JP3692547B2 - 充電方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電池電圧の高い非水電解液二次電池に適用される充電方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子技術の進歩により電子機器の高性能化,小型化,ポータブル化が進み、これら電子機器に使用される二次電池に対しても高いエネルギー密度を有することが強く要求されるようになっている。
【0003】
従来よりこれら電子機器に使用されている二次電池としては、ニッケル・カドミウム電池や鉛電池等の水溶液系二次電池が挙げられる。しかし、水溶液系二次電池では、放電電位が低く、高エネルギー密度化への要求には十分に応えられない。
【0004】
そこで、最近、金属リチウムやリチウム合金を負極とするリチウム二次電池、さらには炭素材料の如きリチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な材料を負極とし、リチウムコバルト酸化物,リチウムニッケル酸化物等のリチウム複合酸化物を正極とするリチウムイオン二次電池の研究開発が盛んに行われている。
【0005】
これらリチウム二次電池,リチウムイオン二次電池は、電解液として非水電解液を用いることから非水電解液二次電池と総称され、電池電圧が高く、高エネルギー密度を有し、自己放電も少ないといった二次電池として非常に優れた特性を有している。このため、8m/mVTR、CDプレーヤ、ラップトップ・コンピュータ、セルラーテレフォン等のポータブル用電子機器の電源として提案され、大いに期待される二次電池である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記非水電解液二次電池への充電には、定電流で規定充電電圧まで充電し、さらにその規定充電電圧を保持しつつ、充電を行う定電圧・定電流充電方式が標準的な方式として採用されており、特に定電圧制御はいかなる充電に際しても必須とされている。
【0007】
一方、上記非水電解液二次電池は、電池電圧が4.2V程度と高いことから、上述の定電圧・定電流方式で充電が行われるに際して、規定充電電圧がそれに合わせて高い値に設定される。したがって、充電に要する大部分の時間、高い電圧で保持されることになる。
【0008】
ところが、上記非水電解液二次電池において溶媒として使用されている炭酸プロピレンやジメトキシエタン等は、高い電圧で長時間保持されると分解し、電池の性能に悪影響を及ぼす。それが原因して電池のサイクル特性が劣化するといった問題が生じてしまう。特に、このようなサイクル特性の劣化は、急速充電を行うべく充電電流を大きくしたり、充電を高温雰囲気下で行った場合に顕著であり、ユーザが最近大きく要求するところの急速充電性の向上等に応えるためにも改善が求められる。
【0009】
このため、電池側の充電性を改善する手法として、リチウムイオン二次電池の非水溶媒に炭酸プロピレンと炭酸ジエチルとの混合溶媒を用いることが、特開平4−184872号公報に提案されている。すなわち、リチウムイオン二次電池の非水溶媒として炭酸プロピレンと炭酸ジエチルとの混合溶媒を用いると、45℃程度の温度環境であれば、上記定電圧・定電流方式の充電が良好な状態で行われる。
【0010】
しかしながら、上記混合溶媒を用いた場合でも、充電を60℃以上のさらに高温の環境下で行ったり、充電電流をさらに大きくすると、やはり正極活物質上で電解液が分解したり正極活物質そのものの結晶が破壊して電池性能が劣化し、充電性の十分な改善には至らない。
【0011】
現状では、この他の方法で、上述の充電に伴う電池のサイクル劣化を解消する効果的な方法は見い出されておらず、非水電解液二次電池の長所を活かす上で早急な対策が切望されている。
【0012】
そこで、本発明はこのような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、規定充電電圧を高く設定した場合でも、良好なサイクル特性が得られ、高い電池電圧で使用される非水電解液二次電池に適用して好適な充電方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、充電に伴う電池のサイクル劣化は、充電中に電池が高い電圧で保持されている時間が長い程顕著になり、逆にこの時間が短ければ、規定充電電圧を高く設定した場合でも、電池の性能が良好に維持され、サイクル劣化が抑えられるとの知見を得るに至った。
【0014】
本発明の充電方法は、このような知見に基づいて完成したものであって、LiMO(但し、Mは1種以上の遷移金属を表し、xは0.05≦x≦ . 10である)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物よりなる正極活物質が正極集電体両面に塗布されてなる正極と、リチウムのドープ・脱ドープが可能な材料よりなる負極活物質が負極集電体両面に塗布されてなる負極と、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネートを含有する 非水電解液を備えてなる非水電解液二次電池に充電を行うに際して、初めに 1000mA以上の 定電流で規定充電電圧まで充電を行った後、充電電流を逐次低減させながら段階的に充電を行うことを特徴とする。
