JP4315718B2 - 空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両に搭載される空調装置に関し、特に、熱交換器を収容したケースの調和空気導出口をケース内に配設したロータリードアにより開閉するようにした構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車に搭載される空調装置として、ロータリードアの略円弧面状に形成された周壁部をケースの調和空気導出口に対向するように位置付け、前記ロータリードアを回動操作して前記周壁部により導出口を開閉するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この特許文献1の空調装置では、図8に示すように、ロータリードア100の周壁部101にシール部材103が配設され、該シール部材103を導出口周縁のシール面102に圧接させて前記周壁部101とシール面102との間から調和空気が洩れないようにしている。前記シール部材103は、周壁部101からシール面102へ向けて突出しかつロータリードア100の回動軸方向に延びる弾性板状部材から構成されている。そして、シール部材103の周壁部101からの突出長さは、該周壁部101とシール面102との離間距離よりも長く設定され、シール時には、シール部材103の先端側が撓んだ状態でシール面102に圧接し、シール性が十分に確保されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10―53017号公報(第4頁、図1、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特許文献1の空調装置では、例えばロータリードア100を図8の矢印イの方向に回動させて導出口を開放すると、シール部材103の先端側がロータリードア100の回動方向とは反対側の矢印ロの方向に撓んだ状態でシール面102に圧接する。
【0006】
そして、調和空気の吹出モードを切り替える場合に、シール部材103が前記の如くシール面102に圧接した状態からロータリードア100を前記矢印イの方向と反対の矢印ロの方向に回動させる際には、図示しないが、シール部材103先端側が反転して矢印イの方向に撓むようになる。このシール部材103の撓み方向を反転させるときには、シール部材103の突出長さが周壁部101とシール面102との離間距離よりも長いので、シール部材103を折り返すように変形させなければならず、ロータリードア100の操作力が大きくなり、操作性が悪化する。一方、ロータリードア100を前記矢印イの方向に回動させてシール部材103がシール面102に接触した状態から、再び同じ矢印イの方向に回動させる際には、シール部材103の撓み方向が反転しないので、操作力が大きくなることはない。
【0007】
したがって、前記特許文献1の空調装置においては、導出口周縁をシールした状態でロータリードアを回動操作する際、その回動方向により操作力が異なるため、乗員が違和感を感じる。
【0008】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ロータリードアのシール部材をケースの導出口周縁に接触させて該導出口周縁のシール性を十分に確保する場合に、前記導出口周縁をシールした状態でロータリードアを回動させる際、その回動方向に関わらず操作性を良好にして、乗員が違和感を感じないようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、ロータリードアのシール部材を導出口周縁のシール面に撓ませずに接触させるようにした。
【0010】
具体的には、請求項1の発明では、熱交換器を収容したケースに調和空気の導出口が形成されるとともに該導出口周縁にシール面が形成され、前記ケース内には、前記導出口に対向する略円弧面状の周壁部を備えたロータリードアが回動可能に設けられ、前記周壁部には、前記導出口周縁のシール面に接触するシール部材が配設され、前記ロータリードアを回動させて周壁部により導出口を開閉するとともに、前記シール部材により導出口周縁をシールするようにした空調装置を対象とする。
【0011】
そして、前記シール部材は、前記周壁部から前記ケースのシール面へ向けて突出しかつロータリードア回動軸方向に延びる弾性を有する板状シール部を備え、前記ケースのシール面は、前記シール部材の板状シール部先端側が撓まずに接触する第1面部と、該第1面部のロータリードア回動方向一側の縁部からロータリードアの周壁部に近づくように延びる第2面部とからなり、前記シール部材の板状シール部先端側が調和空気の導出時に該調和空気から受ける圧力によりロータリードア回動方向一側へ変位して前記第2面部に接触した状態で支持される構成とする。
