JP3663694B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、非水電解液二次電池に関し、より詳しくは、特定の非水溶媒を使用することによりサイクル特性を向上させた非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のカメラー体型VTR、電話、ラップトップコンピューター等の電子機器の小型軽量化、ポータブル化に伴い、これら電子機器の供給電源となる二次電池に対しても軽量、かつ高容量であることがますます求められるようになっている。
【0003】
二次電池としては、従来より用いられている鉛二次電池やニッケル・カドミウム二次電池、最近提案された非水電解液二次電池リチウムイオン二次電池)が挙げられるが、なかでも非水電解液二次電池は、軽量で高エネルギー密度が得られる、高電圧が発生できる、安全性が高い、無公害である等の利点を有し、さらなる特性の改善を図るべく、活発に研究開発が進められている。
【0004】
上記非水電解液二次電池は、基本的には、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な負極と、正極、及び非水溶媒に電解質としてリチウム塩が溶解されてなる非水電解液とを備えて構成される。
【0005】
このうち、正極活物質としては、例えばリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。
【0006】
また、負極活物質としては、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料が挙げられる。炭素材料は、電池のサイクル特性を改善させられる負極材料として期待されており、なかでも特に黒鉛材料は、単位体積当たりのエネルギー密度を向上させられる材料として期待されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上のような非水電解液二次電池では、正極、負極の特性も勿論重要であるが、良好な特性を得るためには、リチウムイオンの移送を担う非水電解液の特性も重要である。
【0008】
この非水電解液を構成する非水溶媒としては、通常、電解質の溶解能力の高い高誘電率溶媒と、電解質イオンの移送能力の高い低粘度溶媒が組み合わせて用いられる。例えぱ高誘電率溶媒となるプロピレンカーボネート(PC)と、低粘度溶媒となる1,2−ジメトキシメタン(DME)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)等を混合してなるPC系電解液は、高い導電率が得られ、電池のサイクル特性を向上できる点から、従来より汎用されている。
【0009】
しかしながら、PC系電解液は、これまでに提案されている他の溶媒よりは優れているものの、近年要求されている特性を非水電解液に付与するという観点から見ると、十分満足のいくものとは言えない。
【0010】
また、黒鉛材料を負極として使用した非水電解液二次電池の場合は、プロピレンカーボネートを多く含む電解液を用いると、溶媒として使用しているプロピレンカーボネートが分解してしまうため、特性が悪化するという問題がある。
【0011】
この点に関しては、プロピレンカーボネートの代わりにエチレンカーボネート(EC)等の分解しにくい溶媒を用いることによって、電解液の分解が抑制され、非水電解液二次電池として使用可能となることが、我々のこれまでの検討でもわかっている。
【0012】
しかしながら、エチレンカーボネートを電解液用の溶媒として使用した非水電解液二次電池は、詳細な原因は不明であるが、サイクル特性が悪くなるという問題がある。
【0013】
本発明は、このような従来技術の課題を解決しようとするものであり、エネルギー密度が高く、サイクル特性に優れた非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するために種々の検討を重ねた結果、電解液用非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)を含み、特にPCを10容量%未満、具体的には4〜9容量%の割合で含む溶媒を使用することで、常温での容量低下を抑え、サイクル特性をも向上させることができることを見いだし、この発明を完成させるに至った。
【0015】
本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであり、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料からなる負極と、正極と、非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液とを備える非水電解液二次電池において、負極は、(002)面の面間隔が0.340nm以下の炭素材料を含む負極合剤が負極集電体上に設けられてなり、正極は、LiCoO2を含む正極合剤が正極集電体上に設けられてなり、非水溶媒は、エチレンカーボネート31〜36容量%とプロピレンカーボネート4〜9容量%とを合わせた混合溶媒と、ジメチルカーボネートとを含み、混合溶媒は、非水溶媒全体に対して40容量%であることを特徴とするものである。
【0016】
本発明は、リチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料よりなる負極と、正極と、非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液とを備える非水電解液二次電池に適用される。
【0017】
本発明では、このような非水電解液二次電池においてよく使用されるエチレンカーボネート(以下、単にECという。)に、プロピレンカーボネート(以下、単にPCという。)を混合して使用することとする。
【0018】
ECとPCを混合して使用することにより、−20℃以下の低温下における放電容量の低下が小さくなるという報告はあるが(特開平6−84542号参照)、この報告では混合するPCの比を10〜30重量%としている。
【0019】
本発明者らの試験では、この混合比では、PCと負極材との反応により分解ガスが発生することに起因して、常温下での放電容量の低下が避けられないことがわかった。
