JP3586270B2 - 正極活物質及び非水電解質電池 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム含有化合物を含む正極活物質と、この正極活物質を備えた非水電解質電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、非水電解質二次電池が注目されている。これは、比較的安全な負極材料の開発の成功と、非水電解質の分解電圧を高めることにより高電圧の電池を実現したこととが大きな理由であろうと思われる。中でもリチウムイオンを用いた二次電池は、放電電位が特に高いため、高エネルギー密度を有する電池を実現できるものとして期待されている。
【0003】
このリチウムイオンを用いる非水電解質二次電池の正極としては、活物質と呼ばれる遷移元素酸化物と、結着剤と、活物質に導電性を付与するための導電剤とを含むものが知られている。この導電剤には、高い導電率に加え、活物質との接触によっても酸化されることのない耐酸化性が要求され、さらに活物質同士を電気的に接触させやすくするための構造(例えば、繊維形状)を有することが要求される。この要求と併せて、軽量であることやコスト等を考慮し、従来から、カーボン系のアセチレンブラック等の導電剤が用いられてきている。
【0004】
一方、正極活物質には、従来から、熱安定性に優れるLiCoO2のようなリチウムコバルト酸化物が多用されているが、エネルギー密度が低いため、LiCoO2と同等の高い熱安定性を有し、かつLiCoO2よりもエネルギー密度が高い正極活物質の開発が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、放電容量を向上することが可能な正極活物質と、この正極活物質を備えた非水電解質電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る非水電解質電池は、下記(1)式で表される組成を有するリチウム含有金属硼窒化物を含む正極と、負極と、非水電解質とを具備することを特徴とするものである。
【0007】
Li3−xAyBN2 (1)
但し、前記Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Ta、W、Re、Os、Ir、PtおよびAuよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素であり、モル比xおよびyは、それぞれ、y≦x≦2+y、0<y≦1を示す。
【0008】
本発明に係る正極活物質は、下記(1)式で表される組成を有するリチウム含有金属硼窒化物を含むことを特徴とするものである。
【0009】
Li3−xAyBN2 (1)
但し、前記Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Ta、W、Re、Os、Ir、PtおよびAuよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素であり、モル比xおよびyは、それぞれ、y≦x≦2+y、0≦y≦1を示す。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る非水電解質電池の一例について説明する。
【0011】
この非水電解質電池は、下記(1)式で表される組成を有するリチウム含有金属硼窒化物を含む正極と、負極と、非水電解質とを具備する。
【0012】
Li3−xAyBN2 (1)
但し、前記Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Ta、W、Re、Os、Ir、PtおよびAuよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素であり、モル比xおよびyは、それぞれ、y≦x≦2+y、0<y≦1を示す。
【0013】
以下、正極、負極および非水電解質について説明する。
【0014】
1)正極
まず、リチウム含有金属硼窒化物について説明する。
【0015】
リチウム含有金属硼窒化物に含まれる元素Aは、遷移金属元素であり、リチウムの吸蔵・放出反応を促進する元素である。元素Aは、α−Li3BN2構造のLiの2bサイトと置換される。Liの2bサイトが全て元素Aで置換された時のモル比yが1である。モル比yが1を超えると、結晶構造がα−Li3BN2構造と異なるものになるため、高い放電容量を得られなくなる。また、モル比yを0.8以上にすることによって、十分な放電容量を得ることができる。モル比yのさらに好ましい範囲は、0.9〜1.0である。
【0016】
元素Aのうち好ましいのは、Mn、Fe、Co、Ni、Cuであり、最も好ましいのは、Cu、Ni、Coである。
【0017】
リチウムのモル比(3−x)は、リチウムの吸蔵・放出反応に伴って変化する値である。モル比xの最小値yは、リチウム含有金属硼窒化物中にリチウムが完全に吸蔵された状態を示し、一方、モル比xの最大値(2+y)は、リチウム含有金属硼窒化物からリチウムが完全に放出された状態を示している。
【0018】
リチウム含有金属硼窒化物は、α−Li3BN2型の結晶構造を有することが好ましい。中でも、α−Li3BN2構造のLiの2bサイトの少なくとも一部が前記元素Aで置換されている結晶構造を有することが好ましい。このような結晶構造を有することによって、充電時の熱安定性と放電容量をさらに高くすることができる。
【0019】
正極活物質に、リチウム含有金属硼窒化物のみを用いても良いし、リチウム含有金属硼窒化物と他の複合酸化物との混合物を用いることも可能である。他の複合酸化物としては、LiCoO2のようなリチウムコバルト酸化物、LiNiCoO2のようなリチウムニッケルコバルト複合酸化物などを用いることができる。
【0020】
正極活物質の表面には、非水電解質に対する安定性を向上させるため、リチウム含有導電性化合物を被覆しても良い。リチウム含有導電性化合物の膜厚は0.3nm以上にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。膜厚を0.3nm未満にすると、正極活物質とリチウム含有導電性化合物膜の相互拡散による低抵抗な膜の形成が困難になる。また、さらに安定に作製ができ量産性に富む範囲としてより好ましい膜厚は10nm以上の範囲である。
【0021】
正極は、例えば、正極活物質と、アセチレンブラック等のカーボン系導電剤と、結着剤とを適当な溶媒に懸濁させ、得られた懸濁物を集電体に塗布し、乾燥した後、プレス成形することにより作製される。
【0022】
前記結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を用いることができる。