【0012】
この構成によれば、例えば、ロータリードアを一側へ回動させてケースの導出口を開放すると、シール部材の板状シール部先端側がシール面の第1面部に接触して導出口周縁がシールされ、前記導出口から調和空気が導出される。
【0013】
この導出口周縁をシールした状態では、前記板状シール部が撓まずに第1面部に接触しているので、前記ロータリードアを一側及び他側のいずれの方向に回動させても、板状シール部の先端側を折り返すように変形させなくてもよく、ロータリードアの操作力が必要以上に大きくなることはない。これにより、導出口周縁をシールした状態でロータリードアを回動させる際、その回動方向に関わらず操作性が良好になり、乗員が違和感を感じることはない。
【0014】
また、調和空気の導出量が空調装置の最大風量に近く比較的多い場合には、その調和空気から受ける圧力により板状シール部先端側がロータリードア回動方向一側へ変位して第1面部から離れるようになる虞れがあるが、この発明では、前記の如く変位した板状シール部先端側が第1面部に連続する第2面部に接触して調和空気の洩れが防止されるので、調和空気の導出量に関わらずシール性が十分に得られる。
【0015】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、シール面の第2面部はシール部材の板状シール部先端側と略平行に延びている構成とする。
【0016】
この構成によれば、調和空気の導出量が比較的多い場合に、板状シール部材先端側が該先端側と略平行に延びる第2面部に接触してそれ以上のロータリードア回動方向一側への変位が確実に阻止される。これにより、調和空気の導出量が多い場合のシール性がより一層高められる。
【0017】
請求項3の発明では、請求項1の発明において、シール面の第2面部はロータリードア回動方向一側に向けて延びかつその回動方向一側へ行くほどロータリードアの周壁部に近づくように傾斜して延びている構成とする。
【0018】
この構成によれば、請求項2の発明と同様に、板状シール部材先端側が第2面部に接触してそれ以上の変位が確実に阻止され、調和空気の導出量が多い場合のシール性がより一層高められる。
【0019】
また、板状シール部先端が第1面部に接触した状態でロータリードアを一側へ回動させる際には、板状シール部先端が第1面部から第2面部に摺接するようになり、この板状シール部が第2面部に摺接するときには、該第2面部が傾斜しているので、ロータリードアの操作力が急に大きくなることはない。これにより、第2面部を形成することによるロータリードアの操作性の悪化を抑えることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
尚、この実施形態の説明では、説明の便宜を図るために、「前」とは車両前後方向の前側を、また「後」とは車両前後方向の後側を、さらに「左」とは車幅方向の左側を、さらにまた「右」とは車幅方向の右側をそれぞれ表すこととする。
【0022】
図2は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置1の外観を示し、この空調装置1は、車室前端に位置するインストルメントパネル(図示せず)内部に配設されており、調和空気を生成する空調ユニット2が左右中央部に位置付けられ、該空調ユニット2に空気を送風する送風ユニット3がその空調ユニット2の左側に隣接配置されている。
【0023】
前記送風ユニット3は樹脂製のケース4を備えていて、該ケース4の後側上部には内気取入口5が形成され、一方、その反対側の前側には外気取入口が形成されている。前記内気取入口5は格子状のグリル7で覆われ、インストルメントパネル内で車室内に開放されている一方、外気取入口は、該外気取入口に接続される外気取入ダクト8を介してフロントウインドガラス前側の車体カウル部(図示せず)を経て車外に連通しており、この外気取入口により車室外の空気を、また前記内気取入口5により車室内の空気をそれぞれケース4内に取り入れるようにしている。
【0024】
