JP3951926B2 - 空気通路開閉装置および車両用空調装置 - Google Patents

空気通路開閉装置および車両用空調装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性を有する膜状部材からなるスライドドアにより空気通路を開閉する空気通路開閉装置およびそれを用いた車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平8−2238号公報等において、膜状部材の移動によって空気通路の切替を行う空気通路開閉装置が提案されている。この従来技術においては、膜状部材の両端を駆動軸および従動軸にそれぞれ連結し、巻き取る構成であるので、駆動軸と従動軸とを連動させる必要がある。このため、プーリー、ワイヤーといった連動機構が必要となり、装置全体として部品点数が増加するとともに、組付も煩雑となり、コスト高になるという問題があった。
【0003】
そこで、本出願人においては、先に、特願2001−384827号の特許出願において、膜状部材の移動をガイド溝によりガイドすることにより膜状部材の先端部が自由端となって膜状部材が押出力により送り出されるようにし、これにより、膜状部材の巻き取り機構を不要にして、構成を簡素化できる空気通路開閉装置を提案している。
【0004】
この先願の空気通路開閉装置では、空気通路を形成するケース内にスライドドアを移動可能に配置し、このスライドドアは、可撓性を有する膜状部材に空気流通用の開口部を設けた構成とし、スライドドアの移動によりスライドドアの開口部とケース側の空気通路との連通面積が変化してケース側の空気通路を開閉するようになっている。
【0005】
ところで、膜状部材に単に空気流通用の開口部を設けるだけであると、この開口部周辺部で膜状部材の剛性が低下するので、スライドドアの移動のための駆動力を膜状部材に加えると、開口部周辺部で膜状部材の変形が発生して、膜状部材をスムースに押し出すことができないという事態が生じる。そこで、先願の装置では、膜状部材のうち開口部の周辺部の剛性を高めるための剛性増加手段を備え、この剛性増加手段の部分に駆動力を加えることにより、膜状部材に押出方向の駆動力を加える際にも膜状部材を確実に送り出すことができるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記先願のものを実際に試作して実験検討してみると、膜状部材先端の自由端部に曲げ癖が生じたときに、これが原因となってシール不良が発生し、風洩れが大きくなることが分かった。
【0007】
この先願の問題点の発生理由を図22により詳述すると、ケース11に設けられた空気通路16の開口部16aの端面をスライドドア14の膜状部材140により全閉する状態を示している。ここで、膜状部材140は、例えば、100〜200μm程度の微小板厚の樹脂フィルム材からなるものであり、膜状部材140の幅方向の左右両端部(ドア移動方向▲1▼と直交する方向の両端部)はケース11に形成されたガイド溝23、24内に嵌入される。
【0008】
このガイド溝23、24の幅寸法Wは、ケース11を樹脂成形する際の型抜き上の都合等のため、膜状部材140の板厚よりはるかに大きい寸法例えば、3〜6mm程度に設計する。膜状部材140の幅方向の左右両端部をガイド溝23、24によりガイドすることにより膜状部材140はガイド溝23、24の形状に沿って矢印▲1▼方向に移動する。ここで、ガイド溝23、24の経路は後述の図1に例示するようにケース11の体格の小型化のために、曲率半径の異なる種々な曲げ部を持った形状になっている。
【0009】
従って、膜状部材140がガイド溝23、24のうち曲率半径の小さい曲げ部に位置して長期間放置される場合があり、この場合はガイド溝23、24の曲げ形状に沿って膜状部材140に曲率半径の小さい曲げ癖が生じる。特に、夏期のような高温下において長期間放置されると、高温による熱変形が膜状部材140に加わるので、曲げ癖の発生が一層助長される。また、膜状部材140の停止位置はドア移動方向▲1▼で連続的または段階的に変化するので、停止位置の変化により膜状部材140の複数箇所に曲げ癖が生じる。
【0010】
そして、膜状部材140の曲率半径の小さい曲げ癖の部分がガイド溝23、24のうち曲率半径の大きい部位に移動すると、膜状部材140とガイド溝23、24の曲率半径が合わないので、図22に示すように膜状部材140の曲げ癖の頂点が腹部αとなり、また、曲げ癖の頂点と頂点の間の部分が背中部βとなって、この腹部α、背中部βおよび先端の自由端140cの部位で膜状部材140がガイド溝23、24のガイド壁面23a、24a、23b、24bに接触する。
【0011】
従って、これら接触部α、β、140cの中間では膜状部材140がガイド壁面23a、24a、23b、24bから開離した状態となる。このような状態にて膜状部材140により空気通路16の開口部16aを閉塞しようとすると、ケース11の開口部端面の周縁のシール面29と膜状部材140との間に隙間x、yが発生し、風洩れの原因となる。
【0012】
ここで、隙間x、yによる風洩れの程度について考察すると、空気通路16の開口部16aは通常矩形状であり、隙間yはドア移動方向▲1▼と平行な方向の隙間であって、開口部端面のうちドア移動方向▲1▼に部分的に形成されるだけであり、しかも、膜状部材140の幅方向の左右両端部はガイド溝23、24によりガイドされて移動するため、隙間yは最大でもガイド溝23、24の幅寸法W以下である。
【0013】
このため、隙間yの面積が小さくなり、隙間yからの風洩れ量は僅少であるので、実用上問題とならない。
【0014】
これに対し、隙間xはドア移動方向▲1▼と直交方向の隙間であって、開口部端面のうちドア移動方向▲1▼と直交方向の全長に形成されることに加え、隙間xの間隔自体もガイド溝23、24の幅寸法W以上に拡大する。すなわち、ガイド溝23、24は膜状部材140の幅方向の左右両端部のみ支持し、幅方向の中央部は支持しないので、膜状部材140の幅方向の中央部付近では膜状部材140の曲げ癖や自重による下方への変形によって隙間xが幅寸法W以上に拡大する。
【0015】
これにより、隙間xの面積は隙間yの面積よりも十分大きくなり、その結果、隙間xからの風洩れ量は隙間yからの風洩れ量よりはるかに大きくなり、実用上問題となる。
【0016】
本発明は上記点に鑑みて、可撓性を有する膜状部材からなるスライドドアを用いる空気通路開閉装置において、膜状部材の曲げ癖や自重による変形等に起因する風洩れを抑制することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空気通路の開口部(16a、150a、19〜21)を形成するケース(11)と、ケース(11)内に移動可能に配置され、開口部(16a、150a、19〜21)を開閉するスライドドア(14、22)と、スライドドア(14、22)を移動させるための駆動手段(25、26、30、31)とを備え、
スライドドア(14、22)は、開口部(16a、150a、19〜21)の風上側に配置され先端部が自由端(141b、142b、221c、140c)となっている可撓性を有する膜状部材(140、141、142、221)により構成されており、
膜状部材(140、141、142、221)の移動をガイドするガイド溝(23、24、32)がケース(11)に設けられ、
膜状部材(140、141、142、221)はガイド溝(23、24、32)によりガイドされて自由端(141b、142b、221c、140c)側が駆動手段(25、26、30、31)からの押出力によって送り出されるようになっており、
ガイド溝(23、24、32)のうち、開口部(16a、150a、19〜21)の開口領域に位置する部位の溝幅寸法を所定の溝幅寸法(W)としたときに、ケース(11)における、開口部(16a、150a、19〜21)の端面周縁のシール面(29、38)のうち、スライドドア(14、22)の移動方向((1)、(2))と直交する方向((3)、(5))のシール面(a〜h)と、膜状部材(140、141、142、221)との間隔が、前記所定の溝幅寸法(W)よりも小さくなるように、膜状部材(140、141、142、221)を移動方向((1)、(2))と直交する方向((3)、(5))のシール面(a〜h)側へ押し付ける押し付け手段(23c、24c、32c、32g、32h、32i、32e、40、42、43、44)を備えることを特徴とする。
【0018】
これにより、スライドドアの膜状部材に曲げ癖や自重による変形等が生じた際にも、その曲げ癖等の変形部位を押し付け手段によって強制的にドア移動方向と直交する方向のシール面(a〜h)に近接させることができる。従って、曲げ癖や自重による変形等に起因する風洩れを効果的に防止できる。
【0019】
請求項2に記載の発明では、請求項1において、押し付け手段(40、43、44)を、スライドドア(14、22)の移動方向(▲1▼、▲2▼)と直交する方向(▲3▼、▲5▼)の中央部付近に部分的に配置したことを特徴とする。
【0020】
ところで、図22にて前述したように膜状部材の幅方向すなわち、ドア移動方向と直交する方向の中央部付近で、前述の隙間xが膜状部材の曲げ癖や自重による変形によって最大となる。この点に鑑みて、請求項2では押し付け手段を、ドア移動方向と直交する方向の中央部付近に部分的に配置しているから、膜状部材幅方向の中央部付近で隙間xが拡大することを押し付け手段により確実に防止でき、風洩れを有効に防止できるとともに、押し付け手段と膜状部材との摺動面積の増大を抑制して、ドア操作力の増大を抑制できる。
【0021】
請求項3に記載の発明のように、請求項1において、押し付け手段(42)は、スライドドア(14、22)の移動方向(▲1▼、▲2▼)と直交する方向(▲3▼、▲5▼)の全幅にわたって配置してもよい。
