JPH07205635A - 空調装置 - Google Patents

空調装置

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JPH07205635A
JPH07205635A JP152494A JP152494A JPH07205635A JP H07205635 A JPH07205635 A JP H07205635A JP 152494 A JP152494 A JP 152494A JP 152494 A JP152494 A JP 152494A JP H07205635 A JPH07205635 A JP H07205635A
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ribs
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rib
auxiliary
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Hirokazu Imai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱手段を通過する空気量を調節するための
膜状部材と、その膜状部材が摺接するリブと交差した状
態で膜状部材の落ち込み防止用の受部を備えた補助リブ
を設ける構成とする場合でも、加熱手段の熱交換能力を
常に最大限発揮させることにより、暖房運転時の温度調
節を正確に行うこと。 【構成】 ヒータケース2におけるヒータコア3の上流
側位置には、フィルムダンパ9と摺接する複数本のリブ
10とこれらリブ10と交差した状態の補助リブ25と
が一体に形成される。補助リブ25は、各リブ10及び
ヒータケース2間を連結する板状に形成されたもので、
リブ10及びヒータケース2側のシール面部6aとの交
差部分にそのリブ10と面一なフィルム受部25aが形
成されると共に、上流側縁部に上記フィルム受部25a
を残して開口する切欠部25bがフィルムダンパ9の移
動方向への空気流通を許容するように形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通風用開口部を有した
膜状部材の移動に応じて加熱手段を通過する空気量の調
節を行うようにした空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用空調装置においては、吹出口切替
ダンパ或いはエアミックスダンパなどを、プラスチック
のような可撓材料製フィルムより成る膜状部材を利用し
て構成することによって、構造の簡単化や全体の軽量化
及び小形化などを図ることが考えられている。図6、図
7には、このようなフィルムダンパをエアミックスダン
パに適用した空調装置の構成例が示されている。
【0003】即ち、ヒータユニット1は、図示しないエ
アダクト内に配設されるもので、前後面が開口したプラ
スチック製のヒータケース2にエンジン冷却水が流通す
るヒータコア3を収納した形態となっており、そのヒー
タコア3の上方部及び下方部と前記図示しないエアダク
トとの各間には、図7(a)に矢印で示す第1の空気通
路4及び第2の空気通路5が形成される。ヒータユニッ
ト1は、前記ヒータケース2と一体的に形成された枠体
6を備えており、この枠体6に一対の巻取軸7、8を支
持している。
【0004】膜状部材であるエアミックス用フィルムダ
ンパ9は、ヒータコア3の前面部(上流側面部)を包囲
した状態で配置され、その両端が前記巻取軸7、8に連
結されている。これにより、フィルムダンパ9は、巻取
軸7、8の回転に応じた巻取動作によりヒータコア3の
上流側を往復移動可能な構成となっている。
【0005】上記フィルムダンパ9は、複数個ずつの通
風用開口部9a、9bを備えており、一方の開口部9a
の全体をヒータコア3に対応させた最大暖房位置に移動
された状態(開口部9aが図7(a)に示す位置にある
状態)では、前記各空気通路4及び5を閉鎖するように
なる。また、フィルムダンパ9は、各通風用開口部9
a、9bを第1の空気通路4、第2の空気通路5にそれ
ぞれ対応させた暖房停止位置に移動された状態(開口部
9a、9bが図7(c)に示す位置にある状態)では、
ヒータコア3の前面を閉鎖するようになる。
【0006】斯様なフィルムダンパ9の移動位置の調節
