JPH08335465A - 非水電解液電池 - Google Patents

非水電解液電池

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JPH08335465A
JPH08335465A JP8099161A JP9916196A JPH08335465A JP H08335465 A JPH08335465 A JP H08335465A JP 8099161 A JP8099161 A JP 8099161A JP 9916196 A JP9916196 A JP 9916196A JP H08335465 A JPH08335465 A JP H08335465A
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JP
Japan
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aqueous electrolyte
electrolyte battery
battery according
molar ratio
electrolyte
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JP8099161A
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English (en)
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Shigeru Fujita
茂 藤田
Momoe Adachi
百恵 足立
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負極活物質としてリチウムを用いた非水電解
液電池において、その非水電解液中に特定の電解質を使
用することにより、電池の保存安定性やサイクル特性を
向上させる。 【解決手段】 リチウム、リチウム合金又はリチウムを
ドープ、脱ドープできる材料からなる負極と、正極と、
非水溶媒に電解質が溶解した非水電解液とを備える非水
電解液電池において、電解質として、LiC(R1SO2)
(R2SO2)(R3SO2)、LiN(R4SO2)(R5SO2)又
はLiR6SO3{ここで、R1、R2、R3、R4、R5
びR6はそれぞれ独立的にCnX2n+1(nは1〜8の数で
あり、Xは水素原子又はハロゲン原子である。)であ
る。}と、LiPF6、LiBF4、LiClO4又はL
iAsF6とを併用する。特に、LiC(CF3SO2)3
LiN(CF3SO2)2又はLiCF3SO3と、LiP
6、LiBF4、LiClO4又はLiAsF6とを併用
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負極活物質として
リチウム、リチウム合金、炭素材料等を用いた非水電解
液電池に関する。さらに詳しくは、特定の電解質を用い
た非水電解液を使用することによりサイクル特性又は保
存特性を向上させた非水電解液電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型VTR、携帯電話、
ラップトップコンピューター等のポータブル電子機器が
多く登場し、その小型軽量化が図られている。そしてこ
れらの電子機器のポータブル電源として、電池、特に二
次電池について、エネルギー密度を向上させるための研
究開発が活発に進められている。中でも、リチウムイオ
ン二次電池は、従来の水溶液系電解液二次電池である鉛
電池、ニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネル
ギー密度が得られるため、期待度が大きくなっている。
【0003】ところで、リチウムあるいはリチウムイオ
ン電池に使用する電解液としては、炭酸プロピレン(P
C)や炭酸ジエチル等の炭酸エステル系非水溶媒に、電
解質としてLiPF6を溶解させたものが、比較的導電
率も高く、電位的にも安定である点から広く用いられて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、LiP
6は、熱的安定性が満足できるものではなく、電池の
サイクル特性や保存特性も低くなるという問題があっ
た。これは、電解液中でLiPF6の熱分解が僅かに生
じた場合でも、電池のサイクル特性や保存特性を低下さ
せる原因になるためと考えられる。これに対しては、電
解液中のLiPFの濃度を下げることが考えられる
が、この場合には導電率が低くなるという問題が生じ
る。
【0005】LiPF6の他に、電解質としては、従来
よりLiBF4、LiCF3SO3、LiClO4、LiA
sF6等も知られているが、LiBF4は熱安定性や酸化
安定性は高いが導電率が低いという問題があった。ま
た、LiCF3SO3は熱的安定性は高いが、導電率が低
く、酸化安定性も低く、4V以上の高い電圧で充電する
と十分な放電容量が得られないという問題があった。ま
た、LiClO4やLiAsF6は導電率が高いがサイク
ル特性の点で問題があった。
【0006】また、近年、LiC(CF3SO2)3(Elect
rochimca Acta,37,p1551(1992))やLiN(CF3SO2)
2(J.Electrochem,Soc.,138,p2586(1991))が、電解液
用溶媒に溶解させた場合に比較的高い導電率を示し、熱
的安定性も高いことから電池用電解質として期待されて
いる。しかし、これらLiC(CF3SO2)3やLiN(C
3SO2)2は酸化安定性に劣り、そのためにこれらを電
池の電解液の電解質として用いた場合、4V以上の高い
電圧で充放電すると十分なサイクル特性が得られないと
いう問題があった。従って、これらの電解質を充電電圧
が4Vを超えるリチウムイオン非水電解液二次電池の電
解液に使用した場合、良好な導電率と良好なサイクル特
性と保存特性とを同時に実現することができないという
のが現状である。
【0007】本発明は、このような従来技術の課題を解
決しようとするものであり、負極活物質としてリチウ
ム,リチウム合金、炭素材料等を用いた非水電解液電池
において、高い導電率を示し、熱的安定性や酸化安定性
に優れた電解質を使用することにより、電池の保存安定
性やサイクル特性を向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために鋭意検討した結果、電解質として、そ
れぞれ前述したような問題のあるLiC(CF3SO2)3
に代表されるLiC(R1SO2)(R2SO2)(R3SO2)、
LiN(CF3SO2)2に代表されるLiN(R4SO2)(R
5SO2)又はLiCF3SO3に代表されるLiR6SO3
と、LiPF6、LiBF4、LiClO4又はLiAs
6とを併用することにより、個々の電解質を単独で使
用した場合のサイクル特性や保存安定性の低い方のレベ
ルに制約されることなく、それらを単独で使用した場合
に比して電池のサイクル特性や保存安定性が大きく向上
することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】即ち、本発明は、リチウム、リチウム合金
