JP4277644B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用空調装置における空気通路開閉機構の改良に関する。
従来、車両用空調装置において、空調ユニットの熱交換器を内蔵するケースの左右の側面壁部にフット開口部を開口し、この左右の側面壁部に沿って移動する左右のフットドアを設け、この左右のフットドアにより左右のフット開口部を開閉する構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術によると、左右のフットドアの間に所定の隙間を隔てて他のドア、具体的にはフェイスドアを配置できる。すなわち、左右のフットドアとフェイスドアとを、車両幅方向からみたとき両ドアの作動軌跡がラップするように配置できる。これにより、フットドアとフェイスドアの両者を包含するドア設置スペースを小型化して、空調ユニットの体格を小型化できる利点がある。
特開2002−307929号公報
ところで、上記従来技術では、ケースの左右の側面壁部においてフット開口部の周縁にケース内側へ突出する閉ループ状の内側筒状部を形成し、この内側筒状部のシール面に対応するシール材をフットドアに備え、フットドアが内側筒状部の先端部上を移動するとともに、フット開口部の全閉時には、フットドアのシール材が内側筒状部のシール面に押圧されるようにし、これにより、フット開口部全閉時のシール機能を発揮している。
シール材はパッキン状の弾性部材(例えば、発砲樹脂材)を用いて構成され、フットドアに対して接着等の手段にて固着する旨特許文献1に記載されているが、シール材が内側筒状部のシール面に対応した複雑な形状であるとともにシール材の材質が発砲樹脂材であるので、シール材を樹脂製フットドアと一体成形するには技術的課題が多い。 そのため、シール材を手作業でフットドアに接着することになり、作業性が非常に悪く、コストアップの原因となる。また、手作業であるため、シール材の接着構造が品質的にも安定しないという不具合がある。
なお、特許文献1には、シール材として、ゴム系の弾性材からなり、リップ状のシール形状を持つシール材を使用してもよい旨の他の例が記載されているが、この他の例は文章による記述のみで、シール材とケース側の内側筒状部との配置関係が図示されていないので、ゴム系の弾性材からなるシール材とケース側シール面との具体的シール機構は不明である。
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、車室内へ向かって流れる空気の通路を形成するケースの壁部に沿って移動するドア手段により、ケース壁部の開口部を開閉する車両用空調装置において、シール機構の低コスト化とシール性能確保との両立を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車室内へ向かって流れる空気の通路を形成するケース(11)と、
前記ケース(11)の壁部(11b)に設けられた開口部(27)と、
前記壁部(11b)に沿って移動することにより前記開口部(27)を開閉するドア手段(28)とを備え、
前記開口部(27)は略扇形の開口形状になっており、前記略扇形の開口形状の周縁に前記壁部(11b)から前記ケース(11)の内側に突出する内側筒状部(270)が形成されており、
前記内側筒状部(270)の略扇形の形状のうち、略コの字形状部分の外側面を第1シール面(S1)として構成し、
前記内側筒状部(270)の略扇形の形状のうち、前記略コの字形状部分を除く残余の一辺部の突出高さを前記略コの字形状部分の突出高さより所定量大きくして端面突出部(270a)を構成し、前記端面突出部(270a)の内側面を第2シール面(S2)として構成し、
前記ドア手段(28)は前記壁部(11b)に沿って前記開口部(27)上を移動する略扇形の樹脂製ドア基板(28a)と、前記ドア基板(28a)の略扇形の外縁部に設けられ、薄板形状からなるリップ状シール材(31、32)とを有し、
前記リップ状シール材(31、32)は熱可塑性エラストマーにより前記樹脂製ドア基板(28a)と一体成形され、
前記リップ状シール材は、前記第1シール面(S1)に対応して略コの字形状に配置される第1リップ状シール材(31)と、前記第2シール面(S2)に対応して配置される第2リップ状シール材(32)とにより構成され、
更に、前記第1、第2リップ状シール材(31、32)は前記第1、第2シール面(S1、S2)に対して前記ケース(11)内の風圧を受けて前記第1、第2シール面(S1、S2)に圧接するように配置されていることを特徴としている。
これによると、ケース(11)内の風圧を利用して第1、第2リップ状シール材(31、32)をケース側の第1、第2シール面(S1、S2)に圧接できる。すなわち、第1、第2リップ状シール材(31、32)に自己シール作用を発揮させることができる。
そのため、製造上の寸法バラツキ等の要因によって第1、第2リップ状シール材(31、32)の第1、第2シール面(S1、S2)に対する押しつけ力が低下する場合でも、自己シール作用の発揮によってシール性を良好に確保できる。
しかも、第1、第2リップ状シール材(31、32)の材質として用いる熱可塑性エラストマーは、常温ではゴム弾性を示し、一方、高温加熱時には溶融して流動性を示すものであるから、熱可塑性樹脂と同様に射出成形できるものである。そのため、第1、第2リップ状シール材(31、32)を、ドア手段(28)の樹脂製ドア基板(28a)と容易に一体成形できる。
