JP2000077095A - 非水電解液電池 - Google Patents

非水電解液電池

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JP2000077095A
JP2000077095A JP10241942A JP24194298A JP2000077095A JP 2000077095 A JP2000077095 A JP 2000077095A JP 10241942 A JP10241942 A JP 10241942A JP 24194298 A JP24194298 A JP 24194298A JP 2000077095 A JP2000077095 A JP 2000077095A
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aqueous electrolyte
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negative electrode
electrolyte battery
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Kazuhiro Oba
和博 大場
Shigeru Fujita
茂 藤田
Takenobu Hatasawa
剛信 畠沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイクル特性を向上させた非水電解液電池を
提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の非水電解液電池は、正極活物質
を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水溶媒
中に電解質が溶解されてなる非水電解液とを備え、上記
非水溶媒として、ヒドロキノン化合物を含有することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解液の溶媒に非
水溶媒を用いた、非水電解液電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型ビデオテープレコー
ダ、携帯電話、携帯用コンピュータ等のポータブル電子
機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。そ
してこれらの電子機器のポータブル電源となる電池、特
に二次電池について、エネルギー密度を向上させるため
の研究がなされている。二次電池の中でもリチウムイオ
ン電池は、従来の水溶液系電解液を用いた二次電池であ
る鉛電池、ニッケルカドミウム電池と比較して大きなエ
ネルギー密度が得られるため、期待が大きく、研究開発
が活発に進められている。
【0003】リチウム電池又はリチウムイオン電池に使
用する非水電解液としては、炭酸プロピレンや炭酸ジエ
チル等の炭酸エステル系非水溶媒に、電解質としてLi
PF6を溶解させたものが、比較的導電率も高く、電位
的にも安定である点から広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の炭酸エステルは、電気化学的に比較的安定であるにも
かかわらず、正極や負極の酸化力あるいは還元力が非常
に強いために、若干ではあるが反応すると考えられる。
この反応により電極表面に反応生成物が被膜となって成
長し、それが電池のインピーダンスの増加をもたらす。
その結果、特に大きな電流で放電したときに電圧降下が
大きくなり、サイクル特性も悪くなるという問題が生じ
る。
【0005】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、サイクル特性を向上させた非水
電解液電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の非水電解液電池
は、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負
極と、非水溶媒中に電解質が溶解されてなる非水電解液
とを備え、上記非水溶媒として、一般式(1)で表され
るヒドロキノン化合物を含有することを特徴とする。
【0007】
【化2】
【0008】上述したような本発明に係る非水電解液電
池では、非水溶媒としてヒドロキノン化合物を含有して
いるので、電極表面への皮膜成長を抑えて、サイクル特
性が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0010】図1は、本発明の非水電解液電池の一構成
例を示す縦断面図である。この非水電解液電池1は、フ
ィルム状の正極2と、フィルム状の負極3とが、セパレ
ータ4を介して密着状態で巻回された巻層体が、電池缶
5の内部に装填されてなる。
【0011】上記正極2は、正極活物質と結着剤とを含
有する正極合剤を集電体上に塗布、乾燥することにより
作製される。集電体には例えばアルミニウム箔等の金属