又はリチウムをドープ、脱ドープできる材料からなる負
極と、正極と、非水溶媒に電解質が溶解した非水電解液
とを備える非水電解液電池において、電解質が、LiC
(R1SO2)(R2SO2)(R3SO2)、LiN(R4SO2)
(R5SO2)又はLiR6SO3{ここで、R1、R2
3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立的にCnX2n+1(n
は1〜8の数であり、Xは水素原子又はハロゲン原子で
ある。)}と、LiPF6、LiBF4、LiClO4
はLiAsF6とを含有することを特徴とする非水電解
液電池を提供する。
【0010】特に、本発明は、その好ましい態様として
電解質が、LiC(CF3SO2)3、LiN(CF3SO2)2
又はLiCF3SO3と、LiPF6、LiBF4、LiC
lO4又はLiAsF6とを含有する非水電解液電池を提
供する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の非水電解液電池は、電池の電解液
を構成する電解質として、LiC(R1SO2)(R2SO2)
(R3SO2)、LiN(R4SO2)(R5SO2)又はLiR6
SO3{ここで、R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそ
れぞれ独立的にCnX2n+1(nは1〜8の数、好ましくは
1であり、Xは水素原子又はF、ClもしくはBr等の
ハロゲン原子、好ましくはFである。)である。}と、
LiPF6、LiBF4、LiClO4又はLiAsF6
を併用する。好ましくは、LiC(CF3SO2)3、Li
N(CF3SO2)2又はLiCF3SO3と、LiPF6、L
iBF4、LiClO4又はLiAsF6とを併用する。
【0013】これらの電解質の使用割合は、電池のサイ
クル特性や保存安定性の向上効果を考慮すると、併用す
る電解質の種類により以下に示す範囲となる:LiC
(CF3SO2)3とLiPF6とを併用する場合の両者のモ
ル比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは
3:7〜7:3である;LiC(CF3SO2)3とLiB
4とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは9
0:10〜10:90、より好ましくは60:40〜1
0:90である;LiC(CF3SO2)3とLiClO4
を併用する場合の両者のモル比は、好ましくは90:1
0〜10:90、より好ましくは60:40〜10:9
0である;LiC(CF3SO2)3とLiAsF6とを併用
する場合の両者のモル比は、好ましくは90:10〜1
0:90、より好ましくは60:40〜10:90であ
る;LiN(CF3SO2)2とLiPF6とを併用する場合
の両者のモル比は、好ましくは1:9〜9:1、より好
ましくは1:9〜8:2である;LiN(CF3SO2)2
とLiBF4とを併用する場合のモル比は、好ましくは
60:40〜5:95、より好ましくは40:60〜1
0:90である;LiN(CF3SO2)2とLiClO4
を併用する場合の両者のモル比は、好ましくは60:4
0〜10:90である;LiN(CF3SO2)2とLiA
sF6とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは
60:40〜10:90である;LiCF3SO3とLi
PF6とを併用する場合の両者のモル比は、好ましくは
70:30〜10:90、より好ましくは50:50〜
10:90である;LiCF3SO3とLiBF4とを併
用する場合の両者のモル比は、好ましくは60:40〜
10:90、より好ましくは40:60〜10:90で
ある;LiCF3SO3とLiClO4とを併用する場合
の両者のモル比は、好ましくは60:40〜10:90
である;及びLiCF3SO3とLiAsF6とを併用す
る場合の両者のモル比は、好ましくは60:40〜1
0:90である。
【0014】電解液を調製するにあたり、このような電
解質を溶解させる非水溶媒としては従来より非水電解液
に使用されている種々の非水溶媒を使用することがで
き、例えば、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等の環状炭
酸エステルや、炭酸ジエチル等の鎖状炭酸エステル、プ
ロピオン酸メチルや酪酸メチル等のカルボン酸エステ
ル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、2−メチルテト
ラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類等を
使用することができる。これらは単独で使用してもよく
複数種を混合して使用してもよい。特に、酸化安定性の
点からは、炭酸エステルを含めることが好ましい。
【0015】電解液における電解質濃度は、いずれの組
み合わせの電解質の場合も通常0.5〜2.0mol/
lとすることが好ましい。
【0016】本発明の電池は、上述のような電解質を含
む電解液を使用する以外は、従来のリチウムあるいはリ
チウムイオン電池と同様に構成することができ、この場
合、一次電池としても二次電池としても構成することが
できる。
【0017】即ち、リチウム一次電池あるいはリチウム
二次電池を構成する場合の負極材料としては、リチウ
ム、リチウム合金又はリチウムをドープ、脱ドープでき
る材料を使用することができる。このような負極の構成
材料のうちリチウムをドープ、脱ドープできる材料とし
ては、例えば、(002)面の面間隔が0.37nm以
上の難黒鉛化炭素系材料や(002)面の面間隔が0.
340nm以下のグラファイト系材料等の炭素質材料を
使用することができる。より具体的には、熱分解炭素
類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、
石油コークス等)、グラファイト類、ガラス状炭素類、
有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂
等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、
活性炭等の炭素質材料を使用することができる。この
他、リチウムをドープ、脱ドープできる材料としては、
ポリアセチレン、ポリピロール等のポリマー等を使用す
ることもできる。また、負極の構成材料のうちリチウム
合金としては、リチウム−アルミニウム合金等を使用す
ることができる。
【0018】このような材料から負極を形成するに際し
ては、公知の結着材等を添加することができる。
【0019】正極は、目的とする電池の種類に応じて、
金属酸化物、金属硫化物又は特定のポリマーを正極活物
質として用いて構成することができる。例えば、リチウ
ム一次電池を構成する場合、正極活物質としては、Ti
2、MnO2、黒鉛、FeS2等を使用することができ
る。また、リチウム二次電池を構成する場合、正極活物
質としては、TiS2、MoS2、NbSe2、V25