よって、従来技術のように、パッキン状の弾性部材からなるシール材を手作業でドア基板部に接着するという面倒な作業を廃止でき、ドア手段(28)の製造コストを低減できる。以上により、シール機構の低コスト化とシール性能確保とを両立できる。
特に、請求項1に記載の発明では、略コの字形状部分からなる第1シール面(S1)に端面突出部(270a)の内側面により構成される第2シール面(S2)を組み合わせ、また、第1シール面(S1)に対応して略コの字形状に配置される第1リップ状シール材(31)に第2シール面(S2)に対応して配置される第2リップ状シール材(32)を組み合わせることによって、ドア手段(28)が開口部(27)の全開位置から開口部(27)の全閉近傍の位置までは、第1、第2シール面(S1、S2)と第1、第2リップ状シール材(31、32)とが離れた状態にて、ドア手段(28)を操作できる。このため、略扇形の開口形状からなる開口部(27)の開閉機能を小さいドア操作力にて良好に発揮できる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用空調装置において、前記第1、第2リップ状シール材(31、32)の先端部に沿って堤状の厚肉部(31c、32c)が形成されていることを特徴とする。
これにより、薄板形状からなる第1、第2リップ状シール材(31、32)の先端部の剛性を高めて、第1、第2リップ状シール材(31、32)の先端部が剛性不足により波状に変形することを防止でき、シール性をより一層向上できる。
請求項に記載の発明のように、請求項1または2に記載の車両用空調装置において、前記第2シール面(S2)および前記第2リップ状シール材(32)は具体的には直線状に形成することができる。
請求項に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、前記第1リップ状シール材(31)と前記第2リップ状シール材(32)との間を薄膜(33、34)により接続することを特徴としている。
これによると、第1、第2シール面(S1、S2)と第1、第2リップ状シール材(31、32)との間に生じる隙間(i)を薄膜(33、34)により覆って、この隙間からの風漏れを防止でき、シール性を向上できる。
請求項に記載の発明では、請求項ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置において、前記内側筒状部(270)の外側面に、前記第1シール面(S1)と前記第1リップ状シール材(31)との摺動面積を減少する面取り部(270b)が形成されていることを特徴とする。
これによると、第1シール面(S1)と第1リップ状シール材(31)との摺動摩擦を低減して、ドア操作力を低減できる。
請求項に記載の発明のように、請求項1ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置において、前記ドア手段(28)は、前記ドア基板(28a)の面と垂直な方向に延びる回転軸(29)を中心として回転可能に構成できる。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の車両用空調装置において、前記ケース(11)は車両計器盤内側に配置され、前記壁部は前記ケース(11)の車両幅方向の左右両側の側面壁部(11b)であり、
前記開口部は、前記ケース(11)の左右両側から乗員足元に向かって空気を吹き出すフット開口部(27)であり、
前記ドア手段は前記ケース(11)の左右両側に配置されたフットドア(28)であり、
前記左右両側のフットドア(28)を前記回転軸(29)により一体に連結することを特徴とする。
これにより、車両計器盤内側にて車両幅方向の左右両側に位置するケース側面壁部(11b)のフット開口部(27)をフットドア(28)により開閉するに際して、上記各請求項の作用効果を発揮できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。図1は本実施形態における空調ユニット10部分の断面図であり、図2は空調ユニット10部分の車室側からみた正面図である。この図1、図2に示す空調ユニット10部の全体構成は特許文献1(特開2002−307929号公報)と同じでよいので、以下、空調ユニット10部の概要を説明する。
本実施形態による車両用空調装置の通風系(室内ユニット部)は、大別して、空調ユニット10と図示しない送風機ユニットとの2つの部分に分かれている。送風機ユニットは車室内の計器盤下方部のうち、中央部から助手席側へオフセットして配置されており、これに対し、空調ユニット10は車室内の計器盤内側のうち、車両幅(左右)方向の略中央部に配置されている。
送風機ユニットは周知のごとく内気(車室内空気)と外気(車室外空気)を切替導入する内外気切替箱と、この内外気切替箱を通して空気を吸入して送風する送風機(具体的には遠心式電動送風機)とから構成されている。
空調ユニット10部は、1つの共通の空調ケース11内に蒸発器12とヒータコア13を両方とも一体的に内蔵するタイプのものである。空調ケース11はポリプロピレンのような、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂の成形品からなる。空調ケース11は具体的には複数の分割ケースからなり、この複数の分割ケースを金属バネクリップ、ネジ等の締結手段により一体に結合するようになっている。