【0020】
本発明者らの検討では、PCの混合比を4〜9容量%とすることにより、非水電解液二次電池のサイクル特性を向上させることができるだけでなく、常温下での放電容量の低下を間題ない程度に抑えられることがわかった。
【0021】
なお、非水溶媒としては、ECとPCを混合して使用していればよく、ECとPCのみで用いてもよいが、例えば低粘度溶媒である1,2−ジメトキシメタン(DME)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)等と混合して用いることができる。なかでも、DMC、MEC、DEC等の鎖状炭酸エステルとの混合がより好ましい。
【0022】
また、上記の非水溶媒に溶解させる電解質は、特に限定されず、従来の非水電解液二次電池で用いられているものがいずれも使用できる。例えばLiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2等が使用でき、このうち特にLiPF6、LiBF4を使用することが好ましい。
【0023】
一方、上記非水電解液と組み合わせて用いられる正極、負極としては、やはり通常この種の非水電解液二次電池で用いられるものが使用される。
【0024】
まず、正極活物質としては、電池容量を向上させ、エネルギー密度を高めるという点から、リチウムと1種以上の遷移金属を含有する複合酸化物を主体とする活物質を使用することが好ましい。例えば、LixMO2(式中、Mは1種以上の遷移金属を表し、xは電池の充放電状態により異なり、通常0.05≦x≦1.10である)で表されるものが適している。この場合、特に遷移金属Mとしては、Co、Ni、Mnの少なくとも1種であることが好ましい。ここで、遷移金属MがMnである場合、LixMnO2、LixMn204のいずれも使用することができる。
【0025】
次に、負極活物質としては、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料を使用することとする。このうち特に、(002)面の面間隔が0.340nm以下である炭素材料がより好ましい。さらに好ましくは、C軸方向の結晶子厚みが16.0nm以上、ラマンスペクトルにおけるG値が2.5以上、真密度が2.1g/m3以上の結晶構造パラメーターを有する黒鉛材料である。
【0026】
なお、ここでG値とは、ラマンスペクトルにおいて、炭素材料の黒鉛構造に由来するシグナル強度と非晶質構造に由来するシグナル強度との比を表すものであり、ミクロな結晶構造欠陥の指標となるものである。
【0027】
なお、このような活物質から電極を形成するに際しては、公知の導電材や結着材等を添加することができる。
【0028】
以上のような正極活物質、負極活物質は、電池形状に応じた各種形態で正極、負極となされる。
【0029】
例えば、コイン型の電池の場合では、上記正極活物質を導電材、結着材と混練し、この混練物を円盤状に圧縮成型したものが正極として用いられ、上記負極活物質を結着材と混練し、この混練物をやはり円盤状に圧縮成型したものが負極として用いられる。ここで、活物質と混練する結着材、導電材としては、従来公知のものがいずれも使用可能である。
【0030】
なお、電池の形状は、コイン型に限らず、円筒型、角型、ボタン型等の種々の形状を採用することができ、大型、小型を問わない。この場合、正極、負極の態様をそれぞれの形状、大きさ等に応じて変更すればよい。
【0031】
いずれにしても、本発明の非水電解液二次電池においては、非水電解液溶媒としてエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートを含む溶媒を用い、またプロピレンカーボネートの量を適正な範囲に抑えているので、特にグラファイト負極を用いた非水電解液二次電池のサイクル特性が改善される。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を適用した実施例について、具体的な実験結果に基づいて説明する。
【0033】
作製した電池の構造
後述の各実施例、比較例において作製した電池の構造を図1に示す。
【0034】
この電池は、負極集電体9に負極活物質を塗布してなる負極1と、正極集電体10に正極活物質を塗布してなる正極2とを、セパレーター3を介して巻回し、巻回体の上下に絶縁体4を載置した状態で電池缶5に収納してなるものである。
【0035】
上記電池缶5には、電池蓋7が封ロガスケット6を介してかしめることによって取り付けられ、それぞれ負極リード11及び正極リード12を介して負極1あるいは正極2と電気的に接続され、電池の負極あるいは正極として機能するように構成されている。
【0036】
負極1は以下のように作製した。
【0037】
負極活物質である黒鉛粉末(ロンザ社製、商品名KS‐75)を90重量部、結着材となるボリフッ化ビニリデンを10重量部の割合で混合して負極合剤を作製し、これをN−メチル−ピロリドンに分散させてスラリー状としたものを負極集電体9である厚さl0μmの帯状の銅箔の両面に均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成型し、負極1とした。
【0038】
上記黒鉛粉末(商品名KS‐75)は、(002)面間隔が0.3358nm、C軸結晶子厚みが25.4nm、ラマンスペクトルにおけるG値が8.82、真密度が2.23g/m3なる結晶構造パラメーターを有し、平均粒径が28.4μmである。
【0039】
一方、正極2は以下のように作製した。
【0040】
正極活物質には、炭酸リチウムと炭酸コバルトを0.5mol:1.0molの比で混合し、空気中で900℃、5時間焼成して得たLiCoO2を用い、これを91重量部、導電剤としてグラファイトを6重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを3重量部の割合で混合して正極合剤を作製し、さらにN−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状としたものを正極集電体10である厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成型し、正極2とした。
