JP2004130864A - 空気通路開閉装置 - Google Patents

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Hirohide Shindo
進藤 寛英
Yukio Kamimura
上村  幸男
Koji Ito
伊藤  功治
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Abstract

【課題】空調ケースのガイド溝の位置ずれに起因するドア基盤の操作力の増大を抑制する。
【解決手段】空気通路の開口部15a、16を形成するケース11と、ケース11内を移動することにより空気通路の開口部15a、16を開閉するスライドドア14と、ケース11に設けられ、スライドドア14の移動方向と直交する方向の左右の端部をガイドする左右のガイド溝23、24とを備え、スライドドア14は略四角形の枠体からなる剛体のドア基盤143とドア基盤143に結合されたフィルム部材141aとにより構成されており、ドア基盤143の内側に剛性を高める補強部材を交差しない形状で配置する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性を有するフィルム部材を備えたスライドドアにより空気通路を開閉する空気通路開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術では、空気通路を形成するケース内に田の字状の枠体により構成されたドア基盤を設け、このドア基盤にフィルム部材を装着している。そして、このケースの空気通路を、ドア基盤の駆動軸に駆動ギヤを噛み合わせ、駆動軸の回転によりドア基盤をガイド溝に沿って移動させて、開閉するようにしている。具体的には、ドア基盤の移動によりケース側の空気通路の連通面積を変化させて空気通路を開閉するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−253222号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術と類似の空調ケースを実際に試作検討してみると、一部の空調ケースには製造工程のばらつきにより、左右ガイド溝の位置にずれがあるものがあり、このような空調ケースにドア基盤を装着すると次のような不具合が発生することが分かった。
【0005】
それは、左右ガイド溝にずれがある場合、ドア基盤のガイドピンを空調ケースのガイド溝に摺動可能に嵌入してドア基盤に操作力を加えると、ドア基盤の操作力が増大する部分があるというものであった。このように、操作力が増加するのは、左右ガイド溝の位置ずれにより、ドア基盤のガイドピンがガイド溝に強く押しつけられることで、両者の摩擦力が増加したためである。ガイド溝に位置ずれがある場合にガイドピンがガイド溝に強く押しつけられるのは、ガイド溝のずれた距離だけドア基盤を撓ませる力が必要になるからである。従って、ガイド溝に位置ずれがある場合、ドア基盤の剛性が高ければ高いほど摩擦力が大きくなり、操作力も大きくなる。
【0006】
例えば、図8a、bに示す従来のドア基盤はガイドピンがガイド溝に押しつけられても、押しつけ力は補強リブとドア基盤との接点および補強リブと補強リブとの交点に分散されるのでドア基盤の剛性が高くなり、操作力が大きくなる。
【0007】
従って、従来のドア基盤は製造工程のばらつきにより、左右のガイド溝にずれがある場合、操作力が大きくなっていた。
【0008】
本発明は上記点に鑑みて、空調ケースのガイド溝の位置ずれに起因するドア基盤の操作力の増大を抑制することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空気通路の開口部(15a、16)を形成するケース(11)と、
ケース(11)内を移動することにより空気通路の開口部(15a、16)を開閉するスライドドア(14)と、
ケース(11)に設けられ、スライドドア(14)の移動方向と直交する方向の左右の端部をガイドする左右のガイド溝(23、24)とを備え、
スライドドア(14)は略四角形の枠体からなる剛体のドア基盤(143)とドア基盤(143)に結合されたフィルム部材(141a)とにより構成されており、
ドア基盤(143)の内側に剛性を高める補強部材(143e、143f)が交差しない形状で配置されることを特徴とする。