【0023】
前記集電体としては、例えばアルミニウム箔、ステンレス箔、チタン箔等を用いることが好ましい。
【0024】
2)負極
この負極としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出する物質(例えば炭素質物や、カルコゲン化合物)を含むもの、軽金属からなるもの等を用いることができる。中でも、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物又はカルコゲン化合物を含む負極は、前記二次電池のサイクル寿命などの電池特性が向上するために好ましい。
【0025】
前記リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物としては、例えばコークス、炭素繊維、熱分解気相成長炭素質物、黒鉛、樹脂焼成体、メソフェーズピッチ系炭素繊維、メソフェーズ球状カーボンの焼成体などを挙げることができる。中でも、2500℃以上で黒鉛化したメソフェーズピッチ系炭素繊維か、メソフェーズ球状カーボンによると、電極容量を高くできるため、好ましい。
【0026】
前記炭素質物は、特に示差熱分析で700℃以上に発熱ピーク、より好ましくは800℃以上に発熱ピークを有し、X線回折による黒鉛構造の(101)回折ピーク(P101)と(100)回折ピーク(P100)の強度比P101/P100が0.7〜2.2の範囲にあることが好ましい。このような炭素質物を含む負極はリチウムイオンの急速な吸蔵・放出ができるため、前記二次電池の急速充放電性能が向上される。
【0027】
前記リチウムイオンを吸蔵・放出するカルコゲン化合物としては、二硫化チタン(TiS2)、二硫化モリブデン(MoS2)、セレン化ニオブ(NbSe2)などを挙げることができる。このようなカルコゲン化合物負極に用いると、前記二次電池の電圧は低下するものの前記負極の容量が増加するため、前記二次電池の容量が向上される。さらに、前記負極はリチウムイオンの拡散速度が大きいため、前記二次電池の急速充放電性能が向上される。
【0028】
前記軽金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、リチウム金属、リチウム合金などを挙げることができる。
【0029】
リチウムイオンを吸蔵・放出する物質を含む負極は、例えば、前記物質及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を集電体に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより作製される。
【0030】
前記結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。
【0031】
前記集電体としては、例えば銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔等を用いることが好ましい。
【0032】
また、本発明で正極活物質として提案した前記(1)式であらわされるリチウム含有金属硼窒化物の遷移元素Aを例えばTi等に置換することで正極より電位の低い材料とし、これを負極活物質として用いることもまた可能である。
【0033】
3)非水電解質
前記非水電解質としては、例えば、非水溶媒に電解質を溶解させることにより調製される液体状非水電解質(非水電解液)、高分子材料に非水溶媒と電解質を保持させた高分子ゲル状非水電解質、高分子材料に電解質を保持させた固体非水電解質等を挙げることができる。
【0034】
前記非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)などの環状カーボネート、例えばジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネート、ジメトキシエタン(DME)やジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタンなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン(THF)や2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)などの環状エーテルやクラウンエーテル、γ−ブチロラクトン(γ−BL)などの脂肪酸エステル、アセトニトリル(AN)などの窒素化合物、スルホラン(SL)やジメチルスルホキシド(DMSO)などの硫黄化合物を挙げることができる。前記非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
【0035】
中でも、EC,PC,γ−BLから選ばれる少なくとも一種からなるものや、EC、PC、γ−BLから選ばれる少なくとも一種とDMC、EMC、DEC、DME、DEE、THF、2−MeTHF、ANから選ばれる少なくとも一種とからなる混合溶媒を用いることが望ましい。また、負極に前記リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物を含むものを用いる場合に、前記負極を備えた二次電池のサイクル寿命を向上させる観点から、ECとPCとγ−BL、ECとPCとEMC、ECとPCとDEC、ECとPCとDEE、ECとAN、ECとEMC、PCとDMC、PCとDEC、ECとDECからなる混合溶媒を用いることが望ましい。
【0036】
前記電解質としては、例えば過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化硼酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CF3SO2)2)などのリチウム塩を挙げることができる。中でもLiPF6、LiBF4、LiN(CF3SO2)2を用いると導電性や安全性が向上されるために好ましい。
【0037】
前記電解質の非水溶媒に対する溶解量は、0.1モル/L〜3モル/Lの範囲にすることが好ましい。
【0038】
前記ゲル状非水電解質および前記固体非水電解質に含まれる高分子材料としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエチレンオキシド(PEO)、あるいはアクリロニトリル、アクリレート、フッ化ビニリデンもしくはエチレンオキシドを単量体として含むポリマー等を挙げることができる。
【0039】
本発明に係る非水電解質電池の一例である円筒形非水電解質二次電池を図1を参照して説明する。
【0040】
