JPH10308236A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JPH10308236A
JPH10308236A JP9118309A JP11830997A JPH10308236A JP H10308236 A JPH10308236 A JP H10308236A JP 9118309 A JP9118309 A JP 9118309A JP 11830997 A JP11830997 A JP 11830997A JP H10308236 A JPH10308236 A JP H10308236A
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secondary battery
electrolyte secondary
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篤雄 小丸
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晃 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量かつ保存性に優れた非水電解液二次電
池を提供する。 【解決手段】 リチウムをドープ・脱ドープすることが
可能な負極1、正極2及び非水溶媒に電解質が溶解され
てなる非水電解液を有してなる非水電解液二次電池にお
いて、上記非水電解液は、少なくとも1種以上のメトキ
シベンゼン系化合物を含有すると共に、不純物を5〜7
000ppmなる濃度で含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解液二次電池
に関し、特に非水電解液の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子技術のめざましい進歩は、電
子機器の小型・軽量化を次々と実現させている。それに
伴い、ポータブル用電源としての電池に対しても益々小
型・軽量化且つ高エネルギー密度への要求が高まってい
る。
【0003】従来、一般用途の二次電池としては鉛電
池、ニッケル・カドミウム電池等の水溶液系電池が主流
である。しかし、これらの水溶液系の二次電池は、サイ
クル特性にはある程度満足できるが、電池重量やエネル
ギー密度の点では満足できる特性とは言えない。
【0004】一方、最近、リチウムあるいはリチウム合
金を負極に用いた非水電解液二次電池の研究開発が盛ん
に行われている。この電池は、例えばLiCoO2に代
表されるようなLi含有複合酸化物を正極材料に用いる
ことで高エネルギー密度を有するものになり、また、自
己放電も少なく、軽量という優れた特性を有する。
【0005】しかしながら、このようなリチウムあるい
はリチウム合金を負極に用いた非水電解液二次電池は、
充放電サイクルの進行に伴って、充電時にリチウムがデ
ンドライト状に結晶成長し、正極に到達して内部ショー
トに至るといった可能性がある。また、デンドライトの
生成が促進されてしまうために、実用的な急速充放電が
できないといった問題がある。この理由から、このリチ
ウムまたはリチウム合金を負極に用いる非水電解液二次
電池の実用化は遠いものとなっている。
【0006】そこで、このような問題を解消するものと
して、酸化物や炭素等の層状化合物にリチウムイオンを
取り込んだものを負極材料に用いる、いわゆるロッキン
グチエアー型の非水電解液二次電池(リチウムイオン二
次電池)が注目されている。
【0007】この非水電解液二次電池は、このような層
状化合物の層間にリチウムがドープ・脱ドープされるの
を負極反応に利用するものであり、充放電サイクルが進
行しても、デンドライトの析出が認められず、良好な充
放電サイクル特性を示す。
【0008】ところで、非水電解液二次電池の負極材料
として使用し得る炭素材料は各種挙げられるが、初めに
負極材料として実用化されたものはコークスやガラス状
炭素等の難黒鉛化性炭素材料、すなわち有機材料を比較
的低温で熱処理することによって得られる結晶性の低い
炭素材料である。これら難黒鉛化性炭素材料で構成され
た負極と炭酸プロピレン(PC)を主溶媒とする電解液
とを組み合わせた非水電解液二次電池が既に商品化され
ている。
【0009】さらに、最近では、結晶構造が発達した黒
鉛類も負極材料として使用できるようになっている。黒
鉛類の場合、主溶媒として用いられるPCを分解してし
まうことから、このことが、負極材料とする上での障害
となっていた。しかし、安定性の高い炭酸エチレン(E
C)を主溶媒とすることでこのような問題も解消され、
負極材料として使用できるようになっている。
【0010】黒鉛類は、鱗片状のものが比較的容易に入
手でき、従来よりアルカリ電池用導電剤等として広く用
いられている。この黒鉛類は、難黒鉛化性炭素材料に比
べて結晶性が高く、真密度が高い。したがって、黒鉛類
によって負極を構成すれば、高い電極充填性が得られ、
電池のエネルギー密度が高められることになる。このこ
とから、黒鉛類は負極材料として期待の大きな材料であ
ると言える。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、リチウムイ
オン二次電池では充電によって次のような電位状態にな
る。すなわち、上述の如くLiCoO2に代表されるよ
うなLi含有複合酸化物を使用する正極では、充電時に
Liイオンが引き抜かれ、4.2V程度の高い電位にな
る。一方、上述の如く炭素材料を使用する負極では、L
iイオンがドープされ、Li金属の電位に近づく。
【0012】そのため、このような電池では、充電時
に、正極は非常に酸化され易く、負極は非常に還元され
易い状態にある。このため、充電状態で電池を保存して
いると、この間に電極に何らかの不可逆反応が生じ、回
復しない容量劣化が引き起こされた。
【0013】そこで、このような問題を解消する手段と
して、非水電解液に、特定濃度のメトキシベンゼン系化
合物を添加することが提案されている。メトキシベンゼ
ン系化合物を非水電解液に添加すると、充電状態での保
存で起こる正極及び負極における不可逆反応が抑制さ
れ、これを原因とする容量劣化が改善される。
【0014】しかしながら、最近では、携帯電話やノー
トパソコン等の電子機器における動作時間の延長等に伴
って、これら電子機器の電源となる上述した非水電解液
二次電池においても、更なる容量及び保存性の向上が要
求されている。
【0015】そこで、本発明は、このような従来の実情
に鑑みてなされたものであり、充電状態で保存した際の
容量劣化抑制効果をさらに向上させ、高容量かつ保存性
に優れた非水電解液二次電池を提供することを目的とす
るものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、これまで
の非水電解液二次電池における不純物は、活物質の減量
による容量低下のみならず、電池反応を阻害したり信頼
性が低下する等の理由から、その量をできるだけ少なく
抑えることが望まれていたが、メトキシベンゼン系化合
物を含有する電解液においては、不純物濃度を規定する
ことにより、上述した容量劣化抑制効果がさらに向上す
ることを見いだした。
【0017】すなわち、本発明に係る非水電解液二次電
池は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な負
