JP3584525B2 - 空気通路切換装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、空気通路切換装置であって、特にロータリードアと空調ケースとのシール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、空調ケースに設けられた開口部(吹出口)を開閉する手段として、略円筒状のロータリドアを使用しているものがある。そして、例えばロータリードアがこの開口部を開口する際において、必要に応じてロータリードアの開口側面には、空調ケースの内壁とロータリドアの開口側面との間をシールするためにロータリードアの軸方向と回動方向に沿ってゴム等からなるシール材が配設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したシール材は、シール状態においては若干圧縮された状態で使用されるため、ロータリドアの回動時における摩擦抵抗が大きくなってしまい、ロータリドアの操作力が大きくなってしまうという問題がある。また、圧縮状態を緩めると、シール性が悪くなるという問題がある。
【0004】
一般的にロータリドアの操作力およびシール性を両立させる方法として、シール材と空調ケースの内壁との接触面積を小さくすることが分かっている。そして、本発明者が実際に試作検討した結果、特にロータリドアの回動方向に沿って配設されたシール材がこの回動に伴って軸方向へ不規則に撓み、その結果、逆にロータリドアの操作力が大きくなり、シール性も悪化するという問題が発生することが分かった。
【0005】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてシール材の不規則の撓みを防止することで、ロータリドアの操作力を低減させると共に、シール性を確保できる空気通路切換装置を提供すること目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1記載の発明では、、
空気通路をなし下流側に吹出開口部(101、102、104、105)を有するダクト(1)と、
このダクト内に設けられ、略円弧状の周壁部(6c、6d)を有すると共に、この周壁部が前記ダクトの内壁に沿って回動することで前記吹出開口部の開口面積を調節するロータリードア(6)と、
このロータリードアを前記周壁部の周方向に回動自在に支持する支持軸(6e)と、
前記周壁部の外周面から前記ダクトの内壁に向かって突出すると共に、前記周壁部の周方向に延在した第1のシール部材(11c)と、
前記周壁部の外周面から前記ダクトの内壁に向かって突出すると共に、前記支持軸の軸方向に延在した第2のシール部材(11b)とを備え、
前記吹出開口部を前記周壁部が開口もしくは閉口するどちらか一方において、前記第1のシール部材と前記第2のシール部材とが協働し、前記吹出開口部の開口周縁部(102a、110〜114)と全周にいたって密着し、
前記第1のシール部材の突出先端部(109)と対向する前記ダクトの内壁周辺部(107)は、前記支持軸の軸方向において、この内壁周辺部と前記支持軸との軸方向と直交する方向の距離が異なる第1の内壁部(108a)と、この第1の内壁部よりこの距離が大きい第2の内壁部(108b)とを有し、少なくとも前記第1のシール部材とこの第1の内壁部とが圧接し、前記突出先端部が第2の内壁部側に撓むように構成されていることを技術的手段として採用する。
【0007】
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、
前記第1の内壁部および前記第2の内壁部は、前記内壁周辺部と前記第1のシール部材とがシール状態において、前記第1のシール部材と前記内壁周辺部との接触面が前記回動軸の軸方向に対して傾斜する傾斜面(108)にて構成されていると良い。
【0008】
また、請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載の発明において、
前記第2のシール部材と対向し密着する前記ダクトの内壁は、前記ロータリードアが前記吹出開口部を閉口する部位(102a)と、もしくは前記ロータリードアが前記開口部を開口する部位(102b)とのどちらか一方が、前記支持軸の軸方向と直交する方向の距離が他方に比べ短くなるように構成されていると良い。
【0009】
また、請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明において、
前記ダクトの内壁は、前記支持軸の軸方向と直交する方向の距離が小さい部位(102a)では、前記第2のシール部材と接触し、前記支持軸の軸方向と直交する方向の距離が大きい部位(102b)では、第2のシール部材と非接触となるように構成されていると良い。
【0010】
また、請求項5記載の発明では、請求項1ないし請求項4いずれかに記載の発明において、
前記第1のシール材は、前記ダクトの内壁に突出する方向における幅に対して、前記ロータリードアの回動方向における幅が十分短くなっていると良い。
また、請求項6記載の発明では、請求項1ないし請求項5いずれかに記載の発明において、
前記第2のシール材は、前記ダクトの内壁に突出する方向における幅に対して、前記支持軸の軸方向における幅が十分短くなっていると良い。
【0011】
また、請求項7記載の発明では、請求項1ないし請求項6いずれかに記載の発明において、
前記ダクトは、車両用空調装置における車室内に空気を導くための空気通路であると良い。
【0012】
【作用および発明の効果】
以上に述べた発明の構成によると、請求項1および請求項2記載の発明では、
第1のシール部材の突出先端部と対向するダクトの内壁周辺部は、支持軸の軸方向において、この内壁周辺部と前記支持軸との軸方向と直交する方向の距離が異なる第1の内壁部と、この第1の内壁部よりこの距離が大きい第2の内壁部とを有し、少なくとも第1のシール部材とこの第1の内壁部とが圧接し、突出先端部が第2の内壁部側に撓むように構成されている。
【0013】
すなわち、第1の内壁部が第1のシール部材と圧接することで、突出先端部が第2の内壁部側にたわませられ、突出先端部に第1の内壁部側への力が作用したとしても、第1の内壁部よって規制され、常に突出先端部が第2の内壁部側に位置することになる。
これによって、第1のシール部材材がロータリドアの回動に伴って軸方向に不規則に撓むことが無くなり、ロータリドアの操作力を低減させることと、シール性を確保することを両立することが可能となる。