【0010】
これによると、ドア基盤(143)は四角形の枠にある補強部材(143e、143f)が交差しない形状で配置されるので、従来技術に記載した田の字状の枠体と比較して補強部材(143e、143f)のない方向の柔軟性を高めることができる。このため、左右のガイド溝(23,24)にずれがある場合でも、ドア基盤(143)が撓むことで、このずれによるドア基盤(143)とガイド溝(23、24)との摩擦力の増大を抑制できる。従って、スライドドア(14)がケース(11)のガイド溝(23,24)を移動するときの操作力の増大を抑制できる。
【0011】
請求項2に記載の発明のように、請求項1において、ドア基盤(143)の内側に補強部材(143e、143f)を所定の一方向にのみ延びる形状で配置すれば、補強部材(143e、143f)が無い方向の柔軟性を高めることができるので操作力の増大を抑制できる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項2において、所定の一方向はスライドドア(14)の移動方向と平行な方向であることを特徴とする。
【0013】
これによると、ドア基盤(143)の内側にはスライドドア(14)の移動方向と直交する方向に補強部材(143e、143f)がないため、この方向の柔軟性を高めることができるだけでなく、移動方向の剛性を残すことができる。そして、左右のガイド溝(23,24)にずれがある場合でも、スライドドア(14)の移動方向と直交する方向が撓みやすくなり、スライドドア(14)の操作力の増大を抑制できる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項3において、略四角形は移動方向と直交する方向の長辺と、移動方向と平行な方向の短辺とによる長方形であることを特徴とする。
【0015】
これによると、請求項3よりもドア基盤(143)にスライドドア(14)の移動方向と直交する方向の柔軟性を高めるだけでなく、移動方向の剛性も高めることができる。そして、ガイド溝(23,24)にずれがあったとしても、スライドドア(14)の操作力の増大を抑制できる。
【0016】
請求項5に記載の発明のように、請求項1ないし4において、ドア基盤(143)と補強部材(143e、143f)とを一体成形すると、組み立ての手間を削減できる。
【0017】
請求項6に記載の発明では、空気通路の開口部(15a、16)を形成するケース(11)と、
ケース(11)内を移動することにより空気通路の開口部(15a、16)を開閉するスライドドア(14)と、
ケース(11)に設けられ、スライドドア(14)の移動方向と直交する方向の左右の端部をガイドする左右のガイド溝(23、24)とを備え、
スライドドア(14)は剛体のドア基盤(143)と、ドア基盤(143)に結合されたフィルム部材(141a)とにより構成され、剛体のドア基盤(143)は略四角形の枠体のみにて構成されることを特徴とする。
【0018】
これによると、剛体のドア基盤(143)は略四角形の枠体のみにより構成されているため従来のドア基盤と比較して柔軟性を高めることができる。従って、スライドドア(14)の操作力の増大を抑制できる。
【0019】
請求項7に記載の発明のように、請求項1ないし6のいずれか1つにおける空気通路(15a、16)を形成するケース(11)は、具体的には、ケース(11)はスライドドア(14)の移動方向と平行な型割面のある複数の分割ケースを一体に締結する構成になっているのでスライドドア(14)の取り付けを簡単にできる。
【0020】
請求項8に記載の発明のように、請求項1ないし7のいずれか1つにおける剛体のドア基盤(143)は、具体的には、弾性を有する樹脂により成形されており、スライドドア(14)の操作力の増大を抑制できる。
【0021】
請求項9に記載の発明のように、請求項1ないし8のいずれか1つにおけるスライドドア(14)は、具体的には、空気が流通可能な開口部(144)を有するドア基盤(143)と、開口部(144)の移動方向の端部にフィルム部材(141a)を結合したものである。つまり、ドア基盤(143)の開口部(144)により空気が流通し、フィルム部材(141a)によりケース(11)の空気通路の開口部(15a、16)を閉塞できる。