極、正極及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電
解液を有してなる非水電解液二次電池において、上記非
水電解液が、少なくとも1種以上のメトキシベンゼン系
化合物を含有すると共に、不純物を5〜7000ppm
なる濃度で含有することを特徴とする。
【0018】本発明に係る非水電解液二次電池において
は、非水電解液が、5〜7000ppmなる濃度で不純
物を含有することにより、メトキシベンゼン系化合物の
みが添加された時よりも高い容量劣化抑制効果が発揮さ
れる。
【0019】メトキシベンゼン系化合物のみを添加した
場合でも、充電状態に生じる電池内の厳しい酸化及び還
元雰囲気における正極及び負極における不可逆反応が抑
制され、活物質の失活を防ぐ効果を得ることができる。
しかし、ここで、メトキシベンゼン系化合物と併せて不
純物を添加した場合には、不純物が活物質と反応し、活
物質表面に生成した反応物がメトキシベンゼン系化合物
による劣化抑制反応を均一に行わせるものと考えられ
る。或いは、メトキシベンゼン系化合物による劣化抑制
反応時において、不純物も同時に反応し、より高い抑制
効果を発揮するものと考えられる。したがって、活物質
の劣化が活物質表面から内部まで進行せず、より高い抑
制効果が発揮され、充放電反応性と容量が維持される。
【0020】なお、上記不純物の含有量が5ppm未満
の場合には、上述した劣化抑制効果が十分得られない。
また、不純物の含有量が7000ppmを越える場合に
は、余分な副反応が生じ、逆に容量を劣化させることに
なるので好ましくない。
【0021】ところで、上記不純物としては、イオン
や、水を規定することが好ましい。特に、上記イオンと
しては、Li、Si、Mg、Al、Ca、Fe、K、N
a、F、O、Pから選ばれてなる元素を少なくとも1以
上含むイオンがより好ましい。
【0022】また、上記不純物しては、芳香族化合物、
ベンゼンハロゲン化物、脂肪族炭化水素を規定すること
が好ましい。特に、上記脂肪族炭化水素化合物として
は、カルボニル基、カルボキシル基、又はエーテル結合
を有するものが好ましい。また、上記不純物としては、
窒素、又は硫黄を有するものが好ましい。また、メトキ
シベンゼン系化合物が、不純物として、該メトキシベン
ゼン系化合物の異性体を含有していてもよい。
【0023】このように、不純物としては、液相中自由
に移動可能なイオンや水等の無機物を規定することが好
ましい。また、同じく、不純物としては、電解液用溶媒
の合成過程で混入する反応溶媒や副生成物する有機物、
若しくは電気化学的に又は酸化還元等によって電池内で
反応性を有する有機物を規定することがより好ましい。
【0024】一方、非水電解液は、メトキシベンゼン系
化合物を0.05〜0.8Mなる濃度で含有することが
好ましい。メトキシベンゼン系化合物の添加量が0.8
Mより多い場合には、導電率が低下し、低温特性に悪影
響を与える。0.005Mより少ない場合には、十分な
容量維持効果が得られない。
【0025】また、メトキシベンゼン系化合物として
は、メトキシ以外の水素基の少なくとも1以上がハロゲ
ン元素により置換されてなる化合物が好ましく、ハロゲ
ン元素としては、Fがより好ましい。ハロゲン元素に置
換することにより、電気化学的耐酸化還元性が向上す
る。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施の形態につ
いて説明する。
【0027】本発明が適用される非水電解液二次電池
は、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な負
極、正極及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電
解液を有して構成される。
【0028】本発明では、このような非水電解液二次電
池の非水電解液が、メトキシベンゼン系化合物を含有す
ると共に、不純物を5〜7000ppmなる濃度で含有
することを特徴とする。
【0029】ここで、上記不純物としては、あらゆる無
機化合物が適用可能であるが、イオンや、水を規定する
ことが好ましい。特に、上記イオンとしては、Li、S
i、Mg、Al、Ca、Fe、K、Na、F、O、Pか
ら選ばれてなる元素を少なくとも1以上含むイオンがよ
り好ましい。
【0030】また、上記不純物しては、電解液溶媒以外
のあらゆる有機化合物について適用可能であるが、芳香
族化合物、ベンゼンハロゲン化物、脂肪族炭化水素を規
定することが好ましい。特に、上記脂肪族炭化水素化合
物としては、カルボニル基、カルボキシル基、又はエー
テル結合を有することが好ましい。また、上記不純物と
しては、窒素、又は硫黄を有することが好ましい。
【0031】また、メトキシベンゼン系化合物が、不純
物として、該メトキシベンゼン系化合物の異性体を含有
していてもよい。
【0032】具体的には、電解液用溶媒の合成過程で混
入する反応溶媒、若しくは副生成物であるもの、例え
ば、炭酸エステル系溶媒の不純物として、エチレングリ
コールやメタノール等のアルコール類や、メトキシベン
ゼン系化合物を合成する際の副生成物であるメトキシベ
ンゼン系化合物の異性体が挙げられる。その他、正極上
で反応性の高い1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジ
エトキシメタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド
等の硫黄原子を骨格に含む化合物、ケトン類等が挙げら
れる。また負極上で反応性の高いテトラヒドロフラン等
の環状エーテル類、γ−ブチロラクトン、バレロラクト
ン等のラクトン類、金属リチウムと反応性をもつピリジ
ン、アセトニトリル等の窒素原子を骨格に含む化合物等
が挙げられる。
【0033】このように、不純物としては、液相中自由
に移動可能なイオンや水を規定することが好ましい。ま
た同じく、不純物としては、電解液用溶媒の合成過程で
混入する反応溶媒や副生成物する有機物、若しくは電気
化学的に又は酸化還元等によって電池内で反応性を有す
る有機物を規定することがより好ましい。
【0034】これまで、一般に、不純物はできるだけ少
なく抑えることが望まれていたが、本発明においては、
メトキシベンゼン系化合物を含有する非水電解液中に特
定不純物を5〜7000ppm含有させることにより、
充電状態に生じる電池内の厳しい酸化及び還元雰囲気に
おける正極及び負極における不可逆な反応を抑制して活
物質の失活を防止し、より高い容量劣化抑制効果が発揮
されるものである。
【0035】なお、上記不純物の含有量が5ppm未満
の場合には、上述した容量劣化抑制効果を十分得ること
ができない。また、不純物の含有量が7000ppmを
越える場合には、余分な副反応が生じ、逆に容量を劣化
させることになるので好ましくない。したがって、不純
物の含有量は、5〜7000ppmが好ましく、10〜
1000ppmがより好ましく、さらに、10〜500
ppm以下がより好ましく、不純物の種類によって、適
宜最適値を選択するとよい。
【0036】一方、非水電解液に添加されるメトキシベ
ンゼン系化合物としては、如何なる構造のものも使用可
能であり、メトキシ基を少なくとも1以上有することが
望ましい。
【0037】さらに、メトキシベンゼン系化合物は、メ
トキシ基以外の水素基が少なくとも1以上のハロゲン元
素で置換されていることが好ましい。ハロゲン元素とし