【0014】
また、請求項3記載の発明では、
前記第2のシール部材と対向し密着する前記ダクトの内壁は、前記ロータリードアが前記吹出開口部を閉口する部位と、もしくは前記ロータリードアが前記開口部を開口する部位とのどちらか一方が、前記支持軸の軸方向と直交する方向の距離が他方に比べ短くなるように構成されている。
【0015】
つまり、第2のシール部材が、この距離が大きいダクトの内壁と密着するときと、この距離が小さいダクトの内壁と密着する時では、前者の方が第2のシール部材の圧縮による復元力が小さく、ロータリドアの操作力をさらに低減させることができる。例えば、吹出開口部を完全に閉口したい場合は、この吹出開口部の開口周縁部と支持軸との距離を小さくしてやれば良い。
【0016】
また、請求項4記載の発明では、上記請求項3記載の発明において、
この距離が大きいダクト内壁は、第2のシール部材と非接触となるため、さらにロータリードアの操作力を低減させることができる。
また、請求項5記載の発明では、
前記第1のシール材は、前記ダクトの内壁に突出する方向における幅に対して、前記ロータリードアの回動方向における幅が十分短くなっているため、突出先端部とダクトの内壁との接触面積を小さくすることが可能となり、シール性を向上させることが可能となると共に、摩擦抵抗が減少しロータリードアの操作力をさらに低減できる。
【0017】
また、請求項6記載の発明では、
前記第2のシール材は、前記ダクトの内壁に突出する方向における幅に対して、前記支持軸の軸方向における幅が十分短くなっているため、第2のシール部材とダクトの内壁との接触面積を小さくすることが可能となり、シール性を向上させることが可能となると共に、摩擦抵抗が減少しロータリードアの操作力をさらに低減できる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を車両用空調装置として適用した第1実施例について図面に基づいて説明する。
図1は本実施例の通風系の全体構成を示す図である。
ダクト1は、車室内に空気を導く空気通路をなすものである。ダクト1の空気上流側には送風機2が配設されている。この送風機2は図示しない駆動手段により回転駆動される。また、ダクト1の送風機2よりも上流側(図1紙面手前側)部位には、空気を吸入するための吸入口3が形成されている。そして、この吸入口3には、図示しない圧縮機、凝縮器、減圧手段とともに周知の冷凍サイクルを構成する蒸発器を収納したクーラーユニットが接続されている。
【0019】
ダクト1内のうち送風機2よりも空気下流側部位にはヒータコア4が設けられている。このヒータコア4は、内部をエンジン冷却水が流れる熱交換器であり、ダクト1内の空気を加熱する。
ヒータコア4の空気上流側部位には、ダクト1に対して回転自在に支持されたシャフト5aを中心に回転するエアミックスドア5が配設されている。このエアミックスドア5は、自身の位置(開度)によって送風機2からの冷風をヒータコア4に通す量と、送風機からの冷風をバイパス通路(ヒータコア4をバイパスする通路)に通す量とを調節する手段である。
【0020】
次に、本発明の要部である空気通路切換装置100について説明する。
図2に図1のA矢視図を示す。図3は図2のB矢視図であり、このうち上記ダクト7、9、10部分のみを図示している。また、図4に空気通路切換装置100の単体図を示す。
ダクト1の下流側部位は、車室内に配設された各吹出口のどの吹出口から空調風を吹き出させるかを選択する空気通路切換装置100を構成している。そして、この空気通路切換装置100は、図1中ではダクト上流側部位(ヒータコア4より上流側)と一体的に形成されているように図示されているが、実際には図4に示すように別体となっている。
【0021】
空気通路切換装置100は、断面略円形状の円筒部1a、1aが図1紙面手前側と奥側(図2左側と右側)とにそれぞれ突出して形成されており、この部分1aに形成された突出部1bに後述するロータリードア6の支持軸6eが遊嵌されることによって、ロータリードア6が上記円筒部1aと1aとの間に空調ケース1に対して回転自在に支持される。
【0022】
この円筒部1aの一端側(図2および図4中上方側)は、その周面に沿って開口した略長方形状のサイドフェイス開口部101、101が形成されている。この二つのサイドフェイス開口部101には、運転席乗員および助手席乗員の上半身のサイドガラス側部位またはサイドガラスに空調空気を導くサイドフェイスダクト7、7が接続されている。一方、円筒部1aの他端側(図1および図2中下方側)にも、上述のサイド開口部101と同様な2つのフット開口部102が形成されている。そして、この2つのフット開口部102には、運転席乗員足元および助手席乗員足元に空調空気を導くフットダクト8、8とが接続されている。
【0023】
サイドフェイスダクト7と7との間には、仕切部103を挟み、センターフェイス開口部104、デフロスタ開口部105と連通する運転席乗員および助手席乗員の上半身中央部に空調空気を導くセンターフェイスダクト9と、フロントガラス内面に空調空気を導くデフロスタダクト10とが形成されている(図3参照)。
【0024】
そして、上記エアミックスドア5によって温調された空気は、後述するロータリードア6内に導かれ、このロータリドア6が上述した各開口部101〜105に沿うようにして上記支持軸6eを中心に回動し、停止した位置によって、上記各ダクト7〜10からの空気吹出量が調節される。
次に、上記ロータリドア6の形状について説明する。
【0025】
ロータリドア6は図5に示すように、外縁にリング状部分を有する2つの円板部6aと、リング状に形成された2つのリング部6bと、上記円板部6aとリング部6bとを連結する4枚(うち2枚は図4では隠れて図示されていない)の連結板6cと、上記リング部6bと6bとを連結する1枚の連結板6dのそれぞれが、図示しない所定の型によって樹脂で一体形成されている。また、円板部6a、6aの中心部には、円板部6aに対して突出した2つの円筒状の支持軸6e(うち1つは隠れて図示されていない)が形成されている。なお、連結板6c、6dにて本発明の周壁部を構成する。
【0026】
また、上記各連結板6c、6dのそれぞれの上面に、弾性体よりなるシール部材(具体的にはゴム)11が固着(具体的には接着材によって接着)されている。このシール部材11には、自身を接着した連結板に対して垂直方向(ロータリードア6をダクト1内に配設した後においては、ダクト1の内壁面側に突出する方向)に突出する可撓性部分11aが形成されている。この可撓性部分11aは、連結部6cの上面部位を囲うように突出して形成されている。
