JP2003039931A - 空気通路開閉装置および車両用空調装置 - Google Patents

空気通路開閉装置および車両用空調装置

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JP2003039931A
JP2003039931A JP2001233877A JP2001233877A JP2003039931A JP 2003039931 A JP2003039931 A JP 2003039931A JP 2001233877 A JP2001233877 A JP 2001233877A JP 2001233877 A JP2001233877 A JP 2001233877A JP 2003039931 A JP2003039931 A JP 2003039931A
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air
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film
passage
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Katsumi Nishikawa
克巳 西川
Yoshihiko Okumura
奥村  佳彦
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気通路の開閉機能と風量の調整機能とを併
せ有し、しかも、空調ケースを小型化できる車両用空調
装置を提供する。 【解決手段】 空調ケース側の温風通路20、冷風通路
21を開閉する膜状部材14に、第1開口部18、およ
び第1開口部18より開口面積が大きい第2開口部19
を備え、膜状部材14の操作位置の所定領域において、
第1開口部18により温風通路20、冷風通路21を開
閉する小風量作動モードを設定し、膜状部材14の操作
位置の別の所定領域において、第2開口部19により温
風通路20、冷風通路21を開閉する大風量作動モード
を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気通路をドア手
段により開閉する空気通路開閉装置および車両用空調装
置に関するもので、車両用空調装置における冷風通路と
温風通路の開閉に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用空調装置においては、冷風
通路と温風通路をエアミックスドアにより開閉して、冷
風と温風の風量割合を調整し、それにより車室内への吹
出空気温度を調整している。冷風通路と温風通路の開閉
手段を構成するエアミックスドアとしては、通常、回転
可能な板ドアが用いられている。
【0003】また、特開平7−251623号公報にお
いては、樹脂フィルム部材からなる膜状部材(フィルム
ドア)の移動によって冷風通路と温風通路を開閉する空
気通路開閉装置が提案されている。この従来技術では、
空調ケース側に、温風通路を中央にして温風通路の両側
に冷風通路を配置し、膜状部材には第1、第2の2つの
開口部を設けている。
【0004】そして、膜状部材により温風通路を全閉す
る最大冷房状態において、温風通路の全閉状態を維持し
たまま、第1、第2開口部のうち一方の開口部により一
方の冷風通路の開度を変化させ、これにより、最大冷房
状態における吹出風量を変化できるようにしている。
【0005】また、膜状部材により冷風通路を全閉する
最大暖房状態において、冷風通路の全閉状態を維持した
まま、第1、第2開口部のうち他方の開口部により温風
通路の開度を変化させ、これにより、最大暖房状態にお
ける吹出風量を変化できるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者の板ド
アからなるエアミックスドアによると、冷風と温風の風
量割合を調整できるものの、冷風通路と温風通路の合計
開口面積は常に一定であるので、エアミックスドアの操
作位置(開度)変化により車室内への吹出風量を変化さ
せることができない。
【0007】また、後者の膜状部材を用いる従来技術に
おいては、最大冷房状態および最大暖房状態を維持した
まま、吹出風量を変化できるが、空調ケース内部の中央
部に位置する1つの温風通路と、その両側に位置する2
つの冷風通路とを配置する構成であるので、空調ケース
の体格が大きくなって、車両搭載スペースが増大すると
いう問題がある。
【0008】本発明は上記点に鑑みて、空気通路の開閉
機能と風量の調整機能とを併せ有し、しかも、空調ケー
スのような通路部材を小型化できる空気通路開閉装置お
よび車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、空気通路(20、2
1)を開閉するドア手段(14)に、第1開口部(1
8)、および第1開口部(18)より開口面積が大きい
第2開口部(19)を備え、ドア手段(14)の操作位
置の所定領域において、第1開口部(18)により空気
通路(20、21)を開閉する小風量作動モードを設定
し、ドア手段(14)の操作位置の別の所定領域におい
て、第2開口部(19)により空気通路(20、21)
を開閉する大風量作動モードを設定することを特徴とす
る。
【0010】これにより、ドア手段(14)の操作位置
を変化させると、その操作位置の所定領域では開口面積
が小さい第1開口部(18)により通風面積を絞って小
風量作動モードにて空気通路(20、21)を開閉でき
る。
【0011】また、ドア手段(14)の操作位置を別の
所定領域に移動させると、開口面積が大きい第2開口部
(19)により通風面積を拡大して大風量作動モードに
て空気通路(20、21)を開閉できる。
【0012】これにより、空気通路の開閉機能と風量調
整機能を併せ奏することができる。しかも、ドア手段
(14)の操作位置を選択するだけで小風量作動モード
と大風量作動モードを選択できるから、風量調整のため
に空気通路側の構成を特に複雑化する必要がない。その
