JP3671538B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に半円筒状のロータリドア部にて吹出空気開口部を切替えるようにした車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は先に、特開平8−25945号公報において、半円筒状のロータリドア部にて複数の吹出空気開口部を切替えるようにした車両用空調装置を提案している。この従来の装置では、円弧状の円周壁(外周面)を有する半円筒状のロータリドアをケース内に回動可能に設けるとともに、このケースにおいてロータリードアの円周壁が回動する領域に、円弧状に開口した複数の吹出空気開口部を設けている。
【0003】
そして、このロータリドアの外周部にフィルム部材を配設するとともに、このフィルム部材に風圧を加えるためのドア通風口をロータリドアの円周壁に開けている。また、フィルム部材には、前記吹出空気開口部と連通し得るフィルム開口部を設けている。
一方、エアミックスドアにて温度調整された空調風はロータリドアの半円筒状の開口端面からドア内部に流入させるようになっている。
【0004】
空調装置の吹出モードの切替は、ロータリドアを回動操作して、その回動位置を選択することにより、複数の吹出空気開口部を選択的に開閉する。すなわち、フィルム部材のうちフィルム開口部のない部分がケース側の吹出空気開口部の周縁部に風圧により圧接することにより、フィルム部材にて吹出空気開口部を閉塞し、一方、フィルム部材の開口部と吹出空気開口部とが重畳して、この両者が連通することにより、空気通路を開放し、この開放された吹出空気開口部を通して車室内へ空調空気を吹き出すようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者らは上記従来装置に基づいて、次のごとき試作品を実際に試作し、検討した。すなわち、半円筒状のロータリドアに対して、ケース側の複数の吹出空気開口部(具体的には、フェイス用、フット用、デフロスタ用の3つの吹出空気開口部)を同等間隔で、かつ同等の円周方向長さで配置し、そして、ロータリドアのフィルム開口部の円周方向長さをドア円周方向長さの1/4に設定して、フェイスモード→フットモード→デフロスタモードの切替のために、ロータリドアを同等の作動角づつ回動させるものを試作した。
【0006】
この試作品によれば、複数の吹出空気開口部を同等の円周方向長さで形成しているので、各吹出モードにおける吹出風量が同等となる傾向にあった。
しかしながら、市場におけるニーズは、冷房能力増大のニーズが強く、従って、フェイスモードでの吹出風量を他のフットモード、デフロスタモードでの吹出風量より多くすることが望まれている。しかるに、上記試作品の構成では、各吹出モードにおける吹出風量が同等となる傾向にあるので、このような要求への対応が困難であることが分かった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みて、半円筒状のロータリドアを用いて吹出空気開口部を切替えるようにした車両用空調装置において、フェイスモードでの吹出風量を他のフットモード、デフロスタモードでの吹出風量より増加することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
請求項1記載の発明では、空気通路をなすケース(1)内に、半円筒状のロータリードア(91)を回動可能に配設し、このロータリードア(91)の円周壁(91b)にドア通風口(91d)を開口し、ロータリードア(91)の円周壁(91b)の外周側に、可撓性を有するフィルム部材(92)を配設し、このフィルム部材(92)に、ドア通風口(91d)と常に連通するフィルム開口部(92a)を開口し、ロータリードア(91)の円周方向端面には、この端面を全面的に開口する空気流入面(91j)を形成し、この空気流入面(91j)から熱交換後の空気がロータリードア(91)内に流入するとともに、ロータリードア(91)の回動により、フィルム開口部(92a)と、フェイス用、フット用、デフロスタ用の各吹出空気開口部(5、6、7)との連通および遮断を選択するようにした車両用空調装置であって、
フェイス用吹出空気開口部(5)の開口角度θ5を、フット用吹出空気開口部(6)およびデフロスタ用吹出空気開口部(7)の開口角度θ6、θ7より大とし、フィルム開口部(92a)の開口角度θ4をフェイス用吹出空気開口部(5)の開口角度θ5と略同等ないしは若干大きめとし、
フェイスモード時の回動位置とフットモード時の回動位置との間で、ロータリードア(91)を回動させるときのロータリードア作動角をθ1とし、
フットモード時の回動位置とデフロスタモード時の回動位置との間で、ロータリードア(91)を回動させるときのロータリードア作動角をθ2としたとき、
θ1>θ2に設定したことを特徴としている。
【0009】