【0027】
この可撓性部分11aの囲い形状は、略長方形状を呈しており、支持軸6eの軸方向に向かって延在した第2のシール部材11bと、ロータリドア6の回動方向に向かって延在した第1のシール部材11cとからなる。
次に、上記ロータリドア6の回動位置と吹出モードとの関係を図6〜図8に基づいて説明する。なお、図6〜図8はフェイスモード、フットモード、およびデフロスタモード時における図を示し、各図の(a)は図2のC─C矢視断面図、各図の(b)は図2のD─D断面図である。
【0028】
先ず、図6に、センターフェイスダクト9およびサイドフェイスダクト7から空調風を吹き出すフェイスモードを示す。
このフェイスモード時には、図6(a)に示すようにロータリードア6の連結板6dによって、デフロスタ開口部105が閉口されると共に、センターフェイス開口部104が全開される。この時、連結板6dに接着された略長方形状を構成する第1のシール部材11bおよび第2のシール部材11cが、デフロスタ開口部105の開口周縁部110(第1および第2シール部材と対向するダクト1の内壁)に接触押圧されてシールされる。
【0029】
また、図6(b)に示すように、ロータリドア6の連結板6cによって、フット開口部102が閉口されると共に、サイドフェイス開口部101がほぼ全開に近い状態で開口される。この時連結板6cに接着された第2のシール部材11b、第1のシール部材11cがフット開口部102の開口周縁部111(第2のシール部材11b、第1のシール部材11cと対向するダクト1の内壁部)に接触押圧されてシールされる。
【0030】
次に、図7にサイドフェイスダクト7およびフットダクト8から空調風を吹き出すと共に、デフロスタダクト10からも若干量の空調風を吹き出すフットモードを示す。
このフットモード時には、図7(a)に示すようにロータリードア6の連結板6dによって、センターフェイス開口部104が閉口されると共に、デフロスタ開口部105が若干開口される。この時、連結板6dに接着された略長方形状を構成する第2のシール部材11bおよび第1のシール部材11cが、センターフェイス開口部104の開口周縁部112(第1のシール部材11b、第2のシール部材11cと対向するダクト1の内壁部)に接触押圧されてシールされる。
【0031】
また、図7(b)に示すように、ロータリドア6の連結板6cではどの開口部も閉口されない。
次に、図8にデフロスタダクト10およびサイドフェイスダクト7から空調風を吹き出すデフロスタモードを示す。
このデフロスタモード時には、図8(a)に示すようにロータリードア6の連結板6dによって、センタフェイス開口部104が全閉されると共に、デフロスタ開口部105が全開される。この時、連結板6dに接着された略長方形状を構成する第2のシール部材11bおよび第1のシール部材11cが、センタフェイス開口部104の開口周縁部113(第2のシール部材11b、第1のシール部材11cと対向するダクト1の内壁部)に接触押圧されてシールされる。
【0032】
また、図8(b)に示すように、ロータリドア6の連結板6cによって、フット開口部102が全閉されると共に、サイドフェイス開口部101が全開される。この時、連結板6cに接着された第2のシール部材11b、第1のシール部材11cがフット開口部102の開口周縁部114(第1のシール部材11c、第2のシール部材11bと対向するダクト1の内壁部)に接触押圧されてシールされる。
【0033】
なお、図示しなかったが、上記各連結板6c、6dが図6と図7の中間位置になるときにセンタフェイスダクト9サイドフェイスダクト7およびフットダクト8から空調風を吹き出すバイレベルモードとなり、上記各連結板6c、6dが図7と図8の中間位置になるときにサイドフェイス7、フットダクト8およびデフロスタダクト10から空調風を吹き出すフットデフモードとなる。
【0034】
ところで、本実施例において第1のシール部材11cと対向するダクト1の内壁周辺部107は、図9(図4のE−E断面図)に示すように支持軸6eの軸方向に沿って、この支持軸6eとこの軸方向と直交する方向の距離が異なるように構成されている。
つまり、本実施例においてはダクト1の内壁と回動軸6eとの距離が、図9中右方向へ向かって支持軸6eからの距離が大きくなるように構成されており、内壁周辺部107は、円筒部分1aの径方向外方に向かって傾斜した傾斜面108となっている。
【0035】
すなわち、傾斜面108は、支持軸6eとこの軸方向と直交する方向の距離が小さい第1の内壁部108aと、この第1の内壁部108aより距離が大きい第2の内壁部108bとからなり、この第1の内壁部108aが第1のシール部材11cと圧着することで第1のシール部材11cの突出先端部109が、第2の内壁部108b側にたわませられる。つまり、ロータリードア6が回動するに伴って、第1のシール部材11cに図9中左方向に力が作用した場合、第1の内壁部108aによって、第1のシール部材11cの突出先端部109が図9中左方向に歪むこが規制される。
【0036】
これによって、内壁周辺部107によって第1のシール部材11cの突出先端部109が図9中左方向に規制されるため、ロータリードア6の回動時においても第2のシール部材11cの突出先端部109が軸方向に不規則に撓むことが無くなる。これによって、ロータリードア6の操作力を低減できると共に、シール性を向上させることができる。
【0037】
また、第1のシール部材11cは、その突出方向における幅が軸方向における幅に比べ十分大きい、つまり第1のシール部材11cが突起形状をなしていると共に、第1のシール部材11cのうち撓む部分(ここでは、突出先端部109)の長さをできる限り小さくすることで、第1のシール部材11cと内壁周辺部107との接触面積と小さくすることができる。これによって、従来のような面接触から線接触に近い状態にてシール可能となり、摩擦抵抗を小さくでき、さらにロータリードア6の操作力を低減させることができる。
【0038】
なお、ここでは図4中の一部分の断面図に基づいて説明したが、ロータリドア6の回動に伴い、第1のシール部材11cが対向するダクト1の内壁は、上述した構成と同じようになっている。
また、本実施例では、さらにロータリードア6の操作力を低減させるために、ダクト1を以下に述べるような構成とした。
【0039】
