JP2004220819A - 電解質、負極および電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】Liの析出・溶解効率を向上させ、サイクル特性を向上させることができる電解質、負極および電池を提供する。
【解決手段】負極12にCuなどよりなるLiを含まない金属板12Aを用い、Li金属を析出させる。電解液16にはカテコールなどの−OX基(XはHあるいはアルカリ金属)を有する芳香族化合物を添加しておき、初回充電時に、Li金属と共に、そのの表面に析出膜12Cを析出させる。析出膜12CによりLiのデンドライト成長が抑制され、またLiと電解液16との反応が抑制される。
【選択図】 図2
【解決手段】負極12にCuなどよりなるLiを含まない金属板12Aを用い、Li金属を析出させる。電解液16にはカテコールなどの−OX基(XはHあるいはアルカリ金属)を有する芳香族化合物を添加しておき、初回充電時に、Li金属と共に、そのの表面に析出膜12Cを析出させる。析出膜12CによりLiのデンドライト成長が抑制され、またLiと電解液16との反応が抑制される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正極および負極と共に電解質を備えた電池、並びにそれに用いる電解質および負極に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話あるいはノート型パーソナルコンピュータなどのポータブル機器の電源として小型で高エネルギー密度を有する二次電池の要求が高まっている。このような二次電池としては、負極にリチウム(Li)と金属間化合物を形成する合金を用いたものや、または負極に金属リチウムを用い、リチウムの析出・溶解反応を利用したものなどがある。中でも、電池の組み立て時に負極に金属リチウムを用いず、銅(Cu)あるいはニッケル(Ni)などよりなる予めリチウムの存在しないいわゆるリチウムフリー負極を用い、負極でリチウムを析出・溶解させるようにした二次電池の開発が望まれている。このような二次電池の実用化が可能となれば、負極を更に薄膜化することができ、エネルギー密度を一層向上させることができると共に、製造工程において活性の高い金属リチウムを取り扱う必要がなく、製造プロセスが簡便となり、更には、回路実装プロセスなどの電子機器との複合プロセスも可能となる。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−156245号公報
【特許文献2】
特開2000−306601号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属リチウムの析出・溶解反応を伴うリチウム二次電池は古くから検討が行われているにも関わらず、充放電を繰り返した際の放電容量の劣化が大きく、実用化が難しいという問題があった。この容量劣化は、充放電に伴い、正負極間で移動するリチウムイオンに対応して負極の体積が容量分だけ大きく増減するので、負極の体積が大きく変化し、金属リチウム結晶の溶解反応および再結晶化反応が可逆的に進みづらくなってしまうことによるものである。しかも、負極の体積変化は高エネルギー密度を実現しようとするほど大きくなり、容量劣化もいっそう著しくなる。また、析出したリチウムが脱落したり、電解質と反応して消費されてしまうことも、容量劣化の原因と考えられる。これらの問題を解決するための1つの方法としては、電解液に添加剤を加えることが考えられる。
【0005】
なお、従来の二次電池においても、特性を向上させるために電解液に添加剤を添加したものが多数なされている。例えば、サイクル特性を改善する目的で電解液にカテコールを添加したもの(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)がある。特許文献1には、負極にリチウム金属板を用い、電解液にカテコールを添加した金属リチウム二次電池が記載されており、特許文献2には、負極に炭素材料を用い、電解液にカテコールを添加したリチウムイオン二次電池が記載されている。しかし、特許文献1に記載の金属リチウム二次電池では、容量の劣化を十分に改善することは難しく、また、特許文献2に記載のリチウムイオン二次電は負極における反応が金属リチウム二次電池と全く異なっている。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる電解質、負極および電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による電解質は、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、金属を、この金属を含まない金属板に析出させる際に形成された析出物を有するものである。
【0008】
本発明による負極は、金属を析出させる析出基板であり、析出させる金属を含まない金属板と、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、金属板に金属を析出させる際に形成された析出物よりなる析出膜とを有するものである。
【0009】
本発明による第1の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、電解質は、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、金属を、この金属を含まない金属板に析出させる際に形成された析出物を有するものである。
【0010】
本発明による第2の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、金属を析出させる析出基板であり、析出させる金属を含まない金属板と、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、金属板に金属を析出させる際に形成された析出物よりなる析出膜とを有するものである。
【0011】
本発明による電解質では、析出物により副反応が防止され、特性が向上する。
【0012】
本発明による負極では、析出膜により、金属のデンドライト成長が抑制される。また、析出した金属による副反応も抑制される。よって、容量劣化が防止されると共に、析出した金属の析出・溶解効率が向上する。
【0013】
本発明による第1または第2の電池では、本発明の電解質または負極を用いているので、サイクル特性などの電池特性が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1および図2は本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表すものであり、図1は組み立て時、すなわち第1回目(初回)充電前の構成を表し、図2は充電後の構成を表している。この二次電池はいわゆるコイン型といわれるものであり、外装カップ11内に収容された円板状の負極12と外装缶13内に収容された負極12の対極である円板状の正極14とが、セパレータ15を介して積層されたものである。外装カップ11および外装缶13の内部は、液状の電解質である電解液16により満たされており、外装カップ11および外装缶13の周縁部は絶縁性のガスケット17を介してかしめることにより密閉されている。外装カップ11および外装缶13は、例えば、ステンレスあるいはアルミニウム(Al)などの金属によりそれぞれ構成されている。
