JP2005317447A - 電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サイクル特性などの電池特性を向上させることができる電池を提供する。
【解決手段】 負極活物質層22Bは、負極活物質を含有すると共に、導電助材として酸化処理により0.2質量%を超える酸素を含む炭素材料を含有している。酸化処理により導電助材の濡れ性が改善され、負極活物質層22Bにおける分散性が向上し、負極22の電子伝導性を向上させることができる。負極活物質として、Liと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素の単体,合金または化合物を用いる場合に高い効果が得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電極反応物質を吸蔵および放出可能な負極活物質として、金属元素の単体,合金および化合物と、半金属元素の単体,合金および化合物とからなる群のうちの少なくとも1種、または炭素材料を含む電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR、携帯電話、あるいはノートパソコンなどのポータブル電子機器が多く登場し、その小型化および軽量化が図られている。それに伴い、これらの電子機器のポータブル電源として用いられている電池、特に二次電池についてエネルギー密度の向上が強く要請されている。
このような要求に応える二次電池としては、従来より、負極活物質にリチウム(Li)イオンのインターカレーション反応を利用した黒鉛材料、または細孔中へのリチウムイオンの吸蔵・放出作用を応用した炭素材料を用いたいわゆるリチウムイオン二次電池が実用化されている。
また最近では、更なる高容量化を図るために、スズ(Sn)あるいはケイ素(Si)の合金を負極活物質として用いることが検討されている。例えば、特許文献1には、スズと銅(Cu)との合金を負極に用いることが記載されており、特許文献2には、リチウムを吸蔵するスズ含有相と、マンガン(Mn),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni)あるいは銅よりなるリチウムを吸蔵しない相とを有する材料を負極に用いることが記載されている。
スズあるいはケイ素は炭素材料に比べて高容量化を期待することができるが、その一方で、リチウムを吸蔵した時の膨張率が大きく、その歪みにより電子伝導性が低下してしまい、十分なサイクル特性を得ることができないという問題があった。そこで、例えば負極に導電助材として炭素材料を加え、導電性を向上させている。導電助材としては、カーボンブラックあるいは繊維状炭素などが高い導電性を有しているので、適している。
特開平10−223221号公報 特開平11−86854号公報
しかしながら、カーボンブラックあるいは繊維状炭素は微粒子であるので、負極活物質の粉末と混合する際に、分散媒に分散しにくく、均一に分散させることが難しいという問題があった。よって、負極の電子伝導性を十分に向上させることができず、容量およびサイクル特性を十分に向上させることができなかった。また、炭素材料を負極活物質として用いる場合においても、導電性を向上させる目的で粒度分布の異なる2種以上の炭素材料を混合することがあるが、この場合においても同様の問題があった。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、その目的は、容量およびサイクル特性などの電池特性を向上させることができる電池を提供することにある。
本発明による第1の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、電極反応物質を吸蔵および放出可能な負極活物質として、金属元素の単体,合金および化合物と、半金属元素の単体,合金および化合物とからなる群のうちの少なくとも1種を含有すると共に、導電助材として、0.2質量%を超える酸素を含む炭素材料を含有するものである。
本発明による第2の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、スズの単体,合金および化合物と、ケイ素の単体,合金および化合物とからなる群のうちの少なくとも1種を含有すると共に、0.2質量%を超える酸素を含む炭素材料を含有するものである。
本発明による第3の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極活物質として第1の炭素材料を含有すると共に、導電助材として、第1の炭素材料よりも小さな粒度分布を有し、0.2質量%を超える酸素を含む第2の炭素材料を含有するものである。
本発明の第1ないし第3の電池によれば、0.2質量%を超える酸素を含有する炭素材料を用いるようにしたので、分散媒への分散性が向上し、負極における分散性を向上させることができる。よって、負極の電子伝導性を向上させることができ、放電容量、充放電効率およびサイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケルのめっきがされた鉄により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20の中心には例えばセンターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
図2は図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21Aの片面のみに正極活物質層21Bを設けるようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料を含んで構成されている。リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物,リチウムリン酸化物,リチウム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、2種以上を混合して用いてもよい。特に、エネルギー密度を高くするには、一般式Lix MIO2 あるいはLiy MIIPO4 で表されるリチウム複合酸化物あるいはリチウムリン酸化物が好ましい。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10の範囲内の値である。