このように、開口角度θ5>開口角度θ6、θ7とし、これに伴って、ロータリードア作動角θ1>ロータリードア作動角θ2とすることにより、フェイスモード時の吹出風量をフットモード時、デフロスタモード時の吹出風量よりも増加できる。この場合、ロータリードア91が半円筒状であって、その円周方向端面を全面的に開口する空気流面91jからドア内部へ空気が取り入れられるため、ロータリードア91が円筒状である場合に比して、ドア空気取入部の通風抵抗が非常に小さくすることができ、このことも相まって、フェイスモード時の吹出風量を効果的に増加でき、冷房能力の増加を図ることができる。
【0010】
また、請求項2記載の発明では、空気通路をなすケース(1)内に、円弧状の円周壁(91b)を有する半円筒状のロータリードア(91)を回動可能に配設し、このロータリードア(91)の円周壁(91b)にドア通風口(91d)を開口し、ロータリードア(91)の円周方向端面には、この端面を全面的に開口する空気流入面(91j)を形成し、この空気流入面(91j)から熱交換後の空気がロータリードア(91)内に流入するとともに、ロータリードア(91)を回動することにより、ドア通風口(91d)と、フェイス用、フット用、デフロスタ用の各吹出空気開口部(5、6、7)との連通および遮断を選択するようにした車両用空調装置であって、
フェイス用吹出空気開口部(5)の開口角度θ5を、フット用吹出空気開口部(6)およびデフロスタ用吹出空気開口部(7)の開口角度θ6、θ7より大とし、ドア通風口(91d)の開口角度θ4をフェイス用吹出空気開口部(5)の開口角度θ5と略同等ないしは若干大きめとし、フェイスモード時の回動位置とフットモード時の回動位置との間で、ロータリードア(91)を回動させるときのロータリードア作動角をθ1とし、
フットモード時の回動位置とデフロスタモード時の回動位置との間で、ロータリードア(91)を回動させるときのロータリードア作動角をθ2としたとき、
θ1>θ2に設定したことを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1におけるフィルム部材(92)を廃止して、ロータリードア(91)の回動により、ドア通風口(91d)にて各吹出空気開口部(5、6、7)の開閉を直接行うものであって、請求項1と同様に、フェイスモード時の吹出風量を効果的に増加でき、冷房能力の増加を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1〜図6は第1実施形態を示すもので、図1は本発明を適用した車両用空調装置(カーエアコン)における通風系の全体構成を示すものである。樹脂製のケース1は空調装置の空気通路を構成するものであって、このケース1は通常、車室内前部の計器盤(図示せず)内に設置される。このケース1内には、図1の右上部(車両前方側の上部)に、送風手段としての送風機2が配設されている。
【0013】
この送風機2はモータにより駆動される周知の遠心多翼ファンにて構成されており、このケース1に連結された図示しない吸気側ダクトを通してケース1内部に空気を吸入して矢印A方向に送風するようになっている。
ここで、前記吸気側ダクトには、送風空気を冷却する冷却手段としてのエバポレータが配設されており、さらにこのエバポレータの空気上流側に内気取入口及び外気取入口が設けられているとともに、それら取入口のいずれかを開口させる内外気切替ドアが設けられている。前記エバポレータは、車両エンジンにより駆動される圧縮機を持つ冷凍サイクル中に設けられ、冷媒の蒸発潜熱により送風空気を冷却するようになっている。
【0014】
また、図1に示すように、前記ケース1内には、図1の右側下部(車両前方側の下部)に、加熱手段としてのヒータコア3が略水平方向に配設されている。このヒータコア3は車両エンジンの冷却水(温水)が図示しないポンプにより循環し、このエンジン冷却水を熱源として送風空気を加熱する暖房用熱交換器である。
【0015】
そして、前記ヒータコア3の空気上流側部位には、エアミックスドア4が設けられている。このエアミックスドア4はその回転軸4aを中心として図1の矢印X方向に回動することにより車室内へ吹き出す空気温度を制御するものであって、温度制御手段を構成する。エアミックスドア4は、乗員の手動操作もしくは空調制御装置の自動温度制御信号により、空調条件に応じた開度に調整されるようになっている。
【0016】
このエアミックスドア4の開度に応じて、送風機2により矢印A方向に送風された空気のうち、ヒータコア3を通って温風通路100を矢印B方向に流れる温風と、ヒータコア3をバイパスして冷風通路101を矢印C方向に流れる冷風の風量割合を調節する。なお、本例では、この冷風通路101と温風通路100は、ヒータコア3を中間にして図1の上下方向に並ぶように設けられている。
【0017】