【0016】
負極12は、例えば、リチウムを含まない金属板12Aを有している。金属板12Aは、充電時に軽金属である金属リチウムを析出させる析出基板としての機能と共に、集電体としての機能も兼ね備えている。金属板12Aを構成する材料としては、銅,ニッケル,チタン(Ti),モリブデン(Mo),タンタル(Ta),それらのうちの少なくとも1種を含む合金、あるいはステンレスなどのリチウムとの反応性が低い金属材料が好ましい。リチウムとの反応性が高く容易に合金化する金属を用いると、充放電に伴い体積が膨張収縮し、金属板12Aの破壊が起こってしまうからである。
【0017】
なお、金属板12Aの正極14と対向する側には、充電時に、図2に示したように、金属リチウム層12Bおよび析出膜12Cがこの順で形成されるようになっている。金属リチウム層12Bは、金属リチウムにより構成されており、組み立て時には存在せず、また放電時には溶解するものである。すなわち、この二次電池では、負極活物質としてリチウムを用いており、負極12の容量は、リチウムの析出および溶解による容量成分により表される。
【0018】
析出膜12Cは、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液16中で、金属板12Aに金属リチウム層12Bを形成する際に、金属リチウム層12Bの表面に形成された析出物により構成されている。以下、上述の芳香族化合物を−OX基を有する芳香族化合物と言う。Xは水素あるいはアルカリ金属を意味し、本実施の形態では水素あるいはリチウムが好ましい。析出膜12Cは金属板12Aと共に負極12を構成するが、電解液16と共に電解質も構成し、例えば電解液16を吸収して膨潤し、または析出膜12Cの微細孔を介してリチウムイオンを通過させるようになっている。また、析出膜12Cは電池の組み立て時には存在しないが、初回充電後は除去されず、金属板12Aの上に残存する。
【0019】
なお、−OX基を有する芳香族化合物としては、例えば、水素原子が結合可能な芳香環の位置のうち、2個に水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基からなる群のうちの少なくとも1種が結合し、他には水素原子および炭素数1〜10のアルキル基からなる群のうちの少なくとも1種が結合したものが好ましい。なお、芳香環とは、ベンゼン環あるいはその縮合環だけでなく、ピリジル基などの芳香族性を有する複素環基も指す。このような芳香族化合物としては、具体的には、化1に示したカテコール、化2に示した3−メチルカテコール、化3に示した2,3−ジヒドロキシナフタレン、化4に示した2,3−ジヒドロキシピリジン、化5に示した化合物、化6に示したヒドロキノン、化7に示した1,4−ジヒドロキシナフタレン、化8に示した2,5−ジメチルヒドロキノン、あるいは、化9に示したレソルシノールなどが挙げられる。−OX基を有する芳香族化合物としては、他にも、フェノール、化10に示したピロガロール、あるいは、化11に示したフロログルシノールも好ましい。なお、−OX基を有する芳香族化合物は、1種類を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】
正極14は、正極集電体14Aと正極活物質層14Bとが積層された構造を有している。正極集電体14Aは、例えば、アルミニウム箔などの金属箔により構成されている。正極活物質層14Bは、例えば、正極活物質と、カーボンブラックあるいはグラファイトなどの導電剤と、ポリフッ化ビニリデンなどの結着剤とを含有して構成されている。また、正極活物質層14Bは、例えば正極集電体14Aに成膜された正極活物質の薄膜により構成されていてもよい。但し、正極活物質層14Bの面密度は0.3mAh/cm2 以上であることが好ましい。これよりも小さいと、高エネルギー密度という金属リチウム二次電池の利点が得られないからである。
【0032】
正極活物質としては、例えば、リチウム遷移金属酸化物あるいはリチウム含有リン酸化合物などのリチウム含有化合物が好ましい。この二次電池は組み立て時に負極12に金属リチウムが存在しないので、正極活物質としてはリチウムを含むものが好ましく、中でも、リチウム遷移金属複合酸化物およびリチウム含有リン酸化合物は高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。
【0033】
リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば化学式Lix MO2 で表されるものが挙げられる。式中、Mは1種類以上の遷移金属元素を表し、特にコバルト(Co),ニッケル、およびマンガン(Mn)からなる群のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。xの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.12である。このようなリチウム遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoO2 ,LiNiO2 ,Liy Niz Co1−z O2 (yおよびzは電池の充放電状態によって異なり通常、0<y<1、0.7<z<1.02である。)あるいはスピネル型構造を有するLiMn2 O4 などが挙げられる。また、リチウム含有リン酸化合物としては、例えば、リン酸鉄リチウム(LiFePO4 )が挙げられる。
【0034】
セパレータ15は、負極12と正極14とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ15は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、あるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
【0035】
電解液16は、例えば、溶媒と、電解質塩であるリチウム塩とを含んで構成されている。溶媒は、電解質塩を溶解し解離させるものである。溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、アニソール、酢酸エステルあるいはプロピオン酸エステルなどが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
【0036】