ため、空気通路を構成する通路部材(1a)の小型化に
有利である。
【0013】請求項2に記載の発明では、請求項1にお
いて、空気通路は複数の空気通路(20、21)であ
り、ドア手段(14)は複数の空気通路(20、21)
を同時に全閉するシャットモードを設定するシャットモ
ード用無開口部(A)を備えていることを特徴とする。
【0014】これにより、複数の空気通路(20、2
1)からの空気流れを同時にシャットするシャット機能
をドア手段(14)に兼務させることができる。
【0015】請求項3に記載の発明では、請求項2にお
いて、複数の空気通路の1つは、温風が流れる第1空気
通路(20)であり、他の1つは冷風が流れる第2空気
通路(21)であり、温風と冷風の風量割合を小風量作
動モードと大風量作動モードにてそれぞれ調整すること
を特徴とする。
【0016】これにより、温風と冷風の風量割合の調整
により空気温度を調整する機能を小風量作動モードと大
風量作動モードにてそれぞれ発揮することができる。、
請求項4に記載の発明のように、請求項1ないし3のい
ずれか1つにおいて、ドア手段は具体的には可撓性を有
する膜状部材(14)で構成できる。
【0017】請求項5に記載の発明では、請求項4にお
いて、膜状部材(14)は空気通路(20、21)を形
成する通路部材(1a)の内側にループ状に配置され、
ループ状の膜状部材に駆動力を与える駆動手段(17、
17a、17b)を備え、前記駆動力によりループ状の
膜状部材(14)を通路部材(1a)の内側面に沿って
移動させることを特徴とする。
【0018】このようなループ状の膜状部材(14)を
用いると、特開平7−251623号公報記載の膜状部
材のように両端部を軸部に巻き取る方式のものに比較し
て、膜状部材(14)の長さを短くできる。また、膜状
部材の両端部の巻き取り機構が不要であるため、膜状部
材(14)の駆動機構を簡素化できる。
【0019】更に、膜状部材(14)がループ状である
と膜状部材(14)の長さを短くできるので、請求項2
のようにシャットモード用無開口部(A)を備える場合
にも、無開口部(A)を1箇所設けるだけで、膜状部材
(14)の少ない移動量(短い作動時間)で複数の空気
通路(20、21)のシャットモードを設定できる。
【0020】請求項6に記載の発明では、請求項4また
は5において、第1開口部(18)および第2開口部
(19)において膜状部材(14)の移動方向の寸法を
高さ寸法とし、膜状部材(14)の移動方向と直交方向
の寸法を幅寸法としたときに、第1開口部(18)およ
び第2開口部(19)の高さ寸法を略同一とし、第1開
口部(18)の幅寸法を第2開口部(19)の幅寸法よ
り小さくしたことを特徴とする。
【0021】これにより、第1開口部(18)は幅寸法
を小さくして開口面積を小さくできる。従って、第1開
口部(18)の高さ寸法は第2開口部(19)の高さ寸
法と略同一にすることができる。その結果、第1開口部
(18)による小風量作動モードにおいては膜状部材
(14)の移動量に対する空気通路の開度変化を小さく
できる。これにより、請求項3のように第1空気通路
(20)の温風と第2空気通路(21)の冷風との風量
割合を調整して空気温度を調整する場合には、膜状部材
(14)の移動量に対して空気温度を微細に連続的に調
整できる。
【0022】請求項7に記載の発明では、請求項4また
は5において、第1開口部(18)および第2開口部
(19)において膜状部材(14)の移動方向の寸法を
高さ寸法とし、膜状部材(14)の移動方向と直交方向
の寸法を幅寸法としたときに、第1開口部(18)およ
び第2開口部(19)の幅寸法を略同一とし、第1開口
部(18)の高さ寸法を第2開口部(19)の高さ寸法
より小さくしたことを特徴とする。
【0023】これによると、第1開口部(18)の高さ
寸法を小さくしているから、膜状部材(14)の長さを
短くでき、これに伴って、通路部材(1a)をより一層
小型化できる。
【0024】請求項8に記載の発明では、請求項4また
は5において、第1開口部(18)および第2開口部
(19)において膜状部材(14)の移動方向の寸法を
高さ寸法とし、膜状部材(14)の移動方向と直交方向
の寸法を幅寸法としたときに、第1開口部(18)の幅
寸法および高さ寸法の両方を第2開口部(19)の幅寸
法および高さ寸法より小さくしたことを特徴とする。
【0025】これにより、請求項6と請求項7との折衷
的な特徴を持った装置を得ることができる。
【0026】請求項9に記載の発明では、車室内へ向か
って流れる空気を加熱する加熱用熱交換器(4)と、加
熱用熱交換器(4)を通過して空気が流れる第1空気通
路(20,20a、24)と、加熱用熱交換器(4)を
バイパスして空気が流れる第2空気通路(21,21
a)と、第1空気通路(20,20a、24)と第2空
気通路(21,21a)の開度を調整して車室内への吹
出空気温度を調整するドア手段(14)とを備え、ドア
手段(14)に、第1開口部(18)、および第1開口
部(18)より開口面積が大きい第2開口部(19)を
備え、ドア手段(14)の操作位置の所定領域におい
て、第1開口部(18)により第1空気通路(20,2
0a、24)と第2空気通路(21,21a)を開閉す
る小風量作動モードを設定し、ドア手段(14)の操作
位置の別の所定領域において、第2開口部(19)によ
り第1空気通路(20,20a、24)と第2空気通路
(21,21a)を開閉する大風量作動モードを設定す
る、車両用空調装置を特徴とする。
【0027】このように請求項9は車両用空調装置を対
象とするものであって、請求項3のごとく第1空気通路
の温風と第2空気通路の冷風の風量割合の調整により空
気温度を調整する機能を小風量作動モードと大風量作動
モードにてそれぞれ発揮することができる。従って、車
両用空調装置において、ドア手段(14)の操作位置の
選択により空気温度の調整機能と風量の調整機能を良好
に発揮できる。しかも、第1空気通路と第2空気通路を
1個ずつ設けるだけでよく、そのため、通路部材(1
a)の小型化に有利である。
【0028】請求項10に記載の発明では、請求項9に
