JP4084970B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される空調装置に関し、特に、エバポレータ等を収容するケースに設けられた複数の調和空気導出口を選択的に開閉するためのロータリードアをケース内部に配設した構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車の空調装置においては、調和空気を生成するためのユニットを車室に配設しており、その室内ユニットは熱交換器等の空調機器を収容するケースを備えている。該ケースには車室の各部に調和空気を導出するための複数の導出口が形成されており、これら導出口を選択的に開閉するためのロータリードアを前記ケース内部に配設することが行われている。このロータリードアは、略円弧面状の周壁部を各導出口に対向するように周方向に回動可能にケースに支持されていて、周壁部に形成されている開口がケースの所望の導出口と一致するようにロータリードアを回動させることで、他の導出口は周壁部により閉塞されて調和空気が前記所望の導出口のみから吹き出すようになっている。
【0003】
このロータリードアを備えた空調装置において、所望の導出口以外の導出口から空気が洩れないようにするために、例えば、特開平8−25945号公報に開示されているようなシール構造がある。このシール構造では、ロータリードアの周壁部の外周を覆うようにフィルム状のシール部材を設け、該シール部材の前記周壁部の開口と略一致する部位に通風口を設けてこの通風口から調和空気を導出させるようにし、一方、そのときの送風圧力によりシール部材を周壁部の外方へ膨らませるようにしてケースの導出口周縁のシール面に圧接して空気の洩れを防ぐようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来例のように、送風圧力によりシール部材を膨らませてシール面に圧接するようにすると、シール部材の成形誤差により膨らみ度合いが異なって圧接力がばらつくことがあり、圧接力が不足するとシール不良となる一方、圧接力が過剰に作用するとロータリードアを回動させるときの力が設定範囲を超えて操作性が悪化する虞れがある。また、送風量によってシール部材の膨らみ度合いが異なるので、これによっても圧接力が変化して同様な不具合が起こることが考えられる。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ケースの複数の調和空気導出口を選択的に開閉するロータリードアを設ける空調装置において、シール部材の成形誤差や送風量の過不足に起因するシール不良及びロータリードアの操作性の悪化を防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、ロータリードアの周壁部に板状の可撓性シール部材を径方向外方へ突出するように設け、該シール部材の先端側を撓ませた状態でケースのシール面に圧接させるようにしたことを特徴とする。
【0007】
具体的には、請求項1の発明では、空調機器を収容したケースに調和空気の導出口を複数並設し、これら導出口を選択的に開閉する略円弧面状に形成された周壁部を有するロータリードアを、前記ケース内部に導出口並設方向へ回動可能に配設した車両用空調装置を対象とする。そして、前記ロータリードアの周壁部には、該周壁部が回動することで前記各導出口とケース内部とを連通させる開口と、回動軸方向に延びる複数のスリットとを設け、前記ロータリードアの周壁部内方には、補強部材を配設し、前記ロータリードアの各スリットには、回動軸方向に延びかつ周壁部の径方向外方へ突出して前記各導出口をシールする板状の可撓性シール部材をそれぞれ挿入し、前記シール部材は、突出方向基端側から先端側へ行くほど薄肉となるように形成し、該シール部材の基端側の厚み方向両側には、該シール部材の長手方向に延びる溝部をそれぞれ設け、前記シール部材は、前記溝部に前記スリットの周縁が嵌入し、かつ、突出方向基端部が前記補強部材に保持された状態で前記ロータリードアに装着し、前記ケースの各導出口周縁におけるケース内部側には前記シール部材が当接するシール面が形成され、該シール部材はその先端側が前記シール面に撓んで圧接する構成とする。
【0008】
この構成によれば、ロータリードアの周壁部の開口とケースの所望の導出口とが略一致するようにロータリードアを回動させると、ケース内部と所望の導出口とが連通する一方、他の導出口はロータリードアの周壁部により閉塞されて、ケース内で生成された調和空気が所望の導出口のみから車室に供給される。このとき、周壁部には回動軸方向に延びるとともに径方向外方へ突出する可撓性のシール部材が設けられていて、このシール部材の先端側がケースのシール面に撓んでそれぞれ圧接するので、シール部材やケースのシール面に成形誤差が生じていてもシール部材の先端側がその誤差を吸収して密着し、加えて、シール部材は撓んだ状態からの復元力によりシール面に圧接しているので、送風量に過不足があってもその圧接力が変化することはない。これにより、シール部材の成形誤差や調和空気の送風量に関わらず、シール性を十分に確保できるとともにロータリードアの操作性を良好にすることができる。
【0009】
また、シール部材の基端側を周壁部のスリットに挿入すると、該スリットの周縁がシール部材の厚み方向両側にそれぞれ設けられた溝部に嵌入するので、シール部材を容易にかつしっかりと組み付けることが可能になるとともに、そのときのシール部材と周壁部のスリットとの間からの空気洩れを防止できる。