【0022】
これによると、押し付け手段によって膜状部材をドア移動方向と直交する方向の全幅にわたってシール面(a〜h)側に近接させることができる。
【0023】
請求項4に記載の発明のように、請求項1ないし3のいずれか1つにおいて、押し付け手段(23c、24c、32c、32g、32h、32i、32e、40、42、43)をケース(11)に一体成形してよい。
【0024】
また、請求項5に記載の発明のように、請求項1ないし3のいずれか1つにおいて、押し付け手段(23c、24c、40、44)をケース(11)と別体で成形するようにしてもよい。
【0025】
請求項6に記載の発明のように、請求項1、2、3、5のいずれか1つにおいて、押し付け手段を弾性部材(143、44)により構成してもよい。
【0026】
これによると、製造上の寸法バラツキにより膜状部材の押し付け力の過不足が生じることを弾性部材(143、44)の弾性変形により吸収できる。
【0027】
請求項7に記載の発明では、空気通路の開口部(16a、150a、19〜21)を形成するケース(11)と、ケース(11)内に移動可能に配置され、開口部(16a、150a、19〜21)を開閉するスライドドア(14、22)と、スライドドア(14、22)を移動させるための駆動手段(25、26、30、31)とを備え、
スライドドア(14、22)は、開口部(16a、150a、19〜21)の風上側に配置され先端部が自由端(141b、142b、221c、140c)となっている可撓性を有する膜状部材(140、141、142、221)により構成されており、
膜状部材(140、141、142、221)の移動をガイドするガイド溝(23、24、32)がケース(11)に設けられ、
膜状部材(140、141、142、221)はガイド溝(23、24、32)によりガイドされて自由端(141b、142b、221c、140c)側が駆動手段(25、26、30、31)からの押出力によって送り出されるようになっており、
ガイド溝(23、24、32)のうち、開口部(16a、150a、19〜21)の開口領域に位置する部位の溝幅寸法を所定の溝幅寸法(W)としたときに、ケース(11)における、開口部(16a、150a、19〜21)の端面周縁のシール面(29、38)のうち、スライドドア(14、22)の移動方向((1)、(2))と直交する方向((3)、(5))のシール面(a〜h)と、膜状部材(140、141、142、221)との間隔が、前記所定の溝幅寸法(W)よりも小さくなるようにガイド溝(23、24、32)を構成したことを特徴とする。
【0028】
これにより、スライドドアの膜状部材に曲げ癖や自重による変形等が生じた際にも、その曲げ癖等の変形部位をガイド溝形状によって強制的にドア移動方向と直交する方向のシール面(a〜h)に近接させることができる。従って、曲げ癖や自重による変形等に起因する風洩れを効果的に防止できる。
【0029】
また、ガイド溝幅寸法を経路全長にわたって小さくすることはガイド溝を備えるケース成形用の型構造の成立が困難となるが、請求項7によると、ドア移動方向(▲1▼、▲2▼)と直交する方向(▲3▼、▲5▼)のシール面(a〜h)近傍部位のみにおいてガイド溝形状を部分的に変更することにより、上記の効果を発揮できるので、ケース成形用の型構造の対応が容易になる。
【0030】
請求項8に記載の発明では、請求項7において、ドア移動方向(▲1▼、▲2▼)と直交する方向(▲3▼、▲5▼)のシール面(a〜h)近傍にてガイド溝(23、24、32)の形状がシール面(a〜h)側へオフセットするようにしたことを特徴とする。
【0031】
このように、ガイド溝形状をシール面(a〜h)側へオフセットすることにより、膜状部材をシール面(a〜h)側へ確実に近接できる。
【0032】
請求項9に記載の発明のように、請求項7において、ガイド溝(23、24、32)に、ドア移動方向(▲1▼、▲2▼)と直交する方向(▲3▼、▲5▼)のシール面(a〜h)近傍にてガイド溝(23、24、32)の溝幅寸法を部分的に狭めて、膜状部材(140、141、142、221)をシール面(a〜h)に近接させるようにしてもよい。
【0033】
請求項10に記載の発明のように、請求項7において、ガイド溝(23、24、32)に、移動方向(▲1▼、▲2▼)と直交する方向(▲3▼、▲5▼)のシール面(a〜h)近傍にて膜状部材(140、141、142、221)をシール面(a〜h)側へ押し付ける押し付け手段(23c、24c、32c、32g、32h、32i、32e)を備えるようにしてもよい。
【0034】
請求項11に記載の発明では、請求項10において、押し付け手段(23c、24c、32c、32g、32h、32i、32e)は、膜状部材(140、141、142、221)がシール面(a〜h)の表面に直接接触するまで膜状部材(140、141、142、221)を押し付けるように構成されていることを特徴とする。
【0035】
これにより、膜状部材をシール面(a〜h)の表面に直接接触させることができ、曲げ癖等による風洩れの防止効果をより一層向上できる。
【0036】
請求項12に記載の発明では、請求項1ないし11のいずれか1つにおいて、膜状部材(140、141、142、221)の自由端(141b、142b、221c、140c)の角部に、円弧状部(140d)または面取り部(140e)を形成したことを特徴とする。
【0037】
これにより、膜状部材の送り出し時に自由端の角部がガイド溝壁面に引っ掛かって、膜状部材のビビリが生じることを防止できる。そのため、膜状部材のビビリに起因する異音、操作力増大等の不具合を解消できる。
【0038】
請求項13に記載の発明では、請求項1ないし12のいずれか1つにおいて、膜状部材(140、141、142、221)の自由端(141b、142b、221c、140c)に、円弧状の曲げ部(140f)を形成したことを特徴とする。
【0039】
これにより、膜状部材の自由端の円弧状曲げ部をガイド溝壁面の曲げ部に滑らかに接触させて、膜状部材のビビリを防止できる。
【0040】
請求項14に記載の発明では、車室内へ吹き出される空気を加熱する暖房用ヒータコア(15)と、暖房用ヒータコア(15)をバイパスして空気が流れるバイパス通路(16)と、暖房用ヒータコア(15)を通過する空気風量とバイパス通路(16)を通過する空気風量との割合を調整するエアミックスドア(14)とを備え、エアミックスドア(14)を請求項1ないし13のいずれか1つに記載のスライドドアにより構成した車両用空調装置を特徴とする。
【0041】
このように、本発明のスライドドアは、車両用空調装置のエアミックスドア(14)として好適に実施できるものである。
【0042】
請求項15に記載の発明では、温度調整された空調空気を車室内の複数部位に吹き出す複数の吹出開口部(19〜21)と、複数の吹出開口部(19〜21)を開閉する吹出モードドア(22)とを備え、吹出モードドア(22)を請求項1ないし13のいずれか1つに記載のスライドドア(22)により構成した車両用空調装置を特徴とする。
【0043】
このように、本発明のスライドドアは車両用空調装置の吹出モードドア(22)としても好適に実施できるものである。
【0044】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0045】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態を適用した車両用空調装置における室内ユニット部のうち、熱交換器部を収容している空調ユニット10を示す。図2は図1の要部拡大図である。この空調ユニット10は車室内前部の計器盤(図示せず)内側において、車両左右(幅)方向の略中央部に配置される。図1の上下前後の矢印は車両搭載状態における方向を示す。車両用空調装置の室内ユニット部は、上記略中央部の空調ユニット10と、計器盤内側において助手席側にオフセット配置される図示しない送風機ユニットとに大別される。
【0046】
送風機ユニットは、外気(車室外空気)または内気(車室内空気)を切替導入する内外気切替箱と、この内外気切替箱に導入された空気を送風する送風機とを備えている。この送風機ユニットの送風空気は、空調ユニット10のケース11内のうち、最下部の空気流入空間12に流入するようになっている。
【0047】
ケース11は、ポリプロピレンのような弾性を有し、機械的強度も高い樹脂にて成形されている。ケース11は、成形上の型抜きの都合、ケース内への空調機器の組付上の理由等から具体的には複数の分割ケース体に分割して成形した後に、この複数の分割ケース体を一体に締結する構成になっている。なお、本例では、ケース11の車両左右(幅)方向の略中央部にて左右の分割ケース体に分割して成形している。
【0048】
空調ユニット10のケース11内において空気流入空間12の上方には冷房用熱交換器をなす蒸発器13が小さな傾斜角度でもって略水平方向に配置されている。従って、送風機ユニットの送風空気は空気流入空間12に流入した後、この空間12から蒸発器13を下方から上方へと通過する。蒸発器13は周知のように車両空調用冷凍サイクルの膨張弁等の減圧装置により減圧された低圧冷媒が流入し、この低圧冷媒が送風空気から吸熱して蒸発するようになっている。
【0049】
そして、蒸発器13の上方(空気流れ下流側)には膜状部材からなるエアミックス用スライドドア14が配置され、さらに、このエアミックス用スライドドア14の上方(空気流れ下流側)に温水式ヒータコア15が配置されている。このヒータコア15は周知のように車両エンジンの温水(冷却水)を熱源として空気を加熱する暖房用熱交換器である。
【0050】
