JPH11180129A - 通風路切替装置 - Google Patents

通風路切替装置

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JPH11180129A
JPH11180129A JP9355483A JP35548397A JPH11180129A JP H11180129 A JPH11180129 A JP H11180129A JP 9355483 A JP9355483 A JP 9355483A JP 35548397 A JP35548397 A JP 35548397A JP H11180129 A JPH11180129 A JP H11180129A
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door
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眞弘 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バタフライドアを用いる通風路切替装置にお
いて、ドア本体部の回転軸回りのシール機能の確保とド
ア操作力の低減とを両立させる。 【解決手段】 バタフライドアの回転軸の一端部に構成
した凹状端部107に操作リンク116の軸部117を
連結するとともに、この凹状端部107を操作リンク1
16を介してケース11の軸受穴120に回転可能に嵌
合支持する。ドア本体部100のうち、凹状端部107
の外周側の部位に、同心状に第1円筒部110を設け、
ケース11にはドア本体部100側へ向かって突出する
第2円筒部113を設け、この第2円筒部113を、第
1円筒部110の内周側およびシール材側面部分102
bの端部102cに、微小隙間Xを介して嵌合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に言って、
空気が流れる通風路の切替装置に関するもので、例え
ば、車両用空調装置の吹出モード切替装置に用いて好適
なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用空調装置等に用いられる通
風路切替装置において、空気流れを切り替えるドアとし
てバタフライドアを用いるタイプのものでは、ドア本体
部の側面端部の中央部に回転軸を備え、通風路を形成す
るケースに対してドア本体部を前記回転軸により回転可
能に支持する構成となっている。
【0003】このようなバタフライドアの回転軸回りに
おける風洩れを防ぐためのシール手段として、実用新案
登録第2505278号公報、米国特許第4、402、
486号明細書に記載されたものがある。前者の従来技
術では、ドア本体部の周縁部に設けられたゴム等の弾性
材からなるシール材に上記回転軸回りで鍔状に突出する
突出部を形成して、この突出部をケース内壁面に押し当
てて、回転軸回りのシールを行うようにしている。ま
た、後者の従来技術では、ドア本体部の周縁部に設けら
れたゴム等の弾性材からなるシール材に、上記回転軸回
りで先細りの円筒形状をなす円筒部を形成して、この先
細り円筒部の先端小径部をケース内壁の円筒突出部の外
周面に嵌合し圧着して、回転軸回りのシールを行うよう
にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
従来技術では、シール材の鍔状突出部が常時ケース内壁
面に押し当てられて摺動するとともに、シール材がゴム
のような摩擦係数の大きい弾性体から構成されているの
で、摺動摩擦力が大きくなって、ドア操作力が増大する
という不具合がある。また、ドア軸方向の全長寸法とケ
ース寸法との間の製造公差等によるドア軸方向の寸法ガ
タにより鍔状突出部のケース内壁に対する接触不良(シ
ール不良)が発生して、回転軸回りで風洩れが発生する
場合があった。
【0005】また、後者の従来技術でも、シール材の先
細り円筒部の先端小径部がケース内壁の円筒突出部の外
周面に圧着して摺動するので、やはりドア操作力が増大
するという不具合がある。また、後者の従来技術では弾
性材からなるシール材に先細り円筒部を形成している
が、この先細り円筒部がゴム等の弾性材であるため、円
筒部を真円形状に保持することが困難であり、その結
果、先細り円筒部をケース内壁の円筒突出部の外周面に
嵌合する作業が困難となり、組付作業性が悪いという不
具合がある。
【0006】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
バタフライドアを用いる通風路切替装置において、ドア
本体部の回転軸回りのシール機能の確保と、ドア操作力
の低減とを両立させることを目的とする。また、本発明