リチウム塩としては、例えば、LiClO4 ,LiAsF6 ,LiPF6 ,LiBF4 ,LiB(C6 H5 )4 ,LiCH3 SO3 ,LiCF3 SO3 ,LiClあるいはLiBrが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
【0037】
この電解液16は、また、初回充電前には、−OX基を有する芳香族化合物を含んでいる。初回充電後にも、この−OX基を有する芳香族化合物を含んでいてもよいが、含んでいる必要はない。
【0038】
なお、電解液16に代えて、保持体に電解液を保持させた電解質を用いてもよい。保持体としては、高分子化合物、無機伝導体、またはこれらの両方を用いることができる。高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン,ポリエチレンオキサイド,ポリプロピレンオキサイド,ポリアクリロニトリルあるいはポリメタクリロニトリル、またはこれらを繰り返し単位に含むものが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を用いてもよい。特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が望ましい。無機伝導体としては、例えば、フッ化リチウム(LiF),塩化リチウム(LiCl),臭化リチウム(LiBr),ヨウ化リチウム(LiI),窒化リチウム(Li3 N),リン酸リチウム(Li3 PO4 ),ケイ酸リチウム(Li4 SiO4 ),硫化リチウム(Li2 S),リン化リチウム(Li3 P),炭酸リチウム(Li2 CO3 )あるいは硫酸リチウム(Li2 SO4 )および窒化ホスホリルリチウム(LiPON)が挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を用いてもよい。なお、このような電解質を用いる場合には、セパレータ15を除去してもよい。
【0039】
このような構成を有する二次電池は、例えば次のようにして製造することができる。
【0040】
まず、金属板12Aとして金属箔あるいは合金箔を用意する。また、例えば、正極活物質と導電剤と結着剤とを混合して正極合剤を調製し、正極集電体14Aに塗布して正極活物質層14Bを形成し、正極14を作製する。もしくは、正極集電体14Aに、スパッタリング法,真空蒸着法,CVD(chemical vapor deposition ;化学気相成長)法,レーザーアブレーション法あるいはイオンプレーティング法などの乾式薄膜プロセスにより、正極活物質層14Bを成膜し、正極14を作製する。
【0041】
次いで、溶媒に、リチウム塩と、−OX基を有する芳香族化合物とを添加し、電解液16を作製する。続いて、例えば、セパレータ15に電解液16を含浸させ、このセパレータ15を介して負極12と正極14を積層して外装カップ11と外装缶13との中に入れ、それらをかしめる。これにより、図1に示した二次電池が完成する。
【0042】
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極14からリチウムイオンが離脱し、電解液16を介して、図2に示したように、金属板12Aの表面に金属リチウムとなって析出し、金属リチウム層12Bを形成する。その際、組み立て時に電解液16に添加した芳香族化合物が、金属リチウム層12B上に析出膜12Cを形成する。一方、放電を行うと、例えば、金属リチウム層12Bから金属リチウムがリチウムイオンとなって溶出し、電解液16および析出膜12Cを介して正極14に吸蔵される。よって、析出膜12Cにより、金属リチウムがデンドライト成長することが防止されると共に、金属リチウム層12Bと電解液16との反応が防止される。
【0043】
このように本実施の形態では、−OX基を有する芳香族化合物を含む電解液16中で、金属板12Aに金属リチウム層12Bを形成する際に形成された析出物よりなる析出膜12Cを有するようにしたので、金属リチウムのデンドライト析出を抑制することができ、ショートの危険性を小さくすると共に、金属リチウムの脱落を防止することができる。更に、金属リチウム層12Bと電解液16との反応を抑制することができる。従って、容量劣化を防止することができると共に、金属リチウムの析出・溶解効率を向上させることができる。その結果、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
【0044】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について、図1および図2を参照して詳細に説明する。
【0045】
まず、厚み10μmの銅箔を直径16mmの円形に打ち抜き金属板12Aを作製した。また、正極14を次のようにして作製した。まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とを0.5:1のモル比で混合し、この混合物を空気中において900℃で5時間焼成し、正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2 )を作製した。次いで、コバルト酸リチウム91質量部と、導電剤であるグラファイト6質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して正極合剤を調整し、更にこの正極合剤を分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。次いで、この正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体14Aに塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型し、正極活物質層14Bを形成し、これを直径15mmの円形に打ち抜いた。
【0046】
更に、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとを4:1の質量比で混合した溶媒に、リチウム塩であるLiPF6 および化2に示した3−メチルカテコールを添加して電解液16を作製した。LiPF6 の添加量は、溶媒に対して1mol/dm3 とし、3−メチルカテコールの添加量は電解液16において1質量%となるようにした。
【0047】
次いで、外装カップ11に負極12およびポリプロピレン製の多孔質膜よりなるセパレータ15をこの順で置き、この上から電解液16を注入し、正極14を入れた外装缶13を被せてかしめ、図1に示したコイン型の二次電池を作製した。
【0048】
本実施例に対する比較例1として、組み立て時に電解液に3−メチルカテコールを添加しなかったことを除き、他は本実施例と同様にして二次電池を作製した。また、本実施例に対する比較例2として、金属板12Aとして銅箔の代わりに直径16mm、厚み1mmの金属リチウム箔を用いたことを除き、他は実施例と同様にして二次電池を作製した。
【0049】