そして、これら両通路100、101を流れる冷風と温風は、ほとんどの場合、後述する半円筒状のロータリードア91内に流入して、良好にエアミックスされる。なお、半円筒状のロータリードア91の円周方向端面にはこの端面を全面的に開口する空気流入面91jが形成されており、この空気流入面91jから送風空気はロータリードア91内に流入する。
【0018】
一方、前記ケース1において、図1の左上部分(車両後方側の上部)には、3個の吹出空気開口部5、6、7が、後述するロータリドア91の回動する領域内に、ロータリドア91の回動方向(円周方向)に沿って隣接し並ぶように設けられている。吹出空気開口部5、6、7を形成する仕切り壁先端は円弧面に成形され、吹出空気開口部5、6、7は円弧状に開口している。
【0019】
ロータリドア91の回動方向の中間に位置するフェイス用吹出空気開口部5は、車室内計器盤の上方側に配設され乗員の上半身に向かって空気を吹き出すためのフェイス吹出口(図示しない)にフェイス吹出ダクト10によって連通されている。
ロータリドア91の回動方向において、最も車両後方側に位置するフット用吹出空気開口部6は車室内計器盤の下方側に配設され乗員の下半身に向けて空気を吹き出すためのフット吹出口(図示しない)にフット吹出ダクト11によって連通されている。
【0020】
ロータリドア91の回動方向において、最も車両前方側に位置するデフロスタ用吹出空気開口部7は、車室内計器盤の上面で、車両のガラス面に近接して配設され、車両のフロントガラスやサイドガラスの内面に向かって空調風を吹き出すためのデフロスタ吹出口(図示しない)にデフロスタダクト12によって連通されている。
【0021】
ところで、本実施形態では、フェイスダクト10とデフロスタダクト12は、両ダクトの中間部位の通風壁を共有することで車両用空調装置自体の小型化を図ると共に、両吹出空気開口部5,7の開口面積をなるべく大きくすることに寄与している。
上記した3個の吹出空気開口部5、6、7は、いずれも図1中紙面表面から裏面に向かった方向をその長手方向とした略長方形状に形成されており、後述するように、フェイス用吹出空気開口部5の円周方向長さを最も大きくして、フェイス用吹出空気開口部5の開口角度θ5(図5)を他のフット用吹出空気開口部6の開口角度θ6(図6)およびデフロスタ用吹出空気開口部7の開口角度θ7(図5)より大きくしてある。ここで、開口角度とは、各吹出空気開口部5、6、7の円周方向の両端部と、ロータリドア91の回動中心Oとを結ぶ線がなす角度をいう。
【0022】
なお、上記開口角度は、θ5>θ6>θ7の関係に設定してあり、その具体的設計例として、θ5=45°、θ6=34°、θ7=29°に設定してある。
本実施形態では、3つの吹出空気開口部5、6、7によって後述する5つの吹出モードを選択することができるようになっており、ケース1内には、3つの吹出空気開口部5、6、7の開閉およびその開口面積を調節する空気通路切替装置9が設けられている。以下、本実施形態による空気通路切替装置9の具体的構成について、図2〜図4を参照して詳述する。
【0023】
この空気通路切替装置9は、本発明のロータリードア部をなすロータリドア91およびフィルム部材92を具備して構成されている。
ロータリドア91は、例えば樹脂からなり、図3に示すように、2枚のほぼ半円形の端板部91a、91aと、円弧状をなす円周壁91bとを一体に有する、いわば縦割りの半円筒状をなしている。ここで、ロータリドア91の円周壁91bの円弧範囲を決定する半円筒角θ3(図4参照)は、本例では、略200°である。この半円筒角θ3は、空気流入面91jの開口面積確保のため、および円周壁91bの円周長さ確保のために、略200°程度が好ましい。
【0024】
また、前記端板部91a、91aには、円周壁91bの円弧の曲率中心に位置して、軸方向外側に突出する回転軸91c、91cが設けられている。
そして、前記円周壁91bには、図1、3に示すように、軸方向に長細い4個のドア通風口91dが円周方向に並んでほぼ等間隔に形成されている。これにて、円周壁91bは、その円周方向両端部の2か所及び各ドア通風口91d相互間の3か所に軸方向に延びる細長い梁91eを有し、残りのほとんどの部分が開口した形態になっている。なお、半円形の端板部91a、91aには図2に示すように補強リブ91fが突出形成されている。
【0025】
また、ロータリドア91には、円周壁91bの円周方向の一端部(図示右側端部)にはフィルム部材92の円周方向の一端を取付けるためのピン部材(取付手段)91gが設けられている。このピン部材91gは円柱状のものであって、図3に示すようにロータリドア91の下端部から下方へ多数個突出している。
また、ロータリドア91の円周壁91bの円周方向の他端部(図2、3の左側端部)には、スライド壁部91hが設けられている。このスライド壁部91hの外周面から外方側へ突出するようにして、多数のピン部材91iが軸方向に一列に並んで多数個一体成形されている。
【0026】
