JP4062134B2 - 空気通路開閉装置およびその組付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性を有する膜状部材からなるスライドドアにより空気通路を開閉する空気通路開閉装置およびその組付方法に関するもので、車両用空調装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人においては、先に、膜状部材の巻き取り機構を不要にして、構成を簡素化した空気通路開閉装置を提案している(特許文献1参照)。この従来技術では、空気通路を形成するケース内にガイド溝を設け、このガイド溝にて膜状部材(本発明のスライドドアに相当)の幅方向の両端部をガイドするとともに、膜状部材に設けた穴部に駆動軸の駆動ギヤを噛み合わせている。
【0003】
これにより、駆動軸の回転により膜状部材をガイド溝に沿って往復動させ、膜状部材の移動によりケースの空気通路を開閉するようにしている。具体的には、膜状部材に空気流通用の開口部を設け、膜状部材の移動により開口部とケース側の空気通路との連通面積が変化して空気通路を開閉するようになっている。
【0004】
ところが、上記従来技術のものを実際に試作検討してみると、膜状部材に空気流通用の開口部を設けているため、この開口部周辺部で膜状部材の剛性が低下する。その結果、駆動軸の駆動ギヤからの操作力が膜状部材に加わると、開口部周辺部で膜状部材の変形が発生して、膜状部材をスムースに押し出すことができないという事態が生じる。
【0005】
そこで、本出願人においては、特願2001−384827号の特許出願において、膜状部材のうち開口部の周辺部の剛性を高めるための剛性増加手段を備えたスライドドアにより空気通路を開閉するものを提案している。
【0006】
図10は本発明者らが試作検討した空気通路開閉装置の具体例を示す分解斜視図であり、スライドドア14は上記先願と同様の構成であり、開口部144を構成する剛体枠143の前後両側に膜状部材141、142の端部を一体に結合した構成になっている。図10のスライドドア14は車両用空調装置における冷風通路16と温風通路17を開閉するエアミックスドアを構成する。
【0007】
空調ケースの上側ケースは車両の左右方向に分割された左ケース11bと右ケース11cとにより構成され、この左右の両ケース11b、11cにはそれぞれガイド溝28、30、33を形成し、この左右両側のガイド溝28、30、33によって膜状部材141、142の幅方向両端部および剛体枠143の幅方向両端部に設けたガイドピン145の移動をガイドする。これにより、膜状部材141、142および剛体枠143をガイド溝28、30、33に沿って車両前後方向Aへ移動させるようにしている。
【0008】
そして、スライドドア14の組付に際しては、図10のように分解状態にある上側左ケース11bと上側右ケース11cのガイド溝28、30、33内側に膜状部材141、142の幅方向両端部および剛体枠143の幅方向両端部のガイドピン145を挿入して、スライドドア14を上側の左右両ケース11b、11cの間に挟み込んで組み込むようにしている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−79819号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、膜状部材141、142は薄膜状の樹脂フィルム材からなり、可撓性に富んでいるので、スライドドア14の組付過程において膜状部材141、142の先端部が矢印G,H方向に撓みやすい。この撓みによりガイド溝28、30、33内への膜状部材141、142の挿入作業が困難となり、スライドドア14の組付作業性を大幅に悪化させる。
【0011】
本発明は上記点に鑑みて、可撓性を有する膜状部材を用いたスライドドアを備える空気通路開閉装置において、スライドドアの組付作業性を向上することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空気通路(16、17)を形成するケース(11a、11b、11c)と、ケース(11a、11b、11c)のうち、空気通路(16、17)の開口部(16a、17a)周縁に形成されるシール面(27a〜27c)と、ケース(11a、11b、11c)内に、シール面(27a〜27c)に沿って移動可能に配置されたスライドドア(14)と、ケース(11a、11b、11c)にスライドドア(14)の移動方向に沿って設けられ、スライドドア(14)の幅方向の両端部をガイドするガイド溝(28、30、33)とを備え、スライドドア(14)は可撓性を有する膜状部材(141、142)を用いて構成されており、膜状部材(141、142)が開口部(16a、17a)に重合することにより、空気通路(16、17)を閉塞し、膜状部材(141、142)が開口部(16a、17a)上から離れることにより空気通路(16、17)を開口するようになっており、更に、ガイド溝(28、30、33)に、スライドドア(14)の移動方向の延長方向外部に向かって開口するドア挿入開口部(38、30a)を設け、ケース(11a、11b、11c)は、シール面(27a〜27c)およびガイド溝(28、30、33)が設けられた第1ケース(11b、11c)と、シール面(27a〜27c)およびガイド溝(28、30、33)が設けられていない第2ケース(11a)とに少なくとも分割可能になっており、第1ケース(11b、11c)を第2ケース(11a)から分離した状態において、ドア挿入開口部(38)から膜状部材(141、142)の自由端部をガイド溝(28、30、33)内に挿入することにより、スライドドア(14)をガイド溝(28、30、33)内に組み付けることを特徴とする。
【0013】