のリチウムを含有しない金属硫化物あるいは酸化物や、
LixMO2(式中、Mは一種以上の遷移金属を表し、x
は電池の充放電状態によって異なり、通常0.05≦x
≦1.10である)を主体とするリチウム複合酸化物等
を使用することができる。このリチウム複合酸化物を構
成する遷移金属Mとしては、Co、Ni、Mn等が好ま
しい。このようなリチウム複合酸化物の具体例として
は、LiCoO2、LiNiO2、LixNiyCo1-y2
(式中、x、yは電池の充放電状態によって異なり、通
常0<x<1、0.7<y<1.02である)、LiM
24等をあげることができる。これらリチウム複合酸
化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度的に優れた
正極活物質となる。正極には、これらの正極活物質の複
数種を混合して使用してもよい。また、以上のような正
極活物質を使用して正極を形成するに際しては、公知の
導電剤や結着材等を添加することができる。
【0020】本発明の電池は、電池形状については特に
限定されることはない。円筒型、角型、コイン型、ボタ
ン型等の種々の形状にすることができる。
【0021】以上説明したように、本発明の非水電解液
電池においては、電解質として、LiC(R1SO2)(R2
SO2)(R3SO2)、LiN(R4SO2)(R5SO2)又はL
iR6SO3{ここで、R1、R2、R3、R4、R5及びR6
はそれぞれ独立的にCnX2n+1(nは1〜8の数であり、
Xは水素原子又はハロゲン原子である。)}と、LiP
6、LiBF4、LiClO4又はLiAsF6とを併用
した非水電解液を使用する。好ましくは、LiC(CF3
SO2)3、LiN(CF3SO2)2又はLiCF3SO3と、
LiPF6、LiBF4、LiClO4又はLiAsF6
を併用した非水電解液を使用する。従って、本発明の電
池を二次電池として構成すると、それらの電解質を単独
で非水溶媒に溶解させた電解液を使用した場合に比し
て、電池のサイクル特性や保存安定性を向上させること
ができる。また、本発明の電池を一次電池として構成す
ると、電池の保存安定性を向上させることができる。
【0022】
【実施例】以下、図1を参照しつつ、本発明を実施例及
び比較例に基づいて具体的に説明する。ここで、図1
は、実施例及び比較例で作製した円筒型非水電解液電池
の断面図である。
【0023】実施例A1 まず、負極1を次のように作製した。
【0024】出発原料に石油ピッチを用い、これに酸素
を含む官能基を10〜20%導入することにより酸素架
橋を行い、次いで不活性ガス気流中1000℃で焼成
し、ガラス状炭素に近い性質の難黒鉛化炭素材料を得
た。得られた材料についてX線回折測定を行ったこと
ろ、(002)面の面間隔は3.76オングストローム
であり、真比重は1.58g/cm3であった。この難
黒鉛化炭素材料を粉砕し、平均粒径10μmの炭素材料
粉末とし、この炭素材料粉末90重量部と、結着剤とし
てポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部とを混
合して負極合剤を調製し、さらにこれをN−メチル−2
−ピロリドンに分散させてスラリー状とした。そして、
このスラリーを負極集電体9である厚さ10μmの帯状
の銅箔の両面に均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機
で圧縮成型し、負極1を作製した。
【0025】一方、正極2を次のように作製した。
【0026】正極活物質(LiCoO2)を得るため
に、炭酸リチウムと炭酸コバルトとを0.5モル:1モ
ルの比率で混合し、空気中900℃で5時間焼成した。
次に、得られたLiCoO291重量部、導電剤として
グラファイト6重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリ
デン(PVDF)3重量部を混合して正極合剤を調製
し、さらにこれをN−メチル−2−ピロリドンに分散さ
せてスラリー状とした。そしてこのスラリーを正極集電
体10である厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に均
一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成型し、正
極2を作製した。
【0027】得られた正極2、負極1及び厚さ25μm
の微孔性ポリプロピレンフィルムからなるセパレータ3
を順次積層し、渦巻型に多数回巻回することにより巻回
体を作製した。
【0028】次に、ニッケルメッキを施した鉄製の電池
缶5の底部に絶縁板4を挿入し、上記の巻回体を収納し
た。そして負極の集電をとるためにニッケル製の負極リ
ード11の一端を負極1に圧着し、他端を電池缶5に溶
接した。また、正極の集電をとるために、アルミニウム
製の正極リード12の一端を正極2に取り付け、他端を
電池内圧に応じて電流を遮断する電流遮断用薄板8を介
して電池蓋7と電気的に接続した。
【0029】そして、この電池缶5の中に、炭酸プロピ
レン(PC)50容量%と炭酸ジエチル50容量%との
混合溶媒中に、LiC(CF3SO2)30.5mol/lと
LiPF60.5mol/lとを溶解させた非水電解液を
注入した。そして、アスファルトを塗布した絶縁封口ガ
スケット6を介して電池缶5をかしめることにより電池
蓋7を固定し、直径18mm、高さ65mmの円筒型非
水電解液電池を作製した。
【0030】実施例A2〜A7、比較例A1〜A2 非水電解液中の電解質の濃度を表1のようにする以外は
実施例A1を繰り返し、円筒型非水電解液電池を作製し
た。
【0031】実施例A8 非水電解液の溶媒として、炭酸エチレン(EC)50容
量%と炭酸ジエチル50容量%との混合溶媒を使用し、
負極の構成材料として、難黒鉛化炭素材料に代えてグラ
ファイト(ロンザ社製、KS−75:(002)面の面
間隔=0.3358nm)を使用した以外は実施例A1
を繰り返し、円筒型非水電解液電池を作製した。
【0032】比較例A3 非水電解液の溶媒として、炭酸エチレン(EC)50容
量%と炭酸ジエチル50容量%との混合溶媒を使用し、
電解質としてLiPF61.0mol/lを使用し、負
極の構成材料として、難黒鉛化炭素材料に代えてグラフ
ァイト(ロンザ社製、KS−75:(002)面の面間
隔=0.3358nm)を使用した以外は実施例A1を
繰り返し、円筒型非水電解液電池を作製した。
【0033】比較例A4 非水電解液の溶媒として、炭酸エチレン(EC)50容
量%と炭酸ジエチル50容量%との混合溶媒を使用し、
電解質としてLiC(CF3SO2)31.0mol/lを
使用し、負極の構成材料として、難黒鉛化炭素材料に代
えてグラファイト(ロンザ社製、KS−75:(00
2)面の面間隔=0.3358nm)を使用した以外は
実施例A1を繰り返し、円筒型非水電解液電池を作製し
た。
【0034】(評価)実施例A1〜A8及び比較例A1
〜A4の電池について、保存特性及びサイクル特性を次
のようにして評価した。これらの結果を表1に示す。
【0035】(1)保存特性 各電池に対して、20℃、1Aの定電流定電圧充電を上
