JP2000357514A - 負極材料及びそれを用いた非水電解質電池 - Google Patents
負極材料及びそれを用いた非水電解質電池Info
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Abstract
自身の体積変化を抑えて、サイクル特性を向上させる。 【解決手段】 非炭素材料と、炭素材料との混合物から
なる負極材料において、非炭素材料の平均粒径をRMと
し、炭素材料の平均粒径をRCとするとき、RMとRCと
の比RM/RCを1以下とし、かつ非炭素材料の重量をW
Mとし、炭素材料の重量をWCとするとき、WMとWMとの
比WM/WCを1以下とする。
Description
材料との混合物からなる負極材料及びその負極材料を用
いた非水電解質電池に関する。詳しくは、非炭素材料と
炭素材料との粒径比を特定することでサイクル特性を向
上させた負極材料及び非水電解質電池に関する。
ダ、携帯電話、ラップトップコンピュータ等のポータブ
ル電子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られてい
る。そして、これらの電子機器のポータブル電源とし
て、電池、特に二次電池について、エネルギー密度を向
上させるための研究開発が活発に進められている。中で
も、リチウムイオン二次電池は、従来の非水電解液二次
電池である鉛電池、ニッケルカドミウム電池と比較して
大きなエネルギー密度が得られるため、期待度が大きく
なっている。
オン電池に使用する負極材料としては、難黒鉛化性炭素
や黒鉛等の炭素材料が、比較的高容量を示し、良好なサ
イクル特性を発現する点から広く用いられている。
うな炭素材料は、充放電容量が満足できるものではな
く、さらなる高性能化が課題となっている。そこで、炭
素材料に代わって、より高容量を示すケイ素、錫等の非
炭素系の負極材料の研究が盛んに行われている。
ムのドープ・脱ドープの際の、活物質自身の体積変化が
大きく、サイクル劣化が著しく大きいことが、実電池へ
応用する際の障壁となっていた。
みて提案されたものであり、リチウムのドープ・脱ドー
プの際の、活物質自身の体積変化を抑えて、サイクル特
性を向上させた負極材料及びそれを用いた非水電解質電
池を提供することを目的とする。
は、非炭素材料と、炭素材料との混合物からなり、非炭
素材料の平均粒径をRMとし、炭素材料の平均粒径をRC
とするとき、RMとRCとの比RM/RCが、1以下であ
り、かつ非炭素材料の重量をWMとし、炭素材料の重量
をWCとするとき、WMとWMとの比WM/WCが、1以下
であることを特徴とするものである。
は、非炭素材料と炭素材料との粒径比、及び非炭素材料
と炭素材料との重量比が規定されているので、リチウム
のドープ・脱ドープ時の非炭素材料の体積変化を炭素材
料が吸収し、負極全体としての体積変化が抑制される。
複合酸化物を含有する正極と、正極と対向して配されリ
チウムのドープ・脱ドープが可能な非炭素材料と炭素材
料との混合物を含有する負極と、正極と負極との間に介
在される非水電解質とを備え、非炭素材料の平均粒径を
RMとし、炭素材料の平均粒径をRCとするとき、RMと
RCとの比RM/RCが1以下であり、かつ非炭素材料の
重量をWMとし、炭素材料の重量をWCとするとき、WM
とWMとの比WM/WCが1以下であることを特徴とする
ものである。
池では、負極中に含有される非炭素材料と炭素材料との
粒径比、及び非炭素材料と炭素材料との重量比が規定さ
れているので、リチウムのドープ・脱ドープ時の非炭素
材料の体積変化を炭素材料が吸収し、負極全体としての
体積変化が抑制されて、サイクル劣化が抑えられる。
て説明する。
電池の一構成例を示す縦断面図である。この非水電解液
二次電池1は、フィルム状の正極2と、フィルム状の負
極3とが、セパレータ4を介して密着状態で巻回された
巻層体が、電池缶5の内部に装填されてなる。そして、
電池缶5の内部には非水電解液が注入されている。
有する正極合剤を正極集電体上に塗布、乾燥することに
より正極活物質層が形成されて作製される。正極集電体