このヒータコア15も略水平方向に配置されているが、ヒータコア15はケース11内の通路断面積より小さくして、ケース11内のうち車両前方側に偏って配置してある。これにより、ヒータコア15の車両後方側(乗員座席寄りの部位)に、ヒータコア15をバイパスして冷風が流れる冷風通路16を形成している。
【0051】
エアミックス用スライドドア14は、蒸発器13とヒータコア15との間にて車両前後方向▲1▼に移動(往復動)して、ヒータコア15の通風路、すなわち、温風通路150を通過する温風と冷風通路16を通過する冷風との風量割合を調整するものであって、この冷温風の風量割合を調整して車室内への吹出空気温度を調整することができる。従って、エアミックス用スライドドア14により車室内への吹出空気の温度調整手段が構成される。
【0052】
ヒータコア15を通過した温風は温風ガイド壁17により車両後方側へガイドされて空気混合部18に向かう。この空気混合部18にて冷風通路16からの冷風とヒータコア通過後の温風が混合して所望温度となる。
【0053】
ケース11の上面部(空気下流端部)には、車両後方側から車両前方側へ向かって、複数の吹出開口部、すなわち、フェイス開口部19、デフロスタ開口部20、およびフット開口部21が順次開口している。フェイス開口部19は空気混合部18からの空調空気を乗員の上半身に向けて吹き出すためのものである。デフロスタ開口部20は空気混合部18からの空調空気を車両フロントガラス内面に向けて吹き出すためのものである。フット開口部21は空気混合部18からの空調空気を乗員の足元部に向けて空調空気を吹き出すためのものである。これらの複数の吹出開口部19、20、21は、膜状部材からなる吹出モード用スライドドア22が車両前後方向▲2▼に移動(往復動)して開閉される。
【0054】
ところで、上記したエアミックス用スライドドア14および吹出モード用スライドドア22はいずれも図1に示すようにケース11内の曲折した経路を往復動するので、この曲折した経路に沿って変形し得るように可撓性を有する膜状部材(樹脂製フィルム材)141、142、221を用いて構成されている。この膜状部材141、221の具体的材質としては可撓性を有し、かつ、摩擦抵抗が小さい樹脂材料であるPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが好適である。
【0055】
なお、膜状部材141、142、221の板厚は例えば、100〜250μm程度の微小寸法である。このような範囲に膜状部材141、142、221の板厚を設定することにより、スライドドア14、22の送り出しに必要な剛性を確保しつつ、往復動経路の曲げ部ではその曲げ形状に沿ってフィルムが容易に変形して、曲げ力による著しい操作力の増大を抑制する。
【0056】
次に、エアミックス用スライドドア14について詳述する。図3はエアミックス用スライドドア14単体の具体的構成を例示するものであり、エアミックス用スライドドア14はドア移動方向▲1▼の中央部領域に空気が流通可能な枠体状の形状からなる支持部材143を配置し、この支持部材143のドア移動方向▲1▼への前後両側の端部にそれぞれ膜状部材141、142を結合した構成となっている。ここで、膜状部材141、142は開口部のない膜形状のみで構成されている。
【0057】
支持部材143はポリプロピレン等の樹脂成形品からなる剛体であり、ドア移動方向▲1▼と直交方向▲3▼(以下ドア幅方向▲3▼という)に延びる枠部143a、143bが所定間隔で平行に配置され、この枠部143a、143bの長手方向の両端部付近をドア移動方向▲1▼に延びる枠部143c、143dにより結合している。従って、これらの枠部143a〜143dにより長方形の枠体形状を構成している。
【0058】
また、2本の枠部143a、143bの長手方向の中間部位にはドア移動方向▲1▼に延びる2本の補強リブ143e、143fを配置している。これらの枠部143a〜143dおよび補強リブ143e、143fはすべて樹脂により一体成形されている。なお、支持部材143の全体形状はドア移動方向▲1▼に沿う円弧状に成形されている。
【0059】
上記枠部143a〜143dの内側は空気が流通可能な開口部144であり、この開口部144は補強リブ143e、143fにより3つの部分に分割形成されている。
【0060】
支持部材143は剛性増加手段としての役割の他に、膜状部材141、142に対して操作力(駆動力)を伝達する役割も兼ねるものである。そのため、支持部材143の枠部143c、143dの下面部には、それぞれ、ドア移動方向▲1▼と平行に延びるギヤ(ラック)143g、143hが支持部材143と一体成形で設けられている。このギヤ143g、143hは枠部143c、143dの円弧形状に沿って円弧形状に延びるよう形成されている。
【0061】
ドア幅方向▲3▼に延びる枠部143a、143bにおいて長手方向の両端部に円柱状のガイドピン143i、143jを形成している。このガイドピン143i、143jは、支持部材143からドア幅方向▲3▼の左右両側へ突出して図1、図5に示すケース側のガイド溝23、24内に摺動可能に嵌合する。このガイド溝23、24の詳細は後述する。
【0062】
また、枠部143a、143bにはその長手方向に沿って複数(図3の例では6個)の係止ピン143kが所定間隔にて一体成形されている。この係止ピン143kは枠部143a、143bにおいて開口部144に面する部位に配置されている。そして、この係止ピン143kは図3(a)に示すように、円柱状の軸部143mを有し、この軸部143mの先端部に茸状に拡大された拡大頭部143nを一体成形した形状である。
【0063】
一方、膜状部材141、142の一端部付近には図4(b)に示すように、長穴形状の係止穴部141a、142aを形成している。この係止穴部141a、142aの長穴形状の長軸方向は、膜状部材141a、142aの展開状態においてドア移動方向▲1▼に向いている。また、この係止穴部141a、142aから長穴形状の左右両側(短軸方向)へ延びるスリット141b、142bが形成してある。
【0064】
係止穴部141a、142aの長穴形状の長軸方向の径寸法は係止ピン143kの拡大頭部143nの径寸法より大きくしてあるが、係止穴部141a、142aの長穴形状の短軸方向の径寸法は係止ピン143kの拡大頭部143nの径寸法より小さく、かつ、係止ピン143kの軸部143mの径寸法と同等以上に設計してある。
【0065】
これにより、膜状部材141、142の係止穴部141a、142aを係止ピン143kに嵌め込むときは、スリット141b、142bを広げることにより係止ピン143kの拡大頭部143nを係止穴部141a、142aに挿入できる。そして、拡大頭部143nが係止穴部141a、142aを通過すると、スリット141b、142bが膜状部材の弾性復元力により閉じるので、拡大頭部143nを係止穴部141a、142aに確実に係止でき、枠体形状の支持部材143に膜状部材141、142の一端部を結合できる。膜状部材141、142の他端部は支持部材143により拘束されない自由端141b、142bを構成する。
【0066】
なお、図4(a)に示すように支持部材143の枠部143aに弾性部材143pの支持面143qを一体に成形し、この支持面143q上に弾性部材143pを接着等により固定している。この弾性部材143pは自身の弾性反力により膜状部材141、142の一端部側をケース11側のシール面29(図1および後述の図5参照)に押圧して、膜状部材141、142のシール効果を向上させるものである。なお、図3(a)では枠部143a側の構成のみを示しているが、他の枠部143b側においても同様に、支持面143qおよび弾性部材143pを設けている。
【0067】
次に、図5は図1のA−A断面に相当する断面図である。但し、図1のA−A断面位置には支持部材143のみが位置し、膜状部材141、142およびガイドピン143i、143jが位置していないが、図5ではA−A断面位置に膜状部材141およびガイドピン143i、143jが位置した状態を想定して図示している。図5に示すように空調ユニット10のケース11において、冷風通路16およびヒータコア15側の温風通路150よりも下方の内壁面の左右両側に、ドア移動方向▲1▼と平行に延びる水平方向のガイド溝23、24を設けている。
【0068】
ここで、ガイド溝23、24は空気流れ方向▲4▼に対する風上側のガイド壁23a、24aと風下側のガイド壁23b、24bとの間に形成される溝空間により形成されるものであって、ガイド壁23b、24bはケース11に一体成形できる。ガイド部23、24は、スライドドア14の往復動経路の全長にわたって形成してある。
【0069】
このガイド溝23、24は、膜状部材141、142と支持部材143とを含むスライドドア14全体を車両前後方向▲1▼に摺動可能にガイドするものであり、ガイド溝23、24のうち、支持部材143のガイドピン143i、143jの移動領域、すなわち、図1のドア移動方向において、冷風通路16および温風通路150の両開口部16a、150aの合計開口領域では、ガイド溝23、24の溝空間幅をガイドピン143i、143jの径寸法より大きくして、ガイド溝23、24によりガイドピン143i、143jを摺動可能に保持している。
【0070】
これに対し、ガイド溝23、24のうち、ガイドピン移動領域よりも車両前方側の領域および車両後方側の領域ではガイドピン143i、143jが移動しないので、ガイド溝23、24の溝空間により膜状部材141、142のドア幅方向▲3▼の左右両側部分のみを摺動可能に保持している。
【0071】
従って、ガイド溝23、24のうち、ガイドピン移動領域よりも車両前方側の領域および車両後方側の領域部おける溝幅寸法(図22の寸法Wに相当)はガイドピン143i、143jの径寸法より大きくすることが必須でない。
【0072】