は通風路切替装置における組付作業性の向上を図ること
を他の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1〜3記載の発明では、バタフライドア(1
9、20)の回転軸(101)の一端部に、回転軸(1
01)に操作力を加えるための操作部材(116)を連
結するとともに、バタフライドア(19、20)のドア
本体部(100)のうち、回転軸(101)の一端部
(107)の外周側の部位に、同心状に第1円筒部(1
10)を設け、ケース(11)には、ドア本体部(10
0)側へ向かって突出する第2円筒部(113)を設
け、この第2円筒部(113)を、第1円筒部(11
0)の内周側およびシール材(102)の端部(102
c)に対して微小隙間(X)を介して嵌合させることを
特徴としている。
【0008】これによると、微小隙間(X)を介在した
無接触の嵌合シール機構にて、回転軸(101)の一端
部(107)周囲のシール作用を発揮できる。そのた
め、バタフライドア(19、20)の操作時に、摩擦係
数の大きい弾性体による摺動摩擦力が発生せず、バタフ
ライドア(19、20)の操作力を低減できる。しか
も、第1円筒部(110)と第2円筒部(113)との
軸方向の嵌合長さを所定長さに設定することにより、組
付の寸法公差の存在にかかわらず、嵌合シール機構によ
るシール作用を確実に確保できるので、従来技術のよう
な寸法公差によるシール不良が発生しない。
【0009】さらに、ゴムのような弾性体からなる円筒
形状の嵌合部を備えていないので、従来技術に比して組
付作業性も向上できるという利点がある。請求項2記載
の発明では、回転軸(101)の一端部を、連結穴(1
09)を有する凹状端部(107)として構成し、操作
部材(116)に軸部(117)を設け、この軸部(1
17)を連結穴(109)に挿入して凹状端部(10
7)に操作部材(116)を連結するとともに、操作部
材(116)には、軸部(117)の外周側に同心状に
突出する第3円筒部(118)を設け、この第3円筒部
(118)をケース(11)に設けた軸受手段(12
0、121)により回転可能に嵌合支持することを特徴
としている。
【0010】これによると、請求項2記載の発明では、
回転軸(101)の一端部に構成した凹状端部(10
7)に操作部材(116)を連結するタイプのものにお
いて、請求項1による作用効果を良好に発揮できる。ま
た、請求項3記載の発明では、回転軸(101)の一端
部を、軸部(125)を有する凸状端部(108)とし
て構成し、軸部(125)をケース(11)に設けた軸
受手段(120、121)により回転可能に嵌合支持す
るとともに、操作部材(116)に連結穴(127)を
設け、この連結穴(127)に、凸状端部(108)の
軸部(125)の先端側に位置する連結部(126)を
挿入して凸状端部(108)に操作部材(116)を連
結することを特徴としている。
【0011】これによると、請求項3記載の発明では、
回転軸(101)の一端部に構成した凸状端部(10
8)に操作部材(116)を連結するタイプのものにお
いて、請求項1による作用効果を良好に発揮できる。な
お、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記
載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。 (第1実施形態)最初に、本発明を適用する車両用空調
装置の概要を図1により説明すると、図1は車両の車室
内前方部に配置される計器盤(図示せず)の車両幅方向
の略中央位置に配置されるセンタ置きの空調ユニット1
0部を示しており、車両の上下、前後に対して図示の形
態で空調ユニット10が搭載される。
【0013】車室内の助手席側にオフセット配置された
送風機ユニット(図示せず)の出口部が空調ユニット1
0の樹脂製ケース11の最前部の空気入口部11aに接
続されるので、送風機ユニットからの送風空気はこの空
気入口部11aに流入する。そして、この流入空気は冷
凍サイクルの冷房用蒸発器12で冷却された後に、温水
(エンジン冷却水)を熱源とする暖房用ヒータコア13
で再加熱されて温度調整される。
【0014】ここで、板状のエアミックスドア15は回
転軸15aにより回転可能となっており、このエアミッ
クスドア15の回動位置の選択により、暖房用ヒータコ
ア13を通過する温風と、バイパス路14を通過する冷
風との風量割合を調整することができ、これにより、上
記の温度調整を行うことができる。そして、この温度調
整された空気は、乗員頭部への空気吹出のためのフェイ
ス吹出開口部16と、車両窓ガラス内面への空気吹出の
ためのデフロスタ吹出開口部17と、乗員足元部への空
気吹出のためのフット吹出開口部18のいずれか1つま