には例えばアルミニウム箔等の金属箔が用いられる。
応じて、金属酸化物、金属硫化物又は特定のポリマーを
用いることができる。
合、正極活物質としては、TiS2、MnO2、黒鉛、F
eS2等を使用することができる。また、リチウム二次
電池を構成する場合、正極活物質としては、TiS2、
MoS2、NbSe2、V2O5等の金属硫化物あるいは酸
化物を使用することができる。
正極活物質としてLixMnO2(式中、Mは1種以上の
遷移金属を表し、xは電池の充放電状態によって異な
り、通常0.05≦x≦1.10である。)を主体とす
るリチウム複合酸化物等を使用することができる。この
リチウム複合酸化物を構成する遷移金属MとしてはC
o、Ni、Mn等が好ましい。このようなリチウム複合
酸化物の具体例としては、LiCoO2、LiNiO2、
LixNiyCo1-yO2(式中、x,yは、電池の充放電
状態によって異なり、通常0<x<1、0.7<y<
1.02である。)LiMn2O4等を挙げることができ
る。
電圧を発生でき、エネルギー密度的に優れた正極活物質
となる。正極2には、これらの正極活物質の複数種をあ
わせて使用してもよい。
常この種の電池の正極合剤に用いられている公知の結着
剤を用いることができるほか、上記正極合剤に公知の添
加剤等を添加することができる。
る負極合剤を、負極集電体上に塗布、乾燥することによ
り負極活物質層が形成されて作製される。負極集電体に
は、例えば銅箔等の金属箔が用いられる。
では、負極活物質として、非炭素材料と、炭素材料との
混合物を用いる。
として、非炭素材料の平均粒径をRMとし、上記炭素材
料の平均粒径をRCとするとき、RMとRCとの比RM/R
Cが1以下であり、かつ非炭素材料の重量をWMとし、炭
素材料の重量をWCとするとき、WMとWMとの比WM/W
Cが1以下である混合物を用いる。
一般式LiXMM’(式中、M、M’は、Li、Cを除
く元素であり、x≧0.01である。)で表される合金
を形成するものを用いることができる。このような非炭
素材料としては、ケイ素化合物、錫化合物、インジウム
化合物、若しくはアルミニウム化合物等を好ましく用い
ることができる。
が、ケイ素化合物、錫化合物、インジウム化合物、若し
くはアルミニウム化合物等のリチウムと一般式LiXM
M’(式中、M、M’は、Li、Cを除く元素であり、
x≧0.01である。)を形成する元素を含有する化合
物であれば、M、若しくはM’のうちの他方は、リチウ
ムと不活性な非炭素元素を選択することもできる。
01以上であることが好ましいが、より好ましくは、x
は、0.1以上である。
表される化合物を使用することもできる。ここで、上記
式中Mは、Li及びSi以外の元素であり、具体的には
B、C、N、O、Na、Mg、Al、P、S、K、C
a、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zn、Rb、Y、Mo、Rh、Pd、In、Sn、C
s、Ba、Ce又はTa等が挙げられる。
2)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化性炭素材
料や、(002)面の面間隔が0.340nm以下の黒
鉛系材料、又は易黒鉛化性炭素材料を広く利用すること
ができる。
は、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状炭素
類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭等を使
用することができる。上記コークス類には、ピッチコー
クス、ニードルコークス、石油コークス等がある。ま
た、上記有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹
脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの
を示す。
で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよ
い。その中でも特に、難黒鉛化性炭素を少なくとも用い
ることが好ましく、難黒鉛化性炭素に易黒鉛化性炭素又
は黒鉛系材料を任意の割合で混合したものを用いること
ができる。
負極活物質中の非炭素材料の平均粒径をRMとし、炭素
材料の平均粒径をRCとしたとき、非炭素材料と炭素材
料との粒径比RM/RCが1以下となされている。すなわ
ち、負極活物質中の非炭素材料の平均粒径が、炭素材料
の平均粒径よりも小さくなるようになされている。非炭
素材料の平均粒径を、炭素材料の平均粒径よりも小さく
することで、非炭素材料は、より大きな粒径を有する炭
素材料が形成する空隙に入り込むことになる。
二次電池1では、非炭素材料と炭素材料とを含有する負
極において、より粒径の大きな炭素材料が形成する空隙
を、粒径の小さな非炭素材料のリチウムとのドープ・脱
ドープの場として利用する。炭素材料が形成する空隙中
で、非炭素材料のリチウムのドープ・脱ドープを行わせ
ることで、リチウムのドープ・脱ドープの際に非炭素材
料の膨張・収縮による体積変化が現れても、炭素材料が
形成する空隙が、非炭素材料の体積変化を吸収し、負極
活物質全体としての体積変化を抑えることができる。そ
して、リチウムのドープ・脱ドープの際の負極活物質の
体積変化を抑えることで、非水電解液二次電池1のサイ
クル特性を飛躍的に向上することができる。
炭素材料の平均粒径が炭素材料の平均粒径よりも大きく
なると、リチウムのドープ・脱ドープに伴う非炭素材料
の体積変化を炭素材料が吸収することができなくなる。
RM/RCを1以下とすることで、リチウムのドープ・脱
ドープの際の負極活物質の体積変化を抑えて、非水電解
液二次電池1のサイクル特性を向上させることができ
る。
粒径及び平均粒径について述べる。不規則形状を有する
粒子の大きさの表し方には、種々の方法があるが、本実
施の形態においては、RM/RCが1以下となされていれ
ばよく、粒径及び平均粒径の測定方法は特に限定されな
い。
ば、粒子をふるいにかけ、粒子が通過しないふるい目の
大きさによって粒子の大きさを決める方法や、粒子を液
体中で沈降させて、その沈降速度を測定し、ストークス
式を用いてその粒径(ストークス径)を求める方法等が
挙げられる。このストークス径は、同じ条件下で試料粒
子と等しい速度で沈降する同じ密度の球形粒子の径を示
している。
からなるのが通常であり、粒径に分布のある粉体でも、
ある現象に対する効果が粒径Rなる均一な粒径と同じで
あれば、Rを代表径として用いた方が便利である。この
ような機能をもつ径Rを、その粉体の平均粒径とする。
したがって、平均粒径の求め方も、目的とするところに
応じて異なってくる。平均粒径の求め方として、具体的
には例えば、長さ平均径(ΣnR/Σn)等が挙げられ
るが、これに限定される訳ではない。ここで、Rは各粒
子の粒径であり、nは粒子の数である。
される炭素材料の平均粒径RCとしては、10μm〜7
0μm程度が好ましい。また、炭素材料の形状は特に限
定されるものではなく、粒状、鱗片状等、種々の形状の
炭素材料を用いることができる。
される非炭素材料の平均粒径RMとしては、20μm以
下程度が好ましく、より好ましい粒径は10μm以下程
度である。
非炭素材料と炭素材料との混合物として、非炭素材料の
重量をWMとし、上記炭素材料の重量をWCとするとき、
WMとWCとの比WM/WCが、1以下となされている。
の重量よりも多くなるよになされている。炭素材料の重
量を、非炭素材料の重量よりも多くすることで、リチウ
ムのドープ・脱ドープの際に非炭素材料の膨張・収縮に
よる体積変化が現れても、重量のより大きな炭素材料
が、非炭素材料の体積変化を吸収し、負極活物質全体と
しての体積変化を抑えることができる。そして、リチウ
ムのドープ・脱ドープの際の負極活物質の体積変化を抑
えることで、非水電解液二次電池1のサイクル特性を飛
躍的に向上することができる。
炭素材料の重量が炭素材料の重量よりも多くなると、リ
チウムのドープ・脱ドープに伴う非炭素材料の体積変化
を炭素材料が吸収することができなくなる。したがっ