【0010】
請求項の発明では、請求項1の発明において、隣り合う導出口を近接して形成し、ケースの該隣り合う導出口の間の部分には、該ケースの内部へ膨出する膨出部を設け、該膨出部のケース内部に臨む面をシール面とする構成とする。
【0011】
この構成によれば、シール面の位置を膨出部の形状により容易に設定できる。
【0012】
請求項の発明では、請求項1または2の発明において、ロータリードアをアクチュエータにより駆動し、ケースのシール面のロータリードア回動方向の長さを、アクチュエータの目標停止位置に対するずれ量を見込んだ長さに設定する構成とする。
【0013】
この構成によれば、アクチュエータによりロータリードアが所定の回動角度となるように回動される。このとき、アクチュエータはその作動精度に起因して目標停止位置に対し若干ずれて停止することがあり、こうなると、ロータリードアのシール部材とケースのシール面との相対位置がずれることになるが、該シール面のロータリードア回動方向の長さがアクチュエータのずれ量を見込んだ長さとされているので、ずれ量を吸収するためのリンク機構等を配設することなく、シール部材とシール面との圧接状態を確保することができる。これにより、アクチュエータの出力軸をロータリードアに直接連結することが可能となり、空調装置の部品点数を削減できる。
【0014】
請求項の発明によれば、請求項1〜のいずれか1つの発明において、ロータリードアの周壁部の回動軸方向の端部にはそこから径方向内方へ延びる端壁部を設け、該端壁部と該端壁部に対向するケースとの間には、下流端がケースの各導出口と連通する連通路を設け、前記端壁部には、前記連通路と連通する開口を周壁部の開口と周方向について略同じ位置に設け、シール部材を端壁部の開口の周方向両側まで連続して一体成形する構成とする。
【0015】
この構成によれば、ケース内の調和空気はロータリードアの端壁部の開口からも連通路を介して導出口へ流れるようになるので、通路面積を十分に確保して調和空気をスムーズに送風できる。この際、シール部材が端壁部の開口両側まで連続して一体成形されているので、部品点数の増加を招くことなくシール性を十分に確保できる。
【0016】
請求項の発明によれば、請求項1〜のいずれか1つの発明において、ケースをロータリードアの回動軸方向一側の第1部材と他側の第2部材とから構成し、該第1部材及び第2部材を前記回動軸方向に開閉する成形型によりそれぞれ成形し、前記第1部材及び第2部材における前記ロータリードアの周壁部に対応する壁部には型抜き勾配を形成し、該ロータリードアの周壁部には、前記第1部材及び第2部材の型抜き勾配が設定された壁部に対応する型抜き勾配を形成するとともに、シール部材を設ける構成とする。
【0017】
この構成によれば、ケースの第1部材と第2部材とがロータリードアの回動軸方向に開閉する成形型によりそれぞれ成形され、両部材のロータリードア周壁部に対応する壁部には型抜き勾配が形成される。一方、ロータリードアの周壁部には、前記第1部材及び第2部材の壁部に対応する型抜き勾配が形成されているので、ケースのシール面とロータリードアの周壁部との間隔を全体に亘って略同じにできる。そして、この周壁部にシール部材が設けられているので、前記型抜き勾配を考慮することなくシール部材の形状を容易に設定しつつ、十分なシール性を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図2は、本発明の実施形態に係る車両空調装置1の外観を示し、この空調装置1は車室の最前部に位置するインストルメントパネル(図示せず)の内部に配設されている。該空調装置1は、調和空気を生成するとともにインストルメントパネルの車幅方向略中央に配置される空調ユニット2と、該空調ユニット2に空調用空気を送風するとともに該空調ユニット2の車幅方向左側に隣接配置される送風ユニット3とを備えている。
【0020】
前記送風ユニット3のケース4の車体後側上部には、車室内の空気を取り入れるための内気取入口5が形成され、一方、その反対側には外気取入用ダクト6が接続される外気取入口(図示せず)が形成されていて、ケース4内部の内外気切替ドア(図示せず)により一方が全開とされかつ他方が全閉とされるようになっている。また、図示しないが、送風ユニット3のケース4の車幅方向右側下部には空調用空気の吹出口が形成されていて、ケース4内部に収容された遠心式ファンにより前記取入口から取り入れられた空調用空気が吹き出すようになっている。
【0021】
一方、前記空調ユニット2は熱交換器等を収容するケース10を備えていて、該ケース10はその車幅方向の略中央部において左側部材11と右側部材12とに分割されており、その2つの部材11,12がファスナやネジ等を用いて一体化されている。このケース10の内部には、図1に示すように車幅方向から見て、空調用空気を冷却する冷却用熱交換器としてのエバポレータ13が略垂直に延びるように配設され、その車体前方には前記送風ユニット3からの空調用空気を取り入れるための取入空間Rが設けられている。該取入空間Rの車幅方向左側に対応するケース10の左側部材11の壁面には、前記送風ユニット3の吹出口に接続される空気導入口14が形成されており、該空気導入口14から空調用空気が導入される。前記エバポレータ13は、自動車のエンジンルームに配設されたコンプレッサ等と共に冷凍サイクルを構成し、この冷凍サイクルを循環する冷媒が図示しないクーラパイプを介してエバポレータ13のチューブ内を流れ、該エバポレータ13を通過する空気を冷却する。このときにエバポレータ13の表面に発生した凝縮水はケース10の底面に滴下し、該底面に設けられた排水口16から外部に排出されるようになっている。