前記ケース4内部には、水平左右方向の支持軸周りに揺動する内外気切替ドア(図示せず)が配置されている。この内外気切替ドアの支持軸はケース4上端に支持され、その一方側の端部がケース4から外部に突出し、その突出部には電動アクチュエータ(図示せず)が駆動連結されており、該電動アクチュエータによる内外気切替ドアの支持軸周りの回動切り替えにより、外気取入口及び内気取入口5の一方を開いて他方を閉じるようにしている。
【0025】
また、図示しないが、送風ユニット3のケース4下端には、上下方向に延びる出力軸をケース4内部に臨ませた状態でブロワモータが取り付けられ、該ブロワモータの出力軸には、ケース4内の下半部に収容された遠心式ファンが回転一体に取付固定されている。このケース4下半部の右側には空気の吹出口が形成されていて、前記遠心式ファンの回転により、前記外気取入口及び内気取入口5の一方から取り入れられた空気が吹き出すようになっている。
【0026】
一方、前記空調ユニット2は送風ユニット3のケース4よりも大型の樹脂製ケース10を備えていて、該ケース10はその左右中央部で左側部材11と右側部材12とに2分割されており、その2つの部材11,12がファスナやネジ等を用いて一体化されている。このケース10内部の前側には、図3に示すように、送風ユニット3からの空気を取り入れる空気取入空間Rが設けられ、前記左側部材11における空気取入空間R左側に対応する部分には、前記送風ユニット3の吹出口に接続される空気導入口14が形成されている。
【0027】
前記空気導入空間Rの後側には、空気を冷却する冷却用熱交換器としてのエバポレータ17が縦置きに配置されている。前記エバポレータ17は、図示しないがエンジンルームに配設されたコンプレッサ等と共に冷凍サイクルを構成しており、この冷凍サイクルを循環する冷媒をクーラパイプを介してエバポレータ17に給排することにより、該エバポレータ17を通過する空気を冷却するようにしている。この空気冷却時にエバポレータ17の表面に発生した凝縮水はケース10の底壁に滴下し、該底壁に設けられた排水通路18からケース10外部に排出される。
【0028】
前記ケース10内面の前後中央部には、該ケース10内部をエバポレータ17側の冷風通路20と、その後側の温風通路21とに区画する区画壁23が一体に形成されている。該区画壁23の上下方向中間部は後側へ突出するくの字状に形成されていて、その突出部の上半部に第1開口24が形成される一方、下半部には第2開口25が形成されている。前記冷風通路20は、エバポレータ17下流側の略上半部から後側へ前記第1開口24まで延びており、この冷風通路20によりエバポレータ17を通過した空気の一部ないし全部を直接流すようにしている。
【0029】
一方、温風通路21は、第2開口25から後側に延びた後、上側に向かって斜め前側に延びている。この温風通路21の第2開口25近傍には、空気を加熱する加熱用熱交換器としてのヒータコア27が温風通路21を横切るように配置されている。前記ヒータコア27は図示しないがヒータパイプを介して車載エンジンの冷却水通路に接続されており、エンジンの冷却により昇温した冷却水をヒータコア27に流すことにより、該ヒータコア27を通過する空気を加熱するようにしている。
【0030】
前記冷風通路20の下流端と温風通路21の下流端とは、エアミックス通路30に連通していて、このエアミックス通路30において冷風及び温風を混合させ調和空気を生成している。前記区画壁23の冷風通路20側には、エアミックス通路30への冷風及び温風の流入割合を変更するエアミックスドア31が配設され、該エアミックスドア31の支持軸31aは、区画壁23に隣接しかつ第1開口24及び第2開口25の間でケース10に支持され、その一方側の端部がケース10から外部に突出し、その突出部にはエアミックスドア31を支持軸31a周りに上下に回動させる電動アクチュエータ(図示せず)が駆動連結されている。
【0031】
前記電動アクチュエータによるエアミックスドア31の回動切り替えにより、第1開口24及び第2開口25の開度が変更されるようになっている。すなわち、エアミックスドア31を上側へ回動させて第1開口24を全閉すると第2開口25が全開となってエバポレータ17を通過した空気の全部が温風通路21に流れ込む。一方、エアミックスドア31を下側へ回動させて第1開口24を全開にすると第2開口25が全閉となってエバポレータ17を通過した空気の全部がエアミックス通路30に流れ込む。そして、これら2つの位置の中間位置では、冷風通路20及び温風通路21の各開度を逆方向に相対的に変えて、エアミックス通路30において冷風及び温風の混合割合を変えて調和空気の温度を変更調整するようにしている。
【0032】
