロスタダクト先端部のデフロスタ吹出口から空
調空気を車室内フロントガラス内面に向けて吹き出す。
また、フェイス開口部6には図示しないフェイスダクト
が接続され、このフェイスダクト先端部のフェイス吹出
口から空調空気を乗員の上半身に向けて吹き出す。
【0027】更に、フット開口部7には、樹脂製のケー
ス1に一体に設けられたフット吹出通路8が接続され、
このフット吹出通路8には、乗員の足元部に向けて空調
空気を吹き出すためのフット吹出口9が空調ケース1の
左右両側に分岐して配置される。本例では、上記各吹出
開口部5、6、7はそれぞれ回動可能な板状ドア10、
11、12により開閉される。
【0028】空調ケース1内において、ヒータコア4の
上方部にはヒータコア4をバイパスして冷風が流れる冷
風バイパス通路13が形成されている。そして、空調ケ
ース1内に冷風バイパス通路13とヒータコア4の通風
路14をそれぞれ横切るようにしてエアミックス用膜状
部材15が往復動可能に配置されている。
【0029】このエアミックス用膜状部材15は、冷風
バイパス通路13を通過する冷風とヒータコア4の通風
路14を通過する温風との風量割合を調整することによ
り車室内への吹出空気温度を調整する温度調整手段とし
ての役割を果たすものである。このエアミックス用膜状
部材15は、空調ケース1の体格の小型化等のために図
2に示すように空調ケース1内の屈折した経路を往復動
するようになっている。従って、エアミックス用膜状部
材15は可撓性を有する薄膜状の樹脂製フィルム部材に
て構成されている。
【0030】ところで、本例ではエアミックス用膜状部
材15の往復動方向A(図3(b)、(c)参照、)の
1箇所のみに配置した駆動軸16から伝達される駆動力
によりエアミックス用膜状部材15を往復動させるよう
になっている。その結果、膜状部材15の往復動方向A
の両端部は巻き取り機構に連結されず、自由端となって
いる。なお、エアミックス用膜状部材15の往復動方向
Aは図1、2に示すように概略車両上下方向である。
【0031】このような駆動方式であるため、エアミッ
クス用膜状部材15のうち、駆動軸16よりも往復動方
向Aの後方側部位では駆動軸16からの引っ張り力が作
用し、往復動方向Aの前方側部位では駆動軸16からの
押し出し力が作用しで膜状部材15が移動することにな
る。そこで、空調ケース1側にガイド部材17、18を
備え、このガイド部材17、18により膜状部材15の
幅方向の両端部をガイドするようにしてある。ここで、
膜状部材15の幅方向とは、往復動方向Aと垂直な方向
(図3(a)(c)の左右方向)である。
【0032】ガイド部材17、18に沿ってエアミック
ス用膜状部材15が押し出し力で移動(前進)するため
にはエアミックス用膜状部材15が所定の剛性を持つ必
要がある。従って、膜状部材15の材質、板厚等を必要
な剛性が得られるように選定する。なお、膜状部材15
の具体的材質としては可撓性を有し、かつ、摩擦抵抗が
小さい樹脂材料であるPET(ポリエチレンテレフタレ
ート)フィルムが好適であり、その他に、適度の剛性を
持ったエラストマフィルム等を使用しても良い。
【0033】次に、エアミックス用膜状部材15の駆動
機構について詳述すると、駆動軸16は図1、2に示す
ようにヒータコア4の上端部付近に配置され、膜状部材
15の屈折位置に位置している。更に、駆動軸16はよ
り具体的には図3(a)に示すように膜状部材15の風
上側(空気流れ上流側)において膜状部材幅方向に延び
るように配置されている。
【0034】そして、駆動軸16の一端部は空調ケース
1の外部において図示しない駆動用モータ(例えば、ス
テップモータ)に連結され、この駆動用モータよって駆
動軸16が正逆両方向に回転駆動されるようになってい
る。
【0035】駆動軸16の軸方向の両端側には2つの駆
動ギヤ19、20が一体に設けてある。一方、膜状部材
15の幅方向の両端部には図3(a)(c)に示すよう