おいて、車室内の乗員足元部へ向かって空気を吹き出す
フット開口部(7)を備え、ドア手段(14)は、フッ
ト開口部(7)からの吹出空気の温度を調整するもので
あり、ドア手段(14)がフット開口部(7)を閉塞す
るシャット機能を果たすように構成されていることを特
徴とする。
【0029】これにより、フット吹出温度調整用の1個
のドア手段(14)にフット開口部(7)のシャット機
能を兼務させることができる。
【0030】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0031】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1、図2は本
発明を車両用空調装置に適用した第1実施形態を示して
おり、本実施形態における車両用空調装置の空調ユニッ
ト部1は、車室内へ向かって空気が流れる空気通路を構
成する樹脂製の空調ケース(ケース部材)1aを有して
いる。この空調ケース1aは自動車の車室内計器盤の左
右方向の略中央部位に配置され、かつ車両の前後、上
下、左右方向に対して図1、図2の矢印に示すように配
置される。
【0032】そして、空調ケース1aはその車両前方側
部位の側面に空気入口2が開口している。右ハンドル車
の場合には、この空気入口2が空調ケース1aの助手席
側の面(車両左側の面)に配置され、車室内計器盤の助
手席側に配置される送風ユニット(図示せず)の空気出
口部が図2の接続ダクト1bを介して空気入口2に接続
される。従って、送風ユニット内の送風機が作動するこ
とによって、空気入口2から空調ケース1a内に空気が
流入する。
【0033】空調ケース1a内には、その空気上流側か
ら順に蒸発器3、ヒータコア4が設けられている。この
蒸発器3は冷却用熱交換器であり、周知の冷凍サイクル
に設けられ、空調ケース1a内への送風空気から吸熱し
て冷媒が蒸発することにより送風空気を冷却する。ま
た、ヒータコア4は加熱用熱交換器であり、内部を流れ
る温水(エンジン冷却水)を熱源として空調ケース1a
内の空気を加熱する。
【0034】空調ケース1aの空気下流端には複数の吹
出開口部5〜9が形成されている。このうち、デフロス
タ開口部5は空調ケース1aの上面部に配置され、図示
しないデフロスタダクトが接続され、このデフロスタダ
クト先端部のデフロスタ吹出口から空調空気を車両フロ
ントガラスの内面に向けて吹き出す。また、前席用フェ
イス開口部6は空調ケース1aの車両後方側の面の上部
に配置され、図示しないフェイスダクトが接続され、こ
のフェイスダクト先端部のフェイス吹出口から空調空気
を前席(運転席および助手席)乗員の上半身に向けて吹
き出す。
【0035】更に、前席用フット開口部7は空調ケース
1aの車両後方側の面の下部の左右両側に配置され、前
席(運転席および助手席)乗員の足元部に向けて空調空
気を吹き出す。後席用フェイス開口部8には図示しない
後席用フェイスダクトが接続され、この後席用フェイス
ダクトを介して空調空気を後席乗員の上半身に向けて吹
き出す。また、後席用フット開口部9には図示しない後
席用フットダクトが接続され、この後席用フットダクト
を介して空調空気を後席乗員の足元部に向けて空調空気
を吹き出す。
【0036】なお、本例では、上記各吹出開口部5〜9
のうち、デフロスタ開口部5および前席用フェイス開口
部6を吹出モード用の第1膜状部材10により開閉する
ようになっている。この第1膜状部材10はその往復動
方向の両端が自由端になっている。
【0037】第1膜状部材10は図1に示すように空調
ケース1a内の屈折した経路を矢印方向に往復動する
ようになっている。従って、第1膜状部材10は可撓性
を有する薄膜状の樹脂製フィルム部材にて構成されてい
る。第1膜状部材10の往復動方向の1箇所のみに、
より具体的には、デフロスタ開口部5と前席用フェイス
開口部6との中間部位のみに駆動軸11を配置してい
る。駆動軸11は図示しないモータ等の駆動手段により
回転駆動されるものであり、第1膜状部材10の風上側
(空気流れ上流側)において膜状部材幅方向に延びるよ
うに配置される。駆動軸11の軸方向の2箇所に駆動ギ
ヤ11a、11bを設けている。
【0038】第1膜状部材10の幅方向(往復動方向
と直交する方向)の両端部付近にはギヤかみ合い穴(図
示せず)が設けてあり、このギヤかみ合い穴に駆動ギヤ
11a、11bの歯をかみ合わせるようになっている。
これにより、駆動軸11の駆動ギヤ11a、11bから
第1膜状部材10に駆動力が伝達され、第1膜状部材1
0が矢印方向に移動(往復動)するようになってい
る。
【0039】このような駆動方式であるため、第1膜状
部材10のうち、駆動軸11よりも移動(往復動)方向
の後方側部位では駆動軸11からの引っ張り力が作用
し、移動方向の前方側部位では駆動軸11からの押し
出し力が作用しで第1膜状部材10が移動することにな
る。
【0040】そこで、第1膜状部材10の移動をガイド
するために、空調ケース1a側に第1膜状部材10の幅
方向の左右両端部をガイドするガイド部(図示せず)を
備えている。このガイド部は、駆動ギヤ11a、11b
の配置部を除いて第1膜状部材10の移動方向の全作
動領域にわたって形成してある。。
【0041】そして、本例では、空調ケース1aにおい
て第1膜状部材10の移動方向の両端側の部位に、第
1膜状部材10の移動方向の両端部(自由端部)を収
納する収納空間12、13が形成してある。
【0042】第1膜状部材10を図示しないガイド部に
よりガイドして第1膜状部材10を駆動軸11からの押
し出し力で移動(前進)させるためには第1膜状部材1
0が所定の剛性を持つ必要がある。従って、第1膜状部
材10の材質、板厚等を必要な剛性が得られるように選
定する。なお、第1膜状部材10の具体的材質としては
可撓性を有し、かつ、摩擦抵抗が小さい樹脂材料である
PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、ある
いはPPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルム等