は、例えば自動車のインストルメントパネルに設けられ
た温度調節レバーによりリニアに行い得るようになって
おり、その移動途中には、フィルムダンパ9の一方の開
口部9aの下半部をヒータコア3の上半部に対応させ且
つ上半部を第1の空気通路4に対応させると共に、他方
の開口部9bを第2の空気通路5に対応させた中間暖房
位置(開口部9a、9bが図7(b)に示す位置にある
状態)を呈するようになっている。従って、上記温度調
節レバーの操作に応じてフィルムダンパ9の移動位置を
調節することによって、ヒータコア3を通過する加熱空
気量と各空気通路4、5を通過する空気量との比を制御
できるものであり、これにより空調風の吹出温度を調節
できるようになる。
【0007】前記ヒータケース2におけるヒータコア3
の上流側位置には、図6中上下方向に指向する複数本の
リブ10が当該ヒータケース2との一体成形により配列
されており、これらのリブ10は、フィルムダンパ9と
摺接することによりそのガイド機能を発揮するようにな
っている。また、ヒータケース2には、上記リブ10と
交差した状態の補助リブ11が当該リブ10及び枠体6
に形成されたシール面部6aと面一な状態で一体成形さ
れており、この補助リブ11によって、フィルムダンパ
9の移動位置がずれたときに当該フィルムダンパ9が下
流側(ヒータコア3側)へ落ち込む事態を防止すると共
に、リブ10の補強効果を得るようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な構成では、補助リブ11の存在が、フィルムダンパ9
の移動方向(図中上下方向)への空気流通を阻害するよ
うに作用するため、例えばフィルムダンパ9が、開口部
9aの全体をヒータコア3に対応させた最大暖房位置か
ら、開口部9aの下半部をヒータコア3の上半部に対応
させた中間暖房位置へ移動されたときには、図7(b)
に矢印Wで示すように、開口部9aを通過した空気がヒ
ータコア3の上半部のみを集中的に流れるようになり、
ヒータコア3の下半部では冷却空気との熱交換がほとん
ど行われなくなるという事情がある。従って、このよう
な状態では、ヒータコア3の熱交換能力が十分に発揮さ
れなくなって、その熱交換効率が低下することになり、
これに起因して温度調節レバーによる温度調節位置に対
する実際の空調風の吹出温度の変化特性がリニアな関係
とならず、ヒータコア3を利用した暖房運転時の温度調
節が不正確になるという問題点があった。
【0009】因みに、本願発明者の測定によれば、温度
調節レバーによる温度調節位置と、フット吹出口及びフ
ェイス吹出口からの各空調風の吹出温度TFT及びTFAと
の関係は、図8に示すような状態となるものであり、こ
の図8からは、温度調節レバーによる温度調節位置が5
0%の近傍(ヒータコア3の約50%が通風用開口部9
aと対応した状態に相当する)で空調風の吹出温度TFT
及びTFAに変曲点が生じていることが分かる。尚、この
ような変曲点は、図7(b)の状態では空調風がヒータ
コア3の上半部のみしか通らず通風抵抗が大きくなるに
の対して、図7(b)の状態から図7(d)の状態に切
り替わったときには、矢印Wで示すように空調風がヒー
タコア3の全体を通るようになるため、通風抵抗が急激
に小さくなって吹出温度が急上昇することに起因して発
生するものである。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、加熱手段を通過する空気量を調節す
るための膜状部材が摺接するリブと、このリブと交差し
た状態のフィルム受部を有した補助リブを備えた構成の
ものでありながら、その加熱手段の熱交換能力を常に最
大限発揮させることができて、暖房運転時の温度調節を
正確に行い得るようになる空調装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、エアダクト内に配設された加熱手段と、こ
の加熱手段の上流側位置を移動可能に配置され、通風用
開口部を有する可撓性の膜状部材と、この膜状部材を移
動させる移動手段と、前記加熱手段の上流側に前記膜状
部材の移動方向へ指向し且つ当該膜状部材が摺接するよ
うに設けられたリブとをそれぞれ設けた上で、上記リブ
と交差した状態で、少なくとも当該リブとの交差部分に
そのリブと面一な受部を形成すると共に、前記膜状部材
の移動方向への空気流通を許容する通気手段を形成して
成る補助リブを設ける構成としたものである(請求項