に駆動ギヤ19、20の歯がかみ合う矩形状のギヤ穴部
15a、15bが開けてある。このギヤ穴部15a、1
5bは膜状部材15の往復動方向Aのほぼ全長にわたっ
て所定間隔で連続形成されている。従って、駆動ギヤ1
9、20が回転して、その歯部が膜状部材15のギヤ穴
部15a、15bにかみ合うことにより、膜状部材15
に往復動方向Aの駆動力を付与できる。
【0036】膜状部材15より風下側(空気下流側)の
ガイド部材18には、膜状部材15が摺動する摺動面2
1が形成され、この摺動面21に、駆動ギヤ19、20
の歯との干渉を避けるための凹部22が形成されてい
る。23は摺動面21に設けられた開口で、前述した冷
風バイパス通路13またはヒータコア4の通風路14を
形成するものである。
【0037】この開口23の縁部に形成された摺動面2
1に膜状部材15が風圧により圧接することにより、膜
状部材15が開口23、すなわち、通路13、14を閉
じるようになっている。従って、摺動面21は、開口2
3の周縁部では膜状部材15が圧接して空気洩れを防止
するシール面を構成する。なお、膜状部材15のギヤ穴
部15a、15bは図3(a)(c)に示すように摺動
面21の幅方向の外側領域に位置しているから、ギヤ穴
部15a、15bからの空気漏れは生じない。
【0038】前記したガイド部材17、18は空調ケー
ス1と一体成形することが可能である。また、風上側の
ガイド部材17と駆動ギヤ19、20との干渉を避ける
ために、駆動ギヤ19、20の配置部位では風上側のガ
イド部材17を部分的に廃止している。
【0039】そして、本例では、ヒータコア4の通風路
14の面積に比較して冷風バイパス通路13の面積が小
さくなっているので、ガイド部材17、18のうち、冷
風バイパス通路13側の端部、すなわち、空調ケース1
の上面部に膜状部材15の往復動方向Aの一端部を収納
する収納空間24が形成してある。
【0040】次に、上記構成において作動を説明する。
図2(a)はエアミックス用膜状部材15の最大冷房状
態を示しており、車両上下方向の最下部に膜状部材15
が位置してヒータコア4の通風路14を全閉し、冷風バ
イパス通路13を全開している。これにより、蒸発器3
を通過した冷風が全量冷風バイパス通路13を通過する
ので、最大冷房状態となる。
【0041】図2(a)の最大冷房状態から、図示しな
い駆動用モータによって駆動軸16と駆動ギヤ19、2
0が反時計方向に回転すると、この駆動ギヤ19、20
の回転によりエアミックス用膜状部材15が上方へ移動
して図2(b)に示すようにヒータコア4の通風路14
を所定量開放し、冷風バイパス通路13の開度を所定量
減少させる。これにより、冷風バイパス通路13からの
冷風とヒータコア4を通過した温風とを所定割合で混合
して所望の吹出温度を得ることができる。
【0042】図2(b)の中間温度制御状態から、更に
駆動軸16と駆動ギヤ19、20を反時計方向に回転す
ると、エアミックス用膜状部材15が更に上方へ移動し
て図2(c)に示すようにヒータコア4の通風路14を
全開し、冷風バイパス通路13を全閉する。これによ
り、蒸発器3を通過した冷風が全量ヒータコア4に流入
し、加熱されて温風となるので、最大暖房状態となる。
【0043】エアミックス用膜状部材15は、冷風バイ
パス通路13より大きな面積を有するヒータコア通風路
14を全閉するため、エアミックス用膜状部材15の面
積は冷風バイパス通路13より大きい。従って、最大暖
房状態ではエアミックス用膜状部材15の上端側に通路
切替にとって不要な部分が生じるが、この不要部分は空
調ケース1の上面部に形成した収納空間24内に進入し
収納されるので、不都合は生じない。
【0044】なお、図2(c)の最大暖房状態から、駆
動軸16と駆動ギヤ19、20を時計方向に回転すれ
ば、エアミックス用膜状部材15が下方へ移動して図2
(b)の中間温度制御状態、さらには図2(a)の最大
冷房状態を得ることができる。