限4.2Vまで行い、次に500mAの定電流放電を終
止電圧2.5Vまで行い、このときの放電容量を保存前
容量として求めた。次に、60℃で1週間保存した後、
同一条件で再度充放電を数サイクル行い、そのうち最も
高い容量の値を保存後容量とした。そして放電容量維持
率(%)を次式により求めた。
【0036】
【数1】放電容量維持率(%)=(保存後容量/保存前
容量)×100
【0037】(2)サイクル特性 上記(1)と同一の充放電条件で充放電を100サイク
ル行い、1サイクル目の放電容量を100とした場合の
100サイクル目の放電容量維持率(%)を求めた。な
お、初期容量は各電池ともほぼ等しい容量であった。
【0038】
【表1】 電解質濃度(mol/l) 負極 60℃保存後 100サイクル LiC(CF3SO2)3 LiPF6 材料 放電容量 放電容量 維持率(%) 維持率(%) 実施例A1 0.5 0.5 *1 92.0 95.1 実施例A2 0.1 0.9 *1 88.0 94.2 実施例A3 0.2 0.8 *1 90.2 94.6 実施例A4 0.3 0.7 *1 91.9 95.0 実施例A5 0.7 0.3 *1 91.8 94.9 実施例A6 0.8 0.2 *1 89.9 94.4 実施例A7 0.9 0.1 *1 87.7 93.5 比較例A1 − 1.0 *1 87.0 93.5 比較例A2 1.0 − *1 87.7 86.9 実施例A8 0.5 0.5 *2 92.1 93.4 比較例A3 − 1.0 *2 88.4 90.6 比較例A4 1.0 − *2 88.5 85.8 (注)*1 難黒鉛化炭素材料 *2 グラファイト
【0039】表1の結果から、電解質として、LiC
(CF3SO2)3とLiPF6との双方を使用することによ
り、これらのうちいずれか一方を使用した場合に比して
保存特性もサイクル特性も向上することがわかる。
【0040】また、LiC(CF3SO2)3とLiPF6
のモル比の好ましい範囲が1:9〜9:1であり、より
好ましい範囲が3:7〜7:3であることがわかる。
【0041】実施例A9〜A14、比較例A5 LiPF6に代えて表2の配合比のLiBF4を使用する
以外は、実施例A1と同様に円筒型非水電解質電池を作
製した。
【0042】実施例A15、比較例A6 LiPF6に代えて表2の配合比のLiBF4を使用する
以外は、実施例A8と同様に円筒型非水電解質電池を作
製した。
【0043】(評価)実施例A9〜A15及び比較例A
5〜A6の電池について、実施例A1と同様に保存特性
及びサイクル特性を評価した。これらの結果を表2に示
す。
【0044】
【表2】 電解質濃度(mol/l) 負極 60℃保存後 100サイクル LiC(CF3SO2)3 LiBF4 材料 放電容量 放電容量 維持率(%) 維持率(%) 実施例A9 0.3 0.7 *1 92.3 94.1 実施例A10 0.1 0.9 *1 92.0 94.2 実施例A11 0.5 0.5 *1 91.6 94.6 実施例A12 0.6 0.4 *1 91.0 95.0 実施例A13 0.7 0.3 *1 90.2 94.9 実施例A14 0.9 0.1 *1 89.3 94.4 比較例A5 − 1.0 *1 89.0 91.2 比較例A2 1.0 − *1 87.7 86.9 実施例A15 0.3 0.7 *2 90.1 91.5 比較例A6 − 1.0 *2 89.5 87.8 比較例A4 1.0 − *2 88.5 85.8 (注)*1 難黒鉛化炭素材料 *2 グラファイト
【0045】表2の結果から、電解質として、LiC
(CF3SO2)3とLiBF4との双方を使用することによ
り、これらのうちいずれか一方を使用した場合に比して
保存特性もサイクル特性も向上することがわかる。
【0046】また、LiC(CF3SO2)3とLiBF4
のモル比の好ましい範囲が10:90〜90:10であ
り、より好ましい範囲が10:90〜60:40である
ことがわかる。
【0047】実施例A16〜A21、比較例A7 LiPF6に代えて表3の配合比のLiAsF6を使用す
る以外は、実施例A1と同様に円筒型非水電解質電池を
作製した。
【0048】(評価)実施例A16〜A21及び比較例
A7の電池について、実施例A1と同様に保存特性及び
サイクル特性を評価した。これらの結果を表3に示す。
【0049】
【表3】 電解質濃度(mol/l) 負極 60℃保存後 100サイクル LiC(CF3SO2)3 LiAsF6 材料 放電容量 放電容量 維持率(%) 維持率(%) 実施例A16 0.3 0.7 *1 91.5 94.2 実施例A17 0.1 0.9 *1 90.9 93.7 実施例A18 0.5 0.5 *1 90.7 94.0 実施例A19 0.6 0.4 *1 90.0 93.7 実施例A20 0.7 0.3 *1 89.0 92.9 実施例A21 0.9 0.1 *1 88.4 91.8 比較例A7 − 1.0 *1 87.0 91.9 比較例A2 1.0 − *1 87.7 86.9 (注)*1 難黒鉛化炭素材料
【0050】表3の結果から、電解質として、LiC
(CF3SO2)3とLiAsF6との双方を使用することに
より、これらのうちいずれか一方を使用した場合に比し
て保存特性とサイクル特性とが向上することがわかる。
【0051】また、LiC(CF3SO2)3とLiAsF6
とのモル比の好ましい範囲が10:90〜90:10で
あり、より好ましい範囲が10:90〜60:40であ
ることがわかる。
【0052】実施例A22〜A27、比較例A8 LiPF6に代えて表4の配合比のLiClO4を使用す
る以外は、実施例A1と同様に円筒型非水電解質電池を
作製した。
【0053】(評価)実施例A22〜A27及び比較例
A8の電池について、実施例A1と同様に保存特性及び
サイクル特性を評価した。これらの結果を表4に示す。
【0054】
【表4】 電解質濃度(mol/l) 負極 60℃保存後 100サイクル LiC(CF3SO2)3 LiClO4 材料 放電容量 放電容量 維持率(%) 維持率(%) 実施例A22 0.3 0.7 *1 90.6 93.9 実施例A23 0.1 0.9 *1 90.1 93.6 実施例A24 0.5 0.5 *1 89.9 93.5 実施例A25 0.6 0.4 *1 89.3 93.0 実施例A26 0.7 0.3 *1 88.0 92.0 実施例A27 0.9 0.1 *1 87.4 91.5 比較例A8 − 1.0 *1 88.0 91.1 比較例A2 1.0 − *1 87.7 86.9 (注)*1 難黒鉛化炭素材料
【0055】表4の結果から、電解質として、LiC
(CF3SO2)3とLiClO4との双方を使用することに
より、これらのうちいずれか一方を使用した場合に比し
て保存特性とサイクル特性とが向上することがわかる。
【0056】また、LiC(CF3SO2)3とLiClO4
とのモル比の好ましい範囲が10:90〜90:10で
あり、より好ましい範囲が10:90〜60:40であ
ることがわかる。
【0057】実施例B1 非水電解液の電解質として、LiN(CF3SO2)20.