一例として、図7(b)、図8(b)に基づいて説明すると、第2のシール部材11bと対向するダクト1の内壁は、フット開口部102の開口周縁部102a(フット開口部102を連結板6cが閉口する際、第2のシール部材11bと対向し接触する部位)と、この開口周縁部102aからさらにフット開口部102より遠方に位置する部位102b(フット開口部102を連結板6dが開口する際、第2のシール部材11bと対向し接触する部位)とでは、支持軸6eとからの距離(支持軸6eとこの支持軸6eの軸方向と直交する方向の距離)が異なり、後者の方が長くなっている。
【0040】
つまり、例えば図8(b)に示すように連結板6cがフット開口部102を閉口している状態では、第2のシール部材11bは開口周縁部102aと対向配置されると共に、第2のシール部材11bの先端部ががこの開口周縁部102aに接触押圧することで、完全にフット開口部102を閉口する。そして、この状態では、もう一つの連結板6cはどの開口部を閉口する必要が無いため、この連結板6cに固着された第2のシール部材11bは対向する部位102bと非接触状態となる。
【0041】
要するに回動軸6eと開口周縁部102aとの距離が、回動軸6eと部位102bとのそれより大きいため、この部位102bと対向するように連結板6cが回動する場合は、第2のシール部材11bと部位102bとが非接触状態となり、摩擦抵抗を0とすることができ、ロータリードア6の操作力をさらに低減させることができる。
【0042】
なお、ここではフット開口部102にて説明を進めたが、他の開口部101、103〜105についても同様な空調ケース1の構成となっている。
以上のように、第1のシール部材11bに対向する内壁周辺部107を傾斜させることで、第1のシール部材11cが不規則に撓むことが無くなり、ロータリドア6の操作力を低減させることができ、シール性も向上させることができる。
【0043】
また、第2のシール部材11bに対向する開口周縁部102aと部位102bとの回動軸6eからの距離を異なるようにしたため、さらにロータリードア6の操作力を低減させることができる。
なお、上記実施例において、連結板6c、6dの上面全てにシール部材11を配設したが、シールに必要な部分だけに配設すれば良く、例えば図10に示すように断面四角形状のシール部材11としても良い。また、第2のシール部材11cを突起形状としたが、どのような形状でも良い。
【0044】
また、連結板6c、6dにシール部材11を配設することが困難な場合、図11に示すように、連結板6cまたは連結板6dに複数の穴60cまたは60dを形成し、この連結板6cまたは6dを所定の型の中に入れてゴムのようなシール部材を流し込み、このシール部材を固めることによって、連結板6cまたは連結板6dの上面にシール部材11を固着させるようにしても良い。
【0045】
また、上記実施例では、第1のシール部材11cは、突起形状としたが、軸方向に撓み可能な形状であればどのようなものでも良い。
また、上記実施例では、第2のシール部材11bは部位102bと非接触であったが、部位102bと回動軸6eとの距離を、周壁部102aと回動軸6eとの距離より大きくする構成とすれば、第2のシール部材11bと部位102bとは接触しても良い。
【0046】
また、例えば、図8(b)に示す状態にて、第1のシール部材11cと第2のシール部材11bとに囲まれる部位(連結板6c)に開口部を設け、この開口部を介してフット吹出口102に送風するようにしても良い。なお、この場合、他の吹出口を閉口するため、他の連結板がこの吹出口に対向配置されるようにロータリードア6を構成にすると良い。
【0047】
また、図12に示すようにダクト1の内壁に連結板6cに向かって突出した突出部115を設け、この突出部115によって第1のシール部材11c図10中右側にたわませるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における空調系の全体構成を示す図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図2のB矢視図である。
【図4】図1中吹出口切換手段100の単体図である。
【図5】上記実施例におけるロータリードア6の全体構成を示す斜視図である。
【図6】フェイスモードにおけるロータリドア6の位置関係を示す図である。
【図7】フットモードにおけるロータリドア6の位置関係を示す図である。
【図8】デフロスタモードにおけるロータリドア6の位置関係を示す図である。
【図9】図5のE−E断面図である。
【図10】他の例を示す図である。
【図11】他の例を示す図である。
【図12】他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 ダクト
6 ロータリードア
6c 連結板(周壁部)
6d 連結板(周壁部)
6e 支持軸
11c 第1のシール部材
11b 第2のシール部材
102a 開口周壁部
107 内壁周壁部
108a 第1の内壁部
108b 第2の内壁部
109 突出先端部
110〜114 開口周縁部
【産業上の利用分野】
本発明は、空気通路切換装置であって、特にロータリードアと空調ケースとのシール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、空調ケースに設けられた開口部(吹出口)を開閉する手段として、略円筒状のロータリドアを使用しているものがある。そして、例えばロータリードアがこの開口部を開口する際において、必要に応じてロータリードアの開口側面には、空調ケースの内壁とロータリドアの開口側面との間をシールするためにロータリードアの軸方向と回動方向に沿ってゴム等からなるシール材が配設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したシール材は、シール状態においては若干圧縮された状態で使用されるため、ロータリドアの回動時における摩擦抵抗が大きくなってしまい、ロータリドアの操作力が大きくなってしまうという問題がある。また、圧縮状態を緩めると、シール性が悪くなるという問題がある。
【0004】
一般的にロータリドアの操作力およびシール性を両立させる方法として、シール材と空調ケースの内壁との接触面積を小さくすることが分かっている。そして、本発明者が実際に試作検討した結果、特にロータリドアの回動方向に沿って配設されたシール材がこの回動に伴って軸方向へ不規則に撓み、その結果、逆にロータリドアの操作力が大きくなり、シール性も悪化するという問題が発生することが分かった。