【0022】
前記エバポレータ13の車体後方には空気を加熱するためのヒータコア15が配設されており、エバポレータ13を通過した空気の一部乃至全部を加熱して適度な温度及び湿度状態の空気(調和空気)を生成するようになっている。ヒータコア15は図示しないヒータパイプにより自動車のエンジンのウォータジャケットに接続されていて、このウォータジャケットから高温の冷却水がチューブ内を流れ、ヒータコア15を通過する空気を加熱する。
【0023】
前記エバポレータ13及びヒータコア15の間には、該エバポレータ13を通過した空気の流れをヒータコア15乃至その下流側のエアミックス通路C1へと分配するとともに、その分配割合を変更して調和空気の温度を調節するエアミックスドア17がヒンジ17aを支点として上下方向に回動可能に配設されている。エバポレータ13の下流側は、ケース10の内側に一体成形された区画壁18により区画されていて、この区画壁18を貫通する上下2つの開口部19,20がエアミックスドア17の切り替え操作により開閉されるようになっている。つまり、該エアミックスドア17の上方回動により区画壁18の下側開口部20を全開にするとともに、上側開口部19を全閉とする状態ではエバポレータ13を通過した空気の全てがヒータコア15に向かうようになり、一方、エアミックスドア17の下方回動により上側開口部19を全開にするとともに、下側開口部20を全閉とする状態では、エバポレータ13を通過した空気の全てがヒータコア15を通過することなくその下流のエアミックス通路C1に流通するようになる。また、エアミックスドア17が前記2つの状態の中間の位置にあるときには、該エアミックスドア17の位置に応じてエバポレータ13を通過した空気の流れがヒータコア15及びエアミックス通路C1の両方に分配され、その後合流して混合される。そうしてエアミックス通路C1を上方に流れる空気は、車幅方向から見て、ケース10の上部に円弧を形成するように互いに近接して並設された3つの調和空気導出口21〜23から車室の各部に供給されるようになる。
【0024】
前記3つの導出口21〜23のうち中央に位置する導出口22は、インストルメントパネルのベント吹出口にベントダクト(共に図示せず)を介して接続されるベント導出口とされ、その車体前側の導出口21はインストルメントパネルのデフロスタ吹出口にデフロスタダクト(共に図示せず)を介して接続されるデフロスタ導出口とされている。これら2つの導出口21,22の周縁には、図3にも示すように、そこから上方へ延びて前記ベントダクト及びデフロスタダクトに接続される接続ダクト24が形成されている。そして、該接続ダクト24の上端には、デフロスタ導出口21に対応する開口24aとベント導出口22に対応する24bとが形成されている。また、前記ケース10の車体後側には前席乗員の足下や後席乗員の足下へ調和空気を供給するためのフットダクト26が一体成形されており、このフットダクト26の上流端は、前記ベント導出口22の車体後側のフット導出口23と連通している。ケース10を車幅方向から見たときの前記導出口21〜23の幅は、ベント導出口22及びフット導出口23が略同じ広さとされており、デフロスタ導出口21が比較的広く形成されている。
【0025】
前記空調ユニット2のケース10の内部には前記ベント導出口22、デフロスタ導出口21及びフット導出口23を選択的に切り替えて開閉するロータリードア30が配設されている。該ロータリードア30は、図4に示すように、大略、円筒を軸線に沿って半分に分割したような形状を有しており、略円弧面状に形成された周壁部31とこの周壁部31の前記軸線方向両端に連続してそれぞれ径方向内方へ延びる扇形状の端壁部32,32とを備え、該両端壁部32,32における前記軸線に対応する部位からそれぞれ該軸線方向(車幅方向)に延出するように、支軸33,33が一体成形されている。ロータリードア30は、図1に示すように、周壁部31が前記3つの導出口21〜23と対向するようにかつその周方向が導出口21〜23の並設方向と略一致するように位置付けられており、その状態で両支軸33,33の先端は、図5(a)に示すように、ケース10の車幅方向左側及び右側をそれぞれ貫通して外方へ突出しており、このケース10に対して回動自在に支持されている。従って、ロータリードア30は車幅方向に延びる軸回りに回動する。
【0026】
前記ロータリードア30の端壁部32,32には、支軸33,33の周囲を囲むようにかつ該支軸33,33と同心に位置する円筒壁部34,34が形成されている。また、前記ケース10のロータリードア30の円筒壁部34,34に対向する部分には、該円筒壁部34,34を収容するようにケース10外方へ膨出する膨出部36,36がそれぞれ形成されている。前記ロータリードア30の円筒壁部34,34の外周面には前記ケース10の膨出部36,36内面に摺接する円環状のパッキン37,37がそれぞれ配設されており、これにより、調和空気が支軸33,33とケース10の軸受部分との間から洩れることはない。