が好適であり、その他に、適度の剛性を持ったエラスト
マフィルム等を使用しても良い次に、前席用フット開口
部7は、前席フット用エアミックスドアと前席フットド
アの役割を兼ねる第2膜状部材14(図3、4)により
開閉される。なお、後席用フェイス開口部8と後席用フ
ット開口部9は図示しないドア手段によりそれぞれ独立
に開閉されるようになっている。
【0043】第2膜状部材14を図3、図4により詳述
すると、第2膜状部材14も第1膜状部材10と同様に
可撓性を有し、かつ、摩擦抵抗が小さい樹脂フィルム材
から構成されている。但し、第2膜状部材14はループ
状(エンドレス形状)に形成され、空調ケース1a内お
いてヒータコア4の空気流れ下流側(車両後方側)の下
方側の部位に配置される。
【0044】より具体的に述べると、第2膜状部材14
のループ形状は、樹脂フィルム材の長手方向の端部を両
面テープ、熱溶着(ホットメルト)、縫製等の手段で接
合することにより形成できる。また、本例の第2膜状部
材14は左右の前席用フット開口部7に隣接して図2の
x、yの領域に分割して2個配置され、この2個の第2
膜状部材14によりそれぞれ左右の前席用フット開口部
7への空気流れを調整するようになっている。そして、
空調ケース1aのうち、車両後方側下部の左右の領域
x、yには、図3に示すように、空調ケース1aの内側
面15に沿って所定間隔zを開けてガイド部16を一体
に設けている。
【0045】このガイド部16と空調ケース1aの内側
面15との間の所定間隔zの部分にループ状の第2膜状
部材14を摺動可能に配置している。ガイド部16はル
ープ状の第2膜状部材14の内周面をガイドするもので
ある。そのため、後述の駆動ギヤ設置部および冷温風通
路形成部を除く他の領域では全域にわたって第2膜状部
材14の内周面をガイド部16によりガイドするように
なっている。
【0046】第2膜状部材14の幅方向の両端部付近に
はギヤかみ合い穴14a、14bが設けてある。一方、
ループ状の第2膜状部材14の内側空間、より具体的に
は、この内側空間の上方部に駆動軸17を回転可能に配
置し、この駆動軸17に、上記ギヤかみ合い穴14a、
14bに対応して2つの駆動ギヤ17a、17bを一体
に設け、この駆動ギヤ17a、17bの歯をギヤかみ合
い穴14a、14bにかみ合わせるようになっている。
【0047】これにより、駆動軸17の駆動ギヤ17
a、17bから第2膜状部材14に駆動力が伝達され、
第2膜状部材14が図3の矢印方向に移動(往復動)
するようになっている。
【0048】左右の2つの第2膜状部材14の駆動軸1
7は図示しないサーボモータ等の駆動手段により回転駆
動される。ここで、左右の2つの第2膜状部材14の駆
動軸17をそれぞれ独立の駆動手段に連結すれば、左右
の2つの第2膜状部材14の操作位置を独立制御でき
る。また、左右の2つの第2膜状部材14の駆動軸17
を共通の駆動手段に連結すれば、左右の2つの第2膜状
部材14の操作位置を同時に制御できる。
【0049】そして、ループ状の第2膜状部材14には
その周方向(移動方向)にて所定間隔を隔てて、大小
2つの空気通過用の開口部18、19を開けている。第
1開口部18は開口面積の小さい方の開口部であり、第
2開口部19は開口面積の大きい方の開口部である。
【0050】ここで、第1、第2開口部18、19は図
5に示すように本例ではともに6角形状であり、且つ、
その高さ寸法h1、h2も同一である。しかし、第1開
口部18の幅寸法w1を第2開口部19の幅寸法w2の
1/2以下に縮小しており、これにより、第1開口部1
8の開口面積を第2開口部19より小さくしている。こ
こで、第1、第2開口部18、19の高さ寸法h1、h
2は第2膜状部材14の移動方向の寸法であり、第1、
第2開口部18、19の幅寸法w1、w2は、第2膜状
部材14の移動方向と直交方向の寸法である。
【0051】図3に示す空調ケース1a側の前席用フッ
ト温風通路20と前席用フット冷風通路21はそれぞれ
ガイド部16を貫通する開口部により構成される。ここ
で、前席用フット温風通路20はヒータコア4後方側
(下流側)の温風通路20aからの温風をループ状の第
2膜状部材14の内側空間に流入させるものである。ま
た、前席用フット冷風通路21はヒータコア4の下方部
に形成されるフット用冷風バイパス通路21aからの冷
風をループ状の第2膜状部材14の内側空間に流入させ
るものである。
【0052】ループ状の第2膜状部材14の内側空間を
左右の前席用フット開口部7に連通させ、第2膜状部材
14の内側空間に流入した空気を左右の前席用フット開
口部7から吹き出すようになっている。
【0053】ループ状の第2膜状部材14が方向に移
動することにより、第2膜状部材14の第1開口部18
または第2開口部19により前席用フット温風通路20
と前席用フット冷風通路21の開度を調整して、温風通
路20から前席用フット開口部7に流入する温風の風量
と冷風通路21から前席用フット開口部7に流入する冷
風の風量との割合を調整でき、これにより、前席用フッ
ト開口部7からの吹出空気温度を調整できる。
【0054】ここで、ループ状の第2膜状部材14は、
冷温風の風量割合を開口面積の小さい第1開口部18に
て調整する小風量作動モードと、冷温風の風量割合を開
口面積の大きい第2開口部19にて調整する大風量作動
モードとを切替可能にしている。
【0055】また、第2膜状部材14のうち第1、第2
開口部18、19を形成していない無開口部(膜部)に
より前席用フット温風通路20と前席用フット冷風通路
21を同時にシャットすると、前席用フット開口部7か
らの空気吹出をシャットするシャットモードを設定する
ことができる。
【0056】図5は上記の大小2つの風量作動モード
と、前席用フット開口部7からの空気吹出のシャットモ
ードとを実現するための第2膜状部材14の開口パター
ンの具体例であり、第2膜状部材14のギヤかみ合い用
の穴部14a、14bは図の簡略化のために図示を省略
している。図5中、Aは第1、第2開口部18、19と