【0045】ところで、本実施形態では、エアミックス
用膜状部材15の往復動方向Aの両端部を自由端にし
て、エアミックス用膜状部材15の往復動方向Aの1箇
所から駆動力を与える構成であって、エアミックス用膜
状部材15の巻き取り機構が不要であるため、膜状部材
駆動機構を大幅に簡素化できる。
【0046】しかも、膜状部材15の幅方向の両端部を
ガイドするガイド部材17、18をケース1に備えると
ともに、駆動ギヤ19、20からの押し出し力によって
も膜状部材15がガイド部材17、18に沿って移動で
きる程度の剛性を持つように構成してあるため、巻き取
り機構がなくても膜状部材15を屈折した経路で移動さ
せることができる。
【0047】ところで、上記した膜状部材15は樹脂成
形されたフィルム部材からなり、且つ、そのフィルム部
材に打ち抜き加工によりギヤ穴部15a、15bを開け
ているので、この打ち抜き加工時にギヤ穴部15a、1
5bの周縁部にバリがどうしても発生し、このバリが空
調ケース1側の摺動面21に接触して異音(擦れ音)を
発生したり、膜状部材15の操作力を増大させる。ま
た、このバリの引っ掛かりによって膜状部材15の作動
不良を引き起こすことがある。
【0048】図4(c)は、膜状部材15のギヤ穴部1
5a、15bの周縁部からバリ15cが風下側へ突出
し、この風下側へのバリ15cが風下側のガイド部材1
8の摺動面21に接触している状態を示す。なお、図4
(c)は図4(a)のC部拡大図である。図4(b)は
図4(a)のB矢視図で、風上側のガイド部材17の図
示を省略している。
【0049】これに対して、第1実施形態では、図5に
示すように、空調ケース1側の摺動面21においてギヤ
穴部15a、15bに対向する部位に、風下側へ凹んだ
凹部25が形成してある。この凹部25の段差寸法は、
膜状部材15のギヤ穴部15a、15bの周縁部から風
下側へ突出するバリ15cの突出寸法より大きくしてあ
る。また、凹部25は図5(b)に示すように、膜状部
材15の往復動方向Aに沿って膜状部材15の往復動範
囲の全長にわたって形成してある。
【0050】このため、第1実施形態によると、膜状部
材15が空調ケース1側の摺動面21上に風圧により圧
接しながらA方向に往復動する際に、ギヤ穴部15a、
15bの周縁部のバリ15cが風下側へ突出していて
も、バリ15cと凹部25の凹面との間に空隙を介在す
ることができる。これにより、バリ15cと空調ケース
1側の摺動面21との接触を防止して、このバリ15c
の接触に起因する異音の発生や膜状部材操作力の増大、
バリ15cの引っ掛かりによる膜状部材15の作動不良
等の不具合を防止できる。
【0051】(第2実施形態)膜状部材15にギヤ穴部
15a、15bを打ち抜き加工する際に、バリ15cが
ギヤ穴部15a、15bの周縁部から打ち抜き方向に突
き出すので、膜状部材15の一面側へバリ15cが突き
出し、膜状部材15の他面にはバリ15cが突き出すこ
とはない。
【0052】この点に着目して、第2実施形態では図6
に示すように、膜状部材15のうち、バリ15cが突き
出す一面が風上側に向き、膜状部材15の他の面が風下
側の摺動面21側に向くようにしている。
【0053】ここで、風下側の摺動面21(風下側のガ
イド部材18)と、風上側のガイド部材17との間隔L
は、膜状部材15の板厚とバリ15cの突出寸法との合
計寸法よりも十分大きい値に設定してある。
【0054】以上により、第2実施形態では膜状部材1
5が風下側の摺動面21に風圧により圧接して摺動面2
1上を摺動する際に、バリ15cがギヤ穴部15a、1
5bの周縁部から風上側に突き出すので、バリ15cが
摺動面21と接触しない。これと同時に、バリ15cが
風上側のガイド部材17と接触することもない。
【0055】(第3実施形態)図7〜図9は第3実施形
態であり、駆動軸16および駆動軸16に一体となって
いる駆動ギヤ19、20が膜状部材15に対して風下側