ては、F、Br、Cl等が挙げられ、この中ではFが最
も好ましい。ハロゲン元素で置換されているメトキシベ
ンゼン化合物は、電気化学的耐酸化還元性が向上する。
なお、ハロゲン元素が導入される位置は特に制限されな
い。
【0038】また、これらメトキシベンゼン系化合物
は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わ
せて用いてもよい。
【0039】なお、メトキシベンゼン系化合物として
は、具体的には、化1〜化58で示される化合物が挙げ
られる。但し、化10〜化58中、X1,X2は、F,B
r,Clのいずれか1種を示す。
【0040】
【化1】
【0041】
【化2】
【0042】
【化3】
【0043】
【化4】
【0044】
【化5】
【0045】
【化6】
【0046】
【化7】
【0047】
【化8】
【0048】
【化9】
【0049】
【化10】
【0050】
【化11】
【0051】
【化12】
【0052】
【化13】
【0053】
【化14】
【0054】
【化15】
【0055】
【化16】
【0056】
【化17】
【0057】
【化18】
【0058】
【化19】
【0059】
【化20】
【0060】
【化21】
【0061】
【化22】
【0062】
【化23】
【0063】
【化24】
【0064】
【化25】
【0065】
【化26】
【0066】
【化27】
【0067】
【化28】
【0068】
【化29】
【0069】
【化30】
【0070】
【化31】
【0071】
【化32】
【0072】
【化33】
【0073】
【化34】
【0074】
【化35】
【0075】
【化36】
【0076】
【化37】
【0077】
【化38】
【0078】
【化39】
【0079】
【化40】
【0080】
【化41】
【0081】
【化42】
【0082】
【化43】
【0083】
【化44】
【0084】
【化45】
【0085】
【化46】
【0086】
【化47】
【0087】
【化48】
【0088】
【化49】
【0089】
【化50】
【0090】
【化51】
【0091】
【化52】
【0092】
【化53】
【0093】
【化54】
【0094】
【化55】
【0095】
【化56】
【0096】
【化57】
【0097】
【化58】
【0098】上述したメトキシベンゼン系化合物の適正
な添加量は、化合物の種類によっても異なるが0.00
5〜0.8M、より好ましくは0.005〜0.5Mで
ある。添加量が少なすぎると容量劣化抑制効果が十分に
得られない。また、添加量が多すぎる場合には、電解液
の導電率が低くなり、特に低温特性が損なわれる。
【0099】本発明では、このように電解液にメトキシ
ベンゼン系化合物と不純物とを添加するが、他の電解液
の成分としては、この種の非水電解液二次電池で通常用
いられているものがいずれも使用可能である。
【0100】まず、非水溶媒としては、エチレンカーボ
ネート等の比較的誘電率の高いものを主溶媒に用い、さ
らに複数の低粘度溶媒を添加したものを使用するのが望
ましい。
【0101】高誘電率溶媒としては、エチレンカーボネ
ート(EC)の他、プロピレンカーボネート(PC),
ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート
(VC)、スルホラン酸、ブチロラクトン類、バレロラ
クトン類等が使用可能である。
【0102】低粘度溶媒としては、ジエチルカーボネー
ト,ジメチルカーボネート等の対称の鎖状炭酸エステ
ル、メチルエチルカーボネート,メチルプロピルカーボ
ネート等の非対称の鎖状炭酸エステル、プロピオン酸メ
チル,プロピオン酸エチル等のカルボン酸エステル、さ
らにリン酸トリメチル,リン酸トリエチル等のリン酸エ
ステル等が使用可能である。これらのうち1種類を用い
てもよく、さらに2種類以上を組み合わせて用いても良
好な結果が得られる。
【0103】特に、負極に黒鉛材料を用いる場合には、
他の高誘電率溶媒に比べて黒鉛による分解がされ難いこ
とから、エチレンカーボネートを主溶媒として用いるの
が望ましいが、エチレンカーボネートの水素原子をハロ
ゲンで置換した化合物も好適である。
【0104】また、プロピレンカーボネートのように黒
鉛材料と反応性があるものであっても、エチレンカーボ
ネートやエチレンカーボネートのハロゲン化物を主溶媒
とし、これの一部を置き換える第2の成分溶媒として添
加するのであれば使用しても差し支えない。特に、ここ
では電解液にメトキシベンゼン系化合物が添加されてお
り、これが黒鉛材料と溶媒の反応を抑制するように作用
することから、プロピレンカーボネートの添加量を比較
的多く設定することが可能である。
【0105】第2の成分溶媒として用いられるものは、
プロピレンカーボネートの他、ブチレンカーボネート、
ビニレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、
1,2−ジエトキシメタン、γ−ブチロラクトン、バレ
ロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒ
ドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,
3−ジオキソラン、スルホラン、メチルスルホラン等が
挙げられる。このうち、プロピレンカーボネート、ブチ
レンカーボネート、ビニレンカーボネート等の炭酸エス
テル系溶媒を用いるのが好ましい。なお、これらの添加
量は40容量%以下、さらには20容量%以下とするの
が望ましい。
【0106】非水溶媒に溶解する電解質塩としては、こ
の主の電池に用いられるものがいずれも使用可能であ
る。具体的にはLiPF6 、LiClO4 、LiAsF
6 、LiBF4 、LiB(C6 5 4 、CH3 SO3
Li、CF3 SO3 Li,LiN(CF3 SO22
LiC(CF3SO23、LiCl、LiBr等が挙げ
られる。これら電解質塩は1種類を単独で使用しても、
複数種を組み合わせて使用しても構わない。なお、組み
合わせて使用する場合、LiPF6 を主成分とするのが
望ましい。
【0107】一方、電池の負極,正極としては次のよう
なものが使用できる。
【0108】まず、負極材料としては、リチウムイオン
をドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料や、結晶
質あるいは非晶質の金属カルコゲン化物が用いられる。
【0109】このうち、炭素材料としては、易黒鉛化性
炭素材料、難黒鉛化性炭素材料、黒鉛材料が使用でき
る。
【0110】難黒鉛化性炭素材料としては、(002)
面間隔が0.37nm以上、真密度が1.70g/cm
3未満、空気中での示差熱分析(DTA)において、7
00℃以上に発熱ピークを有さないといった物性パラメ
ータを有する材料が好適である。
【0111】このような難黒鉛化性炭素材料は、有機材
料を1000℃程度の温度で熱処理することで得られ
る。
【0112】出発原料の代表としては、フルフリルアル
コールやフルフラールのホモポリマー,コポリマーある
いは他の樹脂と共重合したフラン樹脂等が挙げられる。
【0113】さらに、フェノール樹脂、アクリル樹脂、
ハロゲン化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイ
ミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセチレン、ポリ(p