これによると、ドア挿入開口部(38)はドア移動方向の延長方向外部に向かって開口し、専らドア挿入組付作業のためのみに使用するものであって、製品使用状態におけるスライドドアガイド作用に関与しないから、ドア挿入開口部(38)の開口幅は膜状部材(141、142)の自由端部の撓みを考慮した大きめの寸法に設定できる。このため、組付作業時に膜状部材(141、142)の自由端部に撓みが発生しても、この撓みの発生状態のまま膜状部材(141、142)の自由端部をドア移動方向からドア挿入開口部(38)の開口幅内に容易に挿入できる。従って、図10の試作検討品に比較してスライドドアの組付作業性を大幅に向上できる。
【0014】
請求項2に記載の発明では、請求項1において、スライドドア(14)は、空気が流通可能な開口部(144)を構成する剛体枠(143)を有し、剛体枠(143)には、スライドドア(14)の幅方向外方側へ突き出してガイド溝(28)に摺動可能に嵌合するガイドピン(145)が設けられており、
膜状部材は、剛体枠(143)のうち、スライドドア(14)の移動方向の前後の両端部にそれぞれ結合される第1膜状部材(141)および第2膜状部材(142)により構成され、
ガイド溝は、
シール面(27a〜27c)の形成範囲に対応して設けられ、第1膜状部材(141)および第2膜状部材(142)の幅方向の両端部とガイドピン(145)とをガイドする第1ガイド溝(28)と、
スライドドア(14)の移動方向において第1ガイド溝(28)の延長方向一端側に形成され、第1膜状部材(141)の幅方向の両端部をガイドする第2ガイド溝(30)と、
スライドドア(14)の移動方向において第1ガイド溝(28)の延長方向他端側に形成され、第2膜状部材(142)の幅方向の両端部をガイドする第3ガイド溝(33)とにより構成され、
ドア挿入開口部は、第1ガイド溝(28)と第2ガイド溝(30)との接続部位を外部へ開口する第1ドア挿入開口部(38)と、第2ガイド溝(30)のうち、接続部位と反対側の端部を外部へ開口する第2ドア挿入開口部(30a)とにより構成され、
第1ドア挿入開口部(38)から第2膜状部材(142)の自由端部を第1ガイド溝(28)に向かって挿入し、第1膜状部材(141)のうち、剛体枠(143)に結合される取付用端部(141a)側の幅方向の両端部を第2ドア挿入開口部(30a)から第2ガイド溝(30)内に挿入することを特徴とする。
【0015】
これにより、空気が流通可能な開口部(144)を構成する剛体枠(143)と、この剛体枠(143)のうち、スライドドア(14)の移動方向の前後の両端部にそれぞれ結合される第1膜状部材(141)および第2膜状部材(142)とによりスライドドア(14)を構成する場合においても、スライドドアの組付を容易に行うことができる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、請求項2において、第1ドア挿入開口部(38)の開口端部における開口幅を最大とし、第1ドア挿入開口部(38)の開口幅を開口端部から第1ガイド溝(28)へ向かって徐々に減少することを特徴とする。
【0017】
これによると、第1ドア挿入開口部(38)の開口幅が開口端部から第1ガイド溝(28)へ向かって徐々に減少するから、膜状部材(141、142)の自由端部の挿入作業の進行とともに上記開口幅が減少して膜状部材(141、142)の自由端部を撓みのない状態に矯正して、膜状部材(141、142)の自由端部を第1ガイド溝(28)内により一層スムースに挿入できる。
【0018】
請求項4に記載の発明では、請求項2または3において、第1膜状部材(141)の主体部分は、取付用端部(141a)よりも幅方向寸法が所定量大きくなっており、第2ドア挿入開口部(30a)に、第1膜状部材(141)の主体部分の幅方向両端の幅広部分(141b)をすくいあげて第2ドア挿入開口部(30a)内にガイドする突起部(32a)を備えたことを特徴とする。
【0019】
これにより、第1膜状部材(141)の主体部分の幅方向両端の幅広部分(141b)を第2ドア挿入開口部(30a)内にスムースに挿入できる。
【0020】
請求項5に記載の発明では、車室内へ吹き出される空気を加熱する暖房用ヒータコア(15)を備え、前記空気通路の1つは、前記暖房用ヒータコア(15)をバイパスして冷風が流れる冷風通路(16)であり、
前記空気通路の他の1つは、前記暖房用ヒータコア(15)で加熱される温風が流れる温風通路(17)であり、
前記冷風通路(16)を通過する冷風風量と前記温風通路(17)を通過する温風風量との割合を調整するエアミックスドア(14)を、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のスライドドアにより構成した車両用空調装置を特徴とする。
【0021】
請求項5によると、本発明のスライドドア(14)によりエアミックスドアを構成した車両用空調装置を提供できる。
【0022】
請求項6に記載の発明では、空気通路(16、17)を形成するケース(11a、11b、11c)と、ケース(11a、11b、11c)のうち、空気通路(16、17)の開口部(16a、17a)周縁に形成されるシール面(27a〜27c)と、ケース(11a、11b、11c)内に、シール面(27a〜27c)に沿って移動可能に配置されたスライドドア(14)と、ケース(11a、11b、11c)にスライドドア(14)の移動方向に沿って設けられ、スライドドア(14)の幅方向の両端部をガイドするガイド溝(28、30、33)とを備え、スライドドア(14)は可撓性を有する膜状部材(141、142)を用いて構成されており、膜状部材(141、142)が開口部(16a、17a)に重合することにより、空気通路(16、17)を閉塞し、膜状部材(141、142)が開口部(16a、17a)上から離れることにより空気通路(16、17)を開口するようになっており、更に、ガイド溝(28、30、33)に、スライドドア(14)の移動方向の延長方向外部に向かって開口するドア挿入開口部(38、30a)を設け、ケース(11a、11b、11c)は、シール面(27a〜27c)およびガイド溝(28、30、33)が設けられた第1ケース(11b、11c)と、シール面(27a〜27c)およびガイド溝(28、30、33)が設けられていない第2ケース(11a)とに少なくとも分割可能になっている空気通路開閉装置の組付方法であって、