【0005】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてシール材の不規則の撓みを防止することで、ロータリドアの操作力を低減させると共に、シール性を確保できる空気通路切換装置を提供すること目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1記載の発明では、、
空気通路をなし下流側に吹出開口部(101、102、104、105)を有するダクト(1)と、
このダクト内に設けられ、略円弧状の周壁部(6c、6d)を有すると共に、この周壁部が前記ダクトの内壁に沿って回動することで前記吹出開口部の開口面積を調節するロータリードア(6)と、
このロータリードアを前記周壁部の周方向に回動自在に支持する支持軸(6e)と、
前記周壁部の外周面から前記ダクトの内壁に向かって突出すると共に、前記周壁部の周方向に延在した第1のシール部材(11c)と、
前記周壁部の外周面から前記ダクトの内壁に向かって突出すると共に、前記支持軸の軸方向に延在した第2のシール部材(11b)とを備え、
前記吹出開口部を前記周壁部が開口もしくは閉口するどちらか一方において、前記第1のシール部材と前記第2のシール部材とが協働し、前記吹出開口部の開口周縁部(102a、110〜114)と全周にいたって密着し、
前記第1のシール部材の突出先端部(109)と対向する前記ダクトの内壁周辺部(107)は、前記支持軸の軸方向において、この内壁周辺部と前記支持軸との軸方向と直交する方向の距離が異なる第1の内壁部(108a)と、この第1の内壁部よりこの距離が大きい第2の内壁部(108b)とを有し、少なくとも前記第1のシール部材とこの第1の内壁部とが圧接し、前記突出先端部が第2の内壁部側に撓むように構成されていることを技術的手段として採用する。
【0007】
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、
前記第1の内壁部および前記第2の内壁部は、前記内壁周辺部と前記第1のシール部材とがシール状態において、前記第1のシール部材と前記内壁周辺部との接触面が前記回動軸の軸方向に対して傾斜する傾斜面(108)にて構成されていると良い。
【0008】
また、請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載の発明において、
前記第2のシール部材と対向し密着する前記ダクトの内壁は、前記ロータリードアが前記吹出開口部を閉口する部位(102a)と、もしくは前記ロータリードアが前記開口部を開口する部位(102b)とのどちらか一方が、前記支持軸の軸方向と直交する方向の距離が他方に比べ短くなるように構成されていると良い。
【0009】
また、請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明において、
前記ダクトの内壁は、前記支持軸の軸方向と直交する方向の距離が小さい部位(102a)では、前記第2のシール部材と接触し、前記支持軸の軸方向と直交する方向の距離が大きい部位(102b)では、第2のシール部材と非接触となるように構成されていると良い。
【0010】
また、請求項5記載の発明では、請求項1ないし請求項4いずれかに記載の発明において、
前記第1のシール材は、前記ダクトの内壁に突出する方向における幅に対して、前記ロータリードアの回動方向における幅が十分短くなっていると良い。
また、請求項6記載の発明では、請求項1ないし請求項5いずれかに記載の発明において、
前記第2のシール材は、前記ダクトの内壁に突出する方向における幅に対して、前記支持軸の軸方向における幅が十分短くなっていると良い。
【0011】
また、請求項7記載の発明では、請求項1ないし請求項6いずれかに記載の発明において、
前記ダクトは、車両用空調装置における車室内に空気を導くための空気通路であると良い。
【0012】
【作用および発明の効果】
以上に述べた発明の構成によると、請求項1および請求項2記載の発明では、
第1のシール部材の突出先端部と対向するダクトの内壁周辺部は、支持軸の軸方向において、この内壁周辺部と前記支持軸との軸方向と直交する方向の距離が異なる第1の内壁部と、この第1の内壁部よりこの距離が大きい第2の内壁部とを有し、少なくとも第1のシール部材とこの第1の内壁部とが圧接し、突出先端部が第2の内壁部側に撓むように構成されている。
【0013】
すなわち、第1の内壁部が第1のシール部材と圧接することで、突出先端部が第2の内壁部側にたわませられ、突出先端部に第1の内壁部側への力が作用したとしても、第1の内壁部よって規制され、常に突出先端部が第2の内壁部側に位置することになる。
これによって、第1のシール部材材がロータリドアの回動に伴って軸方向に不規則に撓むことが無くなり、ロータリドアの操作力を低減させることと、シール性を確保することを両立することが可能となる。
【0014】
また、請求項3記載の発明では、
前記第2のシール部材と対向し密着する前記ダクトの内壁は、前記ロータリードアが前記吹出開口部を閉口する部位と、もしくは前記ロータリードアが前記開口部を開口する部位とのどちらか一方が、前記支持軸の軸方向と直交する方向の距離が他方に比べ短くなるように構成されている。
【0015】
つまり、第2のシール部材が、この距離が大きいダクトの内壁と密着するときと、この距離が小さいダクトの内壁と密着する時では、前者の方が第2のシール部材の圧縮による復元力が小さく、ロータリドアの操作力をさらに低減させることができる。例えば、吹出開口部を完全に閉口したい場合は、この吹出開口部の開口周縁部と支持軸との距離を小さくしてやれば良い。
【0016】
また、請求項4記載の発明では、上記請求項3記載の発明において、
この距離が大きいダクト内壁は、第2のシール部材と非接触となるため、さらにロータリードアの操作力を低減させることができる。
また、請求項5記載の発明では、
前記第1のシール材は、前記ダクトの内壁に突出する方向における幅に対して、前記ロータリードアの回動方向における幅が十分短くなっているため、突出先端部とダクトの内壁との接触面積を小さくすることが可能となり、シール性を向上させることが可能となると共に、摩擦抵抗が減少しロータリードアの操作力をさらに低減できる。
【0017】
また、請求項6記載の発明では、
前記第2のシール材は、前記ダクトの内壁に突出する方向における幅に対して、前記支持軸の軸方向における幅が十分短くなっているため、第2のシール部材とダクトの内壁との接触面積を小さくすることが可能となり、シール性を向上させることが可能となると共に、摩擦抵抗が減少しロータリードアの操作力をさらに低減できる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を車両用空調装置として適用した第1実施例について図面に基づいて説明する。