て、WM/WCを1以下とすることで、リチウムのドープ
・脱ドープの際の負極活物質の体積変化を抑えて、非水
電解液二次電池1のサイクル特性を向上することができ
る。
て調製される。
液に用いられている公知の電解質を使用することができ
る。具体的には、LiClO4、LiAsF6、LiPF
6、LiBF4、LiB(C6H5)4、CH3SO3Li、
CF3SO3Li、LiCl,LiBr等のリチウム塩を
挙げることができる。
解液に使用されている種々の非水溶媒を使用することが
できる。具体的には、例えばプロピレンカーボネート、
エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−
ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロ
フラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオ
キソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチ
ルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニ
トリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステ
ル、酪酸エステル、プロピオン酸エステル等を使用する
ことができる。これらの非水溶媒は単独で使用してもよ
いし、複数種を混合して使用してもよい。
負極に含有される非炭素材料と炭素材料との粒径比を規
定することで、リチウムのドープ・脱ドープの際の負極
活物質の体積変化を抑えて、サイクル特性が飛躍的に改
善されたものとなる。
池1は、次のようにして製造される。
る正極合剤を、正極集電体となる例えばアルミニウム箔
等の金属箔上に均一に塗布、乾燥して正極活物質層を形
成することにより作製される。上記正極合剤の結着剤と
しては、公知の結着剤を用いることができるほか、上記
正極合剤に公知の添加剤等を添加することができる。
及び炭素材料を粉砕、分級し非炭素材料粉末、及び炭素
材料粉末を作製し、これらを混合することにより非炭素
材料と炭素材料との混合物からなる負極材料を作製す
る。そして、この負極材料に結着剤を混合することによ
り負極合剤を作製し、この負極合剤を負極集電体となる
例えば銅箔等の金属箔上に均一に塗布、乾燥して負極活
物質層を形成し、プレスにより圧縮成型することにより
負極3が作製される。上記負極合剤の結着剤としては、
公知の結着剤を用いることができるほか、上記負極合剤
に公知の添加剤等を添加することができる。
材料の粉砕、分級は、不活性ガス雰囲気下で行うことが
好ましい。炭素材料や非炭素材料の粉砕、分級を不活性
ガス雰囲気下で行うことにより、粉塵爆発や火災等の事
故を未然に防ぎ、安全に粉砕・分級作業を行うことがで
きる。
活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。このように、
炭素材料と非炭素材料との混合を不活性ガス雰囲気下で
行うことにより、粉塵爆発や火災等の事故を未然に防
ぎ、安全に混合作業を行うことができる。
は、不活性ガス雰囲気下、若しくは乾燥空気雰囲気下で
行うことが好ましい。負極合剤の金属箔上への塗布、乾
燥を不活性ガス雰囲気下、若しくは乾燥空気雰囲気下で
行うことにより、負極合剤への大気中の水分の吸着等に
よる負極3の品質の低下を防止することができ、高品質
の負極3、及び非水電解液二次電池1を作製することが
できる。なお、上記において乾燥空気雰囲気とは、露点
が−10℃以下の状態をいう。
レスにより行うことが好ましい。ここで、ホットプレス
とは60℃以上の温度で行うプレス工程のことである。
負極3を作製する際に、負極合剤に対してホットプレス
を施すことにより、負極合剤への大気中の水分の吸着等
による負極3の品質の低下を防止することができ、ま
た、非炭素材料層と炭素材料層との均一な接着を可能と
することができる。したがって、負極合剤に対してホッ
トプレスを施すことにより、高品質の負極3、及び非水