前記エアミックス通路30の空気流れ方向下流側はケース10内の上端まで延びていて、このエアミックス通路30の下流端に対応するケース10上壁には、その前側から後側へ順にデフロスタ導出口35、ベント導出口36及びヒート導出口37が並設され、前記エアミックス通路30下流端がこれら導出口35〜37に接続されている。
【0033】
前記デフロスタ導出口35は、ダクト(図示せず)を介して前記インストルメントパネルのデフロスタ吹出しノズルに接続され、また前記ベント導出口36はダクト(図示せず)を介して前記インストルメントパネルのベント吹出しノズルに接続されている。また、前記ヒート導出口37には、ケース10後側壁に一体に形成されたヒートダクト38の上流端が接続されている。このヒートダクト38の下流側は、ケース10の下部まで延びて、その下流端には乗員の足元に調和空気を導くダクト(図示せず)が接続されるようになっている。
【0034】
前記エアミックス通路30内には、前記デフロスタ導出口35、ベント導出口36及びヒート導出口37を選択的に開閉するロータリードア40が配設され、このロータリードア40の回動位置により調和空気の吹出モードが切り替えられるようになっている。
【0035】
前記ロータリードア40は、図4に示すように、大略、円筒を軸線に沿って半分に分割したような形状を有しており、略円弧面状に形成された周壁部41と、この周壁部41の前記軸線方向両端に連続してそれぞれ径方向内側へ延びる端壁部42,42とを備えている。
【0036】
前記各端壁部42は、略半円状に形成され、この端壁部42の周壁部41と反対側の縁部は略直線状に延び、この縁部近傍の軸線対応箇所には左側及び右側支持軸43,43が一体に形成されている。これら左側支持軸43の左端及び右側支持軸43の右端は、前記ケース10の左側壁及び右側壁をそれぞれ貫通して外部に突出していて、この状態でロータリードア40はケース10に支持され、前記軸線周りに回動する。
【0037】
図5に示すように、前記ロータリードア40の右側支持軸43の右端にはリンク部材46が取り付けられていて、該リンク部材46には操作用ワイヤ(図示せず)の一端が連結され、該操作用ワイヤの他端は、インストルメントパネルの空調操作部に設けられた調和空気の吹出モード切替レバー(図示せず)に連結されている。これにより、前記ロータリードア40は、乗員が吹出モード切替レバーにより選択した各吹出モードに対応する回動位置まで回動して停止する。
【0038】
一方、前記ロータリードア40の周壁部41は、各導出口35〜37に対向するように、かつ各導出口35〜37からケース10内側へ離れて位置付けられ、この周壁部41のロータリードア40回動方向一側(図1、図3及び図4の左側)寄りには、開口44,44,…が回動軸方向に複数並設されている。前記ロータリードア40を回動させて周壁部41の開口44,44,…と前記導出口35〜37のうち少なくとも1つと一致をさせると、その導出口が開状態となってエアミックス通路30の調和空気が導出される一方、前記開状態以外の導出口が周壁部41により閉状態とされる。
【0039】
また、ロータリードア40の周壁部41には、該周壁部41と各導出口35〜37周縁との間からの調和空気の洩れを防ぐシール部材50,50,…が周方向に間隔をあけて7箇所に配設されている。各シール部材50は、例えばゴム等の弾性板状部材からなり、周壁部41外面からロータリードア40の回動軸径方向外側へ突出しかつその回動軸方向に長く延びる大略矩形状に形成されている。
【0040】
前記各シール部材50は、図6に示すように、その周壁部41側である基端側が断面略矩形状に形成され、該基端側にはシール部材50の長手方向両端に亘って延びる溝部50bが厚み方向両側にそれぞれ形成されている。これら溝部50b,50bの幅は、前記ロータリードア40の周壁部41の厚みに対応している。一方、各シール部材50の先端側は、その先端側へ行くほど薄肉に形成された板状シール部50aとされている。
【0041】
また、ロータリードア40の周壁部41には、前記シール部材50の溝部50b,50bの両底面間の距離と略同じ幅を有するスリット41aが回動軸方向に直線状に形成されている。そして、前記シール部材50を周壁部41に組み付ける際には、シール部材50を周壁部41の内側に位置付けてからその先端側をスリット41aに押し込んで、該スリット41a周縁を溝部50b,50bに嵌入させる。これにより、シール部材50がスリット41aから抜けることなく強固に保持されるとともに、シール部材50とスリット41a周縁との間からの調和空気の洩れが防止される。