【0022】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態を適用した車両用空調装置における熱交換器部を収容している空調ユニット10を示す。この空調ユニット10は車室内前部の計器盤(図示せず)内側において、車両左右(幅)方向の略中央部に配置される。図1の上下前後の矢印は車両搭載状態における方向を示す。車両用空調装置の室内ユニット部は、上記略中央部の空調ユニット10と、計器盤内側において助手席側にオフセット配置される図示しない送風機ユニットとに大別される。
【0024】
送風機ユニットは、外気(車室外空気)または内気(車室内空気)を切替導入する内外気切替箱と、この内外気切替箱に導入された空気を送風する送風機とを備えている。この送風機ユニットの送風空気は、空調ユニット10のケース11内のうち、最下部の空気流入空間12に流入するようになっている。
【0025】
ケース11は、ポリプロピレンのような弾性を有し、機械的強度も高い樹脂にて成形されている。ケース11は、成形上の型抜きの都合、ケース11内への空調機器の組付上の理由等から具体的には複数の分割ケース体に分割して成形した後に、この複数の分割ケース体を一体に締結する構成になっている。
【0026】
空調ユニット10のケース11内において空気流入空間12の上方には冷房用熱交換器をなす蒸発器13が小さな傾斜角度でもって略水平方向に配置されている。従って、送風機ユニットの送風空気は空気流入空間12に流入した後、この空間12から蒸発器13を下方から上方へと通過する。蒸発器13は周知のように車両空調用冷凍サイクルの膨張弁等の減圧装置により減圧された低圧冷媒が流入し、この低圧冷媒が送風空気から吸熱して蒸発するようになっている。
【0027】
そして、蒸発器13の上方(空気流れ下流側)にはドア基盤143とフィルム部材141aとからなるエアミックス用スライドドア14が配置され、さらに、このエアミックス用スライドドア14の上方(空気流れ下流側)に温水式ヒータコア15が配置されている。このヒータコア15は周知のように車両エンジンの温水(冷却水)を熱源として空気を加熱する暖房用熱交換器である。
【0028】
このヒータコア15も略水平方向に配置されているが、ヒータコア15はケース11内の通路断面積より小さくして、ケース11内のうち車両前方側に偏って配置してある。これにより、ヒータコア15の車両後方側(乗員座席寄りの部位)に、ヒータコア15をバイパスして空気が流れるバイパス通路16を形成している。
【0029】
エアミックス用スライドドア14は、蒸発器13とヒータコア15との間にて車両前後方向aに移動(往復動)して、ヒータコア15の通風路(温風通路)15aを通過する温風とバイパス通路16を通過する冷風との風量割合を調整するものであって、この冷温風の風量割合を調整して車室内への吹出空気温度を調整することができる。従って、エアミックス用スライドドア14により車室内への吹出空気の温度調整手段が構成される。
【0030】
ヒータコア15を通過した温風とバイパス通路16からの冷風とが混合する図示しない空気混合部にて乗員の所望温度となる。
【0031】
ケース11の上面部(空気下流端部)には、車両後方側から車両前方側へ向かって、図示しない複数の吹出開口部、すなわち、フェイス開口部、デフロスタ開口部、およびフット開口部が順次開口している。フェイス開口部は空気混合部からの空調空気を乗員の上半身に向けて吹き出すためのもので、デフロスタ開口部は空気混合部からの空調空気を車両フロントガラス内面に向けて吹き出すためのもので、フット開口部は空気混合部からの空調空気を乗員の足元部に向けて空調空気を吹き出すためのものである。これらの複数の吹出開口部は、エアミックス用スライドドア14と類似の吹出モード用スライドドアが移動(往復動)して開閉される。
【0032】
ところで、上記したエアミックス用スライドドア14は図1に示すようにケース11内の曲折した経路を往復動するので、この曲折した経路に沿って変形し得るように可撓性を有するフィルム部材(樹脂製フィルム材)141aを用いて構成されている。このフィルム部材141aの具体的材質としては可撓性を有し、かつ、摩擦抵抗が小さい樹脂材料であるPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが好適である。