ガイド溝23、24のうち、ガイドピン移動領域における溝幅寸法は、ガイドピン143i、143jの移動、およびケース11の樹脂成形の型抜き上の理由等から3〜6mm程度に設定される。これに対し、ガイド溝23、24のうち、ガイドピン移動領域よりも車両前方側の領域および車両後方側の領域における溝幅寸法はケース11の樹脂成形の型抜き上の理由等から1〜3mm程度に設定される。
【0073】
図1に示すように、ケース11内において、スライドドア14の直ぐ下方の部位で、温風通路150と冷風通路16との中間部位(ケース11内部の車両前後方向の中間部位)にドア駆動軸25がドア幅方向(車両左右方向)▲3▼に向くように配置されている。この駆動軸25の軸方向の両端部はケース11の壁面の軸受け穴(図示せず)により回転自在に支持されている。
【0074】
この駆動軸25のうち、支持部材143の枠部143c、143dの下面部に設けられたギヤ143g、143hと対応する部位(軸方向の両側部位)にそれぞれ円形駆動ギヤ(ピニオン)26を樹脂により一体成形で設けて、この駆動ギヤ26をギヤ143g、143hとかみ合わせるようになっている。
【0075】
また、駆動軸25の軸方向の一端部はケース11の外部へ突出し、この駆動軸25の突出端部をドア駆動装置を構成するサーボモータ(図示せず)の出力軸に適宜の連結機構を介して連結している。これにより、サーボモータの回転が駆動軸25に伝達され、さらに、駆動軸25の回転は、駆動ギヤ26とドア側ギヤ143g、143hとのかみ合いによりスライドドア14の往復動運動に変換される。
【0076】
一方、スライドドア14がケース11内に組付られた状態(図5)においては、支持部材143が空気流れ方向▲4▼の風上側に位置し、そして、膜状部材141、142が風下側に位置する。膜状部材141、142はドア移動方向▲1▼の一端部で支持部材143に対して係止されているのみである。そのため、膜状部材141、142が矢印▲4▼方向の風圧を受けると、膜状部材141、142の面がケース11側のシール面29に圧着するようになっている。このシール面29は、冷風通路16および温風通路150の開口部16a、150aの端面周縁部に形成される。
【0077】
また、ケース11には開口部16a、150a内に位置する格子35が備えられており、この格子35によって膜状部材141、142の風圧による撓みを抑えるようになっている。
【0078】
次に、吹出モード用スライドドア22の具体例を図6について説明すると、吹出モード用スライドドア22は、エアミックス用スライドドア14と異なり、基本的に膜状部材のみで構成している。すなわち、吹出モード用スライドドア22は膜状部材221を有し、この膜状部材221のうちドア移動方向▲2▼の中央部に空気流通用の開口部222が複数に分割して開口している。膜状部材221において中央部の開口部周辺部221aの前後両側に空気流通用開口部のない膜部分221bを形成している。そして、開口部周辺部221aの剛性増加手段として、膜状部材221と別体の補強膜状部材223を膜状部材221に一体に貼り付けて固定している。
【0079】
この補強膜状部材223には膜状部材221の開口部222と同一形状の開口部224が開けてあるので、この両開口部222、224を通過して空気が流通する。
【0080】
膜状部材221の具体的材質、板厚等はエアミックス用スライドドア14の膜状部材141、142と同じでよい。補強膜状部材223は膜状部材221の板厚(例えば、100〜250μm)よりも大きい板厚(例えば、0.2〜1mm程度)にして、膜状部材221の開口部周辺部221aの剛性を、開口部のない膜部分221bの剛性よりも増加させるようになっている。補強膜状部材223の具体的材質としては、機械的強度、膜状部材221との接着性等を考慮して選択するが、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂が好適である。なお、膜状部材221に別体の補強膜状部材223を貼り付ける代わりに、膜状部材221に補強膜状部材223に相当する部分を一体成形してもよい。
【0081】
膜状部材221の開口部周辺部221aおよび補強膜状部材223の幅方向の両端部近傍には、この両膜状部材を貫通するギヤかみ合い用の穴部225、226が開けてある。一方、ケース11の上面部に位置するフェイス開口部19とデフロスタ開口部20との中間部位で、かつ、吹出モード用スライドドア22の上方部に駆動軸30がドア移動方向▲2▼と直交する方向▲5▼(図6)に配置されている。このドア移動方向▲2▼と直交する方向▲5▼を以下ドア幅方向という。
【0082】
この駆動軸30の軸方向の両端部は、ケース11の壁面の軸受け穴36(図7)により回転自在に支持されている。この駆動軸30のうち、上記穴部225、226と対応する部位(軸方向の両側部位)にそれぞれ駆動ギヤ31を樹脂により一体成形で設けている。この駆動ギヤ30の歯が膜状部材221、223の穴部225、226にかみ合うようになっている。
【0083】
また、駆動軸30の軸方向の一端部はケース11の外部へ突出し、この駆動軸30の突出端部をドア駆動装置を構成するサーボモータ(図示せず)の出力軸に適宜の連結機構を介して連結している。これにより、サーボモータの回転が駆動軸30に伝達され、さらに、駆動軸30の回転は、駆動ギヤ31と穴部225、226とのかみ合いによりスライドドア22の往復動運動に変換される。
【0084】
膜状部材221、223をケース11内の曲折した経路に沿って往復動させるために、ケース11の内壁面に、前述のガイド溝23、24と同様のガイド溝32を設けて、このガイド溝32内に膜状部材221、223のドア幅方向▲5▼の左右両側部分を図8のように挿入してガイドするようにしてある。なお、図8はドア幅方向▲5▼の片側のガイド溝32のみを図示している。格子37は前述の格子35と同様に膜状部材221、223の風圧による撓みを抑えるためのものである。ガイド溝32の溝幅寸法は、ケース11の樹脂成形の型抜き上の理由等から1〜3mm程度に設定される。
【0085】
ガイド溝32は、空気流れ方向▲4▼に対する風上側のガイド壁32aと風下側のガイド壁32bとの間に形成される溝空間により形成されるものであって、ガイド壁32a、32bはケース11に一体成形できる。なお、図8は図1のC−C断面であり、フェイス開口部19の開口範囲に位置しているので、ガイド壁32a、32bは通風抵抗とならないように必要最小限の高さH、例えば10mm程度だけケース11の内壁面から突出している。
【0086】
また、ガイド溝32(ガイド壁32a、32b)はスライドドア22(膜状部材221)の往復動経路の全長にわたって形成してある。但し、駆動軸30の配置部位では、ガイド溝32は駆動ギヤ31の回転を可能とする空間に拡大される。
【0087】
スライドドア22を図1のようにケース11内に組み付けた状態においては、図6(b)に示すように補強膜状部材223が風上側に位置し、膜状部材221が風下側に位置する。膜状部材221、223の幅方向両端部のギヤかみ合い用の穴部225、226の周辺部は図8のようにガイド溝32の溝空間内に位置して風下側のガイド壁32bの表面に密着するので、穴部225、226からの風洩れは生じない。
【0088】
ところで、本実施形態では、エアミックス用スライドドア14のガイド溝23、24に、ケース11側の開口部16a、150aの端面周縁部に形成されるシール面29(図1、5)に対して膜状部材141、142を接近させる形状を設定している。同様に、吹出モード用スライドドア22のガイド溝32においても、ケース11側の吹出開口部19〜21の端面周縁部に形成されるシール面38(図1)に膜状部材221を接近させる形状を設定している。
【0089】
以下、膜状部材141、142、221をシール面29、38に対して接近させるガイド溝形状を具体的に説明する。図1において、a、b、cはエアミックス用スライドドア14により開閉される開口部16a、150aの端面周縁部に形成されるシール部のうち、ドア移動方向▲1▼と直交する方向、すなわち、ドア幅方向▲3▼のシール部である。また、d〜hは吹出モード用スライドドア22により開閉される開口部19〜21の端面周縁部に形成されるシール部のうち、ドア移動方向▲2▼と直交する方向、すなわち、ドア幅方向▲5▼のシール部である。
【0090】
上記シール部a〜hのうち、シール部a、d、hは、いずれも、シール面29、38よりも所定量(1〜10mm程度)だけドア移動方向▲1▼、▲2▼の外側部位においてガイド溝23、24、ガイド溝32を風下側へオフセットする形状に成形している。
【0091】
シール部a、d、hのうち、開口部150aの車両前方側のシール部aでは、ガイド溝23、24の風上側のガイド壁23a、24aに風下側(すなわち、ガイド溝23、24の内側方向)へ突出する突出部23c、24cを成形している。そして、風下側のガイド壁23b、24bに開口部16aのシール面29よりも風下側へ後退した凹形状23d、24dを突出部23c、24cの突出形状に沿って成形し、これにより、ガイド溝23、24に風下側へのオフセット形状を設けている。
【0092】
図9は図1のF−F断面図であり、上記突出部23c、24c部分の断面形状を示す。なお、図1のF−F断面位置は空気流通範囲の外側に位置しているので、風下側のガイド壁23b、24bは、ケース11の全幅にわたって成形されている。シール面29もケース11の全幅にわたって成形されていることはもちろんである。
【0093】
これに反し、風上側のガイド壁23a、24a(突出部23c、24c)は10mm程度の所定高さHで成形されている。これはガイド壁23a、24aの高さHを最小限度に抑えてケース11の成形性の悪化を抑制するためである。
【0094】