1)。
【0012】この場合、前記補助リブを、前記リブ間を
連結する板状に形成すると共に、前記通気手段を、上記
補助リブの一部を除去することにより形成する構成とし
ても良いものである(請求項2)。
【0013】
【作用】請求項1に記載した空調装置においては、膜状
部材を移動させることによって当該膜状部材が有する通
風用開口部と加熱手段との間の相対位置を変化させれ
ば、通風用開口部を介して加熱手段を通過する空気量を
調節できるようになる。このような膜状部材の移動時に
は、当該膜状部材がリブに摺接するようになってそのガ
イド機能が得られると共に、膜状部材の移動位置がずれ
て当該膜状部材が下流側へ落ち込む事態が、上記リブと
の交差部分に設けられた補助リブの受部によって防止さ
れるようになる。
【0014】この場合、上記補助リブには、膜状部材の
移動方向への空気流通を許容する通気手段が形成されて
いるから、膜状部材の通風用開口部の一部のみが加熱手
段と対応された状態時においても、その通風用開口部を
通過した空気が、前記通気手段を通じて加熱手段におけ
る通風用開口部との非対応部分方向へも流れるようにな
る。従って、通風用開口部を通過した空気が加熱手段の
一部のみを通過する事態に陥ることがなくなって、膜状
部材の移動位置の如何に拘らず加熱手段の熱交換能力を
十分に発揮できるようになるから、従来構成のように暖
房運転時の温度調節が不正確になる虞がなくなる。
【0015】請求項2記載の空調装置によれば、補助リ
ブが、前記リブ間を連結する板状に形成されているか
ら、受部による上述のような膜状部材の落ち込み防止機
能の他に、リブの補強効果も併せて得られるようにな
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明を自動車用空調装置に適用した
第1実施例について図1〜図3を参照しながら説明す
る。但し、本実施例においては、前記図6、図7に示し
た従来構成と同一部分が数多く存在するから、以下にお
いては、この従来構成と同一部分には同一符号を付すこ
とにより、その詳細な説明を省略している。
【0017】図2には、ヒータユニット1を自動車用空
調装置のエアダクト12内に配設した状態が概略的に示
されている(ヒータユニット1が有する枠体6(図1参
照)などの図示を省略している)。この図2において、
エアダクト12は、その最上流側に図示しない外気導入
口及び内気導入口を有し、最下流側にデフロスタ吹出口
13、フェイス吹出口14及びフット吹出口15を上下
に有する。尚、上記デフロスタ吹出口13はフロントガ
ラスの内側に向けて空気を吹き出すために設けられ、フ
ェイス吹出口14は乗員の上半身に向けて空気を吹き出
すために設けられ、フット吹出口15は乗員の足元に向
けて空気をを吹き出すために設けられている。
【0018】エアダクト12内には、上流側から下流側
にかけて、内気吸入モード或いは外気吸入モードを選択
するための導入空気切替手段としての図示しない内外気
切換ダンパ、前記外気導入口或いは内気導入口を介して
吸入した空気を下流側へ送風するための送風手段として
の図示しないブロワ(或いはファン)、冷却手段として
のエバポレータ16及び前記ヒータコア3(本発明でい
う加熱手段に相当)が配設されている。エアダクト12
内におけるヒータコア3の上方部位には、そのエアダク
ト12と一体に形成された袖壁部17が設けられてお
り、この袖壁部17には、エバポレータ16と熱交換し
た冷気をヒータコア3を迂回させてフェイス吹出口14
方向へ直接導くための空気通路を構成する手段、具体的
には冷風バイパス口18が形成されている。また、上記
冷風バイパス口18には、その冷風バイパス機能を選択
的に有効化するための通路開閉手段、具体的には板ダン
パ19が設けられる。
【0019】ヒータコア3は、上記袖壁部17の下端と
エアダクト12の下面との各間に所定の空隙が存するよ
うに配設されるもので、これにより当該ヒータコア3の
上方部及び下方部には、前記第1の空気通路4及び第2
の空気通路5が形成されている。また、エアダクト12
内におけるヒータコア3の下流側には、その下流側を上
記各空気通路4及び5に連通した二つの空間部に仕切る
ようにして、当該エアダクト12と一体のガイド20
が、異なる通路間での空気混合を防止するための手段と
して形成されている。このガイド20は、ヒータコア3
の下流側側面からフェイス吹出口14の中央部分に対応