第1ケース(11b、11c)単体の状態において、ドア挿入開口部(38)から膜状部材(141、142)の自由端部をガイド溝(28)内に挿入することによりスライドドア(14)をガイド溝(28)内に組み付け、その後に、第1ケース(11b、11c)に第2ケース(11a)を一体に締結することを特徴とする。
【0023】
請求項6によると、請求項1の作用効果を発揮するための組付方法を提供できる。
【0024】
請求項7に記載の発明では、請求項6において、第1ケースは、スライドドア(14)の幅方向に分割された左ケース(11b)と右ケース(11c)とにより構成され、シール面(27a〜27c)、ガイド溝(28、30、33)およびドア挿入開口部(38、30a)は左ケース(11b)と右ケース(11c)にそれぞれ形成されており、
スライドドア(14)に操作力を与える駆動軸(36)を左ケース(11b)と右ケース(11c)により回転可能に嵌合保持するとともに、左ケース(11b)と右ケース(11c)を一体に締結し、
その後に、一体に締結した左右ケース(11b、11c)に対してドア挿入開口部(38)からスライドドア(14)の組付を行うことを特徴とする。
【0025】
これにより、スライドドア(14)の幅方向に分割された左ケース(11b)と右ケース(11c)とにより駆動軸(36)を嵌合保持するので、左右の分割ケース(11b、11c)を一体に締結する作業過程で駆動軸(36)を左右の分割ケース(11b、11c)に容易に組み込むことができる。
【0026】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。本実施形態は車両用空調装置に適用した例を示しており、図1は発車両用空調装置における室内ユニット部のうち、熱交換器部を収容している空調ユニット10を示す。
【0028】
この空調ユニット10は車室内前部の計器盤(図示せず)内側において、車両左右(幅)方向の略中央部に配置される。図1の上下前後の矢印は車両搭載状態における方向を示す。車両用空調装置の室内ユニット部は、上記略中央部の空調ユニット10と、計器盤内側において助手席側にオフセット配置される図示しない送風機ユニットとに大別される。
【0029】
送風機ユニットは、外気(車室外空気)または内気(車室内空気)を切替導入する内外気切替箱と、この内外気切替箱に導入された空気を送風する送風機とを備えている。この送風機は遠心式の送風ファンと駆動用モータから構成される。この送風機ユニットの送風空気は、空調ユニット10のケース11内のうち、最下部の空気流入空間12に流入するようになっている。
【0030】
ここで、ケース11は、成形上の型抜きの都合、ケース内への空調機器の組付上の理由等から具体的には複数の分割ケース、すなわち、下側ケース11aと上側左ケース11bと上側右ケース11cとに分割して成形した後に、この複数の分割ケース11a〜11cを金属ばねクリック、ねじ等の締結手段(図示せず)により一体に締結する構成になっている。
【0031】
なお、図1において、110は下側ケース11aと上側左右ケース11b、11cとの分割(結合)面であり、図2において、111は上側左ケース11bと上側右ケース11cとの分割(結合)面である。なお、図2は上側左ケース11bと上側右ケース11cを一体に締結した状態を下方から見た状態を示している。複数の分割ケース11a〜11cはポリプロピレンのような弾性を有し、機械的強度も高い樹脂にて成形されている。
【0032】
空調ユニット10のケース11内において空気流入空間12の上方には冷房用熱交換器をなす蒸発器13が小さな傾斜角度でもって略水平方向に配置されている。従って、送風機ユニットの送風空気は空気流入空間12に流入した後、この流入空間12から蒸発器13を下方から上方へと通過する。蒸発器13は周知のように車両空調用冷凍サイクルの膨張弁等の減圧装置により減圧された低圧冷媒が流入し、この低圧冷媒が送風空気から吸熱して蒸発するようになっている。
【0033】
そして、蒸発器13の上方(空気流れ下流側)には膜状部材を用いたエアミックス用スライドドア14が配置されている。このエアミックス用スライドドア14の上方(空気流れ下流側)に温水式ヒータコア15が配置されている。このヒータコア15は周知のように車両エンジンの温水(冷却水)を熱源として空気を加熱する暖房用熱交換器である。
【0034】
このヒータコア15も略水平方向に蒸発器13と平行に配置されている。但し、ヒータコア15はケース11内の通路断面積より小さくして、ケース11内のうち車両前方側に偏って配置してある。これにより、ヒータコア15の車両後方側(乗員座席寄りの部位)に、ヒータコア15をバイパスして冷風が流れる冷風通路16を形成している。
【0035】
エアミックス用スライドドア14は、蒸発器13とヒータコア15との間にて車両前後方向Aに移動(往復動)して、冷風通路16を通過する冷風aとヒータコア15の通風路である温風通路17を通過する温風bとの風量割合を調整するものであって、この冷温風の風量割合を調整して車室内への吹出空気温度を調整することができる。従って、エアミックス用スライドドア14により車室内への吹出空気の温度調整手段が構成される。
【0036】
ヒータコア15を通過した温風bは温風ガイド壁18により車両後方側へガイドされて空気混合部19に向かう。この空気混合部19にて冷風通路16からの冷風aとヒータコア通過後の温風bが混合して所望温度となる。
【0037】