の間に位置する無開口部(開口部のない膜部)であり、
この無開口部Aは前席用フット開口部7からの空気吹出
をシャットするシャットモード用の部分である。
【0057】Bは空調ケース1a側の前席用フット温風
通路20と前席用フット冷風通路21とこの両通路2
0、19間の仕切り壁部22とを包含する合計開口範囲
であり、この合計開口範囲Bより膜部Aを大きくして
(A>B)、上記シャットモードの機能を得るようにな
っている。
【0058】また、Cは大風量作動モードにおいて前席
用フット温風通路20を全閉するための最大冷房用の無
開口部(開口部のない膜部)であり、この無開口部Cは
第2膜状部材14が最大冷房位置に向かって移動する方
向−1において大風量作動モード用の第2開口部19
の後方側に位置してる。
【0059】この無開口部Cを前席用フット温風通路2
0の開口範囲Dより大きく(C>D)することにより、
大風量作動モードの最大冷房位置において前席用フット
温風通路20を無開口部Cにより全閉するようになって
いる。小風量作動モードの最大冷房位置では、シャット
モード用の無開口部Aにより前席用フット温風通路20
を全閉するようになっている。なお、Fは、空調ケース
1a側のガイド部16において無開口部の範囲を示す。
【0060】第2膜状部材14のギヤかみ合い用の穴部
14a、14bは、空調ケース1a側の前席用フット温
風通路20と前席用フット冷風通路21の開口範囲の左
右外側領域に位置しているので、穴部14a、14bか
らの空気漏れは生じない。また、第1、第2開口部1
8、19を6角形状に形成し、各開口部の移動方向の先
端部を山形に形成しているので、第1、第2開口部1
8、19の先端部が空調ケース1a側の両通路20、2
1の開口部端部に引っ掛かりにくくなっている。
【0061】一方、空調ケース1a内において、ヒータ
コア4の上方部にはヒータコア4をバイパスして冷風が
流れる上方吹出用冷風バイパス通路23が形成されてい
る。そして、空調ケース1a内に冷風バイパス通路23
とヒータコア4の通風路24をそれぞれ横切るようにし
て上方吹出空気のエアミックス用の第3膜状部材25が
矢印に示す上下方向に往復動可能に配置されている。
【0062】この第3膜状部材25は上方吹出用温度調
整手段としての役割を果たすものであり、冷風バイパス
通路23を通過する冷風とヒータコア4の通風路24を
通過する温風との風量割合を調整することにより、フェ
イス開口部6およびデフロスタ開口部5から車室内上方
側へ吹き出す空気の温度を調整する。
【0063】この第3膜状部材25は公知の構成であ
り、第1、第2膜状部材10、14と同様に可撓性を有
し、かつ、摩擦抵抗が小さい樹脂フィルム材から構成さ
れている。第3膜状部材25の往復動方向の一端(上
端)は図示しないモータ等の駆動手段により駆動される
駆動軸26に連結され、その他端(下端)は、駆動軸2
6と連動して回転する従動軸27に連結されている。駆
動手段によって駆動軸26を正逆両方向に回転駆動する
ことにより第3膜状部材25の端部を、駆動軸26と従
動軸27に対して巻き取ったり、巻き戻したりすること
ができる。
【0064】これにより、第3膜状部材25が矢印方
向に往復動し、この第3膜状部材25に設けた開口部
(図示せず)の移動により、冷風バイパス通路23とヒ
ータコア通風路24の開度を調整して、フェイス開口部
6およびデフロスタ開口部5からの吹出空気温度を調整
するようになっている。
【0065】次に、上記構成において第1実施形態の作
動を説明する。図1は第1膜状部材10によりデフロス
タ開口部5および前席用フェイス開口部6を両方とも閉
塞している状態を示す。図1の状態から第1膜状部材1
0を矢印方向に往復動(移動)させることにより、デ
フロスタ開口部5および前席用フェイス開口部6を開閉
できる。
【0066】従って、第1膜状部材10によりデフロス
タ開口部5を全閉するとともに前席用フェイス開口部6
を全開し、且つ、第2膜状部材14を後述の図5のシャ
ットモード位置に移動させて前席用フット開口部7を全
閉すると、前席側のフェイスモードを設定できる。
【0067】また、第1膜状部材10によりデフロスタ
開口部5を全開するとともに前席用フェイス開口部6を
全閉し、且つ、第2膜状部材14を後述の図5のシャッ
トモード位置に移動させて前席用フット開口部7を全閉
すると、デフロスタモードを設定できる。
【0068】また、第1膜状部材10によりデフロスタ
開口部5を少開度だけ開口するとともに前席用フェイス
開口部6を全閉し、且つ、第2膜状部材14を後述の図
5の小風量作動モードまたは大風量作動モード位置に移
動させて前席用フット開口部7を開口すると、デフロス
タ開口部5から少量の空気を吹き出し、前席用フット開
口部7から大部分の空気を吹き出す前席側のフットモー
ドを設定できる。
【0069】また、デフロスタ開口部5の開度を第1膜
状部材10によりフットモード時より増大すると、デフ
ロスタ開口部5からの吹出風量と前席用フット開口部7
からの吹出風量とを同程度とする前席側のフットデフロ
スタモードを設定できる。
【0070】また、第1膜状部材10によりデフロスタ
開口部5を全閉するとともに前席用フェイス開口部6を
全開または所定開度開口し、且つ、第2膜状部材14を
後述の図5の小風量作動モードまたは大風量作動モード
位置に移動させて前席用フット開口部7を開口すると、
フェイス開口部6から乗員の上半身側へ空気を吹き出す
と同時に、前席用フット開口部7から乗員の足元側へ空
気を吹き出す前席側のバイレベルモードを設定できる。
【0071】上記の各吹出モードにおいて、第3膜状部
材25を矢印方向に往復動させることにより、上方吹
出用冷風バイパス通路23とヒータコア通風路24の開
度を調整して、フェイス開口部6およびデフロスタ開口
部5からの吹出空気温度を調整できる。
【0072】一方、第2膜状部材14を矢印方向に往
復動させることにより、小風量作動モード、大風量作動
モードおよびシャットモードを選択でき、且つ、小風量
作動モードと大風量作動モードにおいて第2膜状部材1