一方、前記フィルム部材92は、可撓性(柔軟性)があって、通気性がなく、しかも摩擦抵抗が小さい樹脂材料で成形されている。具体的には、本例では、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムにて、フィルム部材92を成形している。
フィルム部材92は、ロータリドア91の円周壁91bの軸方向寸法とほぼ同等の幅寸法を有する全体として矩形状に形成されたものを円弧状に曲げて使用している。そして、このフィルム部材92の円周方向の途中部位には、ドア通風口91dと常に連通しているフィルム開口部92aが形成されている。
【0027】
本例では、このフィルム開口部92aは、図3に示すように軸方向に一列に並んだ複数個の貫通孔にて構成されており、各貫通孔は細長のほぼ六角形状に形成され、六角形状の長手方向が円周方向に向いている。また、フィルム開口部92aは、フィルム部材92がロータリードア91に取付られた状態において円周方向の最大長さが、フェイス用吹出空気開口部5の円周方向最大長さと略同等ないしは若干大きめに設定してある。
【0028】
すなわち、フィルム開口部92aの開口角度θ4は、フェイス用吹出空気開口部5の開口角度θ5と略同等ないしは若干大きめに設定してある。図5の図示形状から理解されるように、実際には、フィルム開口部92aの開口角度θ4(例えば、54°)の方がフェイス用吹出空気開口部5の開口角度θ5(例えば、45°)より若干大きめにしてある。
【0029】
このように、フィルム開口部92aの開口角度θ4の方をフェイス用吹出空気開口部5の開口角度θ5(例えば、45°)より若干大きめにするのは、製品毎の組付ばらつきが発生しても、フィルム開口部92aにてフェイス用吹出空気開口部5の全開口面積を確実に開口できるようにするためである。
以上により、図1、5に示すようにロータリドア91がフェイス用吹出空気開口部5だけを開口するフェイスモード時に、フェイス用吹出空気開口部5をフィルム部材92のフィルム開口部92aにより常に全開させることができるため、フェイスモード時の通風抵抗を最小限にすることが可能となる。
【0030】
一方、このフィルム部材92の両端部分(図5で左右の縁辺部)のうち、右側の端部には、複数個の取付用孔92bが形成されている。この取付用孔92bは、具体的には、前記ピン部材91gにドア半径方向に移動可能に嵌合する長孔で形成されている。また、左側端部には、複数個のスライド孔92cが形成されている。このスライド孔92cも前記スライド壁部91hのピン部材91iに対して移動可能に嵌合する長孔で形成されている。ここで、スライド孔92cは、フィルム部材92がロータリドア91に円弧状に取付られた状態では、その円弧形状の円周方向に長孔の長手方向が向くようにしてある。
【0031】
フィルム部材92を、ロータリドア91の円周壁91bの外周側に円弧状に取付けるにあたっては、まず、図3に示すように、フィルム部材92の一方の端部を、取付用孔92bを含む所定長さだけ内径側に折曲げて折り曲げ部92kを形成する。そして、この状態で、フィルム部材92をロータリドア91の円周壁91bの上方から被せ、フィルム部材92の一端側の長孔状取付用孔92bをピン部材91gに嵌合させる。そして、フィルム部材92の他端側の長孔状のスライド孔92cをスライド壁部91hのピン部材91iに嵌合させる。
【0032】
しかるのち、樹脂製のピン部材91gの頭部を熱かしめして、ピン部材91gの頭部をリベット状に拡大する。これにより、フィルム部材92の一端側をロータリドア91の円周壁91bの円周方向の一端部に移動可能に取り付けることができる。
また、同様に、スライド壁部91hの樹脂製ピン部材91iの頭部を熱かしめして、ピン部材91iの頭部をリベット状に拡大する。これにより、フィルム部材92の円周方向の他端側も、ロータリドア91のスライド壁部91hの外周面に対して移動可能に保持できる。
【0033】
また、フィルム部材92の長さ寸法(円周方向長さ)は、図4から理解されるように、ケース1側の吹出空気開口部5、6、7が形成されている円弧面(ロータリドア91の円周壁91bより所定量だけ曲率半径が大きい円弧面)と、ロータリドア91の平面状開口からなる空気流入面91jの延長線とが交差する範囲にて決定される仮想的な円周方向長さに、一端部の取付のための折曲げ部分92kと、他端部の長孔状のスライド孔92cを形成する部分を加算した長さよりも若干長く設定されている。
【0034】
これにて、フィルム部材92は、自身の剛性および内周側から受ける風圧によって、ケース1側の吹出空気開口部5、6、7が形成されている円弧面に沿う円弧形状に保持される。なお、吹出空気開口部5、6、7の軸方向の端部には、フィルム部材92の軸方向の端部が圧着するフィルム支持用の円弧状リブ8がケース1に一体に突出成形されている。
【0035】