なお、式中のMIおよびMIIは、コバルト,ニッケル,マンガンあるいは鉄などの1種類以上の遷移元素を含むことが好ましく、更に、長周期型周期表における1族元素,2族元素,アルミニウム,ガリウム(Ga),インジウム(In),ゲルマニウム(Ge),スズ,鉛(Pb),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),ケイ素,リン(P)およびホウ素(B)からなる群のうちの少なくとも1種の添加元素を含んでいてもよい。添加元素の含有量は、遷移元素に対して0mol%以上30mol%以下の範囲内が好ましい。添加元素の含有量が多くなりすぎると、容量が低下してしまうからである。
Lix MIO2 で表されるリチウム複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2 )、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2 )、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LiNiv Co1-v 2 ;vは例えば0.2<v<1.0である)、あるいはスピネル型結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 4 )などが挙げられる。また、Liy MIIPO4 で表されるリチウムリン酸化物の具体例としては、LiFePO4 、LiCoPO4 、あるいはLiNiw Fe1-w PO4 (wは例えば0<w<0.65である)などが挙げられる。
正極活物質層21Bは、また、例えば導電助材を含んでおり、必要に応じて更に結着材を含んでいてもよい。導電助材としては、例えば、黒鉛,カーボンブラックあるいはケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料あるいは導電性高分子材料などを用いるようにしてもよい。結着材としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム,フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピレンジエンゴムなどの合成ゴム、またはポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層22Bは、例えば、負極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な金属元素の単体,合金および化合物と、リチウムを吸蔵および放出することが可能な半金属元素の単体,合金および化合物とからなる群のうちの少なくとも1種を含んでいる。具体的には、リチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素の単体,合金および化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含んでいる。高容量化を図ることができるからである。なお、本明細書において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなるものも含める。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
リチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、マグネシウム(Mg),ホウ素,アルミニウム,ガリウム,インジウム,ケイ素,ゲルマニウム,スズ,鉛,アンチモン,ビスマス,カドミウム(Cd),銀(Ag),亜鉛(Zn),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr),あるいはイットリウム(Y)が挙げられる。中でも、長周期型周期表における14族元素が好ましく、特に好ましいにはケイ素またはスズである。より高い容量を得ることができるからである。
これらの合金あるいは化合物としては、例えば化学式Mas Mbt で表されるものが挙げられる。この化学式において、Maはリチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、MbはMa以外の元素のうちの少なくとも1種を表す。sおよびtの値はそれぞれs>0、t≧0である。
例えば、アルミニウムの合金であれば、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−アルミニウム−Mc合金(Mcは長周期型周期表における2族元素,13族元素および14族元素からなる群のうちの少なくとも1種を表す)、あるいはアルミニウム−アンチモン合金などが挙げられ、マグネシウムの合金であれば、銅−マグネシウム−アンチモン合金などが挙げられる。
ケイ素あるいはスズの合金であれば、SiB4 ,SiB6 ,Mg2 Si,Mg2 Sn,Ni2 Si,TiSi2 ,MoSi2 ,CoSi2 CoSn,,NiSi2 ,CaSi2 ,CrSi2 ,Cu5 Si,Cu6 Sn5 ,FeSi2 ,FeSn2 ,MnSi2 ,NbSi2 ,TaSi2 ,VSi2 ,WSi2 あるいはZnSi2 などが挙げられる。中でも、ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,インジウム,亜鉛,銀,アルミニウム,クロム(Cr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),タングステン(W),ホウ素およびリンからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが好ましく、特に、ニッケル,銅,鉄,コバルトおよびマンガンからなる群のうちの少なくとも1種と、インジウム,亜鉛,銀およびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種とを含むものが好ましい。詳細な理由は定かではないが、これらを組合わせることにより組織が微細化し、充放電特性が向上するからである。