4の操作位置を調整することにより、前席用フット開口
部7から乗員の足元側へ吹き出す前席フット吹出空気の
温度を調整できる。この第2膜状部材14の作用を以下
図5に基づいて詳述する。
【0073】図5は第2膜状部材14を矢印−1方向
に(a)の位置から(g)の位置まで順次移動させた状
態を示している。図5(a)は開口面積の小さい第1開
口部18により前席用フット温風通路20を全開し、そ
して、開口面積の大きい第2開口部18後方側の無開口
部Cにより前席用フット冷風通路21を全閉している最
大暖房状態を示している。
【0074】図5(b)は開口面積の小さい第1開口部
18により前席用フット温風通路20と前席用フット冷
風通路21の両方を所定開度で開口する中間温度領域
(温度制御領域)を示している。
【0075】図5(c)は開口面積の小さい第1開口部
18により前席用フット冷風通路21を全開し、そし
て、第1開口部18後方側のシャットモード用の無開口
部Aにより前席用フット温風通路20を全閉している最
大冷房状態を示している。
【0076】図5(d)は第1開口部18後方側のシャ
ットモード用の無開口部Aにより前席用フット冷風通路
21と前席用フット温風通路20を同時に全閉している
シャットモードの状態を示している。
【0077】次に、図5(e)は開口面積の大きい第2
開口部19により前席用フット温風通路20を全開し、
そして、第1開口部18後方側の無開口部Aにより前席
用フット冷風通路21を全閉している最大暖房状態を示
している。
【0078】図5(f)は第2開口部19により前席用
フット温風通路20と前席用フット冷風通路21の両方
を所定開度で開口する中間温度領域(温度制御領域)を
示している。
【0079】図5(g)は第2開口部19により前席用
フット冷風通路21を全開し、そして、第2開口部19
後方側の無開口部Cにより前席用フット温風通路20を
全閉している最大冷房状態を示している。
【0080】上記のように、図5(a)から図5(c)
の範囲で第2膜状部材14の位置を移動させると、開口
面積の小さい第1開口部18により前席用フット温風通
路20と前席用フット冷風通路21の開度を調整できる
ので、第1開口部18による小風量作動モードにて前席
用フット吹出温度を調整できる。
【0081】また、図5(e)から図5(g)の範囲で
第2膜状部材14の位置を移動させると、開口面積の大
きい第2開口部19により前席用フット温風通路20と
前席用フット冷風通路21の開度を調整できるので、第
2開口部19による大風量作動モードにて前席用フット
吹出温度を調整できる。
【0082】従って、前席用フット開口部7から空気を
吹き出すモード(例えばフットモード)において、大風
量作動モードによる最大暖房状態と小風量作動モードに
よる最大暖房状態とを使い分けることが可能となる。
【0083】従って、冬期の暖房時にて最大暖房能力が
必要なときには、大風量作動モードによる最大暖房状態
を設定して車室内を急速に暖房し、そして、車室内温度
がある程度上昇した後は、小風量作動モードにて前席用
フット吹出温度を調整するという制御が可能となる。
【0084】しかも、開口面積の小さい第1開口部18
と開口面積の大きい第2開口部19との開口比率を変え
ることにより、大風量作動モードと小風量作動モードと
の風量割合は自由に設定できる。
【0085】更に、開口面積の小さい第1開口部18の
幅寸法w1を開口面積の大きい第2開口部19の幅寸法
w2より小さくし、両開口部18、19の高さ寸法h
1、h2を同一寸法にしているから、図5(a)から図
5(c)のように第1開口部18による小風量作動モー
ドにて前席用フット吹出温度を調整する場合には、第2
膜状部材14の移動量に対する両通路20、21の開度
変化の変化割合を第2開口部19による大風量作動モー
ド時に比較して大幅に小さくできる。そのため、小風量
作動モード時には前席用フット吹出温度を第2膜状部材
14の移動量に対して直線的な比例関係で微細に調整で
きる。
【0086】また、本実施形態では、第2膜状部材14
を図2のx、yの領域に左右分割して配置しているか
ら、運転席側の第2膜状部材14と助手席側の第2膜状
部材14のうち、一方を大風量作動モードで作動させ、
他方を小風量作動モードで作動させるようにすれば、左
右のフット吹出風量を大小別々に設定できる。
【0087】また、本実施形態では、前席用フット開口
部7と後席用フット開口部9の両方を設けているから、
左右の第2膜状部材14をともに大風量作動モードで作
動させると、前席用フット開口部7からのフット吹出風
量の割合が後席用フット開口部9からのフット吹出風量
に対して相対的に高くなり、前席優先モードを設定でき
る。逆に、左右の第2膜状部材14をともに小風量作動
モードで作動させると、前席用フット開口部7からのフ
ット吹出風量の割合が後席用フット開口部9からのフッ
ト吹出風量に対して相対的に低くなり、後席優先モード
を設定できる。
【0088】このように、ループ状の第2膜状部材14
の移動方向において所定の間隔A、Cを開けて大小2
つの開口部18、19を配置し、大風量作動モードと小
風量作動モードとを切替可能にしているから、空調ケー
ス1a側に前席用フット温風通路20と前席用フット冷
風通路21の2つの通路を設けるだけで、冷温風の風量
割合の調整による吹出空気温度の調整作用と、吹出空気
の風量調整作用とを発揮できる。従って、特開平7−2
51623号公報に比較して、空調ケース1aの体格の
小型化に有利である。
【0089】また、第2膜状部材14をループ状とし、
大小2つの開口部18、19の間に位置する無開口部A
によりシャットモードを設定するから、シャットモード
用の1個の無開口部Aをケース側の合計開口範囲Bの長
さ分だけ移動させると、シャットモードを設定できる。
このため、シャットモードを設定する必要のある場合に
おいて第2膜状部材14の長さを特開平7−25162
3号公報に比較して短くできる。
【0090】(第2実施形態)第1実施形態では、第
1、第2開口部18、19の高さ寸法(膜状部材移動方