ケース11の上面部(空気下流端部)には、車両後方側から車両前方側へ向かって、複数の吹出開口部、すなわち、フット開口部20、21、フェイス開口部22、およびデフロスタ開口部23が順次開口している。
【0038】
上側のフット開口部20は空気混合部19からの空調空気を前席乗員の足元部に向けて吹き出すための前席側フット開口部であり、下側のフット開口部21は空気混合部19からの空調空気を前席側フット開口部20の入口部を経て後席乗員の足元部に向けて吹き出すための後席側フット開口部である。
【0039】
フェイス開口部22は空気混合部19からの空調空気を乗員の上半身に向けて吹き出すためのもので、デフロスタ開口部23は空気混合部19からの空調空気を車両フロントガラス内面に向けて吹き出すためのものである。
【0040】
フット開口部20、21側の通路と、フェイス開口部22およびデフロスタ開口部23側の連通路24を第1吹出モードドア25により開閉し、また、フェイス開口部22とデフロスタ開口部23を第2吹出モードドア26により開閉するようになっている。この第1、第2吹出モードドア25、26は回転軸25a、26aを中心として回転操作される板ドアにより構成されている。
【0041】
そして、この第1、第2吹出モードドア24、25は図示しないリンク機構を介して共通のドア操作装置に連結される。このドア操作装置はサーボモータを用いたアクチュエータ機構により構成されるが、乗員の手動操作力で操作される手動操作機構によりドア操作装置を構成してもよい。
【0042】
次に、上記したエアミックス用スライドドア14の具体例を図3、図4に基づいて説明すると、エアミックス用スライドドア14はケース11の小型化を図るためケース11内の曲折した経路を移動(往復動)するようになっている。具体的には、ドア移動経路はケース11内部の車両前後方向の中央部では上方に凸となる緩やかな湾曲状となり、そして、車両前後方向の前方端付近および後方端付近では下方へ急激に湾曲する形状になっている。
【0043】
このようにエアミックス用スライドドア14がケース11内の曲折した経路を往復動するので、この曲折した経路に沿って変形し得るように可撓性を有する膜状部材141、142を用いてスライドドア14が構成されている。この膜状部材141、142の具体的材質としては可撓性を有し、かつ、摩擦抵抗が小さい樹脂材料であるPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが好適である。
【0044】
なお、膜状部材141、142は略矩形状に成形され、その板厚は例えば、100〜250μm程度の微小寸法である。このような範囲にフィルムの板厚を設定することにより、膜状部材141、142の送り出しに必要な剛性を確保しつつ、移動経路の曲げ部ではその曲げ形状に沿って膜状部材141、142が容易に変形して、曲げ力による著しい操作力の増大を抑制する。
【0045】
エアミックス用スライドドア14において、2枚の膜状部材141、142の間、すなわち、ドア移動方向(車両前後方向)Aの中央部に、膜状部材141、142とは別体の剛体枠143を配置している。この剛体枠143はポリプロピレンのような樹脂により矩形状の枠体形状に成形されたものであって、ドア移動方向Aへの前後両側の端部にそれぞれ膜状部材141、142の端部を一体に結合している。
【0046】
剛体枠143は、具体的には、ドア幅方向(ドア移動方向Aと直交方向)に延びる枠部143a、143bが所定間隔で平行に配置され、この枠部143a、143bの長手方向の両端部付近をドア移動方向Aに円弧状(図1、3参照)に延びる枠部143c、143dにより結合している。従って、これらの枠部143a〜143dにより矩形状(具体的には長方形)の枠体形状を構成している。
【0047】
また、2本の枠部143a、143bの長手方向の中間部位にはドア移動方向Aに延びる2本の補強リブ143e、143fを配置している。上記枠部143a〜143dの内側には空気が流通可能な開口部144が補強リブ143e、143fにより3つの部分に分割して形成される。
【0048】
ドア移動方向Aに延びる枠部143c、143dの下面部にはそれぞれギヤ143g、143hが形成してある。このギヤ143g、143hは枠部143c、143dと同様に円弧状に延びるよう形成されている。また、ドア移動方向Aに延びる枠部143c、143dの前後両端部に円柱状のガイドピン145が剛体枠143の側方(ドア移動方向Aと直交する方向)へ突出するように形成されている。このガイドピン145は後述のケース側のガイド溝28内に摺動可能に嵌合する。剛体枠143の枠部143a〜143d、補強リブ143e、143fおよびガイドピン145等は樹脂により一体成形されている。
【0049】
また、枠部143a、143bにおいて開口部144に面する内側部位に複数(図3、4の例では4個)の係止ピン143iが所定間隔にて一体成形されている。一方、膜状部材141、142の取付用端部141a、142aには取付穴(図示せず)を開けておき、この取付用端部141a、142aを枠部143a、143b上に被せて、この取付用端部141a、142aの取付穴を係止ピン143iに嵌合保持することにより、膜状部材141、142を剛体枠143の枠部143a、143bに一体に結合している。なお、図3、4では、膜状部材141、142を透過して枠部143a、143bが見える状態を示している。
【0050】
膜状部材141、142の取付用端部141a、142aは円弧状(図7参照)に曲げて、枠部143a、143bの係止ピン143iに組み付ける必要があるので、膜状部材141、142の取付用端部141a、142aの幅寸法(ドア移動方向Aと直交方向の寸法)は、図4に示すように左右の枠部143c、143dの間隔Bと同等の寸法になっている。
【0051】