箔が用いられる。
【0012】正極活物質には、目的とする電池の種類に
応じて金属酸化物、金属硫化物又は特定の高分子を用い
ることができる。
【0013】例えば、リチウム一次電池を構成する場
合、正極活物質としては、TiS2、MnO2、黒鉛、F
eS2等を使用することができる。また、リチウム二次
電池を構成する場合、正極活物質としては、TiS2
MoS2、NbSe2、V25等の金属硫化物あるいは酸
化物を使用することができる。また、LiMx2(式中
Mは一種以上の遷移金属を表し、xは電池の充放電状態
によって異なり、通常0.05以上、1.10以下であ
る。)を主体とするリチウム複合酸化物等を使用するこ
とができる。このリチウム複合酸化物を構成する遷移金
属Mとしては、Co、Ni、Mn等が好ましい。このよ
うなリチウム複合酸化物の具体例としてはLiCo
2、LiNiO2、LiNiyCo1-y2(式中、0<
y<1である。)、LiMn24等を挙げることができ
る。これらのリチウム複合酸化物は、高電圧を発生で
き、エネルギー密度的に優れた正極活物質となる。正極
2には、これらの正極活物質の複数種をあわせて使用し
てもよい。
【0014】また、上記正極合剤の結着剤としては、通
常、電池の正極合剤に用いられている公知の結着剤を用
いることができるほか、上記正極合剤に導電剤等、公知
の添加剤を添加することができる。
【0015】負極3は、負極活物質と結着剤とを含有す
る負極合剤を、集電体上に塗布、乾燥することにより作
製される。上記集電体には、例えば銅箔等の金属箔が用
いられる。
【0016】リチウム一次電池又はリチウム二次電池を
構成する場合、負極材料としては、リチウム、リチウム
合金、又はリチウムをドープ、脱ドープできる材料を使
用することが好ましい。リチウムをドープ、脱ドープで
きる材料として、例えば、難黒鉛化炭素系材料やグラフ
ァイト系材料等の炭素材料を使用することができる。具
体的には、熱分解炭素類、コークス類、グラファイト
類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、炭素
繊維、活性炭等の炭素材料を使用することができる。上
記コークス類には、ピッチコークス、ニートルコーク
ス、石油コークス等がある。また、上記有機高分子化合
物焼成体とは、フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な
温度で焼成し炭素化したものを示す。
【0017】上述した炭素材料のほか、リチウムをドー
プ、脱ドープできる材料として、ポリアセチレン、ポリ
ピロール等の高分子やSnO2等の酸化物を使用するこ
ともできる。また、リチウム合金として、リチウム−ア
ルミニウム合金等を使用することができる。
【0018】また、上記負極合剤の結着剤としては、通
常リチウムイオン電池の負極合剤に用いられている公知
の結着剤を用いることができるほか、上記負極合剤に公
知の添加剤等を添加することができる。
【0019】非水電解液は、電解質を非水溶媒に溶解し
て調製される。
【0020】電解質としては、通常、電池電解液に用い
られている公知の電解質を使用することができる。具体
的には、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiC
lO4、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、Li
C(SO2CF33、LiAlCl4、LiSiF6等の
リチウム塩を挙げることができる。その中でも特にLi
PF6、LiBF4が酸化安定性の点から望ましい。
【0021】このような電解質は、非水溶媒中に0.1
mol/l〜3.0mol/lの濃度で溶解されている
ことが好ましい。さらに好ましくは、0.5mol/l
〜2.0mol/lである。
【0022】また、非水溶媒としては、従来より非水電
解液に使用されている種々の非水溶媒を使用することが
できる。例えば、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等の環
状炭酸エステルや、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等の鎖
状炭酸エステル、プロピオン酸メチルや酪酸メチル等の
カルボン酸エステル、γ−ブチルラクトン、スルホラ
ン、2−メチルテトラヒドロフランやジメトキシエタン
等のエーテル類等を使用することができる。これらの非
水溶媒は単独で使用してもよく、複数種を混合して使用
してもよい。その中でも特に、酸化安定性の点からは、
炭酸エステルを用いることが好ましい。
【0023】しかしながら、炭酸エステル化合物は電気
化学的に比較的安定であるにも関わらず、正極2又は負
極3に用いられている材料の酸化力や還元力が非常に強
いために、炭酸エステル化合物と、正極2又は負極3に
用いられている材料とが反応してしまう。この反応によ
る反応生成物が電極表面に被膜となって成長し、この被
膜により電池のインピーダンスが増加し、電池のサイク