空調ユニット10部は、計器盤内側の車両幅方向の略中央部において、車両の前後、上下、左右方向に対して、図1、図2に示す形態で配置されている。空調ケース11の、最も車両前方側部位の側面(助手席側の側面)には空気入口14が形成されている。この空気入口14には、前述の送風機ユニットから送風される空調空気が流入する。
空調ケース11内において空気入口14直後の部位に蒸発器12が配置され、蒸発器12の前面には空気入口14からの送風空気の全量が流入するようになっている。この蒸発器12は周知のごとく冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を送風空気から吸熱して、送風空気を冷却する冷房用熱交換器である。
そして、蒸発器12の空気流れ下流側(車両後方側)に、所定の間隔を開けてヒータコア13が配置されている。このヒータコア13は、蒸発器12を通過した冷風を再加熱するものであって、その内部に高温の温水(エンジン冷却水)が流れ、この温水を熱源として空気を加熱する温水式暖房用熱交換器である。
空調ケース11内の空気通路において、ヒータコア13の上方部位には、このヒータコア13をバイパスして空気(冷風)が流れる冷風バイパス通路15が形成されている。そして、ヒータコア13と蒸発器12との間の部位には平板状のエアミックスドア16が配置されている。このエアミックスドア16は回転軸17を中心として車両上下方向に回転可能になっている。
エアミックスドア16は、ヒータコア13で加熱される温風と、冷風バイパス通路15を通ってヒータコア13をバイパスする冷風との風量割合を調整し、この風量割合の調整により車室内への吹出空気温度を調整する。エアミックスドア16は車室内吹出空気の温度調整手段をなす。
回転軸17の一端部は空調ケース11の外部に突出して、図示しないリンク機構を介して温度調整操作機構に連結される。この温度調整操作機構は、サーボモータ等を用いたアクチュエータ機構または手動操作機構により構成され、エアミックスドア16の回転位置を調整する。
そして、空調ケース11において、ヒータコア13の空気下流側(車両後方側の部位)には、ヒータコア13の直後から上方に向かう温風通路18が形成されている。温風通路18の下流側(上方側)はヒータコア13の上方部において冷風バイパス通路15の下流側と合流し、冷風と温風の混合を行う空気混合部19を形成している。
一方、空調ケース11の上面壁部11aにおいて空気混合部19の直ぐ上方部位、換言すると、空調ケース11のうち上面壁部11aの車両後方側の部位に、フェイス開口部20、21が開口している。このフェイス開口部20、21には空気混合部19から温度制御された空調風が流入する。このフェイス開口部20、21は図2に示すように車両幅方向に4つに分割して配置されている。
車両幅(左右)方向の中心部に位置する2つのフェイス開口部はセンターフェイス開口部20であり、このセンターフェイス開口部20の左右両側部にサイドフェイス開口部21が配置されている。そして、センターフェイス開口部20は図示しないセンターフェイスダクトを介して、計器盤幅方向の中央部上方側に配置されているセンターフェイス吹出口に接続され、このセンターフェイス吹出口から空調風(冷風)を車室内幅方向の中央部において乗員の上半身に向けて吹き出す。
また、サイドフェイス開口部21は、図示しないサイドフェイスダクトを介して、計器盤幅方向の左右両側部に配置されているサイドフェイス吹出口に接続され、このサイドフェイス吹出口から空調風(冷風または温風)を車室内幅方向の左右両側部において乗員の上半身側または側面窓ガラス側へ向けて吹き出す。
空調ケース11内において、フェイス開口部20、21の下側部にフェイスドア22を配置してフェイス開口部20、21を開閉するようになっている。フェイスドア22は図2に示すように車両幅方向に延びる細長い長方形の板状ドアであり、空調ケース11の上面壁部11aの車両後方側端部に配置された回転軸23に連結され、この回転軸23を中心として回転可能になっている。
また、空調ケース11の上面壁部11aにおいてフェイス開口部20、21より車両前方側の部位にデフロスタ開口部24が開口している。このデフロスタ開口部24は空気混合部19から温度制御された空調風が流入するものであって、図示しないデフロスタダクトを介してデフロスタ吹出口に接続され、このデフロスタ吹出口から、車両前面窓ガラスの内面に向けて空調風を吹き出す。
空調ケース11内においてデフロスタ開口部24の下側部にデフロスタドア25を配置して、デフロスタ開口部24を開閉するようになっている。デフロスタドア25はフェイスドア22と同様に車両幅方向に延びる細長い長方形の板状ドアであり、このデフロスタドア25は空調ケース11の内側にてデフロスタ開口部24の車両前方側に配置された回転軸26に連結され、この回転軸26を中心として回転可能になっている。
次に、空調ケース11において車両幅方向の左右両側の側面壁部11b(図2参照)にはフット開口部27が開口している。このフット開口部27は図1に示すようにヒータコア13の上方部に位置する空気混合部19の領域と重合する部位に配置されている。また、フット開口部27は略扇形に形成され、略扇形の要の位置を下方側に配置しているので、フット開口部27の開口面積は下方より上方側で拡大するようになっている。