更に、非金属元素を含む化合物としては、SiC,Si3 4 ,Si2 2 O,Ge2 2 O,SiOq (0<q≦2),SnOr (0<r≦2),LiSiO,あるいはLiSnOなどが挙げられる。
なお、これらの合金あるいは化合物は定比のもの限定されない。具体的には、25Fe−75Sn、30Co−60Sn−10In、35Cu−50Si−15Znおよび30Zn−50Sn−20Cなどが挙げられる。これらの表示において元素の前の数字は、質量比を表す。
これらの負極活物質は高い結晶性を有するものであっても良いが、低結晶性のものが好ましく、非晶質であればより好ましい。リチウムの吸蔵および放出が円滑となり、充放電効率およびサイクル特性を向上させることができるからである。なお、低結晶および非晶質というのは、透過型電子顕微鏡により結晶組織を観察した際の平均結晶粒径が10μm以下のものを言い、1μm以下、更には100nm以下、更には10nm以下であればより好ましい。また、X線回折法で得られる回折パターンにおける反応相のピークがブロードで、その半値幅が2θで0.5°以上のものであり、更には、反応相のピークが2 θで30°から60°の間にあり、その半値幅が1°以上、更には5°以上であることが好ましい。
また、負極活物質の粒度は細かい方が良好な特性を得ることができるので好ましく、メジアン径で50μm以下、更には100nm以上30μm以下であればより好ましい。
これらの負極活物質を作製する方法としては、特に限定されるものではなく、粉末冶金などで一般に用いられている方法を用いることができる。具体的には、アーク溶解炉あるいは高周波誘導加熱炉などで原料を溶融し冷却した後に粉砕して作製する方法、溶融金属を単ロール急冷法、双ロール急冷法、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法あるいは遠心アトマイズ法などにより急速冷却して粉末を作製する方法、単ロール急冷法あるいは双ロール急冷法により固化した後に粉砕して作製する方法あるいはメカニカルアロイング法を用いて作製する方法が挙げられる。中でも、ガスアトマイズ法あるいはメカニカルアロイング法が好ましい。これらの合金あるいは化合物を作製する際は、空気中の酸素による酸化を防ぐために、アルゴン、窒素、ヘリウムなど不活性ガスの雰囲気下もしくは真空中で行うことが好ましい。
負極活物質層22Bは、また、導電助材を含んでいる。導電助材としては、高い電導性を有する炭素材料が好ましい。なお、炭素材料はリチウムを吸蔵および放出可能な負極活物質として機能するものもあるが、本実施の形態では導電助材としての機能に着目し、導電助材として説明する。但し、炭素材料は導電助材としてのみでなく、負極活物質として機能してもよい。
炭素材料としては、例えば、鱗状黒鉛,鱗片状黒鉛,あるいは土状黒鉛などの天然黒鉛、人造黒鉛、繊維状黒鉛、または難黒鉛化炭素が挙げられ、中でも天然黒鉛あるいは人造黒鉛などの黒鉛類が好ましい。また、アセチレンブラックあるいはケッチェンブラックなどのカーボンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF;Vapor Growth Carbon Fiber)、カーボンナノチューブ、またはカーボンナノチューブの先端が円錐状に閉じたカーボンナノホーンなども好ましい。
炭素材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。但し、その少なくとも一部には、例えば酸化処理されることにより0.2質量%を超える酸素を含む炭素材料を用いることが好ましい。これにより表面の濡れ性を改善し、分散媒への分散性を向上させることができるからである。中でも、カーボンブラックあるいは炭素繊維などの小さいな粒度分布を有する炭素材料については、酸化処理したものを用いることが好ましい。微粒子は生成の過程で2次粒子を形成しており、分散性が悪いからである。例えば、塊状であれば、平均粒径が5μm以下、繊維状であれば、その繊維の直径が5μm以下の炭素材料については、酸化処理することが好ましい。
酸化処理した炭素材料の酸素濃度は、0.3質量%以上であればより好ましく、0.5質量%以上であれば更に好ましい。分散性をより向上させることができるからである。但し、あまり酸素濃度が高いと導電性が低下してしまうので、20質量%以下であることが好ましい。なお、炭素材料における酸素濃度(酸化度)は、不活性ガス−インパルス加熱溶解法を用い、炭素材料中の酸素を一酸化炭素として検出することにより求めたものである。
炭素材料の酸化処理には公知の方法を用いることができ、例えば、気相中あるいは液相中での酸化処理の他、酸素プラズマあるいは大気圧プラズマなどのプラズマ処理、紫外光照射、コロナ処理、またはグロー放電処理が挙げられる。
導電助材の含有量は、負極活物質層22Bの95質量%以下であることが好ましく、50質量%以下、更には30質量%以下であればより好ましい。導電助材の量が多いほど負極活物質の割合が減少し容量が低下するからである。