電解液二次電池1を作製することができる。そして、負
極合剤に対するホットプレスは、不活性ガス雰囲気下、
若しくは乾燥空気雰囲気下で行うことが好ましい。負極
合剤に対するホットプレスを不活性ガス雰囲気下、若し
くは乾燥空気雰囲気下で行うことにより、上述した効果
をさらに高めることができる。なお、上記において乾燥
空気雰囲気とは、露点が−10℃以下の状態をいう。
3とを、例えば微孔性ポリプロピレンフィルムからなる
セパレータ4を介して密着させ、渦巻型に多数回巻回す
ることにより巻層体が構成される。
は、不活性ガス雰囲気下、若しくは乾燥空気雰囲気下で
行われることが好ましい。巻層体を構成する際の巻回工
程を不活性ガス雰囲気下、若しくは乾燥空気雰囲気下で
行うことにより、負極合剤への大気中の水分の吸着等に
よる負極3の品質の低下を防止することができ、高品質
の負極3、及び非水電解液二次電池1を作製することが
できる。なお、上記において乾燥空気雰囲気とは、露点
が−10℃以下の状態をいう。
鉄製の電池缶5の底部に絶縁板6を挿入し、さらに巻層
体を収納する。そして負極の集電をとるために、例えば
ニッケルからなる負極リード7の一端を負極3に圧着さ
せ、他端を電池缶5に溶接する。これにより、電池缶5
は負極3と導通をもつこととなり、非水電解液二次電池
1の外部負極となる。また、正極2の集電をとるため
に、例えばアルミニウムからなる正極リード8の一端を
正極2に取り付け、他端を電流遮断用薄板9を介して電
池蓋10と電気的に接続する。この電流遮断用薄板9
は、電池内圧に応じて電流を遮断するものである。これ
により、電池蓋10は正極2と導通をもつこととなり、
非水電解液二次電池1の外部正極となる。
入する。この非水電解液は、電解質を非水溶媒に溶解さ
せて調製される。
する注液工程は、不活性ガス雰囲気下、若しくは乾燥空
気雰囲気下で行われることが好ましい。注液工程を不活
性ガス雰囲気下、若しくは乾燥空気雰囲気下で行うこと
により、非水電解液への大気中の水分の吸着等による負
極3の品質の低下を防止することができ、高品質の負極
3、及び非水電解液二次電池1を作製することができ
る。なお、上記において乾燥空気雰囲気とは、露点が−
10℃以下の状態をいう。
スケット11を介して電池缶5をかしめることにより電
池蓋10が固定されて円筒型の非水電解液二次電池1が
作製される。
は、図1に示すように、負極リード7及び正極リード8
に接続するセンターピン12が設けられているととも
に、電池内部の圧力が所定値よりも高くなったときに内
部の気体を抜くための安全弁装置13及び電池内部の温
度上昇を防止するためのPTC素子14が設けられてい
る。
として、非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液
を用いた非水電解液二次電池1を例に挙げて説明した
が、本発明は、有機及び無機の固体電解質、マトリクス
高分子中に電解質が分散されてなる固体電解質を用いた
電池や、膨潤溶媒を含有するゲル状の固体電解質を用い
た電池についても適用可能である。
イン型、ボタン型等、その形状について特に限定される
ことはなく、また、薄型、大型等の種々の大きさにする
ことができる。
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であ
る。
な非水電解液二次電池を作製し、その特性を評価した。
した。
に酸素を含む官能基を10〜20%導入することにより
酸素架橋を行い、次いで不活性ガス気流中1000℃で
焼成し、ガラス状炭素に近い性質の難黒鉛化性炭素材料
を得た。得られた材料についてX線回折測定を行ったと
ころ、(002)面の面間隔は3.76オングストロー
ムであり、真比重は1.58g/cm3であった。
し、平均粒径50μmの炭素材料粉末とし、この炭素材
料粉末を60重量部と、非炭素材料として平均粒径が5
μmのケイ素化合物(Mg2Si)粉末を30重量部
と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを10重量部と