【0033】
なお、フィルム部材141aの板厚は例えば、100〜250μm程度の微小寸法である。このような範囲にフィルムの板厚を設定することにより、スライドドア14の送り出しに必要な剛性を確保しつつ、往復動経路の曲げ部ではその曲げ形状に沿ってフィルムが容易に変形して、曲げ力による著しい操作力の増大を抑制する。
【0034】
次に、エアミックス用スライドドア14について詳述する。図2はエアミックス用スライドドア14単体の具体的構成を例示するものであり、ドア14の移動方向aの中央部領域に空気が流通可能な略四角形の枠体からなるドア基盤143を配置し、このドア基盤143のドア移動方向aへの前後両側の端部にそれぞれフィルム部材141a、141aを結合している。ここで、開口部のないフィルム部材141a、141aは、ケース11と一体の壁部からなるガイド部27、28によりガイドされて曲折した経路を往復動する。
【0035】
ドア基盤143はポリプロピレン等の弾性を有する樹脂成形品からなる剛体であり、ドア移動方向aと直交方向に延びる枠部143a、143bが所定間隔で平行に配置され、この枠部143a、143bの長手方向の両端部付近をドア移動方向aに延びる枠部143c、143dにより結合している。従って、これらの枠部143a〜143dにより長方形のドア基盤143を構成している。
【0036】
また、2本の枠部143a、143bの長手方向の中間部位にはドア移動方向aに延びる2本の補強部材143e、143fを配置している。これらの枠部143a〜143dおよび補強部材143e、143fは樹脂により一体成形されている。
【0037】
上記枠部143a〜143dの内側は空気が流通可能な開口部144であり、この開口部144は補強部材143e、143fにより3つの部分に分割形成されている。ドア移動方向aに延びる枠部143c、143dの下面部にはそれぞれギヤ149a、149bが形成してある。このギヤ149a、149bは枠部143c、143dの円弧形状に沿って円弧形状に延びるよう形成されている。
【0038】
ドア移動方向aと直交方向に延びる枠部143a、143bにおいて長手方向の両端部に円柱状のガイドピン148を形成している。このガイドピン148は図1に示すケース11側のガイド溝23、24内に摺動可能に嵌合する。
【0039】
また、枠部143a、143bにはその長手方向に沿って複数(図2の例では6個)の係止ピン143gが所定間隔にて一体成形されている。この係止ピン143gは枠部143a、143bにおいて開口部144に面する部位に配置されている。そして、この係止ピン143gは図3に示すように、円柱状の軸部143hを有し、この軸部143hの先端部に茸状に拡大された拡大頭部143iを一体成形した形状である。
【0040】
一方、フィルム部材141a、141aは可撓性を有する樹脂フィルムから成形され、フィルム部材141a、141aの端部付近には図4に示すように長穴形状の係止穴部141bを形成している。この係止穴部141bの長穴形状の長軸方向は、フィルム部材141a、141aの展開状態においてドア移動方向aに向いている。また、この係止穴部141bから長穴形状の左右両側(短軸方向)へ延びるスリット141cが形成してある。
【0041】
係止穴部141bの長穴形状の長軸方向の径寸法は係止ピン143gの拡大頭部143iの径寸法より大きくしてあるが、係止穴部141bの長穴形状の短軸方向の径寸法は係止ピン143gの拡大頭部143iの径寸法より小さく、かつ、係止ピン143gの軸部143hの径寸法と同等以上に設計してある。
【0042】
これにより、フィルム部材141a、141aの係止穴部141bを係止ピン143gに嵌め込むときは、スリット141cを広げることにより係止ピン143gの拡大頭部143iを係止穴部141bに挿入できる。そして、拡大頭部143iが係止穴部141bを通過すると、スリット141cがフィルム部材141a、141aの弾性復元力により閉じるので、拡大頭部143iを係止穴部141bに確実に係止でき、枠体形状のドア基盤143にフィルム部材141a、141aを結合できる。
【0043】
ここで、係止穴部141bの長穴形状の長軸方向の径寸法は係止ピン143gの軸部143hの径寸法より大きいので、フィルム部材141a、141aは係止穴部141bの長穴形状の長軸方向、すなわち、ドア移動方向aに対してある程度移動可能な状態でドア基盤143に結合されている。