負極活物質層22Bは、更に、必要に応じて結着材を含んでいてもよい。結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、ポリビニルピロリドン、スチレンブタジエンゴム、あるいはポリブタジエンなどの高分子化合物が挙げられ、特に、スチレンブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン、あるいはポリエチレンが好ましい。結着材には1種類を単独で用いてもよいが、複数種を混合して用いてもよい。結着材の含有量は、負極活物質層22Bの1質量%以上30質量%が以下の範囲内が好ましく、2質量%以上15質量%以下の範囲内であればより好ましい。
負極活物質層22Bは、また、必要に応じて増粘材を含んでいてもよい。増粘材としては、例えば、澱粉、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、カルボキシメチルセルロースのカリウム塩、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、あるいはジアセチルセルロースが挙げられる。粘性を調整し、負極活物質層22Bの形成を容易とするためである。
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。セパレータの厚みとしては50μm以下が好ましい。
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。電解液は、電解質塩と、この電解質塩を溶解する溶媒とを含んでいる。
電解質塩はリチウム二次電池に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、LiClO4 、LiAsF6 ,LiPF6 、LiBF4 、LiB(C6 5 4 、CH3 SO3 Li、CF3 SO3 Li、LiCl、あるいはLiBrなどのリチウム塩が挙げられる。電解質塩は1種類を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
溶媒もリチウム二次電池に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1, 2−ジメトキシエタン、1, 2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1, 3−ジオキソラン、4メチル1, 3ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステル、酪酸エステル、あるいはプロピオン酸エステルなどの非水溶媒が挙げられる。溶媒は1種類を単独で用いてもよいが、2種類以上を混合して用いてもよい。
なお、電解質には、電解液に代えて、いわゆるゲル状電解質、固体電解質、あるいはこれらを混合したものを用いてもよい。
固体電解質としては、イオン導電性を有する材料であれば無機固体電解質、あるいは高分子固体電解質のいずれも用いることができる。無機固体電解質としては窒化リチウムあるいはヨウ化リチウムなどを含むものが挙げられ、高分子固体電解質としては電解質塩とそれを溶解する高分子化合物とからなるものが挙げられる。この高分子化合物としては、ポリ(エチレンオキサイド)あるいはその架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリ(メタクリレート)エステル系高分子、あるいはアクリレート系高分子などが挙げられる。これらは単独で用いても混合して用いてもよく、また、これらを分子内に共重合させてもよい。
ゲル状電解質は、例えば、電解液を高分子化合物に保持させたものである。電解液(すなわち、溶媒および電解質塩等)については、上述のとおりである。高分子化合物としては、例えば、電解液を吸収してゲル化するものであればよく、そのような高分子化合物としては、例えば、ポリ(ビニリデンフルオロライド)あるいはポリ(ビニリデンフルオロライド-co-ヘキサフルオロプロピレン)などのフッ素系高分子化合物、ポリ(アクリロニトリル)、または上記高分子固体電解質に用いることができるエーテル系高分子化合物が挙げられ、特に、酸化還元安定性の点からフッ素系高分子化合物が好ましい。
この二次電池では、充電を行うと、例えば正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、電解質を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。放電を行うと、例えば負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、電解質を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。その際、充放電に伴い負極活物質層22Bが膨張収縮するが、導電助材として酸化処理された炭素材料を用いているので、負極活物質層22Bにおける導電助材の分散性は高くなっており、負極活物質層22B における電導性の低下が抑制される。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、正極活物質と、必要に応じて導電助材および結着材とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し分散媒を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製する。
次いで、例えば、負極活物質と、導電助材と、結着材などとを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤を純水などの分散媒に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し分散媒を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。