を混合して負極合剤を調製した。
ドンに分散させてスラリー状とした。そして、このスラ
リーを負極集電体である厚さ10μmの帯状の銅箔の両
面に均一に塗布、乾燥して負極活物質層を形成した後、
ロールプレス機で圧縮成型することにより負極を作製し
た。
0.5mol対1molの比率で混合し、空気中900
℃で5時間焼成して正極活物質となるLiCoO2を得
た。
と、導電剤として黒鉛を6重量部と、結着剤としてポリ
フッ化ビニリデンを3重量部とを混合して正極合剤を調
製した。
リドンに分散させてスラリーとした。そして、このスラ
リーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔
の両面に均一に塗布、乾燥して正極活物質層を形成した
後、ロールプレス機で圧縮成形することにより正極を作
製した。
を、厚さ25μmの微孔性ポリプロピレンフィルムから
なるセパレータを介して密着させ、渦巻型に多数回巻回
することにより巻層体を作製した。
鉄製の電池缶の底部に絶縁板を挿入し、さらに巻層体を
収納した。そして負極の集電をとるために、ニッケル製
の負極リードの一端を負極に圧着させ、他端を電池缶に
溶接した。また、正極の集電をとるために、アルミニウ
ム製の正極リードの一端を正極に取り付け、他端を電流
遮断用薄板を介して電池蓋と電気的に接続した。この電
流遮断用薄板は、電池内圧に応じて電流を遮断するもの
である。
入した。この非水電解液は、炭酸プロピレンを50容量
%と、炭酸ジエチルを50容量%との混合溶媒中に、L
iPF6を1.0mol/lの濃度で溶解させて調製し
た。
ガスケットを介して電池缶をかしめることにより電池蓋
を固定して、直径が約18mm、高さが約65mmの円
筒型の非水電解液二次電池を作製した。
て、平均粒径が5μmのMg2Snを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして非水電解液二次電池を作製し
た。
て、平均粒径が5μmのAlを用いたこと以外は、実施
例1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
て、平均粒径が5μmのInを用いたこと以外は、実施
例1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
均粒径を100μmとしたこと以外は、実施例1と同様
にして非水電解液二次電池を作製した。
均粒径を100μmとしたこと以外は、実施例2と同様
にして非水電解液二次電池を作製した。
を100μmとしたこと以外は、実施例3と同様にして
非水電解液二次電池を作製した。
を100μmとしたこと以外は、実施例4と同様にして
非水電解液二次電池を作製した。
量を30重量部とし、Mg2Siの混合量を60重量部
としたこと以外は、実施例1と同様にして非水電解液二
次電池を作製した。
施例4及び比較例1乃至比較例5の非水電解液二次電池
について、以下のようにしてサイクル特性を評価した。
4.2Vまで行った。次に、500mAの定電流放電を
終止電圧2.5Vまで行った。以上の工程を1サイクル
とし、このサイクルを100サイクル繰り返した。そし
て、1サイクル目の放電容量に対する100サイクル目
の放電容量の割合から、100サイクル目の放電容量維
持率(%)を求めた。なお、サイクル特性評価試験は、
20℃の環境下で行った。
較例5の各電池についての放電容量維持率を表1に示
す。なお、実施例1乃至実施例4及び比較例1乃至比較
例5の各電池について、初期容量はいずれもほぼ同等の
容量が得られた。
炭素材料の平均粒径をRMとし、炭素材料の平均粒径を
RCとするとき、RMとRCとの比RM/RCが、1以下と
され、かつ非炭素材料の重量をWMとし、炭素材料の重
量をWCとするとき、WMとWMとの比WM/WCが1以下
とされた実施例1乃至実施例4の非水電解液二次電池で
は、炭素材料の粒径RCが、非炭素材料の粒径RMよりも
小さくなされた、すなわちRMとRCとの比RM/RCが1
よりも大きくされた比較例1乃至比較例4の電池に比べ