たは複数に流入する。
【0015】これらの各吹出開口部16〜18への空気
流れの切替は、それぞれ吹出モードドア19〜21によ
り行う。この吹出モードドア19〜21のうち、フェイ
ス、デフロスタ用のドア19、20は以下説明する図2
(または後述の図11)に示すバタフライドアから構成
されている。図2〜図8は第1実施形態によるシールリ
ブタイプのバタフライドア19、20を示すものであっ
て、ドア19、20は、長方形の平面形状を持つドア本
体部100を有し、このドア本体部100は樹脂等の材
料からなる剛性の高い部分(換言すると、非弾性体部
分)を構成する。そして、ドア本体部100の短辺方向
(図3参照)の中央部に回転軸101を一体に成形して
いる。
【0016】ドア本体部100の外周縁部に図3に示す
ようにゴム等の弾性体からなるシール材102を額縁状
に固着している。ここで、ドア本体部100とシール材
102との固着は、例えば、次のごとき一体成形で行う
ことができる。ドア本体部100を成形する成形型内の
所定部位に、シール材102を構成するゴム材料を前も
って挿入しておき、その後に、成形型内に樹脂材料を射
出して成形することにより、ドア本体部100とシール
材102とを一体成形にて固着できる。
【0017】なお、ドア19、20のドア本体部100
を構成する樹脂材料としては、ポリプロピレン、ナイロ
ン、ABS等の樹脂が好適であり、ガラス繊維等のフィ
ラーを混入して強度アップを図るようにしてもよい。ま
た、シール材102の材質としては、ゴム、シリコンゴ
ム、サーモプラスティクエラストマー(TPE)等の弾
性体が好適である。また、ケース11の樹脂材料として
は、上記ドア本体部100と同種の樹脂を用いることが
できる。
【0018】一方、ケース11の吹出開口部16、17
には、鋭角状の傾斜面103、104を持つドア当たり
面105、106を突出形成している。このドア当たり
面105、106の傾斜面103、104に、それぞれ
ドア本体部100のシール材102の外周部分102a
を圧着することにより、ドア本体部100の外周部分を
ケース11に対してシールすることができる。
【0019】なお、図4は、図2のA部拡大図で、シー
ル材102の外周部分102aが傾斜面104に圧着し
た状態を示す。傾斜面103、104の形成は、シール
材102の接触部の面圧を高めてシール効果を高めるた
めである。また、ドア本体部100の側面端部において
も、中央部の回転軸101周囲を除く他の部位では、シ
ール材102の側面部分102b(図3参照)がケース
11の吹出開口部16、17の側壁部のドア当たり面1
14、115(後述の図6参照)に圧着することによ
り、ドア本体部100の側面端部をシールする。
【0020】バタフライドア19、20のドア本体部1
00の回転軸101は、本例では、図3に示すように一
端側Bに凹状端部107を有し、他端側Cに凸状端部1
08を有している。この回転軸101の凹状端部107
側のシール構造を本実施形態では特徴としており、この
凹状端部107側のシール構造を図5〜7に拡大図示し
ている。
【0021】図5〜7において、回転軸101の凹状端
部107は他の部位より外径を大きくして連結穴109
を形成している。この連結穴109は回転軸101の軸
方向の一端側Bに開口し、所定深さの位置に底部を持つ
形状で、かつ、円形の円周方向の一部に平坦面を持つ断
面D形状になっている。そして、凹状端部107の開口
端面部には外周側と内周側の2重の円筒部110、11
1を形成して、この両円筒部110、111の間に環状
凹溝112を形成している。
【0022】一方、ケース11の吹出開口部16、17
の側壁部には、内側へ突出する円筒部113が一体成形
されており、この円筒部113の径方向の左右両側には
ケース内側へ突出するドア当たり面114、115が一
体成形されている。なお、図6の断面図において、t0
はケース11の側壁部の肉厚を示し、t1 はドア当たり
面114、115のケース内側への突出量を示してい
る。
【0023】このドア当たり面114、115は、図6
の断面図示から理解されるように、シール材102の側
面部分102bに対して互い違いに配置されている。す
なわち、図6の左側のドア当たり面114はシール材1
02の側面部分102bの下側に位置し、右側のドア当
たり面115はシール材102の側面部分102bの上
側に位置するように配置されている。また、この両ドア
当たり面114、115にも、図2の傾斜面103、1
04と同様の傾斜面を形成してシール効果を高めるよう
にしてある。
【0024】上記ケース11の円筒部113の先端部
は、回転軸101の環状凹溝112内に嵌入するように
なっている。この際、ケース11の円筒部113の内径
は、図6、7に示すように、回転軸101の内周側円筒