【0044】
なお、図3に示すようにドア基盤143の枠部143aに弾性部材143jの支持面143kを一体に成形し、この支持面143k上に弾性部材143jを接着等により固定している。この弾性部材143jは自身の弾性反力によりフィルム部材141aをケース11側のシール面に押圧して、フィルム部材141aのシール効果を向上させるものである。
【0045】
次に、第1実施形態による車両用空調装置の作動を説明すると、エアミックス用スライドドア14が車両前後方向aに往復動することにより、スライドドア14のドア基盤143の開口部144とヒータコア15の通風路15aおよびバイパス通路16との開口面積が変化して、冷風バイパス通路16からの冷風とヒータコア15を通過した温風とを所定の風量割合で混合して乗員の所望の吹出温度を得ることができる。
【0046】
また、最大冷房状態では、エアミックス用スライドドア14のフィルム部材部分141aがヒータコア15の通風路15aを全閉し、スライドドア14のドア基盤143がバイパス通路16を全開する。また、最大暖房状態では、エアミックス用スライドドア14のドア基盤143がヒータコア15の通風路15aを全開し、スライドドア14のフィルム部材141aがバイパス通路16を全閉する。
【0047】
ところで、図1に示すように、ケース11内において、エアミックス用スライドドア14の移動方向(車両前後方向)aの1箇所のみに駆動軸25を配置し、この駆動軸25の駆動ギヤ26から伝達される駆動力によりスライドドア14が往復動する。
【0048】
スライドドア14の往復動時にガイド溝23、24の位置にずれがある場合は、ドア基盤143のガイドピン148がガイド溝23、24の上部または下部に押しつけられるようになる。
【0049】
しかし、ドア基盤143は図5に示すようにドア基盤143の移動方向aに平行に補強部材143e、143fがあるため、ドア基盤143が移動する方向と直交する方向に適度の柔軟性を持つようになっている。このため、図8(a)に示す従来の田の字状のドア基盤と比較すると、ドア基盤143を撓ませるために必要な力が小さくなる。このため、左右のガイド溝23、24に位置ずれがあっても、従来のドア基盤と比較してドア基盤143が小さな力で図6に示すように撓むことができる。このため、ドア基盤143のガイドピン148とガイド溝23、24との摩擦力の増大を抑制できるので、スライドドア14の操作力の増大を抑制できる。
【0050】
(第2実施形態)
上記の第1実施形態において、スライドドア14の移動方向にのみ補強部材143e、143fを入れたドア基盤143について説明したが、図7に示すように枠の内側に補強部材143e、143fを入れずに枠のみにより構成されるドア基盤143としても良い。
【0051】
(他の実施形態)
▲1▼ 上記の第1実施形態において、ドア基盤143と補強部材143e、143fが一体成形されたドア基盤143について説明したが、ドア基盤143と補強部材143e、143fを別体とし、接着手段によってドア基盤143と補強部材143e、143f接着成形しても良い。
【0052】
▲2▼ 上記の第1実施形態において、エアミックス用スライドドア14について説明したが、乗員に向かって空調風を吹き出す空気の空気通路を切り替える吹出口切替ドアとして用いても良い。
【0053】
▲3▼ 上記の第1実施形態において、ドア基盤143は空気が流通可能な開口部144と、ドア基盤143の移動方向の開口部144にフィルム部材141aを結合するスライドドア14について説明したが、図8(a)のドア基盤をフィルム部材で覆い、ドア基盤により空気通路を閉塞できるようにしても良い。
【0054】
▲4▼ 上記の第1実施形態において、枠体の内側に補強部材143e、143fをスライドドア14の移動方向に平行に延びる形状で配置したドア基盤143について説明したが、補強部材143e、143fをスライドドア14の移動方向と直交する方向に平行に延びる形状で枠体の内側に配置したドア基盤143を用いても良い。
【0055】