例えばステンレスからなる有底円筒状の容器1は、底部に絶縁体2が配置されている。電極群3は、前記容器1内に収納されている。電極群3は、例えば、正極4と負極6の間にセパレータ5を介在させて渦巻き状に巻回することにより作製される。前記セパレータ5は、例えば、合成樹脂不織布、ポリエチレン多孔質フィルム、ポロプロピレン多孔質フィルムから形成されている。
【0041】
非水電解質は、容器1内に収容されている。中央部が開口された絶縁紙7は、前記容器1内の前記電極群3の上方に載置されている。絶縁封口板8は、前記容器1の上部開口部に配置され、かつ前記上部開口部付近を内側にかしめ加工することにより前記封口板8は前記容器1に液密に固定されている。正極端子9は、前記絶縁封口板8の中央に嵌合されている。正極リード10の一端は、前記正極4に、他端は前記正極端子9にそれぞれ接続されている。前記負極6は、図示しない負極リードを介して負極端子である前記容器1に接続されている。
【0042】
以上説明した本発明に係る正極活物質は、従来用いられているような酸化物ではなく、前述したような、酸素原子を含まない(1)式で表される組成を有するリチウム含有金属硼窒化物を含むため、電池内部の酸素存在量を大幅に低減することができる。このため、電池内部において短絡等の発生により温度が上昇した際の非水電解質の燃焼(酸化反応)を防止することができる。従って、このような正極活物質を非水電解質電池に組み込むことによって、放電容量と安全性の双方を向上することができる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではなくその要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0044】
(実施例1)
〈正極の作製〉
リチウム含有銅硼窒化物(Li2CuBN2)粉末について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトが銅原子で置換されていることを確認した。
【0045】
このリチウム含有銅硼窒化物粉末を念入りに粉砕し、粒度分布計により適宜測定し、凝集塊が存在しなくなるまで粉砕を続けた。この粉末を正極活物質とし、正極活物質粉末を2.5重量%と、導電剤であるアセチレンブラック粉末およびグラファイト粉末を2.5重量%と、結着剤としてのPVDF粉末を3重量%とを混合し、N−メチル−2−ピロリドン溶媒中に分散させ、正極合剤スラリーを調製した。このスラリーをアルミニウム箔上に塗工し、乾燥した後、圧延および裁断することにより、目付け量が100g/m2の10C級の高出力電池仕様の正極を得た。
【0046】
〈負極の作製〉
負極活物質であるメソフェーズピッチカーボンファイバーを80重量%と、導電剤であるグラファイト粉末を20重量%と、結着剤としてカルボキシメチルセルロースを1.2重量%、及びスチレンブタジエンゴムを1.76重量%とを混合し、水を加えて念入りに分散させ、負極合剤スラリーを調製した。得られたスラリーを銅箔上に塗工し、乾燥した後、圧延及び裁断し、目付け量が130g/m2の負極を作製した。
【0047】
〈非水電解液の調製〉
プロピレンカーボネート及びジメトキシエタンからなる混合溶媒に電解質としてのLiPF6をその濃度が1mol/Lになるように溶解させ、非水電解液を調製した。
【0048】
〈評価用電池の作製〉
得られた正極、負極シートとセパレータを十分に乾燥させた後、正極と負極の間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回することにより電極群を作製した。この電極群をステンレス製の間に挿入し、アルゴン雰囲気中において電解液を注入して密封することにより、前述した図1に示す構造を有する評価用電池を作製した。このとき電極の長さは18650型の電池缶にちょうど納まるように設定した。
【0049】
(実施例2)
正極活物質としてリチウム含有コバルト硼窒化物(Li2CoBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0050】
リチウム含有コバルト硼窒化物(Li2CoBN2)粉末について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがコバルト原子で置換されていることを確認した。
【0051】
(実施例3)
正極活物質としてリチウム含有ニッケル硼窒化物(Li2NiBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0052】
リチウム含有ニッケル硼窒化物(Li2NiBN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがニッケル原子で置換されていることを確認した。
【0053】
(実施例4)
正極活物質としてリチウム含有ニッケル硼窒化物(Li2.3Ni0.7BN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0054】
リチウム含有ニッケル硼窒化物(Li2.3Ni0.7BN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトの一部がニッケル原子で置換されていることを確認した。
【0055】
(実施例5)
正極活物質としてリチウム含有バナジウム硼窒化物(Li2VBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0056】
リチウム含有バナジウム硼窒化物(Li2VBN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがバナジウム原子で置換されていることを確認した。
【0057】
(実施例6)
正極活物質としてリチウム含有クロム硼窒化物(Li2CrBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0058】
リチウム含有クロム硼窒化物(Li2CrBN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがCr原子で置換されていることを確認した。
【0059】
(実施例7)
正極活物質としてリチウム含有マンガン硼窒化物(Li2MnBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0060】
リチウム含有マンガン硼窒化物(Li2MnBN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがMn原子で置換されていることを確認した。
【0061】
(実施例8)