【0042】
また、図1に示すように、前記ケース10の各導出口35〜37周縁におけるケース10内部側の面には、シール部材50の板状シール部50aが接触するシール面60,60,…がそれぞれ形成されている。デフロスタ導出口35前側のシール面60は、該デフロスタ導出口35よりも前側へ離れて形成され、またデフロスタ導出口35及びベント導出口36の間のシール面60は、これら導出口35,36の間に配設された縦板部64下端面に形成されている。また、ベント導出口36及びヒート導出口37の間のシール面60は、ケース10内側へ窪む凹条部65の先端面に形成され、さらに、ヒート導出口37後側のシール面60は、ケース10のエアミックス通路30とヒートダクト38内通路との間の区画壁66上端前面に形成されている。
【0043】
前記縦板部64下端面のシール面60には、図6に示すように、左右に延びる一対の溝部60a,60aが、ロータリードア40の回動方向に離れて形成されている。各溝部60aは、ケース10内側に開放するコ字状断面を有していて、その底面(第1面部)60bは、ロータリードア40の回動軸と略平行に延びる平坦な面からなる。また、前記各溝部60aの底面60bに連続する側面(第2面部)60cは、ロータリードア40の周壁部41へ向けてかつ前記底面60bに対して略垂直に延びている。尚、図1及び図3に示すように、各導出口35〜37周縁の各シール面60には、前記縦板部64下端面のシール面60の溝部60a,60aと同様の一対の溝部60a,60aがそれぞれ形成されている。
【0044】
そして、前記ロータリードア40が各吹出モードに対応する回動位置となったときには、シール部材50の板状シール部50a先端が前記溝部60a,60aのうちロータリードア40の回動方向他側(図1、図3及び図4の右側)の溝部60a内に位置して底面60bに接触する。前記板状シール部50aの周壁部41からの突出長さと、該周壁部41及び底面60bの離間距離とは略同じに設定されていて、板状シール部50a先端が底面60bに接触した状態では、板状シール部50aが撓まないようになっている。尚、各シール面60に同形状の溝部60a,60aが形成されているので、ロータリードア40の停止位置が製造誤差等によりずれても、板状シール部50aを一方の底面60bに接触させることが可能となり、十分なシール性が確実に得られるようになっている。
【0045】
また、前記ロータリードア40の他側への回動限界は、図1に実線で示すように、周壁部41の開口44,44,…がベント導出口36と略一致して該ベント導出口36が全開となるベントモード位置とされている。このベントモード位置では、周壁部41によりデフロスタ導出口35及びヒート導出口37が全閉となるとともに、それらデフロスタ導出口35及びヒート導出口37周縁のシール面60,60にシール部材50,50の板状シール部50a,50a先端側が接触してシールされ、白抜きの矢印ハで示すように、調和空気がベント導出口36のみから導出される。
【0046】
このベントモードのときに、調和空気の導出量を空調装置1の最大風量近くに設定すると、前記シール部材50の板状シール部50aが調和空気から圧力を受けて、該板状シール部50a先端側がロータリードア40の回動方向一側及び他側の一方に変位する。すなわち、シール部材50,50のうちデフロスタ導出口35及びベント導出口36の間のシール面60に接触している板状シール部50aは、図6に仮想線で示すように、ロータリードア40の回動方向他側へ変位する。こうなると、板状シール部50aの先端と溝部60aの底面60bとの間に隙間が生じて調和空気が洩れる虞れがあるが、この実施形態では、前記のように変位した板状シール部50aの先端が、溝部60aのロータリードア40回動方向他側の側面60cに接触して調和空気の洩れが防止される。一方、図示しないが、前記の如く調和空気の導出量が比較的多いと、ベント導出口36及びヒート導出口37の間のシール面60に接触している板状シール部50aは、ロータリードア40の回動方向一側へ変位する。この場合も前記と同様に板状シール部50aの先端側が溝部60aのロータリードア40回動方向一側の側面60cに接触して調和空気の洩れが防止される。
【0047】
また、ロータリードア40の一側への回動限界は、図1に仮想線で示すように、周壁部41のロータリードア40回動方向他側の縁部がデフロスタ導出口35及びベント導出口36の間に位置してデフロスタ導出口35が全開となるデフロスタモード位置とされている。このデフロスタモード位置では、周壁部41によりベント導出口36及びヒート導出口38が全閉となるとともに、それらベント導出口36及びヒート導出口38周縁が前記ベントモードの場合と同様にシールされ、調和空気がデフロスタ導出口35のみから導出するようになる。