作製した実施例および比較例1,2の二次電池について、充放電試験を行い、容量維持率を求めた。その際、充電は1mA/cm2 の定電流密度で電池容量が5mAhとなるまで行い、放電は1mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が3Vに達するまで行った。容量維持率は初期放電容量に対する15サイクル目の放電容量の比率として算出した。得られた結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
表1から分かるように、実施例によれば比較例1,2よりも高い容量維持率が得られた。
【0052】
また、得られた実施例および比較例1,2の二次電池について、上述の条件で充電を行った後、解体し、負極12を観察した。その結果、実施例では、析出膜12Cの存在が確認されたのに対して、比較例1,2では、デンドライトが密集した金属リチウム層が確認されたのみで、析出膜の存在は確認されなかった。図3に実施例のSEM(Scanning Electron Microscope;走査型電子顕微鏡)写真を示し、図4に代表して比較例2のSEM写真を示す。更に、得られた実施例および比較例2の二次電池について上述の条件で1サイクル充放電を行った後、解体し、電解液16をプロトン核磁気共鳴吸収法( 1H−NMR)により分析した。その結果、表1に示したように、実施例および比較例2の両方とも、電解液16中に3−メチルカテコールの存在は認められなかった。すなわち、実施例では、金属リチウムが析出する充電時に3−メチルカテコールにより析出膜12Cが形成されるのに対して、比較例2では、充電前に3−メチルカテコールと負極の金属リチウムとが反応してしまい、金属リチウムが析出する充電時には電解液中に3−メチルカテコールが存在しなくなってしまうので、析出膜が形成されないものと考えられる。
【0053】
すなわち、3−メチルカテコールを含む電解液16中で、リチウムを含まない金属板12Aに金属リチウム層12Bを形成する際に形成された析出膜12Cを有するようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
【0054】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、電解液16に−OX基を有する芳香族化合物を添加し、電池内において析出膜12Cを形成するようにしたが、金属板に析出膜を形成したのち、電池を組み立ててもよい。その場合、析出膜が形成された金属板を用いてもよく、析出膜のみを用いてもよい。
【0055】
また、上記実施の形態および実施例では、負極12と正極14とを積層した単層型の二次電池について説明したが、負極と正極とを積層し、巻回した巻回型の二次電池、あるいは負極と正極とを複数積層した積層型の二次電池についても同様に適用することができる。
【0056】
更に、上記実施の形態および実施例では、コイン型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は、円筒型、ボタン型、角型あるいはラミネートフィルムなどの外装部材を用いた他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。加えて、二次電池に限らず、一次電池についても適用することができる。
【0057】
加えて、上記実施の形態および実施例では、負極活物質としてリチウムを用いる場合について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウムなどのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属、またはリチウムあるいはこれらの合金を用いる場合についても、本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。その際、金属板,正極活物質あるいは電解質塩などは、その軽金属に応じて選択される。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1あるいは請求項2に記載の電解質、または請求項6あるいは請求項7に記載の電池によれば、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、金属を、この金属を含まない金属板に析出させる際に形成された析出物を有するようにしたので、析出物により副反応を防止することができ、サイクル特性などの電池特性が向上する。
【0059】
また、請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の負極、または請求項8ないし請求項10のいずれか1項に記載の電池によれば、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、金属を、この金属を含まない金属板に析出させる際に形成された析出物よりなる析出膜を有するようにしたので、金属のデンドライト析出を抑制することができ、ショートの危険性を小さくすると共に、析出した金属の脱落を防止することができる。更に、析出した金属による副反応を抑制することができる。従って、容量劣化を防止することができると共に、析出した金属の析出・溶解効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る二次電池の組み立て時の構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した二次電池の充電後の構成を表す断面図である。
【図3】本発明の実施例に係る初回充電後のSEM写真である。
【図4】比較例に係る初回充電後のSEM写真である。
【符号の説明】
11…外装カップ、12…負極、12A…金属板、12B…金属リチウム層、12C…析出膜、13…外装缶、14…正極、14A…正極集電体、14B…正極活物質層、15…セパレータ、16…電解液、17…ガスケット
【発明の属する技術分野】
本発明は、正極および負極と共に電解質を備えた電池、並びにそれに用いる電解質および負極に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話あるいはノート型パーソナルコンピュータなどのポータブル機器の電源として小型で高エネルギー密度を有する二次電池の要求が高まっている。このような二次電池としては、負極にリチウム(Li)と金属間化合物を形成する合金を用いたものや、または負極に金属リチウムを用い、リチウムの析出・溶解反応を利用したものなどがある。中でも、電池の組み立て時に負極に金属リチウムを用いず、銅(Cu)あるいはニッケル(Ni)などよりなる予めリチウムの存在しないいわゆるリチウムフリー負極を用い、負極でリチウムを析出・溶解させるようにした二次電池の開発が望まれている。このような二次電池の実用化が可能となれば、負極を更に薄膜化することができ、エネルギー密度を一層向上させることができると共に、製造工程において活性の高い金属リチウムを取り扱う必要がなく、製造プロセスが簡便となり、更には、回路実装プロセスなどの電子機器との複合プロセスも可能となる。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−156245号公報