正極活物質としてリチウム含有鉄硼窒化物(Li2FeBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0062】
リチウム含有鉄硼窒化物(Li2FeBN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがFe原子で置換されていることを確認した。
【0063】
(実施例9)
正極活物質としてリチウム含有ルテニウム硼窒化物(Li2.3Ru0.7BN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0064】
リチウム含有ルテニウム硼窒化物(Li2.3Ru0.7BN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトの一部がRu原子で置換されていることを確認した。
【0065】
(実施例10)
正極活物質としてリチウム含有銀硼窒化物(Li2AgBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0066】
リチウム含有銀硼窒化物(Li2AgBN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがAg原子で置換されていることを確認した。
【0067】
(実施例11)
正極活物質としてリチウム含有金硼窒化物(Li2AuBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0068】
リチウム含有金硼窒化物(Li2AuBN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがAu原子で置換されていることを確認した。
【0069】
(実施例12〜25)
下記表1〜2に示す組成を有するリチウム含有金属硼窒化物を正極活物質として用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の正極評価用電池を組み立てた。なお、各実施例で用いられるリチウム含有金属硼窒化物の結晶構造は、α−Li3BN2型に属し、Liの2bサイトの少なくとも一部が元素Aで置換されているものであった。
【0070】
(比較例1)
正極活物質としてLiCoO2粉末を用い、かつ負極の目付けを40g/m2にすること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の正極評価用電池を組み立てた。
【0071】
(比較例2)
正極活物質としてLi1.1Ni0.74Co0.16O1.85F0.15粉末を用い、かつ負極の目付けを60g/m2にすること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の正極評価用電池を組み立てた。
【0072】
(比較例3)
正極活物質としてLiMn2O4粉末を用い、かつ負極の目付けを35g/m2にすること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の正極評価用電池を組み立てた。
【0073】
(比較例4)
正極活物質としてLi3BN2粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の正極評価用電池を組み立てた。
【0074】
得られた実施例1〜25及び比較例1〜4の電池について、以下に説明する方法で充電時の熱安定性と放電容量を測定し、その結果を下記表1〜2に示す。
【0075】
(充電時の熱安定性)
各二次電池について、0.3Cの電流値で4.2Vに達するまで充電した後、電圧を維持するように電流を流し続け、全充電時間が5時間になったら電流を停止した。その後、前記の充電処理を行った電池に熱電対を貼り付け、電池の側面から速度13.5cm/secで直径2mmの釘を刺し、電池の温度の時間的変化を測定し、その発熱ピーク温度を測定した。
【0076】
(放電容量の測定)
各二次電池について、0.3Cの電流値で4.2Vまで定電流定電圧充電を施した後、0.3Cの電流値で2.7Vまで放電した際の放電容量を測定した。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
表1〜2から明らかなように、前述した(1)式で表される組成を有するリチウム含有金属ホウ窒化物を正極活物質として用いる実施例1〜25の電池は、いずれも破裂発火に到らずに安全に収束しており、かつ放電容量が比較例1〜4に比較して高いことがわかる。実施例1〜25のうち最も高い放電容量が得られたのは、元素AとしてCu、CoまたはNiを用いる実施例1〜3の電池であった。また、元素Aのモル比yが高いほど、放電容量が高くなる傾向があった。
【0080】
これに対し、LiCoO2またはLiMn2O4を正極活物質として用いる比較例1,3の電池は、破裂発火には到らなかったが、いずれも実施例に比べて放電容量の点で劣っている。また、Li1.1Ni0.74Co0.16O1.85F0.15で表される正極活物質を用いる比較例2の電池は、発火に到っている。一方、Li3BN2を用いる比較例4の電池は、充放電を行うことができなかったため、放電容量の測定を行うことができず、そのうえ熱安定性の評価試験では発熱を生じなかった。
【0081】
なお、前述した実施例では、二次電池に適用した例を説明したが、一次電池についても適用することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、放電容量を向上することが可能な正極活物質と、この正極活物質を備えた非水電解質電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解質電池の一例である円筒形非水電解質二次電池を示す部分断面図。
【符号の説明】
1…容器、
3…電極群、
4…正極、
5…セパレータ、
6…負極、
8…絶縁封口板、
9…正極端子、
10…正極リード。
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム含有化合物を含む正極活物質と、この正極活物質を備えた非水電解質電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、非水電解質二次電池が注目されている。これは、比較的安全な負極材料の開発の成功と、非水電解質の分解電圧を高めることにより高電圧の電池を実現したこととが大きな理由であろうと思われる。中でもリチウムイオンを用いた二次電池は、放電電位が特に高いため、高エネルギー密度を有する電池を実現できるものとして期待されている。
【0003】