て、放電容量維持率が飛躍的に向上していることがわか
る。
に、非炭素材料の体積変化が現れても、炭素材料が非炭
素材料の体積変化を吸収し、負極活物質全体としての体
積変化を抑えることができたためと考えられる。
炭素材料の粒径を、非炭素材料の粒径と同じか、若しく
は大きくし、かつ負極活物質中の炭素材料の重量を非炭
素材料の重量と同じか、若しくは多くすることにより上
記の効果が得られ、良好なサイクル特性が得られること
がわかった。
とされ、WMとWMとの比WM/WCが1よりも多くされた
比較例5と実施例1とを比較することにより、負極活物
質中の非炭素材料の重量WMが、炭素材料の重量WCより
も多くなされた、すなわちWMとWCとの比WM/WCが1
より大きくなされた比較例5の電池では、負極合剤中の
非炭素材料の重量WMが、炭素材料の重量WCよりも少な
くなされた実施例1の電池に比べて、放電容量維持率が
半分以下になっていることがわかる。
ドープ・脱ドープの際に、非炭素材料の体積変化が現れ
ても、炭素材料が少なすぎるために、炭素材料が非炭素
材料の体積変化を吸収し、負極活物質全体としての体積
変化を抑えることができなかったためと考えられる。
径を、非炭素材料の粒径と同じか、若しくは大きくし、
かつ負極活物質中の炭素材料の重量を非炭素材料の重量
と同じか、若しくは多くすることにより負極活物質の体
積変化を抑えて、良好なサイクル特性が得られることが
わかった。
粒径比、及び非炭素材料と炭素材料との重量比を規定す
ることで、リチウムのドープ・脱ドープの際の体積変化
を抑えることのできる負極材料を実現することができ
る。
ることで、サイクル特性が飛躍的に向上し、優れた非水
電解質電池を実現することができる。
示す断面図である。
4 セパレータ、 5電池缶、 10 電池蓋
Claims (8)
- 【請求項1】 非炭素材料と、炭素材料との混合物から
なり、上記非炭素材料の平均粒径をRMとし、上記炭素
材料の平均粒径をRCとするとき、RMとRCとの比RM/
RCが、1以下であり、かつ上記非炭素材料の重量をWM
とし、上記炭素材料の重量をWCとするとき、WMとWM
との比WM/WCが、1以下であることを特徴とする負極
材料。 - 【請求項2】 上記非炭素材料は、リチウムと一般式L
iXMM’(式中、M、M’は、Li、Cを除く元素で
あり、x≧0.01である。)で表される合金を形成す
ることを特徴とする請求項1記載の負極材料。 - 【請求項3】 上記M、若しくは上記M’は、Si、S
n、Al、Inからななる群より選ばれた1種の元素で
あることを特徴とする請求項2記載の負極材料。 - 【請求項4】 上記炭素材料は、難黒鉛化性炭素材料、
易黒鉛化性炭素材料、若しくは黒鉛材料を含有すること
を特徴とする請求項1記載の負極材料。 - 【請求項5】 リチウム複合酸化物を含有する正極と、 上記正極と対向して配され、リチウムのドープ・脱ドー
プが可能な非炭素材料と炭素材料との混合物を含有する
負極と、 上記正極と上記負極との間に介在される非水電解質とを
備え、 上記非炭素材料の平均粒径をRMとし、上記炭素材料の
平均粒径をRCとするとき、RMとRCとの比RM/R
Cが、1以下であり、かつ上記非炭素材料の重量をWMと
し、上記炭素材料の重量をWCとするとき、WMとWMと
の比WM/WCが、1以下であることを特徴とする非水電
解質電池。 - 【請求項6】 上記非炭素材料は、リチウムと一般式L
iXMM’(式中、M、M’は、Li、Cを除く元素で
あり、x≧0.01である。)で表される合金を形成す
ることを特徴とする請求項5記載の非水電解質電池。 - 【請求項7】 上記M、若しくは上記M’は、Si、S
n、Al、Inからななる群より選ばれた1種の元素で
あることを特徴とする請求項6記載の非水電解質電池。 - 【請求項8】 上記炭素材料は、難黒鉛化性炭素材料、
易黒鉛化性炭素材料、若しくは黒鉛材料を含有すること
を特徴とする請求項5記載の非水電解質電池。
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