【0041】
この帯状の正極2、負極1及び厚さ25μmの微孔性ポリプロピレンフィルムからなるセパレーター3を順次積層し、これを渦巻き型に多数回巻回することにより巻回体を作製した。
【0042】
次に、ニッケルメッキを施した鉄製の電池缶5の底部に絶縁体4を挿入し、上記巻回体を収納した。そして、負極の集電をとるために、ニッケル製の負極リード11の一端を負極1に圧着し、他端を電池缶5に溶接した。また、正極の集電をとるためにアルミニウム製の正極リード12の一端を正極2に取り付け、他端を電池電圧に応じて電流を遮断する電流遮断用薄板8を介して電池蓋7と電気的に接続した。
【0043】
そして、この電池缶5の中に電解液を注入し、アスファルトを塗布した絶縁封ロガスケット6を介して、電池缶5をかしめる事で電池蓋7を固定し、直径18mm、高さ65mmの円筒型非水電解液二次電池を作製した。
【0044】
実施例1〜6、比較例1〜4
下記の表1に示すような割合でEC、PC、DMCを混合した混合溶媒に電解質としてLiPF6を1モル/lの濃度で溶解させて電解液を調製し、これを上述のようにして作製した円筒型非水電解液二次電池に注入した。
【0045】
【表1】
【0046】
電池特性の評価
実施例1〜6及び比較例1〜4の非水電解液二次電池について、次のようにサイクル特性を評価した。
【0047】
先ず、23℃で上限電圧を4.2Vに設定して1Aで3時間定電流定電圧充電し、続いて0.7Aの定電流で終止電圧2.75Vまで放電を行って1サイクルとして、このような充放電を100サイクル繰り返し、
100サイクル目の容量/2サイクル目の容置×100=容量維持率(%)
としてサイクル特性を調べ、初期容量と容量維持率の結果を表2に示した。また、この結果を図面にしたものが図2である。
【0048】
【表2】
【0049】
この結果から、PCを混合していない比較例1と比較して、実施例1〜6の非水電解液二次電池は、100サイクル目の容量維持率が高く、優れたサイクル特性を示すことがわかった。
【0050】
また、PCを9容量%より多い割合で混合した比較例4と比較して、PCを9容量%以下の割合で混合した実施例1〜6の非水電解液二次電池は、PCを混合していない比較例1とほとんど変わらない初期容量を示すことがわかった。
【0051】
すなわち、PCを混合するとサイクル特性を向上させることが可能であるが、PCの混合比率を9容量%より多くすると初期容量が低下してしまうため、混合比率を9容量%以下にすることにより、初期容量を低下させずにサイクル特性を向上させられるようになる。容量維持率の点から考慮すると、PCの混合比率を4容量%以上、9容量%以下にすることが好ましいと言える。
【0052】
一方、電解液を構成する非水溶媒に占めるECの割合による導電率の変化を測定した。結果を図3に示す。
【0053】
この図3から明らかなように、ECの割合を30〜50容量%にしたときに、高い導電率が得られている。したがって、ECとPCを単独で用いるよりもDMC等の低粘度溶媒と組み合わせて用いることが好ましく、しかもそのときのECとPCの量は、導電率の点から合わせて30〜50容量%とするのが好ましいと言える。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明の非水電解液二次電池は、電解液の非水溶媒としてエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートを含み、特にプロピレンカーボネートを4〜9容量%の割合で含むので、初期容量を確保しつつサイクル特性を大幅に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】作製した非水電解液二次電池の構成を示す概略断面図である。
【図2】PCの割合による容量維持率、初期容量の変化を示す特性図である。
【図3】ECの割合による導電率の変化を示す特性図である。
【符号の説明】
1 負極
2 正極
3 セパレータ
Claims (1)
- リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料からなる負極と、正極と、非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液とを備える非水電解液二次電池において、
上記負極は、(002)面の面間隔が0.340nm以下の上記炭素材料を含む負極合剤が負極集電体上に設けられてなり、
上記正極は、LiCoO2を含む正極合剤が正極集電体上に設けられてなり、
上記非水溶媒は、エチレンカーボネート31〜36容量%とプロピレンカーボネート4〜9容量%とを合わせた混合溶媒と、ジメチルカーボネートとを含み、
上記混合溶媒は、上記非水溶媒全体に対して40容量%であることを特徴とする非水電解液二次電池。
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| JP27800495A JP3663694B2 (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 非水電解液二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP27800495A JP3663694B2 (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 非水電解液二次電池 |
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| JP27800495A Expired - Fee Related JP3663694B2 (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 非水電解液二次電池 |
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1995
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