このように、フット開口部27の略扇形の要の位置を下方側に配置することにより、フェイスドア22の回転軸23から遠ざかる位置に略扇形の要の位置を設定できる。そして、この略扇形のフット開口部27を開閉するために略扇形のフットドア28が回転軸29により回転可能に設けてある。この回転軸29はフット開口部27の略扇形の要の位置に配置されている。また、回転軸29は図2の斜線部に示すように車両幅方向に延びて両端部が空調ケース11に回転可能に支持される。
ここで、略扇形のフットドア28は回転軸29の両端部近傍にて空調ケース11の左右の両側面壁部11bの内面に沿うように配置され、左右の両側面壁部11bの内面に沿って移動することにより、フット開口部27を開閉するようになっている。略扇形のフットドア28と回転軸29は樹脂にて一体成形できる。フット開口部27は空調ケース11の車両幅方向の左右の両側面壁部11bから車室内に開口して、乗員の足元部へ空調風(温風)を吹き出すものである。
図1において、1点鎖線22aはフェイスドア22の回転軌跡範囲を示す。なお、フットドア28は、図1に示すフット開口部27の全開位置から反時計方向に回転してフット開口部27上に重合する全閉位置との間で回転する。
従って、フェイスドア22の回転軌跡範囲22aと、フットドア28の回転軌跡範囲とが車両幅方向(フットドア28のドア面の垂直方向)から見て一部ラップする関係に、両ドア22、28が配置されている。
そこで、両ドア22、28の干渉を回避するために、図2に示すようにフェイスドア22の車両幅方向の長さL1よりも、左右両側の2つのフットドア28の間隔L2を所定量だけ大きくして、左右両側の2つのフットドア28の内側に所定間隔(例えば、5mm程度)隔ててフェイスドア22を配置している。
これにより、両ドア22、28の回転軌跡範囲1)、2)が一部ラップする関係にあっても、フットドア28はフェイスドア22の車両幅方向の左右外側においてケース11の側面壁部11bの内面に沿って回転可能であり、両ドア22、28の干渉を回避できる。
また、フット開口部27の略扇形の要の位置をフェイスドア22の回転軸23から遠ざかる下方位置に設定し、この下方の略扇形の要の位置に回転軸29を配置することにより、フットドア28の回転軸29もフェイスドア22との干渉を回避できる。
次に、フットドア28のシール機構を図3〜図6により説明する。図3はケース11側のフット開口部27の具体的形状を例示するもので、図3(a)はフット開口部27をケース外側から見た正面図であり、図3(b)はフット開口部27部の側面図である。
ケース11の側面壁部11bのうち、フット開口部27の略扇形の要の位置(フット開口部下方の位置)に、フットドア28の回転軸29を回転可能に支持する軸受け穴30が開けてある。
フット開口部27はケース11の側面壁部11bの内側へ突き出す内側筒状部270とケース11の側面壁部11bの外側へ突き出す外側筒状部271とを有している。この両筒状部270、271はともに同一形状、すなわち、略扇形の閉ループ形状で側面壁部11bから突出している。外側筒状部271は図示しないフット吹出ダクトを接続するためのダクト嵌合部を構成する。
そして、内側筒状部270の略扇形の形状のうち、外周辺、内周辺および片側(図3(a)の右側)の側辺からなる略コの字状部分a(図3(a)の1点鎖線a参照)の外側面を第1シール面S1として構成している。
また、内側筒状部270の略扇形の形状のうち、略コの字状部分aを除く残余の一辺部、すなわち、図3(a)の左側の側辺を略コの字状部分aより所定量hだけ一段と高くして、端面突出部270aを構成している。この端面突出部270aにおいて、第1シール面S1に隣接する側の内側面(図3(a)の右側の面)を第2シール面S2として構成している。
次に、フットドア28の具体的構成を図4により説明すると、図4(a)はフットドア28の正面図、図4(b)はフットドア28の右側面図、図4(c)、図4(d)はそれぞれ図4(a)のC−C断面図、D−D断面図である。
フットドア28は平坦なドア面を構成する略扇形の樹脂板材からなるドア基板28aを有し、このドア基板28aの略扇形の要の位置近傍は連結部28bを介して回転軸29に一体に連結されている。ドア基板28aのうち、フット開口部27の内側筒状部270に対向する面は、後述の図5(b)、図6(b)に示すように内側筒状部270の先端部上を移動するようになっている。
ここで、内側筒状部270の先端部とドア基板28aとの間に1mm程度の微小隙間b(図5(b)、図6(b))を設定して、ドア基板28a(フットドア28)の移動時の摺動摩擦を防止している。
ドア基板28aの略扇形の周縁部には、第1シール材31および第2シール材32からなる2種類のリップ状シール材を設けている。第1シール材31はフット開口部27の内側筒状部270の第1シール面S1に接触するもので、ドア基板28aの略扇形の外周辺、内周辺および片側(図4(a)の右側)の側辺からなる略コの字状部分c(図4(a)の1点鎖線c参照)の外縁部に沿って配置される。