このリチウムイオンを用いる非水電解質二次電池の正極としては、活物質と呼ばれる遷移元素酸化物と、結着剤と、活物質に導電性を付与するための導電剤とを含むものが知られている。この導電剤には、高い導電率に加え、活物質との接触によっても酸化されることのない耐酸化性が要求され、さらに活物質同士を電気的に接触させやすくするための構造(例えば、繊維形状)を有することが要求される。この要求と併せて、軽量であることやコスト等を考慮し、従来から、カーボン系のアセチレンブラック等の導電剤が用いられてきている。
【0004】
一方、正極活物質には、従来から、熱安定性に優れるLiCoO2のようなリチウムコバルト酸化物が多用されているが、エネルギー密度が低いため、LiCoO2と同等の高い熱安定性を有し、かつLiCoO2よりもエネルギー密度が高い正極活物質の開発が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、放電容量を向上することが可能な正極活物質と、この正極活物質を備えた非水電解質電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る非水電解質電池は、下記(1)式で表される組成を有するリチウム含有金属硼窒化物を含む正極と、負極と、非水電解質とを具備することを特徴とするものである。
【0007】
Li3−xAyBN2 (1)
但し、前記Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Ta、W、Re、Os、Ir、PtおよびAuよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素であり、モル比xおよびyは、それぞれ、y≦x≦2+y、0<y≦1を示す。
【0008】
本発明に係る正極活物質は、下記(1)式で表される組成を有するリチウム含有金属硼窒化物を含むことを特徴とするものである。
【0009】
Li3−xAyBN2 (1)
但し、前記Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Ta、W、Re、Os、Ir、PtおよびAuよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素であり、モル比xおよびyは、それぞれ、y≦x≦2+y、0≦y≦1を示す。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る非水電解質電池の一例について説明する。
【0011】
この非水電解質電池は、下記(1)式で表される組成を有するリチウム含有金属硼窒化物を含む正極と、負極と、非水電解質とを具備する。
【0012】
Li3−xAyBN2 (1)
但し、前記Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Ta、W、Re、Os、Ir、PtおよびAuよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素であり、モル比xおよびyは、それぞれ、y≦x≦2+y、0<y≦1を示す。
【0013】
以下、正極、負極および非水電解質について説明する。
【0014】
1)正極
まず、リチウム含有金属硼窒化物について説明する。
【0015】
リチウム含有金属硼窒化物に含まれる元素Aは、遷移金属元素であり、リチウムの吸蔵・放出反応を促進する元素である。元素Aは、α−Li3BN2構造のLiの2bサイトと置換される。Liの2bサイトが全て元素Aで置換された時のモル比yが1である。モル比yが1を超えると、結晶構造がα−Li3BN2構造と異なるものになるため、高い放電容量を得られなくなる。また、モル比yを0.8以上にすることによって、十分な放電容量を得ることができる。モル比yのさらに好ましい範囲は、0.9〜1.0である。
【0016】
元素Aのうち好ましいのは、Mn、Fe、Co、Ni、Cuであり、最も好ましいのは、Cu、Ni、Coである。
【0017】
リチウムのモル比(3−x)は、リチウムの吸蔵・放出反応に伴って変化する値である。モル比xの最小値yは、リチウム含有金属硼窒化物中にリチウムが完全に吸蔵された状態を示し、一方、モル比xの最大値(2+y)は、リチウム含有金属硼窒化物からリチウムが完全に放出された状態を示している。
【0018】
リチウム含有金属硼窒化物は、α−Li3BN2型の結晶構造を有することが好ましい。中でも、α−Li3BN2構造のLiの2bサイトの少なくとも一部が前記元素Aで置換されている結晶構造を有することが好ましい。このような結晶構造を有することによって、充電時の熱安定性と放電容量をさらに高くすることができる。
【0019】
正極活物質に、リチウム含有金属硼窒化物のみを用いても良いし、リチウム含有金属硼窒化物と他の複合酸化物との混合物を用いることも可能である。他の複合酸化物としては、LiCoO2のようなリチウムコバルト酸化物、LiNiCoO2のようなリチウムニッケルコバルト複合酸化物などを用いることができる。
【0020】
正極活物質の表面には、非水電解質に対する安定性を向上させるため、リチウム含有導電性化合物を被覆しても良い。リチウム含有導電性化合物の膜厚は0.3nm以上にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。膜厚を0.3nm未満にすると、正極活物質とリチウム含有導電性化合物膜の相互拡散による低抵抗な膜の形成が困難になる。また、さらに安定に作製ができ量産性に富む範囲としてより好ましい膜厚は10nm以上の範囲である。
【0021】
正極は、例えば、正極活物質と、アセチレンブラック等のカーボン系導電剤と、結着剤とを適当な溶媒に懸濁させ、得られた懸濁物を集電体に塗布し、乾燥した後、プレス成形することにより作製される。
【0022】
前記結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を用いることができる。
【0023】
前記集電体としては、例えばアルミニウム箔、ステンレス箔、チタン箔等を用いることが好ましい。
【0024】
2)負極
この負極としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出する物質(例えば炭素質物や、カルコゲン化合物)を含むもの、軽金属からなるもの等を用いることができる。中でも、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物又はカルコゲン化合物を含む負極は、前記二次電池のサイクル寿命などの電池特性が向上するために好ましい。
【0025】