【0027】
前記ロータリードア30の周壁部31には、前記ケース10内部のエアミックス通路C1と前記導出口21〜23のうち少なくとも1つとを連通させるための開口38が形成されている。該開口38は、図4に示すように、周壁部31の周方向一側(図1の左側)寄りで仕切部31aで区画されて回動軸方向両端に亘って複数並設されており、その両端に位置する開口38,38は前記両端壁部32,32の周方向で同じ位置に形成された開口39,39とそれぞれ連なっている。ロータリードア30の端壁部32,32と、該端壁部32,32にそれぞれ対向するケース10の壁面との間には、下流端がベント導出口22と連通する連通路40,40及びフット導出口23と連通する連通路41,41がそれぞれ設けられている。そして、詳細は後述するが、ロータリードア30を支軸33,33回りに回動させて、図6に示すように、例えば、周壁部31の開口38,38,…とベント導出口22とを略一致させると、連通路40,40の上流側がロータリードア30の端壁部32の開口39,39と連通するとともに、デフロスタ導出口21及びフット導出口23は周壁部31により閉塞される。
【0028】
前記ロータリードア30の周壁部31には、図4に示すように、前記閉塞状態にある導出口へ調和空気が洩れ出すのを防止するための可撓性シール部材Sが7枚設けられている。該シール部材Sは、回動軸方向に延びかつ周壁部31から径方向に突出する板状に形成されており、その回動軸方向両端側は端壁部32,32に沿って支軸33,33に接近する方向にそれぞれ延びていて、その先端部が円筒壁部34,34の外周面に接している。これらシール部材Sの回動軸方向両端側は、その中間部分における周壁部31からの突出高さと略同じ長さだけ端壁部32,32から外方へ突出している。
【0029】
前記シール部材Sは周壁部31の周方向に並設されており、周方向一側から順に第1〜第7シール部材S1〜S7とされ、これらは本実施形態ではゴム製のものを示したが、可撓性を有するものであればこれに限定しない。前記第1シール部材S1は、ロータリードア30の周壁部31の周方向一側の端部近傍に位置しており、第2シール部材S2及び第3シール部材S3は、開口38,38,…の周方向の一側及び他側にそれぞれ位置している。また、第7シール部材S7は周壁部31の周方向他側の端部近傍に位置しており、第4〜6シール部材S4〜S6は前記第3シール部材S3及び第7シール部材S7の間を略4等分するように位置している。
【0030】
前記ケース10の導出口21〜23周縁における該ケース10内部側の面は、前記シール部材Sの当接するシール面Lとされている。フット導出口23のベント導出口22と反対側の周縁近傍は第1シール面L1とされ、フット導出口23及びベント導出口22の間は第2シール面L2とされ、ベント導出口22及びデフロスタ導出口21の間は第3シール面L3とされ、デフロスタ導出口21の第3シール面L3と反対側の周縁近傍は第4シール面L4とされている。前記第1シール面L1は、前記ケース10の区画壁18の上端部のロータリードア30側の面に形成されており、この上端部はロータリードア30側へ窪んで車幅方向に延びる凹条部18aとされている。前記第2シール面L2は、ケース10内部へ膨出する膨出部43の該ケース10内部に臨む面とされており、これにより第2シール面L2の位置を膨出部43の形状により容易に設定できる。
【0031】
前記第1〜第4シール面L1〜L4はそれぞれ周壁部31と略平行に延びており、これらシール面L1〜L4と周壁部31との離間距離はいずれも略同じ距離に設定されている。そして、前記シール部材Sは、周壁部31からの突出高さが前記シール面Lと周壁部31との離間距離よりも長く形成されており、シール部材Sの先端側が撓んだ状態でシール面Lに圧接する。また、ケース10における連通路40,41の間の部分は、そのケース10内面と端壁部32との離間距離が前記周壁部31とシール面Lとの離間距離と略同じとされており、一方、前記シール部材Sの回動軸方向両端側、即ち端壁部32,32に沿って延びる部分は、このシール部材Sの周壁部31に沿って延びる部分と略同じ高さ突出している。従って、シール部材Sの端壁部32,32に沿って延びる部分はケース10の内面に撓んで圧接するようになっている。さらに、シール部材Sが第1シール面L1に圧接した状態では、該シール部材Sの端壁部32,32に沿って延びる部分の先端側がケース10内面に撓んで圧接するように、ケース10の対応する部分が形成されている。これと同様に、シール部材Sが第3シール面L3及び第4シール面L4に圧接したそれぞれの状態においてもシール部材Sの端壁部32,32に沿って延びる部分の先端側がケース10内面に撓んで圧接するようになっている。
【0032】
前記第1〜第7シール部材S1〜S7は、図5(b)に示すように、その基端側がロータリードア30の周壁部31及び両端壁部32,32に連続して形成されたスリット44,44,…に挿入され、該スリット44,44,…により保持されるようになっている。各シール部材Sの基端側には、長手方向(回動軸方向)両端に亘って延びる溝部45(同図にのみ示す)が厚み方向両側にそれぞれ設けられており、両溝部45,45の幅は周壁部31及び端壁部32,32の厚みと略同じとされていて、スリット44の周縁が嵌入するように形成されている。一方、前記スリット44,44,…は、その幅がシール部材Sの両溝部45,45の底面間の距離と略同じとされている。また、シール部材Sは、先端側へ行くほど薄肉となるテーパ状に形成されていて、組み付け時には、シール部材Sを周壁部31の内方に位置付けて先端側からスリット44に容易に挿入可能となっている。このように挿入することでスリット44の周縁が各シール部材Sの両溝部45,45に嵌入してシール部材Sの抜けが防止されてしっかりとスリット44に保持されるとともに、両者44,45の間からの調和空気の洩れを防止できる。