第1シール材31は、図4(d)の断面図示形状から理解されるように断面L状の薄板形状からなるリップ状シール材である。そして、断面L状の薄板形状の一方の板部31aがドア基板28aの外縁部に一体に固着され、断面L状の薄板形状の他方の板部31bはドア基板28aの面から略垂直に突き出している。
この板部31bは、より具体的には、図4(d)に示すようにドア基板28aの面に対する垂直線dより微小角度だけ、ドア基板28aの内側方向に傾斜するように形成されている。この板部31bの傾斜は、板部31bの先端部をフット開口部27の内側筒状部270の外側面である第1シール面S1により確実に接触させるためである。
第1シール材31の略コの字形状をフット開口部27の内側筒状部270の略コの字形状よりも所定量大きくして(図5(b)、図6(b)参照)、ドア基板28a(フットドア28)の移動時に第1シール材31がフット開口部27の内側筒状部270の外側を移動するようにしてある。
次に、第2シール材32はフット開口部27の内側筒状部270の第2シール面S2に接触するもので、ドア基板28aの略扇形の形状のうち、残余の片側(図4(a)の左側)の側辺の外縁部に沿って2点鎖線e(図4参照)の範囲に直線状に配置される。
より具体的に説明すると、第2シール材32も図4(c)に断面図示するように断面L状の薄板形状からなるリップ状シール材である。そして、断面L状の薄板形状の一方の板部32aがドア基板28aの外縁部に一体に固着され、断面L状の薄板形状の他方の板部32bはドア基板28aの面に沿って外方へ突き出している。
ここで、ドア基板28aの左側の側辺の外縁部には図4(c)に断面図示するようにドア基板28aの板厚範囲より所定量拡大したフランジ部28cが形成されている。このフランジ部28cは図5(c)に示すように端面突出部270aの先端側へ突出するように形成され、このフランジ部28cの外側端面に第2シール材32の一方の板部32aが一体に固着されている。
第2シール材32の他方の板部32bは、ドア基板28aの板面の延長線f(図4(c)参照)より微小角度だけ、端面突出部270aの先端側へ傾斜するように形成されている。この板部32bの傾斜は、板部32bの先端部を内側筒状部270の先端部と接触させることなく、端面突出部270aの内側面である第2シール面S2に確実に接触させるために形成されている。
ところで、フットドア28は、図1に示すように、フット開口部27の右側位置へ回転操作されることによりフット開口部27を全開する。そして、この全開位置からフットドア28を図1の反時計方向(図5(a)の閉方向)に回転操作することにより、フットドア28がフット開口部27上に重合して、フット開口部27の開度を全開状態から徐々に減少させる。
この際に、フットドア28の第1シール材31がフット開口部27の内側筒状部270の外側の第1シール面S1から開離した状態を維持して、フットドア28の操作力の低減を図る。そして、フットドア28が図5、図6に示すフット開口部27の全閉位置近傍の所定領域まで回転操作されると、第1シール材31が始めて内側筒状部270の外側の第1シール面S1に接触するようになっている。
具体的には、フット開口部27の内側筒状部270の略コの字形状において、右側の全開側の側辺の長さL3を左側の全閉側の側辺の長さL4よりも小さくしている。そして、ドア基板28aおよび第1シール材31の略コの字形状もこの内側筒状部270の略コの字形状に対応して、右側の側辺の長さを左側の側辺の長さよりも小さくしている。
これにより、フットドア28を図1に示す全開位置から反時計方向に回転操作して、フット開口部27の開度を全開状態から減少させる際に、最初は第1シール材31の略コの字形状において外周辺と内周辺との間隔が大きい左側部分が、内側筒状部270の略コの字形状において長さの小さい右側部分に外側に離れて位置し、第1シール材31と第1シール面S1との接触を防ぐようになっている。
図7は図5(b)、図6(b)の要部拡大図で、内側筒状部270の外側面の先端部に第1シール材31と第1シール面S1との接触面積(摺動面積)を減少させる面取り部(テーパ部)270bを形成している。
次に、上記した第1シール材31および第2シール材32を有するフットドア28の製造方法を説明すると、フットドア28のうち、ドア基板28a、連結部28bおよび回転軸29はドア剛体部分であり、ポリプロピレンのような機械的強度が高く、かつ、ある程度の弾性を有する熱可塑性樹脂を射出成形により一体に成形される。
第1シール材31および第2シール材32はフット開口部27の全閉時のシール機能を発揮する弾性材からなるものであり、弾性材の中でも特に熱可塑性エラストマーを用いて構成される。ここで、熱可塑性エラストマーは、常温ではゴム弾性を示し、一方、高温加熱時には溶融して流動性を示し、熱可塑性樹脂と同様に射出成形できるものである。
そのため、フットドア28のドア剛体部分(28a、28b、29)と、第1、第2シール材31、32部分とを2色成形法(複合成形法)にて一体に成形できる。ここで、2色成形法(複合成形法)は周知のごとく、材質の異なる2種類の溶融樹脂を成形金型内に射出して、成形金型内において2種類の樹脂成形体を一体に接合する方法であって、本実施形態では、ドア剛体部分(28a、28b、29)の溶融樹脂を先に成形金型内に射出し、このドア剛体部分(28a、28b、29)の成形体の固化進行中に第1、第2シール材31、32の溶融エラストマーを射出して、成形金型内においてドア剛体部分(28a、28b、29)の成形体に第1、第2シール材31、32の成形体を一体に接合する。