−フェニレン)等の共役系樹脂、セルロースおよびその
誘導体、任意の有機高分子系化合物を使用することがで
きる。
【0114】また、特定のH/C原子比を有する石油ピ
ッチに、酸素を含む官能基を導入(いわゆる酸素架橋)
したものも、上記フラン樹脂と同様、炭素化の過程(4
00℃以上)で溶融せず、固相状態で最終的に難黒鉛化
性炭素材料になる。
【0115】上記石油ピッチは、コールタール,エチレ
ンボトム油,原油等の高温熱分解で得られるタール類、
アスファルトなどより蒸留(真空蒸留、常圧蒸留、スチ
ーム蒸留),熱重縮合,抽出,化学重縮合等の操作によ
って得られる。このとき、石油ピッチのH/C原子比が
重要で、難黒鉛化性炭素とするためにはこのH/C原子
比を0.6〜0.8とする必要がある。
【0116】これらの石油ピッチに、酸素架橋を形成す
るための具体的な手段は限定されないが、例えば硝酸,
混酸,硫酸,次亜塩素酸等の水溶液による湿式法、ある
いは酸化性ガス(空気、酸素)による乾式法、さらに硫
黄,硝酸アンモニウム,過硫酸アンモニア,塩化第二鉄
等の固体試薬による反応などが用いられる。
【0117】この酸素含有率は、特に限定されないが、
特開平3−252053号公報に記載されるように、好
ましくは3%以上、さらに好ましくは5%以上である。
この酸素含有率は、最終的に製造される炭素材料の結晶
構造に影響を与え、酸素含有率をこの範囲としたとき
に、上述したような(002)面間隔を0.37nm以
上、空気気流中での示差熱分析(DTA)において70
0℃以上に発熱ピークを有さないといった物性パラメー
タを有するものになり、負極容量が向上する。。
【0118】なお、出発原料はこれらに限定されず、他
のあらゆる有機材料、すなわち酸素架橋処理等によって
固相炭素化過程を経て難黒鉛化炭素材料となるものであ
ればいずれも使用可能である。
【0119】また、以上のような有機材料を出発原料と
する難黒鉛化性炭素材料の他、特開平3−137010
号公報に記載されるリン、酸素、炭素を主成分とする化
合物も難黒鉛化性炭素材料と同様の物性パラメータを示
し、負極の材料として好ましい。
【0120】難黒鉛化性炭素材料は、以上のような有機
材料を焼成等によって炭素化することによって得られる
が、この焼成は次のようなプロセスで行うのが望まし
い。
【0121】すなわち、難黒鉛化性炭素材料を合成する
には、有機材料を温度300〜700℃で炭化した後、
昇温速度毎分1〜100℃、到達温度900〜1300
℃、到達温度での保持時間0〜30時間程度の条件で焼
成を行う。なお、場合によっては炭化操作は省略しても
良い。そして、このようにして得られた焼結体は、この
後、粉砕・分級して負極に供されるが、この粉砕は炭
化、仮焼、高温熱処理の前後で行っても昇温過程の間で
行っても構わない。
【0122】次に、黒鉛材料としては、真密度が2.1
g/cm3以上であるのが好ましく、2.18g/cm3
以上であるのがより好ましい。そのような真密度を得る
には、X線回折法で測定される(002)面間隔が好ま
しくは0.340nm未満、さらに好ましくは0.33
5nm以上、0.337nm以下であり、(002)面
のC軸結晶子厚みが14.0nm以上であることが必要
である。
【0123】また、黒鉛材料では、以上のような真密度
や結晶構造パラメータの他、嵩密度、平均形状パラメー
タxave,比表面積,粒度分布,粒子破壊強度といった
特性も重要になる。次に、これらの特性について説明す
る。
【0124】まず、嵩密度は、JIS K−1469に
記載される方法に準じて測定される。この測定方法を以
下に示す。
【0125】<嵩密度測定方法>予め質量を測定してお
いた容量100cm3 のメスシリンダーを斜めにし、こ
れに試料粉末100cm3 を、さじを用いて徐々に投入
する。そして、全体の質量を最小目盛り0.1gで測
り、その質量からメスシリンダーの質量を差し引くこと
で試料粉末の質量Mを求める。
【0126】次に、試料粉末が投入されたメスシリンダ
ーにコルク栓をし、その状態のメスシリンダーを、ゴム
板に対して約5センチメートルの高さから50回落下さ
せる。その結果、メスシリンダー中の試料粉末は圧縮さ
れるので、その圧縮された試料粉末の容積Vを読み取
る。そして、下記の式1により嵩比重(g/cm3 )を
算出する。
【0127】D=M/V・・・式1 D:嵩比重(g/cm3 ) M:メスシリンダー中の試料粉末の質量(g) V:50回落下後のメスシリンダー中の試料粉末の容積
(cm3 ) 黒鉛材料としては、この嵩密度が0.4g/cm3以上
のものを用いるのが望ましい。黒鉛材料は形状が鱗片状
であることから電極から剥がれ落ち易く、このことがサ
イクル寿命を短くする原因になる。但し、このように嵩
密度が0.4g/cm3以上の黒鉛材料であれば、剥が
れ落ちが抑えられ、サイクル寿命が向上する。なお、嵩
密度のより好ましい範囲は、0.5g/cm3以上、さ
らには0.6g/cm3以上である。
【0128】次に、平均形状パラメータxaveは以下の
ようにして求められるものである。
【0129】<平均形状パラメータxave:SEM法>
すなわち、黒鉛材料の代表的な粒子形状は、図1あるい
は図2の模式図で示すように偏平な円柱状あるいは直方
体状である。この黒鉛粒子の最も厚さの薄い部分の厚さ
をT、最も長さの長い長軸方向の長さをL、奥行きに相
当する長軸と直交する方向の長さをWとしたときに、L
とWそれぞれをTで除した値の積が上記形状パラメータ
xである。この形状パラメータxが小さいもの程、底面
積に対する高さが高く偏平度が小さいことを意味する。
【0130】x=(L/T)×(W/T)・・・式2 x:形状パラメータ T:粉末の最も厚さの薄い部分の厚さ L:粉末の長軸方向の長さ W:粉末の長軸と直交する方向の長さ このような形状パラメータxを、実際の黒鉛粉末につい
て測定するには、黒鉛粉末の形状をSEM(走査型電子
顕微鏡)を用いて観察し、最も長さの長い部分の長さが
平均粒径の±30%であるような粉末を10個選択す
る。そして、選択した10個の粉末それぞれについて式
2により形状パラメータを計算し、その平均を算出す
る。この算出された平均値が平均形状パラメータxave
である。
【0131】この平均形状パラメータxaveは125以
下であるのが望ましい。嵩密度が上述の範囲内であっ
て、且つこのようにして求められる平均形状パラメータ
aveが125以下であるような偏平度の低い黒鉛粉末
を用いると、電極の構造がさらに改善され、黒鉛粉末が
剥がれ落ち難くなる。これにより、サイクル寿命がより
一層向上することになる。なお、平均形状パラメータx
ave のより好ましい範囲は、2以上115以下、さらに
は2以上100以下である。
【0132】続いて、黒鉛粉末の比表面積であるが、こ
れは窒素吸着BET法によって求められ、9m2/g以
下であるのが望ましい。嵩密度、平均形状パラメータx
aveが上記条件を満たすとともに、この比表面積が9m2
/g以下の黒鉛粉末を用いることによって、電池のサイ
クル寿命がさらに改善される。
【0133】なお、比表面積の規制が電池のサイクル寿
命に効果を示すのは、この比表面積が、黒鉛粉末への微
粒子の付着を反映するからである。
【0134】すなわち、黒鉛粉末にはサブミクロン程度
の微粒子が付着している場合が多く、微粒子の付着が黒
鉛材料の嵩密度を低くしているものと考えられる。した