【0033】
また、前記ロータリードア30には、図4に示すように、その内方に補強部材50が装着されている。該補強部材50は、ロータリードア30の周壁部31及び端壁部32,32により構成される開放口の形状に略対応しかつ回動軸方向に長い矩形の枠部51と、該枠部51の回動軸方向に延びる部分同士を連結するように周壁部31の内周面に沿って円弧状に延びてその枠部51の長手方向に並設される円弧部52,52,…と、該円弧部52,52,…を連結するように枠部51の長手方向に延びて各円弧部52の周方向に並設される連結部53,53,53とからなる。円弧部52,52,…及び連結部53,53,53の前記周壁部31内周面側は該周壁部31内周面に当接していて、円弧部52,52,…には前記シール部材Sの基端部が嵌合する切欠52a,52a,…がそれぞれ設けられており、補強部材50をロータリードア30に装着すると、前記シール部材Sは円弧部52,52,…の切欠52a,52a,…によって基端部が保持されるようになる。
【0034】
前記ロータリードア30は、図3に示すように、ケース10の右側部材12の外面に取り付けられたアクチュエータ55により駆動されるようになっている。アクチュエータ55は電動モータを内蔵しており、出力軸(図示せず)がロータリドア30の車幅方向右側の支軸33に直接連結されている。このアクチュエータ55は、図示しない空調制御装置に信号線を介して接続されていて、乗員がインストルメントパネルの空調操作部を操作して調和空気の吹出モードを切り替えると、空調制御部はそれに対応した出力軸の目標停止位置を設定してその信号を出力し、これによりアクチュエータ55が作動するようになっている。
【0035】
次に、乗員により調和空気の各吹出モードが選択された場合について説明する。図6は、調和空気をインストルメントパネルのベント吹出口へのみ供給するベントモードが選択された場合を示し、ロータリードア30の周壁部31の開口38とベント導出口22とが略一致するまでロータリードア30が回動するように、前記空調制御部によりアクチュエータ55の目標停止位置を設定して該アクチュエータ55を作動させる。アクチュエータ55の出力軸が目標停止位置となると、周壁部31によりフット導出口23及びデフロスタ導出口21が閉塞され、ベント導出口22のみから調和空気が吹き出す。これと同時に、ロータリードア30の端壁部32,32の開口39,39が連通路40,40と連通状態となり、調和空気は該各連通路40を通ってもベント導出口22に流れるようになるので、通路面積を十分に確保してスムーズな送風が可能となる。このとき、第2シール部材S2及び第3シール部材S3がベント導出口22周縁の第2シール面L2及び第3シール面L3にそれぞれ当接して、ベント導出口22周縁と周壁部31との間から調和空気がフット導出口23及びデフロスタ導出口21へ洩れることはない。また、第2シール部材S2及び第3シール部材S3の回動軸方向両端側は、端壁部32,32の開口39,39両側までそれぞれ延びていて、対向するケース10内面に圧接しているので、調和空気が端壁部32,32とケース10内面との間からフット導出口23及びデフロスタ導出口21へ洩れることも防止される。さらに、第1シール部材S1がフット導出口23の周縁の第1シール面L1に当接するとともに、第6シール部材S6及び第7シール部材S7がデフロスタ導出口21周縁の第4シール面L4に当接するので、ケース10内の調和空気が周壁部31の周方向両側からフット導出口23及びデフロスタ導出口21に流れ込むのを防止できる。これら第1、第6及び第7シール材S1,S6,S7の回動軸方向両端側も、前記第2及び第3シール部材と同様に、ケース10内面に圧接しているので、そこからの調和空気の洩れを防止できる。
【0036】
図7(a)は、調和空気をインストルメントパネルのベント吹出口及びフットダクト26へ供給するバイレベルモードが選択された場合を示し、前記ベントモードの場合と同様にアクチュエータ55により、周壁部31の開口38,38,…がフット導出口23とベント導出口22とに略半分づつ重なるような位置となるまでロータリードア30を回動させる。この状態では、デフロスタ導出口21が周壁部31により閉塞され、一方、端壁部32,32の開口39,39が連通路40,40,41,41と連通状態となり、調和空気は該各連通路40,41からもベント導出口22及びフット導出口23に流れるようになる。このとき、第4シール部材S4が第3シール面L3に当接してベント導出口22周縁と周壁部31との間からデフロスタ導出口21へ調和空気が流れることはない。また、第7シール部材S7が第4シール面L4に当接しており、調和空気が周壁部31の周方向他側の端部からデフロスタ導出口21へ流れ込むのを防止できる。さらに、前記ベントモードの場合と同様に、第4シール部材S4及び第7シール部材S7の回動軸方向両端側がケース10内面に圧接しているので、そこからの調和空気の洩れを防止できる。