【0015】
本発明の充電方法は、Lix MO2 (但し、Mは1種以上の遷移金属を表し、xは0.05≦x≦1.10である)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物よりなる正極と、リチウムのドープ・脱ドープが可能な材料よりなる負極と、非水電解液を備えてなるリチウムイオン二次電池を対象に充電を行う方法である。
【0016】
このようなリチウムイオン二次電池は、電池電圧が高いため、充電の規定充電電圧をそれに合わせて高く設定する必要がある。しかし、この電池は、充電に際して長時間高い電圧で保持されると、正極活物質上で電解液が分解したり、正極活物質そのものが結晶破壊し、電池性能が劣化する。このような電池性能の劣化は、充電電流が大きくなる程、また充電環境の温度が高くなる程促進される。
【0017】
充電電流を大きくした場合に劣化が促進されるのは、充電電流を大きくすると充電開始から規定充電電圧に到達するまでの時間が短くなり、その分電池の規定充電電圧で保持されている時間が長くなるからと考えられる。一方、充電環境の温度が高い場合に劣化が促進されるのは、温度が高いと正極活物質上での電解液の分解が助長されるからである。
【0018】
そこで、本発明では、このような充電に伴う電池性能の劣化を防止し、サイクル特性の向上を図るために、初めに定電流で規定充電電圧まで充電を行った後、充電電流を逐次低減させながら段階的に充電を行うこととする。
【0019】
すなわち、1段目の充電として充電電流I1 で定電流充電を規定充電電圧に到達するまで行い、規定充電電圧に到達した時点で直ちに充電電流を低減させる。充電電流を低減させると、電極の分極が一旦小さくなり、電圧が規定充電電圧よりも小さい値になる。その後、2段目の充電として、低減後の充電電流I2 で再び規定充電電圧まで定電流充電を行い、規定充電電圧に到達した時点で充電電流を低減させる。そして、さらに任意にn段、このような規定充電電圧までの定電流充電と充電電流In の低減を繰り返し充電を行う。
【0020】
このように充電電流を逐次低減させながら段階的に充電を行うと、充電電流が低減した直後には電圧が規定充電電圧よりも小さい値になるので、充電電流を一定にして充電を行う場合に比べて、充電終了に至るまでに電池が規定充電電圧で保持されている時間が短縮される。したがって、正極活物質上での電解液の分解、正極活物質の結晶破壊が抑えられ、電池性能が良好に維持されることになる。
【0021】
このように充電を段階的に行うに際して、充電電流In は次式の関係が満足するように設定することが望ましい。
n =kn-1 ×I1 (0.2≦k<1.0)
n :n段目の充電電流
k:低減係数
n:充電の段数
1 :初期の充電電流
【0022】
この関係を満足するように充電を行った場合の、充電電圧のタイムコースを図1に示す。このように充電電流を逐次的に低減させて段階的に充電を行うと、規定充電電圧で保持されるのはほんの僅かな時間で済み、充電後にも良好な電池性能が維持されることになる。
但し、充電電流In の低減係数kは、式で示す如く0.2≦k<1.0の範囲内に設定する必要がある。低減係数kを0.2未満とした場合には、低域電流が小さくなり規定充電時間内で充電が完了しないといった不都合が生じる。
【0023】
なお、充電の段数nは、任意であり、充電時間に応じて適宜設定して差し支えない。
【0024】
以上のような充電は、リチウムイオン二次電池に対して行われるが、リチウムイオン二次電池に用いられる負極活物質,正極活物質,非水電解液としては以下に例示するものが挙げられる。
【0025】
まず、正極活物質としては、Lix MO2 (但し、Mは1種以上の遷移金属を表し、好ましくはCo,Niの少なくともいずれかである。xは0.05≦x≦1.10である。)が使用される。
【0026】
これらリチウム複合酸化物は、例えばリチウム,コバルト,ニッケルの炭酸塩を出発原料とし、これら炭酸塩を組成に応じて混合し酸素存在雰囲気下600℃〜1000℃の温度範囲で焼成することにより得られる。なお、出発原料は炭酸塩に限定されず、酸化物、水酸化物からも合成可能である。
【0027】
一方、負極活物質としては、炭素材料が多用されるが、これに限らずリチウムのドープ・脱ドープ可能な材料であれば良い。炭素材料としては、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス,ニードルコークス,石油コークス等)、黒鉛類,ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭などが使用可能である。特に好ましいものとしては、(002)面の面間隔が3.70Å以上、真密度1.70g/cc未満であり、且つ空気気流中における示差熱分析で700℃以上に発熱ピークを有しない炭素材料である。
【0028】
電解液としては、リチウム塩を電解質としこれを有機溶媒に溶解させた電解液が用いられる。有機溶媒としては、プロピレンカーボネートジメチルカーボネートを含有する混合溶媒が使用される
【0029】
電解質としては、LiClO4 ,LiAsF6 ,LiPF6 ,LiBF4 等が使用可能である。
【0030】
電池の形状は、円筒型,角型,コイン型,ボタン型のいずれでも良い。なお、安全性の高い密閉型非水電解液二次電池を得るために、過充電時の異常時に電池内圧に応じて電流を遮断させる手段を備えた構造とすると一層望ましい。