フット開口部21の車両前方側に位置するシール部dにおいても、シール部aと同様に、ガイド溝32の風上側のガイド壁32aに風下側(すなわち、ガイド溝32の内側方向)へ突出する突出部32cを成形している。そして、突出部32cの突出形状に沿って、風下側のガイド壁32bをフット開口部150aのシール面38よりも風下側へ部分的に後退させて凹部32dを成形している。この風上側ガイド壁32aの突出部32cと風下側ガイド壁32bの凹部32dとの組み合わせによりガイド溝32に風下側へのオフセット形状を設けている。
【0095】
同様に、フェイス開口部19の車両後方側に位置するシール部hにも、風上側ガイド壁32aの突出部32eと風下側ガイド壁32bの凹部32fとの組み合わせによりガイド溝32に風下側へのオフセット形状を設けている。
【0096】
なお、風上側ガイド壁32aの突出部32c、突出部32eの部分のケース内壁面からの突出高さは、図8の高さHと同じである。これに反し、風下側ガイド壁32bの凹部32d、凹部32fの部分は、空気流通範囲の外側に位置しているから、ケース11の全幅にわたって形成される。
【0097】
次に、シール部bは温風通路150と冷風通路16との中間部位(ケース11内部の車両前後方向の中間部位)に位置しているため、このシール部b付近では、ガイド溝23、24を支持部材143のガイドピン143i、143jが通過する。そのため、ガイドピン143i、143jの移動に支障をきたさないように、ガイド溝23、24にその溝幅寸法を狭めるリブ形状は設けてない。従って、このシール部bにおけるシール面29に対しては、膜状部材141、142を風圧および弾性部材143Pの弾性押し付け力により圧着してシール作用を発揮する。
【0098】
次に、シール部cは開口部16aの車両後方側に位置するものであり、このシール部cでは、ガイド溝23、24の内側に持ち上げリブ39を配置している。この持ち上げリブ39は図10に拡大図示するように、開口部16aの車両後方側のシール面29から更に所定寸法だけ開口外側(車両後方側)へずれた位置にてシール面29に近接する位置に配置される。
【0099】
より具体的に述べると、持ち上げリブ39は風上側のガイド壁23a、24aから風下側(すなわち、ガイド溝23、24の内側方向)へずれた位置に配置される。そして、風下側のガイド壁23b、24bのうち持ち上げリブ39に対向する部分は、開口部16aの端面周縁のシール面29よりも風下側へ後退した凹形状23e、24eを形成している。
【0100】
膜状部材141は常にシール面29と持ち上げリブ39との間に挿入された状態を維持して、この両者の間を通過するようになっている。ここで、シール面29と持ち上げリブ39との間の間隔は、膜状部材141の板厚より僅か大きい程度の微小間隔になっている。これにより、膜状部材141の面を確実にシール面29上に接触させることができる。
【0101】
なお、持ち上げリブ39のドア移動方向▲1▼の長さは1〜10mm程度である。持ち上げリブ39もケース11に一体成形することができ、ケース11の成形性等を考慮して持ち上げリブ39は風上側のガイド壁23a、24aと同様に10mm程度の所定高さHでケース11の内壁面から突き出すように成形される。
【0102】
次に、シール部eは、フット開口部21とデフロスタ開口部20との間に位置しており、このシール部eではガイド溝32の溝幅寸法をガイド溝32の他の部分に比較して大幅に小さくしている。このため、風上側のガイド壁32aに、両開口部20、21の端面周縁のシール面38に向かって突出する突出部32gを一体成形している。
【0103】
ここで、突出部32gを風上側のガイド壁32aとともにケース11に一体成形する場合は、成形性からの制約によりシール面38と突出部32gとの間隔、すなわち、ガイド溝32の狭小溝部の幅寸法は1〜2mm程度とする。なお、突出部32g、あるいは突出部32gを有するガイド壁32aを別体で成形すれば、上記狭小部の幅寸法はより一層減少でき、例えば、0.5mm程度に設定できる。
【0104】
次に、シール部fはデフロスタ開口部20の車両後方側に位置し、シール部gはフェイス開口部19の車両前方側に位置するするものであり、この両シール部f、gはともに各開口部19、20の端面周縁のシール面38に膜状部材221をより確実に押し付けるように構成されている。このため、風上側のガイド壁32aに、風下側(ガイド溝32の内側方向)へ突出する突出部32h、32iを成形している。この突出部32h、32iの先端がシール面38よりも更に風下側へ突き出るように突出部32h、32iの突出高さを設定している。
【0105】
なお、両シール部f、gは駆動軸30に隣接している。このため、風上側のガイド壁32aのうち駆動軸30の下方部位では駆動軸30の下方を覆う下側カバー部40を形成する。また、風下側のガイド壁32bのうち駆動軸30の上方部位では駆動軸30の上方を覆う半円筒状の上側カバー部41を形成する。
【0106】
上側カバー部41は上方側(風下側)へ半円筒状に湾曲する形状であるから、突出部32h、32iの先端がシール面38よりも更に風下側へ突き出ても、突出部32h、32iの上方側(風下側)に膜状部材221の通過経路を十分形成できる。
【0107】
上下の両カバー部40、41はケース11の全幅にわたって形成されるので、突出部32h、32iもケース11の全幅にわたって形成される。
【0108】
なお、シール部a〜hにおいて、風上側のガイド壁23a、24a、32aに形成する各突出部23c、24c、32c、32e、32gは、ドア幅方向に対してガイド壁23a、24aの高さHと同じ範囲に形成される。
【0109】
次に、第1実施形態による車両用空調装置の作動を説明すると、エアミックス用スライドドア14が車両前後方向▲1▼に往復動することにより、スライドドア14の支持部材143の開口部144と、温風通路150および冷風通路16の開口部150a、16aとの連通面積が変化して、冷風通路16からの冷風とヒータコア15を通過した温風とを所定の風量割合で混合して所望の吹出温度を得ることができる。
【0110】
なお、図1はエアミックス用スライドドア14が最も車両後方側に移動した最大冷房状態を示しており、この最大冷房状態では、エアミックス用スライドドア14の支持部材143の開口部144が冷風通路16の開口部16aを全開する。一方、支持部材143の車両前方側に連結された膜状部材142が温風通路150の開口部150aを全閉する。
【0111】
エアミックス用スライドドア14を最も車両前方側に移動させると、最大暖房状態となり、この最大暖房状態では、支持部材143の開口部144が温風通路150の開口部150aを全開する。一方、支持部材143の車両後方側に連結された膜状部材141が冷風通路16の開口部16aを全閉する。
【0112】
一方、吹出モード用スライドドア22においても、膜状部材221が車両前後方向▲2▼に往復動することにより、フェイス開口部19、デフロスタ開口部20、およびフット開口部21を切替開閉し、これにより、周知の複数の吹出モード、すなわち、フェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモード、デフロスタモード等を切り替えることができる。
【0113】
次に、エアミックス用スライドドア14における膜状部材141、142および吹出モード用スライドドア22における膜状部材221の曲げ癖の発生に対するシール性確保の作用効果を説明すると、本実施形態ではシール部a、およびシール部c〜hにおいて、いずれも、膜状部材141、142、221を各開口部150a、16a、19〜21の端面周縁のシール面29、38に近接させる形状変更部をガイド溝23、24、32に形成している。このため、膜状部材141、142、221の先端の自由端部141b、142b、221cに曲げ癖が発生しても、ガイド溝23、24、32の上記形状変更部に沿って膜状部材141、142、221をシール面29、38に対し強制的に近接させることができる。
【0114】
特に、ガイド溝23、24、32の形状変更部を、ドア幅方向▲3▼、▲5▼(図1の紙面垂直方向)のシール面29、38に対応して設けているから、膜状部材141、142、221をドア幅方向▲3▼、▲5▼のシール面29、38に対し確実に近接させることができる。
【0115】
このため、膜状部材141、142、221の前後差圧が小さくても、膜状部材141、142、221をドア幅方向▲3▼、▲5▼のシール面29、38に確実に押し付けることができる。ここで、ドア幅方向▲3▼、▲5▼のシール面29、38において膜状部材141、142、221の曲げ癖による隙間が発生すると、前述のように大きな隙間面積が生じて多量の風洩れの原因となるが、本実施形態によると、このドア幅方向▲3▼、▲5▼のシール面29、38における膜状部材の曲げ癖による隙間の発生を防止して、風洩れを効果的に防止できる。
【0116】
また、膜状部材141、142、221を各開口部150a、16a、19〜21の端面周縁のシール面29、38に近接させる形状変更部を、ドア幅方向▲3▼、▲5▼のシール面29、38の近傍のみに設けるから、ドア移動方向▲1▼、▲3▼の全長にわたってガイド溝23、24、32の溝幅寸法を狭くする場合に比較して、ガイド溝23、24、32を有するケース11の成形型の製作が容易となり、ケース11の成形型対応と、シール性の確保とを良好に両立できる。
【0117】
また、シール部aおよびシール部c〜hのうち、シール部eにおいては突出部32gによりガイド溝32の狭小部を形成しているが、この突出部32gのドア移動方向▲2▼の形成範囲は1〜5mm程度の微小範囲であるから、成形型による一体成形にてガイド溝32の狭小部を形成できる。
【0118】