また、フィルム部材92の開口部92aは、ロータリドア91の3個の通風口91dのうち図1および図4で円周方向左端部から時計回り方向に2番目に位置するドア通風口91dにラップし、このフィルム開口部92a部分にてロータリドア部の内外周部が開通するようになっている。
以上のように構成されたロータリドア91は、両端板部91aの回転軸91cが、ケース1側の吹出空気開口部5,6,7が並ぶ円弧状内壁面の曲率中心に一致するようにしてケース1の壁部に回転可能に支持されており、そして、この場合、図1に示すように回転軸91aの一方にはレバー21が固着され、このレバー21の端部にコントロールケーブル22の一端が接続されている。このコントロールケーブル22の他端側は、車室内の空調制御パネル(図示せず)に設けられた吹出モード切替レバー(吹出モード切替操作手段)に連結されている。これにより、ロータリドア91は、吹出モード切替レバーの手動操作に基づいて回転方向(図1の矢印D及びE方向)に回転変位するようになっている。
【0036】
ところで、前述したように、フェイス用吹出空気開口部5の開口角度θ5は、フット用吹出空気開口部6の開口角度θ6およびデフロスタ用吹出空気開口部7の開口角度θ7より大きくしてある。これに伴って、ロータリドア91の作動角を以下のごとく設定している。
すなわち、フェイスモード時のロータリドア回動位置(図5)とフットモード時のロータリドア回動位置(図6)との間でのロータリードア作動角をθ1(図4)とし、
フットモード時の回動位置とデフロスタモード時の回動位置(図4)との間でのロータリードア作動角をθ2としたとき、
θ1>θ2となるように設定してある。
【0037】
具体的には、θ1=55°、θ2=45°である。
次に、上記両ロータリードア作動角θ1、θ2を設定するための考え方を説明する。まず、θ1とθ2はその合計が下記数式1に示す関係を満足するように設定してある。
【0038】
【数1】
(θ1+θ2)≦(1/2・θ3)とし、
このように、θ1+θ2をロータリードア半円筒角θ3の1/2以下とすることにより、フェイスモード時およびデフロスタモード時に、ロータリードア91の過剰な回動によって、風洩れが発生することを防止できる。
【0039】
そして、ロータリードア作動角θ1は下記の数式2に示すように、半円筒角度θ3の1/4より所定量αだけ大きくし、ロータリードア作動角θ2は下記の数式3に示すように、半円筒角度θ3の1/4より所定量αだけ小さくしてある。
【0040】
【数2】
θ1=(1/4・θ3)+α
【0041】
【数3】
θ2=(1/4・θ3)−α
次に、上記構成において作動を説明する。送風機2を作動させると、ケース1内を図1の矢印A,B,Cのように空気が流れ、この送風空気は、ロータリドア91の平面開口部91jからロータリドア91の内周側に至り、ここで冷風と温風が混合される。次いで、送風空気はロータリドア91の通風口91dおよびフィルム部材92の開口部92aを通って、このフィルム開口部92aとラップするケース1側の吹出空気開口部5、6、7のいずれか1つまたは複数から各吹出口に至り、車室内へ吹出す。
【0042】
そして、このとき、フィルム部材92は風圧によって外周側に膨らむように張出し、閉塞すべき吹出空気開口部5、6、7の周縁部(リブ8等)に圧接してシールするので、風洩れを生ずることなく、この開口部を確実に閉塞できる。
また、ロータリドア91の円周壁91bが略200度の円弧範囲を有する半円筒状であり、そして、この円周方向端面を全面的に開口する空気流入面91jによりドア空気取入口を構成しているから、空気流入面91jの開口面積を略最大とすることができ、通風抵抗を小さくすることに寄与している。
【0043】
本実施形態では、使用者が車内の吹出モード切替レバーを手動操作することにより、その操作力がコントロールケーブル22及びレバー21を介して直接的にロータリードア91に伝達され、ロータリードア91が矢印DあるいはE方向に回動することにより、後述の5つの吹出モードのうちのいずれかが選択される。
先ず、フェイス(FACE)モードについて図5に基づき説明する。吹出モード切替レバーによりフェイスモードが選択されているときには、図5に示す位置に、ロータリドア91がフィルム部材92とともに回動しており、その結果、フィルム部材92の開口部92aがフェイス用吹出空気開口部5に完全にラップする。そして、この状態では、フィルム部材92のうち、開口部92aの設けてない部分が風圧により外周側に張出すことにより、フット用吹出空気開口部6およびデフロスタ用吹出空気開口部7の周縁部に確実に圧接して、この両開口部6、7を確実に閉塞する。
【0044】
これにより、ケース1内の空気は、ロータリードア91の空気流入面91jからドア内部へ取り入れられ、ドア通風口91d、フィルム開口部92aを介してフェイス用吹出空気開口部5よりフェイスダクト10に流入し、フェイス吹出口から車室内に吹き出される。