【0031】
【作用】
本発明では、Lix MO2 (但し、Mは1種以上の遷移金属を表し、xは0.05≦x≦1.10である)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物よりなる正極と、リチウムのドープ・脱ドープが可能な材料よりなる負極と、非水電解液を備えてなる非水電解液二次電池に充電を行うに際して、定電流で規定充電電圧まで充電を行った後、充電電流を逐次低減させながら段階的に充電を行う。
【0032】
定電流で規定充電電圧まで充電を行った後、充電電流を低減させると、電極の分極が一旦小さくなり、電圧が規定充電電圧よりも小さい値になる。充電電流を逐次低減させながら段階的に充電を行うと、このような規定充電電圧への到達と電圧降下が繰り返され、充電終了に至るまでに電池が規定充電電圧で保持されている時間が、充電電流を一定にして充電を行う場合に比べて短縮される。これにより、正極上での電解液の分解、正極活物質の結晶破壊が抑えられ、電池性能が良好に維持されることになる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を具体的な実験結果に基づいて説明する。
【0034】
電池の作成
本実施例で充電を行った電池の構成を図2に示す。本実施例では、先ずこのような構成の円筒型の電池を以下のようにして作成した。
【0035】
負極1は次のように作製した。
出発原料に石油ピッチを用い、これを酸素を含む官能基を10〜20%導入(酸素架橋)した後、不活性ガス中,温度1000℃で焼成することで得た。この得られた負極活物質はガラス状炭素材料に近い性質の難黒鉛化炭素材料である。
【0036】
このようにして得られた炭素材料を90重量%、結着材としてポリフッ化ビニリデンを10重量%の割合で混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとした。
【0037】
そして、この負極合剤スラリーを、負極集電体9となる銅箔の両面に塗布し、乾燥後、ローラープレス機で圧縮成形することで帯状負極1を作製した。
【0038】
次に、正極2を次のようにして作成した。
炭酸コバルトと炭酸リチウムをLi/Co比=1となるように混合し、空気中,温度900℃で5時間焼成し、LiCoO2 を生成した。
このLiCoO2 を正極活物質とし、これの91重量%、導電材としてグラファイト6重量%、ポリフッ化ビニリデン3重量%を混合して正極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。
【0039】
そして、この正極合剤スラリーを、正極集電体10となるアルミニウム箔に塗布し、乾燥後、ローラプレス機で圧縮成形することで帯状正極2を作製した。
【0040】
以上のように作製した帯状負極1と帯状正極2を、厚さ25μmの微多孔性ポリプロピレンフィルムからなるセパレータ3を介して、順に積層し、多数回巻回することにより渦巻式電極を作成した。
【0041】
この作成した渦巻式電極体を、ニッケル鍍金を施した鉄製の電池缶5に収納した。次いで、渦巻式電極体の上下両面に絶縁板4を配置し、正極,負極の集電を行うために、アルミニウム製の正極リード12を正極集電体10から導出して電流遮断装置8を持つ電池蓋7に、ニッケル製の負極リード11を負極集電体9から導出して電池缶5に溶接した。
【0042】
そして、この電池缶5の中に、プロピレンカーボネート50容量%、ジエチルカーボネート50容量%の混合溶媒にLiPF6 を1モルなる濃度で溶解させた電解液を注入した。そして、アスファルトを塗布した封口ガスケット6を介して電池缶5をかしめることで電池蓋7を固定し、直径18mm、高さ65mmの円筒型電池を作成した。
【0043】
実験例1−1〜実験例1−8
作成された電池について、温度60℃雰囲気下、充放電サイクルを繰り返し行い、容量維持率を測定した。
【0044】
ここで、放電に際して、放電電流は500mA、終止電圧は2.75Vに設定した。
また、充電に際しては、規定充電電圧は4.20V、初期充電電流I1 は1000mAに設定し、規定充電電圧到達後の充電電流In は低減係数kを表1に示すように変化させ次式に基づいて設定した。
【0045】
n =kn-1 ×I1
n :n段目の充電電流
k:低減係数
n:充電の段数
1 :初期の充電電流
【0046】
すなわち、1段目の充電として1000mAの充電電流I1 で規定充電電圧4.20Vに到達するまで定電流充電を行い、4.20Vに到達した時点で充電電流をI2 まで低減させる。その後、2段目の充電として、低減後の充電電流I2 で再び規定充電電圧4.20Vに到達するまで定電流充電を行い、規定充電電圧に到達した時点で充電電流を低減させる。そして、さらにn段このような規定充電電圧までの定電流充電と充電電流In の低減を繰り返し充電を行う。なお、充電時間は5時間とした。
【0047】
容量維持率は、以上のような充放電サイクルの、2サイクル目の容量(初期容量)に対する300サイクル目の容量の比として求めた。この容量維持率の測定結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0003692547
【0049】