【0037】
図7(b)は、調和空気をフットダクト26及び調和空気の若干量をデフロスタ吹出口へ供給するヒートモードが選択された場合を示し、前記各モードの場合と同様にアクチュエータ55により、周壁部31の開口38,38,…がフット導出口23と略一致するまでロータリードア30を回動させる。これにより、ベント導出口22が周壁部31により閉塞されかつデフロスト導出口21の殆どが周壁部31により覆われて、フット導出口23から調和空気の大部分が吹き出す。このとき、第7シール部材S7の先端側が第4シール面L4から僅か離れた状態となっていて、調和空気の若干量がデフロスタ導出口21から吹き出す。端壁部32,32の開口39,39が連通路41,41と連通状態となり、調和空気は該各連通路41からもフット導出口23へ流れるようになる。また、第3シール部材S3が第2シール面L2に当接するので、フット導出口23周縁と周壁部31との間からベント導出口22へ調和空気が洩れることはない。さらに、第5シール部材S5が第3シール面L3に当接しているので、調和空気がベント吹出口22に流れ込むのを防止できる。前記ベントモードの場合と同様に、第3シール部材S3及び第5シール部材S5の回動軸方向両端側がケース10内面に圧接しているので、そこからの調和空気の洩れを防止できる。
【0038】
図7(c)は、調和空気をフットダクト26及びインストルメントパネルのデフロスタ吹出口へ供給するヒート/デフロスタモードが選択された場合を示し、前記各モードの場合と同様にアクチュエータ55により、周壁部31の開口38,38,…がフット導出口23と重なりかつ周壁部31の周方向他側の端部がデフロスタ導出口21の略中央に対応する位置となるまでロータリードア30を回動させる。これにより、調和空気は周壁部31の各開口38からフットダクト26に流れるとともに、周壁部31の周方向他側の端部と第4シール面L4との間からデフロスタ導出口21へ流れるとともに、連通路41,41からもフット導出口23へ流れるようになる。このとき、第4シール部材S4及び第6シール部材S6が第2シール面L2及び第3シール面L3にそれぞれ当接しているので、フット導出口23周縁と周壁部31との間及びデフロスタ導出口21周縁と周壁部31との間からベント導出口22へ調和空気が洩れることはない。また、前記各モードの場合と同様に、第4シール部材S4及び第6シール部材S6の回動軸方向両端側がケース10内面に圧接しているので、そこからの調和空気の洩れを防止できる。
【0039】
図7(d)は、調和空気をインストルメントパネルのデフロスタ吹出口へのみ供給するデフロスタモードが選択された場合を示し、前記各モードの場合と同様にアクチュエータ55により、周壁部31の周方向他側の端部が第3シール面L3に近接した状態、即ちデフロスタ導出口21が略全開となるまでロータリードア30を回動させる。これにより、フット導出口23及びベント導出口22が周壁部31により閉塞され、デフロスタ導出口21のみから調和空気が吹き出す。また、第3シール部材S3が第1シール面L1に当接しているので、フット導出口23周縁と周壁部31との間から調和空気がフット導出口23へ流れ込むのを防止できる。さらに、第7シール部材S7が第3シール面L3に当接しているので、デフロスタ導出口21周縁と周壁部31との間から調和空気がベント導出口22へ流れ込むのを防止できる。前記各モードの場合と同様に、第3シール部材S3及び第7シール部材S7の回動軸方向両端側がケース10内面に圧接しているので、そこからの調和空気の洩れを防止できる。
【0040】
したがって、この実施形態に係る自動車用空調装置1によると、ロータリードア30の周壁部31に、回動軸方向に延びるとともに径方向外方へ突出する可撓性シール部材Sを設け、各吹出モードが選択されたときに、該シール部材Sの先端側をケース10のシール面Lに撓んだ状態で圧接させるので、シール部材Sやケース10のシール面Lに成形誤差が生じていてもシール部材Sの先端側がその誤差を吸収して密着する。加えて、そのときにはシール部材Sは撓んだ状態からの復元力によりシール面Lに圧接しているので、調和空気の送風量の過不足によってその圧接力が変化することはない。これにより、成形誤差や調和空気の送風量に関わらず、シール性を十分に確保できるとともに、ロータリードア30の操作力が設定範囲を超えることを防止して該ロータリードア30の操作性を良好にすることができる。
【0041】
また、前記各吹出モードに切り替える際、例えば、図6に示すベントモードから図7(a)に示すバイレベルモードへ切り替える際には、ロータリードア30が回動して導出口21〜23を開閉する途中においては、ベントモードで第2シール面L2及び第3シール面L3にそれぞれ圧接していた第2シール部材S2及び第3シール部材S3が、それらシール面L2,L3から離れて導出口23,22の内方及び連通路41,41,40,40内に位置してケース10内面から離れる。これにより、第2シール部材S2及び第3シール部材S3のシール面Lとの摺接抵抗がなくなり、ロータリードア30の操作力を小さくすることができ、操作性を一層良好にできる。尚、このことは、前記ベントモードからバイレベルモードへ切り替える際に限られるものではなく、どのモードに切り替える際にも同様である。