次に、図6に基づいてフット(FOOT)モードについて説明する。この場合は、ロータリードア91が、図5のフェイスモードの回動位置から反時計回りの方向に、さらに所定の作動角θ1だけ回転することにより、フィルム開口部92aがフット用吹出空気開口部6に完全にラップするとともに、フェイス用吹出空気開口部5を完全に閉塞する。
【0045】
一方、デフロスタ用吹出空気開口部7は本実施の形態では完全に閉塞しているが、所定量隙間を開けて、ケース1内の空気をデフロスタ用吹出空気開口部7から若干量漏らして、窓ガラスの曇り止め効果を発揮できるようにしてもよい。
次に、図4に基づいてデフロスタ(DEF)モードについて説明する。このデフロスタモードでは、図6のフットモードの回動位置からさらに反時計回りの方向に所定の作動角θ2だけロタリードア91を回転させた状態となる。これにより、ロータリドア91のピン部材91g側端部がデフロスタ用吹出空気開口部7を全面的に開口する。これと同時に、フェイス用およびフット用吹出空気開口部5、6はフィルム部材92のうち、開口部92aの設けてない部分によって全閉される。
【0046】
その結果、ケース1内の送風空気は、ドア内部へ流入せずに、デフロスタ用吹出空気開口部7に直接流入するとともに、フィルム開口部92a、ドア通風口91dを介してドア内部へ流入した後、空気流入面91jからドア外部へ流出してデフロスタ用吹出空気開口部7に流入する。そして、この吹出空気開口部7に流入した空気は、デフロスタダクト12を経てデフロスタ吹出口から窓ガラス内面側へ向かって吹出し、窓ガラスの曇り止めを行う。
【0047】
なお、図示しないが、フェイスモードとフットモードとの間には、通常、バイレベル(B/L)モードが設定される。このバイレベル(B/L)モードについて説明すると、ロータリードア91を、図5のフェイスモードの状態から反時計回りの方向に前記所定の作動角度θ1の1/2だけ回動すると、フィルム部材92の開口部92aが、フェイス用吹出空気開口部5の半分とフット用吹出空気開口部6の半分との双方に跨がってラップする。
【0048】
そして、この際、デフロスタ用吹出空気開口部7は、フィルム部材92のうち、開口部92aの設けてない部分によって確実に閉塞される。
これにより、ケース1内の空気は、ロータリードア91の空気流入面91jからドア内部へ取り入れられ、ドア通風口91d、フィルム開口部92aを介してフェイス用吹出空気開口部5およびフット用吹出空気開口部6に流入し、フェイス吹出口およびフット吹出口の両方から同時に車室内へ吹出される。
【0049】
また、フットモードとデフロスタモードとの間には、通常、フットデフ(F/D)モードが設定される。このフットデフモードでは、ロータリドア91が、図6のフットモードの回動位置より反時計回りの方向にさらに前記所定の作動角度θ2の1/2だけ回転する。
これにより、フィルム開口部92aがフット用吹出空気開口部6に略半分、ラップするとともに、ロータリドア91のピン部材91g側端部がデフロスタ用吹出空気開口部7の略半分を開口する。
【0050】
このとき、フェイス用吹出空気開口部5はフィルム部材92のうち、開口部92aの設けてない部分によって全閉される。この結果、送風空気は、ロータリードア91を迂回して直接、デフロスタ用吹出空気開口部7に流入する空気流と、空気流入面91jからドア内部へ流入し、ドア通風口91d、フィルム開口部92aを介してフット用吹出空気開口部6に流入する空気流と、フィルム開口部92a、ドア通風口91dを介してドア内部へ流入した後に、再びドア通風口91d、フィルム開口部92aを介してフット用吹出空気開口部6に流入する空気流とになる。
【0051】
ところで、フェイス用吹出空気開口部5の開口角度θ5を、フット用吹出空気開口部6の開口角度θ6およびデフロスタ用吹出空気開口部7の開口角度θ7より大きくし、これに伴って、フェイスモード時のロータリドア回動位置(図5)とフットモード時のロータリドア回動位置(図6)との間でのロータリードア作動角θ1を、
フットモード時の回動位置とデフロスタモード時の回動位置(図4)との間でのロータリードア作動角θ2より大きくしてある。
【0052】
これにより、フェイスモード時の吹出風量をフットモード時、デフロスタモード時の吹出風量よりも増加できる。この場合、ロータリードア91が半円筒状であって、その円周方向端面を全面的に開口する空気流面91jからドア内部へ空気が取り入れられるため、ロータリードア91が円筒状である場合に比して、ドア空気取入部の通風抵抗が非常に小さくすることができ、このことも相まって、フェイスモード時の吹出風量を効果的に増加でき、冷房能力の増加を図ることができる。
【0053】
また、上記両ロータリードア作動角θ1、θ2の合計(θ1+θ2)をロータリードア半円筒角θ3の1/2以下とすることにより、フェイスモード時およびデフロスタモード時に、ロータリードア91の過剰な回動によって、風洩れが発生することを防止できる。