がって、黒鉛粉末への微粒子の付着はできるだけ少ない
方が望ましい。
【0135】一方、黒鉛粉末の比表面積は、同じ粒度で
あれば、微粒子の付着が多い程大きくなり、逆に微粒子
の付着が少ない程小さくなる。つまり、比表面積が9m
2/g以下に抑えれているということは、この微粒子の
付着が非常に少ないことを意味しており、したがって高
い嵩密度が得られ長サイクル寿命が得られる。なお、こ
の比表面積は、より好ましくは7m2/g以下、さらに
好ましくは5m2/g以下である。
【0136】黒鉛粉末の粒度は、粒度分布図(横軸:粒
径、縦軸:粒子個数)から求められる累積10%粒径、
累積50%粒径、累積90%粒径によって最適化され
る。この累積10%粒径、累積50%粒径、累積90%
粒径とは、粒度分布図において、それぞれ0μmから積
分した面積が全面積の10%,50%,90%となった
ときの粒径のことである。
【0137】このうち、累積10%粒径は3μm以上、
累積50%粒径は10μm以上、累積90%粒径は70
μm以下であるのが望ましい。これは 以下の理由から
である。
【0138】すなわち、電極充填性を考えた場合、黒鉛
粉末の粒度分布は、横軸(粒径)にある程度幅をもった
分布であり、特に正規分布となっていると高い充填効率
が得られ、望ましい。
【0139】但し、過充電等の異常事態になった場合、
電池に発熱が生じる可能性があり、このような場合に、
小粒径の黒鉛粉末の分布数が多いと、発熱温度が高くな
る傾向がある。
【0140】一方、電池の充電時には、黒鉛層間へリチ
ウムイオンが挿入されるため結晶子が約10%膨張す
る。そして、この膨張によって正極やセパレータが圧迫
され、初充電時に内部ショート等の初期不良が起こり易
い状態になる。このような膨張による不良は、大粒径の
黒鉛粉末の分布数が多い程顕著になる。
【0141】つまり、黒鉛粉末は、小粒径のものが多す
ぎても、大粒径のものが多すぎても不具合があり、粒径
の大きい粒子から小さい粒子までバランス良く配合され
ているのが望ましい。
【0142】上述の累積10%粒径、累積50%粒径、
累積90%粒径の範囲はこれらの点に着目して設定され
たものであり、これを満たす黒鉛材料は粒径の大きい粒
子から小さい粒子までバランス良く配合されている。し
たがって、過充電時等において電池の発熱が抑えられる
とともに初期不良が低減し、高い信頼性が得られる。な
お、これら累積粒径のうち、特に累積90%粒径は、初
期不良を防止する点から60μm以下であるのが望まし
い。
【0143】なお、粒子の粒径及び粒子個数は、例えば
マイクロトラック粒度分析計を用い、レーザー光の散乱
によって測定することができる。
【0144】次に、黒鉛粉末の破壊強度は次のようにし
て測定される、 <平均粒子破壊強度の測定方法>破壊強度の測定は、島
津微小圧縮試験機(島津製作所社製 商品名MCTM−
500)を用いて行う。
【0145】まず、付属の光学顕微鏡によって黒鉛粉末
を観察し、最も長さの長い部分の長さが平均粒径の±1
0%であるような粉末を10個選択する。そして、選択
した10個の粉末それぞれについて、荷重を掛けて破壊
強度を測定し、その平均値を算出する。この算出された
平均値が黒鉛粉末の平均粒子破壊強度である。
【0146】実用電池として十分な重負荷特性を得るに
は、黒鉛粉末の平均粒子破壊強度が6.0kgf/mm
2以上であるのが望ましい。なお、この破壊強度と負荷
特性には次のような関係がある。
【0147】まず、負荷特性には放電時のイオンの動き
易さが影響する。
【0148】ここで、電極材料に空孔が多く存在する場
合には、電極中に電解液が含浸され易いため、イオンが
移動し易く、良好な負荷特性が得られる。電極材料に空
孔が少ないと、イオンが移動し難いため、負荷特性の点
で劣ってしまう。
【0149】一方、結晶性の高い黒鉛材料は、a軸結晶
方向に黒鉛六角網面が発達しており、その積み重なりに
よってc軸の結晶子が成り立っている。この炭素六角網
面同士の結合はファンデルワールス力という弱い結合で
あり、応力に対して変形しやすい。このため、黒鉛材料
は、通常、圧縮成型によって電極に充填する際に潰れ易
く、空孔を確保しておくのが難しい。
【0150】上述したような破壊強度は、このような空
孔の潰れ難さの指標となるものである。黒鉛材料であっ
ても、破壊強度が6.0kg/mm2以上のものを選択
して用いれば、空孔が確保され、良好な負荷特性が得ら
れるようになる。
【0151】黒鉛材料としては以上のような物性を有す
るものが選択して用いられるが、この黒鉛材料は、天然
黒鉛であっても、有機材料を炭素化し、さらに高温処理
することで得られる人造黒鉛であっても良い。
【0152】人造黒鉛を生成するに際して、出発原料と
なる有機材料としては石炭やピッチが代表的である。
【0153】ピッチとしては、コールタール、エチレン
ボトム油、原油等の高温熱分解で得られるタール類、ア
スファルトなどより蒸留(真空蒸留、常圧蒸留、スチー
ム蒸留)、熱重縮合、抽出、化学重縮合等の操作によっ
て得られるものや、その他木材乾留時に生成するピッチ
等もある。
【0154】さらにピッチとなる出発原料としてはポリ
塩化ビニル樹脂,ポリビニルアセテート,ポリビニルブ
チラート,3,5−ジメチルフェノール樹脂等がある。
【0155】これら石炭,ピッチは、炭素化の途中、最
高400℃程度で液状で存在し、その温度で保持するこ
とで芳香環同士が縮合、多環化し積層配向した状態とな
り、その後500℃程度以上の温度になると固体の炭素
前駆体,すなわちセミコークスを形成する。このような
過程を液相炭素化過程と呼び、易黒鉛化炭素の典型的な
生成過程である。
【0156】その他、ナフタレン,フェナントレン,ア
ントラセン,トリフェニレン,ピレン,ペリレン,ペン
タフェン,ペンタセン等の縮合多環炭化水素化合物、そ
の他誘導体(例えばこれらのカルボン酸,カルボン酸無
水物,カルボン酸イミド等)あるいは混合物、アセナフ
チレン,インドール,イソインドール,キノリン,イソ
キノリン,キノキサリン,フタラジン,カルバゾール,
アクリジン,フェナジン,フェナントリジン等の縮合複
素環化合物、さらにはその誘導体も原料として使用可能
である。
【0157】以上の有機材料を出発原料として人造黒鉛
を生成するには、例えば、上記有機材料を窒素等の不活
性ガス気流中、温度300〜700℃で炭化した後、不
活性ガス気流中、昇温速度毎分1〜100℃、到達温度
900〜1500℃、到達温度での保持時間0〜30時
間程度の条件で仮焼し、さらに温度2000℃以上、好
ましくは2500℃以上で熱処理する。勿論、場合によ
っては炭化や仮焼操作は省略しても良い。
【0158】生成された黒鉛材料は分級あるいは粉砕・
分級して負極材料に供されるが、粉砕は、炭化、仮焼の
前後、あるいは、黒鉛化前の昇温過程の間のいずれで行
っても良い。これらの場合には、最終的に粉末状態で黒
鉛化のための熱処理が行われる。
【0159】但し、嵩密度や破壊強度の高い黒鉛粉末を
得るには、原料を成型体としたかたちで熱処理を行い、
得られた黒鉛化成型体を粉砕、分級するのが望ましい。
【0160】すなわち、黒鉛化成型体を作製するには、
フィラーとなるコークスと、成型剤あるいは焼結剤とな
るバインダーピッチを混合して成型する。そして、この
成型体を1000℃以下の低温で熱処理した後、溶融さ
せたバインダーピッチを含浸させるといったピッチ含浸
/焼成工程を数回繰り返した後、高温で熱処理する。含
浸させたバインダーピッチは、以上の熱処理過程で炭素