【特許文献2】
特開2000−306601号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属リチウムの析出・溶解反応を伴うリチウム二次電池は古くから検討が行われているにも関わらず、充放電を繰り返した際の放電容量の劣化が大きく、実用化が難しいという問題があった。この容量劣化は、充放電に伴い、正負極間で移動するリチウムイオンに対応して負極の体積が容量分だけ大きく増減するので、負極の体積が大きく変化し、金属リチウム結晶の溶解反応および再結晶化反応が可逆的に進みづらくなってしまうことによるものである。しかも、負極の体積変化は高エネルギー密度を実現しようとするほど大きくなり、容量劣化もいっそう著しくなる。また、析出したリチウムが脱落したり、電解質と反応して消費されてしまうことも、容量劣化の原因と考えられる。これらの問題を解決するための1つの方法としては、電解液に添加剤を加えることが考えられる。
【0005】
なお、従来の二次電池においても、特性を向上させるために電解液に添加剤を添加したものが多数なされている。例えば、サイクル特性を改善する目的で電解液にカテコールを添加したもの(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)がある。特許文献1には、負極にリチウム金属板を用い、電解液にカテコールを添加した金属リチウム二次電池が記載されており、特許文献2には、負極に炭素材料を用い、電解液にカテコールを添加したリチウムイオン二次電池が記載されている。しかし、特許文献1に記載の金属リチウム二次電池では、容量の劣化を十分に改善することは難しく、また、特許文献2に記載のリチウムイオン二次電は負極における反応が金属リチウム二次電池と全く異なっている。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる電解質、負極および電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による電解質は、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、金属を、この金属を含まない金属板に析出させる際に形成された析出物を有するものである。
【0008】
本発明による負極は、金属を析出させる析出基板であり、析出させる金属を含まない金属板と、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、金属板に金属を析出させる際に形成された析出物よりなる析出膜とを有するものである。
【0009】
本発明による第1の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、電解質は、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、金属を、この金属を含まない金属板に析出させる際に形成された析出物を有するものである。
【0010】
本発明による第2の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、金属を析出させる析出基板であり、析出させる金属を含まない金属板と、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、金属板に金属を析出させる際に形成された析出物よりなる析出膜とを有するものである。
【0011】
本発明による電解質では、析出物により副反応が防止され、特性が向上する。
【0012】
本発明による負極では、析出膜により、金属のデンドライト成長が抑制される。また、析出した金属による副反応も抑制される。よって、容量劣化が防止されると共に、析出した金属の析出・溶解効率が向上する。
【0013】
本発明による第1または第2の電池では、本発明の電解質または負極を用いているので、サイクル特性などの電池特性が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1および図2は本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表すものであり、図1は組み立て時、すなわち第1回目(初回)充電前の構成を表し、図2は充電後の構成を表している。この二次電池はいわゆるコイン型といわれるものであり、外装カップ11内に収容された円板状の負極12と外装缶13内に収容された負極12の対極である円板状の正極14とが、セパレータ15を介して積層されたものである。外装カップ11および外装缶13の内部は、液状の電解質である電解液16により満たされており、外装カップ11および外装缶13の周縁部は絶縁性のガスケット17を介してかしめることにより密閉されている。外装カップ11および外装缶13は、例えば、ステンレスあるいはアルミニウム(Al)などの金属によりそれぞれ構成されている。
【0016】
負極12は、例えば、リチウムを含まない金属板12Aを有している。金属板12Aは、充電時に軽金属である金属リチウムを析出させる析出基板としての機能と共に、集電体としての機能も兼ね備えている。金属板12Aを構成する材料としては、銅,ニッケル,チタン(Ti),モリブデン(Mo),タンタル(Ta),それらのうちの少なくとも1種を含む合金、あるいはステンレスなどのリチウムとの反応性が低い金属材料が好ましい。リチウムとの反応性が高く容易に合金化する金属を用いると、充放電に伴い体積が膨張収縮し、金属板12Aの破壊が起こってしまうからである。
【0017】
なお、金属板12Aの正極14と対向する側には、充電時に、図2に示したように、金属リチウム層12Bおよび析出膜12Cがこの順で形成されるようになっている。金属リチウム層12Bは、金属リチウムにより構成されており、組み立て時には存在せず、また放電時には溶解するものである。すなわち、この二次電池では、負極活物質としてリチウムを用いており、負極12の容量は、リチウムの析出および溶解による容量成分により表される。
【0018】
析出膜12Cは、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液16中で、金属板12Aに金属リチウム層12Bを形成する際に、金属リチウム層12Bの表面に形成された析出物により構成されている。以下、上述の芳香族化合物を−OX基を有する芳香族化合物と言う。Xは水素あるいはアルカリ金属を意味し、本実施の形態では水素あるいはリチウムが好ましい。析出膜12Cは金属板12Aと共に負極12を構成するが、電解液16と共に電解質も構成し、例えば電解液16を吸収して膨潤し、または析出膜12Cの微細孔を介してリチウムイオンを通過させるようになっている。また、析出膜12Cは電池の組み立て時には存在しないが、初回充電後は除去されず、金属板12Aの上に残存する。