【0048】
また、図示しないが、前記ロータリードア40は、調和空気の吹出モード切替レバーにより選択された各吹出モードに対応して前記ベントモード位置からデフロスタモード位置までの間の所定位置で停止するようになっており、これにより、調和空気がヒート導出口37のみから吹き出すヒートモードや、ベント導出口36及びヒート導出口37から吹き出すバイレベルモード等に切り替えられる。
【0049】
以上のように構成された空調装置1では、ロータリードア40の周壁部41を各導出口35〜37に対向させた状態で回動可能にケース10に支持し、周壁部41に各導出口35〜37周縁のシール面60へ向けて突出する板状シール部50aを備えるシール部材50を配設し、各シール面60に溝部60a,60aを形成して該各溝部60aの底面60bを板状シール部50aの先端側が撓まずに接触するように位置付けたので、乗員が、例えば、ベントモード位置よりも一側にあるロータリードア40を他側へ回動させてベントモード位置にした後、そのロータリードア40を反対側の一側へ回動させてデフロスタモード位置にする際に、板状シール部50aの先端側を折り返すように変形させなくてもよく、ロータリードア40の操作力が大きくなることによる操作性の悪化を防止できる。
【0050】
また、例えば、乗員がデフロスタモード位置にあるロータリードア40を他側へ回動させてヒートモード位置とした後、さらに、他側へ回動させる際にも、シール部材50の板状シール部50aがシール面60に撓まずに接触しているので、両者50a,60が強く摺接することはなく操作力が小さくなり、操作性を良好にできる。
【0051】
これらにより、各導出口35〜37周縁をシールした状態にあるロータリードア40を回動させる際、その回動方向に関わらず操作力を小さくかつ略等しくすることができるので、乗員が違和感を感じるのを防止できる。
【0052】
また、例えば、ベントモードのときに、調和空気の導出量が比較的多く、前述のように板状シール部50a,50a先端側がロータリードア40の回動方向一側及び他側へ変位した際には、その板状シール部50a先端側が溝部60aの側面60c,60cに接触してシール性が得られるとともに、板状シール部50a先端側のそれ以上の変位が阻止されるので、調和空気の導出量に関わらず調和空気の洩れを確実に防止できる。
【0053】
尚、この実施形態では、各シール面60にコ字状断面を有する溝部60a,60aを左右に延びるように形成してその底面60bにシール部材50の板状シール部50aを接触させるようにしているが、図7に示す変形例のように、シール面60に断面略円弧状の溝部60dを形成するようにしてもよい。この場合、板状シール部50aは、溝部60aの幅方向中央部の底面(第1面部)60bに接触するようになっている。また、前記溝部60aの両側面(第2面部)60c,60cは、底面60bのロータリードア40回動方向一側及び他側の縁部からそれぞれ一側及び他側に延びていて、それらは先端側へ行くほど周壁部41に近づくように傾斜している。そして、調和空気の導出量が比較的多い場合には、前記実施形態と同様に板状シール部50aの先端側が変位して溝部60aの側面60cに接触し、これにより、調和空気の洩れを防止できる。
【0054】
この場合、板状シール部50a先端が第1面部60bに接触した状態でロータリードア40を回動させると、板状シール部50a先端が第2面部60cに摺接するようになり、このときに第2面部60cが前記の如く傾斜しているので、板状シール部50a先端の摺接力は徐々に増加する。これにより、ロータリードア40の操作力が急に大きくなることはなく、第2面部60cを形成することによるロータリードア40の操作性の悪化を抑えることができる。
【0055】
また、この実施形態では、周壁部41に複数の開口44,44,…を有するロータリードア40を用いて、各導出口35〜37のうち少なくとも1つと開口44,44,…とが略一致するまでロータリードア40を回動させてその導出口を開くようにしているが、これに限らず、図示しないが、例えば導出口が2以下の場合では、周壁部に開口を形成することなく、周壁部が導出口と重ならない位置となるまでロータリードアを回動させることにより導出口を開くように構成してもよい。
【0056】