した位置まで延びた形状となっており、第1の空気通路
4及び第2の空気通路5の空気同士の混合を図るなどの
目的で、図示しない複数の切欠部がその長手方向に延び
るように形成されている。
【0020】エアダクト12内におけるデフロスタ吹出
口13の袖壁部17寄りの縁部に隣接した位置、並びに
フット吹出口15の下縁部に隣接した位置の各々には、
巻取軸21、22がエアダクト12との間に所定の空隙
を存した状態で回転可能に支持されている。また、エア
ダクト12内におけるデフロスタ吹出口13とフェイス
吹出口14との中間位置には、後述するフィルムダンパ
24を各吹出口13〜15に沿わせるための手段、具体
的には断面円形のシャフト状に構成されたガイド部材2
3がエアダクト12との間に所定の空隙を存した状態で
回転可能に支持されている。尚、この実施例では、上記
ガイド部材23を回転可能な構成としたが、固定状態で
設けても良いものであり、このように固定状態で設ける
場合には、少なくともフィルムダンパ24と接する面の
断面形状が当該フィルムダンパ24の移動を阻害しない
形状、例えば曲面形状を呈していれば良いものである。
【0021】吹出口切替用フィルムダンパ24は、上記
巻取軸21、22間にガイド部材23とエアダクト12
との間の空隙を通った状態で掛け渡されることにより、
デフロスタ吹出口13、フェイス吹出口14及びフット
吹出口15に上流側から対向した状態で移動可能に設け
られている。このフィルムダンパ24は、両端部がそれ
ぞれ巻取軸21、22に連結されており、その巻取軸2
1、22の回転に応じて移動するように構成されてい
る。
【0022】図示しないが、上記フィルムダンパ24
は、所定位置に例えば2組の通風用開口部を備えてお
り、その移動に応じてデフロスタ吹出口13、フェイス
吹出口14及びフット吹出口15と上記通風用開口部群
との間の相対位置を変化させることにより、それら吹出
口13〜15の開度調節つまり吹出口モードの調節を行
うように構成されている。具体的には、フィルムダンパ
24の移動位置に応じて、デフロスタ吹出口13のみを
開口させたデフモード、デフロスタ吹出口13及びフェ
イス吹出口14を開口させたフェイス・デフモード、フ
ェイス吹出口14のみを開口させたフェイスモード、フ
ェイス吹出口14及びフット吹出口15を開口させたバ
イレベルモード、フット吹出口15のみを開口させたフ
ットモードに切換わる構成となっている。
【0023】尚、前記ヒータユニット1は、これに設け
られた巻取軸7、8が、エアダクト12内における袖壁
部17の下端部と対向した位置、並びにフット吹出口1
5の下縁部に下方から臨む各位置に存するように配設さ
れる。これにより、本発明でいう膜状部材に相当したエ
アミックス用フィルムダンパ9は、エバポレータ16を
通過した空気のヒータコア3側及び各空気通路4、5側
への分配量を制御できるようになっている。
【0024】ここで、巻取軸7、8のうちの一方には、
エアダクト12の外側に取り付けられた図示しないステ
ップモータの出力軸が連結されており、これら巻取軸
7、8及びステップモータにより本発明でいう移動手段
が構成されている。また、巻取軸21、22の一方に
も、エアダクト12の外側に取り付けられた図示しない
別のステップモータの出力軸が連結されている。巻取軸
7、8の各間及び巻取軸21、22の各間には、それぞ
れベルト、ワイヤのような一方の巻取軸の動きを他方の
巻取軸に伝達する手段が設けられている。そして、制御
装置から送られる駆動パルス数に応じた角度だけステッ
プモータが回転され、これに伴って一方の巻取軸が回転
することによってフィルムダンパ9、24が移動するよ
うになっている。
【0025】尚、移動手段としてステップモータに限ら
ずサーボモータ、超音波モータなどを用いても良い。ま
た、これらのモータの取り付け位置としては、エアダク
ト12の外側に限らず、その内側或いは対応する巻取軸
の内部でも良い。
【0026】さて、図1において、ヒータケース2にお
けるヒータコア3の上流側位置中央には、複数本のリブ
10とこれらリブ10と交差した状態の補助リブ25と
が、当該ヒータケース2と一体に形成されている。この
場合、補助リブ25は、各リブ10及びヒータケース2
間を連結する板状に形成されており、リブ10及び枠体
6のシール面部6aとの交差部分にそのリブ10と面一
なフィルム受部25aが形成されていると共に、上流側