化し、黒鉛化される。そして、得られた黒鉛化成型体を
粉砕して黒鉛粉末とする。
【0161】このようにして得られた黒鉛化成型体の粉
砕粉は、嵩密度や破壊強度が高く、性能に優れた電極が
得られる。
【0162】また、フィラー(コークス)とバインダー
ピッチを原料にしているため、多結晶体として黒鉛化
し、また原料に含まれる硫黄や窒素が熱処理時にガスと
なって発生するため、その通り路にミクロな空孔が形成
される。空孔が形成されていると、負極の反応、すなわ
ちリチウムのドープ・脱ドープ反応が進行し易くなる。
また、空孔が空いていると、工業的に処理効率が高いと
いう利点もある。
【0163】なお、成型体の原料としては、それ自身に
成型性、焼結性を有するフィラーを用いても良い。この
場合には、バインダーピッチの使用は不要である。
【0164】負極材料としては、炭素材料の他、リチウ
ムイオンのドープ・脱ドープ可能な金属酸化物も使用可
能である。
【0165】金属酸化物としては、遷移金属を含有する
酸化物が好適であり、具体的には酸化鉄、酸化ルテニウ
ム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、
酸化スズ、酸化珪素等を主体とする結晶化合物あるいは
非結晶化合物が挙げられる。なお、このうち充放電電位
が比較的金属Liに近いものを用いるのが望ましい。
【0166】次に、正極の材料について説明する。
【0167】正極材料は、十分な量のLiを含んでいる
ことが好ましく、例えば一般式LiMO2(但し、Mは
Co,Ni,Mn,Fe,Al,V,Tiの少なくとも
1種を表す)で表されるリチウムと遷移金属からなる複
合金属酸化物やLiを含んだ層間化合物等が好適であ
る。
【0168】特に、高容量を達成するためには、正極
は、定常状態(例えば5回程度充放電を繰り返した後)
で、炭素材料1g当たり250mAh以上の充放電容量
相当分のLiをふくむことが必要であり、300mAh
以上の充放電容量相当分のLiを含むことがより好まし
い。
【0169】なお、Liは必ずしも正極からすべて供給
される必要はなく、要は電池系内に炭素質材料1g当た
り250mAh以上の充放電容量相当分のLiが存在す
れば良い。なお、この電池系内のLi量は、電池の放電
容量を測定することによって判断することとする。
【0170】
【実施例】以下、本発明の実施例について実験結果に基
づいて説明する。
【0171】実験例1 まず、負極活物質を次のようにして合成した。
【0172】フィラーとなる石炭系コークス100重量
部に対し、バインダーとなるコールタール系ピッチを3
0重量部加え、温度約100℃で混合した後、プレスに
て圧縮成型し、炭素成型体の前駆体を得た。
【0173】次いで、この前駆体を1000℃以下の温
度で熱処理して炭素材料成型体を作製した。そして、こ
の炭素材料成型体に、200℃以下の温度で溶融させた
バインダーピッチを含浸し、1000℃以下の温度で熱
処理するというピッチ含浸/焼成工程を繰り返し行っ
た。
【0174】その後、この炭素成型体を、不活性雰囲気
下、温度2700℃で熱処理することによって黒鉛化成
型体とし、粉砕,分級することによって黒鉛試料粉末を
作製した。
【0175】このとき得られた黒鉛材料の物性値を以下
に示す。
【0176】(002)面の面間隔:0.337nm (002)面のC軸結晶子厚み:50.0nm 真密度:2.23g/cm3 嵩密度:0.83g/cm3 平均形状パラメータXave:10 比表面積:4.4m2/g 粒度: 平均粒径;31.2μm 累積10%粒径;12.3μm 累積50%粒径;29.5μm 累積90%粒径;53.7μm 粒子の破壊強度の平均値;7.1kgf/mm2 なお、(002)面の面間隔及び(002)面のC軸結
晶子厚みはX線回折測定、真密度はピクノメータ法、比
表面積はBET法、粒度はレーザ回折法による粒度分布
からそれぞれ測定した。
【0177】そして、以上のようにして得た黒鉛試料粉
末を負極活物質として図3に示される負極1を作製し
た。
【0178】まず、黒鉛試料粉末を90重量部と、結着
剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部
を混合して負極合剤を調製し、溶剤となるN−メチルピ
ロリドンに分散させることで負極合剤スラリー(ペース
ト状)とした。
【0179】次いで、負極集電体10として厚さ10μ
mの帯状銅箔を用意し、この負極集電体10の両面に上
記負極合剤スラリーを均一に塗布、乾燥させた後、一定
圧力で圧縮成型することによって帯状負極1を作製し
た。
【0180】一方、正極活物質は次のようにして生成し
た。
【0181】炭酸リチウム0.5モルと炭酸コバルト1
モルを混合し、この混合物を、空気中、温度900℃で
5時間焼成した。得られた材料についてX線回折測定を
行った結果、JCPDSファイルに登録されたLiCo
2のピークと良く一致していた。
【0182】このLiCoO2を粉砕し、レーザ回折法
で得られる累積50%粒径が15μmのLiCoO2
末を得た。
【0183】そして、このLiCoO2粉末95重量部
と炭酸リチウム粉末5重量部を混合し、この混合物のう
ち91重量部を、導電剤として燐片状黒鉛6重量部と結
着剤としてポリフッ化ビニリデン3重量部と混合して正
極合剤を調製し、N−メチルピロリドンに分散させるこ
とで正極合剤スラリー(ペースト状)とした。
【0184】次いで、正極集電体11として厚さ20μ
mの帯状のアルミニウム箔を用意し、この正極集電体1
1の両面に上記正極合剤スラリーを均一に塗布、乾燥さ
せた後、圧縮成型することで帯状正極2を作製した。
【0185】以上のようにして作製された帯状負極1、
帯状正極2を、図3に示すように厚さ25μmの微多孔
性ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータを介し
て、負極1、セパレータ3、正極2、セパレータ3の順
に積層してから多数回巻回し、外径18mmの渦巻型電
極体を作製した。
【0186】このようにして作製した渦巻型電極体を、
上下両面に絶縁板4を載置した状態でニッケルめっきを
施した鉄製電池缶5に収納した。
【0187】そして、アルミニウム製正極リード13を
正極集電体11から導出して電流遮断用薄板8に、ニッ
ケル製負極リード12を負極集電体10から導出して電
池缶5に溶接した。
【0188】そして、この電池缶5の中に非水電解液を
注入した。この非水電解液には、エチレンカーボネート
とジメチルカーボネートの等容量混合溶媒に、LiPF
6を1mol/lなる濃度で溶解し、さらに、下記の化
59で示されるメトキシベンゼン系化合物を0.05M
なる濃度で添加し、不純物として、Fe、Ca、Al、
K、Si、H2O、及び化60〜74で示される有機物
を所定量添加したものを用いた。
【0189】
【化59】
【0190】
【化60】
【0191】
【化61】
【0192】
【化62】
【0193】
【化63】
【0194】
【化64】
【0195】
【化65】
【0196】
【化66】
【0197】
【化67】
【0198】
【化68】
【0199】
【化69】
【0200】
【化70】
【0201】
【化71】
【0202】
【化72】
【0203】
【化73】
【0204】
【化74】
【0205】次いで、アスファルトで表面を塗布した絶
縁封口ガスケット6を介して電池缶5をかしめること
で、電流遮断機構を有する安全弁装置8、PTC素子9