部111の外径との間には十分大きな隙間を介在するよ
うに設定してある。これに対し、ケース11の円筒部1
13の外径は、図7に示すように、回転軸101の外周
側円筒部110の内径およびシール材102の側面部分
102bの端部102cとの間に微小隙間Xを常に保持
するように設定してある。
【0025】このためには、各部品の製造上の寸法公差
を考慮して、微小隙間Xの大きさを設定する必要があ
り、本発明者の検討によると、微小隙間Xは0.1〜
0.4mm、好ましくは、0.1〜0.2mm程度にす
るのがよい。また、この微小隙間Xによる、円筒部11
3と外周側円筒部110との嵌合部の軸方向長さLは、
シール効果確保のために1〜4mm、好ましくは、2〜
3mm程度にするのがよい。
【0026】一方、図6、7において、116はドア駆
動用リンク機構のリンク部材(操作部材)であり、ポリ
アセタール等の樹脂で成形されており、軸部117が一
体成形されている。この軸部117の形状は回転軸10
1の凹状端部107の連結穴109の断面形状に対応し
た断面D形状に成形されており、そして、軸部117を
連結穴109内に圧入することにより、リンク部材11
6を凹状端部107に回り止めして連結できる。
【0027】また、リンク部材116のうち、軸部11
7の外周側の部位に同心状に円筒部118が成形され、
さらにこの円筒部118の先端側に弾性変形可能な係止
片119が複数個(例えば4個)に分割して一体成形さ
れている。ケース11の円筒部113の根元部にはこの
円筒部113より小径の軸受穴120を持つ軸受部12
1が形成してある。そして、この軸受穴120によりリ
ンク部材116の円筒部118を回転自在に嵌合支持す
るとともに、軸受部121の端面部(段差面)に係止片
119の爪部を係止している。
【0028】これにより、回転軸101の凹状端部10
7をリンク部材116を介してケース11の軸受部12
1により回転自在に支持するとともに、リンク部材11
6をケース11の軸受部121の端面部に抜け止め係止
できる。なお、リンク部材116は、図示しないリンク
機構等を介して車両用空調装置の操作パネルの手動操作
機構またはモータ等によるアクチュエータ機構に連結さ
れて、回転駆動される。
【0029】図8は、ドア本体部100の回転軸101
の他端側Cに形成された凸状端部108の支持機構を示
すもので、ケース11の吹出開口部16、17の側壁部
に外方へ円筒状に突出する軸受部122を一体成形して
おり、この円筒状の軸受部122は底部を持った形状で
あるから、ケース11の側壁部は閉じたままであり、外
部への開口部はない。そして、この軸受部122内に回
転軸101の凸状端部108を挿入して回転自在に支持
している。
【0030】また、ケース11の吹出開口部16、17
の側壁部には、軸受部122の径方向の左右両側にケー
ス内側へ突出するドア当たり面123、124が一体成
形されている。このドア当たり面123、124は、前
述の凹状端部107側のドア当たり面114、115と
同様に、シール材102の側面部分102bに対して互
い違いに配置されている。
【0031】すなわち、図8の右側のドア当たり面12
3はシール材102の側面部分102bの下側に位置
し、左側のドア当たり面124はシール材102の側面
部分102bの上側に位置するように配置されている。
また、この両ドア当たり面123、124にも、図2の
傾斜面103、104と同様の傾斜面を形成してシール
効果を高めるようにしてある。
【0032】なお、シール材102の側面部分102b
はドア本体部100だけでなく、回転軸101の凸状端
部108の外周面上にも一体に固着されている。次に、
上記構成において作動を説明する。図2はバタフライド
ア19、20の開放状態を示しており、いま、この開放
状態からリンク部材116によって回転軸101に回転
方向の操作力を加えて、バタフライドア19、20を図
2の反時計方向に所定角度回転させる。これにより、バ
タフライドア19、20のシール部材102の外周部分
102aがケース11の吹出開口部16、17のドア当
たり面105、106の傾斜面103、104に圧着す
ることにより、ドア本体部100の外周部分をケース1
1に対してシールすることができる。
【0033】また、バタフライドア19、20のシール
部材102の側面部分102bがケース11の吹出開口
部16、17の側壁部のドア当たり面114、115に
圧着することにより、ドア本体部100の側面端部をシ
ールすることができる。さらに、回転軸101の周囲に
おいては、ケース11の円筒部113の先端部を、回転
軸101の環状凹溝112内に嵌入するとともに、ケー
ス11の円筒部113の外径と、回転軸101の外周側
円筒部110の内径およびシール材102の側面部分1