また、シール部aおよびシール部c、d〜f、g、hでは、シール部eのガイド溝32の狭小部よりも、ガイド溝23、24、32の形状変更部の溝幅寸法が大きくしてあるから、この形状変更部を成形型により一体成形する際の対応が容易となる。
【0119】
また、シール部aにおいては、風上側のガイド壁23a、24aの突出部23c、24cによりガイドピン143i、143jひいてはドア14の停止位置を規定するストッパ機能を兼務させることができる。同様に、持ち上げリブ39にもストッパ機能を兼務させることができる。
【0120】
また、シール部f、gにおいては、突出部32h、32iにより膜状部材221を直接、各開口部19、20の端面周縁のシール面38に押し付けることができるから、シール性をより一層向上できる。突出部32h、32iの先端部の対向部位は、上側カバー部41により駆動軸30の収容空間を形成しているから、膜状部材221の移動に支障をきたすことはない。また、突出部32h、32iによる膜状部材221の過度な押し付けはドア操作力の増大を招くから、シール性確保のために必要な最小限度に抑えた方がよい。
【0121】
(第2実施形態)
第1実施形態では、膜状部材141、142、221を各開口部150a、16a、19〜21の端面周縁のシール面29、38に近接させる形状変更部をガイド溝23、24、32に形成しているが、第2実施形態は、膜状部材141、142、221をシール面29、38に近接させるのでなく、各開口部150a、16a、19〜21の端面周縁のシール面を曲げ癖の付いた膜状部材側に近接させるという考え方のものである。
【0122】
図11は第2実施形態を例示するものであり、開口部16aの開口部端面のうちドア幅方向(ドア移動方向▲1▼と直交する方向)の端面から風上側へ突出する突出面29aを形成し、また、開口部16aの開口部端面のうちドア移動方向▲1▼と平行に延びる端面にも風上側へ突出する突出面29bを形成している。
【0123】
ここで、突出面29aの風上側への突出寸法を最大とし、この突出面29aの形成部位から突出面29bはドア移動方向▲1▼において開口部16aの内方側へ向かうに従って突出寸法を減少させるように形成してある。突出面29aの頂部はドア幅方向(ドア移動方向▲1▼と直交する方向)のシール面となり、突出面29bの頂部はドア移動方向▲1▼のシール面となる。
【0124】
そして、ドア幅方向のシール面となる突出面29aの突出寸法を最大として、突出面29aの頂部を風上側のガイド壁23a、24aに近接させることにより、膜状部材141に曲げ癖があっても、膜状部材141を強制的に突出面29aの頂部シール面に近接させて、開口部16aのドア幅方向のシール面からの風洩れを良好に防止できる。
【0125】
また、第2実施形態においても、ドア移動方向▲1▼に延びる突出面29bの突出寸法は突出面29a近傍のみで大きいだけであり、その他の部位(開口部16aの内方側部位)では突出寸法を小さくする形状であるから、風上側のガイド壁23a、24aと突出面29bとの間で微小間隔部を形成する範囲が小さい。そのため、成形型の製作が比較的容易である。
【0126】
なお、第2実施形態を開口部16aに限らず、他の開口部150a、19〜21にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0127】
(第3実施形態)
第1実施形態の説明から理解されるように、スライドドア14、22の膜状部材141、142、221の先端部はいずれも駆動機構に拘束されない自由端部141b、142b、221cである。また、膜状部材141、142、221は駆動軸25、30の回転により駆動軸25、30の部位から押出力によって送り出される場合と、駆動軸25、30の部位に向かって引っ張り力によって引っ張られる場合とが生じる。
【0128】
そして、膜状部材141、142、221が駆動軸25、30の回転により駆動軸25、30の部位から押出力によって送り出される場合には、膜状部材141、142、221の先端の自由端141b、142b、221cがケース11側のガイド溝23、24、32の壁面に引っ掛かって、膜状部材141、142、221にビビリが生じて異音が発生したり、ドア操作力を増大させるという不具合が生じる。
【0129】
第3実施形態はこのような不具合を解消することを目的としており、図12は第3実施形態によるエアミックス用スライドドア14であり、このエアミックス用スライドドア14は、吹出モード用スライドドア22と同様に膜状部材のみで構成されている。すなわち、図12の1つの膜状部材140は、図3の膜状部材141、142および支持部材143に対応する役割を果たすものであり、複数の開口部144は図3の開口部144に対応する。なお、開口部144の周辺部は図6の補強膜状部材223等に相当する剛性増加手段により剛性を増加させるようになっている。
【0130】
また、膜状部材140のドア幅方向▲3▼の両端部近傍には、膜状部材を貫通するギヤかみ合い用の穴部140a、140bが開けてある。この穴部140a、140bは図6のギヤかみ合い用の穴部225、226に対応するものであり、穴部140a、140bに駆動軸25の駆動ギヤ26をかみ合わせることにより、膜状部材140をドア移動方向▲1▼に往復動させる。
【0131】
ところで、膜状部材140の展開形状(平面形状)は図12のように長方形であり、その先端の自由端部140cの4箇所の角部に、曲率半径:1〜4mm程度の円弧状部140dを形成している。
【0132】
エアミックス用スライドドア14を膜状部材140のみで構成する場合は、ガイド溝23、24の溝幅寸法は1〜3mm程度でよい。また、ガイド溝23、24はケース11の形状に沿って曲率半径が種々変化する曲げ形状の組み合わせにてドア移動経路を構成する。
【0133】
従って、膜状部材140の先端の自由端部140cが駆動軸25からの押出力により送り出されるときは自由端部140cがケース11側のガイド溝23、24の壁面に押し付けられながら移動することになる。特に、膜状部材140に風圧が加わると、自由端部140c側の形状は3次元的な複雑な形状となり、自由端部140cの角部がガイド溝23、24の壁面に引っ掛かり易くなる。
【0134】
しかし、第3実施形態によると、自由端部140cの角部が直角状の尖った形状でなく、円弧状部140dにより滑らかな曲面形状にしているから、自由端部140cの角部がガイド溝23、24の壁面に引っ掛かることを防止して、膜状部材140の送り出し時のビビリを防止できる。これにより、膜状部材140のビビリに起因する異音の発生、ドア操作力の増大等の不具合を防止できる。なお、自由端部140cの角部に上記円弧状部140dの代わりに、図13に示す面取り部140eを設けても同様の効果を発揮できる。
【0135】
また、図14に示すように、自由端部140cに円弧状曲げ部140fを形成してもよい。この円弧状曲げ部140fは自由端部140cの幅方向の全長にわたって形成されるものである。そして、膜状部材141が駆動軸25からの押出力によってガイド溝23、24に沿って送り出される場合に、ガイド溝23、24の経路の曲げ方向と円弧状曲げ部140fの曲げ方向とを送り出しの進行方向に対して一致させてある。
【0136】
これにより、ガイド溝23、24の経路に沿って膜状部材141が送り出される場合に、自由端部140cの円弧状曲げ部140fの曲面形状がガイド溝23、24のガイド壁23b、24bに滑らかに接触するので、膜状部材140の送り出し時のビビリをより効果的に防止できる。
【0137】
図15はケース11を構成する左右の分割ケース体111、112の結合面(成形時の型割面)113がガイド溝23、24を形成するガイド壁23a、24aの途中に位置する場合に、ガイド壁23a、24aのうち、結合面113により形成される角部に曲率半径:1〜4mm程度の円弧状部111a、112aを形成している。
【0138】
分割ケース体111、112の結合面113には樹脂成形時のバリが発生しやすいので、膜状部材140の送り出し時に自由端部140cが特に結合面113の角部に引っ掛かりやすい。しかし、図15のように結合面113の角部に円弧状部111a、112aを形成することにより、結合面113の角部にバリのような出っ張りが生じることを防止して、膜状部材140の自由端部140cが結合面113に引っ掛かることを効果的に防止できる。
【0139】
なお、結合面113の角部に円弧状部111a、112aの代わりに、面取り部を形成してもよい。
【0140】
また、第3実施形態はエアミックス用スライドドア14の膜状部材140の送り出し時のビビリ防止について説明したが、吹出モード用スライドドア22の膜状部材221の送り出し時のビビリ防止のために第3実施形態を適用してもよいことはもちろんである。
【0141】
(第4実施形態)
図16は第4実施形態を示すもので、図1のF−F断面図である。従って、図16は第1実施形態の図9に対応する。
【0142】
第1実施形態では図9に示すように風上側のガイド壁23a、24aおよび突出部23c、24cを10mm程度の所定高さHの範囲のみで成形し、そして、ケース11(膜状部材142)の幅方向の左右両側に位置する風上側ガイド壁23a、24aの間は空隙部としているが、第4実施形態では、図16に示すように風上側のガイド壁23a、24aを風下側のガイド壁23b、24bと同様に、ケース11の全幅(膜状部材142の全幅)にわたって成形し、この風上側ガイド壁23a、24aにおいてケース11の幅方向(膜状部材142の幅方向)の中央部に対応する部位に、風下側へ突出する中央突出部40を形成している。なお、図16の1点鎖線Lはケース11の幅方向の中央線である。
【0143】
この中央突出部40は膜状部材142の幅方向の中央部を、ケース側シール面29のうち、シール部aにおける膜状部材幅方向のシール面側へ押し付ける押し付け手段を構成する。
【0144】