これに対し、膜状部材141、142のうち、取付用端部141a、142a以外の主体部分の幅寸法はガイドピン145の先端部と同等位置まで広げてある。従って、膜状部材141、142の主体部分では、剛体枠143の枠部143a、143bの側方へ寸法C1だけ突き出している。このため、膜状部材141、142の主体部分は、取付用端部141a、142aよりも寸法(C1+C2)×2だけ幅広になっている。図4において141b、142bは、膜状部材141、142の主体部分における幅広部分を示す。
【0052】
次に、図5(a)は空調ユニット10のケース11において上側ケース11b、11cの下端部付近の断面図であり、図5(b)(c)はそれぞれ図5(a)のD部、E部の拡大図である。上側ケース11b、11cにおいて、冷風通路16および温風通路17の下端部に開口部16a、17aが開口し、この開口部16a、17aの周縁部にケース側のシール面27a、27b、27cが形成される。従って、エアミックス用スライドドア14はこの開口部16a、17a周縁のシール面27a、27b、27cに沿って車両前後方向Aに移動(往復動)する。
【0053】
そこで、このシール面27a、27b、27cの上流側(下方側)においてシール面に沿ってドア移動方向Aと平行に延びる中央ガイド溝(第1ガイド溝)28を上側左ケース11bおよび上側右ケース11cの側壁内側部に形成している。この中央ガイド溝28は、左右の上側ケース11b、11cにおいて、シール面27a、27b、27cと、このシール面27a、27b、27cに対向するガイド壁29との間に形成される。
【0054】
このガイド壁29は上側ケース11b、11cの左右の側壁から一体に突出成形されるものであって、ガイド壁29の突出高さh1(図2参照)は、図4のガイドピン145の突出高さC1寸法と同等に設定してある。そのため、エアミックス用スライドドア14のうち、ガイドピン145および膜状部材141、142の主体部分の左右両側の幅広部分141b、142bのうち寸法C1の突出部を中央ガイド溝28内に挿入して、これらの部分を中央ガイド溝28によりガイドするようになっている。
【0055】
これにより、エアミックス用スライドドア14の剛体枠143が中央ガイド溝28の範囲内で車両前後方向(ドア移動方向A)に移動するようになっている。また、中央ガイド溝28の車両後方側には、スライドドア14の一方の膜状部材141が格納される後方側格納ガイド溝30が形成される。この後方側格納ガイド溝30はケース後方壁面31と、このケース後方壁面31に対向するガイド壁32との間に形成される。
【0056】
また、中央ガイド溝28の車両前方側には、スライドドア14の他方の膜状部材142が格納される前方側格納ガイド溝33が形成される。この前方側格納ガイド溝33はケース前方壁面34と、このケース前方壁面34に対向するガイド壁35との間に形成される。
【0057】
上記の両格納ガイド溝30、33には膜状部材141、142のみが挿入され、ガイドピン145が挿入されないから、両格納ガイド溝30、33の溝幅は中央ガイド溝28の溝幅より十分小さくしてある。なお、ガイド壁32およびガイド壁35の突出高さは図2に示すように上記ガイド壁29の突出高さh1と同等に設定すればよい。
【0058】
後方側格納ガイド溝30は上側ケース11b、11cの下端部の分割面110において外部へ開口する挿入開口部30aを形成する。この挿入開口部30aは後述するようにスライドドア14の組付時に後方側の膜状部材141の主体部分の幅広部分141bをガイド溝30内に挿入するための挿入部をなす。そして、後方側格納ガイド溝30のガイド壁32の先端部(下端部)は図5(a)に示すように上側ケース11b、11cの下端部の分割面110よりも下方へ僅少量だけ突き出して突出部32aを形成している。この突出部32aは上記幅広部分141bの挿入ガイド作用を果たす。
【0059】
また、中央ガイド溝28をスライドドア14の移動方向Aの延長方向外部に向かって開口するドア挿入開口部38を、中央ガイド溝28と後方側格納ガイド溝30との接続部位に設けている。このドア挿入開口部38はスライドドア14の組付時の挿入部をなすものであって、後方側格納ガイド溝30のガイド壁32と、このガイド壁32の下方側へ形成される挿入ガイド壁38aとの間に形成される。
【0060】
この挿入ガイド壁38aは中央ガイド溝28のガイド壁29の車両後方側をガイド壁32の下方側へ延長することにより形成されるものであって、ドア挿入開口部38の開口幅38bをドア挿入開口部38の開口端において最大とし、そして、この開口端から中央ガイド溝28側へ向かうにつれて開口幅38bを徐々に減少させるよう、挿入ガイド壁38aを下方へ湾曲させる形状にしてある。ここで、ドア挿入開口部38の開口幅38bとは膜状部材141、142の板厚方向(ドア挿入方向F(図2)と直交する方向)の開口幅寸法である。
【0061】
なお、ドア挿入開口部38は図2に示すように上側左ケース11bと上側右ケース11cに左右対称に設けられる。同様に、中央ガイド溝28、後方側格納ガイド溝30および前方側格納ガイド溝33も上側左ケース11bと上側右ケース11cに左右対称に設けられる。
【0062】
また、中央ガイド溝28のガイド壁29の車両前方側の端部には円弧状の湾曲部29aを形成し、この円弧状の湾曲部29aによりガイド壁29を前方側格納ガイド溝33のガイド壁35に滑らかに接続している。
【0063】
図1、図2に示すように、ケース11内において、スライドドア14の直ぐ下方の部位で、冷風通路16とヒータコア15側の温風通路17との中間部位(ケース11内部の車両前後方向の中間部位)にドア駆動軸36がドア移動方向Aと直交する方向(車両左右方向)に配置されている。この駆動軸36の軸方向の両端部はケース11の上側ケース11b、11cの左右の側壁面の軸受け穴(図示せず)により回転自在に支持される。
【0064】
この駆動軸36のうち、スライドドア14の剛体枠143のギヤ143g、143hと対応する部位にそれぞれ円形駆動ギヤ(ピニオン)36aを樹脂により一体成形で設けて、この駆動ギヤ36aを上側ケース11b、11c内部にてギヤ143g、143hとかみ合わせるようになっている。