【0019】
なお、−OX基を有する芳香族化合物としては、例えば、水素原子が結合可能な芳香環の位置のうち、2個に水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基からなる群のうちの少なくとも1種が結合し、他には水素原子および炭素数1〜10のアルキル基からなる群のうちの少なくとも1種が結合したものが好ましい。なお、芳香環とは、ベンゼン環あるいはその縮合環だけでなく、ピリジル基などの芳香族性を有する複素環基も指す。このような芳香族化合物としては、具体的には、化1に示したカテコール、化2に示した3−メチルカテコール、化3に示した2,3−ジヒドロキシナフタレン、化4に示した2,3−ジヒドロキシピリジン、化5に示した化合物、化6に示したヒドロキノン、化7に示した1,4−ジヒドロキシナフタレン、化8に示した2,5−ジメチルヒドロキノン、あるいは、化9に示したレソルシノールなどが挙げられる。−OX基を有する芳香族化合物としては、他にも、フェノール、化10に示したピロガロール、あるいは、化11に示したフロログルシノールも好ましい。なお、−OX基を有する芳香族化合物は、1種類を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】
正極14は、正極集電体14Aと正極活物質層14Bとが積層された構造を有している。正極集電体14Aは、例えば、アルミニウム箔などの金属箔により構成されている。正極活物質層14Bは、例えば、正極活物質と、カーボンブラックあるいはグラファイトなどの導電剤と、ポリフッ化ビニリデンなどの結着剤とを含有して構成されている。また、正極活物質層14Bは、例えば正極集電体14Aに成膜された正極活物質の薄膜により構成されていてもよい。但し、正極活物質層14Bの面密度は0.3mAh/cm2 以上であることが好ましい。これよりも小さいと、高エネルギー密度という金属リチウム二次電池の利点が得られないからである。
【0032】
正極活物質としては、例えば、リチウム遷移金属酸化物あるいはリチウム含有リン酸化合物などのリチウム含有化合物が好ましい。この二次電池は組み立て時に負極12に金属リチウムが存在しないので、正極活物質としてはリチウムを含むものが好ましく、中でも、リチウム遷移金属複合酸化物およびリチウム含有リン酸化合物は高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。
【0033】
リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば化学式Lix MO2 で表されるものが挙げられる。式中、Mは1種類以上の遷移金属元素を表し、特にコバルト(Co),ニッケル、およびマンガン(Mn)からなる群のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。xの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.12である。このようなリチウム遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoO2 ,LiNiO2 ,Liy Niz Co1−z O2 (yおよびzは電池の充放電状態によって異なり通常、0<y<1、0.7<z<1.02である。)あるいはスピネル型構造を有するLiMn2 O4 などが挙げられる。また、リチウム含有リン酸化合物としては、例えば、リン酸鉄リチウム(LiFePO4 )が挙げられる。
【0034】
セパレータ15は、負極12と正極14とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ15は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、あるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
【0035】
電解液16は、例えば、溶媒と、電解質塩であるリチウム塩とを含んで構成されている。溶媒は、電解質塩を溶解し解離させるものである。溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、アニソール、酢酸エステルあるいはプロピオン酸エステルなどが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
【0036】
リチウム塩としては、例えば、LiClO4 ,LiAsF6 ,LiPF6 ,LiBF4 ,LiB(C6 H5 )4 ,LiCH3 SO3 ,LiCF3 SO3 ,LiClあるいはLiBrが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
【0037】
この電解液16は、また、初回充電前には、−OX基を有する芳香族化合物を含んでいる。初回充電後にも、この−OX基を有する芳香族化合物を含んでいてもよいが、含んでいる必要はない。
【0038】
なお、電解液16に代えて、保持体に電解液を保持させた電解質を用いてもよい。保持体としては、高分子化合物、無機伝導体、またはこれらの両方を用いることができる。高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン,ポリエチレンオキサイド,ポリプロピレンオキサイド,ポリアクリロニトリルあるいはポリメタクリロニトリル、またはこれらを繰り返し単位に含むものが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を用いてもよい。特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が望ましい。無機伝導体としては、例えば、フッ化リチウム(LiF),塩化リチウム(LiCl),臭化リチウム(LiBr),ヨウ化リチウム(LiI),窒化リチウム(Li3 N),リン酸リチウム(Li3 PO4 ),ケイ酸リチウム(Li4 SiO4 ),硫化リチウム(Li2 S),リン化リチウム(Li3 P),炭酸リチウム(Li2 CO3 )あるいは硫酸リチウム(Li2 SO4 )および窒化ホスホリルリチウム(LiPON)が挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を用いてもよい。なお、このような電解質を用いる場合には、セパレータ15を除去してもよい。
【0039】
このような構成を有する二次電池は、例えば次のようにして製造することができる。
【0040】
まず、金属板12Aとして金属箔あるいは合金箔を用意する。また、例えば、正極活物質と導電剤と結着剤とを混合して正極合剤を調製し、正極集電体14Aに塗布して正極活物質層14Bを形成し、正極14を作製する。もしくは、正極集電体14Aに、スパッタリング法,真空蒸着法,CVD(chemical vapor deposition ;化学気相成長)法,レーザーアブレーション法あるいはイオンプレーティング法などの乾式薄膜プロセスにより、正極活物質層14Bを成膜し、正極14を作製する。