ル特性が悪化してしまうという問題があった。
【0024】そこで、この非水電解液電池1では、非水
溶媒に一般式(1)で表されるヒドロキノン化合物を含
有させている。
【0025】
【化3】
【0026】炭酸エステル化合物を含有する非水電解液
に、一般式(1)で示されるヒドロキノン化合物を含有
させることで、電極表面に安定な被膜を生成し、炭酸エ
ステル化合物と電極材料との反応生成物による被膜成長
を抑えることができる。そして、非水電解液電池のイン
ピーダンスの増加を抑えて、サイクル特性を向上させる
ことができる。
【0027】一般式(1)において、置換基Ra、Rb
びRcの炭素数が6よりも大きいと、ヒドロキノン化合
物が非水溶媒に溶解しにくくなってしまうため、置換基
a、Rb及びRcは、炭素数が6以下のアルキル基とす
る。
【0028】これらのヒドロキノン化合物は、1種類を
単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよ
い。
【0029】非水溶媒は、一般式(1)で表されるヒド
ロキノン化合物を、0.1重量%〜10重量%の割合で
含有することが好ましい。ヒドロキノン化合物が少なす
ぎると、電極表面の被膜成長を抑えて、非水電解液電池
1のサイクル特性を向上させる効果が十分ではない。ま
た、ヒドロキノン化合物が多すぎると、非水溶媒に溶解
しにくくなり、導電率が低下してしまう。従って、ヒド
ロキノン化合物の含有量を0.1重量%〜10重量%と
することで、非水電解液の導電率を低下させることな
く、非水電解液電池1のサイクル特性を向上させること
ができる。
【0030】このような非水電解液電池1は、次のよう
にして製造される。
【0031】正極2は、正極活物質と結着剤とを含有す
る正極合剤を、正極集電体となる例えばアルミニウム箔
等の金属箔上に均一に塗布、乾燥して正極活物質層を形
成することにより作製される。上記正極合剤の結着剤と
しては、公知の結着剤を用いることができるほか、上記
正極合剤に公知の添加剤等を添加することができる。
【0032】負極3は、負極活物質と結着剤とを含有す
る負極合剤を、負極集電体となる例えば銅箔等の金属箔
上に均一に塗布、乾燥して負極活物質層を形成すること
により作製される。上記負極合剤の結着剤としては、公
知の結着剤を用いることができるほか、上記負極合剤に
公知の添加剤等を添加することができる。
【0033】以上のようにして得られる正極2と、負極
3とを、例えば微孔性ポリプロピレンフィルムからなる
セパレータ4を介して密着させ、渦巻型に多数回巻回す
ることにより巻層体が構成される。
【0034】次に、その内側にニッケルメッキを施した
鉄製の電池缶5の底部に絶縁板6を挿入し、さらに巻層
体を収納する。そして負極の集電をとるために、例えば
ニッケルからなる負極リード7の一端を負極3に圧着さ
せ、他端を電池缶5に溶接する。これにより、電池缶5
は負極3と導通をもつこととなり、非水電解液電池1の
外部負極となる。また、正極2の集電をとるために、例
えばアルミニウムからなる正極リード8の一端を正極2
に取り付け、他端を電流遮断用薄板9を介して電池蓋1
0と電気的に接続する。この電流遮断用薄板9は、電池
内圧に応じて電流を遮断するものである。これにより、
電池蓋10は正極2と導通をもつこととなり、非水電解
液電池1の外部正極となる。
【0035】次に、この電池缶5の中に非水電解液を注
入する。この非水電解液は、電解質を非水溶媒に溶解さ
せて調製される。
【0036】次に、アスファルトを塗布した絶縁封口ガ
スケット11を介して電池缶5をかしめることにより電
池蓋10が固定されて円筒型の非水電解液電池1が作製
される。
【0037】なお、この非水電解液電池1においては、
図1に示すように、負極リード7及び正極リード8に接
続するセンターピン12が設けられているとともに、電
池内部の圧力が所定値よりも高くなったときに内部の気
体を抜くための安全弁装置13及び電池内部の温度上昇
を防止するためのPTC素子14が設けられている。
【0038】上述した実施の形態では、二次電池を例に
挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、一次電池についても適用可能である。また、本発
明の電池は、円筒型、角型、コイン型、ボタン型等、そ
の形状については特に限定されることはなく、また、薄
型、大型等の種々の大きさにすることができる。
【0039】
【実施例】上述したような非水電解液電池を作製した。
【0040】〈実施例1〉まず、負極を以下のようにし
て作製した。
【0041】まず、出発原料に石油ピッチを用い、不活
性ガス気流中1000℃で焼成し、ガラス状炭素に近い
性質の難黒鉛化炭素材料を得た。この難黒鉛化炭素材料
についてX線回折測定を行ったところ、(002)面の
面間隔は3.76オングストロームであり、また、真比
重は1.58g/cm3であった。
【0042】次に、得られた難黒鉛化炭素材料を粉砕
し、平均粒径10μmの炭素材料粉末とした。この炭素