なお、第1シール材31および第2シール材32の先端部は、例えば、0.3mm程度の微小板厚になっているので、剛性が低い。そのため、第1シール材31および第2シール材32の先端部の成形形状が安定せず、波状に変形しやすい。
そこで、本実施形態では、第1シール材31および第2シール材32の先端部に断面円弧状の厚肉部31c、32cを形成している。この厚肉部31c、32cは第1シール材31および第2シール材32の先端部に沿って堤状に延びる形状であり、これにより、第1シール材31および第2シール材32の先端部の剛性を高めて、シール材先端部の波状の変形を抑えるようにしている。
なお、本実施形態において、フェイスドア22とデフロスタドア25とフットドア28は、吹出モード切替用のドア手段であって、各ドア22、25、28の回転軸23、26、29は、車両幅方向(フットドア28のドア基板28aと垂直な方向)に延びるように配置されている。そして、空調ケース11の外表面にて各回転軸23、26、29は図示しないリンク機構を介して吹出モード操作機構に連結されて連動操作されるようになっている。この吹出モード操作機構は、サーボモータ等からなるアクチュエータ機構もしくは手動操作機構により構成される。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。本実施形態の車両用空調装置ではエアミックスドア16により冷風バイパス通路15の冷風風量とヒータコア13に流入して加熱される温風風量との割合を調整して、車室内への吹出空気温度を調整する。また、吹出モード切替用のドア手段をなすフェイスドア22、デフロスタドア25およびフットドア28の操作位置を選択することにより、各種吹出モードを切替設定できる。
この吹出モードとしては、フェイス開口部20、21から空調風を吹き出すフェイスモード、フェイス開口部20、21とフット開口部27の両方から空調風を吹き出すバイレベルモード、フット開口部27から空調風を主に吹き出すと同時に、少量の空調風をデフロスタ開口部24から吹き出すフットモード、デフロスタ開口部24から空調風を吹き出すデフロスタモード等を切替設定できる。
フットドア28はケース11の左右の側面壁部11bの面に沿って回転操作されて、フット開口部27を開閉する作用を果たす。以下、フットドア28によるフット開口部27の開閉作用を具体的に説明する。
フットドア28は、図1に示す位置では、前述したように、フット開口部27の右側に位置してフット開口部27を全開する。そして、この全開位置からフットドア28を図1の反時計方向に回転操作すると、フットドア28のドア基板28aがフット開口部27上に重合して、フット開口部27の開度を全開状態から徐々に減少させる。
この際に、フットドア28の第1シール材31がフット開口部27の内側筒状部270の外側の第1シール面S1に対して所定間隙を隔てて更に外側に離れて位置する。そのため、第1シール材31が第1シール面S1に接触しない。また、フットドア28のドア基板28aと内側筒状部270の先端部との間にも微小隙間bを設定してあるので、ドア基板28aの面が内側筒状部270の先端部と摺動することがない。
これにより、フットドア28とフット開口部27の内側筒状部270との間の摩擦を防止して、フットドア28の操作力を低減できる。フット開口部27の開度はフットドア28の回転操作位置を調整することにより自由に選択できる。
そして、フットドア28を図1の全開位置から反時計方向に所定量回転すると、フットドア28がフット開口部27の全閉位置近傍の所定領域(例えば、フットドア28の全回転範囲のうち、全閉側の20〜30%程度の領域)に到達する。すると、フット開口部27の内側筒状部270の略コの字形状の外側面で構成される第1シール面S1のうち、外周辺および内周辺の部位ではフットドア28の略コの字状の第1シール材31が接触し始める。
この際、内側筒状部270の外側面の先端部に面取り部(テーパ部)270bを形成して、第1シール材31と第1シール面S1との接触面積(摺動面積)を減少させるようになっているので、第1シール材31と第1シール面S1との間の摺動摩擦を減らすことができる。これによっても、フットドア28の操作力を低減できる。
そして、フットドア28がフット開口部27の全閉直前位置まで回転操作されると、フットドア28の直線状の第2シール材32がフット開口部27の内側筒状部270の端面突出部270aに形成される直線状の第2シール面S2に接触し始める。このときには、第1シール面S1のうち、右側の側辺部にもフットドア28の第1シール材31の右側の側辺部が接触し始める。
これにより、フット開口部27の内側筒状部270の略コの字形状の第1シール面S1の全域および直線状の第2シール面S2にフットドア28の第1シール材31および第2シール材32が接触して、フットドア28によりフット開口部27を全閉する。
ところで、図5はフットドア28が正規の全閉位置に回転操作された場合であり、この場合は、直線状の第2シール材32が図5(c)のようにドア基板部28aの外縁部のフランジ部28cと内側筒状部270の端面突出部270aの第2シール面S2との間で強く圧縮変形するので、フットドア28によりフット開口部27を確実に全閉できる。