向の寸法)h1、h2を同一とし、第1、第2開口部1
8、19の幅寸法(膜状部材移動方向と直交方向の寸
法)w1、w2を変えて、第1、第2開口部18、19
の開口面積を変えるようにしているが、第2実施形態で
は、図6に示すように、第1実施形態と逆に、第1、第
2開口部18、19の幅寸法w1、w2を同一とし、第
1、第2開口部18、19の高さ寸法(膜状部材移動方
向の寸法)h1、h2を変えている。
【0091】すなわち、第1開口部18の高さ寸法h1
を第2開口部19の高さ寸法h2より小さくすることに
より、第1開口部18の開口面積を第2開口部19の開
口面積より小さくしている。第1開口部18の形状は高
さ寸法h1の縮小により四角形(菱形)になっている。
【0092】図6はループ状の第2膜状部材14を
(a)の位置から(g)の位置へ向かって矢印−2方
向へ順次移動させた場合を示しており、図6(a)はシ
ャットモードの状態を示し、図6(b)から図6(d)
の範囲では第2開口部19により前席用フット吹出温度
を調整する大風量作動モードを設定する。これに対し
て、図6(e)から図6(g)の範囲では第1開口部1
8により前席用フット吹出温度を調整する小風量作動モ
ードを設定する。
【0093】第2実施形態によると、第1開口部18の
高さ寸法h1を第2開口部19の高さ寸法h2より小さ
くしているから、第1開口部18による小風量作動モー
ド時に第2膜状部材14の移動量に対する通路開度(前
席用フット吹出温度)の変化割合が第1実施形態に比較
して増大してしまう。しかし、第1開口部18の高さ寸
法h1を縮小した分だけ、第2膜状部材14の長さを短
くできるので、空調ケース1a側の無開口部Fの範囲を
短縮でき、空調ケース1aを一層小型化できる。
【0094】なお、空調ケース1a側の無開口部Fの範
囲は、シャットモード時の空気洩れを防止するために、
第2膜状部材14側の全開口部範囲Eより大きく(F>
E)する必要がある。また、第2膜状部材14の移動方
向−2に対して、第2開口部19の後方側に位置する
無開口部Gは小風量作動モード時の最大冷房用のもので
ある。従って、この無開口部Gは空調ケース1a側の前
席用フット温風通路20の開口範囲Dより大きく(G>
D)してある。これにより、小風量作動モードの最大冷
房位置において前席用フット温風通路20を無開口部G
により全閉することができる。一方、大風量作動モード
の最大冷房位置では、シャットモード用の無開口部Aに
より前席用フット温風通路20を全閉することができ
る。
【0095】(第3実施形態)第3実施形態は第1実施
形態と第2実施形態とを組み合わせたものである。すな
わち、第3実施形態では、図7に示すように第1開口部
18の高さ寸法h1と幅寸法w1を両方とも、第2開口
部18、19の高さ寸法h2、幅寸法w1より小さくし
ている。図7において他の点は図6と同じであり、F>
EおよびG>Dの関係に寸法が設定されている。
【0096】第3実施形態においても、第2実施形態と
同様に第1開口部18の高さ寸法h1の縮小により空調
ケース1a側の無開口部Fの範囲を短縮でき、空調ケー
ス1aを小型化できる。但し、第3実施形態は第1実施
形態と第2実施形態との折衷的な特徴を持った開口パタ
ーンとなる。
【0097】(他の実施形態)本発明は上記実施形態に
限定されることなく、以下に例示するように種々変形可
能である。
【0098】上記実施形態では、第1、第2開口部1
8、19により小風量作動モードと大風量作動モードと
を設定可能な第2膜状部材14を前席用フット開口部7
の吹出温度調整用に用いているが、このような機能を持
つ第2膜状部材14を上方吹出温度調整用の第3膜状部
材25等に適用してもよい。更には、本発明による第2
膜状部材14は車両用空調装置に限らず、種々な用途の
空気通路開閉装置一般に広く適用できる。
【0099】上記実施形態では、小風量作動モードと
大風量作動モードとを設定可能な第2膜状部材14をル
ープ状に構成する場合について説明したが、第2膜状部
材14をループ状とせずに、第1膜状部材10のように
移動方向の両端が自由端になっている膜状部材や、第3
膜状部材25のように移動方向の両端が巻き取り可能に
なっている膜状部材に対して適用してもよい。
【0100】上記実施形態では、空気通路を開閉する
ドア手段として可撓性を有する膜状部材14を用いてい
るが、本発明のドア手段は可撓性を有する膜状部材に限
定されない。例えば、車両用空調装置では、樹脂製等の
剛体からなる板部材を板の平面方向にスライドさせて空
気通路を開閉するスライドドアが知られており、このよ
うなスライドドアに対して、本発明による第1、第2開
口部18、19を設けて小風量作動モードと大風量作動
モードとを設定可能にしてもよい。
【0101】また、車両用空調装置では、回転軸を中心
として半径方向の所定寸法の位置で回転するドア面(こ
のドア面は通常円弧面である)を有し、このドア面の外
周側に空調ケース側の空気通路を配置し、この空調ケー
ス側の空気通路をドア面の回転変位により開閉するロー
タリドアが知られている。このようなロータリドアに対
して、本発明による第1、第2開口部18、19を設け
て小風量作動モードと大風量作動モードとを設定可能に
してもよい。
【0102】上記実施形態では、空気通路開閉用のド
ア手段をなす膜状部材10、14、25を駆動する手段
としてモータを使用しているが、ドア手段の駆動手段と
してモータを使用せずに、手動操作機構を設け、この手
動操作機構からの操作力により膜状部材10、14、2
5を移動させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による車両用空調装置の
空調ユニット部の断面図である。
【図2】図1の空調ユニット部の車室側からみた正面図
である。
【図3】第1実施形態の第2膜状部材の配置部分を示す
要部断面図である。
【図4】第1実施形態の第2膜状部材単体の斜視図であ
る。
【図5】第1実施形態の第2膜状部材の開口パターンを
示す展開図である。
【図6】第2実施形態の第2膜状部材の開口パターンを
示す展開図である。