5mol/lとLiPF60.5mol/lとを使用す
る以外は実施例A1を繰り返し、円筒型非水電解液電池
を作製した。
【0058】この電池の保存特性とサイクル特性を上記
と同様にして求めた。この結果を表5に示す。
【0059】実施例B2 非水電解液の溶媒として、炭酸エチレン(EC)50容
量%と炭酸ジエチル50容量%との混合溶媒を使用し、
電解質としてLiN(CF3SO2)20.5mol/lと
LiPF60.5mol/lとを使用し、負極の構成材
料として、難黒鉛化炭素材料に代えてグラファイト(ロ
ンザ社製、KS−75:(002)面の面間隔=0.3
358nm)を使用した以外は実施例B1を繰り返し、
円筒型非水電解液電池を作製した。
【0060】この電池の保存特性とサイクル特性を上記
と同様にして求めた。この結果を表5に示す。
【0061】
【表5】 電解質濃度(mol/l) 負極 60℃保存後 100サイクル LiN(CF3SO2)2 LiPF6 材料 放電容量 放電容量 維持率(%) 維持率(%) 実施例B1 0.5 0.5 *1 92.2 94.3 比較例A1 − 1.0 *1 87.0 93.5 実施例B2 0.5 0.5 *2 92.9 93.0 比較例A3 − 1.0 *2 88.4 90.6 (注)*1 難黒鉛化炭素材料 *2 グラファイト
【0062】表5の結果から、電解質として、LiN
(CF3SO2)2とLiPF6との双方を使用することによ
り、LiPF6単独を使用した場合に比して保存特性も
サイクル特性も向上することがわかる。
【0063】実施例B3〜B6、比較例B1 非水電解液中の電解質の濃度を表6のようにする以外は
実施例B1を繰り返し、円筒型非水電解液電池を作製し
た。そして、これらの電池に対して、20℃、1Aの定
電流定電圧充電を上限電圧4.2Vまで行い、次に50
0mAの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行い、この
ときの放電容量を求めた。この結果を図2に示す。な
お、図2には、実施例B1の初期放電容量も併せて示し
た。
【0064】
【表6】
【0065】図2の結果から、電解質として、LiN
(CF3SO2)2単独を使用した場合(比較例B1)に
は、その酸化安定性が低いために放電容量を得られない
が、LiN(CF3SO2)2とLiPF6との双方を使用す
ることにより、大きな放電容量を得られることがわか
る。この場合、LiN(CF3SO2)2とLiPF6のモル
比を1:9〜9:1とすることが好ましく、特に1:9
〜8:2とすることが好ましいことがわかる。
【0066】実施例B7 非水電解液の電解質として、LiN(CF3SO2)20.
3mol/lとLiBF40.7mol/lとを使用す
る以外は実施例B1を繰り返し、円筒型非水電解液電池
を作製した。
【0067】この電池の保存特性とサイクル特性を上記
と同様にして求めた。この結果を表7に示す。
【0068】実施例B8 非水電解液の溶媒として、炭酸エチレン(EC)50容
量%と炭酸ジエチル50容量%との混合溶媒を使用し、
電解質としてLiN(CF3SO2)20.3mol/lと
LiBF40.7mol/lとを使用し、負極の構成材
料として、難黒鉛化炭素材料に代えてグラファイト(ロ
ンザ社製、KS−75:(002)面の面間隔=0.3
358nm)を使用した以外は実施例B1を繰り返し、
円筒型非水電解液電池を作製した。
【0069】この電池の保存特性とサイクル特性を上記
と同様にして求めた。この結果を表7に示す。
【0070】
【表7】 電解質濃度(mol/l) 負極 60℃保存後 100サイクル LiN(CF3SO2)2 LiBF4 材料 放電容量 放電容量 維持率(%) 維持率(%) 実施例B7 0.3 0.7 *1 92.8 93.8 比較例A5 − 1.0 *1 89.0 91.2 実施例B8 0.3 0.7 *2 92.9 91.5 比較例A6 − 1.0 *2 89.5 89.8 (注)*1 難黒鉛化炭素材料 *2 グラファイト
【0071】表7の結果から、電解質として、LiN
(CF3SO2)2とLiBF4との双方を使用することによ
り、LiBF4単独を使用した場合に比して保存特性も
サイクル特性も向上することがわかる。
【0072】実施例B9〜B15、比較例B1 非水電解液中の電解質の濃度を表8のようにする以外は
実施例B1を繰り返し、円筒型非水電解液電池を作製し
た。そして、これらの電池に対して、20℃、1Aの定
電流定電圧充電を上限電圧4.2Vまで行い、次に50
0mAの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行い、この
ときの放電容量を求めた。この結果を図3に示す。な
お、図3には、実施例B7の初期放電容量も併せて示し
た。
【0073】
【表8】
【0074】図3の結果から、電解質として、LiN
(CF3SO2)2単独を使用した場合(比較例B1)に
は、その酸化安定性が低いために放電容量を得られない
が、LiN(CF3SO2)2とLiBF4との双方を使用す
ることにより、大きな放電容量を得られることがわか
る。この場合、LiN(CF3SO2)2とLiBF4のモル
比を60:40以下とすることが好ましく、特に10:
90〜40:60とすることが好ましいことがわかる。
【0075】実施例B16 非水電解液の電解質として、LiN(CF3SO2)20.