【0041】
次いで、溶媒に、リチウム塩と、−OX基を有する芳香族化合物とを添加し、電解液16を作製する。続いて、例えば、セパレータ15に電解液16を含浸させ、このセパレータ15を介して負極12と正極14を積層して外装カップ11と外装缶13との中に入れ、それらをかしめる。これにより、図1に示した二次電池が完成する。
【0042】
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極14からリチウムイオンが離脱し、電解液16を介して、図2に示したように、金属板12Aの表面に金属リチウムとなって析出し、金属リチウム層12Bを形成する。その際、組み立て時に電解液16に添加した芳香族化合物が、金属リチウム層12B上に析出膜12Cを形成する。一方、放電を行うと、例えば、金属リチウム層12Bから金属リチウムがリチウムイオンとなって溶出し、電解液16および析出膜12Cを介して正極14に吸蔵される。よって、析出膜12Cにより、金属リチウムがデンドライト成長することが防止されると共に、金属リチウム層12Bと電解液16との反応が防止される。
【0043】
このように本実施の形態では、−OX基を有する芳香族化合物を含む電解液16中で、金属板12Aに金属リチウム層12Bを形成する際に形成された析出物よりなる析出膜12Cを有するようにしたので、金属リチウムのデンドライト析出を抑制することができ、ショートの危険性を小さくすると共に、金属リチウムの脱落を防止することができる。更に、金属リチウム層12Bと電解液16との反応を抑制することができる。従って、容量劣化を防止することができると共に、金属リチウムの析出・溶解効率を向上させることができる。その結果、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
【0044】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について、図1および図2を参照して詳細に説明する。
【0045】
まず、厚み10μmの銅箔を直径16mmの円形に打ち抜き金属板12Aを作製した。また、正極14を次のようにして作製した。まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とを0.5:1のモル比で混合し、この混合物を空気中において900℃で5時間焼成し、正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2 )を作製した。次いで、コバルト酸リチウム91質量部と、導電剤であるグラファイト6質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して正極合剤を調整し、更にこの正極合剤を分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。次いで、この正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体14Aに塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型し、正極活物質層14Bを形成し、これを直径15mmの円形に打ち抜いた。
【0046】
更に、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとを4:1の質量比で混合した溶媒に、リチウム塩であるLiPF6 および化2に示した3−メチルカテコールを添加して電解液16を作製した。LiPF6 の添加量は、溶媒に対して1mol/dm3 とし、3−メチルカテコールの添加量は電解液16において1質量%となるようにした。
【0047】
次いで、外装カップ11に負極12およびポリプロピレン製の多孔質膜よりなるセパレータ15をこの順で置き、この上から電解液16を注入し、正極14を入れた外装缶13を被せてかしめ、図1に示したコイン型の二次電池を作製した。
【0048】
本実施例に対する比較例1として、組み立て時に電解液に3−メチルカテコールを添加しなかったことを除き、他は本実施例と同様にして二次電池を作製した。また、本実施例に対する比較例2として、金属板12Aとして銅箔の代わりに直径16mm、厚み1mmの金属リチウム箔を用いたことを除き、他は実施例と同様にして二次電池を作製した。
【0049】
作製した実施例および比較例1,2の二次電池について、充放電試験を行い、容量維持率を求めた。その際、充電は1mA/cm2 の定電流密度で電池容量が5mAhとなるまで行い、放電は1mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が3Vに達するまで行った。容量維持率は初期放電容量に対する15サイクル目の放電容量の比率として算出した。得られた結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
表1から分かるように、実施例によれば比較例1,2よりも高い容量維持率が得られた。
【0052】
また、得られた実施例および比較例1,2の二次電池について、上述の条件で充電を行った後、解体し、負極12を観察した。その結果、実施例では、析出膜12Cの存在が確認されたのに対して、比較例1,2では、デンドライトが密集した金属リチウム層が確認されたのみで、析出膜の存在は確認されなかった。図3に実施例のSEM(Scanning Electron Microscope;走査型電子顕微鏡)写真を示し、図4に代表して比較例2のSEM写真を示す。更に、得られた実施例および比較例2の二次電池について上述の条件で1サイクル充放電を行った後、解体し、電解液16をプロトン核磁気共鳴吸収法( 1H−NMR)により分析した。その結果、表1に示したように、実施例および比較例2の両方とも、電解液16中に3−メチルカテコールの存在は認められなかった。すなわち、実施例では、金属リチウムが析出する充電時に3−メチルカテコールにより析出膜12Cが形成されるのに対して、比較例2では、充電前に3−メチルカテコールと負極の金属リチウムとが反応してしまい、金属リチウムが析出する充電時には電解液中に3−メチルカテコールが存在しなくなってしまうので、析出膜が形成されないものと考えられる。
【0053】
すなわち、3−メチルカテコールを含む電解液16中で、リチウムを含まない金属板12Aに金属リチウム層12Bを形成する際に形成された析出膜12Cを有するようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