【0065】
また、駆動軸36の軸方向の一端部(図2の上端部)は上側右ケース11cの外部へ突出し、この駆動軸36の突出端部をドア駆動装置を構成するサーボモータ(図示せず)の出力軸に適宜の連結機構を介して連結している。これにより、サーボモータの回転が駆動軸36に伝達され、さらに、駆動軸36の回転は、駆動ギヤ36aとギヤ143g、143hとのかみ合いによりスライドドア14の矢印A方向への往復動運動に変換される。
【0066】
図2に示すように、冷風通路16および温風通路17の開口部16a、17aにはドア移動方向Aと平行に延びる複数(図示例では2本)の格子37が配置されている。この格子37は膜状部材141、142が風圧により下流側(上方側)へ膨出することを防止するものである。格子37の上流側の面(下面)がシール面27a〜27cと滑らかに連続するようにして、格子37は上側ケース11b、11cに一体成形されている。
【0067】
次に、本実施形態におけるスライドドア14の組付方法を説明する。最初に、上側ケース11b、11cとドア駆動軸36の組付を行う。具体的には、図2に示すように、上側左ケース11bと上側右ケース11cにてドア駆動軸36を挟み込み、ドア駆動軸36の両端部付近を両ケース11b、11cの軸受け穴部にて回転可能に嵌合保持するとともに、両ケース11b、11cを図示しない締結手段により一体に締結する。
【0068】
上側の両ケース11b、11cの内部はケース下端部の分割面110にて全面的に外部へ開口しているので、中央ガイド溝28のガイド壁29の車両後方側への延長部分である挿入ガイド壁38aと、その上方のガイド壁32との間に形成されるドア挿入開口部38もケース外部へ開口している。同様に、後方側格納ガイド溝30の挿入開口部30aもケース外部へ開口している。
【0069】
そこで、次に、このドア挿入開口部38、30aを使用してスライドドア14の組付を行う。具体的には、スライドドア14の車両前方側の膜状部材142を図2の矢印Fのようにドア移動方向の延長方向外部から両ケース11b、11cのドア挿入開口部38の開口部に向かって両ケース11b、11cの内部へ挿入する。
【0070】
この際、両ケース11b、11cをその分割面110が上下方向に向くように保持するとともに、スライドドア14の膜状部材141、142の板面が上下方向に向くようにして、膜状部材142の先端部をドア挿入開口部38の開口端部に向かって挿入する。これにより、膜状部材142が自重により撓むことを抑制できる。
【0071】
ここで、ドア挿入開口部38は、組付完了後の製品使用状態ではスライドドア14のガイド作用に何ら関与せず、専ら組付のために設けているから、ドア挿入開口部38の開口端の開口幅38bは膜状部材142の撓み分を考慮した十分大きい寸法に設定できる。このため、膜状部材142の先端の自由端部に撓みが生じても、膜状部材142の自由端部をドア挿入開口部38の先端開口部内に容易に挿入できる。
【0072】
ドア挿入開口部38の開口幅38bは中央ガイド溝28側へ行くにつれて徐々に狭くなり、最後は中央ガイド溝28の溝間隔と近似するように設定してあるから、膜状部材142の自由端部に撓みがあっても、ドア挿入開口部38内を膜状部材142が移動する間に撓みがほとんどない状態に矯正されて中央ガイド溝28内に膜状部材142をスムースに挿入できる。図6は膜状部材142の先端の自由端部が中央ガイド溝28内に到達した状態を示している。
【0073】
中央ガイド溝28内への膜状部材142の挿入を更に継続すると、図7に示すように剛体枠143のガイドピン145がドア挿入開口部38内に挿入される状態に達する。従って、これ以後スライドドア14の挿入を継続すると、ガイドピン145がドア挿入開口部38を通過して図8のように中央ガイド溝28内に進入する。
【0074】
図8の状態では、スライドドア14の後方側の膜状部材141の取付用端部141aが後方側格納ガイド溝30のガイド壁32の先端の突出部32aに近接する。しかし、膜状部材141の取付用端部141aの幅寸法は図4のB寸法であり、膜状部材141の主体部分より幅寸法が(C1+C2)×2だけ狭くなっているので、取付用端部141aはガイド壁32の先端の突出部32aと干渉せず、突出部32aの側方を通り抜ける。
【0075】
これに対し、膜状部材141の主体部分の幅寸法が上記のように取付用端部141aよりも幅広になっているとともに、ガイド壁32の先端の突出部32aが上側ケース11b、11cの分割面110よりも外側へ僅少量突き出しているので、図8の状態からスライドドア14の挿入を更に継続すると、突出部32aが膜状部材141の主体部分の左右両側の幅広部分141bの下側とガイドピン145との間に位置し、突出部32aによってが膜状部材141の主体部分の左右両側の幅広部分141bをすくい上げて、この幅広部分141bを後方側格納ガイド溝30内にガイドする。これにより、膜状部材141の主体部分の幅広部分141bを後方側格納ガイド溝30内にスムースに挿入することができる。
【0076】
図9は、スライドドア14の前方側の膜状部材142の自由端部が中央ガイド溝28の前方端に到達した状態を示しており、中央ガイド溝28のガイド壁29の車両前方側の端部は円弧状の湾曲部29aにより前方側格納ガイド溝33のガイド壁35に滑らかに接続しているので、膜状部材142の自由端部を前方側格納ガイド溝33内にスムースに挿入することができる。
【0077】
以上のようにして、膜状部材141、142を有するスライドドア14をケース11b、11c内部のガイド溝28、30、33に対して容易に組み付けできる。
【0078】
次に、本実施形態による車両用空調装置の作動を説明すると、エアミックス用スライドドア14が車両前後方向Aに往復動することにより、スライドドア14の剛体枠143の開口部144とヒータコア15側の温風通路17および冷風通路16との開口面積が変化して、冷風通路16からの冷風aとヒータコア15を通過した温風bとを所定の風量割合で混合して所望の吹出温度を得ることができる。