3mol/lとLiClO40.7mol/lとを使用
する以外は実施例B1を繰り返し、円筒型非水電解液電
池を作製した。
【0076】この電池の保存特性とサイクル特性を上記
と同様にして求めた。この結果を表9に示す。
【0077】
【表9】 電解質濃度(mol/l) 負極 60℃保存後 100サイクル LiN(CF3SO2)2 LiClO4 材料 放電容量 放電容量 維持率(%) 維持率(%) 実施例B16 0.3 0.7 *1 87.0 91.5 比較例A8 − 1.0 *1 87.0 91.9 (注)*1 難黒鉛化炭素材料
【0078】表9の結果から、LiN(CF3SO2)
2は、LiClO4の特性を低下させずに併用することが
可能であることがわかる。
【0079】実施例B17〜B20、比較例B1 非水電解液中の電解質の濃度を表10のようにする以外
は実施例B1を繰り返し、円筒型非水電解液電池を作製
した。そして、これらの電池に対して、20℃、1Aの
定電流定電圧充電を上限電圧4.2Vまで行い、次に5
00mAの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行い、こ
のときの放電容量を求めた。この結果を図4に示す。な
お、図4には、実施例B16の初期放電容量も併せて示
した。
【0080】
【表10】
【0081】図4の結果から、電解質として、LiN
(CF3SO2)2単独を使用した場合(比較例B1)に
は、その酸化安定性が低いために放電容量を得られない
が、LiN(CF3SO2)2とLiClO4との双方を使用
することにより、大きな放電容量を得られることがわか
る。この場合、LiN(CF3SO2)2とLiClO4のモ
ル比を60:40以下とすることが好ましいことがわか
る。
【0082】実施例B21 非水電解液の電解質として、LiN(CF3SO2)20.
3mol/lとLiAsF60.7mol/lとを使用
する以外は実施例B1を繰り返し、円筒型非水電解液電
池を作製した。
【0083】この電池の保存特性とサイクル特性を上記
と同様にして求めた。この結果を表11に示す。
【0084】
【表11】 電解質濃度(mol/l) 負極 60℃保存後 100サイクル LiN(CF3SO2)2 LiAsF6 材料 放電容量 放電容量 維持率(%) 維持率(%) 実施例B21 0.3 0.7 *1 87.6 91.2 比較例A7 − 1.0 *1 87.0 91.9 (注)*1 難黒鉛化炭素材料
【0085】表11の結果から、LiN(CF3SO2)2
は、LiAsF6の特性を低下させずに併用することが
可能であることがわかる。
【0086】実施例B22〜B25、比較例B1 非水電解液中の電解質の濃度を表12のようにする以外
は実施例B1を繰り返し、円筒型非水電解液電池を作製
した。そして、これらの電池に対して、20℃、1Aの
定電流定電圧充電を上限電圧4.2Vまで行い、次に5
00mAの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行い、こ
のときの放電容量を求めた。この結果を図5に示す。な
お、図5には、実施例B21の初期放電容量も併せて示
した。
【0087】
【表12】
【0088】図5の結果から、電解質として、LiN
(CF3SO2)2単独を使用した場合(比較例B1)に
は、その酸化安定性が低いために放電容量を得られない
が、LiN(CF3SO2)2とLiAsF6との双方を使用
することにより、大きな放電容量を得られることがわか
る。この場合、LiN(CF3SO2)2とLiAsF6のモ
ル比を60:40以下とすることが好ましいことがわか
る。
【0089】実施例C1 非水電解液の電解質として、LiCF3SO30.3mo
l/lとLiPF60.7mol/lとを使用する以外
は実施例A1を繰り返し、円筒型非水電解液電池を作製
した。
【0090】この電池の保存特性とサイクル特性を上記
と同様にして求めた。この結果を表13に示す。
【0091】実施例C2 非水電解液の溶媒として、炭酸エチレン(EC)50容
量%と炭酸ジエチル50容量%との混合溶媒を使用し、
電解質としてLiCF3SO30.3mol/lとLiP
60.7mol/lとを使用し、負極の構成材料とし
て、難黒鉛化炭素材料に代えてグラファイト(ロンザ社
製、KS−75:(002)面の面間隔=0.3358
nm)を使用した以外は実施例C1を繰り返し、円筒型
非水電解液電池を作製した。
【0092】この電池の保存特性とサイクル特性を上記
と同様にして求めた。この結果を表13に示す。
【0093】
【表13】 電解質濃度(mol/l) 負極 60℃保存後 100サイクル LiCF3SO3 LiPF6 材料 放電容量 放電容量 維持率(%) 維持率(%) 実施例C1 0.3 0.7 *1 92.0 94.0 比較例A1 − 1.0 *1 87.0 93.5 実施例C2 0.3 0.7 *2 92.2 91.6 比較例A3 − 1.0 *2 88.4 90.6 (注)*1 難黒鉛化炭素材料 *2 グラファイト
【0094】表13の結果から、電解質として、LiC
3SO3とLiPF6との双方を使用することにより、
LiPF6単独を使用した場合に比して保存特性もサイ
クル特性も向上することがわかる。
【0095】実施例C3〜C7、比較例A1 非水電解液中の電解質の濃度を表14のようにする以外
は実施例C1を繰り返し、円筒型非水電解液電池を作製
した。そして、これらの電池に対して、20℃、1Aの
定電流定電圧充電を上限電圧4.2Vまで行い、次に5
00mAの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行い、こ
のときの放電容量を求めた。この結果を図6に示す。な
お、図6には、実施例C8の初期放電容量も併せて示し
た。
【0096】
【表14】
【0097】図6の結果から、電解質として、LiCF
3SO3単独を使用した場合(比較例C1には、その酸化
安定性が低いために放電容量を得られないが、LiCF
3SO3とLiPF6との双方を使用することにより、大
きな放電容量を得られることがわかる。この場合、Li
CF3SO3とLiPF6のモル比を70:30〜10:
90をすることが好ましく、特に50:50〜10:9
0とすることが好ましいことがわかる。
【0098】実施例C8 非水電解液の電解質として、LiCF3SO30.3mo
l/lとLiBF40.7mol/lとを使用する以外
は実施例C1を繰り返し、円筒型非水電解液電池を作製
した。
【0099】この電池の保存特性とサイクル特性を上記
と同様にして求めた。この結果を表15に示す。
【0100】
【表15】 電解質濃度(mol/l) 負極 60℃保存後 100サイクル LiCF3SO3 LiBF4 材料 放電容量 放電容量 維持率(%) 維持率(%) 実施例C8 0.3 0.7 *1 92.1 93.7 比較例A5 − 1.0 *1 89.0 91.2 (注)*1 難黒鉛化炭素材料