表1から示されるように、充電電流In を逐次低減させながら充電を行うと、充電電流を一定にして充電をおこなった場合(充電電流In の低減係数kを1.00に設定した場合)に比べて大きな容量維持率が得られる。特に、充電電流In の低減係数kを0.2≦k<1.0の範囲内に設定すると、容量維持率は80%以上と大きな値になる。
【0050】
このことから、高温雰囲気下、非水電解液二次電池に対して4.2Vの高い規定充電電圧で充電を行うに際して、充電電流を逐次低減させることは、良好なサイクル特性を得る上で有効であることがわかる。
【0051】
なお、充電電流In の低減係数kを0.10に設定した場合に、容量維持率の向上があまり認められないのは、低域電流が小さくなり規定充電時間内では充電が完了しなかったためである。したがって、充電電流In の低減係数kは、0.2≦k<1.0の範囲内に設定する必要がある。
【0052】
実験例2−1〜実験例2−8
充電に際して、初期充電電流I1 を2000mA、充電時間を2時間に設定し、充電電流In の低減係数kを表2に示すように変化させたこと以外は実験例1と同様にして充放電サイクルを繰り返し行い、容量維持率を測定した。容量維持率の測定結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
Figure 0003692547
【0054】
表2から示されるように、充電電流In を逐次低減させながら充電を行うと、充電電流を一定にした場合(充電電流In の低減係数kを1.00に設定した場合)に比べて大きな容量維持率が得られる。特に、充電電流In の低減係数kを0.2≦k<1.0の範囲内に設定すると、容量維持率は80%以上と大きな値になる。この容量維持率の向上は、初期充電電流を1000mAに設定した場合よりも2000mAに設定した本例の方がより顕著である。
【0055】
このことから、充電電流を逐次低減させると、充電電流を大きくした場合でも良好なサイクル特性が得られるようになり、急速充電が可能になることがわかった。
【0056】
なお、本実施例では、規定充電電圧を4.20Vに設定しているが、本発明はこれに限らず一般的な使用充電電圧範囲であれば同様の効果を発揮する。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明の充電方法では、LiMO(但し、Mは1種以上の遷移金属を表し、xは0.05≦x≦ . 10である)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物よりなる正極活物質が正極集電体両面に塗布されてなる正極と、リチウムのドープ・脱ドープが可能な材料よりなる負極活物質が負極集電体両面に塗布されてなる負極と、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネートを含有する 非水電解液を備えてなる非水電解液二次電池に充電を行うに際して、初めに 1000mA以上の 定電流で規定充電電圧まで充電を行った後、充電電流を逐次低減させながら段階的に充電を行うので、規定充電電圧を高く設定した場合でも正極上での電解液の分解,正極活物質の結晶破壊が抑えられ、電池の性能が良好に維持される。この効果は、環境温度を高くして場合でも、充電電流を大きくした場合でも同様である。したがって、本発明によれば、電池電圧の高い非水電解液二次電池に対して、良好なサイクル特性を維持しながらの充電、特に急速充電が可能になり、その工業的,商業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の充電方法の充電パターンの1例を示す模式図である。
【図2】本発明の充電方法によって充電が行われる非水電解液二次電池の構成例を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
1 負極
2 正極
3 セパレータ
4 絶縁板
5 電池缶
6 封口ガスケット
7 電池蓋
8 電流遮断装置
9 負極集電体
10 正極集電体
11 負極リード
12 正極リード

Claims (3)

  1. LiMO(但し、Mは1種以上の遷移金属を表し、xは0.05≦x≦ . 10である)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物よりなる正極活物質が正極集電体両面に塗布されてなる正極と、リチウムのドープ・脱ドープが可能な材料よりなる負極活物質が負極集電体両面に塗布されてなる負極と、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネートを含有する 非水電解液を備えてなる非水電解液二次電池に充電を行うに際して、初めに1000mA以上の 定電流で規定充電電圧まで充電を行った後、充電電流を逐次低減させながら段階的に充電を行うことを特徴とする充電方法。
  2. 各充電段階において、充電を規定充電電圧まで行うことを特徴とする請求項1記載の充電方法。
  3. 初期の充電電流をIとしたときに、n段目の充電電流が式1で表されることを特徴とする請求項1記載の充電方法。
    =kn−1×I(0.2≦k<1.0) ・・・式1
    :n段目の充電電流
    k :低減係数
    n :充電の段数
    :初期の充電電流
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