【0079】
図1は最大冷房状態を示しており、エアミックス用スライドドア14の前方側膜状部材142がヒータコア15側の温風通路17を全閉し、剛体枠143の開口部144が冷風通路16の開口部16aと重合し、冷風通路16を全開する。このとき、後方側の膜状部材141は後方側の格納ガイド溝30内に格納されている。
【0080】
また、逆に、最大暖房状態では、エアミックス用スライドドア14の後方側膜状部材141が冷風通路16を全閉し、剛体枠143の開口部144がヒータコア15側の温風通路17の開口部17aと重合し、温風通路17を全開する。このとき、前方側膜状部材142は前方側の格納ガイド溝33側へ移動し、この前方側格納ガイド溝33および下側ケース11aの内部に格納されている。
【0081】
なお、後方側格納ガイド溝30のガイド壁32のうち前方端部はシール面27aに近接して後方側の膜状部材141をシール面27aに押し付ける作用を果たすので、後方側膜状部材141のシール作用を向上させる。同様に、前方側格納ガイド溝33のガイド壁35のうち後方端部はケース側シール面27cに近接して、前方側膜状部材142をシール面27cに押し付ける作用を果たすので、前方側膜状部材142のシール作用を向上させる。
【0082】
(他の実施形態)
なお、上記一実施形態では、膜状部材141、142を有するスライドドア14をエアミックスドアとして構成し、複数の吹出開口部20〜23を開閉する吹出モードドア25、26を板ドアにより構成する場合について説明したが、吹出モードドア25、26を板ドアにより構成せずに、膜状部材141、142を有するスライドドア14を用いて構成してもよい。
【0083】
また、空調ユニット10の熱交換器配置レイアウトとして、蒸発器13およびヒータコア15を略水平配置とする例について説明したが、蒸発器13およびヒータコア15を略垂直配置としたり、斜めの傾斜配置等にしてもよい。
【0084】
また、本発明は、車両用空調装置における空気通路の開閉に限らず、種々な用途の空気通路の開閉に対して広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す空調ユニット部の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるエアミックス用スライドドアと上側ケースの組付時の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態によるエアミックス用スライドドア単体の斜視図である。
【図4】図3のエアミックス用スライドドア単体の平面図である。
【図5】(a)は本発明の一実施形態による上側ケースの要部断面図、(b)は(a)のD部拡大図、(c)は(a)のE部拡大図である。
【図6】エアミックス用スライドドアの組付過程を示す要部断面図である。
【図7】エアミックス用スライドドアの組付過程を示す要部断面図である。
【図8】エアミックス用スライドドアの組付過程を示す要部断面図である。
【図9】エアミックス用スライドドアの組付過程を示す要部断面図で、図5(c)に対応する図である。
【図10】本発明者が試作検討した比較例によるエアミックス用スライドドアと上側ケースの組付時の斜視図である。
【符号の説明】
11、11a、11b、11c…ケース、14…スライドドア、
16…冷風通路、17…温風通路、16a、17a…開口部、
27a〜27c…シール面、28、30、33…ガイド溝、
30a、38…ドア挿入開口部、141、142…膜状部材、143…剛体枠。
Claims (7)
- 空気通路(16、17)を形成するケース(11a、11b、11c)と、
前記ケース(11a、11b、11c)のうち、前記空気通路(16、17)の開口部(16a、17a)周縁に形成されるシール面(27a〜27c)と、前記ケース(11a、11b、11c)内に、前記シール面(27a〜27c)に沿って移動可能に配置されたスライドドア(14)と、
前記ケース(11、11b、11c)に前記スライドドア(14)の移動方向に沿って設けられ、前記スライドドア(14)の幅方向の両端部をガイドするガイド溝(28、30、33)とを備え、
前記スライドドア(14)は可撓性を有する膜状部材(141、142)を用いて構成されており、
前記膜状部材(141、142)が前記開口部(16a、17a)に重合することにより、前記空気通路(16、17)を閉塞し、前記膜状部材(141、142)が前記開口部(16a、17a)上から離れることにより前記空気通路(16、17)を開口するようになっており、
更に、前記ガイド溝(28、30、33)に、前記スライドドア(14)の移動方向の延長方向外部に向かって開口するドア挿入開口部(38、30a)を設け、
前記ケース(11a、11b、11c)は、前記シール面(27a〜27c)および前記ガイド溝(28、30、33)が設けられた第1ケース(11b、11c)と、前記シール面(27a〜27c)および前記ガイド溝(28、30、33)が設けられていない第2ケース(11a)とに少なくとも分割可能になっており、
前記第1ケース(11b、11c)を前記第2ケース(11a)から分離した状態において、前記ドア挿入開口部(38)から前記膜状部材(141、142)の自由端部を前記ガイド溝(28、30、33)内に挿入することにより、前記スライドドア(14)を前記ガイド溝(28、30、33)内に組み付けることを特徴とする空気通路開閉装置。 - 前記スライドドア(14)は、空気が流通可能な開口部(144)を構成する剛体枠(143)を有し、
前記剛体枠(143)には、前記スライドドア(14)の幅方向外方側へ突き出して前記ガイド溝(28)に摺動可能に嵌合するガイドピン(145)が設けられており、