【0101】表15の結果から、電解質として、LiC
3SO3とLiBF4との双方を使用することにより、
LiBF4単独を使用した場合に比して保存特性もサイ
クル特性も向上することがわかる。
【0102】実施例C9〜C13、比較例C1 非水電解液中の電解質の濃度を表16のようにする以外
は実施例C1を繰り返し、円筒型非水電解液電池を作製
した。そして、これらの電池に対して、20℃、1Aの
定電流定電圧充電を上限電圧4.2Vまで行い、次に5
00mAの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行い、こ
のときの放電容量を求めた。この結果を図7に示す。な
お、図7には、実施例C8の初期放電容量も併せて示し
た。
【0103】
【表16】
【0104】図7の結果から、電解質として、LiCF
3SO3単独を使用した場合(比較例C1)には、その酸
化安定性が低いために放電容量を得られないが、LiC
3SO3とLiBF4との双方を使用することにより、
大きな放電容量を得られることがわかる。この場合、L
iCF3SO3とLiBF4のモル比を60:40〜1
0:90以下とすることが好ましく、特に40:60〜
10:90とすることが好ましいことがわかる。
【0105】実施例C14 非水電解液の電解質として、LiCF3SO30.3mo
l/lとLiClO40.7mol/lとを使用する以
外は実施例C1を繰り返し、円筒型非水電解液電池を作
製した。
【0106】この電池の保存特性とサイクル特性を上記
と同様にして求めた。この結果を表17に示す。
【0107】
【表17】 電解質濃度(mol/l) 負極 60℃保存後 100サイクル LiCF3SO3 LiClO4 材料 放電容量 放電容量 維持率(%) 維持率(%) 実施例C14 0.3 0.7 *1 87.1 91.4 比較例A8 − 1.0 *1 86.0 91.1 (注)*1 難黒鉛化炭素材料
【0108】表17の結果から、LiCF3SO3は、L
iClO4の特性を低下させずに併用することが可能で
あることがわかる。
【0109】実施例C15〜C18、比較例C1 非水電解液中の電解質の濃度を表18のようにする以外
は実施例B1を繰り返し、円筒型非水電解液電池を作製
した。そして、これらの電池に対して、20℃、1Aの
定電流定電圧充電を上限電圧4.2Vまで行い、次に5
00mAの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行い、こ
のときの放電容量を求めた。この結果を図8に示す。な
お、図8には、実施例C14の初期放電容量も併せて示
した。
【0110】
【表18】
【0111】図8の結果から、電解質として、LiCF
3SO3単独を使用した場合(比較例C1)には、その酸
化安定性が低いために放電容量を得られないが、LiC
3SO3とLiClO4との双方を使用することによ
り、大きな放電容量を得られることがわかる。この場
合、LiCF3SO3とLiClO4のモル比を60:4
0以下とすることが好ましいことがわかる。
【0112】実施例C19 非水電解液の電解質として、LiCF3SO30.3mo
l/lとLiAsF60.7mol/lとを使用する以
外は実施例C1を繰り返し、円筒型非水電解液電池を作
製した。
【0113】この電池の保存特性とサイクル特性を上記
と同様にして求めた。この結果を表19に示す。
【0114】
【表19】 電解質濃度(mol/l) 負極 60℃保存後 100サイクル LiN(CF3SO2)2 LiAsF6 材料 放電容量 放電容量 維持率(%) 維持率(%) 実施例C19 0.3 0.7 *1 87.7 92.2 比較例A7 − 1.0 *1 87.0 91.9 (注)*1 難黒鉛化炭素材料
【0115】表19の結果から、LiCF3SO3は、L
iAsF6の特性を低下させずに併用することが可能で
あることがわかる。
【0116】実施例C20〜C23、比較例C1 非水電解液中の電解質の濃度を表20のようにする以外
は実施例C1を繰り返し、円筒型非水電解液電池を作製
した。そして、これらの電池に対して、20℃、1Aの
定電流定電圧充電を上限電圧4.2Vまで行い、次に5
00mAの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行い、こ
のときの放電容量を求めた。この結果を図9に示す。な
お、図9には、実施例C19の初期放電容量も併せて示
した。
【0117】
【表20】
【0118】図9の結果から、電解質として、LiCF
3SO3単独を使用した場合(比較例C1)には、その酸
化安定性が低いために放電容量を得られないが、LiC
3SO3とLiAsF6との双方を使用することによ
り、大きな放電容量を得られることがわかる。この場
合、LiCF3SO3とLiAsF6のモル比を60:4
0以下とすることが好ましいことがわかる。
【0119】
【発明の効果】本発明の非水電解液電池によれば、電解
質としてLiC(CF3SO2)3、LiN(CF3SO2)2
はLiCF3SO3と、LiPF6、LiBF4、LiCl
4又はLiAsF6とを併用するので、電池の保存安定
性やサイクル特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の電池の断面図である。
【図2】電解質としてLiN(CF3SO2)2とLiPF6
とを併用した場合の、電解液中のLiN(CF3SO2)2
濃度と電池の初期放電容量との関係図である。
【図3】電解質としてLiN(CF3SO2)2とLiBF4
とを併用した場合の、電解液中のLiN(CF3SO2)2
濃度と電池の初期放電容量との関係図である。
【図4】電解質としてLiN(CF3SO2)2とLiCl
4とを併用した場合の、電解液中のLiN(CF3
2)2濃度と電池の初期放電容量との関係図である。
【図5】電解質としてLiN(CF3SO2)2とLiAs
6とを併用した場合の、電解液中のLiN(CF3
2)2濃度と電池の初期放電容量との関係図である。
【図6】電解質としてLiCF3SO3とLiPF6とを
併用した場合の、電解液中のLiCF3SO3濃度と電池
の初期放電容量との関係図である。
【図7】電解質としてLiCF3SO3とLiBF4とを
併用した場合の、電解液中のLiCF3SO3濃度と電池
の初期放電容量との関係図である。
【図8】電解質としてLiCF3SO3とLiClO4
を併用した場合の、電解液中のLiCF3SO3濃度と電
池の初期放電容量との関係図である。
【図9】電解質としてLiCF3SO3とLiAsF6
を併用した場合の、電解液中のLiCF3SO3濃度と電
池の初期放電容量との関係図である。
【符号の説明】
1…負極 2…正極 3…セパレータ 4…絶縁板 5