【0054】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、電解液16に−OX基を有する芳香族化合物を添加し、電池内において析出膜12Cを形成するようにしたが、金属板に析出膜を形成したのち、電池を組み立ててもよい。その場合、析出膜が形成された金属板を用いてもよく、析出膜のみを用いてもよい。
【0055】
また、上記実施の形態および実施例では、負極12と正極14とを積層した単層型の二次電池について説明したが、負極と正極とを積層し、巻回した巻回型の二次電池、あるいは負極と正極とを複数積層した積層型の二次電池についても同様に適用することができる。
【0056】
更に、上記実施の形態および実施例では、コイン型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は、円筒型、ボタン型、角型あるいはラミネートフィルムなどの外装部材を用いた他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。加えて、二次電池に限らず、一次電池についても適用することができる。
【0057】
加えて、上記実施の形態および実施例では、負極活物質としてリチウムを用いる場合について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウムなどのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属、またはリチウムあるいはこれらの合金を用いる場合についても、本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。その際、金属板,正極活物質あるいは電解質塩などは、その軽金属に応じて選択される。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1あるいは請求項2に記載の電解質、または請求項6あるいは請求項7に記載の電池によれば、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、金属を、この金属を含まない金属板に析出させる際に形成された析出物を有するようにしたので、析出物により副反応を防止することができ、サイクル特性などの電池特性が向上する。
【0059】
また、請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の負極、または請求項8ないし請求項10のいずれか1項に記載の電池によれば、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、金属を、この金属を含まない金属板に析出させる際に形成された析出物よりなる析出膜を有するようにしたので、金属のデンドライト析出を抑制することができ、ショートの危険性を小さくすると共に、析出した金属の脱落を防止することができる。更に、析出した金属による副反応を抑制することができる。従って、容量劣化を防止することができると共に、析出した金属の析出・溶解効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る二次電池の組み立て時の構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した二次電池の充電後の構成を表す断面図である。
【図3】本発明の実施例に係る初回充電後のSEM写真である。
【図4】比較例に係る初回充電後のSEM写真である。
【符号の説明】
11…外装カップ、12…負極、12A…金属板、12B…金属リチウム層、12C…析出膜、13…外装缶、14…正極、14A…正極集電体、14B…正極活物質層、15…セパレータ、16…電解液、17…ガスケット
Claims (10)
- 水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、金属を、この金属を含まない金属板に析出させる際に形成された析出物を有することを特徴とする電解質。
- 前記芳香族化合物は、水素原子が結合可能な芳香環の位置のうち、2個に水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基からなる群のうちの少なくとも1種が結合し、他には水素原子および炭素数1〜10のアルキル基からなる群のうちの少なくとも1種が結合したものを含むことを特徴とする請求項1記載の電解質。
- 金属を析出させる析出基板であり、析出させる金属を含まない金属板と、
水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、前記金属板に前記金属を析出させる際に形成された析出物よりなる析出膜と
を有することを特徴とする負極。 - 前記芳香族化合物は、水素原子が結合可能な芳香環の位置のうち、2個に水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基からなる群のうちの少なくとも1種が結合し、他には水素原子および炭素数1〜10のアルキル基からなる群のうちの少なくとも1種が結合したものを含むことを特徴とする請求項3記載の負極。
- 前記析出させる金属はリチウム(Li)であることを特徴とする請求項3記載の負極。
- 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
前記電解質は、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、金属を、この金属を含まない金属板に析出させる際に形成された析出物を有することを特徴とする電池。 - 前記芳香族化合物は、水素原子が結合可能な芳香環の位置のうち、2個に水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基からなる群のうちの少なくとも1種が結合し、他には水素原子および炭素数1〜10のアルキル基からなる群のうちの少なくとも1種が結合したものを含むことを特徴とする請求項6記載の電池。
- 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
前記負極は、金属を析出させる析出基板であり、析出させる金属を含まない金属板と、水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基のうちの少なくとも1種を有する芳香族化合物を含む電解液中で、前記金属板に前記金属を析出させる際に形成された析出物よりなる析出膜とを有することを特徴とする電池。 - 前記芳香族化合物は、水素原子が結合可能な芳香環の位置のうち、2個に水酸基および水酸基の水素がアルカリ金属で置換された基からなる群のうちの少なくとも1種が結合し、他には水素原子および炭素数1〜10のアルキル基からなる群のうちの少なくとも1種が結合したものを含むことを特徴とする請求項8記載の電池。
- 前記析出させる金属はリチウム(Li)であることを特徴とする請求項8記載の電池。
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