縁部に上記フィルム受部25aを残して開口する切欠部
25b(本発明でいう通気手段に相当)が形成されてい
る。これにより、上記切欠部25bは、フィルムダンパ
9の移動方向(図中上下方向)への空気流通を許容する
ようになる。
【0027】上記した本実施例の構成によれば、例え
ば、吹出口切替用フィルムダンパ24によりフェイス吹
出口14及びフット吹出口15を開口させたバイレベル
モードで行われる暖房運転時には、図示しない温度調節
レバーの操作によりエアミックス用フィルムダンパ9を
移動させることにより、上記各吹出口14及び15から
吹き出される空調風の温度を調節できる。つまり、エア
ミックス用フィルムダンパ9を移動させることにより当
該フィルムダンパ9が有する通風用開口部9a、9bと
ヒータコア3及び第1の空気通路4、第2の空気通路5
との間の相対位置を変化させれば、その開口部9aを介
してヒータコア3を通過する空気量と、開口部9a、9
bを介して第1、第2の各空気通路4、5を通過する空
気量との比を調節できるから、フェイス吹出口14及び
フット吹出口15から吹き出される空調風の温度調節で
きるようになる。
【0028】このようなエアミックス用フィルムダンパ
9の移動時には、当該フィルムダンパ9がリブ10に摺
接するようになってそのガイド機能が得られると共に、
フィルムダンパ9の移動位置がずれて当該フィルムダン
パ9が下流側へ落ち込む事態が、上記リブ10及びシー
ル面部6aとの交差部分に設けられた補助リブ25のフ
ィルム受部25aによって防止されるようになる。
【0029】この場合、上記補助リブ25には、エアミ
ックス用フィルムダンパ9の移動方向への空気流通を許
容する切欠部25bが形成されているから、例えばフィ
ルムダンパ9の通風用開口部9aの上半部のみがヒータ
コア3と対応された状態時においても、その通風用開口
部9aを通過した空気が、切欠部25bを通じてヒータ
コア3における通風用開口部9aとの非対応部分(下半
部分)方向へも流れるようになる。従って、通風用開口
部9aを通過した空気がヒータコア3の一部のみを通過
する事態に陥ることがなくなって、フィルムダンパ9の
移動位置の如何に拘らずヒータコア3の熱交換能力を十
分に発揮できるようになる。
【0030】つまり、上記した本実施例の構成によれ
ば、エアミックス用フィルムダンパ9の移動位置の如何
に拘らずヒータコア3の熱交換能力が最大限生かされる
ことになり、温度調節レバーによる温度調節位置と、フ
ェイス吹出口14及びフット吹出口15からの各空調風
の吹出温度TFT及びTFAとの関係を、図3に実線で示す
ようにリニアな関係にすることができ、従来構成のよう
に暖房運転時の温度調節が不正確になる虞がなくなる
(図3において破線で示した曲線は、図8に示した従来
構成の特性である)。また、補助リブ25は、リブ10
及びヒータケース2間を連結する板状に形成されている
から、フィルムダンパ9が下流側(ヒータコア3側)へ
落ち込む事態を防止する機能の他に、リブ10の補強効
果も併せて得られる利点がある。
【0031】尚、上記実施例では、リブ10及び補助リ
ブ25をヒータケース2と一体成形しているから、部品
点数が減るという利点があるが、リブ10及び補助リブ
25の双方或いは一方をヒータケース2と別部材の部品
として形成する構成としても良く、この場合には、リブ
10及び補助リブ25部分の形状、配置などを容易に変
更できるという利点が得られる。また、上記実施例で
は、補助リブ25の上流側縁部に開口した切欠部25b
を設ける構成としたが、その下流側縁部に開口した切欠
部を通気手段として設ける構成とすることもできる。
【0032】図4には本発明の第2実施例が示されてお
り、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ
説明する。即ち、この第2実施例では、第1実施例にお
ける補助リブ25に代えて補助リブ26を設けた点に特
徴を有する。この補助リブ26は、各リブ10及びヒー
タケース2間を連結する板状に形成されており、リブ1
0との交差部分を含む前縁部分の全体がそのリブ10及
びシール面部6aと面一なフィルム受部26aとして機
能する構成になっていると共に、その全域に渡って多数
個の円形状透孔26b(本発明でいう通気手段に相当)
が形成されている。
【0033】このような構成とした本実施例においても
第1実施例と同様の作用・効果が得られるものであり、