並びに電池蓋7を固定し、電池内の気密性を保持させ、
直径18mm、高さ65mmの円筒型非水電解液二次電
池(実験例1−1〜実験例1−21)を作製した。
【0206】実験例2 非水電解液に、メトキシベンゼン系化合物と不純物を添
加しないこと以外は、実験例1と同様にして円筒型非水
電解液二次電池(実験例2)を作製した。
【0207】実験例3 非水電解液に不純物を添加しないこと以外は、実験例1
と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例3)を
作製した。
【0208】実験例4 エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量
混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解
し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン
系化合物を0.05Mなる濃度で添加し、不純物とし
て、Fe、Ca、Al、K、Si、H2O、及び化60
〜74で示される有機物を所定量添加した非水電解液を
用いた。これ以外は、実験例1と同様にして円筒型非水
電解液二次電池(実験例4−1〜実験例4−21)を作
製した。
【0209】
【化75】
【0210】実験例5 非水電解液に不純物を添加しないこと以外は、実験例4
と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例5)を
作製した。
【0211】実験例6 エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量
混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解
し、さらに、下記の化76で示されるメトキシベンゼン
系化合物を0.02Mなる濃度で添加し、不純物とし
て、Fe、Ca、Al、K、Si、H2O、化60〜7
4で示される有機物を所定量添加した非水電解液を用い
た。これ以外は、実験例1と同様にして円筒型非水電解
液二次電池(実験例6−1〜実験例6−21)を作製し
た。
【0212】
【化76】
【0213】実験例7 非水電解液に不純物を添加しないこと以外は、実験例6
と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例7)を
作製した。
【0214】実験例8 エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量
混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解
し、メトキシベンゼン系化合物を添加せずに、不純物と
して、Fe、Ca、Al、K、Si、H2O、及び化6
0〜74で示される有機物を所定量添加した非水電解液
を用いた。これ以外は、実験例1と同様にして円筒型非
水電解液二次電池(実験例8−1〜実験例8−21)を
作製した。
【0215】実験例9 エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量
混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解
し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン
系化合物を0.1Mなる濃度で添加し、不純物として、
Kを3〜3000ppmなる濃度で添加した非水電解液
を用いた。これ以外は、実験例1と同様にして円筒型非
水電解液二次電池(実験例9−1〜実験例9−7)を作
製した。
【0216】実験例10 エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量
混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解
し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン
系化合物を0.1Mなる濃度で添加し、不純物として、
Siを2〜10000ppmなる濃度で添加した非水電
解液を用いた。これ以外は、実験例1と同様にして円筒
型非水電解液二次電池(実験例10−1〜実験例10−
10)を作製した。
【0217】実験例11 エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量
混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解
し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン
系化合物を0.1Mなる濃度で添加し、不純物として、
2Oを4〜3000ppmなる濃度で添加した非水電
解液を用いた。これ以外は、実験例1と同様にして円筒
型非水電解液二次電池(実験例11−1〜実験例11−
7)を作製した。
【0218】実験例12 エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量
混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解
し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン
系化合物を0.1Mなる濃度で添加し、不純物として、
化60で示される有機物を8〜10000ppmなる濃
度で添加した非水電解液を用いた。これ以外は、実験例
1と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例12
−1〜実験例12−8)を作製した。
【0219】実験例13 エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量
混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解
し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン
系化合物を0.1Mなる濃度で添加し、不純物として、
化64で示される有機物を8〜10000ppmなる濃
度で添加した非水電解液を用いた。これ以外は、実験例
1と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例13
−1〜実験例13−7)を作製した。
【0220】実験例14 エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量
混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解
し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン
系化合物を0.1Mなる濃度で添加し、不純物として、
化67で示される有機物を5〜8000ppmなる濃度
で添加した非水電解液を用いた。これ以外は、実験例1
と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例14−
1〜実験例14−6)を作製した。
【0221】実験例15 エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの等容量