次いで、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。そののち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12,13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14,安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1に示した二次電池が完成する。
このように本実施の形態によれば、負極22の導電助材として、酸化処理などにより0.2質量%を超える酸素を含む炭素材料を含有するようにしたので、炭素材料の濡れ性を改善することができ、分散媒への分散性を向上させることができる。よって、負極22における導電助材の均一性を向上させることができ、負極22の電子伝導性を向上させることができる。従って、負極活物質として、充放電に伴い大きく膨張収縮する材料、例えばリチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素の単体,合金または化合物を用いても、負極活物質の膨張収縮による負極22の電子伝導性の低下を抑制することができ、放電容量、充放電効率およびサイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、負極活物質の材料が異なることを除き、第1の実施の形態と同様の構成および作用を有しており、同様にして製造することができる。よって、図1および図2を参照し、対応する構成要素には対応する符号を付して、同一部分についての説明は省略する。
本実施の形態に係る二次電池では、負極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な炭素材料を含んでいる。すなわち、負極活物質層22Bは、負極活物質としての第1の炭素材料と、導電助材としての第2の炭素材料を含んでいる。第1の炭素材料と第2の炭素材料とは粒度分布が異なっており、第2の炭素材料の方が小さな粒度分布を有するものが用いられる。導電助材は、負極活物質間の電子伝導性を向上させることを主たる目的としているからである。
負極活物質としての第1の炭素材料としては、例えば、鱗状黒鉛,鱗片状黒鉛,あるいは土状黒鉛などの天然黒鉛、人造黒鉛、繊維状黒鉛、または難黒鉛化炭素が挙げられ、中でも天然黒鉛あるいは人造黒鉛などの黒鉛類が好ましい。第1の炭素材料には、1種類を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。第1の炭素材料の平均粒径は5μm以上であることが好ましい。粒子径が小さいと、電池容量の低下や安全低下を招くからである。
なお、負極22には、負極活物質として第1の炭素材料のみを用いるようにしてもよいが、例えば第1の実施の形態で説明したリチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素の単体,合金または化合物と混合して用いるようにしてもよい。
このように本実施の形態によれば、負極22の導電助材として、酸化処理などにより0.2質量%を超える酸素を含む第2の炭素材料を含有するようにしたので、負極活物質として第1の炭素材料を用いた場合においても、導電助材の分散性を向上させることができ、負極22の電子伝導性を向上させることができる。よって、放電容量、充放電効率およびサイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−5)
図1に示したような円筒型の二次電池を作製した。
まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とを、Li2 CO3 :CoCO3 =0.5:1(モル比)の割合で混合し、空気中において900℃で5時間焼成して、正極活物質であるリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を得た。次いで、このリチウム・コバルト複合酸化物91質量部と、導電助材であるグラファイト6質量部と、結着材であるポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して正極合剤を調製した。続いて、この正極合剤を分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散して正極合剤スラリーとし、帯状アルミニウム箔よりなる正極集電体21Aに塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製した。
また、コバルト30質量部と、スズ60質量部と、インジウム10質量部とを混合し、メカニカルアロイング法により30Co−60Sn−10Inの合金粉体を合成したのち、20μmのふるいで分粒し、ふるいを通過したものを負極活物質とした。
次いで、この負極活物質70質量部と、導電助材26質量部と、結着材であるポリフッ化ビニリデン2質量部と、増粘材であるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩2質量部とを混合して負極合剤を調製した。その際、導電助材の種類およびその含有量を、実施例1−1〜1−5で表1に示したように変化させた。
具体的には、実施例1−1では、導電助材として酸化処理していないグラファイト25質量部と、酸素雰囲気中において700℃で酸化処理したアセチレンブラック1質量部とを用いた。酸化処理後のアセチレンブラックについて酸素濃度を測定したところ1質量%であった。実施例1−2では、導電助材として酸化処理していないグラファイト25質量部と、酸素雰囲気中において700℃で酸化処理したVGCF1質量部とを用いた。酸化処理後のVGCFについて酸素濃度を測定したところ0.5質量%であった。実施例1−3では、導電助材として酸化処理していないグラファイト25質量部と、酸素雰囲気中において700℃で酸化処理したアセチレンブラック0.5質量部およびVGCF0.5質量部とを用いた。このアセチレンブラックは実施例1−1と同様のものであり、VGCFは実施例1−2と同様のものである。実施例1−4では、導電助材として酸化処理していないグラファイト25質量部と、硝酸溶液中において酸化処理したVGCF1質量部とを用いた。酸化処理後のVGCFについて酸素濃度を測定したところ2質量%であった。実施例1−5では、導電助材として酸化処理していないグラファイト25質量部と、低酸素雰囲気中において700℃で酸化処理したアセチレンブラック1質量部とを用いた。酸化処理後のアセチレンブラックについて酸素濃度を測定したところ0.3質量%であった。