例えば、フィルム開口部92aの右端部(デフロスタ用吹出空気開口部7側の端部)が図5の組付基準線F上に位置するようにして、ロータリドア91をケース1に対して組付けたとき、もし、(θ1+θ2)をロータリードア半円筒角θ3の1/2より大きくしてあると、デフロスタモード時に、ロータリードア91の右側端部が図4の回動位置よりさらに反時計方向に回動して、フェイス用吹出空気開口部5の開口範囲内に入ってしまい、フェイス用吹出空気開口部5への風洩れが発生する。
【0054】
また、ロータリードア91の右側端部が図4に示す基準位置上に位置するようにして、ロータリドア91をケース1に対して組付けたとき、もし、(θ1+θ2)をロータリードア半円筒角θ3の1/2より大きくしてあると、フェイスモード時に、フィルム開口部92aの右端部が図5の回動位置よりさらに時計方向に回動して、デフロスタ用吹出空気開口部7の開口範囲内に入ってしまい、デフロスタ用吹出空気開口部7への風洩れが発生する。
【0055】
しかるに、本実施形態によると、上記両ロータリードア作動角θ1、θ2の合計(θ1+θ2)をロータリードア半円筒角θ3の1/2以下とすることにより、フェイスモード時およびデフロスタモード時に、ロータリードア91の過剰な回動が発生せず、風洩れを防止できる。
(第2実施形態)
図7〜図9は第2実施形態を示すもので、第1実施形態ではロータリードア91の円周壁91bの外周側にフィルム部材92を配設した、フィルム式ロータリードアを使用する吹出モード切替装置について説明したが、第2実施形態では、フィルム部材92を廃止したロータリードア91を備える吹出モード切替装置に関する。
【0056】
図7〜図9に示すように、フィルム部材92の廃止に伴って、ロータリードア91の円周壁91bには、ドア通風口91dを1か所のみに設けている。このドア通風口91dは第1実施形態におけけるフィルム開口部92aに対応するものである。従って、ロータリードア91の円周壁91bにおいて、ドア通風口91d以外の部分には開口部が設けてなく、空気流れを阻止する壁面を構成している。他の部分は第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0057】
この第2実施形態では、ロータリードア91の円周壁91bの外周面がケース1の内壁面に対して直接摺動することにより、各吹出空気開口部5、6、7の切替開閉を行う。
フィルム部材92の廃止によるシール性低下を抑制するために、ロータリードア91の円周壁91bの外周面とケース1の内壁面との間に、適宜の弾性シール材を配設してもよい。
(他の実施形態)
なお、前述した第1実施形態では、ロータリードア91を円周壁91bを有する半円筒状に形成し、ロータリードア91の外周面に対して隙間を介してフィルム部材92を配設しているので、ロータリードア91の形状は必ずしも完全な円形外周面を持つ半円筒状に形成する必要はない。例えば、ロータリードア91を断面楕円形状からなる半円筒状等の形状にして、フィルム部材92をケース1側の内壁面に沿って円弧状にすることが可能であり、このようにしても同様の作用効果を発揮できる。
【0058】
なお、上記第1実施形態では、フィルム開口部92aを複数の開口部によって構成していたが、複数に限らず一つの開口部としてもよい。
また、ロータリドア91の駆動構造としても、手動操作される吹出モード切替レバーによりコントロールケーブル22を直接駆動するものに限らず、例えば電気的スイッチとそのスイッチ操作に基づいて駆動されるモータ等の別の駆動源とによってロータリドア91を回動変位させるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すもので、車両用空調装置の要部の概略断面図である。
【図2】(a)は図1に示すロータリドア部分の側面図、(b)は(a)の要部正面図である。
【図3】図1、2のロータリドア部分の分解斜視図である。
【図4】図1の吹出モード切替装置部分のデフロスタモードを示す断面図である。
【図5】図1の吹出モード切替装置部分のフェイスモードを示す断面図である。
【図6】図1の吹出モード切替装置部分のフットモードを示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示すもので、デフロスタモードを示す断面図である。
【図8】第2実施形態のフェイスモードを示す断面図である。
【図9】第2実施形態のフットモードを示す断面図である。
【符号の説明】
1…ケース、2…送風機、3…熱交換器、5…フェイス用吹出空気開口部、
6…フット用吹出空気開口部、7…デフロスタ用吹出空気開口部、
9…空気通路切替装置、91…ロータリドア、91b…円周壁、
91d…ドア通風口、92…フィルム部材、92a…フィルム開口部。
Claims (4)
- 空気通路をなすケース(1)と、
このケース(1)内に配設され、空気との間で熱交換を行う熱交換器(3)と、