02bの端部102cとを、微小隙間Xを介在して、嵌
合している。ここで、微小隙間Xは、前述したように、
0.1〜0.4mm程度の微小なものであり、かつ、こ
の微小隙間Xによる、円筒部113と外周側円筒部11
0との嵌合部の長さLは1〜4mm程度の長さに設定し
ているので、この微小隙間Xにおける風洩れはほとんど
ない。
【0034】従って、リンク部材116の設置に伴って
ケース11の側壁部に軸受穴120による開口部が形成
されていても、上記微小隙間Xによる嵌合部のシール効
果によりケース11内外の間の風洩れを良好に防止でき
る。しかも、ゴム等の弾性体からなるシール材102が
ケース11側に接触しながら摺動することがないいた
め、摩擦係数の大きい弾性体の摺動によるドア操作力の
増大という不具合が発生しない。
【0035】なお、ケース11の円筒部113の軸受穴
120によりリンク部材116の円筒部118を回転自
在に嵌合支持しているので、この嵌合支持部では摺動摩
擦が発生するが、この嵌合支持部では、摩擦係数の小さ
い非弾性体同志の摺動であるから、ドア操作力の増大は
僅少値に抑えることができる。同様に、回転軸101の
凸状端部108と、軸受部122との間も摩擦係数の小
さい非弾性体同志の摺動であるから、ドア操作力の増大
は僅少値に抑えることができる。
【0036】(第2実施形態)図9、図10は第2実施
形態であり、第1実施形態では、回転軸101の一端側
Bに凹状端部107を形成して、この凹状端部107の
連結穴107にリンク部材116の軸部117を連結し
ているが、第2実施形態では、回転軸101の他端側C
だけでなく、一端側Bでも凸状端部108とし、回転軸
101の一端側Bの凸状端部108に円柱状の軸部12
5を設けて、この軸部125をケース11の円筒部11
3の根元部に形成した軸受部121の軸受穴120によ
り回転自在に嵌合支持するとともに、この一端側Bの凸
状端部108の先端部をケース11の外部へ突出させて
いる。
【0037】一端側Bの凸状端部108において、この
外部への突出部分には平坦面126a(図9)を持つ断
面D状の連結部126を形成している。一方、ドア駆動
用リンク機構のリンク部材116には、連結部126の
断面形状に対応した断面D形状の連結穴127が形成し
てあり、この連結穴127に断面D状の連結部126を
圧入することにより、リンク部材116を凸状端部10
8に回り止めして連結している。
【0038】図10の断面図には図示していないが、第
2実施形態においても、ケース11の円筒部113の内
径を、凸状端部108の軸部125の外径との間に十分
大きな隙間を介在するように設定する一方、ケース11
の円筒部113の外径は、回転軸101の円筒部110
の内径およびシール材102の側面部分102bの端部
102cとの間に微小隙間X(図7参照)を常に保持す
るように設定してある。この微小隙間Xの大きさ、およ
び微小隙間Xによる、円筒部113と円筒部110との
嵌合部の長さLは前述の第1実施形態と同じでよい。
【0039】第2実施形態によると、リンク部材116
の連結穴127と回転軸101の凸状端部108とを連
結する連結構造を構成しているが、ケース11の円筒部
113の外径と、回転軸101の円筒部110の内径お
よびシール材102の側面部分102bの端部102c
との間に微小隙間X(図7参照)を常に保持する非接触
のシール機構を構成することにより、前述の第1実施形
態と同じ作用効果を発揮できる。
【0040】なお、上記以外の点では、第2実施形態は
第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。 (第3実施形態)図11は第3実施形態によるシールリ
ブタイプのバタフライドアであって、ドア19、20
は、平板状のドア本体部100を有し、このドア本体部
100は樹脂等の材料からなる剛性の高い部分(非弾性
体部分)を構成し、そして、ドア本体部100の中央部
に回転軸101を一体に成形するとともに、この回転軸
101の両端部をドア本体部100の側面端部から突出
させている。
【0041】さらに、回転軸101部分を境として、ド
ア本体部100の一面側の半分と他面側の半分にそれぞ
れゴム等の弾性体からなるシール材102、102を固
着している。一方、ケース11の吹出開口部16、17
には、鋭角状の突起からなるシールリブ128、129
を逆方向に突出させたドア当たり面130、131を形
成している。このドア当たり面130、131のシール
リブ128、129に、それぞれドア本体部100の一
面側のシール材102と他面側のシール材102を圧着
することにより、ドア本体部100とドア当たり面13
0、131との間のシールを確保する。
【0042】本発明はこのようなシールリブタイプのバ