続いて、調製した負極合剤をプラネタリーミキサーにより分散媒である純水に分散して負極合剤スラリーとした。そののち、この負極合剤スラリーを帯状銅箔よりなる負極集電体22Aに塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して、真空雰囲気中において200℃で2時間熱処理をすることにより負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製した。
次いで、作製した正極21と負極22とを、厚さ25μmの微多孔性ポリプロピレンフィルムからなるセパレータ23を介して、負極22、セパレータ23、正極21およびセパレータ23の順に積層して巻回し、巻回電極体20を作製した。次いで、この巻回電極体20を電池缶11に収納したのち、電解液を注入し、ガスケット17を介して電池蓋14を固定し、円筒型の二次電池を作製した。電解液には、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを、プロピレンカーボネート:エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=1:2:2の体積比で混合した混合溶媒に、電解質塩としてLiPF6 を1.0mol/lの割合で溶解させたものを用いた。
また、実施例1−1〜1−5に対する比較例1−1〜1−4として、導電助材として用いるアセチレンブラックおよびVGCFの酸化処理を行わないことを除き、他は実施例1−1〜1−5と同様にして二次電池を作製した。比較例1−1,1−4は実施例1−1,1−5に対応し、比較例1−2は実施例1−2,1−4に対応し、比較例1−3は実施例1−3に対応している。
なお、比較例1−1〜1−3では市販のアセチレンブラックおよびVGCFをそのまま用いた。比較例1−1〜1−3で用いたアセチレンブラックおよびVGCFの酸素濃度を測定したところ、いずれも0.1質量%以下であった。比較例1−4では市販のアセチレンブラックを湿度70%の大気中に1カ月間放置したものを用いた。比較例1−4で用いたアセチレンブラックの酸素濃度を測定したところ、0.2質量%であった。
作製した実施例1−1〜1−5および比較例1−1〜1−4の二次電池について充放電を行い、1サイクル目の放電容量、1サイクル目の充放電効率、および100サイクル目のサイクル特性を調べた。その際、充電は23℃の環境中において、0.2Cの定電流充電を上限電圧4.2Vまで行い、続いて4.2Vで4時間の定電圧充電を行い、放電は0.2Cの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行った。0.2Cというのは、定格容量を5時間で放電できる電流値である。得られた結果を表1に示す。
なお、放電容量は実施例1−1の値を100%とした場合の相対値であり、充放電効率は(1サイクル目の放電容量/1サイクル目の充電容量)×100により求めた。またサイクル特性は、100サイクル目の容量維持率、すなわち(100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100により求めた。
Figure 2005317447
表1に示したように、負極22に酸化処理を行った導電助材を用いた実施例1−1〜1−5によれば、酸化処理をしていない比較例1−1〜1−4に比べて、放電容量、充放電効率およびサイクル特性を向上させることができた。すなわち、負極22の導電助材として、酸化処理により0.2質量%を超える酸素を含む炭素材料を用いるようにすれば、これらの電池特性を向上させることができることが分かった。
(実施例2−1)
負極活物質として、30Co−60Sn−10In合金粉体に代えて35Cu−50Si−15Zn合金粉体を用いたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。すなわち、導電助材には酸化処理していないグラファイト25質量部と、酸素雰囲気中において700℃で酸化処理したアセチレンブラック1質量部とを用いた。負極活物質の合金粉体は、実施例1−1と同様にメカニカルアロイング法により合成したのち、20μmのふるいで分粒し、ふるいを通過したものを用いた。
また、実施例2−1に対する比較例2−1として、導電助材として用いるアセチレンブラックの酸化処理を行わないことを除き、他は実施例2−1と同様にして二次電池を作製した。作製した実施例2−1および比較例2−1の二次電池についても、実施例1−1と同様にして、放電容量、充放電効率およびサイクル特性得を調べた。その結果を表2に示す。なお、放電容量は実施例1−1の値を100%とした場合の相対値である。
Figure 2005317447
表2に示したように、実施例2−1によれば、実施例1−1と同様に、比較例2−1に比べて放電容量、充放電効率およびサイクル特性を向上させることができた。すなわち、負極活物質として、リチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素の単体,合金または化合物を用いる場合に、負極22の導電助材として、酸化処理により0.2質量%を超える酸素を含む炭素材料を用いるようにすれば、負極活物質の組成によらず、これらの電池特性を向上させることができることが分かった。
(実施例3−1)