… 電池缶 6…絶縁封口ガスケット 7…電池蓋 8
…電流遮断用薄板 9…負極集電体 10…正極集電体
11…負極リード 12…正極リード

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム、リチウム合金又はリチウムを
    ドープ、脱ドープできる材料からなる負極と、正極と、
    非水溶媒に電解質が溶解した非水電解液とを備える非水
    電解液電池において、電解質が、LiC(R1SO2)(R2
    SO2)(R3SO2)、LiN(R4SO2)(R5SO2)又はL
    iR6SO3{ここで、R1、R2、R3、R4、R5及びR6
    はそれぞれ独立的にCnX2n+1(nは1〜8の数であり、
    Xは水素原子又はハロゲン原子である。)である。}
    と、LiPF6、LiBF4、LiClO4又はLiAs
    6とを含有することを特徴とする非水電解液電池。
  2. 【請求項2】 電解質が、LiC(CF3SO2)3、Li
    N(CF3SO2)2又はLiCF3SO3と、LiPF6、L
    iBF4、LiClO4又はLiAsF6とを含有する請
    求項1記載の非水電解液電池。
  3. 【請求項3】 電解質が、LiC(CF3SO2)3と、L
    iPF6、LiBF4、LiClO4又はLiAsF6とを
    含有する請求項2記載の非水電解液電池。
  4. 【請求項4】 LiC(CF3SO2)3とLiPF6とのモ
    ル比が、1:9〜9:1である請求項3記載の非水電解
    液電池。
  5. 【請求項5】 LiC(CF3SO2)3とLiPF6とのモ
    ル比が、3:7〜7:3である請求項4記載の非水電解
    液電池。
  6. 【請求項6】 LiC(CF3SO2)3とLiBF4とのモ
    ル比が、90:10〜10:90である請求項3記載の
    非水電解液電池。
  7. 【請求項7】 LiC(CF3SO2)3とLiBF4とのモ
    ル比が、60:40〜10:90である請求項6記載の
    非水電解液電池。
  8. 【請求項8】 LiC(CF3SO2)3とLiClO4との
    モル比が、90:10〜10:90である請求項3記載
    の非水電解液電池。
  9. 【請求項9】 LiC(CF3SO2)3とLiClO4との
    モル比が、60:40〜10:90である請求項8記載
    の非水電解液電池。
  10. 【請求項10】 LiC(CF3SO2)3とLiAsF6
    のモル比が、90:10〜10:90である請求項3記
    載の非水電解液電池。
  11. 【請求項11】 LiC(CF3SO23とLiAsF6
    とのモル比が、60:40〜10:90である請求項1
    0記載の非水電解液電池。
  12. 【請求項12】 リチウムをドープ、脱ドープできる負
    極の材料が、炭素質材料からなる請求項3〜11のいず
    れかに記載の非水電解液電池。
  13. 【請求項13】 正極活物質が、LixMO2(式中、M
    は1種以上の遷移金属を表し、0.05≦x≦1.10
    である。)を含有する請求項3〜12のいずれかに記載
    の非水電解液電池。
  14. 【請求項14】 電解質が、LiN(CF3SO2)2と、
    LiPF6、LiBF4、LiClO4又はLiAsF6
    を含有する請求項1記載の非水電解液電池。
  15. 【請求項15】 LiN(CF3SO2)2とLiPF6との
    モル比が、1:9〜9:1である請求項14記載の非水
    電解液電池。
  16. 【請求項16】 LiN(CF3SO2)2とLiPF6との
    モル比が、1:9〜8:2である請求項15記載の非水
    電解液電池。
  17. 【請求項17】 LiN(CF3SO2)2とLiBF4との
    モル比が、60:40〜5:95である請求項14記載
    の非水電解液電池。
  18. 【請求項18】 LiN(CF3SO2)2とLiBF4との
    モル比が、40:60〜10:90である請求項17記
    載の非水電解液電池。
  19. 【請求項19】 LiN(CF3SO2)2とLiClO4
    のモル比が、60:40〜10:90である請求項14
    記載の非水電解液電池。
  20. 【請求項20】 LiN(CF3SO2)2とLiAsF6
    のモル比が、60:40〜10:90である請求項14
    記載の非水電解液電池。
  21. 【請求項21】 リチウムをドープ、脱ドープできる負
    極の材料が、炭素質材料からなる請求項14〜20のい
    ずれかに記載の非水電解液電池。
  22. 【請求項22】 正極活物質が、LixMO2(式中、M
    は1種以上の遷移金属を表し、0.05≦x≦1.10
    である。)を含有する請求項14〜21のいずれかに記
    載の非水電解液電池。
  23. 【請求項23】 電解質が、LiCF3SO3と、LiP
    6、LiBF4、LiClO4又はLiAsF6とを含有
    することを特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
  24. 【請求項24】 LiCF3SO3とLiPF6とのモル
    比が、70:30〜10:90である請求項23記載の
    非水電解液電池。
  25. 【請求項25】 LiCF3SO3とLiPF6とのモル
    比が、50:50〜10:90である請求項24記載の
    非水電解液電池。
  26. 【請求項26】 LiCF3SO3とLiBF4とのモル
    比が、60:40〜10:90である請求項23記載の
    非水電解液電池。
  27. 【請求項27】 LiCF3SO3とLiBF4とのモル
    比が、40:60〜10:90である請求項26記載の
    非水電解液電池。
  28. 【請求項28】 LiCF3SO3とLiClO4とのモ
    ル比が、60:40〜10:90である請求項23記載
    の非水電解液電池。
  29. 【請求項29】 LiCF3SO3とLiAsF6とのモ
    ル比が、60:40〜10:90である請求項23記載
    の非水電解液電池。
  30. 【請求項30】 リチウムをドープ、脱ドープできる負
    極の材料が、炭素質材料からなる請求項23〜29のい
    ずれかに記載の非水電解液電池。
  31. 【請求項31】 正極活物質が、LixMO2(式中、M
    は1種以上の遷移金属を表し、0.05≦x≦1.10
    である。)を含有する請求項23〜30のいずれかに記
    載の非水電解液電池。
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