前記リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物としては、例えばコークス、炭素繊維、熱分解気相成長炭素質物、黒鉛、樹脂焼成体、メソフェーズピッチ系炭素繊維、メソフェーズ球状カーボンの焼成体などを挙げることができる。中でも、2500℃以上で黒鉛化したメソフェーズピッチ系炭素繊維か、メソフェーズ球状カーボンによると、電極容量を高くできるため、好ましい。
【0026】
前記炭素質物は、特に示差熱分析で700℃以上に発熱ピーク、より好ましくは800℃以上に発熱ピークを有し、X線回折による黒鉛構造の(101)回折ピーク(P101)と(100)回折ピーク(P100)の強度比P101/P100が0.7〜2.2の範囲にあることが好ましい。このような炭素質物を含む負極はリチウムイオンの急速な吸蔵・放出ができるため、前記二次電池の急速充放電性能が向上される。
【0027】
前記リチウムイオンを吸蔵・放出するカルコゲン化合物としては、二硫化チタン(TiS2)、二硫化モリブデン(MoS2)、セレン化ニオブ(NbSe2)などを挙げることができる。このようなカルコゲン化合物負極に用いると、前記二次電池の電圧は低下するものの前記負極の容量が増加するため、前記二次電池の容量が向上される。さらに、前記負極はリチウムイオンの拡散速度が大きいため、前記二次電池の急速充放電性能が向上される。
【0028】
前記軽金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、リチウム金属、リチウム合金などを挙げることができる。
【0029】
リチウムイオンを吸蔵・放出する物質を含む負極は、例えば、前記物質及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を集電体に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより作製される。
【0030】
前記結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。
【0031】
前記集電体としては、例えば銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔等を用いることが好ましい。
【0032】
また、本発明で正極活物質として提案した前記(1)式であらわされるリチウム含有金属硼窒化物の遷移元素Aを例えばTi等に置換することで正極より電位の低い材料とし、これを負極活物質として用いることもまた可能である。
【0033】
3)非水電解質
前記非水電解質としては、例えば、非水溶媒に電解質を溶解させることにより調製される液体状非水電解質(非水電解液)、高分子材料に非水溶媒と電解質を保持させた高分子ゲル状非水電解質、高分子材料に電解質を保持させた固体非水電解質等を挙げることができる。
【0034】
前記非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)などの環状カーボネート、例えばジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネート、ジメトキシエタン(DME)やジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタンなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン(THF)や2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)などの環状エーテルやクラウンエーテル、γ−ブチロラクトン(γ−BL)などの脂肪酸エステル、アセトニトリル(AN)などの窒素化合物、スルホラン(SL)やジメチルスルホキシド(DMSO)などの硫黄化合物を挙げることができる。前記非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
【0035】
中でも、EC,PC,γ−BLから選ばれる少なくとも一種からなるものや、EC、PC、γ−BLから選ばれる少なくとも一種とDMC、EMC、DEC、DME、DEE、THF、2−MeTHF、ANから選ばれる少なくとも一種とからなる混合溶媒を用いることが望ましい。また、負極に前記リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物を含むものを用いる場合に、前記負極を備えた二次電池のサイクル寿命を向上させる観点から、ECとPCとγ−BL、ECとPCとEMC、ECとPCとDEC、ECとPCとDEE、ECとAN、ECとEMC、PCとDMC、PCとDEC、ECとDECからなる混合溶媒を用いることが望ましい。
【0036】
前記電解質としては、例えば過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化硼酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CF3SO2)2)などのリチウム塩を挙げることができる。中でもLiPF6、LiBF4、LiN(CF3SO2)2を用いると導電性や安全性が向上されるために好ましい。
【0037】
前記電解質の非水溶媒に対する溶解量は、0.1モル/L〜3モル/Lの範囲にすることが好ましい。
【0038】
前記ゲル状非水電解質および前記固体非水電解質に含まれる高分子材料としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエチレンオキシド(PEO)、あるいはアクリロニトリル、アクリレート、フッ化ビニリデンもしくはエチレンオキシドを単量体として含むポリマー等を挙げることができる。
【0039】
本発明に係る非水電解質電池の一例である円筒形非水電解質二次電池を図1を参照して説明する。
【0040】
例えばステンレスからなる有底円筒状の容器1は、底部に絶縁体2が配置されている。電極群3は、前記容器1内に収納されている。電極群3は、例えば、正極4と負極6の間にセパレータ5を介在させて渦巻き状に巻回することにより作製される。前記セパレータ5は、例えば、合成樹脂不織布、ポリエチレン多孔質フィルム、ポロプロピレン多孔質フィルムから形成されている。
【0041】
非水電解質は、容器1内に収容されている。中央部が開口された絶縁紙7は、前記容器1内の前記電極群3の上方に載置されている。絶縁封口板8は、前記容器1の上部開口部に配置され、かつ前記上部開口部付近を内側にかしめ加工することにより前記封口板8は前記容器1に液密に固定されている。正極端子9は、前記絶縁封口板8の中央に嵌合されている。正極リード10の一端は、前記正極4に、他端は前記正極端子9にそれぞれ接続されている。前記負極6は、図示しない負極リードを介して負極端子である前記容器1に接続されている。