タフライドアにも適用可能であり、このシールリブタイ
プのバタフライドアにおいて、回転軸101のうち、リ
ンク部材116と連結される凹状端部107もしくは凸
状端部108に円筒部110を形成し、この円筒部11
0およびシール材102の側面部分102bの端部10
2cと、ケース11に形成した円筒部11の外径との間
に、微小隙間X(図7参照)を常に保持する非接触のシ
ール機構を構成すればよい。
【0043】なお、本発明は、車両用空調装置以外の用
途においても、通風路切替装置として広く適用可能であ
ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する車両用空調装置の概略構成を
示す破断斜視図である。
【図2】図1におけるバタフライドアを例示する要部断
面図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるバタフライドアの
平面図である。
【図4】図2のA部拡大図である。
【図5】本発明の第1実施形態の要部の分解斜視図であ
る。
【図6】本発明の第1実施形態の要部断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態の要部の拡大断面図であ
る。
【図8】本発明の第1実施形態の要部断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態の要部の分解斜視図であ
る。
【図10】本発明の第2実施形態の要部断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態によるバタフライドア
を示す要部断面図である。
【符号の説明】
11…ケース、19、20…バタフライドア、100…
ドア本体部、101…回転軸、102…シール材、10
7…凹状端部、108…凸状端部、110、113、1
18…円筒部、116…リンク部材(操作部材)、12
0…軸受穴、121…軸受部、X…微小隙間。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通風路を形成するケース(11)と、こ
    のケース(11)内に回転可能に配設され、空気流れを
    切り替えるドア(19、20)とを備え、 このドア(19、20)を、空気流れの切替作用を果た
    すドア本体部(100)と、このドア本体部(100)
    の中央部に設けられた回転軸(101)と、前記ドア本
    体部(100)に設けられ、弾性体からなるシール材
    (102)とを有するバタフライドアにより構成する通
    風路切替装置において、 前記回転軸(101)の一端部(107)に前記回転軸
    (101)に操作力を加えるための操作部材(116)
    を連結し、 前記ドア本体部(100)のうち、前記回転軸(10
    1)の一端部(107)の外周側の部位に、同心状に第
    1円筒部(110)を設け、 前記ケース(11)には、前記ドア本体部(100)側
    へ向かって突出する第2円筒部(113)を設け、 この第2円筒部(113)を、前記第1円筒部(11
    0)の内周側および前記シール材(102)の端部(1
    02c)に対して微小隙間(X)を介して嵌合させるこ
    とを特徴とする通風路切替装置。
  2. 【請求項2】 前記回転軸(101)の一端部を、連結
    穴(109)を有する凹状端部(107)として構成
    し、 前記操作部材(116)に軸部(117)を設け、この
    軸部(117)を前記連結穴(109)に挿入して前記
    凹状端部(107)に前記操作部材(116)を連結す
    るとともに、 前記操作部材(116)には、前記軸部(117)の外
    周側に同心状に突出する第3円筒部(118)を設け、
    この第3円筒部(118)を前記ケース(11)に設け
    た軸受手段(120、121)により回転可能に嵌合支
    持することを特徴とする請求項1に記載の通風路切替装
    置。
  3. 【請求項3】 前記回転軸(101)の一端部を、軸部
    (125)を有する凸状端部(108)として構成し、
    前記軸部(125)を前記ケース(11)に設けた軸受
    手段(120、121)により回転可能に嵌合支持する
    とともに、 前記操作部材(116)に連結穴(127)を設け、こ
    の連結穴(127)に、前記凸状端部(108)の軸部
    (125)の先端側に位置する連結部(126)を挿入
    して前記凸状端部(108)に前記操作部材(116)
    を連結することを特徴とする請求項1に記載の通風路切
    替装置。
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