図1は本実施例の通風系の全体構成を示す図である。
ダクト1は、車室内に空気を導く空気通路をなすものである。ダクト1の空気上流側には送風機2が配設されている。この送風機2は図示しない駆動手段により回転駆動される。また、ダクト1の送風機2よりも上流側(図1紙面手前側)部位には、空気を吸入するための吸入口3が形成されている。そして、この吸入口3には、図示しない圧縮機、凝縮器、減圧手段とともに周知の冷凍サイクルを構成する蒸発器を収納したクーラーユニットが接続されている。
【0019】
ダクト1内のうち送風機2よりも空気下流側部位にはヒータコア4が設けられている。このヒータコア4は、内部をエンジン冷却水が流れる熱交換器であり、ダクト1内の空気を加熱する。
ヒータコア4の空気上流側部位には、ダクト1に対して回転自在に支持されたシャフト5aを中心に回転するエアミックスドア5が配設されている。このエアミックスドア5は、自身の位置(開度)によって送風機2からの冷風をヒータコア4に通す量と、送風機からの冷風をバイパス通路(ヒータコア4をバイパスする通路)に通す量とを調節する手段である。
【0020】
次に、本発明の要部である空気通路切換装置100について説明する。
図2に図1のA矢視図を示す。図3は図2のB矢視図であり、このうち上記ダクト7、9、10部分のみを図示している。また、図4に空気通路切換装置100の単体図を示す。
ダクト1の下流側部位は、車室内に配設された各吹出口のどの吹出口から空調風を吹き出させるかを選択する空気通路切換装置100を構成している。そして、この空気通路切換装置100は、図1中ではダクト上流側部位(ヒータコア4より上流側)と一体的に形成されているように図示されているが、実際には図4に示すように別体となっている。
【0021】
空気通路切換装置100は、断面略円形状の円筒部1a、1aが図1紙面手前側と奥側(図2左側と右側)とにそれぞれ突出して形成されており、この部分1aに形成された突出部1bに後述するロータリードア6の支持軸6eが遊嵌されることによって、ロータリードア6が上記円筒部1aと1aとの間に空調ケース1に対して回転自在に支持される。
【0022】
この円筒部1aの一端側(図2および図4中上方側)は、その周面に沿って開口した略長方形状のサイドフェイス開口部101、101が形成されている。この二つのサイドフェイス開口部101には、運転席乗員および助手席乗員の上半身のサイドガラス側部位またはサイドガラスに空調空気を導くサイドフェイスダクト7、7が接続されている。一方、円筒部1aの他端側(図1および図2中下方側)にも、上述のサイド開口部101と同様な2つのフット開口部102が形成されている。そして、この2つのフット開口部102には、運転席乗員足元および助手席乗員足元に空調空気を導くフットダクト8、8とが接続されている。
【0023】
サイドフェイスダクト7と7との間には、仕切部103を挟み、センターフェイス開口部104、デフロスタ開口部105と連通する運転席乗員および助手席乗員の上半身中央部に空調空気を導くセンターフェイスダクト9と、フロントガラス内面に空調空気を導くデフロスタダクト10とが形成されている(図3参照)。
【0024】
そして、上記エアミックスドア5によって温調された空気は、後述するロータリードア6内に導かれ、このロータリドア6が上述した各開口部101〜105に沿うようにして上記支持軸6eを中心に回動し、停止した位置によって、上記各ダクト7〜10からの空気吹出量が調節される。
次に、上記ロータリドア6の形状について説明する。
【0025】
ロータリドア6は図5に示すように、外縁にリング状部分を有する2つの円板部6aと、リング状に形成された2つのリング部6bと、上記円板部6aとリング部6bとを連結する4枚(うち2枚は図4では隠れて図示されていない)の連結板6cと、上記リング部6bと6bとを連結する1枚の連結板6dのそれぞれが、図示しない所定の型によって樹脂で一体形成されている。また、円板部6a、6aの中心部には、円板部6aに対して突出した2つの円筒状の支持軸6e(うち1つは隠れて図示されていない)が形成されている。なお、連結板6c、6dにて本発明の周壁部を構成する。
【0026】
また、上記各連結板6c、6dのそれぞれの上面に、弾性体よりなるシール部材(具体的にはゴム)11が固着(具体的には接着材によって接着)されている。このシール部材11には、自身を接着した連結板に対して垂直方向(ロータリードア6をダクト1内に配設した後においては、ダクト1の内壁面側に突出する方向)に突出する可撓性部分11aが形成されている。この可撓性部分11aは、連結部6cの上面部位を囲うように突出して形成されている。
【0027】
この可撓性部分11aの囲い形状は、略長方形状を呈しており、支持軸6eの軸方向に向かって延在した第2のシール部材11bと、ロータリドア6の回動方向に向かって延在した第1のシール部材11cとからなる。
次に、上記ロータリドア6の回動位置と吹出モードとの関係を図6〜図8に基づいて説明する。なお、図6〜図8はフェイスモード、フットモード、およびデフロスタモード時における図を示し、各図の(a)は図2のC─C矢視断面図、各図の(b)は図2のD─D断面図である。
【0028】
先ず、図6に、センターフェイスダクト9およびサイドフェイスダクト7から空調風を吹き出すフェイスモードを示す。
このフェイスモード時には、図6(a)に示すようにロータリードア6の連結板6dによって、デフロスタ開口部105が閉口されると共に、センターフェイス開口部104が全開される。この時、連結板6dに接着された略長方形状を構成する第1のシール部材11bおよび第2のシール部材11cが、デフロスタ開口部105の開口周縁部110(第1および第2シール部材と対向するダクト1の内壁)に接触押圧されてシールされる。
【0029】
また、図6(b)に示すように、ロータリドア6の連結板6cによって、フット開口部102が閉口されると共に、サイドフェイス開口部101がほぼ全開に近い状態で開口される。この時連結板6cに接着された第2のシール部材11b、第1のシール部材11cがフット開口部102の開口周縁部111(第2のシール部材11b、第1のシール部材11cと対向するダクト1の内壁部)に接触押圧されてシールされる。
【0030】