【0042】
以上説明した本発明に係る正極活物質は、従来用いられているような酸化物ではなく、前述したような、酸素原子を含まない(1)式で表される組成を有するリチウム含有金属硼窒化物を含むため、電池内部の酸素存在量を大幅に低減することができる。このため、電池内部において短絡等の発生により温度が上昇した際の非水電解質の燃焼(酸化反応)を防止することができる。従って、このような正極活物質を非水電解質電池に組み込むことによって、放電容量と安全性の双方を向上することができる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではなくその要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0044】
(実施例1)
〈正極の作製〉
リチウム含有銅硼窒化物(Li2CuBN2)粉末について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトが銅原子で置換されていることを確認した。
【0045】
このリチウム含有銅硼窒化物粉末を念入りに粉砕し、粒度分布計により適宜測定し、凝集塊が存在しなくなるまで粉砕を続けた。この粉末を正極活物質とし、正極活物質粉末を2.5重量%と、導電剤であるアセチレンブラック粉末およびグラファイト粉末を2.5重量%と、結着剤としてのPVDF粉末を3重量%とを混合し、N−メチル−2−ピロリドン溶媒中に分散させ、正極合剤スラリーを調製した。このスラリーをアルミニウム箔上に塗工し、乾燥した後、圧延および裁断することにより、目付け量が100g/m2の10C級の高出力電池仕様の正極を得た。
【0046】
〈負極の作製〉
負極活物質であるメソフェーズピッチカーボンファイバーを80重量%と、導電剤であるグラファイト粉末を20重量%と、結着剤としてカルボキシメチルセルロースを1.2重量%、及びスチレンブタジエンゴムを1.76重量%とを混合し、水を加えて念入りに分散させ、負極合剤スラリーを調製した。得られたスラリーを銅箔上に塗工し、乾燥した後、圧延及び裁断し、目付け量が130g/m2の負極を作製した。
【0047】
〈非水電解液の調製〉
プロピレンカーボネート及びジメトキシエタンからなる混合溶媒に電解質としてのLiPF6をその濃度が1mol/Lになるように溶解させ、非水電解液を調製した。
【0048】
〈評価用電池の作製〉
得られた正極、負極シートとセパレータを十分に乾燥させた後、正極と負極の間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回することにより電極群を作製した。この電極群をステンレス製の間に挿入し、アルゴン雰囲気中において電解液を注入して密封することにより、前述した図1に示す構造を有する評価用電池を作製した。このとき電極の長さは18650型の電池缶にちょうど納まるように設定した。
【0049】
(実施例2)
正極活物質としてリチウム含有コバルト硼窒化物(Li2CoBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0050】
リチウム含有コバルト硼窒化物(Li2CoBN2)粉末について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがコバルト原子で置換されていることを確認した。
【0051】
(実施例3)
正極活物質としてリチウム含有ニッケル硼窒化物(Li2NiBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0052】
リチウム含有ニッケル硼窒化物(Li2NiBN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがニッケル原子で置換されていることを確認した。
【0053】
(実施例4)
正極活物質としてリチウム含有ニッケル硼窒化物(Li2.3Ni0.7BN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0054】
リチウム含有ニッケル硼窒化物(Li2.3Ni0.7BN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトの一部がニッケル原子で置換されていることを確認した。
【0055】
(実施例5)
正極活物質としてリチウム含有バナジウム硼窒化物(Li2VBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0056】
リチウム含有バナジウム硼窒化物(Li2VBN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがバナジウム原子で置換されていることを確認した。
【0057】
(実施例6)
正極活物質としてリチウム含有クロム硼窒化物(Li2CrBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0058】
リチウム含有クロム硼窒化物(Li2CrBN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがCr原子で置換されていることを確認した。
【0059】
(実施例7)
正極活物質としてリチウム含有マンガン硼窒化物(Li2MnBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0060】
リチウム含有マンガン硼窒化物(Li2MnBN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがMn原子で置換されていることを確認した。
【0061】
(実施例8)
正極活物質としてリチウム含有鉄硼窒化物(Li2FeBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0062】
リチウム含有鉄硼窒化物(Li2FeBN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがFe原子で置換されていることを確認した。
【0063】
(実施例9)
正極活物質としてリチウム含有ルテニウム硼窒化物(Li2.3Ru0.7BN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0064】