そして、この中央突出部40と左右両側の突出部23c、24cとの間に凹部41を形成して、この凹部41の部位では、風上側のガイド壁23a、24aと膜状部材142との間に隙間が生じるようにしている。
【0145】
第4実施形態によると、中央突出部40により膜状部材142の幅方向の中央部をケース側シール面29のうち、シール部aにおける膜状部材幅方向のシール面側へ押し付けることができる。このため、膜状部材142の幅方向の中央部が膜状部材142自身の曲げ癖や自重によってケース側シール面29からガイド溝23、24の幅寸法W(図22参照)以上に大きく開離することを確実に防止できる。
【0146】
これにより、膜状部材142の幅方向の中央部をケース側シール面29に近接させて、図22の隙間xをより確実に減少でき、隙間xによる風洩れ量を低減できる。更には、中央突出部40の押し付け作用により膜状部材142の自由端142bのビビリ音の発生を抑制できる。
【0147】
ところで、図9に示すようにケース11の幅方向の左右両側に位置する風上側ガイド壁23a、24aの間を空隙部としている構成では、膜状部材142の幅方向の中央部には風上側ガイド壁23a、24aの押し付け力が作用しないから、膜状部材142の幅方向の中央部において図22の隙間xが最大となる。
【0148】
そこで、この点に鑑みて、第4実施形態では中央突出部40を設けて膜状部材142の幅方向の中央部にケース側シール面29への押し付け力を作用させて、図22の隙間xを効果的に低減できる。
【0149】
しかも、中央突出部40と左右両側の突出部23c、24cとの間に凹部41を形成して、この凹部41の部位では風上側のガイド壁23a、24aと膜状部材142とが摺動しないから、風上側のガイド壁23a、24aと膜状部材142との摺動面積の増加を抑制して、ドア操作力の増加を抑制できる。
【0150】
また、ケース11には樹脂成形時の歪みが発生し易い。この成形歪みは膜状部材142をケース側シール面29に必要以上に強く押し付ける原因となるが、中央突出部40と左右両側の突出部23c、24cとの間に凹部41を形成することにより、ケース11の成形歪みによる膜状部材142の必要以上の押し付けを緩和できる。
【0151】
(第5実施形態)
図17は第5実施形態を示すもので、第5実施形態では、ケース11(膜状部材142)の全幅にわたって、風下側へ突出する突出部42を風上側ガイド壁23a、24aに形成している。すなわち、第5実施形態では、第4実施形態の凹部41を廃止して、第4実施形態の中央突出部40と左右両側の突出部23c、24cに対応する突出部42をケース11(膜状部材142)の全幅にわたって風上側ガイド壁23a、24aに形成している。
【0152】
第5実施形態によると、突出部42によって膜状部材142の幅方向の全長をケース側シール面29に近接させるから、図22の隙間xを幅方向全長にわたって減少でき、隙間xによる風洩れ量の低減、および膜状部材142の自由端142bのビビリ音の発生をより確実に抑制できる。ただ、第4実施形態の凹部41が廃止されるので、第4実施形態に比較して膜状部材142の摺動面積が増加してドア操作力が増加する等の点で不利な面もある。
【0153】
(第6実施形態)
図18は第6実施形態を示すもので、第6実施形態では、第4実施形態における1個の中央突出部40の代わりに、複数のリブ状の突出部43を、風上側ガイド壁23a、24aにおいて膜状部材142の幅方向中央部付近の複数箇所に対応する部位に形成している。なお、図18では中央線Lの左側の突出部43のみを図示し、中央線Lの右側の対称位置に配置される突出部43は図示していない。
【0154】
この複数のリブ状の突出部43相互間および突出部43と左右両側の突出部23c、24cとの間にそれぞれ凹部41を形成している。
【0155】
第6実施形態においても、膜状部材142の幅方向中央部付近の複数箇所にリブ状の突出部43を形成することにより、第4実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0156】
(第7実施形態)
図19は第7実施形態を示すもので、第7実施形態では、第4実施形態における中央突出部40の代わりに弾性部材44を、風上側ガイド壁23a、24aにおいて膜状部材142の幅方向中央部に対応する部位に接着等により固定している。この弾性部材44は図4(a)に示す弾性部材143pと同種のものであり、自身の弾性反力により膜状部材142をケース側シール面29側へ押し付けるものである。
【0157】
すなわち、弾性部材44は、膜状部材142の幅方向の中央部を、ケース側シール面29のうち、シール部aにおける膜状部材幅方向のシール面へ押し付ける押し付け手段を構成する。従って、第7実施形態においても、第4実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0158】
更に、第7実施形態によると、風上側ガイド壁23a、24aと風下側ガイド壁23b、24bとの間隔が製造上の寸法バラツキにより変化しても、弾性部材44が弾性的に伸縮変形することにより膜状部材142の押し付け力の過不足を吸収できるという利点がある。
【0159】
また、弾性部材44の表面(膜状部材142側の面)に摩擦抵抗が小さくて摺動性のよい樹脂フィルム材料、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム材を接着等により固定して、弾性部材44の表面と膜状部材142との間の摺動性を向上させるようにしてもよい。
【0160】
また、図19では、風上側ガイド壁23a、24aの左右両側部に突出部23c、24cを形成する例を図示しているが、弾性部材44の膜状部材幅方向に対する長さ(図19の左右方向長さ)を図19の例よりも拡大することにより、左右両側の突出部23c、24cを廃止してもよい。
【0161】
(第8実施形態)
第4実施形態では中央突出部40を風上側ガイド壁23a、24aに一体成形しているが、第8実施形態では図20に示すように、中央突出部40を風上側ガイド壁23a、24aから切り離してケース11と別体部品で構成し、この別体部品で構成される中央突出部40を接着、引っ掛け係止構造、ねじ止め等によりケース11に固定する。
【0162】
従って、第4実施形態では中央突出部40をガイド溝23、24と独立に構成することになり、風上側ガイド壁23a、24aと中央突出部40との間には図16の凹部41に対応する空隙部41aが形成される。このようにしても、中央突出部40による膜状部材142の押し付け作用に変わりはないので、第4実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0163】
図18の複数のリブ状の突出部43も同様に、風上側ガイド壁23a、24aから切り離してケース11と別体部品で構成してもよい。また、図19の弾性部材44もケース11と別体部品に固定してもよい。なお、図17〜図20はいずれも図16と同様に図1のF−F断面図である。
【0164】
第4〜第8実施形態はいずれも、図1のシール部aに例をとって説明したが、第4〜第8実施形態を他のシール部b〜hに対して適用してもよい。
【0165】
(第9実施形態)
第4実施形態(図16)では中央突出部40をケース11と一体の風上側ガイド壁23a、24aに一体成形し、また、第7実施形態(図19)では、弾性部材44をケース11と一体の風上側ガイド壁23a、24aに固定しているが、第9実施形態では図21に示すように、風上側ガイド壁23a、24aをケース11と別体部品でロの字状に構成している。
【0166】
そして、この別体部品の風上側ガイド壁23a、24aにおいて、ドア移動方向▲1▼の一端側における膜状部材幅方向▲2▼の左右両側部位に突出部23c、24cを一体成形するとともに、膜状部材幅方向▲2▼の中央部に中央突出部40を一体成形している。また、風上側ガイド壁23a、24aにおいて、ドア移動方向▲1▼の他端側における膜状部材幅方向▲2▼の中央部に弾性部材44を固定している。風上側ガイド壁23a、24aは接着、引っ掛け係止構造、ねじ止め等の手段によりケース11に固定される。
【0167】
第9実施形態によると、風上側ガイド壁23a、24aをケース11と別体部品で構成するから、ケース11の形状を簡素化してケース11の樹脂成形を容易にすることができる。なお、風上側ガイド壁23a、24aのロの字状により形成される中央開口部は、ケース11側の開口部、例えば、温風通路150の開口部150aに対応するものである。
【0168】
(他の実施形態)
なお、上記の各実施形態における、膜状部材の押し付け手段は、図20、図21に例示するように、ケース11あるいは風上側ガイド壁23a、24aと別体で構成することができる。また、各シール部a〜h毎に、ケース11の歪み量を考慮して押し付け手段の突出高さを変更するようにしてよい。
【0169】
また、上記の各実施形態における、膜状部材の押し付け手段をドア移動方向▲1▼、▲2▼に延びるように形成してもよい。
【0170】
また、上記の各実施形態は車両用空調装置における空気通路の開閉について説明したが、本発明は、車両用空調装置における空気通路の開閉に限らず、種々な用途の空気通路の開閉に対して広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す空調ユニット部の断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】第1実施形態のエアミックス用スライドドア単体の斜視図である。
【図4】(a)は図3のD−D断面図、(b)は(a)のE矢視図である。
【図5】図1のA−A断面図である。
【図6】(a)は第1実施形態で用いる吹出モード用スライドドアの正面図、(b)は同ドアの断面図である。