【0042】
また、一般に、アクチュエータ55が有する作動精度により、出力軸が目標停止位置となるように信号を送っても、該目標停止位置を若干超えて停止する場合や手前で停止する場合があり、目標停止位置に対してずれが生じることがある。こうなると、シール部材Sの先端側の位置がアクチュエータ55のずれ量に対応する距離だけシール面Lに対してずれるので、シール部材Sの圧接状態を確保できないことが考えられる。これに対して、この実施形態では、シール面Lのロータリードア30回動方向の長さをアクチュエータ55のずれ量を見込んだ長さに設定しており、これにより、アクチュエータ55の前記ずれ量を吸収するためのリンク機構等を配設する必要はなく、出力軸をロータリードア30の支軸33に直接連結しても、シール性を十分に確保でき、よって、空調装置1の部品点数の削減を図ることができる。
【0043】
また、前記ケース10の左側部材11及び右側部材12を該ケース10の車幅方向に移動する成形型により成形した場合では、図8に示すように、ロータリードア30の周壁部31に対応する壁部には型抜きのための勾配を形成する必要があるので、シール面Lは回動軸に対してケース10の分割面Pが位置する車幅方向中央部が最も離間するように傾斜する。こうなると、型抜き勾配を考慮してシール部材Sの形状を設定しなければならず、煩雑になる虞れがあるが、この実施形態では、ロータリードア30の周壁部31に前記ケース10の型抜き勾配に対応する型抜き勾配を形成してシール部材Sの形状設定を容易に行えるようにしている。前記シール面Lの傾斜角度に対応するように、周壁部31も回動軸に対してその車幅方向中央部が最も離間するように傾斜させて成形することで、シール面Lと周壁部31との間隔がその回動軸方向両端に亘って略同じ間隔となり、シール部材Sの形状設定を容易にしつつ、シール部材Sをシール面Lに対して全体に亘って略同じように圧接することができ、十分なシール性を得ることができる。
【0044】
尚、前記ロータリードア30の周壁部31を前記のように傾斜させて成形することなく、シール部材Sの周壁部31からの突出高さを前記型抜きの勾配に対応させて回動軸方向中央部が最も高くなるように、シール部材Sの形状を設定するようにしても十分なシール性を得ることは可能である。
【0045】
(他の実施形態)
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、ロータリードア30とケース10との間に連通路40,40,41,41を形成して端壁部32,32の開口39,39からも調和空気を導出口22,23へ流出させるようにしているが、これに限らず、図9に示すように、各連通路40,41及びロータリードア30の各端壁部32の開口39を省略してもよい。この場合では、シール部材Sの回動軸方向の端部は周壁部31の両端部まで延びるように直線状に形成すればよく、これによりシール部材Sに屈曲部分を形成する必要がなくなり、シール性をより一層向上できる。
【0046】
前記実施形態では、ロータリードア30をアクチュエータ55により自動的に回動させるようにしているが、これに限らず、図示しないが、例えばインストルメントパネルの空調操作部に吹出モード切替レバーを設け、該レバーとロータリードア30の支軸33とをワイヤにより連結して手動操作可能に構成してもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る車両用空調装置によると、空調機器を収容したケースに調和空気の導出口を複数並設し、これら導出口を選択的に開閉する略円弧面状に形成された周壁部を有するロータリードアを、前記ケース内部に導出口並設方向へ回動可能に配設した車両用空調装置であって、ロータリードアの周壁部には、該周壁部が回動することで前記各導出口とケース内部とを連通させる開口と、回動軸方向に延びかつ周壁部の径方向外方へ突出して前記各導出口をシールする複数の板状の可撓性シール部材とを設け、前記ケースの各導出口周縁におけるケース内部側には前記シール部材が当接するシール面を形成し、該シール部材をその先端側が前記シール面に撓んで圧接するように形成したので、周壁部の開口と所望の導出口とが一致するようにロータリードアを回動させると、シール部材の先端側がケースのシール面に撓んでそれぞれ圧接し、これにより、シール部材の成形誤差や調和空気の送風量に関わらず、他の導出口からの調和空気の洩れを防止できるとともにロータリードアの操作性を良好にできる。
【0048】
また、シール部材の基端側を周壁部のスリットに挿入すると、該スリットの周縁がシール部材の厚み方向両側の溝部に嵌入するので、シール部材を容易にかつしっかりと組み付けることが可能になるとともに、そのときのシール部材と周壁部のスリットとの間からの空気洩れを防止できる。
【0049】
請求項記載の発明によると、シール面の位置を膨出部の形状により容易に設定できる。
【0050】
請求項記載の発明によると、シール面のロータリードア回動方向の長さがアクチュエータの作動精度に起因する停止位置のずれ量を見込んだ長さとされているので、そのずれ量を吸収するためのリンク機構等を配設することなく、シール部材とシール面との圧接状態を確保することができ、これにより、アクチュエータの出力軸をロータリードアに直接連結することが可能となり、空調装置の部品点数を削減できる。
【0051】