となるように配置してある。図7において、送風方向a
は図7の紙面手前側から奥側への方向であり、図7で
は、風上側のガイド部材17の図示を省略している。
【0056】第1実施形態と同様に、バリ15c(図
8、9参照)がギヤ穴部15a、15bの周縁部から風
下側に突き出すように膜状部材15が配置してある。こ
のため、空調ケース1の風下側ガイド部材18の摺動面
21には、バリ15cとの接触を回避する凹部25が形
成してある。この点は第1実施形態と同じである。
【0057】なお、ギヤ穴部15a、15bは凹部25
の形成部位に位置しているから、ギヤ穴部15a、15
bにかみ合う駆動ギヤ19、20も凹部25の形成部位
に位置している。なお、第3実施形態では図8に示すよ
うに空調ケース1には、駆動ギヤ19、20を回転可能
に収納するギヤケース27が一体に設けてある。
【0058】第3実施形態による駆動ギヤ配置では、膜
状部材15が風圧により駆動ギヤ19、20の外周摺動
面28(図9参照)に押し付けられ、バリ15cが外周
摺動面28に接触しようとする。
【0059】そこで、第3実施形態では、駆動ギヤ1
9、20の外周摺動面28において、駆動ギヤ19、2
0の各歯部29の根本部に、この根本部を取り囲むよう
に口形状の凹部30を形成し、この凹部30が、バリ1
5cの突出量よりも大きい所定量だけ外周摺動面28か
ら凹むように形成してある。
【0060】第3実施形態によると、膜状部材15が風
圧により駆動ギヤ19、20の外周摺動面28に押し付
けられても、歯部29の根本部に凹部30が形成してあ
るため、バリ15cが外周摺動面28に接触することを
確実に回避できる。
【0061】(他の実施形態)本発明は上記実施形態に
限定されることなく、以下に例示するように種々変形可
能である。例えば、第3実施形態では、駆動軸16およ
び駆動ギヤ19、20を膜状部材15に対して風下側と
なるように配置しているが、駆動軸16および駆動ギヤ
19、20を膜状部材15に対して風上側となるように
配置する場合に、第3実施形態の考え方を適用してもよ
い。
【0062】具体的には、膜状部材15を風上側の駆動
ギヤ19、20の外周摺動面28に押し付ける押し付け
部材を空調ケース1側に備える配置において、膜状部材
15のバリ15cが風上側へ突き出す場合に、駆動ギヤ
19、20の歯部29の根本部に凹部30を形成し、バ
リ15cが外周摺動面28に接触することを回避するよ
うにしても良い。
【0063】また、上記各実施形態では膜状部材15の
往復動方向Aにおいて、駆動軸16を1箇所のみ配置し
ているが、膜状部材15の往復動方向Aにおいて複数箇
所に連動する駆動軸16を配置して、この複数箇所の駆
動軸16に設けた駆動ギヤ19、20から膜状部材15
に駆動力を伝達するようにしても良い。
【0064】また、上記各実施形態では、前述したよう
に、車両用空調装置におけるエアミックス用膜状部材1
5に本発明を適用した場合について説明したが、車両用
空調装置における吹出モード切替用膜状部材、内外気切
替用膜状部材等に本発明を適用しても良い。また、車両
用空調装置に限らず、本発明は種々な分野における空気
通路の開閉に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による車両用空調装置の
室内空調ユニット部を示す概略断面図である。
【図2】図1の作動説明図である。
【図3】(a)は図1の要部断面図、(b)は(a)の
駆動ギヤ部の側面図、(c)は(a)、(b)の膜状部
材の平面図である。
【図4】(a)は先願の装置による要部の断面図、
(b)は(a)のB矢視図、(c)は(a)のC部拡大
断面図である。
【図5】(a)は第1実施形態による要部の断面図、
(b)は(a)のB矢視図、(c)は(a)のC部拡大
断面図である。
【図6】第2実施形態による要部の拡大断面図である。
【図7】第3実施形態による要部の正面図である。
【図8】図7のX−X断面図である。