材料粉末を90重量部と、結着剤を10重量部とを混合
して負極合剤を調製した。ここで、結着剤にはポリフッ
化ビニリデンを用いた。
【0043】次に、負極合剤をN−メチル−2−ピロリ
ドンに分散させてスラリー状とした。そして、このスラ
リーを負極集電体である厚さ10μmの帯状の銅箔の両
面に均一に塗布、乾燥して負極活物質層を形成した後、
ロールプレス機で圧縮成型し、負極を作製した。
【0044】次に、正極を次のように作製した。
【0045】まず、炭酸リチウムと炭酸コバルトとを
0.5mol対1molの比率で混合し、空気中900
℃で5時間焼成して正極活物質となるLiCoO2を得
た。
【0046】次に、得られたLiCoO2を91重量部
と、導電剤を6重量部と、結着剤を3重量部とを混合し
て正極合剤を調製した。ここで、導電剤にはグラファイ
トを用い、結着剤にはポリフッ化ビニリデンを用いた。
【0047】次に、正極合剤を、N−メチル−2−ピロ
リドンに分散させてスラリーとした。そして、このスラ
リーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔
の両面に均一に塗布、乾燥して正極活物質層を形成した
後、ロールプレス機で圧縮成形することにより正極を作
製した。
【0048】以上のようにして得られる正極と、負極と
を、厚さ25μmの微孔性ポリプロピレンフィルムから
なるセパレータを介して密着させ、渦巻型に多数回巻回
することにより巻層体を作製した。
【0049】次に、その内側にニッケルメッキを施した
鉄製の電池缶の底部に絶縁板を挿入し、さらに巻層体を
収納した。そして負極の集電をとるために、ニッケル製
の負極リードの一端を負極に圧着させ、他端を電池缶に
溶接した。また、正極の集電をとるために、アルミニウ
ム製の正極リードの一端を正極に取り付け、他端を電流
遮断用薄板を介して電池蓋と電気的に接続した。この電
流遮断用薄板は、電池内圧に応じて電流を遮断するもの
である。
【0050】そして、この電池缶の中に非水電解液を注
入した。この非水電解液は、炭酸プロピレンを50容量
%と、炭酸ジメチルを50容量%との混合溶媒中に、電
解質LiPF6を1.0mol/lの濃度で溶解させ、
さらに、ヒドロキノン化合物として、式(2)で表され
る2酢酸ヒドロキノン(以下、HDAと称する。)を
1.0重量%の濃度で溶解させて調製した。
【0051】
【化4】
【0052】最後に、アスファルトを塗布した絶縁封口
ガスケットを介して電池缶をかしめることにより電池蓋
を固定して、直径が約18mm、高さが約65mmの円
筒型の非水電解液電池を作製した。
【0053】〈実施例2〉ヒドロキノン化合物として、
式(3)で表される酢酸ヒドロキノンメチルエーテル
(以下、HMAと称する。)を用いたこと以外は、実施
例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
【0054】
【化5】
【0055】〈実施例3〉ヒドロキノン化合物として、
式(4)で表される酢酸プロピオン酸ヒドロキノン(以
下、HPAと称する。)を用いたこと以外は、実施例1
と同様にして非水電解液電池を作製した。
【0056】
【化6】
【0057】〈実施例4〉ヒドロキノン化合物として、
式(5)で表される酢酸プロピオン酸ヒドロキノンメチ
ルエーテル(以下、HMPと称する。)を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして非水電解液電池を作製し
た。
【0058】
【化7】
【0059】〈実施例5〉非水電解液の溶媒として、炭
酸エチレンを50容量%と、炭酸ジエチルを50容量%
との混合溶媒を使用し、負極構成材料として、難黒鉛化
炭素材料の代わりにグラファイト(ロンザ社製、KS−
75:(002)面の面間隔=0.3358nm)を使
用したこと以外は、実施例1と同様にして非水電解液電
池を作製した。
【0060】〈比較例1〉非水電解液中にヒドロキノン
化合物を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に
して非水電解液電池を作製した。
【0061】〈比較例2〉非水電解液中にヒドロキノン
化合物を添加しなかったこと以外は、実施例5と同様に
して非水電解液電池を作製した。
【0062】以上のようにして作製された各非水電解液
電池について、初期放電容量、100サイクル後の放電
容量維持率を評価した。
【0063】初期放電容量は、23℃の条件下で、各非
水電解液電池に対して1Aの定電流定電圧充電を上限
4.2Vまで3時間行い、次に1400mAの定電流放
電を終止電圧2.5Vまで行うことにより決定した。
【0064】放電容量維持率は、上述した充放電条件と
同じ条件で充放電を100サイクル行い、初期放電容量
に対する100サイクル目の放電容量の割合を求めた。
【0065】各非水電解液電池の初期放電容量、放電容
量維持率の評価結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】表1から明らかなように、電解液にヒドロ