【図7】図1のB−B断面図である。
【図8】図1のC−C断面図である。
【図9】図1のF−F断面図である。
【図10】図1のシール部cの拡大断面図である。
【図11】第2実施形態による要部の拡大断面図である。
【図12】第3実施形態のエアミックス用スライドドアの正面図である。
【図13】第3実施形態のエアミックス用スライドドアの変形例を示す膜状部材角部の拡大図である。
【図14】第3実施形態のエアミックス用スライドドアの他の変形例を示す要部断面図である。
【図15】第3実施形態の更に他の変形例を示す要部断面図である。
【図16】第4実施形態を示す要部断面図で、図1のF−F断面図である。
【図17】第5実施形態を示す要部断面図で、図1のF−F断面図である。
【図18】第6実施形態を示す要部断面図で、図1のF−F断面図である。
【図19】第7実施形態を示す要部断面図で、図1のF−F断面図である。
【図20】第8実施形態を示す要部断面図で、図1のF−F断面図である。
【図21】第9実施形態を示す風上側ガイド壁の分解斜視図である。
【図22】先願発明における問題点の説明に供する断面図である。
【符号の説明】
11…ケース、14…エアミックス用スライドドア、
16…冷風通路(空気通路)、22…吹出モード用スライドドア、
150…温風通路(空気通路)、16a、150a…開口部、
19〜21…吹出開口部、140、141、142、221…膜状部材、
143…支持部材、223…補強膜状部材、25、30…駆動軸(駆動手段)、
26、31…駆動ギヤ(駆動手段)、
141b、142b、221c、140c…自由端、
23、24、32…ガイド溝。

Claims (15)

  1. 空気通路の開口部(16a、150a、19〜21)を形成するケース(11)と、
    前記ケース(11)内に移動可能に配置され、前記開口部(16a、150a、19〜21)を開閉するスライドドア(14、22)と、
    前記スライドドア(14、22)を移動させるための駆動手段(25、26、30、31)とを備え、
    前記スライドドア(14、22)は、前記開口部(16a、150a、19〜21)の風上側に配置され先端部が自由端(141b、142b、221c、140c)となっている可撓性を有する膜状部材(140、141、142、221)により構成されており、
    前記膜状部材(140、141、142、221)の移動をガイドするガイド溝(23、24、32)が前記ケース(11)に設けられ、
    前記膜状部材(140、141、142、221)は前記ガイド溝(23、24、32)によりガイドされて前記自由端(141b、142b、221c、140c)側が前記駆動手段(25、26、30、31)からの押出力によって送り出されるようになっており、
    前記ガイド溝(23、24、32)のうち、前記開口部(16a、150a、19〜21)の開口領域に位置する部位の溝幅寸法を所定の溝幅寸法(W)としたときに、前記ケース(11)における、前記開口部(16a、150a、19〜21)の端面周縁のシール面(29、38)のうち、前記スライドドア(14、22)の移動方向((1)、(2))と直交する方向((3)、(5))のシール面(a〜h)と、前記膜状部材(140、141、142、221)との間隔が、前記所定の溝幅寸法(W)よりも小さくなるように、前記膜状部材(140、141、142、221)を前記移動方向((1)、(2))と直交する方向((3)、(5))のシール面(a〜h)側へ押し付ける押し付け手段(23c、24c、32c、32g、32h、32i、32e、40、42、43、44)を備えることを特徴とする空気通路開閉装置。
  2. 前記押し付け手段(40、43、44)は、前記スライドドア(14、22)の移動方向(▲1▼、▲2▼)と直交する方向(▲3▼、▲5▼)の中央部付近に部分的に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の空気通路開閉装置。
  3. 前記押し付け手段(42)は、前記スライドドア(14、22)の移動方向(▲1▼、▲2▼)と直交する方向(▲3▼、▲5▼)の全幅にわたって配置されていることを特徴とする請求項1に記載の空気通路開閉装置。
  4. 前記押し付け手段(23c、24c、32c、32g、32h、32i、32e、40、42、43)は前記ケース(11)に一体成形されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
  5. 前記押し付け手段(23c、24c、40、44)は前記ケース(11)と別体で成形されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
  6. 前記押し付け手段を弾性部材(143、44)により構成することを特徴とする請求項1、2、3、5のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
  7. 空気通路の開口部(16a、150a、19〜21)を形成するケース(11)と、
    前記ケース(11)内に移動可能に配置され、前記開口部(16a、150a、19〜21)を開閉するスライドドア(14、22)と、
    前記スライドドア(14、22)を移動させるための駆動手段(25、26、30、31)とを備え、
    前記スライドドア(14、22)は、前記開口部(16a、150a、19〜21)の風上側に配置され先端部が自由端(141b、142b、221c、140c)となっている可撓性を有する膜状部材(140、141、142、221)により構成されており、
    前記膜状部材(140、141、142、221)の移動をガイドするガイド溝(23、24、32)が前記ケース(11)に設けられ、
    前記膜状部材(140、141、142、221)は前記ガイド溝(23、24、32)によりガイドされて前記自由端(141b、142b、221c、140c)側が前記駆動手段(25、26、30、31)からの押出力によって送り出されるようになっており、
    前記ガイド溝(23、24、32)のうち、前記開口部(16a、150a、19〜21)の開口領域に位置する部位の溝幅寸法を所定の溝幅寸法(W)としたときに、前記ケース(11)における、前記開口部(16a、150a、19〜21)の端面周縁のシール面(29、38)のうち、前記スライドドア(14、22)の移動方向((1)、(2))と直交する方向((3)、(5))のシール面(a〜h)と、前記膜状部材(140、141、142、221)との間隔が、前記所定の溝幅寸法(W)よりも小さくなるように前記ガイド溝(23、24、32)を構成したことを特徴とする空気通路開閉装置。
  8. 前記移動方向(▲1▼、▲2▼)と直交する方向(▲3▼、▲5▼)のシール面(a〜h)近傍にて前記ガイド溝(23、24、32)の形状が前記シール面(a〜h)側へオフセットするようにしたことを特徴とする請求項7に記載の空気通路開閉装置。
  9. 前記ガイド溝(23、24、32)に、前記移動方向(▲1▼、▲2▼)と直交する方向(▲3▼、▲5▼)のシール面(a〜h)近傍にて前記ガイド溝(23、24、32)の溝幅寸法を部分的に狭めて、前記膜状部材(140、141、142、221)を前記シール面(a〜h)に近接させることを特徴とする請求項7に記載の空気通路開閉装置。
  10. 前記ガイド溝(23、24、32)に、前記移動方向(▲1▼、▲2▼)と直交する方向(▲3▼、▲5▼)のシール面(a〜h)近傍にて前記膜状部材(140、141、142、221)を前記シール面(a〜h)側へ押し付ける押し付け手段(23c、24c、32c、32g、32h、32i、32e)を備えることを特徴とする請求項7に記載の空気通路開閉装置。
  11. 前記押し付け手段(23c、24c、32c、32g、32h、32i、32e)は、前記膜状部材(140、141、142、221)が前記シール面(a〜h)の表面に直接接触するまで前記膜状部材(140、141、142、221)を押し付けるように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の空気通路開閉装置。
  12. 前記膜状部材(140、141、142、221)の前記自由端(141b、142b、221c、140c)の角部に、円弧状部(140d)または面取り部(140e)を形成したことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
  13. 前記膜状部材(140、141、142、221)の前記自由端(141b、142b、221c、140c)に、円弧状の曲げ部(140f)を形成したことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
  14. 車室内へ吹き出される空気を加熱する暖房用ヒータコア(15)と、
    前記暖房用ヒータコア(15)をバイパスして空気が流れるバイパス通路(16)と、
    前記暖房用ヒータコア(15)を通過する空気風量と前記バイパス通路(16)を通過する空気風量との割合を調整するエアミックスドア(14)とを備え、前記エアミックスドア(14)を請求項1ないし13のいずれか1つに記載のスライドドアにより構成したことを特徴とする車両用空調装置。
  15. 温度調整された空調空気を車室内の複数部位に吹き出す複数の吹出開口部(19〜21)と、
    前記複数の吹出開口部(19〜21)を開閉する吹出モードドア(22)とを備え、
    前記吹出モードドア(22)を請求項1ないし13のいずれか1つに記載のスライドドアにより構成したことを特徴とする車両用空調装置。
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