特に、本実施例では、補助リブ26の強度低下を極力抑
制しながら、透孔26b群を介した通気量を確保できる
ようになる利点がある。尚、この実施例では、透孔26
bの形状を円形としたが、四角形状、六角形状など他の
形状としても良く、また、透孔26bは少なくとも1個
設ければ良いものである。
【0034】図5には本発明の第3実施例が示されてお
り、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ
説明する。即ち、この第3実施例では、第1実施例にお
ける補助リブ25に代えて補助リブ27を設けた点に特
徴を有する。この補助リブ27は、各リブ10及びヒー
タケース2の対向側面に対をなす突起状に一体成形され
たもので、その前縁部がリブ10及びシール面部6aと
面一なフィルム受部27aとして機能する構成になって
いると共に、各対の補助リブ27間が本発明でいう通気
手段に相当した空間部27bとして機能するように構成
されている。
【0035】このような構成とした本実施例において
も、リブ10の補強効果の点を除いて第1実施例と同様
の作用・効果が得られるものであり、特に、本実施例で
は、空間部27bを介した通気量を十分に確保できるよ
うになる利点がある。
【0036】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように請求
項1記載の発明によれば、膜状部材の移動に応じて加熱
手段を通過する空気量を調節する構成とする場合に、そ
の膜状部材が摺接するリブと交差した状態で、少なくと
も当該リブとの交差部分にそのリブと面一なフィルム受
部を形成すると共に、前記膜状部材の移動方向への空気
流通を許容する通気手段を形成して成る補助リブを設け
る構成としたから、上記補助リブの存在にも拘らず、加
熱手段の熱交換能力を常に最大限発揮させることができ
て、暖房運転時の温度調節を正確に行い得るようになる
という有益な効果を奏するものである。
【0037】請求項2記載の発明によれば、前記補助リ
ブを、前記リブ間を連結する板状に形成すると共に、前
記通気手段を、上記補助リブの一部を除去することによ
り形成する構成としたから、その補助リブによりリブの
補強効果も併せて得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を一部破断した状態で示す
斜視図
【図2】全体の概略的な縦断面図
【図3】空調風の温度特性曲線図
【図4】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図5】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図6】従来例を示す図1相当図
【図7】要部の概略的縦断面図
【図8】図3相当図
【符号の説明】
図面中、1はヒータユニット、2はヒータケース、3は
ヒータコア(加熱手段)、9はエアミックス用フィルム
ダンパ(膜状部材)、9a、9bは通風用開口部、10
はリブ、12はエアダクト、21、22は巻取軸(駆動
手段)、24は吹出口切替用フィルムダンパ、25、2
6、27は補助リブ、25a、26a、27aはフィル
ム受部、25bは切欠部(通気手段)、26bは透孔
(通気手段)、27bは空間部(通気手段)を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアダクト内に配設された加熱手段と、 この加熱手段の上流側位置を移動可能に配置され、通風
    用開口部を有する可撓性の膜状部材と、 この膜状部材を移動させる移動手段と、 前記加熱手段の上流側に前記膜状部材の移動方向へ指向
    し且つ当該膜状部材が摺接するように設けられたリブ
    と、 このリブと交差した状態で設けられ、少なくとも当該リ
    ブとの交差部分にそのリブと面一な受部を形成すると共
    に、前記膜状部材の移動方向への空気流通を許容する通
    気手段を形成して成る補助リブとを備えたことを特徴と
    する空調装置。
  2. 【請求項2】 前記補助リブは、前記リブ間を連結する
    板状に形成され、前記通気手段は、上記補助リブの一部
    を除去することにより形成されていることを特徴とする
    請求項1記載の空調装置。
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