請求項記載の発明によると、ケース内の調和空気はロータリードアの端壁部の開口からも連通路を介して導出口へ流れるようになるので、調和空気をスムーズに送風でき、この際、シール部材が端壁部の開口両側まで連続して一体成形されているので、部品点数の増加を招くことなくシール性を十分に確保できる。
【0052】
請求項記載の発明によると、ロータリードアの周壁部には、ケースの壁部に対応する型抜き勾配が形成されるとともに、シール部材が設けられているので、シール部材の形状を容易に設定しつつ、十分なシール性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 空調ユニットの内部構造を示す縦断面図である。
【図2】 空調装置の外観を示す車体後側上方から見た斜視図である。
【図3】 空調ユニットの上部を車幅方向右側から見た側面図である。
【図4】 ロータリードア及び補強部材を車幅方向右側から見た斜視図である。
【図5】 (a)は図3におけるA−A線断面図であり、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図6】 空調ユニットのロータリードア近傍を拡大して示す図1相当図である。
【図7】 空調ユニットの各吹出モードにおけるロータリードアの状態を示し、(a)はバイレベルモードであり、(b)はヒートモードであり、(c)はヒート/デフロスタモードであり、(d)はデフロスタモードである。
【図8】 変形例に係る図5(a)相当図である。
【図9】 他の実施形態に係る図5(a)相当図である。
【符号の説明】
10 ケース
11 左側部材(第1部材)
12 右側部材(第2部材)
13 エバポレータ(空調機器)
15 ヒータコア(空調機器)
21 デフロスタ導出口
22 ベント導出口
23 フット導出口
30 ロータリードア
31 周壁部
32 端壁部
38 開口
39 開口
40 連通路
41 連通路
43 膨出部
44 スリット
45 溝部
55 アクチュエータ
S シール部材
L シール面

Claims (5)

  1. 空調機器を収容したケースに調和空気の導出口を複数並設し、これら導出口を選択的に開閉する略円弧面状に形成された周壁部を有するロータリードアを、前記ケース内部に導出口並設方向へ回動可能に配設した車両用空調装置であって、
    前記ロータリードアの周壁部には、該周壁部が回動することで前記各導出口とケース内部とを連通させる開口と、回動軸方向に延びる複数のスリットとが設けられ、
    前記ロータリードアの周壁部内方には、補強部材が配設され、
    前記ロータリードアの各スリットには、回動軸方向に延びかつ周壁部の径方向外方へ突出して前記各導出口をシールする板状の可撓性シール部材がそれぞれ挿入され、
    前記シール部材は、突出方向基端側から先端側へ行くほど薄肉となるように形成され、該シール部材の基端側の厚み方向両側には、該シール部材の長手方向に延びる溝部がそれぞれ設けられ、
    前記シール部材は、前記溝部に前記スリットの周縁が嵌入し、かつ、突出方向基端部が前記補強部材に保持された状態で前記ロータリードアに装着され、
    前記ケースの各導出口周縁におけるケース内部側には前記シール部材が当接するシール面が形成され、該シール部材はその先端側が前記シール面に撓んで圧接することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1において、
    隣り合う導出口は近接して形成され、ケースの該隣り合う導出口の間の部分には、該ケースの内部へ膨出する膨出部が設けられ、該膨出部のケース内部に臨む面がシール面とされていることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1または2において、
    ロータリードアはアクチュエータにより駆動され、
    ケースのシール面のロータリードア回動方向の長さは、アクチュエータの目標停止位置に対するずれ量を見込んだ長さに設定されていることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1つにおいて、
    ロータリードアの周壁部の回動軸方向の端部にはそこから径方向内方へ延びる端壁部が設けられ、
    前記端壁部と該端壁部に対向するケースとの間には、下流端がケースの各導出口と連通する連通路が設けられ、
    前記端壁部には、前記連通路と連通する開口が周壁部の開口と周方向について略同じ位置に設けられ、
    シール部材は端壁部の開口の周方向両側まで連続して一体成形されていることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1つにおいて、
    ケースはロータリードアの回動軸方向一側の第1部材と他側の第2部材とから構成され、該第1部材及び第2部材は前記回動軸方向に開閉する成形型によりそれぞれ成形され、
    前記第1部材及び第2部材における前記ロータリードアの周壁部に対応する壁部には型抜き勾配が形成され、
    前記ロータリードアの周壁部には、前記第1部材及び第2部材の型抜き勾配が形成された壁部に対応する型抜き勾配が形成されるとともに、シール部材が設けられていることを特徴とする車両用空調装置。
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