リチウム含有ルテニウム硼窒化物(Li2.3Ru0.7BN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトの一部がRu原子で置換されていることを確認した。
【0065】
(実施例10)
正極活物質としてリチウム含有銀硼窒化物(Li2AgBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0066】
リチウム含有銀硼窒化物(Li2AgBN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがAg原子で置換されていることを確認した。
【0067】
(実施例11)
正極活物質としてリチウム含有金硼窒化物(Li2AuBN2)粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成を有する正極評価用電池を組み立てた。
【0068】
リチウム含有金硼窒化物(Li2AuBN2)について粉末X線回折測定を行い、結晶構造がα−Li3BN2型に属し、かつリチウムの2bサイトがAu原子で置換されていることを確認した。
【0069】
(実施例12〜25)
下記表1〜2に示す組成を有するリチウム含有金属硼窒化物を正極活物質として用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の正極評価用電池を組み立てた。なお、各実施例で用いられるリチウム含有金属硼窒化物の結晶構造は、α−Li3BN2型に属し、Liの2bサイトの少なくとも一部が元素Aで置換されているものであった。
【0070】
(比較例1)
正極活物質としてLiCoO2粉末を用い、かつ負極の目付けを40g/m2にすること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の正極評価用電池を組み立てた。
【0071】
(比較例2)
正極活物質としてLi1.1Ni0.74Co0.16O1.85F0.15粉末を用い、かつ負極の目付けを60g/m2にすること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の正極評価用電池を組み立てた。
【0072】
(比較例3)
正極活物質としてLiMn2O4粉末を用い、かつ負極の目付けを35g/m2にすること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の正極評価用電池を組み立てた。
【0073】
(比較例4)
正極活物質としてLi3BN2粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の正極評価用電池を組み立てた。
【0074】
得られた実施例1〜25及び比較例1〜4の電池について、以下に説明する方法で充電時の熱安定性と放電容量を測定し、その結果を下記表1〜2に示す。
【0075】
(充電時の熱安定性)
各二次電池について、0.3Cの電流値で4.2Vに達するまで充電した後、電圧を維持するように電流を流し続け、全充電時間が5時間になったら電流を停止した。その後、前記の充電処理を行った電池に熱電対を貼り付け、電池の側面から速度13.5cm/secで直径2mmの釘を刺し、電池の温度の時間的変化を測定し、その発熱ピーク温度を測定した。
【0076】
(放電容量の測定)
各二次電池について、0.3Cの電流値で4.2Vまで定電流定電圧充電を施した後、0.3Cの電流値で2.7Vまで放電した際の放電容量を測定した。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
表1〜2から明らかなように、前述した(1)式で表される組成を有するリチウム含有金属ホウ窒化物を正極活物質として用いる実施例1〜25の電池は、いずれも破裂発火に到らずに安全に収束しており、かつ放電容量が比較例1〜4に比較して高いことがわかる。実施例1〜25のうち最も高い放電容量が得られたのは、元素AとしてCu、CoまたはNiを用いる実施例1〜3の電池であった。また、元素Aのモル比yが高いほど、放電容量が高くなる傾向があった。
【0080】
これに対し、LiCoO2またはLiMn2O4を正極活物質として用いる比較例1,3の電池は、破裂発火には到らなかったが、いずれも実施例に比べて放電容量の点で劣っている。また、Li1.1Ni0.74Co0.16O1.85F0.15で表される正極活物質を用いる比較例2の電池は、発火に到っている。一方、Li3BN2を用いる比較例4の電池は、充放電を行うことができなかったため、放電容量の測定を行うことができず、そのうえ熱安定性の評価試験では発熱を生じなかった。
【0081】
なお、前述した実施例では、二次電池に適用した例を説明したが、一次電池についても適用することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、放電容量を向上することが可能な正極活物質と、この正極活物質を備えた非水電解質電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解質電池の一例である円筒形非水電解質二次電池を示す部分断面図。
【符号の説明】
1…容器、
3…電極群、
4…正極、
5…セパレータ、
6…負極、
8…絶縁封口板、
9…正極端子、
10…正極リード。
Claims (3)
- 下記(1)式で表される組成を有するリチウム含有金属硼窒化物を含む正極と、負極と、非水電解質とを具備することを特徴とする非水電解質電池。
Li3−xAyBN2 (1)
但し、前記Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Ta、W、Re、Os、Ir、PtおよびAuよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素であり、モル比xおよびyは、それぞれ、y≦x≦2+y、0<y≦1を示す。 - 前記リチウム含有金属硼窒化物は、α−Li3BN2型の結晶構造を有することを特徴とする請求項1記載の非水電解質電池。
- 下記(1)式で表される組成を有するリチウム含有金属硼窒化物を含むことを特徴とする正極活物質。
Li3−xAyBN2 (1)
但し、前記Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Ta、W、Re、Os、Ir、PtおよびAuよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素であり、モル比xおよびyは、それぞれ、y≦x≦2+y、0≦y≦1を示す。
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