これに対し、図6は、図5の正規の全閉位置よりも若干量手前の位置でフットドア28が停止した場合を示す。このように、フットドア28が正規の全閉位置よりも若干量手前の位置で停止することは種々の要因で発生し得る。例えば、フットドア28の停止位置制御の精度のバラツキ、組付/加工上の寸法バラツキ、フットドア28の駆動用アクチュエータの駆動トルク不足等の要因でフットドア28が図6の位置で停止する場合が発生し得る。
図6の停止位置であると、図6(c)のように直線状の第2シール材32の変形量が減少して、第2シール材32と第2シール面S2との間のシール性低下が懸念される。同様に、略コの字形状の第1シール材31と第1シール面S1との間においても、第1シール材31が第1シール面S1に接触する際の変形量が減少して、シール性低下が懸念される。
しかし、実際には、ケース11内部において空調風の圧力は図6(c)の矢印gに示すように内側筒状部270および端面突出部270aの先端側からケース側面壁部11b側へと作用する。この風圧によって第2シール材32は端面突出部270aの第2シール面S2に強く押しつけられ、自己シール作用を発揮する。
また、略コの字形状の第1シール材31の形成部位においては、風圧が図6(a)(b)の矢印hに示すように略コの字形状の外側から内側方向へと作用する。この風圧によって略コの字形状の第1シール材31も内側筒状部270の第1シール面S1に強く押しつけられ、自己シール作用を発揮する。
従って、フットドア28が図6の位置で停止した場合でも、第1、第2シール材31、32が上記の自己シール作用を発揮することによってフット開口部27を確実に全閉できる。
なお、薄板形状からなるリップ状の第1、第2シール材31、32の先端部に沿って厚肉部31c、32cを堤状に形成して、シール材先端部の剛性を高めているから、シール材先端部が剛性不足により波状に変形することを抑えて、第1、第2シール材31、32のシール作用をより一層向上できる。
ところで、以上は、本実施形態における第1、第2シール材31、32の基本リップ形状に基づく基本シール構造に関して説明したが、この基本シール構造だけであると、実際上は、第1、第2シール材31、32の接続部位において次のごとき不具合が生じる。
図8(a)は本実施形態の第1、第2シール材31、32の基本リップ形状を示し、図8(b)はこの基本リップ形状に基づく基本シール構造を示す。但し、図8(b)は上述の図6の位置にてフットドア28が停止した場合を示している。この場合には、第1、第2シール材31、32と第1、第2シール面S1、S2との間に細点領域で示す隙間iが形成される。その結果、フットドア28の全閉時に確実なシール作用を発揮できず、風漏れや異音発生の原因となる。
図9(a)(b)はこのような不具合を解消するシール構造を示すものであって、第1シール材31の側端面と第2シール材32の側端面とを接続する第1、第2薄膜33、34を第1、第2シール材31、32と一体に成形している。ここで、第1、第2薄膜33、34は板厚を0.5mm以下、より具体的には0.3mm程度に設計して容易に変形できるようにしてある。
図9(a)は第2シール材32の自由状態を示しており、この図9(a)の状態では第2薄膜34が第1シール材31の側端面に沿って折り曲げられている。これに対し、第2シール材32が端面突出部270aの第2シール面S2に押しつけられ変形すると、第1薄膜33を介して第2薄膜34に引っ張り力が作用して、第2薄膜34は図9(b)に示す展開状態に広がる。
これにより、図8(b)に示す隙間iの領域を第1、第2薄膜33、34により覆ってシールできる。その結果、隙間iからの風漏れを確実に防止できる。
なお、図9(a)(b)では、2面の薄膜からなる第1、第2薄膜33、34により第1、第2シール材31、32の側端面相互間を接続しているが、2面の薄膜でなくても、滑らかな曲面形状(R形状)等により弾性変形が容易になっておれば、1面の薄膜のみで第1、第2シール材31、32の側端面相互間を接続することも可能である。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、第2シール材32を2つの板部32a、32bからなる断面L状の比較的単純な断面形状に形成しているが、図10に例示するように、第2シール材32の板部32bを断面波形状に折り曲げ、この断面波形状により弾性力を持たせてシール作用を発揮するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、フットドア28を回転作動させる例について説明したが、フットドア28を直線状に往復動(スライド)させる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、フット開口部27およびフットドア28の形状として、外周辺および内周辺が円弧状になっている略扇形の形状を採用しているが、フット開口部27およびフットドア28の形状として、外周辺および内周辺が直線形状になっている略扇形に形成してもよい。つまり、略扇形の形状とは逆台形状等の形状も含む。