前記膜状部材は、前記剛体枠(143)のうち、前記スライドドア(14)の移動方向の前後の両端部にそれぞれ結合される第1膜状部材(141)および第2膜状部材(142)により構成され、
前記ガイド溝は、
前記シール面(27a〜27c)の形成範囲に対応して設けられ、前記第1膜状部材(141)および前記第2膜状部材(142)の幅方向の両端部と前記ガイドピン(145)とをガイドする第1ガイド溝(28)と、
前記スライドドア(14)の移動方向において前記第1ガイド溝(28)の延長方向一端側に形成され、前記第1膜状部材(141)の幅方向の両端部をガイドする第2ガイド溝(30)と、
前記スライドドア(14)の移動方向において前記第1ガイド溝(28)の延長方向他端側に形成され、前記第2膜状部材(142)の幅方向の両端部をガイドする第3ガイド溝(33)とにより構成され、
前記ドア挿入開口部は、前記第1ガイド溝(28)と前記第2ガイド溝(30)との接続部位を外部へ開口する第1ドア挿入開口部(38)と、前記第2ガイド溝(30)のうち、前記接続部位と反対側の端部を外部へ開口する第2ドア挿入開口部(30a)とにより構成され、
前記第1ドア挿入開口部(38)から前記第2膜状部材(142)の自由端部を前記第1ガイド溝(28)に向かって挿入し、
前記第1膜状部材(141)のうち、前記剛体枠(143)に結合される取付用端部(141a)側の幅方向の両端部を前記第2ドア挿入開口部(30a)から前記第2ガイド溝(30)内に挿入するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の空気通路開閉装置。 - 前記第1ドア挿入開口部(38)の開口端部における開口幅を最大とし、前記第1ドア挿入開口部(38)の開口幅を前記開口端部から前記第1ガイド溝(28)へ向かって徐々に減少することを特徴とする請求項2に記載の空気通路開閉装置。
- 前記第1膜状部材(141)の主体部分は、前記取付用端部(141a)よりも幅方向寸法が所定量大きくなっており、
前記第2ドア挿入開口部(30a)に、前記第1膜状部材(141)の主体部分の幅方向両端の幅広部分(141b)をすくいあげて前記第2ドア挿入開口部(30a)内にガイドする突起部(32a)を備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の空気通路開閉装置。 - 車室内へ吹き出される空気を加熱する暖房用ヒータコア(15)を備え、
前記空気通路の1つは、前記暖房用ヒータコア(15)をバイパスして冷風が流れる冷風通路(16)であり、
前記空気通路の他の1つは、前記暖房用ヒータコア(15)で加熱される温風が流れる温風通路(17)であり、
前記冷風通路(16)を通過する冷風風量と前記温風通路(17)を通過する温風風量との割合を調整するエアミックスドア(14)を、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のスライドドアにより構成したことを特徴とする車両用空調装置。 - 空気通路(16、17)を形成するケース(11a、11b、11c)と、
前記ケース(11a、11b、11c)のうち、前記空気通路(16、17)の開口部(16a、17a)周縁に形成されるシール面(27a〜27c)と、
前記ケース(11a、11b、11c)内に、前記シール面(27a〜27c)に沿って移動可能に配置されたスライドドア(14)と、
前記ケース(11a、11b、11c)に前記スライドドア(14)の移動方向に沿って設けられ、前記スライドドア(14)の幅方向の両端部をガイドするガイド溝(28、30、33)とを備え、
前記スライドドア(14)は可撓性を有する膜状部材(141、142)を用いて構成されており、
前記膜状部材(141、142)が前記開口部(16a、17a)に重合することにより、前記空気通路(16、17)を閉塞し、前記膜状部材(141、142)が前記開口部(16a、17a)上から離れることにより前記空気通路(16、17)を開口するようになっており、
更に、前記ガイド溝(28、30、33)に、前記スライドドア(14)の移動方向の延長方向外部に向かって開口するドア挿入開口部(38、30a)を設け、
前記ケース(11a、11b、11c)は、前記シール面(27a〜27c)および前記ガイド溝(28、30、33)が設けられた第1ケース(11b、11c)と、前記シール面(27a〜27c)および前記ガイド溝(28、30、33)が設けられていない第2ケース(11a)とに少なくとも分割可能になっている空気通路開閉装置の組付方法であって、
前記第1ケース(11b、11c)単体の状態において、前記ドア挿入開口部(38)から前記膜状部材(141、142)の自由端部を前記ガイド溝(28)内に挿入することにより前記スライドドア(14)を前記ガイド溝(28)内に組み付け、
その後に、前記第1ケース(11b、11c)に前記第2ケース(11a)を一体に締結することを特徴とする空気通路開閉装置の組付方法。 - 前記第1ケースは、前記スライドドア(14)の幅方向に分割された左ケース(11b)と右ケース(11c)とにより構成され、前記シール面(27a〜27c)、前記ガイド溝(28、30、33)および前記ドア挿入開口部(38、30a)は前記左ケース(11b)と前記右ケース(11c)にそれぞれ形成されており、
前記スライドドア(14)に操作力を与える駆動軸(36)を前記左ケース(11b)と前記右ケース(11c)により回転可能に嵌合保持するとともに、前記左ケース(11b)と前記右ケース(11c)を一体に締結し、
その後に、前記一体に締結した左右ケース(11b、11c)に対して前記ドア挿入開口部(38)から前記スライドドア(14)の組付を行うことを特徴とする請求項6に記載の空気通路開閉装置の組付方法。
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