さらに、本発明は、車両用以外のロータリードア40を備える空調装置に適用することも可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る空調装置によると、ロータリードアのシール部材が、周壁部からシール面へ向けて突出する弾性板状シール部を備え、シール面が、板状シール部先端側が撓まずに接触する第1面部を備えているので、導出口周縁をシールした状態にあるロータリードアをいずれの方向に回動させても、板状シール部の先端側を折り返すように変形させなくてもよく、これにより、ロータリードアの回動方向に関わらずその操作性を良好にできて、乗員が違和感を感じるのを防止できる。また、前記シール面は第1面部の縁部からロータリードアの周壁部に近づくように延びる第2面部を備え、板状シール部先端側が、導出時の調和空気から受ける圧力により第2面部に接触した状態で支持されるので、調和空気の導出量に関わらずシール性を十分に得ることができる。
【0058】
請求項2記載の発明によると、シール面の第2面部はシール部材の板状シール部先端側と略平行に延びているので、調和空気の導出量が比較的多い場合に、板状シール部材先端側が第2面部に接触してそれ以上の変位が確実に阻止され、これにより、調和空気の導出量が多い場合のシール性がより一層高められる。
【0059】
請求項3記載の発明によると、シール面の第2面部はロータリードア回動方向一側に向けて延びかつその回動方向一側へ行くほどロータリードアの周壁部に近づくように傾斜して延びているので、請求項2の発明と同様に、調和空気の導出量が多い場合のシール性をより一層高めることができる。また、板状シール部先端が第1面部に接触した状態でロータリードアを一側へ回動させる際に、第2面部が傾斜しているのでロータリードアの操作力が急に大きくなることはなく、これにより、第2面部を形成することによるロータリードアの操作性の悪化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 吹出モードがベントモードにある空調ユニットの上部を拡大して示す縦断面図である。
【図2】 空調装置を後側から見た斜視図である。
【図3】 空調ユニットの内部構造を示す縦断面図である。
【図4】 ロータリードアを右側から見た斜視図である。
【図5】 図1のA−A線における断面図である。
【図6】 図1の縦板部下端のシール面及びシール部材の拡大図である。
【図7】 変形例に係る図6相当図である。
【図8】 従来構造を示し、シール部材がシール面に接触した状態の拡大図である。
【符号の説明】
10 ケース
17 エバポレータ(熱交換器)
27 ヒータコア(熱交換器)
35 デフロスタ導出口
36 ベント導出口
37 ヒート導出口
40 ロータリードア
41 周壁部
50 シール部材
50a 板状シール部
60 シール面
60b 底面(第1面部)
60c 側面(第2面部)

Claims (3)

  1. 熱交換器を収容したケースに調和空気の導出口が形成されるとともに該導出口周縁にシール面が形成され、前記ケース内には、前記導出口に対向する略円弧面状の周壁部を備えたロータリードアが回動可能に設けられ、前記周壁部には、前記導出口周縁のシール面に接触するシール部材が配設され、前記ロータリードアを回動させて周壁部により導出口を開閉するとともに、前記シール部材により導出口周縁をシールするようにした空調装置であって、
    前記シール部材は、前記周壁部から前記ケースのシール面へ向けて突出しかつロータリードア回動軸方向に延びる弾性を有する板状シール部を備え、
    前記ケースのシール面は、前記シール部材の板状シール部先端側が撓まずに接触する第1面部と、該第1面部のロータリードア回動方向一側の縁部からロータリードアの周壁部に近づくように延びる第2面部とからなり、
    前記シール部材の板状シール部先端側は、調和空気の導出時に該調和空気から受ける圧力によりロータリードア回動方向一側へ変位して前記第2面部に接触した状態で支持されることを特徴とする空調装置。
  2. 請求項1において、
    シール面の第2面部はシール部材の板状シール部先端側と略平行に延びていることを特徴とする空調装置。
  3. 請求項1において、
    シール面の第2面部はロータリードア回動方向一側に向けて延びかつその回動方向一側へ行くほどロータリードアの周壁部に近づくように傾斜して延びていることを特徴とする空調装置。
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