前記ケース(1)内に回動可能に配設され、かつ円弧状の円周壁(91b)を有する半円筒状のロータリードア(91)と、
このロータリードア(91)の円周壁(91b)に開口したドア通風口(91d)と、
前記ケース(1)において、前記ロータリードア(91)の円周壁(91b)が回動する領域に円弧状に開口したフェイス用吹出空気開口部(5)、フット用吹出空気開口部(6)、およびデフロスタ用吹出空気開口部(7)と、
前記ロータリードア(91)の円周壁(91b)の外周側に配設され、可撓性を有するフィルム部材(92)と、
このフィルム部材(92)に、前記ドア通風口(91d)と常に連通するように開口されたフィルム開口部(92a)とを備え、
前記ロータリードア(91)の円周方向端面には、この端面を全面的に開口する空気流入面(91j)が形成されており、
前記熱交換器(3)にて熱交換した空気が前記空気流入面(91j)から前記ロータリードア(91)内に流入するとともに、
前記ロータリードア(91)を回動することにより、前記フィルム開口部(92a)と前記各吹出空気開口部(5、6、7)との連通および遮断を選択するようにした車両用空調装置であって、
前記フェイス用吹出空気開口部(5)の開口角度θ5を、前記フット用吹出空気開口部(6)および前記デフロスタ用吹出空気開口部(7)の開口角度θ6、θ7より大とし、
前記フィルム開口部(92a)の開口角度θ4を前記フェイス用吹出空気開口部(5)の開口角度θ5と略同等ないしは若干大きめとし、
前記フェイス用吹出空気開口部(5)を開放するフェイスモード時の回動位置と前記フット用吹出空気開口部(6)を開放するフットモード時の回動位置との間で、前記ロータリードア(91)を回動させるときのロータリードア作動角をθ1とし、
前記フットモード時の回動位置と前記デフロスタ用吹出空気開口部(7)を開放するデフロスタモード時の回動位置との間で、前記ロータリードア(91)を回動させるときのロータリードア作動角をθ2としたとき、
θ1>θ2に設定したことを特徴とする車両用空調装置。 - 空気通路をなすケース(1)と、
このケース(1)内に配設され、空気との間で熱交換を行う熱交換器(3)と、
前記ケース(1)内に回動可能に配設され、かつ円弧状の円周壁(91b)を有する半円筒状のロータリードア(91)と、
このロータリードア(91)の円周壁(91b)に開口したドア通風口(91d)と、
前記ケース(1)において、前記ロータリードア(91)の円周壁(91b)が回動する領域に円弧状に開口したフェイス用吹出空気開口部(5)、フット用吹出空気開口部(6)、およびデフロスタ用吹出空気開口部(7)とを備え、
前記ロータリードア(91)の円周方向端面には、この端面を全面的に開口する空気流入面(91j)が形成されており、
前記熱交換器(3)にて熱交換した空気が前記空気流入面(91j)から前記ロータリードア(91)内に流入するとともに、
前記ロータリードア(91)を回動することにより、前記ドア通風口(91d)と前記各吹出空気開口部(5、6、7)との連通および遮断を選択するようにした車両用空調装置であって、
前記フェイス用吹出空気開口部(5)の開口角度θ5を、前記フット用吹出空気開口部(6)および前記デフロスタ用吹出空気開口部(7)の開口角度θ6、θ7より大とし、
前記ドア通風口(91d)の開口角度θ4を前記フェイス用吹出空気開口部(5)の開口角度θ5と略同等ないしは若干大きめとし、
前記フェイス用吹出空気開口部(5)を開放するフェイスモード時の回動位置と前記フット用吹出空気開口部(6)を開放するフットモード時の回動位置との間で、前記ロータリードア(91)を回動させるときのロータリードア作動角をθ1とし、
前記フットモード時の回動位置と前記デフロスタ用吹出空気開口部(7)を開放するデフロスタモード時の回動位置との間で、前記ロータリードア(91)を回動させるときのロータリードア作動角をθ2としたとき、
θ1>θ2に設定したことを特徴とする車両用空調装置。 - 前記フェイス用吹出空気開口部(5)を中間にして、前記フェイス用吹出空気開口部(5)の円周方向の両側に、前記フット用吹出空気開口部(6)と前記デフロスタ用吹出空気開口部(7)を配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
- 前記半円筒状のロータリードア(91)の半円筒角度をθ3としたとき、
前記両ロータリードア作動角(θ1、θ2)の和を前記半円筒角度θ3の1/2以下とし、
前記ロータリードア作動角θ1を前記半円筒角度θ3の1/4より所定量大きくし、
前記ロータリードア作動角θ2を前記半円筒角度θ3の1/4より所定量小さくしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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