混合溶媒に、LiPF6を1mol/lなる濃度で溶解
し、さらに、下記の化75で示されるメトキシベンゼン
系化合物を0.1Mなる濃度で添加し、不純物として、
化71で示される有機物を4〜10000ppmなる濃
度で添加した非水電解液を用いた。これ以外は、実験例
1と同様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例15
−1〜実験例15−7)を作製した。
【0222】実験例16 非水電解液に不純物を添加しない以外は、実験例9と同
様にして円筒型非水電解液二次電池(実験例16)を作
製した。
【0223】評価 以上のように作製された非水電解液二次電池について、
充放電を行い、容量及び充放電効率を測定した。充電
は、定電流0.4A、最大電圧4.2V、7時間の定電
流定電圧条件とし、放電は、定電流0.4Aで終止電圧
2.75Vまで行った。そして、下記の式3を用いて充
放電効率を算出した。
【0224】 充放電効率[%]=(放電容量/充電容量)×100 ・・・式3 その後、同電池を同様の条件で充電し、温度23℃にて
1カ月保存した後、前記条件で放電し、下記の式4を用
いて容量維持率を算出した。
【0225】 容量維持率[%]=(保存後容量/保存前容量)×100 ・・・式4 その結果をメトキシベンゼン系化合物の種類並びに添加
量、及び不純物の種類並びに添加量と併せて表1〜表1
3に示す。また、実験例9〜実験例16における不純物
濃度と容量との関係を図4及び図5に示す。
【0226】
【表1】
【0227】
【表2】
【0228】
【表3】
【0229】
【表4】
【0230】
【表5】
【0231】
【表6】
【0232】
【表7】
【0233】
【表8】
【0234】
【表9】
【0235】
【表10】
【0236】
【表11】
【0237】
【表12】
【0238】
【表13】
【0239】これら実験例の結果から、メトキシベンゼ
ン系化合物を含有する非水電解液中の不純物の濃度を規
定することにより、メトキシベンゼン系のみが添加され
た時よりも、容量が大きく、且つ保存性(容量劣化抑制
効果)に優れる非水電解液二次電池を得られることがわ
かる。また、不純物の濃度が小さすぎる場合には、不純
物を添加した効果がなく、不純物の濃度が大きすぎる場
合には、かえって容量の低下につながるため好ましくな
いことがわかる。
【0240】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、非水電解液が、メトキシベンゼン系化合物
を含有すると共に、5〜7000ppmなる濃度で不純
物を含有してなることから、充電状態で生じる正極及び
負極における不可逆反応が抑制され、容量の劣化が抑制
される。その結果、容量が大きく、かつ保存性に優れた
非水電解液二次電池を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】黒鉛の粒子形状の一例を示す模式図である。
【図2】黒鉛の粒子形状の他の例を示す模式図である。
【図3】本発明を適用した非水電解液二次電池の一構成
例を示す縦断面図である。
【図4】実験例9〜実験例11における不純物濃度と容
量との関係を示す特性図である。
【図5】実験例12〜実験例15における不純物濃度と
容量との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 負極、2 正極、3 セパレータ、4 絶縁板、5
電池缶、6 絶縁封口ガスケット、7 電池蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永峰 政幸 福島県郡山市日和田町高倉字下杉下1番地 の1 株式会社ソニー・エナジー・テック 内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムをドープ・脱ドープすることが
    可能な負極、正極及び非水溶媒に電解質が溶解されてな
    る非水電解液を有してなる非水電解液二次電池におい
    て、 上記非水電解液は、少なくとも1種以上のメトキシベン
    ゼン系化合物を含有すると共に、不純物を5〜7000
    ppmなる濃度で含有することを特徴とする非水電解液
    二次電池。
  2. 【請求項2】 上記不純物は、イオンからなることを特
    徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  3. 【請求項3】 上記不純物は、Li、Si、Mg、A
    l、Ca、Fe、K、Na、F、O、Pから選ばれてな
    る元素を少なくとも1以上含むイオンであることを特徴
    とする請求項2記載の非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 上記不純物は、水であることを特徴とす
    る請求項1記載の非水電解液二次電池。
  5. 【請求項5】 上記不純物は、芳香族化合物であること
    を特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  6. 【請求項6】 上記不純物は、ベンゼンハロゲン化物で
    あることを特徴とする請求項5記載の非水電解液二次電
    池。
  7. 【請求項7】 メトキシベンゼン系化合物は、不純物と
    して、該メトキシベンゼン系化合物の異性体を含むこと
    を特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  8. 【請求項8】 上記不純物は、脂肪族炭化水素化合物で
    あることを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電
    池。
  9. 【請求項9】 上記脂肪族炭化水素化合物は、カルボニ
    ル基を有することを特徴とする請求項8記載の非水電解
    液二次電池。
  10. 【請求項10】 上記脂肪族炭化水素化合物は、カルボ
    キシル基を有することを特徴とする請求項8記載の非水
    電解液二次電池。
  11. 【請求項11】 上記脂肪族炭化水素化合物は、エーテ
    ル結合を有することを特徴とする請求項8記載の非水電
    解液二次電池。
  12. 【請求項12】 上記不純物は、窒素を有することを特
    徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  13. 【請求項13】 上記不純物は、硫黄を有することを特
    徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  14. 【請求項14】 上記非水電解液は、メトキシベンゼン
    系化合物を0.005〜0.8Mなる濃度で含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  15. 【請求項15】 メトキシベンゼン系化合物は、メトキ
    シ基以外の水素基の少なくとも1以上がハロゲン元素に
    より置換されてなることを特徴とする請求項1記載の非
    水電解液二次電池。
  16. 【請求項16】 上記ハロゲン元素は、Fであることを
    特徴とする請求項15記載の非水電解液二次電池。
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