負極活物質層22Bおよび電解液の構成を変えたことを除き、他は実施例1−2と同様にして二次電池を作製した。負極活物質層22Bは、負極活物質として鱗片状黒鉛を用い、この鱗片状黒鉛95質量部と、導電助材として実施例1−2と同様の酸化処理を行ったVGCF2質量部と、結着材であるスチレンブタジエンゴム1質量部と、増粘材であるカルボキシメチルセルロース2質量部とを混合して負極合剤を調製し、これを分散媒である純水に分散したのち、帯状銅箔よりなる負極集電体22Aに塗布して乾燥させ、圧縮成型することにより形成した。電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを1:1の体積比で混合した混合溶媒に、電解質塩としてLiPF6 を1.0mol/lの割合で溶解させたものを用いた。
また、実施例3−1に対する比較例3−1として、導電助材として用いるVGCFの酸化処理を行わないことを除き、他は実施例3−1と同様にして二次電池を作製した。作製した実施例3−1および比較例3−1の二次電池についても、実施例1−2と同様にして、放電容量、充放電効率およびサイクル特性得を調べた。その結果を表3に示す。なお、放電容量は実施例1−1の値を100%とした場合の相対値である。
Figure 2005317447
表3に示したように、実施例3−1によれば、実施例1−2と同様に、比較例3−1に比べて放電容量、充放電効率およびサイクル特性を向上させることができた。すなわち、負極活物質として炭素材料を用いる場合においても、負極22の導電助材として、酸化処理により0.2質量%を超える酸素を含む炭素材料を用いるようにすれば、これらの電池特性を向上させることができることが分かった。
但し、表1と表3とを比較すれば分かるように、負極活物質として合金材料を用いた実施例1−2の方が、炭素材料を用いた実施例3−1に比べて、比較例よりも特性をより大きく向上させることができた。すなわち、本発明は、負極活物質として、リチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素の単体,合金または化合物を用いる場合において、より大きな効果を得られることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、円筒型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は、コイン型、カード型、平型、楕円型、ボタン型、角型などの多角形型、またはラミネートフィルムなどの外装部材を用いた他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。また、上記実施の形態および実施例では、正極21および負極22を巻回する場合について具体的に説明したが、正極および負極を折り畳んだ構造を有する二次電池、あるいは積層構造を有する二次電池などの他の構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。更に、本発明は、二次電池に限らず、一次電池などの他の電池についても同様に適用することができる。
加えて、上記実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても、本発明を適用することができる。その際、負極活物質には、例えば上記実施の形態で説明したように、その軽金属を吸蔵および放出することが可能な金属元素の単体,合金および化合物、半金属元素の単体,合金および化合物、並びに炭素材料を用いることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した二次電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。
符号の説明
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20…巻回電極体、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…セパレータ、24…センターピン、25…正極リード、26…負極リード

Claims (7)

  1. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記負極は、電極反応物質を吸蔵および放出可能な負極活物質として、金属元素の単体,合金および化合物と、半金属元素の単体,合金および化合物とからなる群のうちの少なくとも1種を含有すると共に、導電助材として、0.2質量%を超える酸素を含む炭素材料を含有することを特徴とする電池。
  2. 前記炭素材料は、酸化処理されていることを特徴とする請求項1記載の電池。
  3. 前記炭素材料は、カーボンブラックおよび炭素繊維のうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1記載の電池。
  4. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記負極は、スズ(Sn)の単体,合金および化合物と、ケイ素(Si)の単体,合金および化合物とからなる群のうちの少なくとも1種を含有すると共に、0.2質量%を超える酸素を含む炭素材料を含有することを特徴とする電池。
  5. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記負極は、負極活物質として第1の炭素材料を含有すると共に、導電助材として、第1の炭素材料よりも小さな粒度分布を有し、0.2質量%を超える酸素を含む第2の炭素材料を含有することを特徴とする電池。
  6. 前記第2の炭素材料は、酸化処理されていることを特徴とする請求項5記載の電池。
  7. 前記第2の炭素材料は、カーボンブラックおよび炭素繊維のうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項5記載の電池。
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