キノン化合物を含有する実施例1〜実施例5の非水電解
液電池は、比較例1及び比較例2の非水電解液電池と比
較して、1400mAという比較的大きい放電電流にお
いても初期放電容量は大きく、100サイクル後の放電
容量維持率も高いという結果が得られた。
【0068】また、この効果は、2酢酸ヒドロキノンの
みならず、酢酸ヒドロキノンメチルエーテル、酢酸プロ
ピオン酸ヒドロキノン、酢酸プロピオン酸ヒドロキノン
メチルエーテルにおいても同様な効果が認められること
から、上述した一般式(1)で表されるヒドロキノン化
合物であれば同様な効果があると考えられる。また、負
極材料が黒鉛系材料であっても同様な効果が得られるこ
とがわかった。
【0069】つぎに、上述した一般式(1)で表される
ヒドロキノン化合物のなかでも、良好な結果が得られた
2酢酸ヒドロキノンについて、その濃度を変えて実験を
行った。
【0070】〈実施例6〉HDAの濃度を0.01重量
%としたこと以外は、実施例1と同様にして非水電解液
電池を作製した。
【0071】〈実施例7〉HDAの濃度を0.1重量%
としたこと以外は、実施例1と同様にして非水電解液電
池を作製した。
【0072】〈実施例8〉HDAの濃度を0.5重量%
としたこと以外は、実施例1と同様にして非水電解液電
池を作製した。
【0073】〈実施例9〉HDAの濃度を5.0重量%
としたこと以外は、実施例1と同様にして非水電解液電
池を作製した。
【0074】〈実施例10〉HDAの濃度を10重量%
としたこと以外は、実施例1と同様にして非水電解液電
池を作製した。
【0075】〈実施例11〉HDAの濃度を15重量%
としたこと以外は、実施例1と同様にして非水電解液電
池を作製した。
【0076】以上のようにして作製された各非水電解液
電池について、上述した評価実験と同様にして初期放電
容量、100サイクル後の放電容量維持率を評価した。
【0077】各非水電解液電池の初期放電容量、放電容
量維持率の評価結果を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】表2から明らかなように、2酢酸ヒドロキ
ノンの含有量が、0.1重量%〜10重量%の範囲にお
いて特に良好な結果が得られた。
【0080】
【発明の効果】本発明の非水電解液電池は、非水電解液
の非水溶媒がヒドロキノン化合物を含有しているので、
電極表面での被膜成長を抑えることができる。従って、
本発明では、放電容量を増大させるとともに、サイクル
特性に優れた非水電解液電池を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水電解液電池の一構成例を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
1 非水電解液電池、 2 正極、 3 負極、 4
セパレータ、 5 電池缶、 10 電池蓋
フロントページの続き (72)発明者 畠沢 剛信 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ05 AJ07 AK02 AK03 AK05 AK07 AL02 AL03 AL06 AL07 AL08 AL12 AL16 AM03 AM04 AM05 HJ01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質を有する正極と、 負極活物質を有する負極と、 非水溶媒中に電解質が溶解されてなる非水電解液とを備
    え、 上記非水溶媒として、一般式(1)で表されるヒドロキ
    ノン化合物を含有することを特徴とする非水電解液電
    池。 【化1】
  2. 【請求項2】 上記ヒドロキノン化合物は、置換基
    a、Rb及びRcが、メチル基であることを特徴とする
    請求項1記載の非水電解液電池。
  3. 【請求項3】 上記非水溶媒は、上記ヒドロキノン化合
    物を0.1重量%〜10重量%の割合で含有することを
    特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
  4. 【請求項4】 上記正極は、金属酸化物又は金属硫化物
    を含有することを特徴とする請求項1記載の非水電解液
    電池。
  5. 【請求項5】 上記負極は、リチウムをドープ及び/又
    は脱ドープできる材料を含有することを特徴とする請求
    項1記載の非水電解液電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004064190A1 (ja) * 2003-01-09 2004-07-29 Sony Corporation 電解質、負極および電池
WO2019221107A1 (ja) * 2018-05-15 2019-11-21 日本電信電話株式会社 リチウム二次電池
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