次に、図7にサイドフェイスダクト7およびフットダクト8から空調風を吹き出すと共に、デフロスタダクト10からも若干量の空調風を吹き出すフットモードを示す。
このフットモード時には、図7(a)に示すようにロータリードア6の連結板6dによって、センターフェイス開口部104が閉口されると共に、デフロスタ開口部105が若干開口される。この時、連結板6dに接着された略長方形状を構成する第2のシール部材11bおよび第1のシール部材11cが、センターフェイス開口部104の開口周縁部112(第1のシール部材11b、第2のシール部材11cと対向するダクト1の内壁部)に接触押圧されてシールされる。
【0031】
また、図7(b)に示すように、ロータリドア6の連結板6cではどの開口部も閉口されない。
次に、図8にデフロスタダクト10およびサイドフェイスダクト7から空調風を吹き出すデフロスタモードを示す。
このデフロスタモード時には、図8(a)に示すようにロータリードア6の連結板6dによって、センタフェイス開口部104が全閉されると共に、デフロスタ開口部105が全開される。この時、連結板6dに接着された略長方形状を構成する第2のシール部材11bおよび第1のシール部材11cが、センタフェイス開口部104の開口周縁部113(第2のシール部材11b、第1のシール部材11cと対向するダクト1の内壁部)に接触押圧されてシールされる。
【0032】
また、図8(b)に示すように、ロータリドア6の連結板6cによって、フット開口部102が全閉されると共に、サイドフェイス開口部101が全開される。この時、連結板6cに接着された第2のシール部材11b、第1のシール部材11cがフット開口部102の開口周縁部114(第1のシール部材11c、第2のシール部材11bと対向するダクト1の内壁部)に接触押圧されてシールされる。
【0033】
なお、図示しなかったが、上記各連結板6c、6dが図6と図7の中間位置になるときにセンタフェイスダクト9サイドフェイスダクト7およびフットダクト8から空調風を吹き出すバイレベルモードとなり、上記各連結板6c、6dが図7と図8の中間位置になるときにサイドフェイス7、フットダクト8およびデフロスタダクト10から空調風を吹き出すフットデフモードとなる。
【0034】
ところで、本実施例において第1のシール部材11cと対向するダクト1の内壁周辺部107は、図9(図4のE−E断面図)に示すように支持軸6eの軸方向に沿って、この支持軸6eとこの軸方向と直交する方向の距離が異なるように構成されている。
つまり、本実施例においてはダクト1の内壁と回動軸6eとの距離が、図9中右方向へ向かって支持軸6eからの距離が大きくなるように構成されており、内壁周辺部107は、円筒部分1aの径方向外方に向かって傾斜した傾斜面108となっている。
【0035】
すなわち、傾斜面108は、支持軸6eとこの軸方向と直交する方向の距離が小さい第1の内壁部108aと、この第1の内壁部108aより距離が大きい第2の内壁部108bとからなり、この第1の内壁部108aが第1のシール部材11cと圧着することで第1のシール部材11cの突出先端部109が、第2の内壁部108b側にたわませられる。つまり、ロータリードア6が回動するに伴って、第1のシール部材11cに図9中左方向に力が作用した場合、第1の内壁部108aによって、第1のシール部材11cの突出先端部109が図9中左方向に歪むこが規制される。
【0036】
これによって、内壁周辺部107によって第1のシール部材11cの突出先端部109が図9中左方向に規制されるため、ロータリードア6の回動時においても第2のシール部材11cの突出先端部109が軸方向に不規則に撓むことが無くなる。これによって、ロータリードア6の操作力を低減できると共に、シール性を向上させることができる。
【0037】
また、第1のシール部材11cは、その突出方向における幅が軸方向における幅に比べ十分大きい、つまり第1のシール部材11cが突起形状をなしていると共に、第1のシール部材11cのうち撓む部分(ここでは、突出先端部109)の長さをできる限り小さくすることで、第1のシール部材11cと内壁周辺部107との接触面積と小さくすることができる。これによって、従来のような面接触から線接触に近い状態にてシール可能となり、摩擦抵抗を小さくでき、さらにロータリードア6の操作力を低減させることができる。
【0038】
なお、ここでは図4中の一部分の断面図に基づいて説明したが、ロータリドア6の回動に伴い、第1のシール部材11cが対向するダクト1の内壁は、上述した構成と同じようになっている。
また、本実施例では、さらにロータリードア6の操作力を低減させるために、ダクト1を以下に述べるような構成とした。
【0039】
一例として、図7(b)、図8(b)に基づいて説明すると、第2のシール部材11bと対向するダクト1の内壁は、フット開口部102の開口周縁部102a(フット開口部102を連結板6cが閉口する際、第2のシール部材11bと対向し接触する部位)と、この開口周縁部102aからさらにフット開口部102より遠方に位置する部位102b(フット開口部102を連結板6dが開口する際、第2のシール部材11bと対向し接触する部位)とでは、支持軸6eとからの距離(支持軸6eとこの支持軸6eの軸方向と直交する方向の距離)が異なり、後者の方が長くなっている。
【0040】
つまり、例えば図8(b)に示すように連結板6cがフット開口部102を閉口している状態では、第2のシール部材11bは開口周縁部102aと対向配置されると共に、第2のシール部材11bの先端部ががこの開口周縁部102aに接触押圧することで、完全にフット開口部102を閉口する。そして、この状態では、もう一つの連結板6cはどの開口部を閉口する必要が無いため、この連結板6cに固着された第2のシール部材11bは対向する部位102bと非接触状態となる。
【0041】
要するに回動軸6eと開口周縁部102aとの距離が、回動軸6eと部位102bとのそれより大きいため、この部位102bと対向するように連結板6cが回動する場合は、第2のシール部材11bと部位102bとが非接触状態となり、摩擦抵抗を0とすることができ、ロータリードア6の操作力をさらに低減させることができる。
【0042】
なお、ここではフット開口部102にて説明を進めたが、他の開口部101、103〜105についても同様な空調ケース1の構成となっている。
以上のように、第1のシール部材11bに対向する内壁周辺部107を傾斜させることで、第1のシール部材11cが不規則に撓むことが無くなり、ロータリドア6の操作力を低減させることができ、シール性も向上させることができる。