【図9】図8のY−Y断面図である。
【符号の説明】
1…ケース、13、14、23…空気通路、15…膜状
部材、15a、15b…ギヤ穴部(穴部)、16…駆動
軸、19、20…駆動ギヤ、21…摺動面、25、30
…凹部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気通路(13、14、23)を形成す
    るケース(1)と、 前記ケース(1)内に往復動可能に配置され、前記空気
    通路(13、14、23)を開閉する可撓性を有する膜
    状部材(15)とを備え、 前記膜状部材(15)はバリ(15c)が周縁部に発生
    する穴部(15a、1 5b)を有し、前記ケース(1)に前記膜状部材(1
    5)が摺動する摺動面(21)を備えるとともに、前記
    摺動面(21)に、前記バリ(15c)の接触を回避す
    る凹部(25)を形成したことを特徴とする空気通路開
    閉装置。
  2. 【請求項2】 前記膜状部材(15)の風下側に前記バ
    リ(15c)が突き出すようになっており、 前記摺動面(21)は前記膜状部材(15)の風下側に
    配置されていることを特徴とする請求項1に記載の空気
    通路開閉装置。
  3. 【請求項3】 空気通路(13、14、23)を形成す
    るケース(1)と、 前記ケース(1)内に往復動可能に配置され、前記空気
    通路(13、14、23)を開閉する可撓性を有する膜
    状部材(15)とを備え、 前記膜状部材(15)は穴部(15a、15b)を有
    し、前記穴部(15a、15b)の周縁部から前記膜状
    部材(15)の一面側へバリ(15c)が突き出すよう
    になっており、 前記ケース(1)に、前記膜状部材(15)の風下側に
    位置して前記膜状部材(15)が摺動する摺動面(2
    1)を備え、 前記膜状部材(15)のうち、前記バリ(15c)が突
    き出す一面が風上側に向き、前記膜状部材(15)の他
    の面が前記摺動面(21)側に向くようにしたことを特
    徴とする空気通路開閉装置。
  4. 【請求項4】 駆動軸(16)と、前記駆動軸(16)
    により回転する駆動ギヤ(19、20)とを備え、 前記穴部は前記駆動ギヤ(19、20)がかみ合うギヤ
    穴部(15a、15b)であり、 前記駆動ギヤ(19、20)の回転により前記膜状部材
    (15)を往復動させるようになっていることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれか1つに記載の空気通路
    開閉装置。
  5. 【請求項5】 空気通路(13、14、23)を形成す
    るケース(1)と、 前記ケース(1)内に往復動可能に配置され、前記空気
    通路(13、14、23)を開閉する可撓性を有する膜
    状部材(15)と、 駆動軸(16)と、前記駆動軸(16)により回転する
    駆動ギヤ(19、20)とを備え、 前記膜状部材(15)に前記駆動ギヤ(19、20)が
    かみ合うギヤ穴部(15a、15b)を設け、 前記駆動ギヤ(19、20)の回転により前記膜状部材
    (15)を往復動させるようになっており、 前記駆動ギヤ(19、20)に、前記膜状部材(15)
    が摺動する摺動面(28)を備え、 前記摺動面(28)に、前記バリ(15c)の接触を回
    避する凹部(30)を形成したことを特徴とする空気通
    路開閉装置。
  6. 【請求項6】 前記膜状部材(15)の風下側に前記バ
    リ(15c)が突き出すようになっており、前記駆動ギ
    ヤ(19、20)は前記膜状部材(15)の風下側に配
    置されることを特徴とする請求項6に記載の空気通路開
    閉装置。
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