本発明の一実施形態における空調ユニット部の縦断面図である。 図1の空調ユニット部を車室内側からみた正面図である。 (a)は本発明の一実施形態によるフット開口部側のシール面形状を示す正面図で、(b)は(a)の側面図である。 (a)本発明の一実施形態によるフットドア正面図、(b)は(a)の側面図、(c)は(a)のC−C断面図、(d)は(a)のD−D断面図である。 本発明の一実施形態によるフットドアの正規停止状態でのフット開口部シール状態を示すもので、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のA1−A1断面図である。 フットドアが図5の正規停止位置よりも若干量手前の位置で停止した場合のフット開口部シール状態を示すもので、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(a)のB1矢視図である。 本発明の一実施形態によるフット開口部シール状態を示す要部の拡大断面図である。 (a)は本発明の一実施形態による第1、第2シール材の基本リップ形状を示す要部斜視図、(b)はこの基本リップ形状に基づく基本シール構造を示す要部断面図である。 (a)は図8(a)の第1、第2シール材の基本リップ形状に第1、第2薄膜を追加した状態を示す要部斜視図、(b)は(a)の第1、第2シール材と第1、第2薄膜との組み合わせ形状に基づくシール構造を示す要部断面図である。 第2シール材の変形例を示す要部断面図である。
符号の説明
11…空調ケース、11b…側面壁部、12…蒸発器、13…ヒータコア、
27…フット開口部、270…内側筒状部、270a…端面突出部、
S1、S2…シール面、28…フットドア、28a…ドア基板、29…回転軸、
31、32…シール材。

Claims (7)

  1. 車室内へ向かって流れる空気の通路を形成するケース(11)と、
    前記ケース(11)の壁部(11b)に設けられた開口部(27)と、
    前記壁部(11b)に沿って移動することにより前記開口部(27)を開閉するドア手段(28)とを備え、
    前記開口部(27)は略扇形の開口形状になっており、前記略扇形の開口形状の周縁に前記壁部(11b)から前記ケース(11)の内側に突出する内側筒状部(270)が形成されており、
    前記内側筒状部(270)の略扇形の形状のうち、略コの字形状部分の外側面を第1シール面(S1)として構成し、
    前記内側筒状部(270)の略扇形の形状のうち、前記略コの字形状部分を除く残余の一辺部の突出高さを前記略コの字形状部分の突出高さより所定量大きくして端面突出部(270a)を構成し、前記端面突出部(270a)の内側面を第2シール面(S2)として構成し、
    前記ドア手段(28)は前記壁部(11b)に沿って前記開口部(27)上を移動する略扇形の樹脂製ドア基板(28a)と、前記ドア基板(28a)の略扇形の外縁部に設けられ、薄板形状からなるリップ状シール材(31、32)とを有し、
    前記リップ状シール材(31、32)は熱可塑性エラストマーにより前記樹脂製ドア基板(28a)と一体成形され、
    前記リップ状シール材は、前記第1シール面(S1)に対応して略コの字形状に配置される第1リップ状シール材(31)と、前記第2シール面(S2)に対応して配置される第2リップ状シール材(32)とにより構成され、
    更に、前記第1、第2リップ状シール材(31、32)は前記第1、第2シール面(S1、S2)に対して前記ケース(11)内の風圧を受けて前記第1、第2シール面(S1、S2)に圧接するように配置されていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記第1、第2リップ状シール材(31、32)の先端部に沿って堤状の厚肉部(31c、32c)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記第2シール面(S2)および前記第2リップ状シール材(32)は直線状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記第1リップ状シール材(31)と前記第2リップ状シール材(32)との間を薄膜(33、34)により接続することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 前記内側筒状部(270)の外側面に、前記第1シール面(S1)と前記第1リップ状シール材(31)との摺動面積を減少する面取り部(270b)が形成されていることを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 前記ドア手段(28)は、前記ドア基板(28a)の面と垂直な方向に延びる回転軸(29)を中心として回転可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 前記ケース(11)は車両計器盤内側に配置され、前記壁部は前記ケース(11)の車両幅方向の左右両側の側面壁部(11b)であり、
    前記開口部は、前記ケース(11)の左右両側から乗員足元に向かって空気を吹き出すフット開口部(27)であり、
    前記ドア手段は前記ケース(11)の左右両側に配置されたフットドア(28)であり、
    前記左右両側のフットドア(28)を前記回転軸(29)により一体に連結することを特徴とする請求項に記載の車両用空調装置。
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