▲5▼ 上記の第1実施形態において、補強部材143e、143fをスライドドア14の移動方向に平行に配置したドア基盤143について説明したが、補強部材143e、143fを2つ以上有し、補強部材143e、143fの互いの長手方向において、枠の外に交点を持つように延びる形状で枠体の内側に配置したドア基盤143を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す空調ユニット部の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態のエアミックス用スライドドア14単体の斜視図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図3のB矢視図である。
【図5】図2のスライドドアのドア基盤の正面図である。
【図6】本発明の第1実施形態のエアミックス用スライドドア14のドア基盤を示す斜視図である。
【図7】第2実施形態のドア基盤を示す正面図である。
【図8】(a)は従来技術によるドア基盤の正面図、(b)は別の従来技術によるドア基盤の正面図である。
【符号の説明】
10…空調ユニット、11…ケース、14…エアミックス用スライドドア、
15a…ヒータコア通風路(空気通路の開口部)、
16…バイパス通路(空気通路の開口部)、23、24…左右のガイド溝
141a…フィルム部材、144…開口部(ドア基盤)、143…ドア基盤、
143e、143f…補強部材。

Claims (9)

  1. 空気通路の開口部(15a、16)を形成するケース(11)と、
    前記ケース(11)内を移動することにより前記空気通路の開口部(15a、16)を開閉するスライドドア(14)と、
    前記ケース(11)に設けられ、前記スライドドア(14)の移動方向と直交する方向の左右の端部をガイドする左右のガイド溝(23、24)とを備え、
    前記スライドドア(14)は略四角形の枠体からなる剛体のドア基盤(143)と前記ドア基盤(143)に結合されたフィルム部材(141a)とにより構成されており、
    前記ドア基盤(143)の内側に剛性を高める補強部材(143e、143f)が交差しない形状で配置されることを特徴とする空気通路開閉装置。
  2. 前記ドア基盤(143)の内側に前記補強部材(143e、143f)を所定の一方向にのみ延びる形状で配置することを特徴とする請求項1に記載の空気通路開閉装置。
  3. 前記所定の一方向は前記スライドドア(14)の移動方向と平行な方向であることを特徴とする請求項2に記載の空気通路開閉装置。
  4. 前記略四角形は前記移動方向と直交する方向の長辺と、前記移動方向と平行な方向の短辺とによる長方形であることを特徴とする請求項3に記載の空気通路開閉装置。
  5. 前記ドア基盤(143)と前記補強部材(143e、143f)とを一体成形することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
  6. 空気通路の開口部(15a、16)を形成するケース(11)と、
    前記ケース(11)内を移動することにより前記空気通路の開口部(15a、16)を開閉するスライドドア(14)と、
    前記ケース(11)に設けられ、前記スライドドア(14)の移動方向と直交する方向の左右の端部をガイドする左右のガイド溝(23、24)とを備え、
    前記スライドドア(14)は剛体のドア基盤(143)と、前記ドア基盤(143)に結合されたフィルム部材(141a)とにより構成され、前記剛体のドア基盤(143)は略四角形の枠体のみにて構成されることを特徴とする空気通路開閉装置。
  7. 前記ケース(11)は前記スライドドア(14)の移動方向と平行な型割面のある複数の分割ケースを一体に締結する構成になっていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
  8. 前記ドア基盤(143)は弾性を有する樹脂により成形されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
  9. 前記ドア基盤(143)は空気が流通可能な開口部(144)を有し、前記開口部(144)の移動方向の端部に前記フィルム部材(141a)を結合することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
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