【0043】
また、第2のシール部材11bに対向する開口周縁部102aと部位102bとの回動軸6eからの距離を異なるようにしたため、さらにロータリードア6の操作力を低減させることができる。
なお、上記実施例において、連結板6c、6dの上面全てにシール部材11を配設したが、シールに必要な部分だけに配設すれば良く、例えば図10に示すように断面四角形状のシール部材11としても良い。また、第2のシール部材11cを突起形状としたが、どのような形状でも良い。
【0044】
また、連結板6c、6dにシール部材11を配設することが困難な場合、図11に示すように、連結板6cまたは連結板6dに複数の穴60cまたは60dを形成し、この連結板6cまたは6dを所定の型の中に入れてゴムのようなシール部材を流し込み、このシール部材を固めることによって、連結板6cまたは連結板6dの上面にシール部材11を固着させるようにしても良い。
【0045】
また、上記実施例では、第1のシール部材11cは、突起形状としたが、軸方向に撓み可能な形状であればどのようなものでも良い。
また、上記実施例では、第2のシール部材11bは部位102bと非接触であったが、部位102bと回動軸6eとの距離を、周壁部102aと回動軸6eとの距離より大きくする構成とすれば、第2のシール部材11bと部位102bとは接触しても良い。
【0046】
また、例えば、図8(b)に示す状態にて、第1のシール部材11cと第2のシール部材11bとに囲まれる部位(連結板6c)に開口部を設け、この開口部を介してフット吹出口102に送風するようにしても良い。なお、この場合、他の吹出口を閉口するため、他の連結板がこの吹出口に対向配置されるようにロータリードア6を構成にすると良い。
【0047】
また、図12に示すようにダクト1の内壁に連結板6cに向かって突出した突出部115を設け、この突出部115によって第1のシール部材11c図10中右側にたわませるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における空調系の全体構成を示す図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図2のB矢視図である。
【図4】図1中吹出口切換手段100の単体図である。
【図5】上記実施例におけるロータリードア6の全体構成を示す斜視図である。
【図6】フェイスモードにおけるロータリドア6の位置関係を示す図である。
【図7】フットモードにおけるロータリドア6の位置関係を示す図である。
【図8】デフロスタモードにおけるロータリドア6の位置関係を示す図である。
【図9】図5のE−E断面図である。
【図10】他の例を示す図である。
【図11】他の例を示す図である。
【図12】他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 ダクト
6 ロータリードア
6c 連結板(周壁部)
6d 連結板(周壁部)
6e 支持軸
11c 第1のシール部材
11b 第2のシール部材
102a 開口周壁部
107 内壁周壁部
108a 第1の内壁部
108b 第2の内壁部
109 突出先端部
110〜114 開口周縁部
Claims (7)
- 空気通路をなし下流側に吹出開口部を有するダクトと、
このダクト内に設けられ、略円弧状の周壁部を有すると共に、この周壁部が前記ダクトの内壁に沿って回動することで前記吹出開口部の開口面積を調節するロータリードアと、
このロータリードアを前記周壁部の周方向に回動自在に支持する支持軸と、
前記周壁部の外周面から前記ダクトの内壁に向かって突出すると共に、前記周壁部の周方向に延在した第1のシール部材と、
前記周壁部の外周面から前記ダクトの内壁に向かって突出すると共に、前記支持軸の軸方向に延在した第2のシール部材とを備え、
前記吹出開口部を前記周壁部が開口もしくは閉口するどちらか一方において、前記第1のシール部材と前記第2のシール部材とが協働し、前記吹出開口部の開口周縁部と全周にいたって圧着し、
前記第1のシール部材の突出先端部と対向する前記ダクトの内壁周辺部は、前記支持軸の軸方向において、この内壁周辺部と前記支持軸との軸方向と直交する方向の距離が異なる第1の内壁部と、この第1の内壁部よりこの距離が大きい第2の内壁部とを有し、少なくとも前記第1のシール部材とこの第1の内壁部とが圧接し、前記突出先端部が第2の内壁部側に撓むように構成されていることを特徴とする空気通路切換装置。 - 前記第1の内壁部および前記第2の内壁部は、前記内壁周辺部と前記第1のシール部材とがシール状態において、前記第1のシール部材と前記内壁周辺部との接触面が前記回動軸の軸方向に対して傾斜する傾斜面にて構成されていることを特徴とする請求項1記載の空気通路切換装置。
- 前記第2のシール部材と対向し密着する前記ダクトの内壁は、前記ロータリードアが前記吹出開口部を閉口する部位と、もしくは前記ロータリードアが前記開口部を開口する部位とのどちらか一方が、前記支持軸の軸方向と直交する方向の距離が他方に比べ短くなるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の空気通路切換装置。
- 前記ダクトの内壁は、前記支持軸の軸方向と直交する方向の距離が小さい部位では、前記第2のシール部材と接触し、前記支持軸の軸方向と直交する方向の距離が大きい部位では、第2のシール部材と非接触となるように構成されていることを特徴とする請求項3記載の空気通路切換装置。
- 前記第1のシール材は、前記ダクトの内壁に突出する方向における幅に対して、前記ロータリードアの回動方向における幅が十分短くなっていることを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか記載の空気通路切換通路。
- 前記第2のシール材は、前記ダクトの内壁に突出する方向における幅に対して、前記支持軸の軸方向における幅が十分短くなっていることを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれか記載の空気通路切換通路。
- 前記ダクトは、車両用空調装置における車室内に空気を導くための空気通路であることを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれかに記載の空気通路切換装置。
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