【図7】第3実施形態の第2膜状部材の開口パターンを
示す展開図である。
【符号の説明】
1a…ケース(通路部材)、7…前席フット開口部、1
4…第2膜状部材(ドア手段)、17…駆動軸(駆動手
段)、17a、17b…駆動ギヤ(駆動手段)、18…
第1開口部、19…第2開口部、20…温風通路(第1
空気通路)、21…冷風通路(第2空気通路)。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気通路(20、21)を開閉するドア
    手段(14)に、第1開口部(18)、および前記第1
    開口部(18)より開口面積が大きい第2開口部(1
    9)を備え、 前記ドア手段(14)の操作位置の所定領域において、
    前記第1開口部(18)により前記空気通路(20、2
    1)を開閉する小風量作動モードを設定し、 前記ドア手段(14)の操作位置の別の所定領域におい
    て、前記第2開口部(19)により前記空気通路(2
    0、21)を開閉する大風量作動モードを設定すること
    を特徴とする空気通路開閉装置。
  2. 【請求項2】 前記空気通路は複数の空気通路(20、
    21)であり、前記ドア手段(14)は前記複数の空気
    通路(20、21)を同時に全閉するシャットモードを
    設定するシャットモード用無開口部(A)を備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気通路開閉装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の空気通路の1つは、温風が流
    れる第1空気通路(20)であり、他の1つは冷風が流
    れる第2空気通路(21)であり、 前記温風と前記冷風の風量割合を前記小風量作動モード
    と前記大風量作動モードにてそれぞれ調整することを特
    徴とする請求項2に記載の空気通路開閉装置。
  4. 【請求項4】 前記ドア手段は可撓性を有する膜状部材
    (14)であることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
  5. 【請求項5】 前記膜状部材(14)は前記空気通路
    (20、21)を形成する通路部材(1a)の内側にル
    ープ状に配置され、 前記ループ状の膜状部材に駆動力を与える駆動手段(1
    7、17a、17b)を備え、前記駆動力により前記ル
    ープ状の膜状部材(14)を前記通路部材(1a)の内
    側面に沿って移動させることを特徴とする請求項4に記
    載の空気通路開閉装置。
  6. 【請求項6】 前記第1開口部(18)および前記第2
    開口部(19)において前記膜状部材(14)の移動方
    向の寸法を高さ寸法とし、前記膜状部材(14)の移動
    方向と直交方向の寸法を幅寸法としたときに、 前記第1開口部(18)および前記第2開口部(19)
    の高さ寸法を略同一とし、前記第1開口部(18)の幅
    寸法を前記第2開口部(19)の幅寸法より小さくした
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の空気通路開
    閉装置。
  7. 【請求項7】 前記第1開口部(18)および前記第2
    開口部(19)において前記膜状部材(14)の移動方
    向の寸法を高さ寸法とし、前記膜状部材(14)の移動
    方向と直交方向の寸法を幅寸法としたときに、 前記第1開口部(18)および前記第2開口部(19)
    の幅寸法を略同一とし、前記第1開口部(18)の高さ
    寸法を前記第2開口部(19)の高さ寸法より小さくし
    たことを特徴とする請求項4または5に記載の空気通路
    開閉装置。
  8. 【請求項8】 前記第1開口部(18)および前記第2
    開口部(19)において前記膜状部材(14)の移動方
    向の寸法を高さ寸法とし、前記膜状部材(14)の移動
    方向と直交方向の寸法を幅寸法としたときに、 前記第1開口部(18)の幅寸法および高さ寸法の両方
    を前記第2開口部(19)の幅寸法および高さ寸法より
    小さくしたことを特徴とする請求項4または5に記載の
    空気通路開閉装置。
  9. 【請求項9】 車室内へ向かって流れる空気を加熱する
    加熱用熱交換器(4)と、 前記加熱用熱交換器(4)を通過して空気が流れる第1
    空気通路(20、20a、24)と、 前記加熱用熱交換器(4)をバイパスして空気が流れる
    第2空気通路(21,21a)と、 前記第1空気通路(20、20a、24)と前記第2空
    気通路(21,21a)の開度を調整して車室内への吹
    出空気温度を調整するドア手段(14)とを備え、 前記ドア手段(14)に、第1開口部(18)、および
    前記第1開口部(18)より開口面積が大きい第2開口
    部(19)を備え、 前記ドア手段(14)の操作位置の所定領域において、
    前記第1開口部(18)により前記第1空気通路(2
    0、20a、24)と前記第2空気通路(21,21
    a)を開閉する小風量作動モードを設定し、 前記ドア手段(14)の操作位置の別の所定領域におい
    て、前記第2開口部(19)により前記第1空気通路
    (20、20a、24)と前記第2空気通路(21,2
    1a)を開閉する大風量作動モードを設定することを特
    徴とする車両用空調装置。
  10. 【請求項10】 車室内の乗員足元部へ向かって空気を
    吹き出すフット開口部(7)を備え、 前記ドア手段(14)は、前記フット開口部(7)から
    の吹出空気の温度を調整するものであり、 前記ドア手段(14)が前記フット開口部(7)を閉塞
    するシャット機能を果たすように構成されていることを
    特徴とする請求項9に記載の車両用空調装置。
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